JP2023031448A - 隔壁付き基板、波長変換基板、波長変換基板の製造方法および表示装置 - Google Patents

隔壁付き基板、波長変換基板、波長変換基板の製造方法および表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】隔壁の上面の撥液特性を十分に有する、波長変換材料をインクジェット塗布した際に精度よく塗り分けることができる隔壁付き基板を提供する。【解決手段】 表示装置用硬化物で区画されたセルを有することを特徴とする隔壁付き基板であって、前記隔壁の上面のXPS分析において、光電子検出角度45°とし、C1sのメインピークを284.eVとし、284.6eV、286.0eV、288.6eV、293.0eVの4つのピークに分離した際に、284.6eVのピーク面積CCHx、288.6eVのピーク面積CCOOが以下の関係式(I)を満たし、かつ前記XPS分析においてフッ素原子F、炭素原子Cの比率F/Cが、以下の関係式(II)を満たすことを特徴とする隔壁付き基板。0.1≦CCOO/CCHx≦0.4・・・(I)0.1≦F/C≦0.4 ・・・(II)【選択図】図2

Description

本発明は、隔壁付き基板、波長変換基板、波長変換基板の製造方法および表示装置に関する。
近年、スマートフォンやタブレットなどの情報端末機器の発展や、テレビをはじめとするフラットパネルディスプレイの高精細化に伴い、ディスプレイの高性能化の要求は更に高まっている。中でも、高性能のディスプレイとして、波長変換型のOLEDディスプレイ、およびLEDディスプレイが注目されている。これらのディスプレイは、光源としてアクティブマトリクス方式等で駆動されるOLEDやLEDを用い、その光の少なくとも一部を波長変換材料により変化させることでフルカラー表示させる方式のディスプレイであり、コントラストや色再現性に優れる。
光源にOLEDを用いる方法としては、青色発光のOLEDを用いる方法が知られている(特許文献1)。この場合、青色のサブピクセルではOLEDからの光を波長変換することなく透過・散乱させ、緑色、赤色のサブピクセルでは、波長変換材料によりOLEDからの青色光をそれぞれ緑、赤に変化させる。
光源にLEDを用いる方法としては、OLEDと同様に青色発光のLEDを用い、一部の光を波長変換材料で赤、緑に変色させる方式に加え、紫外線発光のLEDを用い、波長変換材料で青、緑、赤に変色させる方式が知られている(特許文献2)。
これらの波長変換型のディスプレイには、光源であるOLEDやLEDのサブピクセルと対応するサイズで、波長変換材料をパターン化して配置する必要がある。波長変換材料のパターン化方法としては、フォトリソグラフィ法、およびインクジェット法(特許文献3)が知られている。
特表2006-501617号 特表2016-523450号 国際公開第2018/123103号
しかしながら、フォトリソグラフィ法では、後述する波長変換材料を全面に塗布し、所定位置を露光した後、大半を現像により除去することから、波長変換材料のロスが大きく、また工程も露光・現像を複数回繰り返す必要があり複雑である課題があった。また、インクジェット法は、所望の位置のみに後述する波長変換層を形成できることから材料効率に優れるが、インクジェットで波長変換材料を含むインクを塗布する際、隔壁上面の撥液特性不足によって隣接するセルにインクが溢れるという課題があった。
本発明者らは、上記課題を解決するため、隔壁上面の撥液特性について、XPSの分析により、隔壁上面の元素の構成を以下の関係式が成り立つ範囲とすることで、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、表示装置用硬化物で区画されたセルを有することを特徴とする隔壁付き基板であって、前記隔壁の上面のXPS分析において、光電子検出角度45°とし、C1sのメインピークを284.6eVとし、284.6eV、286.0eV、288.6eV、293.0eVの4つのピークに分離した際に、284.6eVのピーク面積CCHx、288.6eVのピーク面積CCOOが以下の関係式(I)を満たし、かつ前記XPS分析においてフッ素原子F、炭素原子Cの比率F/Cが、以下の関係式(II)を満たすことを特徴とする隔壁付き基板である。
0.1≦CCOO/CCHx≦0.4・・・(I)
0.1≦F/C≦0.4 ・・・(II)
本発明の隔壁によれば、該隔壁の上面の撥液特性を十分に有するため、波長変換材料をインクジェット塗布した際に精度よく塗り分けることができる。
下地基板上にパターン形成された本発明の隔壁を有する隔壁付き基板の一態様を示す断面図である。 カラーフィルターを有する下地基板上にパターン形成された本発明の隔壁を有する隔壁付き基板の一態様を示す断面図である。 有機発光素子または発光ダイオードを有する下地基板上にパターン形成された本発明の隔壁を有する隔壁付き基板の一態様を示す断面図である。 パターン形成された本発明の隔壁を有する隔壁付き基板が波長変換層を具備する波長変換層基板の一態様を示す断面図である。 カラーフィルターを有する下地基板上にパターン形成された本発明の隔壁を有する隔壁付き基板が波長変換層を具備する波長変換層基板の一態様を示す断面図である。 有機発光素子または発光ダイオードを有する下地基板上にパターン形成された本発明の隔壁を有する隔壁付き基板が波長変換層を具備する波長変換層基板の一態様を示す断面図である。 パターン形成された本発明の隔壁を有する表示装置の断面図である。
本発明の表示装置は隔壁付き基板、波長変換基板を経て製造される。以下にそれぞれの基板および隔壁について定義する。
<隔壁>
本発明の隔壁は、後述する表示装置用硬化物であって、パターニング形成されたものであり、ある領域を区画している壁のことを指す。
<隔壁上面>
本発明の隔壁上面は、前記隔壁の上面部を指す。すなわち側面部は含まない表面を指す。
<隔壁付き基板>
本発明の隔壁付き基板は前記隔壁が下地基板上に形成された、区画されたセルを有する基板のことを指す。前記下地基板は、ガラス基板、樹脂基板、およびこれらの下地基板上にカラーフィルターや、有機発光素子または発光ダイオードを具備していてもよい。より具体的には図1(下地がガラス基板、樹脂基板)、図2(下地がカラーフィルターを具備する)または図3(下地が有機発光素子または発光ダイオード)に示す構造体などを指す。
<波長変換基板>
本発明の波長変換基板は、前記隔壁付き基板において、区画されたセル内に後述する波長変換層を有する基板のことを指す。より具体的には図4~6に示す構造体を指す。
<表示装置>
本発明の表示装置は、図5に示す波長変換基板に、有機発光素子または発光ダイオードを有する基板を張り合わせた構造体もしくは、図6に示す波長変換基板に遮光層や保護層等を形成したもの、および、図6に示す波長変換基板にカラーフィルターを有する基板を張り合わせた構造体(図7)のいずれかを指す。
<表示装置用硬化物>
本発明の表示装置用硬化物は、組成物を硬化してなる硬化物である。表示装置用硬化物としては微細加工性が求められることから、ネガ型感光性組成物を硬化してなる硬化物であることが好ましい。本発明において、表示装置用硬化物は、シロキサン樹脂、アクリル樹脂、またはフェノール樹脂等に代表されるアルカリ可溶性樹脂と(B)光重合開始剤、(C)光重合性化合物、(D)分子内にフッ素を有する化合物を含有するネガ型樹脂組成物を後述する工程によって加工された硬化物であることが好ましい。次に本発明を実施するための形態について記載する。
本発明の隔壁付き基板は、より好ましくは(A)シロキサン樹脂、(B)光重合開始剤、(C)光重合性化合物、(D)分子内にフッ素を有する化合物を含有し、(A)シロキサン樹脂が下記一般式(1)および/または一般式(2)で表される繰り返し単位を全繰り返し単位中10~50モル%含有することを特徴とする組成物を硬化して得られる隔壁付き基板である。
Figure 2023031448000002
(Rは炭素数1~6の直鎖状アルキレン基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1~20のアルキル基を表す。*は結合部位を表す。)
(A)シロキサン樹脂が特定構造を有することにより、耐熱性、耐光性に優れ、(B)光重合開始剤および(C)光重合性化合物を含有することにより、光照射により(B)光重合開始剤から発生したラジカルによって(C)光重合性化合物の重合が進行し、ネガ型感光性組成物の露光部がアルカリ水溶液に対して不溶化することから、ネガ型のパターンを形成することができる。
本発明の隔壁付き基板は、前記隔壁の上面のXPS分析において、光電子検出角度45°とし、C1sのメインピークを284.eVとし、284.6eV、286.0eV、288.6eV、293.0eVの4つのピークに分離した際に、284.6eVのピーク面積CCHx、288.6eVのピーク面積CCOOが以下の関係式(I)を満たし、かつ前記XPS分析においてフッ素原子F、炭素原子Cの比率F/Cが、以下の関係式(II)を満たす。
0.1≦CCOO/CCHx≦0.4・・・(I)
0.1≦F/C≦0.4 ・・・(II)。
関係式(I)
本発明におけるC1sのメインピークとは、ピークの高さが最大であるピーク位置のことを指す。前述したピーク分離法によって分離されたピークのうち、288.6eVのピークはエステル結合に由来するピークである。エステル結合を有する化合物としては、アクリル樹脂、アクリルモノマ、メタクリル樹脂、メタクリルモノマ、(A)シロキサン樹脂の側鎖、(D)分子内にフッ素を有する化合物などが挙げられ、これらのうち、隔壁上面に存在する化合物のみがXPSによって検出される。また同様にして分離されたピークのうち、284.6のピークはCHxに由来するピークであり、CCOO/CCHxは、CHx量に対するエステル結合の量ということを意味する。CCOO/CCHxが、0.1以上となるよう設計することで、前記隔壁を感光法により加工できる。また、CCOO/CCHxが、0.4以下となるよう設計することで親水性の高いエステル結合を抑制することができ、隔壁上面の撥液特性を低減することがない。
関係式(II)
F/Cを0.1以上とすることで、隔壁上面の撥液特性を付与することができ、F/Cを0.4以下とすることでセル部が波長変換材料をはじくことなく塗布することができる。
前記隔壁の上面が関係式(I)および関係式(II)を同時に満たすことで、波長変換材料をインクジェット塗布した際に精度よく塗り分けることが可能となる。
更に前記隔壁付き基板が、有機発光素子または発行ダイオードを光源として有することが好ましい。より好ましくは、アクティブマトリックス駆動が可能な青色OLED、青色LED、紫外発光LEDから選ばれた光源が好ましい。
更に前記隔壁は、隔壁の厚み10μmあたり、波長550nmの光を20~85%反射することが好ましい。反射率を20%以上とすることにより、隔壁側面における反射を利用してディスプレイの輝度を向上させることができる。一方で、隔壁パターン形成精度を向上させる観点から、反射率は、85%以下が好ましい。ここで、隔壁の厚みとは、基板に対して垂直方向(高さ方向)の隔壁の長さを指す。
関係式(III)
本発明の隔壁付き基板の隔壁上面をXPS分析した際、ケイ素原子Si、炭素原子Cの比率Si/Cが、0.02≦Si/C≦0.3 (関係式(III))の範囲を満たすことが好ましい。隔壁の波長550nmにおける光の反射率が向上し、隣接するセルへの光漏れを低減することが可能となり、画像装置の色域向上につながる観点から、Si/Cが0.02以上であることがこのましい。また隔壁に柔軟性を付与する観点からSi/Cが0.3以下であることがこのましい。
本発明の隔壁つき基板はFT-IR分析において、Si-Cに由来する1220~1290cm-1に吸収ピークがあることが好ましい。当該領域にピークが観察されることにより、隔壁の波長550nmにおける光の反射率が向上し、隣接するセルへの光漏れを低減することが可能となり、画像装置の色域向上につながる。なお隔壁上面のFT-IR分析法については、顕微IRや、ATR法、隔壁のみを剥離し、乳鉢等ですり潰した後にKBr法で測定するなど公知の手法で分析可能である。
<波長変換層>
本発明において、波長変換層は、波長変換材料を含有する。本発明において、波長変換材料とは、電磁波を吸収し、吸収した電磁波の波長と異なる波長の電磁波を放射する、波長変換性を有する材料をいう。波長変換材料を有する溶液をインクジェット塗布等によりパターン化して塗布して波長変換基板を作製し、OLED光源やLED光源と組み合わせることによりフルカラーのディスプレイとすることができる。
波長変換材料としては、無機蛍光体および/または有機蛍光体を用いることが好ましい。例えば、青色光を発光するOLEDと、波長変換基板とを組み合わせたディスプレイの場合、赤色のサブピクセルに対応する領域には、青色の励起光により励起されて赤色の蛍光を発する赤色用蛍光体を波長変換材料として用いることが好ましく、緑色のサブピクセルに対応する領域には、青色の励起光により励起されて緑色の蛍光を発する緑色用蛍光体を波長変換材料として用いることが好ましく、青色サブピクセルに対応する領域には、波長変換材料を用いないことが好ましい。同様に、各サブピクセルに対応した青色LEDや紫外線発光LEDをバックライトとして用いる方式のディスプレイにも、本発明の波長変換基板を用いることができる。各サブピクセルの発光のON/OFFは、例えばOLEDやLEDのアクティブマトリクス駆動によって可能となる。
無機蛍光体は、緑色や赤色などの各色を発光する。無機蛍光体としては、波長400~500nmの励起光により励起され、発光スペクトルが500~700nmの領域にピークを有するものや、量子ドットと称される無機半導体微粒子などが挙げられる。前者の無機蛍光体の形状としては、例えば、球状、柱状などが挙げられる。かかる無機蛍光体としては、例えば、YAG系蛍光体、TAG系蛍光体、サイアロン系蛍光体、Mn4+付活フッ化物錯体蛍光体等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
これらの中でも、量子ドットが好ましい。量子ドットは他の蛍光体に比較して発光スペクトルにおけるピークがシャープであることから、ディスプレイの色再現性を高めることができる。
量子ドットの材料としては、例えば、II-IV族、III-V族、IV-VI族、IV族の半導体などが挙げられる。これらの無機半導体としては、例えば、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイアモンドを含む)、P、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdSeZn、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si、Ge、Alなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
量子ドットは、p型ドーパントまたはn型ドーパントを含有してもよい。また、量子ドットは、コアシェル構造を有してもよい。コアシェル構造においては、シェルの周囲に目的に応じて任意の適切な機能層(単一層または複数層)が形成されていてもよく、シェル表面に表面処理および/または化学修飾がなされていてもよい。
量子ドットの形状としては、例えば、球状、柱状、燐片状、板状、不定形等が挙げられる。量子ドットの平均粒子径は、所望の発光波長に応じて選択することができ、1~30nmが好ましい。量子ドットの平均粒子径が1~10nmであれば、青色、緑色および赤色のそれぞれにおいて、発光スペクトルにおけるピークをよりシャープにすることができる。例えば、量子ドットの平均粒子径が約2nmの場合には青色光を、約3nmの場合には緑色光を、約6nmの場合には赤色光を発光する。量子ドットの平均粒子径は2nm以上が好ましく、8nm以下が好ましい。量子ドットの平均粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。平均粒子径の測定装置としては、ダイナミック光散乱光度計DLS-8000(大塚電子(株)製)などが挙げられる。
本発明の隔壁付き基板は、(A)シロキサン樹脂、(B)光重合開始剤、(C)光重合性化合物、(D)分子内にフッ素を有する化合物を等で構成されたネガ型感光性組成物をパターニングし、硬化して得られることが好ましい。以下順に説明する。
(A)シロキサン樹脂
(A)シロキサン樹脂は、オルガノシランの加水分解・脱水縮合物であり、本発明においては、少なくとも一般式(1)で表される繰り返し単位および/または一般式(2)で表される繰り返し単位を含む。
Figure 2023031448000003
(Rは炭素数1~6の直鎖状アルキレン基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1~20のアルキル基を表す。*は結合部位を表す。)これらの繰り返し単位を含むことにより露光時に(C)光重合開始剤が開裂し、発生したラジカルによってシロキサン樹脂の当該側鎖が反応する。その結果露光部と未露光部の硬化度のコントラストがつきやすくなるため、解像度をより向上させ、現像残渣をより抑制することができる。
(A)シロキサン樹脂は、(A)シロキサン樹脂の全繰り返し単位中、一般式(1)で表される繰り返し単位および一般式(2)で表される繰り返し単位を合計5~50モル%含有することを特徴とする。一般式(1)で表される繰り返し単位および一般式(2)の合計含有量が5モル%以上含有することにより、露光部と未露光部の硬化度のコントラストがつき、解像度を向上させることができる。一方、これらの繰り返し単位を50モル%以下含有することにより、露光部の過剰な硬化を抑制し、解像度をより向上させることができる。
一般式(1)で表される繰り返し単位および一般式(2)で表される繰り返し単位を含むオルガノシラン単位の含有比率は、29Si-NMR測定を行い、オルガノシランに由来するSi全体の積分値に対する、一般式(1)で表される繰り返し単位および一般式(2)で表される繰り返し単位を有するオルガノシラン単位に由来するSiの積分値の割合を算出することにより求めることができる。
また、(A)シロキサン樹脂は、一般式(3)で表される繰り返し単位および/または一般式(4)で表される繰り返し単位を含むことが好ましい。
Figure 2023031448000004
一般式(3)および一般式(4)中、Rは、カルボキシル基および/またはカルボン酸無水物基を有する炭素数1~20の1価の有機基を表す。Rは炭素数1~20のアルキル基を表す。*は結合部位を表す。一般式(3)で表される繰り返し単位および/または一般式(4)で表される繰り返し単位を含むことで、優れた現像溶解性を有し、解像度を向上させることができる。
また、一般式(3)で表される繰り返し単位および一般式(4)で表される繰り返し単位は、(A)シロキサン樹脂の全繰り返し中、5~30モル%含有することが好ましい。これらの繰り返し単位を5モル%以上含有することにより、現像残渣をより抑制することができる。一方、これらの繰り返し単位を30モル%以下含有することにより、解像度をより向上させることができる。より好ましくは5~20モル%である。
一般式(3)で表される繰り返し単位および一般式(4)で表される繰り返し単位を含むオルガノシラン単位の含有比率は、29Si-NMR測定を行い、オルガノシランに由来するSi全体の積分値に対する、一般式(3)で表される繰り返し単位および一般式(4)で表される繰り返し単位を有するオルガノシラン単位に由来するSiの積分値の割合を算出することにより求めることができる。
また、(A)シロキサン樹脂は、他の繰り替し単位を含んでもよい。他の繰り返し単位としては、非芳香族官能基を有する繰り返し単位が好ましく、それらの繰り返し単位を有することで、耐光性を向上させることが可能となる。
一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位は、それぞれ一般式(5)~(8)で表されるオルガノシラン化合物に由来する。
すなわち、前記一般式(1)で表される繰り返し単位および/または一般式(2)で表される繰り返し単位は、一般式(5)で表されるオルガノシラン化合物および/または(6)で表されるオルガノシラン化合物に由来する。
前記一般式(3)で表される繰り返し単位および/または一般式(4)で表される繰り返し単位は、一般式(7)で表されるオルガノシラン化合物および/または(8)で表されるオルガノシラン化合物に由来する。
一般式(1)~(4)で表される繰り返し単位を有する(A)ポリシロキサン樹脂は、対応する一般式(5)~(8)で表されるオルガノシラン化合物を加水分解および重縮合することによって得ることができる。さらに他のオルガノシラン化合物を用いてもよい。
Figure 2023031448000005
上記一般式(5)および一般式(6)中、R、RおよびRは、それぞれ一般式(1)および一般式(2)におけるR、RおよびRと同じ基を表す。Rは、それぞれ同じでも異なってもよく、炭素数1~20の1価の有機基を表し、炭素数1~6のアルキル基が好ましい。
上記一般式(7)および一般式(8)中、RおよびRは、それぞれ一般式(3)および一般式(4)におけるRおよびRと同じ基を表す。Rは、上記、一般式(5)および一般式(6)におけるRと同じ基を表す。
一般式(5)で表されるオルガノシラン化合物としては、例えば、γ-アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる、これらを2種以上用いてもよい。
一般式(6)で表されるオルガノシラン化合物としては、例えば、γ-アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる、これらを2種以上用いてもよい。
一般式(7)で表される構造を有するオルガノシラン化合物としては、例えば、3-トリメトキシシリルプロピオン酸、3-トリエトキシシリルプロピオン酸、4-トリメトキシシリル酪酸、4-トリエトキシシリル酪酸、5-トリメトキシシリル吉草酸、5-トリエトキシシリル吉草酸、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-トリエトキシシシリルプロピルコハク酸無水物、3-トリメトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物、3-トリエトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物、3-トリメトキシシリルプロピルフタル酸無水物、3-トリエトキシシリルプロピルフタル酸無水物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
一般式(8)で表される構造を有するオルガノシラン化合物としては、例えば、3-ジメチルメトキシシリルプロピオン酸、3-ジメチルエトキシシリルプロピオン酸、4-ジメチルメトキシシリル酪酸、4-ジメチルエトキシシリル酪酸、5-ジメチルメトキシシリル吉草酸、5-ジメチルエトキシシリル吉草酸、3-ジメチルメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-ジメチルエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-ジメチルメトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物、3-ジメチルエトキシシリルプロピルシクロヘキシルジカルボン酸無水物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
その他のオルガノシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、シリケート51(テトラエトキシシランオリゴマー)などのオルガノシラン化合物等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
(A)シロキサン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、塗布特性の観点から、1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましい。一方、現像性の観点から、(A)シロキサン樹脂のMwは、50,000以下が好ましく、20,000以下がより好ましい。ここで、本発明における(A)シロキサン樹脂のMwとは、ゲルパーエミッションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算値を言う。
ネガ型感光性組成物において、(A)シロキサン樹脂の含有量は、所望の膜厚や用途により任意に設定することができるが、ネガ型感光性組成物の固形分中、10~50重量%が一般的である。また、(A)シロキサン樹脂の含有量は、ネガ型感光性組成物の固形分中、10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましい。一方、(A)シロキサン樹脂の含有量は、ネガ型感光性組成物の固形分中、50重量%以下が好ましい。
(A)シロキサン樹脂は、前述のオルガノシラン化合物を加水分解した後、該加水分解物を溶媒の存在下または無溶媒で脱水縮合反応させることによって得ることができる。
加水分解における各種条件は、反応スケール、反応容器の大きさ、形状などを考慮して、目的とする用途に適した物性に合わせて設定することができる。各種条件としては、例えば、酸濃度、反応温度、反応時間などが挙げられる。
加水分解反応には、塩酸、酢酸、蟻酸、硝酸、蓚酸、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、多価カルボン酸やその無水物、イオン交換樹脂などの酸触媒を用いることができる。これらの中でも、蟻酸、酢酸および/またはリン酸を含む酸性水溶液が好ましい。
加水分解反応に酸触媒を用いる場合、酸触媒の添加量は、加水分解をより速やかに進行させる観点から、加水分解反応に使用される全オルガノシラン化合物100重量部に対して、0.05重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましい。一方、加水分解反応の進行を適度に調整する観点から、酸触媒の添加量は、全オルガノシラン化合物100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。ここで、全オルガノシラン化合物量とは、オルガノシラン化合物、その加水分解物およびその縮合物の全てを含む量のことを言い、以下同じとする。
加水分解反応は、有機溶媒中で行うことができる。ネガ型感光性組成物の安定性、濡れ性、揮発性などを考慮して、有機溶媒を適宜選択することができる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、3-メチル-3-メトキシ-1-ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、2-ヘプタノンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの芳香族または脂肪族炭化水素;γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
これらの中でも、硬化膜のクラック耐性等の観点から、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、γ-ブチロラクトン等が好ましく用いられる。
加水分解反応によって有機溶媒が生成する場合には、無溶媒で加水分解を行うことも可能である。加水分解反応終了後に、さらに有機溶媒を添加することにより、ネガ型感光性着色組成物として適切な濃度に調整することも好ましい。また、加水分解後に加熱および/または減圧下により生成アルコール等の全量あるいは一部を留出、除去し、その後好適な有機溶媒を添加することも可能である。
加水分解反応に有機溶媒を使用する場合、有機溶媒の添加量は、ゲルの生成を抑制する観点から、全オルガノシラン化合物100重量部に対して、50重量部以上が好ましく、80重量部以上がより好ましい。一方、有機溶媒の添加量は、加水分解をより速やかに進行させる観点から、全オルガノシラン化合物100重量部に対して、500重量部以下が好ましく、200重量部以下がより好ましい。
また、加水分解反応に用いる水としては、イオン交換水が好ましい。水の量は任意に設定することができるが、全オルガノシラン化合物1モルに対して、1.0~4.0モルが好ましい。
脱水縮合反応の方法としては、例えば、オルガノシラン化合物の加水分解反応により得られたシラノール化合物溶液をそのまま加熱する方法などが挙げられる。加熱温度は、50℃以上、溶媒の沸点以下が好ましく、加熱時間は、1~100時間が好ましい。また、シロキサン樹脂の重合度を高めるために、再加熱または塩基触媒の添加を行ってもよい。また、目的に応じて、加水分解後に、生成アルコールなどの適量を加熱および/または減圧下にて留出、除去し、その後好適な溶媒を添加してもよい。
ネガ型感光性着色組成物の保存安定性の観点から、加水分解、脱水縮合後のシロキサン樹脂溶液には前記触媒が含まれないことが好ましく、必要に応じて触媒の除去を行うことができる。触媒除去方法としては、操作の簡便さと除去性の観点から、水洗浄、イオン交換樹脂による処理などが好ましい。水洗浄とは、シロキサン樹脂溶液を適当な疎水性溶媒で希釈した後、水で数回洗浄して得られた有機層をエバポレーター等で濃縮する方法である。イオン交換樹脂による処理とは、シロキサン樹脂溶液を適当なイオン交換樹脂に接触させる方法である。
(B)光重合開始剤
(B)光重合開始剤は、光(紫外線、電子線を含む)により分解および/または反応し、ラジカルを発生させるものであればどのようなものでもよく、例えば、2-メチル-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1などのα-アミノアルキルフェノン化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-(2,4,4-トリメチルペンチル)-フォスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド化合物;1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)]、1-フェニル-1,2-ブタジオン-2-(O-メトキシカルボニル)オキシム、1,3-ジフェニルプロパントリオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)などのオキシムエステル化合物;ベンジルジメチルケタールなどのベンジルケタール化合物;2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトンなどのα-ヒドロキシケトン化合物;ベンゾフェノン、4,4-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4,4-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,3-ジエトキシアセトフェノン、4-t-ブチルジクロロアセトフェノン、ベンザルアセトフェノン、4-アジドベンザルアセトフェノンなどのアセトフェノン化合物;2-フェニル-2-オキシ酢酸メチルなどの芳香族ケトエステル化合物;4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸(2-エチル)ヘキシル、4-ジエチルアミノ安息香酸エチル、2-ベンゾイル安息香酸メチルなどの安息香酸エステル化合物などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
ネガ型感光性組成物は、(B)光重合開始剤による着色を抑制するため、2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-(2,4,4-トリメチルペンチル)-フォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いることが好ましい。
ネガ型感光性着色組成物中における(B)光重合開始剤の含有量は、ラジカル硬化を効果的に進める観点から、固形分中、0.01重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。一方、残留した(B)光重合開始剤の溶出等を抑制し、着色をより抑制させる観点から、(B)光重合開始剤の含有量は、固形分中、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
(C)光重合性化合物
(C)光重合性化合物とは、分子中に2つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物をいう。ラジカル重合性のしやすさを考えると、(C)光重合性化合物は、(メタ)アクリル基を有することが好ましい。また、(C)光重合性化合物の二重結合当量は、パターン加工における感度をより向上させる観点から、400g/mol以下が好ましい。一方、(C)光重合性化合物の二重結合当量は、パターン加工における解像度をより向上させる観点から、80g/mol以上が好ましい。
上記の(C)光重合性化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,3-ブタンジオールジアクリレート、1,3-ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、テトラペンタエリスリトールノナアクリレート、テトラペンタエリスリトールデカアクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカアクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカアクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、テトラペンタエリスリトールノナメタクリレート、テトラペンタエリスリトールデカメタクリレート、ペンタペンタエリスリトールウンデカメタクリレート、ペンタペンタエリスリトールドデカメタクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレートが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
また、その他の光重合性化合物として、一般式(9)で表される構造を有する光重合性化合物および/または一般式(10)で表される構造を有する光重合性化合物を含有することが好ましい。
Figure 2023031448000006
一般式(9)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はフェニル基を表し、nは1~40の整数を表す。
一般式(10)中、Rは水素原子またはメチル基を表す、*は結合部位を表す。
係る構造を有することにより、10μm以上の厚膜加工時においても幅広い濃度のアルカリ現像液で現像が可能であり、かつ、優れた耐クラック性を発現させることが可能となる。
一般式(9)で表される構造を有する(C)光重合性化合物の合成方法としては、例えば、複数の活性水素を有する化合物又はそのハロゲン化物と、種々のアルキレンオキサイドとの反応によって得られるポリオール化合物を、さらに(メタ)アクリル酸と反応させる方法が挙げられる。また、一般式(10)で表される構造を有する(C)光重合性化合物の合成方法としては、例えば、グリシジルエーテル基を複数有する化合物、又は、グリシジルエーテル基及びラジカル重合性基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させる方法が挙げられる。
一般式(9)で表される構造を有する光重合性化合物および一般式(10)で表される構造を有する光重合性化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200-ジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール300-ジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400-ジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200-ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール300-ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400-ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール500-ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール600-ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール700-ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール800-ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール900-ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール1000-ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン-EO変性トリ(メタ)アクリレート(平均EO数=3、EO=エチレンオキサイド)、トリメチロールプロパン-EO変性トリ(メタ)アクリレート(平均EO数=6)、トリメチロールプロパン-EO変性トリ(メタ)アクリレート(平均EO数=9)、トリメチロールプロパン-PO変性トリ(メタ)アクリレート(平均PO数=3、PO=プロピレンオキサイド)、トリメチロールプロパン-PO変性トリ(メタ)アクリレート(平均PO数=6)、トリメチロールプロパン-PO変性トリ(メタ)アクリレート(平均PO数=9)、グリセリン-EO変性トリ(メタ)アクリレート(平均EO数=3)、グリセリン-EO変性トリ(メタ)アクリレート(平均EO数=6)、グリセリン-EO変性トリ(メタ)アクリレート(平均EO数=9)、グリセリン-PO変性トリ(メタ)アクリレート(平均PO数=3)、グリセリン-PO変性トリ(メタ)アクリレート(平均PO数=6)、グリセリン-PO変性トリ(メタ)アクリレート(平均PO数=9)、ビスフェノールA-EO変性トリ(メタ)アクリレート(平均EO数=4)、ビスフェノールA-EO変性トリ(メタ)アクリレート(平均EO数=10)、ビスフェノールA-EO変性トリ(メタ)アクリレート(平均EO数=30)、ビスフェノールA-PO変性トリ(メタ)アクリレート(平均PO数=4)、ビスフェノールA-PO変性トリ(メタ)アクリレート(平均PO数=10)、ビスフェノールA-PO変性トリ(メタ)アクリレート(平均PO数=30)、イソシアヌル酸-EO変性トリ(メタ)アクリレート(平均EO数=3)、イソシアヌル酸-EO変性ジ(メタ)アクリレート(平均EO数=3)、イソシアヌル酸-PO変性トリ(メタ)アクリレート(平均PO数=3)、イソシアヌル酸-PO変性ジ(メタ)アクリレート(平均PO数=3)、1,2-エタンジチオール-EO変性ジ(メタ)アクリレート(平均EO数=4)、1,2プロパンジチオール-EO変性ジ(メタ)アクリレート(平均EO数=4)、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル又はトリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
ネガ型感光性着色組成物中における(C)光重合性化合物の含有量は、ラジカル硬化を効果的に進める観点から、ネガ型感光性着色組成物固形分中、1重量%以上が好ましい。一方、ラジカルの過剰反応を抑制し解像度をより向上させる観点から、(C)光重合性化合物の含有量は、固形分中、40重量%以下が好ましい。
(D)分子内にフッ素を有する化合物
(D)分子内にフッ素を有する化合物は例えば、1,1,2,2-テトラフロロオクチル(1,1,2,2-テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2-テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2-テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3-ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2-テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3-ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10-デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3-ヘキサフロロデカン、N-[3-(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]-N,N’-ジメチル-N-カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル-N-エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N-パーフルオロオクチルスルホニル-N-エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステルなどの末端、主鎖および/または側鎖にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物などが挙げられる。また、市販の化合物としては、“メガファック”(登録商標)F142D、同F172、同F173、同F183、同F444、F477(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)、フロラードFC-430、同FC-431(住友スリーエム(株)製))、“アサヒガード”(登録商標)AG710、“サーフロン”(登録商標)S-382、同SC-101、同SC-102、同SC-103、同SC-104、同SC-105、同SC-106(旭硝子(株)製)、BM-1000、BM-1100(裕商(株)製)、NBX-15、FTX-218、DFX-18((株)ネオス製)などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、反応性が高く、樹脂と強固な結合を形成することができることから、光重合性基を有するものがより好ましい。フッ素原子および光重合性基を有する撥液化合物としては、例えば、“メガファック”RS-76-E、同RS-56、同RS-72-K、同RS-75、同RS-76-E、同RS-76-NS、同RS-90(以上、商品名、DIC(株)製)等が挙げられる。
硬化膜の撥液性能を向上させ、インクジェット塗布性を向上させる観点から、(D)分子内にフッ素を有する化合物の含有量は、0.01重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。一方、樹脂や白色顔料との相溶性を向上させる観点から、撥液化合物の含有量は、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
また本発明のネガ型感光性組成物は、さらに(E)シランカップリング剤を含有する。(E)シランカップリング剤の例としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3-エチル-3-{[3-(トリメトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、3-エチル-3-{[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
本発明のネガ型感光性組成物において、(E)シランカップリング剤の含有量は、以下の関係式を満たすことが好ましい。
E:組成物中の全固形分にしめる(E)シランカップリング剤の含有量(wt%)
Mw:(A)シロキサン樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量
E≦10(wt%) ・・・(IV)
E≧(-0.008×Mw+4.556)(wt%)・・・(V)
本発明によると、(E)シランカップリング剤はネガ型感光性組成物を後に記述する隔壁形成工程において塗布成膜時のプリベーク中に(A)シロキサン樹脂の架橋反応を促進するため、隔壁上面に偏析した(D)分子内にフッ素を有する化合物を繋ぎとめることが可能となるため、現像液によって洗い流されることなく、隔壁上面に留め置くことができる。これにより、隔壁上面に撥液特性を発現させることができる。
関係式(IV)は、(A)シロキサン樹脂がいかなる分子量であっても(E)シランカップリング剤を含有できる上限値を意味する。ネガ型感光性組成物の保存安定性の観点から10wt%以下であることが好ましい。
関係式(V)は(A)シロキサン樹脂の分子量と、(E)シランカップリング剤の含有量を意味し、各分子量における下限値を意味する。本関係式以下の含有量では、前述の(D)分子内にフッ素を有する化合物を繋ぎとめる効果が発揮されなくなり、隔壁上面の撥液特性が不足する。さらに、Mwの範囲は(D)分子内にフッ素を有する化合物を繋ぎとめる効果の期待できる2000以上が好ましい。また現像性の観点から50,000以下が好ましく、20,000以下がより好ましい。
また本発明のネガ型感光性組成物は(F)白色顔料を含有することが好ましい。(F)白色顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、鉛白等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウムおよびこれらの複合化合物を少なくとも1種類以上を含むことが好ましく、反射率が高く工業的利用が容易な二酸化チタンがより好ましい。
二酸化チタンの結晶構造は、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型に分類される。これらの中でも、光触媒活性が低いことから、ルチル型酸化チタンが好ましい。
(F)白色顔料には、表面処理が施されていてもよい。Al、Siおよび/またはZrによる表面処理が好ましく、ネガ型感光性組成物中における(F)白色顔料の分散性を向上させ、硬化膜の耐光性、耐熱性をより向上させることができる。
(F)白色顔料の平均一次粒子径は、反射率をより向上させる観点から、170~310nmが好ましい。ここで、(F)白色顔料の平均一次粒子径とは、レーザー回折法により測定された粒度分布から算出されるメディアン径をいう。
(F)白色顔料として好ましく用いられる二酸化チタン顔料としては、例えば、R960;デュポン(株)製(ルチル型、SiO/Al処理、平均一次粒子径210nm)、CR-97;石原産業(株)製(ルチル型、Al/ZrO処理、平均一次粒子径250nm)、JR-301;テイカ(株)製(ルチル型、Al処理、平均一次粒子径300nm)、JR-405;テイカ(株)製(ルチル型、Al処理、平均一次粒子径210nm)、JR-600A;テイカ(株)(ルチル型、Al処理、平均一次粒子径250nm)、JR-603;テイカ(株)(ルチル型、Al/ZrO処理、平均一次粒子径280nm)等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
(F)白色顔料の含有量は、反射率をより向上させる観点から、ネガ型感光性着色組成物の固形分中、10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましい。一方、(F)白色顔料の含有量は、現像残渣を抑制してより高解像度のパターンを形成する観点から、固形分中、80重量%以下が好ましく、60重量%以下がさらに好ましい。
ネガ型感光性着色組成物は、(F)白色顔料とともに顔料分散剤を含有してもよく、ネガ型感光性組成物における(F)白色顔料の分散性を向上させることができる。顔料分散剤は、用いる白色顔料の種類、表面状態によって適宜選択することができる。顔料分散剤は、酸性基および/または塩基性基を含有することが好ましい。市販の顔料分散剤としては、例えば、“Disperbyk”(登録商標)106”、“Disperbyk”108、“Disperbyk”110、“Disperbyk”180、“Disperbyk”190、“Disperbyk”2001、“Disperbyk”2155、“Disperbyk”140、“Disperbyk”145(以上、商品名、ビックケミー(株)製)などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
(G)有機溶媒
本発明のネガ型感光性組成物は、(G)有機溶媒を含有する。
有機溶媒として、大気圧下の沸点が150℃以上250℃以下の有機溶媒と、150℃未満の有機溶媒を組み合わせることが好ましい。沸点が150℃以上250℃以下の有機溶媒を含有することにより、塗布時に適度に有機溶媒が揮発して塗膜の乾燥が進行するため、塗布ムラを抑制し、膜厚均一性を向上させることができる。さらに、大気圧下の沸点が150℃未満の有機溶媒を含有することにより、後述する本発明の硬化膜中への有機溶媒の残存を抑制することができる。硬化膜中への有機溶媒の残存を抑制し、耐薬品性および密着性を長期間より向上させる観点から、大気圧下の沸点が150℃未満の有機溶媒を、有機溶媒全体の50重量%以上含有することが好ましい。
大気圧下の沸点が150℃未満の有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1-プロピルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソペンチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸メトキシメチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1-メトキシプロピル-2-アセテート、アセトール、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、乳酸メチル、トルエン、シクロペンタノン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、ベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル、酢酸ペンチル、3-ヒドロキシ-3-メチル-2-ブタノン、4-ヒドロキシ-3-メチル-2-ブタノン、5-ヒドロキシ-2-ペンタノンが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
大気圧下の沸点が150℃以上250℃以下の有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-tert-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノt-ブチルエーテル、酢酸2-エトキシエチル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、3-エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、乳酸エチル、乳酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、炭酸プロピレン、N-メチルピロリドン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
有機溶媒の含有量は、塗布方法などに応じて任意に設定することができる。例えば、スピンコーティングにより膜形成を行う場合には、ネガ型感光性組成物中、50重量%以上、95重量%以下とすることが一般的である。
また、本発明のネガ型感光性組成物は、必要に応じて(H)黒色顔料を含有してもよい。(H)黒色顔料を含有することにより、硬化膜の遮光性を向上させることができる。(H)黒色顔料としては、例えば、黒色有機顔料、混色有機顔料、黒色無機顔料等が挙げられる。黒色有機顔料としては、例えば、カーボンブラック、ペリレンブラック、アニリンブラック、ベンゾフラノン系顔料などが挙げられる。これらは、樹脂で被覆されていてもよい。混色有機顔料としては、例えば、赤、青、緑、紫、黄色、マゼンダおよび/またはシアン等の2種以上の顔料を混合して疑似黒色化したものが挙げられる。これらの中でも、適度に高いOD値とパターン加工性を両立する観点から、赤色顔料と青色顔料との混合顔料が好ましい。赤色顔料と青色顔料の重量比は、20/80~80/20が好ましく、30/70~70/30がより好ましい。代表的な顔料の具体例をカラーインデックス(CI)ナンバーで示すと、次のようなものが挙げられる。赤色顔料としては、例えば、ピグメントレッド(以下PRと略す)9、PR48、PR97、PR122、PR123、PR144、PR149、PR166、PR168、PR177、PR179、PR180、PR192、PR209、PR215、PR216、PR217、PR220、PR223、PR224、PR226、PR227、PR228、PR240、PR254などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。青色顔料としては、例えば、ピグメントブルー(以下PBと略す)15、PB15:3、PB15:4、PB15:6、PB22、PB60、PB64などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。黒色無機顔料としては、例えば、グラファイト;チタン、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム、銀、金、白金、パラジウム等の金属の微粒子;金属酸化物;金属複合酸化物;金属硫化物;金属窒化物;金属酸窒化物;金属炭化物などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
以上の黒色顔料の中でも、高い遮光性を有することから、窒化チタン、窒化ジルコニウム、カーボンブラック、および赤色顔料と青色顔料の混合顔料を少なくとも1種類以上含むことがさらに好ましい。黒色顔料の含有量は、反射率およびOD調整して隣接画素における光の混色を抑制する観点から、0.2重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がより好ましい。一方、反射率およびOD調整する観点から、黒色顔料の含有量は、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。
また、本発明のネガ型感光性組成物は、必要に応じて(I)有機金属化合物を含有することができる。(I)有機金属化合物は、硬化膜のパターン形成に際し、露光工程および/または加熱工程において、分解・凝集することにより黒色顔料となり、遮光性を向上させる機能を有する。
(I)有機金属化合物としては、高い遮光性を有することから、銀、金、白金およびパラジウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含むことがより好ましい。銀、金、白金およびパラジウムからなる群より選ばれる金属化合物としては、例えば、ネオデカン酸銀、オクチル酸銀、サリチル酸銀などの銀を含有する有機金属化合物;クロロ(トリフェニルホスフィン)金、テトラクロロ金酸四水和物などの金を含有する有機金属化合物;ビス(アセチルアセトナト)白金、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金、ジクロロビス(ベンゾニトリル)白金などの白金を含有する有機金属化合物;ビス(アセチルアセトナト)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジベンジリデンアセトンパラジウムなどのパラジウムを含有する有機金属化合物などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、遮光性をより向上させる観点から、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムがさらに好ましい。
ネガ型感光性組成物の固形分中に占める(I)有機金属化合物の含有量は、0.2~5重量%が好ましい。有機金属化合物の含有量を0.2重量%以上とすることにより、OD値をより向上させることができる。有機金属化合物の含有量は、1.5重量%以上がより好ましい。一方、有機金属化合物の含有量を5重量%以下とすることにより、反射率をより向上させることができる。
本発明のネガ型感光性組成物は、必要に応じて(J)リン原子を有する配位性化合物(以下、「配位性化合物」と記載する場合がある)を含有することができる。配位性化合物は、ネガ型感光性着色組成物中の有機金属化合物に配位し、有機金属化合物の溶媒への溶解性を向上させて有機金属化合物の分解を促進し、遮光性をより向上させることができる。
配位性化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ-t-ブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、テトラフルオロホウ酸トリ-t-ブチルホスフィン、トリ(2-フリル)ホスフィン、トリス(1-アダマンチル)ホスフィン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(O-トリル)ホスフィンなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。本発明のネガ型感光性着色組成物における配位性化合物の含有量は、有機金属化合物に対して0.5~3.0モル当量が好ましい。
また、本発明のネガ型感光性組成物は、必要に応じて、架橋剤、紫外線吸収材、重合禁止剤、界面活性剤などをさらに含有してもよい。
ネガ型感光性組成物が架橋剤を含有することにより、熱硬化時にシロキサン樹脂の架橋が促進され、硬化膜の架橋度が高くなる。そのため、熱硬化時の微細パターンの溶融によるパターン解像度の低下が抑制される。硬化剤としては、例えば、窒素含有有機物、シリコーン樹脂硬化剤、イソシアネート化合物およびその重合体、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体、各種金属アルコールレート、各種金属キレート化合物、熱酸発生材、光酸発生材、などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、硬化剤の安定性、塗布膜の加工性などの観点から、メチロール化メラミン誘導体、メチロール化尿素誘導体、光酸発生材が好ましく用いられる。
ネガ型感光性着色組成物が紫外線吸収剤を含有することにより、硬化膜の耐光性を向上させ、解像度をより向上させることができる。紫外線吸収剤としては、加熱による色変化をより抑制する観点から、2-(2Hベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-tert-ペンチルフェノール、2-(2Hベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;2-(4,6-ジフェニル-1,3,5トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノールなどのトリアジン系化合物が好ましく用いられる。これらを2種以上含有してもよい。
ネガ型感光性組成物が重合禁止剤を含有することにより、解像度を向上させることができる。重合禁止剤としては、例えば、ジ-t-ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ハイドロキノン、4-メトキシフェノール、1,4-ベンゾキノン、t-ブチルカテコールが挙げられる。また、市販の重合禁止剤としては、“IRGANOX”(登録商標)1010、“IRGANOX”1035、“IRGANOX”1076、“IRGANOX”1098、“IRGANOX”1135、“IRGANOX”1330、“IRGANOX”1726、“IRGANOX”1425、“IRGANOX”1520、“IRGANOX”245、“IRGANOX”259、“IRGANOX”3114、“IRGANOX”565、“IRGANOX”295(以上、商品名、BASFジャパン(株)製)などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
ネガ型感光性組成物が界面活性剤を含有することにより、塗布時のフロー性を向上させることができる。界面活性剤としては、例えば、“メガファック”(登録商標)F142D、“メガファック”F172、“メガファック”F173、“メガファック”F183、“メガファック”F445、“メガファック”F470、“メガファック”F475、“メガファック”F477(以上、商品名、DIC(株)製)などのフッ素系界面活性剤;“BYK”(登録商標)-333、“BYK”-301、“BYK”-331、“BYK”-345、“BYK”-307(以上、商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製)などのシリコーン系界面活性剤;ポリアルキレンオキシド系界面活性剤;ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
本発明のネガ型感光性組成物の固形分濃度は、塗布方法などに応じて任意に設定することができる。例えば、後述のようにスピンコーティングにより膜形成を行う場合には、固形分濃度を、5重量%以上、50重量%以下とすることが一般的である。ここでいう固形分とは、ネガ型感光性着色組成物に含まれる成分のうち、溶媒等の揮発性の成分を除いた全成分のことを意味する。固形分の量は、ネガ型感光性組成物を、250℃で30分間加熱して揮発性の成分を蒸発させた残分を計ることにより求めることができる。
次に本発明のネガ型感光性組成物の製造方法について、以下に説明する。前述の(A)~(D)成分および必要に応じてその他成分を混合することにより、本発明のネガ型感光性組成物を得ることができる。より具体的には、例えば、(A)シロキサン樹脂、(B)光重合開始剤、(C)光重合性化合物、(D)分子内にフッ素を有する化合物および必要に応じてその他成分を撹拌して溶解させ、ろ過することが好ましい。
次に、本発明の隔壁付き基板について説明する。本発明の隔壁付き基板は、前述の本発明のネガ型感光性組成物の硬化膜であることが好ましい。また、本発明の隔壁は、良好な反射性を発現するために、5μm以上の厚みであることが好ましい。
本発明の隔壁付き基板の製造方法について説明する。なお本発明の隔壁は、下地基板上にパターン形成された本発明のネガ型感光性組成物であって、下地基板は、隔壁付き基板における支持体としての機能を有し、隔壁は、後述する波長変換材料を含有する画素を有する場合、隣接する画素間における光の混色を防止する機能を有する。
本発明の隔壁付き基板の製造方法は、(i)本発明のネガ型感光性組成物を下地基板上に塗布して塗膜を形成する工程、(ii)前記塗膜を露光および現像する工程、および(iii)前記現像後の塗膜を加熱する工程を有する。以下に、各工程について説明する。
(i)本発明のネガ型感光性組成物を下地基板上に塗布して塗膜を形成する工程
下地基板としては、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等のガラス基板がの他に、樹脂板、樹脂フイルムなどが挙げられる。樹脂板および樹脂フイルムの材質としては、ポリエステル、(メタ)アクリルポリマ、透明ポリイミド、ポリエーテルスルフォン等が好ましい。ガラス板および樹脂板の厚みは、1mm以下が好ましく、0.8mm以下が好ましい。樹脂フイルムの厚みは、100μm以下が好ましい。またこれらの下地基板上に予めカラーフィルター層が具備されている基板または、予め発光ダイオードが配置された基板を用いてもよい。
塗布方式としては、例えば、スピンコーティング、スリットコーティング、スクリーン印刷、インクジェット塗布、バーコーター塗布等が挙げられる。
ネガ型感光性組成物を塗布した基板を乾燥(プリベーク)することが好ましい。乾燥方法としては、減圧乾燥、加熱乾燥などが挙げられる。加熱装置としては、例えば、ホットプレート、オーブン等が挙げられる。加熱温度は60~150℃が好ましく、加熱時間は30秒間~3分間が好ましい。プリベーク後の膜厚は、5~20μmが好ましい。
(ii)前記塗膜を露光および現像する工程
露光は、所望のマスクを介して行ってもよいし、マスクを介さずに行ってもよい。露光機としては、例えば、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナー(以下、「PLA」)等が挙げられる。露光強度は10~4000J/m程度(波長365nm露光量換算)が一般的である。露光光源としては、例えば、i線、g線、h線等の紫外線や、KrF(波長248nm)レーザー、ArF(波長193nm)レーザーなどが挙げられる。
現像方法としては、例えば、シャワー、ディッピング、パドル等の方法が挙げられる。現像液に浸漬する時間は5秒間~10分間が好ましい。現像液としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩等の無機アルカリ;2-ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリン等の4級アンモニウム塩の水溶液などが挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、続いて50~140℃で乾燥ベークをしても構わない。
(iii)前記現像後の塗膜を加熱する工程
加熱装置としては、例えば、ホットプレート、オーブン等が挙げられる。加熱温度は120~250℃が好ましく、加熱時間は15分間~2時間が好ましい。
このようにして本発明の隔壁付き基板を得ることができる。
次に本発明の波長変換基板について説明する。
本発明の隔壁付き基板は、さらに、前記隔壁によって隔てられて配列した波長変換材料を含有する画素を有することが好ましい。画素は、入射光の波長領域の少なくとも一部を変換して、入射光とは異なる波長領域の出射光を放出することにより、カラー表示する機能を有する。画素の厚みは、色特性を向上させる観点から、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。一方、画素の厚みは、表示装置の薄型化や曲面加工性の観点から、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。また各画素の大きさは、20~200μm程度が一般的である。画素は、隔壁によって隔てられて配列していることが好ましい。画素と画素の間に隔壁を設けることにより、発光した光の拡散や混色をより抑制することができる。
画素の形成方法としては、例えば、波長変換材料を含有する波長変換材料塗液を、隔壁によって隔てられた空間に充填する方法が挙げられる。波長変換材料塗液は、さらに樹脂や溶媒を含有してもよい。
波長変換材料塗液の充填方法としては、各画素に種類の異なる色変換発光材料を容易に塗り分ける観点から、インクジェット塗布法などが好ましい。
得られた塗布膜を減圧乾燥および/または加熱乾燥してもよい。減圧乾燥する場合、乾燥溶媒が減圧チャンバー内壁に再凝縮することを防ぐために、減圧乾燥温度は、80℃以下が好ましい。減圧乾燥の圧力は、塗布膜に含まれる溶媒の蒸気圧以下が好ましく、1~1000Paが好ましい。減圧乾燥時間は、10~600秒間が好ましい。加熱乾燥する場合、加熱乾燥装置としては、例えば、オーブンやホットプレートなどが挙げられる。加熱乾燥温度は、60~200℃が好ましい。加熱乾燥時間は、1~60分間が好ましい。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。合成例、調製例および実施例に用いた化合物のうち、略語を使用しているものについて、以下に示す。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
DAA:ジアセトンアルコール
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン。
合成例1~5におけるシロキサン樹脂溶液の固形分濃度は、以下の方法により求めた。アルミカップにシロキサン樹脂溶液またはアクリル樹脂溶液を1.5g秤取し、ホットプレートを用いて250℃で30分間加熱して液分を蒸発させた。加熱後のアルミカップに残った固形分の重量を秤量して、加熱前の重量に対する割合からシロキサン樹脂溶液またはアクリル樹脂溶液の固形分濃度を求めた。
合成例1~5におけるシロキサン樹脂におけるアクリル樹脂の重量平均分子量は、以下の方法により求めた。GPC分析装置(HLC-8220;東ソー(株)製)を用い、流動層としてテトラヒドロフランを用いて、「JIS K7252-3(制定年月日=2008/03/20)」に基づきGPC分析を行い、ポリスチレン換算の重量平均分子量を測定した。
合成例1~5におけるシロキサン樹脂中の各繰り返し単位の含有比率は、以下の方法により求めた。シロキサン樹脂溶液を直径10mmの“テフロン”(登録商標)製NMRサンプル管に注入して29Si-NMR測定を行い、オルガノシランに由来するSi全体の積分値に対する、特定のオルガノシランに由来するSiの積分値の割合から各繰り返し単位の含有比率を算出した。29Si-NMR測定条件を以下に示す。
装置:核磁気共鳴装置(JNM-GX270;日本電子(株)製)
測定法:ゲーテッドデカップリング法
測定核周波数:53.6693MHz(29Si核)
スペクトル幅:20000Hz
パルス幅:12μs(45°パルス)
パルス繰り返し時間:30.0秒
溶媒:アセトン-d6
基準物質:テトラメチルシラン
測定温度:23℃
試料回転数:0.0Hz。
合成例1 シロキサン樹脂(A-1)溶液
500mlの三口フラスコに、プロピルトリメトキシシランを59.15g(0.400mol)、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を41.32g(0.175mol)、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを36.60g(0.175mol)、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを11.09g(0.05mol)、メチルトリメトキシシランを24.52g(0.200mol)、BHTを0.561g、PGMEAを122.34g仕込み、室温で撹拌しながら水48.60gにリン酸1.727g(仕込みモノマーに対して1.0重量%)を溶かしたリン酸水溶液を30分間かけて添加した。
その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて90分間撹拌した後、オイルバスを30分間かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液温度(内温)が100℃に到達し、そこから1時間30分加熱撹拌し(内温は100~110℃)、シロキサン樹脂溶液を得た。なお、昇温および加熱撹拌中、窒素95体積%、酸素5体積%の混合気体を0.05リットル/分流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計110.70g留出した。得られたシロキサン樹脂溶液に、固形分濃度が40重量%となるようにPGMEAを追加し、シロキサン樹脂(A-1)溶液を得た。なお、得られたシロキサン樹脂(A-1)の重量平均分子量は3,700(ポリスチレン換算)であった。
また、29Si-NMRの測定結果より、シロキサン樹脂(A-1)における、プロピルトリメトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランに由来する繰り返し単位のモル比は、それぞれ40mol%、17.5mol%、17.5mol%、5mol%、20mol%であった。
合成例2 シロキサン樹脂(A-2)溶液
合成例1のリン酸を1.727gから、2.590gに変更した以外は合成例1と同様に実施し、シロキサン樹脂(A-2)溶液を得た。なお、得られたシロキサン樹脂(A-2)の重量平均分子量は6,500(ポリスチレン換算)であった。
また、29Si-NMRの測定結果より、シロキサン樹脂(A-2)における、プロピルトリメトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランに由来する繰り返し単位のモル比は、それぞれ40mol%、17.5mol%、17.5mol%、5mol%、20mol%であった。
合成例3 シロキサン樹脂(A-3)溶液
合成例1のリン酸を1.727gから、0.863gに変更した以外は合成例1と同様に実施し、シロキサン樹脂(A-3)溶液を得た。なお、得られたシロキサン樹脂(A-3)の重量平均分子量は2,800(ポリスチレン換算)であった。
また、29Si-NMRの測定結果より、シロキサン樹脂(A-2)における、プロピルトリメトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランに由来する繰り返し単位のモル比は、それぞれ40mol%、17.5mol%、17.5mol%、5mol%、20mol%であった。
合成例4 シロキサン樹脂(A-4)溶液
500mlの三口フラスコに、ジフェニルジメトキシシランを87.97g(0.400mol)、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物を41.32g(0.175mol)、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを36.60g(0.175mol)、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを11.09g(0.05mol)、メチルトリメトキシシランを24.52g(0.200mol)、BHTを0.743g、PGMEAを158.37g仕込み、室温で撹拌しながら水42.12gにリン酸2.015g(仕込みモノマーに対して1.0重量%)を溶かしたリン酸水溶液を30分間かけて添加した。
その後、フラスコを70℃のオイルバスに浸けて90分間撹拌した後、オイルバスを30分間かけて115℃まで昇温した。昇温開始1時間後に溶液温度(内温)が100℃に到達し、そこから1時間30分加熱撹拌し(内温は100~110℃)、シロキサン樹脂溶液を得た。なお、昇温および加熱撹拌中、窒素95体積%、酸素5体積%の混合気体を0.05リットル/分流した。反応中に副生成物であるメタノール、水が合計95.94g留出した。得られたシロキサン樹脂溶液に、固形分濃度が40重量%となるようにPGMEAを追加し、シロキサン樹脂(A-4)溶液を得た。なお、得られたシロキサン樹脂(A-4)の重量平均分子量は1,800(ポリスチレン換算)であった。
また、29Si-NMRの測定結果より、シロキサン樹脂(A-4)における、ジフェニルジメトキシ、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシランに由来する繰り返し単位のモル比は、それぞれ40mol%、17.5mol%、17.5mol%、5mol%、20mol%であった。
合成例5 アクリル樹脂(A-5)溶液
500mLのフラスコに2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)を3.00g、PGMEAを50.0g仕込んだ後、メタクリル酸を30.0g(0.349mol)、スチレンを22.48g(0.216mol)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルメタクリレートを35.0g(0.149mol)仕込み、室温でしばらく撹拌し、フラスコ内を窒素置換した後、70℃で5時間加熱撹拌した。次に、得られた溶液にメタクリル酸グリシジルを15.00g(0.106mol)、トリフェニルホスフィンを1.00g、p-メトキシフェノールを0.200g、PGMEAを100g添加し、90℃で4時間加熱撹拌し、(メタ)アクリルポリマ溶液を得た。得られた(メタ)アクリルポリマ溶液に固形分濃度が40重量%になるようにPGMEAを加え、(メタ)アクリルポリマ溶液(A-5)とした。(メタ)アクリルポリマの重量平均分子量は16000であった。
合成例1~4のシロキサン樹脂、A-5のアクリル樹脂の原料組成を表1および表2に示す。
Figure 2023031448000007
Figure 2023031448000008
各実施例および比較例における評価は、以下の方法により行った。
<硬化膜の作製>
スピンコーター(商品名1H-360S、ミカサ(株)製)を用いて、各実施例および比較例により得られたネガ型感光性組成物を、10cm角の無アルカリガラス基板上に、キュア後の膜厚が10μmとなるようにスピンコートし、真空ホットプレート(東レ(株)製)を用いて、25℃、100Paで1分間乾燥した。乾燥膜を更にホットプレート(商品名SCW-636、大日本スクリーン製造(株)製)を用いて、温度100℃で3分間プリベークし、膜厚10μmのプリベーク膜を作製した。
作製したプリベーク膜を、パラレルライトマスクアライナー(商品名PLA-501F、キヤノン(株)製)を用いて、超高圧水銀灯を光源とし、マスクを介さず露光量400mJ/cm(i線)で露光した。その後、自動現像装置(滝沢産業(株)製「AD-1200(商品名)」)を用いて、0.045重量%水酸化カリウム水溶液を用いて80秒間シャワー現像し、次いで水を用いて30秒間リンスした。得られた現像後膜をオーブン(商品名IHPS-222、エスペック(株)製)を用いて、空気中、温度230℃で30分間キュアし、硬化膜を作製した。
<表面自由エネルギー>
得られた硬化膜について、接触角計DropMasterDM501(協和界面科学(株)製)を使用して、25℃、65%RH下で、表面自由エネルギーおよび分散力、極性力、水素結合力の値が既知の測定液として、水、ジヨードメタン、1-ブロモナフタレンの接触角を測定した。1つの測定面に対し5回測定を行い、その平均値を接触角(θ)とした。得られた接触角(θ)の値および各測定液の既知の値(Panzerによる方法IV(日本接着協会誌第15巻、第3号、第96頁に記載)から、北崎・畑の式より導入される下記式を用いて、硬化膜の分散力、極性力、水素結合力の値を計算した。
Figure 2023031448000009
ここで、γLd、γLp、γLhは、それぞれ測定液の分散力、極性力、水素結合力を表し、θは硬化膜上における各測定液の接触角を表す。また、γSd、γSp、γShは、それぞれ硬化膜表面の分散力、極性力、水素結合力の値を表し、γLは各測定液の表面エネルギーを表す。既知の値およびθを上記の式に代入して得られた連立方程式を解くことにより、硬化膜表面のγSd、γSp、γShを求めた。これらの値から、下記式により表面自由エネルギーを算出した。
表面自由エネルギー=γSd+γSp+γSh。
<XPS>
上術に記載の方法で得られた硬化膜について、XPS分析装置(Quantera SXM(PHI社製)を用いて以下の条件で分析を実施した。
励起X線:monochromatic AlKα1,2線(1,486.6eV)
X線径:200μm
光電子検出角度:45°(試料面に対する検出器の傾き
検出元素:フッ素、酸素、炭素、ケイ素、窒素、チタンおよびワイドスキャン
データ処理:C1sメインピークを284.6eVとし、C1sに帰属するピークについて、284.6eV、286.0eV、288.6eV、293eVの4つのピークに分離
解析項目:284.6eVの面積をCCHx、288.6eVの面積をCCOO。
<反射率>
上術に記載の方法で得られた硬化膜について、分光測色計(商品名CM-2600d、コニカミノルタ(株)製)を用いて、膜側からSCIモードで波長550nmにおける反射率を測定した。
<FT-IR>
上述に記載の方法で得られた硬化膜について、全反射赤外分光法(ATR)で測定した。測定機械には、Nicolet(株)製Avatar360FT-IR測定機を用い、全反射測定用のアクセサリーとして同社製の一回反射型水平状ATR測定装置(OMNI-Sampler)およびダイヤモンド製のATRクリスタルを用いて、試料表面を測定した。測定条件として、分解能を4cm-1、スキャン回数を32回に設定し、測定を行った。得られるスペクトルは吸光度で表し、オートベースライン補正を行った後、1220~1290cm-1にSi-C結合に由来する吸収ピークが存在するか分析を実施した。
実施例1
(F)白色顔料として、二酸化チタン顔料(R-960;BASFジャパン(株)製)5.00gに、(A)シロキサン樹脂として、シロキサン樹脂(A-1)溶液5.00gを混合し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液(MW-1)を得た。更に黒色顔料として、窒化チタン(和光純薬工業(株)製;粒径:50nm、チタン含有量:74.3重量%、窒素含有量:20.3重量%、酸素含有量:2.94重量%)5.00gに、(A)シロキサン樹脂として、シロキサン樹脂(A-1)溶液5.00gを混合し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液(MW-2)を得た。
次に、顔料分散液(MW-1)4.800g、顔料分散液(MW-2)0.08g、シロキサン樹脂(A-1)溶液11.21g、(B)光重合開始剤としてエタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(О-アセチルオキシム)(“イルガキュア”(登録商標)OXE-02(商品名)BASFジャパン(株)製(以下「OXE-02」))0.180g、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド(“イルガキュア”-819(商品名)、BASFジャパン(株)製)0.36g、(C)光重合性化合物として、ペンタエリスリトールアクリレート(“ライトアクリレート”(登録商標)PE-4A(商品名)、共栄社化学(株)製)3.00g、3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(“セロキサイド”(登録商標)-2021P(商品名)、ダイセル(株)製)0.24g、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート](“イルガノックス”(登録商標)-1010(商品名)、BASFジャパン(株)製)0.04g、KBM-303(信越化学工業(株))0.24g、(D)分子内にフッ素を有する化合物として(“メガファック”(登録商標)RS-72-A(商品名)DIC(株)製(以下「RS-75-A」))の30重量%PGMEA希釈溶液0.20g、アクリル系界面活性剤(商品名“BYK”(登録商標)-352、ビックケミージャパン(株)製)のPGMEA10重量%希釈溶液0.15g(濃度500ppmに相当)を、DAA0.90gとPGMEA8.60gの混合溶媒に溶解させ、撹拌した。次いで、5.0μmのフィルターでろ過を行い、ネガ型感光性組成物(P-1)を得た。得られたネガ型感光性組成物(P-1)について、表面自由エネルギー、XPS分析、反射率について評価した。
実施例2~9、比較例1~3
表3に示す通り、実施例1と同様の手順により、ネガ型感光性組成物(P-2)~(P-12)を得た。得られたネガ型感光性組成物(P-2)~(P-12)を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。
実施例1~9、比較例1~3の組成を表3に、評価結果を表4に示す。
Figure 2023031448000010
Figure 2023031448000011
a:下地基板
b1:隔壁
b2:隔壁上面
c:ブラックマトリックス(BM)
d:カラーフィルター
e:オーバーコート(OC)
f:有機発光素子または発光ダイオード
g:波長変換層

Claims (9)

  1. 表示装置用硬化物で区画されたセルを有することを特徴とする隔壁付き基板であって、前記隔壁上面のXPS分析において、光電子検出角度5°とし、C1sのメインピークを284.6eVとし、284.6eV、286.0eV、288.6eV、293.0eVの4つのピークに分離した際に、284.6eVのピーク面積CCHx、288.6eVのピーク面積CCOOが以下の関係式(I)を満たし、かつ前記XPS分析においてフッ素原子F、炭素原子Cの比率F/Cが、以下の関係式(II)を満たすことを特徴とする隔壁付き基板。
    0.1≦CCOO/CCHx≦0.4・・・(I)
    0.1≦F/C≦0.4 ・・・(II)
  2. 前記隔壁上面の前記XPS分析におけるケイ素原子Si、炭素原子Cの比率Si/Cが、関係式(III)を満たす請求項1に記載の隔壁付き基板。
    0.02≦Si/C≦0.3・・・(III)
  3. 前記隔壁が、FT-IR分析においてSi-C結合に由来する1220~1290cm-1に吸収ピークを有することを特徴とする請求項1または2に記載の隔壁付き基板。
  4. 前記隔壁が、波長550nmの光を20~85%反射することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の隔壁付き基板。
  5. 前記隔壁付き基板が、前記隔壁で区画されたセル内に波長変換層を具備することを特徴とする請求項1~4に記載の波長変換基板。
  6. 前記波長変換層がインクジェット法またはノズル塗布法により塗布されていることを特徴とする請求項5に記載の波長変換基板の製造方法。
  7. 前記隔壁が、(A)シロキサン樹脂、(B)光重合開始剤、(C)光重合性化合物、(D)分子内にフッ素を有する化合物を含有し、(A)シロキサン樹脂が下記一般式(1)および/または一般式(2)で表される繰り返し単位を全繰り返し単位中10~50モル%含有する組成物を硬化したものであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の隔壁付き基板。
    Figure 2023031448000012
    (Rは炭素数1~6の直鎖状アルキレン基を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1~20のアルキル基を表す。*は結合部位を表す。)
  8. 前記組成物が、更に(E)シランカップリング剤を有することを特徴とする請求項7記載の隔壁付き基板。
  9. 前記組成物が、以下の関係式を満たすことを特徴とする請求項8記載の隔壁付き基板。
    E:(E)組成物中の全固形分にしめるシランカップリング剤の含有量(wt%)
    Mw:(A)シロキサン樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量
    E≦10(wt%) ・・・(IV)
    E≧(-0.008Mw+4,566)(wt%)・・・(V)
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