JP2021063943A - 電気光学装置のデータセット登録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】階調レベルを指定する入力階調データと出力階調データとを対応付けたデータセットの設定を簡略化する。【解決手段】データセットの候補となる複数組には、特定の第1階調レベルでの輝度および色度が関連付けられている。登録対象である表示パネルに第1階調レベルに相当する出力階調データを出力した場合に、当該表示パネルの輝度および色度を示す第1情報を取得し、複数組のデータセットのうち、第1情報で示される輝度および色度に最も近い輝度および色度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを登録させる。【選択図】図1

Description

本発明は、電気光学装置のデータセット登録方法に関する。
近年、画素回路にOLED(Organic Light Emitting Diode)のような電気光学素子を用いた表示パネルを含む電気光学装置が各種提案されている。この種の表示パネルでは、製造条件などの相違によって個体差が生じる場合がある。個体差とは、例えば、複数の表示パネルを同じ条件で駆動しても、異なる状態で表示される現象をいう。より具体的には、ある表示パネルに対して、入力階調データによって、ある画素回路に、ある階調(明るさ)を指定した場合において当該表示パネルの画素回路による輝度と、別の表示パネルに同じ階調を指定した場合において当該別の表示パネルの画素回路による輝度と、が異なってしまう現象をいう。
そこで、個体差があっても、同じような表示結果を得るために、上位装置から供給される入力階調データを、目的とする輝度および色度が得られるような出力階調データに一旦に変換し、当該出力階調データに基づいて画素回路を駆動する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。具体的には、上記技術では、LUT(Look Up Table)によって入力階調データが出力階調データに変換される。
特開2008−292680号公報
しかしながら、上記技術では、表示パネル毎に、入力階調データで指定される階調レベルのすべてについて画素回路による輝度を測定し、当該測定結果に基づいて出力階調データをLUTに設定する必要がある。このため、測定に時間を要する、という課題がある。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る電気光学装置のデータセットの登録方法は、階調レベルを指定する入力階調データと出力階調データとを対応付けたデータセットを記憶する第1記憶部と、前記データセットを用いて変換された出力階調データに基づいて駆動される画素回路と、を含む表示パネルの前記第1記憶部に、前記データセットを登録させる登録方法であって、前記第1記憶部に記憶させるデータセットの候補となる複数組が第2記憶部に記憶され、前記第2記憶部に記憶されたデータセットには、中間階調レベルのうち、特定の第1階調レベルでの輝度および色度が関連付けられ、前記データセットの登録対象である表示パネルに、前記第1階調レベルに相当する出力階調データを出力した場合に、当該表示パネルの輝度および色度を示す第1情報を取得し、前記複数組のデータセットのうち、前記第1情報で示される輝度および色度に最も近い輝度および色度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部に登録させる。
また、本開示の別態様に係る電気光学装置のデータセットの登録方法は、階調レベルを指定する入力階調データと出力階調データとを対応付けたデータセットを第1色、第2色および第3色毎に記憶する第1記憶部と、前記データセットを用いて変換された第1色の出力階調データに基づいて駆動される第1画素回路と、前記データセットを用いて変換された第2色の出力階調データに基づいて駆動される第2画素回路と、前記データセットを用いて変換された第3色の出力階調データに基づいて駆動される第3画素回路と、を含む表示パネルの前記第1記憶部に、前記データセットを登録させる登録方法であって、前記第1記憶部に記憶させるデータセットの候補となる複数組が第2記憶部に記憶され、前記第2記憶部に記憶されたデータセットには、中間階調レベルのうち、特定階調レベルでの輝度が関連付けられ、前記データセットの登録対象である表示パネルに、前記特定階調レベルに相当する出力階調データを出力した場合に、当該表示パネルにおける第1色の輝度を示す第1輝度情報、第2色の輝度を示す第2輝度情報および第3色の輝度を示す第3輝度情報を取得し、前記複数組のデータセットのうち、前記第1輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部の第1色として登録させ、前記第2輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部の第2色として登録させ、前記第3輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部の第3色として登録させる。
第1実施形態に係る電気光学装置を適用したヘッドマウントディスプレイ・システムの構成を示すブロック図である。 ヘッドマウントディスプレイ・システムのヘッドセットを示す斜視図である。 ヘッドセットの光学構成を示す図である。 ヘッドセットにおける表示パネルを示す斜視図である。 表示パネルの構成を示すブロック図である。 表示パネルにおける画素回路の構成を示す図である。 表示パネルの動作を説明するための図である。 登録装置の構成を示すブロック図である。 LUTセットの例を示す図である。 第1テーブルの例を示す図である。 第1実施形態における登録処理の動作を示すフローチャートである。 登録装置におけるLUTの選択を説明するための図である。 第1実施形態の応用例に係る登録処理の動作を示すフローチャートである。 第2テーブルの例を示す図である。 正規化前輝度カーブの特性を示す図である。 正規化後輝度カーブの特性を示す図である。 第2実施形態に適用されるLUTの例を示す図である。 第2実施形態における登録処理の動作を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る電気光学装置を適用したヘッドマウントディスプレイ・システムの構成を示すブロック図である。 表示パネルの構成を示すブロック図である。 記憶部の構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る電気光学装置のデータ演算回路を示す図である。 第4実施形態に係る電気光学装置のデータ演算回路を示す図である。 第5実施形態に係る電気光学装置のデータ演算回路を示す図である。 第5実施形態における正規化後輝度カーブの変換例を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る電気光学装置について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法および縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1は、第1実施形態に係る電気光学装置を適用したヘッドマウントディスプレイ・システム1の構成を示すブロック図である。この図に示されるように、ヘッドマウントディスプレイ・システム1は、ヘッドセット300とメインコントローラー350とを含む。ヘッドセット300は、表示パネル100L、100Rおよびタイミングコントローラー200を含む。
なお、図1では、登録装置400がヘッドセット300に接続されている。登録装置400は、表示パネル100L、100Rにおける個体差の影響を小さくするために、後述するように例えば製造過程において表示パネル100L、100Rをヘッドセット300に組み込む際に、記憶部380Lおよび380RにLUTセットを登録させる。記憶部380Lおよび380RにLUTセットが登録されると、登録装置400は、ヘッドセット300から切り離される。
表示パネル100Lは左眼用であり、表示パネル100Rは右眼用であり、それぞれカラー画像を表示するマイクロディスプレイである。表示パネル100Lおよび100Rは、半導体基板に複数の画素回路や、当該画素回路を駆動する駆動回路などが形成されている。半導体基板としては、典型的にはシリコン基板であるが、他の半導体基板であってもよい。
メインコントローラー350は、左眼用の入力階調データDn_Lft、右眼用の入力階調データDn_Rgtおよび制御信号Ctrを出力する。入力階調データDn_Lftは、左眼用の画像における各画素の階調レベルをR(赤)、G(緑)、B(青)毎に例えば8ビットで指定する。入力階調データDn_Rgtは、右眼用の画像における各画素の階調レベルをRGB毎に同じく8ビットで指定する。
詳細には、入力階調データDn_Lftは、画素のうち、Rの成分を示すDn_R_Lft、Gの成分を示すDn_G_LftおよびBの成分を示すDn_B_Lftを含む。同様に、入力階調データDn_Rgtは、画素のうち、Rの成分を示すDn_R_Rgt、Gの成分を示すDn_G_RgtおよびBの成分を示すDn_B_Rgtを含む。
なお、RGBの色を区別する必要がない場合には入力階調データの符号をDn_LftおよびDn_Rgtとし、左眼用および右眼用を区別する必要がない場合には入力階調データの符号をDn_R、Dn_GおよびDn_Bとする。また、色ならびに左眼用および右眼用を区別する必要がない場合には、入力階調データの符号を単にDnとする。
第1実施形態では、表示パネル100Lおよび100Rに異なる映像、具体的には視差を伴う映像を表示させることで、奥行きや立体感を装着者に知覚させることができる。ただし、立体感等を知覚させる必要がない場合には、入力階調データDn_LftおよびDn_Rgtを共通化して、同じ映像を表示させる構成としてもよい。
第1実施形態では、入力階調データDn_R、Dn_GおよびDn_Bの各8ビットは、ガンマ特性に合わせた明るさを指定する出力階調データ(例えば10ビット)にそれぞれ変換され、当該出力階調データがアナログに変換され、アンプ等により適宜増幅されて、対応する色の画素回路に含まれる発光素子に供給される構成となっている。
メインコントローラー350は、記憶部380L、380Rを含む。記憶部380L、380Rは、電源が遮断されてもデータを記憶する不揮発性メモリである。記憶部380L、380Rは、登録装置400から転送されたLUTセットを登録(記憶)する。
なお、第1実施形態において、LUTセットとは、LUTの構築に必要なデータ群であり、LUTは、階調レベル「255」から「0」までの入力階調データDnに対する出力階調データの対応関係をテーブル化したものである。
メインコントローラー350は、例えば電源投入直後の起動処理により、記憶部380Lに記憶されたLUTセットを読み出して、表示パネル100LにLUTセットLt_Lftとして転送する。同様に、メインコントローラー350は、起動処理により、記憶部380Rに記憶されたLUTセットを読み出して、表示パネル100RにLUTセットLt_Rgtとして転送する。
左眼用の表示パネル100Lに転送されるLUTセットLt_Lftは、R成分のLUTを示すデータLt_R_Lft、G成分のLUTを示すデータLt_G_LftおよびB成分のLUTを示すデータLt_B_Lftを含む。右眼用の表示パネル100Rに転送されるLUTセットLt_Rgtは、R成分のLUTを示すデータLt_R_Rgt、G成分のLUTを示すデータLt_G_RgtおよびB成分のLUTを示すデータLt_B_Rgtを含む。
なお、左眼用および右眼用を区別する必要がない場合、LUTを示すデータについて各色の符号をLt_R、Lt_GおよびLt_Bとする。また、色ならびに左眼用および右眼用を区別する必要がない場合、LUTを示すデータの符号をLtとする。
タイミングコントローラー200は、メインコントローラー350から制御信号Ctr、入力階調データDn_LftおよびDn_Rgtを受信し、受信した信号に基づいて表示パネル100Lおよび100Rを駆動するためのタイミング信号を生成する。
なお、タイミング信号とは、表示パネル100Lおよび100Rを垂直走査および水平走査するための信号であり、具体的には同期信号Vsync、Hsyncおよびクロック信号Dclkなどがある。このうち、同期信号Vsyncは、表示パネル100Lおよび100Rに対して垂直走査の開始を指定し、同期信号Hsyncは、表示パネル100Lおよび100Rに対して水平走査の開始を指定する。また、クロック信号Dclkは、表示パネル100Lおよび100Rに入力階調データDn_LおよびDn_Rを転送する際の同期信号として用いられる。
図2は、ヘッドマウントディスプレイ・システムのヘッドセットを示す斜視図であり、図3は、ヘッドセットの光学構成を示す図である。
図2に示されるように、ヘッドセット300は、外観的には、一般的な眼鏡と同様にテンプル310や、ブリッジ320、レンズ301L、301Rを有する。また、ヘッドセット300は、図3に示されるように、ブリッジ320近傍であってレンズ301L、301Rの奥側(図において下側)には、左眼用の表示パネル100Lと右眼用の表示パネル100Rとが設けられる。なお、タイミングコントローラー200は、ヘッドセット300に内蔵され、メインコントローラー350からケーブル360を介して受信した信号に基づいて、上述した表示パネル100Lおよび100Rの駆動信号を生成する。
表示パネル100Lの画像表示面は、図3において左側となるように配置している。これによって表示パネル100Lによる表示画像は、光学レンズ302Lを介して図において9時の方向に出射する。ハーフミラー303Lは、表示パネル100Lによる表示画像を6時の方向に反射させる一方で、12時の方向から入射した光を透過させる。表示パネル置100Rの画像表示面は、表示パネル100Lとは反対の右側となるように配置している。これによって表示パネル100Rによる表示画像は、光学レンズ302Rを介して図において3時の方向に出射する。ハーフミラー303Rは、表示パネル100Rによる表示画像を6時方向に反射させる一方で、12時の方向から入射した光を透過させる。
この構成において、ヘッドセット300の装着者は、表示パネル100Lおよび100Rによる表示画像を、外の様子と重ね合わせたシースルー状態で観察することができる。
また、ヘッドセット300において、視差を伴う両眼画像のうち、左眼用画像を表示パネル100Lに表示させ、右眼用画像を表示パネル100Rに表示させると、装着者に対し、表示された画像があたかも奥行きや立体感を持つかのように知覚させることができる。
表示パネル100Lおよび100Rについては、ヘッドマウントディスプレイ・システム1のほかにも、ビデオカメラやレンズ交換式のデジタルカメラなどにおける電子式ビューファインダーにも適用可能である。
なお、以下において表示パネル100Lおよび100Rについて左眼用および右眼用と区別して説明する必要がない場合、符号末尾のL、Rを省略して単に表示パネル100と一般化して表記する。
図4は、表示パネル100の構成を示す斜視図であり、図5は、表示パネル100の構成を示すブロック図である。
図4に示されるように、表示パネル100は、表示領域で開口する枠状のケース72に収納される。表示パネル100には、FPC(Flexible Printed Circuits)基板74の一端が接続される。FPC基板74の他端には、複数の端子76が設けられて、複数の端子76を介し、入力階調データDnや、LUTセットLt、同期信号が供給される。
図5に示されるように、表示パネル100は、表示領域102を有する。
表示領域102では、m行の走査線112が図において左右に沿って設けられ、n列のデータ線114が、上下に沿って、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられる。画素回路110は、表示領域102において、m行の走査線112とn列のデータ線114との各交差に対応してm行n列のマトリクス状に配列している。
m、nは、2以上の整数である。走査線112の行、および、画素回路110のマトリクスの行を便宜的に区別するために、図5において上から順に1、2、3、…、m行と呼ぶ場合がある。行を特定せずに一般的に説明する場合には、1≦i≦mを満たすiを用いてi行と呼ぶことにする。
同様にデータ線114の列、および、画素回路110のマトリクスの列を便宜的に区別するために、図5において左から順に1、2、3、…、n列と呼ぶ場合がある。また、列を特定せずに一般的に説明する場合には、1≦j≦nを満たすnを用いてj列と呼ぶことにする。
なお、例えば同一行の走査線112と互いに隣り合う3列のデータ線114との交差に対応した3つの画素回路110が、それぞれR、G、Bの画素に対応し、これらの3つが表示すべきカラー画像の1画素が表現される。
また、表示パネル100は、表示制御回路130、走査線駆動回路140、データ線駆動回路150、変換回路160R、160Gおよび160Bを有する。
表示制御回路130は、タイミングコントローラー200から供給される同期信号Vsync、Hsyncおよびクロック信号Dclkに基づいて、走査線駆動回路140を制御するための制御信号Ctr_Y、および、データ線駆動回路150を制御するための制御信号Ctr_Xをそれぞれ生成する。
変換回路160Rは、メインコントローラー350から転送されたデータLt_RによってLUTを構築し、当該LUTに基づいてRの入力階調データDn_RをRの出力階調データDt_Rに変換し、当該出力階調データDt_Rを表示パネル100に供給する。
同様に、変換回路160Gは、データLt_GによってLUTを構築し、当該LUTに基づいてGの入力階調データDn_GをGの出力階調データDt_Gに変換し、当該出力階調データDt_Gを表示パネル100に供給する。変換回路160Bは、データLt_BによってLUTを構築し、当該LUTに基づいてBの入力階調データDn_BをBの出力階調データDt_Bに変換し、当該出力階調データDt_Bを表示パネル100に供給する。
変換回路160R、160Gおよび160Bは、それぞれ電源が遮断されると、データを記憶しなくなる揮発性メモリである。なお、記憶部380Lおよび380Rは、電源が遮断されてもLUTセットを記憶する必要があるので、不揮発性メモリにより構成されるが、一般に不揮発性メモリにおけるデータの読出速度は、揮発性メモリにおけるデータの読出速度よりも遅い。このため、記憶部380Lおよび380Rは、入力階調データDnを出力階調データDtに、高速に変換するための要素として不向きである。そこで、第1実施形態では、メインコントローラー350が、電源投入直後の起動処理を実行する際に、記憶部380Lおよび380RからLUTセットを変換回路160R、160Gおよび160Bに転送し、当該変換回路160R、160Gおよび160Bが入力階調データDnを出力階調データDtに変換して表示パネル100に供給する構成としている。
走査線駆動回路140は、制御信号Ctr_Yにしたがって行毎に走査信号を生成し、1、2、3、…、m行目の走査線112に、走査信号Gwr(1)、Gwr(2)、Gwr(3)、…、Gwr(m)として供給する。
データ線駆動回路150は、制御信号Ctr_Xにしたがって1、2、3、…、n列目のデータ線114に、データ信号Vd(1)、Vd(2)、Vd(3)、…、Vd(n)を供給する。ここで、例えばi行目の走査線112が選択される期間において、j列目のデータ線114に供給されるデータ信号Vd(j)は、i行j列の画素の階調に応じた電圧を有する。詳細には、データ線駆動回路150は、例えばi行j列の画素回路110がRに対応していれば、出力階調データDt_Rをアナログの電圧に変換して、データ信号Vd(j)として出力する。データ線駆動回路150は、同様にi行j列の画素回路110がGに対応していれば、出力階調データDt_Gをアナログの電圧に変換し、当該画素回路110がBに対応していれば、出力階調データDt_Bをアナログの電圧に変換して、データ信号Vd(j)として出力する。
図6は、画素回路110の構成を示す図である。m行n列で配列する画素回路110については電気的にみれば互いに同一構成である。このため、画素回路110についてはi行j列で代表させて説明する。
図6において、i行目の走査線112とj列目のデータ線114との交差に対応して設けられるi行j列の画素回路110は、OLED120と、Pチャネル型のトランジスター121、122と、容量素子Cpixとを含む。
画素回路110において、OLED120は、電気光学素子の一例であり、例えばアノードと、光透過性を有するカソードとで白色有機EL層を挟持した素子である。OLED120において、アノードからカソードに電流が流れると、アノードから注入された正孔とカソードから注入された電子とが白色有機EL層で再結合して励起子が生成され、白色光が発生する。このときに発生した白色光は、図示省略された反射膜とハーフミラーとで構成された光共振器にて共振し、RGBのいずれかの色に対応して設定された共振波数の光を出射する。光共振器から光の出射側には当該色に対応したカラーフィルターが設けられる。したがって、OLED120からの出射光は、光共振器およびカラーフィルターによる着色を経て、観察者に視認される。
画素回路110に設けられるOLED120は、表示画像の最小単位となる。1個の画素回路110は1個のOLED120を含む。ある画素回路110は他の画素回路110とは独立して制御され、OLED120は画素回路110に対応する色で発光して、3原色の1つを表現する。
すなわち、1つの画素回路110は、表示すべき色のうち、三原色の1つを表現するので、厳密にいえば、サブ画素回路と呼ぶべきであるが、説明を簡略化するために画素回路と呼ぶことにする。
なお、表示パネル100がカラー表示しない構成、すなわち、単に明暗のみの単色画像を表示する場合には、上記カラーフィルターが設けられない。
i行j列の画素回路110のトランジスター121にあっては、ゲートノードがトランジスター122のドレインノードと容量素子Cpixの一端に接続され、ソースノードが電圧Velの給電線116に接続され、ドレインノードがOLED120のアノードに接続される。
また、容量素子Cpixの他端は、給電線116に接続される。このため、容量素子Cpixは、トランジスター121におけるゲート電圧を保持する。
i行j列の画素回路110のトランジスター122にあっては、ゲートノードがi行目の走査線112に接続され、ソースノードがj列目のデータ線114に接続される。また、OLED120のカソードは、電圧Vctの給電線118に接続される。
図7は、表示パネル100の動作を説明するための図である。この図に示されるように、走査信号Gwr(1)〜Gwr(m)は、一垂直走査期間(F)にわたって、一水平走査期間(H)毎に順次排他的にLレベルとなる。ここでは、1行、2行、3行、…、m行の順に走査され、この順に走査信号Gwr(1)、Gwr(2)、Gwr(3)、…、Gwr(m)がLレベルになり、走査線が選択される。
ここで例えばi行目の走査線112が選択される一水平走査期間(H)では、走査信号Gwr(i)がLレベルになるので、i行j列の画素回路110でいえば、トランジスター122がオンする。このため、トランジスター121のゲートノードは、j列目のデータ線114に接続された状態となる。
また、当該一水平走査期間(H)では、データ線駆動回路150が、j列目のデータ線114でいえば、i行j列における画素の色に対応したデータ、すなわち、出力階調データDt_R、Dt_G、Dt_Bのうち、当該色に対応したデータをアナログに変換したデータ信号Vd(j)を出力する。
当該データ信号Vd(j)は、j列目のデータ線114を介して、i行j列の画素回路110におけるトランジスター121のゲートノードに印加されるので、当該データ信号Vd(j)の電圧が容量素子Cpixによって保持され、当該トランジスター121がゲート・ソース間の電圧に応じた電流をOLED120に流す。
i行目の走査線112の選択が終了して、走査信号Gwr(i)がHレベルとなり、トランジスター122がオフしても、データ信号Vd(j)の電圧は容量素子Cpixによって保持されるので、OLED120には電流が流れ続ける。したがって、i行j列の画素回路110では、一垂直走査期間(F)経過してトランジスター122が再度オンしてデータ信号Vd(j)が印加されるまで、OLED120は、容量素子Cpixによって保持された電圧、すなわち階調レベルに応じた明るさで発光し続ける。
なお、ここではi行j列の画素回路110について説明したが、i行目においてj列以外の画素回路110についても同様にデータ信号Vd(1)〜Vd(n)の電圧に応じた明るさで発光する。また、i行目以外の行についても、1行、2行、3行、…、m行の順に走査されることによって、表示パネル100の画素回路110が、すべて階調レベルで指定された明るさで発光するので、出力階調データDtに応じた画像が表示される。
図8は、登録装置400の構成を示すブロック図である。登録装置400は、上述したように製造過程においてヘッドセット300に接続され、それ以外の通常使用時ではヘッドセット300に非接続である。
登録装置400は、制御部402、記憶部404、取得部406および通信部408を有する。制御部402は、中央演算処理装置を含み、各部を制御する。記憶部404は、後述する複数のLUTセットLtおよび第1テーブルLTaを記憶する。なお、記憶部404に記憶された複数のLUTセットのなかから、登録対象の表示パネル100に用いるLUTセットが選択されるので、当該複数のLUTセットが、選択されるデータセットの候補となる。
なお、製造過程において表示パネル100L、100Rをヘッドセット300に組み込む際に、図示省略された測定装置が、登録対象となる表示パネル100で表示された画面の輝度および色度を測定する。登録対象となる表示パネル100とは、ヘッドマウントディスプレイ・システム1に実際に組み込まれる表示パネル100L、100Rをいう。
取得部406は、当該測定装置で測定された輝度および色度の情報を取得する。
通信部408は、制御部402がヘッドセット300のメインコントローラー350と通信するためのインターフェイスである。なお、制御部402が通信部408を介してメインコントローラー350と通信する例としては、登録対象となる表示パネル100に測定用の画面を表示させる命令の送信や、取得した輝度および色度の情報に基づいて選択したLUTセットの送信などが挙げられる。
図9は、記憶部404に記憶された複数のLUTセットLtの一例を示す図である。
第1実施形態において、1つのLUTセットには、8ビットの入力階調レベルに、出力である10ビットの階調データがRGB毎に対応付けられている。なお、入力の8ビットで指定される階調レベルの範囲は、十進値でいえば「0」から「255」までの範囲であり、出力の10ビットで指定される階調データの範囲は、十進値でいえば「0」から「1023」までの範囲である。
1つのLUTセットには、複数のLUTセットを一意に識別するためのLUT番号が付与されている。
1つのLUTセットにおいて、入力の階調レベルに対する出力の階調データは、次のようにして調整された値である。具体的には、ある表示パネル100において、ある1つの入力階調レベルに対する出力階調レベルは、当該入力階調レベルに対応した輝度となるように調整された値である。このような調整が、入力階調レベルの「0」から「255」までについて、さらにRGBの各々について実行され、1つのLUTセットが作成されている。このため、第1実施形態では、1つのLUTセットには、RGBの3色が含まれる。
第1実施形態では、同じ表示パネル100を測定対象として、輝度特性の目的に応じて変更されて、さらに別のLUTセットが2つ作成されている。輝度特性の目的とは、表示パネル100の表示を、緑に寄せる、赤に寄せる、黄に寄せるなどである。
これらのLUTセットにもLUT番号が付与されている。
実際には、記憶部404には、異なる複数の表示パネル100を測定対象として同じように作成されたLUTセットが複数記憶される。
なお、例えば測定対象とした表示パネル100が30種類であり、1種類の表示パネル100における目的を3つとしてLUTセットが作成された場合、LUTセットは計90種類となる。
測定対象にされる複数の表示パネル100は、登録対象となる表示パネル100を代表するものである。詳細には、ヘッドマウントディスプレイ・システム1に実際に組み込まれる予定の表示パネル100を想定したものである。
同じ表示パネル100を測定対象として作成された3つのLUTセットには、共通のパネルIDが付与されている。
なお、共通のパネルIDが付与された3種類のLUTセットでは、入力の階調レベル「0」に対する出力のRGBの階調データと、入力の階調レベル「255」に対する出力のRGBの階調データとは揃えられている。例えば図の例では、パネルIDが「A00」である3つのLUTセットにおいて、階調レベル「255」における出力の階調レベルのRはいずれも「896」であり、Gはいずれも「919」であり、Bはいずれも「918」である。
記憶部404に記憶される複数のLUTセットには、中間階調レベルのうち、特定階調レベルに対応して輝度および色度の情報が関連付けられる。
なお、中間階調レベルとは、入力階調レベルが最低値の「0」および最高値「255」以外の階調レベルをいい、特定階調レベルとは、中間階調レベルのうち、ある1つの階調レベルをいう。第1実施形態では、階調レベルの「40」を、特定階調レベルの一例としている。
図10は、第1テーブルLTaの一例である。第1テーブルLTaとは、LUTセットと輝度および色度の情報とを関連付ける。
図において、LUT番号の「000」に対応する輝度L_000および色度x_000、y_000は、次のような値である。詳細には、LUT番号の「000」のLUTセットのうち、階調レベルが「40」に対応する階調データ(482、505、479)を、当該LUTセットの作成時に使用した表示パネル100に供給して、実際に当該表示パネル100で表示された画面を測定して得られた輝度および色度である。なお、図9に示されるように、LUT番号が「000」であるパネルIDは「A00」であるので、表示パネル100は、パネルIDは「A00」に対応するものである。すなわち、パネルIDが「A00」である表示パネル100を用いて、LUTセットを作成したときに、階調レベルが「40」に対応する輝度および色度を測定して、その測定結果が作成したLUTセットに関連付けられる。
なお、色度としては、例えばCIE色度図における色度座標のx座標およびy座標が用いられるが、これに限られず、u、v座標を用いてもよい。
ところで、LUTセットの特性が表示パネル100毎に異なってしまう要因としては、表示パネル100における「トランジスター」、「有機EL層」および「光共振器・カラーフィルター」などが要因として考えられる。なお、LUTセットの特性とは、入力階調レベルに対して出力される階調データの特性をいう。
上記要因のうち、「トランジスター」、具体的にはトランジスター121の駆動能力における個体差が与える影響は、実際に検証してみると、階調レベルとほぼ無関係に小さい。なお、画素回路110は、簡略化のために図6に示される構成で説明したが、トランジスター121のしきい値補償やOLED120のリセットが実行される構成も採用され得るので、LUTセットの特性が表示パネル100毎に異なってしまう要因としては考えにくい。
次に、「有機EL層」、具体的にはOLED120の白色有機EL層における個体差がLUTセットの特性に与える影響は、階調レベルが高ければ小さいが、階調レベルが低ければ大きくなる。これは、換言すれば、OLED120に流れる電流が大きい領域では、LUTセットの特性に与える影響が小さいが、電流が小さい領域では、LUTセットの特性に与える影響が大きいことを示している。
「光共振器・カラーフィルター」、すなわちOLED120に対応して設けられる光共振器の差およびカラーフィルターおける白色有機EL層における個体差がLUTセットの特性に与える影響は、実際に検証してみると、階調レベルとほぼ無関係に近い。
LUTセットの特性に与える影響は、いずれしても階調レベルが高ければ小さいが、階調レベルが低ければ、有機EL層に起因して大きい、といえる。すなわち、LUTセットの特性は、中間階調レベル付近で異なりやすい。したがって、登録対象の表示パネル100に適合するLUTセットを、複数のLUTセットのなかから選択する際には、中間階調レベル付近の特性を考慮することが好ましいと考えられる。
次に、登録処理について説明する。この登録処理は、概略すると、記憶部404に記憶された複数のLUTセットのうち、登録対象の表示パネル100に適合するLUTセットを1つ選択し、当該選択したLUTセットを記憶部380Lまたは380Rに転送して、登録する処理である。
図11は、当該登録処理の動作を示すフローチャートである。この登録処理は、表示パネル100がヘッドセット300に組み込まれた状態で実行される。具体的には、図1に示されるように登録装置400がメインコントローラー350に接続された状態で、制御部402が登録処理を実行する。なお、登録装置400には、測定装置が接続され、当該測定装置が、登録対象の表示パネル100の表示画面を測定し、当該測定結果を登録装置400が取得する構成となっている。
なお、図のフローチャートでは、説明を簡略化するために、表示パネル100Lまたは100Rの一方についての登録処理が示されているが、実際には、表示パネル100Lおよび100Rの双方について登録処理が実行される。
まず、登録装置400における制御部402は、登録対象の表示パネル100に測定用画面を表示させる命令を、通信部408を介してメインコントローラー350に送信する。
当該命令を受信したメインコントローラー350は、登録対象の表示パネル100に、階調レベルが「40」の入力階調データDn_R、Dn_GまたはDn_Bを出力する。なお、この時点において表示パネル100の変換回路160R、160Gおよび160Bには、LUTセットが記憶されていない。このため、変換回路160R、160Gおよび160Bは、登録処理において、階調レベルが「40」の入力階調データDn_R、Dn_G、Dn_Bが供給されたときに、出力階調データDt_R、Dt_GおよびDt_Bとして所定値、例えば階調レベルが「40」に対して平均的な「490」を、登録対象の表示パネル100に供給する。
また、当該命令を受信したメインコントローラー350は、登録対象の表示パネル100におけるすべての画素回路110が出力階調データDt_R、Dt_GまたはDt_Bに応じて駆動されるように制御信号Ctrを出力する。
これにより、登録対象の表示パネル100は、測定用の画面を表示する。
測定装置は、当該測定用画面における輝度および色度を測定して、その情報を登録装置400に供給する。これにより、登録装置400において取得部406は、登録対象の表示パネル100で表示された測定用画面における輝度および色度の情報を取得する(ステップSa12)。
登録装置400において制御部402は、記憶部404に記憶された複数のLUTセットのうち、取得した測定用画面における輝度および色度の情報に最も近いLUTセットを選択する(ステップSa13)。詳細には、制御部402は、記憶された複数のLUTセットに関連付けられ輝度および色度で規定される三次元座標のうち、取得した測定用画面における輝度および色度で規定される三次元座標に最も近いLUTセットを選択する。
例えば、記憶部404に記憶された複数のLUTセットにおいて関連付けられた色度(x、y)が図12において「●」のように分布している場合に、取得した測定用画面における色度の座標が図の「○」で示されるPaであれば、「●」のうち、最も近い「002」で示されるLUTセットが選択される。なお、図12は、説明便宜のために、色度x、yの二次元座標だけを示している。実際には、輝度Lを加えて三次元座標でみたときに、最も近いLUTセットが選択される。
制御部402は、選択したLUTセットを、通信部408を介してメインコントローラー350に供給する(ステップSa14)。
メインコントローラー350は、登録対象の表示パネル100が左眼用であれば、供給されたLUTセットを記憶部380Lに登録させ、登録対象の表示パネル100が右眼用であれば、供給されたLUTセットを記憶部380Lに登録させる。
なお、登録装置400は、表示パネル100L、100Rに対応するLUTセットを2組、メインコントローラー350に供給すると、この登録処理を終了する。
メインコントローラー350において、記憶部380L、380Rの双方にLUTセットが登録されると、以降、登録装置400は不要であるので、上述したように、登録装置400は、メインコントローラー350から切り離されて、非接続となる。
ヘッドマウントディスプレイ・システム1では、電源が投入されると、メインコントローラー350が起動処理を実行する。具体的には、メインコントローラー350は、記憶部380LからLUTセットを読み出して表示パネル100Lに転送し、記憶部380RからLUTセットを読み出して、表示パネル100Rに転送する。
表示パネル100Lの変換回路160R、160G、160Bは、LUTセットLt_Lftのうち、各色の成分を記憶して各色のLUTを構築する。表示時においてメインコントローラー350から入力階調データDnが供給されたときに、当該入力階調データDnを出力階調データDtに変換して、表示パネル100Lに供給する点は上述した通りである。表示パネル100Rについても同様である。
第1実施形態によれば、記憶された複数のLUTセットのうち、登録対象の表示パネル100における特定階調レベルに対応する輝度および色度に最も近いLUTセットが選択されて、当該表示パネル100において、入力階調データDnを出力階調データDtに変換する際に用いるLUTとして用いられる。
第1実施形態では、測定対象とした表示パネル100のLUTセットを複数作成して記憶する必要はあるものの、記憶した複数のLUTセットのうち、登録対象の表示パネル100で測定された輝度および色度に基づいて選択されたLUTセットが当該表示パネル100で用いられる構成となっている。したがって、第1実施形態では、登録対象となる表示パネル100において、入力階調データで指定される階調レベルのすべてについて輝度を測定する必要がないし、当該測定結果に基づいて出力階調データを設定する必要もない。
なお、第1実施形態では、登録処理において階調レベルが「40」の入力階調データDn_R、Dn_G、Dn_Bが供給されたときに、出力階調データDt_R、Dt_GおよびDt_Bとして所定値を供給する構成としたが、次のような出力階調データDt_R、Dt_GおよびDt_Bを供給して、登録対象の表示パネル100に適合させるLUTセットを選択する構成としてもよい。
すなわち、制御部402が、記憶部404に記憶された複数のLUTセットのうち、任意の1つを選択し、当該選択したLUTセットのうち、階調レベルが「40」の出力階調データを、通信部408を介してメインコントローラー350に供給する。このときに登録対象となる表示パネル100の表示画面を測定して得られた輝度および色度の三次元座標と、選択したLUTセットに関連付けられる輝度および色度の三次元座標との距離を算出する。
この距離の算出を、記憶部404に記憶された複数のLUTセットのすべてについて実行し、このうち、最も距離が小さいLUTセットを、登録対象の表示パネル100に適合させるLUTセットとして選択する構成としてもよい。
次に、第1実施形態の応用例について説明する。図13は、応用例に係る登録処理の動作を示すフローチャートであり、図14は、応用例に係る第2テーブルの一例である。
この応用例では、特定階調レベルである「40」に対応する輝度および色度の情報とは別に、図14に示される第2テーブルLTbによって、最高の階調レベルである「255」に対応する輝度および色度の情報がパネルIDに関連付けられている。なお、階調レベルの「255」に関連付けられる輝度および色度の情報は、LUTセット毎ではなく、パネルID毎である。パネルIDを共通とする3種類のLUTセットについて、図9に示されるように入力の階調レベル「255」に対する出力のRGBの階調データが揃えられているので、当該階調データをモデルとした表示パネル100に供給した場合、必然的に輝度および色度が共通となるためである。
応用例の登録処理についても、登録対象の表示パネル100がヘッドセット300に組み込まれた状態で実行される。
まず、登録装置400における制御部402は、登録対象の表示パネル100に測定用画面のうち、最高階調レベルに相当する画面の表示命令を、通信部408を介してメインコントローラー350に送信する。当該命令を受信したメインコントローラー350は、登録対象の表示パネル100に、階調レベルが「255」の入力階調データDn_R、Dn_GまたはDn_Bを出力する。上述したように、この時点において表示パネル100の変換回路160R、160Gおよび160Bには、LUTセットが記憶されていないので、変換回路160R、160Gおよび160Bは、登録処理において、階調レベルが「255」の入力階調データDn_R、Dn_G、Dn_Bが供給されたときに、出力階調データDt_R、Dt_GおよびDt_Bとして所定値、例えば平均的な「1000」をそれぞれ登録対象の表示パネル100に供給する。
また、当該表示命令を受信したメインコントローラー350は、登録対象の表示パネル100におけるすべての画素回路110が出力階調データDt_R、Dt_GまたはDt_Bに応じて駆動されるように制御信号Ctrを出力する。
これにより、登録対象の表示パネル100は、測定用画面として最高階調レベルに相当する画面を表示する。
測定装置は、当該測定用画面における輝度および色度を測定して、その情報を登録装置400に供給する。これにより、取得部406は、登録対象の表示パネル100で表示された測定用画面における輝度および色度の情報を取得する(ステップSb10)。
制御部402は、第2テーブルLTbのうち、取得した測定用画面における輝度および色度の情報に最も近いパネルIDを、特定する(ステップSb11)。詳細には、制御部402は、登録された複数のパネルIDに関連付けられ輝度および色度で規定される三次元座標のうち、取得した測定用画面における輝度および色度で規定される三次元座標に最も近いパネルIDを特定する。
次に、制御部402は、登録対象の表示パネル100に測定用画面のうち、中間階調レベルに相当する画面の表示命令を、通信部408を介してメインコントローラー350に送信する。
この表示命令により、第1実施形態と同様にして、取得部406は、登録対象の表示パネル100で表示された測定用画面における輝度および色度の情報を取得する(ステップSb12)。
制御部402は、ステップSb11において特定されたパネルIDの3種類のLUTセットのうち、取得した測定用画面における輝度および色度の情報に最も近いLUTセットを選択する(ステップSb13)。すなわち、選択される候補が、第1実施形態においては、記憶部404に記憶されたすべてのLUTセットであるのに対し、応用例においては、特定されたパネルIDの3種類のLUTセットである。
制御部402は、選択したLUTセットを、第1実施形態と同様にして通信部408を介してメインコントローラー350に供給する(ステップSb14)。
メインコントローラー350は、登録対象の表示パネル100が左眼用であれば、供給されたLUTセットを記憶部380Lに登録させ、登録対象の表示パネル100が右眼用であれば、供給されたLUTセットを記憶部380Lに登録させる点は、第1実施形態と同様である。
応用例によれば、中間階調レベルに相当する表示画面の輝度および色度の情報のみならず、最高階調レベルに相当する表示画面の輝度および色度の情報を考慮して、登録対象の表示パネル100に適合させるLUTセットが選択される。したがって、応用例では、第1実施形態と比較して、登録対象の表示パネル100の特性に対し、より適切なLUTセットを選択することができる。
なお、応用例では、ステップSb10において、測定装置が、当該測定用画面における輝度および色度を測定して、その情報を登録装置400に供給し、取得部406が、測定用画面における輝度および色度の情報を取得する構成としたが、輝度L、色度xまたは色度yのいずれか1つを取得し、当該取得した情報に対して、第2テーブルLTbに登録された情報のうち、最も近い情報のパネルIDを特定する構成としてもよい。
また、応用例では、次のように最高階調レベルに相当する輝度および/または色度の情報を取得するようにしてもよい。詳細には、制御部402が、記憶部404に記憶されたパネルIDのうち、任意の1つを選択し、当該選択したパネルIDのうち、階調レベルが「255」の出力階調データを、通信部408を介してメインコントローラー350に供給する。このときに登録対象となる表示パネル100の表示画面を測定して得られた輝度および/または色度を取得してもよい。
次に、第2実施形態について説明する。
第1実施形態において、1つのLUTセットはRGBの3色を含んだが、RGB毎の特性には、若干差があるものの、特性の傾向は似通っている。そこで、第2実施形態では、RGBの3色まとめたLUTセットを選択するのではなく、RGB毎にLUTセットを選択する構成とする。
なお、R、GまたはBのLUTセットは、中間階調のうち、特定階調レベルの色度が観念することができないので、当該特定階調レベルの輝度のみが関連付けられる。
また、登録対象の表示パネル100に適合するLUTセットを単純にRGB毎に選択し、選択したLUTセットを用いて出力階調データに変換する構成でもよいが、第2実施形態では、係数データと出力階調の最大値データとを乗算することによって、出力階調データを生成する構成となっている。
そこでまず、係数データについて説明する。
図15は、複数組用意されるLUTセットのうち、任意の3種類のLUTセットを取り出して、当該LUTセットで示されるLUTの変換特性を示す図である。なお、変換特性は、入力階調データの階調レベルに対する出力階調データの特性を示し、出力階調データは輝度を指定することになるので、輝度カーブとも呼ばれる。
なお、図15において横軸は入力階調データの階調レベルを8ビットの十進値を示し、縦軸は出力階調データを10ビットの十進値を示している。
また、図15において、入力階調データの最高階調レベルに対応する出力階調データは、LUTセット毎に異なっている。具体的には、3つの輝度カーブにおいて、入力階調データの最大階調「255」に対する出力階調データの最大値がKmax1、Kmax2、Kmax3となっている。
図16は、図15に示した3つの輝度カーブにおいて、入力階調データの各階調に対する出力階調データを、当該出力階調データにおける最大階調の値で除算する、すなわち最大値で正規化したものである。図15の輝度カーブを、図16に示されるように正規化すると、正規化後における輝度カーブの形状差は、図15に示される正規化前における輝度カーブの形状差と比較して小さくなることが判る。
なお、以降において図15に示される輝度カーブについては正規化前であるので正規化前輝度カーブと表記し、図16に示される輝度カーブについては正規化後であるので正規化後輝度カーブと表記する。
また、図16の縦軸は、出力階調データの値を、最大値で正規化しているので、便宜的に係数データと呼ぶ。なお、縦軸の最大値は「1.0」である。
第2実施形態では、ある1つの正規化後輝度カーブについて、入力階調データの最大値の「255」から最小値の「0」までの係数データの集合がLUTセットとなる。
図17は、第2実施形態におけるLUTセットの一例を示す図である。
表示パネル100には個体差が存在するが、上述したように正規化後輝度カーブにおける形状差(特性差)は正規化前輝度カーブにおける形状差と比較して小さくなる。ただし、中間階調レベル付近において係数データに若干差があるので、本実施形態では、複数の正規化後輝度カーブのうち、適用の対象とする表示パネル100の中間階調レベルの特性に最も近い正規化後輝度カーブを選択する構成としている。この選択のために、正規化後輝度カーブには、図17に示されるように、特定階調レベルの輝度が対応付けられている。
図18は、第2実施形態における登録処理の動作を示すフローチャートである。
基本的には、第1実施形態の図11と同じであるが、登録対象の表示パネル100において特定階調レベルの測定用画面がRGB毎に表示されて、取得部406がRの輝度情報、Gの輝度情報およびBの輝度情報を取得し、制御部402が、RGB毎にLUTセットを選択する点において、第1実施形態と相違する。
なお、第2実施形態におけるLUTセットの選択について詳述すると、制御部402は、取得したRの輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたLUTセットをR用に選択し、取得したGの輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたLUTセットをG用に選択し、取得したBの輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたLUTセットをB用に選択する。
なお、制御部402は、選択したLUTセットを、通信部408を介してメインコントローラー350に供給して、供給されたLUTセットが記憶部380Lまたは380Lに登録される点については、第1実施形態と同様である。
第2実施形態においてLUTセットは係数データであるので、そのままでは入力階調データDnを出力階調データDtに変換することができない。
そこで次に、係数データを用いて入力階調データDnを出力階調データDtに変換するための構成について説明する。
図19は、第2実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ・システム1の構成を示すブロック図である。図19が、図1と相違する点は、記憶部380L、380Rの内部構成が相違する点、メインコントローラー350が起動処理により記憶部380Lから、係数データの集合体であるLUTセットのRGBを読み出して、表示パネル100LにLUTセットCm_Lftとして転送し、記憶部380Rから、係数データの集合体であるLUTセットのRGBを読み出して、表示パネル100RにLUTセットCm_Rgtとして転送する点、および、表示パネル100の内部構成が相違する点にある。
LUTセットCm_Lftは、RのLUTを示すデータCm_R_Lft、GのLUTを示すデータCm_G_LftおよびBのLUTを示すデータCm_B_Lftを含む。また、LUTセットCm_Rgtは、RのLUTを示すデータCm_R_Rgt、GのLUTを示すデータCm_G_RgtおよびBのLUTを示すデータCm_B_Rgtを含む。
なお、左眼用および右眼用を区別する必要がない場合、LUTを示すデータについて各色の符号をCm_R、Cm_GおよCm_Bとする。また、色ならびに左眼用および右眼用を区別する必要がない場合、LUTを示すデータの符号をCmとする。
第2実施形態において記憶部380L、380Rの構成は同一であるので、便宜的に、符号を380として説明する。
図20は、記憶部380の構成を示すブロック図である。
記憶部380は、RのデータCm_Rを記憶する記憶部380Rと、GのデータCm_Gを記憶する記憶部380Gと、BのデータCm_Bを記憶する記憶部380Bとを含む。
記憶部380Rは、メモリM1、M2を含み、このうちメモリM1は、登録装置400から転送された、Rについての係数データの集合体であるLUTセットを記憶し、メモリM2は、登録装置400から転送された、Rについての最大値データを記憶する。
同様に、記憶部380Gは、GについてのLUTセットを記憶するメモリM1と、Gについての最大値データを記憶するメモリM2とを含み、記憶部380Bは、BについてのLUTセットを記憶するメモリM1と、Bについての最大値データを記憶するメモリM2とを含む。
記憶部380Rでは、起動処理において、RについてのLUTセットがメモリM1から読み出され、LUTセットCo_Rとして表示パネル100に供給され、Rについての最大値データがメモリM2から読み出され、最大値データKmax_Rとして表示パネル100に供給される。
同様に、起動処理において、記憶部380Gからは、GについてのLUTセットCo_Gおよび最大値データKmax_Gが、記憶部380Bからは、BについてのLUTセットCo_Bおよび最大値データKmax_Bが、それぞれ表示パネル100に供給される。
なお、RのデータCm_Rは、LUTセットCo_Rおよび最大値データKmax_Rを含み、GのデータCm_Gは、LUTセットCo_Gおよび最大値データKmax_Gを含み、BのデータCm_Bは、LUTセットCo_Bおよび最大値データKmax_Bを含む。
図21は、第2実施形態における表示パネル100の構成を示すブロック図である。図21が、図5と相違する点は、LUTセットLtに代わりにデータCmが表示パネル100に供給される点である。なお、変換回路160R、160Gおよび160Bは、単なるLUTではなく、次のように構成されている。
図22は、表示パネル100における変換回路160R、160Gおよび160Bの構成を示す図である。変換回路160R、160Gおよび160Bについては、図に示されるように入力および出力されるデータのみが異なるので、Rについての変換回路160Rで代表させて説明する。
変換回路160Rは、係数記憶部161と、レジスタ162と、乗算部163とを有する。
係数記憶部161は、供給されたLUTセットCo_Rを記憶し、入力階調データDn_Rが供給されたときに、当該入力階調データDn_Rの階調レベルに対応する係数データKa_Rを読み出して出力する。なお、係数記憶部161としては、例えばRAMなどのデータを揮発性に記憶するメモリ、すなわち、読み出しが高速なメモリが好ましい。
レジスタ162は、供給された最大値データKmax-Rを記憶する。
乗算部163は、係数記憶部161から入力階調データDn_Rの階調に対応して読み出された係数データKa_Rと、レジスタ162に記憶された最大値データKmax_Rとを乗算して、当該乗算結果を出力階調データDt_Rとして出力する。
なお、変換回路160Gでは、入力階調データDn_Gの階調に対応する係数データKa_Gと、最大値データKmax-Gとが乗算されて、当該乗算結果が当該入力階調データDn_Gに対応する出力階調データDt_Gとして出力される。
変換回路160Bでは、入力階調データDn_Bの階調に対応する係数データKa_Bと、最大値データKmax-Bとが乗算されて、当該乗算結果が当該入力階調データDn_Bに対応する出力階調データDt_Bとして出力される。
第2実施形態では、入力階調データDnに対応する出力階調データDtを、当該出力階調の最大値で正規化した係数データを用いて算出する。この係数データは、個体差の影響が小さいので、本実施形態では、複数種類のLUTセットのいずれかを、適用する表示パネルの中間階調にRGB毎に合わせて選択する構成で足りる。
また、本実施形態では、適用の対象とする表示パネル100の中間階調の輝度を実測する程度で済むので、適用する表示パネルの輝度カーブを目標特性に合わせ込んで作成する場合と比較して、作業が簡略化され、当該作業に要する時間についても短縮化することができる。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、最高階調の輝度を対応付けて、特定階調レベルに加えて最高階調の輝度を考慮して、登録対象の表示パネル100に適合するLUTセットを選択してもよい。
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、端的にいえば、LUTセットを表示パネル100の側で記憶するとともに、入力階調データDnに対応する出力階調データDtを、選択されたLUTセットを用いて予め乗算し、テーブルとして記憶する、という構成である。このため、第3実施形態は、主に、変換回路160R、160Gおよび160Bが第2実施形態と異なる。
そこで、第3実施形態については、変換回路160R、160Gおよび160Bを中心に説明する。
図23は、第3実施形態に係る電気光学装置における変換回路160R、160G、160Bの構成を示す図である。
変換回路160Rは、メモリM1とレジスタ162と乗算部163と記憶部165を含む。メモリM1は、第2実施形態における記憶部380から変換回路160Rに移設したものであり、RのLUTセットCo_Rを記憶する。
なお、第3実施形態においてメモリM1は、例えば登録処理において、メインコントローラー350を介して登録装置400から転送されたLUTセットを不揮発性で記憶してもよいし、起動処理においてメインコントローラー350から転送されるLUTセットを揮発性で記憶してもよい。
変換回路160Rにおけるレジスタ162は、第2実施形態と同様に、出力階調の最大値データKmax-Rを記憶する。
乗算部163は、メモリM1において記憶されたLUTセットCo_Rにおいて、階調の最大値「255」から最小値「0」までの全階調に対応する係数データの各々と最大値データKmax_Rとをそれぞれ順番に乗算する。
なお、ここでいう全階調とは、入力階調データで指定される階調のすべてをいう。
記憶部165は、例えばRAMなどであり、入力階調の「255」から「0」までの階調に対応付けて乗算部163の乗算結果を記憶する一方で、入力階調データDn_Rの階調に対応する乗算結果を読み出して、出力階調データDt_Rとして出力する。
なお、第3実施形態における変換回路160Gおよび160Bについても入力されるデータおよび出力階調データが異なるだけで、構成的には、変換回路160Rと同様である。
その詳細については、第2実施形態における変換回路160Rの類推可能な範囲であるので、説明を省略する。
第3実施形態において、乗算部163による乗算は、一度、乗算結果が記憶部165に記憶されれば、実行する必要がない。第2実施形態では、入力階調データDn_R、Dn_G、Dn_Bを入力する毎に乗算する必要があるのに対して、第3実施形態では、最初に256階調分を乗算すれば良いので、消費電力の点で有利となる。
次に、第4実施形態に係る電気光学装置について説明する。
第2実施形態では、図17に示されるようにRGB毎に係数データを入力階調データにおける「255」から「0」でまでの256階調に一対一に対応させて記憶させていたが、第4実施形態は、予め限られた点数、例えば図25に示される黒点のように、間隔を置いた例えば10点の階調に対応した係数データを記憶し、黒点以外の他の階調については、計算により近似的に求める、というものである。なお、最大階調の係数データについては正規化により「1」となるので、記憶する必要がない。
また、他の階調の係数データを近似的に求めることについては、例えば記憶した係数データを、傾きや線形補間などにより求めることなどが考えられる。
図24は、第4実施形態に係る電気光学装置における変換回路160R、160Gおよび160Bの構成を示す図である。
第4実施形態では、変換回路160Rが、レジスタ162と乗算部163と記憶部165を含む点において、第3実施形態と共通であるが、第3実施形態におけるメモリM1が、第4実施形態では、計算部166に置き換わっている。
メインコントローラー350は、記憶部380に記憶されたLUTセットを近似計算するために必要なデータKapp_R、Kapp_GおよびKapp_Bを出力する。データKapp_Rは、Rについて、黒点に相当する座標や、当該座標からの傾き、黒点間の線形を示すデータ等である。同様に、データKapp_GおよびKapp_Bは、GおよびBについて、黒点に相当する座標や、当該座標からの傾き、黒点間の線形を示すデータ等である。
変換回路160Rにおける計算部166は、データKapp_Rに基づいて黒点以外の係数データを近似的に計算して、黒点を含めた全256階調分のLUTセットCo_Rを出力する。
なお、乗算部163は、LUTセットCo_Rにおける「255」から「0」までの係数データの各々と最大値データKmax_Rとをそれぞれ乗算する。
記憶部165は、例えばRAMなどであり、入力階調の「255」から「0」までの乗算結果を記憶する一方で、入力階調データDn_Rの階調に対応する乗算結果を読み出して、出力階調データDt_Rとして出力する。
なお、第4実施形態における変換回路160Gおよび160Bについても入力されるデータおよび出力階調データが異なるだけで、構成的には、変換回路160Rと同様である。その詳細については、変換回路160Rの類推可能な範囲であるので、説明を省略する。
第4実施形態では、係数データを近似的に計算するので、表示パネル100においてLUTセットを当初から256階調分記憶する必要がない。このため、第4実施形態では、第3実施形態と比較して表示パネル100に要する記憶容量を削減することが可能となる。
なお、第2実施形態等において、正規化の基準となる特定階調レベルを、当該出力階調データの最大値として説明したが、低階調と高階調のうち、電気的な変化に対してばらつきが小さくなる方の値であればよく、上述の例でいえば、例えば、階調レベル「250」における出力値でもよい。なお、階調レベル「250」における出力値で正規化した場合、階調レベル「255」の係数データは「1.0」よりも大きくなる。
また、電気光学素子としては、OLED120のような発光素子に限られず、液晶素子のような非発光素子にも適用可能である。液晶素子が例えばノーマリーホワイトモードであれば、正規化の基準として、電気的な変化に対してばらつきが小さくなる低階調の値を用いればよい。
実施形態等において、登録処理は、登録対象の表示パネル100がヘッドセット300に組み込まれた状態で実行されたが、登録対象の表示パネル100がヘッドセット300に組み込まれる前の状態で、測定装置が当該表示パネル100に表示画面を事前に測定し、当該測定装置が測定結果を示す情報だけを登録装置400に送信する構成としてもよい。
電気光学装置とは、入力階調データDnを出力階調データDtに変換し、当該出力階調データDtに基づいて表示を行う装置をいい、第1実施形態でいえば、記憶部380L(380R)および表示パネル100を含む概念である。
変換回路160R、160G、160Bについては、表示パネル100に内蔵ではなく、外付けで接続した構成でもよい。
上述した実施形態では、RGBの3つの画素回路で表示すべき1画素の色を表現したが、色域を拡大させるために、RGBに例えばY(黄)を加えてもよいし、輝度を稼ぐためにW(白)を加えてもよい。YまたはWについても同様に、入力階調データに対応する係数データと、出力階調の最大値データとを乗算することで出力階調データを生成してもよい。このように1画素については3色以上で構成してもよい。
あるいは、上述したように表示パネル100が単に明暗のみの単色画像を表示する場合には、係数データと、出力階調の最大値データとを乗算することで出力階調データを生成する構成を1系統有すればよい。
また、上述した各種実施形態では、ヘッドマウントディスプレイ・システム1に適用するために表示パネル100Lおよび100Rの2枚を用いたが、例えば上述したように電子式ビューファインダーに適用する場合には表示パネル100は1枚でよい。表示パネル100が1枚の場合であっても、当該表示パネル100の表示特性を目標特性に合わせて個体差を小さくする必要があるので、各実施形態で説明した構成は有効である。
第1実施形態および応用例において、記憶部180Lまたは180B、もしくは、変換回路160R、160Gまたは160Bは、第1記憶部の一例である。記憶部404は、第2記憶部の一例である。階調レベルの「40」が第1階調レベルの一例であり、階調レベルの「255」が第2階調レベルの一例である。取得部406が取得する情報のうち、登録処理において、階調レベルが「40」の表示画面における輝度および色度の情報が第1情報の一例であり、登録処理において、階調レベルが「255」の表示画面における輝度の情報が第2情報の一例である。
第2乃至第4実施形態において、R(赤)が第1色の一例であり、G(緑)が第2色の一例であり、B(青)が第3色の一例である。Rに対応する画素回路110が第1画素回路の一例であり、Gに対応する画素回路110が第2画素回路の一例であり、Bに対応する画素回路110が第3画素回路の一例である。記憶部180Lまたは180B、もしくは、変換回路160R、160G、160Bにおける係数記憶部161またはメモリM1は、第1記憶部の一例である。記憶部404は、第2記憶部の一例である。階調レベルの「40」が特定階調レベルの一例である。取得部406が取得する情報のうち、登録処理において、階調レベルが「40」の表示画面におけるRの輝度の情報が第1輝度情報の一例であり、Gの輝度の情報が第2輝度情報の一例であり、Bの輝度の情報が第3輝度情報の一例である。
以上に例示した形態から、例えば以下の態様が把握される。
ひとつの態様(態様1)に係る電気光学装置のデータ登録方法は、階調レベルを指定する入力階調データと出力階調データとを対応付けたデータセットを記憶する第1記憶部と、前記データセットを用いて変換された出力階調データに基づいて駆動される画素回路と、を含む電気光学装置の前記第1記憶部に、前記データセットを登録させる登録方法であって、前記第1記憶部に記憶させるデータセットの候補となる複数組が第2記憶部に記憶され、前記第2記憶部に記憶されたデータセットには、中間階調レベルのうち、特定の第1階調レベルでの輝度および色度が関連付けられ、前記データセットの登録対象である表示パネルに、前記第1階調レベルに相当する出力階調データを出力した場合に、当該表示パネルの輝度および色度を示す第1情報を取得し、前記複数組のデータセットのうち、前記第1情報で示される輝度および色度に最も近い輝度および色度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部に登録させる。
この態様によれば、第1記憶部に記憶された複数のLUTセットのうち、登録対象の表示パネルにおける特定の第1階調レベルに対応する輝度および色度に最も近いLUTセットが選択されて、当該選択されたLUTセットが、当該表示パネルにおいて、入力階調データを出力階調データに変換する際に用いるLUTとして用いられる。このため、登録対象となる表示パネルにおいて、入力階調データで指定される階調レベルのすべてにわたって輝度を測定する必要がないし、当該測定結果に基づいて出力階調データを設定する必要もなくなる。
態様1の具体的な態様(態様2)では、前記第2記憶部に記憶されたデータセットには、前記階調レベルのうち、前記第1階調レベルとは異なる第2階調レベルでの輝度または色度の情報が関連付けられ、前記登録対象である表示パネルに、前記第2階調レベルに相当する出力階調データを出力した場合に、当該表示パネルの輝度または色度を示す第2情報を取得し、前記複数組のデータセットのうち、前記第2情報で示される輝度または色度に近い輝度または色度が関連付けられたデータセットを2以上選択し、前記2以上のデータセットのうち、前記第1情報で示される輝度および色度に最も近い輝度および色度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部に登録させる。
この態様によれば、第1階調レベルの輝度および色度に加えて、第2階調レベルの輝度または色度が考慮されて、LUTセットが選択されるので、登録対象の表示パネル100の表示特性に対し、より適切なLUTセットを選択することができる。
別の態様(態様3)に係る電気光学装置のデータ登録方法は、階調レベルを指定する入力階調データと出力階調データとを対応付けたデータセットを第1色、第2色および第3色毎に記憶する第1記憶部と、前記データセットを用いて変換された第1色の出力階調データに基づいて駆動される第1画素回路と、前記データセットを用いて変換された第2色の出力階調データに基づいて駆動される第2画素回路と、前記データセットを用いて変換された第3色の出力階調データに基づいて駆動される第3画素回路と、を含む電気光学装置の前記第1記憶部に、前記データセットを登録させる登録方法であって、前記第1記憶部に記憶させるデータセットの候補となる複数組が第2記憶部に記憶され、前記第2記憶部に記憶されたデータセットには、中間階調レベルのうち、特定階調レベルでの輝度が関連付けられ、前記データセットの登録対象である表示パネルに、前記特定階調レベルに相当する出力階調データを出力した場合に、当該表示パネルにおける第1色の輝度を示す第1輝度情報、第2色の輝度を示す第2輝度情報および第3色の輝度を示す第3輝度情報を取得し、前記複数組のデータセットのうち、前記第1輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部の第1色として登録させ、前記第2輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部の第2色として登録させ、前記第3輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部の第3色として登録させる。
この態様によれば、態様1と同様に、登録対象となる表示パネルにおいて、入力階調データで指定される階調レベルのすべてにわたって輝度を測定する必要がないし、当該測定結果に基づいて出力階調データを設定する必要もなくなる。
態様3の具体的な態様(態様4)では、第1記憶部に記憶されたデータセットは、前記入力階調データに応じた出力階調データを、前記出力階調データのうちの特定値で正規化された係数データであり、前記階調レベルに対応して出力された係数データに前記特定値を乗算して、前記出力階調データとして出力される。
この態様によれば、正規化された係数データを用いるので、個体差の影響を少なく抑えるころができる。
1…ヘッドマウントディスプレイ・システム、100…表示パネル、160…変換回路、161…係数記憶部、163、168…乗算部、200…タイミングコントローラー、300…ヘッドセット、350…メインコントローラー、380L、380R…記憶部、400…登録装置、404…記憶部、406…取得部。

Claims (4)

  1. 階調レベルを指定する入力階調データと出力階調データとを対応付けたデータセットを記憶する第1記憶部と、
    前記データセットを用いて変換された出力階調データに基づいて駆動される画素回路と、
    を含む電気光学装置の前記第1記憶部に、前記データセットを登録させる登録方法であって、
    前記第1記憶部に記憶させるデータセットの候補となる複数組が第2記憶部に記憶され、前記第2記憶部に記憶されたデータセットには、中間階調レベルのうち、特定の第1階調レベルでの輝度および色度が関連付けられ、
    前記データセットの登録対象である表示パネルに、前記第1階調レベルに相当する出力階調データを出力した場合に、当該表示パネルの輝度および色度を示す第1情報を取得し、
    前記複数組のデータセットのうち、前記第1情報で示される輝度および色度に最も近い輝度および色度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部に登録させる
    電気光学装置のデータセット登録方法。
  2. 前記第2記憶部に記憶されたデータセットには、前記階調レベルのうち、前記第1階調レベルとは異なる第2階調レベルでの輝度または色度の情報が関連付けられ、
    前記登録対象である表示パネルに、前記第2階調レベルに相当する出力階調データを出力した場合に、当該表示パネルの輝度または色度を示す第2情報を取得し、
    前記複数組のデータセットのうち、前記第2情報で示される輝度または色度に近い輝度または色度が関連付けられたデータセットを2以上選択し、
    前記2以上のデータセットのうち、前記第1情報で示される輝度および色度に最も近い輝度および色度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部に登録させる
    請求項1に記載の電気光学装置のデータセット登録方法。
  3. 階調レベルを指定する入力階調データと出力階調データとを対応付けたデータセットを第1色、第2色および第3色毎に記憶する第1記憶部と、
    前記データセットを用いて変換された第1色の出力階調データに基づいて駆動される第1画素回路と、
    前記データセットを用いて変換された第2色の出力階調データに基づいて駆動される第2画素回路と、
    前記データセットを用いて変換された第3色の出力階調データに基づいて駆動される第3画素回路と、
    を含む電気光学装置の前記第1記憶部に、前記データセットを登録させる登録方法であって、
    前記第1記憶部に記憶させるデータセットの候補となる複数組が第2記憶部に記憶され、前記第2記憶部に記憶されたデータセットには、中間階調レベルのうち、特定階調レベルでの輝度が関連付けられ、
    前記データセットの登録対象である表示パネルに、前記特定階調レベルに相当する出力階調データを出力した場合に、当該表示パネルにおける第1色の輝度を示す第1輝度情報、第2色の輝度を示す第2輝度情報および第3色の輝度を示す第3輝度情報を取得し、
    前記複数組のデータセットのうち、
    前記第1輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部の第1色として登録させ、
    前記第2輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部の第2色として登録させ、
    前記第3輝度情報で示される輝度に最も近い輝度が関連付けられたデータセットを選択し、選択したデータセットを前記第1記憶部の第3色として登録させる
    で電気光学装置のデータセット登録方法。
  4. 第1記憶部に記憶されたデータセットは、
    前記入力階調データに応じた出力階調データを、前記出力階調データのうちの特定値で正規化された係数データであり、
    前記階調レベルに対応して出力された係数データに前記特定値を乗算して、前記出力階調データとして出力される。
    請求項3に記載の電気光学装置のデータセット登録方法。
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