JP2021102567A - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水中油型乳化組成物でありながら油中水型乳化組成物と同等のコクのある使用感が得られ、透明性が高く、よれが生じにくいものとする。【解決手段】水中油型乳化組成物を、(A)アクリル酸系増粘剤と、(B)抱水性半固形油分と、(C)会合性増粘剤と、(D)液状油分と、を含み、(D)液状油分全体の50質量%以上を抱水性液状油分とする。【選択図】なし

Description

本発明は、水中油型乳化組成物に関するものである。
従来より、不織布等にて形成したシート本体に化粧料を含浸させて使用する化粧料含浸マスクが広く一般に用いられている。この化粧料含浸マスクは、化粧料を含浸させたシート本体で顔部を一定時間被覆することにより、化粧料を確実に使用者の顔部に接触させて、より高い美容効果を得ようとするものである。
化粧料含浸マスクの形態としては、シート状の支持体の片側面に化粧料を担持させて貼付面を形成し、さらに、貼付面上にプラスチックフィルムからなる剥離フィルムを積層することによって貼付面を保護した状態で流通あるいは保存に供し、使用時に剥離フィルムを除去することによって貼付面を露出させるように構成されているものが一般的に広く知られている。
また、重なり合う二枚のシート状の支持体における合わせ面間に化粧料が挟み込まれ、使用時に重なり合う二枚の支持体を分離することによって、分離された各支持体それぞれに、化粧料が露出した貼付面が形成される態様のシートも知られている(特許文献1)。
上記一般的な化粧料含浸マスクや、特許文献1の態様のシートの貼付面は使用者の肌に接触する部分であり、貼付面の素材としては、コットン等の天然繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、およびエチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維、ならびにアクリル系繊維等の合成繊維が知られている。
一方、シート本体に含浸される化粧料としては、特許文献1に記載されているように、水溶性基剤や、水中油型乳化基剤あるいは油中水型乳化基剤等の乳化性基剤が知られている。シート本体に含浸される化粧料としては、シートを用いる目的の1つが高保湿、高湿潤であるためコクのある使用感が好まれる傾向にある。このため、乳化性基剤の中でも油中水型乳化基剤を選択することが多い。
特開2012−51847号公報
しかし、油中水型乳化基剤は油相が外側である基剤であるため、化粧料が含浸されるシートの素材によっては、油中水型乳化基剤の油が染み出したりする等、見栄えが悪くなるという問題がある。水中油型乳化基剤であれば、このような問題は生じないが、水中油型乳化基剤で油中水型乳化基剤と同様のコクのある使用感を実現することは困難である。また、顔部からシート状化粧料をはがすと化粧料は顔に残ることになるが、化粧料が白色等色味を持ったものであると、見栄えが悪い。このため、含浸される化粧料は透明であることが好ましい。さらに、上記のように顔部に残った化粧料をなじませる際には、先に使用している化粧料との関係で、カスが出るような、いわゆるよれを抑制することも重要である。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、水中油型乳化組成物でありながら油中水型乳化組成物と同等のコクのある使用感が得られ、透明性が高く、よれが生じにくい水中油型乳化組成物を提供することを目的とするものである。
本発明の水中油型乳化組成物は、
(A)アクリル酸系増粘剤と、
(B)抱水性半固形油分と、
(C)会合性増粘剤と、
(D)液状油分と、
を含み、(D)液状油分全体の50質量%以上が抱水性液状油分である。
(A)アクリル酸系増粘剤は、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスポリマーおよびアクリル酸・メタクリル酸アルキル重合体の中から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、さらに、(E)保湿剤として、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、マルチトール、トリメチルグリシン、ポリエチレングリコール20000、エリスリトール、アセチル化ヒアルロン酸およびヒアルロン酸の中から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。
本発明の水中油型乳化組成物は、油溶性薬剤をさらに含むこととしてもよく、油溶性薬剤はビタミンEアセテートであることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、1価のアルコールが組成物全量に対し1質量%以下であることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、シートに含浸または担持されていることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、
(A)アクリル酸系増粘剤と、
(B)抱水性半固形油分と、
(C)会合性増粘剤と、
(D)液状油分と、
を含み、(D)液状油分全体の50質量%以上が抱水性液状油分であるので、水中油型乳化組成物でありながら油中水型乳化と同等のコクのある使用感(コク感)が得られ、透明性が高く、よれが生じにくいものとすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水中油型乳化組成物は、
(A)アクリル酸系増粘剤と、
(B)抱水性半固形油分と、
(C)会合性増粘剤と、
(D)液状油分と、
を含み、(D)液状油分全体の50質量%以上が抱水性液状油分である。
各成分について詳細に説明する。なお、本明細書において、PEGはポリエチレングリコール、PPGはポリプロピレングリコール、POEはポリオキシエチレン、HDIはヘキサメチレンジイソシアネートの略である。
(A)アクリル酸系増粘剤
(A)アクリル酸系増粘剤は、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスポリマーおよびアクリル酸・メタクリル酸アルキル重合体の中から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。特にはアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスポリマーおよびアクリル酸・メタクリル酸アルキル重合体を組み合わせて用いることが好ましい。
これらのアクリル酸系増粘剤は市販品を用いてもよく、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマーとしてはSIMULGEL600(SEPPIC社製)、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスポリマーとしてはAristoflexHMB(Clariant社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル重合体としてはPEMULEN TR-2 POLYMERIC EMULSIFIER(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS, Inc)を挙げることができる。
アクリル酸系増粘剤の配合量は、組成物全量に対して0.1〜3.0質量%が好ましく、0.3〜1.0質量%であることがより好ましい。アクリル酸系増粘剤の配合量が0.1質量%以上であることで、乳化安定性を良好なものとすることができ、一方、3.0質量%以下であることで、べたつき感のないなじみの早い使用感とすることができる。
(B)抱水性半固形油分
(B)抱水性半固形油分とは、油自体が水を抱え込むことができる抱水効果を持つ半固形油分であり、多量配合してもべたつきが少なく、うるおいや柔軟効果を付与できるという優れた利点を有するものである。ここで半固形油分とは、25℃において半量が固体である油を意味する。
抱水性半固形油分としては、コク感の観点から、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル((YOFCO−MAS、日本精化工業(株)社製)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(CREMERLIN pura−S、CREMER OLEO GmbH&Co.KG社製)、パーム硬化油(NIKKOL TRIFAT PS−45H、日光ケミカルズ(株)社製)を好適に用いることができる。
(B)抱水性半固形油分の配合量は、組成物全量に対して1.0〜2.5質量%であることが好ましく、1.0〜2.0質量%であることがより好ましい。抱水性半固形油分の配合量が1.0質量%以上であることで、透明感を保ちつつ求めるコク感を得ることができ、2.5質量%以下であることで充分な乳化安定性を得ることができる。
(C)会合性増粘剤
本発明に用いられる(C)会合性増粘剤は、下記の一般式(1):
−{(O−R−OCONH−R[−NHCOO−(R−O)−R
[式中R、RおよびRは、それぞれ独立に炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表し、Rは直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基、芳香族炭化水素基を表し、mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、kおよびnはそれぞれ独立に0〜1000の範囲の整数である]で表される疎水変性ポリエーテルウレタンである。
会合性増粘剤を配合することにより、会合のネットワークが確立され、水性系の粘度を増大させることができる。
疎水変性ポリエーテルウレタンは、上記の一般式(1)で示されるものであるが、一般式(1)において、Rは、炭化水素基を表すが、R−(OH)で表されるポリオールの残基であることが好ましい。
また、一般式(1)のR、Rは、それぞれ独立に炭化水素基を表すが、炭素数2〜4のアルキレン基またはフェニルエチレン基であることが好ましい。
また、一般式(1)のRは、ウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表すが、R−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートの残基であることが好ましく、また、R−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートは、2〜8価のポリオールと、2〜4価のポリイソシアネートを反応させて得られるウレタン結合を有するポリイソシアネートであることが好ましい。
また、一般式(1)のRは直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基、芳香族炭化水素基を表すが、直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基の場合は、その炭素数は8〜36が好ましい。また、フッ化炭素基の場合は、炭素数4〜24の直鎖、分枝鎖および/または2級のフッ化炭素基であることが好ましい。また、アルキルシリコーン基の場合は、分子量200以上のアルキルシリコーン、より好ましくは分子量500以上のジメチルシリコーンであることが好ましい。さらに、芳香族炭素基の場合は、炭素数10以上の芳香族炭素基が好ましく、より好ましくはコレステロール、コレスタノール、フィトステロール、フィトスタノールとこれらの誘導体から選ばれる基であることが好ましい。
一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えば、R−[(O−R−OH]で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R−(NCO)h+1で表される1種または2種以上のポリイソシアネートとHO−(R−O)−Rで表される1種または2種以上のポリモノアルコールとを反応させることにより得ることができる。この場合、一般式(2)中のR〜Rは、用いるR−[(O−R−OH]、R−(NCO)h+1、HO−(R−O)−Rにより決定される。3者の仕込み比は、特に限定されないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1〜1.4:1であるのが好ましい。
−[(O−R−OH]で表されるポリエーテルポリオール化合物は、m価のポリオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等を付加重合することによりできる。
ここで、m価のポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタトリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリトリット、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等の4価のアルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール;ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
また、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等により、Rが決定され、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるためには、炭素原子数2〜4のアルキレンオキサイドあるいはスチレンオキサイドが好ましい。
付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等は単独重合、2種類以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。また、重合度kは、0〜1,000であり、好ましくは1〜500、さらに好ましくは10〜50がよい。また、Rに占めるエチレン基の割合が、好ましくは全Rの50〜100重量%であることが好ましい。
また、R−[(O−R−OH]の分子量は500〜100,000のものが好ましく、1,000〜50,000のものが特に好ましい。
−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、
ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5,2’,5’−テトラメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4−イソシオントフェニル)メタン、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジエトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチル−5,5’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3’−ジイソシアネート等が挙げられる。
トリイソシアネートとしては、例えば、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,7−ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
また、これらのポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)で用いられてもよく、また、アミンと反応させてビウレットとして用いてもよい。さらに、これらのポリイソシアネート化合物と、ポリオールを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いることができる。ポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。なお、R−(NCO)h+1として3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、このウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
HO−(R−O)−Rで表されるポリエーテルモノアルコールは、最終的に疎水変性ポリエーテルウレタン構造中の親水性連鎖部分によって分離された少なくとも2つの疎水基にあたり、1価アルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。
このような化合物は、例えば1価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等を付加重合することにより得ることができる。
1価アルコールの残基であるRとしては、最終的な疎水変性ポリエーテルウレタン構造中で疎水基として働く基であれば特に限定されず、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、芳香族炭化水素等の炭化水素、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アルキルアリール基としては、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、例えば、コレステロール、コレスタノール、フィトステロール、フィトスタノールおよびこれらの誘導体等が挙げられる。芳香族炭化水素は、水溶媒中では疎水性相互作用のみならずπ−π相互作用により、非常に強く会合する性質を有するため疎水変性ポリエーテルウレタンの材料として好適である。
フッ化炭素基としては、例えば、ヘプタデカフルオロ−n−デカノール等が挙げられる。
アルキルシリコーン基としては、構造中に水酸基を一つもつアルキルシロキサンのアルコール残基である。なお、アルキル基の一部がフッ化炭素基に置換されても構わない。前記水酸基含有アルキルシロキサンは、市販品を用いることも可能であり、市販品としては、例えばサイラプレーンFM0411、同FM0421、同FM0425(以上、チッソ社製)等が挙げられる。水酸基含有アルキルシリコーンとして好ましくは分子量が200以上、より好ましくは分子量500以上のものが好適である。
また、ポリエーテルモノアルコールにおいて、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等は、単独重合、2種以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。重合度nは0〜1,000であり、好ましくは1〜200、さらに好ましくは10〜50である。また、Rに占めるエチレン基の割合は、好ましくは全Rの50〜100質量%、さらに好ましくは、65〜100質量%であると、本発明の目的に好ましい疎水変性ポリエーテルウレタンが得られる。
一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンの製造にあたっては、通常のポリエーテルとイソシアネートとの反応で得ることができる。また、特公平9−71766号公報の方法に準じて製造することができる。例えば、ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとポリモノアルコールとを、80〜90℃で1〜3時間加熱し、反応させることにより得ることができる。
なお、例えば、上記R−[(O−R−OH]で表されるポリエーテルポリオール(a)と、上記R−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネート(b)と、上記HO−(R−O)−Rで表されるポリエーテルモノアルコール(c)とを反応させる場合には、一般式(1)の構造の化合物以外のものも副生することがある。例えば、ジイソシアネートを用いた場合、主生成物としてはc−b−a−b−c型の化合物が生成するが、その他、c−b−c型、c−b−(a−b)x−a−b−c型等の化合物が副生することがある。この場合、特に一般式(1)型の化合物のみを分離することなく、一般式(1)型の化合物を含む混合物の状態で本発明に使用することができる。
また、本発明に係る疎水変性ポリエーテルウレタン中には、さらに尿素、エーテル、エ
ステル、アミド結合などがポリマー中に形成されても構わない。
本発明の疎水変性ポリエーテルウレタンは、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、アデカノールUH140S、同UH−420、同UH−438、同UH−750、同GT−700(以上、旭電化工業社製)、Serad−FX1100、同FX1010、同1035(以上、HULS社製)、Rheolate205、同208、同204、同225、同278、同244(以上、Rheox社製)、DW1206F、同1206J、同1206G(以上、Rohm&Haas社製)、Dapral−T212(Akzo社製)、Borchigel−LW44、同L75N(以上、Borchers社製)等が挙げられる。
(C)会合性増粘剤の配合量は、組成物全量に対して0.01〜3.0質量%であることが好ましく、0.5〜1.0質量%であることがより好ましい。0.01質量%以上であることで、適度な増粘性が得られ、3.0質量%以下であることで、肌へののびがよく使用性を良好なものとすることができる。
(D)液状油分
液状油分としては、特に限定されないが、例えば、通常化粧料に配合される炭化水素油、シリコーン油等の非極性油、モノエステル油等の低極性油などを配合することができる。
炭化水素油としては、例えば、オレフィンオリゴマー、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等)、環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)等が挙げられる。
モノエステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル等が挙げられる。
なお、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、コハク酸ジエチルヘキシル等、その他のエステル油も用いてもよい。
(抱水性液状油分)
(D)液状油分全体の50質量%以上が抱水性液状油分である。抱水性液状油分としては、トリイソステアリン、ジイソステアリン酸グリセリル、リンゴ酸イソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)等が好ましくあげられる。
抱水性液状油分の配合量は、組成物全量に対して3〜15質量%であることが好ましい。抱水性液状油分の配合量が3質量%以上であることで、適度なコク感を得ることができ、15質量%以下であることで、乳化安定性となじみのよいものとすることができる。
(E)保湿剤
本発明の水中油型乳化組成物は、さらに、保湿剤を含んでいてもよく、具体的には、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、マルチトール、トリメチルグリシン、ポリエチレングリコール20000、エリスリトール、アセチル化ヒアルロン酸およびヒアルロン酸の中から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。
(E)保湿剤の配合量は、組成物全量に対して3〜15質量%であることが好ましい。保湿剤の配合量が3質量%以上であることで、より適度なコク感と保湿効果を得ることができ、15質量%以下であることで、よりなじみのよいものとすることができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、さらに油溶性薬剤を含んでいてもよい。油溶性薬剤としては、ビタミンEアセテートやビタミンAアセテートを挙げることができる。ビタミンEアセテートやビタミンAアセテートを含むことにより、保湿機能や肌改善機能をより増強させることができる。
ビタミンEアセテートの配合量は、組成物全量に対して0.001〜2質量%であることが好ましい。ビタミンEアセテートの配合量が0.001質量%以上であることで、保湿機能や肌改善機能をより増強させることができ、2質量%以下であることで、配合量に見合った効果を得ることができる。
本発明の水中油型乳化組成物は1価の低級アルコールの配合量が、組成物全量に対して1質量%以下であることが好ましい。1価の低級アルコールの配合量が、組成物全量に対して1質量%以下であることで、水中油型乳化組成物の安定性をより良好なものとすることができる。
なお、1価の低級アルコールは、炭素数1〜4の1価アルコールであり、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧料に用いられるその他の成分を配合することができる。このような成分としては、例えば、乳化剤、保湿剤((E)を除く)、増粘剤((A)および(C)を除く)、薬効成分、経皮吸収促進剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、中和剤、香料等が挙げられる。
乳化剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に制限されないが、乳化力を有するアルキル変性カルボキシビニルポリマーを好適に用いることができる。乳化力を有するポリマーとしては、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体を例示することができ、この市販品としては、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2(PemulenTR−1、PemulenTR−2、ともにBF Goodrich社製)等が挙げられる。
また、親水性非イオン界面活性剤も好適に用いることができ、例として、POEアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤が挙げられる。市販品としては、POE(20)セチルエーテル(エマレックス120、日本エマルジョン社製)、POE(25)セチルエーテル(エマレックス125、日本エマルジョン社製)、POE(30)セチルエーテル(エマレックス130 日本エマルジョン社製)、POE(30)ベヘニルエーテル(ニッコールBB−30、日光ケミカルズ社製)、POE(20)ベヘニルエーテル(ニッコールBB−20、日光ケミカルズ社製)等を用いることができる。
本発明の水中油型乳化組成物には、成分(E)以外の保湿剤を配合することができる。このような保湿剤としては、例えば、ソルビトール、コンドロイチン硫酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、アルキレンオキシド誘導体、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリンエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、アミノ酸、核酸、エラスチン等のタンパク質、コンドロイチン硫酸等のムコ多糖類等が挙げられる。
また、本発明の水中油型乳化組成物には、成分(A)、(C)以外の増粘剤を配合してもよい。このような増粘剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、サクシノグリカン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム等が挙げられる。
さらに、本発明の水中油型乳化組成物には、各種薬効成分を配合することができる。
例えば、美白剤として、アルコキシサリチル酸および/またはその塩を好適に配合することができる。具体例としては、3−メトキシサリチル酸、3−エトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、4−エトキシサリチル酸、4−プロポキシサリチル酸、4−イソプロポキシサリチル酸、4−ブトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、5−エトキシサリチル酸、5−プロポキシサリチル酸、あるいはこれらの塩が挙げられる。
また、同じく美白剤として、4−アルキルレゾルシノールおよび/またはその塩、あるいは4−アルキルレゾルシノール誘導体および/またはその塩を好適に配合することができる。4−アルキルレゾルシノールの具体例としては、4−イソブチルレゾルシノールが挙げられる。
4−アルキルレゾルシノール誘導体の例としては、4−アルキルレゾルシノールの一つ以上のフェノール性水酸基の水素原子を−P(O)(OR)(OR)で置換したリン酸エステル体等が挙げられる。ここで、R、Rは直鎖または分岐した炭素数2〜5のアルキル基、あるいは水素原子を表し、R、Rは同一であっても異なっていてもよい。
アルコキシサリチル酸、4−アルキルレゾルシノール、および4−アルキルレゾルシノール誘導体の塩としては、アルカリ金属塩(Na塩、K塩等)、アルカリ土類金属塩(Ca塩、Mg塩等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、アミノ酸塩等が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属塩である。
上記以外にも、例えば、アスコルビン酸またはその誘導体、具体的にはL−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸エステルマグネシウム塩、L−アスコルビン酸グルコシド、2−O−エチル−L−アスコルビン酸、3−O−エチル−L−アスコルビン酸、トラネキサム酸、アルブチン、4−メトキシサリチル酸塩、具体的には4−メトキシサリチル酸ナトリウム塩、4−メトキシサリチル酸カリウム塩等を配合することができる。
また、各種抽出物(例えば、イザヨイバラ、セイヨウノコギリソウ、メリロート、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキョウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)を配合してもよい。
本発明の水中油型乳化組成物には、薬効成分の吸収を促進することを目的として、化粧料および皮膚外用剤に通常用いられる経皮吸収促進剤を配合してもよい。このような例としては、ラウリルベタイン(商品名:アノンBL−SF、日油株式会社製)、イソステアリン酸(商品名:イソステアリン酸EX、高級アルコール工業株式会社製)等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物は、定法に従って作製することができる。例えば、水溶性成分(成分(A)および(C)、成分(E)を含む場合には(E))を加熱混合した水相に、油溶性成分(成分(B)および(D))を加熱混合した油相を添加しながら攪拌混合し、均一な状態にする。その後、混合物を室温まで冷却することで調製することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、化粧水、乳液、美容液、クリーム、化粧下地等の製品
形態をとることができる。特に好ましい態様として、シートに含浸または担持させる態様をあげることができる。
本発明の水中油型乳化組成物をシートに含浸または担持させる態様は、特に限定されるものではなく、例えば、シート状の支持体の片側面に水中油型乳化組成物を含浸または担持させて貼付面を形成し、さらに、貼付面上にプラスチックフィルムからなる剥離フィルムを積層する態様や、特許文献1に記載されているように、重なり合う二枚のシート状の支持体における合わせ面間に化粧料を挟み込み、使用時に重なり合う二枚の支持体を分離することによって、分離された各支持体それぞれに、水中油型乳化組成物が露出した貼付面が形成される態様等を例示することができる。
本発明の水中油型乳化組成物を後者のシートに含浸または担持させる場合を例にとって説明する。シート基材は、含浸または担持させる組成物が、水が外側にある水中油型乳化組成物であるため、特に限定されず、既知の天然繊維、人造繊維からなる布基材、高分子材料を広く使用することができる。
天然繊維、人造繊維からなる布基材としては、例えば、紙、布、タオル、毛布、編み物、キルト等の不織布あるいは織布等を挙げることができる。
天然繊維としては、例えば、パルプ繊維、綿花、カポック、亜麻、ラミー、***、黄麻、しゅろ、マニラ麻、サイザル麻、コイヤー・ファイバー等の植物繊維、家蚕絹、柞蚕絹、羊毛(緬羊)、カシミア毛、ラクダ毛、アルパカ毛、モヘヤー、兎毛等の動物繊維が挙げられる。
人造繊維としては、例えば、人絹糸、スフ、ビスコース、ベンベルグ等の再生繊維、またはポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリビニール・アルコール系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、あるいは酢酸人造繊維などのように天然物質と合成物質とを共重合して製造した半合成繊維等が挙げられる。
高分子材料からなるシートとしては、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリプロピレン、セロファン、ポリクロロプレン、ポリアミノ酸、ニトリルゴム、ブチルゴムおよびシリコンゴムなどの高分子材料を薄く形成したシートを適宜選択して用いることができる。
天然繊維、人造繊維からなる布基材においては、水中油型乳化組成物の投錨性に優れ、風合いや使用感が良好となる点において利点があり、一方、高分子材料からなるシートにおいては、水中油型乳化組成物の染み出しを抑制することができる点において利点がある。このため、天然繊維、人造繊維からなる布基材の片側面に高分子材料をラミネートした積層シートを用い、この積層シートにおける布基材側の面を合わせ面とすることが好ましい。
支持体の形状および大きさとしては、貼付する箇所に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。また、支持体の厚さについても、特に限定されるものではなく、支持体の厚さを実際の厚さで管理する場合は、10〜2000μm程度とすることができ、支持体の厚さを坪量(目付け)で管理する場合は、10〜300g/m程度とすることができる。
本発明の水中油型乳化組成物の粘度は、25℃における粘度が5000〜500000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは5000〜500000mPa・s、さらには8000〜50000mPa・sであることが好ましい。なお、この粘度は、日本薬局方ハンドブック(1996)に記載の粘度測定法における回転粘度計法に準じて測定したものである。5000mPa・s以上であることで、流通時や保存時に水中油型乳化組成物が染み出してロスが生じることがなく、片方の支持体に水中油型乳化組成物が偏って吸収されることもない。また、粘度が500000mPa・s以下であることで、支持体を分離あるいは展開した際に、一方の合わせ面に偏って水中油型乳化組成物が移行する片残りが生じることがない。
なお、この粘度の調整は、水中油型乳化組成物に配合する油性成分や各種添加剤の種類や量、水分含有量、および界面活性剤の種類などを適宜選択することによって行うことができる。
水中油型乳化組成物を重なり合う支持体における合わせ面間に挟み込むにあたり、その担持量は、支持体における合わせ面の面積に対して100〜5000g/mであることが好ましく、より好ましくは200〜3000g/m、さらには300〜1500g/mであることが好ましい。100g/m以上であることで、製造時において支持体の合わせ面に水中油型乳化組成物を展延した際に、水中油型乳化組成物の殆どが支持体内に吸収されるといったことがなく、また、5000g/m以下であることで、流通時や保存時に水中油型乳化組成物がはみ出してロスが生じたり、支持体を分離あるいは展開した際に、一方の合わせ面に偏って水中油型乳化組成物が移行する片残りが生じたりすることがない。
シート状化粧料の適用部位としては、顔(全体、あるいは頬部、目元部、口元部、目の上下部)、腕部、脚部、胸部、腹部、首部等が挙げられ、シート形状は適用部位に応じて適宜変更することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における配合量は特に断らない限り質量%を示す。
下記表1に挙げた組成を有する油中水型乳化化粧料および表2に挙げた組成を有する水中油型乳化化粧料を、それぞれ常法により調製し、以下の基準で評価を行った。
(ビタミンEアセテートの安定性)
調製した水中油型乳化化粧料を50℃の恒温槽に2カ月保管した後、浸漬法で定量試験を行い、以下の基準で評価した。
A:保管前と保管後で変化がない
C:保管前と保管後で変化がある
(乳化安定性)
調製した水中油型乳化化粧料を50℃の恒温槽に1カ月保管した後、状態を観察し、以下の基準で評価した。
A:まったく変化が見られない
B:わずかに粘度変化または乳化粒子増大が見られるが使用に関しては問題ない
C:分離している
(透明感、コク感、なじみの早さ、よれのなさ)
調製した水中油型乳化化粧料を専門パネラー10名により使用してもらい、透明感、コク感、なじみの早さ、よれのなさについて、評価してもらった。評価基準は以下の通りである。
<評価点>
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
<評価基準>
A:平均点が4.5点以上
B:平均点が3.5点以上4.5点未満
C:平均点が2.5点以上3.5点未満
D:平均点が2.5点未満
(総合評価)
上記の(乳化安定性)、(透明感、コク感、なじみの早さ、よれのなさ)の評価に対し、総合的な判断をするため、以下の基準で総合評価した。
A:全てA評価
B:B評価が2つ以下
C:B評価が3つ以上、あるいはC評価が1つ以上
処方および評価結果を表1および2に示す。なお、表に示す原料は以下の市販品を用いた。
・(アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー:SIMULGEL600((アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80/水からなる油中水型エマルション、純分37.5%)SEPPIC社製
・アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスポリマー:AristoflexHMB(Clariant社製)
・アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体:PEMULEN TR-2 POLYMERIC EMULSIFIER(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS, Inc)
・PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー:アデカノールGT−700(旭電化工業社製)
・マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル:YOFCO−MAS(日本精化(株)社製)
Figure 2021102567
Figure 2021102567
Figure 2021102567
表2および3に示すように、実施例の水中油型乳化化粧料は、水中油型でありながら表1に示す油中水型乳化化粧料とほぼ同程度のコクのある使用感が得られ、透明性が高く、なじみも早く、よれが生じにくかった。一方、(B)抱水性半固形油分を含まない比較例1〜3はコクが得られなかった。

Claims (7)

  1. (A)アクリル酸系増粘剤と、
    (B)抱水性半固形油分と、
    (C)会合性増粘剤と、
    (D)液状油分と、
    を含み、該(D)液状油分全体の50質量%以上が抱水性液状油分である水中油型乳化組成物。
  2. 前記(A)アクリル酸系増粘剤が、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/メタクリル酸ベヘネス−25)クロスポリマーおよびアクリル酸・メタクリル酸アルキル重合体の中から選ばれる少なくとも1つである請求項1記載の水中油型乳化組成物。
  3. さらに、(E)保湿剤として、グリセリン、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、マルチトール、トリメチルグリシン、ポリエチレングリコール20000、エリスリトール、アセチル化ヒアルロン酸およびヒアルロン酸の中から選ばれる少なくとも1つを含む請求項1または2記載の水中油型乳化組成物。
  4. 油溶性薬剤をさらに含む請求項1、2または3記載の水中油型乳化組成物。
  5. 前記油溶性薬剤がビタミンEアセテートである請求項4記載の水中油型乳化組成物。
  6. 1価のアルコールが組成物全量に対し1質量%以下である請求項1〜5いずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  7. シートに含浸または担持されている請求項1〜6いずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
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