JP2021091040A - 工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】重力による工具の撓みに起因してワークの加工精度が低下することを抑制する工作機械、を提供する。【解決手段】工作機械は、ワークを保持し、水平方向に延びる中心軸201を中心にしてワークを回転させることが可能な第1ワーク主軸と、工具Tを保持する工具主軸121と、中心軸201と直交し、少なくとも水平方向成分を含む方向に延びる中心軸204を中心にして工具主軸121を旋回させるB軸サーボモータと、B軸サーボモータを制御する制御部とを備える。制御部は、重力による工具Tの撓み角αを算出し、その撓み角αに対応する工具主軸121の旋回角の補正量αを特定する。【選択図】図4

Description

この発明は、工作機械に関する。
たとえば、特開2014−161941号公報(特許文献1)には、加工工具を保持するとともに、その加工工具を回転軸を中心にして回転させる工具スピンドルと、工具スピンドルを支える工具スピンドルホルダと、鉛直方向に延びる旋回軸を中心にして工具スピンドルホルダを旋回駆動させるモータとを備える加工装置が開示されている。特許文献1に開示される加工装置においては、加工工具の撓み量を推定し、ワークの被加工面の角度ずれが相殺されるように工具スピンドルホルダにおける加工工具の回転軸を調整する。
特開2014−161941号公報
ロングボーリングバー等の長尺工具を用いて、ワークの加工を行なう場合がある。このような場合、工具が自重により下方に撓むことによって、工具の刃先とワークとの接触角が変化し、ワークの加工精度が低下するという問題が生じる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、重力による工具の撓みに起因してワークの加工精度が低下することを抑制する工作機械を提供することである。
この発明に従った工作機械は、ワークを保持し、水平方向に延びる第1軸を中心にしてワークを回転させることが可能なワーク主軸と、工具を保持する工具保持部と、第1軸と直交し、少なくとも水平方向成分を含む方向に延びる第2軸を中心にして工具保持部を旋回させる駆動モータと、駆動モータを制御する制御部とを備える。制御部は、重力による工具の撓み角を算出し、その撓み角に対応する工具保持部の旋回角の補正量を特定する。
このように構成された工作機械によれば、制御部において特定された工具保持部の旋回角の補正量が反映されるように、工具保持部を第2軸を中心に旋回させる。これにより、重力による工具の撓みに起因して工具の刃先とワークとの接触角が変化し、ワークの加工精度が低下することを抑制できる。
また好ましくは、工具保持部は、第2軸と直交する第3軸を中心にして工具を回転させることが可能な工具主軸である。
このように構成された工作機械によれば、工具主軸に保持された工具によりワークを加工する場合に、重力による工具の撓みに起因してワークの加工精度が低下することを抑制できる。
また好ましくは、工具に掛かる重力方向の荷重がw(N/mm)、工具の長さがL(mm)、工具のヤング率がE(GPa)、工具の断面2次モーメントがI(mm)である場合に、制御部は、重力による工具の撓み角α(rad)を、α=wL/6EIの式により特定する。
このように構成された工作機械によれば、重力による工具の撓み角を、予め定められた式に基づいて求めることができる。
また好ましくは、制御部には、工具の直径D(mm)が入力される。制御部は、工具の断面2次モーメントI(mm)を、I=πD/64の式により算出する。
このように構成された工作機械によれば、ユーザが制御部に対して工具の直径を入力することによって、重力による工具の撓み角を算出するために必要となる工具の断面2次モーメントを求めることができる。
また好ましくは、制御部には、工具の材質が入力される。制御部は、入力された工具の材質を、予め記憶された材質とヤング率との関係に照らし合わせることによって、工具のヤング率を特定する。
このように構成された工作機械によれば、ユーザが制御部に対して工具の材質を入力することによって、重力による工具の撓み角を算出するために必要となる工具のヤング率を求めることができる。
また好ましくは、工作機械は、駆動モータの負荷に相関する物理量を取得する取得部をさらに備える。制御部には、工具の長さが入力される。制御部は、取得部において取得された物理量と、工具の長さとに基づいて、工具に掛かる重力方向の荷重を算出する。
このように構成された工作機械によれば、ユーザが制御部に対して工具の長さを入力するとともに、取得部により駆動モータの負荷に相関する物理量を取得することによって、重力による工具の撓み角を算出するために必要となる工具に掛かる重力方向の荷重を求めることができる。
また好ましくは、工作機械は、工具保持部を鉛直方向成分を含む方向に移動させる移動機構部をさらに備える。制御部は、工具の撓み角に基づいて、鉛直方向における工具保持部の位置の補正量を算出し、その補正量に従って移動機構部を制御する。
このように構成された工作機械によれば、鉛直方向における工具の刃先の位置をさらに補正することによって、重力による工具の撓みに起因してワークの加工精度が低下することをさらに効果的に抑制できる。
以上に説明したように、この発明に従えば、重力による工具の撓みに起因してワークの加工精度が低下することを抑制する工作機械を提供することができる。
この発明の実施の形態における工作機械を示す正面図である。 図1中の工作機械において、長尺の工具を用いてワークに深穴加工を行なう様子を示す正面図である。 図2中の2点鎖線IIIで囲まれた範囲のワークの加工点を示す断面図である。 工具主軸に保持された工具の撓み現象を示す正面図である。 図4中の工具主軸のB軸角度補正およびX軸位置補正の制御に関する装置構成を示す図である。 図4中の工具主軸のB軸角度補正およびX軸位置補正の制御に関する機能構成を示す図である。 工具主軸のB軸位置が−90°以外の角度(θ>−90°)である場合の工具に掛かる重力方向の荷重を説明するための図である。 工具主軸のB軸位置が−90°以外の角度(θ<−90°)である場合の工具に掛かる重力方向の荷重を説明するための図である。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、この発明の実施の形態における工作機械を示す正面図である。図1中では、工作機械の外観をなすカバー体(スプラッシュガード)を透視することによって、工作機械の内部が示されている。
図1を参照して、本実施の形態における工作機械10は、回転するワークに工具を接触させてワークの加工を行なう旋削機能と、ワークに回転する工具を接触させてワークの加工を行なうミーリング機能とが備わった複合加工機である。工作機械10は、コンピュータによる数値制御によって、ワーク加工のための各種動作が自動化されたNC(Numerically Control)工作機械である。
まず、工作機械10の全体構造について説明する。工作機械10は、ベッド136と、第1ワーク主軸111と、第2ワーク主軸116と、工具主軸(第1刃物台)121と、第2刃物台131とを有する。
ベッド136は、第1ワーク主軸111、第2ワーク主軸116、工具主軸121および第2刃物台131等を支持するためのベース部材であり、工場などの床面に設置されている。ベッド136は、鋳鉄等の金属から形成されている。
第1ワーク主軸111および第2ワーク主軸116は、ワークを保持可能なように構成されている。第1ワーク主軸111および第2ワーク主軸116は、水平方向に延びるZ軸方向において、互いに対向して設けられている。第1ワーク主軸111および第2ワーク主軸116は、主に、固定工具を用いた旋削加工時にワークを回転させるために設けられている。第1ワーク主軸111は、Z軸に平行な中心軸201を中心に回転可能なように設けられている。第2ワーク主軸116は、Z軸に平行な中心軸202を中心に回転可能なように設けられている。第1ワーク主軸111および第2ワーク主軸116には、それぞれ、ワークを着脱可能なように把持するための第1チャック機構113および第2チャック機構118が設けられている。
第1ワーク主軸111は、ベッド136上において固定されている。第2ワーク主軸116は、各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどによって、Z軸方向に移動可能なように設けられている。
なお、工作機械10は、第2ワーク主軸116に替えて、第1ワーク主軸111に保持されたワークの回転中心を支持するための心押し台を有してもよい。この場合、心押し台は、Z軸方向において第1ワーク主軸111と対向する位置に設けられる。
工具主軸121および第2刃物台131は、工具を保持可能なように構成されている。工具主軸121は、第2刃物台131よりも上方に設けられている。
工具主軸121は、鉛直方向に延びるX軸に平行な中心軸203を中心に回転可能に設けられている。工具主軸121には、工具を着脱可能に保持するためのクランプ機構(不図示)が設けられている。
工具主軸121は、さらに、水平方向に延び、Z軸方向に直交するY軸に平行な中心軸204を中心に旋回可能に設けられている(B軸旋回)。工具主軸121の旋回範囲は、たとえば、工具主軸121の主軸端面123が下方を向く姿勢(図1中に示す姿勢)を基準にして±120°の範囲である。
工具主軸121は、図示しないコラム等によりベッド136上に支持されている。工具主軸121は、コラム等に設けられた各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどによって、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動可能に設けられている。
第2刃物台131は、いわゆるタレット形であり、複数の工具が放射状に取り付けられ、旋回割り出しを行なう。
より具体的には、第2刃物台131は、旋回部132を有する。旋回部132は、Z軸に平行な中心軸206を中心に旋回可能に設けられている。中心軸206を中心にその周方向に間隔を隔てた位置には、工具を保持するための工具ホルダが取り付けられている。旋回部132が中心軸206を中心に旋回することによって、工具ホルダに保持された工具が周方向に移動し、ワーク加工に用いられる工具が割り出される。
第2刃物台131は、図示しないサドル等によりベッド136上に支持されている。第2刃物台131は、サドル等に設けられた各種の送り機構、案内機構およびサーボモータなどによって、X軸方向およびZ軸方向に移動可能に設けられている。なお、第2刃物台131は、Z軸方向と、Z軸方向に直交し、鉛直方向成分を含む斜め上方向とに移動可能に設けられてもよい。
工具主軸121および第2刃物台131の各々には、回転工具が保持されてもよいし、固定工具が保持されてもよい。回転工具は、回転しながらワークを加工する工具であり、ドリル、エンドミルまたはリーマ等である。固定工具は、回転するワークを加工する工具であり、後述のロングボーリングバーを含む内径切削工具等である。第2刃物台131に回転工具を保持する場合、第2刃物台131には、回転を出力するモータと、モータから出力された回転を回転工具に伝達する動力伝達機構とが内蔵される。
工作機械10は、スプラッシュガード210をさらに有する。スプラッシュガード210は、工作機械10の外観をなすとともに、ワークの加工エリア200を区画形成している。
工作機械10は、B軸サーボモータ61と、X軸サーボモータ63とをさらに有する(後出の図5を参照のこと)。B軸サーボモータ61は、工具主軸121のB軸旋回用のサーボモータであり、工具主軸121を中心軸204を中心にして旋回させる。X軸サーボモータ63は、工具主軸121のX軸移動用のサーボモータであり、工具主軸121をX軸方向(鉛直方向)に移動させる。
なお、図1中には示されていないが、第1ワーク主軸111の周辺には、工具主軸121に装着された工具を自動交換するための自動工具交換装置(ATC:Automatic Tool Changer)と、工具主軸121に装着する交換用の工具を収容する工具マガジンとが設けられている。
図2は、図1中の工作機械において、長尺の工具を用いてワークに深穴加工を行なう様子を示す正面図である。図3は、図2中の2点鎖線IIIで囲まれた範囲のワークの加工点を示す断面図である。
図2および図3を参照して、工作機械10は、ワークの振れを防ぐための振れ止め装置141をさらに有する。振れ止め装置141は、第2刃物台131の旋回部132に取り付けられている。このような構成により、振れ止め装置141は、X軸方向およびZ軸方向に移動可能に設けられている。
第1ワーク主軸111によりワークWが保持されている。ワークWは、第1チャック機構113からZ軸方向(+Z軸方向)に離れた位置において、振れ止め装置141により支持されている。
工具主軸121は、Z軸方向において第1ワーク主軸111と対向する位置に配置されている。工具主軸121が図1中に示される基準姿勢から中心軸204を中心に−90°の角度だけ旋回(B軸旋回)されている。工具主軸121によりロングボーリングバー等の長尺の工具Tが保持されている。工具Tは、工具主軸121の主軸端面123からワークWに向けてZ軸方向(−Z軸方向)に突出している。
工具Tは、全体として、中心軸203を中心とする円柱形状を有する。工具Tは、軸部153と、チップ(刃部)151とを有する。軸部153は、中心軸203に沿って延びる円形断面の軸形状を有する。軸部153の先端には、チップ151が取り付けられている。第1ワーク主軸111に保持されたワークWを中心軸201を中心に回転させながら、工具主軸121に保持された工具Tの刃先152(チップ151の先端部)をワークWに接触させ、さらに工具TをワークWに向けてZ軸方向に送ることによって、ワークWに深穴加工を行なう。
図4は、工具主軸に保持された工具の撓み現象を示す正面図である。図4を参照して、ロングボーリングバー等の長尺の工具Tを用いてワーク加工を行なう場合、工具Tが自らの重力によって下方に撓む可能性がある。
図4の上段に示される補正前の図では、本来、工具主軸121における中心軸203に沿って延びるはずの工具Tが、中心軸203から下方にシフトした中心軸203Tに沿って延びるように撓んでいる。工具Tの刃先位置において中心軸203と中心軸203Tとがなす角度αが、工具Tの撓み角である。この場合、工具Tの刃先とワークとの接触角が変化するため、ワークの加工精度が低下する。
これに対して、図4の下段に示される補正後の図では、工具主軸121が、中心軸204を中心に撓み角αに対応する角度αだけ旋回されることによって、B軸角度が補正されている。B軸角度の補正によって、中心軸203Tに沿って撓む工具Tの先端部は、中心軸203と平行に配置される。これにより、工具Tの刃先とワークとの接触角が維持されるため、重力による工具の撓みに起因してワークの加工精度が低下することを抑制できる。
また、工具主軸121のB軸角度の補正によって、工具Tの先端部にはX軸方向(鉛直方向)のずれが生じる。これに対して、工具主軸121は、X軸方向において補正量Hだけ移動することによって、X軸方向の位置が補正されている。X軸方向の位置の補正によって、中心軸203Tに沿って撓む工具Tの先端部は、中心軸203と重なる。これにより、X軸方向における工具Tの刃先とワークとの接触位置が維持されるため、重力による工具の撓みに起因してワークの加工精度が低下することをさらに効果的に抑制できる。
続いて、工具主軸121のB軸角度の補正(B軸角度補正)と、X軸方向における工具主軸121の位置の補正(X軸位置補正)との制御方法について説明する。
図5は、図4中の工具主軸のB軸角度補正およびX軸位置補正の制御に関する装置構成を示す図である。図6は、図4中の工具主軸のB軸角度補正およびX軸位置補正の制御に関する機能構成を示す図である。
図5および図6を参照して、まず、工具主軸121のB軸角度補正の制御方法について説明する。工作機械10は、制御部50と、入力部52と、記憶部76と、取得部77とをさらに有する。
制御部50は、工具主軸121を含む工作機械10の動作を制御する。制御部50は、重力による工具Tの撓み角αを算出し、その撓み角に対応する工具主軸121の旋回角の補正量αを特定する。制御部50は、その工具主軸121の旋回角の補正量αに従ってB軸サーボモータ61を制御する。
入力部52は、工作機械10のオペレータによる各種の指令または情報の入力を受け付ける。入力部52は、工作機械10のオペレータによる工具Tの材質、工具の長さL(mm)、および、工具の直径D(mm)の入力を受け付ける。入力部52は、入力された工具Tの材質、工具の長さL(mm)、および、工具の直径D(mm)を制御部50に出力する。
本実施の形態では、工具Tの長さL(mm)を、近似的に、Z軸方向における工具主軸121の主軸端面123から工具Tの刃先152(チップ151の先端部)までの長さと定めることができる。また、工具Tの直径D(mm)を、近似的に、工具Tの軸部153の直径と定めることができる。
代表的な例として、入力部52は、工作機械10の操作盤に設けられている。入力部52は、たとえば、タッチパネル式の操作パネル、スイッチ、または、その他の入力インターフェイスにより構成されている。
記憶部76は、工具Tの材質と、ヤング率との関係を記憶している。記憶部76には、工具Tの材質の候補となりうる複数の材質(鋼種)と、各材質のヤング率とが記憶されている。記憶部76は、たとえば、フラッシュメモリから構成されている。
取得部77は、B軸サーボモータ61の負荷に相関する物理量を取得する。取得部77は、電流計からなり、B軸サーボモータ61の電流値を取得する。取得部77は、たとえば、ATCにより工具Tが工具主軸121に装着され、工具主軸121が−90°の角度にB軸旋回された時に、B軸サーボモータ61の電流値を自動的に取得してもよい。取得部77は、取得したB軸サーボモータ61の電流値を制御部50に出力する。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)51を有する。CPU51は、入力部52から制御部50に入力された工具Tの材質、工具の長さおよび工具の直径と、取得部77から制御部50に入力されたB軸サーボモータ61の電流値とを用いて、重力による工具Tの撓み角αを算出する。
CPU51は、たとえば、入力部52とともに工作機械10の操作盤に設けられてもよいし、工作機械10の制御盤に設けられてもよい。
より具体的には、CPU51は、ヤング率特定部71と、断面2次モーメント算出部72と、荷重算出部73と、撓み角算出部81とを有する。
断面2次モーメント算出部72は、下記の(式1)により、工具Tの断面2次モーメントI(mm)を算出する。
I=πD/64 (式1)
ヤング率特定部71は、入力部52を通じてCPU51に入力された工具Tの材質を、記憶部76に記憶された材質とヤング率との関係に照らし合わせることによって、工具Tのヤング率E(GPa)を特定する。
荷重算出部73は、B軸サーボモータ61の電流値(B軸サーボモータ61の負荷)と、工具Tの長さL(mm)とに基づいて、工具Tに掛かる重力方向の荷重w(N/mm)を算出する。
断面2次モーメント算出部72は、算出した工具Tの断面2次モーメントI(mm)を撓み角算出部81に出力する。ヤング率特定部71は、特定した工具Tのヤング率E(GPa)を撓み角算出部81に出力する。荷重算出部73は、算出した工具Tに掛かる重力方向の荷重w(N/mm)を撓み角算出部81に出力する。
撓み角算出部81は、下記の(式2)により、重力による工具Tの撓み角α(rad)を算出する。
α=wL/6EI (式2)
撓み角算出部81は、上記の(式2)に、入力部52より入力された工具Tの長さL(mm)と、断面2次モーメント算出部72より入力された工具Tの断面2次モーメントI(mm)の値と、ヤング率特定部71より入力された工具Tのヤング率E(GPa)の値と、荷重算出部73より入力された工具Tに掛かる重力方向の荷重w(N/mm)の値とを代入することによって、重力による工具Tの撓み角α(rad)を算出する。
撓み角算出部81は、算出した重力による工具Tの撓み角αに対応する工具主軸121の旋回角の補正量αを、後述するPLC54およびX軸補正量算出部82に出力する。
制御部50は、PLC(Programmable Logic Controller)54と、第1サーボドライバ56とをさらに有する。
PLC54は、予め準備されているPLCプログラムに従って、工作機械10における各種ユニットを制御する。当該PLCプログラムは、たとえば、ラダープログラムで記述されている。PLC54は、工具主軸121の旋回角の補正量αに基づいて、第1サーボドライバ56に制御指令を送る。第1サーボドライバ56は、PLC54から目標位置の入力を受け、B軸サーボモータ61を制御する。
次に、工具主軸121のX軸位置補正の制御について説明する。制御部50は、工具Tの撓み角αに基づいて、鉛直方向における工具主軸121の位置の補正量Hを算出し、その補正量Hに従ってX軸サーボモータ63を制御する。
より具体的には、CPU51は、X軸補正量算出部82をさらに有する。X軸補正量算出部82は、下記の(式3)により、X軸方向(鉛直方向)における工具主軸121の位置の補正量Hを算出する。なお、(式3)においては、工具主軸121の主軸端面123を基準とする−Z軸方向の座標がl(エル)軸として示されている。
Figure 2021091040
X軸補正量算出部82は、算出した工具主軸121の位置の補正量HをPLC54に出力する。
制御部50は、第2サーボドライバ57をさらに有する。PLC54は、工具主軸121の位置の補正量Hに基づいて、第2サーボドライバ57に制御指令を送る。第2サーボドライバ57は、PLC54から目標位置の入力を受け、X軸サーボモータ63を制御する。
このような構成によれば、工具主軸121のB軸角度に、重力による工具Tの撓み角αに対応する工具主軸121の旋回角の補正量αを反映させることによって、重力による工具Tの撓みに起因して工具Tの刃先とワークとの接触角に変化が生じることを抑制できる。さらに、X軸方向における工具主軸121の位置に、工具Tの撓み角αに基づいて算出された鉛直方向における工具主軸121の位置の補正量Hを反映させることによって、工具主軸121のB軸角度の補正に伴って生じるX軸方向における工具の刃先の位置ずれを解消することができる。したがって、本実施の形態における工作機械10によれば、重力による工具Tの撓みに起因してワークの加工精度が低下することを効果的に抑制できる。
図7および図8は、工具主軸のB軸位置が−90°以外の角度である場合の工具に掛かる重力方向の荷重を説明するための図である。
図7を参照して、図中には、工具主軸121のB軸位置θが−90°より小さい場合(θ>−90°)が示されている。この場合、上記の(式2)における工具Tに掛かる重力方向の荷重wに替わって、w=w×sin(−θ)の式により算出される荷重wが用いられればよい。
図8を参照して、図中には、工具主軸121のB軸位置θが−90°より大きい場合(θ<−90°)が示されている。この場合、上記の(式2)における工具Tに掛かる重力方向の荷重wに替わって、w=w×cos(−θ−90°)の式により算出される荷重wが用いられればよい。
また、図1中の第2ワーク主軸116を用いてワーク加工を行なう場合、上記の式中の−θを+θに置き換えればよい。
なお、本実施の形態では、本発明における工具保持部が回転工具を回転させるための工具主軸である場合を説明したが、これに限られない。本発明における工具保持部は、たとえば、固定工具を保持するための刃物台であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、主に、長尺の工具を用いてワーク加工を実施することが可能な工作機械に適用される。
10 工作機械、50 制御部、52 入力部、56 第1サーボドライバ、57 第2サーボドライバ、61 B軸サーボモータ、63 X軸サーボモータ、71 ヤング率特定部、72 断面2次モーメント算出部、73 荷重算出部、76 記憶部、77 取得部、81 撓み角算出部、82 X軸補正量算出部、111 第1ワーク主軸、113 第1チャック機構、116 第2ワーク主軸、118 第2チャック機構、121 工具主軸、123 主軸端面、131 第2刃物台、132 旋回部、136 ベッド、141 振れ止め装置、151 チップ、152 刃先、153 軸部、200 加工エリア、201,202,203,203T,204,206 中心軸、210 スプラッシュガード。

Claims (7)

  1. ワークを保持し、水平方向に延びる第1軸を中心にして前記ワークを回転させることが可能なワーク主軸と、
    工具を保持する工具保持部と、
    前記第1軸と直交し、少なくとも水平方向成分を含む方向に延びる第2軸を中心にして前記工具保持部を旋回させる駆動モータと、
    前記駆動モータを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、重力による前記工具の撓み角を算出し、その撓み角に対応する前記工具保持部の旋回角の補正量を特定する、工作機械。
  2. 前記工具保持部は、前記第2軸と直交する第3軸を中心にして前記工具を回転させることが可能な工具主軸である、請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記工具に掛かる重力方向の荷重がw(N/mm)、前記工具の長さがL(mm)、前記工具のヤング率がE(GPa)、前記工具の断面2次モーメントがI(mm)である場合に、
    前記制御部は、重力による前記工具の撓み角α(rad)を、α=wL/6EIの式により特定する、請求項1または2に記載の工作機械。
  4. 前記制御部には、前記工具の直径D(mm)が入力され、
    前記制御部は、前記工具の断面2次モーメントI(mm)を、I=πD/64の式により算出する、請求項3に記載の工作機械。
  5. 前記制御部には、前記工具の材質が入力され、
    前記制御部は、入力された前記工具の材質を、予め記憶された材質とヤング率との関係に照らし合わせることによって、前記工具のヤング率を特定する、請求項3または4に記載の工作機械。
  6. 前記駆動モータの負荷に相関する物理量を取得する取得部をさらに備え、
    前記制御部には、前記工具の長さが入力され、
    前記制御部は、前記取得部において取得された前記物理量と、前記工具の長さとに基づいて、前記工具に掛かる重力方向の荷重を算出する、請求項3から5のいずれか1項に記載の工作機械。
  7. 前記工具保持部を鉛直方向成分を含む方向に移動させる移動機構部をさらに備え、
    前記制御部は、前記工具の撓み角に基づいて、鉛直方向における前記工具保持部の位置の補正量を算出し、その補正量に従って前記移動機構部を制御する、請求項1から6のいずれか1項に記載の工作機械。
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