JP2021034827A - 撮像制御装置、その制御方法およびプログラム - Google Patents

Abstract

【課題】静止画撮影モードと動画撮影モードとを切替える場合にユーザの利便性を向上させることを目的とする。【解決手段】本発明の撮像制御装置は、静止画撮影モードと動画撮影モードとで異なるＡＦに関する設定情報を設定可能な撮像制御装置であって、前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに所定条件を満さない場合には、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行って動画の記録を開始し、前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに前記所定条件を満たす場合には、前記動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始するように制御する制御手段を有することを特徴とする。【選択図】図４

Description

本発明は、撮像制御装置、その制御方法、プログラムおよび記録媒体に関するものである。

近年、撮像装置は静止画撮影および動画撮影を行うことができる。
特許文献１には、動画撮影および静止画撮影のうち一方から他方に切り換えられたときに、一方の撮影動作における該切り換え前にレンズ装置から得た情報に基づいて他方の撮影動作の制御を行うカメラが開示されている。

特開２００５−８４３３９号公報

特許文献１に開示されたカメラは、静止画撮影と動画撮影とが切替えられるときに伴う、ＡＦ方式の変更やＡＦ位置の変更について考慮されていない。例えば、ユーザの利便性を考慮して、動画撮影モードと静止画撮影モードとで異なるＡＦ位置を予め設定できる仕様にすることが考えられる。この場合、静止画撮影モードの状態から動画の撮影指示がされると、静止画撮影モード用に設定されたＡＦ位置から動画撮影モード用に設定されたＡＦ位置に変更される。しかしながら、例えば、静止画撮影において合焦状態を確認した直後に動画の撮影指示がなされた場合には、ユーザは現在の合焦状態で動画を記録することを意図していると想定できる。したがって、一律に動画撮影モード用に設定されたＡＦ位置に変更してしまうと却ってユーザの利便性を損ねてしまう虞がある。

本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、静止画撮影モードと動画撮影モードとを切替える場合にユーザの利便性を向上させることを目的とする。

本発明は、静止画撮影モードと動画撮影モードとでそれぞれ異なるＡＦに関する設定情報を設定可能な撮像制御装置であって、前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに所定条件を満さない場合には、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行って動画の記録を開始し、前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに前記所定条件を満たす場合には、前記動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始するように制御する制御手段を有することを特徴とする。

本発明によれば、静止画撮影モードと動画撮影モードとを切替える場合にユーザの利便性を向上させることができる。

カメラの外観構成の一例を示す図である。 カメラの内部構成の一例を示す図である。 静止画撮影モードと動画撮影モードとで異なるＡＦに関する設定情報を設定可能であることを説明するための図である。 第１の実施形態に係る処理の一例を示すフローチャートである。 第２の実施形態に係る処理の一例を示すフローチャートである。 第３の実施形態に係る処理の一例を示すフローチャートである。

以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。以下の実施形態では、撮像制御装置がデジタルカメラ（以下、カメラという）である場合を例にして説明する。
＜第１の実施形態＞
図１は、カメラ１００の外観図である。図１（ａ）はカメラ１００を前面から見た斜視図であり、図１（ｂ）はカメラ１００を背面から見た斜視図である。
カメラ１００は、上面にシャッターボタン１０１、メイン電子ダイヤル１０２、モード切替スイッチ１０３、ファインダ外表示部１０４、動画撮影ボタン１０５等を備える。シャッターボタン１０１は、撮影の準備あるいは撮影を指示するための操作部である。メイン電子ダイヤル１０２は、シャッター速度や絞り等の設定値を変更するための回転式の操作部である。モード切替スイッチ１０３は、各種モードを切替えるための操作部である。モード切替スイッチ１０３により静止画撮影モード、動画撮影モード等に切替えられる。ファインダ外表示部１０４は、シャッター速度や絞り等の様々な設定値を表示する。動画撮影ボタン１０５は、動画の撮影指示をするための操作部である。

また、カメラ１００は、背面に表示部１０６、電源スイッチ１０７、サブ電子ダイヤル１０８、方向キー１０９、ＳＥＴボタン１１０、ライブビューボタン１１１、拡大ボタン１１２、縮小ボタン１１３、ＡＦ開始ボタン１１４を備える。また、カメラ１００は、再生ボタン１１５、メニューボタン１１６、ファインダ１１７等を備える。
表示部１０６は、画像や各種情報を表示する。また、表示部１０６は、表示面上に対する接触を検出可能なタッチパネルを有する。電源スイッチ１０７は、カメラ１００の電源のオンおよびオフを切替える操作部である。サブ電子ダイヤル１０８は、選択枠の移動や画像送り等を行うための回転式の操作部である。方向キー１０９は、上下左右にそれぞれ押下可能なキー（４方向キー）から構成される操作部である。方向キー１０９の押下した位置に応じた操作が可能である。ＳＥＴボタン１１０は、主に選択項目を決定するときに押下される操作部である。

ライブビューボタン１１１は、静止画撮影モードにおいてはファインダ撮影モードとライブビュー撮影モードとを切替え、動画撮影モードにおいては動画撮影（記録）の開始、停止を指示するための操作部である。
拡大ボタン１１２は、撮影モードのライブビュー表示において拡大モードのオン、オフを切替えたり、拡大モード中の拡大率を変更したりするための操作部である。また、拡大ボタン１１２は、再生モードにおいて再生画像の拡大率を大きくするときに用いられる。縮小ボタン１１３は拡大された再生画像の拡大率を小さくし、表示された画像を縮小させるための操作部である。ＡＦ開始ボタン１１４は、ＡＦ処理の開始を指示するための操作部である。

再生ボタン１１５は、撮影モードと再生モードとを切替えるための操作部である。静止画撮影モードあるいは動画撮影モード中に再生ボタン１１５が押下されることで、再生モードに切替えられ、表示部１０６に記録媒体に記録された画像のうち最新の画像が表示される。再生モードでは、方向キー１０９の操作により記録媒体に記録された画像を切替えて表示することが可能であり、記録媒体に記録済みの画像を確認することができる。ファインダ１１７は、後述するフォーカシングスクリーンを観察することで、被写体の光学像の焦点や構図の確認を行うための覗き込み型のファインダである。

また、カメラ１００は、右側にグリップ部１１８、蓋部１１９等を備え、左側に端子カバー１２０等を備える。グリップ部１１８は、ユーザがカメラ１００を構えたときに右手で握り易いように形成された保持部である。蓋部１１９は、記録媒体を格納するスロットを閉塞するための蓋である。端子カバー１２０は、外部装置の接続ケーブル（ＵＳＢ、ＬＡＮ、ＨＤＭＩ（登録商標）等）を接続するコネクタを保護するためのカバーである。
また、カメラ１００の内部には、アクチュエータによってアップダウンされるクイックリターンミラー１２１が配置される。また、カメラ１００には、着脱可能なレンズユニットと通信するための通信端子１２２を備える。

図２は、カメラ１００の構成を示す図である。なお、図１と同一の構成は、同一符号を付してその説明を適宜、省略する。カメラ１００は、着脱可能なレンズユニット２０１が装着される。
まず、レンズユニット２０１について説明する。
レンズユニット２０１は、絞り２０２、レンズ群２０３、絞り駆動回路２０４、ＡＦ（オートフォーカス）駆動回路２０５、レンズ制御回路２０６、通信端子２０７等を有する。
絞り２０２は、開口径が調整可能に構成される。レンズ群２０３は、複数枚のレンズから構成される。絞り駆動回路２０４は、絞り２０２の開口径を制御することで光量を調整する。ＡＦ駆動回路２０５は、レンズ群２０３を駆動させて焦点を合わせる。レンズ制御回路２０６は、後述するシステム制御部の指示に基づいて、絞り駆動回路２０４、ＡＦ駆動回路２０５等を制御する。レンズ制御回路２０６は、絞り駆動回路２０４を介して絞り２０２の制御を行い、ＡＦ駆動回路２０５を介してレンズ群２０３の位置を変位させることで焦点を合わせる。レンズ制御回路２０６は、カメラ１００との間で通信可能である。具体的には、レンズユニット２０１の通信端子２０７と、カメラ１００の通信端子１２２とを介して通信される。レンズユニット２０１は、カメラ１００と通信し、レンズ制御回路２０６によって絞り駆動回路２０４を介して絞り２０２の制御を行い、ＡＦ駆動回路２０５を介して、レンズ群２０３の位置を変位させることで焦点を合わせる。

次に、カメラ１００について説明する。
カメラ１００は、クイックリターンミラー１２１、フォーカシングスクリーン２０８、ペンタプリズム２０９、ＡＥ（自動露出）センサ２１０、焦点検出部２１１、ファインダ１１７、シャッター２１２、撮像部２１３、システム制御部５０を有する。
クイックリターンミラー１２１（以下、ミラー１２１という）は、露光、ライブビュー画像の表示、動画撮影をする場合に、システム制御部５０の指示に基づいてアクチュエータによりアップダウンされる。ミラー１２１は、レンズ群２０３から入射した光束をファインダ１１７側または撮像部２１３側に切替える。通常の場合には、ミラー１２１は光束をファインダ１１７側に導くように配置される。一方、撮影する場合やライブビュー画像を表示する場合には、ミラー１２１は光束を撮像部２１３に導くように上方に跳ね上がり待避する（ミラーアップ）。また、ミラー１２１は、中央部が光の一部を透過するハーフミラーで構成され、光束の一部が焦点検出を行うための焦点検出部２１１に入射するように透過させる。

ＡＥセンサ２１０は、レンズユニット２０１を通した被写体の輝度を測光する。焦点検出部２１１は、ミラー１２１により透過された光束に基づいてデフォーカス量を検出し、システム制御部５０に出力する。システム制御部５０はデフォーカス量に基づいてレンズユニット２０１を制御して撮像面位相差ＡＦを行う。ユーザは、ペンタプリズム２０９とファインダ１１７を介して、フォーカシングスクリーン２０８を観察することで、レンズユニット２０１を通して得た被写体の光学像の焦点や構図を確認することができる。シャッター２１２は、システム制御部５０の指示に基づいて撮像部２１３の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。撮像部２１３は、光学像を電気信号に変換するＣＣＤやＣＭＯＳ素子等で構成される撮像素子である。

また、カメラ１００は、Ａ／Ｄ変換器２１５、メモリ制御部２１６、画像処理部２１７、メモリ２１８、Ｄ／Ａ変換器２１９、表示部１０６を有する。
Ａ／Ｄ変換器２１５は、撮像部２１３から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。画像処理部２１７は、Ａ／Ｄ変換器２１５からのデータまたはメモリ制御部２１６からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部２１７では、撮影した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部５０が露光制御、測距制御を行う。この処理により、ＴＴＬ（スルー・ザ・レンズ）方式のＡＦ処理、ＡＥ処理、ＥＦ（フラッシュプリ発光）処理が行われる。更に、画像処理部２１７では、撮影した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてＴＴＬ方式のＡＷＢ（オートホワイトバランス）処理も行っている。

Ａ／Ｄ変換器２１５からの画像データは、画像処理部２１７およびメモリ制御部２１６を介して、または、メモリ制御部２１６を介してメモリ２１８に直接書き込まれる。メモリ２１８は、撮像部２１３によって得られＡ／Ｄ変換器２１５によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部１０６に表示するための画像データを格納する。メモリ２１８は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。また、メモリ２１８は、画像表示用のメモリ（ビデオメモリ）を兼ねている。

Ｄ／Ａ変換器２１９は、メモリ２１８に格納されている表示用の画像データをアナログ信号に変換して表示部１０６に供給する。したがって、メモリ２１８に書き込まれた表示用の画像データは、Ｄ／Ａ変換器２１９を介して表示部１０６により表示される。表示部１０６は、ＬＣＤ等の表示器上にＤ／Ａ変換器２１９からのアナログ信号に応じた表示を行う。Ａ／Ｄ変換器２１５によって一度Ａ／Ｄ変換されメモリ２１８に蓄積されたデジタル信号をＤ／Ａ変換器２１９でアナログ変換し、表示部１０６に逐次転送して表示することでライブビュー画像を表示（スルー表示）でき、電子ビューファインダとして機能する。

また、カメラ１００は、ファインダ内表示部２２０、ファインダ内表示駆動回路２２１、ファインダ外表示部１０４、ファインダ外表示駆動回路２２２、不揮発性メモリ２２３、システムメモリ２２４、システムタイマ２２５を有する。
ファインダ内表示部２２０は、ファインダ内表示駆動回路２２１を介して現在、ＡＦ処理が行われている位置を示す枠（ＡＦ枠）や、カメラの設定状態を表すアイコン等を表示する。ファインダ外表示部１０４は、ファインダ外表示駆動回路２２２を介してシャッター速度や絞り等の設定値を表示する。不揮発性メモリ２２３は、電気的に消去・記憶可能なメモリであり、例えばＥＥＰＲＯＭ等が用いられる。不揮発性メモリ２２３には、システム制御部５０の動作用の定数、閾値、プログラム等が記憶される。このプログラムは、後述するフローチャートの処理を実行するためのプログラムである。

システムメモリ２２４は、例えばＲＡＭが用いられる。システムメモリ２２４には、システム制御部５０の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ２２３から読み出したプログラム等が展開される。システムタイマ２２５は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
システム制御部５０はカメラ１００全体を制御する。システム制御部５０は、上述した不揮発性メモリ２２３に記録されたプログラムを実行することで、後述する各処理を実現する。また、システム制御部５０は、メモリ２１８、Ｄ／Ａ変換器２１９、表示部１０６等を制御することにより表示制御も行う。システム制御部５０は、制御手段の一例に対応する。

また、カメラ１００は、モード切替スイッチ１０３、第１シャッタースイッチ２２６、第２シャッタースイッチ２２７、操作部２２８等のシステム制御部５０に各種の動作指示を入力するための操作手段を有する。操作手段は、スイッチ、ダイヤル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数あるいは複数の組み合わせにより構成される。
モード切替スイッチ１０３は、静止画撮影モード、動画撮影モードおよび再生モード等の何れかに切替えるための操作部である。システム制御部５０は、モード切替スイッチ１０３により切替えられたモードに設定可能である。静止画撮影モードに含まれるモードには、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード（Ａｖモード）、シャッター速度優先モード（Ｔｖモード）がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムＡＥモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ１０３により、上述したモードの何れかに直接切替えることができる。また、モード切替スイッチ１０３によりメニューボタンに一旦切替えた後に、メニューボタンに含まれる上述したモードの何れかに、他の操作部を用いて切替えてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれている。

第１シャッタースイッチ２２６は、シャッターボタン１０１の操作途中、いわゆる半押し（撮影準備指示）でオンとなり、第１シャッタースイッチ信号ＳＷ１を発生させる。システム制御部５０は、第１シャッタースイッチ信号ＳＷ１により、ＡＦ処理、ＡＥ処理、ＡＷＢ処理、ＥＦ処理等の動作を開始する。
第２シャッタースイッチ２２７は、シャッターボタン１０１の操作完了、いわゆる全押し（撮影指示）でオンとなり、第２シャッタースイッチ信号ＳＷ２を発生させる。システム制御部５０は、第２シャッタースイッチ信号ＳＷ２により、撮像部２１３からの信号読み出しから記録媒体２４０、２４１に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。

操作部２２８は、操作を受け付ける入力部としての各種操作部材であり、各種ボタンやタッチパネル等からなる。操作部２２８は、ライブビュー開始／停止ボタン、動画記録開始／停止ボタン、メニューボタン、ＳＥＴボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写／連写／セルフタイマー切替えボタンがある。また、操作部２２８は、メニュー移動＋（プラス）ボタン、メニュー移動−（マイナス）ボタン、再生画像移動＋（プラス）ボタン、再生画像移動−（マイナス）ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付／時間設定ボタン等がある。なお、上述した、シャッターボタン１０１、メイン電子ダイヤル１０２、動画撮影ボタン１０５、表示部１０６（タッチパネル）、電源スイッチ１０７、サブ電子ダイヤル１０８は、操作部２２８に含まれる。また、上述した、方向キー１０９、ＳＥＴボタン１１０、ライブビューボタン１１１、拡大ボタン１１２、縮小ボタン１１３、ＡＦ開始ボタン１１４、再生ボタン１１５は、操作部２２８に含まれる。

また、カメラ１００は、電源制御部２３１、電源部２３２、記録媒体Ｉ／Ｆ２３３、２３４、通信部２３５、姿勢検知部２３６等を有する。
電源制御部２３１は、電池検出回路、ＤＣ−ＤＣコンバータ、通電するブロックを切替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部２３１は、その検出結果およびシステム制御部５０の指示に基づいてＤＣ−ＤＣコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体２４０、２４１を含む各部へ供給する。電源部２３２は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やＮｉＣｄ電池やＮｉＭＨ電池、Ｌｉ電池等の二次電池、ＡＣアダプター等からなる。

記録媒体Ｉ／Ｆ２３３、２３４は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体２４０、２４１とのインタフェースである。なお、本実施形態では記録媒体Ｉ／Ｆが２系統であるが、単数であってもよく、異なる規格の組み合わせであってもよい。なお、記録媒体Ｉ／Ｆ２３３、２３４は、ＰＣＭＣＩＡカードやＣＦ（コンパクトフラッシュ（登録商標））カード等の規格に準拠したものを用いることができる。
記録媒体２４０、２４１は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。記録媒体２４０、２４１は、着脱可能ではなく内蔵されていてもよい。

通信部２３５は、各種通信手段により、他のコンピュータやプリンタ等の外部装置との間で画像データや画像データに付属した管理情報の転送、カメラ操作を行うことができる。各種通信手段として、ＲＳ２３２Ｃ、ＵＳＢ、ＨＤＭＩ、ＩＥＥＥ１３９４、Ｐ１２８４、ＳＣＳＩ、モデム、ＬＡＮ、無線通信等を用いることができる。
姿勢検知部２３６は、重力方向に対するカメラ１００の姿勢を検知する。システム制御部５０は、姿勢検知部２３６により検知された姿勢に基づいてカメラ１００の傾き角度を算出することができる。したがって、システム制御部５０は、傾き角度によって撮像部２１３で撮影された画像がカメラ１００を横姿勢で撮影した画像であるか、縦姿勢で撮影した画像であるかを判別することができる。システム制御部５０は、姿勢検知部２３６により検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部２１３で撮影された画像データに付加したり、向き情報に応じて画像を回転して記憶したりすることができる。姿勢検知部２３６は、例えば加速度センサやジャイロセンサ等を用いることができる。

本実施形態のカメラ１００は、静止画撮影モードと動画撮影モードとで異なるＡＦに関する設定情報を設定することができる。本実施形態のＡＦに関する設定情報には、ＡＦ処理の形式、およびＡＦ処理を行う位置の少なくとも何れかの情報が含まれる。
ＡＦ処理の形式（以下、ＡＦ方式という）とは、ＡＦ処理を行うときの方法のことである。ＡＦ方式には、例えば、顔＋追尾優先ＡＦ、１点ＡＦ、ゾーンＡＦなどがある。
ＡＦ処理を行う位置とは、ＡＦ処理を行うときに焦点を合わせる位置のことである。ＡＦ処理を行う位置は、例えばライブビュー画像に重畳して表示されるＡＦ枠により示される。

ここで、ＡＦ形式について具体的に説明する。
・顔＋追尾優先ＡＦ（顔＋追尾ＡＦ）は、ライブビュー画像において顔が検知されている場合には顔を対象として自動的に追尾してＡＦ処理し、顔が検知されていない場合にはＡＦ処理を行う位置を自動で決定してＡＦ処理する方法である。ライブビュー画像から複数の顔が検知されている場合、最初は自動で決定された顔にＡＦ枠の位置が決定され、方向キー１０９などの操作により異なる顔に追尾する対象を切替えることができる。また、ユーザがタッチパネルをタッチすることで、タッチされた顔または顔以外の被写体を追尾する対象に切替えることができる。ユーザがタッチパネルをタッチすることで、タッチされた位置に対応する被写体を対象にしてＡＦ処理を行うことをタッチＡＦという。
・１点ＡＦとは、例えば、６５行８７列に配置された５６５５点の測距点からユーザにより選択された一つの測距点の位置にＡＦ枠を設定してＡＦ処理する方法である。選択されたＡＦ枠の位置で撮像面位相差ＡＦあるいはコントラストＡＦにてＡＦ処理が行われる。

・ゾーンＡＦとは、１点ＡＦよりも範囲が広いＡＦ枠（ゾーンＡＦ枠）をユーザが任意の位置に設定して、設定されたゾーンＡＦ枠内において自動選択によりＡＦ処理する方法である。自動選択によるＡＦ処理とは、ＡＦ枠内の被写体のうち自動的に焦点を合わせるべき被写体と判定された被写体に焦点が合うようにＡＦ処理を行うことである。自動選択によるＡＦ処理では、最も近距離にある被写体に焦点が合うようにＡＦ処理が行われるが、画面上の位置や被写体のサイズ、被写体距離などの条件が考慮されることがある。なお、ゾーンＡＦは、１点ＡＦよりも被写体を捉えやすく、動きのある被写体を撮影するときに焦点を合わせやすい。また、焦点を合わせるゾーンが絞られるために、構図において意図しない位置の被写体に焦点が合ってしまうことも防止することができる。

なお、ＡＦ形式は上述した形式に限られず、他のＡＦ形式を含めてもよい。例えば、上述したＡＦ形式に加えて、領域拡大ＡＦ、ラージゾーンＡＦなどのＡＦ形式を含めてもよい。領域拡大ＡＦとは、１点ＡＦに設定されるＡＦ枠とその周囲に複数のＡＦ枠を設定してＡＦ処理する方法である。また、ラージゾーンＡＦとは、ゾーンＡＦよりも範囲が広いＡＦ枠をユーザが任意の位置に設定して、設定されたゾーンＡＦ枠内において自動選択によりＡＦ処理する方法である。

ユーザは、例えばメニューボタンを押下して設定メニューに遷移することで、静止画撮影モードと動画撮影モードとで異なるＡＦ処理に関する設定情報を設定することができる。具体的には、ユーザは設定メニューから静止画撮影モードにおいて所望するＡＦ形式を選択し、選択したＡＦ形式において所望するＡＦ枠の位置を選択する。システム制御部５０は、選択されたＡＦ形式の情報、および選択されたＡＦ枠の位置情報を静止画撮影モードに関連付けて不揮発性メモリ２２３に記憶する。このように、静止画撮影モードに関連付けて記憶された、ＡＦ形式の情報、およびＡＦ枠の位置情報は、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報の一例に対応する。

同様に、ユーザは設定メニューから動画撮影モードにおいて所望するＡＦ形式を選択し、選択したＡＦ形式において所望するＡＦ枠の位置を選択する。システム制御部５０は、選択されたＡＦ形式の情報、および選択されたＡＦ枠の位置情報を動画撮影モードに関連付けて不揮発性メモリ２２３に記憶する。このように、動画撮影モードに関連付けて記憶された、ＡＦ形式の情報、およびＡＦ枠の位置情報は、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報の一例に対応する。

図３は、静止画撮影モードと動画撮影モードとで異なるＡＦに関する設定情報を設定した場合について説明するための図である。
まず、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報について説明する。ここでは、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報は、ＡＦ形式が１点ＡＦであり、ＡＦ枠の位置が画像に対して左側に偏った位置であるものとする。
図３（ａ）は、撮影モードが静止画撮影モードに切替えられたときに表示部１０６に表示されるライブビュー画像３００の一例を示す図である。
ライブビュー画像３００は、撮像部２１３から出力された信号を表示部１０６に逐次転送することで表示される。ライブビュー画像３００には、ＡＦ枠３０１が重畳して表示される。ＡＦ枠３０１は、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいて表示される。

図３（ａ）に示すＡＦ枠３０１は、ＡＦ形式が１点ＡＦに設定されていることに基づいて、ゾーンＡＦで表示されるＡＦ枠よりも小さなサイズで表示される。また、ＡＦ枠３０１は、静止画撮影モード用に設定されたＡＦ枠の位置情報に基づいて、ライブビュー画像３００に対して左側に偏った位置に表示される。ユーザは表示されたＡＦ枠３０１を視認することで、静止画撮影モード用に設定された、ＡＦ形式およびＡＦ枠の位置を確認することができる。なお、ユーザはタッチＡＦを指示したり、方向キー１０９を操作したりすることで、ＡＦ枠３０１の位置を変更することができる。
本実施形態のカメラ１００は、撮影モードが静止画撮影モードに切替えられることで静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ枠３０１を表示すると共に、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を開始する。また、カメラ１００は、ユーザがＡＦ処理の開始を指示することでも、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を開始する。

次に、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報について説明する。ここでは、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報は、ＡＦ形式がゾーンＡＦであり、ＡＦ枠の位置が画像に対して右側に偏った位置であるものとする。
図３（ｂ）は、撮影モードが動画撮影モードに切替えられたときに表示部１０６に表示されるライブビュー画像３０２の一例を示す図である。
ライブビュー画像３０２には、ＡＦ枠３０３が重畳して表示される。ＡＦ枠３０３は、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいて表示される。

図３（ｂ）に示すＡＦ枠３０３は、ＡＦ形式がゾーンＡＦに設定されていることに基づいて、上述した１点ＡＦで表示されるＡＦ枠よりも大きなサイズで表示される。また、ＡＦ枠３０３は、動画撮影モード用に設定されたＡＦ枠の位置情報に基づいて、ライブビュー画像３０２に対して右側に偏った位置に表示される。ユーザは表示されたＡＦ枠３０３を視認することで、動画撮影モード用に設定された、ＡＦ形式およびＡＦ枠の位置を確認することができる。なお、ユーザはタッチＡＦを指示したり、方向キー１０９を操作したりすることで、ＡＦ枠３０３の位置を変更することができる。
本実施形態のカメラ１００は、撮影モードが動画撮影モードに切替えられることで動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ枠３０３を表示すると共に、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を開始する。また、カメラ１００は、ユーザがＡＦ処理の開始を指示することでも、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を開始する。

このように本実施形態のカメラ１００は、静止画撮影モードと動画撮影モードとで異なるＡＦに関する設定情報を設定可能である。この場合、撮影モードが切替えられることで各撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理が開始される。したがって、ユーザがＡＦ形式およびＡＦ枠の位置を、静止画撮影モードと動画撮影モードとで使い分けている場合に、各撮影モードで異なるＡＦに関する設定情報を設定することで、ユーザの利便性を向上させることができる。

一方、静止画撮影モードから動画撮影モードに切替えられるときに、一律に動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に変更してＡＦ処理をしてしまうと却ってユーザの利便性を損ねてしまう場合がある。したがって、本実施形態のカメラ１００は、静止画撮影モードから動画撮影モードに切替えられるときに、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を実行するか否かをユーザの意図に沿うように制御する。
以下では、カメラ１００の不揮発性メモリ２２３に、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報および動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報が予め記憶されているものとして説明する。

図４は、第１の実施形態に係る処理の一例を示すフローチャートである。図４に示すフローチャートの各処理は、システム制御部５０が不揮発性メモリ２２３に記録されたプログラムをシステムメモリ２２４に展開して実行することにより実現される。また、図４に示すフローチャートは、撮影モードが静止画撮影モードである場合に処理が開始される。

Ｓ４０１では、システム制御部５０はユーザの操作を受け付ける。
Ｓ４０２では、システム制御部５０はユーザの操作が動画の撮影指示であるか否かを判定する。動画の撮影指示である場合にはＳ４０７に進み、そうではない場合にはＳ４０３に進む。具体的には、システム制御部５０は動画撮影ボタン１０５が押下された場合に動画の撮影指示であると判定する。

Ｓ４０３では、システム制御部５０はユーザの操作がＡＦ処理を開始する指示であるか否かを判定する。ＡＦ処理を開始する指示である場合にはＳ４０４に進み、そうではない場合にはＳ４０５に進む。具体的には、システム制御部５０はシャッターボタン１０１が半押しされ第１シャッタースイッチ信号ＳＷ１を受信することでＡＦ処理を開始する指示であると判定する。また、システム制御部５０はＡＦ開始ボタン１１４が操作されたり、タッチパネルでタッチＡＦの指示を受け付けたりした場合でも、ＡＦ処理を開始する指示であると判定する。

Ｓ４０４では、システム制御部５０は現在の撮影設定情報を取得して、取得した撮影設定情報に基づいてＡＦ処理を行う。具体的には、システム制御部５０は静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行う。なお、システム制御部５０はＳ４０４以前にユーザの操作に基づいて、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報を更新している場合には、更新したＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行う。

Ｓ４０５では、システム制御部５０はユーザの操作が静止画の撮影指示であるか否かを判定する。具体的には、システム制御部５０はシャッターボタン１０１が全押しされ第２シャッタースイッチ信号ＳＷ２を受信することで静止画の撮影指示であると判定する。
静止画の撮影指示である場合にはＳ４０６に進み、そうではない場合には、システム制御部５０はＡＥ処理やＡＷＢ処理など静止画撮影および動画撮影に欠かせない処理や撮影設定情報を変更する処理などをした後にＳ４１４に進む。

一方、Ｓ４０２からＳ４０７に進んだ場合、システム制御部５０は現在の撮影設定情報のうち静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報を取得する。なお、システム制御部５０はＳ４０７以前にユーザの操作に基づいて、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報を更新している場合には、更新したＡＦに関する設定情報を取得する。

Ｓ４０８では、システム制御部５０はＳ４０７で取得したＡＦに関する設定情報に基づいて合焦しているか否かの判定を行う。ここでは、ユーザにより既に動画の撮影指示がされているにも関わらず、システム制御部５０は動画撮影モード用ではなく、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいて合焦を判定する。
例えば、上述した図３（ａ）では静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報は、ＡＦ形式が１点ＡＦであり、ＡＦ処理を行う位置がＡＦ枠３０１の位置である。図３（ａ）に示す例では、システム制御部５０は１点ＡＦおよびＡＦ枠３０１の位置に基づいて合焦しているか否かの判定を行う。
システム制御部５０は合焦しているか否かの情報をシステムメモリ２２４に記憶する。

Ｓ４０９では、システム制御部５０は撮影モードを静止画撮影モードから動画撮影モードに切替える。
Ｓ４１０では、システム制御部５０は現在の撮影設定情報のうち動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報を取得する。
Ｓ４１１では、システム制御部５０は所定条件を満たしているか否かを判定する。本実施形態では、システム制御部５０はＳ４０８において合焦していると判定されたか否かを判定する。具体的には、システム制御部５０はシステムメモリ２２４に記憶された、合焦しているか否かの情報に基づいて判定する。合焦していない場合にはＳ４１２に進み、合焦している場合にはＳ４１２の処理を行わずにＳ４１３に進む。

Ｓ４１２では、システム制御部５０は動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行う。
例えば、上述した図３（ｂ）では静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報は、ＡＦ形式がゾーンＡＦであり、ＡＦ処理を行う位置がＡＦ枠３０３の位置である。図３（ｂ）に示す例では、システム制御部５０はゾーンＡＦおよびＡＦ枠３０３の位置に基づいてＡＦ処理を行う。

Ｓ４１３では、システム制御部５０は動画の撮影を開始する。具体的には、システム制御部５０は撮像部２１３によって得られＡ／Ｄ変換器２１５によりデジタルデータに変換された動画データをメモリ２１８に書き込む処理を開始する。
ここでは、Ｓ４１２を経由してＳ４１３に進む場合とＳ４１２を経由せずにＳ４１３に進む場合とに分けて動画の撮影を開始する処理についてそれぞれ説明する。

まず、Ｓ４１１をＮｏに分岐してＳ４１２を経由してＳ４１３に進む場合、動画の撮影を開始するときには合焦していない状態である。この場合には、システム制御部５０は動画の撮影を開始する前にＳ４１２において動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行うことで、動画の撮影を開始する時点で合焦している動画を記録することができる。また、動画の撮影を開始した後に継続してＡＦ処理を行う場合には、システム制御部５０は動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行う。

一方、Ｓ４１１をＹｅｓに分岐してＳ４１２の処理をすることなくＳ４１３に進む場合、動画の撮影を開始するときには合焦している状態である。この場合には、システム制御部５０はＳ４１２においてＡＦ処理を行わなくても、動画の撮影を開始する時点で合焦している動画を記録することができる。また、動画の撮影を開始した後に継続してＡＦ処理を行う場合には、システム制御部５０は静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行う。なお、システム制御部５０はＳ４０７以前にユーザの操作に基づいて、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報を更新している場合には、更新したＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行う。

Ｓ４１４では、システム制御部５０はユーザの操作が終了指示であるか否かを判定する。終了指示である場合には処理を終了し、終了指示ではない場合には更に撮影モードが静止画撮影モードに切替えられる操作を受け付けることでＳ４０１に戻り、Ｓ４０１からＳ４１４までの処理を繰り返す。

以上、本実施形態によれば、システム制御部５０は、静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示が受け付けたときに所定条件を満さない場合、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行うように制御する。一方、システム制御部５０は、所定条件を満たす場合には、ＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始するように制御する。
このように、静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示が受け付けたときに、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を行うのが相応しくない場合などではシステム制御部５０はＡＦ処理を行わない。したがって、動画の撮影指示が受け付けたときに一律に、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行う場合に比べて、ユーザの意図に沿った処理が行われる。すなわち、本実施形態によれば、静止画撮影モードと動画撮影モードとを切替える場合にユーザの利便性を向上させることができる。

また、本実施形態の所定条件とは、静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、合焦しているという条件である。このように、静止画撮影モードの状態で合焦しているときにユーザが動画の撮影指示をする場合には、ユーザは合焦を維持させた動画を記録したい意図があると想定される。したがって、静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、合焦しているという条件を満たす場合には、ＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始することで、ユーザの意図に沿った動画を記録することができる。
一方、静止画撮影モードの状態で合焦していないときにユーザが動画の撮影指示をする場合には、ユーザは動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を期待していると想定される。したがって、静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示が受け付けたときに、合焦している条件を満たさない場合には、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を行うことで、ユーザの意図に沿った動画を記録することができる。

＜第２の実施形態＞
第１の実施形態では、静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、合焦しているという条件を満たす場合に、ＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始する場合について説明した。本実施形態の所定の条件は、静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、静止画撮影モードの状態でユーザによる指示に応じたＡＦ処理を最後に行ってから所定の期間を経過していないという条件である。

図５は、第２の実施形態に係る処理の一例を示すフローチャートである。図５に示すフローチャートの各処理は、システム制御部５０が不揮発性メモリ２２３に記録されたプログラムをシステムメモリ２２４に展開して実行することにより実現される。また、図５に示すフローチャートは、撮影モードが静止画撮影モードである場合に処理が開始される。なお、図５に示すフローチャートのうち図４に示すフローチャートと同一の処理は、同一のステップ番号Ｓを付して説明を適宜、省略する。

Ｓ４０３においてユーザの操作がＡＦ処理を開始する指示であるためにＳ４０４に進み、Ｓ４０４において静止画撮影モードにおけるＡＦ処理が行われることでＳ５０１に進む。
Ｓ５０１では、システム制御部５０はＳ４０３においてＡＦ処理が行われてから所定の期間までの経過を計測する。具体的には、システム制御部５０はシステムタイマ２２５に指示することでシステムタイマ２２５が所定の期間に対応するタイマーを設定してカウントダウンを行う。所定の期間の情報は、例えば不揮発性メモリ２２３に記憶されている。

一方、Ｓ４０２においてユーザの操作が動画の撮影指示であるためにＳ４０９に進み、Ｓ４０９において静止画撮影モードから動画撮影モードに切替えられ、Ｓ４１０において動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報を取得した後にはＳ５０２に進む。なお、本実施形態では、第１の実施形態におけるＳ４０７およびＳ４０８の処理を行わない。
Ｓ５０２では、システム制御部５０は所定条件を満たしているか否かを判定する。本実施形態では、システム制御部５０は静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、静止画撮影モードの状態でユーザによる指示に応じたＡＦ処理を最後に行ってから所定の期間が経過しているか否かを判定する。具体的には、システム制御部５０はＳ５０１において設定したタイマーがタイムアウトした場合に所定の期間が経過したと判定する。所定の期間が経過している場合にはＳ４１２に進み、所定の期間が経過していない場合にはＳ４１２の処理を行わずにＳ４１３に進む。

Ｓ４１２では、システム制御部５０は動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行う。この処理は、第１の実施形態と同様の処理である。
Ｓ４１３では、システム制御部５０は動画の撮影を開始する。この処理は、第１の実施形態と同様の処理である。
ここでは、Ｓ４１２を経由してＳ４１３に進む場合とＳ４１２を経由せずにＳ４１３に進む場合とに分けて動画の撮影を開始する処理について説明する。

まず、Ｓ５０２をＹｅｓに分岐してＳ４１２を経由してＳ４１３に進む場合、所定の期間が経過している、すなわち設定したタイマーがタイムアウトしている状態である。この場合には、システム制御部５０は動画の撮影を開始する前にＳ４１２において動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行うことで、動画の撮影を開始する時点で合焦している動画を記録することができる。
一方、Ｓ５０２をＮｏに分岐してＳ４１２の処理をすることなくＳ４１３に進む場合、所定の期間が経過していない、すなわち設定したタイマーがタイムアウトしていない状態である。この場合には、Ｓ４１２においてＡＦ処理を行わなくても、Ｓ４０４でのＡＦ処理から所定の期間が経過しておらず、合焦している動画を記録することができる。

このように本実施形態の所定条件とは、静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、静止画撮影モードの状態でユーザによる指示に応じたＡＦ処理を最後に行ってから所定の期間を経過していないという条件である。このように、静止画撮影モードの状態でユーザによる指示に応じたＡＦ処理を最後に行ってから所定の期間が経過するまでは、ユーザが所望する合焦状態を維持させた上で動画を記録したい意図があると想定される。したがって、ＡＦ処理を最後に行ってから所定の期間を経過していないという条件を満たす場合にＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始することで、ユーザの意図に沿った動画を記録することができる。

一方、所定の期間を経過した後では、例えば、ユーザが異なるシチュエーションで動画を撮影したい意図などがあると想定される。したがって、ＡＦ処理を最後に行ってから所定の期間を経過していないという条件を満たさない場合には、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を行うことで、ユーザの意図に沿った動画を記録することができる。
なお、所定の期間は、例えば、一般的なユーザがＡＦ処理を開始する指示をしてから動画の撮影指示をするまでに掛かる時間に余裕を加えた時間を設定することができる。

＜第３の実施形態＞
第１の実施形態では、静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、合焦しているという条件を満たす場合に、ＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始する場合について説明した。本実施形態の所定の条件は、静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、ユーザによるＡＦ処理を指示する操作中であるという条件である。

図６は、第３の実施形態に係る処理の一例を示すフローチャートである。図６に示すフローチャートの各処理は、システム制御部５０が不揮発性メモリ２２３に記録されたプログラムをシステムメモリ２２４に展開して実行することにより実現される。また、図６に示すフローチャートは、撮影モードが静止画撮影モードである場合に処理が開始される。なお、図６に示すフローチャートのうち図４に示すフローチャートと同一の処理は、同一のステップ番号Ｓを付して説明を適宜、省略する。

Ｓ４０３においてユーザの操作がＡＦ処理を開始する指示であるためにＳ４０４に進み、Ｓ４０４において静止画撮影モードにおけるＡＦ処理が行われることでＳ６０１に進む。
Ｓ６０１では、システム制御部５０はＡＦ処理を指示する操作中である旨の情報を記憶する。具体的には、システム制御部５０はＡＦフラグを有効にしてシステムメモリ２２４に記憶する。一方、Ｓ４０３においてユーザの操作がＡＦ処理を開始する指示ではない場合にはＳ６０２に進む。
Ｓ６０２では、システム制御部５０はＳ６０１において記憶したＡＦ処理を指示する操作中である旨の情報を削除する。具体的には、システム制御部５０はＡＦフラグを無効にしてシステムメモリ２２４に記憶する。
したがって、ユーザの操作によりＡＦ処理が開始され、動画の撮影指示あるいはＡＦ処理を開始する指示以外の指示があるまではＡＦ処理を指示する操作中である旨の情報が記憶される。

ここで、Ｓ６０１の処理が行われるのは、例えば、ＡＦ処理を指示するための操作部が操作されている状態、あるいはＡＦ処理を行う位置を指示するための操作部が操作されている状態などの場合である。ここで、ＡＦ処理を指示するための操作部が操作されている状態とは、例えば、ユーザがシャッターボタン１０１の半押しを継続している状態や、ユーザがＡＦ開始ボタン１１４の押下を継続している状態をいう。また、ＡＦ処理を行う位置を指示するための操作部が操作されている状態とは、例えば、ユーザがタッチＡＦのためにタッチパネルへのタッチを継続している状態をいう。
一方、Ｓ６０２の処理が行われるのは、例えば、ＡＦ処理を指示するための操作部が操作されている状態が解除、あるいはＡＦ処理を行う位置を指示するための操作部が操作されている状態が解除された場合である。ここで、ＡＦ処理を指示するための操作部が操作されている状態が解除とは、例えば、ユーザがシャッターボタン１０１の半押しを解除した場合や、ユーザがＡＦ開始ボタン１１４の押下を解除した場合をいう。また、ＡＦ処理を行う位置を指示するための操作部が操作されている状態が解除とは、例えば、ユーザがタッチＡＦのためのタッチパネルへのタッチを解除、すなわちタッチしなくなった場合をいう。

次に、Ｓ４０２においてユーザの操作が動画の撮影指示であるためにＳ４０９に進み、Ｓ４０９において静止画撮影モードから動画撮影モードに切替えられ、Ｓ４１０において動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報を取得した後にはＳ６０３に進む。なお、本実施形態では、第１の実施形態におけるＳ４０７およびＳ４０８の処理を行わない。
Ｓ６０３では、システム制御部５０は所定条件を満たしているか否かを判定する。本実施形態では、システム制御部５０はＡＦ処理を指示する操作中であるか否かを判定する。具体的には、システム制御部５０はシステムメモリ２２４にＡＦフラグが有効に記憶されているか否かを判定する。ＡＦ処理を指示する操作中ではない場合にはＳ４１２に進み、ＡＦ処理を指示する操作中である場合にはＳ４１２の処理を行わずにＳ４１３に進む。

Ｓ４１２では、システム制御部５０は動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行う。この処理は、第１の実施形態と同様の処理である。
Ｓ４１３では、システム制御部５０は動画の撮影を開始する。この処理は、第１の実施形態と同様の処理である。
ここでは、Ｓ４１２を経由してＳ４１３に進む場合とＳ４１２を経由せずにＳ４１３に進む場合とに分けて動画の撮影を開始する処理について説明する。

まず、Ｓ６０３をＮｏに分岐してＳ４１２を経由してＳ４１３に進む場合、ＡＦ処理を指示する操作中ではない状態である。この場合には、システム制御部５０は動画の撮影を開始する前にＳ４１２において動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行うことで、動画の撮影を開始する時点で合焦している動画を記録することができる。

一方、Ｓ６０３をＹｅｓに分岐してＳ４１２の処理をすることなくＳ４１３に進む場合、ＡＦ処理を指示する操作中の状態である。この場合には、Ｓ４０３から続くＡＦ処理を指示する操作に応じてＡＦ処理が継続されていることから、動画の撮影を開始する時点で合焦している動画を記録することができる。なお、Ｓ６０３からＹｅｓに分岐する場合を具体的に説明すると、例えば、ユーザがシャッターボタン１０１の半押しを継続している状態やユーザがＡＦ開始ボタン１１４の押下を継続している状態で、更にユーザが動画撮影ボタン１０５を押下する場合である。また、Ｓ６０３からＹｅｓに分岐する場合は、ユーザがタッチＡＦのためにタッチパネルへのタッチを継続している状態で、更にユーザが動画撮影ボタン１０５を押下する場合であってもよい。なお、動画の撮影を開始した後に継続してＡＦ処理を行う場合には、システム制御部５０はＡＦ処理を指示する操作に応じて更新された静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行う。

このように本実施形態の所定条件とは、静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、ユーザによるＡＦ処理を指示する操作中であるという条件である。このように、ユーザによるＡＦ処理を指示する操作中に、更に動画の撮影指示がされた場合には、ユーザが指示しているＡＦ処理で動画を記録したい意図があると想定される。そのため、ユーザによるＡＦ処理を指示する操作中であるという条件を満たす場合には、ＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始する。したがって、ユーザの意図に沿った動画を記録することができる。

一方、ユーザによるＡＦ処理を指示する操作中ではなく動画の撮影指示がされた場合には、ユーザは動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理によって動画を記録したい意図などがあると想定される。したがって、ユーザによるＡＦ処理を指示する操作中であるという条件を満たさない場合には、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を行うことで、ユーザの意図に沿った動画を記録することができる。
なお、本実施形態では、ユーザによるＡＦ処理を指示する操作中であるという条件を満たす場合には、ＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、システム制御部５０は、ユーザによるＡＦ処理を指示する操作中であるという条件を満たす場合には、少なくとも動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を行わず、ユーザによるＡＦ処理を指示する操作中に基づくＡＦ処理を実行して動画の記録を開始してもよい。このように、少なくとも動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を行わないことで、ユーザの意図に沿った動画を記録することができる。

＜他の実施形態＞
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するプログラムをネットワークまたは各種記録媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ（ＣＰＵやＭＰＵ等）がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、該プログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体は本発明を構成する。

以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能であり、上述した実施形態を適時組み合わせてもよい。
なお、システム制御部５０が行うものとして説明した上述の各種制御は１つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア（例えば、複数のプロセッサーや回路）が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。

また、上述した実施形態では、本発明を撮像装置（カメラ）に適用する場合について説明したが、この場合に限られず、静止画撮影モードと動画撮影モードとで異なるＡＦに関する設定情報を設定可能な装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は、スマートフォン、タブレットＰＣ、携帯型のパーソナルコンピュータ、ＰＤＡ等に適用可能である。
また、上述した実施形態では、本発明を撮像装置本体（カメラ本体）に適用する場合について説明したが、この場合に限られず、有線または無線通信を介して撮像装置（ネットワークカメラを含む）と通信し、撮像装置を遠隔で制御する制御装置にも適用可能である。撮像装置を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォン、タブレットＰＣ、デスクトップＰＣ等の装置である。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から撮像装置に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、撮像装置を遠隔から制御可能である。また、撮像装置で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。

５０：システム制御部 １００：カメラ（撮像制御装置） １０１：シャッターボタン １０５：動画撮影ボタン １０６：表示部 １１４：ＡＦ開始ボタン ２２８：操作部

Claims (14)

1. 静止画撮影モードと動画撮影モードとで異なるＡＦに関する設定情報を設定可能な撮像制御装置であって、
   前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに所定条件を満さない場合には、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行って動画の記録を開始し、
   前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに前記所定条件を満たす場合には、前記動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始するように制御する制御手段を有することを特徴とする撮像制御装置。
2. 前記制御手段は、
   前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに前記所定条件を満たす場合には、ＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始するように制御することを特徴とする請求項１に記載の撮像制御装置。
3. 前記制御手段は、
   前記所定条件を満さないことにより前記動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行って動画の記録を開始した後、継続してＡＦ処理を行う場合には、前記動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行うことを特徴とする請求項１または２に記載の撮像制御装置。
4. 前記制御手段は、
   前記所定条件を満たすことによりＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始した後、継続してＡＦ処理を行う場合には、静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行うことを特徴とする請求項１ないし３の何れか１項に記載の撮像制御装置。
5. 前記所定条件とは、
   前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、合焦しているという条件であることを特徴とする請求項１ないし４の何れか１項に記載の撮像制御装置。
6. 前記制御手段は、
   前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、合焦しているか否かを判定した後に、前記静止画撮影モードから前記動画撮影モードに切替えることを特徴とする請求項５に記載の撮像制御装置。
7. 前記所定条件とは、
   前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、前記静止画撮影モードの状態でユーザによる指示に応じたＡＦ処理を最後に行ってから所定の期間を経過していないという条件であることを特徴とする請求項１ないし４の何れか１項に記載の撮像制御装置。
8. 前記静止画撮影モードの状態でユーザによる指示に応じたＡＦ処理は、
   静止画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理であることを特徴とする請求項７に記載の撮像制御装置。
9. 前記所定条件とは、
   前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、ユーザによるＡＦ処理を指示する操作中であるという条件であることを特徴とする請求項１ないし４の何れか１項に記載の撮像制御装置。
10. 前記所定条件とは、
    前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに、
    ＡＦ処理を指示するための操作部が操作されている状態、あるいはＡＦ処理を行う位置を指示するための操作部が操作されている状態であるという条件であることを特徴とする請求項９に記載の撮像制御装置。
11. 前記ＡＦに関する設定情報は、
    ＡＦ処理の形式、およびＡＦ処理を行う位置の少なくとも何れかの情報を含むことを特徴とする請求項１ないし１０の何れか１項に記載の撮像制御装置。
12. 静止画撮影モードと動画撮影モードとでそれぞれ異なるＡＦに関する設定情報を設定可能な撮像制御装置の制御方法であって、
    前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに所定条件を満さない場合には、動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいてＡＦ処理を行って動画の記録を開始し、
    前記静止画撮影モードの状態で動画の撮影指示を受け付けたときに前記所定条件を満たす場合には、前記動画撮影モード用に設定されたＡＦに関する設定情報に基づいたＡＦ処理を行わずに動画の記録を開始するように制御する制御ステップを有することを特徴とする撮像制御装置の制御方法。
13. コンピュータを、請求項１ないし１１の何れか１項に記載された撮像制御装置の制御手段として機能させるためのプログラム。
14. コンピュータを、請求項１ないし１１の何れか１項に記載された撮像制御装置の制御手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。

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