JP2021054478A - 電子レンジ用紙カップの製造方法 - Google Patents

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貴世 片岡
Takayo Kataoka
貴世 片岡
辰弥 富岡
Tatsuya Tomioka
辰弥 富岡
裕 長谷部
Yutaka Hasebe
裕 長谷部
努 吉中
Tsutomu Yoshinaka
努 吉中
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Abstract

【課題】電子レンジで使用しても焦げにくく,かつ安定して自立可能な紙カップを製造する。【解決手段】電子レンジ用紙カップ10は,内面および/または外面に熱可塑性樹脂が被覆された筒状の胴部材と,内面および/または外面に熱可塑性樹脂が被覆され,胴部材11の下端を閉じる底部材とを備える。胴部材の下端部を延ばして形成された糸じりを内側に屈曲して屈曲部を形成し,外側環状凸部31および内側環状凸部32を備えるマンドレル30を紙カップ10内に入れ,外部から屈曲部に向けて超音波を当てる。紙カップ10の屈曲部が内部発熱(加熱)されかつ屈曲部のうちの一部が局所的に全周にわたって押圧される。【選択図】図8

Description

この発明は電子レンジ用紙カップ(紙容器)の製造方法に関する。「電子レンジ用」とは,電子レンジのみのためのものと限定する趣旨ではなく,電子レンジで使える,という意味である。
紙カップは即席食品,スナック菓子類のみならず,惣菜,飲料等の容器としても広く使用されている。これらの紙カップに食料品,飲料水等の内容物を入れたまま電子レンジで加熱,調理する場合もある。
内容物が入った紙カップを電子レンジで加熱,調理した場合,紙カップの胴部の下端部を延ばして形成された,いわゆる糸じり部分に焦げを生じる場合があるという問題がある。紙が重なる接合部分で特に発熱量が大きくなり(放熱量は大きくならない),蓄熱し易く,焦げが発生し易くなると考えられる。他方,内容物に接している部分では発生した熱が内容物によって奪われるので,焦げは発生しにくい。
特許文献1には,胴部と底部とから構成され,胴部の下端部(糸じり)が内側に屈曲され,底部の外面に被さるように接合されている電子レンジ用紙カップが記載されている。特許文献2には,胴部と底部の接合部分を内側にカールさせて環状脚部を形成した電子レンジ対応紙カップが記載されている。
特開2003−81358号公報 特開2003−192043号公報
胴部下端部(糸じり)を内側に屈曲するまたはカールして底部に接合することで糸じり部分を無くすことにより,電子レンジで加熱しても焦げの発生を招きにくくすることができる。しかしながら,糸じり部分を底部に接合させた接合部分では紙が幾重にも重なるために,紙同士の接着が不十分になるという別の問題が生じることがある。接合部分における紙同士の不十分な接着は紙カップの自立安定性を阻害する。
この発明は,電子レンジで使用しても焦げにくく,かつ安定して自立可能な紙カップを製造することを課題とする。
この発明はまた,接合部分の接着不良の問題を生じにくい紙カップを製造することを課題とする。
この発明による電子レンジ用紙カップの製造方法は,内面および/または外面に熱可塑性樹脂が被覆された筒状の胴部と,内面および/または外面に熱可塑性樹脂が被覆され,胴部の下端を閉じる底部とを備える電子レンジ用紙カップを製造する方法であって,上記胴部の下端部を延ばして形成された糸じりを内側に屈曲して屈曲部を形成し,上記屈曲部を加熱し,上記屈曲部のうちの一部を局所的に全周にわたって押圧することを特徴とする。
胴部下端部(糸じり)を内側に屈曲することで屈曲部は底部の外面に重ね合わされる。この発明によって製造される電子レンジ用紙カップはいわゆる糸じりを持たない。電子レンジによって加熱されても焦げの生じにくい紙カップが製造される。
胴部下端部を内側に屈曲した屈曲部(屈曲部と底部材の界面)が加熱され,加熱された屈曲部のうちの一部が局所的に全周にわたって押圧される。すなわち,屈曲部の全体は押圧されず(または強くは押圧されず),屈曲部の一部が局所的に押圧される。屈曲部および屈曲部が重なる底部の縁部には局所的に押圧される箇所(範囲)と押圧されない箇所(範囲)とが存在することになる。紙カップであるから,局所的に押圧された箇所(加圧が強い箇所)は押圧されていない箇所(加圧が弱い箇所)に比べると紙が潰され,局所的に押圧された箇所と押圧されていない箇所の境界には段差(盛り上がり,凸部)形状が発現する。
たとえば紙カップ内(内容物が入る部分)にマンドレルを入れ,またはマンドレルに紙カップを被せた後,胴部下端部(糸じり部分)を内側に屈曲し,屈曲部に向けて外部から超音波を当てることで,屈曲部をマンドレルに向けて押し付ける(押圧する,加圧する)ことができる。そして超音波を当てると,超音波によって紙カップの底部と屈曲部の接合面に摩擦熱が発生する。胴部および底部の内面および/または外面には熱可塑性樹脂が被覆されているので,その熱可塑性樹脂が溶融することで屈曲部が紙カップの底部に結合(溶着)される。
屈曲部が重なる紙カップ底部の周縁部に内側から接触するマンドレルの面(被プレス面)に凸部と凹部とを形成しておくことによって,屈曲部全体ではなく,その一部(凸部に押し付けられる部分)を局所的に強く押圧することができる。一実施態様では,周縁部分に全周にわたって凹凸が形成された被プレス面を備えるマンドレルを用意し,上記マンドレルに上記紙カップを被せ,上記マンドレルに被せられた紙カップの少なくとも上記屈曲部を上記マンドレルの被プレス面に向けて押圧する。
マンドレル(被プレス面)に凸部と凹部を形成するのに代えて,たとえば超音波を屈曲部に局所的にあてることによっても屈曲部の一部を局所的に押圧することができる。他の実施態様では,平坦な被プレス面を備えるマンドレルを用意し,上記マンドレルに上記紙カップを被せ,上記マンドレルに被せられた紙カップの上記屈曲部のうちの一部を局所的に全周にわたって上記マンドレスの被プレス面に向けて押圧する。
網目状の凹凸が形成された被プレス面を備えるマンドレルを用意し,上記マンドレルに上記紙カップを被せ,上記マンドレルに被せられた紙カップの少なくとも上記屈曲部を上記マンドレルの被プレス面に向けて押圧してもよい。これによっても屈曲部の一部を局所的に全周にわたって押圧することができる。
屈曲部全体を均等に押圧すると,当然,押圧時の圧力は屈曲部全体に均等に加えられる。これは,屈曲部に加わる圧力が分散することを意味し,強力な押圧ができずに紙同士接着が不十分となることがある。
この発明によると,屈曲部の全体ではなく,一部が局所的に全周にわたって押圧されるので,屈曲部の一部を強く押圧することができ,結果的に紙同士(胴部を構成する紙と底部を構成する紙)の接着性を向上させることができ,底部と屈曲部の接合面の接着剥がれを効果的に防止することができる。屈曲部は紙カップの底面に位置するので,これは最終製品である電子レンジ用紙カップの自立安定性を向上させる。
一実施態様では,上記屈曲部の内側(紙カップにおける内側,内周側)と外側(紙カップにおける外側,外周側)のそれぞれを局所的に押圧し,底部の内面の,上記局所的に押圧される屈曲部の内側と外側の間の相対する位置に,環状の凸部を形成する。底部と屈曲部を,バランスよくかつ強力に接着することができる。
全周にわたる押圧は全周にわたって連続する押圧とすることができる。もっとも,上述したように屈曲部の内側と外側とをそれぞれ押圧する場合であれば,そのいずれかについては間欠的に押圧してもよい。両方を間欠的に押圧する場合であれば,隣り合う内側押圧部の間に相当する箇所に外側押圧部を,隣り合う外側押圧部の間に相当する箇所に内側押圧部を,それぞれ配置してもよい(千鳥配置)。この形態も「全周にわたる押圧」に含まれる。
電子レンジ用紙カップの一部破断正面図である。 環状屈曲部の拡大断面図である。 図1のIII−III線に沿う電子レンジ用紙カップの平面図である。 図1のIV−IV線に沿う電子レンジ用紙カップの底面図である。 底部成型工程を示す。 底部成型工程を示す。 底部成型工程を示す。 底部成型工程を示すもので,紙カップが被せられるマンドレルの縦断面図および超音波溶着機を示す。 図8のIX−IX線に沿うマンドレルの平面端面図である。 変形例のマンドレルの平面端面図である。 他の変形例のマンドレルの平面端面図である。 さらに他の変形例のマンドレルの平面端面図である。 さらに他の変形例のマンドレルの平面端面図である。 さらに他の変形例のマンドレルの平面端面図である。 さらに他の変形例のマンドレルの平面端面図である。 底部成型工程を示すもので,紙カップが被せられるマンドレルの縦断面図および超音波溶着機を示す。 底部成型工程を示すもので,紙カップが被せられるマンドレルの縦断面図および超音波溶着機を示す。
以下,図面を参照して,この発明による電子レンジ用紙カップを詳細に説明する。
図1はこの発明の実施例による電子レンジ用紙カップの一部を破断して示す正面図である。図2は電子レンジ用紙カップの下隅部の拡大断面図である。図3は図1のIII−III線に沿う電子レンジ用紙カップの平面図を,図4は図1のIV−IV線に沿う電子レンジ用カップの底面図をそれぞれ示す。図1,図2において,分かりやすくするために,紙カップを構成する部材の厚さがかなり強調して示されている。
電子レンジ用紙カップ10は,紙を主強度材とする胴部材11と底部材12とから構成されている。胴部材11は上部の径が大きく,下にいくほど径の小さくなる逆円錐台状である。胴部材11の上端部は外側(紙カップ10の内容物が入る部分から離れる向き,外方)に巻かれており,いわゆるカール部(トップカール部)11Aが形成されている。カール部11Aには蓋(図示略)が被せられるか,または接合(接着,溶着)される。
胴部材11の下端部は内側(紙カップ10の内容物が入る部分に向かう向き,内方)にほぼ直角に屈曲され(屈曲されて底面に沿う部分を胴部屈曲部11Bと言う),さらに胴部屈曲部11Bの先端部は内側に折り返されている(折り返し部分を符号11Cで示す)。底部材12は円形で,その周縁部分12Aが胴部材11の下端部内にぴったりと嵌っている。底部材12の周縁部分12Aは外側に折り返されており(折り返し部分を符号12Bで示す),この底部材12の折り返し部分12Bが,胴部屈曲部11Bと折り返し部分11Cとの間に挟まれている。これらの互いに挟み込んでいる部分11C,12B,11Bは少なくとも部分的に,好ましくは全体的に互いに接着(接合,溶着)(固定)されているが,後述するように,全体が均等に接着されてはおらず,その一部分が強力に接着されている。
胴部材11および底部材12の内面および/または外面に熱可塑性樹脂(保護膜,樹脂フイルム)が被覆されている(熱可塑性樹脂の図示は省略されている)。熱可塑性樹脂の具体例としては,たとえばポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリエステル,エチレン・酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。これらは内容物等の浸み込みを防止するのみならず,超音波溶着(圧着)にも用いることができるという利点がある。
紙カップ10の底部材12の外面の周縁部では,胴部材11の屈曲部11Bおよび折り返し部分11Cと,底部材12の折り返し部分12Bとが上下方向に重なって環状に底部材12の外面に接合している。以下,紙カップ10の底部材12の外面の周縁部に接合している環状部分の全体を,「環状屈曲部20」と呼ぶ。環状屈曲部20には,底部材12と胴部材11の折り返し部分11Cの接合面,胴部材11の折り返し部分11Cと底部材12の折り返し部分12Bの接合面,底部材12の折り返し部分12Bと胴部屈曲部11Bの接合面が含まれる。
図3を参照して,紙カップ10の底部材12を内面から見ると,底部材12の内面の周縁部に,環状の凸部(段差部)12Cが形付けられることが確認される。これは,環状屈曲部20の接合工程において,環状凸部12Cの内外両側の環状部分(外側押圧範囲(外側接合部)15A,内側押圧範囲(内側接合部)15B)(図1,図2参照)が強く押圧されることによって形付けられたものである。環状屈曲部20の接合工程の詳細は後述する。
図4を参照して,紙カップ10の底部材12を外面から見ると,環状屈曲部20が底部材12の外面の周縁部に環状に設けられていることが確認される。環状屈曲部20の表面には,ほぼ矩形の凹面部21と凸面部22とが交互に形成されて環状に並んでいる。凹面部21および凸面部22の幅(環状方向の長さ)はほぼ同じであるか,やや凹面部21の幅の方が長い。この実施例の紙カップ10は16個の凹面部21と16個の凸面部22が交互に並んでいる。凹面部21および凸面部22の数は適宜調整することができる。
複数の凹面部21同士の表面はほぼ同じ高さ位置にあり,複数の凸面部22同士の表面もほぼ同じ高さ位置にある。凸面部22の方が凹面部21よりも外方(すなわち紙カップ10の底方向)にわずかに突出している。また,凹面部21と凸面部22との境界25は,凸面部22の付け根に向けて食い込むようにしてわずかに傾斜している。凹面部21と凸面部22との境界25において凸面部22の付け根が食い込んでいるので,そこで凹面部21と凸面部22とがわずかに重なり合い,凹面部21と凸面部22との間の段差はかなり小さくなっている。底面から見ると,凹面部21と凸面部22の境界25は底部材12の中心に向かう方向に短くのびる筋(罫線)に見える。16個の凹面部21と16個の凸面部22とが交互に並ぶ場合,環状屈曲部20には32本の筋(罫線)が間隔をあけて(等角度間隔に)表れることになる。
環状屈曲部20に対してなんらの処理も施さずに単純に内側に屈曲すると,余剰部分によって環状屈曲部20にはランダムに皺が入ってしまう。ランダムに皺が入るとカップの底(環状屈曲部20の表面)がフラットになりにくく,カップを自立させるときに安定感に欠けてしまう。これに対し,上述した紙カップ10には,16個の凹面部21および16個の凸面部22が規則的に交互に形成されて環状に並んでおり,凸面部22の付け根が食い込んでいる凹面部21と凸面部22の境界(筋,罫線)25も等角度間隔で規則的に並んでいる。凸面部22の表面がおおよそ同じ高さ位置にあり,これが環状屈曲部20の全周にわたって規則的に存在する。さらに凹面部21と凸面部22との間の段差(食い込み)によって環状屈曲部20を内側に屈曲したときの余剰部分が吸収されるから,ランダムな皺は環状屈曲部20に発生しない。紙カップ10は安定的に自立させることができる。
紙カップ10はいわゆる糸じりを持たないフラット・ボトムを有しているので,電子レンジで加熱しても焦げにくいものとなっている。
図5から図7は,上述した紙カップ10の製造の様子を示している。図5から図7には上下を逆さまにした状態の紙カップ10が示されている。
図5を参照して,はじめに環状屈曲部20となる部分を折り曲げていない,いわゆる糸じりを備える紙カップが作成される。
図6を参照して,環状屈曲部20の周長をたとえば32分割した幅を持つ押し型を,所定間隔をあけながら環状屈曲部20の外側から押しつけてプレスする(プレプレス)。プレスされた部分が凹面部21となり,プレスされなかった部分が凸面部22となる。環状屈曲部20には16個の凹面部21と16個の凸面部22とが交互に環状に並んで形成される。外側からプレスされることで環状屈曲部20はその全体が内側に傾く。
図7を参照して,内側に傾いた環状屈曲部20の外側から超音波プレスが行われる(詳細は次に説明する)。環状屈曲部20が完全に屈曲され,かつ底部材12に接合される。また,凹面部21と凸面部22との間の境界25に上述した段差(食い込み)が形成される。フラットな底面を持つ電子レンジ用紙カップ10が完成する。
図8は超音波プレスの様子を概略的に示すもので,超音波プレスに用いられるマンドレルの縦断面と超音波ホーンとを示している。図9は図8のIX−IX線に沿う,マンドレルの被プレス面(上面)を示している。
マンドレル30は,金属製のもので,上部の直径が小さく,下にいくほど直径が大きくなる逆円錐台状のものである。重量を軽くするために中央に円筒状の空洞34が形成されている。マンドレル30の外形は紙カップ10の外形にほぼ等しく(わずかに小さい),紙カップ10をすっぽりと被せることができる。
小径の上面がマンドレル30の被プレス面である。被プレス面の外周縁部に外方(上方)にわずかに突出する外側環状凸部31が形成され,外側環状凸部31と間隔あけてさらに,内側環状凸部32も形成されている。これらの外側,内側環状凸部31,32の間には環状溝部33が形付けられている。外側環状凸部31,環状溝部33および内側環状凸部32に,紙カップ10の環状屈曲部20(環状屈曲部20が重なっている範囲の紙カップ10の底部材12の周縁部)が内側から押し当てられる。環状屈曲部20の幅内にマンドレル30の被プレス面に形成される外側環状凸部31から内側環状凸部32までが収まるように,環状屈曲部20の幅(糸じり部の長さ)ないしは外側環状凸部31と内側環状凸部32の間の距離(内側環状凸部32の位置)が適宜調整される。
マンドレル30の上方に超音波ホーン40が配置されている。超音波ホーン40はその先端に環状の超音波振動面41を備え,超音波振動面41がマンドレル30の被プレス面に対向する。超音波振動面41が振動すると,超音波振動が紙カップ10の環状屈曲部20に伝達される。これによって紙カップ10の環状屈曲部20は微細な超音波振動によって内部発熱しかつ圧力が加えられる。紙カップ10の胴部材11および底部材12の内面および/または外面には,上述したように熱可塑性樹脂が被覆されているので,これが瞬時に溶融され,環状屈曲部20と底部材12とが互いに接合される。
ここで上述したように,マンドレル30の被プレス面には外側,内側環状凸部31,32が形成されているので,この外側,内側環状凸部31,32に接する紙カップ10の環状屈曲部20の箇所,すなわち環状屈曲部20の一部である外周部分および内周部分が局所的に全周にわたって強く押圧(加圧)される(外側接合部の形成,内側接合部の形成)。このように超音波ホーン40による加圧を環状屈曲部20の全体ではなく,その外周部分および内周部分に部分的に集中させるによって,環状屈曲部20の外周部分および内周部分を強力に接着することができ,環状屈曲部20における接着剥がれを効果的に防止することができる。環状屈曲部20は紙カップ10の底面に位置するので,これは最終製品である電子レンジ用紙カップ10の自立安定性を向上させる。
マンドレル30の被プレス面において外側,内側環状凸部31,32の間に形成される環状溝部33には,紙カップ10の環状屈曲部20は,内外周部分に比べると強く押し付けられない。もっとも熱可塑性樹脂は溶融されるので,環状溝部33に対応する環状屈曲部20の部分も溶着はされることになる。また,環状溝部33内に環状屈曲部20の一部が押し込まれるので,接合工程を経た紙カップ10の底部材12の内面には,その周縁部に環状の凸部(段差部)12Cが形付けられる(図2参照)。
超音波プレスが行われることによって紙カップ10の底面は熱を帯びる。好ましくは,超音波プレスの直後に冷却処理(たとえば,水冷により冷やされた型に紙カップ10の底面を押し付ける)が行われ,これによって溶融された熱可塑性樹脂が硬化する。
プレプレス,超音波プレスおよび冷却処理は,それぞれ複数回にわたって行うこともできる。
図10は変形例のマンドレル30Aの被プレス面を示すもので,図9に示すマンドレル30とは内側環状凸部32Aの幅が広い点が異なる。この変形例のマンドレル30を接合工程に用いることによって,紙カップ10において外側押圧範囲15Aと内側押圧範囲15B(図2参照)の幅を異ならせることができる。内側環状凸部32よりも外側環状凸部31の幅が広いマンドレルを用いてもよい。
図11は,さらなる変形例のマンドレル30Bの被プレス面を示している。図9に示すマンドレル30とは,内側環状凸部32Bが連続していず,間隔をあけて間欠的に環状に並べられている点が異なる。内側環状凸部32Bを間欠的に形成することで,内側環状凸部32Bに押し付けられる範囲をより強力に押圧し,接着性を高めるができる。
内側環状凸部32に代えて外側環状凸部31を間欠的に形成してもよいのは言うまでもない。また,図12のさらなる変形例に示すように,外側環状凸部31Aおよび内側環状凸部32Bの両方を間欠的に形成してもよい。変形例のマンドレル30Cでは,隣り合う外側環状凸部31Aの間に相当する箇所に内側環状凸部32Bが配置され,かつこれとは反対に隣り合う内側環状凸部32Bの間に相当する箇所に外側環状凸部31Aが配置される(千鳥配置)。
図13に示すさらなる変形例のマンドレル30Dの被プレス面には環状凸部35のみが形成されている。紙カップ10の環状屈曲部20のうち環状凸部35に押し当てられる箇所が強く接着される。
図14のさらなる変形例のマンドレル30Eでは,外側環状凸部31,内側環状凸部32の間に,中間環状凸部35がさらに形成されている。紙カップ10の環状屈曲部20のうち,これらの3つの環状凸部31,32,35に押し当てられる箇所が強く接着される。
図15に示すように,被プレス面の全体に網目状の凹凸が形成されたマンドレル30Fを用いることもできる。紙カップ10の環状屈曲部20のうち網目状凹凸の凸状部分に押し当てられる箇所が強く接着される。
図16は,超音波プレスに用いられる超音波ホーンの変形例を示している。超音波ホーン40Aは,紙カップ10の環状屈曲部20の直径に相当する直径を有する環状の超音波振動面41Aを備えている。超音波振動面41の振動を環状屈曲部20の効率的に伝えることができる。
図17に示すように,マンドレル30の被プレス面に凹凸を形成するのに代えて,超音波ホーンの超音波振動面の振動を,紙カップ10の環状屈曲部20の全体ではなく,その一部に局所的に全周にわたってあてることによって,環状屈曲部20の一部を強く押圧(接着)してもよい。図17に示す超音波ホーン40Bは,環状屈曲部20の外周部分と内周部分とにそれぞれ局所的に超音波を伝える超音波振動面41B,41Cを備えている。マンドレル30の被プレス面はフラットに形成されている。局所的に超音波が伝えられた環状屈曲部20の一部が強く接着される。
上述した実施例では,超音波ホーンを環状屈曲部20と底部材12との接着(溶着)に用いる例を説明した。超音波溶着機に代えて高周波溶着機(高周波電界を利用するもの,高周波プレス)を用いてもよい。また,ホットエアー,熱板等を用いて加熱することで環状屈曲部20における熱可塑性樹脂を溶融し,その後に金型等を用いて環状屈曲部20の一部を局所的に押圧してもよい。
10 電子レンジ用紙カップ
11 胴部材
12 底部材
12C 凸部(段差部)
15A 外側接合部
15B 内側接合部
20 環状屈曲部
21 凹面部
22 凸面部
30,30A,30B,30C,30E,30F マンドレル
31,31A 外側環状凸部
32,32A,32B 内側環状凸部
33 環状溝部
40,40A,40B 超音波ホーン

Claims (7)

  1. 内面および/または外面に熱可塑性樹脂が被覆された筒状の胴部と,内面および/または外面に熱可塑性樹脂が被覆され,胴部の下端を閉じる底部とを備える電子レンジ用紙カップの製造方法において,
    上記胴部の下端部を延ばして形成された糸じりを内側に屈曲して屈曲部を形成し,
    上記屈曲部を加熱し,
    上記屈曲部のうちの一部を局所的に全周にわたって押圧する,
    電子レンジ用紙カップの製造方法。
  2. 周縁部分に全周にわたって凹凸が形成された被プレス面を備えるマンドレルを用意し,
    上記マンドレルに上記紙カップを被せ,
    上記マンドレルに被せられた紙カップの少なくとも上記屈曲部を上記マンドレルの被プレス面に向けて押圧する,
    請求項1に記載の電子レンジ用カップの製造方法。
  3. 網目状の凹凸が形成された被プレス面を備えるマンドレルを用意し,
    上記マンドレルに上記紙カップを被せ,
    上記マンドレルに被せられた紙カップの少なくとも上記屈曲部を上記マンドレルの被プレス面に向けて押圧する,
    請求項1に記載の電子レンジ用カップの製造方法。
  4. 平坦な被プレス面を備えるマンドレルを用意し,
    上記マンドレルに上記紙カップを被せ,
    上記マンドレルに被せられた紙カップの上記屈曲部のうちの一部を局所的に全周にわたって上記マンドレスの被プレス面に向けて押圧する,
    請求項1に記載の電子レンジ用カップの製造方法。
  5. 上記屈曲部の内側と外側のそれぞれを局所的に押圧し,
    底部の内面の,上記局所的に押圧される屈曲部の内側と外側の間の相対する位置に,環状の凸部を形成する,
    請求項1に記載の電子レンジ用紙カップの製造方法。
  6. 上記屈曲部の内側と外側の少なくともいずれか一方を間欠的に押圧する,
    請求項5に記載の電子レンジ用紙カップの製造方法。
  7. 上記屈曲部の内側と外側の両方を間欠的に押圧し,
    隣り合う内側押圧部の間に相当する箇所に外側押圧部を,隣り合う外側押圧部の間に沿うとする箇所に内側押圧部を,それぞれ配置する,
    請求項5に記載の電子レンジ用紙カップの製造方法。
JP2019179268A 2019-09-30 2019-09-30 電子レンジ用紙カップの製造方法 Pending JP2021054478A (ja)

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