JP2020033129A - 保守端末およびロータリエンコーダ点検方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、エレベーターのロータリエンコーダの点検において、異常が検出された際の停止時間を最低限に抑えるとともに、均質な故障対応を可能とし、サービスの品質と効率とを向上させる。【解決手段】撮影装置316で撮影したロータリエンコーダ115の映像510を取得する映像取得部324と、制御装置200から、乗りかご111の速度指令値と実速度とを取得する速度情報取得部322と、映像取得部324で取得したロータリエンコーダ115の映像510を解析し、ロータリエンコーダ115の振動量を算出する映像解析部325と、実速度、速度指令値および振動量を用い、ロータリエンコーダ115の状態を判定する判定部326と、判定部326の判定結果をディスプレイ315に出力する表示制御部327と、を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、エレベーターの点検技術に関する。特に、ロータリエンコーダの点検技術に関する。
例えば、速度検出器として用いられる、エレベーターのロータリエンコーダの異常を検出する技術がある。例えば、特許文献1には、「エレベーターが自動運転にて起動するときは、速度制御装手段から発せされた起動指令信号と、エレベーターのドア開閉可能位置を示すドアゾーン検出信号と、速度検出器から出力された速度検出信号により、ドアゾーン内から起動したことを認識し、速度検出信号が所定値未満である状態で、かつ、かごがドアゾーン外にあることを認識した場合、速度検出器異常と判定する。また、またエレベーターが手動運転で起動するときは、かご内負荷検出器によるかご内負荷量と速度制御手段から発せられた起動方向にて異常検出時限を設定し、起動開始から異常検出時限経過後に速度検出信号が所定値未満である場合、速度検出器異常と判定する(要約抜粋)」技術が開示されている。
エレベーターでは、ロータリエンコーダを使用して乗りかごの昇降速度を測定する。そして、測定した速度に基づいて、乗りかごの走行の制御を行う。従って、ロータリエンコーダに異常が発生すると、乗りかごの速度を正確に測定できず、正確な制御もできない。それに伴い、乗りかごの速度が出すぎて着床時の衝撃が増加したり、乗りかごの停止位置がずれたりすることがある。
ロータリエンコーダは、モータに後付けするものである。従って、ロータリエンコーダの異常は、装置そのものの故障で発生する場合と、取り付けが不良であるために発生する場合とがある。
エレベーターに何等かの異常が発生した際、特許文献1に開示のロータリエンコーダの点検技術を用いれば、それが、ロータリエンコーダの異常に起因するものであるか否かは特定できる。しかしながら、特許文献1に開示の技術では、ロータリエンコーダの異常に起因すると特定できた場合であっても、その原因までは、把握できない。従って、保守員は、さらに、原因を特定する作業が要求され、異常発生後の対応に時間がかかる。これにより、エレベーターの停止時間も長引く。また、原因を特定するにあたり、その判断および対処に保守員の経験による差が出る可能性もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、エレベーターのロータリエンコーダの点検において、異常が検出された際の停止時間を最低限に抑えるとともに、保守員の経験量によらず均質な故障対応を可能とし、サービスの品質と効率とを向上させることを目的とする。
本発明は、エレベーターの点検に用いる保守端末であって、前記エレベーターのロータリエンコーダを撮影する撮影装置と、前記撮影装置で撮影した前記ロータリエンコーダの映像を取得する映像取得部と、エレベーターの制御装置から、乗りかごの走行速度の指令値である速度指令値と、前記乗りかごの実際の速度である実速度とを取得する速度情報取得部と、前記映像取得部で取得した前記ロータリエンコーダの映像を解析し、前記ロータリエンコーダの振動量を算出する映像解析部と、前記実速度、前記速度指令値および前記振動量を用い、前記ロータリエンコーダの状態を判定する判定部と、前記判定部の判定結果をディスプレイに出力する表示制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、撮影装置を有する保守端末を用いてエレベーターのロータリエンコーダを点検するロータリエンコーダ点検方法であって、予め定めた方向から前記ロータリエンコーダを撮影し、当該ロータリエンコーダの映像を得、当該映像を解析して前記ロータリエンコーダの振動量を算出し、前記ロータリエンコーダを撮影中、乗りかごの走行速度の指令値である速度指令値と、前記乗りかごの実際の速度である実速度とを取得し、前記速度指令値と前記実速度とを比較し、前記ロータリエンコーダの振動量の大きさを判別することにより、前記ロータリエンコーダの状態が、正常であるか、取付不良であるか、故障であるかを判定し、判定結果をユーザに提示することを特徴とする。
本発明は、エレベーターのロータリエンコーダに異常が発生した際、保守員の経験量によらず均質な故障対応を短時間で提供し、サービスの品質と効率とを向上する。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明の一実施形態を、図を用いて説明する。本実施形態では、乗りかごの走行速度の指令値である速度指令値と乗りかごの実際の速度である実速度との差、および、ロータリエンコーダの振動の有無により、ロータリエンコーダの異常の有無および異常がある場合のその原因を判定する。
まず、本実施形態のロータリエンコーダ点検システム100の全体構成について概要を説明する。図1は、本実施形態のロータリエンコーダ点検システム100の一例の構成を示す全体図である。ただし、本実施形態に関連する構成のみ抽出して説明する。
本実施形態のロータリエンコーダ点検システム100は、エレベーター110と、保守端末300とを備える。
[エレベーター]
まず、エレベーター110について、本実施形態に関連する構成を取り上げて説明する。エレベーター110は、乗りかご111と、釣合錘113と、巻上機114と、本実施形態の点検対象であるロータリエンコーダ(RE)115と、ブラケット116と、主ロープ117と、制御装置200と、を備える。
まず、エレベーター110について、本実施形態に関連する構成を取り上げて説明する。エレベーター110は、乗りかご111と、釣合錘113と、巻上機114と、本実施形態の点検対象であるロータリエンコーダ(RE)115と、ブラケット116と、主ロープ117と、制御装置200と、を備える。
乗りかご111は、エレベーター110が設置されるビルの昇降路内に設けられる。釣合錘113も、昇降路内に吊り下げられる。主ロープ117は、一端が乗りかご111に、他端が釣合錘113に取り付けられる。巻上機114は、例えば、機械室に回転可能に設置され、主ロープ117が巻き掛けられる。このような構成のエレベーター110では、巻上機114が、制御装置200から受信した制御信号に従って回転することにより、乗りかご111を釣合錘113に対して相対的に昇降させる。
ロータリエンコーダ115は、円筒形状を有し、ブラケット116に支持される。ロータリエンコーダ115のローラーが巻上機114と接し、巻上機114の回転に合わせてロータリエンコーダ115もその中心軸まわりに回転する。ロータリエンコーダ115は、回転に応じて信号(回転信号)を制御装置200に送信する。
制御装置200は、巻上機114とロータリエンコーダ115と通信接続され、乗りかご111の昇降速度を制御する。制御装置200は、送信された回転信号に基づいて、巻上機114のスピードを計算し、乗りかご111の速度を算出する。また、制御装置200は、階床情報と乗りかご111の速度とに応じて速度指令値を生成して、巻上機114に出力することで巻上機114の回転速度を調整し、乗りかご111の速度を制御する。
さらに、制御装置200は、保守端末300と通信接続され、保守端末300からの制御指令に応じて、乗りかご111の昇降を制御する。また、乗りかご111および各安全装置の状態等を保守端末300に送信する。なお、制御指令には、走行指令も含まれる。
[保守端末]
保守端末300は、保守員301が携帯する。保守端末300は、制御装置200と通信接続され、制御装置200に対し、制御指令を出力する。また、制御装置200が保持するデータの読出し、データの書き換え等も行う。
保守端末300は、保守員301が携帯する。保守端末300は、制御装置200と通信接続され、制御装置200に対し、制御指令を出力する。また、制御装置200が保持するデータの読出し、データの書き換え等も行う。
保守端末300は、例えば、保守員301が保守作業時に携帯する作業用端末、携帯端末、タブレット等の、通信機能を有する可搬型の情報処理装置で実現される。また、本実施形態では、ロータリエンコーダ115の映像を取得するため、例えば、カメラなどの撮影装置を備える。さらにスタンド390に固定可能な構成を有する。保守端末300は、ロータリエンコーダ115撮影時は、スタンド390に固定される。
次に、本実施形態の制御装置200および保守端末300との、ロータリエンコーダ115の点検処理に関連する機能について説明する。図2は、制御装置200および保守端末300それぞれの、ハードウェア構成図である。また、図3は、本実施形態の制御装置200および保守端末300それぞれの、機能ブロック図である。
[制御装置のハードウェア構成]
制御装置200は、図2(a)に示すように、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置211と、演算装置211がプログラムを実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)等のメモリ212と、演算装置211が実行するプログラム等を格納するROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置213と、通信装置214と、を備える。本実施形態の制御装置200は、これらの演算装置211と、記憶装置213と、メモリ212と、通信装置214とを含むハードウェアと、記憶装置213に記憶され、演算装置211により実行されるソフトウェアとにより構成される。
制御装置200は、図2(a)に示すように、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置211と、演算装置211がプログラムを実行する際の作業領域となるRAM(Random Access Memory)等のメモリ212と、演算装置211が実行するプログラム等を格納するROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置213と、通信装置214と、を備える。本実施形態の制御装置200は、これらの演算装置211と、記憶装置213と、メモリ212と、通信装置214とを含むハードウェアと、記憶装置213に記憶され、演算装置211により実行されるソフトウェアとにより構成される。
記憶装置213には、乗りかご111をはじめとするエレベーター110を構成する各部の動作履歴、操作履歴、および、故障履歴等が記憶される。このような構成の制御装置200では、ハードウェアとソフトウェアとが協働することにより、ロータリエンコーダ115の点検に必要な機能が実現される。
なお、制御装置200は、入出力のインタフェース(入出力I/F)215を備えていてもよい。入出力I/F215は、保守員301からの指示を受け付けるとともに、制御装置200での処理結果を保守員301に提示する。入出力I/F215は、例えば、ディスプレイ、キーボード、マウス等で構成される。
[保守端末のハードウェア構成]
保守端末300は、図2(b)に示すように、CPU等の端末演算装置311と、端末演算装置311がプログラムを実行する際の作業領域となるRAM等の端末メモリ312と、端末演算装置311が実行するプログラム等を格納するROMやHDD等の端末記憶装置313と、端末通信装置314と、撮影装置316と、入出力インタフェース(I/F)315と、撮影装置316と、を備える。本実施形態の保守端末300は、これらのハードウェアと、端末記憶装置313に記憶され、端末演算装置311により実行されるソフトウェアとにより構成される。保守端末300では、ハードウェアとソフトウェアとが協働することにより、ロータリエンコーダ115の点検に必要な機能が実現される。
保守端末300は、図2(b)に示すように、CPU等の端末演算装置311と、端末演算装置311がプログラムを実行する際の作業領域となるRAM等の端末メモリ312と、端末演算装置311が実行するプログラム等を格納するROMやHDD等の端末記憶装置313と、端末通信装置314と、撮影装置316と、入出力インタフェース(I/F)315と、撮影装置316と、を備える。本実施形態の保守端末300は、これらのハードウェアと、端末記憶装置313に記憶され、端末演算装置311により実行されるソフトウェアとにより構成される。保守端末300では、ハードウェアとソフトウェアとが協働することにより、ロータリエンコーダ115の点検に必要な機能が実現される。
本実施形態では、端末入出力I/F315として、タッチパネル内蔵の表示装置(ディスプレイ)を用いる。以下、端末入出力I/F315を、ディスプレイ315とも呼ぶ。本実施形態のディスプレイ315は、撮影装置316が取得した映像のファインダ(モニタ)としても機能する。すなわち、撮影装置316が取得した映像を表示する。
[制御装置の機能ブロック]
次に、制御装置200において、演算装置211がプログラムを実行することにより実現される制御部270の機能を説明する。ここでは、本実施形態に関連する機能を抽出して説明する。
次に、制御装置200において、演算装置211がプログラムを実行することにより実現される制御部270の機能を説明する。ここでは、本実施形態に関連する機能を抽出して説明する。
本実施形態の制御部270は、図3に示すように、速度計測部220と、速度情報送信部230と、走行制御部240と、を備える。
走行制御部240は、乗りかご111の走行を制御する。走行制御部240は、受信した走行指令に従って乗りかご111の走行速度の指令値として速度指令値を算出し、巻上機114に出力する。また、算出した速度指令値を、算出した時刻に対応づけて、速度指令値データ281として記憶装置213に記憶する。
走行指令は、例えば、かご内ボタン、乗り場ボタン、保守端末300から送信される。走行制御部240は、例えば、かご内ボタンにより指定された目的階に乗りかご111を走行させ、当該目的階の乗り場に着床させる。また、乗り場に設けられた乗り場ボタンが押下されると、当該乗り場に乗りかご111を走行させ、着床させる。また、保守端末300からの指示に従って、乗りかご111を走行させる。
なお、走行指令には、走行パターンを特定する情報が含まれる。そして、走行パターンごとに、時間またはイベントに応じて生成する速度指令値が、予め記憶装置213に格納される。走行パターンには、例えば、通常走行、後述するロータリエンコーダ(RE)点検走行等がある。
速度計測部220は、ロータリエンコーダ(RE)115から送信された回転信号に基づいて、乗りかご111の実際の速度である実速度を算出する。算出した実速度は、算出した時刻に対応づけて、実速度データ282として、記憶装置213に記憶する。
速度情報送信部230は、保守端末300からの指示に応じて、所定の時間間隔で、記憶装置213から速度指令値と実速度とを読み出し、通信装置214を介して指示元の保守端末300に送信する。
[保守端末の機能ブロック]
次に、保守端末300の、ロータリエンコーダ115の点検処理に関連する機能を説明する。
次に、保守端末300の、ロータリエンコーダ115の点検処理に関連する機能を説明する。
本実施形態の保守端末300は、図3に示すように、ロータリエンコーダ(RE)点検部320を備える。RE点検部320は、端末演算装置311が、端末記憶装置313に格納されたRE点検ソフトウェア(RE点検アプリ)を実行することにより実現される機能である。
また、RE点検部320は、走行指令部321と、速度情報取得部322と、映像取得部324と、映像解析部325と、判定部326と、表示制御部327と、を備える。
走行指令部321は、走行指令を生成し、端末通信装置314を介して制御装置200に乗りかご111の昇降を指示する。本実施形態では、ロータリエンコーダ115の点検用の走行であるRE点検走行を指示する。RE点検走行では、まず、乗りかご111を、最上階または最下階の端階まで走行させ、その端階から、反対の端階まで走行させる。これは、ロータリエンコーダ115の点検において、速度指令値として、最大速度、すなわち、定格速度が出力される状態を得るためである。
走行指令部321が走行指令を生成するために用いるデータは、走行データ332として、予め端末記憶装置313に記憶される。
速度情報取得部322は、RE点検走行中、所定の時間間隔で、制御装置200から、端末通信装置314を介して、乗りかご111の実際の速度(実速度)と、巻上機114へ出力した速度指令値とを取得する。取得した実速度および速度指令値は、取得時刻に対応づけて、速度データ333として、端末記憶装置313に記憶する。なお、実速度と速度指令値とは、同期して取得することが望ましい。しかしながら、それぞれ、別個のタイミングで取得してもよい。
映像取得部324は、保守員301が、保守端末300の撮影装置316を用いてロータリエンコーダ115の映像を取得することを支援しつつ、映像を取得する。支援にあたり、映像取得部324は、保守員301が、ロータリエンコーダ115と他の部品とを識別でき、ロータリエンコーダ115にフォーカスすることを促す表示画面を生成し、ディスプレイ315に表示する。
具体的には、映像取得部324は、ロータリエンコーダ(RE)点検支援画面を生成し、後述する表示制御部327により、ディスプレイ315に表示させる。RE点検支援画面の詳細は後述する。
また、映像取得部324は、録画の指示を受け付けた場合、取得した映像を、端末記憶装置313に映像データ334として記憶する。本実施形態では、後述するように、映像解析部325が、ロータリエンコーダの識別に成功すると、録画開始の指示を映像取得部324に送信する。このとき、取得した映像には、それぞれ、取得時刻が対応づけられる。なお、映像は、その後、解析処理に用いるため、格納時に圧縮処理を施さないことが望ましい。後述する解析処理に影響を与えない圧縮処理は施してもよい。
映像解析部325は、映像取得部324が取得した映像を解析する。本実施形態では、まず、映像の録画を開始する前、ファインダに表示された映像を解析し、ロータリエンコーダ115が、構図上、振動を解析可能な位置に配置されているかを判別する。また、本実施形態の映像解析部325は、録画された映像(映像データ334)を解析し、ロータリエンコーダ115の振動量を算出する。算出した振動量は、判定部326に出力する。なお、振動量算出の詳細は、後述する。
判定部326は、ロータリエンコーダ115に異常が発生しているか否かを判定する。判定は、速度指令値、実速度、および、振動量を用いて行う。そして、異常が発生していると判定された場合、その原因を判定する。本実施形態では、異常の原因として、ロータリエンコーダ115の状態を判定する。
異常の原因として判定されるロータリエンコーダ115の状態は、例えば、ロータリエンコーダ115自体の故障、あるいは、ロータリエンコーダ115の取り付けが不良(取付不良)のいずれかとする。判定結果は、後述する表示制御部327を介してディスプレイ315に表示する。
表示制御部327は、ディスプレイ315への表示を制御する。本実施形態では、保守員301から受け付けた指示に従って、端末記憶装置313に記憶される画面データ331および各部の処理結果を用いて表示データを生成し、ディスプレイ315へ表示する。また、ロータリエンコーダ点検部320の各種の処理結果をディスプレイ315に表示する。表示内容の詳細は、後述する。
[映像取得支援]
次に、本実施形態のRE点検部320による映像取得支援手法を説明する。本実施形態では、図4(a)および図4(b)に示すように、ロータリエンコーダ115を、その回転軸115aに直交する方向(図4(a)の矢印方向)から撮影する。すなわち、円筒形状のロータリエンコーダ115の側面115sを撮影する。
次に、本実施形態のRE点検部320による映像取得支援手法を説明する。本実施形態では、図4(a)および図4(b)に示すように、ロータリエンコーダ115を、その回転軸115aに直交する方向(図4(a)の矢印方向)から撮影する。すなわち、円筒形状のロータリエンコーダ115の側面115sを撮影する。
本実施形態の映像取得部324は、ロータリエンコーダ115の側面115sの映像を取得することを支援するため、点検開始の指示を受け付けると、RE点検画面410を生成し、表示制御部327に表示させる。
生成されるRE点検画面410は、図5(a)に示すように、ガイド枠411を備える。
ガイド枠411は、ディスプレイ315(モニタ)内で被写体であるロータリエンコーダ115の側面115sを収める領域を特定する。ガイド枠411は、ロータリエンコーダ115の側面115sの外郭と相似する形状とする。また、ガイド枠411は、モニタ内の予め定めた領域に、予め定めたサイズで設定される。例えば、当該ガイド枠411で定まる領域に、ロータリエンコーダ115の側面115sの全体が適切なサイズで収まっている場合、ロータリエンコーダ115に焦点が合い、かつ、ロータリエンコーダ115の振動量を算出できる領域に設定される。ガイド枠411を含む画面データ331は、予め端末記憶装置313に記憶される。
なお、ロータリエンコーダ115の側面115sの縦横比は、ロータリエンコーダ115の型式ごとに異なる。従って、ガイド枠411は、使用する可能性のあるロータリエンコーダ115毎に、予め作成し、端末記憶装置313に格納しておく。映像取得部324は、予め登録された、点検対象のロータリエンコーダ115の型式に応じて、該当するガイド枠411の画面データ331を取得し、表示制御部327にディスプレイ315に表示させる。
RE点検画面410は、被写体であるロータリエンコーダ115がガイド枠411に収まるようにセットすることを促すメッセージを表示するメッセージ表示領域412をさらに備えてもよい。
保守員301は、図5(b)に示すように、モニタの表示を見ながら保守端末300の位置を調整する。そして、図5(c)に示すように、ガイド枠411に、ロータリエンコーダ115の側面115sが収まるよう、保守端末300の配置を決定する。
映像解析部325は、保守員301が位置を調整している間、ロータリエンコーダ115の側面115sが、ガイド枠411内に、予め定めた適切なサイズで収まっているかを解析する。例えば、ガイド枠411内で、側面115sの映像が所定の面積以上を占めているかを判別する。
側面115sがガイド枠411内で所定の面積以上を占めていると判断した場合、映像解析部325は、ロータリエンコーダ115を、識別成功と判別し、その旨、表示制御部327を介してディスプレイ315に出力する。
一方、所定の時間経過しても、ガイド枠411内で側面115sの映像が所定の面積未満(0も含む)である場合、識別不成功と判別する。この場合も、表示制御部327を介してディスプレイ315に判別結果を出力する。このとき、例えば、再配置を促す指示を併せて表示してもよい。
さらに映像解析部325は、識別成功と判別した場合、その旨、走行指令部321および映像取得部324にも出力する。走行指令部321は、それを受け、ロータリエンコーダ点検走行を開始させる。また、映像取得部324は、取得した映像の記録、すなわち、録画を開始する。
なお、撮影時は、保守端末300とロータリエンコーダ115との位置関係が安定するよう、保守端末300をスタンド390に固定し、配置を決定する。
また、映像取得部324は、図6(a)に示すように、取得した映像構成する個々の画像510において、ガイド枠411に対応する位置に画像枠511を重畳し、映像データ334とする。なお、図6(a)において、512は、撮影した側面115sの画像である。
[振動量算出]
次に、映像解析部325による振動量を算出する映像解析を説明する。本実施形態では、上述のように、端末記憶装置313の映像データ334を解析してロータリエンコーダ115の振動量を得る。本実施形態では、ロータリエンコーダ115の回転軸115aの偏心量を、振動量として算出する。
次に、映像解析部325による振動量を算出する映像解析を説明する。本実施形態では、上述のように、端末記憶装置313の映像データ334を解析してロータリエンコーダ115の振動量を得る。本実施形態では、ロータリエンコーダ115の回転軸115aの偏心量を、振動量として算出する。
具体的には、映像解析部325は、判定部326からの指示に従って、RE点検走行中に取得した映像データ334の各画像510をそれぞれ解析し、側面115sの画像512を抽出する。そして、図6(b)および図6(c)に示すように、抽出した画像512の画像枠511外の領域を、はみ出し領域513とし、その面積を算出する。そして、映像内で、側面115sの画像512の占める全面積に対する、はみ出し領域513の面積の割合を算出し、当該映像データ334の振動量(単独振動量)とする。そして、解析対象の全ての映像データ334の単独振動量に対して統計処理を施し、映像解析結果の振動量として出力する。
ここで施す統計処理は、例えば、各単独振動量の平均値、最大値、最頻値を算出する処理である。
なお、映像取得部324が画像510を記録する毎に、画像510の解析を行ってもよい。この場合、算出した割合を、解析対象の画像510に対応づけて、映像データ334として保持する。
[点検処理の流れ]
RE点検部320による点検処理の流れを説明する。図7は、ロータリエンコーダ115の点検処理の処理フローである。本処理は、保守員301により保守端末300の初期画面表示の指示を受け付けたことを契機に開始される。初期画面表示の指示は、例えば、保守端末300を起動させる等によりなされる。
RE点検部320による点検処理の流れを説明する。図7は、ロータリエンコーダ115の点検処理の処理フローである。本処理は、保守員301により保守端末300の初期画面表示の指示を受け付けたことを契機に開始される。初期画面表示の指示は、例えば、保守端末300を起動させる等によりなされる。
表示制御部327は、保守端末300のディスプレイ315に、初期画面を表示する(ステップS1101)。初期画面は、ユーザ(保守員301)から、実行するソフトウェアの選択を受け付ける画面である。例えば、本実施形態のRE点検アプリを含む、保守端末300で実行可能な各種のソフトウェアのアイコン等が選択可能な態様で並ぶ。
保守員301からRE点検アプリの選択を受け付けることにより、RE点検指示を受け付けると(ステップS1102)、RE点検部320は、表示制御部327にRE点検画面410を表示させるとともに、撮影を開始する(ステップS1103)。すなわち、映像取得部324に、映像の取得を開始させる。ただし、この時点では、取得した映像をディスプレイ315に表示するのみで、端末記憶装置313に記憶はさせない。
RE点検画面410が表示されると、保守員301は、表示されたメッセージに従って、ロータリエンコーダ115の側面115sが、ガイド枠411内に収まるように、保守端末300をセットする。なお、このとき、保守員301は、保守端末300を、スタンド390に固定する。
その間、映像解析部325は、映像取得部324が取得した映像を解析し、ロータリエンコーダ115に相当する画像領域が、ガイド枠411内に収まっているか、判別する(ステップS1104)。
映像解析部325は、ロータリエンコーダ115がガイド枠411内に収まっている場合、識別成功と判別し、所定期間内に識別成功と判別できない場合、識別不成功と判別する。
表示制御部327は、映像解析部325から、識別不成功の解析結果を得た場合、再設置を促す表示を、再設置指示として行う(ステップS1111)。具体的には、例えば、ロータリエンコーダ115が適切にガイド枠411内に収まっていないことを意味するメッセージと、ロータリエンコーダ115を、ガイド枠411に収めるよう再配置を促すメッセージとを表示する。この表示を見て、保守員301は、保守端末300を、再設定する。例えば、保守端末300の配置位置を変えたり、向きを変えたり、等する。
映像解析部325による解析結果が識別成功である場合、表示制御部327は、注意喚起表示を行う(ステップS1105)。この注意喚起表示は、ロータリエンコーダ115および付近の巻上機114等が回転することの注意を促す表示である。すなわち、識別に成功すると、走行指令部321が、RE点検のために、乗りかご111を走行させ、それに伴い、これらが回転を開始するために表示される。
表示制御部327が注意喚起表示をした後、走行指令部321は、制御装置200に、乗りかご111を、ロータリエンコーダ点検走行させるよう指示(RE点検走行指示)を行う。また、映像取得部324は、ロータリエンコーダ点検録画を開始する(ステップS1106)。すなわち、映像取得部324で取得した映像を、所定の時間間隔で、映像データ334として端末記憶装置313に保存する処理を開始する。
なお、RE点検走行指示を受信した制御装置200側では(ステップS1201)、走行制御部240が、指示に従って、乗りかご111の走行を開始させる(ステップS1202)。ここでは、上述のように、端階から反対の端階(目的階)まで走行させる。そして、目的階に到着するまで(ステップS1204)、速度情報送信部230は、所定の時間間隔で、速度指令値と実速度とを、RE点検走行指示の送信元の保守端末300に送信することを繰り返す(ステップS1203)。このとき、速度情報送信部230は、記憶装置231に格納される速度指令値データ281と、実速度データ282とから、それぞれ、最新のデータを読み出し、送信する。また、取得した時刻も併せて保守端末300に送信する。
そして、走行制御部240は、目的階に到着し、乗りかご111が停止した場合、速度情報送信部230に停止したことを意味する信号(停止信号)を、保守端末300に送信させる(ステップS1205)。
保守端末300側では、速度情報取得部322が、所定の時間間隔で、速度指令値と実速度とを制御装置200から受信すると、時刻に対応づけて、端末記憶装置313に速度データ333として記憶する(ステップS1107)。これを、停止信号を受信するまで、繰り返す(ステップS1108)。
停止信号を受信すると、判定部326は、判定処理を行う(ステップS1109)。判定処理の詳細は、後述する。そして、判定結果が、正常である場合(ステップS1110;Yes)、RE点検アプリは、処理を終了する。
一方、判定結果が、正常でない場合(ステップS1110;No)、ステップS1101へ戻り、初期画面を表示し、保守員301からの再度のRE点検指示を待つ。この間、保守員301は、判定結果に応じた処理を実行する。詳細は、後述する。
[判定処理]
次に、ステップS1109の、判定部326による判定処理と、それに付随する表示制御部327による表示制御処理の流れを説明する。
次に、ステップS1109の、判定部326による判定処理と、それに付随する表示制御部327による表示制御処理の流れを説明する。
まず、判定部326は、速度指令値と実速度とを比較する(ステップS1301)。ここでは、RE点検走行中、速度指令値に応じた実速度が得られたか否かを判定する。具体的には、速度指令値と、所定の遅延時間後の実速度とを比較する。この遅延時間は、エレベーター110が正常に動作している際、速度指令値に応じて乗りかご111がその速度に到達するまでの時間である。比較は、速度指令値が定格速度であるタイミングで行うことが望ましい。以下、定格速度である場合の速度指令値を、定格指令値と呼ぶ。そして、定格指令値と実速度とを比較するものとして説明する。
定格指令値と、比較対象の実速度とが、実質的に等しい場合(ステップS1301;Yes)、判定部326は、映像解析部325に、映像解析処理を実施させる(ステップS1302)。
なお、実質的に等しいとは、定格指令値と実速度との差の絶対値が、予め定めた速度閾値未満である場合を言う。速度閾値は、端末記憶装置313に予め記憶される。
そして、判定部326は、解析結果として得られた振動量と、予め定めた振動閾値とを比較する(ステップS1303)。振動閾値は、予め、実験等で決定し、端末記憶装置313に記憶される。例えば、10%等の値が格納される。この場合、後述するように、総面積の10%が画像枠511外にはみ出している場合、取付不良と判定される。
比較した結果、振動量が振動閾値未満である場合(ステップS1303;Yes)、判定部326は、ロータリエンコーダ115の状態を正常と判定し(ステップS1304)、調整完了表示を行うよう、表示制御部327に指示を出す。
表示制御部327は、指示に従って、調整完了表示を行い(ステップS1305)、処理を終了する。ここでなされる調整完了表示には、例えば、ロータリエンコーダ115が正常であり、点検が問題なく終了したことを意味するメッセージ等の表示を含む。
一方、ステップS1303で、振動量が振動閾値以上である場合(ステップS1303、No)、判定部326は、ロータリエンコーダ115の状態を取付不良と判定する(ステップS1308)。そして、取付不良および取付調整指示表示を行うよう、表示制御部327に指示を出す。
表示制御部327は、指示に従って、取付不良および取付調整指示表示を行い(ステップS1309)、処理を終了する。ここでなされる取付不良および取付調整指示表示には、例えば、ロータリエンコーダ115の取り付けが不適切であるため、ロータリエンコーダ115の取り付けを再調整することを指示するメッセージ等の表示を含む。
保守員301は、本表示を見て、ロータリエンコーダ115の取り付けを再調整するといった処理を実行する。そして、実行後、再度、RE点検処理実行の指示を行う。
また、ステップS1301で、定格速度と実速度とが、実質的に等しくない場合も(ステップS1301;No)、判定部326は、まず、映像解析部325に映像解析を実施させる(ステップS1306)。
そして、判定部326は、解析結果として得られた振動量と、予め定めた振動閾値とを比較する(ステップS1307)。その結果、振動量が振動閾値以上である場合(ステップS1307;No)、判定部326は、ロータリエンコーダ115の状態を取付不良と判定する(ステップS1308)。以降の処理は、上述のとおりである。
一方、ステップS1307で、振動量が振動閾値未満である場合(ステップS1307;Yes)、判定部326は、ロータリエンコーダ115の状態を故障と判定する(ステップS1310)。そして、故障および交換指示表示を行うよう、表示制御部327に指示を出す。
表示制御部327は、指示に従って、故障および交換指示表示を行い(ステップS1311)、処理を終了する。ここでなされる故障および交換指示表示には、例えば、ロータリエンコーダ115が故障しているため、ロータリエンコーダ115を交換することを指示するメッセージ等の表示を含む。
保守員301は、本表示を見て、ロータリエンコーダ115を交換するといった処理を実行する。そして、実行後、再度、RE点検処理実行の指示を行う。
なお、上記処理の流れは、これに限定されない。例えば、速度指令値と実速度との比較の前に、映像解析部325に映像解析を実施させ、振動量を取得しておいてもよい。
また、上記実施形態では、映像解析部325は、判定部326からの指示に従って、取得した映像を構成する複数の画像510をまとめて解析しているが、これに限定されない。例えば、映像取得部324が映像として画像510を取得する毎に、当該画像510について解析を行い、得られた単独振動量を、それぞれ、画像510に対応づけて格納するよう構成してもよい。
この場合、ステップS1302、S1306では、判定部326が、複数の画像510の振動量の統計値を算出する。
以上、説明したように、本実施形態の保守端末300は、エレベーター110のロータリエンコーダ115を撮影する撮影装置316と、撮影装置316で撮影したロータリエンコーダ115の映像を取得する映像取得部324と、エレベーター110の制御装置200から、乗りかご111の走行速度の指令値である速度指令値と、乗りかご111の実際の速度である実速度とを取得する速度情報取得部322と、映像取得部324で取得したロータリエンコーダ115の映像を解析し、ロータリエンコーダ115の振動量を算出する映像解析部325と、実速度、速度指令値および振動量を用い、ロータリエンコーダ115の状態を判定する判定部326と、判定部326の判定結果をディスプレイ315に出力する表示制御部327と、を備える。
このように、本実施形態によれば、実速度と速度指令値だけでなく、振動量も用いてロータリエンコーダ115の状態を判定するため、ロータリエンコーダ115の異常の有無だけでなく、異常がある場合、その原因も絞り込むことができる。
例えば、従来は、ロータリエンコーダ115に異常が発生していると判別された場合、さらに、その異常の原因を特定するため、保守員301は、別の作業を行う必要があった。しかしながら、本実施形態によれば、ロータリエンコーダ115に異常が発見された場合の保守員301の作業量が低減し、乗りかご111の停止時間を低減することができる。
例えば、実速度と前記速度指令値との差の絶対値が予め定めた速度閾値未満であり、かつ、ロータリエンコーダ115の振動量が予め定めた振動閾値未満である場合、ロータリエンコーダ115の状態は正常と判別する。また、実速度と速度指令値との差の絶対値が予め定めた速度閾値以上であり、かつ、ロータリエンコーダ115の振動量が予め定めた振動閾値未満である場合、ロータリエンコーダ115の状態は故障と判定する。また、ロータリエンコーダ115の振動量が予め定めた振動閾値以上である場合、ロータリエンコーダ115の状態は、取付不良と判定する。
このように、保守端末300において、具体的に原因を絞り込むことにより、保守員301の経験量による異常原因特定のばらつきも低減できる。
また、表示制御部327は、撮影装置316でロータリエンコーダ115を撮影する際、当該ロータリエンコーダ115の外郭と相似する形状のガイド枠411をディスプレイ315に表示する。これにより、保守員301は、容易かつ確実に、振動量を精度よく算出可能な映像を取得する位置に保守端末300を配置できる。
さらに、本実施形態では、取得した映像の、ガイド枠411に対応する位置に画像枠511を重畳し、画像枠511外のはみ出し領域513の面積に基づいて振動量を算出する。これにより、精度よく振動量を算出でき、それに伴い、異常原因の判別精度も安定する。
<変形例>
上記実施形態では、RE点検走行として、最下階または最上階から、反対の端階まで乗りかご111を走行させている。しかしながら、RE点検走行は、これに限定されない。判定のために比較するのは、定格指令値と定格指令値が出力されたタイミングでの乗りかご111の実速度である。従って、これらが得られる走行であればよい。
上記実施形態では、RE点検走行として、最下階または最上階から、反対の端階まで乗りかご111を走行させている。しかしながら、RE点検走行は、これに限定されない。判定のために比較するのは、定格指令値と定格指令値が出力されたタイミングでの乗りかご111の実速度である。従って、これらが得られる走行であればよい。
また、RE点検走行として、乗りかご111を、端階から反対の端階まで必ずしも全行程走行させなくてもよい。上述のように、定格指令値と対応するその実速度とが、得られたタイミングで、乗りかご111を停止させるよう構成してもよい。
また、比較する速度指令値は、必ずしも定格指令値に限定されない。
また、上記実施形態では、保守端末300の位置を移動させて、ディスプレイ315内に表示されるロータリエンコーダ115の側面115sの大きさ、配置を調整することにより、ガイド枠411内に収めている。しかしながら、ガイド枠411内に側面115sを収める手法は、これに限定されない。例えば、保守端末300の撮影装置316が画角を変更するズーム機能(例えば、デジタルズーム機能)等を備える場合、この機能を用いて、側面115sの画像512をガイド枠411内に収めてもよい。
また、上記実施形態では、ガイド枠411は、ロータリエンコーダ115の型式毎に、予め作成して用意している。しかしながら、ガイド枠411の取得は、これに限定されない。例えば、ロータリエンコーダ115取付直後にロータリエンコーダ115の側面115sを撮影する。そして、撮影した画像を解析してロータリエンコーダ115の外枠を抽出し、それを、ガイド枠411として用いてもよい。
また、上記実施形態では、RE点検走行中に録画された全ての映像データ334を解析し、その統計値を振動量としているが、これに限定されない。例えば、定格指令値が出力されている期間に録画された映像データ334のみを解析対象とするよう構成してもよい。
なお、上記各実施形態では、保守端末300および制御装置200の各機能は、CPUがプログラムを実行することにより実現されているが、これに限定されない。例えば、全部または一部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field−programmable gate array)などのハードウェアによって実現されてもよい。
また、本発明は上述の各実施形態および変形例に限定されるものではなく、様々な変形態様が含まれる。各実施形態は、本発明を分かりやすく説明するためのものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得る。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
100:ロータリエンコーダ点検システム、110:エレベーター、111:乗りかご、113:釣合錘、114:巻上機、115:ロータリエンコーダ、115a:回転軸、115s:側面、116:ブラケット、117:主ロープ、
200:制御装置、211:演算装置、212:メモリ、213:記憶装置、214:通信装置、215:入出力I/F、220:速度計測部、230:速度情報送信部、240:走行制御部、270:制御部、281:速度指令値データ、282:実速度データ、
300:保守端末、301:保守員、311:端末演算装置、312:端末メモリ、313:端末記憶装置、314:端末通信装置、315:端末入出力I/F(ディスプレイ)、316:撮影装置、320:ロータリエンコーダ(RE)点検部、321:走行指令部、322:速度情報取得部、324:映像取得部、325:映像解析部、326:判定部、327:表示制御部、331:画面データ、332:走行データ、333:速度データ、334:映像データ、390:スタンド、
410:RE点検画面、411:ガイド枠、412:メッセージ表示領域、510:画像、511:画像枠、512:側面の画像、513:はみ出し領域
200:制御装置、211:演算装置、212:メモリ、213:記憶装置、214:通信装置、215:入出力I/F、220:速度計測部、230:速度情報送信部、240:走行制御部、270:制御部、281:速度指令値データ、282:実速度データ、
300:保守端末、301:保守員、311:端末演算装置、312:端末メモリ、313:端末記憶装置、314:端末通信装置、315:端末入出力I/F(ディスプレイ)、316:撮影装置、320:ロータリエンコーダ(RE)点検部、321:走行指令部、322:速度情報取得部、324:映像取得部、325:映像解析部、326:判定部、327:表示制御部、331:画面データ、332:走行データ、333:速度データ、334:映像データ、390:スタンド、
410:RE点検画面、411:ガイド枠、412:メッセージ表示領域、510:画像、511:画像枠、512:側面の画像、513:はみ出し領域
Claims (10)
- エレベーターの点検に用いる保守端末であって、
前記エレベーターのロータリエンコーダを撮影する撮影装置と、
前記撮影装置で撮影した前記ロータリエンコーダの映像を取得する映像取得部と、
エレベーターの制御装置から、乗りかごの走行速度の指令値である速度指令値と、前記乗りかごの実際の速度である実速度とを取得する速度情報取得部と、
前記映像取得部で取得した前記ロータリエンコーダの映像を解析し、前記ロータリエンコーダの振動量を算出する映像解析部と、
前記実速度、前記速度指令値および前記振動量を用い、前記ロータリエンコーダの状態を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果をディスプレイに出力する表示制御部と、を備えることを特徴とする保守端末。 - 請求項1記載の保守端末であって、
前記判定部は、前記実速度と前記速度指令値との差の絶対値が予め定めた速度閾値未満であり、かつ、前記ロータリエンコーダの振動量が予め定めた振動閾値未満である場合、前記ロータリエンコーダの状態は正常と判定することを特徴とする保守端末。 - 請求項1記載の保守端末であって、
前記判定部は、前記実速度と前記速度指令値との差の絶対値が予め定めた速度閾値以上であり、かつ、前記ロータリエンコーダの振動量が予め定めた振動閾値未満である場合、前記ロータリエンコーダの状態は故障と判定することを特徴とする保守端末。 - 請求項1記載の保守端末であって、
前記判定部は、前記ロータリエンコーダの振動量が予め定めた振動閾値以上である場合、前記ロータリエンコーダの状態は、取付不良と判定することを特徴とする保守端末。 - 請求項1記載の保守端末であって、
前記表示制御部は、前記撮影装置で前記ロータリエンコーダを撮影する際、当該ロータリエンコーダの外郭と相似する形状のガイド枠を前記ディスプレイに表示することを特徴とする保守端末。 - 請求項5記載の保守端末であって、
前記映像取得部は、取得した前記映像の、前記ガイド枠に対応する位置に画像枠を重畳し、前記映像解析部に出力し、
前記映像解析部は、前記画像枠外の前記ロータリエンコーダの画像の面積に基づいて前記振動量を算出することを特徴とする保守端末。 - 請求項6記載の保守端末であって、
前記振動量は、前記ロータリエンコーダの画像の全面積に対する前記画像枠外の面積の割合であることを特徴とする保守端末。 - 請求項5記載の保守端末であって、
記憶装置を備え、
前記ガイド枠は、前記ロータリエンコーダの型式毎に予め前記記憶装置に保持され、
前記表示制御部は、ユーザからの指示に従って、前記記憶装置に保持される前記ガイド枠の中から選択し、前記ディスプレイに表示することを特徴とする保守端末。 - 請求項1記載の保守端末であって、
前記速度情報取得部は、前記速度指令値として定格速度を取得し、前記実速度として、前記速度指令値が定格速度である場合の前記乗りかごの実際の速度を取得することを特徴とする保守端末。 - 撮影装置を有する保守端末を用いてエレベーターのロータリエンコーダを点検するロータリエンコーダ点検方法であって、
予め定めた方向から前記ロータリエンコーダを撮影し、当該ロータリエンコーダの映像を得、当該映像を解析して前記ロータリエンコーダの振動量を算出し、
前記ロータリエンコーダを撮影中、乗りかごの走行速度の指令値である速度指令値と、前記乗りかごの実際の速度である実速度とを取得し、
前記速度指令値と前記実速度とを比較し、前記ロータリエンコーダの振動量の大きさを判別することにより、前記ロータリエンコーダの状態が、正常であるか、取付不良であるか、故障であるかを判定し、
判定結果をユーザに提示することを特徴とするロータリエンコーダ点検方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2018
- 2018-08-28 JP JP2018159720A patent/JP2020033129A/ja active Pending
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