JP2021096300A - 露光装置 - Google Patents

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琢郎 竹下
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Abstract

【課題】分割パターン像の結像面上の位置を容易に調整することができる。【解決手段】光空間変調器を通過した光を結像させる第1結像光学系により結像された像は、分割光学系により複数の分割光に分割され、第2結像光学系により露光面に結像される。第1結像光学系の結像面の位置に入射面が配置されたプリズムにより、複数の分割光を生成される。また、分割光のそれぞれに対して反射光学系が設けられており、反射光学系の一部は移動可能に構成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、露光装置に関する。
特許文献1には、基板に直接パターンを描画する露光装置の投影光学系に画像分割光学系を設けたことが開示されている。
特開2004−98120号公報
しかしながら、引用文献1に記載の発明では、画像分割光学系で分割された分割パターン像の結像面上の位置を調整することは困難である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、分割パターン像の結像面上の位置を容易に調整することができる露光装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る露光装置は、例えば、光源と、前記光源から出射された光の照度を均一化する照明光学系と、前記照明光学系を通過した光が照射される光空間変調器であって、複数の光変調素子が走査方向及び前記走査方向と略直交する副走査方向に沿って二次元配列された光空間変調器と、前記光空間変調器を通過した光を結像させる第1結像光学系と、前記第1結像光学系により結像された像を複数の分割光に分割する分割光学系と、前記分割光学系により分割された光を露光面に結像させる第2結像光学系と、前記露光面を有する露光対象物を前記走査方向に搬送する搬送部と、前記搬送部、前記光源及び前記光空間変調器を制御して前記露光面にパターンを描画する制御部と、を備え、前記分割光学系は、前記第1結像光学系の結像面の位置に入射面が配置され、複数の前記分割光を生成するプリズムと、前記分割光のそれぞれに対して設けられており、前記分割光を反射する複数の反射光学系と、を有し、前記反射光学系は、一部が移動可能に構成されていることを特徴とする。
本発明に係る露光装置によれば、光空間変調器を通過した光を結像させる第1結像光学系により結像された像は、分割光学系により複数の分割光に分割され、第2結像光学系により露光面に結像される。第1結像光学系の結像面の位置に入射面が配置されたプリズムにより、複数の分割光を生成される。また、分割光のそれぞれに対して反射光学系が設けられており、反射光学系の一部は移動可能に構成されている。このような構成とすることで、露光面に結像された分割パターン像の結像面上の位置を容易に調整することができる。
ここで、前記反射光学系は、第1反射面を有する第1ミラーと、前記第1反射面と略平行な第2反射面を有する第2ミラーと、を有し、前記第1ミラーは、前記第1反射面と略直交する方向に平行移動可能に構成されていてもよい。これにより、露光面に結像された分割パターン像を走査方向及び副走査方向に対して斜めに移動させることができる。なお、露光対象物を走査方向に移動させながら光を照射する走査露光を行うときには、分割パターン像を副走査方向に移動させることができる。
ここで、前記第1ミラーを平行移動させる第1移動部と、前記第2結像光学系により結像された像を観察する観察部と、を備え、前記制御部は、前記観察部による観察結果に基づいて前記第1ミラーを平行移動させるように前記第1移動部を制御してもよい。これにより、結像面における分割パターン像の位置調整を自動で行うことができる。
ここで、前記光変調素子は、マイクロミラーであり、前記副走査方向に沿った回動軸を中心に回動可能であり、前記反射光学系は、第1反射面を有する第1ミラーと、第2反射面を有する第2ミラーと、を有し、前記第1ミラーは、前記副走査方向に沿った軸周りに回転可能に構成されていてもよい。これにより、光変調素子の製造誤差等による分割パターン像の光量低下を補正することができる。また、分割パターン像を傾けることで、湾曲した露光面に沿って分割パターン像を結像させることができる。
ここで、前記第1ミラーを回動させる第2移動部と、前記第2結像光学系により結像された像を観察する観察部と、を備え、前記制御部は、点又は線が2次元状に配列された周期パターン像を描画させ、前記観察部による前記周期パターン像の観察結果に基づいて前記第1ミラーを回動させるように前記第2移動部を制御してもよい。これにより、光量補正を自動で行うことができる。
ここで、前記分割光の光路長を調整する光路長調整部材を有してもよい。これにより、反射光学系の移動による光路長の変化を打ち消すことができる。また、湾曲を有する露光対象物に露光を行う場合に、露光対象物の湾曲に合わせて合焦位置を変えることができる。
ここで、前記露光面に光が合焦しているか否かを検知する合焦センサを備え、前記光路長調整部材は、2つのウエッジプリズムを有し、2つの前記ウエッジプリズムは、側面視において斜辺が接するように配置されており、前記制御部は、前記合焦センサの検知結果に基づいて、前記ウエッジプリズムを前記斜辺に沿って移動させてもよい。これにより、露光対象物に対して分割パターン像を合焦させることができる。
ここで、前記プリズムは、前記副走査方向と略直交する断面における断面形状が変化せず、かつ、前記走査方向に沿って順に並んで配置された第1プリズム、第2プリズム、第3プリズム及び第4プリズムを有し、前記第2プリズム及び前記第3プリズムは、前記走査方向に略直交し、かつ前記第1結像光学系の光軸を含む中心面を挟んで隣接し、前記副走査方向に沿って見たときに、前記第1プリズムと前記第4プリズムと前記中心面に対して対称であり、前記第2プリズムと前記第3プリズムとは前記中心面に対して対称であり、前記第1プリズムは、前記第2プリズム側に配置された第1内側反射面と、前記プリズムの外縁の一部である第1外側反射面と、を有し、前記第2プリズムは、前記中心面側に配置された第2内側反射面と、前記第1プリズム側に配置された第2外側反射面と、を有し、前記第1内側反射面及び前記第1外側反射面は略平行であり、前記第2内側反射面及び前記第2外側反射面は略平行であり、前記第1内側反射面と前記中心面とのなす角度は、前記第2内側反射面と前記中心面とのなす角度より大きくてもよい。これにより、分割光学系で4つの分割光に分割し、4つの分割パターン像を副走査方向に沿って配列することができる。
ここで、前記プリズムは、前記分割光の数と同数の分割ブロックを有し、前記制御部は、前記分割ブロックの数と略一致する描画領域に分割されており、かつ、前記描画領域と前記分割ブロックとが対応している描画データを生成し、前記光空間変調器を前記分割ブロックのそれぞれに対応する領域に分割し、前記光空間変調器の分割された各領域のそれぞれに当該領域に対応する描画領域の描画データを入力して、前記光空間変調器を制御してもよい。これにより、ハードウェアの負担を減らし、高速描画に対応することができる。
本発明によれば、分割パターン像の結像面上の位置を容易に調整することができる。
露光装置1の構成を模式的に示す図である。 分割光学系15の概略を示す斜視図である。 分割光学系15における光の経路を模式的に示す図である。 (A)は、第1分割光の経路を模式的に示す図であり、(B)は、第3分割光の経路を模式的に示す図である。 光軸axと略直交する面における第1分割光、第2分割光、第3分割光及び第4分割光の位置を示す図である。 第3分割パターン像の位置を調整する様子を模式的に示す図である。 露光面100aにおいて第1分割パターン像、第2分割パターン像、第3分割パターン像及び第4分割パターン像が移動する様子を模式的に示す図である。 露光位置の移動を確認する様子を模式的に示す図であり、(A)は、撮像素子(センサ)及び光学部材(レンズ等)を有するカメラ31を用いる場合を示し、(B)は、センサ32を用いる場合を示す。 露光装置1の電気的な構成を示すブロック図である。 露光位置の調整処理の流れを示すフローチャートである。 反射部材24の一部を模式的に示す図である。 分割光学系15及び光路長調整部材17を模式的に示す図である。 露光装置1Bの電気的な構成を示すブロック図である。 合焦の確認処理の流れを示すフローチャートである DMD13における光の反射の様子を模式的に示す図である。 分割光学系15Bの一部を模式的に示す図である。 露光装置2の電気的な構成を示すブロック図である。 光量の調整処理の流れを示すフローチャートである ロール状の露光対象物101に露光を行う様子を模式的に示す図である。 露光装置2Aの電気的な構成を示すブロック図である。 合焦の確認処理の流れを示すフローチャートである。 3つに分割されたプリズム21Aを有する分割光学系15Cを模式的に示す図であり、(A)はX方向に沿って見たときの概略図であり、(B)は分割光学系15Bの一部をY方向に沿って見たときの概略図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の露光装置は、フォトレジストなどの感光材料を塗布した基板へ光を照射して、露光面にパターンを描画するものである。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の露光装置1の構成を模式的に示す図である。露光装置1は、主として、光源11と、照明光学系12と、DMD(Digital Micro-mirror Device)13と、第1結像光学系14と、分割光学系15と、第2結像光学系16と、を有し、露光対象物100にレーザ光を照射する。
光源11は、例えば、光を放射するランプ(例えば、UVランプ)と、ランプの背面側に設けられた集光ミラーとを有する。光源11から放射された光は、集光ミラーで反射されて照明光学系12のロッドレンズの入口に向けて集光される。
照明光学系12は、光源11の出射光を均一な照度の照明光とするものであり、ロッドレンズやクリティカル照明レンズ群を有する。ロッドレンズは、多角形の断面を有する透明体であり、内面反射によって照明光均一化手段として機能する。なお、照明光均一化手段はロッドレンズに限らない。クリティカル照明レンズ群は、ロッドレンズの出口面の像を所定の倍率(例えば2倍)で拡大してDMD13に照射する。
DMD13は、複数の光変調素子(ここでは、マイクロミラー)がマトリクス状に2次元配列されたものである。本実施の形態では、マイクロミラーは、X方向及びY方向に沿って並んでいる。以下、走査方向をY方向と定義し、Y方向と略直交する副走査方向をX方向と定義する。
照明光学系12を通過した光がDMD13に導かれると、投影対象となるエリアに形成すべきパターンに従い、DMD13の各マイクロミラーの傾きを変えることで各マイクロミラーがON/OFF制御される。マイクロミラーのON/OFFにより反射光の方向が変えられる。
第1結像光学系14は、DMD13で反射された光を、結像面(ここでは、プリズム21(後に詳述)の入射面)に結像させる光学系である。第1結像光学系14は、レンズ等の光学部品を複数含む。第1結像光学系14の構成は公知であるため、説明を省略する。
分割光学系15は、第1結像光学系14により結像された像を複数の分割光に分割するものである。分割光学系15は、主として、プリズム21と、反射ミラー22と、を有する。分割光学系15については、後に詳述する。
第2結像光学系16は、分割光学系15で分割された各分割光を結像面(ここでは、露光対象物100の露光面100a)に結像させる光学系である。第2結像光学系16は、レンズ等の光学部品を複数含む。第2結像光学系16の構成は公知であるため、説明を省略する。
このように、露光装置1は、DMD13において配列された光変調素子を制御して露光動作を行い、第1結像光学系14及び分割光学系15で光束が分割され、分割された光束が第2結像光学系16によって結像されることで、パターン像が露光対象物100の露光面100aに形成される。
露光対象物100は、ステージ40(図9参照、図1では図示省略)上に載置されている。ステージ40が搬送部41(図9参照、図1では図示省略)によって移動されることで、露光対象物100(すなわち、露光面100a)が走査方向(Y方向)に搬送される。ステージ40の搬送はすでに公知であるため、説明を省略する。
露光対象物100は、例えば単結晶シリコンの表面(露光面100a)上にフォトレジスト(感光剤)が塗布されたシリコンウエハである。なお、露光対象物100は、シリコンウエハに限られず、ガラス、サファイヤ基板でもよい。
第1結像光学系14を通過した光は、分割光学系15で複数の分割光に分割される。本実施の形態では、分割光学系15で4つの分割光に分割される。4つの分割光は、第2結像光学系16により、それぞれ、露光面100aに結像される。したがって、露光面100aには、4つの像が結像される。分割光学系15が光を分割することで露光領域がX方向に広がり、これにより露光処理の効率化を図ることができる。
次に、分割光学系15について説明する。図2は、分割光学系15の概略を示す斜視図である。
プリズム21は、X方向に略直交する断面における断面形状が変化しない(場所によらず一定である)。プリズム21の入射面21aは、第1結像面と略一致する。言い換えれば、第1結像光学系14は、DMD13で反射された光をプリズム21の入射面21aに結像させる。
なお、図2では、プリズム21の入射面21a上に板状部材21bが設けられているが、板状部材21bは必須ではない。板状部材21bが設けられている領域は、第1結像光学系14により結像された光が入射する領域である。
プリズム21は、複数の分割ブロックに分割されている。本実施の形態では、プリズム21は、第1プリズム211、第2プリズム212、第3プリズム213及び第4プリズム214の4つの分割ブロックを有する。第1プリズム211、第2プリズム212、第3プリズム213及び第4プリズム214は、それぞれ、X方向に略直交する断面における断面形状が変化しない。第1プリズム211、第2プリズム212、第3プリズム213及び第4プリズム214は、y方向に沿って順に並んで配置されている。
第2プリズム212及び第3プリズム213は、Y方向に略直交し、かつ第1結像光学系14の光軸axを含む中心面Cを挟んで隣接している。第1プリズム211及び第4プリズム214は、第2プリズム212及び第3プリズム213を挟むように、それぞれ第2プリズム212及び第3プリズム213の外側(±Y側)に設けられている。
第1プリズム211と第4プリズム214とは、中心面Cに対して対称である(面対称)。また、第2プリズム212と第3プリズム213とは、中心面Cに対して対称である。
反射ミラー22は、プリズム21よりも第2結像光学系16側に設けられており、プリズム21を通過した光を反射する。反射ミラー22は、8枚の反射ミラー221、222、223、224、225、226、227、228を有する。反射ミラー221、222は、光軸axに沿って見たときに第1プリズム211と重なる位置に設けられている。反射ミラー223、224、225、226は、光軸axに沿って見たときに第2プリズム212及び第3プリズム213と重なる位置に設けられている。反射ミラー227、228は、光軸axに沿って見たときに第4プリズム214と重なる位置に設けられている。
反射ミラー221と反射ミラー222とは略平行に設けられており、反射ミラー223と反射ミラー224とは略平行に設けられており、反射ミラー225と反射ミラー226とは略平行に設けられており、反射ミラー227と反射ミラー228とは略平行に設けられている。
図3は、分割光学系15における光の経路を模式的に示す図である。なお、説明のため、図3では、プリズム21を+X方向から見ており、反射ミラー22を斜め上方向から見ている。
第1プリズム211は、第2プリズム212側に配置された第1内側反射面211aと、第1内側反射面211aと及び略平行な第1外側反射面211bとを有する。第1外側反射面211bは、プリズム21の外縁の一部である。第1プリズム211に入射した光は、第1内側反射面211aで反射した後で、第1外側反射面211bで反射し、第1プリズム211から出射する。第1プリズム211から出射した光は、光軸axに沿った方向に進む。第1プリズム211を通過して、第1プリズム211から出射した光を第1分割光とする。
第1分割光は、反射ミラー221の反射面221aで反射した後で、反射ミラー222の反射面222aで反射し、光軸axに沿った方向に進む。図4(A)は、第1分割光の経路を模式的に示す図である。反射面221aと反射面222aとは略平行であるため、第1分割光が反射面221a、222aで反射することで、光軸axに沿って見たときの第1分割光の位置が変化する。
図3の説明に戻る。第1プリズム211と同様に、第4プリズム214は、第3プリズム213側に配置された第4内側反射面214aと、第4内側反射面214aと略平行な第4外側反射面214bとを有する。第4外側反射面214bは、プリズム21の外縁の一部である。
第4プリズム214に入射した光は、第4内側反射面214aで反射した後で、第4外側反射面214bで反射し、第4プリズム214から出射する。第4プリズム214を通過して、第4プリズム214から出射した光を第4分割光とする。第4分割光は、反射ミラー227の反射面227aで反射した後で、反射ミラー228の反射面228aで反射し、光軸axに沿った方向に進む。反射面227aと反射面228aとは略平行であるため、第4分割光が反射面227a、228aで反射することで、光軸axに沿って見たときの第4分割光の位置が変化する。
第2プリズム212は、中心面C側に配置された第2内側反射面212aと、第1プリズム211側に配置された第2外側反射面212bとを有する。第2内側反射面212aと第2外側反射面212bとは略平行である。第2プリズム212に入射した光は、第2内側反射面212aで反射した後で、第2外側反射面212bで反射し、第2プリズム212から出射する。
第2プリズム212を通過して、第2プリズム212から出射した光を第2分割光とする。第2分割光は、反射ミラー223の反射面223aで反射した後で、反射ミラー224の反射面224aで反射し、光軸axに沿った方向に進む。反射面223aと反射面224aとは略平行であるため、第2分割光が反射面223a、224aで反射することで、第2分割光の光軸axと略直交する面における位置が変化する。
第1内側反射面211aと中心面Cとのなす角度を、第2内側反射面212aと中心面Cとのなす角度より大きくし、第2分割光が第1分割光よりも内側(中心面C側)に位置するようにしている。
第2プリズム212と同様に、第3プリズム213は、第2プリズム212側に配置された第3内側反射面213aと、第3内側反射面213aと略平行な第3外側反射面213bとを有する。
第3プリズム213に入射した光は、第3内側反射面213aで反射した後で、第3外側反射面213bで反射し、第3プリズム213から出射する。第3プリズム213から出射する光は、第4プリズム214から出射する光よりも内側(中心面C側)に位置する。第3プリズム213を通過して、第3プリズム213から出射した光を第3分割光とする。
図4(B)は、第3分割光の経路を模式的に示す図である。第3分割光は、反射ミラー225の反射面225aで反射した後で、反射ミラー226の反射面226aで反射し、光軸axに沿った方向に進む。反射面225aと反射面226aとは略平行であるため、第3分割光が反射面225a、226aで反射することで、第3分割光の光軸axと略直交する面における位置が変化する。
このようにして、分割光学系15は、第1結像光学系14により結像された像を分割し、第1分割光、第2分割光、第3分割光及び第4分割光を生成する。
図5は、光軸axと略直交する面における第1分割光L1、第2分割光L2、第3分割光L3及び第4分割光L4の位置を示す図である。プリズム21の入射面21aにおいては、第1分割光L1、第2分割光L2、第3分割光L3及び第4分割光L4が分割されておらず1つの光束となっている。
分割光学系15で第1分割光L1、第2分割光L2、第3分割光L3及び第4分割光L4に分割され、第2結像光学系16の入射部において、第1分割光L1、第2分割光L2、第3分割光L3及び第4分割光L4は副走査方向に沿って配列される。第1分割光L1、第2分割光L2、第3分割光L3及び第4分割光L4は、第2結像光学系16を通り、露光面100aに結像する。露光面100a上に結像された第1分割光、第2分割光、第3分割光及び第4分割光を、それぞれ、第1分割パターン像L1’、第2分割パターン像L2’、第3分割パターン像L3’及び第4分割パターン像L4’とする。
第1分割パターン像L1’、第2分割パターン像L2’、第3分割パターン像L3’及び第4分割パターン像L4’は、副走査方向に沿って配列される。なお、第1分割パターン像L1’、第2分割パターン像L2’、第3分割パターン像L3’及び第4分割パターン像L4’は倒立像であるため、第2結像光学系16の入射部における第1分割光L1、第2分割光L2、第3分割光L3及び第4分割光L4の位置に対し、露光面100a上の第1分割パターン像L1’、第2分割パターン像L2’、第3分割パターン像L3’及び第4分割パターン像L4’の位置が反転している。
次に、分割パターン像(第1分割パターン像〜第4分割パターン像)の結像面上の位置を調整する機構について説明する。本実施の形態では、反射ミラー22の一部を移動させることで、分割パターン像の位置を調整する。図6は、第3分割パターン像の位置を調整する様子を模式的に示す図である。
反射ミラー225は、反射面225aと略直交する方向に平行移動可能に構成されている。なお、反射ミラー225を移動させる機構は、すでに公知の様々方法を用いて実現することができる。
反射ミラー225が平行移動することで反射面225aも平行移動し、反射面225aと反射面226aとの距離が変化する。その結果、図6の点線で示すように、第3分割光の光線が平行移動し、露光面100aにおける第3分割パターン像の位置が平行移動する。
第1分割光、第2分割光及び第4分割光についても第3分割光と同様である。すなわち、反射ミラー221が平行移動することで反射面221aが平行移動し、反射面221aと反射面221aとの距離が変化することで第1分割光の光線が平行移動し、露光面100aにおける第1分割パターン像の位置が平行移動する。同様に、反射ミラー223、227が平行移動することで反射面223a、227aが平行移動し、反射面223a、227aと反射面224a、228aとの距離が変化することで第2分割光及び第4分割光の光線が平行移動し、露光面100aにおける第2分割パターン像及び第4分割パターン像の位置が平行移動する。
図7は、露光面100aにおいて第1分割パターン像、第2分割パターン像、第3分割パターン像及び第4分割パターン像が移動する様子を模式的に示す図である。図7の矢印で示すように、反射ミラー221、223、225、227が平行移動すると、第1分割パターン像、第2分割パターン像、第3分割パターン像及び第4分割パターン像は、それぞれ、露光面100a上をX方向及びY方向に対して斜めに移動する。
露光装置1は、露光対象物100をY方向に移動させながら光を照射する走査露光を行うため、露光位置の移動に関しては、第1分割パターン像、第2分割パターン像、第3分割パターン像及び第4分割パターン像のX方向の移動量のみが効果を有する。
図8は、露光位置の移動を確認する様子を模式的に示す図である。図8(A)は、撮像素子(センサ)及び光学部材(レンズ等)を有するカメラ31を用いる場合を示し、図8(B)は、センサ32を用いる場合を示す。
図8(A)に示すように、露光ヘッド30の下側にカメラ31を配置する。露光ヘッド30の内部には、光源11、照明光学系12、DMD13、第1結像光学系14、分割光学系15及び第2結像光学系16が設けられている。露光位置の移動を確認するときには、露光ヘッド30は、露光対象物100ではなく、空中に像を結像させる。空中に結像された光学像をカメラ31が撮像することで、露光位置の確認を行う。
図8(B)に示すように、露光ヘッド30の下側にセンサ32を配置する。センサ32を露光ヘッド30の露光面に配置することで、露光ヘッド30は、センサ32上に像を結像させる。センサ32における結像位置を確認することで、露光位置の確認を行う。
なお、センサ32が2次元センサである場合には、センサ32を移動させる必要はないが、センサ32がラインセンサである場合には、センサ32をY方向に移動させる必要がある。
図9は、露光装置1の電気的な構成を示すブロック図である。露光装置1は、CPU(Central Processing Unit)151と、RAM(Random Access Memory)152と、ROM(Read Only Memory)153と、入出力インターフェース(I/F)154と、通信インターフェース(I/F)155と、メディアインターフェース(I/F)156と、を有し、これらは光源11、DMD13、移動部23、観察部35、搬送部41等と互いに接続されている。
移動部23は、反射ミラー221、223、225、227を平行移動させる図示しない移動機構に接続されたアクチュエータを含む。観察部35は、カメラ31又はセンサ32である。搬送部41は、ステージ40を平行移動させる図示しない移動機構に接続されたアクチュエータを含む。
RAM152は、揮発性メモリである。ROM153は、各種制御プログラム等が記憶されている不揮発性メモリである。CPU151は、RAM152、ROM153に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。
CPU151は、露光装置1の各部を制御する制御部151aの機能を有する。制御部151aは、CPU151が読み込んだ所定のプログラムを実行することにより構築される。制御部151aは、光源11、DMD13、移動部23、観察部35、搬送部41等を制御する。
CPU151は、入出力インターフェース154を介して、キーボードやマウス等の入出力装置161を制御する。通信インターフェース155は、ネットワーク162を介して他の機器からデータを受信してCPU151に送信すると共に、CPU151が生成したデータを、ネットワーク162を介して他の機器に送信する。
メディアインターフェース156は、記憶媒体163に格納されたプログラムやデータを読み取り、RAM152に格納する。なお、記憶媒体163は、例えば、ICカード、SDカード、DVD等である。なお、各機能を実現するプログラムは、例えば、記憶媒体163から読み出されて、RAM152を介して露光装置1にインストールされ、CPU151によって実行される。
図9に示す露光装置1の構成は、本実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、例えば一般的な情報処理装置が備える構成を排除するものではない。露光装置1の構成要素は、処理内容に応じてさらに多くの構成要素に分類されてもよいし、1つの構成要素が複数の構成要素の処理を実行してもよい。
次に、露光装置1における露光位置の調整処理について説明する。この露光位置の調整処理は、主として制御部151aによって行われる。図10は、露光位置の調整処理の流れを示すフローチャートである。
まず、制御部151aは、搬送部41を制御してステージ40を移動させて、露光ヘッド30と観察部35との間にステージ40が設けられていないようにする(ステップS10)。
次に、制御部151aは、光源11及びDMD13を制御して、露光面にパターン像を結像させる(ステップS12)。ここで露光するパターンは、テストパターンであってもよい。そして、制御部151aは、観察部35を制御して分割パターン像の位置を確認する(ステップS14)。
制御部151aは、観察部35による観察結果(ステップS14で確認された露光位置)に基づいて、露光位置が正しいか否か判定する(ステップS16)。露光位置が正しくない場合(ステップS16でNO)は、制御部151aは、移動部23を制御して、反射ミラー22のうちの所望の反射ミラー(反射ミラー221、223、225、227のうちの少なくとも1つ)を平行移動させる(ステップS18)。そして、制御部151aは、処理をステップS12に戻す。つまり、次に行われるステップS12では、ステップS18により変化した位置に分割パターン像が結像され、ステップS14で変化後の分割パターン像の位置を確認する。
露光位置が正しい場合(ステップS16でYES)は、制御部151aは、搬送部41を制御してステージ40を元の位置に戻す(ステップS20)。これにより、制御部151aは露光位置の調整処理を終了する。
その後、制御部151aは、搬送部41を制御してステージ40をY方向に移動させながら光源11及びDMD13を制御し、露光面100aにパターン像を露光する。このとき、制御部151aは、プリズム21が有する分割ブロック(第1プリズム211、第2プリズム212、第3プリズム213及び第4プリズム214)の数と略一致する数の描画領域に分割されており、かつ、各描画領域が各分割ブロックに対応している描画データを生成する。例えば、制御部151aは、第1プリズム211(第1分割光)に対応する第1描画領域、第2プリズム212(第2分割光)に対応する第2描画領域、第3プリズム213(第3分割光)に対応する第3描画領域及び第4プリズム214(第4分割光)に対応する第4描画領域を有する描画データを生成する。
また、制御部151aは、DMD13を、プリズム21の分割ブロックのそれぞれに対応する領域に分割する。例えば、制御部151aは、DMD13を、第1プリズム211に対応する(第1プリズム211に入射する光を反射する)第1領域、第2プリズム212に対応する(第2プリズム212に入射する光を反射する)第2領域、第3プリズム213に対応する(第3プリズム213に入射する光を反射する)第3領域、第4プリズム214に対応する(第4プリズム214に入射する光を反射する)第4領域に分割する。
そして、制御部151aは、各分割ブロックに対応するDMD13の各領域に、描画データのうちの当該DMD13の領域に対応する描画領域のデータを入力してDMD13を制御する。例えば、制御部151aは、DMD13の第1領域には第1プリズム211に対応する第1描画領域のデータを入力し、DMD13の第2領域には第2プリズム212に対応する第2描画領域のデータを入力し、DMD13の第3領域には第3プリズム213に対応する第3描画領域のデータを入力し、DMD13の第4領域には第4プリズム214に対応する第4描画領域のデータを入力して、DMD13を制御する。これにより、CPU151の処理量、すなわちハードウェアの負担を減らし、高速描画に対応することができる。
本実施の形態によれば、反射ミラー221、223、225、227を移動させることで、分割パターン像の結像面上の位置を容易に調整することができる。また、観察部35で描画位置を確認しながら反射ミラー221、223、225、227を移動させることで、描画位置調整を自動で行うことができる。
なお、本実施の形態では、反射ミラー221、223、225、227を平行移動させたが、反射ミラー222、224、226、228を平行移動させてもよい。
また、本実施の形態では、観察部35としてカメラ31を用いて空中像を撮像した結果や、センサ32に結像させた結果を用いて描画位置の確認を行ったが、描画位置の確認方法はこれに限られない。例えば、露光対象物100への実際の露光結果をカメラ等で撮影することで描画位置の確認を行い、この確認結果に基づいて反射ミラー22を移動させてもよい。
<第1の実施の形態の変形例1>
第1の実施の形態の露光装置1では、反射ミラー22の一部(例えば、反射ミラー221、223、225、227)を平行移動させて描画位置を調整したが、描画位置を調整する形態はこれに限られない。
本変形例にかかる露光装置1Aは、主として、光源11と、照明光学系12と、DMD13と、第1結像光学系14と、分割光学系15Aと、第2結像光学系16と、を有し、露光対象物100にレーザ光を照射する。分割光学系15Aは、プリズム21と、反射部材24とを有する。反射部材24には、プリズム21から出射した光が入射する。
図11は、露光装置1Aが有する反射部材24の一部を模式的に示す図である。反射部材24は、第1分割光、第2分割光、第3分割光、第4分割光のそれぞれに対して1個ずつ設けられている。図11では、第1分割光を例に説明する。
反射部材24は、側面視略台形形状の2つのプリズム241、242を組み合わせて形成されている。側面視において、プリズム241、242は、上底及び下底と、1つの脚とのなす角度が略直角であり、上底及び下底とのなす角度が略直角である脚同士が当接している。プリズム241は、プリズム241とプリズム242との当接面243に沿って平行移動可能である。
反射部材24に入射した第1分割光は、プリズム241、242の斜辺である反射面241a、242aで反射する。図11の点線に示すように、プリズム241が図11における下方向に移動すると、反射面241aが下方に移動し、反射面241aで反射した後の第1分割光の光線が平行移動する。その結果、露光面100aにおける第1分割パターン像の位置が平行移動する。
<第1の実施の形態の変形例2>
第1の実施の形態の露光装置1では、反射ミラー221、223、225、227を動かすことで光路長が変わるが、露光装置は、反射ミラー221、223、225、227の移動による光路長の変化を打ち消すような機能を有する光路長調整部材を有していてもよい。
本変形例にかかる露光装置1Bは、主として、光源11と、照明光学系12と、DMD13と、第1結像光学系14と、分割光学系15と、第2結像光学系16と、光路長調整部材17を有する。
図12は、分割光学系15及び光路長調整部材17を模式的に示す図である。光路長調整部材17は、第1分割光、第2分割光、第3分割光、第4分割光のそれぞれに対して1個ずつ設けられている。図12では、第3分割光の経路に含まれる光学部材、すなわち第3プリズム213、反射ミラー225、226及び1個の光路長調整部材17を図示している。
光路長調整部材17は、側面視略直角三角形状の2つのウエッジプリズム171、172を組み合わせて形成されている。側面視において、ウエッジプリズム171、172は、斜辺同士が当接している。ウエッジプリズム171、172は、当接面173に沿って平行移動可能である。
光路長調整部材17に入射した第3分割光は、ウエッジプリズム171、172を通過する。ウエッジプリズム171、172を当接面173に沿って平行移動させることで、光路長調整部材17により第3分割光の光路長が変化する。したがって、光路長調整部材17を用いることで、反射ミラー221、223、225、227の移動による光路長の変化を打ち消すことができる。
また、露光装置1では、略板状の露光対象物100の露光面100aに露光を行ったが、露光対象物は板状のものに限られず、ロール状に巻回されたフィルム状の露光対象物101に露光を行うことができる。フィルム状の露光対象物101は、巻回されているため湾曲を有する。したがって、露光対象物101に露光するためには、露光対象物101の湾曲に合わせて合焦位置を変える必要がある。
図13は、露光装置1Bの電気的な構成を示すブロック図である。露光装置1Bは、CPU151と、RAM152と、ROM153と、入出力I/F154と、通信I/F155と、メディアI/F156と、を有し、これらは光源11、DMD13、移動部25、26、観察部35、AFセンサ36、搬送部41、42等と互いに接続されている。移動部26は、光路長調整部材17を移動させる図示しない移動機構に接続されたアクチュエータを含む。AFセンサ36は、露光面に光が合焦しているか否かを検知するセンサである。AFセンサ36には、すでに公知の様々な技術を用いることができる。搬送部42は、ロール状に巻回された露光対象物101の図示しない巻取りドラムに接続されたアクチュエータを含み、巻取りドラムを回転させることで露光対象物101を搬送する。なお、観察部35は必須ではない。
図14は、合焦の確認処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御部151aは、搬送部42を制御して露光対象物101を露光ヘッド30の下側に配置する(ステップS11)。制御部151aは、光源11及びDMD13を制御して、露光面にパターン像を結像させる(ステップS12)。
次に、制御部151aは、AFセンサ36を制御して、各分割パターン像が露光対象物101の露光面における合焦の有無を確認し(ステップS22)、すべての分割パターン像が合焦しているか否かを判定する(ステップS24)。
合焦していない分割パターン像がある場合(ステップS24でNO)には、制御部151aは、移動部26を制御して光路長調整部材17を移動させる(ステップS26)。そして、制御部151aは、処理をステップS12に戻す。つまり、次に行われるステップS12では、ステップS26により光路長が調整された後の状態で分割パターン像が結像され、ステップS22で合焦の有無を確認する。すべての分割パターン像が合焦している場合(ステップS24でYES)には、制御部151aは一連の処理を終了する。
なお、ステップS12〜S26は、板状の露光対象物100に対して行う場合も同様である。
本変形例によれば、反射ミラー22の一部を移動させて露光位置を調整した場合に、光路長調整部材17により光路長を調整することができる。これにより、板状の露光対象物100に分割パターン像を合焦させることができる。また、光路長調整部材17により光路長を調整することで、ロール状の露光対象物101に対しても分割パターン像を合焦させることができる。
なお、光路長調整部材17は、ウエッジプリズム171、172を用いる形態に限定されない。例えば、光路長調整部材17に液体レンズを用いてもよい。また、例えば、光路長調整部材17に階段状の段差を有するプリズムを用い、光軸axに対する光路長調整部材17の水平方向の位置を変えることで光路長を変えてもよい。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態は、反射ミラー22の一部が回動可能に構成された形態である。以下、第2の実施の形態にかかる露光装置2について説明する。なお、第1の実施の形態に係る露光装置1と同一の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
露光装置2は、主として、光源11と、照明光学系12と、DMD13と、第1結像光学系14と、分割光学系15Bと、第2結像光学系16と、を有し、露光対象物100にレーザ光を照射する。
図15は、DMD13における光の反射の様子を模式的に示す図である。図15では、DMD13において二次元配列された光変調素子13aがONの状態、すなわち光変調素子13aで反射された光が第1結像光学系14に向かって進む状態を示している。
製造誤差等により、ONの状態における光変調素子13aの傾きがずれる場合がある。図15においては、左側の3つの光変調素子13aの傾きと、右側の3つの光変調素子13aの傾きとが異なっている。左側の3つの光変調素子13aで反射された光は、光軸ax(図1参照)に対して傾いていないが、右側の3つの光変調素子13aで反射された光は、光軸axに対して傾いている。
このように、ON状態における光変調素子13aの傾きは、面内で緩やかな分布を有しており、反射光が光軸axに対して傾きを有する領域が存在する。個々の光変調素子13aが点光源となることには変わりないが、光変調素子13aの傾きの差異が原因で光の強度分布に偏りが生じ、第2結像光学系16において光がけられ、光量が低下するおそれがある。
図16は、分割光学系15Bの一部を模式的に示す図である。図16では、第3分割光の経路、すなわち第3プリズム213及び反射ミラー225、226のみを図示している。反射ミラー225は、X方向に沿った軸周りに回転可能に構成されている。なお、反射ミラー225を回転させる機構は、すでに公知の様々方法を用いて実現することができる。
図16の点線に示すように、反射ミラー225、すなわち反射面225aが回転することで、反射面226aで反射する光の位置及び向きが変化する。また、反射面225aが回転することにより反射面226aで反射した光が傾くため、光変調素子13aで反射された光が光軸に対して傾いている場合に、その傾きを補正し、強度分布の偏りを補正することができる。
図17は、露光装置2の電気的な構成を示すブロック図である。露光装置2は、CPU151と、RAM152と、ROM153と、入出力I/F154と、通信I/F155と、メディアI/F156と、を有し、これらは光源11、DMD13、移動部27、観察部35、搬送部41等と互いに接続されている。移動部27は、反射ミラー221、223、225、227を回動させる図示しない回動機構に接続されたアクチュエータを含む。
図18は、光量の調整処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御部151aは、搬送部41を制御してステージ40を移動させて、露光ヘッド30と観察部35との間にステージ40が設けられていないようにする(ステップS10)。次に、制御部151aは、光源11及びDMD13を制御して、露光面にパターン像を結像させる(ステップS12)。
次に、制御部151aは、観察部35を制御して分割パターン像の光量を確認する(ステップS28)。
制御部151aは、ステップS15で確認された光量に低下がみられるかどうかを判定する(ステップS30)。光量の低下がある場合(ステップS30でYES)は、制御部151aは、移動部27を制御して、反射ミラー22のうちの光量が低下している分割パターン像に対応する反射ミラー(反射ミラー221、223、225、227のうちの少なくとも1つ)を回動させる(ステップS32)。そして、制御部151aは、処理をステップS12に戻す。つまり、次に行われるステップS12では、ステップS19により光量が補正された後の状態で分割パターン像が結像され、ステップS14で光量補正後の分割パターン像の光量を確認する。
光量の低下がない場合(ステップS30でNO)は、制御部151aは、搬送部41を制御してステージ40を元の位置に戻す(ステップS20)。これにより、一連の処理が終了する。
本実施の形態によれば、反射ミラー221、223、225、227を回動させることで、DMD13の製造誤差等による分割パターン像の光量低下を補正することができる。また、観察部35で描画位置を確認しながら反射ミラー221、223、225、227を回転させることで、光量補正を自動で行うことができる。
なお、本実施の形態では、反射ミラー221、223、225、227をX方向に沿った軸周りに回転させたが、反射ミラー222、224、226、228をX方向に沿った軸周りに回転させてもよい。
<第2の実施の形態の変形例>
露光装置2では、略板状の露光対象物100の露光面100aに露光を行ったが、露光対象物は板状のものに限られない。反射ミラー221、22、225、227を回転させることで像面を傾けることができるため、ロール状に巻回されたフィルム状の露光対象物101に露光を行うことができる。
図19は、本変形例にかかる露光装置2Aが露光対象物101に露光を行う様子を模式的に示す図である。露光対象物101の露光面101aは湾曲している。
図19に示すように、第2分割パターン像L2’及び第3分割パターン像L3’は、Y方向の中央に結像し、第4分割パターン像L4’は第2分割パターン像L2’及び第3分割パターン像L3’よりも+Y方向に結像し、第1分割パターン像L1’は第2分割パターン像L2’及び第3分割パターン像L3’よりも−Y方向に結像する。そのため、露光装置1は、第1分割光及び第4分割光を傾けて、第1分割パターン像L1’及び第4分割パターン像L4’を湾曲した露光面101aに沿って傾ける。
図20は、露光装置2Aの電気的な構成を示すブロック図である。露光装置2は、CPU151と、RAM152と、ROM153と、入出力I/F154と、通信I/F155と、メディアI/F156と、を有し、これらは光源11、DMD13、移動部27、観察部35、搬送部42等と互いに接続されている。
図21は、合焦の確認処理の流れを示すフローチャートである。まず、制御部151aは、搬送部42を制御して露光対象物101を露光ヘッド30の下側に配置する(ステップS11)。制御部151aは、光源11及びDMD13を制御して、露光面にパターン像を結像させる(ステップS13)。このとき、制御部151aは、点又は線が2次元状に配列された二次元状に配列された周期パターンを露光面101aに描画させる。周期パターンは、例えば、格子状のパターン、点が2次元状に配列されたパターン、複数の十字が2次元状に配列されたパターンである。
次に、制御部151aは、AFセンサ36を制御して、各分割パターン像が露光対象物101の露光面における合焦の有無を確認し(ステップS28)、すべての分割パターン像が合焦しているか否かを判定する(ステップS30)。特に、ステップS13で格子状のパターンを露光面101aに結像させた場合には、合焦していない部分の格子がボケた状態になり、合焦の有無が判定しやすい。
合焦していない分割パターン像がある場合(ステップS30でNO)には、制御部151aは、周期パターン像の観察結果に基づいて移動部25を制御して、反射ミラー22のうちの合焦していない分割パターン像に対応する反射ミラー(反射ミラー221、223、225、227のうちの少なくとも1つ)を回動させて、露光対象物101の露光面の傾きに応じて分割パターン像を傾ける(ステップS32)。そして、制御部151aは、処理をステップS12に戻す。つまり、次に行われるステップS13では、ステップS32により分割パターン像の傾きが調整された状態の露光を行い、ステップS28で合焦の有無を確認する。すべての分割パターン像が合焦している場合(ステップS30でYES)には、制御部151aは一連の処理を終了する。
なお、ステップS28では、AFセンサ36を用いて第2結像光学系16により結像された像を観察したが、像を観察する方法はこれに限られない。AFセンサ36のみならず、観察部35のカメラ31も合焦しているか否かを観察することができる。例えば、空中に結像された光学像をカメラ31が撮像することで、カメラ31が光学像を観察し、これに基づいて合焦の有無を確認してもよい。この場合には、露光ヘッド30と観察部35との間に露光対象物101が設けられていないようにすればよい。
本変形例によれば、反射ミラー221、223、225、227をX軸周りに回転させることで、湾曲している露光対象物101に対しても分割パターン像を合焦させることができる。
なお、上記実施の形態では、プリズム21が4つに分割されていたが、プリズムの分割数は4つに限られない。図22は、3つに分割されたプリズム21Aを有する分割光学系15Cを模式的に示す図であり、(A)はX方向に沿って見たときの概略図であり、(B)は分割光学系15Cの一部をY方向に沿って見たときの概略図である。
プリズム21Aは、第1プリズム211、第4プリズム214及び第5プリズム215の3つの分割ブロックに分割されており、入射した光を3つの分割光に分割する。第1プリズム211、第4プリズム214及び第5プリズム215は、それぞれ、X方向に略直交する断面における断面形状が変化しない。
第5プリズム215は、第1プリズム211と第4プリズム214との間に設けられている。第5プリズム215は、X方向に沿って見たときの形状が略台形であり、Y方向に沿って見たときの形状が略平行四辺形である。
第5プリズム215の下方には、Y方向に沿って見たときに平行に配置された2枚の反射ミラー229、230が設けられている。
第5プリズム215に入射した光が第5プリズム215の内部で反射し、第5プリズム215を出射した光が反射ミラー229、230で反射することで、第5プリズム215に入射した光の光路長と、第1プリズム211及び第2プリズム212に入射した光の光路長とが略一致する。
また、上記実施の形態では、光空間変調素子としてDMD13を用いたが、光空間変調素子はDMD13に限られない。例えば、光空間変調素子として液晶シャッターを用いてもよい。液晶シャッターは、液晶に入射した光を透過させて画素電極で反射させ、再度液晶を透過させることで反射光を第1結像光学系14に導くものであり、画素毎にシャッターのON/OFFを制御することで光空間変調素子として使用することができる。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、略平行とは、厳密に平行の場合には限られない。また、例えば、略矩形形状とは、厳密に矩形形状の場合には限られない。また、例えば、単に平行、直交、同一等と表現する場合において、厳密に平行、直交、同一等の場合のみでなく、略平行、略直交、略同一等の場合を含むものとする。
1、1A、1B、2、2A:露光装置
11 :光源
12 :照明光学系
13a :光変調素子
14 :第1結像光学系
15、15A、15B、15C:分割光学系
16 :第2結像光学系
17 :光路長調整部材
21、21A:プリズム
21a :入射面
21b :板状部材
22 :反射ミラー
23、25、26、27:移動部
24 :反射部材
30 :露光ヘッド
31 :カメラ
32 :センサ
35 :観察部
36 :AFセンサ
40 :ステージ
41、42:搬送部
100、101:露光対象物
100a、101a:露光面
151 :CPU
151a :制御部
152 :RAM
153 :ROM
154 :入出力I/F
155 :通信I/F
156 :メディアI/F
161 :入出力装置
162 :ネットワーク
163 :記憶媒体
171、172:ウエッジプリズム
173 :当接面
211 :第1プリズム
211a :第1内側反射面
211b :第1外側反射面
212 :第2プリズム
212a :第2内側反射面
212b :第2外側反射面
213 :第3プリズム
213a :第3内側反射面
213b :第3外側反射面
214 :第4プリズム
214a :第4内側反射面
214b :第4外側反射面
215 :第5プリズム
221、222、223、224、225、226、227、228、229、230:反射ミラー
221a、222a、223a、224a、225a、226a、227a、228a:反射面
241、242:プリズム
241a、242a:反射面
243 :当接面

Claims (9)

  1. 光源と、
    前記光源から出射された光の照度を均一化する照明光学系と、
    前記照明光学系を通過した光が照射される光空間変調器であって、複数の光変調素子が走査方向及び前記走査方向と略直交する副走査方向に沿って二次元配列された光空間変調器と、
    前記光空間変調器を通過した光を結像させる第1結像光学系と、
    前記第1結像光学系により結像された像を複数の分割光に分割する分割光学系と、
    前記分割光学系により分割された光を露光面に結像させる第2結像光学系と、
    前記露光面を有する露光対象物を前記走査方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送部、前記光源及び前記光空間変調器を制御して前記露光面にパターンを描画する制御部と、
    を備え、
    前記分割光学系は、前記第1結像光学系の結像面の位置に入射面が配置され、複数の前記分割光を生成するプリズムと、前記分割光のそれぞれに対して設けられており、前記分割光を反射する複数の反射光学系と、を有し、
    前記反射光学系は、一部が移動可能に構成されている
    ことを特徴とする露光装置。
  2. 前記反射光学系は、第1反射面を有する第1ミラーと、前記第1反射面と略平行な第2反射面を有する第2ミラーと、を有し、
    前記第1ミラーは、前記第1反射面と略直交する方向に平行移動可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記第1ミラーを平行移動させる第1移動部と、
    前記第2結像光学系により結像された像を観察する観察部と、を備え、
    前記制御部は、前記観察部による観察結果に基づいて前記第1ミラーを平行移動させるように前記第1移動部を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記光変調素子は、マイクロミラーであり、前記副走査方向に沿った回動軸を中心に回動可能であり、
    前記反射光学系は、第1反射面を有する第1ミラーと、第2反射面を有する第2ミラーと、を有し、
    前記第1ミラーは、前記副走査方向に沿った軸周りに回転可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  5. 前記第1ミラーを回動させる第2移動部と、
    前記第2結像光学系により結像された像を観察する観察部と、を備え、
    前記制御部は、点又は線が2次元状に配列された周期パターン像を描画させ、前記観察部による前記周期パターン像の観察結果に基づいて前記第1ミラーを回動させるように前記第2移動部を制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の露光装置。
  6. 前記分割光の光路長を調整する光路長調整部材を有する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 前記露光面に光が合焦しているか否かを検知する合焦センサを備え、
    前記光路長調整部材は、2つのウエッジプリズムを有し、
    2つの前記ウエッジプリズムは、側面視において斜辺が接するように配置されており、
    前記制御部は、前記合焦センサの検知結果に基づいて、前記ウエッジプリズムを前記斜辺に沿って移動させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
  8. 前記プリズムは、前記副走査方向と略直交する断面における断面形状が変化せず、かつ、前記走査方向に沿って順に並んで配置された第1プリズム、第2プリズム、第3プリズム及び第4プリズムを有し、
    前記第2プリズム及び前記第3プリズムは、前記走査方向に略直交し、かつ前記第1結像光学系の光軸を含む中心面を挟んで隣接し、
    前記副走査方向に沿って見たときに、前記第1プリズムと前記第4プリズムと前記中心面に対して対称であり、前記第2プリズムと前記第3プリズムとは前記中心面に対して対称であり、
    前記第1プリズムは、前記第2プリズム側に配置された第1内側反射面と、前記プリズムの外縁の一部である第1外側反射面と、を有し、
    前記第2プリズムは、前記中心面側に配置された第2内側反射面と、前記第1プリズム側に配置された第2外側反射面と、を有し、
    前記第1内側反射面及び前記第1外側反射面は略平行であり、前記第2内側反射面及び前記第2外側反射面は略平行であり、
    前記第1内側反射面と前記中心面とのなす角度は、前記第2内側反射面と前記中心面とのなす角度より大きい
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の露光装置。
  9. 前記プリズムは、前記分割光の数と同数の分割ブロックを有し、
    前記制御部は、前記分割ブロックの数と略一致する描画領域に分割されており、かつ、前記描画領域と前記分割ブロックとが対応している描画データを生成し、前記光空間変調器を前記分割ブロックのそれぞれに対応する分割領域に分割し、前記分割領域のそれぞれに前記描画データのうちの対応する描画領域のデータを入力して前記光空間変調器を制御する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2024002707A (ja) * 2022-06-24 2024-01-11 株式会社オーク製作所 露光装置用露光ヘッドおよび露光装置

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