JP2021132700A - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
Description
また特許文献2には、背側においてレッグ開口部周縁部に配された弾性部材の伸長倍率を、ウエスト開口部周縁部よりも低くした、パンツ型使い捨ておむつが開示されている。
前記外装体は、前記前身頃に、前記横方向に沿って伸縮性を有する前側伸縮領域を有していることが好ましい。
前記前身頃のみに、前記レッグ開口部の周縁部にレッグギャザーを形成するレッグ弾性部材が配されており、該レッグ弾性部材の少なくとも一部が、前記前側伸縮領域と重なっていることが好ましい。
前記前側伸縮領域は、前記吸収性コアよりも前記縦方向の外方に配されていることが好ましい。
前記レッグ弾性部材は、前記前側伸縮領域よりも伸長率が高いことが好ましい。
おむつ1は、図2に示すように、着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有する。本明細書において、「着用者の前後方向」とは、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる方向を指す。おむつ1は、股下部C並びに該股下部Cの前後から縦方向Xに延出する腹側部A及び背側部Bを有する。即ち、股下部Cは、腹側部A及び背側部Bの間に位置している。おむつ1は、腹側部Aから股下部Cを介して背側部Bに延びる縦方向Xに延在している。股下部Cは、おむつ1の着用状態において着用者の股間部に配される部位である。腹側部Aは、おむつ1の着用状態において股下部Cよりも着用者の腹側即ち前側に配される部位である。背側部Bは、おむつ1の着用状態において股下部Cよりも着用者の背側即ち後側に配される部位である。
前記「縦方向Xの外方」とは、該縦方向Xにおけるおむつ1の外側、即ち腹側部A又は背側部Bのウエスト開口部の周縁端WE側であることを意味する。「縦方向Xの内方」とは、該縦方向Xにおけるおむつ1の中央側であることを意味する。
本実施形態の外装体3は、伸縮性シートの他に、2枚の非伸縮性シートと、これら2枚の非伸縮性シート間に挟まれた胴回り弾性部材41とを有している。このような場合、伸縮領域は、展開状態での平面視において伸縮性シートが存在する領域とする。非伸縮性シートは、該シートを最大伸長となるまで所定の方向(横方向Y)に引っ張った後、引っ張り力を開放したときの該シートの全長が伸び量の1/3超となるシートをいう。
また、本実施形態におけるおむつ1では、前身頃Fにおいてレッグ弾性部材43が配されており、且つ該レッグ弾性部材43の少なくとも一部が、前側伸縮領域Eaと重なっているので、腹側部Aにおけるレッグ開口部周りのフィット性が担保される。特に前側伸縮領域Eaが吸収性コア23aよりも縦方向Xの外方に配されていると、腹側部Aにおけるフィット性が良好となるとともに、前側伸縮領域Eaの収縮によって生じる皺が吸収体23側に至り難くなり、吸収体23の輪郭がより目立たないものとなる。したがって、本実施形態のおむつ1は、レッグ開口部周りのフィット性と、下着らしい外観とを両立し得る。
〔伸長率の測定方法〕
伸縮領域は、伸縮性シート等のシート部材で構成されているので、外装体において伸縮性能を発現しているシート部材を測定対象とする。先ず、おむつを自然状態にして、外装体の伸縮領域を構成するシート部材に、伸縮方向に50mmの間隔を空けて2つの印を付ける。このシート部材を最大に伸長させた状態で、前記2つの印間の距離を伸長距離(mm)として測定する。そして、次式(1)より、伸縮領域の伸長率を求める。
伸縮領域の伸長率(%)=〔伸長距離(mm)/50(mm)〕×100・・・(1)
レッグ弾性部材43の伸長率は、おむつを展開且つ伸長状態としたときのレッグ弾性部材43の長さを測定し、これを最大伸長長さとする。最大伸長長さは、レッグ弾性部材43において弾性伸縮性が発現し得る領域の長さとし、接着剤が塗布される等して弾性伸縮性が発現しない領域の長さは除く。次いで、おむつからレッグ弾性部材43を取り出し、該レッグ弾性部材43の自然状態の長さを測定して、これを自然長さとする。「自然状態」は、伸縮領域に外力を加えずに伸長させない状態を意味する。そして、次式(2)より、レッグ弾性部材の伸長率を求める。
レッグ弾性部材の伸長率=(最大伸長長さ/自然長さ)×100・・・(2)
レッグ弾性部材43の伸長率は、前側伸縮領域Eaの伸長率に対して好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.2倍以上であり、また好ましくは1.6倍以下、より好ましくは1.5倍以下であり、また好ましくは1.1倍以上1.6倍以下、より好ましくは1.2倍以上1.5倍以下である。
レッグ弾性部材43の伸長率は、好ましくは215%以上、より好ましくは230%以上であり、また好ましくは270%以下、より好ましくは255%以下であり、また好ましくは215%以上270%以下、より好ましくは230%以上255%以下である。
前側伸縮領域Eaの伸長率は、好ましくは160%以上、より好ましくは175%以上であり、また好ましくは210%以下、より好ましくは195%以下であり、また好ましくは160%以上210%以下、より好ましくは175%以上195%以下である。
本実施形態においては、前側伸縮領域Eaの縦方向Xの長さL1が、同方向Xにおける吸収性コア23aとウエスト開口部の周縁端WEとの間の長さL5よりも短い。縦方向Xにおける前側伸縮領域Eaの股下部C側の端縁は、縦方向Xにおける吸収性コア23aのウエスト開口部側の端縁と縦方向Xにおいて一致していてもよく、該吸収性コア23aのウエスト開口部側の端縁よりも縦方向X外方に位置していてもよい。
後側伸縮領域Ebの縦方向Xの長さL2(図5参照)は、前側伸縮領域Eaの縦方向Xの長さL1(図5参照)に対して、好ましくは110%以上、より好ましくは130%以上であり、また好ましくは170%以下、より好ましくは150%以下であり、また好ましくは110%以上170%以下、より好ましくは130%以上150%以下である。
前側伸縮領域Eaの縦方向Xの長さL1(図5参照)は、好ましくは150mm以上、より好ましくは170mm以上であり、また好ましくは200mm以下、より好ましくは180mm以下であり、また好ましくは150mm以上200mm以下、より好ましくは170mm以上180mm以下である。
後側伸縮領域Ebの縦方向Xの長さL2(図5参照)は、前側伸縮領域Eaの縦方向Xの長さL1よりも長いことを条件として、好ましくは220mm以上、より好ましくは240mm以上であり、また好ましくは270mm以下、より好ましくは250mm以下であり、また好ましくは220mm以上270mm以下、より好ましくは240mm以上250mm以下である。
前身頃Fにおけるウエスト開口部の周縁端WEと吸収性コア23aとの間の長さL5(図5参照)は、前側伸縮領域Eaの縦方向Xの長さL1(図5参照)に対して好ましくは105%以上、より好ましくは110%以上であり、また好ましくは130%以下、より好ましくは125%以下であり、また好ましくは105%以上130%以下、より好ましくは110%以上125%以下である。
前身頃Fにおけるウエスト開口部の周縁端WEと吸収性コア23aとの間の長さL5(図5参照)は、好ましくは170mm以上、より好ましくは180mm以上であり、また好ましくは220mm以下、より好ましくは210mm以下であり、また好ましくは170mm以上220mm以下、より好ましくは180mm以上220mm以下である。
後身頃Rにおけるウエスト開口部の周縁端WEと吸収性コア23aとの間の長さL6(図5参照)は、後側伸縮領域Ebの縦方向Xの長さL2(図5参照)に対して好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上であり、また好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下であり、また好ましくは65%以上95%以下、より好ましくは70%以上90%以下である。
後身頃Rにおけるウエスト開口部の周縁端WEと吸収性コア23aとの間の長さL6(図5参照)は、好ましくは170mm以上、より好ましくは180mm以上であり、また好ましくは220mm以下、より好ましくは210mm以下であり、また好ましくは170mm以上220mm以下、より好ましくは180mm以上220mm以下である。
上記と同様の観点から、前側伸縮領域Ea及び後側伸縮領域Ebの各伸長応力は以下の範囲内であることが好ましい。
前側伸縮領域Eaの伸長応力は、後側伸縮領域Ebの伸長応力に対して好ましくは120%以上、より好ましくは140%以上であり、また好ましくは180%以下、より好ましくは160%以下であり、また好ましくは120%以上180%以下、より好ましくは140%以上160%以下である。
前側伸縮領域Eaの伸長応力は、好ましくは1.8N以上、より好ましくは2.0N以上であり、また好ましくは2.4N以下、より好ましくは2.2N以下であり、また好ましくは1.8N以上2.4N以下、より好ましくは2.0N以上2.2N以下である。
後側伸縮領域Ebの伸長応力は、好ましくは1.2N以上、より好ましくは1.4N以上であり、また好ましくは1.8N以下、より好ましくは1.6N以下であり、また好ましくは1.2N以上1.8N以下、より好ましくは1.4N以上1.6N以下である。伸長応力は下記方法により測定される。
外装体から伸縮領域を構成するシート部材から、伸縮方向の長さを20cmとする、20cm×5cmの測定サンプルを切り出す。測定サンプルについて、伸縮方向の両端を、引張試験機(例えば、オリエンテック社製の「RTA−100」等)の一対のチャック間に固定する。このとき、引張試験機のチャックの移動方向と伸縮方向とを一致させ、チャック間距離が15cmとなるように測定サンプルを固定する。斯かるチャック間距離を初期チャック間距離とする。次いで、一対のチャックを互いに離れる方向に300mm/minの速度で移動させ、チャック間距離が初期チャック間距離の1.9倍の長さとなるまで、測定サンプルを伸縮方向に引っ張る。この際、引張距離に伴って変化する引張強度(応力)を測定する。以上の測定において、チャック間距離が初期チャック間距離の1.6倍の長さとなったときの応力を、伸長応力(N)とする。
本実施形態において、後身頃Rにおける周縁端領域R1は、前身頃Fにおける周縁端領域F1よりも面積が大きい。周縁端領域F1は、外装体3においてレッグ開口部LHを形成する領域であって、おむつ1の横方向Yの長さが最小となる最幅狭部の側縁よりも横方向Y外方に位置する領域であって、且つ腹側部A及び背側部Bそれぞれにおける縦方向Xに沿う両側縁部AS,BSよりも縦方向X内方に位置する領域である。本実施形態の前身頃Fの周縁端領域F1は、外層シート31、固定用シート37、及び内層シート35によって構成されており、後身頃Rの周縁端領域R1は、外層シート31及び内層シート35によって構成されている(図5参照)。前身頃Fの周縁端領域F1、及び後身頃Rの周縁端領域R1それぞれは、外装体3を構成する少なくとも1枚のシートにより形成されている。
コア非存在領域j2では、外層シート31a、内層シート35、及び固定用シート37の3枚のシートに代えて、外層シート31aとその折り返し部a、及び内層シート35の3枚のシートが積層されていてもよい
表面シート21としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート22としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
コアラップシートとしては、例えば親水性繊維からなる薄葉紙や、液透過性を有する不織布などを用いることができる。
例えば、前記実施形態のおむつ1において外層シート31は、前身頃Fと後身頃Rとに分割されていたが、外層シート31は、前身頃Fから後身頃Rに連続していてもよい。
前記実施形態のおむつ1は、前身頃F及び後身頃Rの双方に、伸縮領域Ea,Ebを有していたが、前身頃Fのみに伸縮領域Eaを有していてもよい。
前記実施形態のおむつ1は、吸収体23と伸縮領域Ea,Ebとが部分的に重なっていたが、吸収体23と伸縮領域Ea,Ebとは重なっていなくてもよい。
前記実施形態のおむつ1は、内層シート35がおむつ1の縦方向X全長に延在していたが、外装体3を構成するシートの全てが、前身頃Fと後身頃Rとに分割されていてもよい。
前述した一の実施形態のみが有する部分は、全て適宜相互に利用できる。
<1>
着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、吸収性コアを含む吸収体を有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる方向に対応する縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該縦方向の中央を境界として着用時に着用者の腹側に配される前身頃と着用者の背側に配される後身頃とに区分され、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型の使い捨ておむつであって、
前記外装体は、前記前身頃に、前記横方向に沿って伸縮性を有する前側伸縮領域を有しており、
前記前身頃のみに、前記レッグ開口部の周縁部にレッグギャザーを形成するレッグ弾性部材が配されており、該レッグ弾性部材の少なくとも一部が、前記前側伸縮領域と重なっており、
前記前側伸縮領域は、前記吸収性コアよりも前記縦方向の外方に配されており、
前記レッグ弾性部材は、前記前側伸縮領域よりも伸長率が高い、パンツ型使い捨ておむつ。
前記レッグ弾性部材の伸長率は、前記前側伸縮領域の伸長率に対して1.1倍以上、好ましくは1.2倍以上であり、また1.6倍以下、好ましくは1.5倍以下であり、また1.1倍以上1.6倍以下、好ましくは1.2倍以上1.5倍以下である、前記<1>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<3>
前記レッグ弾性部材の伸長率は215%以上、好ましくは230%以上であり、また270%以下、好ましくは255%以下であり、また215%以上270%以下、好ましくは230%以上255%以下である、前記<1>又は<2>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<4>
前記前側伸縮領域の伸長率は160%以上、好ましくは175%以上であり、また210%以下、好ましくは195%以下であり、また160%以上210%以下、好ましくは175%以上195%以下である、前記<1>〜<3>の何れか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<5>
前記外装体は、前記後身頃に、前記横方向に沿って伸縮性を有する後側伸縮領域を有しており、
前記前側伸縮領域及び前記後側伸縮領域は、ウエスト開口部の周縁部に配されており、
前記後側伸縮領域における前記横方向の伸長応力が、前記前側伸縮領域における前記横方向の伸長応力以下である、前記<1>〜<4>の何れか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<6>
前記前側伸縮領域の伸長応力は、前記後側伸縮領域Ebの伸長応力に対して好ましくは120%以上、より好ましくは140%以上であり、また好ましくは180%以下、より好ましくは160%以下であり、また好ましくは120%以上180%以下、より好ましくは140%以上160%以下である、前記<5>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<7>
前記前側伸縮領域の伸長応力は1.8N以上、好ましくは2.0N以上であり、また2.4N以下、好ましくは2.2N以下であり、また1.8N以上2.4N以下、好ましくは2.0N以上2.2N以下である、前記<5>又は<6>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<8>
前記後側伸縮領域の伸長応力は1.2N以上、好ましくは1.4N以上であり、また1.8N以下、好ましくは1.6N以下であり、また1.2N以上1.8N以下、好ましくは1.4N以上1.6N以下である、前記<5>〜<7>の何れか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<9>
前記後側伸縮領域は、前記吸収性コアと部分的に重なっており、且つ該吸収性コアよりも前記縦方向の外方に配された部分を有している、前記<5>〜<8>の何れか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<10>
前記前側伸縮領域及び前記後側伸縮領域それぞれは、前記外装体を形成する伸縮性シートから構成されている、前記<5>〜<9>の何れか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
前記後側伸縮領域は、前記前側伸縮領域に比して前記縦方向における長さが長い、前記<5>〜<10>の何れか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<12>
前記後側伸縮領域の前記縦方向の長さL2は、前記前側伸縮領域の前記縦方向の長さL1に対して110%以上、好ましくは130%以上であり、また170%以下、好ましくは150%以下であり、また110%以上170%以下、好ましくは130%以上150%以下である、前記<11>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<13>
前記前側伸縮領域の前記縦方向の長さL1は150mm以上、好ましくは170mm以上であり、また200mm以下、好ましくは180mm以下であり、また150mm以上200mm以下、好ましくは170mm以上180mm以下である、前記<11>又は<12>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<14>
前記後側伸縮領域の前記縦方向の長さL2は220mm以上、好ましくは240mm以上であり、また270mm以下、好ましくは250mm以下であり、また220mm以上270mm以下、好ましくは240mm以上250mm以下である、記<11>〜<13>の何れか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<15>
前記後身頃は、前記前身頃に比して、前記外装体における前記レッグ開口部の周縁端が前記縦方向の内方に延出している、前記<1>〜<14>の何れか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<16>
前記前身頃における外装体は、前記縦方向において前記レッグ弾性部材が存在し、且つ前記吸収性コアが存在するコア存在領域と、該吸収性コアが存在せず、前記レッグ弾性部材が存在するコア非存在領域とを有しており、該コア存在領域は、該コア非存在領域に比して前記外装体を構成するシートの積層枚数が少ない、前記<1>〜<15>の何れか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<17>
前記外装体を構成するシートのうち、少なくとも1枚のシートは、前記縦方向の長さが、前記おむつの同方向全長に延在している、前記<1>〜<16>の何れか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<18>
前記前身頃の非肌対向面から目視したとき、前記レッグ開口部において、前記後身頃の肌対向面が部分的に露出し、且つ該後身頃には、前記レッグ開口部の周縁部に沿って収縮する部分が形成されていない、前記<1>〜<17>の何れか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
図1に示すおむつを製造し、本実施例のサンプルとした。外装体には、外層シートとして、特開2008−179128号公報に記載の伸縮性シートを用いた。この外層シートとしては、前身頃と後身頃とに分割されたものを用いた。また、内層シート及び固定用シートそれぞれに、18g/m2のスパンボンド−スパンボンド−スパンボンド積層不織布(SSS不織布)を用いた。内層シートは、おむつの縦方向全長に連続したものを用いた。したがって、本実施例の外装体は、前身頃及び後身頃それぞれに前記伸縮性シートによって形成された伸縮領域(前側伸縮領域及び後側伸縮領域)を有するものであった。斯かる外装体において、前側伸縮領域と後側伸縮領域とは、横方向の伸長応力が同じであった。胴回り弾性部材及びレッグ弾性部材としては、940dtexのポリウレタン弾性繊維(スパンデックス)からなるものを用いた。レッグ弾性部材は、外層シートよりも伸長率が高いものであった。具体的には、前述した〔伸長率の測定方法〕により測定したレッグ弾性部材の伸長率は230%であり、外層シートの伸長率は180%であった。
前身頃とともに、後身頃の外装体にもレッグ弾性部材を配した以外は、上述した実施例1と同じ方法によりおむつを製造した。
後身頃の外装体のみにレッグ弾性部材を配した以外は、上述した実施例1と同じ方法によりおむつを製造した。
前身頃の外装体にも、後身頃の外装体にもレッグ弾性部材を配さなかった以外は、上述した実施例1と同じ方法によりおむつを製造した。
上述した実施例及び比較例のおむつについて、3名の専門パネラーが前身頃の非肌対向面から目視で観察し、その外観を以下の基準で評価した。以下の基準の評価点が高いほど、下着らしい外観となる。評価結果の平均点を表1に示す。
3点:レッグ開口部に収縮した部分が過度に形成されておらず、吸収体が目立たない。
2点:レッグ開口部に収縮した部分が形成され、吸収体がやや目立っている。
1点:レッグ開口部に収縮した部分が過度に形成されており、吸収体の輪郭が目立つ。
レッグ開口部における脚周りへのフィット性を、以下の方法を用いて評価した。円筒体モデルに、実施例及び比較例の各おむつを履かせ、該モデルにおいてレッグ縁部LS,LSが当接する箇所のおむつの装着圧を、エアパックセンサ(株式会社エイエムアイ・テクノ社製、型番AMI3037−2)を用いて測定した。装着圧は、箇所前身頃側に3か所、後身頃側に3か所(左右とも)のレッグ縁部LS,LSが当接する箇所にて測定し、これらの値を平均化したものを装着圧とした。
次いで、測定した装着圧の結果に基づき、下記の基準でフィット性を評価した。装着圧が高いほど、フィット性に優れると評価することができる。評価結果を表1に示す。
3点:装着圧が0.6kPa以上であった。
2点:装着圧が0.5kPa以上0.6kPa未満であった。
1点:装着圧が0.5kPa未満であった。
2 吸収性本体
23 吸収体
3 外装体
31 外層シート
35 内層シート
37 固定用シート
41 胴周り弾性部材
43 レッグ弾性部材
Ea 前側伸縮領域
Eb 後側伸縮領域
A 腹側部
B 背側部
C 股下部
F 前身頃
R 後身頃
X 縦方向
Y 横方向
Claims (8)
- 着用者の腹側に配される腹側部と、着用者の背側に配される背側部と、該腹側部及び該背側部の間に位置する股下部とを有し、吸収性コアを含む吸収体を有する吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、該腹側部から該股下部を介して該背側部に延びる方向に対応する縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該縦方向の中央を境界として着用時に着用者の腹側に配される前身頃と着用者の背側に配される後身頃とに区分され、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有するパンツ型の使い捨ておむつであって、
前記外装体は、前記前身頃に、前記横方向に沿って伸縮性を有する前側伸縮領域を有しており、
前記前身頃のみに、前記レッグ開口部の周縁部にレッグギャザーを形成するレッグ弾性部材が配されており、該レッグ弾性部材の少なくとも一部が、前記前側伸縮領域と重なっており、
前記前側伸縮領域は、前記吸収性コアよりも前記縦方向の外方に配されており、
前記レッグ弾性部材は、前記前側伸縮領域よりも伸長率が高い、パンツ型使い捨ておむつ。 - 前記外装体は、前記後身頃に、前記横方向に沿って伸縮性を有する後側伸縮領域を有しており、
前記前側伸縮領域及び前記後側伸縮領域は、ウエスト開口部の周縁部に配されており、
前記後側伸縮領域における前記横方向の伸長応力が、前記前側伸縮領域における前記横方向の伸長応力以下である、請求項1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。 - 前記前側伸縮領域及び前記後側伸縮領域それぞれは、前記外装体を形成する伸縮性シートから構成されている、請求項2に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記後側伸縮領域は、前記前側伸縮領域に比して前記縦方向における長さが長い、請求項2又は3に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記後身頃は、前記前身頃に比して、前記外装体における前記レッグ開口部の周縁端が前記縦方向の内方に延出している、請求項1〜4の何れか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記前身頃における外装体は、前記縦方向において前記レッグ弾性部材が存在し、且つ前記吸収性コアが存在するコア存在領域と、該吸収性コアが存在せず、前記レッグ弾性部材が存在するコア非存在領域とを有しており、該コア存在領域は、該コア非存在領域に比して前記外装体を構成するシートの積層枚数が少ない、請求項1〜5の何れか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記外装体を構成するシートのうち、少なくとも1枚のシートは、前記縦方向の長さが、前記おむつの同方向全長に延在している、請求項1〜6の何れか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
- 前記前身頃の非肌対向面から目視したとき、前記レッグ開口部において、前記後身頃の肌対向面が部分的に露出し、且つ該後身頃には、前記レッグ開口部の周縁部に沿って収縮する部分が形成されていない、請求項1〜7の何れか1項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
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