JP2021024986A - ガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物および積層体 - Google Patents

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Tomoharu Miyanaga
朋治 宮永
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和幸 福田
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Abstract

【課題】塗布不良の発生を抑制できながら、ガスバリア層に優れたガスバリア性を付与できるガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物、および、そのガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物により得られる積層体を提供すること。【解決手段】ガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物に、芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を含有するポリイソシアネート成分と、ポリオールを含有する活性水素基含有成分とを含有させ、芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を、炭素数1〜8の単官能活性水素基含有化合物によって変性するか、または、活性水素基含有成分に、単官能活性水素基含有化合物をさらに含有させ、ポリオールに対する単官能活性水素基含有化合物のmol比を、0.1以上2.8以下に調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物および積層体に関する。
包装材料の分野において、プラスチックフィルムなどの各種フィルムにガスバリア層を形成して、包装材料にガスバリア性を付与することが知られている。
そのようなガスバリア層の材料として、例えば、活性水素含有化合物としてのエチレングリコールと、有機ポリイソシアネート化合物としてのキシリレンジイソシアネートおよびトリメチロールプロパンの反応生成物とを混合し、有機溶剤で固形分濃度を調整したポリウレタン樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1(実施例11)参照。)。
そのようなポリウレタン樹脂組成物は、塗布液としてフィルムに塗布された後、乾燥されて、ガスバリア層を形成する。
特開2004−10656号公報
しかし、特許文献1に記載のポリウレタン樹脂組成物をフィルムに塗布したときに、スジや抜けなどの塗布不良が生じるという不具合がある。
本発明は、塗布不良の発生を抑制できながら、ガスバリア層に優れたガスバリア性を付与できるガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物、および、そのガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物により得られる積層体を提供する。
本発明[1]は、芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を含有するポリイソシアネート成分と、ポリオールを含有する活性水素基含有成分と、を含み、前記芳香環含有多官能イソシアネート誘導体が、炭素数1〜8の単官能活性水素基含有化合物によって変性されているか、または、前記活性水素基含有成分が、前記単官能活性水素基含有化合物をさらに含み、前記ポリオールに対する前記単官能活性水素基含有化合物のmol比が、0.1以上2.8以下である、ガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物を含んでいる。
本発明[2]は、前記ポリオールは、ウレタン変性ポリオールを含有する、上記[1]に記載のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物を含んでいる。
本発明[3]は、前記単官能活性水素基含有化合物は、モノアルコールを含有することを特徴とする、上記[1]または[2]に記載のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物を含んでいる。
本発明[4]は、前記モノアルコールは、芳香脂肪族モノアルコールを含有する、上記[3]に記載のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物を含んでいる。
本発明[5]は、前記モノアルコールは、脂肪族モノアルコールを含有する、上記[3]に記載のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物を含んでいる。
本発明[6]は、フィルムと、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物の硬化物を含み、前記フィルム上に配置されるガスバリア層と、を備える、積層体を含んでいる。
本発明のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物では、芳香環含有多官能イソシアネート誘導体が単官能活性水素基含有化合物によって変性されているか、または、活性水素基含有成分が単官能活性水素基含有化合物を含み、ポリオールに対する単官能活性水素基含有化合物のmol比が上記下限以上である。
そのため、ガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物をフィルムに塗布したときに塗布不良が生じることを抑制できる。
また、単官能活性水素基含有化合物の炭素数が上記範囲であり、かつ、ポリオールに対する単官能活性水素基含有化合物のmol比が上記上限以下である。
そのため、ガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物の硬化物を含むガスバリア層に、優れたガスバリア性を付与できる。
本発明の積層体は、上記したガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物の硬化物を含むガスバリア層を備える。そのため、フィルムに対するガスバリア層の密着性の向上を図ることができながら、ガスバリア性の向上を図ることができる。
図1Aは、本発明の積層体の第1実施形態としてのラミネートフィルムの概略構成図である。図1Bは、本発明の積層体の第2実施形態としてのコートフィルムの概略構成図である。図1Cは、本発明の積層体の第3実施形態としてのコートフィルムの概略構成図である。
本発明のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物(以下、単にポリウレタン樹脂組成物とする。)は、ポリイソシアネート成分と、活性水素基含有成分とを含む。
<第1実施形態>
ポリウレタン樹脂組成物の第1実施形態では、ポリイソシアネート成分が、芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を含有し、活性水素基含有成分が、ポリオールおよび単官能活性水素基含有化合物を含有する。
第1実施形態において、ポリイソシアネート成分は、必須成分として、芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を含有する。
芳香環含有多官能イソシアネート誘導体は、分子骨格に芳香環を含有し、かつ、2つ以上、好ましくは、3以上のイソシアネート基を有する。具体的には、芳香環含有多官能イソシアネート誘導体は、芳香環含有イソシアネート単量体から誘導される。
芳香環含有イソシアネート単量体として、例えば、芳香族ポリイソシアネート単量体、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体などが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート単量体として、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m−、p−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物)、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジフェニルメタンジイソシネート(4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシネートもしくはその混合物)(MDI)、4,4’−トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート単量体などが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体として、例えば、キシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物)(TMXDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネート単量体などが挙げられる。
芳香環含有イソシアネート単量体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
芳香環含有多官能イソシアネート誘導体として、例えば、上記した芳香環含有イソシアネート単量体の多量体(例えば、2量体、3量体(例えば、イソシアヌレート変性体、イミノオキサジアジンジオン変性体)、5量体、7量体など)、アロファネート変性体(例えば、上記した芳香環含有イソシアネート単量体と、1価アルコールまたは2価アルコール(後述)との反応生成物であるアロファネート変性体など)、ポリオール変性体(例えば、上記した芳香環含有イソシアネート単量体と3価以上のアルコール(後述)との反応生成物であるポリオール変性体(アルコール付加体)など)、ビウレット変性体(例えば、上記した芳香環含有イソシアネート単量体と水またはアミン類との反応生成物であるビウレット変性体など)、ウレア変性体(例えば、上記した芳香環含有イソシアネート単量体とジアミンとの反応生成物であるウレア変性体など)、オキサジアジントリオン変性体(例えば、上記した芳香環含有イソシアネート単量体と炭酸ガスとの反応生成物であるオキサジアジントリオンなど)、カルボジイミド変性体(上記した芳香環含有イソシアネート単量体の脱炭酸縮合反応生成物であるカルボジイミド変性体など)、ウレトジオン変性体、ウレトンイミン変性体などが挙げられる。さらに、芳香環含有イソシアネート誘導体として、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)なども挙げられる。
1価アルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコールなどの炭素数1〜8の1価アルコールが挙げられ、好ましくは、イソブチルアルコールが挙げられる。
2価アルコールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなどの炭素数1〜8のアルキレンジオール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの炭素数1〜8のエーテルジオールなどが挙げられ、好ましくは、炭素数1〜8のアルキレンジオールが挙げられ、より好ましくは、1,3−ブチレングリコールが挙げられる。
3価以上のアルコールとして、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコールなどが挙げられ、好ましくは、3価アルコールが挙げられ、より好ましくは、トリメチロールプロパン(TMP)が挙げられる。
なお、以下では、2価以上のアルコールを総称して、低分子量ポリオールとする場合がある。低分子量ポリオールは、例えば、分子中に水酸基を2つ以上有し、分子量50以上300未満、好ましくは、400未満の化合物である。
芳香環含有多官能イソシアネート誘導体におけるイソシアネート基の平均官能基数は、例えば、2以上、好ましくは、2.5以上、例えば、4以下、好ましくは、3.5以下である。
また、芳香環含有多官能イソシアネート誘導体におけるイソシアネート基の含有量(NCO%)は、例えば、2質量%以上、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは、10質量%以上、例えば、40質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。
芳香環含有多官能イソシアネート誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
芳香環含有多官能イソシアネート誘導体として、好ましくは、芳香環含有イソシアネート単量体のポリオール変性体が挙げられ、より好ましくは、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体のポリオール変性体が挙げられ、さらに好ましくは、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体のTMP付加体が挙げられる。また、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体として、好ましくは、キシリレンジイソシアネート(XDI)が挙げられる。
つまり、ポリイソシアネート成分は、好ましくは、XDIのポリオール変性体を含有し、より好ましくは、XDIのTMP付加体を含有する。
また、ポリイソシアネート成分は、本発明の優れた効果を損なわない範囲で、任意成分として、その他のポリイソシアネートを含有することができる。
その他のポリイソシアネートとして、例えば、上記した芳香環含有イソシアネート単量体、芳香環不含有イソシアネート単量体、芳香環不含有イソシアネート誘導体などが挙げられる。
芳香環不含有イソシアネート単量体は、分子骨格に芳香環を含有しないポリイソシアネートであって、例えば、脂肪族ポリイソシアネート単量体などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート単量体として、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ドデカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
また、脂肪族ポリイソシアネート単量体には、脂環族ポリイソシアネート単量体が含まれる。脂環族ポリイソシアネート単量体として、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート)(IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4’−、2,4’−または2,2’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート、これらのTrans,Trans−体、Trans,Cis−体、Cis,Cis−体、もしくはその混合物))(H12MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート(各種異性体もしくはその混合物)(NBDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(HXDI)などの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
芳香環不含有イソシアネート誘導体は、芳香環不含有イソシアネート単量体から誘導される。芳香環不含有イソシアネート誘導体として、例えば、上記した芳香環含有多官能イソシアネート誘導体と同様のものが挙げられる。
その他のポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
その他のポリイソシアネートの含有割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
ポリイソシアネート成分は、ガスバリア性の観点から、とりわけ好ましくは、その他のポリイソシアネートを10質量%以下含有し、最も好ましくは、その他のポリイソシアネートを含有せず、芳香環含有多官能イソシアネート誘導体からなる。
第1実施形態において、活性水素基含有成分は、必須成分として、ポリオールおよび単官能活性水素基含有化合物を含有する。
ポリオールは、2つ以上の水酸基を含有する。ポリオールとして、例えば、上記した低分子量ポリオール、上記した低分子量ポリオールを変性した変性ポリオールなどが挙げられる。
低分子量ポリオールとして、好ましくは、炭素数2〜8のジオールが挙げられ、より好ましくは、炭素数2〜6のジオールが挙げられ、さらに好ましくは、エチレングリコールなどの炭素数2〜6のアルキレンジオール、ジエチレングリコールなどの炭素数2〜6のエーテルジオールなどが挙げられ、とりわけ好ましくは、エチレングリコールが挙げられる。
変性ポリオールとして、例えば、ウレタン変性ポリオール、ウレア変性ポリオール、ウレタンウレア変性ポリオールなどが挙げられ、好ましくは、ウレタン変性ポリオールが挙げられる。
ウレタン変性ポリオールは、例えば、ポリイソシアネートと、上記した低分子量ポリオールとの反応生成物であって、分子末端に水酸基を有する。
ウレタン変性ポリオールにおけるポリイソシアネートとして、例えば、上記した芳香環含有イソシアネート単量体(例えば、芳香族ポリイソシアネート単量体、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体など)、上記した芳香環不含有イソシアネート単量体(例えば、脂肪族ポリイソシアネート単量体など)、および、それらの誘導体などが挙げられる。
ウレタン変性ポリオールにおけるポリイソシアネートは、単独使用または2種以上併用することができる。
ウレタン変性ポリオールにおけるポリイソシアネートのなかでは、好ましくは、芳香環含有イソシアネート単量体が挙げられ、より好ましくは、芳香族ポリイソシアネート単量体が挙げられ、とりわけ好ましくは、芳香族ジイソシアネート単量体が挙げられ、特に好ましくは、トリレンジイソシアネート(TDI)が挙げられる。
ウレタン変性ポリオールにおける低分子量ポリオールとして、例えば、上記した2価アルコールが挙げられ、好ましくは、炭素数2〜8のアルキレンジオールおよびエーテルジオールが挙げられ、より好ましくは、炭素数2〜4のアルキレンジオールおよびエーテルジオールが挙げられ、さらに好ましくは、炭素数2〜4のアルキレンジオールが挙げられ、よりわけ好ましくは、エチレングリコール(EG)および1,4−ブチレングリコール(1,4−BG)の併用が挙げられる。
このようなウレタン変性ポリオールのなかでは、好ましくは、ジイソシアネート(例えば、TDIなどの芳香族ジイソシアネート単量体など)と、上記した2価アルコール(例えば、EGおよび1,4−BGなど)との反応により生成するウレタン変性ジオールなどが挙げられる。
ウレタン変性ポリオールの平均水酸基価は、例えば、100mgKOH/g以上、好ましくは、150mgKOH/g以上、例えば、500mgKOH/g以下、好ましくは、300mgKOH/g以下である。なお、ウレタン変性ポリオールの平均官能基数は、仕込み成分から算出することができ、また、平均水酸基価は、公知の滴定法から求めることができる(以下同様)。
ポリオールの平均官能基数は、2以上3以下、好ましくは、2である。
このようなポリオールは、単独使用または2種以上併用することができる。
このようなポリオールのなかでは、好ましくは、2価アルコールおよびウレタン変性ポリオールが挙げられ、より好ましくは、ウレタン変性ポリオールが挙げられ、さらに好ましくは、ウレタン変性ジオールが挙げられる。つまり、ポリオールは、好ましくは、2価アルコールおよび/またはウレタン変性ポリオールを含有し、より好ましくは、ウレタン変性ポリオールを含有し、さらに好ましくは、ウレタン変性ジオールを含有する。
ポリオールがウレタン変性ポリオールを含有すると、ポリウレタン樹脂組成物の粘度の向上を図ることができ、ポリウレタン樹脂組成物をフィルムに塗布して形成する塗膜の厚みを比較的厚くすることができる。
ポリオールの含有割合は、ポリイソシアネート成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、3質量部以上、例えば、60質量部以下、好ましくは、40質量部以下である。
単官能活性水素基含有化合物は、炭素数が1〜8の有機化合物であって、1つの活性水素基(例えば、水酸基、アミノ基、チオール基など)を有する。
単官能活性水素基含有化合物の炭素数が上記上限以下であると、後述するガスバリア層のガスバリア性の向上を図ることができる。
単官能活性水素基含有化合物として、例えば、モノアルコール(モノオール)、モノアミン、モノチオールが挙げられる。
モノアルコールは、1つの水酸基を有する有機化合物であって、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノールなどの脂肪族モノアルコール、例えば、シクロヘキサノールなどの脂環族モノアルコール、例えば、ベンジルアルコールなどの芳香脂肪族モノアルコールなどが挙げられる。
モノアミンは、1つのアミノ基を有する化合物であって、1つの1級アミノ基を有する1級モノアミン、および、1つの2級アミノ基を有する2級モノアミンを含む。
1級モノアミンとして、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミンなどの脂肪族1級モノアミン、例えば、シクロヘキシルアミンなどの脂環族1級モノアミン、例えば、ベンジルアミンなどの芳香脂肪族1級モノアミンなどが挙げられる。
2級モノアミンとして、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミンなどの脂肪族2級モノアミンなどが挙げられる。
モノチオールは、1つのチオール基を有する有機化合物であって、例えば、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、イソプロパンチオール、ブタンチオール、オクタンチオールなどの脂肪族モノチオール、例えば、シクロヘキサンチオールなどの脂環族モノチオール、例えば、ベンジルチオールなどの芳香脂肪族モノチオールなどが挙げられる。
単官能活性水素基含有化合物の分子量は、例えば、30以上、好ましくは、40以上、より好ましくは、50以上、さらに好ましくは、80以上、例えば、150以下、好ましくは、130以下である。
単官能活性水素基含有化合物は、単独使用または2種以上併用することができる。
単官能活性水素基含有化合物は、好ましくは、モノアルコールおよび/またはモノアミンを含有し、より好ましくは、モノアルコールを含有する。
また、モノアルコールは、ポリウレタン樹脂組成物の塗布作業性の観点から好ましくは、芳香脂肪族モノアルコールを含有する。
単官能活性水素基含有化合物が芳香脂肪族モノアルコールを含有すると、ポリウレタン樹脂組成物の粘度のさらなる向上を図ることができ、ポリウレタン樹脂組成物をフィルムに塗布して形成する塗膜をより厚くすることができる。
また、モノアルコールは、ガスバリア性の観点から好ましくは、脂肪族モノアルコールを含有する。
単官能活性水素基含有化合物が脂肪族モノアルコールを含有すると、後述するガスバリア層のガスバリア性の向上を図ることができる。
ポリオール(好ましくは、ジオール)に対する単官能活性水素基含有化合物のmol比は、0.1以上、好ましくは、0.2以上、より好ましくは、0.5以上、2.8以下、好ましくは、2.0以下、より好ましくは、1.5以下、さらに好ましくは、1.0以下である。
ポリオールに対する単官能活性水素基含有化合物のmol比が上記下限以上であると、ポリウレタン樹脂組成物をフィルムに塗布したときに塗布不良が生じることを抑制できる。ポリオールに対する単官能活性水素基含有化合物のmol比が上記上限以下であると、後述するガスバリア層に、優れたガスバリア性を付与できる。
単官能活性水素基含有化合物の含有割合は、ポリイソシアネート成分100質量部に対して、例えば、0.3質量部以上、好ましくは、1.0質量部以上、さらに好ましくは、2.0質量部以上、とりわけ好ましくは、5.0質量部以上、例えば、25質量部以下、好ましくは、20質量部以下、より好ましくは、15質量部以下である。
さらに、活性水素基含有成分は、本発明の優れた効果を損なわない範囲で、任意成分として、高分子量ポリオールを含有することができる。
高分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有し、数平均分子量400以上、好ましくは、500以上の有機化合物であって、例えば、ポリエーテルポリオール(例えば、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールなど)、ポリエステルポリオール(例えば、アジピン酸系ポリエステルポリオール、フタル酸系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオールなど)、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール(例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどをポリイソシアネートによりウレタン変性したポリオール)、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ビニルモノマー変性ポリオールなどが挙げられる。
高分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
高分子量ポリオールの含有割合は、ガスバリア性の観点から、活性水素基含有成分の総量100質量部に対して、例えば、10質量部以下、好ましくは、0質量部である。つまり、活性水素基含有成分は、好ましくは、高分子量ポリオールを含まない。
言い換えれば、活性水素基含有成分は、ガスバリア性の観点から、とりわけ好ましくは、高分子量ポリオールを含有せず、ポリオールおよび単官能活性水素基含有化合物からなる。
また、ポリウレタン樹脂組成物では、必要に応じて、ポリイソシアネート成分および活性水素基含有成分のいずれか一方またはその両方には、必要に応じて、例えば、リンの酸素酸またはその誘導体、シランカップリング剤、消泡剤、エポキシ樹脂、触媒、塗工性改良剤、レベリング剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、可塑剤、界面活性剤、顔料、充填剤、有機または無機微粒子、防黴剤などの添加剤を適宜配合することができる。添加剤の配合量は、その目的および用途により適宜決定される。
このようなポリウレタン樹脂組成物は、例えば、二液型ポリウレタン樹脂原料、または、一液型ポリウレタン樹脂原料として調製される。
二液型ポリウレタン樹脂原料では、上記したポリイソシアネート成分を含有するA剤(主剤)と、上記した活性水素基含有成分を含有するB剤(硬化剤)とが別々に調製され、使用時に配合される。
二液型ポリウレタン樹脂原料の使用時において、A剤とB剤との配合割合は、例えば、活性水素基含有成分の活性水素基に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比R(NCO/活性水素基)が、例えば、0.5〜5、好ましくは、0.6〜3となる割合である。
一液型ポリウレタン樹脂原料として、湿気や蒸気(アミン蒸気など)などにより硬化する湿気硬化型接着剤が挙げられる。
一液型ポリウレタン樹脂原料は、例えば、上記したポリイソシアネート成分および上記した活性水素基含有成分を反応させることにより得られる、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含有する。ウレタンプレポリマーを調製するには、ポリイソシアネート成分と活性水素基含有成分とを、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基が、活性水素基含有成分の活性水素基に対して過剰となるように配合して、必要により公知のウレタン化触媒の存在下で、反応させる。
一液型ポリウレタン樹脂原料において、活性水素基含有成分とポリイソシアネート成分との配合割合は、例えば、活性水素基含有成分の活性水素基に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比R(NCO/活性水素基)が、例えば、1を超過し、好ましくは、1.1〜8.0、さらに好ましくは、1.2〜5.0となる割合である。また、反応条件は、例えば、真空下において、反応温度が50〜140℃、反応時間が1〜5時間である。
これにより得られるウレタンプレポリマーは、分子末端にイソシアネート基を有しており、そのイソシアネート基が大気中の湿気や蒸気(アミン蒸気など)などと反応することにより、硬化することができる。
また、ポリウレタン樹脂組成物(二液型ポリウレタン樹脂原料および一液型ポリウレタン樹脂原料)は、好ましくは、有機溶剤を含有する。
ポリウレタン樹脂組成物が二液型ポリウレタン樹脂原料である場合、有機溶剤は、A剤および/またはB剤に配合されていてもよく、A剤およびB剤の配合時に別途、配合されていてもよい。
A剤に有機溶剤が配合されている場合、A剤の固形分濃度は、例えば、30質量%以上、好ましくは、50質量%以上、より好ましくは、60質量%以上、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。
また、A剤に有機溶剤が配合されている場合、A剤におけるイソシアネート基の含有量(NCO%)は、例えば、1質量%以上、好ましくは、3質量%以上、より好ましくは、5質量%以上、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
B剤に有機溶剤が配合されている場合、B剤の固形分濃度は、例えば、50質量%以上、好ましくは、60質量%以上、より好ましくは、70質量%以上、例えば、95質量%以下、好ましくは、90質量%以下である。
有機溶剤として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのアルキルエステル類、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル類、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの極性非プロトン類などが挙げられる。有機溶剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
有機溶剤のなかでは、好ましくは、アルキルエステル類が挙げられ、さらに好ましくは、酢酸エチルが挙げられる。
ポリウレタン樹脂組成物において、有機溶剤の含有割合は、ポリイソシアネート成分および活性水素基含有成分の固形分(樹脂固形分)の総量が、所定の割合になるように、適宜設定される。
ポリウレタン樹脂組成物の固形分濃度は、後述する塗布作業性の観点から、例えば、5質量%以上、好ましくは、10質量%以上、より好ましくは、20質量%以上、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下、より好ましくは、30質量%以下である。
このようなポリウレタン樹脂組成物(有機溶剤含有)のザーンカップ粘度は、25℃において、例えば、10.0秒以上、好ましくは、11.0秒以上、より好ましくは、11.3秒以上、とりわけ好ましくは、12.0秒以上、例えば、15.0秒以下である。なお、ザーンカップ粘度は、後述する実施例に記載の方法に準拠して測定できる。
ザーンカップ粘度が上記下限以上であれば、ポリウレタン樹脂組成物をフィルムに塗布して形成する塗膜の厚みを比較的厚くすることができる。ザーンカップ粘度が上記上限以下であれば、塗布液がレベリングせずに気泡となることや、ポンプによる塗布液の循環時のつまりなどの不具合がなく塗布作業性の向上を図ることができる。
<積層体>
上記したポリウレタン樹脂組成物は、例えば、塗料、接着剤などのコーティング原料として好適に利用される。ポリウレタン樹脂組成物を使用して得られる積層体として、例えば、図1Aに示すラミネートフィルム1、図1Bに示すコートフィルム2、図1Cに示すコートフィルム3などが挙げられる。
図1Aに示すように、ラミネートフィルム1は、ポリウレタン樹脂組成物がラミネート用接着剤として利用される。つまり、ポリウレタン樹脂組成物は、ラミネート用接着剤である。ラミネートフィルム1は、第1フィルム4と、第2フィルム6と、ガスバリア層5とを備える。より具体的には、ラミネートフィルム1において、第1フィルム4と第2フィルム6とがガスバリア層5を介して接着されている。
第1フィルム4は、樹脂フィルムを備える。第1フィルム4は、必要に応じて、樹脂フィルムの厚み方向一方面に蒸着される無機薄膜(無機蒸着層)をさらに備えることができる。つまり、第1フィルム4は、無機薄膜を備えるフィルムであってもよく、無機薄膜を備えないフィルムであってもよい。
樹脂フィルムとして、例えば、プラスチックフィルムが挙げられ、具体的には、オレフィン系重合体(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル系重合体(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートや、それらのポリアルキレンアリレート単位を主成分とするコポリエステルなど)、ポリアミド系重合体(例えば、ナイロン6、ナイロン66など)、ビニル系重合体(例えば、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)などの重合体からなるプラスチックフィルムが挙げられる。
また、プラスチックフィルムは、必要に応じて、コロナ放電処理、プライマー処理などの各種処理がされていてもよい。
また、プラスチックフィルムとして、未延伸フィルム(未延伸ポリエチレン、未延伸ポリプロピレンなど)、または、一軸または二軸延伸フィルム(二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリアルキレンテレフタレート、ナイロンなど)のいずれも用いることができる。また、プラスチックフィルムは、各種共押出フィルム、または、プラスチックフィルム同士を予め貼着した複合フィルムとして、用意することもできる。
樹脂フィルムの厚みは、特に制限されないが、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
無機薄膜は、無機材料の薄膜である。無機材料として、例えば、周期表(IUPAC Periodic Table of the Elements(version date 22 June 007)に従う。以下同じ。)2族であるマグネシウム、カルシウム、バリウム、4族であるチタン、ジルコニウム、13族であるアルミニウム、インジウム、14族のケイ素、ゲルマニウム、スズなどの金属を含む無機物、例えば、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化スズなどの金属酸化物を含む無機酸化物、例えば、酸化窒化ケイ素などの無機窒化酸化物などが挙げられる。ガスバリア性および生産効率の観点から、好ましくは、アルミニウム、ケイ素およびそれらの酸化物が挙げられる。また、これらの金属およびそれらの酸化物は、複数を組み合わせて、金属および/または金属酸化物からなる層を形成してもよい。
無機薄膜は、樹脂フィルムの厚み方向一方面に、例えば、蒸着法(真空蒸着法、EB蒸着法など)、スパッタリング法、イオンプレーティング法、ラミネート法、プラズマ気相成長法(CVD法)などにより形成される。無機薄膜の形成方法のなかでは、好ましくは、真空蒸着法が挙げられる。
無機薄膜の厚みは、無機材料の種類や構成により適宜選択されるが、例えば、1nm以上、好ましくは、2nm以上であり、例えば、500nm以下、好ましくは、300nm以下である。
第2フィルム6は、例えば、第1フィルム4と同様の構成を有する。
ラミネートフィルム1において、ガスバリア層5は、接着剤層である。ガスバリア層5は、上記したポリウレタン樹脂組成物の硬化物を含む。ガスバリア層5は、第1フィルム4上に配置されており、より詳しくは、第1フィルム4と第2フィルム6との間に配置されている。
ガスバリア層5の厚みは、特に制限されないが、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
このようなラミネートフィルム1を調製するには、まず、第1フィルム4の厚み方向一方面に、上記したポリウレタン樹脂組成物を塗布する。
詳しくは、第1フィルム4の厚み方向一方面に、ポリウレタン樹脂組成物を、ラミネータにより塗布する。ポリウレタン樹脂組成物の塗布に用いられるラミネート装置は、順転写型塗布装置および逆転写型塗布装置(リバースコータ)のいずれであってもよい。
ラミネート温度(塗布温度)は、例えば、35℃以上、好ましくは、40℃以上である。ラミネートできれば温度上限はないが、通常、100℃以下、好ましくは、90℃以下、さらに好ましくは、85℃以下である。
ポリウレタン樹脂組成物の塗布量は、例えば、0.5g/m以上、好ましくは、1.0g/m以上、より好ましくは、1.5g/m以上、例えば、5g/m以下である。
次いで、その塗布面に第2フィルム6を貼着し、その後、常温または加温下において養生して、ポリウレタン樹脂組成物から有機溶剤を揮発させるとともに、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させる。これにより、ガスバリア層5が形成して、ラミネートフィルム1が調製される。
また、図1Bに示すように、コートフィルム2は、ポリウレタン樹脂組成物がコーティング剤(塗料)として利用される。つまり、ポリウレタン樹脂組成物は、コーティング剤である。コートフィルム2は、上記した第1フィルム4と、上記したガスバリア層5とを備える。コートフィルム2において、ガスバリア層5は、コート層である。
このようなコートフィルム2を調製するには、上記と同様にして、第1フィルム4の厚み方向一方面に、上記したポリウレタン樹脂組成物を塗布する。
その後、常温または加温下において養生して、ポリウレタン樹脂組成物から有機溶剤を揮発させるとともに、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させる。これにより、ガスバリア層5が形成して、コートフィルム2が調製される。
図1Cに示すように、コートフィルム3は、ポリウレタン樹脂組成物がアンカーコート剤として利用される。つまり、ポリウレタン樹脂組成物は、アンカーコート剤である。コートフィルム3は、上記した第1フィルム4と、上記したガスバリア層5と、コート層7とを備える。コートフィルム3において、ガスバリア層5は、アンカーコート層である。
このようなコートフィルム2を調製するには、上記と同様にして、第1フィルム4の厚み方向一方面に、上記したポリウレタン樹脂組成物を塗布する。
その後、常温または加温下において養生して、ポリウレタン樹脂組成物から有機溶剤を揮発させるとともに、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させる。これにより、ガスバリア層5が形成する。
次いで、ガスバリア層5の厚み方向一方面に、公知のコーティング剤(例えば、水系コーティング剤など)を塗布して、常温または加温下において養生して、コーティング剤から溶剤を揮発させるとともに、コーティング剤を硬化させる。これにより、コート層7が形成して、コートフィルム3が調製される。
<作用効果>
上記したポリウレタン樹脂組成物は、ポリイソシアネート成分が、芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を含有し、活性水素基含有成分が、ポリオールおよび単官能活性水素基含有化合物を含有する。そして、ポリオールに対する単官能活性水素基含有化合物のmol比が上記下限以上である。
そのため、ポリウレタン樹脂組成物をフィルムに塗布したときに塗布不良が生じることを抑制できる。
また、単官能活性水素基含有化合物の炭素数が上記範囲であり、かつ、ポリオールに対する単官能活性水素基含有化合物のmol比が上記上限以下である。
そのため、ポリウレタン樹脂組成物から形成されるガスバリア層に、優れたガスバリア性を付与できる。
なお、「ガスバリア性」とは、JIS K 7126(2006年)に基づく酸素透過度が、乾燥厚み2g/mの塗膜単独において44.8cc/m・day・atm以下であると定義される。
このようなガスバリア性は、主として、ポリウレタン樹脂の分子構造や、ハードセグメントおよびソフトセグメントの比率、さらには、凝集力によって発現されると推察される。
また、ポリオールがウレタン変性ポリオールを含有すると、ポリウレタン樹脂組成物の粘度の向上を図ることができる。そのため、ポリウレタン樹脂組成物をフィルムに塗布して形成される塗膜を比較的厚くすることができる。
また、モノアルコールが芳香脂肪族モノアルコールを含有すると、ポリウレタン樹脂組成物の粘度のさらなる向上を図ることができる。
とりわけ、ポリオールがウレタン変性ポリオールを含有し、かつ、モノアルコールが芳香脂肪族モノアルコールを含有する場合、ポリウレタン樹脂組成物の粘度の向上を顕著に図ることができる。
また、モノアルコールが脂肪族モノアルコールを含有すると、ガスバリア層のガスバリア性の向上を図ることができる。
また、図1A〜図1Cに示すように、積層体(ラミネートフィルム1、コートフィルム2およびコートフィルム3)は、上記したポリウレタン樹脂組成物の硬化物を含むガスバリア層5を備える。そのため、第1フィルム4に対するガスバリア層5の密着性の向上を図ることができながら、ガスバリア性の向上を図ることができる。
そのため、このような積層体は、食品、飲料、医薬品および医薬部外品などの各種の産業分野における包装材料として、好適に用いられる。
<第2実施形態>
ポリウレタン樹脂組成物の第2実施形態では、ポリイソシアネート成分が、単官能活性水素基含有化合物によって変性される芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を含有し、活性水素基含有成分が、ポリオールを含有する。
つまり、第1実施形態における芳香環含有多官能イソシアネート誘導体は、単官能活性水素基含有化合物によって変性されていない一方、第2実施形態における芳香環含有多官能イソシアネート誘導体は、単官能活性水素基含有化合物によって変性されている。
そこで、以下では、単官能活性水素基含有化合物によって変性されていない芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を、第1芳香環含有多官能イソシアネート誘導体とし、単官能活性水素基含有化合物によって変性されている芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を、第2芳香環含有多官能イソシアネート誘導体として、それらを区別する。
第2実施形態において、ポリイソシアネート成分は、必須成分として、第2芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を含有する。
第2芳香環含有多官能イソシアネート誘導体は、上記した第1芳香環含有多官能イソシアネート誘導体と、上記した単官能活性水素基含有化合物との反応生成物であって、分子末端にイソシアネート基を有する。
第2芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を調製するには、第1芳香環含有多官能イソシアネート誘導体と、単官能活性水素基含有化合物とを、第1芳香環含有多官能イソシアネート誘導体のイソシアネート基が単官能活性水素基含有化合物の活性水素基に対して過剰となるように配合して、例えば、不活性ガス雰囲気下において、50〜100℃、1〜8時間反応させる。
第2芳香環含有多官能イソシアネート誘導体におけるイソシアネート基の平均官能基数は、例えば、2以上、好ましくは、2.5以上、例えば、4以下、好ましくは、3.0以下である。
また、第2芳香環含有多官能イソシアネート誘導体におけるイソシアネート基の含有量(NCO%)は、例えば、2質量%以上、好ましくは、5質量%以上、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
第2芳香環含有多官能イソシアネート誘導体は、単独使用または2種類以上併用することができる。
第2芳香環含有多官能イソシアネート誘導体として、好ましくは、第1芳香環含有多官能イソシアネート誘導体とモノアルコールとの反応生成物、より好ましくは、芳香環含有イソシアネート単量体のポリオール変性体とモノアルコールとの反応生成物、さらに好ましくは、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体のポリオール変性体とモノアルコールとの反応生成物、とりわけ好ましくは、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体のTMP付加体とモノアルコールとの反応生成物が挙げられる。
また、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体として、好ましくは、キシリレンジイソシアネート(XDI)が挙げられる。また、モノアルコールとして、好ましくは、脂肪族アルコールおよび芳香脂肪族アルコールが挙げられ、より好ましくは、芳香脂肪族アルコールが挙げられる。
つまり、ポリイソシアネート成分は、好ましくは、XDIのポリオール変性体とモノアルコールとの反応生成物を含有し、より好ましくは、XDIのTMP付加体と芳香脂肪族アルコールとの反応生成物、および/または、XDIのTMP付加体と脂肪族アルコールとの反応生成物を含有し、さらに好ましくは、XDIのTMP付加体と芳香脂肪族アルコールとの反応生成物を含有する。
また、ポリイソシアネート成分は、本発明の優れた効果を損なわない範囲で、任意成分として、その他のポリイソシアネートを含有することができる。
その他のポリイソシアネートとして、例えば、上記した第1芳香環含有多官能イソシアネート誘導体、上記した芳香環含有イソシアネート単量体、上記した芳香環不含有イソシアネート単量体、上記した芳香環不含有イソシアネート誘導体などが挙げられる。
ポリイソシアネート成分は、とりわけ好ましくは、その他のポリイソシアネートを含有せず、第2芳香環含有多官能イソシアネート誘導体からなる。
第2実施形態において、活性水素基含有成分は、必須成分として、上記したポリオールを含有する。
活性水素基含有成分は、本発明の優れた効果を損なわない範囲で、任意成分として、その他の活性水素基含有化合物を含有することができる。
その他の活性水素基含有化合物として、例えば、上記した単官能活性水素基含有化合物、上記した高分子量ポリオールなどが挙げられる。
活性水素基含有成分は、とりわけ好ましくは、その他の活性水素基含有化合物を含有せず、ポリオールからなる。
このような第2実施形態においても、ポリオールに対する単官能活性水素基含有化合物のmol比は、上記の範囲である。
また、第2実施形態においても、ポリウレタン樹脂組成物は、上記と同様に、例えば、二液型ポリウレタン樹脂原料または一液型ポリウレタン樹脂原料として調製され、コーティング原料として好適に利用される。
そのため、このような第2実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、第2実施形態では、ポリイソシアネート成分が、単官能活性水素基含有化合物によって変性される芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を含有するので、ポリウレタン樹脂組成物の粘度の向上を図ることができる。とりわけ、単官能活性水素基含有化合物が芳香族モノアルコールを含有する場合、ポリウレタン樹脂組成物の粘度の向上を顕著に図ることができ、ポリウレタン樹脂組成物をフィルムに塗布して形成する塗膜の厚みを比較的厚くすることができる。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
調製例1
タケネートD−110N(XDIのトリメチロールプロパン(TMP)付加体、イソシアネート基含有量11.5質量%、固形分75質量%、溶媒:酢酸エチル、三井化学社製)952gと、エタノール(単官能活性水素基含有化合物)48gとを混合して、窒素雰囲気下において、70℃で5時間反応させた。
これによって、XDIのTMP付加体のエタノール変性体(第2芳香環含有多官能イソシアネート誘導体、以下「XDI−TMP−エタノール」とする。)が生成した。
以上によって、XDI−TMP−エタノールを含有するA剤を得た。A剤において、固形分濃度は76.2質量%であり、イソシアネート基含有量は、6.8質量%であった。
調製例2
エタノール48gを、ベンジルアルコール(単官能活性水素基含有化合物)106gに変更したこと以外は、調製例1と同様にして、XDIのTMP付加体のベンジルアルコール変性体(第2芳香環含有多官能イソシアネート誘導体、以下「XDI−TMP−ベンジルアルコール」とする。)を含有するA剤を得た。A剤において、固形分濃度は77.6質量%であり、イソシアネート基含有量は、6.4質量%であった。
調製例3
タケネートD−110N952gを914gに変更したこと、および、エタノール48gを86gに変更したこと以外は、調製例1と同様にして、XDI−TMP−エタノールを含有するA剤を得た。ポリイソシアネート成分において、固形分濃度は77.1質量%であり、イソシアネート基含有量は、2.9質量%であった。
調製例4
エチレングリコール(EG)182gと、1,4−ブチレングリコール(1,4−BG)265gとの混合液中に、窒素雰囲気下において、トリレンジイソシアネート(TDI)553gを、液温が70℃を超えないように滴下し、70℃で2時間反応させた。
これによって、EGおよび1,4−BGがTDIによって変性されたウレタン変性ポリオール(以下「TDI/EG/1,4−BG」とする。)が生成した。
その後、TDI/EG/1,4−BGを酢酸エチル250gに溶解して、TDI/EG/1,4−BGの酢酸エチル溶液を調製した。酢酸エチル溶液において、固形分濃度は75.0質量%であり、水酸基価(OHv)は、186mgKOH/gであった。
実施例1〜13
タケネートD−110N(XDIのTMP付加体、イソシアネート基含有量11.5質量%、固形分75質量%、溶媒:酢酸エチル、三井化学社製)を、ポリイソシアネート成分を含有するA剤として準備した。
また、表1に示すポリオールと、表1に示す単官能活性水素基含有化合物とを、表1に示す処方で混合して、活性水素基含有成分を含有するB剤を調製した。ポリオールに対する単官能活性水素基含有化合物のmol比を、表1に示す。
なお、実施例12および13では、B剤に、さらにリン酸を表1の処方となるように添加した。
次いで、塗布液(ポリウレタン樹脂組成物)の最終的な固形分濃度が30質量%となるように、A剤に酢酸エチルを添加した。なお、表1および表2では、ポリイソシアネート成分の質量部としてA剤の固形分の質量部を示し、有機溶剤として、A剤が含有する酢酸エチル、および、添加した酢酸エチルの総和を示す。
次いで、A剤とB剤とを、活性水素基含有成分の水酸基に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.1になるように加えて撹拌し、塗布液(ポリウレタン樹脂組成物)を調製した。
次いで、塗布液(ポリウレタン樹脂組成物)を、ドライラミネータによって、表1に示す第1フィルム(OPP厚さ20μm、PET厚さ12μm、LLDPE厚さ30μm)に、単位面積当たりの固形分質量が3.0g/mとなるように塗布した。
その後、塗布面に表1に示す第2フィルム(CPP厚さ20μm、LDPE厚さ40μm、VM−CPP25μm)を貼り合わせた後、酢酸エチルを揮発させた。これによって、接着剤層としてガスバリア層を備える積層体(ラミネートフィルム)を得た。なお、アルミニウム蒸着CPPフィルムを使用するときには、蒸着面(VM面)を塗布面に接触させた。
実施例14〜16
実施例11と同様にして調製した塗布液(ポリウレタン樹脂組成物)を、ドライラミネータによって、表2に示す第1フィルム(LLDPE厚さ30μm、OPP厚さ20μm、PET厚さ12μm)に、固形分質量が3.0g/mとなるように塗布した後、酢酸エチルを揮発させて、ガスバリア層を形成された。
これによって、コート層としてガスバリア層を備える積層体(コートフィルム)を得た。
実施例17
塗布液を実施例12と同様にして調製したこと、および、第1フィルムとしてアルミニウム蒸着CPPフィルムを使用したこと以外は、実施例14と同様にして、コート層としてガスバリア層を備える積層体(コートフィルム)を得た。
実施例18〜20
実施例11と同様にして調製した塗布液(ポリウレタン樹脂組成物)を、ドライラミネータによって、表2に示す第1フィルム(LLDPE厚さ30μm、OPP厚さ20μm、PET厚さ12μm)に、単位面積当たりの固形分質量が3.0g/mとなるように塗布した後、酢酸エチルを揮発させた。これによって、ガスバリア層が形成された。
次いで、ガスバリア層に、水系コーティング剤(三井化学社製、商品名WPB−341A)を、ドライラミネータにより、単位面積当たりの固形分質量が2.0g/mとなるように塗布し、水を揮散させた。
これによって、アンカーコート層としてガスバリア層を備える積層体(コートフィルム)を得た。
実施例21
塗布液を実施例12と同様にして調製したこと、および、第1フィルムとしてアルミニウム蒸着CPPフィルムを使用したこと以外は、実施例18と同様にして、アンカーコート層としてガスバリア層を備える積層体(コートフィルム)を得た。
実施例22および実施例23
調製例4において得られたTDI/EG/1,4−BGの酢酸エチル溶液に、表3に示す単官能活性水素基含有化合物を、表3に示す処方で混合して、活性水素基含有成分を含有するB剤を調製したこと以外は、実施例2と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
なお、表3では、ポリイソシアネート成分の質量部としてA剤の固形分の質量部を示し、活性水素基含有成分の質量部として、TDI/EG/1,4−BGおよび単官能活性水素基含有化合物を示し、有機溶剤として、A剤が含有する酢酸エチル、B剤が含有する酢酸エチル、および、添加した酢酸エチルの総和を示す。
実施例24
タケネートD−110Nを調製例1で得られたA剤に変更したこと、エチレングリコールのみをB剤としたこと、および、処方を表3に示す値に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
実施例25
タケネートD−110Nを調製例2で得られたA剤に変更したこと、エチレングリコールをB剤とした、および、処方を表3に示す値に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
実施例26
調製例4において得られたTDI/EG/1,4−BGの酢酸エチル溶液をB剤としたこと以外は、実施例24と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
実施例27
調製例4において得られたTDI/EG/1,4−BGの酢酸エチル溶液をB剤としたこと以外は、実施例25と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
比較例1
B剤にエタノールを添加せず、処方を表4に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
比較例2
エタノールを4−ヒドロキシメチルビフェニルに変更して、処方を表4に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
比較例3および比較例4
処方を表4に示す値に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
比較例5
処方を表4に示す値に変更したこと以外は、実施例24と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
比較例6
B剤にエタノールを添加せず、処方を表4に示す値に変更したこと以外は、実施例11と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
比較例7
B剤にエタノールを添加せず、処方を表4に示す値に変更したこと以外は、実施例12と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
比較例8
B剤にエタノールを添加せず、処方を表4に示す値に変更したこと以外は、実施例13と同様にして、積層体(ラミネートフィルム)を得た。
評価
以下の方法に従って積層体を評価した。その結果を、表1〜表4に示す。
<ザーンカップ粘度測定>
各実施例および各比較例において調製される塗布液(ポリウレタン樹脂組成物)の25℃におけるザーンカップ粘度を、ザーンカップ#3(オリフィス径:約3mm、離合社製)を用いて測定した。
<ポットライフ>
上記したザーンカップ粘度測定を、A剤およびB剤の配合5分後と、A剤およびB剤の配合6時間後とにおいて実施し、下記式(1)にてザーンカップ粘度の変化率を測定した。
ポットポライフ=配合6時間後のザーンカップ粘度(秒)/配合5分後のザーンカップ粘度(秒)・・・(1)
<コート性(外観)>
各実施例および各比較例の積層体の外観を目視で観察して、ヌケやスジなどの塗布不良の有無を確認した。
<酸素バリア性(酸素透過度)>
各実施例および各比較例の積層体について、JIS K 7126(2006年)に基づく酸素透過度を、酸素透過度測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/20)にて、20℃、相対湿度80%(80%RH)の条件下で測定した。なお、酸素透過量は、1m、1日および1気圧当たりの透過量として測定した。
また、第1フィルムとしてPETフィルムと、第2フィルムとしてCPPフィルムと、ガスバリア層とを備えるラミネートフィルムにおいて、20℃、相対湿度80%の条件下におけるJIS K 7126(2006年)に基づく酸素透過度の実用範囲は、120cc/m・day・atm以下である。
<T字密着力>
各実施例および各比較例の積層体から、各実施例および各比較例で調製されるサンプルのそれぞれから、長尺状(幅:15mm、長さ:150mm)の試験サンプルを切り出した。
なお、実施例14〜20の積層体においては、ガスバリア層に、ドライラミネート用接着剤として、タケネートA−969V(三井化学社製)と、タケネートA−5(三井化学社製)との混合物(タケネートA−969V/タケネートA−5=3/1(質量比))を、乾燥厚み3.0g/mとなるようにバーコーターにて塗布し、ドライヤーで乾燥させた。その後、未延伸ポリプロピレンフィルム(トーセロCP RXC−22(CPPフィルム、#66)、三井化学東セロ社製)をラミネートして、40℃で3日間養生した。
そして、JIS K 6854−3(1999年)に準拠して、その試験サンプルに対して、万能引張測定装置を用いて、クロスヘッド速度300mm/分にてT型剥離試験を実施し、積層体の接着強度を測定した。
Figure 2021024986
Figure 2021024986
Figure 2021024986
Figure 2021024986
なお、表中の略号の詳細を下記する。
XDI−TMP:キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加体
TDI:トリレンジイソシアネート
EG:エチレングリコール
1,4−BG:1,4−ブタンジオール
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレンフィルム
LDPE:低密度ポリエチレンフィルム
OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム
CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム
PET:ポリエチレンテレフタラートフィルム
VM−CPP:アルミ蒸着未延伸ポリプロピレンフィルム
MF:基材切れ(PETフィルム破断)
1 ラミネートフィルム
2 コートフィルム
3 コートフィルム
4 第1フィルム
5 ガスバリア層
6 第2フィルム

Claims (6)

  1. 芳香環含有多官能イソシアネート誘導体を含有するポリイソシアネート成分と、
    ポリオールを含有する活性水素基含有成分と、を含み、
    前記芳香環含有多官能イソシアネート誘導体が、炭素数1〜8の単官能活性水素基含有化合物によって変性されているか、または、前記活性水素基含有成分が、前記単官能活性水素基含有化合物をさらに含み、
    前記ポリオールに対する前記単官能活性水素基含有化合物のmol比が、0.1以上2.8以下であることを特徴とする、ガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物。
  2. 前記ポリオールは、ウレタン変性ポリオールを含有することを特徴とする、請求項1に記載のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 前記単官能活性水素基含有化合物は、モノアルコールを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 前記モノアルコールは、芳香脂肪族モノアルコールを含有することを特徴とする、請求項3に記載のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物。
  5. 前記モノアルコールは、脂肪族モノアルコールを含有することを特徴とする、請求項3に記載のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物。
  6. フィルムと、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスバリア性ポリウレタン樹脂組成物の硬化物を含み、前記フィルム上に配置されるガスバリア層と、を備えることを特徴とする、積層体。
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