JP2021163564A - 蓄電デバイスおよびそれに用いる非水電解液 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、電池特性の向上、特に作動時における発生ガス量の抑制が可能な蓄電デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】 負極、正極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えた蓄電デバイスであって、前記非水電解液が、金属元素Mを含む化合物を少なくとも1種含み、MはMo、W及びNbから選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、前記金属元素Mを含む化合物の含有量が、前記非水電解液の全質量のうち0.0001質量%〜10質量%であり、前記負極の電極活物質がリチウムチタン複合酸化物及びチタンニオブ複合酸化物から選ばれる1種以上であることを特徴とする蓄電デバイス。

【選択図】 なし

Description

本発明は、負極、正極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えた、電池特性の向上、特に作動時における発生ガス量の抑制が可能な蓄電デバイスに関する。
近年、蓄電デバイス、特にリチウム電池は、携帯電話やノート型パソコン等の小型電子機器、電気自動車や電力貯蔵用として広く使用されている。尚、本明細書において、リチウム電池という用語は、いわゆるリチウムイオン二次電池も含む概念として用いる。
リチウム電池は、主にリチウムを吸蔵放出可能な材料を含む負極及び正極、リチウム塩と非水溶媒からなる非水電解液から構成され、非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が使用されている。
また、リチウム電池の負極としては、リチウム金属、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物(金属単体、金属酸化物、リチウムとの合金等)、炭素材料等が知られている。特に、金属酸化物の中でも、チタンを含有する金属酸化物を活物質材料として用いた場合、入出力特性に優れる点から、HEV、PHEV、BEVといった電気自動車用の蓄電デバイスの活物質材料として注目されている。
しかし、チタンを含有する金属酸化物を含む蓄電デバイスは、作動時に表面水酸基に吸着した水が還元分解され、水素ガスが発生することや、チタンを含有する金属酸化物自体が電気化学的に活性の高い状態に変化することで、電解液に含まれる有機溶媒を分解し、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン等のガスを発生させることがある。これらのガスは蓄電デバイスを膨張させ、安全性に問題を生じさせる場合がある。したがって、電池作動時の発生ガス量を抑制する蓄電デバイスの開発が望まれている。
特許文献1には、有機溶媒、リチウム塩及びタングステンを含有する非水電解液が提案されており、正極抵抗を抑制することが開示されている。
特許文献2には、リチウムを吸蔵放出可能な電極活物質を含む正極と、負極と、非水電解液とを備えた非水系二次電池において、ニオブ化合物、モリブデン化合物及びタングステン化合物の少なくとも1種を含有する非水電解液が提案されており、二次電池の安全性を向上させることが開示されている。
特開2016−225096号 特開2005−025992号
本発明は、電池特性の向上、特に作動時における発生ガス量の抑制が可能な蓄電デバイスを提供することを目的とする。
本発明者らは、リチウムチタン複合酸化物及びチタンニオブ複合酸化物から選ばれる1種以上の負極活物質を含む負極を具備した蓄電デバイスにおいて、前記課題を解決するために研究を重ね、モリブデン(Mо)、タングステン(W)及びニオブ(Nb)から選ばれる少なくとも1種の金属元素Mを含む化合物を、非水電解液中に少なくとも1種含有することで、作動時のガス発生を大幅に抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の(1)〜(3)を提供するものである。
(1)負極、正極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えた蓄電デバイスであって、前記非水電解液が、金属元素Mを含む化合物を少なくとも1種含み、MはMo、W及びNbから選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、前記金属元素Mを含む化合物の含有量が、前記非水電解液の全質量のうち0.0001質量%〜10質量%であり、前記負極の電極活物質がリチウムチタン複合酸化物及びチタンニオブ複合酸化物から選ばれる1種以上であることを特徴とする蓄電デバイス。
(2)負極活物質が、LiTi12を主成分とするリチウムチタン酸化物又はTiNbを主成分とするチタンニオブ酸化物である、(1)に記載の蓄電デバイス。
(3)負極活物質がリチウムチタン複合酸化物及びチタンニオブ複合酸化物から選ばれる1種以上である負極、正極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えた蓄電デバイスに用いられる非水電解液において、前記非水電解液が、金属元素Mを含む化合物を少なくとも1種含み、MはMo、W及びNbから選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、前記金属元素Mを含む化合物の含有量が、前記非水電解液の全質量のうち0.0001質量%〜10質量%であることを特徴とする蓄電デバイス用非水電解液。
本発明によれば、リチウムチタン複合酸化物及びチタンニオブ複合酸化物から選ばれる1種以上の負極活物質を含む負極を具備した蓄電デバイスの作動時におけるガス発生を抑制できる非水電解液を用いたリチウム電池等の蓄電デバイスを提供することができる。
本発明は、非水電解液を用いた蓄電デバイスに関する。
〔非水電解液〕
本発明の非水電解液は、モリブデン(Mо)、タングステン(W)及びニオブ(Nb)から選ばれる少なくとも1種の金属元素Mを含む化合物を含有することを特徴とする。
前記金属元素Mは、Mо、W及びNbから選ばれる少なくとも1種であり、Mо又はWが好ましく、Mоが最も好ましい。
前記金属元素Mを含む化合物としては、特に限定されないが、例えば、前記金属元素Mの酸化物、水酸化物、硫酸化合物、硝酸化合物、フッ化物及び有機化合物等が挙げられる。前記金属元素Mを含む化合物は、M以外の金属元素を更に含んでいてもよい。
前記金属元素Mを含む化合物の具体例としては、モリブデン、酸化モリブデン、三酸化モリブデン、三酸化モリブデン水和物、ほう化モリブデン、りんモリブデン酸、けい化モリブデン、塩化モリブデン、フッ化モリブデン、硫化モリブデン、炭化モリブデン、酢酸モリブデン、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸マンガン、モリブデン酸コバルト、モリブデン酸亜鉛、酸化ストロンチウムモリブデン、酸化カドミウムモリブデン、酸化ニッケルモリブデン、酸化バリウムモリブデン、酸化ルビジウムモリブデン、酸化アルミニウムモリブデン、モリブデン酸アンモニウム、モリブデンエトキシド、モリブデン(V)イソプロポキシド、ヘキサカルボニルモリブデン、2−エチルヘキサン酸モリブデン、テトラチオモリブデンアンモニウム、ビス(アセチルアセトナト)モリブデン ジオキシド、タングステン、酸化タングステン、三酸化タングステン、三酸化タングステン水和物、ほう化タングステン、りんタングステン酸、けい化タングステン、塩化タングステン、フッ化タングステン、硫化タングステン、炭化タングステン、酢酸タングステン、タングステン酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸マグネシウム、タングステン酸マンガン、タングステン酸ニッケル、タングステン酸アンモニウム、タングステンエトキシド、ヘキサカルボニルタングステン、酸化ニオブ、ほう化ニオブ、りん化ニオブ、けい化ニオブ、窒化ニオブ、塩化ニオブ、フッ化ニオブ、硫化ニオブ、炭化ニオブ、酢酸ニオブ、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸バリウム、ニオブ酸マグネシウム、ニオブエトキシド、ニオブフェノキシド、ペンタフルオロニオブ酸リチウム、ペンタフルオロニオブ酸カリウム等が好適に挙げられる。
前記金属元素Mを含む化合物の中でも、リチウム電池の電池特性を損なうことなく作動時のガス発生を抑制できるため、酸化モリブデン、三酸化モリブデン、酸化タングステン、三酸化タングステン、酸化ニオブ、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、タングステン酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウムから選ばれる酸化物が好ましく、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、タングステン酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウムから選ばれるアルカリ金属を含む酸化物がより好ましく、モリブデン酸リチウム、タングステン酸リチウム、ニオブ酸リチウムから選ばれるリチウムを含む酸化物が更に好ましく、モリブデン酸リチウム又はタングステン酸リチウムが特に好ましく、モリブデン酸リチウムが最も好ましい。
本発明の非水電解液において、前記金属元素Mを含む化合物の含有量は、非水電解液全量に対して、0.0001質量%〜10質量%の範囲が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。また、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。当該濃度範囲であれば十分に作動時のガス抑制効果を発揮しかつ、非水電解液溶媒の分解による容量劣化の影響がより小さい。
本発明の非水電解液を含む蓄電デバイスの作動時の発生ガスを抑制する理由は必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。
チタンを含む電極活物質はチタンの価数変化を利用して充電と放電を行う。しかしながら、電極活物質表面のチタンの価数が変化することで、電極活物質表面が活性の高い状態になり、この高い活性状態である電極表面が電解液と接触することによって電解液を分解してガスを発生させる。本発明の非水電解液中に含まれる金属元素Mを含む化合物は、電極表面のチタンと化学的、または電気化学的、あるいはその両方によって反応し、電極活物質表面にイオン導電性を有する被膜を形成する。被膜を形成することによって活性の高いチタンと電解液が直接接触することがなくなり、作動時の発生ガスを著しく抑制すると考えられる。
〔電解質塩〕
本発明に使用される電解質塩としては、下記のリチウム塩が好適に挙げられる。
リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO等の無機リチウム塩、LiN(SOF)〔LiFSI〕、LiN(SOCF、LiN(SO、LiCFSO、LiC(SOCF、LiPF(CF、LiPF(C、LiPF(CF、LiPF(iso−C、LiPF(iso−C)等の鎖状のフッ化アルキル基を含有するリチウム塩や、(CF(SONLi、(CF(SONLi等の環状のフッ化アルキレン鎖を有するリチウム塩等が好適に挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩が好適に挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの中でも、LiPF、LiBF、LiN(SOCF、LiN(SO、及びLiN(SOF)から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、LiPFを用いることがもっとも好ましい。電解質塩のそれぞれの濃度は、前記の非水電解液全量に対して、4質量%以上であることが好ましく、9質量%以上がより好ましく、13質量%以上が更に好ましく、また、28質量%以下であることが好ましく、23質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
また、これらの電解質塩は1種で使用しても十分な性能を発揮するが、電解質塩を組み合わせることで更に電池特性を向上させる。好適な組み合わせとしては、LiPFを含み、更にLiBF、LiN(SOCF及びLiN(SOF)から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩が非水電解液中に含まれている場合が好ましく、LiPFを含み、更にLiBF又はLiN(SOF)が非水電解液中に含まれることがより好ましく、特にLiBFを含むことが好ましい。LiPF以外のリチウム塩が非水電解液全量に占めるそれぞれの割合は特に限定されないが、0.01質量%以上であると、電池特性が向上するため好ましい。さらに好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上、最も好ましくは1質量%以上である。また、好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは13質量%以下である。
〔非水溶媒〕
まず本明細書において、「溶媒」とは溶質を溶解するための物質を示す。
本発明の非水電解液に使用される非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、エーテル及びアミドから選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられる。電池特性が相乗的に向上するため、鎖状エステルが含まれることが好ましく、鎖状カーボネートが含まれることがより好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの両方が含まれることが特に好ましい。
なお、「鎖状エステル」なる用語は、鎖状カーボネート及び鎖状カルボン酸エステルを含む概念として用いる。
さらに、「鎖状カーボネート」とは炭酸直鎖アルキル化合物であるものと定義する。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート及び2,3−ブチレンカーボネートからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられ、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートからなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、プロピレンカーボネートが特に好ましい。
前記環状カーボネートの含有量は、非水電解液全量に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、最も好ましくは40質量%以下であると、Liイオン透過性を損なうことなく一段と作動時のガス発生を抑制できるので好ましい。
鎖状エステルとしては、メチルエチルカーボネート(MEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、メチルブチルカーボネート、及びエチルプロピルカーボネートから選ばれる1種又は2種以上の非対称鎖状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート及びジブチルカーボネートからなる群より選ばれる1種又は2種以上の対称鎖状カーボネート、ピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、ピバリン酸プロピル等のピバリン酸エステル、プロピオン酸メチル(MP)、プロピオン酸エチル(EP)、プロピオン酸プロピル(PP)、酢酸メチル(MA)及び酢酸エチル(EA)からなる群より選ばれる1種又は2種以上の鎖状カルボン酸エステルが好適に挙げられる。
前記鎖状エステルの中でも、電気伝導度が高いことや、溶媒の分解による電池特性が低下するおそれが少ないため、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酢酸メチル及び酢酸エチルからなる群より選ばれる鎖状エステルが好ましく、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル及びプロピオン酸プロピルからなる群より選ばれる鎖状エステルが更に好ましく、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート及びジエチルカーボネートからなる群より選ばれる鎖状カーボネートが特に好ましい。
本発明の非水電解液に用いる非水溶媒における鎖状エステルの含有量は、特に制限されないが、非水電解液全量に対して、5〜90質量%の範囲で用いるのが好ましい。該含有量が5質量%以上であれば非水電解液の粘度が高くなりすぎず、より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、特に好ましくは50質量%以上である。また、該含有量が90質量%以下であれば非水電解液の電気伝導度が低下して電池特性が低下するおそれが少ないので上記範囲であることが好ましい。
環状カーボネートと鎖状エステルの組合せとしては、特に限定はされないが、環状カーボネートはプロピレンカーボネートであり、鎖状エステルはジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート及びジエチルカーボネートからなる群より選ばれる1種又は2種以上との組合せであれば、電池特性が向上するため好ましい。
環状カーボネートと鎖状エステルの割合は、環状カーボネート:鎖状エステル(質量比)が10:90〜50:50が好ましく、30:70〜40:60がさらに好ましい。
その他の非水溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン及び1,2−ジブトキシエタン等の鎖状エーテル、ジメチルホルムアミド等のアミド及びスルホラン等のスルホン並びにγ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン及びα−アンゲリカラクトン等のラクトンから選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられる。
その他の非水溶媒の含有量は、非水電解液全量に対して、通常1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量%以上であり、また通常40質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。当該濃度範囲中であれば電気伝導度が低下することや、溶媒の分解による電池特性が低下するおそれが少ない。
一段と作動時のガス発生を抑制する目的で、非水電解液中にさらにその他の添加剤を加えることが好ましい。
その他の添加剤の具体例としては、以下の(A)〜(G)の化合物が挙げられる。
(A)アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル及びセバコニトリルから選ばれる1種又は2種以上のニトリル。
(B)シクロヘキシルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン又は1−フルオロ−4−tert−ブチルベンゼン等の分枝アルキル基を有する芳香族化合物や、ビフェニル、ターフェニル(o−、m−、p−体)、フルオロベンゼン、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニルカーボネート又はジフェニルカーボネート等の芳香族化合物。
(C)メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2−イソシアナトエチル アクリレート及び2−イソシアナトエチル メタクリレートから選ばれる1種又は2種以上のイソシアネート化合物。
(D)2−プロピニル メチル カーボネート、酢酸 2−プロピニル、ギ酸 2−プロピニル、メタクリル酸 2−プロピニル、メタンスルホン酸 2−プロピニル、ビニルスルホン酸 2−プロピニル、2−(メタンスルホニルオキシ)プロピオン酸2−プロピニル、ジ(2−プロピニル)オギザレート、2−ブチン−1,4−ジイル ジメタンスルホネート及び2−ブチン−1,4−ジイル ジホルメートから選ばれる1種又は2種以上の三重結合含有化合物。
(E)1,3−プロパンスルトン、1,3−ブタンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、1,3−プロペンスルトンもしくは2,2−ジオキシド−1,2−オキサチオラン−4−イル アセテート等のスルトン、エチレンサルファイト等の環状サルファイト、エチレンサルフェート等の環状サルフェート、ブタン−2,3−ジイル ジメタンスルホネート、ブタン−1,4−ジイル ジメタンスルホネートもしくはメチレンメタンジスルホネート等のスルホン酸エステル及びジビニルスルホン、1,2−ビス(ビニルスルホニル)エタンもしくはビス(2−ビニルスルホニルエチル)エーテル等のビニルスルホン化合物から選ばれる1種又は2種以上の環状又は鎖状のS=O基含有化合物。
(F)環状アセタール化合物としては、分子内に「アセタール基」を有する化合物であれば、その種類は特に限定されない。その具体例としては、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン又は1,3,5−トリオキサン等の環状アセタール化合物。
(G)カルボン酸無水物としては、分子内に「C(=O)−O−C(=O)基」を有する化合物であれば特にその種類は限定されない。その具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸等の鎖状のカルボン酸無水物又は無水コハク酸、無水マレイン酸、3−アリル無水コハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、3−スルホ−プロピオン酸無水物等の環状酸無水物。
(A)ニトリルの中では、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル及びピメロニトリルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
(B)芳香族化合物の中では、ビフェニル、ターフェニル(o−、m−、p−体)、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、tert−ブチルベンゼン及びtert−アミルベンゼンから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ビフェニル、o−ターフェニル、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン及びtert−アミルベンゼンから選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。
(C)イソシアネート化合物の中では、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2−イソシアナトエチル アクリレート及び2−イソシアナトエチル メタクリレートから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
(D)三重結合含有化合物としては、2−プロピニル メチル カーボネート、メタクリル酸 2−プロピニル、メタンスルホン酸 2−プロピニル、ビニルスルホン酸 2−プロピニル、ジ(2−プロピニル)オギザレート及び2−ブチン−1,4−ジイル ジメタンスルホネートから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、メタンスルホン酸 2−プロピニル、ビニルスルホン酸 2−プロピニル、ジ(2−プロピニル)オギザレート及び2−ブチン−1,4−ジイル ジメタンスルホネートから選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
(E)環状のS=O基含有化合物としては、1,3−プロパンスルトン、1,3−ブタンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、1,3−プロペンスルトン、2,2−ジオキシド−1,2−オキサチオラン−4−イル アセテート、メチレン メタンジスルホネート、エチレンサルファイト及びエチレンサルフェートから選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられる。
また、鎖状のS=O基含有化合物としては、ブタン−2,3−ジイル ジメタンスルホネート、ブタン−1,4−ジイル ジメタンスルホネート、ジメチル メタンジスルホネート、ペンタフルオロフェニル メタンスルホネート、ジビニルスルホン及びビス(2−ビニルスルホニルエチル)エーテルから選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられる。
前記環状又は鎖状のS=O基含有化合物の中でも、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、2,2−ジオキシド−1,2−オキサチオラン−4−イル アセテート、エチレンサルフェート、ペンタフルオロフェニル メタンスルホネート及びジビニルスルホンから選ばれる1種又は2種以上が更に好ましい。
(F)環状アセタール化合物としては、1,3−ジオキソラン又は1,3−ジオキサンが好ましく、1,3−ジオキサンが更に好ましい。
(G)環状酸無水物としては、無水コハク酸、無水マレイン酸又は3−アリル無水コハク酸が好ましく、無水コハク酸又は3−アリル無水コハク酸が更に好ましい。
前記(A)〜(G)の化合物のそれぞれの含有量は、非水電解液全量に対して0.001〜8質量%であることが好ましい。この範囲にあると、一段と作動時のガス発生を抑制できる。該含有量は、非水電解液全量に対して0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上が特に好ましく、非水電解液全量に対して6質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下が特に好ましい。
また、一段と電池特性を向上させる目的で、非水電解液中に、電解質塩とは別にリチウム塩を含むことが好ましい。具体的にはシュウ酸骨格リチウム塩、リン酸骨格を有するリチウム塩及びS=O基を有するリチウム塩などが挙げられ、前記リチウム塩の中から選ばれる1種以上のリチウム塩を含むことがさらに好ましい。
前記リチウム塩の具体例としては、リチウム ビス(オキサラト)ボレート〔LiBOB〕、リチウム ジフルオロ(オキサラト)ボレート〔LiDFOB〕、リチウム テトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート〔LiTFOP〕及びリチウム ジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート〔LiDFOP〕から選ばれる少なくとも1種のシュウ酸骨格またはB−F結合を有するリチウム塩、LiPOやLiPOF等のリン酸骨格を有するリチウム塩、リチウム トリフルオロ((メタンスルホニル)オキシ)ボレート〔LiTFMSB〕、リチウム ペンタフルオロ((メタンスルホニル)オキシ)ホスフェート〔LiPFMSP〕、リチウム メチルサルフェート〔LMS〕、リチウムエチルサルフェート〔LES〕、リチウム 2,2,2−トリフルオロエチルサルフェート〔LFES〕及びFSOLiから選ばれる1種以上のS=O基を有するリチウム塩が好適に挙げられ、LiBOB、LiDFOB、LiTFOP、LiDFOP、LiPO、FSOLi、LiTFMSB、LMS、LES、LFES及びFSOLiから選ばれるリチウム塩を含むことがより好ましく、LiBOB、LiPO、FSOLi、LMS及びLESから選ばれるリチウム塩を含むことが更に好ましい。
前記リチウム塩が非水電解液中に占めるそれぞれの割合は、非水電解液全量に対して0.01質量%以上8質量%以下である場合が好ましい。この範囲にあると一段と電池特性を向上させることができる。より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.4質量%以上であり、また、より好ましくは6質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
〔非水電解液の製造〕
本発明の蓄電デバイスに含まれる非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに電解質塩及び金属元素Mを含む化合物を添加することにより得ることができる。非水電解液中への前記金属元素Mを含む化合物の溶解を促進させるため、加熱や攪拌などの処理を行うことが好ましい。
この際、溶け残った前記金属元素Mを含む化合物が非水電解液中に含まれていてもよいが、電池特性をより向上させるという点では、非水電解液をろ過することで溶け残った前記金属元素Mを含む化合物を除去する方が好ましい。
〔第1の蓄電デバイス(リチウム電池)〕
本明細書においてリチウム電池とは、リチウム一次電池及びリチウム二次電池の総称である。また、本明細書において、リチウム二次電池という用語は、いわゆるリチウムイオン二次電池も含む概念として用いる。本発明の蓄電デバイスであるリチウム電池は、正極、リチウムチタン複合酸化物及びチタンニオブ複合酸化物から選ばれる負極活物質を含む負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている前記非水電解液からなる。非水電解液及び負極以外の正極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
リチウム二次電池用正極活物質としては、コバルト、マンガン及びニッケルからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種単独で用いるか又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなリチウム複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO、LiCo1−x(但し、MはSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn及びCuから選ばれる1種又は2種以上の元素、0.001≦x≦0.05)、LiMn、LiNiO、LiCo1−xNi(0.01<x<1)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn0.3Co0.2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiMnOとLiMO(Mは、Co、Ni、Mn、Fe等の遷移金属)との固溶体及びLiNi1/2Mn3/2から選ばれる1種以上が好適に挙げられ、2種以上がより好適である。また、LiCoOとLiMn、LiCoOとLiNiO、LiMnとLiNiOのように併用してもよい。
高電圧で動作するリチウム複合金属酸化物を使用すると、充電時における電解液との反応によりサイクル特性が低下しやすいが、本発明に係るリチウム二次電池ではこれらの電池特性の低下を抑制することができる。
また、Niを含む正極活物質は、理論的なLi吸蔵量が多いため、蓄電デバイスの正極活物質として使用することが好ましい。しかしながら、Niを含む正極活物質は、Niの触媒作用により正極表面での非水溶媒の分解が起き、電池の抵抗が増加しやすい傾向にある。特に高温環境下での電池特性が低下しやすい傾向にあるが、本発明に係るリチウム二次電池ではこれらの電池特性の低下を抑制することができる。蓄電デバイスの容量を向上させるという観点では、正極活物質中の全遷移金属元素の原子濃度に対するNiの原子濃度の割合が、30atomic%を超える正極活物質を用いた場合に上記効果が顕著になるので好ましく、50atomic%以上が更に好ましく、75%以上が特に好ましい。具体的には、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn0.3Co0.2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1、LiNi0.8Co0.15Al0.05等が好適に挙げられる。
更に、正極活物質として、リチウム含有オリビン型リン酸塩を用いることもできる。特に鉄、コバルト、ニッケルおよびマンガンから選ばれる少なくとも1種以上含むリチウム含有オリビン型リン酸塩が好ましい。その具体例としては、LiFePO、LiCoPO、LiNiPO、LiMnPO等が挙げられる。
これらのリチウム含有オリビン型リン酸塩の一部は他元素で置換してもよく、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンの一部をCo、Mn、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Nb、Cu、Zn、Mo、Ca、Sr、W及びZr等から選ばれる1種以上の元素で置換することや、これらの他元素を含有する化合物や炭素材料で被覆することもできる。これらの中では、LiFePOまたはLiMnPOが好ましい。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば前記の正極活物質と混合して用いることもできる。
正極活物質としては、特に限定されることはないが、Mnを含む正極活物質を用いた場合、作動時の発生ガスを特に抑制することができる。例えば、LiMn、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn0.3Co0.2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1及びLiNi0.8Co0.15Al0.05、が好適に挙げられる。
正極の導電剤は、化学変化を起こさない電子伝導材料であれば特に制限はない。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等のグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。また、グラファイトとカーボンブラックを適宜混合して用いてもよい。導電剤の正極合剤への添加量は、1〜10質量%が好ましく、特に2〜5質量%が好ましい。
正極は、前記の正極活物質をアセチレンブラック、カーボンブラック等の導電剤、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレンプロピレンジエンターポリマー等の結着剤と混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶剤を加えて混練して正極合剤とした後、この正極合剤を集電体のアルミニウム箔やステンレス製のラス板等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度真空下で加熱処理することにより作製することができる。
負極活物質としては、チタンを含む合金、酸化物が挙げられ、酸化物として、二酸化チタン、リチウムチタン複合酸化物、チタンニオブ複合酸化物等が挙げられる。リチウムチタン複合酸化物の中では、活物質の膨張、収縮が小さく、電池寿命を向上させるためLiTi12を主成分として含有するリチウムチタン酸化物(LTO)が好ましい。チタンニオブ複合酸化物の中では、TiNbを主成分として含有するチタンニオブ酸化物が、理論的な容量が大きく、電池寿命が良好であるため好ましい。
負極は、上記の正極の作製と同様な導電剤、結着剤、高沸点溶剤を用いて混練して負極合剤とした後、この負極合剤を集電体の銅箔等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下加熱処理することにより作製することができる。
リチウム電池の構造には特に限定はなく、単層または複層のセパレータを有するコイン型電池、円筒型電池、角型電池、ラミネート電池等を適用できる。
電池用セパレータとしては、特に制限はされないが、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの単層または積層の微多孔性フィルム、織布、不織布等を使用できる。
〔第2の蓄電デバイス(リチウムイオンキャパシタ)〕
第2の蓄電デバイスは、負極にリチウムイオンのインターカレーションを利用してエネルギーを貯蔵する、リチウムイオンキャパシタ(LIC)と呼ばれる蓄電デバイスである。正極は、例えば活性炭電極と電解液との間の電気ニ重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には少なくともLiPFなどのリチウム塩が含まれる。
〔非水電解液の作製〕
各溶媒と電解質塩を一定量で混合し、表1記載の基準電解液を調製した。実施例1〜6及び比較例1記載の基準電解液の質量比で示した組成はPCが32.2質量%、DECが52.0質量%、LiPFが15.8質量%となり、比較例2〜3記載の基準電解液の質量比で示した組成はECが31.6質量%、MECが56.3質量%、LiPFが12.1質量%となる。前記基準電解液にモリブデン酸リチウム(LiMоО)を各量加え、加熱攪拌し0.45μmのメンブレンフィルターを用いてろ過して、非水電解液を調製した。調製した電解液を、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)を用いて電解液中のMо濃度を測定し、表1記載の実施例1〜6及び比較例1〜3の電解液を調製した。
〔リチウムイオン二次電池の作製〕
LiNi0.5Mn0.3Co0.2;90質量%、炭素系導電剤;6質量%、を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);4質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、矩形の正極シートを作製した。実施例1〜6及び比較例1では、LiTi12(負極活物質);95質量%と、炭素系導電剤;2質量%、を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);3質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。比較例2〜3では、天然黒鉛(負極活物質);98質量%と、カルボキシメチルセルロース(増粘剤);1質量%、スチレンブタジエンゴム(結着剤);1質量%を水に溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。前記負極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、負極シートを作製した。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートを捲回し、表1に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート型電池を作製した。
〔作動時のガス発生量の評価〕
上記の方法で作製した電池を用いて、実施例1〜6と比較例1では、60℃の恒温槽中、0.2Cの定電流および定電圧で充電終止電圧2.75V、放電終止電圧1.4Vで1サイクル充放電を行い、0.2Cの定電流値で1時間充電し、24時間静置した後、0.2Cの定電流下終止電圧1.4Vまで放電し、再度充電終止電圧2.75V、放電終止電圧1.4Vで1サイクル充放電を行った。比較例2〜3では、45℃の恒温槽中、0.2Cの定電流および定電圧で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.7Vで1サイクル充放電を行い、0.2Cの定電流値で5時間充電し、24時間静置した後、0.2Cの定電流下終止電圧2.7Vまで放電し、再度充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.7Vで1サイクル充放電を行った。前記電池作動前後の電池体積をアルキメデス法により測定し、その差をとることで電池作動による発生ガスを求めた。表1記載の実施例1〜6は比較例1で発生したガス量を100%としたときの相対値であり、比較例2は比較例3で発生したガス量を100%としたときの相対値である。
Figure 2021163564
上記表1において、本発明の非水電解液を用いた実施例では、比較例1に比べ作動時の発生ガス量を抑制することができる。一方で、黒鉛の負極活物質を用いた場合、本発明の非水電解液を用いても十分なガス抑制効果を示さない。
本発明の非水電解液を用いた蓄電デバイスは、電池特性に優れたリチウム二次電池等の蓄電デバイスとして有用である。

Claims (3)

  1. 負極、正極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えた蓄電デバイスであって、前記非水電解液が、金属元素Mを含む化合物を少なくとも1種含み、MはMo、W及びNbから選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、前記金属元素Mを含む化合物の含有量が、前記非水電解液の全質量のうち0.0001質量%〜10質量%であり、前記負極の電極活物質がリチウムチタン複合酸化物及びチタンニオブ複合酸化物から選ばれる1種以上であることを特徴とする蓄電デバイス。
  2. 負極活物質が、LiTi12を主成分とするチタン酸リチウム又はTiNbを主成分とするチタンニオブ酸化物である、請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 負極活物質がリチウムチタン複合酸化物及びチタンニオブ複合酸化物から選ばれる1種以上である負極、正極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液を備えた蓄電デバイスに用いられる非水電解液において、前記非水電解液が、金属元素Mを含む化合物を少なくとも1種含み、MはMo、W及びNbから選ばれる少なくとも1種の金属元素であり、前記金属元素Mを含む化合物の含有量が、前記非水電解液の全質量のうち0.0001質量%〜10質量%であることを特徴とする蓄電デバイス用非水電解液。
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