JP2021154667A - 液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体吐出ヘッドに液体を十分に供給しつつ、被吐出媒体への液体の吐出に必要な時間を極力短くする。【解決手段】記録パスに対応する画像データが示すデューティDが閾値D1よりも高いときに、記録パスにおける単位時間当たりのインクの吐出量を減らす制限処理を実行する。このようなプリンタにおいて、ユーザにより、吸引パージを行うことを指示する指示信号が入力されたときに、吸引パージを行わせる前に、吐出判定処理を実行する(S201)。そして、吐出判定処理の結果に基づいて、ノズル列のインクの供給口から最も遠いノズルを含む連続して並ぶ所定個のノズルが不吐出ノズルである場合には(S202:YES,S203:YES)、インクジェットヘッドへのインクの供給不足であるアンダーリフィルが発生していると推定し、閾値D1を小さくする(S206)。【選択図】図8
Description
本発明は、ノズルから液体を吐出する液体吐出装置に関する。
ノズルから液体を吐出する液体吐出装置の一例として、特許文献1には、ノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェットプリンタが記載されている。特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、吐出ヘッドを往復移動させながらインクを吐出して画像形成する記録動作中において、印刷デューティ比が閾値以上であるなどの条件を満たすときに、吐出ヘッドを記録領域外で一時停止させて待ち時間を発生させるデューティ制限機能を実行する。これにより、吐出ヘッドへのインクの供給が不足する、いわゆるアンダーリフィルが発生しないようにすることができる。
ここで、特許文献1のインクジェットプリンタでは、どのような使用環境においてもアンダーリフィルが生じないように上記閾値を一律に決めようとすると、上記閾値が小さくなってしまう。一方で、上記閾値が小さいほど、デューティ制限機能を実行する頻度が高くなり、記録速度の低下につながる。
なお、特許文献1のインクジェットプリンタは、印刷ヘッドが往復移動しつつノズルからインクを吐出する、いわゆるシリアルヘッドを備えたものであるが、記録用紙の搬送方向と直交する方向において、記録用紙の全長にわたって延びたいわゆるラインヘッドを備えたプリンタにおいても、上述したのと同様に一律の閾値を決めてデューティが閾値を超えているか否かによってデューティの制限を行うと、上記の問題が発生する。
本発明の目的は、液体吐出ヘッドに液体を十分に供給しつつ、被吐出媒体への液体の吐出に必要な時間を極力短くすることが可能な液体吐出装置を提供することである。
本発明の液体吐出装置は、液体吐出ヘッドと、液体を貯留するタンクと、前記液体吐出ヘッドと前記タンクとを接続する接続流路と、前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体とを、前記第1方向に相対移動させる相対移動手段と、制御装置と、を備え、前記液体吐出ヘッドは、ノズルをそれぞれ含み、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数の個別流路と、前記複数の個別流路と接続された共通流路と、前記共通流路に液体を供給するための供給口と、を有し、前記制御装置は、前記相対移動手段に、前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第1方向に相対移動させつつ、前記液体吐出ヘッドに、前記複数の個別流路を構成する前記ノズルから液体を吐出させることによって、被吐出媒体への液体の吐出を行わせ、前記液体吐出ヘッドにおける、単位時間あたりの、最大の液体の吐出量に対する実際の液体の吐出量の割合であるデューティが、閾値よりも高いことに対応する所定条件を満たすときには、前記液体吐出ヘッドにおける単位時間あたりの液体の吐出量を減らして、前記デューティを前記閾値以下とする制限処理を実行するようにし、さらに、前記複数の個別流路を構成する前記ノズルについての、液体が吐出されない不吐出ノズルであるか否かに関する吐出情報を受信し、前記吐出情報に基づいて、前記複数の個別流路のうち、前記供給口から最も遠い前記個別流路を含む、前記第2方向に連続して並ぶ所定個の前記個別流路を構成する前記ノズルが前記不吐出ノズルであるか否かを判定し、前記所定個の前記個別流路を構成する前記ノズルが前記不吐出ノズルであると判定したときには、前記閾値を小さくし、これ以降、小さくした後の前記閾値による前記所定条件に基づいて、前記制限処理を実行するか否かを決める。
液体吐出ヘッドへの液体の供給が不十分な場合、供給口から最も離れた個別流路を含む連続する個別流路を構成するノズルが、不吐出ノズルとなることが知られている。そこで、本発明では、吐出情報に基づいて、供給口から最も離れた個別流路を含む連続する所定個の個別流路を構成するノズルが、不吐出ノズルであると判定したときに、制限処理を実行するか否かを決定する基準となる閾値を小さくする。これにより、閾値を大きめの値に設定しておき、実際に液体吐出ヘッドへの液体の供給不足が不十分となったときに、閾値を小さくしていくことができ、最終的に、閾値を液体吐出ヘッドに適切な値とすることができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
<プリンタの全体構成>
図1に示すように、本実施形態に係るプリンタ1(本発明の「液体吐出装置」)は、キャリッジ2(本発明の「相対移動手段」)、サブタンク3、インクジェットヘッド4(本発明の「液体吐出ヘッド」)、プラテン5、搬送ローラ6,7、メンテナンスユニット8などを備えている。
図1に示すように、本実施形態に係るプリンタ1(本発明の「液体吐出装置」)は、キャリッジ2(本発明の「相対移動手段」)、サブタンク3、インクジェットヘッド4(本発明の「液体吐出ヘッド」)、プラテン5、搬送ローラ6,7、メンテナンスユニット8などを備えている。
キャリッジ2は、走査方向に延びた2本のガイドレール11,12に支持されている。キャリッジ2は、図示しないベルトなどを介してキャリッジモータ86(図6参照)に接続されており、キャリッジモータ86を駆動させると、キャリッジ2がガイドレール11,12に沿って走査方向に移動する。なお、以下では、図1に示すように、走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。
サブタンク3は、キャリッジ2に搭載されている。ここで、プリンタ1は、カートリッジホルダ13を備えており、カートリッジホルダ13に4つのインクカートリッジ14(本発明の「タンク」)が取り外し可能に装着されている。4つのインクカートリッジ14は、走査方向に並んでおり走査方向の右側に配置されたものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインク(本発明の「液体」)を貯留している。サブタンク3は、4本のチューブ15を介してカートリッジホルダ13に装着された4つのインクカートリッジ14と接続されている。これにより、4つのインクカートリッジ14からサブタンク3に上記4色のインクが供給される。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ2に搭載され、サブタンク3の下端部に接続されている。インクジェットヘッド4には、サブタンク3から上記4色のインクが供給される。なお、本実施形態では、インクカートリッジ14とインクジェットヘッド4とを接続する、チューブ15とサブタンク3内にインク流路とを合わせたものが、本発明の「接続流路」に相当する。
また、インクジェットヘッド4は、その下面であるノズル面4aに形成された複数のノズル10からインクを吐出する。より詳細に説明すると、複数のノズル10は、走査方向と直交する搬送方向に配列されることによってノズル列9を形成しており、インクジェットヘッド4は、走査方向に並んだ4列のノズル列9を有する。複数のノズル10からは、走査方向の右側のノズル列9を構成するものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。
プラテン5は、インクジェットヘッド4の下方に配置され、複数のノズル10と対向している。プラテン5は、走査方向に記録用紙P(本発明の「被吐出媒体」)の全長にわたって延び、記録用紙Pを下方から支持する。搬送ローラ6は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の上流側に配置されている。搬送ローラ7は、インクジェットヘッド4及びプラテン5よりも搬送方向の下流側に配置されている。搬送ローラ6,7は、図示しないギヤなどを介して搬送モータ87(図6参照)に接続されている。搬送モータ87を駆動させると、搬送ローラ6,7が回転し、記録用紙Pが搬送方向に搬送される。
メンテナンスユニット8は、キャップ71と、吸引ポンプ72と、廃液タンク73とを備えている。キャップ71は、プラテン5よりも走査方向の右側に配置されている。そして、キャリッジ2を、プラテン5よりも走査方向の右側のメンテナンス位置に位置させると、複数のノズル10がキャップ71と対向する。
また、キャップ71は、キャップ昇降機構88(図6参照)によって昇降可能となっている。そして、キャリッジ2を上記メンテナンス位置に位置させることによって複数のノズル10とキャップ71とを対向させた状態で、キャップ昇降機構88によりキャップ71を上昇させると、キャップ71の上端部がノズル面4aに密着し、複数のノズル10がキャップ71に覆われる。なお、キャップ71はノズル面4aに密着することで複数のノズル10を覆うものであることには限られない。キャップ71は、例えば、インクジェットヘッド4のノズル面4aの周囲に配置される図示しないフレーム等に密着することで、複数のノズル10を覆うものであってもよい。
吸引ポンプ72はチューブポンプなどであり、キャップ71及び廃液タンク73と接続されている。そして、メンテナンスユニット8では、上述したように複数のノズル10がキャップ71によって覆われた状態で吸引ポンプ72を駆動させると、複数のノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる吸引パージ(本発明の「パージ」)を行うことができる。吸引パージによって排出されたインクは廃液タンク73に貯留される。
また、本実施形態では、吸引パージとして、弱パージ(本発明の「第1パージ」)と、弱パージよりもインクの排出量が多い強パージ(本発明の「第2パージ」)のいずれかを選択的に行わせることができる。ここで、強パージでは、例えば、弱パージよりも吸引ポンプ72の駆動時間が長い、あるいは、弱パージよりも吸引ポンプ72の回転速度が速いことにより、弱パージよりもインクの排出量が多くなっている。
なお、ここでは、便宜上、キャップ71が全てのノズル10をまとめて覆い、吸引パージにおいて、全てのノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させるものとして説明を行ったが、これには限られない。例えば、キャップ71が、ブラックインクを吐出する最も右側のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分と、カラーインク(イエロー、シアン、マゼンタのインク)を吐出する左側3列のノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分とを別々に備えており、吸引パージにおいて、インクジェットヘッド4内のブラックインク及びカラーインクのいずれかを選択的に排出させることができるようになっていてもよい。あるいは、例えば、キャップ71が、ノズル列9毎に個別に設けられ、吸引パージにおいて、ノズル列9毎に個別に、ノズル10からインクを排出させることができるようになっていてもよい。
また、図2に示すように、キャップ71内には、矩形の平面形状を有する検出用電極76が配置されている。検出用電極76は、抵抗79を介して高電圧電源回路77に接続されている。そして、検出用電極76には、高電圧電源回路77により所定の正の電位(例えば300V程度)が付与される。一方で、インクジェットヘッド4は、グランド電位に保持されている。これにより、インクジェットヘッド4と検出用電極76との間に所定の電位差が生じる。検出用電極76には、判定回路78が接続されている。判定回路78は、検出用電極76から出力された電圧信号の電圧値と、閾値Vtとを比較し、その結果に応じた信号を出力する。
より詳細に説明すると、インクジェットヘッド4と、検出用電極76との間には電位差が生じているため、ノズル10から吐出されたインクは帯電している。キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた状態で、ノズル10から検出用電極76に向けてインクを吐出させると、図3(a)に示すように、帯電したインクが検出用電極76に近づき、検出用電極76にインクが着弾するまで、検出用電極76の電圧値が、インクジェットヘッド4が駆動されていないときの電圧値V1から上昇し、電圧値V1よりも高い電圧値V2に達する。そして、帯電したインクが検出用電極76に着弾した後、検出用電極76の電圧値が徐々に低下して電圧値V1に戻る。すなわち、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極76の電圧値が変化する。
一方で、ノズル10からインクが吐出されていない場合には、図3(b)に示すように、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極76の電圧値は、電圧値V1からほとんど変化しない。そこで、判定回路78は、これらを区別するために閾値Vt(V1<Vt<V2)が設定されている。そして、判定回路78は、インクジェットヘッド4の駆動期間Tdにおいて、検出用電極66から出力される電圧信号の最大の電圧値と閾値Vtとを比較し、その判定結果に応じた判定用信号を出力する。なお、本実施形態では、検出用電極66と、高電圧電源回路67と抵抗79と判定回路78とを合わせたものが、本発明の「信号出力部」に相当する。そして、この信号出力部は、ノズル10が、インクが吐出されない不吐出ノズルであるか否かに応じた信号を出力する。
また、ここでは、高電圧電源回路77により、検出用電極76に正の電位が付与されているが、高電圧電源回路77により、検出用電極76に負の電位(例えば−300V程度)が付与されていてもよい。この場合には、上述したのとは逆に、キャリッジ2を上記メンテンナンス位置に位置させた状態で、ノズル10から検出用電極76に向けてインクを吐出させると、帯電したインクが検出用電極76に近づき、検出用電極76にインクが着弾するまで、検出用電極66の電圧値が電圧値V1から低下し、検出用電極76にインクが着弾した後、検出用電極66の電圧値が徐々に上昇して電圧値V1に戻る。
<インクジェットヘッド>
次に、インクジェットヘッド4の構造について詳細に説明する。図4、図5(a)、(b)に示すように、インクジェットヘッド4は、流路ユニット21と、圧電アクチュエータ22とを有する。
次に、インクジェットヘッド4の構造について詳細に説明する。図4、図5(a)、(b)に示すように、インクジェットヘッド4は、流路ユニット21と、圧電アクチュエータ22とを有する。
流路ユニット21は、プレート31〜35が下方からこの順に鉛直方向に積層されることによって形成されている。流路ユニット21は、ノズル10をそれぞれ含む複数の個別流路41と、4つの共通流路42とを備えている。
上記のように複数のノズル10が4列のノズル列9を形成しているのに対応して、複数の個別流路41は、搬送方向に配列されることによって個別流路列29を形成しており、流路ユニット21は、走査方向に並んだ4列の個別流路列29を有する。
各個別流路41は、ノズル10と、圧力室51と、ディセンダ52と、絞り流路53とを有する。ノズル10と、圧力室51の走査方向における左側の端部とが、ディセンダ52を介して接続され、圧力室51の走査方向における右側の端部に絞り流路53が接続されている。また、本実施形態では、複数の個別流路41の構造は全て同じである。したがって、複数の個別流路41の流路抵抗も全て同じである。なお、ノズル10、圧力室51、ディセンダ52及び絞り流路53の構造や位置関係については、従来と同様であるので、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
4つの共通流路42は、4列の個別流路列29に対応しており、搬送方向に延びて、対応する個別流路列29を構成する複数の個別流路41の走査方向における右側の部分と鉛直方向に重なっている。そして、共通流路42は、これらの個別流路41を構成する絞り流路53の走査方向の右側の端に設けられた接続口53aと接続されている。また、各共通流路42は、搬送方向の上流側の端部に設けられた供給口42aからインクが供給される。
圧電アクチュエータ22は、振動板61と、圧電層62と、共通電極63と、複数の個別電極64とを有する。振動板61は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛の混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなり、流路ユニット21の上面(プレート35の上面)に配置され、複数の圧力室51を覆っている。圧電層62は、上述の圧電材料からなり、振動板61の上面に配置され、複数の圧力室51にわたって連続的に延びている。なお、第1実施形態では、振動板61及び圧電層62が圧電材料からなるが、振動板61については、例えば合成樹脂材料など、圧電材料以外の絶縁性材料からなるものであってもよい。
共通電極63は、振動板61と圧電層62との間に配置され、その全域にわたって延びている。共通電極63は、図示しない配線を介して図示しない電源に接続され、グランド電位に保持されている。複数の個別電極64は、圧電層62の上面に配置されている。複数の個別電極64は、複数の圧力室51に個別のものであり、対応する圧力室51の中央部と鉛直方向に重なっている。複数の個別電極64は、それぞれ、図示しない配線を介してドライバIC89(図6参照)に接続されている。そして、ドライバIC89から各個別電極64にグランド電位及び駆動電位(例えば20V程度)のいずれかが選択的に付与される。また、共通電極63及び複数の個別電極64がこのように配置されているのに対応して、圧電層62の共通電極63と各個別電極64とに挟まれた部分が、ぞれぞれ、厚み方向に分極されている。
そして、圧電アクチュエータ22では、ドライバIC89により個別電極64に電位を付与して、個別電極64と共通電極63との電位差を変化させることによって、圧電層62及び振動板61の圧力室51と鉛直方向に重なる部分を変形させる。これにより、圧力室51内のインクの圧力が変動し、圧力室51に連通するノズル10からインクを吐出させることができる。また、本実施形態では、圧電アクチュエータ22において、個別電極64に電位を付与するための駆動波形を異ならせることによって、ノズル10から体積の異なるインク滴である大玉、中玉、小玉のうちのいずれかを選択的に吐出させることができる。ここで、中玉は小玉よりも体積が大きく、大玉は中玉よりも体積が大きい。
<プリンタの電気的構成>
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図6に示すように、プリンタ1は、制御装置80を備え、プリンタ1の動作は、制御装置80によって制御される。制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83、フラッシュメモリ84、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)85などからなる。制御装置80は、キャリッジモータ86、ドライバIC89、搬送モータ87、キャップ昇降機構88、吸引ポンプ72、高電圧電源回路77等の動作を制御する。なお、本実施形態では、制御装置80は、ドライバCI89を制御することによって、インクジェットヘッド4を制御する。
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図6に示すように、プリンタ1は、制御装置80を備え、プリンタ1の動作は、制御装置80によって制御される。制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)81、ROM(Read Only Memory)82、RAM(Random Access Memory)83、フラッシュメモリ84、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)85などからなる。制御装置80は、キャリッジモータ86、ドライバIC89、搬送モータ87、キャップ昇降機構88、吸引ポンプ72、高電圧電源回路77等の動作を制御する。なお、本実施形態では、制御装置80は、ドライバCI89を制御することによって、インクジェットヘッド4を制御する。
また、制御装置80には、判定回路78から不吐出ノズルであるか否かに応じた信号が入力される。また、プリンタ1は、上記構成のほかに、表示部69と操作部70(本発明の「信号入力部」)とを備えている。表示部69は液晶ディスプレイなどであり、制御装置80は、表示部69を制御して、プリンタ1の動作に関連する情報、メッセージなどを表示させる。操作部70は、プリンタ1に設けられたボタンや、表示部69に設けられたタッチパネルなどである。ユーザが操作部70を操作すると、その操作に応じた信号が、制御装置80に入力される。
なお、制御装置80は、CPU81のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC85のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU81とASIC85とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのCPU81が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU81が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御装置80は、1つのASIC85が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC85が処理を分担して行うものであってもよい。
<記録時の制御>
次に、プリンタ1において、記録用紙Pに記録を行うときの処理について説明する。プリンタ1では、後で詳細に説明するように、キャリッジ2を走査方向に移動させることによって、インクジェットヘッド4と記録用紙Pとを走査方向に相対移動させつつ、インクジェットヘッド4に複数のノズル10から記録用紙Pに向けてインクを吐出させて、画像の一部である画像部分を記録する記録パスと、記録用紙Pを搬送方向に所定距離搬送させる搬送動作とを繰り返すことによって、記録用紙Pに画像を記録する。
次に、プリンタ1において、記録用紙Pに記録を行うときの処理について説明する。プリンタ1では、後で詳細に説明するように、キャリッジ2を走査方向に移動させることによって、インクジェットヘッド4と記録用紙Pとを走査方向に相対移動させつつ、インクジェットヘッド4に複数のノズル10から記録用紙Pに向けてインクを吐出させて、画像の一部である画像部分を記録する記録パスと、記録用紙Pを搬送方向に所定距離搬送させる搬送動作とを繰り返すことによって、記録用紙Pに画像を記録する。
そして、プリンタ1では、記録を行うことを指示する記録指令が入力されたときに、制御装置80が、図7のフローに沿って処理を行う。より詳細に説明すると、記録指令が入力されたときに、制御装置80は、まず、給紙処理を実行する(S101)。S101の給紙処理では、制御装置80は、搬送モータ87と、図示しない給紙装置とを制御することによって、搬送ローラ6,7と図示しない給紙装置に、記録用紙Pを、1回目の記録パスで画像部分が記録される領域が、インクジェットヘッド4の複数のノズル10と対向する位置に供給させる。
続いて、制御装置80は、1回の記録パスに対応する画像部分の画像データ(1パス分の画像データ)が入力されるまで待機する(S102:NO)。ここで、本実施形態では、プリンタ1に、記録指令に続いて、各記録パスに対応する画像部分の画像データが順に入力される。また、画像データは、画像部分の各ドットを形成するインク滴の種類(大玉、中玉、小玉)を指示するデータである。なお、本実施形態では、各記録パスに対応する画像部分の画像データが本発明の「吐出データ」に相当する。
そして、1パス分の画像データが入力されたときに(S102:YES)、制御装置80は、各ノズル列9について、入力された画像データに基づいて記録パスを行わせたときのデューティDが閾値D1よりも高いか否かを判定する(S103)。
ここで、本実施形態では、デューティDとは、記録パスにおいて、ノズル列9を構成する全てのノズル10から大玉を吐出させ続けた場合のインクの吐出量に対する、記録パスにおける実際の複数のノズル10からのインクの吐出量の割合によって決まる、単位時間あたりの、最大のインクの吐出量に対する実際のインクの吐出量の割合である。
また、各ノズル列9についての閾値D1の値が、フラッシュメモリ84に記憶されている。そして、S103では、制御装置80は、入力された画像データに基づいて各ノズル列9についてのデューティDの値を算出し、算出したデューティDが、フラッシュメモリ84に記憶された閾値D1よりも高いか否かを判定する。
全てのノズル列9において、デューティDが閾値D1以下の場合には(S103:NO)、制御装置80は、記録パス処理を実行し(S104)、S108に進む。S104の記録パスでは、制御装置80は、キャリッジモータ86を制御してキャリッジ2を走査方向に移動させつつ、ドライバIC89を制御して、画像データに基づいてインクジェットヘッド4の複数のノズル10からインクを吐出させることによって、記録用紙Pに画像データに対応する画像部分を記録させる、記録パスを行わせる。これにより、全てのノズル列9においてデューティDが閾値D1以下の場合には、1パス分の画像データに対応する画像部分が1回の記録パスによって記録される。
いずれかのノズル列9において、デューティDが閾値D1よりも高い場合には(S103:NO)、制御装置80は、データ分割処理を実行する(S105)。S105のデータ分割処理では、制御装置80は、入力された1パス分の画像データを、複数の分割データに分割する。これにより、各分割データに基づいて記録パスを行ったときのデューティDが閾値D1以下となる。なお、1パス分の画像データの分割については従来と同様であるので、ここでは、これ以上の詳細な説明を省略する。
続いて、制御装置80は記録パス処理を実行する(S106)。S106の記録パスでは、制御装置80は、キャリッジモータ86を制御してキャリッジ2を走査方向に移動させつつ、分割データに基づいてドライバIC89を制御してインクジェットヘッド4の複数のノズル10からインクを吐出させることによって、記録用紙Pに分割データに対応する画像部分を記録させる、記録パスを行わせる。
続いて、全ての分割データに対応する画像部分の記録が完了していない場合には(S107:NO)、S106に戻って、次の分割データに基づいて、記録パス処理を実行する。そして、全ての分割データに対応する画像部分の記録が完了したときに(S107:YES)、S108に進む。これにより、いずれかのノズル列9において、デューティDが閾値D1よりも高い場合には、1パス分の画像データに対応する画像部分が、デューティが閾値D1以下の、連続する複数回の記録パスによって記録される。なお、本実施形態では、S105〜S107の処理が、本発明の「制限処理」に相当する。
S108では、記録用紙Pへの画像の記録が完了したか否かを判定する。記録用紙Pへの画像の記録が完了していない場合には(S108:NO)、制御装置80は、搬送処理を実行したうえで(S109)、S102に戻る。S109の搬送処理では、制御装置80は、搬送モータ87を制御して、上記搬送動作を行わせる。
そして、記録用紙Pへの画像の記録が完了したときに(S108:YES)、制御装置80は、排紙処理を実行したうえで(S110)、処理を終了する。S110の排紙処理では、制御装置80は、搬送モータ87を制御して、搬送ローラ6,7に記録用紙Pを排出させる。
<パージ指示信号の入力時の処理>
次に、プリンタ1において、ユーザが操作部70を操作して、吸引パージを行うことを指示するパージ指示信号を入力したときの、制御装置80の処理の流れについて説明する。パージ指示信号が入力されたときに、制御装置80は、図8のフローに沿って処理を行う。
次に、プリンタ1において、ユーザが操作部70を操作して、吸引パージを行うことを指示するパージ指示信号を入力したときの、制御装置80の処理の流れについて説明する。パージ指示信号が入力されたときに、制御装置80は、図8のフローに沿って処理を行う。
図8のフローについてより詳細に説明すると、制御装置80は、まず、吐出判定処理を実行する(S201)。S201の吐出判定処理では、制御装置80は、キャリッジモータ86を駆動させてキャリッジ2をメンテナンス位置に移動させたうえで、インクジェットヘッド4の複数のノズル10の各々について、ノズル10からインクを吐出させるようにドライバIC89(インクジェットヘッド4)を駆動させ、上述したように判定回路78から出力される信号に基づいて、ノズル10が不吐出ノズルであるか否かを判定する。各ノズル10についての、不吐出ノズルであるか否かの情報は、例えばフラッシュメモリ84等に記憶される。
続いて、制御装置80は、吐出判定処理での結果に基づいて、インクジェットヘッド4の複数のノズル10の中に不吐出ノズルがあるか否かを判定する(S202)。不吐出ノズルがなければ(S202:NO)、そのまま、処理を終了する。
不吐出ノズルがある場合には(S202:YES)、制御装置80は、続いて、全てのノズル列9において、ノズル列9を構成する複数のノズル10のうち、搬送方向の最も下流側のノズル10を含む連続して並ぶ所定個(例えば、10個)のノズル10が全て不吐出ノズルであるか否かを判定する(S203)。
ここで、ノズル列29を構成する複数の個別流路41のうち、搬送方向の最も下流側の個別流路41は、ノズル列29を構成する複数の個別流路41のうち、当該個別流路以外の個別流路41に比べて、絞り流路53の接続口53aの、共通流路42の供給口42aとの直線距離が長い。これにより、ノズル列29を構成する複数の個別流路41のうち、搬送方向の最も下流側の個別流路41は、ノズル列29を構成する複数の個別流路41の中で、供給口42aからの流路長が最も長い。そして、ノズル列9を構成する複数のノズル10のうち、搬送方向の最も下流側のノズル10は、供給口42aからの流路長が最も長い個別流路41を構成するノズル10である。
全てのノズル列9において、ノズル列9を構成する複数のノズル10のうち、上記所定個のノズル10の少なくとも一部が不吐出ノズルでない場合には(S203:NO)、制御装置80は、上述の弱パージを行わせる弱パージ処理を実行し(S204)、処理を終了する。
いずれかのノズル列9において、ノズル列9を構成する複数のノズル10のうち、上記所定個のノズル10が全て不吐出ノズルである場合には(S203:YES)、制御装置80は、上述の強パージを行わせる強パージ処理を実行する(S205)。続いて、制御装置80は、上記所定個のノズル10が全て不吐出ノズルであったノズル列9について、フラッシュメモリ84に記憶されている閾値D1を、前回の記録用紙Pへの記録時の、現在の閾値D1よりも低い複数のデューティの中で最大のデューティの値に変更し(S206)、処理を終了する。
なお、上述したように、キャップ71が、ブラックインクを吐出するノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分と、カラーインクを吐出するノズル列9を構成する複数のノズル10を覆う部分とを別々に備えている場合や、キャップ71が、ノズル列9毎に個別に設けられている場合については、以下のようにして強パージ及び弱パージを行わせればよい。すなわち、上記所定個のノズル10が全て不吐出ノズルであるノズル列9を構成する複数のノズル10からインクを排出させる吸引パージとして、強パージを行わせればよい。また、不吐出ノズルがあり、且つ、上記所定個のノズル10の少なくとも一部が不吐出ノズルでないノズル列9を構成する複数のノズル10からインクを排出させる吸引パージとして、弱パージを行わせればよい。
<待機時の閾値の変更の処理>
また、プリンタ1では、電源が供給されている間、記録用紙Pへの記録などが行われていない待機時に、制御装置80が、図9のフローに沿って処理を行う。
また、プリンタ1では、電源が供給されている間、記録用紙Pへの記録などが行われていない待機時に、制御装置80が、図9のフローに沿って処理を行う。
図9のフローについてより詳細に説明すると、制御装置80は、全てのノズル列9において、所定期間内にD1が変更されている間は待機している(S301:NO)。いずれかのノズル列9において、所定期間以上D1が変更されていないときに(S301:YES)、制御装置80は、キャリッジモータ86を制御してキャリッジ2をメンテナンス位置に移動させたうえで、ドライバIC89を駆動させて、当該ノズル列9におけるデューティが、現在の閾値D1よりも所定値ΔD大きいデューティ(D1+ΔD)(本発明の「試験用デューティ」)と等しくなるように、インクジェットヘッド4の当該ノズル列9を構成する複数のノズル10からインクを吐出させる(S302)。なお、本実施形態では、S302での複数のノズル10からのインクの吐出が、本発明の「試験吐出」に相当する。
続いて、制御装置80は、当該ノズル列9を構成する複数のノズル10について、上述のS201と同様の吐出判定処理を実行する(S303)。そして、S303の吐出判定処理の結果に基づいて、当該ノズル列9を構成する複数のノズル10のうち上記所定個のノズル10全てが不吐出ノズルである場合には(S304:YES)、S205と同様の強パージ処理を実行したうえで(S305)、S301に戻る。当該ノズル列9において上記所定個のノズル10の少なくとも一部が不吐出ノズルでない場合には(S304:NO)、フラッシュメモリ84に記憶されている当該ノズル列9についての閾値D1を(D1+ΔD)に変更し(S306)、S301に戻る。
<効果>
本実施形態では、記録パスに対応する画像データが示すデューティDが閾値D1よりも高いときに、上記画像データを分割した分割データを生成する。そして、記録パスにおいて分割データに基づいて複数のノズル10からインクを吐出させることによって記録パスでのインクの吐出量を少なくさせ、記録用紙Pの同じ領域に向けてインクを吐出させる記録パスの回数を多くする。これにより、記録時の単位時間あたりのインクの吐出量が閾値D1以下となり、インクジェットヘッド4へのインクの供給が不十分となる、いわゆるアンダーリフィルが発生するのを防止することができる。
本実施形態では、記録パスに対応する画像データが示すデューティDが閾値D1よりも高いときに、上記画像データを分割した分割データを生成する。そして、記録パスにおいて分割データに基づいて複数のノズル10からインクを吐出させることによって記録パスでのインクの吐出量を少なくさせ、記録用紙Pの同じ領域に向けてインクを吐出させる記録パスの回数を多くする。これにより、記録時の単位時間あたりのインクの吐出量が閾値D1以下となり、インクジェットヘッド4へのインクの供給が不十分となる、いわゆるアンダーリフィルが発生するのを防止することができる。
また、本実施形態では、複数の個別流路41の構造が全て同じであることにより、複数の個別流路41の流路抵抗が全て同じである。そして、複数の個別流路41間で、供給口42aからノズル10に至る流路の流路抵抗が異なる。このような構造のインクジェットヘッド4では、アンダーリフィルが発生している場合、供給口42aからの流路長が最も長い個別流路41を含む連続して並ぶ複数のノズル10が全て不吐出ノズルとなることが知られている。そこで、本実施形態では、吐出判定処理により、複数のノズル10の各々について、不吐出ノズルであるか否かを判定する。そして、いずれかのノズル列9において、搬送方向の下流側の連続して並ぶ所定個のノズル10が全て不吐出ノズルである場合に、当該ノズル列9についての閾値D1を小さくする。これにより、閾値D1を大きめの値に設定して、上述したような単位時間当たりのインクの吐出量を減らす制限処理が行われる頻度が極力低くなるようにしておき、実際にアンダーリフィルが発生したときに閾値D1を小さくし、最終的に、閾値D1を使用環境などに応じた適切な値とすることができる。
また、本実施形態では、複数の個別流路29が搬送方向に並んでいるのに対して、共通流路42が搬送方向に延びている。そのため、ノズル列29を構成する複数の個別流路41のうち、接続口53aの供給口42aとの直線距離が最も長い個別流路41を、供給口42aからの流路長が最も長い個別流路41として、上述したようにしてアンダーリフィルが発生しているか否かを判定することができる。
また、本実施形態では、アンダーリフィルが発生したとき、吸引パージを行わせることによって、ノズル10からのインクの不吐出を解消させることができる。ここで、アンダーリフィルが発生しているときには、インクジェットヘッド4内に入り込んでいる空気の量が多い。そこで、本実施形態では、不吐出ノズルであり、且つ、全てのノズル列9において、上記所定個のノズル10のうち少なくとも一部が不吐出ノズルでない場合、すなわち、アンダーリフィルが発生していない場合には、弱パージを行わせる。一方、いずれかのノズル列9において、上記所定個のノズル10が全て不吐出ノズルである場合、すなわち、アンダーリフィルが発生している場合には、弱パージよりもインクの排出量が多い強パージを行わせる。これらのことから、不吐出ノズルを確実に回復させつつも吸引パージで必要以上にインクの排出しないようにすることができる。
ユーザにより吸引パージを行うことを指示するパージ指示信号が入力されるのは、例えば、記録された画像の画質が大幅に低下しているとき等であり、このような場合には、インクジェットヘッド4においてアンダーリフィルが発生している可能性が高い。そこで、本実施形態では、ユーザの操作部70の操作によってパージ指示信号が入力されたときに、吐出判定処理を実行し、その結果に基づいて、上記所定個のノズル10が不吐出ノズルであるか否かを判定した後に、吸引パージを行わせる。そして、上記所定個のノズル10が不吐出ノズルであると判定した場合には、閾値D1を小さくする。
また、記録用紙Pへの記録の後に、上記所定個のノズル10が全て不吐出ノズルであると判定された場合、直前の記録用紙Pへの記録時の、高いデューティでのインクの吐出によって、アンダーリフィルが発生した可能性が高い。そこで、本実施形態では、このような場合に、閾値D1を、直前の記録用紙Pへの記録時の、現在の閾値D1よりも低い複数のデューティの中で最大のデューティの値にする。これにより、閾値D1を適切な量だけ小さくすることができる。
また、閾値D1が長期間変更されていない場合には、閾値D1が必要以上に小さい値に設定されており、上述したような単位時間当たりのインクの吐出量を減らす制限処理が行われる頻度が必要以上に高くなっている可能性がある。そこで、本実施形態では、所定期間以上閾値D1が変更されていないときに、デューティの値が現在の閾値D1よりも高い(D1+ΔD)と等しくなるように、インクジェットヘッド4の複数のノズル10からインクを吐出させる試験吐出を行ったうえで、吐出判定処理を実行する。そして、上記所定個のノズル10の少なくとも一部が不吐出ノズルでないと判定したノズル列9についての閾値D1を(D1+ΔD)に変更する。これにより、制限処理が必要以上に実行されなくなり、記録用紙Pに記録を行うのに必要な時間を短くすることができる。
また、本実施形態では、ノズル10と検出用電極76とを対向させた状態で、ノズル10からインクを吐出させるようにインクジェットヘッド4を駆動させたときに、判定回路78から出力される信号に基づいて、ノズル10が不吐出ノズルであるか否かを判定することができる。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の限りにおいて様々な変更が可能である。
上述の実施形態では、記録パスでのデューティDが閾値D1よりも高いときに、1回の記録パスにおけるインクの吐出量を少なくし、記録用紙Pの同じ領域に複数回の記録パスによって画像部分を記録することによって、デューティが閾値D1以下となるようにしたが、これには限られない。
変形例1では、プリンタ1において、記録用紙Pへの記録時に、制御装置80が図10のフローに沿って処理を行う。より詳細に説明すると、制御装置80は、上述の実施形態のS101〜S103と同様のS401〜S403の処理を実行する。
そして、S403で全てのノズル列9においてデューティDが閾値D1以下と判定された場合には(S403:NO)、制御装置80は、記録パス間の待機時間TwをTw1に設定する(S404)。一方、S403でいずれかのノズル列9においてデューティDが閾値D1よりも高いと判定された場合には(S403:YES)、制御装置80は、待機時間TwをTw1よりも長いTw2に設定する(S405)。
S404又はS405で待機時間Twを設定した後、制御装置80は、上述の実施形態のS104と同様の記録パス処理を実行する(S406)。続いて、記録が完了していない場合には(S407:NO)、上述の実施形態のS109と同様の搬送処理を実行し(S408)、待機時間Twが経過するまで待機し(S409:NO)、待機時間Twが経過したときに(S409:YES)、S402に戻る。また、記録が完了した場合には(S407:YES)、制御装置80は、上述の実施形態のS110と同様の排紙処理を実行し(S410)、処理を終了する。
変形例1では、記録パスにおけるいずれかのノズル列9におけるデューティDが閾値D1よりも高い場合に、当該記録パスと次の記録パスとの間の待機時間Twを長くすることによって、単位時間あたりのインクの吐出量を少なくさせて、デューティを閾値D1以下とすることができる。なお、変形例1では、S405で待機時間TwをTw1よりも長いTw2に設定して、S409での時間待機Twを長くする処理が、本発明の「制限処理」に相当する。
変形例2では、プリンタ1において、記録用紙Pへの記録時に、制御装置80が図11のフローに沿って処理を行う。より詳細に説明すると、制御装置80は、上述の実施形態のS101〜S103と同様のS501〜S503の処理を実行する。
そして、S503で全てのノズル列9におけるデューティDが閾値D1以下と判定された場合には(S503:NO)、制御装置80は、記録パスにおけるキャリッジ2の移動速度UをU1に設定し、これに合わせて、記録パスにおけるインクジェットヘッド4の駆動周波数FをF1に設定する(S504)。一方、S503でいずれかのノズル列9においてデューティDが閾値D1よりも高いと判定された場合には(S503:YES)、制御装置80は、記録パスにおけるキャリッジ2の移動速度UをU1よりも遅いU2に設定し、これに合わせて、記録パスにおけるインクジェットヘッド4の駆動周波数FをF1よりも低いF2に設定する(S505)。
S504又はS505で記録パスでのキャリッジ2の移動相度U及びインクジェットヘッド4の駆動周波数Fを設定した後、制御装置80は、上述の実施形態のS104と同様の記録パス処理を実行する(S506)。ただし、S506の記録パス処理では、制御装置80は、キャリッジモータ87を制御して、キャリッジ2をS504又はS505で設定した移動速度Uで移動させる。また、S506の記録パス処理では、制御装置80は、ドライバIC89を制御して、インクジェットヘッド4をS504又はS505で設定した駆動周波数Fで駆動させて、複数のノズル10からインクを吐出させる。
これにより、複数のノズル10からは、(1/F)の吐出周期でインクが吐出される。したがって、駆動周波数がF2に設定されたときの吐出周期(1/F2)は、駆動周波数がF1に設定されたときの吐出周期(1/F1)よりも長くなる。
続いて、記録が完了していない場合には(S507:NO)、上述の実施形態のS109と同様の搬送処理を実行し(S508)、S502に戻る。また、記録が完了した場合には(S507:YES)、制御装置80は、上述の実施形態のS110と同様の排紙処理を実行し(S509)、処理を終了する。
変形例2では、いずれかのノズル列9においてデューティDが閾値D1よりも高い場合に、記録パスにおけるキャリッジ2の移動速度U(インクジェットヘッド4と記録用紙Pとの相対移動速度)を遅くし、これに合わせインクジェットヘッド4の駆動周波数Fを低く(吐出周期(1/F)を長く)することによって、単位時間あたりのインクの吐出量を少なくして、デューティを閾値D1以下とすることができる。なお、変形例2では、S505で移動速度UをU2に設定し、駆動周波数FをF2に設定し、S506の記録パスで、キャリッジ2をU2の移動速度で移動させつつ、インクジェットヘッド4をF2の駆動周波数で駆動させて(1/F2)の吐出周期複数のノズル10からインクを吐出させる処理が、本発明の「制限処理」に相当する。
また、上述の実施形態及び変形例1,2とは別の方法によって、単位時間当たりのインクジェットヘッド4の複数のノズル10からのインクの吐出量を減らしてもよい。
また、上述の実施形態では、プリンタ1の待機時において、所定期間以上閾値D1が変更されていないときに、デューティが現在の閾値D1よりも高い(D1+ΔD)と等しくなるようにインクジェットヘッド4を駆動させ、いずれのノズル列9においても、上記所定個のノズル10の少なくとも一部が不吐出ノズルでない場合に、閾値D1を(D1+ΔD)に変更したが、これには限られない。
変形例3では、プリンタ1において、電源が供給されている間、記録用紙Pへの記録などが行われていない待機時に、制御装置80が、図12のフローに沿って処理を行う。
図12のフローについてより詳細に説明すると、制御装置80は、全てのノズル列9において、所定期間内にD1が変更されている間は待機している(S601:NO)。そして、いずれかのノズル列9において、所定期間以上D1が変更されていないときに(S601:YES)、制御装置80は、キャリッジモータ86を制御してキャリッジ2をメンテナンス位置に移動させたうえで、ドライバIC89を駆動させて、インクジェットヘッド4の当該ノズル列9を構成する複数のノズル10から、デューティが現在の閾値D1と等しくなるようにインクを吐出させる(S602)。なお、変形例3では、S602での複数のノズル10からのインクの吐出が、本発明の「試験吐出」に相当する。
続いて、制御装置80は、上述のS303と同様の吐出判定処理を実行する(S603)。そして、S603の吐出判定処理の結果に基づいて、当該ノズル列9を構成する複数のノズル10のうち上記所定個のノズル10全てが不吐出ノズルである場合には(S604:YES)、S305同様の強パージ処理を実行したうえで(S605)、S601に戻る。当該ノズル列9において上記所定個のノズル10の少なくとも一部が不吐出ノズルでない場合には(S604:NO)、フラッシュメモリ84に記憶されている閾値D1を所定量大きくし(S606)、S601に戻る。
変形例3では、所定期間以上閾値D1が変更されていないときに、デューティが現在の閾値D1と等しくなるように、インクジェットヘッド4の複数のノズル10からインクを吐出させる試験吐出を行い、吐出判定処理を実行する。そして、上記所定個のノズル10が不吐出ノズルでないと判定したときには、閾値D1を大きくする。これにより、制限処理が必要以上に実行されなくなり、記録用紙Pに記録を行うのに必要な時間を短くすることができる。
また、所定時間以上閾値D1が変更されていないときに、上述の実施形態や変形例3とは別の、閾値D1を大きくするための処理を行ってもよい。あるいは、所定時間以上閾値D1が変更されていないときに、上述の実施形態や変形例3のような、閾値D1を大きくするための処理を行わなくてもよい。
また、上述の実施形態では、ユーザによる、プリンタ1の操作部70の操作に基づいて、パージ指示信号が入力されるようになっていたが、これには限られない。例えば、プリンタがPCに接続され、ユーザによる、PCの操作に基づいてプリンタにパージし指示信号が入力されるようになっていてもよい。なお、この場合には、プリンタのPCとの接続を行うための図示しないインターフェース部が、本発明の「信号入力部」に相当する。
また、上述の実施形態では、ユーザの指示によって、パージ指示信号が入力されたときに、吐出判定処理を実行し、いずれかのノズル列9を構成する上記所定個のノズル10が不吐出ノズルである場合に、閾値D1を、前回の記録時の、現在の閾値D1よりも低い複数のデューティの中で最大のデューティの値に変更したが、これには限られない。
例えば、このような場合に、閾値D1を、前回の記録時の、閾値D1よりも低い複数のデューティの中で最大のデューティの値そのものではなく、当該最大のデューティの値に基づいて決定した別の値に変更してもよい。
あるいは、例えば、いずれかのノズル列9において上記所定個のノズル10が不吐出ノズルである場合に、当該ノズル列9についての閾値D1を、現在の値から一定量小さい値に変更するなどしてもよい。
また、パージ指示信号が入力されたときとは別のタイミングで、上記のような、吐出判定処理を実行し、その結果に基づいて閾値D1を変更する処理を行ってもよい。例えば、記録指令が入力されたときに、吐出判定処理を実行し、その結果に基づいて閾値D1を変更する処理を行ってから、図7、図10、図11のフローに示すような処理を実行してもよい。
また、上述の実施形態では、不吐出ノズルがあり、且つ、全てのノズル列9において、上記所定個のノズル10のうち少なくとも一部が不吐出ノズルでない場合、すなわち、アンダーリフィルが発生していない場合には、弱パージを行わせる。一方で、不吐出ノズルがあり、且つ、いずれかのノズル列9を構成する複数のノズル10のうち上記所定個のノズル10が全て不吐出ノズルである場合、すなわち、アンダーリフィルが発生している場合に、強パージを行わせる。しかしながら、これには限られない。不吐出ノズルがある場合に、アンダーリフィルが発生しているか否かによらず同じ種類の吸引パージを行わせてもよい。
また、上述の実施形態では、パージとして吸引パージを行ったが、これには限られない。例えば、サブタンク3とインクカートリッジ15とを接続するチューブ15の途中部分に加圧ポンプが設けられていてもよい。あるいは、プリンタにインクカートリッジと接続された加圧ポンプが設けられていてもよい。そして、複数のノズル10がキャップ71で覆われた状態で、上記加圧ポンプを駆動させることで、インクジェットヘッド4内のインクを加圧してノズル10からインクジェットヘッド4内のインクを排出させる、いわゆる加圧パージを行ってもよい。なお、この場合には、キャップ71と加圧ポンプとを合わせたものが、本発明の「パージ手段」に相当する。
さらには、パージにおいて、吸引ポンプ72による吸引と加圧ポンプによる加圧の両方を行ってもよい。この場合には、メンテナンスユニット8と加圧ポンプとを合わせたものが、本発明の「パージ手段」に相当する。
また、上述の実施形態では、アンダーリフィルが発生していると判定したときに、すぐにパージを行わせたが、これには限られない。アンダーリフィルが発生していると判定した後、他の動作を行ってから、パージを行わせてもよい。
また、上述の実施形態では、共通流路42が搬送方向に延びており、個別流路列29を構成する複数の個別流路41のうち、接続口53aの、供給口42aとの直線距離が最も長い個別流路41が、供給口42aからの流路長が最も長い個別流路41であったが、これには限られない。例えば、共通流路42が蛇行して延びており、個別流路列29を構成する複数の個別流路41のうち、接続口53aの、供給口42aとの直線距離が最も長い個別流路41以外の個別流路41が、供給口42aからの流路長が最も長い個別流路41となっていてもよい。
また、上述の実施形態では、ノズル10から検出用電極76に向けてインクを吐出させたときの検出用電極76の電圧値に応じて、判定回路78から、不吐出ノズルであるか否かに応じた信号を出力したが、これには限られない。
例えば、鉛直方向に延びた検出用電極を配置し、ノズル10から検出用電極と対向する領域を通過するようにインクを吐出させたときの検出用電極の電圧値に応じて、判定回路から、不吐出ノズルであるか否かに応じた信号を出力してもよい。あるいは、ノズル10から吐出されたインクを検出する光センサ(本発明の「信号出力部」)を設け、光センサから、不吐出ノズルであるか否かに応じた信号を出力してもよい。
あるいは、例えば、特許第4929699号公報に記載されているのと同様に、インクジェットヘッドのノズルが形成されたプレートに、ノズルからインクが吐出されたときの電圧の変化を検出する電圧検出回路(本発明の「信号出力部」)を接続して、電圧検出回路から制御装置80に、不吐出ノズルであるか否かに応じた信号を出力するようにしてもよい。
あるいは、例えば、特許第6231759号公報に記載されているのと同様に、インクジェットヘッドの基板を、温度検知素子(本発明の「信号出力部」)を備えたものとしてもよい。そして、インクの吐出のために第1印加電圧を印加してヒータを駆動した後に、インクが吐出されないように第2印加電圧を印加してヒータを駆動し、第2印加電圧を印加してから、その後、所定時間が経過するまでの間の、温度検知素子で検知された温度の変化に基づいて、ノズル10が不吐出ノズルであるか否かに応じた信号を出力するようにしてもよい。
さらには、プリンタが、不吐出ノズルであるか否かに応じた信号を出力する信号出力部を備えていることにも限られない。例えば、プリンタにおいて所定のテストパターンを記録させ、テストパターンの記録結果に基づいて不吐出ノズルであるか否かに応じた信号(本発明の「吐出情報」)を入力させるようにしてもよい。この場合、例えば、ユーザにテストパターンの記録結果に基づいて操作部70を操作させることによって、不吐出ノズルであるか否かに応じた信号(本発明の「吐出情報」)を入力させてもよい。あるいは、プリンタがスキャナを備えたいわゆる複合機である場合には、スキャナにテストパターンを読み取らせ、テストパターンの読取結果に基づいて不吐出ノズルであるか否かに応じた信号(本発明の「吐出情報」)を入力させてもよい。
また、以上の例では、記録パスでのデューティDと閾値D1とを直接比較し、デューティDが閾値D1よりも高い場合に、単位時間当たりの複数のノズル10からのインクの吐出量を減らすようにしたが、これには限られない。例えば、デューティDが閾値D1よりも高いことに対応する別の所定条件を満たす場合に、単位時間当たりの複数のノズル10からのインクの吐出量を減らすようにしてもよい。
また、以上の例では、共通流路42の搬送方向の上流側の端部に供給口42aが設けられていたが、これには限られない。供給口は、共通流路42の他の部分に設けられていてもよい。そして、この場合には、共通流路42に接続された複数の個別流路41のうち、供給42aから最も遠い個別流路を含む、連続して並ぶ所定個の個別流路41を構成するノズル10が全て不吐出ノズルであるか否かに基づいて、アンダーリフィルが発生しているかいなかを判定すればよい。
また、以上では、キャリッジ2とともに走査方向に移動しつつ、複数のノズル10からインクを吐出するいわゆるシリアル式のインクジェットヘッド4を備えたプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。
例えば、複数のノズル10が走査方向に、記録用紙Pの全長にわたって配置された、いわゆるラインヘッドを備えたプリンタに本発明を適用することも可能である。ラインヘッドを備えたプリンタでは、記録用紙を搬送方向に搬送させることによってラインヘッドと記録用紙Pとを搬送方向に相対移動させつつ、ラインヘッドの複数のノズルからインクを吐出させることによって、記録用紙に画像を記録することができる。そして、例えば、記録される画像の、記録用紙Pの搬送方向の部分ごとのデューティが閾値よりも高い場合に、記録用紙の搬送速度(ラインヘッドと記録用紙との相対移動速度)を遅くさせ、これに合わせてラインヘッドにおける駆動周波数を低く(インクの吐出周期を長く)することによって、単位時間当たりのインクの吐出量を減らす。
また、この場合には、ラインヘッドの共通流路に接続された複数の個別流路のうち、共通流路へのインクの供給口から最も遠い個別流路を含む連続して並ぶ所定個の個別流路を構成するノズルが全て不吐出ノズルである場合に、アンダーリフィルが発生していると判定する。
なお、この場合には、記録用紙を搬送方向に搬送する搬送ローラが、本発明の「相対移動手段」に相当し、記録用紙の搬送速度が、本発明の「相対移動速度」に相当する。また、搬送方向が本発明の「第1方向」に相当し、走査方向が本発明の「第2方向」に相当する。
また、以上の例では、取り外し可能に装着されたインクカートリッジに貯留されたインクがインクジェットヘッドに供給されていたが、これには限られない。例えば、プリンタ1に取り外しできないように固定され、インクを補充するための補充口を有するタンクに貯留されたインクが、インクジェットヘッドに供給されるように構成されていてもよい。
また、以上では、ノズルからインクを吐出して記録用紙Pに記録を行うプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。Tシャツ、屋外広告用のシート、スマートフォン等の携帯端末のケース、段ボール、樹脂部材など、記録用紙以外の被記録媒体に画像を記録するプリンタにも適用され得る。また、インク以外の液体、例えば、液体状にした樹脂や金属を吐出する液体吐出装置にも適用され得る。
1 プリンタ
2 キャリッジ
3 サブタンク
10 ノズル
14 インクカートリッジ
15 チューブ
41 個別流路
42 共通流路
42a 供給口
70 操作部
76 検出用電極
77 高電圧電源回路
78 判定回路
79 抵抗
80 制御装置
2 キャリッジ
3 サブタンク
10 ノズル
14 インクカートリッジ
15 チューブ
41 個別流路
42 共通流路
42a 供給口
70 操作部
76 検出用電極
77 高電圧電源回路
78 判定回路
79 抵抗
80 制御装置
Claims (12)
- 液体吐出ヘッドと、
液体を貯留するタンクと、
前記液体吐出ヘッドと前記タンクとを接続する接続流路と、
前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体とを、前記第1方向に相対移動させる相対移動手段と、
制御装置と、を備え、
前記液体吐出ヘッドは、
ノズルをそれぞれ含み、前記第1方向と交差する第2方向に配列された複数の個別流路と、
前記複数の個別流路と接続された共通流路と、
前記共通流路に液体を供給するための供給口と、を有し、
前記制御装置は、
前記相対移動手段に、前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体とを前記第1方向に相対移動させつつ、前記液体吐出ヘッドに、前記複数の個別流路を構成する前記ノズルから液体を吐出させることによって、被吐出媒体への液体の吐出を行わせ、
前記液体吐出ヘッドにおける、単位時間あたりの、最大の液体の吐出量に対する実際の液体の吐出量の割合であるデューティが、閾値よりも高いことに対応する所定条件を満たすときには、
前記液体吐出ヘッドにおける単位時間あたりの液体の吐出量を減らして、前記デューティを前記閾値以下とする制限処理を実行するようにし、
さらに、
前記複数の個別流路を構成する前記ノズルについての、液体が吐出されない不吐出ノズルであるか否かに関する吐出情報を受信し、
前記吐出情報に基づいて、前記複数の個別流路のうち、前記供給口からの流路長が最も長い最も遠い前記個別流路を含む、前記第2方向に連続して並ぶ所定個の前記個別流路を構成する前記ノズルが前記不吐出ノズルであるか否かを判定し、
前記所定個の前記個別流路を構成する前記ノズルが前記不吐出ノズルであると判定したときには、前記閾値を小さくし、これ以降、小さくした後の前記閾値による前記所定条件に基づいて、前記制限処理を実行するか否かを決めることを特徴とする液体吐出装置。 - 前記複数のノズルから前記液体吐出ヘッド内の液体を排出させるパージを行うパージ手段、を備え、
前記制御装置は、
前記吐出情報に基づいて、前記所定個の前記個別流路を構成する前記ノズルが前記不吐出ノズルであると判定したときには、
前記パージ手段に前記パージを行わせることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記制御装置は、
前記パージ手段に、前記パージとして、第1パージと、前記第1パージよりも液体の排出量の多い第2パージのうち、いずれかを選択的に行わせ、
前記吐出情報に基づいて、前記複数の個別流路を構成する前記ノズルの中に前記不吐出ノズルがあり、且つ、前記所定個の前記個別流路のうち少なくとも一部を構成する前記ノズルが前記不吐出ノズルでないと判定したときには、前記パージ手段に前記第1パージを行わせ、
前記吐出情報に基づいて、前記所定個の前記個別流路を構成する前記ノズルが前記不吐出ノズルであると判定したときには、前記パージ手段に前記第2パージを行わせることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。 - ユーザによる前記パージを行うことを指示する指示信号が入力される信号入力部、を備え、
前記制御装置は、
前記信号入力部に前記指示信号が入力されたときに、
前記パージ手段に前記パージを行わせる前に、
前記吐出情報を受信し、前記吐出情報に基づいて、前記所定個の前記個別流路を構成する前記ノズルが前記不吐出ノズルであるか否かを判定し、
前記吐出情報に基づいて、前記所定個の前記個別流路を構成する前記ノズルが前記不吐出ノズルであると判定した場合には、前記閾値を小さくし、これ以降、小さくした後の前記閾値に基づいて、前記制限処理を実行するか否かを決めることを特徴とする請求項2又は3に記載の液体吐出装置。 - 前記制御装置は、
前記吐出情報に基づいて、前記所定個の前記個別流路を構成する前記ノズルが前記不吐出ノズルであると判定したときに、
直前の前記被吐出媒体への液体の吐出時の、現在の前記閾値よりも低い複数のデューティの中で最大の前記デューティに基づいて、前記閾値を小さくすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記制御装置は、
所定期間以上、前記閾値が変更されていないときに、
前記液体吐出ヘッドに、前記複数の個別流路の前記ノズルから、前記閾値よりも高い試験用デューティで液体を吐出させる試験吐出を行わせたうえで前記吐出情報を受信し、
前記吐出情報に基づいて、前記所定個の前記個別流路を構成する前記ノズルの少なくとも一部が前記不吐出ノズルでないと判定したときには、前記閾値を、前記試験用デューティの値に変更することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記制御装置は、
所定期間以上、前記閾値が変更されていないときに、
前記デューティの値が現在の前記閾値と等しくなるように、前記液体吐出ヘッドに前記複数の個別流路の前記ノズルから液体を吐出させる試験吐出を行わせたうえで前記吐出情報を受信し、
前記吐出情報に基づいて、前記所定個の前記個別流路を構成する前記ノズルの少なくとも一部が前記不吐出ノズルでないと判定したときには、前記閾値を大きくすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 被吐出媒体を前記第2方向に搬送する搬送部、を備え、
前記相対移動手段は、前記液体吐出ヘッドを搭載し、前記第1方向に移動するキャリッジ、を有し、
前記制御装置は、
前記キャリッジを前記第1方向に移動させつつ、前記液体吐出ヘッドに前記複数の個別流路の前記ノズルから液体を吐出させる記録パスと、前記搬送部に被吐出媒体を前記第2方向に搬送させる搬送動作と、を繰り返し行わせることによって、被吐出媒体への液体の吐出を行わせ、
前記制限処理において、各記録パスでの液体の吐出量を少なくさせ、被吐出媒体の同じ領域に向けて液体を吐出させる前記記録パスの回数を多くさせることによって、前記液体吐出ヘッドにおける単位時間当たりの液体の吐出量を減らすことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 被吐出媒体を前記第2方向に搬送する搬送部、を備え、
前記相対移動手段は、前記液体吐出ヘッドを搭載し、前記第1方向に移動するキャリッジ、を有し、
前記制御装置は、
前記キャリッジを前記第1方向に移動させつつ、前記液体吐出ヘッドに前記複数の個別流路の前記ノズルから液体を吐出させる記録パスと、前記搬送部に被吐出媒体を前記第2方向に搬送させる搬送動作と、を繰り返し行わせることによって、被吐出媒体への液体の吐出を行わせ、
前記制限処理において、前記記録パスと、次の前記記録パスとの間の、待機時間を長くすることによって、前記液体吐出ヘッドにおける単位時間当たりの液体の吐出量を減らすことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記制御装置は、
前記制限処理において、前記相対移動手段に、前記液体吐出ヘッドと被吐出媒体との相対移動速度を遅くさせ、遅くさせた前記相対移動速度に合わせて、前記液体吐出ヘッドに、前記複数の個別流路を構成する前記ノズルから液体を吐出させる吐出周期を長くすることによって、前記液体吐出ヘッドにおける単位時間当たりの液体の吐出量を減らすことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記吐出情報としての、前記ノズルが前記不吐出ノズルであるかに応じた信号を、前記制御装置に出力する信号出力部、を備え、
前記制御装置は、
前記複数の個別流路の少なくとも一部について、前記ノズルの各々から液体を吐出させるように前記液体吐出ヘッドを駆動させ、
前記信号出力部からの前記信号に基づいて、前記ノズルが前記不吐出ノズルであるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記共通流路が、前記第2方向に延び、
前記複数の個別流路は、前記共通流路と接続される接続口をそれぞれ含み、
前記供給口からの流路長が最も長い個別流路の前記接続口は、前記複数の個別流路の中の当該個別流路以外の前記個別流路の前記接続口に比べて、前記供給口との直線距離が長いことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の液体吐出装置。
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JP2020059466A JP2021154667A (ja) | 2020-03-30 | 2020-03-30 | 液体吐出装置 |
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JP2020059466A Pending JP2021154667A (ja) | 2020-03-30 | 2020-03-30 | 液体吐出装置 |
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2020
- 2020-03-30 JP JP2020059466A patent/JP2021154667A/ja active Pending
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