JP2021106184A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光素子からの光をより効率的に樹脂パッケージの外部に取り出す。【解決手段】発光装置は、凹部11を有する樹脂パッケージと、少なくとも1つの発光素子41と、光反射性部材50と、第1母材および第1蛍光体を含有する波長変換部材85と、第2母材を含有する封止部材75とを備える。樹脂パッケージ10は、第1リード21および第2リード22を含む複数のリードと、第1樹脂部31、第2樹脂部32、および、第1リードの素子載置領域を取り囲む第3樹脂部33を含む樹脂体30とを有する。複数のリードの上面の一部は、凹部の底面11bに位置し、発光素子は、素子載置領域に配置されており、光反射性部材は、凹部の内側壁面と第3樹脂部との間に位置し、波長変換部材は、光反射性部材上に位置し、封止部材は、凹部内において発光素子および波長変換部材を覆っている。【選択図】図4

Description

本開示は、発光装置に関する。
凹部が設けられたパッケージの凹部内に発光素子を配置し、発光素子を樹脂材料で封止した発光装置が知られている。例えば、下記の特許文献1は、基体と、基体に支持された発光素子と、発光素子を取り囲むように形成された内周面を有する反射部材とを含む発光装置を開示している。反射部材の内周面は、光反射面としての機能を有し、発光素子から出射された光を発光素子の上方に向けて反射させる。特許文献1に記載の発光装置では、反射部材の内周面を波長変換層で覆っている。
特開2006−066657号公報
発光装置の分野においては、輝度向上の要求がある。
本開示のある実施形態による発光装置は、第1リードおよび第2リードを含む複数のリード、ならびに、第1樹脂部、第2樹脂部および第3樹脂部を含む樹脂体を有する樹脂パッケージであって、前記複数のリード、前記第1樹脂部および前記第2樹脂部により形成される凹部を有する樹脂パッケージと、少なくとも1つの発光素子と、光反射性部材と、第1母材および第1蛍光体を含有する波長変換部材と、第2母材を含有する封止部材とを備え、前記第1樹脂部は、前記樹脂パッケージの外側面を構成し、前記第2樹脂部は、前記第1リードと前記第2リードとの間に位置し、前記複数のリードの上面の一部は、前記凹部の底面に位置し、前記第1リードは、前記凹部の前記底面に位置する素子載置領域を有し、前記第3樹脂部は、前記凹部の前記底面より上側の位置にあって前記素子載置領域を環状に取り囲んでおり、前記少なくとも1つの発光素子は、前記素子載置領域に配置されており、前記光反射性部材は、前記樹脂パッケージの前記凹部内において前記凹部の内側壁面と前記第3樹脂部との間に位置し、前記波長変換部材は、前記光反射性部材上に位置し、前記封止部材は、前記樹脂パッケージの前記凹部内において前記少なくとも1つの発光素子および前記波長変換部材を覆っている。
本開示の実施形態によれば、輝度が向上された発光装置を提供し得る。
本開示の実施形態による発光装置を上面側から見たときの外観の一例を模式的に示す斜視図である。 図1に示す発光装置100を下面側から見たときの外観の一例を模式的に示す斜視図である。 発光装置100から封止部材75、波長変換部材85および光反射性部材50を取り除いた構造を樹脂パッケージ10の上面10aの法線方向から見たときの外観の一例を模式的に示す平面図である。 図3に示すIV−IV線の位置で発光装置100を樹脂パッケージ10の上面10aに垂直に切断したときの模式的な断面を示す図である。 図3に示すV−V線の位置で発光装置100を樹脂パッケージ10の上面10aに垂直に切断したときの断面を示す模式的な図である。 図5に示す発光装置100のYZ断面のうち第1発光素子41とその周辺とを拡大して模式的に示す図である。 第1発光素子41を覆う封止部材76中の第2蛍光体の分布の例を参考例として模式的に示す図である。 本開示の他の実施形態による発光装置の模式的な断面を示す図である。 本開示のさらに他の実施形態による発光装置の模式的な断面を示す図である。 集合基板のうちリードフレームの一部を取り出して模式的に示す平面図である。 リードフレームの一部を取り出して示す図であり、図10に示す面とは反対側の面を模式的に示す平面図である。 樹脂成形体付リードフレームのうち、図10に示す4つの発光構造100Lに相当する部分を取り出して模式的に示す平面図である。 素子載置領域21Rに1つの発光素子を配置する例を示す模式的な平面図である。 第3樹脂部33の頂部を覆うように光反射性部材50を形成した例を示す模式的な断面図である。 凹部11内に位置する光反射性部材の形状の他の例を示す模式的な断面図である。 積層構造を有する光反射性部材の例を示す模式的な断面図である。 第1リード相当領域21Aに設けられる溝部21hの配置の他の例を説明するための模式的な平面図である。 実施例1のサンプルに関するスペクトルの測定結果を示すグラフである。 参考例1のサンプルに関するスペクトルの測定結果を示すグラフである。 実施例1のサンプルに関するスペクトルの測定結果と、参考例1のサンプルに関するスペクトルの測定結果とをあわせて1つに描いた図である。 実施例1に関する全光束の測定結果と、参考例1に関する全光束の測定結果とをあわせて示す図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の発光装置を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光装置の構成は、以下の実施形態に限られない。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置を分かりやすさのために用いているに過ぎない。図面が示す構成要素の大きさ、位置関係等は、分かりやすさのために誇張されている場合があり、実際の発光装置における構成要素の大きさおよび位置関係を反映していない場合がある。なお、過度に複雑になることを避けるために、図面において一部の要素の図示を省略することがある。
[発光装置100]
図1および図2は、本開示の実施形態による発光装置の例示的な外観を示す。図1は、本開示の実施形態による発光装置を上面側から見たときの外観の一例を模式的に示し、図2は、図1に示す発光装置を下面側から見たときの外観の一例を模式的に示す。なお、図1および図2には、説明の便宜のために、互いに垂直なX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印があわせて図示されている。本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。
図1に示す発光装置100は、凹部11を有する樹脂パッケージ10と、少なくとも1つの発光素子と、発光素子を覆う封止部材75とを有する。樹脂パッケージ10は、発光装置100の筐体であり、第1樹脂部31、第2樹脂部32および第3樹脂部33を含む樹脂体30と、発光素子を支持する複数のリードとを有する。図1に例示する構成において、発光装置100は、2つの発光素子41および42を含んでいる。以下では、発光素子41および42をそれぞれ第1発光素子41および第2発光素子42と呼ぶ。これら第1発光素子41および第2発光素子42は、樹脂パッケージ10の凹部11内に位置する。
凹部11は、封止部材75で充填されている。封止部材75の表面は、樹脂パッケージ10の上面10aとともに発光装置100の上面を構成する。封止部材75は、透光性を有し、図1では、凹部11の内部の構造を示すために封止部材75を透明な部材として描いている。本開示の他の図面においても、封止部材75を図1と同様に透明な部材として示すことがある。後述するように、封止部材75は、蛍光体の粒子を含有することがある。なお、本明細書における「透光性」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。
図1に示すように、凹部11の内側には、波長変換部材85と、樹脂パッケージ10の樹脂体30のうちの第3樹脂部33とが配置されている。この例では、樹脂体30の第3樹脂部33は、第1発光素子41および第2発光素子42を環状に取り囲んでいる。また、この例では、波長変換部材85も、第1発光素子41および第2発光素子42を環状に取り囲むようにして凹部11の内側に形成されている。図1では、分かりやすさのために、凹部11の内側に位置する構造のうち、波長変換部材85に相当する部分に網掛けを付している。
後に図面を参照しながら詳しく説明するように、波長変換部材85は、樹脂パッケージ10の凹部11の内側に設けられた光反射性部材上に位置する。本開示の典型的な実施形態において、光反射性部材は、凹部11の内側壁面と第3樹脂部33との間に位置し、第1発光素子41および第2発光素子42を取り囲むように形成される。凹部11内において光反射性部材上に波長変換部材85を配置することにより、第1発光素子41および第2発光素子42からの光の少なくとも一部を波長変換部材85に入射させることができる。また、波長変換部材85と光反射性部材との界面での反射を利用して、波長変換部材85によって波長変換された光を樹脂パッケージ10の外部に取り出すことができる。そのため、例えば、封止部材75中の蛍光体の濃度を低下させたり、封止部材75に蛍光体を含有させなくしたりすることが可能になる。その結果、光取出し効率が向上し、発光装置の輝度が増大する。また、後に実施例を参照しながら説明するように、このような構成によれば、封止部材75中の蛍光体の濃度を低下させながらも、蛍光体の濃度の低下に伴うスペクトルの変調、すなわち色味の変化を抑制可能である。
以下、各構成要素を詳細に説明する。
[樹脂パッケージ10]
樹脂パッケージ10は、上面10a、および、上面10aと反対側に位置する下面10bを有する。図1および図2に例示する構成において、樹脂パッケージ10は、上面視において略四角形状の外形を有する。図1において、樹脂パッケージ10の上面10aの四角形状の一辺は、図1中に示すX方向またはY方向に一致している。
樹脂パッケージ10は、4つの外側面10c、10d、10eおよび10fを含む。外側面10dは、外側面10cの反対側に位置し、外側面10fは、外側面10eの反対側に位置する。上述の第1樹脂部31は、樹脂体30のうち、樹脂パッケージ10のこれら外側面10c、10d、10eおよび10fを構成する部分である。上面視における樹脂パッケージ10の外形は、四角形状に限られず、他の形状であってもよい。なお、この例では、樹脂パッケージ10の上面10aに位置する、凹部11の開口11aは、略四角形状を有している。
樹脂パッケージ10は、樹脂体30に加えて、樹脂体30と一体的に形成された複数のリードを含む。ここでは、樹脂パッケージ10の複数のリードは、図2に示すように、互いに間隔をあけて配置された第1リード21および第2リード22を含む。第1リード21と第2リード22との間には、樹脂体30の一部である第2樹脂部32が位置し、これにより、第1リード21および第2リード22は、互いに電気的に絶縁されている。
図2に示すように、第1リード21の下面21bの一部および第2リード22の下面22bの一部は、樹脂パッケージ10の樹脂体30から露出される。第1リード21の下面21bのうち樹脂パッケージ10の下面10bにおいて露出された部分、および、第2リード22の下面22bのうち樹脂パッケージ10の下面10bにおいて露出された部分は、同一平面上に位置する。本明細書における「同一平面」には、±10μm以内のずれがあるような配置関係も含まれる。第1リード21および第2リード22のうち樹脂パッケージ10の下面10bにおいて露出された部分は、第1発光素子41および第2発光素子42への給電用の端子として機能する。図2に例示するように、第1リード21の下面21bのうち樹脂体30から露出された部分の形状と、第2リード22の下面22bのうち樹脂体30から露出された部分の形状とを互いに異ならせてもよい。これらの形状を互いに異ならせることにより、樹脂体30から露出された2つの部分の形状によって第1リード21および第2リード22の極性を判断することができる。
後述するように、第1リード21は、1以上の延伸部21sを有し、第2リード22も1以上の延伸部22sを有する。図1および図2に模式的に示すように、ここでは、第1リード21の一部である延伸部21sの端面が、樹脂パッケージ10の外側面10c、10eおよび10fから露出されている。また、第2リード22の一部である延伸部22sの端面が、樹脂パッケージ10の外側面10d、10eおよび10fから露出されている。
図3は、発光装置100から封止部材75、波長変換部材85および光反射性部材を取り除いた構造を樹脂パッケージ10の上面10aの法線方向から見たときの外観の一例を模式的に示す。第1リード21は、下面21bと反対側に位置する上面21aを有し、第2リード22は、下面22bと反対側に位置する上面22aを有する。第1リード21の上面21aの一部および第2リード22の上面22aの一部は、凹部11の底面11bにおいて樹脂体30から露出される。すなわち、凹部11の底面11bには、第1リード21の上面21aの一部および第2リード22の上面22aの一部が位置する。なお、第1リード21の上面21aの一部および第2リード22の上面22aの一部と同様に、第2樹脂部32の上面32aも、凹部11の底面11bに位置する。凹部11の底面11bとは、凹部11の形状を規定する面のうち、第1リード21の上面21aおよび第2リード22の上面22aと同一平面にある部分を指す。
この例では、第1リード21の上面21a上に第1発光素子41および第2発光素子42が配置されている。すなわち、第1リード21は、少なくとも1つの発光素子が配置される素子載置領域21Rを上面21aに有する。輝度向上の観点から、第1リード21の素子載置領域21Rの表面に、発光素子(この例では第1発光素子41および第2発光素子42)からの光を反射するめっき層が形成されていることが好ましい。なお、この例では、第2リード22の上面22a上に保護素子60が配置されている。
第1リード21の素子載置領域21Rは、凹部11の底面11bに位置する。樹脂体30のうち第3樹脂部33は、凹部11の底面11bから開口11aに向けて突出し、素子載置領域21Rを取り囲む。この例では、第3樹脂部33は、第2樹脂部32上に位置する部分を含んでおり、切れ目なく環状に素子載置領域21Rを取り囲んでいる。素子載置領域21Rは、第1リード21の上面21aのうち樹脂体30から露出された領域であって、かつ、環状の第3樹脂部33の内側の領域であるといってもよい。上面視において、環状の第3樹脂部33の内縁の形状は、特に限定されず、例えば多角形状でもよく、円形状等であってもよい。
図3に模式的に示すように、第1発光素子41および第2発光素子42のそれぞれは、ワイヤ43によって第1リード21および第2リード22に電気的に接続される。ここで第2リード22に注目すると、第2リード22は、ワイヤ接続領域22Rを有している。ワイヤ接続領域22Rは、第2リード22の上面22aのうち樹脂体30から露出された領域であって、発光素子との接続を有するワイヤが接続される領域である。素子載置領域21Rと同様に、ワイヤ接続領域22Rの表面にめっき層が位置してもよい。なお、図3では、分かりやすさのために、ワイヤ接続領域22Rが網掛けの付された領域として描かれているが、第2リード22の上面22aにおいて、ワイヤ接続領域22Rと、その他の領域との間に必ずしも明確な境界が存在するわけではない。
ワイヤ接続領域22Rは、凹部11の底面11bのうち樹脂体30の第3樹脂部33によって取り囲まれた領域の外側に位置する。この例では、発光装置100が第1発光素子41および第2発光素子42の2つの素子を含むことに対応して、アノードまたはカソードとしての第2リード22の上面22aに2つのワイヤ接続領域22Rが設けられている。ワイヤ接続領域22Rの数および配置は、発光装置に含まれる発光素子の数、複数の発光素子を直列に接続するかあるいは並列に接続するか等に応じて、第2リード22の上面22aのうち第1樹脂部31と第3樹脂部33との間に位置する領域において適宜に変更することができる。
樹脂体30の第1樹脂部31は、凹部11の内側壁面を構成する壁面31c、31d、31eおよび31fを有する。樹脂パッケージ10の凹部11は、複数のリードの上面と、第2樹脂部32の上面と、樹脂体30の第1樹脂部31の内側壁面とにより形成される構造であるといえる。壁面31cおよび壁面31dは、互いに対向し、壁面31eおよび壁面31fは、互いに対向する。壁面31c、31d、31eおよび31fは、それぞれ、外側面10c、10d、10eおよび10fの反対側に位置する。図3に示す例では、壁面31c、31d、31eおよび31fのうち、隣接する2つは、曲面を構成するように滑らかに接続されており、2つの壁面の間に明瞭な境界は形成されていない。
図3に示す例では、凹部11の開口11aは、上面視において、略四角形状を有し、4つの角部のうちの3つが丸まっている。図3に示す例では、開口11aの略四角形状の4つの角部のうちの1つが直線状に面取りされることにより、樹脂パッケージ10にマークMkが形成されている。このマークMkは、第1リード21および第2リード22の極性を示すアノードマークあるいはカソードマークとして機能する。なお、この例では、凹部11の底面11bの外縁は、上面視において、4つの角部の位置で、開口11aの外縁の角部と比較して、より半径の大きい円弧を描くように丸まっている。
図4は、発光装置100を発光装置100の中央付近で樹脂パッケージ10の上面10aに垂直に切断したときの断面を模式的に示す。図4に示す断面は、図3に示すIV−IV線の位置で発光装置100を切断したときのZX面断面である。ただし、図面が過度に複雑になることを避けるために、図4ではワイヤ43等の一部の要素の図示を省略している。なお、図3は、発光装置100から封止部材75、波長変換部材85および後述の光反射性部材50を取り除いた模式的な平面図であるが、図4には、これら封止部材75、波長変換部材85および光反射性部材50も表されている。
第3樹脂部33は、樹脂体30のうち凹部11の底面11bより上側の位置にある。図4に示すように、凹部11の底面11bのうち第1樹脂部31の内側壁面(図4においては壁面31e、31f)と第3樹脂部33との間の領域には、傾斜面50sを有する光反射性部材50が形成されている。第3樹脂部33が凹部11の底面11bから突出する形状を有することにより、光反射性部材50の形成の工程において、第3樹脂部33を、光反射性部材50の材料が素子載置領域21Rに流入することを防止するダムとして機能させ得る。すなわち、樹脂体30に第3樹脂部33を設けることにより、光反射性部材50の形成の工程において第1発光素子41、第2発光素子42の側面が光反射性部材50で覆われることを抑制できる。
第3樹脂部33の高さ、すなわち、凹部11の底面11bから第3樹脂部33の頂部までの距離は、例えば70μm以上100μm以下程度の範囲である。なお、第3樹脂部33の断面形状は、図4に例示する形状に限定されず、種々の断面形状を採用し得る。第3樹脂部33の表面が、断面視において凹部11の底面11bに対して傾斜する傾斜部を含んでいてもよい。後述するように、第3樹脂部33は、酸化チタンの粒子等の光反射性のフィラーを含有する樹脂材料から形成され得る。第3樹脂部33が、発光素子に対向する傾斜部を有することにより、傾斜部の表面を反射面として利用することが可能である。すなわち、発光素子から出射されて第3樹脂部33に入射した光を傾斜部の位置で凹部11の開口11a側に反射させることができるようになり、光の取出し効率が向上する。すなわち、より高い輝度が得られる。環状の第3樹脂部33の全周にわたって傾斜部が設けられていると、発光装置の光の取出し効率の向上に有利である。
図4に例示する構成において、光反射性部材50の傾斜面50sは、凹部11の底面11b側に窪んでいる。光反射性部材50の表面は、樹脂体30の第1樹脂部31に向かって窪んだ凹面形状を有し得る。さらに本開示の実施形態では、光反射性部材50上に波長変換部材85が配置される。凹部11のうちの残りの空間は、封止部材75で充填されている。すなわち、封止部材75は、凹部11内において、素子載置領域21Rに配置された発光素子(この例では第1発光素子41および第2発光素子42)と、波長変換部材85とを覆う。
図4に例示する構成において、第1リード21の上面21aは、溝部21gを有しており、樹脂体30の材料の一部は、この溝部21g内に位置している。図4は、樹脂体30のうち第1リード21の溝部21gの内部に位置する部分が、樹脂体30の第3樹脂部33の材料と同一の材料から形成された例を示している。この例のように、第1リード21の上面21aに設けた溝部21g内に樹脂体30の材料の一部を配置し、その少なくとも一部が溝部21gと重なるように第3樹脂部33を形成することが好ましい。第3樹脂部33が溝部21gと重なる部分を含むことにより、第1リード21の上面21aに直接に第3樹脂部33を形成した場合と比較して、第1リード21から第3樹脂部33が剥離してしまうおそれを低減できる。図4に例示するように、樹脂体30のうち第1リード21の溝部21gの内部に位置する部分の幅は、典型的には、その部分の直上に位置する第3樹脂部33の幅よりも大きい。第3樹脂部33の幅と比較して樹脂体30のうち第1リード21の溝部21gの内部に位置する部分の幅を大きくすることにより、樹脂体30と第1リード21との間の界面の面積を大きくすることができるので、第1リード21からの第3樹脂部33の剥離をより効果的に抑制し得る。
図4に示す例では、樹脂体30は、第1リード21の上面21aの一部を覆う第4樹脂部34をさらに有している。図3および図4に示すように、第4樹脂部34は、第1樹脂部31の壁面31eと第3樹脂部33とを接続している。この例のように、第1リード21の上面21aを覆う第4樹脂部34を樹脂体30に設けることにより、樹脂体30と第1リード21との間の結合をより強固とすることができる。なお、図4に示す例において第4樹脂部34の上面は、凹部11の底面11bよりも高い位置にある。
この例では、第1リード21の上面21aは、2つの溝部21hをさらに有している。溝部21hは、第1発光素子41、第2発光素子42と重なる位置に上面21aに設けられている。図4に模式的に示すように、第1発光素子41および第2発光素子42は、樹脂あるいは半田等の接合部材44によって第1リード21の上面21aに接合される。このとき、第1発光素子41、第2発光素子42と重なる位置に溝部21hを形成しておくことにより、接合部材44の一部を溝部21hの内部に配置させることができる。溝部21hの内部に接合部材44の一部を位置させることにより、第1リード21と接合部材44との間の接合強度を向上させる効果が得られる。
溝部21hは、素子載置領域21Rのうち発光素子と重なる領域に例えば直線状に形成される。溝部21hの形状、本数、配置等は、発光素子の数、配置等に応じて適宜に変更可能であり、この例のような2本の直線状の形態に限定されない。なお、素子載置領域21Rに配置される発光素子の数が1つである場合、発光素子が2本の溝部の間に配置されることもあり得る。
[第1発光素子41、第2発光素子42]
第1発光素子41および第2発光素子42としては、LED等の半導体発光素子を用いることができる。図4に例示する構成において、発光装置100は、第1発光素子41および第2発光素子42の2つの発光素子を有する。しかしながら、本開示の実施形態による発光装置が有する発光素子の数は、この例に限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
第1発光素子41および第2発光素子42は、紫外〜可視域の発光が可能な窒化物半導体(InAlGa1−x−yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含み得る。第1発光素子41および第2発光素子42から発せられる光のスペクトルは、同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。例えば、第1発光素子41が青色光を出射し、第2発光素子42が緑色光を出射してもよい。発光装置が3つの発光素子を有する場合、3つの発光素子が、それぞれ、青色光、緑色光、赤色光を出射してもよい。以下では、第1発光素子41および第2発光素子42として、青色光を出射するLEDを例示する。
[接合部材44]
第1発光素子41および第2発光素子42は、接合部材44によって第1リード21の素子載置領域21Rに固定される。接合部材44としては、例えば、樹脂体30の母材として用いられ得る樹脂材料を用いることができる。あるいは、錫−ビスマス系、錫−銅系、錫−銀系もしくは金−錫系などの半田、銀、金もしくはパラジウム等を含有する導電性ペーストもしくはバンプ、低融点金属等のろう材、または、異方性導電材を接合部材44として用いることができる。
[ワイヤ43]
第1発光素子41および第2発光素子42は、ワイヤ43によって第1リード21および第2リード22に電気的に接続される(図3参照)。図3に示す例では、第1発光素子41および第2発光素子42は、電気的に並列に接続されている。第1発光素子41および第2発光素子42が直列に接続されることもあり得る。
ワイヤ43としては、例えば、金、銅、銀、白金、アルミニウム、パラジウム等の金属またはこれらの1種以上を含む合金のワイヤを用いることができる。ワイヤ43の材料が金を含んでいると、熱抵抗等に優れ、封止部材75からの応力による破断が生じにくいワイヤが得られるので有利である。ワイヤ43の材料が銀を含んでいると、高い光反射率を示すワイヤが得られるので有利である。特に、金および銀の双方を含むワイヤを用いると有益である。ワイヤ43が金および銀の双方を含むワイヤである場合、銀の含有比率を例えば15%以上20%以下、45%以上55%以下、70%以上90%以下または95%%以上99%以下の範囲とすることができる。特に、銀の含有比率が45%以上55%以下である場合、高い光反射率を得ながら、硫化の可能性を低減し得る。ワイヤ43の断面の直径は、適宜選択でき、例えば5μm以上50μm以下とすることができる。ワイヤ43の断面の直径は、10μm以上40μm以下であるとより好ましく、15μm以上30μm以下であるとよりいっそう好ましい。
[保護素子60]
図3に例示するように、発光装置100は、保護素子60を有し得る。保護素子60としては、ツェナーダイオードに代表される種々の保護素子を用いることができる。保護素子60は、例えば第2リード22の上面22aに配置され、光反射性部材50内に埋め込まれる。保護素子60を覆うように光反射性部材50を形成することにより、第1発光素子41、第2発光素子42からの光が保護素子60に吸収されることを抑制することができる。
保護素子60は、典型的には、発光素子(ここでは第1発光素子41および第2発光素子42)と電気的に並列に接続される。図3に示す例では、保護素子60の2つの端子のうちの一方が、ワイヤによって第1リード21の上面21aに接続されている。保護素子60の他方の端子は、例えば半田、導電性ペースト、バンプ、異方性導電材、または、低融点金属等のろう材によって第2リード22の上面22aに電気的に接続され得る。
[光反射性部材50]
図1および図4から理解されるように、光反射性部材50は、樹脂パッケージ10の凹部11内において、凹部11の内側壁面(壁面31c、31d、31eおよび31f)と、樹脂体30の第3樹脂部33との間の領域に位置する。光反射性部材50は、発光素子からの光および/または外光に対する透過率が低いか、あるいは、発光素子からの光および/または外光を吸収しにくい材料を用いることができる。例えば、母材としての樹脂に光反射性のフィラーが分散された樹脂材料から光反射性部材50を形成することができる。凹部11の底面11bのうち内側壁面と第3樹脂部33との間の領域に未硬化の樹脂材料をポッティング等によって付与した後、付与された樹脂材料を硬化させることによって凹部11内に光反射性部材50を形成できる。
光反射性部材50は、凹部11の内側壁面と、素子載置領域21Rを取り囲む第3樹脂部33との間に形成される。平面視において第1発光素子41および第2発光素子42を取り囲むようにして凹部11内に光反射性部材50を形成することにより、第1発光素子41、第2発光素子42から出射され、光反射性部材50に入射した光を傾斜面50sで凹部11の開口11aに向けて反射させることができる。すなわち、凹部11内に光反射性部材50を設けることにより、発光装置の光取り出し効率を向上させ得る。
図4に模式的に示すように、光反射性部材50は、凹部11の開口11aから、少なくとも第3樹脂部33の位置にわたって形成され得る。図4に示す例のように、断面視において、光反射性部材50の傾斜面50sの上端部および下端部を結ぶ直線と、凹部11の底面11bとにより形成される傾斜角は、凹部11の内側壁面(例えば壁面31f)の上端部および下端部を結ぶ直線と、凹部11の底面11bとにより形成される傾斜角よりも小さいことが好ましい。傾斜面50sの傾斜が凹部11の内側壁面の傾斜よりもなだらかであると、光反射性部材50を発光素子のより近くにまで形成できる。発光素子の近傍にまで光反射性部材50を形成することにより、第1発光素子41、第2発光素子42から出射されて光反射性部材50に入射した光を効率的に開口11aへ向けて反射させることができる。第3樹脂部33の頂部が発光素子の上面よりも低いことが好ましい。このような構成によれば、発光素子からの光を光反射性部材50の傾斜面50sに入射させやすくなるので、発光素子から出射した光を効率的に開口11aから外部へ出射させることが可能になる。
断面視において、光反射性部材50の表面である傾斜面50sの形状は、直線形状に限定されない。特にここでは、光反射性部材50の傾斜面50sは、樹脂体30の第1樹脂部31に向かって窪んだ凹面形状を有している。光反射性部材50の表面が凹面であることにより、入射した光を凹部11の底面11bとは反対側に向けて反射させやすくなる。また、光反射性部材50の表面を凹面とすることにより、光反射性部材50上への波長変換部材85の形成が容易になる。
光反射性部材50の母材としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。母材の具体例は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、シリコーン樹脂等である。母材に分散させる光反射性のフィラーとしては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム等の粒子を用いることができる。光反射性部材50が白色を有すると有益である。母材としての樹脂に、発光素子からの光を吸収しにくくかつ母材との間の屈折率差の大きい反射部材を分散させてもよい。
[波長変換部材85]
光反射性部材50上に位置する波長変換部材85は、樹脂等の母材(第1母材)と、母材中に分散された蛍光体の粒子とを含有し、入射した光の一部を吸収して、入射した光とは異なる波長の光を発する。光反射性部材50上に波長変換部材85を形成することにより、第1発光素子41または第2発光素子42から出射された光と、波長変換部材85から発せられた光とにより、例えば白色光を取り出すことが可能になる。波長変換部材85の母材としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂から選択された材料を用いることができる。
波長変換部材85は、第1蛍光体を含む1種以上の蛍光体を含有する。波長変換部材85の母材に分散させる蛍光体には、公知の材料を適用することができる。第1蛍光体としては、例えば、525nm超535nm以下の帯域に発光ピーク波長を有する蛍光体を適用することができる。525nm超535nm以下の帯域に発光ピーク波長を有する蛍光体の例は、G−YAGと呼ばれるYAG系蛍光体(例えばY(Al,Ga)12:Ce )である。YAG系蛍光体は、青色光を黄色光〜黄緑色光に変換する。第1蛍光体として、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、CASN等の窒化物系蛍光体、βサイアロン蛍光体等を適用してもよい。KSF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する蛍光体の例であり、βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する蛍光体の例である。第1蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。
図1に例示するように、波長変換部材85は、平面視において、素子載置領域21Rに配置された1以上の発光素子を連続的に取り囲む形状を有し得る。平面視において発光素子を連続的に取り囲むように凹部11内に波長変換部材85を形成することにより、凹部11内において波長変換部材85が点在するような配置と比較して、発光面である封止部材75の上面における色ムラをより効果的に抑制できる。
図4に例示するように、本開示の典型的な実施形態において、波長変換部材85は、第1リード21から離れている。また、図4には表れていないが、波長変換部材85は、第2リード22からも離れている。換言すれば、波長変換部材85は、第1リード21の上面21aと接している部分を有しておらず、また、第2リード22の上面22aと接している部分も有しない。図4に示す例では、波長変換部材85は、凹部11の底面11bのうち樹脂体30の第3樹脂部33で取り囲まれた領域の内側には延びていない。したがって、図4に例示する構成において、波長変換部材85は、第1発光素子41および第2発光素子42のいずれからも離れている。このような構成によれば、素子載置領域21Rに配置された発光素子が波長変換部材85によって覆われない。そのため、発光素子からの光のうち波長変換部材85によって反射された光が発光素子に吸収されることを抑制できる。これにより、発光装置の光取出し効率の低下を抑制することができる。
[封止部材75]
封止部材75は、樹脂等の第2母材を少なくとも含有し、凹部11内において第1発光素子41、第2発光素子42、樹脂体30の第3樹脂部33、波長変換部材85およびワイヤ43等を覆っている。封止部材75は、第1発光素子41および第2発光素子42を被覆することにより、これらを外力、埃、水分等から保護する機能を有する。
第2母材としては、波長変換部材85の第1母材と同様の材料を適用できる。発光素子から出射される光に対して60%以上の透過率を有する材料を第2母材に選択すると有益であり、発光素子から出射される光に対する第2母材の透過率が90%以上であるとより有益である。第2母材の具体例は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂またはこれらの1つ以上を含む樹脂材料等である。封止部材75は、単層であってもよいし、複数層から構成されてもよい。第2母材に、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等の粒子を分散させてもよい。
素子載置領域21R内の発光素子から出射されて凹部11の内側壁面に向かって進行する光は、光反射性部材50の傾斜面50sの位置で凹部11の開口11aに向けて反射される。換言すれば、波長変換部材85と光反射性部材50との間の界面は、反射面としての機能を有する。封止部材75と波長変換部材85との間の界面での全反射を低減させて、波長変換部材85と光反射性部材50との間の界面に効果的に光を到達させる観点からは、波長変換部材85中の第1母材の屈折率と、封止部材75中の第2母材の屈折率との間に実質的な差異が無いと有利である。より具体的には、波長変換部材85中の第1母材の屈折率をn、封止部材75中の第2母材の屈折率をnとしたとき、|n−n|≦0.05の関係が成立することが好ましい。封止部材75と波長変換部材85との間の界面での全反射が低減される結果、素子載置領域21R内の発光素子からの光を波長変換部材85に入射させやすくなる。これにより、発光素子からの光によって励起されることにより波長変換部材85から発せられた光を発光装置100の外部に取り出しやすくなる。第1母材および第2母材として、ともにフェニルシリコーン樹脂(少なくとも1つのフェニル基を分子中に有する有機ポリシロキサンを含有する樹脂)を選択することにより、|n−n|≦0.05の関係を満足させることができる。
ここで、本明細書における「屈折率」は、素子載置領域21Rに配置された発光素子の発光ピーク波長における屈折率を意味する。図4に示す例のように、素子載置領域21Rに複数の発光素子が配置される場合、本明細書における「屈折率」は、それら発光素子のうちのいずれか1つの発光ピーク波長における屈折率として解釈される。
上述したように、波長変換部材85と光反射性部材50との間の界面は、反射面としての機能を有する。したがって、光反射性部材50中の母材(第4母材)の屈折率が、波長変換部材85中の第1母材の屈折率よりも小さいと有益である。光反射性部材50中の母材が波長変換部材85中の第1母材よりも小さい屈折率を有することにより、波長変換部材85と光反射性部材50との間の界面における全反射を利用して発光装置100の光取出し効率を向上させ得る。例えば、波長変換部材85中の第1母材としてフェニルシリコーン樹脂を選択し、光反射性部材50中の母材として、ジメチルシリコーン樹脂(2つのメチル基がケイ素原子に結合したDユニットを有する有機ポリシロキサンを含有する樹脂)を選択することにより、発光装置100の輝度向上の効果が期待できる。
封止部材75は、第1発光素子41および/または第2発光素子42からの光の波長を変換する1種以上の蛍光体を含有していてもよい。例えば、封止部材75は、第2母材に加えて第2蛍光体を含有し得る。第2蛍光体として、波長変換部材85中の第1蛍光体よりも長波長側に発光ピーク波長が位置する蛍光体を選択することが有益である。波長変換部材85が第1蛍光体として例えばG−YAGを含有する場合、封止部材75中に分散させる第2蛍光体として、515nm以上525nm以下の帯域に発光ピーク波長を有する蛍光体を用いることができる。このような蛍光体の例は、LAG系蛍光体(例えばLuAl12:Ce)である。
封止部材75中の第2蛍光体の発光ピーク波長が、封止部材75と比較して発光素子からより遠くに位置する波長変換部材85中の第1蛍光体の発光ピーク波長よりも長いことにより、第2蛍光体からの光による波長変換部材85中の第1蛍光体の励起を回避し得る。換言すれば、第2蛍光体からの光が第1蛍光体に吸収されることによる、光取出し効率の低下を回避し得る。
封止部材75は、第2蛍光体に加えてさらに別種の蛍光体を含有していてもよい。例えば、波長変換部材85が第1蛍光体としてG−YAGを含有し、封止部材75が第2蛍光体としてのG−YAGと、付加的にYAGとを含有していてもよい。ただし、封止部材75中の全体としての蛍光体の濃度は、波長変換部材85中に含まれる全ての蛍光体(これは第1蛍光体を含む。)の濃度よりも低い。例えば、波長変換部材85が第1蛍光体としてG−YAGを含有し、封止部材75がYAGと、第2蛍光体としてのG−YAGとを含有する場合、封止部材75中の、YAGおよびG−YAG全体としての濃度は、波長変換部材85中のG−YAGの濃度よりも低くされる。
発光装置を構成する部材中の蛍光体の濃度は、発光装置を発光装置の中央付近で上面に垂直に切断したときの断面(例えば図3中のIV-IV断面)のSEM画像から算出できる。例えば封止部材75中の蛍光体の濃度であれば、まず、発光装置の全体が含まれるようにして発光装置の断面に関する画像を取得する。そして得られた画像中の封止部材75全体に対して封止部材75中の蛍光体が占める面積の割合を、封止部材75中の蛍光体の濃度とすることができる。波長変換部材85中の蛍光体の濃度についても同様に、発光装置の断面に関する画像中に表れた波長変換部材85中の蛍光体の面積を求め、波長変換部材85全体の面積に対する割合を計算すればよい。なお、蛍光体の濃度を算出するための断面は、発光装置の上面の矩形状の一辺と平行、垂直のいずれであってもよい。あるいは、発光装置の上面の矩形状の対角線に沿って切断したときの断面画像に基づいて部材中の蛍光体の濃度を算出してもよい。
後に実施例を参照しながら説明するように、本発明者の検討によれば、波長変換部材85と比較して発光素子のより近くに位置する部分を有する封止部材75中の蛍光体の濃度を低下させることにより、光取出し効率を向上させ得る。封止部材75中の、第2蛍光体を含む全ての蛍光体の濃度は、好ましくは、波長変換部材85中の、第1蛍光体を含む全ての蛍光体の濃度の0.1倍以上0.5倍未満である。封止部材75中の蛍光体の全体の濃度が、波長変換部材85中の蛍光体の濃度の0.1倍以上であると、演色性向上の観点から有利である。
後述するように、封止部材75は、波長変換部材85の形成後、ポッティング等によって凹部11を樹脂等の第2母材と少なくとも第2蛍光体とを含有する材料で充填後、充填された材料を硬化することにより形成できる。このとき、凹部11内に充填された材料の硬化までに、第2母材に分散された第2蛍光体が沈降することがあり得る。
図5は、図3に示すV−V線の位置で発光装置100を樹脂パッケージ10の上面10aに垂直に切断したときの断面を模式的に示す。図3は、発光装置100から封止部材75、波長変換部材85および光反射性部材50を取り除いた模式的な平面図である。図4と同様に、図5においても、封止部材75、波長変換部材85および光反射性部材50を省略せずにこれらの部材を図示している。図6は、図5に示す発光装置100のYZ断面のうち第1発光素子41とその周辺とを拡大して模式的に示す。なお、これらの図では、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示が省略されている。
図5および図6に例示する構成において、第1発光素子41は、下面411bを有する支持基板411と、1以上の半導体層を含む半導体積層構造412とを有する。支持基板411は、例えばサファイア基板または窒化ガリウム基板である。図5および図6に示す例では、第1発光素子41は、支持基板411の下面411bが第1リード21の上面21aと対向するようにして、接合部材44によって第1リード21に接合されている。この例では、半導体積層構造412は、支持基板411の、下面411bとは反対側の主面上に形成されている。すなわち、ここでは、半導体積層構造412は、支持基板411に関して第1リード21とは反対側に位置している。
半導体積層構造412は、活性層と、活性層を挟むn型半導体層およびp型半導体層とを含む。図5および図6に示す例では、半導体積層構造412上にp側およびn側の電極414が設けられている。この例では、支持基板411の下面411bは、第1発光素子41の下面に一致しており、したがって、電極414は、第1発光素子41の下面とは反対側の上面41a側に位置するといえる。
上述したように、封止部材75の形成の工程において、凹部11内に充填された材料の硬化までに、第2母材に分散された第2蛍光体が沈降することがあり得る。したがって、封止部材75中の第2蛍光体の濃度は、図のZ方向に沿って凹部11の底面11bから開口11aに向かって低下するような勾配を有し得る。図6中、網掛けの丸75pは、封止部材75中の第2蛍光体を模式的に表している。図6に示す例では、素子載置領域21Rに配置される発光素子、例えば第1発光素子41の上面41aの高さにおける第2蛍光体の濃度は、第1発光素子41の下面の高さ(ここでは支持基板411の下面411bの高さに一致)における第2蛍光体の濃度よりも小さい。換言すれば、図6に例示する構成において、封止部材75のうち断面視において第1発光素子41と第3樹脂部33との間に位置する部分における第2蛍光体の濃度は、第1リード21の上面21aの位置から第1発光素子41の上面41aの位置に向かって低下している。
図7は、封止部材中の第2蛍光体の分布の他の例を参考例として模式的に示す。図7は、光反射性部材50上への波長変換部材85への形成が省略された構成を有する発光装置における封止部材中の第2蛍光体の分布の一例を模式的に示している。図6を参照しながら説明した例と比較して、図7に示す例では、第1発光素子41を覆う封止部材76中に、より多くの第2蛍光体76pが分散されている。
上述したように、第2蛍光体の沈降が生じた場合、封止部材のうち凹部11の底面11b付近に位置する部分の第2蛍光体の濃度が高くなりやすい。図7に示す例では、より多くの量の第2蛍光体76pが封止部材76中に含まれる結果、第1発光素子41の上面と下面との間に位置する側面を覆うように第2蛍光体76pが凹部11の底面11b付近に位置している。この例のように発光素子の側面付近に多くの蛍光体が存在すると、発光素子の側面から出射された光の一部が蛍光体によって反射されて発光素子に吸収されることがある。すなわち、発光素子からの光が、発光素子の側面付近に位置する蛍光体によって反射されることを抑制することにより、発光装置の光取り出し効率を向上できる余地がある。
これに対し、本開示の実施形態では、発光素子を取り囲むようにして凹部11内に形成される光反射性部材50上に、波長変換部材85を配置している。そのため、光反射性部材50上に波長変換部材85を有しない構成と比較して、封止部材75中の蛍光体の濃度を低下させ得る。光反射性部材50上に波長変換部材85を有しない構成と比較して封止部材75中の蛍光体の濃度を低下させることが可能であるので、発光素子の側面付近への蛍光体の堆積を抑制できる。これにより、発光素子の特に側面から出射された光が封止部材75中の蛍光体によって反射されて発光素子に吸収されることを抑制し得る。すなわち、より多くの光を光反射性部材50の傾斜面50sに到達させることが可能になり、発光素子の側面付近への蛍光体の堆積に起因する光取出し効率の低下を抑制し得る。なお、封止部材75中の蛍光体に沈降が生じていない場合でも、蛍光体の濃度の低下により、封止部材75中の蛍光体によって反射されて発光素子に吸収されてしまう光を減少させ得る。すなわち、封止部材75中の蛍光体に沈降が生じていない場合であっても、封止部材75中の蛍光体の濃度の低下により、発光装置の輝度向上の効果が期待できる。また、反射面として機能する光反射性部材50の表面を選択的に覆うようにして凹部11内に波長変換部材85を配置することにより、封止部材75中の蛍光体の濃度を低下させながらも、封止部材75中の蛍光体の濃度の低下に伴う、出射光の色味の変化を抑制することが可能になる。
素子載置領域21Rに配置される発光素子の上面の高さにおける第2蛍光体の濃度、および、発光装置の下面の高さにおける第2蛍光体の濃度は、発光装置を構成する部材中の蛍光体の濃度と同様に、発光装置を上面に垂直に切断したときの断面画像から算出することができる。まず、発光装置の断面画像中に、一辺の長さが発光装置の高さ(上面と下面との間の距離)の例えば1/3の正方形の領域を想定する。そして、発光素子の下面の高さにおける第2蛍光体の濃度であれば、この正方形の領域の底辺が発光素子の下面の位置に一致するようにして、この領域全体の面積に占める蛍光体の面積の割合を求める。同様の面積比を複数箇所で算出し、それらの平均値を、発光素子の下面の高さにおける第2蛍光体の濃度とすることができる。発光素子の上面の高さにおける第2蛍光体の濃度であれば、正方形の領域の底辺に対向する辺が発光素子の上面の位置に一致するようにして、同様の手順で面積比の平均値を求め、これを発光素子の上面の高さにおける第2蛍光体の濃度とすればよい。なお、第2蛍光体の濃度の算出に利用する正方形の領域の一辺の長さは、発光装置の高さの1/3に限定されず、他の値を採用してもよい。
図8は、本開示の他の実施形態による発光装置の模式的な断面を示す。図4、図5等を参照しながら説明した発光装置100と比較して、図8に示す発光装置100Aは、第1発光素子41の上面41a上に位置する被覆部材751をさらに有している。図8に例示する構成において、樹脂パッケージ10の凹部11内に位置する封止部材75は、この被覆部材751をも覆っている。なお、図8では、図4に示す断面と同様に、発光装置100Aを発光装置100Aの中央付近で樹脂パッケージ10の上面10aに垂直に切断したときのZX断面を模式的に示している。
被覆部材751は、第3母材と、第3母材中に分散された第3蛍光体とを含有し得る。第3母材、第3蛍光体を含有する未硬化の状態の材料をポッティングによって第1発光素子41の上面41a上に付与し、付与された材料を硬化させることにより、被覆部材751を形成することができる。
ここで、第3蛍光体としては、波長変換部材85中の第1蛍光体とは異なる蛍光体が選択され得る。例えば、第3蛍光体としては、波長変換部材85中の第1蛍光体と比較して、より長い発光ピーク波長を有する蛍光体が用いられ得る。第1発光素子41のより近くに配置された被覆部材751中の第3蛍光体の発光ピーク波長が波長変換部材85中の第1蛍光体の発光ピーク波長よりも長波長側に位置することにより、第3蛍光体からの光による波長変換部材85中の第1蛍光体の励起を回避し得る。すなわち、発光装置100Aの光取出し効率を向上させ得る。このように、本開示の実施形態では、発光素子からより離れた位置にある部材中の蛍光体ほど、より短い発光ピーク波長を示し得る。波長変換部材85が第1蛍光体として例えばG−YAGを含有する場合、被覆部材751は、607nm以上640nm以下の帯域に発光ピーク波長を有する蛍光体を第3蛍光体として含有し得る。607nm以上640nm以下の帯域に発光ピーク波長を有する蛍光体の例は、SCASNと呼ばれる窒化物系蛍光体(例えば(Sr,Ca)AlSiN:Eu )である。
一般的に、LED等の発光素子においては光軸付近の光強度が高い。図8に例示する構成のように、発光素子の上面を覆うようにして、第3蛍光体を含有する被覆部材751を発光素子の上面に形成することにより、発光装置100Aから出射される光のスペクトルの長波長側における強度を向上させ得る。すなわち、色温度を低下させる効果が得られる。
第3母材としては、波長変換部材85中の第1母材または封止部材75中の第2母材と同様の材料を適用できる。ただし、封止部材75中の第2母材の屈折率nと、被覆部材751中の第3母材の屈折率nとの間に、|n−n|≦0.05の関係が成立することが好ましい。封止部材75中の第2母材の屈折率と被覆部材751中の第3母材の屈折率との間に実質的な差異が無いことにより、封止部材75と被覆部材751との界面における全反射を抑制でき、発光装置の光取出し効率の向上が期待できるからである。|n−n|≦0.05の関係を満足する第2母材および第3母材の組み合わせとして、第2母材および第3母材ともにフェニルシリコーン樹脂を用いる構成を例示できる。
図9は、本開示のさらに他の実施形態による発光装置の模式的な断面を示す。素子載置領域21Rに複数の発光素子が配置される場合、それら発光素子の上面上に被覆部材を形成してもよい。図8に示す発光装置100Aと比較して、図9に示す発光装置100Bは、第1発光素子41の上面41a上に位置する被覆部材751に加えて、第2発光素子42の上面42a上に位置する被覆部材752を有する。なお、図9は、上述の図8と同様に、発光装置100Bを発光装置100Bの中央付近で樹脂パッケージ10の上面10aに垂直に切断したときのZX断面を模式的に示している。
第2発光素子42上の被覆部材752は、蛍光体を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。例えば、第1発光素子41上に被覆部材751を配置するだけでは、樹脂パッケージ10の外部に取り出される光の色温度が低すぎる場合等には、被覆部材752の母材中にSCASN等の蛍光体を分散させてもよい。このとき、第1発光素子41上の被覆部材751と第2発光素子42上の被覆部材752との間で、蛍光体の濃度を異ならせてもよい。
被覆部材751中の蛍光体と、被覆部材752中の蛍光体とが共通であることは、必須ではない。すなわち、被覆部材752中の蛍光体が被覆部材751中の第3蛍光体と同じでないこともあり得る。例えば、被覆部材751には、青色光を赤色光に変換するCASN等の波長変換部材を第3蛍光体として含有させ、被覆部材752には、入射した光を赤色光よりも短波長の光(黄色光、緑色光または青色光)に変換する蛍光体を含有させてもよい。このとき、図9に例示する構成のように、被覆部材751および被覆部材752が独立して第1発光素子41上および第2発光素子42上にそれぞれ個別に形成されると、被覆部材751と被覆部材752とが空間的に離れて配置されることになる。このような被覆部材751および被覆部材752の配置によれば、被覆部材752中の蛍光体によって波長変換を受けた光による被覆部材751中の第3蛍光体の励起を抑制することが可能になる。すなわち、凹部11の内部において被覆部材751と被覆部材752とを空間的に離して配置することにより、被覆部材752中の蛍光体によって波長変換を受けることにより生じる、赤色光よりも短波長の光が被覆部材751に吸収されることを抑制できる。そのため、被覆部材752から出射される、赤色光より短波長の光を取り出しやすくなる。なお、より高い輝度を得る観点からは、樹脂パッケージ10の凹部11の内部に複数の発光素子が配置される場合、蛍光体を含有する被覆部材を、図8の例のように複数の発光素子のうちの一部の発光素子の上面上に選択的に配置することが有利である。
被覆部材751および被覆部材752は、未硬化の状態の材料をポッティング法等により第1発光素子41の上面および第2発光素子42の上面に付与した後、付与された材料を硬化させることにより、形成できる。被覆部材751は、第1発光素子41の側面を覆っていてもよい。同様に、被覆部材752は、第2発光素子42の側面を覆っていてもよい。母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、被覆部材751および/または被覆部材752に光拡散の機能を付与してもよい。
[発光装置の例示的な製造方法]
以下、本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を簡単に説明する。概略的には、発光装置の製造方法は、リードフレームをその一部に含む集合基板を準備する工程と、集合基板を個片化し、複数の発光装置を得る工程とを含む。
図10および図11は、集合基板のうちリードフレームの一部を取り出して示す。図10は、リードフレームの表側(発光素子が配置される側)を示し、図11は、図10に示すリードフレーム202を裏返したときの外観を示す。図10および図11は、リードフレーム202のうち、集合基板の個片化後にそれぞれが発光装置となる4つの発光構造を含む範囲を取り出して示しており、図10中の二点鎖線の矩形は、これら発光構造100Lのうち1つに対応する部分を示す。リードフレーム202は、銅等の基材と、基材を被覆する金属層とを有し得る。
図10および図11に示すように、リードフレーム202は、それぞれが第1リード相当領域21Aおよび第2リード相当領域22Aを含む複数の組を有する。第1リード相当領域21Aおよび第2リード相当領域22Aは、リードフレーム202のうち集合基板の個片化後にそれぞれ上述の第1リード21および第2リード22となる部分である。図10では、第1リード相当領域21A中の素子載置領域21Rのおおよその位置を点線によって示している。それぞれが第1リード相当領域21Aおよび第2リード相当領域22Aを含むこれら複数の組は、連結部24によって互いに連結され、全体としてリードフレーム202を構成する。これらの連結部24は、集合基板の個片化後に上述の延伸部21sおよび22hとなる(図1および図2参照)。
第1リード相当領域21A、第2リード相当領域22Aおよび連結部24の形状は、例えば、型を用いて板状の部材を所定の形状に打ち抜くことにより得ることができる。第1リード相当領域21Aを例えば部分的にエッチングすることにより、その上面21aに、素子載置領域21Rの周囲の一部を囲む溝部21gを形成してもよい。この例では、各第1リード相当領域21Aの上面21aに溝部21hも形成している。また、各第2リード相当領域22Aの上面22aに弧状の溝部22gを形成している。溝部21g、21hおよび22gの全部または一部をプレス加工によって形成してもよい。
図11に例示する構成において、第1リード相当領域21Aの下面21bは、長方形状の3辺に沿って形成された側縁溝部21kを有する。側縁溝部21kは、第1リード相当領域21Aの下面21bから上面21a側に窪んでいる。同様に、図11に例示する構成において、第2リード相当領域22Aの下面22bには、長方形状の3辺に沿って側縁溝部22kが設けられている。側縁溝部22kは、第2リード相当領域22Aの下面22bから上面22a側に窪んでいる。側縁溝部21kおよび22kは、エッチング加工、プレス加工等によって形成することができる。
上述の集合基板は、例えば、リードフレーム202に樹脂体30が形成された樹脂成形体付リードフレームを得た後、樹脂成形体付リードフレームに第1発光素子41、第2発光素子42、ワイヤ43等を配置し、光反射性部材50、波長変換部材85および封止部材75をさらに形成することによって得ることができる。樹脂成形体付リードフレームは、例えば、上金型と下金型とを備える金型でリードフレーム202を挟み込み、金型内の空間に樹脂材料を流し込むことによって形成できる。例えば、トランスファモールド法により、上金型とリードフレーム202の上面との間に形成されるキャビティの形状に応じた形状を有する樹脂体30を得ることができる。
樹脂体30の母材としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。樹脂体30の母材の例は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等の変性エポキシ樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂等の変性シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、ポリフタルアミド(PPA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ABS樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、PBT樹脂等の樹脂である。特に、エポキシ樹脂および変性シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いると、同じ樹脂材料によって第1樹脂部31、第2樹脂部32、第3樹脂部33および第4樹脂部34を一体に形成しやすく有利である。樹脂体30の母材に酸化チタンの粒子等の光反射性のフィラーを分散させてもよい。
樹脂体30の材料の金型内への充填後、樹脂体30の材料を仮硬化させる。その後、仮硬化がなされた樹脂材料が取り付けられたリードフレーム202を金型から抜き、仮硬化よりも高い温度のもとで樹脂材料の本硬化を行う。これにより、リードフレーム202に樹脂体30が形成された樹脂成形体付リードフレームが得られる。
図12は、樹脂成形体付リードフレームのうち、図10に示す4つの発光構造100Lに相当する部分を取り出して示す。図12に模式的に示すように、第1リード相当領域21Aの上面21aに設けられた溝部21gおよび第2リード相当領域22Aの上面22aに設けられた溝部22gは、樹脂体30の材料で充填される。この例では、樹脂体30の材料がリードフレーム202の上面側および下面側の両方に位置し、かつ、第1樹脂部31、第2樹脂部32、第3樹脂部33および第4樹脂部34が共通の材料から一体的に形成される。そのため、リードフレーム202と樹脂体30との間の剥離が生じにくい。
次に、接合部材44により、素子載置領域21Rに第1発光素子41および第2発光素子42を配置する。さらに、ワイヤ43により、第1発光素子41および第2発光素子42の正極および負極の一方を第1リード相当領域21Aに電気的に接続し、正極および負極の他方を第2リード相当領域22Aのワイヤ接続領域22Rに電気的に接続する(図3参照)。必要に応じて、保護素子60を凹部11内に配置する。
上述したように、素子載置領域21Rに1つの発光素子を配置してもよい。この場合、図13に例示するように、例えば第1発光素子41は、第1リード相当領域21Aの上面21aに設けられた2つの溝部21hの間に配置され得る。
次に、樹脂成形体付リードフレームに形成された複数の凹部11のそれぞれの内部に光反射性部材50を形成する。例えば、まず、未硬化の材料をポッティング等によって各凹部11の内側壁面と第3樹脂部33との間に付与する。本実施形態では、第3樹脂部33を素子載置領域21Rの周囲に環状に配置しているので、未硬化の樹脂材料を凹部11内で移動させても、素子載置領域21Rの中心への樹脂材料の流れを第3樹脂部33によって堰き止めることができる。したがって、未硬化の樹脂材料の内縁の位置を第3樹脂部33によって画定でき、光反射性部材50を形成するための未硬化の樹脂材料を凹部11の底面11bに適切に配置可能である。その後、凹部11内の所定の領域に付与された未硬化の樹脂材料を熱、光等により硬化させる。
図4等を参照しながら説明したように、光反射性部材50は、基本的には、凹部11の内側壁面と第3樹脂部33との間に位置する。光反射性部材50は、樹脂体30の第3樹脂部33の少なくとも一部を覆い得る。光反射性部材50は、図14に示すように、第3樹脂部33のうち凹部11の底面11bから最も離れた部分(すなわち、頂部)を覆っていてもよい。光反射性部材50が第3樹脂部33の頂部を覆うことにより、樹脂パッケージ10の一部である樹脂体30に対して光反射性部材50の接する領域が増大する結果、これらの部材間の接合をより強固とし得る。
第1発光素子41、第2発光素子42の側面が直接覆われない限りにおいて、光反射性部材50の一部が素子載置領域21R内に位置することは、許容され得る。なお、この場合において、光反射性部材50が発光素子の側面の少なくても一部から離れていることが好ましく、光反射性部材50が発光素子の側面の全体から離れていることがより好ましい。発光素子の側面の少なくても一部が発光素子の側面から離れていることにより、第1発光素子41の側面から出た光または第2発光素子42の側面から出た光が光反射性部材50によって反射されて第1発光素子41または第2発光素子42によって吸収されることを抑制できる。
図15は、凹部11内に位置する光反射性部材の形状の他の例を示す。図15に示す例では、素子載置領域21Rには、図13に示す例と同様に1つの第1発光素子41が配置されている。図15に例示する構成において、凹部11内に位置する光反射性部材50Aは、樹脂体30の第3樹脂部33を越えて素子載置領域21Rに位置する部分を含んでいる。この例では、光反射性部材50Aの一部は、第1発光素子41の近くにまで達している。ただし、第1発光素子41の側面は、光反射性部材50Aに覆われてはいない。
図15に示す例のように、凹部11の底面11bのうち素子載置領域21Rの少なくとも一部を被覆するように光反射性部材50Aを形成することにより、第1発光素子41の近傍にまで光反射性部材50Aを設けることができる。このとき、発光素子(ここでは第1発光素子41)の側面が直接覆われないように光反射性部材50Aを形成することにより、発光素子の側方に出る光が光反射性部材50Aに反射されて発光素子に吸収されることを抑制できる。特に、第1リード相当領域21Aに複数の溝部21hを設けてこれらの溝部21hの間に単一の発光素子を配置する構成によれば、光反射性部材50Aの内縁の位置を複数の溝部21hによって画定し得る。換言すれば、凹部11の底面11bに溝部21hを設けることにより、光反射性部材50Aの一部を素子載置領域21R内に位置させながら、第1発光素子41の側面が光反射性部材50Aに直接覆われることを回避し得る。この例のように、光反射性部材50Aの一部を素子載置領域21R内に位置させることにより、凹部11のうち光反射性部材50で覆われる領域を拡大でき、輝度をさらに向上させる効果が得られることもあり得る。
発光素子(第1発光素子41または第2発光素子42)から出射される光に対する、光反射性部材50の反射率が樹脂体30の反射率よりも高いと有益である。例えば、光反射性部材50中に分散された酸化チタン等の光反射性のフィラーの含有量は、樹脂体30中に分散された光反射性のフィラーの含有量よりも多い。光反射性部材50中の反射部材の含有量は、樹脂体30中の光反射性物質の含有量の1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましく、2.5倍以上であることがさらに好ましい。例えば、樹脂体30を形成するための未硬化の状態の樹脂材料に占める酸化チタンの割合は、15重量%以上20重量%以下であり得る。このとき、光反射性部材50を形成するための未硬化の状態の樹脂材料に占める酸化チタンの割合は、30重量%以上60重量%以下であり得る。
図16は、積層構造を有する光反射性部材の例を示す。図16に例示する構成において、凹部11内に位置する光反射性部材50Bは、第1光反射性部材51と、第1光反射性部材51上に位置する第2光反射性部材52とを含む。この例のように、光反射性部材は、2以上の光反射層を含む積層構造を有していてもよい。
凹部11の底面11bの所定の領域に第1光反射性部材51を形成した後、第1光反射性部材51上に第2光反射性部材52を形成することは、光反射性部材50Bの表面の形状すなわち傾斜面50sの形状の制御を容易にする。第1光反射性部材51は、第2光反射性部材52によってその全体が覆われていてもよく、第2光反射性部材52から露出する部分を有していてもよい。
第1光反射性部材51の材料と、第2光反射性部材52の材料とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。例えば、第1光反射性部材51の材料と、第2光反射性部材52の材料との間で、光反射性のフィラーの濃度を異ならせてもよい。この場合、第2光反射性部材52と比較して、第1光反射性部材51中の光反射性のフィラーの濃度が低くされていると、第1光反射性部材51の材料の未硬化の状態での粘度が低くなるために第1光反射性部材51の形成が容易になり、有利である。また、第2光反射性部材52中の光反射性のフィラーの濃度が相対的に高いことにより、第2光反射性部材52の反射率が向上し、光取り出し効率を高めることができる。
第1光反射性部材51中の光反射性のフィラーの濃度は、第2光反射性部材52中の光反射性のフィラーの濃度と比較して、重量比で3%以上低いことが好ましく、5%以上低いことがより好ましい。第1光反射性部材51と第2光反射性部材52との間のフィラーの濃度差は、重量比で30%以内であることが好ましく、10%以内であることがより好ましい。フィラーの濃度差を30%以内とすることにより、第1光反射性部材51の反射率が極端に低くなることを抑制できる。
なお、図3、図14、図16等に示す例では、第1リード相当領域21Aの溝部21hが、第1発光素子41または第2発光素子42と重なる位置に形成されている。しかしながら、溝部21hの配置は、この例に限定されず、例えば、第1発光素子41または第2発光素子42と、第3樹脂部33との間であってもよい。このような構成によると、溝部21hは、光反射性部材50を形成するための未硬化の樹脂材料が第3樹脂部33を乗り越えて素子載置領域21Rに進入した場合に、樹脂材料が第1発光素子41または第2発光素子42にさらに近づくことを防止する機能を発揮し得る。また、これらの例では、溝部21hは、第1リード相当領域21Aおよび第2リード相当領域22Aが交互に配置された第1方向(図12中のY方向)に概ね平行に延びているが、1以上の溝部21hが、図17に例示するように第1方向と交差する方向に延びるように形成されてもよい。このような溝部21hの配置によっても、未硬化の樹脂材料が第3樹脂部33を乗り越えた場合に、未硬化の樹脂材料が第1発光素子41または第2発光素子42にさらに近づくことを防止する機能を溝部21hに発揮させ得る。
光反射性部材50の形成後、第1母材と、第1蛍光体を含む1種以上の蛍光体とを含有する未硬化の材料をポッティング等により光反射性部材50の表面に付与する。その後、光反射性部材50の表面に付与された材料を硬化させることにより、波長変換部材85を形成することができる。
波長変換部材85の形成後、凹部11内に位置する封止部材75を形成する。ここでは、ポッティング等により、第2母材を含有する未硬化の状態の材料で凹部11内を充填し、充填された材料を硬化させる。上述したように、封止部材75の材料は、第2母材に加えて、少なくとも第2蛍光体を含む1種以上の蛍光体を含有していてもよい。凹部11内に充填された材料の硬化により、少なくとも第1発光素子41および第2発光素子42ならびに第3樹脂部33を被覆する封止部材75を形成することができる。封止部材75の形成により、複数の発光構造100Lを有する集合基板が得られる。必要に応じ、素子載置領域21Rへの発光素子の配置後、封止部材75の形成までの間に、被覆部材751、752等の形成を実行してもよい。
次に、リードカット金型、ダイシングソー、レーザー光等を用い、互いに隣接する2つの発光構造100Lの間の位置で集合基板を切断することにより、集合基板を個片化する。典型的には、集合基板の個片化の工程において、リードフレーム202と樹脂体30とが一括して切断される。以上の工程により、図1に示す発光装置100が得られる。
以下の工程に従い、複数の発光装置を実施例1のサンプルとして作製し、また、複数の発光装置を参考例1のサンプルとして作製して、実施例1と参考例1との間でスペクトルおよび全光束の比較を行った。
(実施例1)
上述した工程に従い、それぞれが、図8に示す発光装置100Aと概ね同様の構造を有する複数の発光装置を製作した。ただし、ここでは、図10および図11に示すリードフレーム202と同様の構造を有するリードフレームを準備し、各素子載置領域21Rであって2つの溝部21hの間の位置に1つの発光素子を配置した。それら発光素子のそれぞれの上面上には、被覆部材を形成した。樹脂成形体付リードフレームの樹脂体を形成するための材料としては、シリコーン樹脂中に酸化チタンの粒子が分散された樹脂材料を用いた。
樹脂成形体付リードフレームの各凹部の底面への発光素子、ワイヤ等の配置後、上述の手順に従って光反射性部材および波長変換部材を順次形成した。光反射性部材の材料には、母材としてのジメチルシリコーン樹脂と、光反射性のフィラーとしての酸化チタンの粒子とを含有する樹脂材料を用いた。
また、ここでは、波長変換部材を形成するための第1母材としてフェニルシリコーン樹脂を用いた。第1母材には、第1蛍光体としてのG−YAGの粒子とフィラーとしての二酸化ケイ素の粒子とを分散させた。ここで、第1母材の質量を100としたときの第1蛍光体の質量が100、フィラーの質量が0.8となるようにして波長変換部材の材料を調製した。このとき、波長変換部材の材料の全体に対する第1蛍光体の質量比は、100/(100+100+0.8)*100=50(%)と計算される(式中、「*」は、乗算を表す。)。以下では、説明の便宜のために、母材としての樹脂の含有量を100として換算した、蛍光体全体の質量比を「蛍光体の濃度」と表記する。
ここでは、各LEDチップの上面を覆う被覆部材の材料として、第3母材と、第3蛍光体と、フィラーとしての二酸化ケイ素の粒子とを含有する樹脂材料を使用した。第3母材には、フェニルシリコーン樹脂を用い、第3蛍光体としてのSCASNの粒子を第3母材中に分散させた。このとき、第3母材の質量を100としたときの第3蛍光体の質量が67.2、フィラーの質量が15.4となるようにして被覆部材の材料を調製した。したがって、実施例1の各サンプルの被覆部材に関する蛍光体の濃度は、およそ37%である。
LEDチップおよび被覆部材を覆う封止部材の材料としては、第2母材としてのフェニルシリコーン樹脂、第2蛍光体としてのLAGの粒子、および、フィラーを含有する樹脂材料を用いた。ここでは、第2蛍光体としてのLAGの粒子に加えて、付加的にG−YAGの粒子も第2母材中に分散させた。このとき、第2母材の質量を100としたときの全ての蛍光体(G−YAGおよび第2蛍光体としてのLAG)の質量が13.8、フィラーの質量が15.4となるようにして封止部材の材料を調製した。したがって、実施例1の各サンプルの封止部材に関する蛍光体の濃度は、およそ11%である。以上の手順により、実施例1のサンプルとして合計で28個の発光装置を準備した。
(参考例1)
実施例1のサンプルとほぼ同様の手順により、複数の発光装置を作製した。ただし、ここでは、光反射性部材上への波長変換部材の形成は行わなかった。なお、被覆部材の形成において、第3母材の質量を100としたときの第3蛍光体の質量は、68.0であった。ただし、参考例1の各サンプルの被覆部材に関する蛍光体の濃度は、およそ37%であり、実施例1の各サンプルの被覆部材に関する蛍光体の濃度と実質的な差異はないといえる。封止部材の形成においては、第2母材の質量を100としたときの、G−YAGおよび第2蛍光体としてのLAGの全体としての質量が26.8、フィラーの質量が15.4となるようにして封止部材の材料を調製した。したがって、参考例1の各サンプルの封止部材に関する蛍光体の濃度は、およそ27%である。以上の手順により、参考例1のサンプルとして合計で20個の発光装置を準備した。
(スペクトルの比較)
実施例1のサンプルおよび参考例1のサンプルのそれぞれについて、点灯時のスペクトルを測定し、得られたスペクトルを比較した。図18は、実施例1のサンプルに関するスペクトルの測定結果を示し、図19は、参考例1のサンプルに関するスペクトルの測定結果を示す。図18は、28個の発光装置から19個の発光装置を無作為に抽出して、19個の発光装置のそれぞれについて全光束を測定し、波長ごとの測定値の平均値をプロットしたグラフである。図18中の横軸および縦軸は、それぞれ、波長および規格化された全光束を表す。ここでは、JIS−C−8152:2014に準じた方法で、積分球を使った全光束測定により発光スペクトルを測定した。図19も同様に、参考例1の20個の発光装置置のそれぞれについて全光束を測定し、波長ごとの測定値の平均値をプロットしたグラフである。
図20は、実施例1のサンプルに関するスペクトルの測定結果と、参考例1のサンプルに関するスペクトルの測定結果とをあわせて1つに描いた図である。図20中、黒丸のプロットは、実施例1のサンプルに関するスペクトルの測定結果を示す。他方、参考例1のサンプルに関するスペクトルの測定結果は、実線の曲線のグラフとして図20中に示されている。図20からわかるように、実施例1のサンプルと参考例1のサンプルとの間に顕著な差異は確認されなかった。つまり、実施例1のサンプルと参考例1のサンプルとの間で、スペクトルは、実質的に同じであるといってよいことがわかった。つまり、第1発光素子を覆う封止部材中の蛍光体の含有量を低下させたとしても、第1発光素子を取り囲む光反射性部材上に波長変換部材を配置することによって同様のスペクトルを再現可能であることがわかった。
(全光束の比較)
次に、JIS C 8152−1:2014に準じた方法で実施例1の各サンプルおよび参考例1の各サンプルの全光束を測定した。実施例1の各サンプルについて全光束を測定し、得られた結果の平均値を求めると36.7lmであった。なお、全光束の測定に際しての各サンプルへの入力電流および入力電圧は、それぞれ、およそ65mAおよび2.86Vであった。
次に、実施例1の各サンプルと同様にして、参考例1の各サンプルについて全光束を測定した。全光束の測定結果の平均値を求めると36.9lmであった。図21は、実施例1に関する全光束の測定結果と、参考例1に関する全光束の測定結果とをあわせて1つの図に示す。参考例1と比較して、実施例1ではより大きな全光束が得られていることがわかった。
本開示の実施形態によれば、素子載置領域に位置する1以上の発光素子を取り囲む光反射性部材上に波長変換部材を配置している。これにより、光反射性部材上に波長変換部材を有しない構成と比較してスペクトルに実質的な差異を生じさせることなく、封止部材中の蛍光体の濃度を低下させることが可能になる。そのため、発光素子の側面付近への蛍光体の堆積を回避することができ、光反射性部材上に波長変換部材を有しない構成と比較して全光束を増大させることが可能になる。
本開示の実施形態による発光装置は、各種照明器具用光源、液晶ディスプレイ等のバックライト用光源、広告もしくは行き先案内等の各種表示装置用光源、プロジェクタ用光源に有用である。本開示の実施形態は、ファクシミリ、コピー機等のスキャナにも有利に適用できる。
10 樹脂パッケージ
11 樹脂パッケージの凹部
21 第1リード
21R 素子載置領域
22 第2リード
22A 第2リード相当領域
30 樹脂体
31 樹脂体の第1樹脂部
32 樹脂体の第2樹脂部
33 樹脂体の第3樹脂部
41 第1発光素子
42 第2発光素子
50、50A、50B 光反射性部材
51 第1光反射性部材
52 第2光反射性部材
75、76 封止部材
85 波長変換部材
100、100A、100B 発光装置
202 リードフレーム
751、752 被覆部材

Claims (15)

  1. 第1リードおよび第2リードを含む複数のリード、ならびに、第1樹脂部、第2樹脂部および第3樹脂部を含む樹脂体を有する樹脂パッケージであって、前記複数のリード、前記第1樹脂部および前記第2樹脂部により形成される凹部を有する樹脂パッケージと、
    少なくとも1つの発光素子と、
    光反射性部材と、
    第1母材および第1蛍光体を含有する波長変換部材と、
    第2母材を含有する封止部材と
    を備え、
    前記第1樹脂部は、前記樹脂パッケージの外側面を構成し、
    前記第2樹脂部は、前記第1リードと前記第2リードとの間に位置し、
    前記複数のリードの上面の一部は、前記凹部の底面に位置し、
    前記第1リードは、前記凹部の前記底面に位置する素子載置領域を有し、
    前記第3樹脂部は、前記凹部の前記底面より上側の位置にあって前記素子載置領域を環状に取り囲んでおり、
    前記少なくとも1つの発光素子は、前記素子載置領域に配置されており、
    前記光反射性部材は、前記樹脂パッケージの前記凹部内において前記凹部の内側壁面と前記第3樹脂部との間に位置し、
    前記波長変換部材は、前記光反射性部材上に位置し、
    前記封止部材は、前記樹脂パッケージの前記凹部内において前記少なくとも1つの発光素子および前記波長変換部材を覆っている、発光装置。
  2. 前記封止部材は、少なくとも第2蛍光体を含有する、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第2蛍光体の発光ピーク波長は、前記第1蛍光体の発光ピーク波長よりも長い、請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記封止部材中の全ての蛍光体の濃度は、前記波長変換部材中の全ての蛍光体の濃度よりも低い、請求項2または3に記載の発光装置。
  5. 前記封止部材中の全ての蛍光体の濃度は、前記波長変換部材中の全ての蛍光体の濃度の0.1倍以上0.5倍未満である、請求項4に記載の発光装置。
  6. 前記少なくとも1つの発光素子は、上面および下面を有する第1発光素子を含み、
    前記第1発光素子は、支持基板と、前記支持基板上かつ前記支持基板に関して前記第1リードとは反対側に位置する半導体層とを有し、
    前記第1発光素子の前記上面の高さにおける前記第2蛍光体の濃度は、前記第1発光素子の前記下面の高さにおける前記第2蛍光体の濃度よりも小さい、請求項2から5のいずれかに記載の発光装置。
  7. 前記第1発光素子の前記上面上に位置する被覆部材をさらに備え、
    前記封止部材は、前記樹脂パッケージの前記凹部内において前記被覆部材を覆っており、
    前記被覆部材は、第3母材および第3蛍光体を含有し、
    前記第3蛍光体の発光ピーク波長は、前記第1蛍光体の発光ピーク波長よりも長い、請求項6に記載の発光装置。
  8. 前記第2母材および前記第3母材は、前記第2母材の屈折率をn、前記第3母材の屈折率をnとしたとき、|n−n|≦0.05の関係を満たす、請求項7に記載の発光装置。
  9. 前記第1母材および前記第2母材は、前記第1母材の屈折率をn、前記第2母材の屈折率をnとしたとき、|n−n|≦0.05の関係を満たす、請求項1から8のいずれかに記載の発光装置。
  10. 前記光反射性部材は、前記第1母材よりも小さな屈折率を有する第4母材を含有する、請求項1から9のいずれかに記載の発光装置。
  11. 前記波長変換部材は、前記発光素子から離れている、請求項1から10のいずれかに記載の発光装置。
  12. 前記波長変換部材は、前記複数のリードから離れている、請求項1から11のいずれかに記載の発光装置。
  13. 前記波長変換部材は、平面視において前記発光素子を連続的に取り囲む形状を有する、請求項1から12のいずれかに記載の発光装置。
  14. 前記波長変換部材は、前記樹脂体の前記第3樹脂部の少なくとも一部を覆う、請求項1から13のいずれかに記載の発光装置。
  15. 前記光反射性部材の表面は、前記樹脂体の前記第1樹脂部に向かって窪んだ凹面形状を有する、請求項1から14のいずれかに記載の発光装置。
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