JP2021052527A - 冷媒供給管ユニットおよびモータユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】剛性を確保でき、かつ組み付けやすい冷媒供給管ユニット、およびモータユニットを提供する。【解決手段】冷媒供給管ユニット10は、冷媒を噴射する第1供給管11と、冷媒を噴射し、第1供給管と間隔をあけて配置される第2供給管12と、第1供給管および第2供給管を連結する連結部19と、少なくとも連結部の外面上を延びるリブ25と、を備える。第1供給管、第2供給管、連結部およびリブは、単一の部材の部分である。【選択図】図5
Description
本発明は、冷媒供給管ユニットおよびモータユニットに関する。
従来、モータを冷媒により冷却する構造を有するモータユニットが知られる。特許文献1に記載の回転電機は、ステータを収容する筐体と、冷却液供給管を含みかつ筐体とは別体である冷却液供給管アセンブリとを備え、冷却液供給管アセンブリは、冷却液供給管同士を接続するマニホールドを有する。
従来の冷媒供給管ユニットは、剛性を確保しつつ、モータユニットに組み付けやすくする点に改善の余地があった。
上記事情に鑑み、本発明は、剛性を確保でき、かつ組み付けやすい冷媒供給管ユニット、およびモータユニットを提供することを目的の一つとする。
本発明の冷媒供給管ユニットの一つの態様は、冷媒を噴射する第1供給管と、冷媒を噴射し、前記第1供給管と間隔をあけて配置される第2供給管と、前記第1供給管および前記第2供給管を連結する連結部と、少なくとも前記連結部の外面上を延びるリブと、を備える。前記第1供給管、前記第2供給管、前記連結部および前記リブは、単一の部材の部分である。
また本発明のモータユニットの一つの態様は、モータ軸を中心として回転可能なロータ、および前記ロータの径方向外側に位置するステータを有するモータと、前述の冷媒供給管ユニットと、前記モータおよび前記冷媒供給管ユニットを収容するハウジングと、を備える。前記第1供給管は、少なくとも前記ステータの外周面に冷媒を噴射し、前記第2供給管は、少なくとも前記ステータの外周面に冷媒を噴射する。
本発明の一つの態様の冷媒供給管ユニットおよびモータユニットによれば、剛性を確保でき、かつ組み付けやすい。
以下の説明では、本実施形態のモータユニット1が水平な路面上に位置する図示しない車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、−Z側は、鉛直方向下側である。本実施形態では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって、モータユニット1が搭載される車両の前後方向である。本実施形態において、+X側は、車両の前側であり、−X側は、車両の後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。本実施形態において、+Y側は、車両の左側であり、−Y側は、車両の右側である。Y軸方向は、後述するモータ軸J1の軸方向に相当する。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。本実施形態において、左側は、軸方向一方側に相当し、右側は、軸方向他方側に相当する。また前側は、水平方向一方側に相当し、後側は、水平方向他方側に相当する。
なお、前後方向の位置関係は、本実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、−X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、−Y側は、車両の左側である。
各図に適宜示すモータ軸J1は、Y軸方向、すなわち車両の左右方向に延びる。本実施形態では、特に断りのない限り、モータ軸J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする周方向、すなわち、モータ軸J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。本実施形態において、軸方向一方側(+Y側)は、軸方向のうち、後述するハウジング6のモータ収容部61からギヤ収容部62へ向かう方向である。軸方向他方側(−Y側)は、軸方向のうち、ギヤ収容部62からモータ収容部61へ向かう方向である。また周方向のうち、所定方向を周方向一方側θ1と呼び、所定方向とは反対の方向を周方向他方側θ2と呼ぶ。本実施形態では、周方向のうち、周方向一方側θ1は、モータ軸J1よりも上側において前側(+X側)へ向かう方向であり、周方向他方側θ2は、モータ軸J1よりも上側において後側(−X側)へ向かう方向である。なお、本実施形態において、「平行な方向」は略平行な方向を含み、「直交する方向」は略直交する方向を含む。
図1に示す本実施形態のモータユニット1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。
図1に示すように、モータユニット1は、モータ2と、減速装置4および差動装置5を含む伝達装置3と、ハウジング6と、ブリーザ70と、冷媒流路90と、冷媒供給管ユニット10と、ポンプ96と、クーラー97と、を備える。本実施形態において、モータユニット1はインバータユニットを含まない。言い換えると、モータユニット1はインバータユニットと別体構造となっている。図2から図5に示すように、冷媒供給管ユニット10は、第1供給管11と、第2供給管12と、連結部19と、リブ25と、第1弾性リング部材28と、第2弾性リング部材29と、を備える。つまりモータユニット1は、第1供給管11と、第2供給管12と、連結部19と、リブ25と、第1弾性リング部材28と、第2弾性リング部材29と、を備える。なお図2および図4においては、第1弾性リング部材28および第2弾性リング部材29の図示を省略する。
図1に示すように、ハウジング6は、内部にモータ2、冷媒供給管ユニット10および伝達装置3を収容する。すなわちハウジング6は、内部に第1供給管11、第2供給管12、連結部19、リブ25、第1弾性リング部材28および第2弾性リング部材29を収容する。ハウジング6は、モータ収容部61と、ギヤ収容部62と、隔壁61cと、を有する。
モータ収容部61は、ハウジング6のうち、内部にモータ2および冷媒供給管ユニット10を収容する部分である。モータ収容部61は、内部に後述するロータ20およびステータ30を収容する。ギヤ収容部62は、ハウジング6のうち、内部に伝達装置3を収容する部分である。ギヤ収容部62は、モータ収容部61の左側(+Y側)に位置する。モータ収容部61の底部61aは、ギヤ収容部62の底部62aより上側に位置する。隔壁61cは、モータ収容部61の内部とギヤ収容部62の内部とを軸方向に区画し、仕切る。隔壁61cには、隔壁開口68が設けられる。隔壁開口68は、モータ収容部61の内部とギヤ収容部62の内部とを繋ぐ。隔壁61cは、ステータ30の左側に位置する。
ブリーザ70は、ハウジング6の内部と外部とを連通可能に構成される。例えばハウジング6の内圧が外圧よりも高まり、内圧と外圧との圧力差が所定値以上になった場合や、モータユニット1が振動した場合などに、ブリーザ70は、ハウジング6の内部と外部とを連通させる。本実施形態ではブリーザ70が、ハウジング6の頂壁部つまり上側の壁部に設けられる。ブリーザ70は、例えばモータ収容部61の頂壁部に設けられる。ブリーザ70は、冷媒供給管ユニット10よりも上側に配置される。本実施形態によれば、ブリーザ70が、冷媒供給管ユニット10から噴射されたオイルO等の冷媒に浸されることが抑制される。ブリーザ70の機能が良好に維持され、モータユニット1の性能が安定する。さらには、ブリーザ70を介してオイルOがハウジング6の外部へ流出するのを抑制できる。
ハウジング6は、内部に冷媒としてのオイルOを収容する。つまり本実施形態において、冷媒はオイルOである。本実施形態では、モータ収容部61の内部およびギヤ収容部62の内部に、オイルOが収容される。ギヤ収容部62の内部における下部領域には、オイルOが溜るオイル溜りPが設けられる。オイル溜りPのオイルOは、冷媒流路90によってモータ収容部61の内部に送られる。モータ収容部61の内部に送られたオイルOは、モータ収容部61の内部における下部領域に溜まる。モータ収容部61の内部に溜まったオイルOの少なくとも一部は、隔壁開口68を介してギヤ収容部62に移動し、オイル溜りPに戻る。
なお、本明細書において「ある部分の内部にオイルが収容される」とは、モータが駆動している最中の少なくとも一部において、ある部分の内部にオイルが位置していればよく、モータが停止している際には、ある部分の内部にオイルが位置していなくてもよい。例えば、本実施形態においてモータ収容部61の内部にオイルOが収容されるとは、モータ2が駆動している最中の少なくとも一部において、モータ収容部61の内部にオイルOが位置していればよく、モータ2が停止している際においては、モータ収容部61の内部のオイルOがすべて隔壁開口68を通ってギヤ収容部62に移動してしまっていてもよい。なお、冷媒流路90によってモータ収容部61の内部へと送られたオイルOの一部は、モータ2が停止した状態において、モータ収容部61の内部に残っていてもよい。
オイルOは、後述する冷媒流路90内を循環する。オイルOは、減速装置4および差動装置5の潤滑用として使用される。また、オイルOは、モータ2の冷却用として使用される。オイルOとしては、潤滑油および冷却油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
本実施形態においてモータ2は、インナーロータ型のモータである。モータ2は、ロータ20と、ステータ30と、複数のベアリング26,27と、を備える。ロータ20は、水平方向に延びるモータ軸J1を中心として回転可能である。ロータ20は、シャフト21と、ロータ本体24と、を有する。図示は省略するが、ロータ本体24は、ロータコアと、ロータコアに固定されるロータマグネットと、を有する。ロータ20のトルクは、伝達装置3に伝達される。
シャフト21は、モータ軸J1を中心として軸方向に沿って延びる。シャフト21は、モータ軸J1を中心として回転する。シャフト21は、内部に中空部22が設けられた中空シャフトである。シャフト21には、連通孔23が設けられる。連通孔23は、径方向に延びて中空部22とシャフト21の外部とを繋ぐ。
シャフト21は、ハウジング6のモータ収容部61とギヤ収容部62とに跨って延びる。シャフト21の左側の端部は、ギヤ収容部62の内部に突出する。シャフト21の左側の端部には、伝達装置3の後述する第1のギヤ41が固定される。シャフト21は、ベアリング26,27により回転可能に支持される。
ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間をあけて対向する。ステータ30は、ロータ20の径方向外側に位置する。ステータ30の外周面は、ハウジング6の内周面と対向する。ステータ30は、ステータコア32と、コイルアセンブリ33と、を有する。ステータコア32は、モータ収容部61の内周面に固定される。図2から図4に示すように、ステータコア32は、ステータコア本体32aと、固定部32bと、を有する。つまりステータ30は、固定部32bを有する。ステータコア本体32aは、軸方向に延びる円筒状のコアバック32dと、コアバック32dから径方向内側に延びる複数のティース32eと、を有する。複数のティース32eは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。複数のティース32eは、周方向の全周にわたって等間隔に配置される。
固定部32bは、ステータコア本体32aの外周面から径方向外側に突出する。すなわち、固定部32bは、ステータ30の外周面から径方向外側に突出する。固定部32bは、モータ収容部61と固定される。つまり固定部32bは、ハウジング6と固定される。固定部32bは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。固定部32bは、例えば、4つ設けられる。4つの固定部32bは、周方向の全周にわたって等間隔に配置される。
固定部32bのうちの1つは、ステータコア本体32aから上側に突出する。固定部32bのうちの他の1つは、ステータコア本体32aから下側に突出する。固定部32bのうちのさらに他の1つは、ステータコア本体32aから前側(+X側)に突出する。固定部32bのうちの残りの1つは、ステータコア本体32aから後側(−X側)に突出する。
なお、以下の説明においては、ステータコア本体32aから上側に突出する固定部32bを単に「上側の固定部32b」と呼び、ステータコア本体32aから前側に突出する固定部32bを単に「前側の固定部32b」と呼び、ステータコア本体32aから下側に突出する固定部32bを単に「下側の固定部32b」と呼び、ステータコア本体32aから後側に突出する固定部32bを単に「後側の固定部32b」と呼ぶ。
固定部32bは、軸方向に延びる。本実施形態では固定部32bが、ステータコア32の左側(+Y側)の端部からステータコア32の右側(−Y側)の端部まで延びる。つまり固定部32bは、ステータコア32の軸方向の全長にわたって延びる。固定部32bは、固定部32bを軸方向に貫通する貫通孔32cを有する。貫通孔32cには、軸方向に延びる図示しないボルトが通される。ボルトは、右側(−Y側)から貫通孔32cに通され、モータ収容部61または隔壁61cに設けられた図示しない雌ネジ穴に締め込まれる。ボルトが雌ネジ穴に締め込まれることで、固定部32bは、モータ収容部61または隔壁61cと固定される。またステータコア本体32aの外周面は、少なくとも周方向の1箇所以上において、モータ収容部61の内周面と接触する。すなわち、ステータコア本体32aの外周面のうち、周方向に隣り合う一対の固定部32b間に位置する部分と、モータ収容部61の内周面のうち周方向の一部とが、互いに接触する。本実施形態では、ステータコア本体32aの外周面とモータ収容部61の内周面とが、周方向に間隔をあけて複数箇所で、例えば4箇所において、互いに接触する。このためモータ収容部61の内周面とステータコア本体32aの外周面とは、嵌め合わされる。上記構成によりステータ30は、ハウジング6と固定される。
図1に示すように、コイルアセンブリ33は、ステータコア32に取り付けられる複数のコイル31を有する。複数のコイル31は、図示しないインシュレータを介してステータコア32の各ティース32eにそれぞれ装着される。複数のコイル31は、周方向に並んで配置される。複数のコイル31は、周方向の全周にわたって等間隔に配置される。図示は省略するが、コイルアセンブリ33は、各コイル31を結束する結束部材等を有してもよいし、各コイル31同士を繋ぐ渡り線を有してもよい。
コイルアセンブリ33は、ステータコア32から軸方向に突出する一対のコイルエンド33a,33bを有する。コイルエンド33aは、コイルアセンブリ33のうち、ステータコア32から右側(−Y側)に突出する部分である。コイルエンド33bは、コイルアセンブリ33のうち、ステータコア32から左側(+Y側)に突出する部分である。コイルエンド33aは、コイルアセンブリ33に含まれる各コイル31のうちステータコア32よりも右側に突出する部分を含む。コイルエンド33bは、コイルアセンブリ33に含まれる各コイル31のうちステータコア32よりも左側に突出する部分を含む。図2に示すように、本実施形態においてコイルエンド33a,33bは、モータ軸J1を中心とする円環状である。図示は省略するが、コイルエンド33a,33bは、各コイル31を結束する結束部材等を含んでもよいし、各コイル31同士を繋ぐ渡り線を含んでもよい。
図1に示すように、ベアリング26,27は、ロータ20を回転可能に支持する。ベアリング26,27は、例えば、ボールベアリングである。ベアリング26は、ロータ20のうちステータコア32よりも右側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング26は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも右側に位置する部分を支持する。ベアリング26は、モータ収容部61のうちロータ20およびステータ30の右側を覆う壁部61bに保持される。壁部61bは、ハウジング6の壁部の一部を構成し、モータ収容部61の右側の開口を塞ぐ。
ベアリング27は、ロータ20のうちステータコア32よりも左側に位置する部分を回転可能に支持するベアリングである。本実施形態においてベアリング27は、シャフト21のうちロータ本体24が固定される部分よりも左側に位置する部分を支持する。ベアリング27は、隔壁61cに保持される。
伝達装置3は、ハウジング6のギヤ収容部62に収容される。伝達装置3は、モータ2に接続される。より詳細には、伝達装置3は、シャフト21の左側の端部に接続される。伝達装置3は、減速装置4と、差動装置5と、を有する。モータ2から出力されるトルクは、減速装置4を介して差動装置5に伝達される。
減速装置4は、モータ2に接続される。減速装置4は、モータ2の回転速度を減じて、モータ2から出力されるトルクを減速比に応じて増大させる。減速装置4は、モータ2から出力されるトルクを差動装置5へ伝達する。減速装置4は、第1のギヤ41と、第2のギヤ42と、第3のギヤ43と、中間シャフト45と、を有する。
第1のギヤ41は、シャフト21の左側の端部における外周面に固定される。第1のギヤ41は、シャフト21とともに、モータ軸J1を中心に回転する。中間シャフト45は、モータ軸J1と平行な中間軸J2に沿って延びる。中間シャフト45は、中間軸J2を中心として回転する。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間シャフト45の外周面に、軸方向に互いに間隔をあけて固定される。第2のギヤ42と第3のギヤ43とは、中間シャフト45を介して互いに接続される。第2のギヤ42および第3のギヤ43は、中間軸J2を中心として回転する。第2のギヤ42は、第1のギヤ41に噛み合う。第3のギヤ43は、差動装置5の後述するリングギヤ51と噛み合う。
モータ2から出力されるトルクは、シャフト21、第1のギヤ41、第2のギヤ42、中間シャフト45および第3のギヤ43をこの順に介して差動装置5のリングギヤ51へ伝達される。各ギヤのギヤ比およびギヤの個数等は、必要とされる減速比に応じて適宜変更可能である。本実施形態において減速装置4は、各ギヤの軸芯が平行に配置される平行軸歯車タイプの減速機である。
差動装置5は、減速装置4を介してモータ2に接続される。差動装置5は、モータ2から出力されるトルクを車両の車輪に伝達するための装置である。差動装置5は、車両の旋回時に、左右の車輪の速度差を吸収しつつ、左右両輪の車軸55に同トルクを伝える。このように、本実施形態において伝達装置3は、減速装置4および差動装置5を介して、車両の車軸55にモータ2のトルクを伝達する。差動装置5は、リングギヤ51と、図示しないギヤハウジングと、図示しない一対のピニオンギヤと、図示しないピニオンシャフトと、図示しない一対のサイドギヤと、を有する。リングギヤ51は、モータ軸J1と平行な差動軸J3を中心として回転する。リングギヤ51には、モータ2から出力されるトルクが減速装置4を介して伝えられる。
冷媒流路90は、ハウジング6内を通り、冷媒が流れる。すなわち、モータユニット1には、ハウジング6の内部を通ってオイルOが循環する冷媒流路90が設けられる。冷媒流路90は、オイル溜りPからオイルOを伝達装置3およびモータ2に供給し、再びオイル溜りPに導くオイルOの経路である。冷媒流路90は、モータ収容部61の内部とギヤ収容部62の内部とに跨って設けられる。
なお、本明細書において「冷媒流路」とは、オイルの経路を意味する。「冷媒流路」とは、定常的に一方向に向かうオイルの流動を作る「流路」のみならず、オイルを一時的に滞留させる経路およびオイルが滴り落ちる経路をも含む概念である。オイルを一時的に滞留させる経路とは、例えば、オイルを貯留するリザーバ等を含む。
冷媒流路90は、第1冷媒流路91と、第2冷媒流路92と、を有する。第1冷媒流路91および第2冷媒流路92は、それぞれハウジング6の内部でオイルOを循環させる。第1冷媒流路91は、かき上げ経路91aと、シャフト供給経路91bと、シャフト内経路91cと、ロータ内経路91dと、を有する。また、第1冷媒流路91の経路中には、リザーバ93が設けられる。リザーバ93は、ギヤ収容部62内に設けられる。
かき上げ経路91aは、差動装置5のリングギヤ51の回転によってオイル溜りPからオイルOをかき上げて、リザーバ93でオイルOを受ける経路である。リザーバ93は、上側に開口する。リザーバ93は、リングギヤ51がかき上げたオイルOを受ける。また、モータ2の駆動直後などオイル溜りPの液面Sが高い場合等には、リザーバ93は、リングギヤ51に加えて第2のギヤ42および第3のギヤ43によってかき上げられたオイルOも受ける。
シャフト供給経路91bは、リザーバ93からシャフト21の中空部22にオイルOを誘導する経路である。シャフト内経路91cは、シャフト21の中空部22内をオイルOが通過する経路である。ロータ内経路91dは、シャフト21の連通孔23からロータ本体24の内部を通過して、ステータ30に飛散するオイルOの経路である。
シャフト内経路91cにおいて、ロータ20の内部のオイルOには、ロータ20の回転に伴い遠心力が作用する。これにより、オイルOは、ロータ20から径方向外側に連続的に飛散する。また、オイルOの飛散に伴い、ロータ20内部の経路が負圧となり、リザーバ93に溜るオイルOがロータ20の内部に吸引され、ロータ20内部の経路にオイルOが満たされる。
ステータ30に到達したオイルOは、ステータ30から熱を奪う。ステータ30を冷却したオイルOは、下側に滴下され、モータ収容部61内の下部領域に溜る。モータ収容部61内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁61cに設けられた隔壁開口68を介してギヤ収容部62に移動する。以上のようにして、第1冷媒流路91は、オイルOをロータ20およびステータ30に供給する。
第2冷媒流路92においてオイルOは、オイル溜りPから引き上げられてステータ30に供給される。第2冷媒流路92には、ポンプ96と、クーラー97と、冷媒供給管ユニット10と、が設けられる。第2冷媒流路92は、第1の流路92aと、第2の流路92bと、第3の流路92cと、第4の流路94と、供給管内流路92dと、第1噴射孔11cと、第2噴射孔12cと、を有する。
第1の流路92a、第2の流路92b、第3の流路92cおよび第4の流路94は、ハウジング6の壁部に設けられる。第1の流路92aは、オイル溜りPとポンプ96とを繋ぐ。第2の流路92bは、ポンプ96とクーラー97とを繋ぐ。第3の流路92cは、クーラー97と第4の流路94とを繋ぐ。第3の流路92cは、例えば、モータ収容部61の壁部のうち前側(+X側)の壁部に設けられる。
第4の流路94は、モータ収容部61の壁部または隔壁61cに設けられる。第4の流路94は、冷媒供給管ユニット10の後述する第1供給管11と第2供給管12とに繋がる。つまり第4の流路94は、第3の流路92cと冷媒供給管ユニット10とを繋ぐ。第4の流路94は、例えば、第3の流路92cと接続する部分から後側(−X側)へ向けて水平方向に延びる。
冷媒供給管ユニット10は、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間に配置される。冷媒供給管ユニット10は、ステータ30の上側に位置する。具体的に、冷媒供給管ユニット10は、モータ収容部61の頂壁部と、ステータコア本体32aの外周面の上端部との間に配置される。冷媒供給管ユニット10の左側(+Y側)の端部は、モータ収容部61の壁部または隔壁61cに固定される。冷媒供給管ユニット10の左側の端部は、第4の流路94と接続される。冷媒供給管ユニット10の右側(−Y側)の端部は、モータ収容部61の頂壁部または壁部61bに固定される。つまり冷媒供給管ユニット10は、ハウジング6に固定される。
供給管内流路92dは、冷媒供給管ユニット10の内部に配置される冷媒の流路である。つまり供給管内流路92dは、冷媒供給管ユニット10内に位置する。供給管内流路92dは、軸方向に延びる。供給管内流路92dは、第4の流路94と繋がる。図2から図5に示すように、供給管内流路92dは、冷媒供給管ユニット10に複数設けられ、本実施形態では一対設けられる。一対の供給管内流路92dは、第4の流路94とそれぞれ接続される。一対の供給管内流路92dは、第2冷媒流路92のうち、第4の流路94の下流側において分岐する流路である。本実施形態によれば、冷媒流路90の一部を冷媒供給管ユニット10により構成できるので、冷媒流路90の形状の自由度が増し、かつ冷媒流路90の構造を簡素化できる。一対の供給管内流路92dのうち一方は、後述する第1供給管11の周壁に開口する第1噴射孔11cと繋がる。一対の供給管内流路92dのうち他方は、後述する第2供給管12の周壁に開口する第2噴射孔12cと繋がる。つまり供給管内流路92dは、第1噴射孔11cおよび第2噴射孔12cと繋がる。
第1供給管11および第2供給管12は、軸方向に延びる筒状である。本実施形態では第1供給管11および第2供給管12が、軸方向に沿って直線状に延びる円筒状のパイプである。第1供給管11と第2供給管12とは、前後方向に互いに間隔をあけて配置される。つまり第2供給管12は、第1供給管11と間隔をあけて配置される。第1供給管11と第2供給管12とは、互いに平行である。図4に示すように、第1供給管11および第2供給管12は、ステータ30の径方向外側に位置する。本実施形態では、第1供給管11の径方向位置と第2供給管12の径方向位置とが、互いに同じである。第1供給管11および第2供給管12は、ステータコア本体32aの上側に配置される。第1供給管11の上下方向の位置と、第2供給管12の上下方向の位置とは、互いに同じである。
図4に示すように軸方向から見て、第1供給管11と第2供給管12との間には、上側の固定部32bが配置される。すなわち、軸方向から見て、第1供給管11の中心軸と第2供給管12の中心軸とを通る仮想直線(図示省略)は、上側の固定部32bと交わる。前後方向から見て、第1供給管11、第2供給管12および上側の固定部32bは、互いに重なる。第1供給管11と第2供給管12とは、上側の固定部32bの前後方向の両側に配置される。第1供給管11は、上側の固定部32bの前側(+X側)に位置し、第2供給管12は、上側の固定部32bの後側(−X側)に位置する。また第1供給管11は、上側の固定部32bの周方向一方側θ1に位置し、第2供給管12は、上側の固定部32bの周方向他方側θ2に位置する。
図3に示すように径方向から見て、上側の固定部32bは、第1供給管11と第2供給管12との間に位置する。つまり固定部32bは、径方向から見て、第1供給管11と第2供給管12との間に配置される。第1供給管11は、固定部32bが延びる方向に沿って延びる。第2供給管12は、固定部32bが延びる方向に沿って延びる。本実施形態によれば、第1供給管11から噴射する冷媒および第2供給管12から噴射する冷媒により、上側の固定部32bの両側で、固定部32bが延びる方向つまり軸方向において広範囲にステータ30を冷却することができる。
図5に示すように、第1供給管11は、第1供給管本体部11aと、第1供給管本体部11aの左側(+Y側)の端部に接続する小径部11bと、第1供給管本体部11aの周壁を貫通する第1噴射孔11cと、を有する。つまり第1供給管11は、第1供給管11の周壁を貫通する第1噴射孔11cを有する。
第1供給管本体部11aは、軸方向に延びる円筒状である。小径部11bは、軸方向に延びる円筒状である。小径部11bの外径は、第1供給管本体部11aの外径よりも小さい。第1供給管11は、小径部11bがモータ収容部61の壁部または隔壁61cに設けられた穴部(図示省略)に右側(−Y側)から挿し込まれて、モータ収容部61の壁部または隔壁61cに取り付けられる。小径部11bは、左側(+Y側)に開口する。小径部11bは、第4の流路94と連通する。これにより、第1供給管11の内部つまり供給管内流路92dは、第4の流路94と繋がる。
図4に示すように、第1噴射孔11cは、第1供給管11の中心軸と直交する管径方向に延び、第1供給管11の内部と外部とを連通する。第1噴射孔11cは、例えば円孔状である。第1噴射孔11cは、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間に位置する。第1噴射孔11cは、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間にオイルOつまり冷媒を噴射する。第1噴射孔11cは、少なくともステータ30の外周面に冷媒を噴射する。すなわち、第1供給管11は、少なくともステータ30の外周面に冷媒を噴射する。つまり第1供給管11は、冷媒を噴射する。第1供給管11は、ステータ30の外周面のうち少なくとも上端部に、冷媒を供給する。
第1噴射孔11cは、複数設けられる。複数の第1噴射孔11cのうち少なくとも1つは、周方向へ向けて開口する。本実施形態では複数の第1噴射孔11cのうち少なくとも1つが、周方向他方側θ2へ向けて開口し、少なくとも他の1つが、周方向一方側θ1へ向けて開口する。なお、本明細書において「噴射孔が周方向に向けて開口する」とは、噴射孔が開口する向きが、周方向成分を含んでいることを意味する。すなわち、噴射孔が周方向に沿って開口していてもよいし、噴射孔が周方向に対して傾いた向きに開口していてもよい。
図5に示すように、第1噴射孔11cは、軸方向(Y軸方向)に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態によれば、軸方向に並ぶ複数の第1噴射孔11cから噴射されるオイルOによって、ステータ30を軸方向において広範囲に冷却できる。また第1噴射孔11cは、周方向にも互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態によれば、周方向に並ぶ複数の第1噴射孔11cから噴射されるオイルOによって、ステータ30を周方向においても広範囲に冷却できる。
複数の第1噴射孔11cは、複数の第1ステータコア供給口13aと、複数の第1コイルエンド供給口13bと、を有する。第1ステータコア供給口13aおよび第1コイルエンド供給口13bからは、第1供給管11内を流れるオイルOが噴射される。第1ステータコア供給口13aは、周方向他方側θ2かつ下側(−Z側)へ向けて開口する。複数の第1コイルエンド供給口13bのうち、少なくとも1つは周方向他方側θ2かつ下側へ向けて開口し、少なくとも他の1つは周方向一方側θ1かつ下側へ向けて開口する。
第1ステータコア供給口13aは、第1供給管本体部11aの軸方向の両端部間に位置する中間部分に設けられる。本実施形態において第1ステータコア供給口13aは、第1供給管本体部11aの軸方向の中間部分に、軸方向に互いに間隔をあけて2つ以上設けられる。本実施形態では第1ステータコア供給口13aが、下側斜め後方に開口する。第1ステータコア供給口13aは、ステータコア本体32aの上側に位置する。第1ステータコア供給口13aから噴射されるオイルOは、ステータコア本体32aに上側から供給される。すなわち、複数の第1噴射孔11cのうち第1ステータコア供給口13aは、少なくともステータコア32の外周面にオイルOを供給する。
第1コイルエンド供給口13bは、第1供給管本体部11aの軸方向の両端部にそれぞれ、複数設けられる。第1コイルエンド供給口13bは、例えば、第1供給管本体部11aの軸方向の両端部に3つずつ設けられる。複数の第1コイルエンド供給口13bのうち右側(−Y側)に設けられる3つの第1コイルエンド供給口13bは、コイルエンド33aの上側に位置する(図3参照)。複数の第1コイルエンド供給口13bのうち左側(+Y側)に設けられる3つの第1コイルエンド供給口13bは、コイルエンド33bの上側に位置する。第1コイルエンド供給口13bから噴射されるオイルOは、コイルエンド33a,33bに上側から供給される。すなわち、複数の第1噴射孔11cのうち第1コイルエンド供給口13bは、少なくともコイルエンド33a,33bの外周面にオイルOを供給する。
図4および図5に示すように、複数の第1噴射孔11cは、複数の第1内側供給口15aと、複数の第1外側供給口15bと、を有する。第1内側供給口15aおよび第1外側供給口15bからは、第1供給管11内を流れるオイルOが噴射される。第1内側供給口15aは、周方向他方側θ2かつ下側へ向けて開口する。第1内側供給口15aは、複数の第1噴射孔11cのうち、周方向他方側θ2へ向けてオイルOを噴射する噴射孔である。本実施形態では第1内側供給口15aが、第1供給管本体部11aの軸方向の両端部および中間部分にそれぞれ配置される。複数の第1内側供給口15aは、少なくとも1つの第1ステータコア供給口13aと、少なくとも1つの第1コイルエンド供給口13bと、を有する。
第1外側供給口15bは、周方向一方側θ1かつ下側へ向けて開口する。第1外側供給口15bは、複数の第1噴射孔11cのうち、周方向一方側θ1へ向けてオイルOを噴射する噴射孔である。本実施形態では第1外側供給口15bが、第1供給管本体部11aの軸方向の両端部にそれぞれ配置される。複数の第1外側供給口15bは、少なくとも1つの第1コイルエンド供給口13bを有する。
図5に示すように、第2供給管12は、第2供給管本体部12aと、第2供給管本体部12aの左側(+Y側)の端部に接続する小径部12bと、第2供給管本体部12aの周壁を貫通する第2噴射孔12cと、を有する。つまり第2供給管12は、第2供給管12の周壁を貫通する第2噴射孔12cを有する。
第2供給管本体部12aは、軸方向に延びる円筒状である。小径部12bは、軸方向に延びる円筒状である。小径部12bの外径は、第2供給管本体部12aの外径よりも小さい。第2供給管12は、小径部12bがモータ収容部61の壁部または隔壁61cに設けられた穴部(図示省略)に右側(−Y側)から挿し込まれて、モータ収容部61の壁部または隔壁61cに取り付けられる。小径部12bは、左側(+Y側)に開口する。小径部12bは、第4の流路94と連通する。これにより、第2供給管12の内部つまり供給管内流路92dは、第4の流路94と繋がる。
図4に示すように、第2噴射孔12cは、第2供給管12の中心軸と直交する管径方向に延び、第2供給管12の内部と外部とを連通する。第2噴射孔12cは、例えば円孔状である。第2噴射孔12cは、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間に位置する。第2噴射孔12cは、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面との間にオイルOつまり冷媒を噴射する。第2噴射孔12cは、少なくともステータ30の外周面に冷媒を噴射する。すなわち、第2供給管12は、少なくともステータ30の外周面に冷媒を噴射する。つまり第2供給管12は、冷媒を噴射する。第2供給管12は、ステータ30の外周面のうち少なくとも上端部に、冷媒を供給する。
第2噴射孔12cは、複数設けられる。複数の第2噴射孔12cのうち少なくとも1つは、周方向へ向けて開口する。本実施形態では複数の第2噴射孔12cのうち少なくとも1つが、周方向一方側θ1へ向けて開口し、少なくとも他の1つが、周方向他方側θ2へ向けて開口する。
図5に示すように、第2噴射孔12cは、軸方向(Y軸方向)に互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態によれば、軸方向に並ぶ複数の第2噴射孔12cから噴射されるオイルOによって、ステータ30を軸方向において広範囲に冷却できる。また第2噴射孔12cは、周方向にも互いに間隔をあけて複数設けられる。本実施形態によれば、周方向に並ぶ複数の第2噴射孔12cから噴射されるオイルOによって、ステータ30を周方向においても広範囲に冷却できる。
複数の第2噴射孔12cは、複数の第2ステータコア供給口14aと、複数の第2コイルエンド供給口14bと、を有する。第2ステータコア供給口14aおよび第2コイルエンド供給口14bからは、第2供給管12内を流れるオイルOが噴射される。第2ステータコア供給口14aは、周方向一方側θ1かつ下側(−Z側)へ向けて開口する。複数の第2コイルエンド供給口14bのうち、少なくとも1つは周方向一方側θ1かつ下側へ向けて開口し、少なくとも他の1つは周方向他方側θ2かつ下側へ向けて開口する。
第2ステータコア供給口14aは、第2供給管本体部12aの軸方向の両端部間に位置する中間部分に設けられる。本実施形態において第2ステータコア供給口14aは、第2供給管本体部12aの軸方向の中間部分に、軸方向に互いに間隔をあけて2つ以上設けられる。本実施形態では第2ステータコア供給口14aが、下側斜め前方に開口する。第2ステータコア供給口14aは、ステータコア本体32aの上側に位置する。第2ステータコア供給口14aから噴射されるオイルOは、ステータコア本体32aに上側から供給される。すなわち、複数の第2噴射孔12cのうち第2ステータコア供給口14aは、少なくともステータコア32の外周面にオイルOを供給する。
第2コイルエンド供給口14bは、第2供給管本体部12aの軸方向の両端部にそれぞれ、複数設けられる。第2コイルエンド供給口14bは、例えば、第2供給管本体部12aの軸方向の両端部に3つずつ設けられる。複数の第2コイルエンド供給口14bのうち右側(−Y側)に設けられる3つの第2コイルエンド供給口14bは、コイルエンド33aの上側に位置する(図3参照)。複数の第2コイルエンド供給口14bのうち左側(+Y側)に設けられる3つの第2コイルエンド供給口14bは、コイルエンド33bの上側に位置する。第2コイルエンド供給口14bから噴射されるオイルOは、コイルエンド33a,33bに上側から供給される。すなわち、複数の第2噴射孔12cのうち第2コイルエンド供給口14bは、少なくともコイルエンド33a,33bの外周面にオイルOを供給する。
図4および図5に示すように、複数の第2噴射孔12cは、複数の第2内側供給口16aと、複数の第2外側供給口16bと、を有する。第2内側供給口16aおよび第2外側供給口16bからは、第2供給管12内を流れるオイルOが噴射される。第2内側供給口16aは、周方向一方側θ1かつ下側へ向けて開口する。第2内側供給口16aは、複数の第2噴射孔12cのうち、周方向一方側θ1へ向けてオイルOを噴射する噴射孔である。本実施形態では第2内側供給口16aが、第2供給管本体部12aの軸方向の両端部および中間部分にそれぞれ配置される。複数の第2内側供給口16aは、少なくとも1つの第2ステータコア供給口14aと、少なくとも1つの第2コイルエンド供給口14bと、を有する。
第2外側供給口16bは、周方向他方側θ2かつ下側へ向けて開口する。第2外側供給口16bは、複数の第2噴射孔12cのうち、周方向他方側θ2へ向けてオイルOを噴射する噴射孔である。本実施形態では第2外側供給口16bが、第2供給管本体部12aの軸方向の両端部にそれぞれ配置される。複数の第2外側供給口16bは、少なくとも1つの第2コイルエンド供給口14bを有する。
図4に示すように、第1内側供給口15aと上側の固定部32bとの間の距離と、第2内側供給口16aと上側の固定部32bとの間の距離とは、互いに同じである。また第1外側供給口15bと上側の固定部32bとの間の距離と、第2外側供給口16bと上側の固定部32bとの間の距離とは、互いに同じである。つまり、第1噴射孔11cと固定部32bとの間の距離と、第2噴射孔12cと固定部32bとの間の距離とは、互いに同じである。本実施形態によれば、第1噴射孔11cから噴射される冷媒による冷却効果と、第2噴射孔12cから噴射される冷媒による冷却効果とが、固定部32bの両側において不均等になることが抑制される。つまり、第1供給管11による冷却効果と、第2供給管12による冷却効果とが、固定部32bの両側で互いに同等になる。このため、ステータ30を均等に冷却できる。
図4に示すように、貫通孔32cの中心線C3は、固定部32bの中心に相当する。本実施形態では、軸方向から見て、上側の固定部32bの中心およびモータ軸J1を通る仮想直線VLと第1内側供給口15aの中心線C1との間の第1角度α1と、仮想直線VLと第2内側供給口16aの中心線C2との間の第2角度α2とが、互いに同じである。また特に図示しないが、軸方向から見て、仮想直線VLと第1外側供給口15bの中心線との間の第1角度と、仮想直線VLと第2外側供給口16bの中心線との間の第2角度とは、互いに同じである。つまり軸方向から見て、仮想直線VLと第1噴射孔11cの中心線C1との間の第1角度α1と、仮想直線VLと第2噴射孔12cの中心線C2との間の第2角度α2とは、互いに同じである。本実施形態によれば、第1噴射孔11cから噴射される冷媒による冷却効果と、第2噴射孔12cから噴射される冷媒による冷却効果とが、固定部32bの両側において不均等になることが抑制される。つまり、第1供給管11による冷却効果と、第2供給管12による冷却効果とが、固定部32bの両側で互いに同等になる。このため、ステータ30を均等に冷却できる。
連結部19は、第1供給管11および第2供給管12を連結する。図3に示すように径方向から見て、上側の固定部32bは、連結部19と重ならない。つまり固定部32bは、径方向から見て、連結部19と重ならない。図4に示すように軸方向から見て、上側の固定部32bは、連結部19と重なる。
本実施形態によれば、第1供給管11および第2供給管12が連結部19により連結されるので、第1供給管11と第2供給管12との相対的な位置精度を確保でき、第1供給管11、第2供給管12および連結部19をハウジング6内に取り付けやすくすることができる。本実施形態では、図3に示すように径方向から見て、固定部32bと連結部19とが重ならないので、ステータ30の外周面のうち固定部32b以外の部分に、連結部19を近づけて配置することができる。本実施形態では連結部19が、コイルエンド33aの上側に、コイルエンド33aと接近して配置される。また第1供給管11および第2供給管12も、ステータ30の外周面のうち固定部32b以外の部分に近づけて配置できる。本実施形態では第1供給管11および第2供給管12が、ステータコア本体32aの上側に、ステータコア本体32aと接近して配置される。これにより、モータユニット1の外形、特に径方向の外形、本実施形態では上下方向の外形を小さく抑えて、モータユニット1をコンパクトに構成できる。第1供給管11および第2供給管12から噴射される冷媒がステータ30に効率よく供給されるため、ステータ30の冷却効率が高められる。また、ハウジング6内において第1供給管11および第2供給管12を配置できる位置の自由度が増し、つまり設計の自由度が高められて、モータユニット1への各種の要望に応じることが可能になる。また、固定部32bの両側に第1供給管11と第2供給管12とが配置されるため、固定部32bの両側にそれぞれ冷媒を供給でき、ステータ30を固定部32bの両側において均等に冷却できる。
連結部19は、第1供給管11の軸方向の端部と、第2供給管12の軸方向の端部とに繋がる。つまり連結部19は、第1供給管11の端部と第2供給管12の端部とに接続される。連結部19は、モータ収容部61の頂壁部と固定される。本実施形態によれば、連結部19が、第1供給管11の端部と第2供給管12の端部とを連結するため、径方向から見て、連結部19と固定部32bとをずらして配置しやすい。また、第1供給管11の両端部が、連結部19およびハウジング6により両持ち状態で支持され、第2供給管12の両端部が、連結部19およびハウジング6により両持ち状態で支持される。このため、第1供給管11および第2供給管12のハウジング6への取り付け姿勢が安定する。また、第1供給管11および第2供給管12から噴射される冷媒が、連結部19によって遮られにくい。第1供給管11および第2供給管12からそれぞれ広範囲に冷媒を噴射でき、ステータ30の冷却効率を高めることができる。また、第1供給管11および第2供給管12から噴射される冷媒を、ステータ30の外周面だけでなく、例えば壁部61bのベアリング26等にも供給可能である。
連結部19は、第1供給管11の軸方向の両端部のうち、小径部11bが位置する端部とは異なる端部、つまり右側(−Y側)の端部に接続されて、第1供給管11の右側の端部を塞ぐ。連結部19は、第2供給管12の軸方向の両端部のうち、小径部12bが位置する端部とは異なる端部、つまり右側の端部に接続されて、第2供給管12の右側の端部を塞ぐ。すなわち、連結部19は、第1供給管11の両端部のうち下流側の端部に接続され、第2供給管12の両端部のうち下流側の端部に接続される。本実施形態によれば、連結部19により第1供給管11および第2供給管12の各下流側の端部を支持しつつ、各下流側の端部を閉塞することができる。本実施形態と異なり、例えば、第1供給管と第2供給管とを連結する連結部材と、第1供給管の下流側の端部を塞ぐ栓部材と、第2供給管の下流側の端部を塞ぐ栓部材と、を別々に設ける場合と比べて、本実施形態によれば、部品点数が削減され、構成が簡素化され、組み立てが容易である。また本実施形態では、第1供給管11および第2供給管12の各上流側の端部、つまり小径部11b,12bが、モータ収容部61の壁部または隔壁61cに設けられた穴部(図示省略)に挿し込まれるため、第1供給管11および第2供給管12の各下流側の端部を連結部19で支持することにより、第1供給管11および第2供給管12が両持ち状態で支持される。このため、第1供給管11および第2供給管12をハウジング6に取り付けやすい。
図2から図5に示すように、連結部19は、板状である。連結部19は、前後方向(X軸方向)に延びる。連結部19は、連結本体19aと、取付固定部19bと、連結段部19cと、取付孔19dと、を有する。連結本体19aは、四角形板状であり、一対の板面が軸方向を向く。具体的に、連結本体19aは、前後方向に延びる長方形板状である。連結本体19aは、第1供給管11の下流側(−Y側)の端部および第2供給管12の下流側の端部と接続される。連結本体19aは、第1供給管11の下流側の端部および第2供給管12の下流側の端部を塞ぐ。
取付固定部19bは、四角形板状であり、一対の板面が軸方向を向く。取付固定部19bは、連結本体19aよりも左側(+Y側)に位置する。取付固定部19bは、連結本体19aの前後方向の端部に、連結段部19cを介して接続される。取付固定部19bは、複数設けられ、本実施形態では一対設けられる。一対の取付固定部19bは、前後方向に互いに離れて配置される。一対の取付固定部19bは、前後方向において連結本体19aの両側に位置する。一対の取付固定部19bは、モータ収容部61の頂壁部にそれぞれ固定される。つまり取付固定部19bは、ハウジング6に固定される。本実施形態と異なり、例えば、連結部とは異なる部分に取付固定部を設ける場合と比べて、本実施形態では、第1供給管11と第2供給管12とを繋ぐ連結部19が取付固定部19bを有するので、構成を簡素化できる。
連結段部19cは、連結本体19aの前後方向の端部と、取付固定部19bの前後方向の端部とを連結する。連結段部19cは、四角形板状であり、一対の板面がモータ軸J1と直交する方向を向く。連結段部19cは、複数設けられ、本実施形態では一対設けられる。一対の連結段部19cは、連結本体19aの前後方向の両端部に接続される。一対の連結段部19cのうち一方は、連結本体19aの前側(+X側)の端部と、一対の取付固定部19bのうち前側に位置する一方の取付固定部19bの後側(−X側)の端部と、を連結する。一対の連結段部19cのうち他方は、連結本体19aの後側の端部と、一対の取付固定部19bのうち後側に位置する他方の取付固定部19bの前側の端部と、を連結する。本実施形態によれば、ハウジング6に固定される取付固定部19b周辺の剛性が、連結段部19cにより高められる。
取付孔19dは、取付固定部19bに配置される。取付孔19dは、取付固定部19bを軸方向に貫通する。取付孔19dは、例えば円孔状であり、取付固定部19bの一対の板面に開口する。取付孔19dは、複数設けられ、本実施形態では一対設けられる。各取付孔19dには、右側(−Y側)から図示しないボルトが通される。各取付孔19dに挿入されたボルトが、モータ収容部61の頂壁部の図示しない雌ネジ穴に締め込まれることにより、冷媒供給管ユニット10がハウジング6に固定される。
リブ25は、少なくとも連結部19の外面上を延びる。リブ25は、少なくとも連結部19の外面から突出し、連結部19の外面に沿って延びる。冷媒供給管ユニット10のうち、第1供給管11、第2供給管12、連結部19およびリブ25は、単一の部材の部分である。つまり本実施形態では、第1供給管11、第2供給管12および連結部19が、単一の部材により構成される。本実施形態と異なり、例えば、第1供給管、第2供給管および連結部が別々の部材により構成される場合と比べて、本実施形態によれば、部品点数を削減でき、第1供給管11、第2供給管12および連結部19を組み付ける作業工程を削減できる。また、第1供給管11と第2供給管12との相対的な位置精度が安定して確保されるため、冷媒供給管ユニット10をハウジング6に組み付けやすい。なお第1供給管11と第2供給管12とを連結する連結部19は、例えば冷媒供給管ユニット10をモータユニット1に組み付ける際などに、応力が集中しやすい箇所である。また本実施形態のように連結部19が、ハウジング6に固定される取付固定部19bを有する場合には、冷媒供給管ユニット10をモータユニット1に組み付ける際に、連結部19に対して応力が集中しやすい。本実施形態によれば、少なくとも連結部19にリブ25が設けられるため、連結部19の剛性が高められる。このため、冷媒供給管ユニット10の剛性が確保される。また本実施形態と異なり、例えば、連結部とは異なる部分に取付固定部を設ける場合と比べて、本実施形態によれば、構成を簡素化できる。
第1供給管11、第2供給管12、連結部19およびリブ25は、樹脂製である。本実施形態によれば、第1供給管11、第2供給管12、連結部19およびリブ25の各形状の自由度が増し、冷媒供給管ユニット10への各種の要望に応じることが可能になる。なお、第1供給管11、第2供給管12、連結部19およびリブ25が樹脂製である場合、樹脂成形後のいわゆる「樹脂引け」により連結部19が変形しやすくなるおそれがあるが、本実施形態によれば、連結部19にリブ25が設けられるため、樹脂引けが抑制されて、連結部19の変形が抑えられる。
リブ25は、連結リブ部25aと、第1固定リブ部25bと、第2固定リブ部25cと、第1中間リブ部25dと、第2中間リブ部25eと、を有する。連結リブ部25aは、第1供給管11の外周面上、連結部19の外面上および第2供給管12の外周面上にわたって延びる。具体的に、連結リブ部25aは、第1供給管本体部11aの外周面のうち後側(−X側)を向く部分、連結本体19aの左側(+Y側)を向く板面、および第2供給管本体部12aの外周面のうち前側(+X側)を向く部分にわたって連続して延びる。本実施形態によれば、連結リブ部25aが、第1供給管11、連結部19および第2供給管12に設けられるので、第1供給管11、連結部19および第2供給管12の各剛性が高められる。また連結リブ部25aが、第1供給管11、連結部19および第2供給管12にわたって延び、第1供給管11、連結部19および第2供給管12を互いに連結するため、冷媒供給管ユニット10全体としての剛性が高められる。
図4に示す仮想直線VLは、本実施形態では、仮想の基準平面VLにも相当する。仮想の基準平面VLは、第1供給管11の中心軸および第2供給管12の中心軸を含む仮想平面(図示省略)と直交し、第1供給管11の中心軸と第2供給管12の中心軸から等しい距離に位置する。本実施形態では基準平面VLが、モータ軸J1を通りX軸方向に垂直な仮想の平面である。連結リブ部25aは、基準平面VLに関して、面対称の形状を有する。本実施形態では連結リブ部25aが、X軸方向において、基準平面VLに関して面対称の形状を有しており、つまり前後対称形状である。本実施形態によれば、連結リブ部25aにより、第1供給管11、連結部19および第2供給管12の剛性を均等に高められ、剛性のばらつきが抑制される。
図5に示すように、連結リブ部25aは、第1連結リブ部25fと、第2連結リブ部25gと、第3連結リブ部25hと、を有する。第1連結リブ部25fは、第1供給管本体部11aの外周面上を軸方向に沿って延びる。つまり第1連結リブ部25fは、第1供給管11の外周面上を延びる。第1連結リブ部25fは、第1供給管本体部11aの外周面のうち右側(−Y側)部分に配置される。第1連結リブ部25fは、第1供給管本体部11aの外周面のうち後側(−X側)を向く部分に配置される。
第2連結リブ部25gは、第2供給管本体部12aの外周面上を軸方向に沿って延びる。つまり第2連結リブ部25gは、第2供給管12の外周面上を延びる。第2連結リブ部25gは、第2供給管本体部12aの外周面のうち右側部分に配置される。第2連結リブ部25gは、第2供給管本体部12aの外周面のうち前側(+X側)を向く部分に配置される。
第3連結リブ部25hは、連結本体19aの左側(+Y側)を向く板面上を前後方向(X軸方向)に沿って延びる。つまり第3連結リブ部25hは、連結部19の外面上を延びる。第3連結リブ部25hの前後方向の両端部は、第1連結リブ部25fの右側(−Y側)の端部および第2連結リブ部25gの右側の端部と繋がる。
第1連結リブ部25fが第1供給管11の外周面から突出する突出量は、連結部19から離れるに従い小さくなる。すなわち、第1連結リブ部25fが第1供給管本体部11aの外周面から突出する突出量は、連結本体19aから軸方向に沿って左側へ離れるに従い小さくなる。第2連結リブ部25gが第2供給管12の外周面から突出する突出量は、連結部19から離れるに従い小さくなる。すなわち、第2連結リブ部25gが第2供給管本体部12aの外周面から突出する突出量は、連結本体19aから軸方向に沿って左側へ離れるに従い小さくなる。第3連結リブ部25hが連結部19の外面から突出する突出量は、第3連結リブ部25hが延びる方向に沿って一定である。すなわち、第3連結リブ部25hが連結本体19aの左側を向く板面から突出する突出量は、前後方向に沿って一定である。言い換えると、第3連結リブ部25hは、連結本体19aの左側を向く板面、つまり連結部19の外面から軸方向に突出する突出量が前後方向に沿って一定とされた部分を有する。本実施形態によれば、第3連結リブ部25hによって連結部19の剛性を安定して高めつつ、第1供給管11および第2供給管12の剛性が過剰になることを抑えて、連結リブ部25aの材料使用料を削減できる。第1連結リブ部25fが第1供給管11の外周面から突出する突出量が、連結部19から離れるに従い小さくなるので、第1連結リブ部25fの突出量を小さく抑えた分、他の構成部材を配置するスペースを確保でき、ハウジング6内のスペースを有効に利用できる。第2連結リブ部25gが第2供給管12の外周面から突出する突出量が、連結部19から離れるに従い小さくなるので、第2連結リブ部25gの突出量を小さく抑えた分、他の構成部材を配置するスペースを確保でき、ハウジング6内のスペースを有効に利用できる。
図2から図5に示すように、第1固定リブ部25bは、第1供給管本体部11aの外周面上を軸方向に沿って延びる。第1固定リブ部25bは、第1固定リブ部25bの右側(−Y側)の端部が取付固定部19bと繋がる。つまり第1固定リブ部25bは、第1供給管11の外周面上を延び、取付固定部19bと接続される。第1固定リブ部25bは、第1供給管本体部11aの外周面のうち右側部分に配置される。第1固定リブ部25bは、第1供給管本体部11aの外周面のうち前側(+X側)を向く部分に配置される。第1固定リブ部25bが第1供給管11の外周面から突出する突出量は、連結部19から離れるに従い小さくなる。すなわち、第1固定リブ部25bが第1供給管本体部11aの外周面から突出する突出量は、取付固定部19bから軸方向に沿って左側(+Y側)へ離れるに従い小さくなる。連結部19の取付固定部19b周辺は、ハウジング6に固定される際に応力が集中しやすい。本実施形態によれば、第1固定リブ部25bにより取付固定部19b周辺の剛性が高められる。
第2固定リブ部25cは、第2供給管本体部12aの外周面上を軸方向に沿って延びる。第2固定リブ部25cは、第2固定リブ部25cの右側の端部が取付固定部19bと繋がる。つまり第2固定リブ部25cは、第2供給管12の外周面上を延び、取付固定部19bと接続される。第2固定リブ部25cは、第2供給管本体部12aの外周面のうち右側部分に配置される。第2固定リブ部25cは、第2供給管本体部12aの外周面のうち後側(−X側)を向く部分に配置される。第2固定リブ部25cが第2供給管12の外周面から突出する突出量は、連結部19から離れるに従い小さくなる。すなわち、第2固定リブ部25cが第2供給管本体部12aの外周面から突出する突出量は、取付固定部19bから軸方向に沿って左側へ離れるに従い小さくなる。連結部19の取付固定部19b周辺は、ハウジング6に固定される際に応力が集中しやすい。本実施形態によれば、第2固定リブ部25cにより取付固定部19b周辺の剛性が高められる。
図2から図4に示すように、第1中間リブ部25dは、第1供給管本体部11aの外周面上を軸方向に沿って延びる。第1中間リブ部25dは、第1中間リブ部25dの右側(−Y側)の端部が連結本体19aと繋がる。つまり第1中間リブ部25dは、第1供給管11の外周面上を延び、連結部19と接続される。第1中間リブ部25dは、第1供給管本体部11aの外周面のうち右側部分に配置される。第1中間リブ部25dは、第1供給管本体部11aの外周面のうち上側(+Z側)を向く部分に配置される。第1中間リブ部25dは、第1供給管11の中心軸回りにおいて、連結リブ部25aと第1固定リブ部25bとの間に位置する。本実施形態によれば、第1中間リブ部25dにより、連結部19および第1供給管11の剛性がより高められる。第1中間リブ部25dが第1供給管11の外周面から突出する突出量は、連結部19から離れるに従い小さくなる。すなわち、第1中間リブ部25dが第1供給管本体部11aの外周面から突出する突出量は、連結本体19aから軸方向に沿って左側(+Y側)へ離れるに従い小さくなる。第1中間リブ部25dが第1供給管11の外周面から突出する突出量は、連結リブ部25aが第1供給管11の外周面から突出する突出量および第1固定リブ部25bが第1供給管11の外周面から突出する突出量よりも小さい。
第2中間リブ部25eは、第2供給管本体部12aの外周面上を軸方向に沿って延びる。第2中間リブ部25eは、第2中間リブ部25eの右側の端部が連結本体19aと繋がる。つまり第2中間リブ部25eは、第2供給管12の外周面上を延び、連結部19と接続される。第2中間リブ部25eは、第2供給管本体部12aの外周面のうち右側部分に配置される。第2中間リブ部25eは、第2供給管本体部12aの外周面のうち上側を向く部分に配置される。第2中間リブ部25eは、第2供給管12の中心軸回りにおいて、連結リブ部25aと第2固定リブ部25cとの間に位置する。本実施形態によれば、第2中間リブ部25eにより、連結部19および第2供給管12の剛性がより高められる。第2中間リブ部25eが第2供給管12の外周面から突出する突出量は、連結部19から離れるに従い小さくなる。すなわち、第2中間リブ部25eが第2供給管本体部12aの外周面から突出する突出量は、連結本体19aから軸方向に沿って左側へ離れるに従い小さくなる。第2中間リブ部25eが第2供給管12の外周面から突出する突出量は、連結リブ部25aが第2供給管12の外周面から突出する突出量および第2固定リブ部25cが第2供給管12の外周面から突出する突出量よりも小さい。
図3および図5に示すように、第1弾性リング部材28は、弾性変形可能な環状の部材であり、例えばOリング等である。第1弾性リング部材28は、第1供給管11の小径部11bの外周面に嵌め合わされる。つまり第1弾性リング部材28は、第1供給管11の両端部のうち、連結部19に接続される端部とは異なる端部、つまり上流側の端部の外周面に嵌合する。本実施形態によれば、第1供給管11の上流側の端部とモータ収容部61の壁部または隔壁61cに設けられた穴部(図示省略)との間に、第1弾性リング部材28が配置される。これにより、第1供給管11の上流側の端部と穴部との間のシール性が確保され、第1供給管11からステータ30の外周面に冷媒が効率よく供給される。また、第1弾性リング部材28により防振機能が得られるため、第1供給管11と穴部との間で振動による騒音等が発生することが抑制される。
第2弾性リング部材29は、弾性変形可能な環状の部材であり、例えばOリング等である。第2弾性リング部材29は、第2供給管12の小径部12bの外周面に嵌め合わされる。つまり第2弾性リング部材29は、第2供給管12の両端部のうち、連結部19に接続される端部とは異なる端部、つまり上流側の端部の外周面に嵌合する。本実施形態によれば、第2供給管12の上流側の端部とモータ収容部61の壁部または隔壁61cに設けられた穴部(図示省略)との間に、第2弾性リング部材29が配置される。これにより、第2供給管12の上流側の端部と穴部との間のシール性が確保され、第2供給管12からステータ30の外周面に冷媒が効率よく供給される。また、第2弾性リング部材29により防振機能が得られるため、第2供給管12と穴部との間で振動による騒音等が発生することが抑制される。
図1に示すように、ポンプ96は、ハウジング6の壁部に設けられる。ポンプ96は、冷媒としてのオイルOを送るオイルポンプである。本実施形態においてポンプ96は、電気により駆動する電動ポンプである。ポンプ96は、第1の流路92aを介してオイル溜りPからオイルOを吸い上げ、第2の流路92b、クーラー97、第3の流路92c、第4の流路94、供給管内流路92dおよび第1噴射孔11cおよび第2噴射孔12cを介して、オイルOをモータ2に供給する。すなわち、ポンプ96は、ハウジング6の内部に収容されたオイルOを、第4の流路94、供給管内流路92dおよび第1噴射孔11cおよび第2噴射孔12cに送る。
ポンプ96によって第4の流路94まで送られたオイルOは、一対の供給管内流路92dそれぞれに分岐して流入する。すなわち、第4の流路94に流入したオイルOは、第1供給管11の左側(+Y側)の端部から第1供給管11に流入する。第1供給管11に流入したオイルOは、第1供給管11内を右側(−Y側)に流れ、複数の第1噴射孔11cからステータ30に供給される。また第4の流路94に流入したオイルOは、第2供給管12の左側の端部から第2供給管12に流入する。第2供給管12に流入したオイルOは、第2供給管12内を右側に流れ、複数の第2噴射孔12cからステータ30に供給される。
第1供給管11および第2供給管12からステータ30に供給されたオイルOは、下側に滴下され、モータ収容部61内の下部領域に溜る。モータ収容部61内の下部領域に溜ったオイルOは、隔壁61cに設けられた隔壁開口68を通してギヤ収容部62のオイル溜りPに移動する。以上のようにして、第2冷媒流路92は、オイルOをステータ30に供給する。
図1に示すように、クーラー97は、ハウジング6の壁部に設けられる。クーラー97は、第2冷媒流路92を通過するオイルOを冷却する。つまりクーラー97は、オイルクーラーである。クーラー97には、第2の流路92bおよび第3の流路92cが接続される。第2の流路92bおよび第3の流路92cは、クーラー97の内部流路を介して繋がる。クーラー97には、図示しないラジエータで冷却された冷却水を通過させる冷却水用配管98が接続される。クーラー97の内部を通過するオイルOは、冷却水用配管98を通過する冷却水との間で熱交換されて冷却される。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されず、例えば下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の変更等が可能である。
図6は、前述の実施形態の第1変形例の冷媒供給管ユニット10を模式的に示している。第1変形例では、リブ25が、連結部19の外面のうち左側(+Y側)を向く部分にのみ設けられ、前後方向(X軸方向)に延びる。第1変形例においても、前述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
図7は、前述の実施形態の第2変形例の冷媒供給管ユニット10を模式的に示している。第2変形例では、リブ25が、連結部19の外面のうち右側(−Y側)を向く部分にのみ設けられ、前後方向に延びる。第2変形例においても、前述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
図8は、前述の実施形態の第3変形例の冷媒供給管ユニット10を模式的に示している。第3変形例では、連結部19が、第1供給管11の軸方向の両端部間に位置する中間部分と、第2供給管12の軸方向の両端部間に位置する中間部分とを連結する。リブ25は、連結部19の外面のうち左側を向く部分および右側を向く部分に設けられ、それぞれ前後方向に延びる。第3変形例においても、前述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
前述の実施形態および変形例では、固定部32bがハウジング6と固定される例を挙げたが、これに限らない。固定部32bは、例えば、ハウジング6内に収容されるハウジング6以外の部材と固定されてもよい。
前述の実施形態および変形例では、第1供給管11および第2供給管12が、軸方向に沿って直線状に延びる円筒状のパイプである例を挙げたが、これに限らない。第1供給管11および第2供給管12は、パイプ以外の配管やブロック状の管等であってもよい。第1供給管11および第2供給管12の少なくともいずれかが、直線状以外の例えば曲線状に延びていてもよい。
前述の実施形態および変形例では、冷媒がオイルOである場合について説明したが、これに限らない。冷媒は、ステータ30に供給されてステータ30を冷却する機能を有する液体であればよい。冷媒は、例えば、絶縁液であってもよいし、水であってもよい。冷媒が水である場合、ステータの表面に絶縁処理を施してもよい。ポンプ96は、オイルポンプ以外のポンプでもよい。ポンプ96は、電動ポンプに限らず、例えば、シャフト21に連結される部分を有し、シャフト21のモータ軸J1回りの回転にともなって冷媒を送液可能な機械式ポンプでもよい。
なお、前述の実施形態および変形例では、モータユニット1がインバータユニットを含まない場合について説明したが、これに限らない。モータユニット1がインバータユニットを含んでいてもよい。言い換えると、モータユニット1がインバータユニットと一体構造となっていてもよい。
なお、前述の実施形態および変形例では、モータユニット1がインバータユニットを含まない場合について説明したが、これに限らない。モータユニット1がインバータユニットを含んでいてもよい。言い換えると、モータユニット1がインバータユニットと一体構造となっていてもよい。
モータユニット1は、モータ2を動力源として対象となる物体を動かすことができる装置であればよい。モータユニット1は、伝達装置3を備えなくてもよい。モータ2のトルクがモータ2のシャフト21から直接的に対象物に出力されてもよい。この場合、モータユニット1は、モータ装置などと言い換えてもよい。モータ軸J1が延びる方向は、水平方向に限定されない。モータ軸J1は、鉛直方向に延びてもよい。モータ軸J1は、水平方向と鉛直方向とを複合した斜め方向に延びてもよい。なお、本明細書において「モータ軸が鉛直方向と直交する水平方向に延びる」とは、モータ軸J1が厳密に水平方向に延びる場合に加えて、モータ軸J1が略水平方向に延びる場合も含む。すなわち、本明細書において「モータ軸が鉛直方向と直交する水平方向に延びる」とは、モータ軸J1が水平方向に対して僅かに傾いて延びる構成を含む。モータユニット1の用途は、特に限定されない。モータユニット1は、車両に搭載されなくてもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例およびなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態等によって限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1…モータユニット、2…モータ、6…ハウジング、10…冷媒供給管ユニット、11…第1供給管、12…第2供給管、19…連結部、19b…取付固定部、20…ロータ、25…リブ、25a…連結リブ部、25b…第1固定リブ部、25c…第2固定リブ部、25d…第1中間リブ部、25e…第2中間リブ部、25f…第1連結リブ部、25g…第2連結リブ部、25h…第3連結リブ部、28…第1弾性リング部材、29…第2弾性リング部材、30…ステータ、J1…モータ軸、O…オイル(冷媒)
Claims (14)
- 冷媒を噴射する第1供給管と、
冷媒を噴射し、前記第1供給管と間隔をあけて配置される第2供給管と、
前記第1供給管および前記第2供給管を連結する連結部と、
少なくとも前記連結部の外面上を延びるリブと、を備え、
前記第1供給管、前記第2供給管、前記連結部および前記リブは、単一の部材の部分である、
冷媒供給管ユニット。 - 前記リブは、前記第1供給管の外周面上、前記連結部の外面上および前記第2供給管の外周面上にわたって延びる連結リブ部を有する、
請求項1に記載の冷媒供給管ユニット。 - 前記連結リブ部は、前記第1供給管の中心軸および前記第2供給管の中心軸を含む仮想平面と直交し、前記第1供給管の中心軸と前記第2供給管の中心軸から等しい距離に位置する仮想の基準平面に関して、面対称の形状を有する、
請求項2に記載の冷媒供給管ユニット。 - 前記連結部は、板状であり、
前記連結リブ部は、
前記第1供給管の外周面上を延びる第1連結リブ部と、
前記第2供給管の外周面上を延びる第2連結リブ部と、
前記連結部の外面上を延びる第3連結リブ部と、を有し、
前記第1連結リブ部が前記第1供給管の外周面から突出する突出量は、前記連結部から離れるに従い小さくなり、
前記第2連結リブ部が前記第2供給管の外周面から突出する突出量は、前記連結部から離れるに従い小さくなり、
前記第3連結リブ部が前記連結部の外面から突出する突出量は、前記第3連結リブ部が延びる方向に沿って一定である、
請求項2または3に記載の冷媒供給管ユニット。 - 前記連結部は、取付固定部を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の冷媒供給管ユニット。 - 前記リブは、前記第1供給管の外周面上を延び、前記取付固定部と接続される第1固定リブ部を有する、
請求項5に記載の冷媒供給管ユニット。 - 前記リブは、
前記第1供給管の外周面上、前記連結部の外面上および前記第2供給管の外周面上にわたって延びる連結リブ部と、
前記第1供給管の外周面上を延び、前記連結部と接続される第1中間リブ部と、を有し、
前記第1中間リブ部は、前記第1供給管の中心軸回りにおいて、前記連結リブ部と前記第1固定リブ部との間に位置する、
請求項6に記載の冷媒供給管ユニット。 - 前記リブは、前記第2供給管の外周面上を延び、前記取付固定部と接続される第2固定リブ部を有する、
請求項5から7のいずれか1項に記載の冷媒供給管ユニット。 - 前記リブは、
前記第1供給管の外周面上、前記連結部の外面上および前記第2供給管の外周面上にわたって延びる連結リブ部と、
前記第2供給管の外周面上を延び、前記連結部と接続される第2中間リブ部と、を有し、
前記第2中間リブ部は、前記第2供給管の中心軸回りにおいて、前記連結リブ部と前記第2固定リブ部との間に位置する、
請求項8に記載の冷媒供給管ユニット。 - 前記第1供給管、前記第2供給管、前記連結部および前記リブは、樹脂製である、
請求項1から9のいずれか1項に記載の冷媒供給管ユニット。 - 前記第1供給管の両端部のうち、前記連結部に接続される端部とは異なる端部の外周面に嵌合する第1弾性リング部材を備える、
請求項1から10のいずれか1項に記載の冷媒供給管ユニット。 - 前記第2供給管の両端部のうち、前記連結部に接続される端部とは異なる端部の外周面に嵌合する第2弾性リング部材を備える、
請求項1から11のいずれか1項に記載の冷媒供給管ユニット。 - モータ軸を中心として回転可能なロータ、および前記ロータの径方向外側に位置するステータを有するモータと、
請求項1から12のいずれか1項に記載の冷媒供給管ユニットと、を備え、
前記第1供給管は、少なくとも前記ステータの外周面に冷媒を噴射し、
前記第2供給管は、少なくとも前記ステータの外周面に冷媒を噴射する、
モータユニット。 - 前記モータおよび前記冷媒供給管ユニットを収容するハウジングを備え、
前記冷媒供給管ユニットは、前記ハウジングに固定される、
請求項13に記載のモータユニット。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2019174604A JP2021052527A (ja) | 2019-09-25 | 2019-09-25 | 冷媒供給管ユニットおよびモータユニット |
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Family Applications (1)
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Publication number | Publication date |
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