JP2021518868A - タイヤトレッド性能改善のためのプロピレン系ポリマー添加剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、参照によってその内容全体をここに援用する2018年4月11日に提出されたUSSN 62/655,984に対する優先権及びその利益を主張する。
発明の分野
本発明は、タイヤトレッドの改質剤として有用なプロピレン-エチレン-ジエンターポリマーに関する。
摩耗、トラクション、及び転がり抵抗を指定するタイヤではタイヤトレッド化合物は重要な化合物である。良好なトレッド摩耗を実現しながら優れたトラクション、低い転がり抵抗を与えることが技術的課題である。この課題は、ウェットトラクションと転がり抵抗/トレッド摩耗との間のトレードオフにある。化合物のガラス転移温度(Tg)を上昇させると、より良いウェットトラクションをもたらすことになるが、同時に、転がり抵抗及びトレッド摩耗を増大させる。転がり抵抗及びトレッド摩耗を増大させることなく良好なウェットトラクションを実現できるトレッド化合物添加剤を開発する必要がある。
官能化SBR(スチレンブタジエンゴム)は、フィラー分散を改善することによってこのトレードオフを改善する1つの方法である。架橋したブタジエンコアとアクリルシェルを有するArlanxeoからのサブミクロン乃至ミクロンサイズのゲル、Nanoprene(商標)は、転がり抵抗に影響を与えずにウェットトラクションを高めるために用いられる別の添加剤である。しかしながら、Nanopreneは、ウェットトラクションの限られた改善を与えるにすぎない。
関連文献としては、米国特許第8,835,563号;第8,501,894号;第9,527,993号;及び第9,273,163号が挙げられる。
本明細書では、ゴム100質量部当たり(phr)下記:約70〜約90phrの、少なくとも95%のcis-1,4結合含量を有するポリブタジエン;約5〜約20phrの加工油;約5〜約20phrのヒマワリ油;約50〜約75phrのフィラー;硬化剤;酸化防止剤;及び約5〜約30phrの、約0.2wt%〜約20wt%のエチリデンノルボルネン及び/又はビニルノルボルネン並びに約10wt%〜約30wt%のエチレン及び/又はC4-C20α-オレフィン誘導単位を含有するプロピレン-エチレン-ジエンターポリマーを含むエラストマー組成物について述べる。
タイヤトレッドのウェットトラクション性能と転がり抵抗のバランスを取る方法であって、タイヤトレッドを形成するために少なくともフィラー、ポリブタジエン、及び硬化剤を1種以上のプロピレン-エチレン-ジエンターポリマーと混ぜ合わせること;及びこれらの成分の硬化を引き起こしてタイヤトレッドを形成することを含み;ここで、プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーの他成分に対するレベル、及びそのコモノマー含量を変えて、タイヤトレッドのウェットトラクションと転がり抵抗のバランスを改善することができる方法をも開示する。
本発明は、タイヤトレッド組成物におけるプロピレン-エチレン-ジエンターポリマーの使用に関する。プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは、(i)プロピレンと、(ii)エチレン及びC4-C20α-オレフィンの少なくとも1種並びに(iii)1種以上のジエン、例えばエチリデンノルボルネンを重合させることによって調製される。
タイヤトレッド組成物は、摩耗、トラクション、及び転がり抵抗を指定するタイヤにおいて重要な側面である。良好なトレッド摩耗を実現しながら優れたトラクション及び低い転がり抵抗を与えることが技術的課題である。この課題は、ウェットトラクションと転がり抵抗/トレッド摩耗との間のトレードオフにある。典型的に、組成物のガラス転移温度Tgを上昇させると、良いウェットトラクションをもたらすことになるが、同時に、転がり抵抗及びトレッド摩耗を増大させる。本明細書に記載の実施形態は、他方では、転がり抵抗及びトレッド摩耗を低下させることなく優れたウェットトラクションを与えることができるトレッド化合物添加剤を提供する。
添加剤コンパウンディングステップは、ポリオレフィンドメイン内のカーボンブラック及び酸化防止剤を濃縮することによって、スチレン-ブタジエンゴム/ポリブタジエン/天然ゴム(SBR/PBD/NR)組成物とのポリオレフィンブレンドの既知の欠点に取り組んで、耐摩耗性、硬化状態及びUV安定性を改善できるようにする。これらの欠点としては、好ましくない溶解パラメーターの差異のため硬化剤及びフィラーがポリオレフィンから離れてしまうのでポリオレフィンドメインが十分に加硫されず、かつ十分に強化されないことが挙げられる。本明細書に記載の本実施形態は、これらの欠点の1つ以上を克服する。
本明細書で使用する「プロピレン-エチレン-ジエンターポリマー」は、プロピレン及び他のコモノマーを含むいずれのポリマーであってもよい。用語「ポリマー」は、1種のモノマー又は2種以上の異なるモノマーからの反復単位を有するいずれの炭素含有化合物をも指す。本明細書で使用する用語「ターポリマー」は、3種の異なるモノマーから合成されるポリマーを指す。ターポリマーは、一部の実施形態では、(1)3種全てのモノマーを同時に混合することによって又は(2)異なるコモノマーの逐次導入によって生成可能である。コモノマーの混合は、1種、2種、又は可能性のある3種の異なる反応器内で連続して及び/又は並行に行なってよい。好ましくはプロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは、(i)プロピレン誘導単位、(ii)α-オレフィン誘導単位及び(iii)ジエン誘導単位を含む。プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは、(i)プロピレンと、(ii)エチレン及びC4-C20α-オレフィンの少なくとも1種並びに(iii)1種以上のジエンを重合させることによって調製可能である。
コモノマーは、直鎖又は分岐鎖状であってよい。好ましい直鎖コモノマーとしては、エチレン又はC4-C8α-オレフィン、さらに好ましくはエチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテン、なおさらに好ましくはエチレン又は1-ブテンが挙げられる。好ましい分岐コモノマーとしては、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、及び3,5,5-トリメチル-1-ヘキセンが挙げられる。1以上の実施形態において、コモノマーにスチレンが含まれることがある。
好ましくは、プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは、プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーの質量に基づいて2〜40wt%のC2及び/又はC4-C20α-オレフィンを含む。エチレン及びC4-C20α-オレフィンの2種以上が存在するとき、ポリマー中のこれらのオレフィンの合わせた量は、好ましくは少なくとも2wt%であり、本明細書に記載の範囲内に入る。エチレン及び/又は1種以上のα-オレフィンの量の他の好ましい範囲にはプロピレン-エチレン-ジエンターポリマーの質量に基づいて、5wt%〜35wt%、又は5wt%〜30wt%、又は10wt%〜30wt%が含まれる。
好ましくは、プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは、ターポリマーの質量に基づいて5wt%〜35wt%、又は10wt%〜30wt%のエチレン含量を有する。
好ましくは、プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは、ターポリマーの質量に基づいて0.2wt%〜20wt%のジエン含量を有する。
プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは、本明細書に記載のDSC手順により決定される0ジュール/グラム(J/g)以上、80J/g以下、又は75J/g以下、又は70J/g以下、又は60J/g以下、又は50J/g以下、又は35J/g以下の融解熱(Hf)を有し得る。
プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーの結晶化度は、本明細書に記載のDSC手順に従って測定して、結晶化度の百分率を単位として(すなわち、%結晶化度)で表すことができる。プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは0%〜40%の%結晶化度を有し得る。
プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは、好ましくは単一のブロードな融解転移を有し得る。しかしながら、プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは、主ピークに隣接した二次融解ピークを示すことがあるが、本明細書の目的では、該二次融解ピークは、まとめて単一の融点と見なされ、これらのピークの最高(本明細書に記載のベースラインに対して)がプロピレン-エチレン-ジエンターポリマーの融点と見なされる。
プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは、本明細書に記載のDSC手順により測定して、100℃以下、又は90℃未満、又は80℃未満、又は75℃以下の融点を有し得る。1以上の実施形態において、プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーは、25℃〜80℃、又は25℃〜75℃、又は30℃〜65℃の融点を有し得る。
発明組成物は、5phr〜40phr、又は5phr〜25phrの量でプロピレン-エチレン-ジエンターポリマーを包含し得る。
発明タイヤトレッド組成物はエラストマーをも含む。一般的にエラストマーの範囲は、タイヤトレッド組成物の5〜75質量%である。適切なエラストマーとしては、例えば、ジエンエラストマーがある。
「ジエンエラストマー」は、既知の方法で、少なくとも一部はジエンモノマー(共役・非共役にかかわらず、2つの炭素-炭素二重結合を有するモノマー)から生じるエラストマー(ホモポリマー又はコポリマー)を意味するものと理解される。
ジエンエラストマーは、50%超のモル含量の単位を有する共役ジエンモノマーに起因する「高度に不飽和」であり得る。
ある態様によれば、-75℃〜-40℃のTgを有する各ジエンエラストマーは、スチレン-ブタジエンコポリマー、天然ポリイソプレン、95%超のcis-1,4結合含量を有する合成ポリイソプレン、スチレン/ブタジエン/イソプレンターポリマー及びこれらのエラストマーの混合物から成る群より選択され、-110℃〜-75℃、好ましくは-100℃〜-80℃のTgを有する各ジエンエラストマーは、90%超のcis-1,4結合含量を有するポリブタジエン及びブタジエン単位を50%以上の量で含むイソプレン/ブタジエンコポリマーから成る群より選択される。
ある態様では、組成物は、-75℃〜40℃のTgを有するジエンエラストマー(複数可)と、-110℃〜-75℃のTgを有するジエンエラストマー(複数可)のそれぞれとのブレンドを含む。
ある態様では、組成物は、90%超のcis-1,4結合含量を有するポリブタジエンの少なくとも1種と、天然又は合成ポリイソプレン(95%超のcis-1,4結合含量を有する)の少なくとも1種とのブレンドを含む。
別の態様では、組成物は、90%超のcis-1,4結合含量を有するポリブタジエンの少なくとも1種と、スチレン、イソプレン及びブタジエンのターポリマーの少なくとも1種とのブレンドを含む。
特定の実施形態によれば、ジエンエラストマーは、主に(すなわち、50wt%超について)エマルション中で調製されるSBR(「ESBR」)又は溶液中で調製されるSBR(「SSBR」)、又はSBR/BR、SBR/NR(又はSBR/IR)、BR/NR(又はBR/IR)であるかにかかわらず、或いはSBR/BR/NR(又はSBR/BR/IR)ブレンド(混合物)であってもSBRである。SBR(ESBR又はSSBR)エラストマーの場合、特に例えば20質量%〜35質量%の中程度スチレン含量、又は例えば35質量%〜45質量%の高スチレン含量、ブタジエン部分の15%〜70%の含量のビニル結合、15%〜75%の含量(モル%)のtrans-1,4-結合及び-10℃〜-55℃のTgを有するSBRを利用されたい。該SBRは、好ましくは90%(モル%)超のcis-1,4-結合を有するBRとの混合物として有利に使用することができる。
本発明の別の実施形態によれば、本発明の組成物のジエンエラストマーは、90%超のレベル(モル%)のcis-1,4-構造を示すBR(低Tgエラストマーとして)と、1種以上のS-SBRs又はE-SBRs(高Tgエラストマーとして)とのブレンドを含む。
本明細書に記載の組成物は、単一のジエンエラストマー又は複数のジエンエラストマーの混合物を含むことができ、単一のジエンエラストマー又は複数のジエンエラストマーは、ジエンエラストマー以外のいずれのタイプの合成エラストマーとも、エラストマー以外のポリマー、例えば熱可塑性ポリマーとでさえも組み合わせて使用することができる。
有用なタイヤトレッド組成物は、15から50又は60wt%までのスチレンコポリマー;0又は5wt%から60wt%までのポリブタジエンポリマー;0〜60wt%の天然ゴム又は合成ポリイソプレン;15から50又は60wt%までの官能化スチレンコポリマー;0又は5wt%から60wt%までの官能化極性ポリブタジエンポリマー;0又は5wt%から60wt%までの天然ゴム又は官能化合成ポリイソプレン;0又は5wt%から20又は40wt%までの加工油;20wt%〜60wt%のフィラー、特に本明細書に記載のシリカ系フィラー;硬化剤;及び5wt%〜20wt%の本明細書に記載のプロピレン-エチレン-ジエンターポリマー、及び0又は5wt%から40wt%までの炭化水素樹脂を含むこともでき、質量百分率は全組成物に基づいている。
本明細書で使用する用語「フィラー」は、物性を強化若しくは改変し、特定の加工特性を与え、又はエラストマー組成物のコストを削減するために使用されるいずれの材料をも指す。
好ましいフィラーの例としては、限定するものではないが、炭酸カルシウム、粘土、マイカ、シリカ、ケイ酸塩、タルク、二酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、デンプン、木粉、カーボンブラック、又はその混合物が挙げられる。フィラーは、いずれのサイズ及び範囲であってもよく、例えばタイヤ業界では、0.0001μm〜100μmである。
本明細書で使用する場合、用語「シリカ」は、溶解法、焼成法等の方法で加工されたいずれのタイプ若しくは粒径のシリカ又は別のケイ酸誘導体、又はケイ酸をも指すことを意味し、未処理の沈降シリカ、結晶性シリカ、コロイドシリカ、ケイ酸アルミニウム若しくはケイ酸カルシウム、ヒュームドシリカ等が挙げられる。沈降シリカは、通常のシリカ、半高分散性シリカ、又は高分散シリカであり得る。好ましいフィラーは、商品名ZEOSIL(商標)Z1165でRhodia Companyによって市販されている。
全てのカーボンブラック、特に従来タイヤに使用されているHAF、ISAF又はSAF型のブラック(「タイヤグレード」ブラック)がカーボンブラックとして適している。後者の中で、さらに特に例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347又はN375ブラック等の100、200又は300シリーズ(ASTMグレード)の強化性カーボンブラック、又はターゲットとする用途によっては、より高品質シリーズのブラック(例えば、N660、N683又はN772)にも言及することになる。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形態のイソプレンエラストマー中に既に組み込まれている可能性もある(例えば、国際出願WO 97/36724又はWO 99/16600参照)。
強化性無機フィラーが提供される物理的状態は、粉末、ミクロビーズ、顆粒、ビーズの形態又はいずれの他の適切な圧縮形態であれ、重要でない。当然に、強化性無機フィラーという用語は、異なる強化性無機フィラー、特に下記高分散性シリカ質及び/又はアルミナ質フィラーの混合物をも意味するものと理解される。
使用可能な無機フィラーの他の例として、強化性アルミニウム(酸化物)、水酸化物、酸化チタン又は炭化ケイ素にも言及し得る(例えば、国際出願WO 02/053634及びUS 2004/0030017参照)。
好ましくは、全強化性フィラー(カーボンブラック及び/又は強化性無機フィラー)のレベルは、20〜200phr、さらに好ましくは30〜150phrであり、最適レベルは、既知の様式でターゲットとする特定用途に応じて異なり;例えば、自転車タイヤに関して期待される強化レベルは、当然に、持続様式で高速にて走行できるタイヤ、例えば、モーターサイクルタイヤ、乗用車用タイヤ又はヘビーデューティービークル等の商用車用タイヤに関して要求されるレベルより低い。
本明細書で使用する場合、用語「カップリング剤」は、さもなければ相互作用しない2つの種間、例えばフィラーとジエンエラストマーとの間の安定した化学的及び/又は物理的相互作用を促進できるいずれの薬剤をも指す意図である。カップリング剤によってシリカがゴムに強化作用を及ぼす。該カップリング剤は、シリカ粒子と予混合するか、又はプレ反応させてよく、或いはゴム/シリカ加工、又は混合段階中にゴム混合物に添加してもよい。ゴム/シリカ混合、又は加工段階中にカップリング剤及びシリカを別々にゴム混合物に添加する場合、その後カップリング剤がその場でシリカと結合すると考えられる。
カップリング剤は、硫黄系カップリング剤、有機過酸化物系カップリング剤、無機カップリング剤、ポリアミンカップリング剤、樹脂カップリング剤、硫黄化合物系カップリング剤、オキシム-ニトロソアミン系カップリング剤、及び硫黄であってよい。これらの中で、タイヤ用ゴム組成物には硫黄系カップリング剤が好ましい。
によって表すことができ、式中、xは、2〜8(好ましくは2〜5)の整数であり;記号Aは、同一であるか又は異なり、二価炭化水素基(好ましくはC1-C18アルキレン基又はC6-C12アリーレン基、さらに特にC1-C10、特にC1-C4アルキレン、特にプロピレン)を表し;記号Zは、同一であるか又は異なり、下記3つの式(VI):
シランポリスルフィドの非限定例としては、ビス((C1-C4)アルコキシ(C1-C4)アルキルシリル(C1-C4)アルキル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、例えば、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)又はビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドが挙げられる。さらなる例としては、式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2のTESPTと略されるビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、又は式[(C2H5O)3Si(CH2)3S]2のTESPDと略されるビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが挙げられる。他のとしては、ビス(モノ(C1-C4)アルコキシルジ(C1-C4)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、さらに特にビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドが挙げられる。
カップリング剤として、本明細書に記載されるか、又はそうでなければ技術上周知のもののような1種以上のカップリング剤の組み合わせが含まれることもある。好ましいカップリング剤は、アルコキシシラン又はポリ硫化アルコキシシランを含む。特に好ましいポリ硫化アルコキシシランは、Degussaにより商品名X50S(商標)で市販されているビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドである。
本明細書で使用する場合、用語「可塑剤」(加工油とも呼ばれる)は、石油由来加工油及び合成可塑剤を指す。該油は、主に組成物の加工性を改善するために使用される。適切な可塑剤としては、限定するものではないが、脂肪酸エステル又は炭化水素可塑剤油、例えばパラフィン油、芳香族油、ナフテン系石油、及びポリブテン油が挙げられる。特に好ましい可塑剤は、Nynasにより商品名NYTEX(商標)4700で市販されているナフテン油である。
MES及びTDAE油は当業者に周知であり;例えば、公表文献KGK (Kautschuk Gummi Kunstoffe), 52nd year, No. 12/99, pp. 799-805、表題「Safe Process Oils for Tires with Low Environmental Impact」を参照されたい。
MES油(「抽出」又は「水素化」型かにかかわらず)又はTDAE油の例として、例えば、ExxonMobilにより商品名FLEXON(商標)683で、H&R Europeanにより商品名VIVATEC(商標)200若しくはVIVATEC(商標)500で、Totalにより商品名PLAXOLENE(商標)MSで、又はShellにより商品名CATENEX(商標)SNRで販売されている製品に言及し得る。
言い換えれば、非常に特に、オレイン酸とグリセロールから導かれるグリセロールトリオレアートが使用される。好ましいグリセロールトリオレアートの中で、天然化合物の例として、特に、高含量(50質量%超、さらに好ましくは80質量%超)のオレイン酸を有する植物油であるヒマワリ油又はナタネ油に言及することになる。
特に本発明のトレッドが乗用型車両を対象としているとき、グリセロールトリエステル(trimester)は、5〜80phr、さらに好ましくは10〜50phr、特に15〜30phrの範囲内の好ましい量で使用される。本記述を考慮すれば、当業者は、本発明の実施形態の特定条件、特に使用する無機フィラーの量の関数としてエステルのこの量を調整できるであろう。
C5留分/ビニル芳香族コポリマーは、定義により、かつ既知の様式で、ビニル芳香族モノマーとC5留分とのコポリマーである。
例えば、スチレン、α-メチルスチレン、オルト、メタ又はパラ-メチルスチレン、ビニルトルエン、パラ-(tert-ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン及びC9留分(より一般的にはC8〜C10留分)から生じるいずれものビニル芳香族モノマーは、ビニル芳香族モノマーとして適している。好ましくは、ビニル芳香族化合物はスチレン、又はC9留分(より一般的にはC8〜C10留分)から生じるビニル芳香族モノマーである。
本明細書で使用する場合、用語「酸化防止剤」は、酸化的分解に対抗する化学薬品を指す。適切な酸化防止剤としてはジフェニル-p-フェニレンジアミン及びThe Vanderbilt Rubber Handbook (1978)、344〜346ページに開示されているものが挙げられる。特に好ましい酸化防止剤は、Eastmanにより商品名SANTOFLEX(商標)6PPDで市販されているパラ-フェニレンジアミン(N-(1,3-ジメチルブチル)-N´-フェニル-1,4-フェニレンジアミン)である。
本エラストマー組成物及び当該組成物から作られる物品は、一般的に少なくとも1種の硬化パッケージ、少なくとも1種の硬化剤、少なくとも1種の架橋剤の助けを借りて製造され、及び/又はエラストマー組成物を硬化するためのプロセスを受ける。本明細書で使用する場合、少なくとも1種の硬化パッケージは、当業界で普通に理解されるように、ゴムに硬化特性を与えることができるいずれの材料又は方法をも指す。好ましい硬化剤は硫黄である。
発明タイヤトレッド組成物は、当業者に既知のいずれの従来手段によってコンパウンド(混合)してもよい。混合は、単一ステップ又は複数段階で行なってよい。例えば、成分を少なくとも2段階で混合する。すなわち少なくとも1回の非生産的段階の後に生産的混合段階が続く。用語「非生産的」及び「生産的」混合段階は、ゴムの混合技術の当業者に周知である。一般的に1以上の非生産的混合段階でエラストマー、ポリマー添加剤、シリカ及びシリカカプラー、並びに使用する場合はカーボンブラックを混合する。最も好ましくは、最初にポリマーを110℃〜130℃で30秒〜2分間混合した後にシリカ、シリカカプラー及び他の成分を添加し、その組み合わせを最も好ましくは140℃〜160℃まで温度を上昇させて30秒から3又は4分間さらに混合する。最も望ましくはシリカは分けて、最も好ましくは半分、その後に残りの半分混合する。最後に生産的混合段階で硬化剤を混合する。生産的混合段階では、混合は、先行する非生産的混合段階の混合温度より低い温度、又は最終的温度で行なわれる。
非晶質プロピレン系コポリマー(PEDM1〜PEDM7)の調製
触媒系:触媒前駆体はビス((4-トリエチルシリル)フェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-tert-ブチル-フルオレン-9-イル)ハフニウムジメチルであった。しかしながら、良いジエン組み込み及びMW能力を有する他のメタロセン前駆体を使用することもできた。
活性化剤はジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートであったが、ジメチルアニリニウムテトラキス(ヘプタフルオロナフチル)ボラート及び他の非配位性アニオン型活性化剤又はMAOを使用することもできた。
供給原料と流出物を両方サンプリングするオンラインガスクロマトグラフ(GC)によって反応器内の変換をモニターした。GC分析は、プロピレン供給原料に存在するプロパン不純物を内部標準として利用した。反応器ヒーターの出力(表面温度)及び触媒供給速度を調整することによって反応器温度及び反応器壁を越える温度差を一定に保った。供給原料中の0.5〜3モルppm触媒濃度で目標反応器温度を維持した。これらの低い触媒濃度ででは、制御された定常状態の反応器条件を達成する際に不純物の制御が最も重大な因子であった。供給原料精製トラップを利用して、モノマー供給原料によって運ばれる不純物を制御した。精製トラップは供給ポンプの目前に配置され、連続した以下の2つの個別床で構成された:O2除去用の活性化銅(225℃及び1バールでH2を流して還元)に続く水除去用の分子ふるい(5A、270℃でN2を流して活性化)。
アルゴン充填ドライボックス(Vacuum Atmospheres)内で触媒供給溶液を調製した。グローブボックス内の大気を精製して<1ppmのO2及び<1ppmの水を維持した。全てのガラス器具は、110℃で最短4時間オーブン乾燥させ、ドライボックスのアンティチェンバー(antechamber)に熱を移した。琥珀色のビンに入れてドライボックス内で保管された精製トルエンを用いて触媒前駆体と活性化剤の原液を調製した。一定分量を取って新鮮な活性化触媒溶液を調製した。活性化触媒溶液をアルゴン充填ドライボックス内部の厚肉ガラスリザーバー(Ace Glass, Inc. Vineland, NJ)に入れてアルゴンで5psigまで加圧した。特注のツーバレル連続高圧シリンジポンプ(PDC Machines)によって活性化触媒溶液をユニットに送り出した。
活性化塩基性アルミナを通して濾過することによってエチリデンノルボルネン(ENB)及びビニルノルボルネン(VNB)ジエンを精製した。これらの濾過ジエンをブレンドして適切な供給濃度とし、4リットルのガラス容器(Ace Glass, Vineland, NJ)に入れてアルゴン充填ドライボックス内に保管した。アルゴンの5〜10psigのヘッド圧力をガラス容器に加えてスカベンジャー溶液を500mLのシングルバレルISCOポンプに送り出した。このポンプは次にジエンを反応器に供給した。
重合実験中、反応器を所望反応温度より約10〜15℃低い温度まで予熱した。反応器が予熱温度に達したら、溶媒ポンプを作動させて4リットルのスカベンジャー溶液供給容器からヘキサン/トリオクチルアルミニウムスカベンジャー溶液を反応器に送り出した。このスカベンジャー/触媒溶液流は、スターラーアセンブリ上部のポートを通って反応器に入り、ポリマーがスターラードライブを詰まらせないようにした。供給容器から受け取る溶媒量のモニタリングによって反応器への溶媒の流れを確認した後、モノマーの供給を始めた。サイドポート経由でモノマーを反応器に供給した。圧力が約100バール(約1.5kpsi)まで上昇したときに各弁を短時間開くことによって反応器をパージした。これにより反応器内の圧力が下がり、反応器の全てのポートが操作可能であることを確認した。全ての弁を試験し、反応器が所望の反応圧力に達した後、活性化触媒溶液を含有するシリンジポンプを加圧した。シリンジポンプ圧が反応器圧を27バール(約400psi)超えると、空気で作動する電磁弁が開いて、触媒溶液が反応器上流へ流れる溶媒流と混ざるようにした。反応器への触媒の到着は、発熱性重合反応に起因する反応温度の上昇によって示された。ラインアウト期間中、目標とする反応温度及び転化率に達してそれを維持するように触媒供給速度を調整した。生成物を回収し、70℃で一晩真空乾燥させた後に秤量した。一定分量の生成物を用いて、生成物全体の収率を均質化せずに特徴づけした。
ポリマーのメルトインデックス(MI)は、Dynisco Kayeness Polymer Test Systems Series 4003装置を用いてASTM D1238-13に従って決定した。測定プロトコルは、Series 4000 Melt Indexer Operation manual, Method Bに記載されている。
ASTM D3900-17に記載の既存方法の拡張方法であるフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を利用してC2含量を決定した。エチレン含量は、1155cm-1と1166cm-1との間に中心があるプロピレンメチルの縦揺れ振動(wag)及び722cm-1と732cm-1との間に中心があるメチレンの横揺れ振動帯(rocking band)の赤外吸光度の面積を測定することによって決定する。プロピレンの基点は、1245cm-1とプロピレンピークとの間及び1110cm-1とプロピレンピークとの間の最小吸光度値を見つけることによって決定する。最小値が見つからない場合、1245又は1110cm-1の終点を用いる。エチレンの基点は、785cm-1とエチレンピークとの間及び675cm-1とエチレンピークとの間の最小吸光度値を見つけることによって決定する。最小値が見つからない場合、785又は675cm-1の終点を用いる。
これらの面積の比(Aプロピル/Aエチル)=ARを計算してから、特徴がはっきりしているプロピレン-エチレンコポリマー標準物質で機器を較正することによってエチレンの質量分率と関連づける。
この方法の進行中に、上記比[AR/(AR+1)]の表現を使用することによって、かつ二次最小二乗回帰(quadratic least square regression)による標準物質のエチレン含量との相関性によって実験データの最良適合を得た。
添加剤混合:PEDM1〜PEDM7化合物の組成は表2に従い、各PEDMをそれぞれ用いて、対応するPEDM化合物を生成する。全ての成分はphr、すなわちポリマー単位百部当たりの部で示してある。これらの化合物を適切なミキサーで当業者に周知の少なくとも2つの連続パスを用いて混合した。混合温度は110℃〜210℃の範囲である。個々の各混合ステップの混合持続時間は、所望特性に応じて1〜30分である。
** 全PEDM百部当たりの質量部
コントロール及び実施例のトレッド化合物処方を表3に示す。全ての成分はphr、すなわちポリマー単位百部当たりの部で示してある。これらの化合物を適切なミキサーで当業者に周知の少なくとも2つの連続パスを用いて混合した。非生産的パス(架橋系のない混合)は、110℃〜190℃の高温で混合する。非生産的パスの後に、架橋系が添加される生産的パスが続く。この混合の温度は、典型的に110℃未満である。
** 表3中の全ての値は、全ゴム(SPRINTAN(登録商標)SLR-4602+BUNA(登録商標)CB 24+PEDM化合物)百部当たりの質量部である。
表3に記載の化合物を圧縮成形し、硬化させてパッドにした。その後、硬化パッドから矩形試験片(幅12mm&長さ30mm)を打ち抜いて、ねじれ矩形形状における動的機械試験のためにARES G2(Advanced Rheometric Expansion System, TA instruments)に取り付けた。試験片の厚さはおよそ1.8mmであったが、試験片の厚さは各試験について異なったので手作業で測定した。最初に5.5%の歪みまで室温及び10Hzで歪み掃引を行なった後、4%の歪み及び10Hzで-50℃から100℃まで2℃/分の傾斜率で温度掃引を行なった。貯蔵モジュラス及び損失モジュラスを損失正接値と共に測定した。より良好なウェットトラクションのためには、0℃の温度でより高い損失正接を有するのが好ましい。
記載どおりのタイヤトレッド組成物におけるプロピレン-エチレン-ジエンターポリマーの使用をも開示する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上明白に他の意味に解すべき場合を除き、複数形を含むことに留意しなければならない。同様に、用語「a」(又は「an」)、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は、本明細書では互換的に使用可能である。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「特徴とする(characterized by)」及び「有する(having)」は、互換的に使用可能であることにも留意すべきである。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上明白に他の意味に解すべき場合を除き、複数形を含むことに留意しなければならない。同様に、用語「a」(又は「an」)、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は、本明細書では互換的に使用可能である。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「特徴とする(characterized by)」及び「有する(having)」は、互換的に使用可能であることにも留意すべきである。
本発明は、以下の事項を有している。
(請求項1)
ゴム100質量部当たり(phr)下記:
約70〜約100phrの、少なくとも95%のcis-1,4結合含量を有するポリブタジエン;
約5〜約20phrの加工油;
約5〜約20phrのヒマワリ油;
約50〜約75phrのフィラー;
硬化剤;
酸化防止剤;及び
約5〜約40phrのプロピレン-エチレン-ジエンターポリマーであって、約0.2wt%〜約20wt%のエチリデンノルボルネン及び/又はビニルノルボルネンと、約10wt%〜約30wt%のエチレン及び/又はC4-C20α-オレフィンとを含有するプロピレン-エチレン-ジエンターポリマー、
含むエラストマー組成物。
(付記2)
前記フィラーがシリカ系フィラーである、付記1に記載のエラストマー組成物。
(付記3)
前記フィラーがカーボンブラックフィラーである、付記1に記載のエラストマー組成物。
(付記4)
前記フィラーが、シリカ系フィラーとカーボンブラックフィラーとのブレンドである、付記1に記載のエラストマー組成物。
(付記5)
前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、約5phr〜約25phrの量で存在する、付記1〜4のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
(付記6)
前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーのジエンがエチリデンノルボルネンである、付記1〜5のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
(付記7)
前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーのジエンがビニルノルボルネンである、付記1〜5のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
(付記8)
前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、該ターポリマーに基づいて約5wt%〜約35wt%のエチレンを含有する、付記1〜7のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
(付記9)
前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、該ターポリマーに基づいて約10wt%〜約30wt%のエチレンを含有する、付記1〜8のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
(付記10)
前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、該ターポリマーに基づいて約60wt%〜約95wt%のプロピレンを含有する、付記1〜9のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
(付記11)
前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、該ターポリマーに基づいて約65wt%〜約90wt%のプロピレンを含有する、付記1〜10のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
(付記12)
前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、該ターポリマーに基づいて約70wt%〜約85wt%のプロピレンを含有する、付記1〜11のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
(付記13)
前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーのガラス転移温度(Tg)が約0℃〜約-60℃である、付記1〜12のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
(付記14)
前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーの230℃にて2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が約0.2〜約10g/10分である、付記1〜13のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
(付記15)
付記1〜14のいずれか1項に記載のエラストマー組成物を含むタイヤトレッド組成物。
(付記16)
付記15に記載のタイヤトレッド組成物を含む物品。
(付記17)
付記1〜14のいずれか1項に記載のエラストマー組成物を含むタイヤトレッドのウェットトラクション性能と転がり抵抗のバランスを取る方法であって、
タイヤトレッドを形成するために少なくとも前記フィラー、前記ポリブタジエン、及び前記硬化剤を1種以上の前記プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーと混ぜ合わせ;かつ
これらの成分の硬化を引き起こしてタイヤトレッドを形成する方法であって、
前記プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーの他成分に対するレベル、及びそのコモノマー含量を変えて、タイヤトレッドのウェットトラクションと転がり抵抗のバランスを改善することができる、前記方法。
Claims (17)
- ゴム100質量部当たり(phr)下記:
約70〜約100phrの、少なくとも95%のcis-1,4結合含量を有するポリブタジエン;
約5〜約20phrの加工油;
約5〜約20phrのヒマワリ油;
約50〜約75phrのフィラー;
硬化剤;
酸化防止剤;及び
約5〜約40phrのプロピレン-エチレン-ジエンターポリマーであって、約0.2wt%〜約20wt%のエチリデンノルボルネン及び/又はビニルノルボルネンと、約10wt%〜約30wt%のエチレン及び/又はC4-C20α-オレフィンとを含有するプロピレン-エチレン-ジエンターポリマー、
含むエラストマー組成物。 - 前記フィラーがシリカ系フィラーである、請求項1に記載のエラストマー組成物。
- 前記フィラーがカーボンブラックフィラーである、請求項1に記載のエラストマー組成物。
- 前記フィラーが、シリカ系フィラーとカーボンブラックフィラーとのブレンドである、請求項1に記載のエラストマー組成物。
- 前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、約5phr〜約25phrの量で存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーのジエンがエチリデンノルボルネンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーのジエンがビニルノルボルネンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、該ターポリマーに基づいて約5wt%〜約35wt%のエチレンを含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、該ターポリマーに基づいて約10wt%〜約30wt%のエチレンを含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、該ターポリマーに基づいて約60wt%〜約95wt%のプロピレンを含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、該ターポリマーに基づいて約65wt%〜約90wt%のプロピレンを含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーが、該ターポリマーに基づいて約70wt%〜約85wt%のプロピレンを含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーのガラス転移温度(Tg)が約0℃〜約-60℃である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 前記プロピレン-エチレンジエンターポリマーの230℃にて2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が約0.2〜約10g/10分である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載のエラストマー組成物を含むタイヤトレッド組成物。
- 請求項15に記載のタイヤトレッド組成物を含む物品。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載のエラストマー組成物を含むタイヤトレッドのウェットトラクション性能と転がり抵抗のバランスを取る方法であって、
タイヤトレッドを形成するために少なくとも前記フィラー、前記ポリブタジエン、及び前記硬化剤を1種以上の前記プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーと混ぜ合わせ;かつ
これらの成分の硬化を引き起こしてタイヤトレッドを形成する方法であって、
前記プロピレン-エチレン-ジエンターポリマーの他成分に対するレベル、及びそのコモノマー含量を変えて、タイヤトレッドのウェットトラクションと転がり抵抗のバランスを改善することができる、前記方法。
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