JP2021143331A - 筆記具用油性インキ組成物、筆記具用水性インキ組成物、ボールペン - Google Patents

筆記具用油性インキ組成物、筆記具用水性インキ組成物、ボールペン Download PDF

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Abstract

【課題】低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され、溶解安定性が高い筆記具用油性インキ組成物を提供する。また、書き出しのカスレ現象が抑制され、筆跡に線飛びやカスレが生じない良好な書き味で、かつ高い筆跡堅牢性のボールペンを提供することができる筆記具用油性インキ組成物を提供する。【解決手段】アルコール、または、グリコールエーテルを含有する媒体、該媒体に溶解する樹脂および一般式(1)で表される化合物を含有する着色剤を含むことを特徴とする筆記具用油性インキ組成物、また、水性媒体に分散されている、一般式(1)を担持しているキャリアを含有することを特徴とする筆記具用水性インキ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、筆記具用油性インキ組成物、筆記具用水性インキ組成物、ボールペンに関する。
近年、筆記具(特にボールペン)においてインキや機能の違いで書き味、書き出し(初筆性能)、筆跡が安定して出続ける等のユーザー要求に対する需要が急激に高まりつつある。ボールペンの種類を大別すると、油性ボールペン、水性ボールペン、ゲルインキボールペン等に分類される。
油性インキは、例えば、黒、赤、青、ピンク、グリーン、オレンジ等様々な色味があり、通常、着色剤を有機溶剤に溶解または分散させて製造される。更に筆記性能を上げるために樹脂、界面活性剤、添加剤等用途に応じて加えて製造されている。
油性インキに含有される着色剤としては、染料、顔料、それらの混合物が用いられる。例えば、顔料を用いた油性インキは、筆跡の堅牢性に優れるが、顔料がインキ中で凝集や沈降しやすく、筆跡に不具合が生じることがあった。これに対し、染料を用いた油性インキは、染料が溶剤に溶解しやすい特徴を持つため、顔料と比べると凝集や沈降が起こりにくいものの、耐水性及び耐候性は劣る傾向があった。
また、染料としては、酸性染料、塩基性染料等の様々な染料や造塩染料などの加工したタイプの染料等が知られている。例えば、着色剤としてトリフェニルメタン系染料を用いたインキ(特許文献1)、染料及び顔料の混合物を用いたインキ(特許文献2)が報告されている。
一方、水性インキは、着色剤として水溶性染料の他に、顔料や油性染料を分散させて用いられる。
近年、植物繊維を化学的または機械的に解繊処理を行うことで得ることができるセルロースナノファイバーが着目されており、さまざまな分野で活用研究が盛んであるが、セルロースナノファイバーを筆記具用途として活用した例が報告されている(特許文献3〜4)。また、モノマーを乳化重合して着色剤を内包する方法が報告されている(特許文献5〜6)。
特開2015−193682号公報 特開2003−113339号公報 特開2017−105907号公報 特開2017−125135号公報 特開2016−196623号広報 特開2019−112561号広報
特許文献1、2に記載された染料は、染料として凝集しやすく、ボールチップの先端部のインキの溶剤が蒸発するとインキが増粘し、書き出しの際に、カスレ現象が生じる場合があった。また、特にトリフェニルメタン系の染料は溶解安定性が低いため、使用環境によっては良好な書き味(筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続ける)が得られない、筆跡堅牢性も低いという課題があった。
染料は、キャリア(樹脂やセルロースナノファイバー)との相溶性が低いため、染料及び樹脂、セルロースナノファイバーがそれぞれ凝集を起こし、樹脂やセルロースナノファイバーが染料によって均一に染色されないという課題があった。また、そのような不均一な染色状態の樹脂やセルロースナノファイバーを含有したインキ組成物は、保存安定性に劣るという課題があった。一方、重合で着色剤を取り込む方法でも、筆跡堅牢性も低いということが課題であった。
本発明は、アルコール、または、グリコールエーテルを含有する媒体;
該媒体に溶解する樹脂;および
下記一般式(1)で表される化合物を含有する着色剤;
Figure 2021143331
[式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、置換基を有するフェニル基又は無置換のフェニル基を表し、R3及びR4は、各々独立して、炭素数2以上12以下の置換基を有するアルキル基若しくは無置換のアルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はハロゲン原子を表し、R5及びR6は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表し、
7は、下記式(2)または(3)で示される構造を表し、
Figure 2021143331
式(2)中、R8は、−SO3 -基、アルコキシスルホニル基、スルホン酸アミド基、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、又はニトロ基を表し、R9は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
式(3)中、R10〜R12は、各々独立して、水素原子、アルキル基、又は置換基を有するアリール基若しくは無置換のアリール基を表し、
-は、陰イオンを表し、分子内に少なくとも1つのアニオン性置換基を持つ場合はなくてもよい。]
を含むことを特徴とする筆記具用油性インキ組成物、及び当該インキ組成物を用いたボールペンに関する。
また、本発明は、水性媒体に分散されている、上記一般式(1)を担持しているキャリアを含有することを特徴とする筆記具用水性インキ組成物、及び当該インキ組成物を用いたボールペンに関する。
本発明によれば、筆記具用油性インキ組成物は、低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高い。更に、筆記具用油性インキ組成物を用いれば、書き出しのカスレ現象が抑制され、筆跡に線飛びやカスレが生じない良好な書き味(筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続ける)で、かつ高い筆跡堅牢性のボールペンを提供することができる。
また、筆記具用水性インキ組成物は、一般式(1)を担持しているキャリアの水媒体への分散安定性が高い。即ち、このことは、重合法でキャリアを作製する場合は一般式(1)と重合阻害を起こさないこと、また、セルロースナノファイバーを用いる場合は一般式(1)との相溶性が高いことを示す。更に、筆記具用水性インキ組成物を用いれば、書き出しのカスレ現象が抑制され、筆跡に線飛びやカスレが生じない良好な書き味(筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続ける)で、かつ高い筆跡堅牢性のボールペンを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[着色剤]
まず、着色剤として用いられる一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 2021143331
[式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、置換基を有するフェニル基又は無置換のフェニル基を表し、R3及びR4は、各々独立して、炭素数2以上12以下の置換基を有するアルキル基若しくは無置換のアルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はハロゲン原子を表し、R5及びR6は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表し、
7は、式(2)または(3)で示される構造を表し、
Figure 2021143331
式(2)中、R8は、−SO3 -基、アルコキシスルホニル基、スルホン酸アミド基、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、又はニトロ基を表し、R9は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
式(3)中、R10〜R12は、各々独立して、水素原子、アルキル基、又は置換基を有するアリール基若しくは無置換のアリール基を表し、
-は、陰イオンを表し、分子内に少なくとも1つのアニオン性置換基を持つ場合はなくてもよい。]
一般式(1)と似たような構造を有していても、置換基による電子供与基、電子供与基の微妙なバランスによって、その性質は大きく異なる。本発明の一般式(1)中のR1〜R4以外の置換基である場合は、化合物の溶媒に対する溶解度が落ち、低温及び高温条件下においてインキ組成物内で着色剤の凝集が促進され溶解安定性が低いことが後述する比較例によって判明した。
これに対し、本発明の化合物の場合は、課題を解決している。即ち、R1及びR2が、各々独立して、置換基を有するフェニル基又は無置換のフェニル基を表し、R3及びR4が、各々独立して、炭素数2以上12以下の置換基を有するアルキル基若しくは無置換のアルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はハロゲン原子を表し、窒素原子とR3及び窒素原子とR4との間に1つのメチレン基が存在していることが特徴である。
1とR3及びR2とR4がそれぞれ非対称でかさ高い構造の場合、N位に置換する3つの置換基が立体的なねじれ構造を形成する。そのため、分子内または分子間における化合物同士の相互作用が抑制され、低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高くなると推測している。また、R1及びR2が置換基を有するフェニル基又は無置換のフェニル基が窒素原子に直接結合する場合は、電荷が非局在化することで安定になる。その結果、高い筆跡堅牢性のボールペンが提供できると推測している。
筆記具用水性インキ組成物は、一般式(1)を担持しているキャリアの水媒体への分散安定性が高くなっている。
従来、本発明の一般式(1)中のR1〜R4以外の置換基である化合物とセルロースナノファイバーとの相溶性が低かった。そのため、染料分子同士、またはセルロースナノファイバー同士が、強く凝集してしまっていた。本発明の下記一般式(1)で表される化合物は、分子内または分子間における化合物同士の相互作用が抑制されるため、セルロースナノファイバーとの相溶性が高くなるため、分子内または分子間における化合物同士の相互作用が抑制され、凝集を制御することができる。その結果、均一に近い状態で着色されたセルロースナノファイバーを含む、保存安定性に優れた筆記具用水性インキ組成物となる。
一方、モノマーと着色剤(特に染料)を混ぜて重合法を行う場合、着色剤によって、重合阻害が起こり、ポリマー化されない、着色剤(特に染料)が均一に分散されない、取り込まれない等の課題があった。本発明の一般式(1)中のR1〜R4以外の置換基の場合は、重合阻害が起こった。しかし、本発明のキャリアを作成する場合、一般式(1)は分子内または分子間における化合物同士の相互作用が抑制されるため、重合阻害を起こさないことを見出した。
まず、上記一般式(1)で表される化合物について説明する。
式(1)中、R1及びR2における「置換基を有するフェニル基」の置換基としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。直鎖状、分岐状、若しくは、環状の炭素数1以上20以下のアルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホ基(−SO3H)、スルホン酸エステル基、スルホンアミド基、スルホン酸塩基、ベンゼンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等。
式(1)中、R1及びR2におけるフェニル基に置換したアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等。
中でも、メチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基であることが、低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高くなることから好ましい。
式(1)中、R1及びR2におけるフェニル基に置換したアルコキシ基としては、特に限定されるものではないが、以下のものが挙げられる。メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等。
中でも、n−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基であることが、低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高くなることから好ましい。
式(1)中、R1及びR2におけるフェニル基に置換したハロゲン原子としては、特に限定されるものではないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。中でもフッ素原子、塩素原子であることが低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高くなることから好ましい。
式(1)中、R1及びR2におけるフェニル基に置換したスルホン酸エステル基としては、特に限定されるものではないが、例えば以下のものが挙げられる。スルホン酸メチル基、スルホン酸エチル基、スルホン酸プロピル基、スルホン酸ブチル基、スルホン酸ヘキシル基、スルホン酸オクチル基等。中でもスルホン酸ブチル基、スルホン酸ヘキシル基であることが、低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高くなることから好ましい。
式(1)中、R1及びR2におけるフェニル基に置換したスルホンアミド基としては、特に限定されるものではないが、例えば以下のものが挙げられる。N−メチルスルホンアミド基、N,N−ジメチルスルホンアミド基、N−エチルスルホンアミド基、N,N−ジエチルスルホンアミド基、N−プロピルスルホンアミド基、N,N−ジプロピルスルホンアミド基、N−ブチルスルホンアミド基、N,N−ジブチルスルホンアミド基、N−ペンチルスルホンアミド基、N,N−ジペンチルスルホンアミド基、N−ヘキシルスルホンアミド基、N,N−ジヘキシルスルホンアミド基、N−オクチルスルホンアミド基、N,N−ジオクチルスルホンアミド基、N−(2−エチルヘキシル)スルホンアミド基、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)スルホンアミド基、N−(1−メチルヘキシル)スルホンアミド基、N−(1−メチルヘプチル)スルホンアミド基、N−メチル−N−ブチルスルホンアミド基、N−メチル−N−ペンチルスルホンアミド基、N−メチル−N−ヘキシルスルホンアミド基、N−メチル−N−オクチルスルホンアミド基、N−フェニルスルホンアミド基、N−(p−メチルフェニル)スルホンアミド基、N−ピロリジルスルホニル基、N−ピペリジルスルホニル基等。
中でも、以下のものが低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高くなることから好ましい。N,N−ジブチルスルホンアミド基、N,N−ジペンチルスルホンアミド基、N,N−ジヘキシルスルホンアミド基、N,N−ジオクチルスルホンアミド基、N,N−ビス(2−エチルヘキシル)スルホンアミド基。
式(1)中、R1及びR2におけるフェニル基に置換したスルホン酸塩基としては、特に限定されるものではないが、スルホン酸リチウム塩、スルホン酸ナトリウム塩、スルホン酸カリウム塩等が挙げられる。
式(1)中、R3及びR4の無置換のアルキル基としては、特に限定されるものではないが、以下のものが低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高くなる化合物となることから好ましい。エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等。
式(1)中、R3及びR4の置換基を有するアルキル基の置換基としては、特に限定されるものではないが、メトキシ基、臭素原子、塩素原子、フッ素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基等が低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高くなる化合物となることから好ましい。
式(1)中、R3及びR4のハロゲン原子としては、特に限定されるものではないが、臭素原子、塩素原子、フッ素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、中でも塩素原子、フッ素原子が低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高くなる化合物となることから好ましい。
式(1)中、R5及びR6のアルキル基としては、特に限定されるものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基であることが低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高くなる化合物となることから好ましい。
式(1)中、R7は下記式(2)または(3)で示される構造を有する。これらの構造を有すると、耐光性、保存安定性に優れる。
Figure 2021143331
式(2)中、R8は、−SO3 -基、アルコキシスルホニル基(−SO3R基)、スルホン酸アミド基(−SO2NRR基)、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、又はニトロ基を表し、R9は、水素原子又はハロゲン原子を表す。
式(2)中、R8及びR9におけるハロゲン原子としては、特に限定されるものではないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R8におけるパーフルオロアルキル基としては、特に限定されるものではないが、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基などが挙げられる。
式(3)中、R10〜R12は、各々独立して、水素原子、アルキル基、又は置換基を有するアリール基若しくは無置換のアリール基を表す。
式(3)中、R10〜R12におけるアルキル基としては、上記式(1)のR1、R2におけるアルキル基として例示したものと同様の置換基が挙げられる。
式(3)中、R10〜R12における置換基を有するアリール基若しくは無置換のアリール基としては、特に限定されるものではないが、フェニル基が挙げられる。アリール基の置換基としては、特に限定されるものではないが、メチル基、エチル基、メトキシ基、シアノ基等が挙げられる。
なお、式(1)中のR7は、式(2)中のR8が−SO3 -基、R9が水素原子である下記式(4)で示される構造がより好ましい。
Figure 2021143331
式(1)で表される化合物の好ましい例として、化合物(A1)〜(A92)を以下に示すが、下記の化合物に限定されるものではない。
Figure 2021143331
Figure 2021143331
Figure 2021143331
Figure 2021143331
Figure 2021143331
Figure 2021143331
Figure 2021143331
Figure 2021143331
Figure 2021143331
Figure 2021143331
これらの中で、化合物(A2)、(A3)、(A4)、(A5)、(A6)、(A8)、(A9)、(A10)、(A18)、(A19)、(A22)、(A23)、(A24)、(A25)、(A26)、(A27)、(A28)、(A29)、(A30)、(A31)、(A40)、(A41)、(A42)、(A43)、(A44)、(A45)、(A46)、(A47)、(A48)、(A49)、(A59)、(A60)、(A64)、(A65)、(A66)、(A67)、(A68)、(A76)、(A77)、(A78)、(A79)、(A80)、(A83)、(A87)、(A88)、(A89)、(A90)、(A91)で示される化合物が好ましい。
中でも特に、(A2)、(A4)、(A5)、(A6)、(A8)、(A18)、(A19)、(A24)、(A25)、(A26)、(A27)、(A28)、(A40)、(A45)、(A46)、(A64)、(A65)、(A84)、(A88)、(A89)、(A90)、(A91)、(A92)がより好ましい。
式(1)で表される化合物は、カチオンが非局在化して存在し、カチオン部位は、分子中のどの位置に存在していても良く、いずれも本発明の範疇である。例えば、分子内にアニオン性置換基を持つ化合物(A1)の場合は、式(1)中のX-は存在せず、以下のように構造が変化する。
Figure 2021143331
一方、分子内にアニオン性置換基を持たない化合物(A74)の場合には、下記のように構造が変化する。
Figure 2021143331
上記一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で用いてもよく、また、用途に応じて、色調等を調整するために、2種以上を併用してもよい。さらに、公知の顔料や染料と組み合わせて用いることもできる。組み合わせる公知の顔料や染料は、2種以上であってもよい。
上記一般式(1)で表される化合物が含まれる筆記具用油性インキ組成物、筆記具用水性インキ組成物を用いて、ボールペン、サインペン、マーキングペン等に好適に用いることができる。
一般式(1)で表される化合物の配合量は、用途に応じて適宜選択されるが、インキ組成物全量に対し、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。より好ましくは2質量%以上45質量%以下であり、さらに好ましくは、5質量%以上40質量%以下である。
また、一般式(1)で表される化合物のみを着色剤として用いてもよいが、他の公知の着色剤を併用してもよい。
併用することができる着色剤(染料、顔料)は、色相、印画感度、耐光性、保存性及び樹脂との溶解性等を考慮してインキの目的や用途に応じて決められる。
併用できる公知染料としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸性染料、塩基性染料、金属錯体染料、造塩染料、アジン染料、縮合アゾ化合物、アゾ金属錯体、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、塩基染料レーキ化合物、オキサジン化合物、チアジン化合物、キサンテン化合物等が挙げられる。
具体例として、NIGROSIN BASE EX−BP、NUBIAN BLACKPA−2800、VALIFAST BLACK 1805、VALIFAST BLACK 1807、VALIFAST BLACK 1815、VALIFAST BLACK 1821、Oil Blue 613、VALIFAST RED 1308、VALIFAST RED 1320、VALIFAST RED 1355、VALIFAST RED 1360、VALIFAST BLUE 1601、VALIFAST BLUE 1605、VALIFAST BLUE 1621、VALIFAST YELLOW 1101、VALIFAST YELLOW 1151(以上、オリエント化学工業(株)社製)、Aizen Spilon Blue 2BNH、Aizen Spilon Red C−GH、Aizen Spilon Red C−BH、Aizen Spilon Yellow C−GHN new、Aizen Spilon Yellow GRLH special、Aizen S.P.T. Blue−121(以上、保土谷化学工業(株)社製)等を挙げることができる。
本発明の染料の配合量は、インキ組成物全量に対し、1質量%以上50質量%以下の範囲で選択される。
併用できる公知顔料としては、特に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、二酸化チタン顔料、フタロシアニン、キナクリドン、ジケトピロール、アゾ、ジオキサン、キノフタロン、トリフェニルメタン、ペリレン、ペリノン、メタリック顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等を挙げることができる。
具体例として例えば、FUJI FAST RED 8800(C.I.Pigment Red 254)、FUJI FAST RED 2200(C.I.Pigment Red 170)(以上、冨士色素(株)社製)等を挙げることができる。
顔料は、媒体に分散後の平均粒径が30nm以上700nm以下となるものが好ましい。
顔料の配合量は、インキ組成物全量に対し、0.5質量%以上25質量%以下、好ましくは0.5質量%以上20質量%以下までの範囲で必要に応じて配合することができる。
尚、一般式(1)で表される化合物と、併用できる染料・顔料とを含めた着色剤としては、用途に応じて適宜選択されるが、インキ組成物全量に対し、1質量%以上50質量%以下の範囲で配合されることが好ましい。
<筆記具用油性インキ組成物>
次に、本発明に係る筆記具用油性インキ組成物について説明する。
本発明の筆記具用油性インキ組成物は、一般式(1)で表される化合物を含有する着色剤以外に、アルコールを含有する媒体、および媒体に溶解する樹脂を含有する。
また、上記の構成成分以外に、各種用途における特性を阻害しない範囲において、添加剤を適宜添加してもよい。添加剤については、後述する。
[媒体]
本発明における「媒体」とは、アルコール、または、グリコールエーテルである。媒体は、インキの目的や用途に応じて選択されるものであり、特に限定されず、1種又は2種以上用いることができる。
以下、好適に用いられるアルコールを記載する。
例えば、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−ペンタノール、オクタノール、シクロヘキサノール等の置換基を有さないアルキルモノアルコール;2−フェノキシエタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールなどの置換基を有するアルキルモノアルコール;ベンジルアルコール等の芳香族アルコールが挙げられる。置換基を有するアルキルモノアルコールにおける置換基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基が挙げられる。
また、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等のアルキル多価アルコールが挙げられる。
更に、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系アルコールが挙げられる。
特に、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が好適に用いられる。
また、グリコールエーテルも好適に用いることができる。グリコールエーテルには、モノアルコールモノエーテルも存在するが、これらに関してはアルコールとして記載した。以下、ジエーテルを例示する。エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコール、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル等が挙げられる。
また、媒体には、アルコールやグリコールエーテルに加えて、水;3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル系溶媒を含んでもよい。
本発明の媒体の使用量は、ボールペン、サインペン、マーキングペン等筆記具の種類により変動するが、インキ組成物全量を基準として、1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上60質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以上30質量%以下である。
[樹脂]
本発明の筆記具用油性インキ組成物は、インキの粘度調整及び耐擦過性の向上のため、上記媒体に溶解する樹脂を含む。
樹脂としては、インキの目的や用途に応じて決められるものであり、特に限定されるものではないが、例えば、ブチラール樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン樹脂、ロジンフェノール樹脂、マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、カスレが生じない書き味を出すために、ブチラール樹脂、ケトン樹脂が好ましく用いられる。
ブチラール樹脂としては、例えば、低重合度タイプのエスレックBL−1、BL−2、BL−10、高重合タイプのBH−3、BH−6、BX−1、BX−5、BH−S(以上、積水化学工業(株)社製)等が挙げられる。
ケトン樹脂としては、例えば、ケトンレジンK−90(荒川化学工業(株)社製)、ハイラック901、ハイラック110H、ハイラック111(以上、日立化成(株)社製)等が挙げられる。
また、ポリビニルピロリドン樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドンK−90(日本触媒(株)社製)が挙げられる。
樹脂の配合量は、インク組成物全量を基準として、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上30質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以上25質量%以下である。上記の範囲内であれば、粘度調整が容易であり、またペン先の摩耗を防止でき、安定して良好な書き味が得られる。さらに、造膜性を適度に抑えることできるため、ペン先が暴露されている状態が続いた場合であっても、インキの固化を抑制でき、書き出し時の「カスレ現象」を抑制できる。
[添加剤]
更に必要に応じて、インクに悪影響を及ぼさない範囲内で添加剤を加えてもよい。例えば、防錆剤、界面活性剤、潤滑剤、湿潤剤、紫外線吸収剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調整剤、レベリング剤、防腐剤、セルロースナノファイバー等を挙げることができる。
防錆剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン、エチレンジアミン四酢酸、金属塩系化合物、及びリン酸エステル系化合物等が挙げられる。
界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えばカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
潤滑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、高級脂肪酸、シリコーンオイル、グリセリン脂肪酸エステル、ひまし油、リン酸エステル及びその金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ、ボールペンのボールチップのボール受け座の摩耗防止効果がある。これらの潤滑剤は、単独又は2種以上用いてもよい。更に、潤滑性を向上させるために、シリカ微粒子、アルミナ微粒子等の微粒子を添加してもよい。
湿潤剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、グリセリン、ソルビタン系化合物、多糖類、尿素等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル5’−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、及びp−安息香酸−2−ヒドロキシベンゾフェノンが挙げられる。
消泡剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジメチルポリシロキサンのようなシリコーン系化合物、鉱物油、及びフッ素系化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドロキシトルエン、フラボノイド、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸誘導体、α−トコフェロール、カテキン類が挙げられる。
pH調整剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、アルカノールアミン、オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ラウリルアミン、N,N−ジメチルステアリンアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、アンモニウムのようなアルカリ化剤、または、アルキルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ジアルキルスルホコハク酸、ナフタレンスルホン酸、オレイン酸、ナフタレンスルホン酸−ホルムアルデヒド縮合体のような酸性化合物が挙げられる。
レベリング剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
[製造方法]
筆記具用油性インキ組成物は、公知の方法により製造することができる。
例えば、媒体、一般式(1)で表される化合物、樹脂、及び必要に応じて、他の着色剤や添加剤を適度な温度範囲で配合し、ミキサー、ロール、ホモジナイザー、ディスパー等の撹拌混合することで得られる。また、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、及び、高圧対向衝突式の分散機を用いることもできる。
本発明の筆記具用油性インキ組成物は、一定量の固形分を確保する必要があり、固形分が少なくなるとインキの粘性が低くなり、インキのボタ落ちにつながる。
即ち、本発明の筆記具用油性インキ組成物の粘度は、24.5〜25.5℃雰囲気下、38.30(1/s)の剪断速度で100〜3000mPa・sの範囲である。
このように製造された筆記具用油性インキ組成物は、ボールペン、サインペン、マーキングペンに充填される。
例えば、ボールペンに関して説明する。
ボールペンの構造や形態は特に限定されるものではない。例えば、ボールを先端のボール受け座に装着したボールチップを先端部に接続させているインキ収容管が軸筒の内空に収容され、このチップが軸筒の先端から突き出ている構造を有しているボールペンを挙げることができる。インキ収容管の開口から基端から油性ボールペンインキ組成物が充填された後、基端の開口は逆流防止の液栓または逆流防止体でふさがれる。
ボールが筆記媒体上を転がることにより、ボールチップとボールとの間隙からボール表面に油性ボールペン用インキ組成物が供給され、筆記媒体に浸みこんで筆跡が形成される。
<筆記具用水性インキ組成物>
次に、本発明に係る筆記具用水性インキ組成物について説明する。
本発明の筆記具用水性インキ組成物とは、水性媒体に分散されている、一般式(1)を担持しているキャリアを含有することを特徴とする。
[キャリア]
本発明で言う一般式(1)を担持しているキャリアとは、キャリアに一般式(1)で表される化合物が分散された状態、キャリアに一般式(1)で表される化合物が内包された状態、または、キャリアが一般式(1)で表される化合物で着色された状態等を意味する。
キャリアとは、特に限定されるものではないが、例えば、結着樹脂、セルロースナノファイバー、マイクロカプセル等を挙げることができる。
色材を内包する樹脂粒子の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、塊状樹脂粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、ミニエマルジョン重合法、転相乳化法等を挙げることができる。
塊状樹脂粉砕法は、予め一般式(1)で表される化合物を含有するように重合して得た塊状の樹脂を、粉砕機等を用いて物理的に粉砕する方法である。
懸濁重合法は、一般式(1)で表される化合物を溶解させた重合性モノマーを分散剤の存在下、水系媒体中に液状を懸濁させ、この状態で液滴を重合させる方法である。
乳化重合法は、一般式(1)で表される化合物の存在下、重合性モノマーを水系媒体中に乳化させた状態で重合させる方法である。
ミニエマルジョン重合法は、重合性モノマーを一般式(1)で表される化合物を溶解または分散させ、界面活性剤の存在下、水系媒体中で強攪拌させて樹脂粒子を形成する方法である。
転送乳化法は、溶媒に一般式(1)で表される化合物と樹脂を溶解させ、界面活性剤の存在下に、水系媒体中で強攪拌させて樹脂粒子を形成した後、溶媒を留去する方法である。
予め製造した樹脂粒子の表面に一般式(1)で表される化合物を結合させる方法として、例えば、樹脂粒子の表面に一般式(1)で表される化合物を付着させる物理的染色法、樹脂粒子を有機溶剤で膨潤させ、一般式(1)で表される化合物と混合することで、一般式(1)で表される化合物を樹脂の内部にまで侵入させる化学的膨潤法等を挙げることができる。
上記の中でも、本発明の課題を解決するために、樹脂粒子の粒子径を十分に小さくすることができ、また、着色度の高い樹脂を得る観点から乳化重合法、ミニエマルジョン重合法、転相乳化法等が好ましい。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、水性媒体に一般式(1)を担持しているキャリアの分散液、及び必要に応じて、他の着色剤や添加剤を適度な温度範囲で配合し、ミキサー、ロール、ホモジナイザー、ディスパー等の撹拌混合することで得られる。また、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、及び、高圧対向衝突式の分散機を用いることで調製することができる。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、用途に応じて、適応するペン先を持ちることができる。例えば、ボールペンチップ、フェルトチップ、繊維チップ、繊維芯、プラスクチップ、多孔質芯等を挙げることができる。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、キャリアに一般式(1)で表される化合物が分散された状態、キャリアに一般式(1)で表される化合物が内包された状態が好ましい。
このような一般式(1)で表される化合物をキャリアに内包させるには、例えば、一般式(1)で表される化合物を溶解させた疎水性モノマーを用いて重合する、或いは一般式(1)で表される化合物の表面に吸着させた疎水性モノマーを用いて重合すること等によって製造することができる。
一般式(1)で表される化合物の含有量は、キャリアの含有量に対して、質量比率で0.4倍以上20倍以下であることが好ましい。一般式(1)で表される化合物の含有量が、樹脂の含有量に対して質量比率で0.4倍未満であると、筆跡に線飛びやカスレが生じる傾向にある。一方、一般式(1)で表される化合物の含有量が、樹脂の含有量に対して質量比率で20倍を超えると、凝集が促進され、芯先のつまりを起こす傾向にある。
油性染料を色材として用いる場合、油性染料を溶解させた疎水性モノマーを用いて重合することができる。この重合方法については、Colloid and Polymer Science、2003年12月、282巻、p119−126に詳細な検討が報告されている。また、色材表面に吸着させた疎水性モノマーを用いて重合する方法の具体例としては、個別に調製した色材の分散体と疎水性モノマーの分散体を混合してから重合する方法等を挙げることができる。この方法については、“Encapsulation of Carbon Black by Miniemulsion Polymerization”、Macromolecular Chemistry and Physics、2001年1月、202巻、p.51−60に詳細な検討が報告されているので参考にした。
本発明の筆記具用水性インキ組成物の水性媒体に一般式(1)を担持しているキャリアの結着樹脂としては、用途に応じて選択されるが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、アンモニウム塩を有する重合性単量体等の親水性の重合性単量体と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、N−ビニルカルバゾール等の親油性の重合性単量体とを、適切な混合比で、既知の手法により共重合化した結着樹脂を用いることができる。
具体的には、メタクリル酸メリル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)
ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート等の単官能アクリレート;ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、グリセリントリアクリレート、グリセリントリメタクリレート等の多官能アクリレート及びメタクリレート;並びに、トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールに、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを付加した後、アクリレート化またはメタクリレート化することによって得られる多官能アクリレート及び多官能メタクリレートを挙げることができる。さらに、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂とアクリル酸またはメタクリル酸との反応生成物である多官能のエポキシアクリレート類またはエポキシメタクリレート類も用いることができる。
スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−クロロスチレン等が挙げられる。すなわち、上記した(メタ)アクリル酸エステル共重合物は、スチレン系単量体を有するスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体であることが好ましい。
上記重合性単量体の中でも、メタクリル酸シクロヘキシル、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートを用いることが好ましい。上記重合性単量体は、1種を単独で用いてもよく、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
本発明で用いられる重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性
開始剤及び/又は水溶性開始剤を用いることができる。
油溶性開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドの如きパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
水溶性開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
重合開始剤の濃度は、疎水性モノマーを含むモノマー成分の全質量に対し、0.01質量%以上10質量%以下することが好ましく、0.03質量%以上5質量%以下とすることがさらに好ましい。
本発明で用いられる重合性単量体の重合の際に用いられる乳化剤としては、特に限定されるものではなく、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を用いることができる。
具体的に、カチオン界面活性剤としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
また、アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
さらにノニオン界面活性剤としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖、ラウリン酸モノグリセリド(太陽化学社製)等が挙げられる。
上記キャリアの結着樹脂の含有量としては、本発明に係る筆記具用水性インキ組成物の質量(全固形分)に対し、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。上記含有量が5質量%以上50質量%以下であることによって、露光に対する感度や画紙の強度をさらに向上させることができ、かつ、筆記具用水性インキ組成物の粘着性も良好となる。
本発明のキャリアの結着樹脂は、光重合開始剤を添加してもよい。光重合開始剤としては、ビシナールポリケトアルドニル化合物、α−カルボニル化合物、アシオインエーテル、多岐キノン化合物、トリアリルイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ、トリオキサジアゾール化合物等が挙げられる。これらの中でも、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン(商品名:イルガキュア369、BASF社製)が好ましい。
また、本発明のキャリアの結着樹脂は、必要に応じて光酸発生剤を添加してもよい。光酸発生剤としては、スルホニウム、ヨードニウム、セレニウム、アンモニウム及びホスホニウム等のオニウムイオンと、アニオンとの塩等の公知の光酸発生剤を用いることができる。
上記スルホニウムイオンとしては、トリフェニルスルホニウム、トリ−p−トリルスルホニウム、トリ−o−トリルスルホニウム、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、1−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、フェニルメチルベンジルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、ジメチルフェナシルスルホニウム、フェナシルテトラヒドロチオフェニウム等が挙げられる。
上記ヨードニウムイオンとしては、ジフェニルヨードニウム、ジ−p−トリルヨードニウム、ビス(4−ドデシルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム等が挙げられる。
上記セレニウムイオンとしては、トリフェニルセレニウム、トリ−p−トリルセレニウム、トリ−o−トリルセレニウム、トリス(4−メトキシフェニル)セレニウム、1−ナフチルジフェニルセレニウム、トリス(4−フルオロフェニル)セレニウム、トリ−1−ナフチルセレニウム、トリ−2−ナフチルセレニウム等のトリアリールセレニウムが挙げられる。
上記アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチル−n−プロピルアンモニウム、トリメチルイソプロピルアンモニウム、トリメチル−n−ブチルアンモニウム、トリメチルイソブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムが挙げられる。
上記ホスホニウムイオンとしては、テトラフェニルホスホニウム、テトラ−p−トリルホスホニウム、テトラキス(2−メトキシフェニル)ホスホニウム、トリフェニルベンジルホスホニウム、トリフェニルフェナシルホスホニウム、トリフェニルメチルホスホニウム、トリエチルベンジルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム等が挙げられる。
上記アニオンとしては、ClO4 -、BrO4 -等の過ハロゲン酸イオン;FSO3 -、ClSO3 -等のハロゲン化スルホン酸イオン;CH3SO4 -、CF3SO4 -、HSO4 -等の硫酸イオン;HCO3 -、CH3CO3 -等の炭酸イオン;AlCl4 -、AlF4 -等のアルミン酸イオン;ヘキサフルオロビスマス酸イオン、CH3COO-、CF3COO-、C65COO-、CH364COO-、C65COO-、CF364COO-等のカルボン酸イオン;B(C654 -、CH3CH2CH2CH2B(C653 -等のアリールホウ酸イオン;チオシアン酸イオン、及び硝酸イオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の筆記具用水性インキ組成物の水性媒体に一般式(1)を担持しているキャリアのセルロースナノファイバーとしては、用途に応じて選択されるが、例えば、植物繊維を化学的及び/または機械的に解繊処理を行うことによって得られるものであり、平均幅が数nm〜20nm程度、平均長さが0.5μm〜数μm程度の極細繊維である。
セルロース繊維を含有する材料としては、木、竹、ケナフ、麻、ジュート、ウッドパルプ、古紙、結晶セルロース、農作物残廃物、再生パルプ等の植物、ホヤ等の動物、藻類、微生物等が使用できる。
解繊処理を行う装置としては、回転せん断型ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、高圧均質化装置、ボールミル、サンドミル、アトライター、高圧対向衝突式の分散機、グラインダー、コニカルリファイナーなどが挙げられる。
セルロースなのファイバーは、市販されており、それらを用いることもできる。市販品としては、例えば、レオクリスタ I−2AX、CNF 03、CNF 04(第一化学工業社製)、ELLEX−S(大王製紙社製)、na noforest−S(中越パルプ工業)が挙げられる。
これらのセルロースナノファイバーの大きさ(繊維径)は、セルロースナノファイバーの種類により異なる。また、各種用途における特性を阻害しない範囲において増粘作用、経時安定性、発色性などから好適な範囲となる繊維径を選択する。
セルロースナノファイバーの配合量は、筆記具用水性インキ組成物に含まれる水性媒体100質量部あたり、0.001質量部以上40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.01質量部以上10質量部以下、さらに好ましくは0.05質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
また、筆記具用水性インキ組成物において、一般式(1)で表される化合物を分散させる水性媒体としては、水、又は水と水溶性有機溶剤との混合媒体を使用できる。
一般式(1)で表される化合物を用いてセルロースナノファイバーを染色する方法は特に限定されない。例えば、水性媒体中で、セルロースナノファイバーと一般式(1)で表される化合物とを接触させた後、必要に応じて加温や酸化処理を行い、その後、媒体を留去することで染色されたセルロースナノファイバーを得ることができる。接触させる際に、pH調整剤、顕色剤、分散剤等を添加しても良い。
水性着色液としては、セルロースナノファイバーを染色する際に用いた系そのままであってもよく、乾燥させて着色されたセルロースナノファイバーを取り出し、再度、水性媒体などに分散させたものであってもよい。
[媒体]
筆記具用水性インキ組成物とする場合、水性媒体としては、水と水溶性有機溶剤との混合物を用いることが好ましい。水性媒体に含有させる水溶性有機溶剤としては、例えば、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶剤、含硫黄極性溶剤等を用いることができる。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ポリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルがあげられる。これらの水溶性有機溶剤は、筆記具用インクの保湿性維持や色材の溶解性向上、筆記具用インクの記録紙への効果的な浸透等に寄与する。筆記具用インク中の水性媒体において、水と水溶性有機溶剤との割合(質量基準)は、水/水溶性有機溶剤=9/1〜1/9であることが好ましい。より好ましくは8/2〜2/8であり、さらに好ましくは7/3〜3/7である。このようにすれば、一般式(1)で表される化合物を含む着色材のインク中における分散性、或いは溶解性を良好なものとできる。
また、筆記具用水性インキ組成物は、水性ボールペンやゲルインク水性ボールペン用インク、サインペン、マーキングペン等に好適に用いることができ、各種用途における特性を阻害しない範囲において、分散剤、潤滑剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤などの添加剤を適宜添加してもよい。添加剤については、後述する。
[添加剤]
潤滑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、多価アルコールの脂肪酸エステル、糖の高級脂肪酸エステル、アルキル燐酸エステルなどのノニオン系や、高級脂肪酸アミドのアルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩などのアニオン系、ポリアルキレングリコールの誘導体やフッ素系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
pH調整剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム、尿素、モノエタノーアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンや、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸のアルカリ金属塩などが挙げられる。例えば、使用性、安全性、インク自身の安定性の観点からpH4〜11に調整されることが好ましく、更に好ましくは5〜10とすることが好ましい。
防錆剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン、リン酸エステル系化合物等が挙げられる。
防腐剤もしくは防菌剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール、安息香酸ナトリウム、ベンズイミダゾール系化合物、ナトリウムオマジン、ペンタクロロフェノールナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンなどが挙げられる。
[製造方法]
筆記具用水性インキ組成物は、公知の方法により製造することができる。
例えば、本発明の筆記具用水性インキ組成物、及び必要に応じて、他の着色剤や添加剤を適度な温度範囲で配合し、ミキサー、ロール、ホモジナイザー、ディスパー等の撹拌混合することで得られる。また、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、及び、高圧対向衝突式の分散機を用いることもできる。
筆記具用水性インキ組成物には、他の顔料や、水溶性溶剤などが含有されていても良い。
併用できる顔料としては、特に限定されるものではないが、従来水性ボールペンなどの筆記具用に使用されている無機系及び有機系顔料の中から選択することができる。
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラックや金属粉等を挙げることができる。
有機系顔料としては、例えば、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料などが挙げられる。含有量は、水性媒体100質量部あたり、0.1質量部以上50質量部以下であり、好ましくは、0.5質量部以上30質量部以下の範囲で用いることができる。
顔料を併用した場合には、分散剤を使用することが好ましい。分散剤としては、用途における特性を阻害しない範囲において、イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤、高分子界面活性剤、水溶性樹脂等が用いられる。
このように製造された筆記具用油性インキ組成物は、ボールペン、サインペン、マーキングペンに充填される。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、文中、「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り、「質量部」及び「質量%」を表す。
一般式(1)で表される化合物を、公知の方法によって合成し、同定は、1H核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)装置(ECA−400、日本電子(株)製)、及び、LC/TOF MS装置(LC/MSD TOF、Agilent Technologies社製)を用いて行った。
<筆記具用油性インキ組成物の製造>
〔実施例1〜22、比較例1〜13〕
表1−1、表1−2に示す構成材料を用いた。一般式(1)化合物は、それぞれ先に挙げた化合物(A1)〜(A92)を示している。まず、媒体に樹脂を添加して70℃に加温して溶解させた後、室温まで冷却し、着色剤と他の構成材料を加え、アトライター(三井鉱山社製)により3時間分散して、筆記具用油性インキ組成物を製造した。
尚、表1−2中の着色剤化合物である比較化合物(B1)〜(B4)は、以下の化合物である。
Figure 2021143331
Figure 2021143331
Figure 2021143331
[溶解安定性評価]
50mLサンプル瓶に上記で得られた各筆記具用油性インキ組成物を20mL加え密閉し、低温(0℃)及び高温(60℃)条件下で1カ月放置し、インキ組成物の溶解安定性評価した。インキ組成物に凝集物の有無を位相差顕微鏡(BX53、OLYMPUS社製)にて目視で観測した。凝集物が少ないほど、溶解安定性に優れていると判断した。
A:インキ組成物に凝集物がなく、良好なもの。
B:インキ組成物に凝集物がわずかに発生したもの。
C:インキ組成物に凝集物が発生したもの。
[書き出し時のカスレ(初筆性)評価]
上記で得られた各筆記具用油性インキ組成物を、それぞれ内径1.2mm、長さ140mmのポリプロピレンチューブ製のインキ収容管に充填した。このインキ収容管と燐青銅チップを具備した評価試験用ボールペンを作製した(ボール径0.7mm)。
試験用ボールペンのキャップを取り、低温(0℃)及び高温(60℃)条件下、湿度65%で1時間放置した後、JIS P3201筆記用紙を用いて、手書きでまるを筆記した。
書き出し時のカスレ評価を次の評価基準で行った。カスレが生じないもの程書き出し時の初筆性がよいと判断した。
A:低温(0℃)及び高温(60℃)条件ともカスレが生じなかった。
B:低温(0℃)、高温(60℃)条件のどちらか一方でカスレが生じた。
C:低温(0℃)、高温(60℃)条件のどちらか一方でカスレが顕著に生じた。
[書き味評価]
初筆性評価に続いて、書き味評価を行った。書き味評価は、筆跡中の線飛び・カスレ、筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続けるかを、次の評価基準で行った。筆跡中の線飛び・カスレが生じず、筆跡濃度の変化がない程、筆跡が安定して出続けるため書き味が良好と判断した。
A:低温(0℃)及び高温(60℃)条件とも、筆跡中の線飛び・カスレが生じず、筆跡濃度の変化がない。
B:低温(0℃)、高温(60℃)条件の少なくとも一方で、筆跡中の線飛び・カスレがわずかに生じた、または、筆跡濃度の変化がわずかに起こった。
C:低温(0℃)、高温(60℃)条件の少なくとも一方で、筆跡中の線飛び・カスレが生じ、筆跡濃度の変化が起こった。
[筆跡堅牢性評価]
筆跡堅牢性の評価を行った。筆跡堅牢性評価は、作製したボールペンを一定圧の筆圧で20cm筆記しサンプルを作成した。サンプルをキセノン試験装置(アトラス ウエザオメータCi4000、(株)東洋精機製作所製)に投入し、(照度:340nmで0.28W/m2、ブラックパネル温度:40℃、相対湿度:50%)の条件下、10時間曝露した。暴露前後のスペクトルをスキャナーで読み取り、初期の光学濃度をOD0とし、5時間曝露後のO.D.をOD5としたとき、O.D.残存率を以下のように定義した。
O.D.残存率(%)=(OD5/OD0)×100
評価基準は以下のとおりである。
A:85≦O.D.残存率(%)で筆跡堅牢性が非常に十分である。
B:70≦O.D.残存率(%)<85で筆跡堅牢性が十分である。
C:O.D.残存率(%)<70で筆跡堅牢性が不十分である。
上記の評価の結果を表2に示す。
Figure 2021143331
以上より、本発明の筆記具用油性インキ組成物は、比較用油性インキ組成物と比較して、低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高く、該筆記具用油性インキ組成物を用いれば、書き出しのカスレ現象が抑制され、筆跡に線飛びやカスレが生じない良好な書き味、高筆跡堅牢性のボールペンを提供することができる。
<筆記具用水性インキ組成物の製造>
〔実施例23〕
化合物A−2を5部、メタノール1部、セルロースナノファイバー(レオクリスタI−2AX)0.5部を加えた後、イオン交換水99部を加えた。内温80℃に加温し、メタノールを除去しながら2時間撹拌した。室温まで放冷後、ホモジナイザーで5分間分散処理を行い、化合物A−2で染色されたセルロースナノファイバーを含む筆記具用水性インキ組成物(23)を作製した。
〔実施例24〜42、比較例14〜27〕
実施例23において、化合物及びセルロースナノファイバーを表3に示すものに変更した以外は同様の操作により、化合物で染色されたセルロースナノファイバーを含む筆記具用水性インキ組成物(24)〜(42)及び比較例筆記具用水性インキ組成物(14)〜(27)を作製した。なお、セルロースナノファイバーに関して、レオクリスタ I−2AX、CNF 03、CNF 04(第一工業製薬社)、ELLEX−S(大王製紙社)、nanoforest−S(中越パルプ工業社)から入手可能である。
なお、比較化合物(B1)〜(B4)は前記と同じである。
Figure 2021143331
〔実施例43〕
メタクロル酸シクロヘキシル10g、メタクリル酸n−ブチル8g、トリアリルイソシアヌレート2g、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)0.5gを混合し、100rpmで1時間攪拌した。得られた混合物をラウリン酸モノグリセリド(太陽化学社製)0.05gの水溶液(濃度0.3%)70gに滴下し、300rpmで1時間攪拌した。ホモジナイザーで1時間分散させた(分散液A)。
化合物(A−2)10gをラウリン酸モノグリセリドの水溶液(濃度2.7%)110gに添加して、300rpmで2時間攪拌した後、ホモジナイザーで1時間分散させた(分散液B)。
分散液A20g及び分散液B80gを混合し、300rpmで1時間攪拌した。その後、ホモジナイザーで5分間分散させ1時間攪拌した。更に、ホモジナイザーで5分間分散させた後、窒素雰囲気下、70℃で8時間重合させた。これを5.0μmのフィルターでろ過することで筆記具用水性インキ組成物(43)を得た。得られた筆記具用水性インキ組成物中の樹脂粒子の平均粒径は58nmであった。
〔実施例44〜48、比較例28〜32〕
実施例43において、使用材料を表4に示すものに変更した以外は同様の操作により、キャリアに一般式(1)で表される化合物が分散または内包された筆記具用水性インキ組成物(44)〜(48)、及び比較例筆記具用水性インキ組成物(28)〜(32)を作製した。なお、比較例28〜32において、いずれの場合も重合阻害を起こし、筆記具用水性インキ組成物を作ることができず、評価ができなかった。
Figure 2021143331
[溶解安定性評価]
50mLサンプル瓶に上記で得られた各筆記具用水性インキ組成物を20mL加え密閉し、低温(0℃)及び高温(60℃)条件下で1カ月放置し、インキ組成物の溶解安定性評価した。インキ組成物に凝集物の有無を位相差顕微鏡(BX53、OLYMPUS社製)にて目視で観測した。凝集物が少ないほど、水媒体への分散安定性に優れていると判断した。
A:インキ組成物に凝集物がなく、良好なもの。
B:インキ組成物に凝集物がわずかに発生したもの。
C:インキ組成物に凝集物が発生したもの。
[書き出し時のカスレ(初筆性)評価]
上記で得られた各筆記具用水性インキ組成物を、それぞれ内径1.2mm、長さ140mmのポリプロピレンチューブ製のインキ収容管に充填した。このインキ収容管と燐青銅チップを具備した評価試験用ボールペンを作製した(ボール径0.7mm)。
試験用ボールペンのキャップを取り、低温(0℃)及び高温(60℃)条件下、湿度65%で1時間放置した後、JIS P3201筆記用紙を用いて、手書きでまるを筆記した。
書き出し時のカスレ評価を次の評価基準で行った。カスレが生じないもの程書き出し時の初筆性がよいと判断した。
A:低温(0℃)及び高温(60℃)条件ともカスレが生じなかった。
B:低温(0℃)、高温(60℃)条件のどちらか一方でカスレが生じた。
C:低温(0℃)、高温(60℃)条件のどちらか一方でカスレが顕著に生じた。
[書き味評価]
初筆性評価に続いて、書き味評価を行った。書き味評価は、筆跡中の線飛び・カスレ、筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続けるかを、次の評価基準で行った。筆跡中の線飛び・カスレが生じず、筆跡濃度の変化がない程、筆跡が安定して出続けるため書き味が良好と判断した。
A:低温(0℃)及び高温(60℃)条件とも、筆跡中の線飛び・カスレが生じず、筆跡濃度の変化がない。
B:低温(0℃)、高温(60℃)条件の少なくとも一方で、筆跡中の線飛び・カスレがわずかに生じた、または、筆跡濃度の変化がわずかに起こった。
C:低温(0℃)、高温(60℃)条件の少なくとも一方で、筆跡中の線飛び・カスレが生じ、筆跡濃度の変化が起こった。
[筆跡堅牢性評価]
筆跡堅牢性の評価を行った。筆跡堅牢性評価は、作成したボールペンを一定圧の筆圧で20cm筆記しサンプルを作成した。サンプルをキセノン試験装置(アトラス ウエザオメータCi4000、(株)東洋精機製作所製)に投入し、(照度:340nmで0.28W/m2、ブラックパネル温度:40℃、相対湿度:50%)の条件下、10時間曝露した。暴露前後のスペクトルをスキャナーで読み取り、初期の光学濃度をOD0とし、5時間曝露後のO.D.をOD5としたとき、O.D.残存率を以下のように定義した。
O.D.残存率(%)=(OD5/OD0)×100
評価基準は以下のとおりである。
A:85≦O.D.残存率(%)で筆跡堅牢性が非常に十分である。
B:70≦O.D.残存率(%)<85で筆跡堅牢性が十分である。
C:O.D.残存率(%)<70で筆跡堅牢性が不十分である。
上記の評価の結果を表5、6に示す。
Figure 2021143331
Figure 2021143331
以上より、本発明の筆記具用水性インキ組成物は、比較用インキ組成物と比較して、一般式(1)を担持しているキャリアの水媒体への分散安定性が高い。即ち、このことは、重合法でキャリアを作製する場合は一般式(1)と重合阻害を起こさないこと、また、セルロースナノファイバーを用いる場合は一般式(1)との相溶性が高いことを示す。また、本発明の筆記具用水性インキ組成物を用いれば、書き出しのカスレ現象が抑制され、筆跡に線飛びやカスレが生じない良好な書き味、かつ高い筆跡堅牢性のボールペンを提供することができる。
本発明の筆記具用油性インキ組成物は、低温及び高温条件下においてもインキ組成物内で着色剤の凝集が抑制され溶解安定性が高い。更に、筆記具用油性インキ組成物を用いれば、書き出しのカスレ現象が抑制され、筆跡に線飛びやカスレが生じない良好な書き味(筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続ける)で、かつ高い筆跡堅牢性のボールペン、サインペン、マーキングペン等を提供することができる。
また、本発明の筆記具用水性インキ組成物は、一般式(1)を担持しているキャリアの水媒体への分散安定性が高い。更に、筆記具用水性インキ組成物を用いれば、書き出しのカスレ現象が抑制され、筆跡に線飛びやカスレが生じない良好な書き味(筆跡濃度が変わらず筆跡が安定して出続ける)で、かつ高い筆跡堅牢性のボールペン、サインペン、マーキングペン等を提供することができる。

Claims (10)

  1. アルコール、または、グリコールエーテルを含有する媒体;
    該媒体に溶解する樹脂;および
    下記一般式(1)で表される化合物を含有する着色剤;
    Figure 2021143331
    [式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、置換基を有するフェニル基又は無置換のフェニル基を表し、R3及びR4は、各々独立して、炭素数2以上12以下の置換基を有するアルキル基若しくは無置換のアルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はハロゲン原子を表し、R5及びR6は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表し、R7は、下記式(2)または(3)で示される構造を表し、
    Figure 2021143331
    式(2)中、R8は、−SO3 -基、アルコキシスルホニル基、スルホン酸アミド基、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、又はニトロ基を表し、R9は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
    式(3)中、R10〜R12は、各々独立して、水素原子、アルキル基、又は置換基を有するアリール基若しくは無置換のアリール基を表し、
    -は、陰イオンを表し、分子内に少なくとも1つのアニオン性置換基を持つ場合はなくてもよい。]
    を含むことを特徴とする筆記具用油性インキ組成物。
  2. 一般式(1)において、R1とR2とが同一の置換基を有するフェニル基又は無置換のフェニル基である請求項1に記載の筆記具用油性インキ組成物。
  3. 前記式(2)が、下記式(4)で示される構造である請求項1又は2に記載の筆記具用油性インキ組成物。
    Figure 2021143331
  4. 前記樹脂が、ブチラール樹脂およびケトン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の筆記具用油性インキ組成物を用いたボールペン。
  6. 水性媒体に分散されている、下記一般式(1)で表される化合物を担持しているキャリアを含有することを特徴とする筆記具用水性インキ組成物。
    Figure 2021143331
    [式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、置換基を有するフェニル基又は無置換のフェニル基を表し、R3及びR4は、各々独立して、炭素数2以上12以下の置換基を有するアルキル基若しくは無置換のアルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、又はハロゲン原子を表し、R5及びR6は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表し、R7は、下記式(2)または(3)で示される構造を表し、
    Figure 2021143331
    式(2)中、R8は、−SO3 -基、アルコキシスルホニル基、スルホン酸アミド基、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、又はニトロ基を表し、R9は、水素原子又はハロゲン原子を表し、
    式(3)中、R10〜R12は、各々独立して、水素原子、アルキル基、又は置換基を有するアリール基若しくは無置換のアリール基を表し、
    -は、陰イオンを表し、分子内に少なくとも1つのアニオン性置換基を持つ場合はなくてもよい。]
  7. 一般式(1)において、R1とR2とが同一の置換基を有するフェニル基又は無置換のフェニル基である請求項6に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  8. 前記式(2)が、下記式(4)で示される構造である請求項6又は7に記載の筆記具用水性インキ組成物。
    Figure 2021143331
  9. 前記キャリアが、結着樹脂またはセルロースナノファイバーである請求項6〜8のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物を用いたボールペン。
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