JP2021059784A - 高い強度及び美的訴求力を有するアルミニウム合金 - Google Patents

高い強度及び美的訴求力を有するアルミニウム合金 Download PDF

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Abstract

【課題】電子デバイスのエンクロージャを含む用途に用いられる、高い強度及び美的訴求力を有するアルミニウム合金を提供する。【解決手段】質量%で、少なくとも3.4%のZn、1.3〜2.1%のMg、0.06%以下のCu、0.06%以下のZr、0.06〜0.08%のFe、少なくとも0.04%のSiを含み、残部がアルミニウム及び付随的な不純物で、応力腐食割れがG30/G44 ASTM規格に従って測定される破断まで12日を超えるアルミニウム合金。【選択図】なし

Description

(関連特許出願の相互参照)
本出願は、2016年7月13日出願の発明の名称が「Aluminum Alloys with High Strength and Cosmetic Appeal」である米国特許出願第62/361,675号、及び発明の名称が「Aluminum Alloys with High Strength and Cosmetic Appeal」である米国特許出願第15/406,153号の優先権を主張するものであり、これらの出願の双方ともに、それらの全体として参照により本明細書に組み込まれる。
(技術分野)
本明細書に記載される実施形態は、概して、電子デバイスのエンクロージャを含む用途に用いられる、高い強度及び美的訴求力を有するアルミニウム合金に関する。
アルミニウム(Al)合金6063などの市販のアルミニウム合金が、電子デバイスのエンクロージャを製造するために使用されてきた。しかしながら、アルミニウム合金6063は、降伏強度が例えば約214MPaと比較的低く、電子デバイスのエンクロージャとして使用される場合に容易に凹んでしまうことがある。アルミニウム合金が容易に凹まないように高い降伏強度を有する合金を製造することが望ましいと考えられる。電子デバイスとしては、携帯電話、タブレット型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ、機器のウィンドウ、装置のスクリーンなどが挙げられる。
多くの市販の7000シリーズのアルミニウム合金が航空宇宙用途に開発されている。一般的に、7000シリーズのアルミニウム合金は高い降伏強度を有している。しかしながら、市販の7000番台のアルミニウム合金は、電子デバイスのエンクロージャを作製するために使用される場合には美的訴求力がない。
したがって、高い強度及び向上した美観を有するアルミニウム合金の開発が依然として求められている。
更なる実施形態及び特徴は、一部が以下に続く説明文に記載され、一部は明細書を検討することで当業者にとって明らかとなるか、又は本明細書に記載される実施形態の実施により知ることができるであろう。明細書の残りの部分及び本開示の一部をなす図面を参照することによってある特定の実施形態の性質及び利点の更なる理解を得ることが可能である。
一態様では、本開示は、3.4〜4.9重量%のZnと、1.3〜2.1重量%のMgと、0.06重量%以下のCuと、0.06重量%以下のZrと、0.08重量%以下のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCr、Ti、Ga、Snと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下のいずれか1つの追加の元素と、0.10重量%以下の追加の元素の合計とを含み、残部がアルミニウムである、アルミニウム合金に関する。
別の態様では、アルミニウム合金は、1.8〜3.5重量% のZnのMgに対する重量%比を有する。
別の態様では、アルミニウム合金は、4.7〜4.9重量%のZn、及び1.75〜1.85重量%のMgを有する。別の態様では、合金は、4.3〜4.5重量%のZn、及び1.45〜1.55重量%のMgを有する。別の態様では、合金は、3.9〜4.1重量%のZn、及び1.55〜1.65重量%のMgを有する。別の態様では、合金は、4.3〜4.5重量%のZn、及び1.35〜1.45重量%のMgを有する。別の態様では、合金は、3.5〜3.7重量%のZn、及び1.95〜2.05重量%のMgを有する。別の態様では、合金は、4.2〜4.4重量%のZn、及び1.85〜1.95重量%のMgを有する。
別の態様では、合金は、0.03〜0.06重量%のZrを有する。別の態様では、合金は、0.04〜0.05重量%のZrを有する。別の態様では、合金は、0.01重量%のZrを有する。
別の態様では、合金は、0.025〜0.06重量%のCuを有する。別の態様では、合金は、0.04〜0.05重量%のCuを有する。
別の態様では、合金は、0.06重量%〜0.08重量%のFeを含む。別の態様では、合金は、0及び0.01重量% のFeを有する。
別の態様では、合金は、0〜0.01重量%のCr、及び0.01重量%のMnを有する。
別の態様では、合金の応力腐食割れは、G30/G44 ASTM規格に従って測定される破断まで12日を超える。別の態様では、合金の応力腐食割れは、G30/G44 ASTM規格に従って測定される破断まで18日を超える。
別の態様では、L−T方向における合金のシャルピー衝撃エネルギーは、11J/cm以上である。
様々な態様では、合金は、少なくとも約350MPaの降伏強度を有する。
本開示の更なる非限定的な態様について、図面及び説明文を参照しながら説明する。
ある特定の代表的な合金の応力腐食割れ(stress corrosion cracking、SCC)破断までの平均時間に対する降伏強度のプロットを描写している。
代表的な合金のCu及びZr有り無しの両方での、異なるZn:Mgの比に対する降伏強度の関数としての破断までの平均日数を描写している。
代表的な合金のCu及びZr有り無しの両方での、異なるZn:Mgの比に対する降伏強度の関数としてのシャルピー衝撃エネルギーを描写している。
基準合金1及び2、並びに合金6063及び5050と比較した、合金9及び10の腐食電流密度を描写している。
基準合金1及び2並びに合金6063及び5050と比較した、合金9及び10の臨界孔食電位と開放回路電位との差(Epit−Eocp)によって描写される、閾値受動性を示している。
本開示は、以下の詳細な説明を、下記に述べる図面と併せて参照することで理解することができる。説明を分かりやすくするため、異なる図面中のある特定の要素は一定の縮尺で描かれていない場合があり、概略的に又は概念的に表されているか、あるいは、実施形態のある特定の物理的な構成と正確に一致していない場合がある。
本開示は、既知の合金を超える改善された能力を有する7xxxシリーズのアルミニウム合金を提供する。様々な態様では、本明細書に開示される合金は、1つ以上の特性及び/又は処理変数を同時に満たすことができる。これらの特性として、降伏強度、より高いScheil温度及び/又はより低いソルバス温度(押し出し圧力の加工公差内)、改善された延性、及び硫酸のみを使用して陽極酸化処理するための能力の関数としてのSCC耐性の低減を挙げることができる。改善された特性は、降伏強度の実質的な低減をもたらさない。
様々な態様では、本明細書に記載のAl合金は、色、硬度、及び/又は強度などの特性を維持しながら、従来の7xxxシリーズのAl合金よりも速い処理パラメータを提供することができる。いくつかの態様では、高い押し出し生産性及び低クエンチ感度を有することにより、Zr粒子の微細化を低減し、その後の熱処理の必要性を低減又は排除することを可能にすることができる。
更なる様々な態様では、合金は、本明細書に記載された押し出し速度及び/又は中間色も有しながら、300MPa以上の引張降伏強度を有する。
Al合金は、元素の様々な重量%及び特定の性質によって述べることができる。本明細書に述べられる合金のすべての説明において、合金の重量%での残部が、Al及び付随的な不純物であることは理解されよう。様々な実施形態では、付随的な不純物は、0.05重量%以下のいずれか1つの追加の元素(すなわち単一不純物)、及び0.10重量%以下の全ての追加の元素の合計(すなわち、全不純物)とすることができる。
いくつかの態様では、合金組成物は、少量の付随的な不純物を含むことができる。不純物元素は、処理及び製造の副生成物として存在し得る 。
亜鉛およびマグネシウムの析出物
合金は固溶体によって強化することができる。Zn及びMgは合金に可溶性であり得る。固溶体強化は、純金属の強度を改善することができる。この合金化技術において、1つの元素の原子、例えば、合金化元素を、別の元素、例えば、卑金属の結晶格子に添加し得る。合金化元素は、固溶体を形成するマトリックスに含有され得る。
Zn及びMgはMgZn(例えば、MgZn)として析出し、合金中に第2のMgZn相を形成する。この第2のMgZn相は、析出強化によって合金の強度を高めることができる。様々な態様において、MgZn析出物は、本明細書に述べられるような急速冷却及びそれに続く熱処理を含むプロセスから生成することができる。
様々な態様では、Zn/Mg重量%比は1.7〜3.2である。いくつかの変更例では、Zn/Mg重量%比は1.7〜3.0である。いくつかの変更例では、Zn/Mg重量%比は2.5〜3.2である。
MgZn(例えば、MgZn)粒子又は析出物は、Al中に形成及び分布することができる。いくつかの態様では、合金は1.7〜3.2のZn:Mg重量%比を有することができる。いくつかの態様では、Zn/Mg重量%比は2.0〜3.5である。いくつかの態様では、Zn/Mg重量%比は2.5〜3.5である。いくつかの態様では、Zn/Mg重量%比は2.0〜3.2である。いくつかの態様では、Zn/Mg重量%比は2.5〜3.0である。いくつかの実施形態では、合金は2.5<Zn:Mg<3.2のZnのMgに対する重量比(Zn/Mg)を有することができる。様々な態様では、合金は改善された応力腐食割れ耐性を有する。
特定の作用機序に限定されるものではないが、合金中のZn:Mgの比を変化又は変更させて合金を強化し、及び/又はSCC耐性を低減することができる。合金中のZn及びMgの量は、利用可能な全てのMg及びZnが合金中でMgZnを生成するために使用されるように化学量論的な量で選択することができる。いくつかの実施形態では、ZnとMgとは、MgZnの外側にいくらかの過剰なMg又はZnが存在するか、あるいは過剰なMg又はZnが存在しないようなモル比である。特定の作用機序又は作用モードに固定されるものではないが、アルミニウム合金マトリックス中の遊離Znを低減することにより、合金中のしみなどの望ましくない美観特性を低減することができる。更に、遊離Znを低減することにより、陽極酸化層の層間剥離を低減することができる。あるいは、様々な実施形態では、いくらかの過剰なZn又はMgが存在してよい。
いくつかの変更例では、合金は3.4〜4.9重量%のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、3.4重量%以上のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、3.4重量%以上のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、3.6重量%以上のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、3.8重量%以上のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、4.0重量%以上のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、4.2重量%以上のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、4.4重量%以上のZnを有する。
いくつかの変更例では、合金は、4.6重量%以上のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、4.9重量%以下のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、4.7重量%以下のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、4.5重量%以下のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、4.3重量%以下のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、4.1重量%以下のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、3.9重量%以下のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、3.7重量%以下のZnを有する。いくつかの変更例では、合金は、3.5重量%以下のZnを有する。
いくつかの変更例では、合金は、1.3重量%以上のMgを有する。いくつかの変更例では、合金は、1.5重量%以上のMgを有する。いくつかの変更例では、合金は、1.7重量%以上のMgを有する。いくつかの変更例では、合金は、2.1重量%以下のMgを有する。いくつかの変更例では、合金は、1.9重量%以下のMgを有する。いくつかの変更例では、合金は、1.7重量%以下のMgを有する。いくつかの変更例では、合金は、1.5重量%以下のMgを有する。いくつかの変更例では、合金は、1.3〜2.1重量%のMgを有する。
ある特定の変更例では、合金は、4.7〜4.9重量%のZnと、1.75〜1.85重量%のMgとを有する。
ある特定の変更例では、合金は4.3〜4.5重量%のZnと、1.45〜1.65重量%のMgとを有する。
ある特定の変更例では、合金は3.9〜4.1重量%のZnと、1.55〜1.65重量%のMgとを有する。
ある特定の変更例では、合金は4.3〜4.5重量%のZnと、1.35〜1.45重量%のMgとを有する。
ある特定の変更例では、合金は3.5〜3.7重量%のZnと、1.95〜2.05重量%のMgとを有する。
ある特定の変更例では、合金は3.5〜3.7重量%のZnと、1.95〜2.05重量%のMgとを有する。
ある特定の変更例では、合金は4.2〜4.4重量%のZnと、1.85〜1.95重量%のMgとを有する。
ある特定の変更例では、合金は4.2〜4.4重量%のZnと、1.85〜1.95重量%のMgとを有する。
いくつかの変更例では、合金は、3.4〜4.9重量%のZnと、1.3〜2.1重量%のMgと、0.05重量%以下のCuと、0.06重量%以下のZrと、0.08重量%以下のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の単一の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。
1つの変更例では、合金は、4.7〜4.9重量%のZnと、1.75〜1.85重量%のMgと、0.025〜0.06重量%のCuと、0.03〜0.06重量%のZrと、0.06〜0.08重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の単一の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。いくつかの更なる変更例では、合金は、0.04〜0.05重量%のCu及び/又は0.04〜0.05重量%のZrを有する。例えば、本明細書に記載される合金1は、4.8重量%のZnと、1.8重量%のMgと、0.05重量%のCuと、0.05重量%のZrと、0.07重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。別の例では、本明細書に記載される合金9は、4.8重量%のZnと、1.8重量%のMgと、0.04重量%のCuと、0.04重量%のZrと、0.07重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。
別の変更例では、合金は、4.3〜4.5重量%のZnと、1.45〜1.75重量%のMgと、0.025〜0.06重量%のCuと、0.03〜0.06重量%のZrと、0.06〜0.08重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。いくつかの更なる変更例では、合金は、1.45〜1.55重量%のMgを有する。いくつかの更なる変更例では、合金は、1.55〜1.65重量%のMgを有する。いくつかの更なる変更例では、合金は、0.04〜0.05重量%のCu及び/又は0.04〜0.05重量%のZrを有する。いくつかの更なる変更例では、合金は、0.03〜0.05重量%のCu及び/又は0.03〜0.05重量%のZrを有する。いくつかの更なる変更例では、合金は、0.05〜0.06重量%のCu及び/又は0.05〜0.06重量%のZrを有する。例えば、本明細書に記載される合金2は、4.4重量%のZnと、1.6重量%のMgと、0.05重量%のCuと、0.05重量%のZrと、0.07重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。別の例では、本明細書に記載される合金10は、4.4重量%のZnと、1.5重量%のMgと、0.04重量%のCuと、0.04重量%のZrと、0.07重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。
1つの変更例では、合金は、3.9〜4.1重量%のZnと、1.55〜1.65重量%のMgと、0.06〜0.08重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。例えば、本明細書に記載される合金3は、4.0重量%のZnと、1.6重量%のMgと、0.07重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。
1つの変更例では、合金は、4.3〜4.5重量%のZnと、1.35〜1.45重量%のMgと、0.06〜0.08重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。例えば、本明細書に記載される合金4は、4.4重量%のZnと、1.4重量%のMgと、0.07重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。
いくつかの変更例では、合金は、3.5〜3.7重量%のZnと、1.95〜2.05重量%のMgと、任意選択で0.025〜0.06重量%のCuと、任意選択で0.03〜0.06重量%のZrと、0.06〜0.08重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の単一の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。いくつかの更なる変更例では、合金は、0.04〜0.05重量%のCu及び/又は0.04〜0.05重量%のZrを有する。
1つの変更例では、合金は、3.5〜3.7重量%のZnと、1.95〜2.05重量%のMgと、0.06〜0.08重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の単一の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。例えば、本明細書に記載される合金5は、3.6重量%のZnと、2.0重量%のMgと、0.07重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。
1つの変更例では、合金は、3.5〜3.7重量%のZnと、1.95〜2.05重量%のMgと、0.025〜0.06重量%のCuと、0.03〜0.06重量%のZrと、0.06〜0.08重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。いくつかの更なる変更例では、合金は、0.04〜0.05重量%のCu及び/又は0.04〜0.05重量%のZrを有する。例えば、本明細書に記載される合金6は、3.6重量%のZnと、2.0重量%のMgと、0.05重量%のCuと、0.05重量%のZrと、0.07重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。
いくつかの変更例では、合金は、4.2〜4.4重量%のZnと、1.85〜1.95重量%のMgと、任意選択で0.025〜0.06重量%のCuと、任意選択で0.03〜0.06重量%のZrと、0.06〜0.08重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の単一の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。
1つの変更例では、合金は、4.2〜4.4重量%のZnと、1.85〜1.95重量%のMgと、0.06〜0.08重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。例えば、本明細書に記載される合金7は、4.3重量%のZnと、1.9重量%のMgと、0.07重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。
1つの変更例では、合金は、4.2〜4.4重量%のZnと、1.85〜1.95重量%のMgと、0.025〜0.06重量%のCuと、0.03〜0.06重量%のZrと、0.06〜0.08重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。いくつかの更なる変更例では、合金は、0.04〜0.05重量%のCu及び/又は0.04〜0.05重量%のZrを有する。例えば、本明細書に記載される合金8は、4.3重量%のZnと、1.9重量%のMgと、0.05重量%のCuと、0.05重量%のZrと、0.07重量%のFeと、0.05重量%以下のSiと、0.02重量%以下のMnと、0.02重量%以下のCrと、0.02重量%以下のTiと、0.02重量%以下のGaと、0.02重量%以下のSnと、0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、0.02重量%以下の上記に列記されていない任意の追加の元素(すなわち、単一の不純物)と、0.10重量%以下の上記に記載されていない全ての追加の元素(すなわち、全不純物)の合計とを有し、残部はアルミニウムである。
応力腐食割れ耐性
本明細書に開示される合金は、他のアルミニウム合金と比較して増加した応力腐食割れ(SCC)までの時間を有することができる。従来のアルミニウム合金では、降伏強度とSCC破断までの時間は反比例する。より高い降伏強度を有する合金は、より短いSCC破断までの時間を有する傾向にあり、逆もまた同様である。本明細書に開示される合金は、降伏強度などの特性を実質的に低減することなく、SCC破断までの時間を増加させた。
アルミニウム合金のSCCに対する感受性を決定するための試料採取方法、試験片の種類、試験片の調製、試験環境、及び曝露方法を網羅するASTMG30/G44によって合金に対して応力腐食試験を実施することができる。
基準合金1及び2は、国際特許出願公開第2015/048788号として公開され、その全体として参照により本明細書に組み込まれるGableらのPCT/US2014/058427の代表的合金である。本明細書に開示される合金は、基準合金1及び2よりも高いSCC耐性を有する。様々な態様では、本明細書に記載の合金は、腐食電流密度の低減及び閾値受動性の増加によって明示されるように、基準合金1及び2よりも腐食に対してより耐性がある。いくつかの態様では、合金は、伸び率パーセント(%EI)及び減面率パーセント(%RA)によって測定される、基準合金1及び2よりも高い延性を有することができる。いくつかの態様では、合金は、シャルピー衝撃エネルギーによって測定される、基準合金1及び2よりも高い靱性を有することができる。様々な態様では、特性の中でもとりわけ、降伏強度、押し出し性(Scheil温度及びソルバス温度を含む)、硬度、押し出し圧力、シャルピー衝撃エネルギー、及び/又は極限引張強度などの特性は、本明細書に更に記載されるように、基準合金1及び2と比較して実質的に低減しない。
いくつかの変更例では、本明細書に記載の合金は、代表的な合金1及び2と比較して、少なくとも1.5倍のSCC破断までの時間を有する。
図1は、代表的な合金についての降伏強度及びSCC破断までの平均時間の比較を描写している。合金は、2つの異なる調質条件、すなわち、T6及びA76から試験した。異なる調質条件は、反比例するSCC破断までの平均時間及び降伏強度を結果としてもたらす。T6は、合金が最大強度を有するような、合金へのピーク時効熱処理を指す。具体的には、T6処理は、100℃で5時間加熱し、続いて150℃で15時間加熱することを含む二段階熱処理による押し出し及び時効処理後の水急冷を含む。A76は、合金に対する過時効処理を指す。A76処理は、SCC破断までの平均時間によって測定される、SCCに対する耐性を増加させることができる。A76処理は、100℃で5時間加熱し、続いて165℃で12時間加熱することを含む二段階熱処理による押し出し及び時効処理後の強制空気冷却を含む。
図2は、異なる調質条件での代表的な合金の降伏強度と比較した破断までの平均日数を描写している。Y軸は、対数スケールでの各合金の破断までの日数を示し、一方X軸は、降伏強度を示している。Zn:Mg>5を有する基準合金1は、より低いZn:Mg比を有する全ての基準合金と比較して、より低い強度、及びより短い破断までの日数を有する。2.5<Zn:Mg<3.2である合金1及び2は、実質的に増加した降伏強度を有し、増加した降伏強度を示す。破断までの日数は、Cu又はZr無しで実質的に増加したが、これらの合金では降伏強度が低減した。
各合金1〜4の電気伝導率を測定した。このように、合金1〜4で観測された様々な特性は、基準合金1と比較して、電気伝導率(%IACS)をいかなる大幅な低減も無く達成された。いくつかの態様において、電気伝導率を熱伝導率の代用とすることができる。
表1Aは、異なる条件下での基準合金1と比較した合金1〜4の降伏強度及び破断までの相対平均時間を示している。どの場合も、降伏強度は、基準合金1の範囲内に留まったが、一方破断までのSCC時間は、合金がピーク時効処理されようが(T6)、又は過時効処理されようが(A76)、2つの異なるASTM規格、ASTM G30及びASTM G44の下で、基準合金1の破断までのSCC時間よりも実質的に大きかった。合金は、2つの異なる場合において、G30/65℃/90%RH条件下で試験された。どの場合も、合金の降伏強度を基準合金1及び2の10%以内に保ちながら、測定される破断までのSCC時間は、複数日数まで増加する。
Figure 2021059784
場合によっては、破断までのSCC時間は、同じ調質条件下で、基準合金1に比べて1.3×(すなわち、1.3倍)長い。場合によっては、破断までのSCC時間は、同じ調質条件下で、基準合金1に比べて1.3×長い。場合によっては、破断までのSCC時間は、同じ調質条件下で、基準合金1に比べて1.3×長い。場合によっては、破断までのSCC時間は、同じ調質条件下で、基準合金1に比べて1.3×長い。場合によっては、破断までのSCC時間は、同じ調質条件下で、基準合金1に比べて1.4×長い。場合によっては、破断までのSCC時間は、同じ調質条件下で、基準合金1に比べて1.5×長い。場合によっては、破断までのSCC時間は、同じ調質条件下で、基準合金1に比べて2×長い。場合によっては、破断までのSCC時間は、同じ調質条件下で、基準合金1に比べて5×長い。場合によっては、破断までのSCC時間は、同じ調質条件下で、基準合金1に比べて15×長い。様々な態様では、降伏強度は基準合金1から10%を超えるまで低減しない。
基準合金1は、ピーク時効処理された。合金1〜4はピーク時効処理されたとき、合金1〜4は、G30/G44条件下で基準合金1に対して3×〜6.7×の範囲の破断までの時間の増加を示した。G30/65℃/90%RH条件下で試験したとき、合金1は基準合金1に対して少なくとも1.4×の破断までのSCC時間の日数増加を有したが、合金3及び合金4は、基準合金1に対して、実質的にそれぞれ16.8×及び20.4×の増加を示した。過時効処理された(A76)合金1及び2の降伏強度は、ピーク時効処理された基準合金1の降伏強度の5%以内に留まったが、破断までのSCC時間は、G30/G44条件下で3.7×超まで、G30/65℃/90%RH試験条件下でそれぞれ1.8×及び8.4×まで増加した。
表1Bは、ピーク時効処理及び過時効処理条件下での基準合金1と比較した合金1〜4の破断までの平均時間(日数)を示している。破断までのSCC時間は、基準合金1の破断までのSCC時間のものを実質的に超えた。
Figure 2021059784
場合によっては、G30/G44 ASTM規格下で試験したとき、破損までのSCC時間は少なくとも12日間であった。場合によっては、G30/G44 ASTM規格下で試験したとき、破損までのSCC時間は少なくとも18日間であった。場合によっては、G30/G44 ASTM規格下で試験したとき、破損までのSCC時間は少なくとも20日間であった。過時効処理条件を受ける場合、場合によっては、G30/G44 ASTM規格下で試験したとき、破断までのSCC時間は、少なくとも19日、あるいは少なくとも24日であった。
押し出し特性
他の態様では、合金は、温度を維持し、かつ開示される合金をプレス焼入れ可能にする押し出し温度範囲にわたって押し出し成形することができる。より高い強度の合金(例えば、7000シリーズの合金)は、より高い圧力下で押し出される。本明細書に記載されるように、押し出しの間、合金の温度は、Scheil温度よりも低く、かつソルバス温度より高く保たれる。合金がより低温であればあるほど、より高い押し出し圧力で合金を押し出すことになる。このように、合金をScheil温度より低く保ちながら合金の温度を上昇させることは、加工中に改善された押し出しを提供する。更に、Scheil温度及びソルバス温度を境界とする温度ウィンドウが広ければ広いほど、より柔軟な押出加工が可能になる。いくらかの断熱加熱が押し出し中に起こるが、結果として生じる温度上昇を説明し、制御することができる。
様々な態様では、合金は、押し出し性を維持しながら、基準合金1及び2と比較してSCC耐性が増加する。更に、本明細書に開示される合金は、プレス焼入れ可能であり、押し出し後の追加の加熱工程を必要としない。これらの合金は、粒子が別個の熱処理無しで溶液中に残存するような十分な温度にある。
Scheil温度
別の態様では、合金は、基準合金1のものと実質的に変化しないScheil温度を有する。Scheil温度は合金融解温度に対応する。合金押し出し中に、これらの合金は、Scheil温度より低い温度を維持しながら、できるだけ高い温度に加熱される。開示された合金は、他の7xxxシリーズのアルミニウム合金と比較して高いScheil温度を有し、それにより高温での均質化を可能にする。
Figure 2021059784
表2は、4つの代表的な合金の測定されたScheil温度を記述する。いくつかの変更例では、合金のScheil温度は540℃超である。いくつかの変更例では、合金のScheil温度は560℃超である。更なる変更例では、合金のScheil温度は580℃超である。
様々な態様では、合金は、基準合金1及び2のものよりも20℃を超えて低いScheil温度を有する。様々な態様では、合金は、基準合金1及び2のものよりも30℃を超えて低いScheil温度を有する。様々な態様では、合金は、基準合金1及び2のものよりも40℃を超えて低いScheil温度を有する。様々な態様では、合金は、基準合金1及び2のものよりも50℃を超えて低いScheil温度を有する。様々な態様では、合金は、基準合金1及び2のものよりも60℃を超えて低いScheil温度を有する。
ソルバス温度
ソルバス温度は、強化粒子MgZn(例えば、MgZn)が析出する温度である。強化粒子は溶液中に残存し、合金は押し出される。時効処理中に、粒子は溶液から析出する。低いソルバス温度を有する合金を使用することは、押し出し温度ウィンドウを増大させる。
Figure 2021059784
表3は、6つの代表的な合金の予測されたソルバス温度を記述する。いくつかの変更例では、合金のソルバス温度は360℃未満である。いくつかの変更例では、合金のソルバス温度は350℃未満である。いくつかの変更例では、合金のソルバス温度は345℃未満である。いくつかの変更例では、合金のソルバス温度は340℃未満である。
様々な態様では、合金は、基準合金1及び2のものよりも10℃を超えて高いソルバス温度を有する。様々な態様では、合金は、基準合金1及び2のものよりも15℃を超えて高いソルバス温度を有する。様々な態様では、合金は、基準合金1及び2のものよりも20℃を超えて高いソルバス温度を有する。様々な態様では、合金は、基準合金1及び2のものよりも25℃を超えて高いソルバス温度を有する。
Figure 2021059784
様々な実施形態では、合金の押し出し圧力は、250MPa未満である。いくつかの合金については、押出圧力が150MPaより低いことが認識されよう。このように、本明細書で開示される合金は、容易に達成される押し出し圧力で押し出し温度範囲を増大させる。
Figure 2021059784
Figure 2021059784
表5は、合金1〜4のいくつかの特性を記述している。ピーク時効処理(T6)及び過時効処理(A76)後に、合金1及び2の試験を行った。ピーク時効処理(T6)後、合金3を試験した。過時効処理(A76)後、合金4を試験した。
同様に、表6は、合金9および10のいくつかの特性を記述している。ピーク時効処理(T6)及び過時効処理(A76)後に、合金9及び10を試験した。これらは、ピーク時効処理(T6)の後の基準合金2と、ピーク時効処理(T6)及び過時効処理(A76)の両方の後に試験された基準合金1と比較することができる。
硬度
本明細書に記載される合金において、典型的な合金の硬度は、同様の時効処理(調質)を有する基準合金1及び基準合金2の硬度の10%以上である。いくつかの変更例では、本明細書に記載される合金の典型的な硬度は、同様の時効処理を有する基準合金1及び基準合金2の硬度の5%以上である。いくつかの変更例では、本明細書に記載される合金の典型的な硬度は、同様の時効処理を有する基準合金1及び基準合金2の硬度よりも大きい。特に、表5は、合金1及び2の典型的な硬度が、T6時効条件下で、基準合金1のものよりも大きいことを示している。合金3及び4の典型的な硬度は、基準合金1の硬度よりも10%未満低い。表6は、両合金9及び10の硬度が、T6時効条件下で、両基準合金1及び2の硬度以上であり、かつA76時効条件下で基準合金1の硬度以上であることを示している。
極限引張強度
本明細書に記載される合金において、縦方向及び横方向の極限引張強度は、同じ時効処理を有する基準合金1及び基準合金2の対応の縦方向及び横方向の極限引張強度の10%以上である。いくつかの変更例では、縦方向及び横方向の極限引張強度は、同じ時効処理を有する基準合金1及び基準合金2の対応の縦方向及び横方向の極限引張強度の5%以上である。いくつかの変更例では、縦方向及び横方向の極限引張強度は、同じ時効処理を有する基準合金1及び基準合金2の対応の縦方向及び横方向の極限引張強度よりも大きい。
表5は、合金1及び2の縦方向及び横方向の両方における極限引張強度が、T6時効条件下で、基準合金1のものよりも大きいことを示している。合金3及び4は、縦方向において、基準合金1の10%以下の極限引張強度を有する。表6は、両合金9及び10の極限引張強度が、同じ時効条件下で、両基準合金1及び2の極限引張強度よりも大きいことを示している。
ピーク時効された合金1の縦方向極限引張強度及び降伏強度は、基準合金1のものよりも高かった。ピーク時効された合金2の極限引張強度及び降伏強度は、基準合金1のもとほぼ等しかった。
降伏強度
合金の降伏強度は、引張試験についての試験装置、試験片、及び試験手順を網羅するASTM E8を介して判定されてもよい。
本明細書に記載される合金において、縦方向及び横方向の降伏強度は、同じ時効処理を有する基準合金1及び基準合金2の対応の縦方向及び横方向の降伏強度の10%以上である。いくつかの変更例では、縦方向及び横方向の降伏強度は、同じ時効処理を有する基準合金1及び基準合金2の対応の縦方向及び横方向の降伏強度の5%以上である。いくつかの変更例では、縦方向及び横方向の降伏強度は、同じ時効処理を有する基準合金1及び基準合金2の対応の縦方向及び横方向の降伏強度よりも大きい。
表5は、合金1及び2の縦方向及び横方向の両方における降伏強度が、T6時効条件下で、基準合金1のものよりも大きいことを示している。合金3及び4は、基準合金1の10%以下の降伏強度を有する。表6は、合金9の降伏強度が、同じ時効条件下で、両基準合金1及び2のものよりも大きいことを示している。合金10の降伏強度は、両基準合金1及び2の降伏強度よりも5%以上低い。
延性
本明細書に記載される合金の延性は、基準合金のものよりも大きい。表5に示すように、ピーク時効された合金1及び2の延性は、伸び率パーセント(%EI)及び減面率パーセント(%RA)の両方によって測定されるとき、ピーク時効された基準合金1のものよりも高かった。このように、本合金は、基準合金と比べて改善された延性を有する。場合によっては、本合金の伸び率パーセントは、少なくとも14%である。場合によっては、本合金の伸び率パーセントは、少なくとも15%である。場合によっては、本合金の伸び率パーセントは、少なくとも16%である。場合によっては、本合金の伸び率パーセントは、少なくとも17%である。場合によっては、本合金の伸び率パーセントは、少なくとも18%である。場合によっては、本合金の伸び率パーセントは、少なくとも19%である。場合によっては、本合金の減面率パーセントは、少なくとも40%である。
場合によっては、本合金の減面率パーセントは、少なくとも43%である。場合によっては、本合金の減面率パーセントは、少なくとも50%である。場合によっては、本合金の減面率パーセントは、少なくとも60%である。場合によっては、本合金の減面率パーセントは、少なくとも64%である。
靭性
更なる態様では、ピーク時効された合金の靭性は、いくつかの方向において基準合金1のものを超えて増加した。表5に記載されているように、合金1〜4は、基準合金1のものを超える改善されたシャルピー衝撃エネルギーを示した。L−T、T−L、L−S、及びT−S方向のそれぞれにおいて、合金1〜4のそれぞれは、基準合金1よりも平方単位面積当たりの衝撃エネルギーをより多く吸収した。この観測された効果は、合金1〜4のそれぞれについて、並びにピーク時効された(T6)合金及び過時効された(A76)合金について、各方向毎に保持された。
同様に、表6に記載されているように、合金9及び10は、L−T、T−L、L−S、及びT−S方向のそれぞれにおいて、基準合金1よりも平方単位面積当たりの衝撃エネルギーをより多く吸収した。この観測された効果は、合金9及び10のそれぞれについて、並びにピーク時効された(T6)合金及び過時効された(A76)合金について、各方向毎に保持された。いくつかの態様では、L−T方向のシャルピー基準エネルギーは、基準合金1及び基準合金2のものの10%以上である。
様々な態様では、L−T方向のシャルピー基準エネルギーは、A76調質条件下で10J/cm以上である。様々な態様では、L−T方向のシャルピー基準エネルギーは、T6調質条件下で12J/cm以上である。
図3は、基準合金に比べてシャルピー衝撃エネルギーとある特定の代表的合金の降伏強度との関係を示している。2.5<Zn:Mg<3.2である合金を、Zn:Mg>5.0である合金と、Cuを含む場合及びCuを含まない場合で比較した。シャルピー衝撃エネルギーは、Zn:Mgの比がより低い合金で高かったが、一方降伏強度は同等のままであった。2.5<Zn:Mg<3.2でCu及びZrを含む合金(合金1及び2)並びにCu及びZrを含まない合金(合金3及び4)は、5より高いZn:Mg比を有する合金よりも実質的に高いシャルピー衝撃エネルギーを有する。
耐腐食性
合金9及び10は、両基準合金1及び2よりも低い腐食電流密度を呈した。図4は、一連のアルミニウム合金についての対数スケール上の腐食電流密度を示している。ベアアルミニウムプラーク(陽極酸化処理なし)及び3.5重量%のNaClを中性pHで含む電解液を用いて、飽和カロメル電極(SCE)に対して全ての電位を向けた。合金9及び10の腐食電流密度は、基準合金1及び2のそれぞれよりも低かった。合金9及び10のより低い腐食電流密度は、改善された耐腐食性に対応する。
同様に、合金9及び10は、孔食に対してより高い臨界電位を有する。図5は、合金9及び10についての臨界孔食電位と開路電位の差(Epit−Eocp)を示している。この増加した電位差は、基準合金1及び2と比べての、改善された耐腐食性に対応する。
大部分の試料合金は、中間色を示す。中間色は、合金中のCuの存在を制限することから生じた結果であり得る。
いくつかの態様において、合金は、これらが黄色がかった色を呈する銅をあまり多く有していない。この合金は、したがって、陽極酸化処理後に、中間色を有することによってより美的に訴求する。
7xxxのAl合金中のCuの存在は、合金の降伏強度を高めることができるが、美的訴求力に及ぼす有害な影響も有し得る。特定の作用機序又は作用モードに限定されるものではないが、Cuは、MgZn粒子に安定性をもたらし得る。
いくつかの変更例では、合金は、0〜0.01重量%のCuを含む。更なる変更例では、合金は、0.025重量%〜0.055重量%のCuでCuを含む。更なる変更例では、合金は、0.040重量%〜0.050重量%のCuを含む。いくつかの変更例では、合金は、0.040重量%のCuを含む。いくつかの変更例では、合金は、0.050重量%のCuを含む。Cuの存在は、後に詳細に記載されるように、Lスケールにおいて中間色を損失することなく、増加した降伏強度を提供する。いかなる理論又は作用モードにも限定されるものではないが、本開示の合金中のCuの存在は、MgZnに増加した安定性をもたらす。
ジルコニウム
従来の7xxxシリーズのアルミニウムは、合金の硬度を増加させるために、Zrを含み得る。従来の7xxxシリーズの合金中のZrの存在は、合金中に繊維状粒状構造を生成し、合金の粒状構造を拡張することなく、合金が再加熱されることを可能にする。本明細書に開示される合金では、Zrの低減又は非存在は、試料間の低い平均粒子アスペクト比での粒状構造の驚くべき制御を可能にする。加えて、合金中のZrの低減又は排除は、最終製品における細長い粒状構造及び/又は筋状のラインを低減することができる。
特定の作用機序又は作用モードに固定されるものではないが、いくつかの変更例において、合金へのZr付加は、再結晶を阻害し、望ましくない陽極酸化された美観に導き得る長い粒状構造を生成する可能性がある。合金中のZrの非存在は、等軸粒の形成を助けることができる。
いくつかの実施形態では、合金は、0.03〜0.06重量%のZrを有することができる。いくつかの実施形態では、合金は、0.04〜0.05重量%のZrを有することができる。いくつかの実施形態では、合金は、0.04〜0.06重量%のZrを有することができる。いくつかの実施形態では、合金は、0.03〜0.05重量%のZrを有することができる。更に他の実施形態では、合金は、約0.04重量%のZrを有することができる。更なる実施形態では、合金は、約0.05重量%のZrを有することができる。
いくつかの実施形態では、合金は、0〜0.01重量%のZrを含む。いくつかの実施形態では、合金は、0.001重量%未満のZrを含む。いくつかの実施形態では、合金は、0重量%超のZrを含む。
様々な態様では、本明細書に記載される合金中のFeの重量%は、従来の7xxxシリーズのアルミニウム合金のものよりも低くすることができる。Feレベルを開示された量で制御することによって、陽極酸化処理後に、合金は余り暗く見えないようにでき、すなわち、より明るい色を有することができ、かつより少ない粗粒子欠陥を保有し得る。Feの減少は、本明細書に記載されるように、陽極酸化後に、写像性(「DOI」)及びヘイズなどの美的特性を向上させ得る、粗粒子の堆積分率を低減することができる。
また、これらの合金は、商用7000シリーズのアルミニウム合金よりも低いFeの不純物レベルを有することができる。特定の作用機序又は作用モードに固定されるものではないが、合金中のFe含量の低減は、陽極酸化の前後において、美的訴求性を阻害する粗二次粒子の数の低減の助けとなることができる。対照的に、商用の合金は、本開示の合金よりも高いFeの不純物を有する。得られるDOI及び対数ヘイズは、本明細書に記載される合金を実質的に改善することができる。
Feの重量%は、合金が微細な粒状構造を維持することの助けとなることができる。微量のFeを有する合金はまた、陽極酸化処理後に中間色を有することも可能である。いくつかの変更例では、合金は、0.06重量%〜0.08重量%のFeを有する。いくつかの変更例では、合金は、0.08重量%以下のFeを有する。
様々な開示された合金では、低重量%のFeと組み合わされた低減又は排除されたZrが、粒径制御を可能にする。
ケイ素
Siの低減は、本明細書に記載されるように、陽極酸化後に、写像性(「DOI」)及びヘイズなどの美的特性を向上させ得る、粗粒子の堆積分率を低減することができる。
様々な態様では、本明細書に開示される合金は、0.05重量%未満のSiを含むことができる。いくつかの実施形態では、合金は0.04重量%未満のSiを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.03重量%超のSiを含む。いくつかの実施形態では、合金は、0.04重量%超のSiを含む。
様々な追加の実施形態では、追加の元素を、元素当たり0.050重量%を超えない量で合金に添加することができる。このような元素の例としては、Ca、Sr、Sc、Y、La、Ni、Ta、Mo、W、及びCoのうちの1つ以上が挙げられる。元素当たり0.050重量%を超えない、あるいは元素当たり0.10重量%を超えない追加の元素としては、Li、Cr、Ti、Mn、Ni、Ge、Sn、In、V、Ga、及びHfが挙げられる。
粒径
本明細書に開示される合金では、Zrの低減又は非存在は、試料間の低い平均粒子アスペクト比での粒状構造の驚くべき制御を可能にする。加えて、合金中のZrの低減又は排除は、最終製品における細長い粒状構造及び/又は縞模様の線を低減することができる。
粒子は、本明細書に開示される様々な合金の範囲外(例えば、1.0:0.80〜1.0:1.2)のアスペクト比を有する。更に、得られる合金は、降伏強度、硬度、及び/又は美観における不足を有する可能性がある。
場合によっては、本明細書に開示される合金中のZr及びFeの濃度は、粒状構造の制御をもたらす。従来の7xxxシリーズのAl合金において、粒径は、押出後の熱処理中に増加することができる。従来のより大きなZr濃度を有する7xxxの合金は、粒膨張により、より繊維状で可視であり、美的に不許容である違和感を生じる粒子を生成する可能性がある。様々な開示された合金では、低重量%のFeと組み合わされた低減又は排除されたZrが、粒径制御を可能にする。
本明細書で開示される合金中のZrおよびFeの重量%濃度は、粒状構造の制御をもたらす。従来の7xxxシリーズのAl合金において、粒径は、押出後の熱処理中に増大することができる。従来のより大きなZr濃度を有する7xxxの合金は、粒膨張により、より繊維状で可視であり、美的に不許容である違和感を生じる粒子を生成する可能性がある。このような粒子は、本明細書に開示される様々な合金の範囲外(例えば、1.0:0.80〜1.0:1.2)のアスペクト比を有する。更に、得られる合金は、降伏強度、硬度、及び/又は審美性における不足を有する可能性がある。現在開示される合金において、低重量%のFeと組み合わされた低減又は排除されたZrは、粒径制御を可能にすることができる。
美観
本開示の合金は、従来の合金を超える、改善された降伏強度及び硬度と組み合わされた、改善された明度及び鮮明性を提供する。従来のAl合金において、高重量%のFe及び/又はSiは、不良な陽極酸化及び美観を結果としてもたらし得る。本明細書に開示される合金においては、低Fe及びSiは、陽極酸化後に鮮明性を破壊する介在物を結果としてほとんどもたらさない。その結果、本明細書に記載される合金は、改善された鮮明性を有する。
標準的な方法を用いて、色、光沢、及びヘイズを含む美観を評価することができる。光沢は、光を反射させると「テカリ」に現れる表面の知覚を記述する。光沢単位(GU)は、ISO2813及びASTM D523含む国際規格で定義される。これは、1.567の既知の屈折率の高度に研磨された黒色ガラス基準からの反射光の量によって決定される。この基準は、100の鏡面光沢値が割り当てられている。ヘイズは、高光沢面の表面上に見られる乳白色ハロー又はブルームを記述する。ヘイズは、ASTM E430に記載される角度公差を用いて算出される。機器は、自然ヘイズ値(HU)又は対数ヘイズ値(HULOG)を表示することができる。ヘイズがゼロの高光沢面は、高コントラストの深い反射像を有する。DOI(写像性)は、名称が暗示するように、ASTM D5767に基づく、コーティング表面における反射像の鮮映性の機能である。高い光沢品質がより重要になってきているコーティング用途において、オレンジピール、テクスチャ、流出、及びその他のパラメータが評価され得る。光沢、ヘイズ、及びDOIの測定は、Rhopoint IQなどの試験機器によって行われてもよい。
本開示のアルミニウム合金を用いることによって、降伏強度及び硬度を維持しつつ、陽極酸化層を介して見た欠陥が低減され、これによって、驚くほど低いヘイズと共に高光沢及び高写像性を提供する。
熱伝導率
また高い降伏強度を得ようとすると、本明細書に記載されるAl合金の熱伝導率は低くなり得る。一般に、Al合金は、純粋なAlよりも低い熱伝導率を有する。より強化するためにより高い合金化含有量を有する合金は、合金化含有量が低減されて強化されにくい合金よりも低い熱伝導率を有し得る。合金は、電子デバイスの放熱を補助することができる、少なくとも130W/mKの熱伝導率を有することができる。例えば、本明細書に記載される7xxxシリーズの合金は、130W/mK超の熱伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、改質された7xxxの合金は、140W/mK以上の熱伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、改質された7xxxの合金は、150W/mK以上の熱伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、改質された7xxxの合金は、160W/mK以上の熱伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、改質された7xxxの合金は、170W/mK以上の熱伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、改質された7xxxの合金は、180W/mK以上の熱伝導率を有することができる。いくつかの実施形態では、改質された7xxxの合金は、140W/mK未満の熱伝導率を有することができる。様々な実施形態では、合金は、190〜200W/mKの熱伝導率を有することができる。合金は、約130〜200W/mKの熱伝導率を有することができる。様々な実施形態では、合金は、約150〜180W/mKの熱伝導率を有することができる。異なる電子デバイスのために、設計された熱伝導率および設計された降伏強度は、手持ち型デバイス、携帯デバイス、又はデスクトップデバイスなどのデバイスの種類に応じて変化することができる。
粒子アスペクト比
様々な態様では、合金は等軸粒を有する。より長い非等軸粒子は、より高いSCC耐性を有する傾向がある。このように、本明細書に記載される等軸粒及び高SCC耐性の組み合わせは、予期せぬ利益を提供する。
いくつかの態様では、合金は、1:1.3以下の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は、1:1.2以下の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は、1:1.1以下の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は、1:1.05以下の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は、1:1.04以下の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は、1:1.03以下の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は、1:1.02以下の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は、1:1.01以下の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は、1:1に等しい平均粒子アスペクト比を有する。
いくつかの態様において、合金は、少なくとも0.8:1の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様において、合金は、少なくとも0.9:1の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様において、合金は、少なくとも0.95:1の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様において、合金は、少なくとも0.96:1の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様において、合金は、少なくとも0.97:1の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様において、合金は、少なくとも0.98:1の平均粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様において、合金は、少なくとも0.99:1の平均粒子アスペクト比を有する。
処理
いくつかの実施形態では、合金用溶融物は、組成物を含む合金を加熱することによって調製することができる。溶融物を室温まで冷却した後、その合金は、均質化、押出、鍛造、時効処理、及び/又は他の成形若しくは溶体化処理技術などの種々の熱処理を受けることができる。
本明細書で記載される合金中のMgZn相は、粒内および粒界の両方にあってもよい。MgZn相は、約3体積%〜約6体積%の合金を構成してもよい。MgZnは、離散粒子及び/又は結合粒子として形成されてもよい。様々な熱処理を用いて、MgZnの、結合粒子よりは離散粒子としての形成を誘導することができる。様々な態様では、離散粒子は、結合された粒子よりも良好な強化をもたらすことができる。
いくつかの実施形態では、冷却された合金は、500℃などの高温に加熱することによって均質化され、例えば約8時間の時間にわたって、高温で保持され得る。熱処理条件(例えば、温度及び時間)が変化してもよいことが、当業者には理解されよう。均質化とは、高温浸漬が高温で所定の時間使用されるプロセスを指す。均質化は、いくつかの合金における自然凝固の結果として生じ得る化学的又は冶金的分離を低減することができる。いくつかの実施形態では、高温浸漬は、滞留時間に、例えば、約4時間〜約48時間行われる。熱処理条件(例えば、温度及び時間)が変化してもよいことが、当業者には理解されよう。
いくつかの実施形態では、均質化された合金は、熱間加工、例えば押出し加工され得る。押出し加工は、金属をダイオリフィスを通して塑性流動させることによって、金属インゴット又はビレットを均一な断面の長さに変換するためのプロセスである。
いくつかの実施形態では、熱間加工された合金は、450℃を超える高温で、所定の時間、例えば2時間溶体化処理され得る。溶体化処理は、合金の強度を変更することができる。
溶体化処理後に、合金は第1の温度及び時間で、例えば、100℃で約5時間時効され、次いで第2の温度に第2の時間にわたって、例えば、150℃で約9時間加熱され、その後、水で急冷され得る。時効処理(又は焼戻し)は、高温での熱処理であり、沈降反応を誘導して、MgZn析出物を形成することができる。いくつかの実施形態では、時効処理は、第1の温度で第1の時間にわたって、続いて第2の温度で第2の温度にわたって行うことができる。単一温度熱処理も使用されてもよく、例えば120℃で24時間行うことができる。熱処理条件(例えば、温度及び時間)が変化してもよいことが、当業者には理解されよう。
更なる実施形態では、合金は、任意選択で、溶体化処理と時効熱処理との間に応力緩和処理を受けてもよい。応力緩和処理は、合金を延伸すること、合金を圧縮すること、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
陽極酸化処理及びブラスト処理
いくつかの実施形態では、合金は陽極酸化処理され得る。陽極酸化処理は、アルミニウム合金を保護するために最も一般的に用いられる金属ための表面処理プロセスである。陽極酸化処理は、電解質不動態化を用いて、金属部分の表面の自然酸化物層の厚さを増大させる。陽極酸化は耐腐食性及び耐摩耗性を向上させることができ、露出金属面よりも塗料下塗り及び接着剤に良好な接着力も提供することができる。陽極酸化膜もまた美観効果のために用いることができ、例えば、これは反射光に干渉効果を付加し得る。
本明細書に記載される合金は、20℃及び1.5 ASDで硫酸のみを使用して陽極酸化処理することができる。
特定の作用機序や作用モードに固定されるものではないが、遊離Znを低減することが、陽極酸化層間剥離を低減することができる。あるいは、様々な実施形態では、いくらかの過剰なZn又はMgが存在してよい。
いくつかの実施形態では、合金は、電子デバイスにエンクロージャを形成することができる。エンクロージャは、ブラストされた表面仕上げを有するか、又は筋状のラインを有さないように設計されてもよい。ブラスト処理は、表面仕上げプロセスであり、例えば、粗表面を平滑化するか、又は滑らかな表面を粗化する。ブラスト処理は、高圧下で表面に研磨材の流れを強制的に推進することによって、表面材料を除去することができる。
標準的な方法を用いて、色、光沢、及びヘイズを含む美観を評価することができる。対象物の色は、入射光が白光であると仮定して、吸収されることなく反射又は透過される光の波長によって判定されてもよい。対象物の視覚的外観は、光の反射又は透過によって変化し得る。追加の外観属性は、一般的には、光沢のある、光る、くすんだ、透明な、ヘイズ、などと参照される、反射光又は透過光の指向性輝度分布に基づいてもよい。量的な評価は、ASTM D523(光沢)、ASTM D2457(プラスチックの光沢)、ASTM E430(高光沢表面の光沢、ヘイズ)、及びASTM D5767(DOI)などを含む、色及び外観測定のASTM標準、又はASTM E−430高光沢表面の光沢の測定のための標準試験方法によって行われてもよい。光沢、ヘイズ、及びDOIの測定は、Rhopoint IQなどの試験機器によって行われてもよい。
いくつかの実施形態において、色は、パラメータL、a、及びbによって定量化することができ、Lは光の輝度を表し、aは赤色と緑色との間の色を表し、そしてbは、青色と黄色との間の色を表す。例えば、高いb値は黄金色ではなく、魅力的でない黄色がかった色を示唆する。ほぼゼロの値のa及びbは無彩色を示唆する。低いL値は低い輝度を示唆する一方、高いL値は高い輝度を示唆する。色測定のために、X−Rite Colori7 XTH及びX−Rite Coloreye7000などの試験機器を用いてもよい。これらの測定は、光源、観測者、及びL色スケールについてのCIE/ISO規格に従って行われる。例えば、規格には、(a)ISO 11664−1:2007(E)/CIE S 014−1/E:2006:Joint ISO/CIE Standard:Colorimetry−Part 1:CIE Standard Colorimetric Observers;(b)ISO 11664−2:2007(E)/CIE S 014−2/E:2006:Joint ISO/CIE Standard:Colorimetry−Part 2:CIE Standard Illuminants for Colorimetry、(c)ISO 11664−3:2012(E)/CIE S 014−3/E:2011:Joint ISO/CIE Standard:Colorimetry−Part 3:CIE Tristimulus Values;及び(d)ISO 11664−4:2008(E)/CIE S 014−4/E:2007:Joint ISO/CIE Standard:Colorimetry−Part 4:CIE 1976 L Colour Spaceが挙げられる。
本明細書に記載されるように、合金からCuを低減又は除去することは、中間色を有する合金をもたらす。本合金は、本明細書に記載されるように、中間色及び0.8〜1.2の範囲の低アスペクト比を有する。本明細書に記載される合金組成物に少なくとも部分的に起因するLに対応する中間色が本明細書に記載されている。
様々な態様では、本明細書に開示される合金のLは、少なくとも85である。場合によっては、本合金のLは、少なくとも90である。
本明細書に開示される合金は、中間色を有することができる。中間色とは、0に近いある特定の値を超えて逸脱しないa及びbを指す。様々な態様では、aは、−0.5以上である。様々な態様では、aは、−0.25以上である。様々な態様では、aは、0.25以下である。様々な態様では、aは、0.5以下である。更なる態様では、aは、−0.5以上かつ0.5以下である。更なる態様では、aは、−0.25以上かつ0.25以下である。
様々な態様では、bは、−2.0以上である。様々な態様では、bは、−1.75以上である。様々な態様では、bは、−1.50以上である。様々な態様では、bは、−1.25以上である。様々な態様では、bは、−1.0以上である。様々な態様では、bは、−0.5以上である。様々な態様では、bは、−0.25以上である。様々な態様では、bは、1.0以下である。様々な態様では、bは、1.25以下である。様々な態様では、bは、1.50以下である。様々な態様では、bは、1.75以下である。様々な態様では、bは、2.0以下である。様々な態様では、bは、0.5以下である。様々な態様では、bは、0.25以下である。更なる態様では、bは、−1.0以上かつ1.0以下である。更なる態様では、bは、−0.5以上かつ0.5以下である。
様々な実施形態では、本合金は、電子デバイスのハウジング又は他の部品、例えば、デバイスのハウジングまたはケーシングの一部として使用されてもよい。デバイスには、任意の消費者向け電子デバイス、例えば携帯電話、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及び/又は携帯型音楽プレーヤを挙げることができる。デバイスは、デジタルディスプレイ、モニタ、電子ブックリーダ、携帯ウェブブラウザ、及びコンピュータモニタなどの、ディスプレイの一部とすることができる。デバイスはまた、携帯型DVDプレーヤ、DVDプレーヤブルーレイディスクプレイヤ、ビデオゲームコンソール、又は携帯型音楽プレーヤなどの音楽プレーヤが含まれるエンターテイメントデバイスとすることができる。デバイスはまた、画像、映像、音声のストリーミングを制御するなどの制御を提供するデバイスの一部とすることもできるか、又はこれは電子デバイスのための遠隔制御とすることができる。本合金は、コンピュータ、あるいはハードドライバタワーのハウジング若しくはケーシング、ラップトップハウジング、ラップトップキーボード、ラップトップトラックパッド、デスクトップキーボード、マウス、及びスピーカーなどの、コンピュータ付属品の一部とすることができる。本合金はまた、腕時計又は時計などのデバイスにも適用することができる。
様々な更なる実施形態では、デバイスケーシング内で2つ以上の合金を使用することができる。例えば、増加したSCC耐性を有する合金がケーシングの縁部に配置されることができ、一方この差を有さない合金が、ケーシングの中央にある。
いくつかの実施形態を記載しているが、当業者であれば、各種変形例、代替的な構成、及び均等物が、本開示の精神から逸脱することなく用いられ得ると理解するであろう。更に、本明細書に開示される実施形態を不必要に不明瞭とするのを避けるべく、幾つかの周知の処理及び要素を説明していない。したがって、上記の記載は本書面の範囲を限定するように捉えられるものではない。
当業者であれば、本明細書に開示される実施形態が限定的にではなく例示的に教示していると認識するであろう。したがって、上の記載に含まれる又は添付図面に示される構成要素は例示として解釈されるべきであり、且つ限定する意味ではないと解釈されるべきである。以下の請求項は本明細書に記載する全ての一般的及び具体的な特徴、並びに、言葉の問題ではあるが、その間に該当するように捉えられ得る方法及びシステムの範囲の記述を網羅するように意図される。

Claims (20)

  1. 3.4〜4.9重量%のZnと、
    1.3〜2.1重量%のMgと、
    0.06重量%以下のCuと、
    0.06重量%以下のZrと、
    0.06〜0.08重量%のFeと、
    0.05重量%以下のSiと、を含み、
    残部がアルミニウム及び付随的な不純物である、アルミニウム合金。
  2. 1.8〜3.5のZnのMgに対する重量%比を有する、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  3. 4.7〜4.9重量%のZn、及び1.75〜1.85重量%のMgを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  4. 4.3〜4.5重量%のZn、及び1.45〜1.55重量%のMgを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  5. 3.9〜4.1重量%のZn、及び1.55〜1.65重量%のMgを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  6. 4.3〜4.5重量%のZn、及び1.35〜1.45重量%のMgを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  7. 3.5〜3.7重量%のZn、及び1.95〜2.05重量%のMgを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  8. 4.2〜4.4重量%のZn、及び1.85〜1.95重量%のMgを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  9. 0.03〜0.06重量%のZrを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  10. 0.04〜0.05重量%のZrを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  11. 0.01重量%未満のZrを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  12. 0.025〜0.06重量%のCuを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  13. 0.04〜0.05重量%のCuを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  14. 0.02重量%以下のMnと、
    0.02重量%以下のCrと、
    0.02重量%以下のTiと、
    0.02重量%以下のGaと、
    0.02重量%以下のSnと、
    0.03重量%以下のMn及びCrの合計と、
    0.02重量%以下のいずれか1つの追加の元素と、
    0.10重量%以下の追加の元素の合計と、を含む、請求項1に記載の合金。
  15. 前記合金の応力腐食割れが、G30/G44 ASTM規格に従って測定される破断まで12日を超える、請求項1に記載の合金。
  16. 等軸粒を含み、1:1.2以下の平均粒アスペクト比を有する、請求項1に記載の合金。
  17. L−T方向のシャルピー衝撃エネルギーが、11J/cm以上である、請求項1に記載の合金。
  18. 少なくとも約300MPaの降伏強度を有する、請求項1に記載の合金。
  19. アルミニウム合金を製造する方法であって、
    3.4〜4.9重量%のZnと、
    1.3〜2.1重量%のMgと、
    0.06重量%以下のCuと、
    0.06重量%以下のZrと、
    0.06〜0.08重量%のFeと、
    0.05重量%以下のSiと、を含み、
    残部がアルミニウム及び付随的な不純物である合金を含む溶融物を形成することと、
    前記溶融物を室温に冷却することと、
    冷却された前記合金を、第1の高温まで加熱することにより均質化することと、
    均質化された前記合金を熱間加工することと、
    熱間加工された前記合金を、第2の高温で溶体化処理することと、
    溶体化処理された前記合金を第3の高温で所定の時間時効させることと、を含む、方法。
  20. 3.4〜4.9重量%のZnと、
    1.3〜2.1重量%のMgと、
    0.06重量%以下のCuと、
    0.06重量%以下のZrと、
    0.06〜0.08重量%のFeと、
    0.05重量%以下のSiと、を含み、
    残部がアルミニウム及び付随的な不純物である合金を含む、物品。
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