本開示は、毛切断器具(hair cutting appliance)のブレードセットに関し、それぞれ装備された毛切断器具に関する。更に、本開示は、毛切断器具のためのブレードセットを製造する方法に関する。
特許文献1は、電気的に作動させられる毛切断器具のブレードセットのための静止ブレードを開示しており、ブレードは、第1の壁と、第2の壁とを含み、各壁は、第1の表面と、第1の表面から見て外方を向く表面と、複数の横方向に離間した長手方向に延びる突起を画定する横方向に延びる前縁とを画定し、第1及び第2の壁の第1の表面は、少なくともそれらの前縁で互いに面し合い、第1及び第2の壁の前縁に沿って面する突起は、それらの先端で相互に接続されて、複数の概ねU形状の歯を画定し、第1及び第2の壁の第1の表面は、それらの間のブレードセットの可動ブレードのための横方向に延びるガイドスロットを画定し、第1の壁の突起は、第2の壁の突起の平均的な厚さよりも少ない平均的な厚さを有する。
二重壁静止ブレードに対する製造アプローチは、静止ブレードの少なくとも頂壁が少なくとも実質的にシートメタル材料から作られる構成を記載する特許文献2及び特許文献2に開示されている。両方の文献では、シートメタルと射出成形部品とを一体的に製造することを含む、金属部品と非金属部品との一体設計が提案されている。故に、金属コンポーネント及び非金属成形コンポーネントの利益を組み合わせるために、インサート成形及び/又はオーバーモールド成形が提案されている。
特許文献4は、シェーバのカッタヘッドのためのブレードセットを開示しており、ブレードセットは、歯付き前縁を備える固定ブレードと、固定ブレードを支持し且つ固定する固定ブレードブラケットと、固定ブレードの内側にある、対応する歯を有する可動ブレードとを含み、可動ブレードは、固定ブレードに対して前後に移動して毛を切断することができ、固定ブレードは、固定ブレードブラケットに対して張力付けられて固定される可撓性金属シートである。特許文献4は、弓弦と同様に固定ブレードブラケットによって可撓性金属シートを張力付けることを更に提案している。この目的を達成するために、固定ブレードブラケットの前縁と後縁の周りに可撓性金属シートを折り畳み、溶接、リベット締め及びボンディングのいずれかによって折り畳まれた可撓性金属シートを固定ブレードブラケットに固定することを更に提案している。
切断器具は、当該技術分野においてよく知られている。切断器具は、毛切断器具を特に含むことがある。より一般的な文脈において、本開示は、パーソナルケア器具、特にグルーミング器具を取り扱う。グルーミング器具は、毛切断器具、特にトリミング器具、シェービング器具、及び組み合わせ(二重目的または多目的)器具を含むが、これらに限定されない。
毛切断器具は、人間の毛、時には動物の毛を切断するために使用される。毛切断器具は、顔の毛を切断するために、特に髭剃りのために及び/又は髭トリミングのために使用されることがある。更に、切断器具は、頭髪及び体毛の切断(髭剃り及びトリミングを含む)のために使用される。
トリミングモードにおいて、毛切断器具は、典型的には、毛切断器具のブレードセットを皮膚から離間するように配置される、いわゆる間隔コームを備える。間隔コームの有効(オフセット)長に依存して、トリミング操作後に残る毛の長さが画定されることがある。
本開示の文脈における毛切断器具は、典型的には、処理ヘッドと呼ぶことがある切断ヘッドを含む。切断ヘッドには、ブレードセットが設けられ、ブレードセットは、いわゆる静止ブレードと、いわゆる可動ブレードとを含む。毛切断器具が作動させられると、可動ブレードは静止ブレードに対して動かされ、それはそれぞれの切断縁が互いに協働して毛を切断することを含むことがある。
故に、本開示の文脈において、静止ブレードは、毛切断器具の駆動ユニットが静止ブレードと協働しないような方法において、毛切断器具に取り付けられるように構成される。むしろ、駆動ユニットは、典型的には、可動ブレードと連結させられ、静止ブレードに対する可動ブレードの動きを起こすように構成される。故に、静止ブレードは、幾つかの実施形態において、毛切断器具のハウジングに固定的に取り付けられることがある。
しかしながら、代替的な実施形態において、静止ブレードは、枢動可能な様式において毛切断器具のハウジングに配置される。これは、例えば、毛切断器具の切断ヘッドの輪郭追従構成を可能にすることがある。従って、本明細書で使用するとき、静止ブレードという用語は、限定的な意味では解釈されないものとする。更に、言うまでもなく、毛切断器具自体が動かされると、静止ブレードも動かされる。しかしながら、静止ブレードは、切断作用を引き起こすように能動的に作動させられるように構成されない。むしろ、可動ブレードが静止ブレードに対して動かされるように構成される。
静止ブレードをガードブレードと呼ぶこともある。典型的には、毛切断器具を作動させて毛を切断するとき、静止ブレードは、少なくとも部分的には、可動ブレードとユーザの毛又は皮膚との間に配置される。本明細書で使用するとき、ユーザという用語は、その人の毛が処理又は切断されている人物又は被験者を指す。換言すれば、毛切断器具のユーザ及びオペレータは、必ずしも同一人物ではない。ユーザという用語は、美容店又は理容店にいるクライアントも含むことがある。
幾つかの態様において、本開示は、トリミング操作及びシェービング操作の両方を可能にする毛切断器具に関する。この文脈において、トリミングのために適切に構成された第1のブレードセットとシェービングのために適切に構成された第2のブレードセットとを含む二重切断構成を組み込んだ毛切断器具が知られている。例えば、シェービングブレードセットは、可動切断要素と協働する穿孔付き箔を含んでよい。むしろ、トリミングブレードセットは、互いに協働する歯をそれぞれ備える2つのブレードを含んでよい。原理的には、シェービングブレードセットの静止部分を形成する穿孔付き箔は、主として強度上の理由から従来的な器具では相当により厚くなければならないトリミングブレードセットの静止ブレードよりも、より一層薄いことがある。
上記特許文献1は、静止ブレードに2つの壁を設けることを提案しており、2つの壁の一方は、ユーザの皮膚に面しており、他方はユーザから見て外方を向いている。2つの壁は、互いに接続されており、横から見ると、可動カッタブレードのためのガイドスロットを形成するU形状プロファイルを画定している。故に、静止ブレードは、二重壁付きブレードである。これは、第2の壁が静止ブレードに十分な強度をもたらすので、第1の壁が相当により薄く構成されることがあるという利点を有する。従って、そのような構成は、トリミングに適する。何故ならば、それぞれの歯は静止ブレード及び可動ブレードに設けられてよいからである。更に、ブレードセットは、シェービングに適する。何故ならば、静止ブレードの第1の壁の有効厚さは相当に低減されるからである。
故に、二重壁付き静止ブレード及びそれぞれのブレードセットの製造に対する幾つかのアプローチが提案されている。しかしながら、上記アプローチの少なくとも一部は、依然として、比較的高い製造コスト、特に成形コスト及び工具類コストを伴う。特に、インサート成形又はオーバーモールド成形技法を含む、組み合わせシートメタル及び射出成形アプローチは、特定の工具及び製造設備を必要とする。更に、比較的複雑でコストを増加させる補助プロセス、例えば、研削、ラッピング、バリ取りなどが必要とされることがある。
故に、この点に関して、毛切断器具のためのブレードセットの製造における改良の余地が依然としてある。
上記の観点から、毛切断器具のためのブレードセットと、上記で議論した二重壁付き設計の利益を維持しながら費用効率的な製造を可能にする対応するブレードセットの製造方法とを提供することが、本開示の目的である。より具体的には、好ましくは高価な工具類及び複雑な後処理及び/又は組立手順を必要としないむしろ単純な製造アプローチに主として依存するブレードセットの製造方法を提示することは有益である。更に、(シートメタルコンポーネントのインサート成形及び/又はオーバーモールド成形のような)2つ又はそれよりも多くのむしろ別個の異なる製造方法を組み合わせるハイブリッド製造アプローチを省くことは有益である。
換言すれば、従来的な製造方法に基づくが、上記の新規な設計アプローチに従った静止ブレード及びブレードセットの製造を可能にする、製造アプローチを提示することは有益である。
それぞれのブレードセットが取り付けられることがある毛切断器具を提供することが本開示の更なる目的である。
本開示の第1の態様では、毛切断器具のためのブレードセットが提示され、ブレードセットは、移動方向において毛の間を移動させられて毛を切断するように構成され、ブレードセットは、
支持インサートと、金属コンポーネントとを含む、静止ブレードと、
複数の可動ブレード歯を含む、可動ブレードとを含み、
金属コンポーネント及び支持インサートは、互いに力嵌めされ、
金属コンポーネントは、二重壁付き静止ブレード歯を有する少なくとも1つの歯付き前縁を画定するように少なくとも部分的に変形され、
金属コンポーネントは、作動しているときに皮膚に面する壁としての機能を果たすように構成される第1の壁と、第1の壁から見て外方を向く第2の壁とを形成し、
可動ブレードのためのガイドスロットが、金属コンポーネント及び支持インサートの内向きに面する内面の間に画定され、
可動ブレードは、ガイドスロット内で金属コンポーネントと支持インサートとの間に可動に配置され、
可動ブレードは、取付け状態において、金属コンポーネントと支持インサートとの間で前記ガイドスロット内に可動に配置され且つ予荷重される。
本開示によれば、ガイドスロットの最終寸法(垂直延伸(vertical extension)又は高さ)は、可動ブレードがその中に配置されるときにだけ達成される。換言すれば、可動ブレードが未だ挿入されていないときの中間組立状態において、ガイドスロットは、最終状態よりも小さい高さを有して「より薄い」ことがある。これは主として金属コンポーネントの予備的な変形(曲げ手順)によって引き起こされる。この曲げ手順を通じて、第1の壁及び少なくとも1つの第2の壁区画は、金属コンポーネントに形成され、第1の壁及び第2の壁は、それらの間にオフセット、例えば、角度オフセット及び/又は基本的に平行なオフセットを画定する。
金属コンポーネントの第1の壁と第2の壁との間のオフセットを取付け隙間とも呼ぶ。取付け隙間は、最終組立状態における金属コンポーネントの第1の壁と第2の壁との間の結果として生じる間隔オフセットよりも少なくとも僅かに小さいように意図的に形成される。よって、中間組立状態において、金属コンポーネントの第2の壁部分の形状は、最終組立状態において意図される位置に対応しない支持インサートに対する相対的な位置/向きに第1の壁を付勢することがある。換言すれば、金属コンポーネントの第1の壁は、ブレードセットの最終組立状態におけるよりも反対側の支持インサートにより近い。この措置(measure)は、ガイドスロット内に可動ブレードを挿入した後に、金属コンポーネントが少なくとも僅かに付勢され、反対方向に変形されるので、その第1の壁が支持インサートに対する最終的な位置及び向きを取る、という効果を有する。
換言すれば、最終組立状態において、金属コンポーネントの第1の壁は、可動ブレードによって支持インサートから離間させられる。金属コンポーネントの第1壁と支持インサートとの間の直接的な接続はない。
上記で提示した態様によれば、金属コンポーネント及び支持インサートは、互いに力嵌めされる。しかし、これは、追加的な措置、例えば、スナップロック構成などのような確動嵌め接続構成を排除しない。
本明細書で使用するとき、金属コンポーネントの第1の壁及び反対側の支持インサートは、それらの間にガイドスロットを画定するよう垂直方向において互いから離間させられる。
上記態様は、静止ブレードが、シートメタル加工、射出成形等のような、比較的単純で確立された製造技法を用いて製造されることがあるという洞察に更に基づいている。好ましくは、静止ブレードは、ブレードセットの組立コンポーネントであり、それは、溶接、はんだ付け、接着等を含む、2K射出成形、インサート成形、オーバーモールド成形及び/又は複雑なボンディング技法のような、複雑な製造技法の必要性を省くことがある。
故に、特許文献4の教示とは対照的に、接着、溶接、リベット締め、はんだ付けなどを含む、追加的なボンディング技法を適用する必要はない。何故ならば、可動ブレードは、取付け位置を十分に固定するプレテンション力(予張力)を金属コンポーネントに加えることがあるからである。金属コンポーネント及び支持インサートは、未だ最終組立状態にない接合サブアセンブリ(ジョイントアセンブリ)を形成する。更に、第1の壁及び第2の壁を形成するために、金属コンポーネントは、挿入プロセスが行われる前に既に変換されており、それは支持インサートと少なくとも僅かにプレテンションが与えられた金属コンポーネントとを含む接合アセンブリをもたらす。
好ましくは、静止ブレードの少なくとも基本部分を形成する支持インサート及び金属コンポーネントは、それぞれ、製造が容易であり、静止ブレードを形成するために、組立が容易である。更に、ブレードセットの組立状態において可動ブレードが収容されるガイドスロットは、支持インサートと金属コンポーネントとを組み立てることによって並びに可動ブレードを挿入することによって達成される。
一般的に、第1の壁及び第2の壁は、互いに平行であってよく、且つ/或いは互いに対して傾けられてよい。更に、第1の壁及び第2の壁のうちの少なくとも1つでの少なくとも部分的に湾曲した形状が想定されてよい。全てのこれらの代替は、互いから見て外方を向く第1の壁と第2の壁とを有する二重壁付き構を形成してよい。
幾つかの実施態様において、金属コンポーネントは、変形されて、それぞれの歯付き前縁でU形状又はV形状の構成を形成する、シートメタルブランクに基づく。これは、元々は平坦なシートメタルコンポーネントのそれぞれの区画を曲げること又は折り畳むことを含んでよい。換言すれば、少なくとも幾つかの実施態様において、元々のシートメタルブランクの区画は、支持インサートの周りに巻かれ、それによって、第1の壁と、第2の壁と、それらの間の移行部にある前縁とを形成する。
一般的には、静止ブレードをガードブレードと呼ぶことがある。一般的には、可動ブレードをカッタブレードと呼ぶことがある。
上記のように、金属コンポーネントを変形させるアプローチは、曲げ、折畳み等を含んでよい。それぞれの材料加工方法は、一般的に、特定の許容差に制約される。換言すれば、シートメタルのための曲げ、折畳み、及び類似の加工方法は、しばしば、高精度部品をもたらさないが、特定の比較的大きな許容差を含む。
しかしながら、高い精度及び非常な正確性を可能にする製造方法を用いて製造されることがある可動ブレードを提供することによって、金属コンポーネントのためのゲージが提供されてよい。金属コンポーネントは、好ましくは、組立状態において一定の予荷重が存在するように成形されるので、主として可動ブレードの形状が、特に静止ブレードの切断性能にとって重要な部分において、静止ブレードの結果として得られる形状を画定する。
ブレードセットが作動しているときに皮膚に面しているガイドスロットの頂側は、静止ブレードの第1の壁によって境界付けられる。換言すれば、可動ブレードは、第1の壁と、特に第1の壁に形成された静止ブレード歯の部分と協働して、毛を切断する。
可動ブレードは、第1の壁と第2の壁との間の垂直接続をもたらす。一般的に、垂直方向は、第1の壁の主延伸平面に対して垂直である。故に、可動ブレードは、静止ブレードにあるガイドスロットの高さを画定することがある。ガイドスロットの垂直延伸(高さ)は、比較的小さな許容差を伴って製造されることがある可動ブレードの形状によって主に画定される。これは、静止ブレードを組み込むブレードセットの全体的な精度及び性能に対して有益な効果を有する。
支持インサートは、成形プロセス、特に射出成形から得られてよい。しかしながら、幾つかの代替的な実施形態において、支持インサートは、金属材料を加工する鋳造プロセスから得られてよい。更に、支持インサートは、中間部品を機械加工して所望の最終形状を形成することによって得られてよい。
しかしながら、本開示の主な実施形態において、支持インサートは、比較的単純な射出成形手順から得られるプラスチック部品である。好ましくは、インサート成形、オーバーモールド成形、多コンポーネント成形等のような、複雑な組み合わせ製造手順が回避されることがある。
一般的に、支持インサートは、プラスチック材料、アルミニウム合金のような軽金属を含む金属材料、又は相当に固形で寸法的に安定した別の適切な材料から製造されてよい。
金属コンポーネント及び可動ブレードは、シートメタル機械加工から得られてよい。
一般的には、可動ブレードの挿入前の状態において、金属コンポーネントの第1の壁と支持インサートとの間の垂直案内隙間は、可動ブレードの挿入後の組立状態における垂直案内隙間よりも小さい。
可動ブレードが金属コンポーネントの第1の壁と支持インサートとの間に僅かにだけ予荷重されることが好ましいことが留意されるべきである。これは移動の容易さに対して肯定的な効果を有するので、ブレードセットを作動させるのに必要とされる電力を削減することができる。
ブレードセットの例示的な実施形態において、金属コンポーネントは、支持インサートによって所定の場所に保持され、金属コンポーネント及び支持インサートの内面は、互いから離間させられる。前記のように、金属コンポーネント及び支持インサートは、支持インサートの(長手方向端の)形状及び金属コンポーネントの第1の壁と第2の壁との間の明確なオフセットの故に、互いに力嵌めされる。更に、支持インサートと金属コンポーネントとの間の確動嵌め接続を可能にする係止構成が存在してよい。全体的には、ボンディング、溶接、接着等のような、更なる固定手順を適用する絶対的な必要はない。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、静止ブレード歯は、横方向に対して垂直な断面平面において見られるときに、実質的にU形状又はV形状であり、第1の壁によって形成される第1の脚と、第2の壁によって形成される第2の脚とを含み、第1の脚及び第2の脚は互いに結合して、静止ブレード歯の先端を形成する。故に、一方では、金属コンポーネントに適用される変形/曲げ手順は、金属コンポーネントと支持インサート端との力嵌め組立に寄与し、他方では、組立状態において可動ブレード歯を覆う静止ブレード歯の二重壁付け形状を画定する。
この脈絡において、ブレードセットの他の例示的な実施形態では、第1の前縁と、第1の前縁とは反対側の第2の前縁とが、静止ブレードに形成される。組立状態において、金属コンポーネントの第1の壁は、第1の前縁から第2の前縁まで延びる。可動ブレードは、第1の前縁及び第2の前縁とそれぞれ協働する、第1の一連の歯第2の一連の歯とを含む。その結果、ブレードセットは、双方向に作動可能である。
この実施形態によれば、第2の壁をそれぞれ形成する2つの部分がある。第1の部分が第1の前縁に割り当てられる。第2の部分が第2の前縁に割り当てられる。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、静止ブレードの第1の壁及び第2の壁は、支持インサート及び可動ブレードによって互いに離間する。最終組立状態では、静止ブレードと可動ブレードのそれぞれの歯の領域において、層状スタックが形成される。層状スタックは、皮膚に面する側にある第1の壁と、反対側にある第2の壁とを含む。第1壁と第2壁との間には、可動ブレード及び支持インサートが配置される。支持インサートは、第2の壁と可動ブレードとの間に配置される。可動ブレードは、支持インサートと第1の壁との間に配置される。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、金属コンポーネント及び支持インサートは、干渉嵌めアセンブリを形成する。故に、第1の壁部と反対側の第2の壁部との間に特定の予荷重が存在することがあるので、金属コンポーネントと支持インサートとの間の確実な接続が保証される。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、金属コンポーネントの第1の壁及び第2の壁は、非組立状態において、支持インサート及び可動ブレードによって画定される垂直間隔オフセットよりも小さい隙間によって、接触領域内で互いに離間する。上記で説明したように、隙間は、第1の壁と第2の壁との間の平行オフセット及び/又は角度オフセットを含んでよい。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、金属コンポーネントは、シートメタルコンポーネントである。支持インサートは、別個に形成された射出成形プラスチック部品として構成されよい。故に、ブレードセットのコンポーネントを形成するために、比較的単純で費用効率的な製造手順が用いられることがある。ブレードセットの歯の切断縁(切断エッジ)は、金属コンポーネントに構成される。支持インサートはアセンブリを強化し、金属コンポーネントと共に閉じたプロファイル(closed profile)を画定し、閉じたプロファイルは、可動ブレードのためのガイドスロットを取り囲む。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、可動ブレードのための横方向ガイドが、可動ブレードに取り付けられた駆動コネクタによって提供され、駆動コネクタは、支持インサート内に形成されたコネクタスロット内にスライド可能に受け入れられる。典型的には、駆動コネクタは、毛切断器具のドライブトレインによって係合されるか或いはその一部を形成する。駆動コネクタは、支持インサートを通じて延び、駆動運動を可動ブレードに伝える。本明細書で使用するとき、横方向ガイド(lateral guide)は、横方向に延びるコネクタスロット内に配置される基本的に横方向に延びるガイドである。横方向ガイドは、静止ブレードに対する可動ブレードの長手方向位置を提供する。その結果、可動ブレード及び静止ブレードの歯の間の先端間オフセットが正確に画定されることがある。
駆動コネクタのための横方向に延びるコネクタスロットとは別に、静止ブレードに対する可動ブレードの所望の長手方向位置を保証するために、静止ブレードで更なる案内構成は必要ない。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、可動ブレードは、ガイドスロットの横方向端を遮断する少なくとも1つの横方向エンドキャップによってガイドスロット内に固定される。故に、ガイドスロット内で横方向に移動可能な可動ブレードは、明確は限界内に配置される。
代替において、可動ブレードの横方向の動きは、駆動コネクタの設計及び支持インサートに形成される駆動コネクタのためのコネクタスロットの設計によっても制限される場合があることも留意されるべきである。故に、それぞれの横方向エンドキャップのないブレードセットを形成することが可能である。しかしながら、少なくとも1つの横方向エンドキャップは、金属コンポーネント及び支持インサートのアセンブリのための更なる固定構成を提供することもある。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態では、第1の横方向キャップが、支持インサートに形成され、第2の横方向キャップが、第1の横方向キャップとは反対側で支持インサートに取り付けられる別個に形成された部分である。
本開示の別の態様では、毛切断器具のためのブレードセットを製造する方法が提示され、方法は、
金属コンポーネントに少なくとも1つのパターンのスロットを形成するステップを含む、金属コンポーネントを提供するステップと、
金属コンポーネントを変換し、それによって、第1の壁と、第2の壁とを形成するステップであって、少なくとも1つのパターンのスロットは、第1の壁及び第2の壁によって共同で形成される歯付き前縁に配置される一連の静止ブレード歯を画定する、ステップと、
支持インサートを提供するステップであって、支持インサートは、支持インサートと金属コンポーネントとの間の接触領域内に、第1の壁と第2の壁との間の取付け隙間(mounting clearance)よりも大きい取付け延伸(mounting extension)を有する、ステップと、
支持インサートを金属コンポーネント内に横方向に挿入し、それによって、静止ブレードを形成するステップを含む、金属コンポーネントと支持インサートとを接合するステップと、
可動ブレード歯を有する可動ブレードを提供するステップと、
静止ブレードに形成されるガイドスロット内に可動ブレードを横方向に挿入するステップと、
支持インサートに可動ブレードを配置するステップとを含み、
取付け状態において、金属コンポーネントは、接触領域内で支持インサートによって所定の場所に保持され、
可動ブレードは、取付け状態において、金属コンポーネントと支持インサートとの間でガイドスロット内に可動に配置され且つ垂直に予荷重される。
故に、第1壁の底側と可動ブレードの頂側との間の正確な嵌合及び密接な接触が保証されることがある。
本方法の例示的な実施形態において、金属コンポーネントと支持インサートとを接合するステップは、金属コンポーネントと支持インサートとの力嵌め接合を含む。これが達成されるのは、支持インサートが金属コンポーネント内に挿入されるときに、金属コンポーネントが最終組立状態におけるよりも僅かに小さいように形成されるからである。換言すれば、最終組立状態において、支持インサート及び可動カッタブレードは、金属コンポーネントの第1の壁及び第2の壁を互いに離れる方向に少なくとも僅かに付勢して、保持力を生成する。
この脈絡において、上記ステップは、特に支持インサート及び可動ブレードの取付けに関して、一定の取付けシーケンスを必ずしも画定しないことが留意されるべきである。特定の実施形態では、最初に、支持インサートは、金属コンポーネント内に挿入され、次に、可動ブレードは、金属コンポーネントと支持インサートとの間に形成されるガイドスロット内に挿入される。代替的な実施形態において、最初に、可動ブレードは、金属コンポーネント内に挿入され、次に、支持インサートは、カッタブレードと金属コンポーネントとの間に挿入される。代替的な実施形態において、支持インサート及びカッタブレードは、金属コンポーネント内に一緒に挿入されて、組立手順を達成する。これらの場合の各々では、金属コンポーネントの形状の故に、特定の予荷重が存在するので、カッタブレードは、ガイドスロット内に良好に嵌合される。
本方法の更に別の例示的な実施形態において、金属コンポーネントを提供するステップは、接触領域内の可動ブレード及び支持インサートの取付け延伸よりも小さい金属コンポーネントの第1の壁と第2の壁との間の取付け隙間を画定するステップを含む。取付け隙間は、第1の壁と第2の壁との間の角度オフセット及び/又は平行オフセットを含んでよい。
本方法の更に別の例示的な実施形態において、可動ブレードは、支持インサートに形成されるコネクタスロットを通じて挿入される駆動コネクタによって係合される。これは、可動ブレードの底側で駆動コネクタを取り付けることを含んでよい。全体的に、駆動コネクタ及び可動ブレードは、横方向において静止ブレードに対して動かされてよい。
本方法は、アセンブリを固定するために横方向エンドキャップを組み立てるステップを更に含んでよい。
本開示の更に別の態様では、毛の間を移動させられて毛を切断するように構成される毛切断器具が提供され、毛切断器具は、
ハンドル区画を含むハウジングと、
ハウジング内に配置された駆動ユニットと、
本明細書に記載する少なくとも1つの実施形態に従ったブレードセットを含む切断ヘッドとを含む。
一般的に、ブレードセットは、それぞれの一連の静止ブレード歯(及び可動ブレード歯)によって画定される基本的に直線的な前縁を含んでよい。この実施形態によれば、可動ブレードと静止ブレードとの間の基本的に往復動式の実質的に直線的な相対運動が存在する。しかしながら、これは静止ブレードに対する可動ブレードの少なくとも幾分湾曲した(振動する)移動経路が存在する実施形態を排除しない。これは、例えば、可動ブレードのためのそれぞれの案内リンク機構によって引き起こされることがある。
更に、ブレードセットの基本的に直線的な構成に加えて、ブレードセットの湾曲した構成も想定されてよく、或いはブレードセットの円形の構成さえも想定されてよい。故に、静止ブレード歯(及び可動ブレード歯)のそれぞれの構成によって画定される幾分湾曲した又は円形の前縁が設けられてよい。従って、本明細書において長手方向、横方向及び/又は高さ方向が言及されるときにはいつでも、これは限定的な意味において解釈されてならない。湾曲した又は円形のブレードセットは、類似の方向に関して定義及び記載されることがあるが、極方向及び/又は更に適切な方向情報に関して定義及び記載されてもよい。故に、デカルト座標系のみならず、極座標系及び更に適切な座標系も、ブレードセットの線形及び/又は湾曲設計を記述するために用いられてよい。
幾つかの実施形態において、ブレードセットは、2つの反対側の前縁、即ち、2つの反対側の一連の静止ブレード歯及び可動ブレード歯を備える。このようにして、ブレードセットの引き動作及び押し動作の両方が、切断操作のために使用されてよい。更に、このようにして、毛切断器具をより柔軟に展開することができ、それは手の届きにくい領域におけるスタイリング操作及び毛切断操作を容易にすることがある。
更に好ましい実施形態が従属項において定義される。特許請求される方法は、特許請求される(複数の)デバイス及び従属項に定義されるものと類似及び/又は同一の好ましい実施形態を有することが理解されるべきである。
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に記載する実施形態から明らかであり、それらを参照して解明されるであろう。
毛切断器具の例示的な実施形態の斜視正面図を示している。
毛切断器具のためのブレードセットの例示的な実施形態の斜視頂面図を示している。
毛切断器具のためのブレードセットの例示的な実施形態の分解斜視頂面図を示している。
図3の構成の分解斜視底面図を示している。
図3の構成の破断頂面図を示している。
図5の線VI−VI線に沿う横断面図を示している。
図6の構成の更なる図を示しており、エンドキャップ及び駆動コネクタが例示の目的のために省略されている。
図6及び図7に従った更なる横断面図を示しており、静止ブレードを形成する金属コンポーネント及び支持インサートが分離状態で例示されている。
本開示に従ったブレードセットの更なる実施形態を概略的な単純化された断面図において示している。
本開示に従ったブレードセットの更なる実施形態を概略的な単純化された断面図において示している。
本開示に従ったブレードセットの更なる実施形態を概略的な単純化された断面図において示している。
本開示に従った毛切断器具のためのブレードセットを製造する方法の例示的な実施形態を例示するブロック図を示している。
図1は、毛切断器具10(hair cutting appliance)の斜視正面図を示している。毛切断器具10は、トリミング(trimming)及びシェービング(shaving)の両方を行うことができる器具として構成されている。
器具10は、細長い様式で構成されたハウジング12を含む。ハウジング12に、ハンドル区画14が画定さている。ハウジング12内に、駆動ユニット16が配置されている。更に、バッテリ18がハウジング12内に配置されてよい。図1において、駆動ユニット16及びバッテリ18は、破線ブロックによって表されている。ハウジング12に、オン/オフボタン及び同等物のようなオペレータ制御装置20が設けられてよい。
その頂端に、器具10は、ハウジング12に取り付けられた処理ヘッド24を含む。処理ヘッド24は、ブレードセット26を含む。ブレードセット26、特にその可動ブレードは、駆動ユニット16によって往復動式に作動及び駆動される。図1の二重矢印28も参照のこと。その結果、ブレードセット26のブレードのそれぞれの歯は互いに対して動かされ、それによって、切断作用をもたらす。ブレードセット26の頂側又は頂面は、図1において参照番号30で示されている。
ブレードセット26のブレードは、第1の前縁32に配置されてよく、そして、少なくとも一部の実施形態では、第1の前縁32とは反対側の第2の前縁34に配置されてよい。第1の前縁32を前方前縁と呼ぶこともある。第2の前縁34を後方前縁と呼ぶこともある。
更に、器具10の一般的な前進方向又は移動方向が、二重矢印38によって図1に示されている。図1の例示的な実施形態のブレードセット26は2つの前縁32、34を備えるので、押し(プッシュ)及び引き(プル)の動きを使用して毛を切断してよい。
以下では、静止ブレード及びブレードセット26の例示的な実施形態が解明され、より詳細に記載される。ブレードセット26は、器具10又は類似の器具に取り付けられてよい。言うまでもなく、それぞれの実施形態の脈絡において開示される単一の構成は、分離された様式においても、他の実施形態のいずれかと組み合わされてよく、それによって、本開示の範囲に依然として入る更なる態様を形成する。
本明細書に示す幾つかの図では、例示的な座標系が例示的な目的のために示されている。本明細書で使用するとき、X軸が長手方向に割り当てられている。更に、Y軸が横方向に割り当てられている。従って、Z軸が垂直(高さ)方向に割り当てられている。ブレードセット26のそれぞれの構成(features)及び延伸(extensions)との軸/方向X、Y、Zのそれぞれの関連を、これらの図から導き出すことができる。座標系X、Y、Zは、例示の目的のために主に提供されており、本開示の範囲を制限することを意図しないことが理解されるべきである。これは、当業者が更なる実施形態、例示及び逸脱した視認方向に直面するときに、座標系を容易に変換及び転換する場合があることを含む。また、デカルト座標系の極座標系への対話(conversation)が、特に円形又は湾曲したブレードセットの脈絡において想定される場合がある。
図2には、毛切断器具10の処理ヘッド又は切断ヘッド24のためのブレードセット26の斜視図が示されている。図1に示す実施形態と同様に、ブレードセット26のブレードの切断方向及び/又は相対運動の方向が矢印28によって示されている。装置10が操作されるときにユーザに面するブレードセット26の頂側が参照番号30によって示されている。図2に示す例示的な実施形態において、ブレードセット26は、第1の前縁32及び第2の前縁34を備える。図2には、ブレードセット26の静止ブレード42が示されている。図2では、可動ブレード(カッタブレード)が静止ブレード42によって覆われている。静止ブレード歯は、参照番号44によって示されている。
図2では見えないブレードセット26の可動ブレードは、駆動ブリッジと呼ぶこともある駆動係合要素48を介して操作及び作動される。駆動係合要素48に、駆動シャフト52の駆動ピン50によって係合される駆動又は係合スロットが形成される。駆動シャフト52は、駆動軸54について回転される。湾曲した矢印56を参照のこと。駆動ピン50は、駆動軸54に対して偏心している。結果的に、駆動ピン50が回転しているときに、静止ブレード42に対する可動ブレードの往復運動が影響を受ける。
図2には、輪郭追従構成(contour following feature)と呼ぶことがあるピボット機構58が更に示されている。ピボット機構58は、Y軸についてのブレードセット26の特定のピボット運動を可能にする。
図3〜図11を参照すると、図1に示すような器具10において動作可能なブレードセット26及び図2に示すような処理ヘッド24の例示的な実施形態がより詳細に例示及び記載されている。
図3及び図4は、本開示に従ったブレードセット26の例示的な実施形態の斜視分解図を示している。ブレードセット26は、静止ブレード42内に配置される可動ブレード62を含む。可動ブレード62は、静止ブレード42に形成されたガイドスロット60内に配置されている。図6及び図7を参照のこと。
ガイドスロット60内で、可動ブレード62は、往復動式に移動可能である。図5の二重矢印28を参照のこと。作動状態において、可動ブレード62の歯64は、静止ブレード42の歯44と協働して、毛を切断することがある。歯スロット66は、可動ブレード歯64の隣接する歯の間に形成される。
本開示の主な態様によれば、静止ブレード42は、金属コンポーネント68と、支持インサート70とを含む、アセンブリである。図3及び図4に示すように、静止ブレード42は、互いに取り付けられた少なくとも2つの別個のコンポーネントから構成される。
図5に例示する組立状態では、静止ブレード42の第1の横方向端が、エンドピース74によって形成されている。静止ブレード42の第2の反対側の横方向端が、エンドキャップ76によって形成されている。図3及び図4に示すように、エンドキャップ74は、支持インサート70の本体と一体的に形成される。対照的に、エンドピース76は、支持インサート70が金属コンポーネント68内に横方向に挿入される中間組立ステップの後に支持インサート70に取り付けられるように構成される別個のコンポーネントとして形成される。挿入方向は、Y軸に平行である。
更に、中間組立手順は、可動ブレード62の横方向挿入を含む。可動ブレード62は、金属コンポーネント68と支持インサート70との間に形成されるガイドスロット60内に挿入される。再び図7を参照のこと。
然る後、エンドキャップ76を支持インサート70に取り付けて、アセンブリを固定してよい。言うまでもなく、エンドキャップ74、76を必要としない代替的な実施形態が着想可能である。
少なくとも幾つかの実施態様において、支持インサート70は、成形部品である。一例として、支持インサート70は、射出成形プラスチック部品である。故に、更なる構成及び要素が支持インサート70と一体的に形成されてよい。一例として、図4に見える支持インサート70の底側で、取付け構成80がその上に形成される。取付け構成80は、処理ヘッド24の対応する係止構成、例えば、図2に示される輪郭追従機構58に存在する係止構成に係合するように構成される、取付けフックとして構成されてよい。
図3及び図4から更に分かるように、支持インサート70でエンドキャップ76を取り付けるために、取付け構成82、84が設けられてよい。支持インサート70のそれぞれの横方向端に形成された取付け構成82は、凹部として構成される。エンドキャップ76に構成される対向する取付け構成84は、取付け構成82と一致するピンとして構成されている。
金属コンポーネント68及び支持インサート70の組立位置及び向きを画定するために、確動係止構成(positive-locking feature)が設けられてよい。一例として、ノッチとして構成された取付け構成88が、金属コンポーネント68の横方向端に形成される。支持インサートに、取付け構成88と一致する突起として構成された取付け構成90が設けられている。従って、取付け構成88、90の故に、支持インサート70に対する金属コンポーネント68の横方向及び長手方向位置が正確に画定されることがある。
静止ブレード歯44は、金属コンポーネント68によって提供される歯部分92によって形成されている。歯部分92の間で、歯スロット94が金属コンポーネント68に形成さていれる。図5も参照のこと。好ましくは、歯部分92は、金属コンポーネント68の初期平面状態において一連の歯スロット94を形成することによって作り出される。単一の歯スロット94は、基本的に長手向き(X方向)を有する。一連の歯スロット94は、横向き(Y方向)を有する。
しかしながら、代替的な実施形態において、支持インサート70は、金属コンポーネント68の歯部分92と整列させられる歯部分を備えてもよいことに留意のこと。支持インサート70は、普通、プラスチック材料から形成されるので、そのいずれの歯部分も、組立状態において静止ブレード歯44を支持又は強化することがあるが、必ずしも毛切断手順において能動的な役割を果たすわけではない。
金属コンポーネント68の歯部分92は、その第1の壁100及び第2の壁102によって共同で画定される。この脈絡において、図6乃至図8を参照のこと。図6乃至図8は、ブレードセット26の幾つかの組立段階を例示しており、そこでは、それぞれ横断面図が例示されており、その位置が、図6についての線VI−VI及び図7についての線VII−VIIの線によって図5に示されている。
金属コンポーネント68には、第1の前縁32及び第2の前縁34と関連付けられる、基本的に2つの対向する第2の壁部分が設けられている。
本明細書において議論するように、金属コンポーネント68は、曲げ又は折畳みを通じてシートメタル材料から得られる。故に、単一の平坦なシートメタルブランクに基づいて、U形状又はV形状の歯部分92が得られてよく、それらの間には、それぞれのスロット94が形成される。金属コンポーネント68を曲げるか或いは折り畳むことによって、静止ブレード42の第1の前縁32及び第2の前縁34が画定される。
前縁32、34では、第1の壁100と第2の壁102との間の移行部においてそれぞれの折畳み/曲げ縁104が設けられる。縁104には、静止ブレード歯44の先端106が形成される(図6)。
図5及び図6に示す組立状態において、可動ブレード62は、ガイドスロット60内に移動可能に保持される。再び図7を参照のこと。図5において、可動ブレード62は、金属コンポーネント68の第1の壁100によって覆われており、従って、破線によって隠された縁表現で示されている。
図6に最もよく見ることができるように、接触リッジ110が、ガイドスロット60内の支持インサート70の内面108に設けられている。故に、この例示的な実施形態では、可動ブレード62の底側と支持インサート70との間の限定的な接触ゾーンが設けられる。
再び図3及び図4を参照する。図示のように、支持インサート70に形成された駆動スロット122内に配置された駆動コネクタ120が提供される。図6に示すように、可動ブレード62は、駆動コネクタ120に取り付けられ、好ましくは、固定的に取り付けられる。駆動コネクタ120が駆動スロット122内に配置されると、ガイドスロット60内の可動ブレード62の長手方向位置(X方向)が正確に画定される。可動ブレード62は駆動コネクタ120によってガイドされるので、ガイドスロット60の長手方向位置を画定するために、ガイドスロット60内の更なるガイド要素の必要はない。
本開示の主な態様は、金属コンポーネント68が、支持インサートとの(及び/又は可動ブレード62との)組立前に、ブレードセット26の最終組立状態よりも高さ(Z方向)が少なくとも僅かに小さいように、意図的に変形させられることである。この脈絡において、例示的な目的のために、図6、図7及び図8を参照する。図8には、金属コンポーネント68及び支持インサート70の分離された非組立状態が示されている。図7には、静止ブレード42の中間組立状態が示されている。図6には、静止ブレード42と可動ブレード62とを含むブレードセット26の最終組立状態が示されている。
以下に更により詳細に議論するように、図8は、金属コンポーネント68の中間状態を例示しており、そこでは、例示的な目的のために、ブレードセット26の組立手順から得られる最終状態が破線によって示されている。中間状態において、第1の壁100及び第2の壁102は、最終組立状態よりも互いに近接している。図6も参照のこと。
接触領域156には、支持インサート70のコネクタアーム148と第2の壁102との間の接触が提供されている。歯付き部分92が形成される領域では、第1の脚160が第1の壁100に形成され、第2の脚162が第2の壁102に形成されている。第1の脚160及び第2の脚162は、先端106を有する二重壁付き静止ブレード歯44を形成するよう接続されている。
従って、図8に示すような中間状態において提供される第1の脚160と第2の脚との間の取付け隙間lcl,αclは、静止ブレード42内の可動ブレード62の組立後にガイドスロット60内で提供される結果として生じる間隔オフセットls,αsよりも小さい。その結果、可動ブレード62は、垂直方向(Z方向)において少なくとも僅かに予荷重される。これは組立状態において提供される垂直方向の遊びがほんの僅かであるか或いはそのような遊びがないことさえあるという効果を有する場合がある。これは切断性能を向上させる。何故ならば、静止ブレード歯44と可動ブレード歯64の関連する切断縁が効率的に協働して毛を切断することがあるからである。
金属コンポーネント68の変形の結果として、金属コンポーネントの第1の壁100と支持インサート70との間の中間組立状態(図7)においてガイドスロット60内に存在する中間間隔オフセットは、図6に示すような最終組立状態においてガイドスロット60内に可動ブレード62を収容するために基本的に必要とされる間隔オフセットls,αsよりも少なくとも僅かに小さい。
換言すれば、可動プレート62がガイドスロット60に挿入されるとき、金属コンポーネント68は、少なくとも僅かに変形させられ、第2の脚162は、反対側の第1の脚160から更に離れる方向に導かれる。故に、第1の壁100は、支持インサート70から少なくとも僅かに持ち上げられる。更なる結果として、金属コンポーネント68と支持インサート70との間の接触力は、更に増大させられる。
図3〜図5に例示する例示的な実施形態に示すように、取付け構成88、90は、金属コンポーネント68と支持インサート70との間の確動嵌合接続を提供する。従って、金属コンポーネント68は、長手方向(X方向)及び/又は横方向(Y方向)において支持インサート70に対して変位させられない。故に、可動プレート62がガイドスロット60内に挿入されるときに金属コンポーネント68を変形させるために、一定の挿入力が可動プレート62に加えられてよい。
図8に例示するように、第1の脚160と第2の脚162との間の取付け隙間lcl、αclは、それらの間の垂直距離及び/又は角度オフセットのいずれかによって画定されてよい。
図6において、矢印172は、ガイドスロット60が可動ブレード62をガイドスロット60内に収容するのに十分な大きさであるようにするために必要な、持上げ動作を示している。
本開示の重要な態様は、ガイドスロット60内の最終組立状態において結果として得られるアセンブリ隙間が、関連する接触領域において、例えば、接触リッジ110並びに第1の壁100及び/又は第1の脚160の反対部分の近傍における可動ブレード62の高さに基本的に等しいことである。更に、アセンブリ隙間(高さ)lhは、最終組立状態においても隙間を画定する支持インサート70の一部によって画定されない。故に、少なくとも可動プレート62が挿入されるときの最終組立状態において、支持インサート70とガイドスロット60に面する第1の壁100の内側との間で必要な直接的な接続はない。
上述の図1〜図8に関連して、比較的詳細な実施形態を参照して、本開示の幾つかの態様及び実施形態を議論した。それらに基づいて、代替的な実施形態を概略的に例示する、図9、図10、及び図11を参照する。それらは、しかしながら、上記で議論した構成、コンポーネント及びサブアセンブリのうちの少なくとも一部を利用することがある。従って、以下では、主に逸脱が強調され、明示的に議論される。それとは別に、図9、図10及び図11のいずれかの図の構成は、上記で議論した実施形態に従って構成されてよく、その逆もまた同様である。
図9は、異なる組立状態におけるブレードセット226の横断面図を概略的に例示している。第1の組立状態では、金属コンポーネント268及び支持インサート270は、分離状態で示されている。第2の状態では、静止ブレード242を形成する金属コンポーネント268と支持インサート270との中間アセンブリが示されている。第3の状態では、ブレードセット226の最終組立状態が示されている。従前に本明細書で議論したように、最終組立状態では、静止ブレード242にあるガイドスロット260内に収容される可動ブレード262がガイドスロット260の高さを画定する。
支持インサート270との組立前に、曲げ手順が金属コンポーネント268に適用される。結果として生じる中間アセンブリ状態では、適用される変形の故に、ガイドスロット260は、実際には、最終組立状態において必要とされるよりも小さい。故に、可動プレート262が挿入されると、第3の予荷重及び変形が誘発される。
図9に示す実施形態では、可動ブレード262にある対応するガイド凹部298と係合する中央ガイド突起272が、支持インサート270に形成される。
図10は、異なる組立状態におけるブレードセット426の横断面図を概略的に例示している。第1の組立状態では、金属コンポーネント468及び支持インサート470が分離状態において示されている。第2の状態では、静止ブレード442を形成する金属コンポーネント468と支持インサート470との中間アセンブリが示されている。第3の状態では、ブレードセット426の最終組立状態が例示されている。従前に本明細書で議論したように、最終組立状態では、静止ブレード442にあるガイドスロット460内に収容される可動ブレード462は、ガイドスロット460の高さを画定する。
支持インサート470との組立前に、曲げ手順が金属コンポーネント468に適用される。結果として生じる中間組立状態では、適用される変形の故に、ガイドスロット460は、実際には、最終組立状態において必要とされるよりも小さい。故に、可動プレート462が挿入されると、第3の予荷重及び変形が誘発される。
図10に示す実施形態では、可動ブレード462にある対応するガイド突起498と係合する中央ガイド凹部472が支持インサート470に形成される。
図11は、異なる組立状態におけるブレードセット626の横断面図を概略的に例示している。第1の組立状態では、金属コンポーネント668及び支持インサート670が分離状態で示されている。第2の状態では、静止ブレード662を形成する金属コンポーネント668と支持インサート670との中間アセンブリが示されている。第3の状態では、ブレードセット626の最終組立状態が例示されている。従前に本明細書で議論したように、最終組立状態では、静止ブレード642にあるガイドスロット660内に収容される可動ブレード662がガイドスロット660の高さを画定する
支持インサート670との組立前に、曲げ手順が金属コンポーネント668に適用される。結果として生じる中間組立状態では、適用される変形の故に、ガイドスロット660は、実際には、最終組立状態において必要とされるよりも小さい。故に、可動プレート662が挿入されると、第3の予荷重及び変形が誘発される。
図11に示す実施形態において、可動ブレード662にある対応するガイド突起698と係合する中央ガイド凹部672は支持インサート670に形成される。
毛切断器具のためのブレードセットを製造する方法の例示的な実施形態を概略的に例示する図12を更に参照する。本方法は、可動ブレードが収容される静止ブレードを共に形成する、金属コンポーネントと支持インサートとの提供を含む。
第1のステップS10では、金属コンポーネントが形成されるベースとなるシートメタルブランクが提供される。次のステップS12では、一連の歯スロットが、好ましくは折り畳なれていない状態において、シートメタルブランクにおいて処理される。故に、比較的単純な製造方法が用いられることがある。更なるステップS14において、最初に平坦なシートメタルブランクが変換される。これは、一連の歯スロットに平行であり且つ一連の歯スロットを横断する折畳み縁の周りでシートメタル材料を曲げるか或いは折り畳むことを含んでよい。故に、一連の静止ブレード歯を画定するために接続される第1の壁と第2の壁とが形成される。
更なるステップS20では、ステップS10乃至S14において処理された金属コンポーネントに挿入されるように構成された支持インサートが提供される。支持インサートは、成形を通じて、特に射出成形を通じて得られてよい。故に、支持インサートは、例えば、プラスチック材料から作られてよい。支持インサートでは、更なる構成、例えば、取付け構成、横方向エンドピース等が、一体的に形成されてよい。
ブレードセットを組み立てるために、第1の組立ステップS30において、支持インサート及び金属コンポーネントが組み立てられる。これは、第1の壁と第2の壁との間で金属コンポーネント内に支持インサートを挿入することを含んでよい。金属コンポーネントの第1の壁及び第2の壁は、少なくとも部分的に、支持インサートを囲むか或いは覆う。金属コンポーネント及び支持インサートの両方が静止ブレードを形成する。
好ましくは、金属コンポーネント及び支持インサートは、力嵌め(force-fitted)又は干渉嵌めされる(interference-fitted)。故に、保持力を生成する特定の予荷重又はプレテンションが金属コンポーネント中に誘発される。静止ブレードの予組立の結果として、金属コンポーネントは、インタフェース嵌め(interface fit)の故に、少なくとも僅かに付勢(バイアス)される。これは、中間組立状態において、可動ブレードのための支持インサートと金属コンポーネントとによって共に画定されるガイドスロットが最終組立状態において実際に必要とされるよりも小さいことを含む場合がある。器具の動作性能に非常に重要なガイドスロットの所望の最終寸法を構成するためには、特定の補正力(corrective force)が必要とされる。
更に、ステップS40では、ブレードセットのための可動ブレードが提供される。一般的に、可動ブレードは、金属コンポーネント及び支持インサートによって共に画定されるガイドスロット内に収容されるように構成される。
ステップS50において、可動ブレードは、静止ブレードのガイドスロット内に挿入される。結果として得られる組み立てられたブレードセットにおいて、可動ブレードは、金属コンポーネントと支持インサートとの間に形成されるガイドスロット内に移動可能に収容され、少なくとも僅かに予荷重される。可動ブレードは、少なくとも中央領域において、第1の壁を支持インサートから少なくとも僅かに持ち上げる
破線ブロックによって示すように、更なる任意的なステップS60及びS70が後続してよい。任意的なステップS60は、静止ブレードのためのエンドキャップの提供を含む。エンドキャップは、射出成形プラスチック部品であってよい。
ステップS70において、エンドキャップは、支持インサートに取り付けられて、金属コンポーネントと支持インサートとのアセンブリを固定し、可動ブレードを静止ブレードのそれぞれの横方向端の間に保持する。
代替的な実施形態において、金属コンポーネント及び支持インサートの取付け状態ならびにガイドスロット内の可動ブレードの画定された可動構成は、さもなければ固定される。
任意的に、ステップS80及びS90が提供される。ステップS80は、毛切断器具のドライブトレインの一部を形成するように構成される或いは毛切断器具のドライブトレインによって係合されるように構成される駆動コネクタの提供を含む。駆動コネクタは、往復駆動する動きを可動ブレードに伝達する。結果として生じる組立ステップS90において、駆動コネクタは、支持インサート内に形成される駆動スロットを通じて挿入される。好ましくは、駆動コネクタは、支持インサートの底側に導入される。何故ならば、可動ブレードは、この状態においてガイドスロット内に既に配置されているからである。ステップS90は、可動ブレードでの駆動コネクタの取付け、好ましくは固定的な取付けを含んでもよい。この取付け手順からの更なる結果は、可動ブレードの横方向移動のためのガイドの提供を含むことがある。これは、駆動コネクタの位置、よって、長手方向における可動ブレードの位置が正確に画定されるように、駆動コネクタが駆動スロット内にしっかりと、しかしながら、可動に配置されるときに、達成されることがある。
上記ステップは必ずしも固定的な組立シーケンスを定めるものでないことが留意されるべきである。しかしながら、幾つかの例示的な実施形態において、組立シーケンスは、上記ステップのシーケンスに(基本的に又は正確にさえ)対応する。代替的な実施形態において、可動ブレードは、支持インサートの挿入前に金属コンポーネント内に挿入されてよい。代替的な実施形態において、可動ブレード及び支持インサートは、金属コンポーネントに一緒に挿入されてよい。
本発明を図面及び前述の記述中に詳細に例示し且つ記載したが、そのような例示及び記述は、例示的又は説明的であると考えられるべきであり、限定的であると考えられてならない。即ち、本発明は、開示の実施形態に限定されない。当業者は、特許請求される発明を実施する際に、図面、本開示、及び添付の請求項の研究から、開示の実施形態に対する他の変形を理解し、実施することができる。
請求項において、「含む」という語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形の表現は、複数を除外しない。単一の要素又は他のユニットが請求項中に列挙される幾つかの項目の機能を充足することがある。特定の手段が相互に異なる従属項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用し得ないことを示さない。
請求項中の如何なる引用符号も、その範囲を限定するものと解釈されてならない。
国際公開第2013/150412A1号
国際公開第2016/001019A1号
国際公開第2016/042158A1号
中国特許出願公開第106346519A号明細書
本開示は、毛切断器具(hair cutting appliance)のブレードセットに関し、それぞれ装備された毛切断器具に関する。更に、本開示は、毛切断器具のためのブレードセットを製造する方法に関する。
特許文献1は、電気的に作動させられる毛切断器具のブレードセットのための静止ブレードを開示しており、ブレードは、第1の壁と、第2の壁とを含み、各壁は、第1の表面と、第1の表面から見て外方を向く表面と、複数の横方向に離間した長手方向に延びる突起を画定する横方向に延びる前縁とを画定し、第1及び第2の壁の第1の表面は、少なくともそれらの前縁で互いに面し合い、第1及び第2の壁の前縁に沿って面する突起は、それらの先端で相互に接続されて、複数の概ねU形状の歯を画定し、第1及び第2の壁の第1の表面は、それらの間のブレードセットの可動ブレードのための横方向に延びるガイドスロットを画定し、第1の壁の突起は、第2の壁の突起の平均的な厚さよりも少ない平均的な厚さを有する。
二重壁静止ブレードに対する製造アプローチは、静止ブレードの少なくとも頂壁が少なくとも実質的にシートメタル材料から作られる構成を記載する特許文献2及び特許文献2に開示されている。両方の文献では、シートメタルと射出成形部品とを一体的に製造することを含む、金属部品と非金属部品との一体設計が提案されている。故に、金属コンポーネント及び非金属成形コンポーネントの利益を組み合わせるために、インサート成形及び/又はオーバーモールド成形が提案されている。
特許文献4は、シェーバのカッタヘッドのためのブレードセットを開示しており、ブレードセットは、歯付き前縁を備える固定ブレードと、固定ブレードを支持し且つ固定する固定ブレードブラケットと、固定ブレードの内側にある、対応する歯を有する可動ブレードとを含み、可動ブレードは、固定ブレードに対して前後に移動して毛を切断することができ、固定ブレードは、固定ブレードブラケットに対して張力付けられて固定される可撓性金属シートである。特許文献4は、弓弦と同様に固定ブレードブラケットによって可撓性金属シートを張力付けることを更に提案している。この目的を達成するために、固定ブレードブラケットの前縁と後縁の周りに可撓性金属シートを折り畳み、溶接、リベット締め及びボンディングのいずれかによって折り畳まれた可撓性金属シートを固定ブレードブラケットに固定することを更に提案している。
切断器具は、当該技術分野においてよく知られている。切断器具は、毛切断器具を特に含むことがある。より一般的な文脈において、本開示は、パーソナルケア器具、特にグルーミング器具を取り扱う。グルーミング器具は、毛切断器具、特にトリミング器具、シェービング器具、及び組み合わせ(二重目的または多目的)器具を含むが、これらに限定されない。
毛切断器具は、人間の毛、時には動物の毛を切断するために使用される。毛切断器具は、顔の毛を切断するために、特に髭剃りのために及び/又は髭トリミングのために使用されることがある。更に、切断器具は、頭髪及び体毛の切断(髭剃り及びトリミングを含む)のために使用される。
トリミングモードにおいて、毛切断器具は、典型的には、毛切断器具のブレードセットを皮膚から離間するように配置される、いわゆる間隔コームを備える。間隔コームの有効(オフセット)長に依存して、トリミング操作後に残る毛の長さが画定されることがある。
本開示の文脈における毛切断器具は、典型的には、処理ヘッドと呼ぶことがある切断ヘッドを含む。切断ヘッドには、ブレードセットが設けられ、ブレードセットは、いわゆる静止ブレードと、いわゆる可動ブレードとを含む。毛切断器具が作動させられると、可動ブレードは静止ブレードに対して動かされ、それはそれぞれの切断縁が互いに協働して毛を切断することを含むことがある。
故に、本開示の文脈において、静止ブレードは、毛切断器具の駆動ユニットが静止ブレードと協働しないような方法において、毛切断器具に取り付けられるように構成される。むしろ、駆動ユニットは、典型的には、可動ブレードと連結させられ、静止ブレードに対する可動ブレードの動きを起こすように構成される。故に、静止ブレードは、幾つかの実施形態において、毛切断器具のハウジングに固定的に取り付けられることがある。
しかしながら、代替的な実施形態において、静止ブレードは、枢動可能な様式において毛切断器具のハウジングに配置される。これは、例えば、毛切断器具の切断ヘッドの輪郭追従構成を可能にすることがある。従って、本明細書で使用するとき、静止ブレードという用語は、限定的な意味では解釈されないものとする。更に、言うまでもなく、毛切断器具自体が動かされると、静止ブレードも動かされる。しかしながら、静止ブレードは、切断作用を引き起こすように能動的に作動させられるように構成されない。むしろ、可動ブレードが静止ブレードに対して動かされるように構成される。
静止ブレードをガードブレードと呼ぶこともある。典型的には、毛切断器具を作動させて毛を切断するとき、静止ブレードは、少なくとも部分的には、可動ブレードとユーザの毛又は皮膚との間に配置される。本明細書で使用するとき、ユーザという用語は、その人の毛が処理又は切断されている人物又は被験者を指す。換言すれば、毛切断器具のユーザ及びオペレータは、必ずしも同一人物ではない。ユーザという用語は、美容店又は理容店にいるクライアントも含むことがある。
幾つかの態様において、本開示は、トリミング操作及びシェービング操作の両方を可能にする毛切断器具に関する。この文脈において、トリミングのために適切に構成された第1のブレードセットとシェービングのために適切に構成された第2のブレードセットとを含む二重切断構成を組み込んだ毛切断器具が知られている。例えば、シェービングブレードセットは、可動切断要素と協働する穿孔付き箔を含んでよい。むしろ、トリミングブレードセットは、互いに協働する歯をそれぞれ備える2つのブレードを含んでよい。原理的には、シェービングブレードセットの静止部分を形成する穿孔付き箔は、主として強度上の理由から従来的な器具では相当により厚くなければならないトリミングブレードセットの静止ブレードよりも、より一層薄いことがある。
上記特許文献1は、静止ブレードに2つの壁を設けることを提案しており、2つの壁の一方は、ユーザの皮膚に面しており、他方はユーザから見て外方を向いている。2つの壁は、互いに接続されており、横から見ると、可動カッタブレードのためのガイドスロットを形成するU形状プロファイルを画定している。故に、静止ブレードは、二重壁付きブレードである。これは、第2の壁が静止ブレードに十分な強度をもたらすので、第1の壁が相当により薄く構成されることがあるという利点を有する。従って、そのような構成は、トリミングに適する。何故ならば、それぞれの歯は静止ブレード及び可動ブレードに設けられてよいからである。更に、ブレードセットは、シェービングに適する。何故ならば、静止ブレードの第1の壁の有効厚さは相当に低減されるからである。
故に、二重壁付き静止ブレード及びそれぞれのブレードセットの製造に対する幾つかのアプローチが提案されている。しかしながら、上記アプローチの少なくとも一部は、依然として、比較的高い製造コスト、特に成形コスト及び工具類コストを伴う。特に、インサート成形又はオーバーモールド成形技法を含む、組み合わせシートメタル及び射出成形アプローチは、特定の工具及び製造設備を必要とする。更に、比較的複雑でコストを増加させる補助プロセス、例えば、研削、ラッピング、バリ取りなどが必要とされることがある。
故に、この点に関して、毛切断器具のためのブレードセットの製造における改良の余地が依然としてある。
上記の観点から、毛切断器具のためのブレードセットと、上記で議論した二重壁付き設計の利益を維持しながら費用効率的な製造を可能にする対応するブレードセットの製造方法とを提供することが、本開示の目的である。より具体的には、好ましくは高価な工具類及び複雑な後処理及び/又は組立手順を必要としないむしろ単純な製造アプローチに主として依存するブレードセットの製造方法を提示することは有益である。更に、(シートメタルコンポーネントのインサート成形及び/又はオーバーモールド成形のような)2つ又はそれよりも多くのむしろ別個の異なる製造方法を組み合わせるハイブリッド製造アプローチを省くことは有益である。
換言すれば、従来的な製造方法に基づくが、上記の新規な設計アプローチに従った静止ブレード及びブレードセットの製造を可能にする、製造アプローチを提示することは有益である。
それぞれのブレードセットが取り付けられることがある毛切断器具を提供することが本開示の更なる目的である。
本開示の第1の態様では、毛切断器具のためのブレードセットが提示され、ブレードセットは、移動方向において毛の間を移動させられて毛を切断するように構成され、ブレードセットは、
支持インサートと、金属コンポーネントとを含む、静止ブレードと、
複数の可動ブレード歯を含む、可動ブレードとを含み、
金属コンポーネント及び支持インサートは、互いに力嵌めされ、
金属コンポーネントは、二重壁付き静止ブレード歯を有する少なくとも1つの歯付き前縁を画定するように少なくとも部分的に変形され、
金属コンポーネントは、作動しているときに皮膚に面する壁としての機能を果たすように構成される第1の壁と、第1の壁から見て外方を向く第2の壁とを形成し、
可動ブレードのためのガイドスロットが、金属コンポーネント及び支持インサートの内向きに面する内面の間に画定され、
可動ブレードは、ガイドスロット内で金属コンポーネントと支持インサートとの間に可動に配置され、
可動ブレードは、取付け状態において、金属コンポーネントと支持インサートとの間で前記ガイドスロット内に可動に配置され且つ予荷重される。
本開示によれば、ガイドスロットの最終寸法(垂直延伸(vertical extension)又は高さ)は、可動ブレードがその中に配置されるときにだけ達成される。換言すれば、可動ブレードが未だ挿入されていないときの中間組立状態において、ガイドスロットは、最終状態よりも小さい高さを有して「より薄い」ことがある。これは主として金属コンポーネントの予備的な変形(曲げ手順)によって引き起こされる。この曲げ手順を通じて、第1の壁及び少なくとも1つの第2の壁区画は、金属コンポーネントに形成され、第1の壁及び第2の壁は、それらの間にオフセット、例えば、角度オフセット及び/又は基本的に平行なオフセットを画定する。
金属コンポーネントの第1の壁と第2の壁との間のオフセットを取付け隙間とも呼ぶ。取付け隙間は、最終組立状態における金属コンポーネントの第1の壁と第2の壁との間の結果として生じる間隔オフセットよりも少なくとも僅かに小さいように意図的に形成される。よって、中間組立状態において、金属コンポーネントの第2の壁部分の形状は、最終組立状態において意図される位置に対応しない支持インサートに対する相対的な位置/向きに第1の壁を付勢することがある。換言すれば、金属コンポーネントの第1の壁は、ブレードセットの最終組立状態におけるよりも反対側の支持インサートにより近い。この措置(measure)は、ガイドスロット内に可動ブレードを挿入した後に、金属コンポーネントが少なくとも僅かに付勢され、反対方向に変形されるので、その第1の壁が支持インサートに対する最終的な位置及び向きを取る、という効果を有する。
換言すれば、最終組立状態において、金属コンポーネントの第1の壁は、可動ブレードによって支持インサートから離間させられる。金属コンポーネントの第1壁と支持インサートとの間の直接的な接続はない。
上記で提示した態様によれば、金属コンポーネント及び支持インサートは、互いに力嵌めされる。しかし、これは、追加的な措置、例えば、スナップロック構成などのような確動嵌め接続構成を排除しない。
金属コンポーネント及び支持インサートは、干渉嵌めアセンブリを形成する。故に、第1の壁部と反対側の第2の壁部との間に特定の予荷重が存在することがあるので、金属コンポーネントと支持インサートとの間の確実な接続が保証される。
本明細書で使用するとき、金属コンポーネントの第1の壁及び反対側の支持インサートは、それらの間にガイドスロットを画定するよう垂直方向において互いから離間させられる。
上記態様は、静止ブレードが、シートメタル加工、射出成形等のような、比較的単純で確立された製造技法を用いて製造されることがあるという洞察に更に基づいている。好ましくは、静止ブレードは、ブレードセットの組立コンポーネントであり、それは、溶接、はんだ付け、接着等を含む、2K射出成形、インサート成形、オーバーモールド成形及び/又は複雑なボンディング技法のような、複雑な製造技法の必要性を省くことがある。
故に、特許文献4の教示とは対照的に、接着、溶接、リベット締め、はんだ付けなどを含む、追加的なボンディング技法を適用する必要はない。何故ならば、可動ブレードは、取付け位置を十分に固定するプレテンション力(予張力)を金属コンポーネントに加えることがあるからである。金属コンポーネント及び支持インサートは、未だ最終組立状態にない接合サブアセンブリ(ジョイントアセンブリ)を形成する。更に、第1の壁及び第2の壁を形成するために、金属コンポーネントは、挿入プロセスが行われる前に既に変換されており、それは支持インサートと少なくとも僅かにプレテンションが与えられた金属コンポーネントとを含む接合アセンブリをもたらす。
好ましくは、静止ブレードの少なくとも基本部分を形成する支持インサート及び金属コンポーネントは、それぞれ、製造が容易であり、静止ブレードを形成するために、組立が容易である。更に、ブレードセットの組立状態において可動ブレードが収容されるガイドスロットは、支持インサートと金属コンポーネントとを組み立てることによって並びに可動ブレードを挿入することによって達成される。
一般的に、第1の壁及び第2の壁は、互いに平行であってよく、且つ/或いは互いに対して傾けられてよい。更に、第1の壁及び第2の壁のうちの少なくとも1つでの少なくとも部分的に湾曲した形状が想定されてよい。全てのこれらの代替は、互いから見て外方を向く第1の壁と第2の壁とを有する二重壁付き構を形成してよい。
幾つかの実施態様において、金属コンポーネントは、変形されて、それぞれの歯付き前縁でU形状又はV形状の構成を形成する、シートメタルブランクに基づく。これは、元々は平坦なシートメタルコンポーネントのそれぞれの区画を曲げること又は折り畳むことを含んでよい。換言すれば、少なくとも幾つかの実施態様において、元々のシートメタルブランクの区画は、支持インサートの周りに巻かれ、それによって、第1の壁と、第2の壁と、それらの間の移行部にある前縁とを形成する。
一般的には、静止ブレードをガードブレードと呼ぶことがある。一般的には、可動ブレードをカッタブレードと呼ぶことがある。
上記のように、金属コンポーネントを変形させるアプローチは、曲げ、折畳み等を含んでよい。それぞれの材料加工方法は、一般的に、特定の許容差に制約される。換言すれば、シートメタルのための曲げ、折畳み、及び類似の加工方法は、しばしば、高精度部品をもたらさないが、特定の比較的大きな許容差を含む。
しかしながら、高い精度及び非常な正確性を可能にする製造方法を用いて製造されることがある可動ブレードを提供することによって、金属コンポーネントのためのゲージが提供されてよい。金属コンポーネントは、好ましくは、組立状態において一定の予荷重が存在するように成形されるので、主として可動ブレードの形状が、特に静止ブレードの切断性能にとって重要な部分において、静止ブレードの結果として得られる形状を画定する。
ブレードセットが作動しているときに皮膚に面しているガイドスロットの頂側は、静止ブレードの第1の壁によって境界付けられる。換言すれば、可動ブレードは、第1の壁と、特に第1の壁に形成された静止ブレード歯の部分と協働して、毛を切断する。
可動ブレードは、第1の壁と第2の壁との間の垂直接続をもたらす。一般的に、垂直方向は、第1の壁の主延伸平面に対して垂直である。故に、可動ブレードは、静止ブレードにあるガイドスロットの高さを画定することがある。ガイドスロットの垂直延伸(高さ)は、比較的小さな許容差を伴って製造されることがある可動ブレードの形状によって主に画定される。これは、静止ブレードを組み込むブレードセットの全体的な精度及び性能に対して有益な効果を有する。
支持インサートは、成形プロセス、特に射出成形から得られてよい。しかしながら、幾つかの代替的な実施形態において、支持インサートは、金属材料を加工する鋳造プロセスから得られてよい。更に、支持インサートは、中間部品を機械加工して所望の最終形状を形成することによって得られてよい。
しかしながら、本開示の主な実施形態において、支持インサートは、比較的単純な射出成形手順から得られるプラスチック部品である。好ましくは、インサート成形、オーバーモールド成形、多コンポーネント成形等のような、複雑な組み合わせ製造手順が回避されることがある。
一般的に、支持インサートは、プラスチック材料、アルミニウム合金のような軽金属を含む金属材料、又は相当に固形で寸法的に安定した別の適切な材料から製造されてよい。
金属コンポーネント及び可動ブレードは、シートメタル機械加工から得られてよい。
一般的には、可動ブレードの挿入前の状態において、金属コンポーネントの第1の壁と支持インサートとの間の垂直案内隙間は、可動ブレードの挿入後の組立状態における垂直案内隙間よりも小さい。
可動ブレードが金属コンポーネントの第1の壁と支持インサートとの間に僅かにだけ予荷重されることが好ましいことが留意されるべきである。これは移動の容易さに対して肯定的な効果を有するので、ブレードセットを作動させるのに必要とされる電力を削減することができる。
ブレードセットの例示的な実施形態において、金属コンポーネントは、支持インサートによって所定の場所に保持され、金属コンポーネント及び支持インサートの内面は、互いから離間させられる。前記のように、金属コンポーネント及び支持インサートは、支持インサートの(長手方向端の)形状及び金属コンポーネントの第1の壁と第2の壁との間の明確なオフセットの故に、互いに力嵌めされる。更に、支持インサートと金属コンポーネントとの間の確動嵌め接続を可能にする係止構成が存在してよい。全体的には、ボンディング、溶接、接着等のような、更なる固定手順を適用する絶対的な必要はない。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、静止ブレード歯は、横方向に対して垂直な断面平面において見られるときに、実質的にU形状又はV形状であり、第1の壁によって形成される第1の脚と、第2の壁によって形成される第2の脚とを含み、第1の脚及び第2の脚は互いに結合して、静止ブレード歯の先端を形成する。故に、一方では、金属コンポーネントに適用される変形/曲げ手順は、金属コンポーネントと支持インサート端との力嵌め組立に寄与し、他方では、組立状態において可動ブレード歯を覆う静止ブレード歯の二重壁付け形状を画定する。
この脈絡において、ブレードセットの他の例示的な実施形態では、第1の前縁と、第1の前縁とは反対側の第2の前縁とが、静止ブレードに形成される。組立状態において、金属コンポーネントの第1の壁は、第1の前縁から第2の前縁まで延びる。可動ブレードは、第1の前縁及び第2の前縁とそれぞれ協働する、第1の一連の歯第2の一連の歯とを含む。その結果、ブレードセットは、双方向に作動可能である。
この実施形態によれば、第2の壁をそれぞれ形成する2つの部分がある。第1の部分が第1の前縁に割り当てられる。第2の部分が第2の前縁に割り当てられる。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、静止ブレードの第1の壁及び第2の壁は、支持インサート及び可動ブレードによって互いに離間する。最終組立状態では、静止ブレードと可動ブレードのそれぞれの歯の領域において、層状スタックが形成される。層状スタックは、皮膚に面する側にある第1の壁と、反対側にある第2の壁とを含む。第1壁と第2壁との間には、可動ブレード及び支持インサートが配置される。支持インサートは、第2の壁と可動ブレードとの間に配置される。可動ブレードは、支持インサートと第1の壁との間に配置される。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、金属コンポーネントの第1の壁及び第2の壁は、非組立状態において、支持インサート及び可動ブレードによって画定される垂直間隔オフセットよりも小さい隙間によって、接触領域内で互いに離間する。上記で説明したように、隙間は、第1の壁と第2の壁との間の平行オフセット及び/又は角度オフセットを含んでよい。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、金属コンポーネントは、シートメタルコンポーネントである。支持インサートは、別個に形成された射出成形プラスチック部品として構成されよい。故に、ブレードセットのコンポーネントを形成するために、比較的単純で費用効率的な製造手順が用いられることがある。ブレードセットの歯の切断縁(切断エッジ)は、金属コンポーネントに構成される。支持インサートはアセンブリを強化し、金属コンポーネントと共に閉じたプロファイル(closed profile)を画定し、閉じたプロファイルは、可動ブレードのためのガイドスロットを取り囲む。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、可動ブレードのための横方向ガイドが、可動ブレードに取り付けられた駆動コネクタによって提供され、駆動コネクタは、支持インサート内に形成されたコネクタスロット内にスライド可能に受け入れられる。典型的には、駆動コネクタは、毛切断器具のドライブトレインによって係合されるか或いはその一部を形成する。駆動コネクタは、支持インサートを通じて延び、駆動運動を可動ブレードに伝える。本明細書で使用するとき、横方向ガイド(lateral guide)は、横方向に延びるコネクタスロット内に配置される基本的に横方向に延びるガイドである。横方向ガイドは、静止ブレードに対する可動ブレードの長手方向位置を提供する。その結果、可動ブレード及び静止ブレードの歯の間の先端間オフセットが正確に画定されることがある。
駆動コネクタのための横方向に延びるコネクタスロットとは別に、静止ブレードに対する可動ブレードの所望の長手方向位置を保証するために、静止ブレードで更なる案内構成は必要ない。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態において、可動ブレードは、ガイドスロットの横方向端を遮断する少なくとも1つの横方向エンドキャップによってガイドスロット内に固定される。故に、ガイドスロット内で横方向に移動可能な可動ブレードは、明確は限界内に配置される。
代替において、可動ブレードの横方向の動きは、駆動コネクタの設計及び支持インサートに形成される駆動コネクタのためのコネクタスロットの設計によっても制限される場合があることも留意されるべきである。故に、それぞれの横方向エンドキャップのないブレードセットを形成することが可能である。しかしながら、少なくとも1つの横方向エンドキャップは、金属コンポーネント及び支持インサートのアセンブリのための更なる固定構成を提供することもある。
ブレードセットの更に別の例示的な実施形態では、第1の横方向キャップが、支持インサートに形成され、第2の横方向キャップが、第1の横方向キャップとは反対側で支持インサートに取り付けられる別個に形成された部分である。
本開示の別の態様では、毛切断器具のためのブレードセットを製造する方法が提示され、方法は、
金属コンポーネントに少なくとも1つのパターンのスロットを形成するステップを含む、金属コンポーネントを提供するステップと、
金属コンポーネントを変換し、それによって、第1の壁と、第2の壁とを形成するステップであって、少なくとも1つのパターンのスロットは、第1の壁及び第2の壁によって共同で形成される歯付き前縁に配置される一連の静止ブレード歯を画定する、ステップと、
支持インサートを提供するステップであって、支持インサートは、支持インサートと金属コンポーネントとの間の接触領域内に、第1の壁と第2の壁との間の取付け隙間(mounting clearance)よりも大きい取付け延伸(mounting extension)を有する、ステップと、
支持インサートを金属コンポーネント内に横方向に挿入し、それによって、静止ブレードを形成するステップを含む、金属コンポーネントと支持インサートとを接合するステップと、
可動ブレード歯を有する可動ブレードを提供するステップと、
静止ブレードに形成されるガイドスロット内に可動ブレードを横方向に挿入するステップと、
支持インサートに可動ブレードを配置するステップとを含み、
取付け状態において、金属コンポーネントは、接触領域内で支持インサートによって所定の場所に保持され、
可動ブレードは、取付け状態において、金属コンポーネントと支持インサートとの間でガイドスロット内に可動に配置され且つ垂直に予荷重される。
故に、第1壁の底側と可動ブレードの頂側との間の正確な嵌合及び密接な接触が保証されることがある。
本方法の例示的な実施形態において、金属コンポーネントと支持インサートとを接合するステップは、金属コンポーネントと支持インサートとの力嵌め接合を含む。これが達成されるのは、支持インサートが金属コンポーネント内に挿入されるときに、金属コンポーネントが最終組立状態におけるよりも僅かに小さいように形成されるからである。換言すれば、最終組立状態において、支持インサート及び可動カッタブレードは、金属コンポーネントの第1の壁及び第2の壁を互いに離れる方向に少なくとも僅かに付勢して、保持力を生成する。
この脈絡において、上記ステップは、特に支持インサート及び可動ブレードの取付けに関して、一定の取付けシーケンスを必ずしも画定しないことが留意されるべきである。特定の実施形態では、最初に、支持インサートは、金属コンポーネント内に挿入され、次に、可動ブレードは、金属コンポーネントと支持インサートとの間に形成されるガイドスロット内に挿入される。代替的な実施形態において、最初に、可動ブレードは、金属コンポーネント内に挿入され、次に、支持インサートは、カッタブレードと金属コンポーネントとの間に挿入される。代替的な実施形態において、支持インサート及びカッタブレードは、金属コンポーネント内に一緒に挿入されて、組立手順を達成する。これらの場合の各々では、金属コンポーネントの形状の故に、特定の予荷重が存在するので、カッタブレードは、ガイドスロット内に良好に嵌合される。
本方法の更に別の例示的な実施形態において、金属コンポーネントを提供するステップは、接触領域内の可動ブレード及び支持インサートの取付け延伸よりも小さい金属コンポーネントの第1の壁と第2の壁との間の取付け隙間を画定するステップを含む。取付け隙間は、第1の壁と第2の壁との間の角度オフセット及び/又は平行オフセットを含んでよい。
本方法の更に別の例示的な実施形態において、可動ブレードは、支持インサートに形成されるコネクタスロットを通じて挿入される駆動コネクタによって係合される。これは、可動ブレードの底側で駆動コネクタを取り付けることを含んでよい。全体的に、駆動コネクタ及び可動ブレードは、横方向において静止ブレードに対して動かされてよい。
本方法は、アセンブリを固定するために横方向エンドキャップを組み立てるステップを更に含んでよい。
本開示の更に別の態様では、毛の間を移動させられて毛を切断するように構成される毛切断器具が提供され、毛切断器具は、
ハンドル区画を含むハウジングと、
ハウジング内に配置された駆動ユニットと、
本明細書に記載する少なくとも1つの実施形態に従ったブレードセットを含む切断ヘッドとを含む。
一般的に、ブレードセットは、それぞれの一連の静止ブレード歯(及び可動ブレード歯)によって画定される基本的に直線的な前縁を含んでよい。この実施形態によれば、可動ブレードと静止ブレードとの間の基本的に往復動式の実質的に直線的な相対運動が存在する。しかしながら、これは静止ブレードに対する可動ブレードの少なくとも幾分湾曲した(振動する)移動経路が存在する実施形態を排除しない。これは、例えば、可動ブレードのためのそれぞれの案内リンク機構によって引き起こされることがある。
更に、ブレードセットの基本的に直線的な構成に加えて、ブレードセットの湾曲した構成も想定されてよく、或いはブレードセットの円形の構成さえも想定されてよい。故に、静止ブレード歯(及び可動ブレード歯)のそれぞれの構成によって画定される幾分湾曲した又は円形の前縁が設けられてよい。従って、本明細書において長手方向、横方向及び/又は高さ方向が言及されるときにはいつでも、これは限定的な意味において解釈されてならない。湾曲した又は円形のブレードセットは、類似の方向に関して定義及び記載されることがあるが、極方向及び/又は更に適切な方向情報に関して定義及び記載されてもよい。故に、デカルト座標系のみならず、極座標系及び更に適切な座標系も、ブレードセットの線形及び/又は湾曲設計を記述するために用いられてよい。
幾つかの実施形態において、ブレードセットは、2つの反対側の前縁、即ち、2つの反対側の一連の静止ブレード歯及び可動ブレード歯を備える。このようにして、ブレードセットの引き動作及び押し動作の両方が、切断操作のために使用されてよい。更に、このようにして、毛切断器具をより柔軟に展開することができ、それは手の届きにくい領域におけるスタイリング操作及び毛切断操作を容易にすることがある。
更に好ましい実施形態が従属項において定義される。特許請求される方法は、特許請求される(複数の)デバイス及び従属項に定義されるものと類似及び/又は同一の好ましい実施形態を有することが理解されるべきである。
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に記載する実施形態から明らかであり、それらを参照して解明されるであろう。
毛切断器具の例示的な実施形態の斜視正面図を示している。
毛切断器具のためのブレードセットの例示的な実施形態の斜視頂面図を示している。
毛切断器具のためのブレードセットの例示的な実施形態の分解斜視頂面図を示している。
図3の構成の分解斜視底面図を示している。
図3の構成の破断頂面図を示している。
図5の線VI−VI線に沿う横断面図を示している。
図6の構成の更なる図を示しており、エンドキャップ及び駆動コネクタが例示の目的のために省略されている。
図6及び図7に従った更なる横断面図を示しており、静止ブレードを形成する金属コンポーネント及び支持インサートが分離状態で例示されている。
本開示に従ったブレードセットの更なる実施形態を概略的な単純化された断面図において示している。
本開示に従ったブレードセットの更なる実施形態を概略的な単純化された断面図において示している。
本開示に従ったブレードセットの更なる実施形態を概略的な単純化された断面図において示している。
本開示に従った毛切断器具のためのブレードセットを製造する方法の例示的な実施形態を例示するブロック図を示している。
図1は、毛切断器具10(hair cutting appliance)の斜視正面図を示している。毛切断器具10は、トリミング(trimming)及びシェービング(shaving)の両方を行うことができる器具として構成されている。
器具10は、細長い様式で構成されたハウジング12を含む。ハウジング12に、ハンドル区画14が画定さている。ハウジング12内に、駆動ユニット16が配置されている。更に、バッテリ18がハウジング12内に配置されてよい。図1において、駆動ユニット16及びバッテリ18は、破線ブロックによって表されている。ハウジング12に、オン/オフボタン及び同等物のようなオペレータ制御装置20が設けられてよい。
その頂端に、器具10は、ハウジング12に取り付けられた処理ヘッド24を含む。処理ヘッド24は、ブレードセット26を含む。ブレードセット26、特にその可動ブレードは、駆動ユニット16によって往復動式に作動及び駆動される。図1の二重矢印28も参照のこと。その結果、ブレードセット26のブレードのそれぞれの歯は互いに対して動かされ、それによって、切断作用をもたらす。ブレードセット26の頂側又は頂面は、図1において参照番号30で示されている。
ブレードセット26のブレードは、第1の前縁32に配置されてよく、そして、少なくとも一部の実施形態では、第1の前縁32とは反対側の第2の前縁34に配置されてよい。第1の前縁32を前方前縁と呼ぶこともある。第2の前縁34を後方前縁と呼ぶこともある。
更に、器具10の一般的な前進方向又は移動方向が、二重矢印38によって図1に示されている。図1の例示的な実施形態のブレードセット26は2つの前縁32、34を備えるので、押し(プッシュ)及び引き(プル)の動きを使用して毛を切断してよい。
以下では、静止ブレード及びブレードセット26の例示的な実施形態が解明され、より詳細に記載される。ブレードセット26は、器具10又は類似の器具に取り付けられてよい。言うまでもなく、それぞれの実施形態の脈絡において開示される単一の構成は、分離された様式においても、他の実施形態のいずれかと組み合わされてよく、それによって、本開示の範囲に依然として入る更なる態様を形成する。
本明細書に示す幾つかの図では、例示的な座標系が例示的な目的のために示されている。本明細書で使用するとき、X軸が長手方向に割り当てられている。更に、Y軸が横方向に割り当てられている。従って、Z軸が垂直(高さ)方向に割り当てられている。ブレードセット26のそれぞれの構成(features)及び延伸(extensions)との軸/方向X、Y、Zのそれぞれの関連を、これらの図から導き出すことができる。座標系X、Y、Zは、例示の目的のために主に提供されており、本開示の範囲を制限することを意図しないことが理解されるべきである。これは、当業者が更なる実施形態、例示及び逸脱した視認方向に直面するときに、座標系を容易に変換及び転換する場合があることを含む。また、デカルト座標系の極座標系への対話(conversation)が、特に円形又は湾曲したブレードセットの脈絡において想定される場合がある。
図2には、毛切断器具10の処理ヘッド又は切断ヘッド24のためのブレードセット26の斜視図が示されている。図1に示す実施形態と同様に、ブレードセット26のブレードの切断方向及び/又は相対運動の方向が矢印28によって示されている。装置10が操作されるときにユーザに面するブレードセット26の頂側が参照番号30によって示されている。図2に示す例示的な実施形態において、ブレードセット26は、第1の前縁32及び第2の前縁34を備える。図2には、ブレードセット26の静止ブレード42が示されている。図2では、可動ブレード(カッタブレード)が静止ブレード42によって覆われている。静止ブレード歯は、参照番号44によって示されている。
図2では見えないブレードセット26の可動ブレードは、駆動ブリッジと呼ぶこともある駆動係合要素48を介して操作及び作動される。駆動係合要素48に、駆動シャフト52の駆動ピン50によって係合される駆動又は係合スロットが形成される。駆動シャフト52は、駆動軸54について回転される。湾曲した矢印56を参照のこと。駆動ピン50は、駆動軸54に対して偏心している。結果的に、駆動ピン50が回転しているときに、静止ブレード42に対する可動ブレードの往復運動が影響を受ける。
図2には、輪郭追従構成(contour following feature)と呼ぶことがあるピボット機構58が更に示されている。ピボット機構58は、Y軸についてのブレードセット26の特定のピボット運動を可能にする。
図3〜図11を参照すると、図1に示すような器具10において動作可能なブレードセット26及び図2に示すような処理ヘッド24の例示的な実施形態がより詳細に例示及び記載されている。
図3及び図4は、本開示に従ったブレードセット26の例示的な実施形態の斜視分解図を示している。ブレードセット26は、静止ブレード42内に配置される可動ブレード62を含む。可動ブレード62は、静止ブレード42に形成されたガイドスロット60内に配置されている。図6及び図7を参照のこと。
ガイドスロット60内で、可動ブレード62は、往復動式に移動可能である。図5の二重矢印28を参照のこと。作動状態において、可動ブレード62の歯64は、静止ブレード42の歯44と協働して、毛を切断することがある。歯スロット66は、可動ブレード歯64の隣接する歯の間に形成される。
本開示の主な態様によれば、静止ブレード42は、金属コンポーネント68と、支持インサート70とを含む、アセンブリである。図3及び図4に示すように、静止ブレード42は、互いに取り付けられた少なくとも2つの別個のコンポーネントから構成される。
図5に例示する組立状態では、静止ブレード42の第1の横方向端が、エンドピース74によって形成されている。静止ブレード42の第2の反対側の横方向端が、エンドキャップ76によって形成されている。図3及び図4に示すように、エンドキャップ74は、支持インサート70の本体と一体的に形成される。対照的に、エンドピース76は、支持インサート70が金属コンポーネント68内に横方向に挿入される中間組立ステップの後に支持インサート70に取り付けられるように構成される別個のコンポーネントとして形成される。挿入方向は、Y軸に平行である。
更に、中間組立手順は、可動ブレード62の横方向挿入を含む。可動ブレード62は、金属コンポーネント68と支持インサート70との間に形成されるガイドスロット60内に挿入される。再び図7を参照のこと。
然る後、エンドキャップ76を支持インサート70に取り付けて、アセンブリを固定してよい。言うまでもなく、エンドキャップ74、76を必要としない代替的な実施形態が着想可能である。
少なくとも幾つかの実施態様において、支持インサート70は、成形部品である。一例として、支持インサート70は、射出成形プラスチック部品である。故に、更なる構成及び要素が支持インサート70と一体的に形成されてよい。一例として、図4に見える支持インサート70の底側で、取付け構成80がその上に形成される。取付け構成80は、処理ヘッド24の対応する係止構成、例えば、図2に示される輪郭追従機構58に存在する係止構成に係合するように構成される、取付けフックとして構成されてよい。
図3及び図4から更に分かるように、支持インサート70でエンドキャップ76を取り付けるために、取付け構成82、84が設けられてよい。支持インサート70のそれぞれの横方向端に形成された取付け構成82は、凹部として構成される。エンドキャップ76に構成される対向する取付け構成84は、取付け構成82と一致するピンとして構成されている。
金属コンポーネント68及び支持インサート70の組立位置及び向きを画定するために、確動係止構成(positive-locking feature)が設けられてよい。一例として、ノッチとして構成された取付け構成88が、金属コンポーネント68の横方向端に形成される。支持インサートに、取付け構成88と一致する突起として構成された取付け構成90が設けられている。従って、取付け構成88、90の故に、支持インサート70に対する金属コンポーネント68の横方向及び長手方向位置が正確に画定されることがある。
静止ブレード歯44は、金属コンポーネント68によって提供される歯部分92によって形成されている。歯部分92の間で、歯スロット94が金属コンポーネント68に形成さていれる。図5も参照のこと。好ましくは、歯部分92は、金属コンポーネント68の初期平面状態において一連の歯スロット94を形成することによって作り出される。単一の歯スロット94は、基本的に長手向き(X方向)を有する。一連の歯スロット94は、横向き(Y方向)を有する。
しかしながら、代替的な実施形態において、支持インサート70は、金属コンポーネント68の歯部分92と整列させられる歯部分を備えてもよいことに留意のこと。支持インサート70は、普通、プラスチック材料から形成されるので、そのいずれの歯部分も、組立状態において静止ブレード歯44を支持又は強化することがあるが、必ずしも毛切断手順において能動的な役割を果たすわけではない。
金属コンポーネント68の歯部分92は、その第1の壁100及び第2の壁102によって共同で画定される。この脈絡において、図6乃至図8を参照のこと。図6乃至図8は、ブレードセット26の幾つかの組立段階を例示しており、そこでは、それぞれ横断面図が例示されており、その位置が、図6についての線VI−VI及び図7についての線VII−VIIの線によって図5に示されている。
金属コンポーネント68には、第1の前縁32及び第2の前縁34と関連付けられる、基本的に2つの対向する第2の壁部分が設けられている。
本明細書において議論するように、金属コンポーネント68は、曲げ又は折畳みを通じてシートメタル材料から得られる。故に、単一の平坦なシートメタルブランクに基づいて、U形状又はV形状の歯部分92が得られてよく、それらの間には、それぞれのスロット94が形成される。金属コンポーネント68を曲げるか或いは折り畳むことによって、静止ブレード42の第1の前縁32及び第2の前縁34が画定される。
前縁32、34では、第1の壁100と第2の壁102との間の移行部においてそれぞれの折畳み/曲げ縁104が設けられる。縁104には、静止ブレード歯44の先端106が形成される(図6)。
図5及び図6に示す組立状態において、可動ブレード62は、ガイドスロット60内に移動可能に保持される。再び図7を参照のこと。図5において、可動ブレード62は、金属コンポーネント68の第1の壁100によって覆われており、従って、破線によって隠された縁表現で示されている。
図6に最もよく見ることができるように、接触リッジ110が、ガイドスロット60内の支持インサート70の内面108に設けられている。故に、この例示的な実施形態では、可動ブレード62の底側と支持インサート70との間の限定的な接触ゾーンが設けられる。
再び図3及び図4を参照する。図示のように、支持インサート70に形成された駆動スロット122内に配置された駆動コネクタ120が提供される。図6に示すように、可動ブレード62は、駆動コネクタ120に取り付けられ、好ましくは、固定的に取り付けられる。駆動コネクタ120が駆動スロット122内に配置されると、ガイドスロット60内の可動ブレード62の長手方向位置(X方向)が正確に画定される。可動ブレード62は駆動コネクタ120によってガイドされるので、ガイドスロット60の長手方向位置を画定するために、ガイドスロット60内の更なるガイド要素の必要はない。
本開示の主な態様は、金属コンポーネント68が、支持インサートとの(及び/又は可動ブレード62との)組立前に、ブレードセット26の最終組立状態よりも高さ(Z方向)が少なくとも僅かに小さいように、意図的に変形させられることである。この脈絡において、例示的な目的のために、図6、図7及び図8を参照する。図8には、金属コンポーネント68及び支持インサート70の分離された非組立状態が示されている。図7には、静止ブレード42の中間組立状態が示されている。図6には、静止ブレード42と可動ブレード62とを含むブレードセット26の最終組立状態が示されている。
以下に更により詳細に議論するように、図8は、金属コンポーネント68の中間状態を例示しており、そこでは、例示的な目的のために、ブレードセット26の組立手順から得られる最終状態が破線によって示されている。中間状態において、第1の壁100及び第2の壁102は、最終組立状態よりも互いに近接している。図6も参照のこと。
接触領域156には、支持インサート70のコネクタアーム148と第2の壁102との間の接触が提供されている。歯付き部分92が形成される領域では、第1の脚160が第1の壁100に形成され、第2の脚162が第2の壁102に形成されている。第1の脚160及び第2の脚162は、先端106を有する二重壁付き静止ブレード歯44を形成するよう接続されている。
従って、図8に示すような中間状態において提供される第1の脚160と第2の脚との間の取付け隙間lcl,αclは、静止ブレード42内の可動ブレード62の組立後にガイドスロット60内で提供される結果として生じる間隔オフセットls,αsよりも小さい。その結果、可動ブレード62は、垂直方向(Z方向)において少なくとも僅かに予荷重される。これは組立状態において提供される垂直方向の遊びがほんの僅かであるか或いはそのような遊びがないことさえあるという効果を有する場合がある。これは切断性能を向上させる。何故ならば、静止ブレード歯44と可動ブレード歯64の関連する切断縁が効率的に協働して毛を切断することがあるからである。
金属コンポーネント68の変形の結果として、金属コンポーネントの第1の壁100と支持インサート70との間の中間組立状態(図7)においてガイドスロット60内に存在する中間間隔オフセットは、図6に示すような最終組立状態においてガイドスロット60内に可動ブレード62を収容するために基本的に必要とされる間隔オフセットls,αsよりも少なくとも僅かに小さい。
換言すれば、可動プレート62がガイドスロット60に挿入されるとき、金属コンポーネント68は、少なくとも僅かに変形させられ、第2の脚162は、反対側の第1の脚160から更に離れる方向に導かれる。故に、第1の壁100は、支持インサート70から少なくとも僅かに持ち上げられる。更なる結果として、金属コンポーネント68と支持インサート70との間の接触力は、更に増大させられる。
図3〜図5に例示する例示的な実施形態に示すように、取付け構成88、90は、金属コンポーネント68と支持インサート70との間の確動嵌合接続を提供する。従って、金属コンポーネント68は、長手方向(X方向)及び/又は横方向(Y方向)において支持インサート70に対して変位させられない。故に、可動プレート62がガイドスロット60内に挿入されるときに金属コンポーネント68を変形させるために、一定の挿入力が可動プレート62に加えられてよい。
図8に例示するように、第1の脚160と第2の脚162との間の取付け隙間lcl、αclは、それらの間の垂直距離及び/又は角度オフセットのいずれかによって画定されてよい。
図6において、矢印172は、ガイドスロット60が可動ブレード62をガイドスロット60内に収容するのに十分な大きさであるようにするために必要な、持上げ動作を示している。
本開示の重要な態様は、ガイドスロット60内の最終組立状態において結果として得られるアセンブリ隙間が、関連する接触領域において、例えば、接触リッジ110並びに第1の壁100及び/又は第1の脚160の反対部分の近傍における可動ブレード62の高さに基本的に等しいことである。更に、アセンブリ隙間(高さ)lhは、最終組立状態においても隙間を画定する支持インサート70の一部によって画定されない。故に、少なくとも可動プレート62が挿入されるときの最終組立状態において、支持インサート70とガイドスロット60に面する第1の壁100の内側との間で必要な直接的な接続はない。
上述の図1〜図8に関連して、比較的詳細な実施形態を参照して、本開示の幾つかの態様及び実施形態を議論した。それらに基づいて、代替的な実施形態を概略的に例示する、図9、図10、及び図11を参照する。それらは、しかしながら、上記で議論した構成、コンポーネント及びサブアセンブリのうちの少なくとも一部を利用することがある。従って、以下では、主に逸脱が強調され、明示的に議論される。それとは別に、図9、図10及び図11のいずれかの図の構成は、上記で議論した実施形態に従って構成されてよく、その逆もまた同様である。
図9は、異なる組立状態におけるブレードセット226の横断面図を概略的に例示している。第1の組立状態では、金属コンポーネント268及び支持インサート270は、分離状態で示されている。第2の状態では、静止ブレード242を形成する金属コンポーネント268と支持インサート270との中間アセンブリが示されている。第3の状態では、ブレードセット226の最終組立状態が示されている。従前に本明細書で議論したように、最終組立状態では、静止ブレード242にあるガイドスロット260内に収容される可動ブレード262がガイドスロット260の高さを画定する。
支持インサート270との組立前に、曲げ手順が金属コンポーネント268に適用される。結果として生じる中間アセンブリ状態では、適用される変形の故に、ガイドスロット260は、実際には、最終組立状態において必要とされるよりも小さい。故に、可動プレート262が挿入されると、第3の予荷重及び変形が誘発される。
図9に示す実施形態では、可動ブレード262にある対応するガイド凹部298と係合する中央ガイド突起272が、支持インサート270に形成される。
図10は、異なる組立状態におけるブレードセット426の横断面図を概略的に例示している。第1の組立状態では、金属コンポーネント468及び支持インサート470が分離状態において示されている。第2の状態では、静止ブレード442を形成する金属コンポーネント468と支持インサート470との中間アセンブリが示されている。第3の状態では、ブレードセット426の最終組立状態が例示されている。従前に本明細書で議論したように、最終組立状態では、静止ブレード442にあるガイドスロット460内に収容される可動ブレード462は、ガイドスロット460の高さを画定する。
支持インサート470との組立前に、曲げ手順が金属コンポーネント468に適用される。結果として生じる中間組立状態では、適用される変形の故に、ガイドスロット460は、実際には、最終組立状態において必要とされるよりも小さい。故に、可動プレート462が挿入されると、第3の予荷重及び変形が誘発される。
図10に示す実施形態では、可動ブレード462にある対応するガイド突起498と係合する中央ガイド凹部472が支持インサート470に形成される。
図11は、異なる組立状態におけるブレードセット626の横断面図を概略的に例示している。第1の組立状態では、金属コンポーネント668及び支持インサート670が分離状態で示されている。第2の状態では、静止ブレード662を形成する金属コンポーネント668と支持インサート670との中間アセンブリが示されている。第3の状態では、ブレードセット626の最終組立状態が例示されている。従前に本明細書で議論したように、最終組立状態では、静止ブレード642にあるガイドスロット660内に収容される可動ブレード662がガイドスロット660の高さを画定する
支持インサート670との組立前に、曲げ手順が金属コンポーネント668に適用される。結果として生じる中間組立状態では、適用される変形の故に、ガイドスロット660は、実際には、最終組立状態において必要とされるよりも小さい。故に、可動プレート662が挿入されると、第3の予荷重及び変形が誘発される。
図11に示す実施形態において、可動ブレード662にある対応するガイド突起698と係合する中央ガイド凹部672は支持インサート670に形成される。
毛切断器具のためのブレードセットを製造する方法の例示的な実施形態を概略的に例示する図12を更に参照する。本方法は、可動ブレードが収容される静止ブレードを共に形成する、金属コンポーネントと支持インサートとの提供を含む。
第1のステップS10では、金属コンポーネントが形成されるベースとなるシートメタルブランクが提供される。次のステップS12では、一連の歯スロットが、好ましくは折り畳なれていない状態において、シートメタルブランクにおいて処理される。故に、比較的単純な製造方法が用いられることがある。更なるステップS14において、最初に平坦なシートメタルブランクが変換される。これは、一連の歯スロットに平行であり且つ一連の歯スロットを横断する折畳み縁の周りでシートメタル材料を曲げるか或いは折り畳むことを含んでよい。故に、一連の静止ブレード歯を画定するために接続される第1の壁と第2の壁とが形成される。
更なるステップS20では、ステップS10乃至S14において処理された金属コンポーネントに挿入されるように構成された支持インサートが提供される。支持インサートは、成形を通じて、特に射出成形を通じて得られてよい。故に、支持インサートは、例えば、プラスチック材料から作られてよい。支持インサートでは、更なる構成、例えば、取付け構成、横方向エンドピース等が、一体的に形成されてよい。
ブレードセットを組み立てるために、第1の組立ステップS30において、支持インサート及び金属コンポーネントが組み立てられる。これは、第1の壁と第2の壁との間で金属コンポーネント内に支持インサートを挿入することを含んでよい。金属コンポーネントの第1の壁及び第2の壁は、少なくとも部分的に、支持インサートを囲むか或いは覆う。金属コンポーネント及び支持インサートの両方が静止ブレードを形成する。
好ましくは、金属コンポーネント及び支持インサートは、力嵌め(force-fitted)又は干渉嵌めされる(interference-fitted)。故に、保持力を生成する特定の予荷重又はプレテンションが金属コンポーネント中に誘発される。静止ブレードの予組立の結果として、金属コンポーネントは、インタフェース嵌め(interface fit)の故に、少なくとも僅かに付勢(バイアス)される。これは、中間組立状態において、可動ブレードのための支持インサートと金属コンポーネントとによって共に画定されるガイドスロットが最終組立状態において実際に必要とされるよりも小さいことを含む場合がある。器具の動作性能に非常に重要なガイドスロットの所望の最終寸法を構成するためには、特定の補正力(corrective force)が必要とされる。
更に、ステップS40では、ブレードセットのための可動ブレードが提供される。一般的に、可動ブレードは、金属コンポーネント及び支持インサートによって共に画定されるガイドスロット内に収容されるように構成される。
ステップS50において、可動ブレードは、静止ブレードのガイドスロット内に挿入される。結果として得られる組み立てられたブレードセットにおいて、可動ブレードは、金属コンポーネントと支持インサートとの間に形成されるガイドスロット内に移動可能に収容され、少なくとも僅かに予荷重される。可動ブレードは、少なくとも中央領域において、第1の壁を支持インサートから少なくとも僅かに持ち上げる
破線ブロックによって示すように、更なる任意的なステップS60及びS70が後続してよい。任意的なステップS60は、静止ブレードのためのエンドキャップの提供を含む。エンドキャップは、射出成形プラスチック部品であってよい。
ステップS70において、エンドキャップは、支持インサートに取り付けられて、金属コンポーネントと支持インサートとのアセンブリを固定し、可動ブレードを静止ブレードのそれぞれの横方向端の間に保持する。
代替的な実施形態において、金属コンポーネント及び支持インサートの取付け状態ならびにガイドスロット内の可動ブレードの画定された可動構成は、さもなければ固定される。
任意的に、ステップS80及びS90が提供される。ステップS80は、毛切断器具のドライブトレインの一部を形成するように構成される或いは毛切断器具のドライブトレインによって係合されるように構成される駆動コネクタの提供を含む。駆動コネクタは、往復駆動する動きを可動ブレードに伝達する。結果として生じる組立ステップS90において、駆動コネクタは、支持インサート内に形成される駆動スロットを通じて挿入される。好ましくは、駆動コネクタは、支持インサートの底側に導入される。何故ならば、可動ブレードは、この状態においてガイドスロット内に既に配置されているからである。ステップS90は、可動ブレードでの駆動コネクタの取付け、好ましくは固定的な取付けを含んでもよい。この取付け手順からの更なる結果は、可動ブレードの横方向移動のためのガイドの提供を含むことがある。これは、駆動コネクタの位置、よって、長手方向における可動ブレードの位置が正確に画定されるように、駆動コネクタが駆動スロット内にしっかりと、しかしながら、可動に配置されるときに、達成されることがある。
上記ステップは必ずしも固定的な組立シーケンスを定めるものでないことが留意されるべきである。しかしながら、幾つかの例示的な実施形態において、組立シーケンスは、上記ステップのシーケンスに(基本的に又は正確にさえ)対応する。代替的な実施形態において、可動ブレードは、支持インサートの挿入前に金属コンポーネント内に挿入されてよい。代替的な実施形態において、可動ブレード及び支持インサートは、金属コンポーネントに一緒に挿入されてよい。
本発明を図面及び前述の記述中に詳細に例示し且つ記載したが、そのような例示及び記述は、例示的又は説明的であると考えられるべきであり、限定的であると考えられてならない。即ち、本発明は、開示の実施形態に限定されない。当業者は、特許請求される発明を実施する際に、図面、本開示、及び添付の請求項の研究から、開示の実施形態に対する他の変形を理解し、実施することができる。
請求項において、「含む」という語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形の表現は、複数を除外しない。単一の要素又は他のユニットが請求項中に列挙される幾つかの項目の機能を充足することがある。特定の手段が相互に異なる従属項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用し得ないことを示さない。
請求項中の如何なる引用符号も、その範囲を限定するものと解釈されてならない。
国際公開第2013/150412A1号
国際公開第2016/001019A1号
国際公開第2016/042158A1号
中国特許出願公開第106346519A号明細書