JP2021516904A - Sawフィルタデバイスにおける発生源抑制のための変換器構造 - Google Patents

Sawフィルタデバイスにおける発生源抑制のための変換器構造 Download PDF

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Abstract

表面弾性波デバイスのための変換器構造は、インターディジタル化されたくし型電極の対(302、304)を備え、前記インターディジタル化されたくし型電極の対(302、304)が異なるくし型電極(302、304)に属し2つの隣接する電極手段(306、308)の間の端部間電極手段距離として規定されるピッチpを有する隣接する電極手段(306、308)を備え、ピッチpがブラッグ条件を満足する、変換器構造において、前記インターディジタル化されたくし型電極の対(302、304)は、2つ以上の隣接する電極手段(306、308)が同じくし型電極(302、304)に属し一方で上記ピッチpに対応する互いに対する端部間距離を有する少なくとも1つの領域(316)を含むことを特徴とする。本発明は、表面弾性波フィルタデバイスにも関する。【選択図】 図3

Description

本発明は、表面弾性波フィルタデバイス、より詳細には、表面弾性波フィルタデバイスのための変換器構造に関する。
近年、表面弾性波(SAW)デバイスが、フィルタ、センサ及び遅延線などの増え続ける数の実際的な用途で採用されてきている。特に、SAWフィルタは、複雑な電気回路を採用せずに低損失高次バンドパスフィルタを形成するそれ自体の能力のために、携帯電話用途に対して関心が持たれている。これゆえ、SAWフィルタは、他のフィルタ技術よりも性能及び大きさにおいて著しい強みを提供する。
典型的な表面弾性波デバイスでは、1つ又は複数のインターディジタル化された変換器(IDT)が、ある種の材料の圧電効果を採用することにより弾性波を電気信号へ変換するために使用され、そして逆も同様である。インターディジタル変換器(IDT)は、圧電基板に配置されたインターディジタル化された金属フィンガを有する対向する「くし歯」を備える。表面弾性波は、フィンガを電気的に励起することにより基板に確立されることがある。逆に、電気信号は、変換器の下方の圧電基板材料を伝播する表面弾性波によりフィンガの全体にわたり誘起されることがある。
SAWデバイスは、圧電材料として、モノリシックな石英、LiNbO又はLiTaO結晶から作られたウェハを一般に使用する。しかしながら、圧電基板の使用は、使用する圧電材料に応じて、温度に対する高い感度又は弱い電気機械的カップリングのどちらかに苦しみ、これがフィルタの通過帯域特性の悪い性能に結果としてつながる。
1つの手法が、このようなデバイスのために複合基板の使用をもたらした。複合基板は、ベース基板に形成した1つ又は複数の層を含むことができる。基板上の単一層の設計は、好ましい選択肢であり、その理由は、上記単一層が単純な設計であり最上部の単一層が圧電材料から作られる限り圧電性ではないベース基板の使用を可能にするためである。強いカップリング、例えば1%よりも大きい電気機械係数k と例えば10ppm/Kよりも小さい周波数の温度係数(TCF)に関する温度安定性との組合せを有する複合基板は、SAWデバイスの性能を高めるであろうし、設計の柔軟性を与える。
複合基板は、ベース基板用の材料の大きな選択を与え、ダイアモンド、サファイア、炭化ケイ素及びそれどころかシリコンなどの高い弾性波伝播速度を有するベース基板材料が選択されることがある。
基板の周波数の温度係数(TCF)を考慮して使用される材料を調節することによって、圧電基板に製造したデバイスと比較して複合基板に製造したデバイスの温度感度を低下させることもさらに可能である。例えば、反対の周波数の温度係数(TCF)を有する2つの材料を使用することが可能であり、これが温度全体にわたりスペクトル的により安定であるSAWデバイスを結果としてもたらす。上部層のうちの1つよりも小さな熱膨張を示す基板を使用することもさらに可能であり、これゆえ、複合熱膨張を押し付けそして同様にTCF低下をもたらす。
最後に、材料の選択、材料の組合せ、材料の向き、及び最上部の単一層の厚さは、圧電基板単独の使用と比較して広い範囲の設計の可能性を提供し、これが高周波数のフィルタリングの分野でのSAWデバイスの改善のための余地を与える。
しかしながら、現在まで、複合構造に基づくいくつかのSAWフィルタデバイスが良い温度特性を与えることができる一方で、SAWフィルタデバイスは、米国特許第5,998,907号に開示されたようにフィルタ通過帯域の性能の著しい劣化に依然として苦しみ、より大きな挿入損失及びモバイル用途にとってSAWフィルタデバイスを不適当にさせる通過帯域の狭帯域化を結果としてもたらす。
さらにその上、複合基板に基づくSAWフィルタデバイスは、圧電層/基板の界面のところで反射される表面において生じる励起モードに対応する高レベルの寄生モードもさらに示す。このような効果は、圧電層の層厚さが半波長より一旦大きくなると典型的には観察される。このような効果は、基板の底部表面と空気との間の界面のところでの反射のために、250μm以下程度の厚さを有する比較的薄いバルク基板に基づくSAWフィルタに関して実際にさらに観察される。
このことは、フィルタの帯域通過の外側のいわゆる「ラトル効果」を結果としてもたらし、フィルタデバイスの性能、より詳しくは、フィルタデバイスの帯域外排除を減少させる。様々な手法が、例えば、独国特許出願公告第102017108483号のように、反射を減少させる界面のところに特別な層を追加することにより、又は米国特許出願公開第2017/0104470号のように、変換器の異なる部分全体を通して変換器構造の電極ピッチを調節することによりこれらのスプリアス共振に対処しようと試みた。しかし、このような手法は、SAWフィルタデバイスに対する製造の制約及び限定を導入する。
これゆえ、複合基板のSAWフィルタの性能は、依然として改善される必要がある。
本発明の目的は、改善したパラメータを有する複合基板に堆積された表面弾性波フィルタデバイスを提供することによりこれまでに言及した欠点を克服することである。
本発明の目的は、弾性波伝播基板に形成された表面弾性波デバイスのための変換器構造により達成され、前記変換器が電気的負荷及び/又は電源とカップリングするように構成され、前記基板に形成されたインターディジタル化されたくし型電極の対を備える表面弾性波デバイスであり、前記インターディジタル化されたくし型電極の対が、異なるくし型電極に属し2つの隣接する電極手段の間の端部間電極手段距離として規定されるピッチpを有する隣接する電極手段を備え、上記ピッチpがp=λ/2により与えられるブラッグ条件を満足し、λが前記変換器の動作弾性波長である、変換器構造において、前記インターディジタル化されたくし型電極の対は、2つ以上の隣接する電極手段が上記同じくし型電極に属し一方で上記ピッチpに対応する互いに対する端部間距離を有することを特徴とする。変換器の動作弾性波長λは、f=V/2p=V/λであるので変換器構造の共振周波数fに対応し、Vが弾性波伝播基板における弾性波伝播速度である。同期モードにおいてブラッグ条件で変換器構造を使用すること及び変換器構造の特性的な特徴を修正せずに変換器構造の電気−弾性源密度を減少させることを可能にするために変換器構造の少なくとも1つの領域のところで修正することが可能である。実際に、電気−弾性源は、交互の電位/異なる電位に接続される2つの隣接する電極手段によって規定される。
これゆえ、同じ電位に接続される少なくとも2つ以上の隣接する電極手段が、デバイスの1つ又は複数の電気−弾性源の抑制をもたらす。したがって、少しの弾性波しか発生されず、検出されない。変換器構造の特性的な特徴を修正せずに、変換器構造の1つ又は複数の電気−弾性源の抑制によって変換器構造の弾性波の励起効率及び検出効率を制御することがこれゆえ可能になる。さらにその上、複合基板又は薄いバルク基板がSAWフィルタデバイスのフィルタ特性における寄生モードにつながることが知られているので、変換器構造における1つ又は複数の電気−弾性源の抑制によりSAWフィルタデバイスに存在する変換器構造の電気化学カップリング係数k の減少が、これらの寄生モードの存在又は検出の低下につながるはずである。全体の変換器長さ及び変換器構造の電極手段数を考慮して、電気−弾性源密度に比例する係数により変換器構造の電気化学カップリング係数k を減少させることがここで可能である。
本発明の変形形態によれば、上記変換器構造は、前記基板に形成されたインターディジタル化されたくし型電極の対を備えることができ、前記インターディジタル化されたくし型電極の対が、異なるくし型電極に属し2つの隣接する電極手段の間の端部間電極手段距離として規定されるピッチpを有する隣接する電極手段を備え、ピッチpがp=λ/2により与えられるブラッグ条件を満足し、λが前記変換器の動作弾性波長であり、上記電極手段がすべて同じ幾何形状を有する、上記変換器構造において、前記インターディジタル化されたくし型電極の対は、2つ以上の隣接する電極手段が同じくし型電極に属し一方で前記ピッチpに対応する互いに対する端部間距離を有しそして同じ幾何形状を有する少なくとも1つの領域を含むことを特徴とする。変形形態では、すべての電極手段が、同じ幾何形状を有する。
これらの変形形態でもまた、同期モードにおいてブラッグ条件で変換器構造を使用することが可能であり、変換器構造の少なくとも1つの領域が、変換器構造の電気−弾性源密度を減少させるために修正される。変換器構造において1つ又は複数の電気−弾性源の抑制により、変換器構造の弾性波の励起効率及び検出効率を制御することがこれゆえ可能になる。さらにその上、変換器構造における電気化学カップリング係数k は、全体の変換器長さ及び変換器構造の電極数を考慮して、電気−弾性源密度に比例する係数だけ減少されることがある。変換器構造において基板の反射した電気−弾性波に起因する寄生モードの存在又は少なくとも検出を減少させることも、したがって可能である。
本発明の変形形態によれば、変換器構造は、同じくし型電極に属する2つ以上の電極手段を有する複数の領域を含む。以て、電気−弾性源の抑制が、変換器構造において大きくされ、変換器の電気機械カップリング係数k をさらに減少させることを可能にする。基板の反射した電気−弾性波に起因する寄生モードの変換器構造による存在又は少なくとも検出もまた、したがって減少されるはずである。
本発明の変形形態によれば、上記電極手段が、電極フィンガ又は分割フィンガであり、前記分割フィンガが、同じ電位で2つ以上の隣り合う電極フィンガを含む。以て、単一の電極変換器構造に対してだけでなく、例えば、二重フィンガ電極変換器に対しても、様々なタイプの変換器構造に対する電気−弾性源の抑制を使用することが可能である。
本発明の変形形態によれば、同じくし型電極に属する2つ以上の隣接する電極手段を有する複数の領域が、周期的には配置されず、特にランダムに配置される。したがって、電気−弾性源の抑制及び電気−弾性波の励起は、周期的な方法では実現されない。非周期的な方法で領域を配置することのもう1つのプラスの効果は、変換器構造により発生される低調波効果が減少される又はそれどころか抑制されることである。
本発明の変形形態によれば、同じくし型電極に属する2つ以上の隣接する電極手段を有する少なくとも1つの領域、特に上記少なくとも1つの領域のうちの各々が、同じくし型電極に属する隣接する電極手段のうちの偶数個、特に2つだけを含む。変換器構造において同じ電位に接続された偶数個の隣接する電極フィンガを有することは、実際には、電気−弾性源の抑制並びに変換器構造内部で発生した表面弾性波のπの位相変化を結果としてもたらす。変換器構造の電気機械カップリング係数k をさらに減少させることがこれゆえ可能である。2つだけの電極フィンガが同じ電位に接続される特定のケースでは、変換器構造内部で発生した表面弾性波のπの位相変化だけが生じ、特にここでは2分の1に電気機械カップリング係数k の減少という結果をもたらす。考えは、同じくし型電極に接続された2つの電極フィンガの各々の側から変換器に向かって放出されるエネルギーを統合することによって弱め合う干渉を作り出すことである、ところが、変換器の外側に向かって放出されるエネルギーは、実際に発せられ鏡により反射されるだろう。このことが、その時には2分の1だけ変換器効率を低下させるだろう。
本発明の変形形態によれば、同じくし型電極に属する2つ以上の隣接する電極手段を有する少なくとも1つの領域、特に上記少なくとも1つの領域のうちの各々が、同じくし型電極に属する隣接する電極手段のうちの奇数個、特に3つだけを含む。同じくし型電極に属する奇数個の隣接する電極手段を有することは、変換器構造内部での1つ又は複数の電気−弾性源の抑制という結果をもたらし、変換器に関する電気機械カップリング係数k の減少という結果をもたらすだろう。同じ電位に接続される少なくとも2つの隣接する電極フィンガがデバイスにおいて1つ又は複数の電気−弾性源の抑制をもたらすので、したがって、少しの弾性波しか発生されず、検出されない。変換器構造において1つ又は複数の電気−弾性源の抑制により変換器構造の弾性波の励起効率及び検出効率を制御することが、これゆえ可能になる。さらにその上、複合基板又は薄いバルク基板がSAWフィルタデバイスのフィルタ特性における寄生モードをもたらすことが知られているので、変換器構造の電気化学カップリング係数k の減少が、変換器構造における1つ又は複数の電気−弾性源の抑制によってSAWフィルタデバイスに存在し、これらの寄生モードの存在又は検出の低下をもたらすはずである。全体の変換器長さ及び変換器構造の電極数を考慮して電気−弾性源密度に比例する係数だけ変換器構造における電気化学カップリング係数k を減少させることが、ここで可能である。
本発明の変形形態によれば、上記同じくし型電極に属する隣接する電極手段の数が、上記同じくし型電極に属する2つ以上の隣接する電極手段を有する少なくとも2つの領域の間で異なる。したがって、あるものは、変換器の設計においてさらなる自由度を有し、特に、変換器構造の電気機械カップリング係数k をさらに減少させる。変換器構造の電気機械カップリング係数k の減少は、変換器構造において基板の反射した電気−弾性波に起因する寄生モードの存在又は少なくとも検出を減少させることを可能にする。
本発明の変形形態によれば、上記同じくし型電極に属する隣接する電極手段を有する領域が、両方のくし型電極に設けられる。このことは、必要性に対して変換器構造を調整する可能性をさらに高めるだろう。
本発明の変形形態によれば、上記表面弾性波フィルタデバイスの上記基板が、少なくとも1つの第1の材料のベース基板及び圧電材料の上層部、特にLiTaO、特に36°<∂<52°で(YXI)/∂として規格IEEE1949 Std−176に従って規定された結晶方位を有するLiTaO、さらに特に、規格IEEE1949 Std−176に従った(YXI)/42°カットとして規定された、42°Yカット、X伝播を有するLiTaOを含む複合基板であってもよい。したがって、SAWデバイスの性能をさらに高めることを可能にし、設計のさらなる柔軟性を与える、温度安定性のある材料を組み合わせた複合基板を得ることができる。さらにその上、基板用の材料の大きな選択が、利用可能である、すなわち、高い弾性波伝播速度を有する基板材料が、選択されてもよい。
本発明の変形形態によれば、上記ベース基板は、シリコンを含む。ベース基板は、圧電材料の上部層に接してトラップリッチ層をさらに含むことができ、前記トラップリッチ層がベース基板の分離性能を向上させ、例えば、多結晶シリコン、非晶質シリコン、又は多孔質シリコンなどの多結晶材料、非晶質材料、又は多孔質材料のうちの少なくとも1つにより形成されてもよいが、本発明はこのような材料に限定されない。
シリコンに圧電層を移転させるために、移転されるべき層を規定するために圧電ソース基板にイオン注入を使用し、シリコン基板にソース基板を張り付け、熱処理又は機械的処理により上記層を移転させる、SmartCut(商標)のような大量生産方法が使用されることがある。もう1つの選択肢は、圧電ソース基板をベース基板に組み立てること、及び特に化学的処理及び/又は機械的処理を使用して、圧電ソース基板のシンニングを引き続いて実行することだろう。代替として、ダイアモンド、サファイア又は炭化ケイ素のようなベース基板が使用されてもよい。
本発明の変形形態によれば、上記ベース基板に形成された上記圧電層の厚さが、1波長よりも大きい、特に20μmよりも大きいことがある。層の厚さがデバイスの使用の周波数に影響するので、周波数の望まれる範囲に、例えば、高周波数をフィルタするためにSAWデバイスを適用するために厚さを調節することが可能になる。
本発明の変形形態によれば、上記ベース基板の材料及び上記圧電材料は、異なる周波数の温度係数(TCF)、特に反対の周波数の温度係数(TCF)を有する。標準圧電基板の高いTCFは、通過帯域の波長のシフトをもたらし、フィルタデバイスにおける不安定性をもたらす。複合基板においてベース基板と圧電層との間で反対のTCFを選択することにより、温度の関数としての変換器の振る舞いを改善することが可能になる。
本発明の変形形態によれば、上記ベース基板の上記材料が、上記圧電層のうちの1つよりも小さい、特に最小で10分の1小さい、さらに特に、10分の1よりも小さい熱膨張を有する。これゆえ、複合基板のベース基板が、複合基板の総合的な熱膨張を押し付けることができ、デバイスのTCF低下をもたらす。温度の関数として変換器の振る舞いを改善することが可能になる。
本発明の目的は、これまでに説明したような弾性波伝播基板及び少なくとも1つの変換器構造を備える、表面弾性波フィルタデバイスを用いても達成される。したがって、SAWフィルタデバイスは、変換器構造を備え、上記変換器構造では、それ自体の構造のアクティブな電気−弾性源の総数及びそれゆえ電気化学カップリング係数k がブラッグ条件から乖離せずに制御される。
特に、SAWフィルタデバイスの少なくとも1つの変換器構造が、上に説明したような特徴のうちの1つ又は複数を有する変換器構造を備えることができる。したがって、SAWフィルタデバイスは、変換器構造を備え、上記変換器構造がそれ自体の構造の電気−弾性源の抑制によってそれ自体の電気機械カップリング係数k を制御することを可能にする。変換器構造における電気−弾性源の抑制は、順にSAWフィルタデバイスの帯域通過の外側の寄生信号の削減及び温度でのさらに安定なフィルタ特性につながる。
本発明の変形形態によれば、表面弾性波フィルタデバイスの各々の変換器構造は、同じ構成を有する。この特性は、すべての素子がフィルタ形状及び帯域外排除を最適化するために互いに類似の方法で振る舞うことを必要とするインピーダンス素子フィルタにとって特に重要である。
本発明の変形形態によれば、SAWフィルタデバイスのフィルタ帯域通過は、所与のモード−基板カップルに関して実現可能な最大帯域通過よりも狭い、特に、(100)シリコンのLiTaO(YXI)/42°のケースに対して0.1と2%との間に含まれる。SAWフィルタデバイスのフィルタ帯域通過は、電気−弾性源の抑制の領域の総数及び少なくとも1つの変換器構造におけるそれら自体の非周期的な又はランダムな配置に依存して変調可能である。
フィルタ帯域通過幅Δfが電気機械カップリング係数k に関係するので、これゆえ、変換器構造の構造的な特徴、すなわち電極手段の形状、例えば、電極フィンガ幅、電極ピッチを修正せずに、電気機械カップリング係数k を変えることによってSAWフィルタデバイス帯域通過を変えること及び制御することが可能である。したがって、抑制された電気−弾性源の総数及び配列を単純に調節することによって使用される製造プロセスを修正せずに、フィルタ特性を適応させることが可能になる。結果として、所与の値から始めて電気機械カップリングの制御は、排除、帯域の位相直線性、挿入損失、等などの他のフィルタの特徴の劣化なしに様々なフィルタ帯域幅を取り扱うことを可能にする。
本発明は、添付の図とともに下記の説明を参照することにより理解されることがあり、図では、参照番号は本発明の特徴を特定する。
従来技術による表面弾性波デバイス用のインターディジタル化された変換器構造を示す図である。 従来技術による、複合基板の図1aのインターディジタル化された変換器構造の側面図を示し、このような構造において発生されそして反射された弾性波をさらに図示する図である。 本発明の第1の実施形態による表面弾性波デバイス用のインターディジタル化された変換器構造を模式的に図示する図である。 本発明の第2の実施形態による表面弾性波デバイス用のインターディジタル化された変換器構造を模式的に図示する図である。 本発明の第3の実施形態による表面弾性波デバイス用のインターディジタル化された変換器構造を示す図である。 表面弾性波フィルタデバイスの例として、並列の6個の共振器及び直列の6個の共振器を備えた、ラダー型フィルタデバイスであるSAWフィルタデバイスの実際的な例を示す図である。 本発明の第4の実施形態による、図5aの表面弾性波デバイス用のインターディジタル化された変換器構造の実際的な例を示す図である。 第4の実施形態による、図5bのインターディジタル化された変換器構造内部で接続された電極フィンガの数とともに、電気機械カップリング係数k の変動のプロットを示す図である。 図5bの変換器構造を使用して、図5aのSAWフィルタデバイスについてのSAWフィルタデバイス特性を図示する図である。 本発明の第4の実施形態による、電気−弾性源の非周期的な抑制の有無の図5bに従った変換器構造を有する図5aのSAWフィルタデバイス特性のシミュレーションを図示する図である。
図1aには、従来技術による変換器構造100が示される。変換器構造100は、対向するインターディジタル化されたくし型電極102及び104を備え、その各々は、それぞれの導電性部分110及び112から延び互いにインターディジタル化される、それぞれ複数の電極フィンガ106及び108を有する。電極102及び104並びに導電性部分110及び112は、任意の適した導電性金属、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金製である。
とりわけ、変換器は、図1に描かれたよりもはるかに多くの数の電極フィンガを一般に有する。実際の電極フィンガの数は、全体の概念をより明瞭に描こうとして図面のフィンガでは著しく少なくされている。
電気的負荷114が、電極102、104をはさんでつなげられるように図示される。しかしながら、変換器100が基板116の表面弾性波を励起するため若しくは受けた表面弾性波を電気信号に変化するため、又は両方に利用されるかどうかに依存して、電源電位114が、電極102、104をはさんでさらにつなげられてもよいことが理解されるだろう。
変換器構造100は、電場方向に、意味することは、図1に矢印Eにより示したように、電極102、104のフィンガ106、108の延伸方向yに垂直に、表面弾性波を励起する。変換器構造100は、電場が実効的に印加されるゾーンに対応する電気−弾性源の和として考えられてもよい。変換器構造がそれ自体の端部の各々で、意味することは2つの方向+X及び−Xに、エネルギーを放出するので、電気−弾性源は、隣接する電極フィンガと比較して異なる電位を有する任意の電極フィンガ間と考えられる。このことは、電気−弾性源が反対の極性の隣接する電極フィンガの対により形成されるという定義につながる。これゆえ、電気−弾性源118は、例えば、交互の電位+V/−Vである電極フィンガ106_1と電極フィンガ108_1との間に存在するが、交互の電位−V/+Vである電極フィンガ108_1と電極フィンガ106_2との間にも電気−弾性源120が存在するだろう。これゆえ、図1の全体の変換器構造には、5個の電気−弾性源118が、5個の電気−弾性源120と同様に存在する。電気−弾性源118又は120の空間エリアは、表面弾性波の伝播方向xの電極間距離a及び横方向yの隣接する電極フィンガ106と電極フィンガ108、例えば、図1aでは隣接する電極フィンガ106_1と電極フィンガ108_1との間の重なりbにより規定される。
変換器構造100の利用の周波数は、f=V/2pにより規定され、Vが弾性波の速度であり、pが図1に示したように変換器構造100の電極ピッチである。変換器の電極ピッチpは、λ/2になるようにさらに選択され、λが表面弾性波の動作波長である。したがって、電極ピッチpは、変換器構造の利用の周波数を規定する。電極ピッチpは、対向するくし型電極102及び104からの2つの隣接する電極フィンガの間の、例えば、108_2と106_3との間の端部間電極フィンガ距離にさらに対応する。このケースでは、波長λは、同じくし型電極102又は104からの2つの隣接する電極フィンガの間の、例えば、106_2と106_3との間の端部間電極フィンガ距離としてこれゆえ規定される。
インターディジタル化された電極フィンガ106及び108は、同じ長さl及び幅w並びに厚さtを典型的にすべてが基本的に有する。
インターディジタル化された電極フィンガ106、108は、交互の電位であり、ここではインターディジタル化された電極フィンガ106、108の交互の電位は、反対の極性の電位、すなわち+V及び−Vであってもよく、又はマス(mass)及び負荷/電源電位VIN(図示せず)としてでもよい。
変換器構造100により生成された波の伝播特性は、とりわけ、伝播速度、電気機械カップリング係数k 及び周波数の温度係数(TCF)を含む。伝播速度は、変換器のピッチpとデバイスの要求される周波数との間の関係に影響を及ぼす。さらにその上、フィルタデバイス用途及び特別にラダーフィルダ型デバイスに関して、フィルタの帯域幅Δfは、経験的な関係Δf/f〜(2/3)k を考慮して電気機械カップリング係数k に比例し、Δfがフィルタの周波数の帯域通過幅に対応し、fが変換器構造の共振周波数である。TCFは、フィルタの周波数変化に対する温度の影響に関係する。
図1bは、側面図で図1aと同じ変換器構造100を示し、それぞれインターディジタル化されたくし型電極102及び104(図示せず)からの複数の電極フィンガ106、108を示す。変換器構造100が上に設けられる基板116は、複合基板116である。
複合基板116は、ベース基板124の上に形成された、ある厚さの圧電材料の層122を含む。例として本明細書において説明する圧電層122は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)又はタンタル酸リチウム(LiTaO)であってもよい。
圧電材料層118は、例えば、SmartCut(商標)層移転技術を使用して、直接ボンディングによりベース基板124に張り付けられることがある。変形形態では、薄いSiO層(図示せず)が、張り付けを改善するために圧電層122とベース基板124との間に設けられてもよい。直接ボンディングに先立って、圧電層122とベース基板124との間に界面126を後に形成する圧電層122の面及び/又はベース基板124の面の研磨などのさらなる処理ステップが、追加されることがある。
1%から始めて25%それどころかそれ以上までの強いカップリングと、異なる周波数の温度係数(TCF)及び高い弾性波伝播速度を有する複数の材料の組合せによる温度安定性との組合せを有する複合基板116は、SAWデバイスの性能を高めるだろう。
図1aにおけるように、変換器構造100は、電極ピッチpを有する。インターディジタル化された電極フィンガ106及び108は、基本的に同じ長さl、幅w並びに厚さtをすべて有する。さらにその上、動作周波数fは、V/2pにより与えられる位相一致の条件によって固定され、Vがインターディジタル化された電極の下方を進む弾性波の速度であり、pが変換器構造100の電極ピッチである。このような条件では、変換器は、動作周波数fにおいて同期モードで働いていると言われ、ここで変換器構造のすべての励起された弾性波はコヒーレントであり同相である。
電極グレーティングの下を伝播する電気−弾性波は、表面のところの電気的及び機械的境界条件に敏感である。電極の端部では、ここでは電気的及び機械的なインピーダンス分岐が、輸送されたエネルギーの一部の反射を生じさせる。基本的な反射、すなわち、電極の各々の下の反射のすべてが、同相であるときに、波は、完全に反射され、したがってグレーティングにより止められる。ブラッグ条件として知られるこの現象は、「阻止帯域」と呼ばれる周波数範囲に関して現れる。λ=2pnのときに、位相コヒーレンスとも呼ばれる波の反射能力同士の間の強め合う干渉があり、λが変換器の動作波長であり、pが電極ピッチであり、nが整数である。変換器の動作波長λは、f=V/2p=V/λとして、以前に定義された動作周波数fに関係する。
ブラッグ条件において、ブラッグ周波数は、λ=2p(n=1)により規定される。このタイプの変換器構造は、波長当たり2フィンガ構造とも呼ばれ、「阻止帯域」の範囲内でブラッグ周波数のところで共振する。変換器100は、正にこのタイプの変換器の1つである。これらの構造は、交互の電位+V、−V、+V、−V...における電気的な励起に対応し、共振空洞を作り出すことを可能にする。
インターディジタル化された電極フィンガ106、108は、交互の電位であり、ここではインターディジタル化された電極フィンガ106、108の交互の電位は、反対の極性の電位、すなわち図1bに示したような+V及び−Vであっても、又はマス及び負荷/電源電位VIN(図示せず)のところであってもよい。図1bに示したように、電極フィンガ106_1は、電位+Vであり、一方でその隣接する電極フィンガ108_1は電位−Vである。
再び、変換器構造100は、電場が実効的に印加されるゾーンに対応する電気−弾性源118及び120の和として考えられてもよく、このことが、交互の電位で隣接する電極フィンガの対、例えば、それぞれ、電極フィンガ106_1と108_1又は108_1と106_2、により形成される電気−弾性源118、120の定義につながる。その空間エリアは、伝播方向xに、電極間フィンガ距離a、及び横方向の2つの隣接する電極フィンガ106と108、すなわち、図1a及び図1bに見ることができるように106_1と108_1又は108_1と106_2、との間の重なりbにより規定される。
電気的負荷114が電極102、104をはさんでつなげられると、表面弾性波128が、複合基板116に励起され、電極フィンガ106、104の方向に垂直な方向xに伝播する。変換器構造100によって発生されたバルク弾性波130は、複合基板116へとさらに発せられ圧電層122とベース基板124との間のボンディング界面126のところで反射される。これらの反射された波132は、変換器構造100により次いで再吸収され、このことが変換器構造100により発生されるスプリアス共振応答を結果としてもたらす。これらの反射された弾性波132は、変換器構造が同期モードで動作するので位相がコヒーレントであり、弾性波の検出及び発生が全体の変換器構造を通して同期していることを意味する。
これらのバルク弾性波128は、圧電層122の表面と角度αで、電気−弾性源118及び120のところで発生される。それら自体の実効速度Vは、D.Lee、「Excitation and Detection of Surface Skimming Bulk Waves on Rotated Y−Cut Quartz」、IEEE Transactions on Sonics and Ultrasonics、SU−27巻、1号、22〜30ページ、1980年、並びにさらにR.F.Milsorn、N.H.C.Reilly、及びM.Redwood、「Analysis of generation and detection of surface and bulk acoustic waves by interdigital transducers」、IEEE Transactions on Sonics and Ultrasonics、SU−24巻、147〜166ページ、1977年に記載されたように、統合型変換器を使用して励起されたバルク波の良く知られた振る舞いの拡張により変換器構造100の圧電層122及び電極ピッチpに依存する。
バルク弾性波132の一部は、界面126のところでは反射されず、基板が波を圧電層へと導くことができる最大速度を示しているいわゆる表面スキミングバルク波(SSBW)限界を、等価な伝播速度がオーバーパスするときに放射性の方法でベース基板124中へとより深く伝播する。
図2は、本発明の第1の実施形態による表面弾性波デバイスのためのインターディジタル化された変換器構造200を示す。インターディジタル化された変換器構造200は、複数の電極手段206及び208を各々含み、基板210に形成されたインターディジタル化されたくし型電極の対202及び204を備える。
この実施形態では、電極手段206及び208は、フィンガ206、208の形状を有する。実施形態の変形では、電極手段は、同じくし型電極に属する各々2つ以上の直接隣り合う電極フィンガを含む分割フィンガ206、208を有することもある。
複合基板210は、ベース基板214上に形成された、ある厚さの圧電材料の層212を含む。例として本明細書において説明する圧電層212は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、特に、36°<∂<52°若しくは60°<∂<68°若しくは120°<∂<140°で(YXI)/∂として並びに85°<Ψ<95°で(YXt)/Ψとして並びにΦ=90°、−30°<∂<+45°及び0°<Ψ<45°で(YXwI/t)/Φ∂Ψとして規格IEEE1949 Std−176に従って規定された結晶方位を有するLiNbO、又はタンタル酸リチウム(LiTaO)、特に36°<∂<52°で(YXI)/∂として規格IEEE1949 Std−176に従って規定された結晶方位を有するLiTaO、さらに特に、規格IEEE1949 Std−176に従った(YXI)/42°カットとして規定された、42°Yカット、X伝播を有するLiTaOのどちらかであってもよい。
ベース基板214に形成した圧電層212の厚さは、1波長よりも大きい、特に20μmよりも大きいことがある。層の厚さがデバイスの使用の周波数に影響するので、周波数の望まれる範囲に厚さを調整することが可能になる。このケースでは、変換器は、高い周波数をフィルタリングするためにSAWデバイスにおいて使用されることがある。実際に、4000m/sの波速度を考慮して、上部層の最小厚さは、100MHzと5GHzとの間で変化する周波数に対して40μm〜1μmまでの範囲に及ぶだろう。上限厚さは、圧電層212及びベース基板214の厚さ同士の間の比率に関係する。ベース基板214の厚さは、圧電層212にベース基板の熱膨張を押し付けるため及び温度変化に対する変換器感度を低下させるために圧電層212の厚さよりも大きくなくてはならない。好ましい状況は、圧電層212の厚さの少なくとも10倍のベース基板厚さに対応する。
本発明の第1の実施形態において使用されるベース基板214は、シリコン基板である。Siの温度膨張係数が2.6ppm/℃付近であり、一方で規格IEEE1949 Std−176に従って(YXI)/42°と記された42°XY LiTaOの温度膨張係数がほぼ16ppm/℃であるので、SAWデバイスの合成温度膨張係数は、圧電層212の厚さ及びボンディング界面216のところでの応力レベルに応じて、一般に、2.6〜16ppm/℃の範囲内だろう。複合基板210の温度膨張係数を実効的に下げることは、変換器200の周波数の温度係数(TCF)の低下を結果としてもたらす。
前に述べたように、ベース基板214に対して異なる材料を使用することにより、設計の柔軟性が高められることがある。シリコンの代わりに、高い弾性波伝播速度を有する他の基板材料、ダイアモンド、サファイア、炭化ケイ素又はそれどころか窒化アルミニウム、及びより一般的に、4500m/s以上の遅いせん断バルク波速度を示すいずれかの材料が選択されることがある。さらに、シリコンよりも小さな熱膨張を有する材料(例えば、いくつかの非晶質石英構成物又はパイレックスガラス又は雲母又は炭化ケイ素)が、得られるフィルタのTCFを制御するために使用されることが有利である。
インターディジタル化されたくし型電極の対202及び204は、複数の電極フィンガ206及び208を備える。電極フィンガ、例えば、それぞれ206_1、208_1から206_4、208_4及び208_5、206_7から208_8、206_10は、インターディジタル化され、それ自体のくし型電極202及び204を介して交互の電位に接続される。交互の電位は、図示したように+V及び−V、又は変形形態ではマス及び負荷/電源電位であってもよい。電極フィンガは、金属性であり、同じ長さl、幅w、及び厚さtをすべて有する。さらにその上、λ/2として規定される電極ピッチpが、変換器構造200に対して使用される。
本発明の変形形態によれば、電極フィンガ206、208は、異なる長さl、幅w、及び厚さtもまた有することができる。
変換器構造200は、領域218をさらに含み、そこでは2つの隣接する電極フィンガ208_4及び208_5が、間に対向するインターディジタル化されたくし型電極202からのいずれの電極フィンガ206もない状態で、同じ電位、ここでは+Vに接続される。2つの隣接する電極フィンガ208_4及び208_5が、−Vに、又はマスに、又は負荷/電源電位VIN(図示せず)にも接続されることがある。
変形形態では電極手段206、208が同じ電位で2つ以上の隣り合うフィンガの分割フィンガ206、208によって表され、同じ電位に接続された2つの隣接する電極手段206、208は、分割フィンガ206のすべてのフィンガを呼ぶことができ、分割フィンガ206は、分割フィンガ208の同じ電位に接続される。しかし、分割フィンガ206のうちの少なくとも1つの電極フィンガが分割フィンガ208の同じ電位に接続されることも、さらにあってもよい。
図2では、領域218は、変換器構造の真ん中に実際には設置され、その結果、領域218の各々の側、左及び右に、8個の電極フィンガ又は4個の電極フィンガ対が存在する。実施形態の変形では、領域218は、変換器構造の異なる位置に設置されてもよく、その結果、電極フィンガ対が領域218のいずれの側にも均等に配置されない。領域218は、変換器構造200のどちらかの末端部に設置されてもよい。
以前に述べたように、電極フィンガ206_1、208_1から206_4、208_4のそれぞれ及び208_5、206_5から208_8、206_8は、インターディジタル化され、交互の電位を有する。領域218の存在のために、領域218の左側では、インターディジタル化された電極フィンガ206_1、208_1から206_4、208_4は、それぞれ交互の電位−V/+Vであり、一方で領域218の右側では、インターディジタル化された電極フィンガ208_5、206_5から208_8、206_8は、それぞれ交互の電位+V/−Vであることが実際に見られることがある。
以前に説明したように、交互の電位で接続された隣接する電極フィンガの対は、電気−弾性源を規定する。例えば、ここで図2では、交互の電位−V/+Vである隣接するインターディジタル化された電極フィンガ206_1及び208_1は、電気−弾性源220を規定する。しかし交互の電位+V/−Vである隣接するインターディジタル化された電極フィンガ208_1及び206_2は、電気−弾性源222をさらに規定する。このように、隣接するインターディジタル化された電極フィンガの対206_2、208_2から206_4、208_4は、電気−弾性源220を各々さらに規定し、それぞれ、隣接するインターディジタル化された電極フィンガの対208_2、206_3及び208_3、206_4は、電気−弾性源220を各々さらに規定する。特にここで、領域218の左では、4個のアクティブな電気−弾性源220及び3個のアクティブな電気−弾性源222が、合計で8個のインターディジタル化された電極フィンガ206_1、208_1から206_4、208_4とともに存在する。
領域218の右側では、交互の電位+V/−Vで接続された隣接するインターディジタル化された電極フィンガの対、例えば、208_5及び206_5は、電気−弾性源222をさらに規定し、交互の電位−V/+Vである隣接するインターディジタル化された電極フィンガの対206_5及び208_6は、電気−弾性源220を規定する。領域218の右側では、4個のアクティブな電気−弾性源222及び3個のアクティブな電気−弾性源220が、合計で8個のインターディジタル化された電極フィンガ208_5、206_5から208_8から206_8とともに存在する。しかしここで、領域218の左側の電気−弾性源220、222は、領域218の右側の電気−弾性源222、220とは反対の、特にπの、位相である。
しかしながら、電極ピッチpがλ/2として規定されるので、これは、変換器構造がブラッグ条件において同期モードで動作していることを意味する。これゆえ、領域218の左側の複数の電気−弾性源220、222は、すべて同相であり互いにコヒーレントであり、一方で、領域218の右側の複数の電気−弾性源222、220は、すべて同相であり互いにコヒーレントである。
領域218では、2つの隣接する電極フィンガ208_4及び208_5が同じ電位に両者とも接続されるので、2つの隣接する電極フィンガ208_4と208_5との間に電気−弾性源220又は222がない。
変形形態によれば、電位の極性は、第1のインターディジタル化されたくし型電極206と第2のインターディジタル化されたくし型電極208との間で交換されてもよい。又は、一方のくし型電極のマス及び他方のくし型電極の負荷/電源電位VINに接続される。
変換器構造200における第2の領域218の存在のために、領域218の左側の電気−弾性源が領域218の右側の電気−弾性源と反対位相であるので、変換器の内部の電気−弾性源の位相は、πだけ反転されている。したがって、弱め合う干渉が、同じくし型電極に接続された2つの電極フィンガの各々の側から変換器に向けて放出されるエネルギーを統合することによって変換器の電気−弾性源同士の間に作り出される、ところが、変換器の外側に向かって放出されるエネルギーは、実際に発せられ、SAWデバイスの変換器構造のどちらかの側に設置された鏡によって反射されるだろう。
これゆえ、変換器構造200においてコヒーレントであり同相である変換器構造200に存在する電気−弾性源の総数は、同じ大きさの従来技術の変換器構造と比較して少なくなり、ここで電極フィンガのすべてが、図1に示したように交互の電位である。結果として、変換器構造の電気化学カップリング係数k が、減少してきている。
ここで、この特定の実施形態では、変換器構造200において領域218の左側及び右側は、正確に同じ数のインターディジタル化された電極フィンガ206及び208、すなわち8個を有し、領域218が変換器構造200の中央に位置するので、7個のアクティブな電気−弾性源という結果をもたらす。ここで、変換器構造200の電気化学カップリング係数k は、2分の1に減少する。再び、同じくし型電極に接続された2つの電極フィンガの各々の側から変換器に向けて放出されるエネルギーを統合することによって、弱め合う干渉が、変換器構造の電気−弾性源同士の間に作り出され、ところが変換器の外側に向かって放出されるエネルギーは、実際に発せられ、鏡により反射されるだろう。変換器効率は、2分の1だけこれゆえ小さくなる。
さらにその上、複合基板212の界面216のところで反射されるモードの位相コヒーレンスの可能性は、先行技術の状況と比較してさらに修正される。位相が変換器構造の内部でシフトする場合、位相一致条件に一致しない波を検出する機会がない。これゆえ、界面216から反射した弾性波の検出の低下があり、これが変換器構造200に基づくSAWデバイスのフィルタ性能におけるこれらの反射のために、望ましくない周波数のところでの寄生共振の低下を、順に導くだろう。
これゆえ、本発明による変換器構造200における弾性波の発生及び/又は検出は、変換器構造200に存在する同相の電気−弾性源の総数によって制御される。同じ電位に接続された2つの隣接する電極フィンガを有することによって、寄生モードを排除する変換器構造の効率にプラスの影響を有する構造内部でのπの位相変化という結果をもたらす。電極フィンガの幅又は長さ又は電極間距離などの変換器の寸法を変える必要がなく、このことはこのような構造の製造技術に影響を有するはずであり、上に説明した変換器構造を利用している共振器の共振の質を著しく低下させるはずである。
第1の実施形態の変形によれば、たった1つの領域218よりも多くが変換器構造に存在するかも知れない、これゆえ、変換器構造において抑制された電気−弾性源の数を増加させ、以て電気機械カップリング係数k をさらに減少させる。これは、フィルタの帯域幅を制御する効率的な方法であり、したがって様々なフィルタ帯域を取り扱うためのより多くの自由度を与える。
図3は、第2の実施形態による変換器構造300を模式的に表す。第1の実施形態と比較して、変換器構造300は、第1の実施形態の変換器構造200のインターディジタル化されたくし型電極202及び204と比べてインターディジタル化されたくし型電極の対302及び304の異なる配置を有する。この実施形態では、くし型電極304に接続された隣り合う電極手段を有する領域316は、3つの隣り合う電極手段308_4、308_5及び308_6を有する。
インターディジタル化された変換器構造300は、インターディジタル化されたくし型電極の対302及び304を備え、各々が基板310に形成された複数の電極手段306及び308を含む。
基板310は、第1の実施形態の基板210と同じであり、その特徴は、これゆえ再び詳細には説明しないが、参照が上記のその説明に行われる。
第2の実施形態における電極手段306及び308は、第1の実施形態におけるように電極フィンガ306、308の形態を有する。変形形態では、電極手段は、分割フィンガ306、308の形態も有することができ、それら自体のそれぞれのくし型電極に接続された2つ以上の直接隣り合う電極フィンガを各々含む。
第1の実施形態におけるように、変換器構造300の電極フィンガ306及び308のすべては、金属であり、すべてが同じ長さl、幅w及び厚さtを有する。
再び、第2の実施形態の変形によれば、電極手段306、308は、寸法を変えることもでき、異なる長さl、幅w及び厚さtを有する。
交互の電位−V/+Vのところの隣接するインターディジタル化された電極フィンガ306_1及び308_1は、第1の実施形態における電気−弾性源220のような電気−弾性源312を形成し、交互の電位+V/−Vのところの隣接するインターディジタル化された電極フィンガ308_1及び306_2は、第1の実施形態における電気−弾性源222のような電気−弾性源314を形成する。さらに、隣接するインターディジタル化された電極フィンガの対306_2、308_2から306_4、308_4及び306_5、308_7から306_7、308_9は、電気−弾性源312を各々形成し、一方で、隣接するインターディジタル化された電極フィンガの対308_2、306_3と308_3、306_4及び308_6、306_5から308_8、306_7は、電気−弾性源314を各々形成する。交互の電位−V/+Vの代わりに、一方のくし型電極は、マスのところであってもよい、又はそのくし型電極が、負荷/電源電位VIN(図示せず)に接続されてもよい。
変換器構造は、対向するくし型電極302及び304からの2つの隣接する電極フィンガの間の、例えば、306_2と308_2との間の端部間電極フィンガ距離として規定されるそれ自体のピッチpにより規定される。第2の実施形態による変換器構造300は、本発明の第1の実施形態におけるように、λ=2pのようなブラッグ共振条件でさらに動作する。これゆえ、変換器構造300に存在する電気−弾性源312のすべては、変換器構造300が同期モードで動作するので、同相でありコヒーレントである。
第1の実施形態とは異なり、変換器構造300は、領域316を含み、間に対向するインターディジタル化されたくし型電極302からのいずれの電極フィンガ306もない状態で同じ電位+Vで3つの隣接する電極フィンガ308_4から308_6をともなう。変形形態によれば、3つの隣接する電極フィンガ308_4から308_6は、−Vに、又はマスに、又は負荷/電源電位VIN(図示せず)に接続されることもある。
領域316では、間に対向する電極302からの電極フィンガ306のない状態で同じ電位+Vで3つの隣接する電極フィンガ308_4から308_6を接続することによって、電気−弾性源312が、領域316では抑制されてきている。
しかしながら、電位+Vである領域316の電極フィンガ308_4が電位−Vの電極フィンガ306_4の隣に位置するので、電気−弾性源318は、これら2つの隣接する電極フィンガ308_4と306_4との間に存在するだろうが、図3に示したように、ピッチpにより規定される。ピッチpは、変換器構造のピッチpよりも実際には大きい。
実施形態の変形では、領域316は、変換器構造300において別の位置に置かれることがある。領域316は、変換器構造300のどちらかの末端部に置かれることもある。
変換器構造300における領域316は、変換器構造300の残りの部分の電極ピッチpとは異なる電極ピッチpを結果としてもたらす。電極ピッチpは、変換器構造の共振周波数を規定し、一方で領域316のピッチpは、変換器構造300のカップリング強度を制御する。ピッチpは、同じくし型電極302又は304からの2つの隣接する電極フィンガの間の、例えば、ここでは306_4と306_5との間の端部間電極フィンガ距離として規定される波長λを与える。電気−弾性源が領域316では抑制されてきているので、領域316のアクティブな電極フィンガ308の数が先行技術の構成に比べて削減され、先行技術の構成では、各々の電極フィンガがアクティブである。電極フィンガは、対向するくし型電極の別の電極フィンガとともに電気−弾性源を形成するときにアクティブとして規定される。
図示した変換器構造300を用いると、領域314が変換器構造300の残りのピッチpと比較して大きな変換器構造におけるピッチpの存在を結果としてもたらすという事実のために、電気機械カップリング係数k が、図1に図示したような先行技術の変換器構造の電気機械カップリング係数k と比較して減少する。以前に述べたように、大きなピッチpは大きな波長λ、これゆえ、Δf/f〜(2/3)k であるので、共振周波数fr2の低下及び電気機械カップリング係数k の減少に関係する。
領域316では、電気−弾性波は、両方の波長λ及びλで、これゆえ、両方の共振周波数fr1及びfr2で発生される。このことは、図1に示したような交互の電極を有する変換器構造と比較して低調波と呼ばれる、より低い周波数fr2におけるコヒーレントモードの出現に対応する。さらにその上、発生源の抑制に起因して、電極フィンガのすべてがアクティブであること、例えば、発生源を形成することをともない構造に同じ総数の電極フィンガを有する従来技術の変換器構造と比較して、fr1において少しの電気−弾性波しか発生しない。
変換器構造300において共振周波数fr1で電気−弾性源312及び314により発生された電気−弾性波は、複合基板310中へと発せられ、第1の実施形態におけるように、圧電層212とベース基板210との間のボンディング界面216のところで反射される。しかし、変換器構造300では、これらの反射された弾性波の一部が、変換器構造300の領域316で実際には再吸収されないだろう。さらにその上、電気−弾性源318により共振周波数fr2で発生された電気−弾性波は、電気−弾性源312及び314により発生された電気−弾性波の残りとは同期しない、その結果、それらの反射された部分は、変換器構造300の残りによっても再吸収されないだろう。
変換器構造300の領域316における発生源の抑制の結果として、少しの弾性波しか、fr1=V/p1により与えられる周波数fr1のところで発生されず、変換器構造300により発生された少しの反射された弾性波しか、変換器構造300により再吸収されないだろう、及びこれゆえ、SAWフィルタデバイスにおいて使用されるときに、少しの寄生効果しかこのような変換器構造からは観察されないだろう。
変換器構造300における発生源抑制構造の使用は、弾性波の振幅及び効果を減少させるように、複数の(例えば、多数の)周波数、ここでは例えば、fr1及びfr2、にわたる反射された弾性波の分布のために、変換器構造において得られる反射された弾性波の発生及び検出の低下を結果としてもたらす。このことは、順に、このような変換器構造に関する寄生共振の減少につながる。
本発明の第3の実施形態による変換器構造400が、図4に模式的に図示される。
変換器構造400は、第2の実施形態と比較して複数の領域316を有し、基板410に複数の電極手段406及び408を有するインターディジタル化されたくし型電極の対402及び404を備え、これが第2の実施形態に対しての違いに過ぎない。すべての他の特徴は、同じであり、これゆえ再び詳細には説明しないが、参照が上記の説明に行われる。
電極手段406及び408は、第1及び第2の実施形態におけるように電極フィンガ又は分割フィンガ406及び408である。
基板410は、第1及び第2の実施形態の基板206又は310と同じ特性を有する。
変換器構造400は、複数の電極フィンガ406_1から406_3及び408_1から408_3を備え、ここではインターディジタル化された電極フィンガの対406_1、408_1から406_3、408_3が、第1及び第2の実施形態におけるように交互の電位を有する。第1及び第2の実施形態におけるように複数の電気−弾性源414及び416が、変換器構造400に存在し、交互の電位−V/+V又は+V/−Vで隣接する電極フィンガの対、例えば、それぞれ406_1と408_1及び408_1と406_2により規定されることが分かることがある。
第1及び第2の実施形態とは異なり、変換器構造400は、電極フィンガ406、408を有する2つの領域416(416_1、416_2)を含み、その結果、くし型電極404が、間に対向するインターディジタル化されたくし型電極402からのいずれの電極フィンガ406もない状態で同じ電位+Vで3つの隣接する電極フィンガ408_4から408_6及び408_9から408_112を有する。3つの隣接する電極フィンガ408_4から408_6及び408_9から408_11は、−Vに、又はマスに、又は負荷/電源電位VIN(図示せず)に接続されることもある。
これゆえ、第2の実施形態におけるように、各々の領域416では、間に対向する電極402からの電極フィンガ406のない状態で、同じ電位−Vで3つの隣接する電極フィンガ408_4から408_6及び408_9から408_11を接続することによって、電気−弾性源が抑制されてきている。
しかしながら、第2の実施形態におけるように、電気−弾性源418は、隣接する電極フィンガ406_4と408_4との間及び408_6と406_5との間に存在するだろう、しかし図4に示したようにピッチpにより規定される。ピッチpは、変換器構造400のピッチpよりも実際には大きい。そして領域416_2に関して、電気−弾性源418は、隣接する電極フィンガ406_7と408_9との間にさらに408_11と406_8との間に存在するだろう、またピッチpにより規定されるだろう。
この変形形態では、領域416_1及び416_2は、同じ電位で隣接する電極フィンガの同じ構成、すなわち3つを有する。他の変形形態によれば、同じ電位での隣接する電極フィンガの数は、例えば、互いに隣り合って同じ電位で3つ以上の電極フィンガを有することにより、1つから他の数まで変わることもある。これが、電気機械カップリング係数k のより大きな低下という結果をもたらすはずである。
変形形態によれば、電位の極性は、第1のインターディジタル化されたくし型電極402と第2のインターディジタル化されたくし型電極404との間で入れ替えられることがある、又は電位は、一方のくし型電極のマスに、及び他方のくし型電極の負荷/電源電位VINに接続されることがある。
この実施形態では、領域416は、伝播方向xに、変換器構造400に沿って非周期的に又はランダムに配置される。第2の領域416_1は、3つのインターディジタル化されたくし型電極対により第2の領域416_2から隔てられる。変形形態によれば、領域416は、伝播方向xに変換器構造に沿って互いに隣り合って配置されることがある。
第2の実施形態におけるように、変換器構造400における複数の電気−弾性源抑制構造416の使用は、図1に示したような交互の電極を有する変換器構造と比較して低調波と呼ばれる、より低い周波数、すなわちここではfr2でのコヒーレントモードの出現という結果をもたらす。変換器構造400に沿った領域416の非周期的な又はランダムな配置は、低周波数での位相コヒーレンスを低下させる際に役立ち、以て、このような変換器構造を使用するフィルタデバイスにおいて観察されるラトル効果を減少できる。
第2の実施形態におけるように、変換器構造400の電気−弾性源412、414及び418により発生された電気−弾性波は、複合基板410中へと発せられ、圧電層212とベース基板210との間のボンディング界面216のところで反射される。
変換器構造400における発生源の抑制の結果として、少しの弾性波しかfr1=V/p1により与えられる周波数fr1で電気−弾性源412、414により発生されず、変換器構造400により発生された少しの反射された弾性波しか、変換器構造400によって再吸収されないだろう、及びそれゆえ少しの寄生効果しか、SAWフィルタデバイスにおいて使用されるときにこのような変換器構造から観測されないだろう。
第1及び第2の実施形態におけるように、周波数fで電気−弾性源412、414から発生され反射された波は、電気−弾性源418によっては再吸収されず、変換器構造の領域416のために存在する。この実施形態では、さらにその上、第2の実施形態におけるように、異なる周波数fで電気−弾性源418により発生され反射した波はまた、変換器構造400の電気−弾性源412、414によっては再吸収されない又は少ししか再吸収されないだろう。概して、反射した弾性波の発生及び検出の低下が、それ自体の強度及び効果を低下させるように複数の(例えば、多数の)周波数にわたる反射した弾性波の分布のために変換器構造400において得られる。このことは順に、このような変換器構造に関する寄生共振の減少をもたらす。
この実施形態では、2つの領域416が、変換器構造400に図示される。変形形態によれば、2つ以上の領域416が、変換器構造400に存在してもよい。上に説明したように、複合基板410に生成されたSAWデバイスの変換器構造400における複数の電気−弾性源領域の抑制を使用することにより、SAWデバイスの表面波伝播特性が、(例えば、電極ピッチpにより与えられる共振の周波数を)基本的に変化させないで維持されることがあり、一方で、寄生バルク波伝播特性が、電気機械カップリング係数k の減少によって低下する。
変形形態によれば、図2及び図3に図示した領域の組合せ、したがって同じくし型電極に接続された隣接する電極の奇数個を有する1つ又は複数の領域及び偶数個を有する1つ又は複数の領域の組合せもまた含むことができる。
図5aは、本発明の第4の実施形態によるSAWフィルタデバイス500を模式的に図示する。SAWフィルタデバイス500は、複合基板502並びに12個の共振器511から516及び521から526を備える。複合基板502は、ベース基板及び上部層を含み、以前の実施形態、例えば、第1の実施形態の説明に参照がなされる本発明の第1の実施形態に関して既に説明したベース基板214及び上部層212を有する基板210と同じ特性を有する。
この実施形態では、SAWフィルタデバイス500は、ラダーフィルタであり、並列及び直列での共振器の縦接続を含む。フィルタの原理は、素子セルの実際の形に従っていわゆるL型、T型又はP型のものであってもよいインピーダンス素子セルを縦接続することから成る。
変形形態によれば、SAWフィルタデバイスは、もう1つのタイプのフィルタデバイス、例えば、平衡ブリッジ型フィルタデバイスであってもよい。実際に、SAWフィルタデバイスが実施形態1から3のうちの1つ又はこれらの組合せに従った共振器を含む限り、どんなSAWフィルタデバイスが考えられてもよい。
この実施形態では、各々の共振器511から516及び521から526は、変換器構造及び2つの反射器を備え、変換器構造が2つの反射器の間に設置される。12個の変換器のうちの少なくとも1つの変換器は、図2から図4に図示したような実施形態1から3による変換器構造200、300、400のうちの1つに従って実現されることがある。これらの特徴は、再び詳細には説明しないが、参照がそれらの説明に行われる。12個の変換器は、それら自体の電気機械カップリング係数k が基本的に同じであるが、それら自体の構造が異なることがあり、とりわけ以降に説明するように、適正にフィルタ応答を整形するため共振周波数及び***振周波数を調整するように設計される。
共振器511から516は並列に設置され、一方で共振器521から526は直列に設置される。
このようなフィルタでは、直列の共振器521から526の共振は、中心周波数付近の伝送の最大値を確実にするために帯域幅の中心で並列共振器511から516の***振と一致する。並列共振器511から516の共振に対応する周波数のところで、それぞれ共振器系列521から526の***振、伝送は、ほとんどゼロであり、これが狭い遷移帯域で強い排除をともなうフィルタリング機能を設計することを可能にさせる。
既に述べたように、先行技術のSAWフィルタデバイスでは、変換器構造により発生された電気弾性波は、圧電層の体積を進み、ベース基板との界面のところで反射される。これらの反射された波は、SAWデバイスのフィルタ特性を乱し、フィルタの帯域通過の外側のいわゆる「ラトル効果」をもたらし、以てデバイスの性能を低下させる。
本発明による変換器構造及びSAWデバイスは、発生される電気−弾性波の量を減少させ、以て圧電層とベース基板との間の界面のところで反射される電気弾性波の量を減少させる。このことが、電気−弾性源を取り除き変換器構造の電気機械カップリングを減少させることによって可能にされる。変換器構造の電気機械カップリングのこの減少は、一定の動的容量のところでの変換器の静的な容量の人工的な増加に対応する(又は逆も同様である)。
加えて、本発明の実施形態1から3のうちの1つによる変換器構造200、300、400と組み合わせて、0.92〜20%及びそれどころかそれ以上の範囲内の電気機械カップリング係数を有するLiTaO又はLiNbOなどの強い電気機械カップリングを備えた圧電材料を使用することによって、複合基板502に製造されたSAWフィルタデバイス500は、先行技術の変換器構造と比較して優れた温度安定性及び帯域通過のフィルタ特性の改善の両方を示すことができる。特に、0.1と2%との間の相対的なフィルタ帯域幅を有するSAWフィルタデバイス500が、実現されることがある。
図5bは、図5aに図示したSAWデバイス500において変換器517として使用される変換器構造600の実際的な例を模式的に図示する。
変換器構造600は、複数の電極手段606及び608、ここでは基板610上のフィンガ、を有するインターディジタル化されたくし型電極の対602及び604を備える。
複合基板610は、シリコンのベース基板に設けられた、規格IEEE1949 Std−176に沿った(YXI)/42°とも記される、42°Yカット、X伝播を有するタンタル酸リチウム(LiTaO)層である。LiTaOは、20μmの厚さを有する。
変換器構造600では、メタピリオド612が、Λ=4λ=8pとして定義されることがあり、pが変換器構造600の電極ピッチである。合計で10個の電極フィンガ604、608が、メタピリオド612にこれゆえ存在する。変換器構造600は、合計で7つのメタピリオド612を含むが、それらのうちの3つだけ、612_1、612_2及び612_3が図5bに図示される。
変換器構造600の7つのメタピリオドの各々は、メタピリオドの各々において同じ電位のところに接続された複数の電極フィンガを有する少なくとも1つの領域614の存在のために、電気−弾性源の抑制部を備える。変換器構造は、図5bに示したメタピリオドの各々が発生源構造の異なる抑制部を備えるので、それ自体の構造内部に発生源の抑制部の非周期的な構成を示す。
メタピリオド612_1では、領域614_1は、電極フィンガ606_1から606_9の間に対向するインターディジタル化されたくし型電極604から何も電極フィンガ608がない状態で、同じ電位−Vで9つの電極フィンガ606_1から606_9を含む。1つだけの電気−弾性源616が、+Vのところに接続された電極フィンガ608_1と−Vのところに接続された電極フィンガ606_1との間のメタピリオド612_1に存在する。
メタピリオド612_2では、2つの領域614_2及び614_3は、電極フィンガ606_10から606_15の間に及び電極フィンガ606_16から606_18の間に対向するインターディジタル化されたくし型電極604から何も電極フィンガ608がない状態で、同じ電位−Vで6つの電極フィンガ606_10から606_15及び3つの電極フィンガ606_16から606_18を含む。+Vのところに接続された1つだけの電極フィンガ608_2が、電極フィンガ606_15と606_16との間に存在し、その結果2つの電気−弾性源616及び618が、メタピリオド612_2に存在する。
メタピリオド612_3では、2つの領域614_4及び614_5は、電極フィンガ606_19と606_20との間に及び電極フィンガ606_21から606_27の間に対向するインターディジタル化されたくし型電極604から何も電極フィンガ608がない状態で、同じ電位−Vで各々の2つの電極フィンガ606_19及び606_20並びに7つの電極フィンガ606_21から606_27を含む。+Vのところに接続された1つだけの電極フィンガ608_3が、電極フィンガ606_20と606_21との間に存在し、その結果2つの電気−弾性源616及び618が、メタピリオド612_3に存在する。
図1に示したような、すべての電極フィンガが交互の電位である変換器構造100と比較して、この実施形態では、図5bに示したような領域614_1から614_4の非周期的な組合せが、電気−弾性源の抑制という結果をもたらし、このことが順に電気機械カップリング係数k の減少という結果をもたらす。
図5cは、Y軸にプロットした電気機械カップリング係数k が、X軸にプロットした変換器構造内部のアクティブ電極フィンガとも呼ばれる接続された電極フィンガの数とともにどのように変化するかを示す。電気機械カップリング係数k の3つの実験値が、2、3及び4に対応する接続された電極の数に対してプロットされ、それぞれ0.014%、0.022%及び0.03%の電気機械カップリング係数k 値に対応する。グラフに描かれた直線は、多項式:f(x)=aX+bX+c(%)を使用した実験データの理論的フィットに対応する。
変換器構造600に関して、交互の電位に接続されるメタピリオドに存在する10個の電極フィンガのうちの2つだけの隣接する電極フィンガを用いて、1.4%の程度の電気機械カップリング係数k が得られることが分かる。このことは、交互の電位に接続される隣接する電極フィンガのうちの1対だけを有するメタピリオドに対応する。
接続されるメタピリオドの電極フィンガの数が増加するときに、電気機械カップリング係数k の増加が直線的であることが分かる。変換器構造100のような従来技術の変換器構造に対応し交互の電位に接続されるメタピリオドの5対の電極フィンガに関して、3.8%の電気機械カップリング係数k が得られる。
変換器構造600を用いて、0.65‰及び0.4%の相対的なフィルタ帯域幅並びに6dB未満の帯域幅損失を有する図5aに図示したようなSAWフィルタデバイスが得られる。これは、X軸の規格化した周波数に対する左のY軸の伝達関数の係数を描いている図5bに図示され、太い黒の線に対応し、一方で、μsでの群遅延が、右のY軸にプロットされ、図5dの細い黒の線に対応する。
群遅延は、通過帯域内の位相直線性の像を与える。例えば、tgの一定値は、直線位相を意味し、これはフィルタにとって注意される特徴のうちの1つである。さらにその上、図5bに図示されたような変換器構造600を使用するSAWフィルタデバイス500を用いると、−0.9と1ppm/Kとの間に含まれる1次のTCF(TCF)及び30と36ppb/Kとの間に含まれる2次のTCF(TCF)を有する温度感度が達成されることがある。熱感度は、周囲温度T=25℃付近でTCF及びTCFにより特徴づけられる。その式は、次の通りである:
f=f×(1+TCF(T−T)+TCF(T−T
この式は、標準デバイスのSAWにとって一般的であるように二次に限定される温度−周波数依存性の多項式展開に対応する。TCF及びTCFは、伝達関数の所与の強度/位相点についての実験的な周波数−温度測定値又は反射係数又はフィルタの自己アドミッタンス、トランスアドミッタンス若しくは自己インピーダンス若しくはトランスインピーダンスを考慮するベストフィット手順を使用することによって正確に得られることがある。
最後に、図5eには、変換器構造600において電気−弾性源の抑制の有無で、図5bの変換器構造600を備えた図5aのSAWフィルタデバイス500に関するシミュレーションしたSAWフィルタデバイス特性が示される。再び、図5eには、X軸の規格化した周波数に対する左のY軸の伝達関数の係数及び右のY軸の群遅延が図示される。
従来技術におけるような、すなわち、電気−弾性源の抑制を用いない変換器構造の周期的な構成のケースでは、SAWフィルタデバイスの帯域通過周波数の外側の周波数である、規格化した周波数についての0.825及び1.25の値のところに2つの強い寄生共振が存在する。
電気−弾性源の抑制の非周期的な配置が実行されるときには、0.825及び1.25の値のところでの寄生共振が消滅する。したがって、コヒーレントな低調波源の削除による帯域外排除の改善が明らかである。このことは、非周期的な構造が低調波に起因する何らかの擾乱なしにむしろ単一ピリオド構造のように振る舞い、これゆえ、フィルタ単一共振器のより良い動作、及びこれゆえ全体的なフィルタ応答の改善をもたらすという事実によって説明される。
上に説明したように、複合基板を有するSAWフィルタデバイスにおける反射したバルク弾性波伝播からの寄生共振の効果は、SAWデバイスの表面モード共振周波数fが、構造的な特徴を保ちつつ変換器構造の全体を通して同じ又はほぼ同じ、すなわち、電極フィンガの幅及び厚さが変換器構造全体を通して同じままであるような方法で、SAWフィルタデバイスにおいて使用される変換器構造の1つ又は複数の領域の電気−弾性源を抑制することによって低減されることがある。
本発明の多くの実施形態が、説明されてきている。それにも拘らず、様々な修正及び強調が、別記の特許請求の範囲から逸脱せずに行われてもよいことが理解される。

Claims (18)

  1. 弾性波伝播基板(210、310、410、502、610)に形成された表面弾性波デバイスのための変換器構造であって、前記変換器構造が電気的負荷及び/又は電源とカップリングするように構成され、
    前記基板(210、310、410、502、610)に形成されたインターディジタル化されたくし型電極の対(202、204、302、304、402、404、602、604)であって、前記インターディジタル化されたくし型電極の対(202、204、302、304、402、404、602、604)が異なるくし型電極(202、204、302、304、402、404、602、604)に属し2つの隣接する電極手段(206、208、306、308、406、408、606、608)の間の端部間電極手段距離として規定されるピッチpを有する隣接する電極手段(206、208、306、308、406、408、606、608)を備え、前記ピッチpがp=λ/2により与えられるブラッグ条件を満足し、λが前記変換器の動作弾性波長であり、前記電極手段(206、208、306、308、406、408、606、608)がすべて同じ幾何形状を有する、インターディジタル化されたくし型電極の対(202、204、302、304、402、404、602、604)を備える変換器構造において、
    前記インターディジタル化されたくし型電極の対(202、204、302、304、402、404、602、604)は、2つ以上の隣接する電極手段(206、208、306、308、406、408、606、608)が前記同じくし型電極(202、204、302、304、402、404、602、604)に属し、一方で前記ピッチpに対応する互いに対する端部間距離を有し、同じ幾何形状を有する少なくとも1つの領域(218、316、416、614)を備える
    ことを特徴とする、変換器構造。
  2. 前記同じくし型電極(202、204、302、304、402、404、602、604)に属する2つ以上の電極手段(206、208、306、308、406、408、606、608)を有する複数の領域(218、316、416、614)を備える、請求項1に記載の変換器構造。
  3. 前記電極手段(206、208、306、308、406、408、606、608)が、電極フィンガ又は分割フィンガであり、前記分割フィンガが、同じ電位で2つ以上の隣り合う電極フィンガを含む、請求項1又は2に記載の変換器構造。
  4. 前記同じくし型電極(202、204、302、304、402、404、602、604)に属する2つ以上の隣接する電極手段(206、208、306、308、406、408、606、608)を有する複数の領域(218、316、416、614)が、周期的には配置されず、特にランダムに配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の変換器構造。
  5. 前記同じくし型電極(204)に属する2つ以上の隣接する電極手段(208)を有する前記少なくとも1つの領域(218)、特に前記少なくとも1つの領域(218)のうちの各々が、前記同じくし型電極(204)に属する隣接する電極手段(208_4、208_5)のうちの偶数個、特に2つだけを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の変換器構造。
  6. 前記同じくし型電極(304、404、602)に属する2つ以上の隣接する電極手段(308、408、606)を有する前記少なくとも1つの領域(316、416、614)、特に、前記少なくとも1つの領域(316、416、614)のうちの各々が、前記同じくし型電極(304、404、602)に属する隣接する電極手段(308_5、308_6、308_7、408_4、408_5、408_6、408_9、408_10、408_11、606_16、606_17、606_18)のうちの奇数個、特に3つだけを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の変換器構造。
  7. 前記同じくし型電極(202、204、302、304、402、404、602、604)に属する隣接する電極手段(206、208、306、308、406、408、606、608)の数が、前記同じくし型電極(202、204、302、304、402、404、602、604)に属する2つ以上の隣接する電極手段(206、208、306、308、406、408、606、608)を有する少なくとも2つの領域(218、316、416、614)の間で異なる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の変換器構造。
  8. 前記同じくし型電極(202、204、302、304、402、404、602、604)に属する前記隣接する電極手段(206、208、306、308、406、408、606、608)が、両方のくし型電極(202、204、302、304、402、404、602、604)に設けられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の変換器構造。
  9. 前記基板(210、310、410、502、610)が、少なくとも1つの第1の材料のベース基板(214)及び圧電材料の上部層(212)を含む複合基板(210、310、410、502、610)であり、前記圧電層(212)がタンタル酸リチウムLiTaO又はニオブ酸リチウムLiNbOである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の変換器構造。
  10. 前記圧電層(212)が、36°<∂<52°で(YXI)/∂として規格IEEE1949 Std−176に従って規定された結晶方位を有するタンタル酸リチウムLiTaO、特に、規格IEEE1949 Std−176に従った(YXI)/42°カットとして規定された、42°Yカット、X伝播を有するLiTaOである、請求項9に記載の変換器構造。
  11. 前記圧電層(212)が、36°<∂<52°若しくは60°<∂<68°若しくは120°<∂<140°で(YXI)/∂として、又は85°<Ψ<95°で(YXt)/Ψとして、又はΦ=90°、−30°<∂<+45°及び0°<Ψ<45°で(YXwIt)/Φ∂Ψとして規格IEEE1949 Std−176に従って規定された結晶方位を有するニオブ酸リチウムLiNbOである、請求項9に記載の変換器構造。
  12. 前記ベース基板(214)が、シリコンを含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の変換器構造。
  13. 前記ベース基板(214)に形成された前記圧電層(212)の厚さが、1波長よりも大きい、特に20μm程度である、請求項9〜12のいずれか一項に記載の変換器構造。
  14. 前記ベース基板(214)の前記材料及び前記圧電材料(212)が、異なる周波数の温度係数(TCF)、特に反対の周波数の温度係数(TCF)を有する、請求項9〜13のいずれか一項に記載の変換器構造。
  15. 前記ベース基板(214)の前記材料が、前記圧電材料(212)のうちの1つよりも小さい、特に最小で10分の1小さい、さらに特に、10分の1よりも小さい熱膨張を有する、請求項9〜14のいずれか一項に記載の変換器構造。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の少なくとも1つの変換器構造(200、300、400、600)を備える、表面弾性波フィルタデバイス。
  17. 前記表面弾性波フィルタデバイスの各々の変換器構造(200、300、400、600)が同じ構成を有する、請求項16に記載の表面弾性波フィルタデバイス。
  18. フィルタ帯域通過が、所与のモード基板カップルに関して実現可能な最大帯域通過よりも狭い、特に0.1と2%との間を含む、請求項16又は17に記載の表面弾性波フィルタデバイス。
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