JP2021096412A - 波長変換ペースト、波長変換基板、ディスプレイ、および波長変換基板の製造方法 - Google Patents

波長変換ペースト、波長変換基板、ディスプレイ、および波長変換基板の製造方法 Download PDF

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Masatoshi Ishizuka
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Abstract

【課題】ノズル塗布法により安定的に塗布する。【解決手段】(A)波長変換材料、(B)光散乱性粒子、(C)モノマー、(D)重合開始剤を含有し、該(B)光散乱性粒子の平均粒子径が1.1〜10μmである波長変換ペースト。【選択図】図1

Description

本発明は、波長変換ペースト、波長変換基板、ディスプレイ、および波長変換基板の製造方法に関する。
近年、スマートフォンやタブレットなどの情報端末機器の発展や、テレビをはじめとするフラットパネルディスプレイの高精細化に伴い、ディスプレイの高性能化の要求は更に高まっている。中でも、高性能のディスプレイとして、波長変換型のOLEDディスプレイ、およびLEDディスプレイが注目されている。これらのディスプレイは、光源としてアクティブマトリクス駆動されるOLEDやLEDを用い、その光の少なくとも一部を波長変換材料により変化させることでフルカラー表示させる方式のディスプレイであり、コントラストや色再現性に優れる。
光源にOLEDを用いる方法としては、青色発光のOLEDを用いる方法が知られている(特許文献1)。この場合、青色のサブピクセルではOLEDからの光を波長変換することなく透過・散乱させ、緑色、赤色のサブピクセルでは、波長変換材料によりOLEDからの青色光をそれぞれ緑、赤に変化させる。
光源にLEDを用いる方法としては、OLEDと同様に青色発光のLEDを用い、一部の光を波長変換材料で赤、緑に変色させる方式に加え、紫外線発光のLEDを用い、波長変換材料で青、緑、赤に変色させる方式が知られている(特許文献2)。
これらの波長変換型のディスプレイには、光源であるOLEDやLEDのサブピクセルと対応するサイズで、波長変換材料をパターン化して配置する必要がある。波長変換材料のパターン化方法としては、フォトリソグラフィ法、およびインクジェット法(特許文献3)が知られている。
特表2006−501617号 特表2016−523450号 国際公開第2018/123103号
しかしながら、フォトリソグラフィ法では、波長変換材料を全面に塗布し、所定位置を露光した後、大半を現像により除去することから、波長変換材料のロスが大きく、また工程も露光・現像を複数回繰り返す必要があり複雑である課題があった。また、インクジェット法は、所望の位置のみに波長変換層を形成できることから材料効率に優れるが、インクジェットで波長変換材料を含むインクを塗布するには、インクの粘度を低く設計する必要があるため、インク中で波長変換材料などの粒子成分が沈降し、インクジェットノズルが詰まりやすくなる課題があった。
一方、ペーストの塗布方法としてノズル塗布法が知られている。ノズル塗布法による波長変換ペースト塗布方法を示した模式図を図1に示す。ノズル塗布法とは、塗布ヘッド1の内部にペースト2を貯留する空間(マニホールド)を持ち、基板3に対向し相対的に移動しながら、その空間に接続された加圧配管4を通して圧力を制御された圧縮空気を導入することで吐出口5からペースト2を吐出することで塗布する塗布方法である。ノズル塗布法では、ペーストの粘度はインクジェット法に比べて低粘度から高粘度まで対応できることから、粘度を高く設計することにより粒子成分の沈降によるノズルの詰まりを抑制できる。しかしながら、波長変換ディスプレイ向けの波長変換ペーストの設計を、既存のインクジェット法向けのインクと同様の設計とした場合、ノズルから正常に吐出できない課題があった。
そこで、本発明は、ノズル塗布法により安定的に塗布できる波長変換ペーストを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の波長変換ペーストは次の構成を有する。すなわち、
(A)波長変換材料、(B)光散乱性粒子、(C)モノマー、(D)重合開始剤を含有し、該(B)光散乱性粒子の平均粒子径が1.1〜10μmである波長変換ペースト、である。
また、本発明の波長変換基板は、次の構成を有する。すなわち、
上記波長変換ペーストの硬化物を隔壁で区画されたセル内に有する波長変換基板、である。
本発明のディスプレイは、次の構成を有する。すなわち、
上記波長変換基板と、OLEDまたはLEDを光源として有するディスプレイ、である。
本発明の波長変換基板の製造方法は、次の構成を有する。すなわち、
上記波長変換ペーストを、隔壁で区画されたセル内にノズル塗布法により塗布する工程を有する波長変換基板の製造方法、である。
本発明の波長変換ペーストは、前記(B)光散乱性粒子が、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタンよりなる群から選ばれる少なくともいずれか1種であるのが好ましい。
本発明の波長変換ペーストは、前記(A)波長変換材料が量子ドット無機蛍光体および/または有機蛍光体であるのが好ましい。
本発明の波長変換ペーストは、前記(A)波長変換材料が無機蛍光体であるのが好ましい。
本発明の波長変換ペーストは、前記無機蛍光体が量子ドットであるのが好ましい。
本発明の波長変換ペーストは、前記(C)モノマーが分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であるのが好ましい。
本発明の波長変換ペーストは、前記(D)重合開始剤がラジカル開始剤であるのが好ましい。
本発明の波長変換ペーストは、ノズル塗布法により安定的に塗布できる。
ノズル塗布法によるペースト塗布方法を示した模式図である。 パターン形成された隔壁と波長変換ペーストの硬化物を有する本発明の波長変換基板の一態様を示す断面図である。
本発明の波長変換ペーストは、(A)波長変換材料を含有する。本発明において、波長変換材料とは、電磁波を吸収し、吸収した電磁波の波長と異なる波長の電磁波を放射する、波長変換性を有する材料を言う。波長変換材料を有する本発明の波長変換ペーストをパターン化して塗布して波長変換基板を作製し、OLED光源やLED光源と組み合わせることによりフルカラーのディスプレイとすることができる。
波長変換材料としては、無機蛍光体および/または有機蛍光体を用いることが好ましい。例えば、青色光を発光するOLEDと、波長変換基板とを組み合わせたディスプレイの場合、赤色のサブピクセルに対応する領域には、青色の励起光により励起されて赤色の蛍光を発する赤色用蛍光体を波長変換材料として用いることが好ましく、緑色のサブピクセルに対応する領域には、青色の励起光により励起されて緑色の蛍光を発する緑色用蛍光体を波長変換材料として用いることが好ましく、青色サブピクセルに対応する領域には、波長変換材料を用いないことが好ましい。同様に、各サブピクセルに対応した青色LEDや紫外線発光LEDをバックライトとして用いる方式のディスプレイにも、本発明の波長変換基板を用いることができる。各サブピクセルの発光のON/OFFは、OLEDやLEDのアクティブマトリクス駆動によって可能となる。
無機蛍光体は、緑色や赤色などの各色を発光する。無機蛍光体としては、波長400〜500nmの励起光により励起され、発光スペクトルが500〜700nmの領域にピークを有するものや、量子ドットと称される無機半導体微粒子などが挙げられる。前者の無機蛍光体の形状としては、例えば、球状、柱状などが挙げられる。かかる無機蛍光体としては、例えば、YAG系蛍光体、TAG系蛍光体、サイアロン系蛍光体、Mn4+付活フッ化物錯体蛍光体等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
これらの中でも、量子ドットが好ましい。量子ドットは他の蛍光体に比較して発光スペクトルにおけるピークがシャープであることから、ディスプレイの色再現性を高めることができる。
量子ドットの材料としては、例えば、II−IV族、III−V族、IV−VI族、IV族の半導体などが挙げられる。これらの無機半導体としては、例えば、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイアモンドを含む)、P、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdSeZn、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si3N4、Ge3N4、Al2O3などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
量子ドットは、p型ドーパントまたはn型ドーパントを含有してもよい。また、量子ドットは、コアシェル構造を有してもよい。コアシェル構造においては、シェルの周囲に目的に応じて任意の適切な機能層(単一層または複数層)が形成されていてもよく、シェル表面に表面処理および/または化学修飾がなされていてもよい。
量子ドットの形状としては、例えば、球状、柱状、燐片状、板状、不定形等が挙げられる。量子ドットの平均粒子径は、所望の発光波長に応じて選択することができ、1〜30nmが好ましい。量子ドットの平均粒子径が1〜10nmであれば、青色、緑色および赤色のそれぞれにおいて、発光スペクトルにおけるピークをよりシャープにすることができる。例えば、量子ドットの平均粒子径が約2nmの場合には青色光を、約3nmの場合には緑色光を、約6nmの場合には赤色光を発光する。量子ドットの平均粒子径は2nm以上が好ましく、8nm以下が好ましい。量子ドットの平均粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。平均粒子径の測定装置としては、ダイナミック光散乱光度計DLS−8000(大塚電子(株)製)などが挙げられる。
有機蛍光体としては、例えば、青色の励起光により励起され赤色の蛍光を発する蛍光体として、下記構造式(1)で表される基本骨格を有するピロメテン誘導体、青色の励起光により励起され緑色の蛍光を発する蛍光体として、下記構造式(2)で表される基本骨格を有するピロメテン誘導体などが挙げられる。その他には、置換基の選択により赤色または緑色の蛍光を発するペリレン系誘導体、ポルフィリン系誘導体、オキサジン系誘導体、ピラジン系誘導体などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、量子収率が高いことから、ピロメテン誘導体が好ましい。ピロメテン誘導体は、例えば、特開2011−241160号公報に記載の方法により得ることができる。
Figure 2021096412
有機蛍光体は溶媒に可溶なため、所望の厚みの波長変換材料を含有する層を容易に形成することができる。
本発明の波長変換ペーストは、(B)光散乱性粒子を含有する。(B)光散乱性粒子を含有することにより、波長変換層内で青色光が散乱されることにより光路長が長くなり、(A)波長変換材料による光変換効率を向上させることができる。なお、本発明において、(B)光散乱性粒子は、波長変換性を有しない。
本発明において、(B)光散乱性粒子の平均粒子径は1.1〜10μmである。波長変換ディスプレイ用のインクジェット法向けのインクには、通常、平均粒子径0.1〜0.4μmの光散乱性粒子が用いられるが、このような小粒径の粒子をノズル塗布法用のペーストに適用した場合、吐出口から吐出された直後に塗液のふらつきが生じて安定的に吐出できない。これに対し本発明では、平均粒子径1.1μm以上の(B)光散乱性粒子を用いることにより、ペーストが吐出口から吐出された直後のふらつきが生じず、安定的に吐出できる。また、平均粒子径が10μm以下であることにより、粗大粒子によるノズル詰まりの発生を抑制できる。ここで平均粒子径とは、粒度分布測定装置(例えば、MT3300;日機装社製)により測定した重量分布曲線における50%粒子径d50をいう。
本発明において、(B)光散乱性粒子は、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタンのいずれかであるのが好ましい。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、ノズルからの吐出安定性が高く工業的利用が容易な硫酸バリウムが好ましい。
(B)光散乱性粒子の波長587.5nmにおける屈折率は、1.60〜2.70が好ましい。(B)光散乱性粒子の屈折率を1.60以上とすることにより、(B)光散乱性粒子による波長変換層内における青色光の散乱性が向上し、(A)波長変換材料による光変換効率が向上しやすい。一方、(B)光散乱性粒子の屈折率を2.70以下とすることにより、(B)光散乱性粒子による過剰な散乱を抑制し、波長変換後の発光光がセル外に取り出し安くなる。(B)光散乱性粒子を2種以上含有する場合は、少なくとも1種の屈折率が上記範囲にあることが好ましい。
(B)光散乱性粒子の含有量は、光変換効率をより向上させる観点から、固形分中、1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、10重量%以上がさらに好ましい。一方、(B)光散乱性粒子の含有量は、(A)波長変換材料の濃度消光による発光効率低下を抑制する観点から、固形分中、70重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましく、50重量%以下がさらにより好ましい。ここでいう固形分とは、波長変換ペーストに含まれる成分のうち、溶媒等の揮発性の成分を除いた全成分のことを意味する。固形分の量は、波長変換ペーストを、150℃で1時間加熱して揮発性の成分を蒸発させた残分を量ることにより求めることができる。
本発明の波長変換ペーストは、(C)モノマーを含有する。本発明におけるモノマーとは、後述する(D)重合開始剤の反応により発生した活性種により重合する化合物をいう。
本発明におけるモノマーは、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であることが好ましい。モノマーは、分子中に2つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有することが好ましい。ラジカル重合性のしやすさを考えると、(D)光重合性化合物は、(メタ)アクリル基を有することが好ましい。また、(C)モノマーの二重結合当量は、パターン加工における感度をより向上させる観点から、400g/mol以下が好ましい。
(C)モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、テトラペンタエリスリトールノナアクリレート、テトラペンタエリスリトールデカアクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカアクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、テトラペンタエリスリトールノナメタクリレート、テトラペンタエリスリトールデカメタクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカメタクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカメタクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の波長変換ペースト中における(C)モノマーの含有量は、波長変換ペーストの固形分率を高める観点から、固形分中、1重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、30重量%以上がさらにより好ましい。一方、ノズルからの吐出を安定化させる観点から、(C)モノマーの含有量は、固形分中、80重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましい。
本発明の波長変換ペーストは、(D)重合開始剤を含有する。(D)重合開始剤および(C)モノマーを含有することにより、光照射、あるいは加熱などで重合開始剤を反応させることにより、(D)重合開始剤から発生した活性種によって(C)モノマーの重合が進行し、波長変換ペーストの露光部を硬化することができる。
(D)重合開始剤は、ラジカル開始剤やカチオン開始剤、すなわち、光(紫外線、電子線を含む)、または熱により反応し、ラジカルやカチオンなどの活性種を発生させるものであればどのようなものでもよい。これらの中でも、ラジカル開始剤であることが好ましい。(D)重合開始剤としては、例えば、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などのα−アミノアルキルフェノン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−ホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド化合物;1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]オクタン−1,2−ジオン=2−(O−ベンゾイルオキシム)]、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)などのオキシムエステル化合物;ベンジルジメチルケタールなどのベンジルケタール化合物;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンなどのα−ヒドロキシケトン化合物;ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、O−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,3−ジエトキシアセトフェノン、4−t−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンザルアセトフェノン、4−アジドベンザルアセトフェノンなどのアセトフェノン化合物;2−フェニル−2−オキシ酢酸メチルなどの芳香族ケトエステル化合物;4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(2−エチル)ヘキシル、4−ジエチルアミノ安息香酸エチル、2−ベンゾイル安息香酸メチルなどの安息香酸エステル化合物などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の波長変換ペーストは、(D)重合開始剤による着色を抑制するため、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系重合開始剤が好ましい。
本発明の波長変換ペースト中における(D)重合開始剤の含有量は、ラジカル硬化を効率的に進める観点から、固形分中、0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。一方、残留した(D)重合開始剤の溶出等を抑制し、黄変をより向上させる観点から、(D)重合開始剤の含有量は、固形分中、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
本発明の波長変換ペーストは、上記の必須成分に加え、ポリマー、溶媒、分散剤などを適宜含んでいても良い。
本発明の波長変換ペーストにポリマーを含む場合には、ポリマーとして、例えば、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレン、ポリメチルシロキサン若しくはポリメチルフェニルシロキサン等のシリコン樹脂、ポリスチレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、高分子量ポリエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体、ポリアクリルアミド又はアクリル樹脂などが好ましく挙げられる。
本発明の波長変換ペーストに溶媒を含む場合には、溶媒として、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの芳香族または脂肪族炭化水素;γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが好ましく挙げられる。
本発明の波長変換ペーストの粘度は、レオメータ(HAAKE MARS;サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製)に、同社製のPlate P35 Ti Lを装着し、ギャップを200μmに設定して測定した際に、1sec−1のせん断速度における粘度が1000〜500000mPa・sであることが好ましい。粘度を1000mPa・s以上とすることにより、ペーストを作製後に長期保存した場合でも(B)光散乱性粒子などの粒子成分が沈降し生じにくくなる。粘度は3000mPa・s以上であることがより好ましく、5000mPa・s以上であることがさらにより好ましい。また、粘度を500000mPa・s以下とすることにより、低圧の圧縮空気での加圧でも安定的に吐出されやすくなる。粘度は400000mPa・s以下であることが好ましく、300000mPa・s以下であることがさらにより好ましい。
本発明の波長変換ペーストに分散剤を含む場合には、分散剤として、例えば、“Disperbyk”(登録商標)106、108、110、180、190、2001、2155、140、145(以上、商品名、ビックケミー(株)製)などが好ましく挙げられる。
本発明の波長変換基板は、本発明の波長変換ペーストを、パターン化して塗布し、硬化することにより作製できる。この場合、隔壁で区画されたセルを有する基板、すなわち隔壁付き基板のセル内に本発明の波長変換ペーストを塗布し、硬化することで作製することが好ましい。特に、後述の隔壁を有する、隔壁付き基板にノズル塗布し、硬化することで作製することが好ましい。
本発明における隔壁とは、ディスプレイの画素中のサブピクセルに応じたパターンを有することが好ましい。ディスプレイの画素数としては、例えば、縦に2000個、横に4000個が挙げられる。画素数は、表示される画像の解像度(きめ細かさ)に影響する。そのため、要求される画像の解像度とディスプレイの画面サイズに応じた数の画素を形成する必要があり、それに併せて、隔壁のパターン形成寸法を決定することが好ましい。
基板は、隔壁付き基板における支持体としての機能を有する。基板としては、例えば、ガラス板、樹脂板、樹脂フイルムなどが挙げられる。ガラス板の材質としては、無アルカリガラスが好ましい。樹脂板および樹脂フイルムの材質としては、ポリエステル、(メタ)アクリルポリマ、透明ポリイミド、ポリエーテルスルフォン等が好ましい。ガラス板および樹脂板の厚みは、1mm以下が好ましく、0.8mm以下が好ましい。樹脂フイルムの厚みは、100μm以下が好ましい。
隔壁は、隣接する隔壁間に、波長変換ペーストを塗布・硬化し、波長変換ペーストの硬化物を含有するサブピクセルを構成した場合に、あるサブピクセルから隣接するサブピクセルに光が混色するのを防止する機能を有することが好ましい。
図2に、本発明の波長変換基板の一態様の断面図を示す。基板4上に、パターン形成された隔壁3を有し、隔壁で区画されたセル内に本発明の波長変換ペーストの硬化物7を有する。
隔壁は、波長550nmにおける厚み10μmあたりの反射率が60〜90%であることが好ましい。反射率を20%以上とすることにより、隔壁側面における反射を利用してディスプレイの輝度を向上させることができる。一方で、隔壁パターン形成精度を向上させる観点から、反射率は、90%以下が好ましい。ここで、隔壁の厚みとは、基板に対して垂直方向(高さ方向)の隔壁の長さを指す。図1に示す隔壁付き基板の場合、隔壁3の厚みは符号Hで表される。なお、隔壁の基板に水平方向の長さは、隔壁の幅とする。図2に示す隔壁付き基板の場合、隔壁3の幅は符号Lで表される。
隔壁の厚みは、隔壁付き基板のセル内に波長変換ペーストの硬化物を有する場合、波長変換ペーストの硬化物の厚みよりも大きいことが好ましい。具体的には、隔壁3の厚みは、0.5μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。一方、色変換発光材料を含有する層の底部における発光をより効率良く取り出す観点から、隔壁の厚みは、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、20μm以下がさらにより好ましい。また、隔壁の幅は、隔壁側面における光反射を利用し輝度を向上させ、光漏れによる隣接する波長変換ペーストの硬化物からの発光の混色を抑制するために十分なものであればよい。具体的には、隔壁の幅は、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。一方、波長変換ペーストの硬化物7の充填領域を多く確保して輝度をより向上させる観点から、隔壁の幅は、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。
次に、本発明のディスプレイについて説明する。本発明のディスプレイは、前記波長変換基板と、光源とを有する。光源としては、アクティブマトリックス駆動が可能な青色OLED、青色LED、紫外発光LEDから選ばれた光源が好ましい。
本発明のディスプレイの製造方法について、本発明の波長変換基板と青色OLEDを有するディスプレイの一例を挙げて説明する。アクティブマトリックス駆動が可能なTFTパターンを有するガラス基板上に、感光性ポリイミド樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ法により絶縁膜を形成する。背面電極層としてアルミニウムをスパッタした後、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行い、絶縁膜の無い開口部に背面電極層を形成する。続いて、電子輸送層としてトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alq3と略す)を真空蒸着法により成膜した後、発光層としてAlq3にジシアノメチレンピラン、キナクリドン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルをドーピングした白色発光層を形成する。次に、正孔輸送層としてN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(α−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを真空蒸着法にて成膜する。最後に、透明電極としてITOをスパッタリングにて成膜し、青色発光層を有するOLEDを作製する。このようにして得られたOLEDを前述の波長変換基板と対向させて封止剤により貼り合せることにより、ディスプレイを作製できる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの範囲に限定されない。なお、用いた化合物のうち略語を使用しているものについて、名称を以下に示す。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
DAA:ジアセトンアルコール
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン。
(光散乱性粒子の平均粒子径の測定方法)
粒度分布測定装置(MT3300;日機装(株)製)の水を満たした試料室に光散乱性粒子を投入し、300秒間超音波処理を行った後に粒度分布を測定し、累積分布に対して50%となる粒子径を平均粒子径とした。
(波長変換ペーストの原料)
波長変換ペーストの作製に用いた原料は次のとおりである。
光散乱性粒子1:AES−22S(アルミナ、平均粒子径1.1μm、アルミナ、住友化学(株)製)
光散乱性粒子2:AA−1.5(アルミナ、平均粒子径1.6μm、アルミナ、住友化学(株)製)
光散乱性粒子3:AA−3(アルミナ、平均粒子径3.4μm、アルミナ、住友化学(株)製)
光散乱性粒子4:AM−210−2(アルミナ、平均粒子径7.9μm、住友化学(株)製)
光散乱性粒子5:EP酸化ジルコニウム(平均粒子径1.8μm、第一稀元素化学工業(株)製)
光散乱性粒子6:SPZ酸化ジルコニウム(平均粒子径2.0μm、第一稀元素化学工業(株)製)
光散乱性粒子7:酸化亜鉛(平均粒子径4.2μm、ハクスイテック(株)製)
光散乱性粒子8:硫酸バリウムB−2(平均粒子径2.2μm、堺化学工業(株)製)
光散乱性粒子9:R−550(酸化チタン、粒径0.24μm、石原産業(株)製)
光散乱性粒子10:AA−07(アルミナ、平均粒子径0.83μm、住友化学(株)製)
光散乱性粒子11:AA−18(アルミナ、平均粒子径20.3μm、住友化学(株)製)
波長変換材料:Lumidot 640 CdSe(緑色量子ドット材料、シグマアルドリッチ社製)
光重合開始剤:“Irgacure”(登録商標) OXE01(BASFジャパン(株)製)
モノマー:NK−9PG(2官能メタクリレートであるポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート)(新中村化学工業(株)製)
ポリマー:“エトセル”(登録商標)STD7(I)(セルロースエチルエーテル)(DDPスペシャルティ・プロダクツ・ジャパン(株)製)
溶媒:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(富士フイルム和光純薬(株)製)
(波長変換ペーストの調製)
表1記載の重量分率で各材料を秤量した後、3本ローラー混練機にて混練した後、空気によって100〜400kPaの圧力をかけながらSHP−400フィルター((株)ロキテクノ製)でろ過し、波長変換ペーストを得た。
(ポリシロキサン溶液の分析方法)
ポリシロキサン溶液の固形分濃度は、以下の方法により求めた。アルミカップにポリシロキサン溶液を1.5g秤取し、ホットプレートを用いて250℃で30分間加熱して液分を蒸発させた。加熱後のアルミカップに残った固形分の重量を秤量して、加熱前の重量に対する割合からポリシロキサン溶液の固形分濃度を求めた。
ポリシロキサンの重量平均分子量は、以下の方法により求めた。GPC分析装置(HLC−8220;東ソー(株)製)を用い、流動層としてテトラヒドロフランを用いて、「JIS K 7252−3(制定年月日=2008/03/20)」に基づきGPC分析を行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量を測定した。
ポリシロキサン中の各繰り返し単位の含有比率は、以下の方法により求めた。ポリシロキサン溶液を直径10mmの“テフロン”(登録商標)製NMRサンプル管に注入して29Si−NMR測定を行い、オルガノシランに由来するSi全体の積分値に対する、特定のオルガノシランに由来するSiの積分値の割合から各繰り返し単位の含有比率を算出した。29Si−NMR測定条件を以下に示す。
装置:核磁気共鳴装置(JNM−GX270、日本電子(株)製)
測定法:ゲーテッドデカップリング法
測定核周波数:53.6693MHz(29Si核)
スペクトル幅:20000Hz
パルス幅:12μs(45°パルス)
パルス繰り返し時間:30.0秒
溶媒:アセトン−d6
基準物質:テトラメチルシラン
測定温度:23℃
試料回転数:0.0Hz。
(ポリシロキサン溶液の合成)
1000mLの三口フラスコに、トリフルオロプロピルトリメトキシシランを147.32g(0.675mol)、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを40.66g(0.175mol)、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を26.23g(0.10mol)、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシランを12.32g(0.05mol)、BHTを0.808g、PGMEAを171.62g仕込み、室温で撹拌しながら水52.65gにリン酸2.265g(仕込みモノマーに対して1.0重量%)を溶かしたリン酸水溶液を30分間かけて添加した。その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて90分間撹拌した後、オイルバスを30分間かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液温度(内温)が100℃に到達し、そこから2時間加熱撹拌し(内温は100〜110℃)、ポリシロキサン溶液を得た。なお、昇温および加熱撹拌中、窒素95体積%、酸素5体積%の混合気体を0.05L/分流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計131.35g留出した。得られたポリシロキサン溶液に、固形分濃度が40重量%となるようにPGMEAを追加し、ポリシロキサン溶液を得た。なお、得られたポリシロキサンの重量平均分子量は4,000であった。また、ポリシロキサンにおける、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシランに由来する繰り返し単位のモル比は、それぞれ67.5mol%、17.5mol%、10mol%、5mol%であった。
(隔壁用樹脂組成物の調整)
白色顔料として、二酸化チタン顔料(R−960、BASFジャパン(株)製)5.00gに、樹脂としてポリシロキサン溶液5.00gを混合し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液を得た。次に、顔料分散液9.98g、DAA0.71g、ポリシロキサン溶液1.57g、光重合開始剤として、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(О−アセチルオキシム)(BASFジャパン(株)製)0.050g、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン(株)製)0.400g、光塩基発生剤として、2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオン酸1,2−ジイソプロピル−3−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]グアニジニウム(富士フイルム和光純薬(株)製)0.100g、光重合性化合物として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新日本薬業(株)製)1.20g、撥液化合物として、光重合性フッ素含有化合物(“メガファック”(登録商標)RS−76−E、DIC(株)製)の40重量%PGMEA希釈溶液1.00g、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート((株)ダイセル製)0.100g、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](BASFジャパン(株)製)0.030g、アクリル系界面活性剤(“BYK”(登録商標)352、ビックケミージャパン(株)製)のPGMEA10重量%希釈溶液0.100g(濃度500ppmに相当)を、溶媒PGMEA4.76gに溶解させ、撹拌した。次いで、5.0μmのフィルターでろ過を行い、隔壁用樹脂組成物を得た。
(隔壁付き基板の作製)
10cm角の無アルカリガラス基板(AGCテクノグラス(株)製、厚み0.7mm)上に隔壁用樹脂組成物をスピンコートし、ホットプレート(SCW−636、(株)SCREENセミコンダクータソリュージョンズ製)を用いて、温度90℃で2分間乾燥し乾燥膜を作製した。作製した乾燥膜を、パラレルライトマスクアライナー(PLA−501F、キヤノン(株)製)を用いて、超高圧水銀灯を光源とし、フォトマスクを介して、露光量200mJ/cm(i線)で露光した。その後、自動現像装置(AD−2000、滝沢産業(株)製)を用いて、0.045重量%水酸化カリウム水溶液を用いて100秒間シャワー現像し、次いで水を用いて30秒間リンスした。さらに、オーブン(IHPS−222、エスペック(株)製)を用いて、空気中、温度230℃で30分間加熱し、ガラス基板上に、高さ15μm、幅20μmの隔壁が、短辺100μm、長辺300μmのピッチ間隔で、7cm角の範囲に隔壁が格子状にパターン形成された隔壁を形成した。
(粘度の評価方法)
レオメータ(HAAKE MARS;サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製)に、同社製のPlate P35 Ti Lを装着し、ギャップを200μmに設定し、各実施例、比較例の波長変換ペーストについて、1sec−1のせん断速度における粘度を測定した。
(ペースト保存安定性の評価方法)

容量10mlのガラス製スクリュー管にペーストを充填し、室温で10日静置後に沈降が見られなかった場合を良、沈降が発生し塗液上部に透明な液体層が見られた場合を劣とした。実用上、本評価結果が劣である場合はペースト作製後に早期に使用する必要があることから、良であることが好ましい。
(ノズル塗布性の評価方法)
塗布ヘッドとして、吐出口直径50μm、吐出口長130μmの吐出口を塗布ヘッドの長手方向に300μmピッチで10個配列して有するものを用いた。塗布装置としては、マルチラボコータ(東レエンジニアリング(株)製)を用いて、基板上の隔壁とノズルの進行方向をアライメントした後、前記塗布ヘッドに空気によって500〜1500kPaの圧力をかけ、基板に対する進行速度を20〜200mm/sの範囲内で変化させて波長変換ペーストを吐出させながら、前記隔壁付き基板に、隔壁の長辺方向と平行方向にノズル塗布することにより、波長変換ペーストを充填した後、ホットプレート上で100℃10分乾燥し、さらに超高圧水銀灯により露光量200mJ/cm(i線)で露光して硬化させた。評価結果は、空気の圧力を種々変化させながら吐出し、塗布状態が最良となった条件において、欠陥なく充填できた場合は優、欠陥なく充填はできたが塗布後に進行方向と反対方向側のノズル下面への波長変換ペーストの付着があった場合を良、部分的に充填できたが抜けがあった場合や隣接する隔壁間への溢れが発生した場合は不可、吐出過剰や吐出不可で充填できなかった場合は劣とした。本評価結果が不可、劣である場合は実用には不適である。また、その際の空気の圧力(最適吐出圧)は、1000kPa以下であることが、塗布ヘッドや配管の寿命が長くなることから好ましい。
(ノズル詰まりの評価方法)
前記ノズル塗布性の評価に用いたものと同一の塗布ヘッドを用い、波長変換ペーストを連続的に100g吐出した際に、ノズル穴の詰まりが発生しなかった場合を良、詰まりが発生した場合を劣とした。
(評価結果)
評価結果を表1に示す。実施例1〜15はノズル塗布性が良好であり、ノズル詰まりの発生も見られなかった。比較例1、2は、ノズル塗布性が不良であり、また比較例3はノズル詰まりが発生した。
Figure 2021096412
1 塗布ヘッド
2 ペースト
3 隔壁
4 基板
5 加圧配管
6 吐出口
7 波長変換ペーストの硬化物

Claims (11)

  1. (A)波長変換材料、(B)光散乱性粒子、(C)モノマー、(D)重合開始剤を含有し、該(B)光散乱性粒子の平均粒子径が1.1〜10μmである波長変換ペースト。
  2. 前記(B)光散乱性粒子が、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタンよりなる群から選ばれる少なくともいずれか1種である請求項1記載の波長変換ペースト。
  3. 前記(A)波長変換材料が無機蛍光体および/または有機蛍光体である請求項1または2記載の波長変換ペースト。
  4. 前記(A)波長変換材料が無機蛍光体である請求項3記載の波長変換ペースト。
  5. 前記無機蛍光体が量子ドットである請求項4記載の波長変換ペースト。
  6. 前記(C)モノマーが分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の波長変換ペースト。
  7. 前記(D)重合開始剤がラジカル開始剤である請求項1〜6のいずれかに記載の波長変換ペースト。
  8. 粘度が1000〜500000mPa・sである、請求項1〜7のいずれかに記載の波長変換ペースト。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の波長変換ペーストの硬化物を隔壁で区画されたセル内に有する波長変換基板。
  10. 請求項9に記載の波長変換基板と、OLEDまたはLEDを光源として有するディスプレイ。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の波長変換ペーストを、隔壁で区画されたセル内にノズル塗布法により塗布する工程を有する波長変換基板の製造方法。
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