JP2022012312A - 放射線検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シンチレータ層への透湿を抑制することが可能な放射線検出器を提供する。【解決手段】 放射線検出器は、光電変換基板2と、シンチレータ層5と、支持基板12と、を備える。光電変換基板2は、可撓性を持つ基材2aを有する。支持基板12は、光電変換基板2を支持し、基材2aの弾性率より高い弾性率を持っている。基材2aと支持基板12との間の空間SPは、大気圧より減圧された空間である。【選択図】 図5

Description

本発明の実施形態は、放射線検出器に関する。
放射線検出器として、例えばX線検出器(X線平面検出器)が知られている。X線検出器のX線検出モジュールは、X線を蛍光に変換するシンチレータ層と、蛍光を電気信号に変換する光電変換基板と、を備えている。シンチレータ層は、例えばヨウ化セシウム(CsI)を含んでいる。また、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために、X線検出モジュールは、シンチレータ層の上に設けられた光反射層をさらに備える場合もある。
ここで、水蒸気などに起因する特性の劣化を抑制するために、シンチレータ層と光反射層は、外部雰囲気から隔離する必要がある。そこで、高い防湿性能が得られる構造として、シンチレータ層と光反射層をハット形状の防湿カバーで覆い、防湿カバーの周縁部を光電変換基板に接着する技術が提案されている。
特開2015-219208号公報 特開2009-128023号公報
本実施形態は、シンチレータ層への透湿を抑制することが可能な放射線検出器を提供する。
一実施形態に係る放射線検出器は、
第1主面及び前記第1主面とは反対側の第2主面を含み可撓性を持つ基材と、前記基材の前記第2主面の上方に位置した複数の光電変換素子と、を有する光電変換基板と、前記光電変換基板の上に設けられ、前記第2主面及び前記複数の光電変換素子と対向したシンチレータ層と、前記基材の前記第1主面と対向し、前記光電変換基板を支持し、前記基材の弾性率より高い弾性率を持つ支持基板と、を備え、前記基材と前記支持基板との間の空間は、大気圧より減圧された空間である。
また、一実施形態に係る放射線検出器は、
第1主面及び前記第1主面とは反対側の第2主面を含む可撓性の基材と、前記基材の前記第2主面の上方に位置した複数の光電変換素子と、を有する光電変換基板と、前記光電変換基板の上に設けられ、前記第2主面及び前記複数の光電変換素子と対向したシンチレータ層と、前記基材の前記第1主面と対向し、前記光電変換基板を支持した支持基板と、前記基材と前記支持基板との間の空間に充填された乾燥ガスと、を備える。
図1は、一実施形態に係るX線検出器を示す断面図である。 図2は、上記X線検出器の支持基板、X線検出パネル、回路基板、及び複数のFPCを示す斜視図である。 図3は、上記X線検出器のX線検出モジュールの一部を示す拡大断面図である。 図4は、上記X線検出器の一部を示す平面図である。 図5は、上記X線検出器の一部を線V-Vに沿って示す断面図である。 図6は、上記実施形態の変形例に係るX線検出器の一部を示す平面図である。
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
図1は、本実施形態に係るX線検出器1を示す断面図である。X線検出器1は、X線画像検出器であり、X線検出パネルを利用するX線平面検出器である。
図1に示すように、X線検出器1は、X線検出モジュール10、支持基板12、回路基板11、スペーサ9a,9b,9c,9d、筐体51、FPC(フレキシブルプリント基板)2e1、入射窓52等を備えている。X線検出モジュール10は、X線検出パネルPNLと、防湿カバー7と、を備えている。X線検出パネルPNLは、支持基板12と防湿カバー7との間に位置している。防湿カバー7は入射窓52と対向している。
入射窓52は、筐体51の開口に取付けられている。入射窓52はX線を透過させる。そのため、X線は入射窓52を透過してX線検出モジュール10に入射される。入射窓52は、板状に形成され、筐体51内部を保護する機能を有している。入射窓52は、X線吸収率の低い材料で薄く形成することが望ましい。本実施形態において、入射窓52は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon-Fiber-Reinforced Plastic)で形成されている。これにより、入射窓52で生じる、X線の散乱と、X線量の減衰とを低減することができる。そして、薄くて軽いX線検出器1を実現することができる。
X線検出モジュール10、支持基板12、回路基板11、FPC2e1等は、筐体51及び入射窓52で囲まれた空間の内部に収容されている。
X線検出モジュール10は、薄い部材を積層して構成されているため、軽く機械的強度の低いものである。このため、X線検出パネルPNL(X線検出モジュール10)は、支持基板12に固定されている。支持基板12は、例えばアルミニウム合金で板状に形成され、X線検出パネルPNLを安定して保持するために必要な強度(弾性率)を有している。これにより、X線検出器1に外部から振動や衝撃が加わった際におけるX線検出パネルPNLの破損を抑制することができる。なお、支持基板12は、透湿性が低くかつ弾性率の高い材料で形成されていればよく、ステンレス鋼、ガラス、CFRP等の材料で形成されてもよい。
支持基板12の他面には、スペーサ9a,9bを介して回路基板11が固定されている。例えば、支持基板12が主に金属で構成されている場合、スペーサ9a,9bを使用することで、支持基板12から回路基板11までの電気的絶縁距離を保持することができる。
筐体51の内面には、スペーサ9c,9dを介して回路基板11が固定されている。スペーサ9c,9dを使用することで、主に金属で構成される筐体51から回路基板11までの電気的絶縁距離を保持することができる。筐体51は、回路基板11及びスペーサ9a,9b,9c,9dを介して支持基板12等を支持している。
回路基板11にはFPC2e1に対応するコネクタが実装され、FPC2e1はコネクタを介して回路基板11に電気的に接続されている。FPC2e1とX線検出パネルPNLとの接続には、ACF(異方性導電フィルム)を利用した熱圧着法が用いられる。この方法により、X線検出パネルPNLの複数の微細なパッドと、FPC2e1の複数の微細なパッドとの電気的接続が確保される。
上記のように、回路基板11は、上記コネクタ、FPC2e1等を介してX線検出パネルPNLに電気的に接続されている。回路基板11は、X線検出パネルPNLを電気的に駆動し、かつ、X線検出パネルPNLからの出力信号を電気的に処理するものである。
図2は、本実施形態のX線検出器1の支持基板12、X線検出パネルPNL、回路基板11、及び複数のFPC2e1,2e2を示す斜視図である。なお、図2には、X線検出器1の全ての部材を示していない。後述する封止部等、X線検出器1のいくつかの部材の図示は、図2において省略している。
図2に示すように、X線検出パネルPNLは、光電変換基板2、シンチレータ層5等を備えている。光電変換基板2は、基材2a、光電変換部2b、複数の制御ライン(又はゲートライン)2c1、複数のデータライン(又はシグナルライン)2c2等を有している。なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、及びデータライン2c2の数、配置等は図2の例に限定されるものではない。
複数の制御ライン2c1は、行方向に延在し、列方向に所定の間隔をあけて並べられている。複数のデータライン2c2は、列方向に延在し、複数の制御ライン2c1と交差し、行方向に所定の間隔をあけて並べられている。
複数の光電変換部2bは、基材2aの一方の主面側に設けられている。光電変換部2bは、制御ライン2c1とデータライン2c2とにより区画された四角形状の領域に設けられている。1つの光電変換部2bは、X線画像の1つの画素に対応する。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べられている。上記のことから、光電変換部2bは、アレイ基板である。
各々の光電変換部2bは、光電変換素子2b1と、スイッチング素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)2b2と、を有している。TFT2b2は、対応する一の制御ライン2c1と、対応する一のデータライン2c2とに接続されている。光電変換素子2b1はTFT2b2に電気的に接続されている。
制御ライン2c1は、FPC2e1を介して回路基板11に電気的に接続されている。回路基板11は、FPC2e1を介して複数の制御ライン2c1に制御信号S1を与える。データライン2c2は、FPC2e2を介して回路基板11に電気的に接続されている。光電変換素子2b1によって変換された画像データ信号S2(光電変換部2bに蓄積された電荷)は、TFT2b2、データライン2c2、及びFPC2e2を介して回路基板11に伝送される。
X線検出器1は、画像伝送部4をさらに備えている。画像伝送部4は、配線4aを介して回路基板11に接続されている。なお、画像伝送部4は、回路基板11に組込まれてもよい。画像伝送部4は、図示しない複数のアナログ-デジタル変換器によりデジタル信号に変換された画像データの信号に基づいて、X線画像を生成する。生成されたX線画像のデータは、画像伝送部4から外部の機器に向けて出力される。
図3は、本実施形態に係るX線検出器1のX線検出モジュール10の一部を示す拡大断面図である。
図3に示すように、光電変換基板2は、基材2a、複数の光電変換部2b、絶縁層21,22,23,24,25を有している。複数の光電変換部2bは、検出領域DAに位置している。各々の光電変換部2bは、光電変換素子2b1と、TFT2b2と、を備えている。
TFT2b2は、ゲート電極GE、半導体層SC、ソース電極SE、及びドレイン電極DEを有している。光電変換素子2b1は、フォトダイオードで構成されている。なお、光電変換素子2b1は、光を電荷に変換するように構成されていればよい。
基材2aは、板状の形状を有し、絶縁材料で形成されている。基材2aの平面形状は、例えば四角形である。基材2aは、可撓性を持ち、湾曲可能である。基材2aの材料としては、例えば樹脂であるポリイミド(PI)を挙げることができる。基材2aは、第1主面M1と、第1主面M1とは反対側の第2主面M2と、を有している。複数の光電変換部2b(光電変換素子2b1及びTFT2b2)は、基材2aの第2主面M2の上方に位置している。
絶縁層21は、基材2aの上に設けられている。絶縁層21の上に、ゲート電極GEが形成されている。ゲート電極GEは、上記制御ライン2c1に電気的に接続されている。絶縁層22は、絶縁層21及びゲート電極GEの上に設けられている。半導体層SCは、絶縁層22の上に設けられ、ゲート電極GEに対向している。半導体層SCは、非晶質半導体としての非晶質シリコン、多結晶半導体としての多結晶シリコン等の半導体材料で形成されている。
絶縁層22及び半導体層SCの上に、ソース電極SE及びドレイン電極DEが設けられている。ゲート電極GE、ソース電極SE、ドレイン電極DE、上記制御ライン2c1、及び上記データライン2c2は、アルミニウムやクロムなどの低抵抗金属を用いて形成されている。
ソース電極SEは、半導体層SCのソース領域に電気的に接続されている。また、ソース電極SEは、上記データライン2c2に電気的に接続されている。ドレイン電極DEは、半導体層SCのドレイン領域に電気的に接続されている。
絶縁層23は、絶縁層22、半導体層SC、ソース電極SE、及びドレイン電極DEの上に設けられている。光電変換素子2b1は、ドレイン電極DEに電気的に接続されている。絶縁層24は、絶縁層23及び光電変換素子2b1の上に設けられている。バイアス線BLは、絶縁層24の上に設けられ、絶縁層24に形成されたコンタクトホールを通り光電変換素子2b1に接続されている。絶縁層25は、絶縁層24及びバイアス線BLの上に設けられている。
絶縁層21,22,23,24,25は、無機絶縁材料、有機絶縁材料等の絶縁材料で形成されている。無機絶縁材料としては、酸化物絶縁材料、窒化物絶縁材料、及び酸窒化物絶縁材料を挙げることができる。有機絶縁材料としては樹脂を挙げることができる。
シンチレータ層5は、光電変換基板2(複数の光電変換部2b)の上に設けられている。シンチレータ層5は、基材2aの第2主面M2及び複数の光電変換部2bと対向している。シンチレータ層5は、少なくとも検出領域DAに位置し、複数の光電変換部2bの上方を覆っている。シンチレータ層5は、入射されるX線を光(蛍光)に変換するように構成されている。
なお、光電変換素子2b1は、シンチレータ層5から入射される光を電荷に変換する。変換された電荷は光電変換素子2b1に蓄積される。TFT2b2は、光電変換素子2b1への蓄電及び光電変換素子2b1からの放電を切替えることができる。なお、光電変換素子2b1の自己容量が不十分である場合、光電変換基板2はコンデンサ(蓄積キャパシタ)をさらに有し、光電変換素子2b1で変換された電荷をコンデンサに蓄積してもよい。
シンチレータ層5は、タリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)で形成されている。真空蒸着法を用いてシンチレータ層5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ層5が得られる。シンチレータ層5の厚みは、例えば、600μmである。シンチレータ層5の最表面において、シンチレータ層5の柱状結晶の太さは、8乃至12μmである。
シンチレータ層5を形成する材料は、CsI:Tlに限定されるものではない。シンチレータ層5は、タリウム賦活ヨウ化ナトリウム(NaI:Tl)、ナトリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Na)、ユーロピウム賦活臭化セシウム(CsBr:Eu)、ヨウ化ナトリウム(NaI)等で形成されてもよい。
なお、真空蒸着法を用いてシンチレータ層5を形成する際には、開口を有するマスクが用いられる。この場合、光電変換基板2上の開口に対峙する領域にシンチレータ層5が形成される。また、蒸着によるシンチレータ材は、マスクの表面にも堆積する。そして、シンチレータ材は、マスクの開口の近傍にも堆積し、開口の内部に徐々に張り出すように結晶が成長する。マスクから開口の内部に結晶が張り出すと、開口の近傍において、光電変換基板2へのシンチレータ材の蒸着が抑制される。そのため、図2に示したように、シンチレータ層5の周縁近傍は、外側になるに従い厚みが漸減している。
又は、シンチレータ層5は、マトリクス状に並べられ、光電変換部2bに一対一で設けられ、それぞれ四角柱状の形状を有する複数のシンチレータ部を有してもよい。そのようなシンチレータ層5を形成する際、酸硫化ガドリニウム(GdS)蛍光体粒子をバインダ材と混合したシンチレータ材を、光電変換基板2上に塗布し、シンチレータ材を焼成して硬化させる。その後、ダイサによりダイシングするなどし、シンチレータ材に格子状の溝部を形成する。上記の場合、複数のシンチレータ部の間には、空気又は酸化防止用の窒素(N)等の不活性ガスが封入される。又は、複数のシンチレータ部の間の空間は、大気圧より減圧された空間に設定されてもよい。
本実施形態において、X線検出パネルPNLは、光反射層6をさらに備えている。光反射層6は、シンチレータ層5の上に設けられている。言い換えると、光反射層6は、シンチレータ層5のX線の入射側に設けられている。光反射層6は、少なくとも検出領域DAに位置し、シンチレータ層5の上面を覆っている。光反射層6は、光(蛍光)の利用効率を高めて感度特性の向上を図るために設けられている。すなわち、光反射層6は、シンチレータ層5において生じた光のうち、光電変換部2bが設けられた側とは反対側に向かう光を反射させて、光電変換部2bに向かうようにする。ただし、光反射層6は、必ずしも必要ではなく、X線検出モジュール10に求められる感度特性などに応じて設ければよい。
例えば、酸化チタン(TiO)等からなる光散乱性粒子と、樹脂と、溶媒とを混合した塗布材料をシンチレータ層5上に塗布し、続いて塗布材料を乾燥させることで光反射層6を形成することができる。
なお、光反射層6の構造及び光反射層6の製造方法は、上記の例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる層をシンチレータ層5上に成膜することで光反射層6を形成してもよい。又は、表面が銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属層を含むシートや、光散乱性粒子を含む樹脂シート等をシンチレータ層5の上に設けることで光反射層6を形成してもよい。
なお、ペースト状の塗布材料をシンチレータ層5の上に塗布し、上記塗布材料を乾燥させる場合は、乾燥に伴い塗布材料が収縮するので、シンチレータ層5に引っ張り応力が加わり、シンチレータ層5が光電変換基板2から剥離する場合がある。そのため、シート状の光反射層6を、シンチレータ層5の上に設けることが好ましい。この場合、光反射層6を、例えば、両面テープなどを用いて、シンチレータ層5の上に接合することもできるが、光反射層6をシンチレータ層5の上に載置する方が好ましい。シート状の光反射層6をシンチレータ層5の上に載置すれば、光反射層6の膨張または収縮に起因した、光電変換基板2からシンチレータ層5の剥離を容易に抑制することができる。
防湿カバー(防湿部)7は、光電変換基板2、シンチレータ層5、及び光反射層6の上に設けられている。防湿カバー(防湿部)7は、シンチレータ層5及び光反射層6を覆っている。防湿カバー7は、空気中に含まれる水分により、光反射層6の特性やシンチレータ層5の特性が劣化するのを抑制するために設けられている。防湿カバー7は、シンチレータ層5の露出部分を完全に覆っている。防湿カバー7は光反射層6等との間に隙間を空けてもよいし、防湿カバー7は光反射層6等と接触してもよい。
防湿カバー7は、金属を含むシートで形成されている。上記金属としては、アルミニウムを含む金属、銅を含む金属、マグネシウムを含む金属、タングステンを含む金属、ステンレス、コバール等を挙げることができる。防湿カバー7が金属を含んでいる場合、防湿カバー7は、水分の透過を、防止したり、大幅に抑制したりすることができる。
また、防湿カバー7は、樹脂層と金属層とが積層された積層シートで形成されてもよい。この場合、樹脂層は、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、テフロン(登録商標)、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、弾性ゴム等の材料で形成することができる。金属層は、例えば、前述した金属を含むものとすることができる。金属層は、スパッタリング法、ラミネート法等を用いて形成することができる。
この場合、樹脂層より金属層をシンチレータ層5側に設けた方が好ましい。樹脂層により金属層を覆うことができるので、外力などにより金属層が受け得る損傷を抑制することができる。また、金属層が樹脂層よりもシンチレータ層5側に設けられていれば、樹脂層を介した透湿によるシンチレータ層5の特性の劣化を抑制することができる。
防湿カバー7としては、金属層を含むシート、無機絶縁層を含むシート、樹脂層と金属層とが積層された積層シート、及び樹脂層と無機絶縁層とが積層された積層シートを挙げることができる。上記のことから、防湿カバー7の無機層は、金属層にかぎらず、無機絶縁層であってもよい。又は、防湿カバー7は、金属層及び無機絶縁層の両方を有してもよい。無機絶縁層は、酸化珪素、酸化アルミニウム等を含む層で形成することができる。無機絶縁層は、スパッタリング法等を用いて形成することができる。
金属層を含む積層シートで防湿カバー7を形成する場合には、例えば、樹脂層の厚みを金属層の厚みと実質的に同一とすることができる。防湿カバー7はこの様な厚みを持つ樹脂層を含んでいれば、防湿カバー7の剛性を増加させることができるので、製造工程中において、防湿カバー7におけるピンホールの発生を抑制することができる。なお、一般的に、樹脂の線膨張係数は、金属の線膨張係数よりも大きいため、樹脂層の厚みを大きくし過ぎると、光電変換基板2の反り等の変形に追従し難くなる。そのため、防湿カバー7において、樹脂層の厚みは、金属層の厚み以下である方が好ましい。
また、防湿カバー7の厚みは、X線の吸収や剛性(弾性率)などを考慮して決定することができる。この場合、防湿カバー7の厚みを大きくする程、防湿カバー7に吸収されるX線の量が多くなる。一方、防湿カバー7の厚みを小さくする程、防湿カバー7は、剛性の低下を招き、破損し易くなる。
例えば、防湿カバー7の厚みを10μm未満にすると、防湿カバー7の剛性が低くなりすぎて、外力などによるダメージにより防湿カバー7にピンホールが生じ、リークが発生する恐れがある。防湿カバー7の厚みが50μmを超えると、防湿カバー7の剛性が高くなり過ぎて、シンチレータ層5の上端の凹凸への追従性が悪くなる。そのため、前述した隙間やリークパスの確認が困難となる恐れがある。さらに、光電変換基板2の変形に追従し難くなる恐れがある。
そのため、防湿カバー7の厚みは、10μm以上、50μm以下であることが好ましい。この場合、防湿カバー7は、例えば、厚みが10乃至50μmのアルミニウム箔(アルミラミネートフィルム)で形成することができる。アルミニウム箔の厚みが10乃至50μmであれば、厚みが100μmのアルミニウム箔に比べてX線の透過量を20乃至30%程度多くすることができる。また、厚みが10乃至50μmのアルミニウム箔とすれば、前述したリークの発生を抑制することができ、且つ、前述した隙間やリークパスの確認が容易となる。また、防湿カバー7は、光電変換基板2の反り等の変形に追従することができる。
金属の熱膨張及び熱収縮を小さくするため、アルミニウムなどの金属の厚さは30μm以下である方が望ましい。すると、防湿カバー7は、10乃至30μmのアルミニウム箔を含んでいる方が望ましい。
本実施形態に係る防湿カバー7は、厚みが10乃至50μmのアルミラミネートフィルムである。例えば、防湿カバー7をアルミラミネートフィルムで形成した場合、防湿カバー7は、可撓性を持ち、湾曲に対応可能である。その場合、防湿カバー7の弾性率は、支持基板12の弾性率より低い。可撓性を持つ防湿カバー7は、基材2aとともにフレキシブルなX線検出モジュール10の形成に寄与することができる。
ここで、人体に対して大量のX線照射を行うと健康への悪影響があるため、人体へのX線照射量は必要最低限に抑えられる。そのため、医療に用いられるX線検出器1の場合には、照射されるX線の強度が低くなり、防湿カバー7を透過するX線の強度が非常に低くなる恐れがある。防湿カバー7は、厚みが10乃至50μmのシートであるため、照射されるX線の強度が低い場合であってもX線画像の撮影が可能となる。
図4は、X線検出器1の一部を示す平面図である。図4において、シンチレータ層5には右上がりの斜線を付し、封止部8及び接着材3のそれぞれには右下がりの斜線を付している。図5は、X線検出器1の一部を線V-Vに沿って示す断面図である。
図4及び図5に示すように、光電変換基板2は、検出領域DAと、検出領域DAの周囲に位置する枠状の第1非検出領域NDA1と、第1非検出領域NDA1の外側の第2非検出領域NDA2と、を有している。本実施形態において、第2非検出領域NDA2は枠状の形状を有している。
シンチレータ層5は、少なくとも検出領域DAに位置している。光反射層6は、少なくとも検出領域DAに位置している。本実施形態において、光反射層6は、シンチレータ層5の側面5aを全く覆っていない。但し、光反射層6は、シンチレータ層5の側面5aの一部を覆っていたり、シンチレータ層5の側面5aの全体を覆っていたり、してもよい。
X線検出器1は、封止部8をさらに備えている。封止部8は、シンチレータ層5の周囲に設けられている。封止部8は、枠状の形状を有し、シンチレータ層5の周囲を連続的に延在している。本実施形態において、封止部8は、第1非検出領域NDA1に位置している。封止部8は、光電変換基板2(例えば、上記絶縁層25)と、防湿カバー7とを接合している。
防湿カバー7は、光電変換基板2とともにシンチレータ層5及び光反射層6を密封している。本実施形態において、防湿カバー7は、光電変換基板2及び封止部8とともにシンチレータ層5及び光反射層6を密封している。防湿カバー7は、図4に示す平面図において、検出領域DA及び第1非検出領域NDA1に位置し、シンチレータ層5を完全に覆っている。図5に示すように、シンチレータ層5のうち光電変換基板2及び封止部8で覆われていない部分は、防湿カバー7で完全に覆われている。
防湿カバー7は、封止部8の外面8aに接合されている。防湿カバー7は、封止部8の少なくとも一部を覆っている。なお、防湿カバー7で封止部8を完全に覆った方が、透湿パスが小さくなるので有利である。例えば、大気圧よりも減圧された環境において防湿カバー7と封止部8とを接合すれば、防湿カバー7を光反射層6等に接触させることができる。
また、一般的に、シンチレータ層5には、その体積の10乃至40%程度の空隙が存在する。そのため、空隙にガスが含まれていると、X線検出器1を航空機などで輸送した場合にガスが膨張して防湿カバー7が破損する恐れがある。大気圧よりも減圧された環境において防湿カバー7と封止部8とを接合すれば、X線検出器1が航空機等で輸送された場合、及び高地でX線検出器1を使用する場合であっても、防湿カバー7の破損を抑制することができる。上記のことから、封止部8と防湿カバー7とにより画された空間の圧力は、大気圧よりも低くした方が好ましい。
防湿カバー7の厚みを小さくすると防湿カバー7の剛性(弾性率)が低下する。そのため、防湿カバー7につば部等を設けて立体的な防湿カバー7を形成する際、例えば、金属箔をプレス成形する際、亀裂等が生じ易くなる。一方、シート状を呈する防湿カバー7の周縁近傍は、封止部8の外面8aに接合される。そのため、予め防湿カバー7を立体形状に加工する必要はなく、シート状を呈する防湿カバー7をそのまま封止部8の外面8aに接合することができる。その結果、防湿カバー7の厚みを10μm以上、50μm以下としても、防湿カバー7に亀裂等の不良の発生を抑制することができる。また、光電変換基板2の反りに追従して防湿カバー7が変形可能となる。
また、後述するように、防湿カバー7の周縁近傍を加熱することで、防湿カバー7の周縁近傍と封止部8を接合する。この場合、防湿カバー7の周縁近傍の温度と、封止部8の温度が低下すると、防湿カバー7の周縁近傍と封止部8との間に熱応力が発生する。防湿カバー7の周縁近傍と封止部8との間に熱応力が発生すると、防湿カバー7の周縁近傍と封止部8との間に剥離が生じる恐れがある。剥離が生じると防湿性能が著しく低下するおそれがある。防湿カバー7の厚みは10μm以上、50μm以下としているので、熱応力が発生した際に防湿カバー7が延びやすくなる。そのため、熱応力を緩和させることができるので、封止部8から防湿カバー7の周縁近傍の剥離を抑制することができる。
封止部8は、熱可塑性樹脂を含む材料で形成されている。封止部8は、熱可塑性樹脂を主成分として含む材料で形成されている。封止部8は、100%熱可塑性樹脂で形成されてもよい。又は、封止部8は、熱可塑性樹脂に添加物が混在した材料で形成されてもよい。封止部8が熱可塑性樹脂を主成分として含んでいれば、封止部8は、加熱により、光電変換基板2、及び防湿カバー7と接合することができる。
ここで、例えば、封止部8が紫外線硬化型樹脂を主成分として含んでいれば、封止部8を、光電変換基板2、及び防湿カバー7と接合する際に紫外線を照射する必要がある。ところが、防湿カバー7は金属などを含んでいるため紫外線を透過させることができない。また、防湿カバー7が紫外線を透過するものであると、紫外線によりシンチレータ層5が変色し、シンチレータ層5で発生した光(蛍光)がシンチレータ層5で吸収される恐れがある。
これに対し、封止部8は、熱可塑性樹脂を含んでいるので、加熱により容易に接合を行うことができる。また、シンチレータ層5が紫外線により変色することもない。また、封止部8の加熱と冷却に要する時間は短くてすむので、製造時間の短縮、ひいては製造コストの低減を図ることができる。
熱可塑性樹脂は、ナイロン、PET(Polyethyleneterephthalate)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、アクリル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等を利用することができる。この場合、ポリエチレンの水蒸気透過率は0.068g・mm/day・mであり、ポリプロピレンの水蒸気透過率は0.04g・mm/day・mである。これらの水蒸気透過率は低い。そのため、封止部8が、ポリエチレン及びポリプロピレンの少なくとも何れかを主成分として含んでいれば、封止部8の内部を透過してシンチレータ層5に到達する水分を大幅に少なくすることができる。
熱可塑性樹脂の剛性は、防湿カバー7の剛性よりも低くすることができる。
また、封止部8は、無機材料を用いたフィラーをさらに含むことができる。無機材料からなるフィラーが封止部8に含まれていれば、水分の透過をさらに抑制することができる。無機材料は、タルク、グラファイト、雲母、カオリン(カオリナイトを主成分とする粘土)等を利用することができる。フィラーは、例えば、扁平な形態を有するものとすることができる。外部から封止部8の内部に侵入した水分は、無機材料からなるフィラーによって拡散が妨げられるので、水分が封止部8を通過する速度を減少させることができる。そのため、シンチレータ層5に到達する水分の量を少なくすることができる。
ここで、高温多湿の環境に保管されていたX線検出器1が、より低い温度の環境で使用される場合がある。この様な場合には、筐体の内部にある水蒸気が結露して、X線検出器1の表面に付着する場合がある。封止部8の外面8aに微細な亀裂があると、表面に付着した水分が亀裂に侵入し、封止部8の内部に導かれる恐れがある。また、X線検出器1が氷点下以下の環境に搬送され、亀裂に侵入した水分が凍結する場合がある。亀裂に侵入した水分が凍結すると体積が大きくなるので、亀裂が大きくなるとともに水分がさらに侵入し易くなる。以上のことが繰り返されると、封止部8の破損、封止部8からの防湿カバー7の剥離、光電変換基板2からの封止部8の剥離等が生じる恐れがある。
そのため、封止部8の少なくとも外面8aは、撥水性を有する方が好ましい。封止部8の少なくとも外面8aが撥水性を有していれば、封止部8の外面8aに亀裂があっても、亀裂への水分の侵入を抑制することができる。
例えば、封止部8の外面8aに撥水剤を塗布することができる。また、封止部8が、ポリエチレン及びポリプロピレンの少なくとも何れかを主成分として含んでいれば、撥水性を有する外面8aを得ることができる。
また、熱可塑性樹脂を枠状に塗布した直後に、内部を観察して泡、異物、リークパス等の有無をチェックすることが好ましい。この様なチェックが、目視もしくは光学顕微鏡を用いて行うことができれば、生産効率を向上させることができる。そのため、枠状に塗布された熱可塑性樹脂は、厚みが最も大きい部分においても透明であることが好ましい。すなわち、封止部8は、透光性を有する方が好ましい。この様にすれば、封止部8に、泡、異物、リークパス等があり製品寿命が短くなる恐れのある製品を容易に除去することができる。そのため、製品の品質を向上させることができる。
支持基板12は、基材2aの第1主面M1と対向している。支持基板12は、光電変換基板2(X線検出パネルPNL)を支持している。支持基板12は、基材2aの第1主面M1との間に空間SPを形成している。X線検出器1は、接着材3をさらに備えている。接着材3は、基材2aの第1主面M1と支持基板12との間に位置し、基材2a及び支持基板12を接合している。
接着材3は、平面視にてシンチレータ層5より外側に位置している。接着材3は、枠状の形状を有し、シンチレータ層5の周囲を連続的に延在している。本実施形態において、接着材3は、第2非検出領域NDA2に位置している。但し、接着材3は、シンチレータ層5より外側に位置していればよく、第1非検出領域NDA1に位置してもよい。接着材3を形成する材料は特に限定されるものではない。例えば、接着材3を形成する材料に、上述した封止部8を形成する材料を用いることができる。
本実施形態において、基材2aの第1主面M1と、支持基板12との間に空間SPは、大気圧より減圧された空間である。支持基板12及び基材2aは、接着材3とともに空間SPを保持している。
X線検出器1が航空機等で輸送された場合、及び高地でX線検出器1を使用する場合であっても、減圧状態の空間SPを良好に保持することができる。なお、空間SPに空気等のガスが含まれているとガスが膨張して支持基板12から基材2aが剥離する等の破損がX線検出器1に生じる恐れがある。
また、減圧状態の空間SPは、空気が存在する大気圧の空間と比較して、空間SPに存在し得る水分の量を大幅に低減することができる。又は、空間SPに水分を存在させなくすることができる。そのため、基材2aが透湿性を持っていても、第1主面M1から基材2aに浸入してシンチレータ層5及び光反射層6に向かう水分の量を低減させることができる。又は、シンチレータ層5及び光反射層6への水分の浸入を防止することができる。
なお、高温多湿の環境に保管されていたX線検出器1が、より低い温度の環境で使用される場合がある。しかしながら、減圧状態の空間SPにおいては、第1主面M1に水分が付着することはない。又は、空間SPの内部にある水蒸気が結露する場合であっても、第1主面M1に付着する水分の量は僅かである。そのため、X線検出器1が、低い温度の環境に置かれても、空間SPは、シンチレータ層5及び光反射層6を水分から保護することができる。
支持基板12は、基材2aの第1主面M1と対向した第3主面M3を有している。基材2aがフレキシブル基板(又は、フレキシブル層)であるのに対し、支持基板12はリジッド基板である。支持基板12の弾性率は、基材2aの弾性率より高い。そのため、空間SPの内部が減圧状態である場合、基材2a(光電変換基板2、X線検出パネルPNL)が変形し、基材2aの第1主面M1が支持基板12の第3主面M3に接触してもよい。
第1主面M1及び第3主面M3の何れも、平坦面である。そのため、第1主面M1が第3主面M3に接触しても、X線検出パネルPNLが歪む事態を回避することができる。少なくとも検出領域DAにおいて、第1主面M1は第3主面M3に接触している。本実施形態において、本実施形態において、検出領域DA及び第1非検出領域NDA1において、第1主面M1は第3主面M3に接触している。少なくとも検出領域DAにおいてX線検出パネルPNLに歪みや凹凸が生じる事態を回避することができるため、検出領域DAの全域において、X線(放射線)を良好に検出することができる。
X線検出器1は、上記のように構成されている。
上記のように構成された一実施形態に係るX線検出器1によれば、X線検出器1は、光電変換基板2と、シンチレータ層5と、支持基板12と、を備えている。光電変換基板2は、可撓性を持つ基材2aを有している。そのため、基材2aがガラス等で形成されたリジッド基板である場合と比較して、光電変換基板2の軽量化及び薄型化に寄与することができる。さらに、基材2aはガラスに比べて湾曲可能であるため、衝撃に強く、かつ、割れ難い基材2aを得ることができる。
基材2aは樹脂であるポリイミドで形成されている。樹脂等の有機材料は透湿性を有している。基材2aは透湿性を有するため、予め、基材2aへの水分の浸入を抑制する必要がある。なぜなら、水分により、光反射層6の特性やシンチレータ層5の特性が劣化するためである。例えば、シンチレータ層5は、潮解性を持つため、水分を吸収して液体化する事態を回避する必要がある。
そこで、基材2aの第1主面M1に接する雰囲気を、大気圧より減圧された雰囲気としている。第1主面M1から基材2aに浸入する水分の量を低減させることができる。又は、第1主面M1から基材2aへの水分の浸入を防止することができる。上記のことから、シンチレータ層5への透湿を抑制することが可能なX線検出器1を得ることができる。言い換えると、高い防湿性能を持つことのできるX線検出器1を得ることができる。ひいては、製品寿命の長期化を図ることのできるX線検出器1を得ることができる。
基材2aは可撓性を持っているため、X線検出パネルPNLはフレキシブルパネルである。X線検出パネルPNLがフレキシブルパネルである場合、X線検出パネルPNLを筐体51内部に固定することは困難である。そこで、X線検出パネルPNLは、リジッド基板である支持基板12によって支持されている。これにより、X線検出パネルPNLを支持基板12とともに筐体51内部に容易に固定することができる。
本発明の一実施形態を説明したが、上記の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、空間SPにおいて、存在する水分の量は僅かであればよい。又は、空間SPに水分が存在しなければよい。そのため、空間SPは、減圧空間でなくともよい。図6は、上記実施形態の変形例に係るX線検出器1の一部を示す平面図である。
図6に示すように、空間SPに乾燥ガスが充填されてもよい。例えば、乾燥ガス雰囲気中で接着材3により基材2a及び支持基板12を接合することで、乾燥ガスが充填された空間SPを得ることができる。
乾燥ガスは、水分を含まないガスである。乾燥ガスは、窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン及びキセノンのうちの少なくとも1つを含む不活性ガスであると望ましい。また、乾燥ガスは、不活性ガスに限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、乾燥ガスとして乾燥エアを使用することが可能である。本変形例において、基材2aの第1主面M1は、支持基板12第3主面M3に接触していないが、第3主面M3に接触してもよい。図6を用いて説明した変形例においても、シンチレータ層5及び光反射層6を水分から保護することができ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
筐体51及び入射窓52で囲まれた内部の空間(X線検出パネルPNLが露出する空間)は、空気が存在する大気圧の空間であり。但し、上記空間は、大気圧より減圧された空間であってもよい。又は、上記空間は、不活性ガス、乾燥エア等の乾燥ガスが充填された空間であってもよい。これにより、シンチレータ層5及び光反射層6を水分から、一層、保護することができる。
上述した技術は、上記X線検出器1への適用に限定されるものではなく、他のX線検出器、各種の放射線検出器に適用することができる。放射線検出器は、X線検出パネルPNLの替わりに、放射線を検出する放射線検出パネルを備えていればよい。
1…X線検出器、10…X線検出モジュール、PNL…X線検出パネル、
2…光電変換基板、2a…基材、2b…光電変換部、2b1…光電変換素子、
2b2…TFT、3…接着材、51…筐体、52…入射窓、5…シンチレータ層、
5a…側面、6…光反射層、7…防湿カバー、8…封止部、11…回路基板、
12…支持基板、M1…第1主面、M2…第2主面、M3…第3主面、SP…空間、
DA…検出領域、NDA1…第1非検出領域、NDA2…第2非検出領域。

Claims (8)

  1. 第1主面及び前記第1主面とは反対側の第2主面を含み可撓性を持つ基材と、前記基材の前記第2主面の上方に位置した複数の光電変換素子と、を有する光電変換基板と、
    前記光電変換基板の上に設けられ、前記第2主面及び前記複数の光電変換素子と対向したシンチレータ層と、
    前記基材の前記第1主面と対向し、前記光電変換基板を支持し、前記基材の弾性率より高い弾性率を持つ支持基板と、を備え、
    前記基材と前記支持基板との間の空間は、大気圧より減圧された空間である、
    放射線検出器。
  2. 第1主面及び前記第1主面とは反対側の第2主面を含む可撓性の基材と、前記基材の前記第2主面の上方に位置した複数の光電変換素子と、を有する光電変換基板と、
    前記光電変換基板の上に設けられ、前記第2主面及び前記複数の光電変換素子と対向したシンチレータ層と、
    前記基材の前記第1主面と対向し、前記光電変換基板を支持した支持基板と、
    前記基材と前記支持基板との間の空間に充填された乾燥ガスと、を備える、
    放射線検出器。
  3. 前記乾燥ガスは、窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン及びキセノンのうちの少なくとも1つを含む不活性ガスである、
    請求項2に記載の放射線検出器。
  4. 前記基材の前記第1主面と前記支持基板との間に位置し、前記基材及び前記支持基板を接合した枠状の接着材をさらに備え、
    前記接着材は、前記基材及び前記支持基板とともに前記空間を保持し、平面視にて前記シンチレータ層より外側に位置している、
    請求項1又は2に記載の放射線検出器。
  5. 前記シンチレータ層の上に設けられた光反射層をさらに備える、
    請求項1又は2に記載の放射線検出器。
  6. 前記光電変換基板、前記シンチレータ層、及び前記光反射層の上に設けられ、前記光電変換基板とともに前記シンチレータ層及び前記光反射層を密封した防湿カバーをさらに備える、
    請求項5に記載の放射線検出器。
  7. 前記防湿カバーは、可撓性を持ち、
    前記防湿カバーの弾性率は、前記支持基板の弾性率より低い、
    請求項6に記載の放射線検出器。
  8. 前記シンチレータ層の周囲に設けられ、前記光電変換基板と前記防湿カバーとを接合した枠状の封止部をさらに備え、
    前記封止部は、前記光電変換基板及び前記防湿カバーとともに前記シンチレータ層及び前記光反射層を密封している、
    請求項6に記載の放射線検出器。
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