JP2021070049A - 圧延機の制御方法および制御装置 - Google Patents

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【課題】一つの同じ圧延工程において、圧延時に圧延機入側の金属帯に形成された線状シワが圧延機出側で絞りとなることを防止することができる圧延機の制御方法および制御装置を提供すること。【解決手段】形状制御アクチュエータ15と、圧延機1の出側に設置された平坦度計16とを有する圧延機1の制御方法であって、圧延機1の入側および出側での鋼板Wの平坦度が、式(1)の関係を満たすように、圧延機1の制御目標値を算出する算出ステップと、圧延機1の出側での鋼板Wが目標の平坦度となるように、算出された制御目標値に基づいて形状制御アクチュエータ15を制御しつつ圧延機1で鋼板Wを圧延する制御ステップとを含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、圧延機の制御方法および制御装置に関する。
一般的に、自動車や飲料缶等に使用される鋼板は、連続鋳造、熱間圧延および冷間圧延を施され、焼鈍および鍍金工程を経た後に、各々の形に即した加工が行われる。また、熱間圧延工程後および冷間圧延工程後は、製品の要求に応じて鋼板に軽微な圧下を加えて材料の品質を整える調質圧延工程が実施される。
圧延工程で制御される品質の一つとして平坦度がある。平坦度は、板の板幅方向における伸び差率Δε[%]で評価される。また、伸び差率Δεは、例えば図5に示すように、一定区間(ピッチ)Lにおける板の板幅方向の伸び差ΔLに基づいて、「Δε=ΔL/L」で示され、これに10を乗じた値が「I−unit」という単位で呼ばれている。
鋼板の平坦度不良は、圧延工程中に板幅方向における鋼板の伸び率が揃わないことにより発生し、平坦度が大きいと、板幅方向の伸び差の分だけ鋼板が波打つ現象が発生する。このような鋼板は、後のプレス等で不具合を引き起こす他、めっき工程においてもめっきの不均等を引き起こす。更に、圧延工程において平坦度を上手く制御できない場合、圧延スタンドに鋼板が折り重なった状態で入り込む「絞り込み」という現象も発生する。
ここで、圧延時に平坦度を測定する手法としては、例えばロールを幅方向に分割してそれぞれに荷重検出センサを埋め込んだディスク構造の平坦度計を用いて、鋼板とロール間の接触荷重を測定して形状を算出する手法がある。また、平坦度を制御するアクチュエータ(形状制御アクチュエータ)としては、ワークロールの軸心たわみを変化させて形状を制御するために、ロールの両端にベンダ力を付与するロールベンダ機構や、片テーパの中間ロールを幅方向にシフトする中間ロールシフト機構などがある。また、液圧によりロールクラウンを操作するVCロール機構などもある。
また、鋼板の平坦度を制御する一般的な方法としては、例えば圧延後の鋼板の平坦度を測定する装置を設け、それにより測定される平坦度を圧延スタンドにフィードバックして形状制御アクチュエータ(ワークロールベンダ)を動作させるフィードバック制御が行われている(例えば特許文献1)。
特に熱間圧延後の低圧下率の場合においては、熱間圧延工程、冷却工程および巻き取り工程における形状(平坦度)の変化を予測し、調質圧延後の形状を最適とするように設定値を決定する圧延制御手法も提案されている(例えば特許文献2,3)。
特許第2964887号公報 特許第5971292号公報 特許第5971293号公報
一般的な圧延工程では、絞りを防止するために、圧延時の鋼板の平坦度をリアルタイムで測定して、目標値と一致するように形状制御アクチュエータを操作することが行われている。しかしながら、圧延前の鋼板の平坦度が非常に悪い場合には、圧延後の板形状を平坦に制御していても、絞りと呼ばれるスジ欠陥が発生するため、歩留まり低下や圧延機の稼働率低下が問題となる。例えば特許文献1の手法は、圧延後における平坦度を制御する目的で圧延を行っているものの、圧延前の鋼板の平坦度が非常に悪い(大きい)場合については想定していない。また、特許文献2,3の手法は、調質圧延前の形状を想定しているものの、形状の制御という観点でのみ制御を行っており、絞り込み抑制の観点による制御が行われていない。
そこで、本発明者らは、圧延前の鋼板に面外変形が生じている場合には、圧延時に、圧延機のロール直下で面外変形が強制的に平坦化されたことによりせん断応力が発生し、このせん断応力によって圧延機入側で鋼板が座屈して線状シワが形成されることを知見した。そして、この線状シワが圧延によってロールで押し潰されて絞りとなる。このように、本発明者らは、圧延前の鋼板の平坦度が非常に悪い場合には、絞り込み抑制の観点で制御を行わないと、圧延時に、圧延機入側の鋼板に線状シワが形成されて、この線状シワにより圧延機出側で絞りが発生することを知見した。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、一つの同じ圧延工程において、圧延時に圧延機入側の金属帯に形成された線状シワが圧延機出側で絞りとなることを防止することができる圧延機の制御方法および制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る圧延機の制御方法は、形状制御アクチュエータと、圧延機の出側に設置された平坦度計とを有する圧延機の制御方法であって、前記圧延機の入側および出側での金属帯の平坦度が、下式(1)の関係を満たすように、前記圧延機の制御目標値を算出する算出ステップと、前記圧延機の出側での金属帯が目標の平坦度となるように、前記算出された制御目標値に基づいて前記形状制御アクチュエータを制御しつつ当該圧延機で金属帯を圧延する制御ステップとを含むことを特徴とする。
Figure 2021070049
ただし、式(1)において、Λ2,inは圧延機入側での金属帯の平坦度、Λ2,outは圧延機出側での金属帯の平坦度、aは形状制御の許容範囲を示すパラメータである。
本発明に係る圧延機の制御方法は、上記発明において、前記算出ステップは、前記圧延機の入側および出側での金属帯の平坦度が、上式(1)の関係を満たす範囲内において、前記圧延機の出側での金属帯の平坦度ができるだけ平坦となるような制御目標値を設定するステップを含み、前記制御ステップは、前記設定された制御目標値に基づいて前記形状制御アクチュエータを制御しつつ当該圧延機で金属帯を圧延するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る圧延機の制御装置は、形状制御アクチュエータと、圧延機の出側に設置された平坦度計とを有する圧延機の制御装置であって、前記圧延機の入側および出側での金属帯の平坦度が、下式(2)の関係を満たすように、前記圧延機の制御目標値を算出する演算処理部と、前記圧延機の出側での金属帯が目標の平坦度となるように、前記算出された制御目標値に基づいて前記形状制御アクチュエータを制御しつつ当該圧延機で金属帯を圧延する制御部とを含むことを特徴とする。
Figure 2021070049
ただし、式(2)において、Λ2,inは圧延機入側での金属帯の平坦度、Λ2,outは圧延機出側での金属帯の平坦度、aは形状制御の許容範囲を示すパラメータである。
本発明に係る圧延機の制御装置は、上記発明において、前記演算処理部は、前記圧延機の入側および出側での金属帯の平坦度が、上式(2)の関係を満たす範囲内において、前記圧延機の出側での金属帯の平坦度ができるだけ平坦となるような制御目標値を設定し、前記制御部は、前記設定された制御目標値に基づいて前記形状制御アクチュエータを制御しつつ当該圧延機で金属帯を圧延することを特徴とする。
本発明によれば、形状制御アクチュエータを有する圧延機を用いて金属帯を圧延する際、圧延機出側での金属帯の平坦度が上式の条件を満たすように、形状制御アクチュエータを動作させることによって、金属帯の形状を平坦にできるとともに、絞りを防止することができる。
図1は、実施形態における圧延機の構成を示す模式図である。 図2は、圧延機の出側での鋼板の平坦度の許容範囲を説明するための図である。 図3は、近似式を説明するための図である。 図4は、実施例1の実験結果を示す図である。 図5は、板の伸びを説明するための模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態における圧延機の制御方法および制御装置について説明する。
[1.圧延機]
図1は、実施形態における圧延機の構成を示す模式図である。図1に示すように、圧延機1は、ワークロール11,12、バックアップロール13,14、形状制御アクチュエータ15、平坦度計16、平坦度計17を備える。この圧延機1は、金属帯である鋼板Wを圧延するものであり、冷間圧延機により構成されている。つまり、実施形態では、冷間圧延工程において鋼板Wを圧延する場合を対象とする。
ワークロール11,12は、鋼板Wを圧延方向(長手方向)に搬送する搬送経路を挟んで、鋼板Wの板厚方向に対向配置されている。ワークロール11,12は、搬送経路に沿って順次搬送される鋼板Wをその板厚方向において挟み込みながら回転(自転)することにより、鋼板Wを連続的に圧延する。
バックアップロール13,14は、一対のワークロール11,12を挟んで対向配置されている。上側のバックアップロール13は、上側の中間ロールの外周面に上方向から接触し、中間ロールを介してワークロール11を下方向に押圧する。これにより、バックアップロール13は鋼板Wの圧延に要する荷重をワークロール11に付与する。また、下側のバックアップロール14は、下側の中間ロールの外周面に下方向から接触し、中間ロールを介してワークロール12を上方向に押圧する。これにより、バックアップロール14は、鋼板Wの圧延に要する荷重をワークロール12に付与する。
形状制御アクチュエータ15は、圧延機1による圧延後の鋼板Wの形状を制御する形状制御部として機能する。図1に示す形状制御アクチュエータ15は、バックアップロール13を介してワークロール11に撓みまたは傾斜を付与し、これにより、圧延機1による圧延後の鋼板Wの形状を制御する。また、形状制御アクチュエータ15は、後述する制御装置2によって制御される。
また、形状制御アクチュエータ15は、鋼板Wの耳伸びや腹伸びを変更できるものであればよく、種類は特に限定されない。例えば、形状制御アクチュエータ15は、ロールベンダ、片テーパの中間ロールシフト、AS―U、VCロールなどにより構成されてよい。例えば、ワークロールベンダは、鋼板Wの板クラウンを制御するものであり、鋼板Wの板クラウンの制御を目的として、鋼板Wの板厚方向にワークロール11,12をそれぞれ曲げるロール曲げ動作を行う。ワークロールベンダはワークロール11,12のそれぞれに配置されている。例えば、上側のワークロールベンダはワークロール11のロール軸を回転可能に軸支しつつ、鋼板Wの板厚方向の曲げ力をワークロール11に付与する。その際、圧延反力として鋼板Wからワークロール11に付与される曲げ力の方向(上方向)は、バックアップロール13からワークロール11に加えられる荷重の方向(下方向)とは反対の方向となる。また、下側のワークロールベンダはワークロール12のロール軸を回転可能に軸支しつつ、鋼板Wの板厚方向の曲げ力をワークロール12に付与する。その際、圧延反力として鋼板Wからワークロール12に付与される曲げ力の方向(下方向)は、バックアップロール14からワークロール12に加えられる荷重の方向(上方向)とは反対の方向となる。
平坦度計16は、圧延機1の入側に設置され、圧延機1の入側での鋼板Wの形状をリアルタイムに測定する第1平坦度計である。例えば、平坦度計16は、ロール式や振動式により構成される。平坦度計16による測定結果は制御装置2に入力される。平坦度は形状パラメータである。
平坦度計17は、圧延機1の出側に設置され、圧延機1の出側での鋼板Wの形状をリアルタイムに測定する第2平坦度計である。例えば、平坦度計17は、ロール式や振動式により構成される。平坦度計17による測定結果は制御装置2に入力される。
なお、平坦度計16,17は、圧延機の入側および出側での鋼板Wの形状をリアルタイムに測定できるものであればよく、特に種類は限定されない。また、圧延機1の入側での金属帯の平坦度について、圧延機1の入側に平坦度計を設置して測定してもよいが、冷間圧延工程の前工程に平坦度計が設置されている場合には、制御装置2は、その前工程で測定した平坦度を用いてもよい。この場合、圧延機1の入側の平坦度計16は不要である。
制御装置2は、パーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用の情報処理装置によって実現されるものであり、例えばCPU、ROM、RAM等を主要構成部品としている。この制御装置2は、圧延機1を制御するものである。制御装置2には、圧延中に平坦度計16および平坦度計17からの信号が入力される。そして、制御装置2は、平坦度計16および平坦度計17から入力された信号(測定値)に基づいて各種演算処理を実行し、形状制御アクチュエータ15を制御する。制御装置2から形状制御アクチュエータ15に指令信号が出力される。
また、制御装置2は、演算処理部21と、制御部22とを有する。
演算処理部21は、圧延中に圧延機入側の平坦度計16から入力される測定値(入側平坦度)、圧延中に圧延機出側の平坦度計17から入力される測定値(出側平坦度)、および鋼板Wの鋼種に応じて定まる値を用いて、形状制御アクチュエータ15を制御するための制御目標値を算出する。例えば、演算処理部21は、鋼板Wの圧延機入側での平坦度に応じて、圧延機1の出側での鋼板Wが目標の平坦度となるような制御目標値を算出する。
制御部22は、演算処理部21により算出された制御目標値に基づいて、形状制御アクチュエータ15を制御する。
[2.制御方法]
ここで、実施形態における圧延機1の制御方法について説明する。
まず、鋼板Wの絞りを防止するためには、圧延時の板形状をリアルタイムに測定して適切な形状に制御することが重要である。そこで、制御装置2では、圧延機1の入側および出側の金属帯の平坦度が、式(3)の関係を満たすように、形状制御アクチュエータ15を動作させる。
Figure 2021070049
式(3)において、Λ2,inは圧延機1の入側での鋼板Wの平坦度、Λ2,outは圧延機1の出側での鋼板Wの平坦度、aは形状制御の許容範囲を示すパラメータである。パラメータaは、鋼板Wの鋼種によって定まる値であり、例えばラボ実験または実機実験で決定する。下付き添え字のinは入側形状を、outは出側形状を表している。
また、式(3)の満たす範囲を、図2に例示する。図2に示す線C1と線C2との間の範囲が、式(3)を満たす範囲となる。測定値である入側の平坦度Λ2,inが定まると、この入側の平坦度Λ2,inに応じて、線C1と線C2との間の範囲内で出側の平坦度Λ2,outを決めることが可能である。つまり、入側の平坦度Λ2,inが定まると、出側の平坦度Λ2,outは線C1上の値を上限値、線C2上の値を下限値とする範囲内で設定可能となる。
具体的には、圧延中、平坦度計16は、圧延機1の入側での平坦度Λ2,inを測定する。測定された圧延機入側での平坦度Λ2,inが、圧延中にリアルタイムで制御装置2に入力される。制御装置2は、取得した入側の平坦度Λ2,inを上式(3)に代入して、平坦度Λ2,outを求める。制御装置2は、求めた平坦度Λ2,outとなるように形状制御アクチュエータ15を制御する。そして、平坦度計17は、圧延機1の出側での平坦度Λ2,outを測定し、その測定値を制御装置2に入力する。この結果、制御装置2は、上式(3)で求めた制御目標値である平坦度Λ2,outと、平坦度計17から入力された実測値である平坦度Λ2,outとを比較して、目標とする制御範囲内に鋼板Wの平坦度を制御できているかを判断することができる。このように、上式(3)により定まる制御範囲内に出側の平坦度Λ2,outが収まるように、制御装置2は形状制御アクチュエータ15を制御する。
より好適には、上式(3)を満たす範囲で、鋼板Wができるだけ平坦(Λ2,out=0)となるように形状を制御することによって、絞りが発生せずかつ平坦な鋼板Wを製造することができる。ここで、平坦度Λがゼロの場合は、鋼板Wが平坦であることを表す。平坦度Λが正の値である場合は、板幅中央部と比べて板幅端部の伸びが大きい耳伸び状態であることを表す。平坦度Λが負の値である場合は、板幅中央部の伸びが板幅端部と比べて大きい腹伸び状態であることを表す。この鋼板Wの形状をできるだけ平坦にする制御について図2を参照して説明する。
図2に示すように、入側の平坦度Λ2,inが正の値である場合、式(3)を満たす範囲内(線C1と線C2との間)において、鋼板Wができるだけ平坦となるような形状にするため、出側の平坦度Λ2,outはよりゼロに近い値が目標値として設定される。そして、この出側の平坦度Λ2,outの目標値を実現する制御目標値を設定し、この制御目標値に基づいて形状制御アクチュエータ15を制御する。
また、式(3)の入側の平坦度Λは、板幅方向のI−Unit分布を式(4)の4次式で近似して、近似係数λ、λを式(5)で線形変換することで得られる値であり、板幅中央部に対する板幅端部の伸びの大きさを表している。
Figure 2021070049
Figure 2021070049
式(5)において、yは板幅各点のI−Unitの値が板幅中央でゼロとなるようにシフトした値、zは板幅両端が±1となるように板幅位置を相対化した値である。また、図3には、yとzとの関係性を示す図が例示されている。
例えば、耳伸びが大きい鋼板Wでは、板幅端部の伸びが板幅中央部の伸びと比べて大きい状態となり、板幅端部に面外変形が生じている。仮に、この耳伸びの鋼板Wを、本発明を適用せずに従来通りに圧延すると、圧延機1のロール直下で板幅端部側の面外変形が強制的に平坦化されたことで発生したせん断応力により、圧延機入側で鋼板Wが座屈して、圧延方向に対して斜めの線状シワが形成される。この線状シワが圧延機1で圧延されることにより絞りが発生する。
そこで、本実施形態では、耳伸びの鋼板Wを圧延機1で圧延する際、制御装置2は、上式(3)に従って、圧延機1の出側での板形状を腹伸びとするように、形状制御アクチュエータ15を制御する。これにより、圧延機1の出側での鋼板Wの板幅端部の伸びを小さくして、相対的に圧延機1の入側での鋼板Wの板幅端部の伸びが大きい状態を緩和することができ、絞りを防止できる。
同様に、腹伸びの鋼板Wを圧延機1で圧延する際、制御装置2は、上式(3)に従って、板幅端部を板幅中央部よりも大きく圧下するように形状制御アクチュエータ15を制御する。これにより、圧延機1の出側での板幅中央部の伸びを小さくして、相対的に圧延機1の入側での板幅中央部の伸びが大きい状態を緩和することによって、絞りの発生を防止することができる。
(実施例1)
実施例1では、入側板厚0.55mm、出側板厚0.40mm、板幅1100mmの軟鋼板の圧延を行った。ユニット張力の設定値は、入側100MPa、出側80MPaに設定した。圧延機1は、6Hi圧延機を用いた。圧延機1には、形状制御アクチュエータ15としてワークロールベンダが設けられている。圧延機1の入側と出側とには、ロール式の平坦度計が1台ずつ設置されている。また、上式(3)のパラメータaは、過去の操業実績で絞りが発生せずに圧延できた条件を調査して、a=50I−Unitに設定した。そして、制御装置2は、平坦度の測定値が上式(3)の関係を満たす範囲で、圧延機1の出側での鋼板Wの形状ができるだけ平坦となるように、ワークロールベンダを操作した。この実験の結果を図4に示す。
図4に示すように、従来の操業では、4300コイルのうち2コイルの割合で絞りが発生していた。一方、上述した実施形態を適用した実施例1では、絞りの発生回数が4300コイル中0コイルとなった。以上のように、実施例1によれば、本発明を適用することで絞りが発生することなく圧延することが可能となった。
なお、上述した実施形態および実施例1では冷間圧延工程において鋼板Wを圧延する場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明は、薄物熱延材を単機ミルで圧延する場合(熱延スキンパス設備での調質圧延を含む)にも適用可能である。すなわち、本発明は、調質圧延工程で圧延される金属帯を対象とすることも可能である。
1 圧延機
2 制御装置
11,12 ワークロール
13,14 バックアップロール
15 形状制御アクチュエータ
16,17 平坦度計
21 演算処理部
22 制御部

Claims (4)

  1. 形状制御アクチュエータと、圧延機の出側に設置された平坦度計とを有する圧延機の制御方法であって、
    前記圧延機の入側および出側での金属帯の平坦度が、下式(1)の関係を満たすように、前記圧延機の制御目標値を算出する算出ステップと、
    前記圧延機の出側での金属帯が目標の平坦度となるように、前記算出された制御目標値に基づいて前記形状制御アクチュエータを制御しつつ当該圧延機で金属帯を圧延する制御ステップと
    を含むことを特徴とする圧延機の制御方法。
    Figure 2021070049
    ただし、式(1)において、Λ2,inは圧延機入側での金属帯の平坦度、Λ2,outは圧延機出側での金属帯の平坦度、aは形状制御の許容範囲を示すパラメータである。
  2. 前記算出ステップは、前記圧延機の入側および出側での金属帯の平坦度が、上式(1)の関係を満たす範囲内において、前記圧延機の出側での金属帯の平坦度ができるだけ平坦となるような制御目標値を設定するステップを含み、
    前記制御ステップは、前記設定された制御目標値に基づいて前記形状制御アクチュエータを制御しつつ当該圧延機で金属帯を圧延するステップを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧延機の制御方法。
  3. 形状制御アクチュエータと、圧延機の出側に設置された平坦度計とを有する圧延機の制御装置であって、
    前記圧延機の入側および出側での金属帯の平坦度が、下式(2)の関係を満たすように、前記圧延機の制御目標値を算出する演算処理部と、
    前記圧延機の出側での金属帯が目標の平坦度となるように、前記算出された制御目標値に基づいて前記形状制御アクチュエータを制御しつつ当該圧延機で金属帯を圧延する制御部と
    を含むことを特徴とする圧延機の制御装置。
    Figure 2021070049
    ただし、式(2)において、Λ2,inは圧延機入側での金属帯の平坦度、Λ2,outは圧延機出側での金属帯の平坦度、aは形状制御の許容範囲を示すパラメータである。
  4. 前記演算処理部は、前記圧延機の入側および出側での金属帯の平坦度が、上式(2)の関係を満たす範囲内において、前記圧延機の出側での金属帯の平坦度ができるだけ平坦となるような制御目標値を設定し、
    前記制御部は、前記設定された制御目標値に基づいて前記形状制御アクチュエータを制御しつつ当該圧延機で金属帯を圧延する
    ことを特徴とする請求項3に記載の圧延機の制御装置。
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