JP2020508341A - Ikke、tbk1及び/又はsik2キナーゼ阻害剤としての5−(ピリミジン−4−イル)−2−(ピロリジン−1−イル)ニコチノニトリル化合物 - Google Patents

Ikke、tbk1及び/又はsik2キナーゼ阻害剤としての5−(ピリミジン−4−イル)−2−(ピロリジン−1−イル)ニコチノニトリル化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、Rが−CH3又は−CH2CH3である式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩を提供する。式(I)の化合物は、被験体のIKKE、TBK1及び/又はSIK2メカニズムにより媒介される疾患又は障害、例えばがん及び炎症性若しくは組織修復障害の治療に有用である。本発明は、式(I)の化合物及びそれらを含む組成物の使用も提供する。(式(I))【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、式(I)のピリミジン化合物、式(I)のピリミジン化合物を含む組成物、及び、例えばプロテインキナーゼIKKε、TBK1及び/又はSIK2の異常な活性に関連する疾患の治療における薬剤としての式(I)のピリミジン化合物の使用に関する。
プロテインキナーゼは、さまざまな基質タンパク質のアミノ酸側鎖のリン酸化を触媒し、そしてシグナル伝達、転写調節、細胞運動、及び細胞***を含む多くの細胞機能において重要な役割を果たしている。既知のプロテインキナーゼが約500種類ある。異常又は不適切なプロテインキナーゼ活性は、特定の病状の発症及び維持に寄与する可能性がある。
この応用に特に関連する3つのプロテインキナーゼは:I−κ−B−キナーゼイプシロン、IKKε(I−κ−B−キナーゼ−3(IKK3)又は誘導性I−κ−B−キナーゼ(IKKi)としても知られている)、TANK Binding Kinase−1、TBK1(T2K又はNF−κ B−活性化キナーゼとしても知られている)、及び塩誘導性キナーゼ2、SIK2(QIK又はSNF1LK2としても知られている)である。以下に説明するように、これらは多くの疾患に関連しているセリン−トレオニンキナーゼである。
IKKεとTBK1は高度な配列相同性を有しており、その結果、多くの重要な生物学的機能を共有している。異常なIKKε及び/又はTBK1の活性は、さまざまな病状を引き起こす可能性がある。研究により、IKKε阻害剤及び/又はΤΒΚ1/IKKεのデュアル阻害剤は、特定のがん(例えば、タモキシフェン耐性乳がんを含む乳がん、シスプラチン耐性卵巣がんを含む卵巣がん、非小細胞肺がん、及び口腔がん)、肥満、肥満関連障害の治療、及び喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、乾癬、関節リウマチとクローン病などのIL−17及び/又は好中球が重要な役割を果たすと考えられている疾患に有効性を示す可能性があることが示されている。研究では、TBK1の阻害剤ががんの治療に効果がある可能性があることも示されている。他の研究は、IKKε及びTBK1の阻害剤が敗血症性ショックの治療/予防及び/又は炎症性疾患の治療に有効性がある可能性があることを示唆している。
IKKεとTBK1は、I型インターフェロン(インターフェロンベータなど)の産生やインターフェロンシグネチャー遺伝子(Interferon Signature Genes,ISGs)の刺激において重要な役割を果たすことも知られている。I型インターフェロン及び/又はこの遺伝子シグネチャーのアップレギュレーションは、インターフェロノパチーと総称されることもある多くの異なる疾患に関連している(Volpi
et al.,Pediatric Rheumatology,14:35,2016)。アップレギュレーションされたISGシグネチャーを示すこのような疾患の1つは、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus)である(Lisnevskaia et al.,The Lancet,2014,384,1878)。ΤΒΚΙ/IKKεのデュアル阻害剤は、Trexlノックアウトマウスモデルで有効性を示すことが報告されている(Hasan et al.,J.Immunol,2015,195,4573)。これらのマウスは、TREX1酵素の喪失の結果としてISGシグネチャーの上昇を含むループス様症状を発症する。TREX1変異は、全身性エリテマトーデス、家族性凍瘡状エリテマトーデス(familial
chilblain lupus)、アイカルディ・グティエール症候群(Aicar
di− Goutieres Syndrome)などの多くの自己免疫疾患を持つ患者に見られる。そして、これらの突然変異は、これらの病気を引き起こすのに重要な役割を果たすと考えられている(Grieves et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.,2015,112,5117)。
SIK2は、マクロファージのシグナル伝達経路で役割を果たすことが報告されている。SIK2はCRTC3やHDAC4などの抗炎症性調節因子をリン酸化し、IL−10などの抗炎症性サイトカインの発現のダウンレギュレーションと、IL−12やTNF−αなどの炎症性サイトカインの産生のアップレギュレーションをもたらす(Clark et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,2012,109(42),16986)。したがって、SIK2阻害剤は、自己免疫疾患を含む炎症性疾患の治療に応用されると考えられている。
IKKε、TBK1、及び/又はSIK2メカニズムによって媒介される可能性のある病状には:炎症性及び組織修復障害、特に関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD);さまざまな形態のループス(全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、家族性凍瘡状エリテマトーデス、及び皮膚ループスを含む)、多発性硬化症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、アイカルディ・グティエール症候群、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患;後天性免疫不全症候群(AIDS)などの特定のウイルス感染を含む感染に関連する炎症;敗血症性ショックなどの異常な炎症反応;変形性関節症、骨粗鬆症及び線維化疾患;乾癬、アトピー性皮膚炎、及び紫外線(UV)による皮膚損傷を含む皮膚病;組織及び臓器の拒絶;アルツハイマー病;脳卒中;アテローム性動脈硬化症;再狭窄;肥満;糖尿病;糸球体腎炎;ホジキン病を含むがん;悪液質;成人呼吸促迫症候群;毛細血管拡張性運動失調症、原発性開放隅角緑内障;そして巨細胞性動脈炎が含まれる。
特定のピリミジニル−アミンは、プロテインキナーゼ阻害剤として作用することが知られている。例えば、国際公開第WO2005/012262号、国際公開第WO2009/032861号、国際公開第WO2011/046970号、国際公開第WO2012/142329号、及び国際公開第WO2014/128486号は、特定の上記化合物を開示している。国際公開第WO2005/012262号では、化合物はCDK1、CDK2、CDK4、CDK7、CDK9、GSK3、オーロラキナーゼ、及びPLK1の1つ以上の阻害剤であると述べられている。国際公開第WO2009/032861号では、化合物は例えば、c−Jun N末端キナーゼ(JNK)のようなプロテインキナーゼの阻害剤であると述べられている。国際公開第WO2011/046970号、国際公開第WO2012/142329号及び国際公開第WO2014/128486号に開示されているピリミジニル−アミンは、IKKε及び/又はTBK1の阻害剤として記載されている。驚くべきことに、本発明者らは、非常に特異的な置換パターンを有するピリジン置換ピリミジニル−アミンの特定のサブセットが、前述の化合物と比較して特に良好な薬物動態特性を有することを発見した。したがって、異常なIKKε及び/又はTBK1及び/又はSIK2活性により疾患が引き起こされる患者集団に有用性を見出すこと、そして薬剤としての使用に特に適していることが期待される。
本発明は、Rが−CH又は−CHCHである式(I)の化合物を提供する。
Figure 2020508341
より詳細には、本発明は、式(Ia)及び式(Ib)の化合物を提供する。
Figure 2020508341
さらにより詳細には、本発明は、
Figure 2020508341
からなる群から選択される化合物を提供する。
本発明の化合物は、IKKε、TBK1及び/又はSIK2酵素(好ましくはIKKε及び/又はTBK1酵素)の阻害剤であり、したがって、異常なIKKε、TBK1及び/又はSIK2活性、特に異常なIKKε及び/又はTBK1活性に関連する又はそれらにより引き起こされる疾患の治療に有用である。IKKε、TBK1及び/又はSIK2酵素の非常に効果的な阻害剤であることに加えて、本発明の化合物は、以下の実施例のセクションに示すように、優れた代謝安定性及び優れたin vivoでの薬物動態特性を有する。
特に、マウスでの薬物動態研究により示されるように、本発明の化合物は、より大きな分布容積の結果として、先行技術の化合物よりも長い半減期を有することを本発明者らは見出した。当該化合物は、ヒト肝細胞クリアランスアッセイで確立されたように、良好な肝臓安定性も持っている。
ある種(ここではマウス)の分布容積の増加は、ヒトを含む他の種のより高い分布容積を示すことが知られている(Berry et al.,Drug Met.And Disp.,2011,39,2103)。そのようなものとして、本発明の化合物はまた、ヒトにおいて大きな分布容積及び長い半減期を有し、故に先行技術の化合物よりもヒトの投与に関して優れていると期待される。
詳細な説明
本発明の式(I)、式(Ia)及び式(Ib)の化合物は、キラル(不斉)中心を含む。個々の立体異性体(エナンチオマー)及びこれらの混合物は、本発明の範囲内にある。立体化学が特に示されていない場合、両方のエナンチオマーは本発明の範囲内である。
本発明の好ましい一実施形態では、Rは−CHである。例えば、本発明の化合物は式(Ia)の化合物である:
Figure 2020508341
Rが−CHである実施形態では、本発明の化合物は、
Figure 2020508341
及びそれらの混合物から選択することができる。
本発明の別の好ましい実施形態では、Rは−CHCHである。例えば、本発明の化合物は式(Ib)の化合物である:
Figure 2020508341
Rが−CHCHである実施形態では、本発明の化合物は、
Figure 2020508341
及びそれらの混合物から選択することができる。
本発明の特に好ましい一実施形態では、式(I)の化合物は、
Figure 2020508341
である。
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(I)の化合物は
Figure 2020508341
である。
本発明は、本発明の化合物の塩を含む。本発明の化合物は、例えば、鉱酸;例えば非置換又は例えばハロゲンで置換された炭素原子数1〜4のアルカンカルボン酸、飽和又は不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミノ酸のような強い有機カルボン酸;又は非置換又は例えばハロゲンで置換された(C−C)−アルキルスルホン酸又はアリールスルホン酸などの有機スルホン酸などの酸と付加塩を形成する。薬学的に許容される酸付加塩には、一般に、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、クエン酸、酒石酸、酢酸、リン酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、コハク酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、オキサロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、イセチオン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フタル酸、アスパラギン酸、及びグルタミン酸、リジン及びアルギニンから形成されるものが含まれる。それ自体が薬学的に許容されない塩、例えばシュウ酸などの酸に由来するものは、本発明
の化合物及びそれらの薬学的に許容される酸付加塩を得る際の中間体として有用であり得る。
本発明の化合物はまた、溶媒和物、例えば水和物を形成してもよく、これらも本発明の範囲内に含まれる。
すべての個々の立体異性体、及びそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。さらに、例えば水素原子が重水素で置き換えられる同位体も本発明に含まれる。特定の同位体は、有益な生物学的特性を有し得る。例えば、他の同位体よりも改善した代謝安定性又は向上した治療活性があり、又は、特定の同位体が、例えば、炭素−11、窒素−13、又はフッ素−18同位体変異体がポジトロン断層撮影法に使用されえるような生体撮像の目的に有用である可能性がある。
異常なキナーゼ活性は、多くの病気に関係している。例えば、c−Jun N末端キナーゼ(JNK)は、例えば脳卒中、脊髄損傷、多発性硬化症及び頭部外傷などの海馬ニューロンの興奮毒性;虚血/再灌流傷害及び、例えば脳卒中、心筋梗塞、うっ血性心不全、心肥大及びアテローム性動脈硬化を引き起こしえるか、又はこれらに関連する可能性のある病状、を含む疾患に関係している。JNKは、パーキンソン病やアルツハイマー病;神経管先天異常;関節リウマチやアテローム性動脈硬化などの慢性炎症性疾患;肥満及びインスリン抵抗性糖尿病;及びがんなどの神経変性疾患にも関連している。例えば乳がんなど多くの疾患は個々の患者に同じ総体的な症状を示すことが知られており、疾患は患者ごとに異なる様々な生化学的メカニズムによって引き起こされ、維持されえることが知られている。したがって、多くのそのような疾患の場合、治療の有効性は、病状を促進及び維持する生化学的メカニズムに大きく依存する。
本発明の化合物は、IKKε、TBK1及び/又はSIK2の阻害剤であり、したがって、異常なIKKε、TBK1及び/又はSIK2活性に関連する又は引き起こされる疾患の治療に有用である。IKKε、TBK1、及び/又はSIK2メカニズムによって媒介される可能性のある病状には以下が含まれる:炎症性及び組織修復障害、例えば関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD);自己免疫疾患、例えばループス(例えば、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、家族性凍瘡状エリテマトーデス、及び皮膚ループス)、多発性硬化症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、アイカルディ・グティエール症候群、及びシェーグレン症候群;感染に関連する炎症、例えば、後天性免疫不全症候群(AIDS)を含むウイルス感染に関連する炎症;異常な炎症反応、例えば、敗血症性ショック;変形性関節症、骨粗鬆症及び線維化疾患;皮膚病、例えば、乾癬、アトピー性皮膚炎、及び紫外線(UV)による皮膚損傷;組織及び臓器の拒絶;アルツハイマー病;脳卒中;アテローム性動脈硬化症;再狭窄;肥満;糖尿病;糸球体腎炎;がん、例えば、ホジキン病;悪液質;成人呼吸促迫症候群;毛細血管拡張性運動失調症、原発性開放隅角緑内障;そして巨細胞性動脈炎。
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、IKKε及び/又はTBK1の阻害剤であり、異常なIKKε及び/又はTBK1活性に関連する又は引き起こされる疾患の治療に有用である。
本発明の化合物は、少数のキナーゼ、IKKε、TBK1、及び/又はSIK2の選択的阻害剤であるため、選択性の低い化合物よりも副作用の少ない疾患の治療に使用できると予想される。また、特定の患者集団における疾患の標的化、すなわち異常なIKKε及び/又はTBK1及び/又はSIK2活性によって疾患が特異的に引き起こされる場合に特定の有用性を見出すことも期待される。
特に、本発明の化合物は、炎症性及び組織修復障害、特に関節リウマチ;及び自己免疫疾患、特にループスの治療に有用であると期待される。ループスのサブタイプは、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、家族性凍瘡状エリテマトーデス、及び皮膚ループスが含まれるが、これらに限定されない。本発明の化合物は、増加したインターフェロンシグネチャー遺伝子(Interferon Signature Genes,ISGs)プロファイル、特に自己免疫疾患、特にループス、さらに特に増加したISGsプロファイルを伴うループス、例えば家族性凍瘡状エリテマトーデスに関連する疾患又は障害の治療にも有用であると期待される。本発明の化合物は、インターフェロン関連疾患の治療にも有用であると期待される。「インターフェロン関連疾患」という用語に分類される疾患は、I型インターフェロン及び/又はISGプロファイルのアップレギュレーションが共通して見られる疾患である。「インターフェロン関連疾患」の例には、家族性凍瘡状エリテマトーデス、アイカルディ・グティエール症候群、脊樵内軟骨腫症、Singleton−Merten症候群、及びSAVI(乳児発症STING関連血管炎)が含まれる。
また、本発明の化合物は、がんの治療、特に疾患がIKKε及び/又はTBK1活性又はSIK2活性に関連する患者集団の治療に有用であると期待される。IKKεは、タモキシフェン耐性乳がんを含む乳がん、シスプラチン耐性卵巣がんを含む卵巣がん、腫瘍成長及び/又は生存がIKKεキナーゼ活性に依存するがん、Ras変異及びRas依存性腫瘍を有するがん、及びlq32遺伝子座の増殖を伴うがんに関与している。TBK1は、K−ras変異及びK−ras依存性腫瘍を有するがん、Ras変異を有するがん及びRas依存性のがん、乳がん、肺がん、特に非小細胞肺がん(NSCLC)、卵巣がん、前立腺がん、骨髄腫、白血病、口腔がん、膵臓がん、腸がん及び皮膚がんに関与している。SIK2はがん細胞の成長を促進することが示されており、がん細胞におけるSIK2の枯渇は、がん細胞の成長の大幅な減少、G1/S移行の遅延及びセリン473上のアポトーシス調節因子AKTのリン酸化の減少をもたらす。培養液中及び異種移植片において、SIK2の喪失はまた、がん細胞を化学療法剤パクリタキセルに感作させた(Ahmed et al.,Cancer Cell、2010)。SIK2は、特に卵巣がんの成長と転移に関連している。
がん、特にIKKε、TBK1、及び/又はSIK2に関連するがんに加えて、本発明の化合物は、肥満(IKKεが関係する)の治療及び予防;そして低酸素により誘発される血管新生が重要な疾患、例えば敗血症性ショック、及び原発性開放隅角緑内障(すべてTBK1が関与している)の治療と予防に特に有用であると予想される。
したがって、本発明は、薬学的に適切な担体と共に本発明による化合物を含む医薬組成物を提供する。そのような組成物は、単独の活性剤として本発明の化合物を含有してもよく、又はさらなる活性剤を含有してもよい。
本発明はさらに、本発明による化合物又は組成物の被験体への投与を含む、被験体(好ましくは人間の被験体)におけるIKKε、TBK1及び/又はSIK2メカニズムにより媒介される疾患(特に、IKKε及び/又はTBK1メカニズムによって媒介される疾患;及び/又は特に上記の疾患のいずれか)を治療又は予防する方法;治療における使用、及び/又は薬剤としての使用、特に上記の疾患のいずれかの治療又は予防における使用のための本発明による化合物又は組成物;及び上記の疾患のいずれかの治療に使用するための薬剤の製造に使用するための本発明による化合物を提供する。好ましくは、化合物又は組成物は、哺乳動物、特にヒトに投与される。
本発明の化合物は、単独の活性剤として使用され得るが、1つ以上のさらなる活性剤(「追加の活性剤」とも呼ばれ得る)と組み合わせて使用されることも可能である。そのようなさらなる活性剤は、本発明によるさらなる化合物であってもよく、又はそれらは異な
る治療剤、例えば上記の疾患の1つ、特に本発明の化合物が標的とする疾患と同じ疾患を標的とする薬剤であってもよい。本発明の化合物は、1つ以上のさらなる活性剤と共製剤化され得るか、又は別個に製剤化され、1つ以上のさらなる活性剤と連続的、同時的又は逐次的に投与され得る。
治療効果を達成するために必要な活性剤の量は、当然、特定の化合物、投与経路、被験体の種類、種、年齢、体重、性別、及び被験体の医学的状態と被験体の腎及び肝機能を含む治療中の被験体、及び治療中の特定の障害又は疾患、そしてその重症度によって異なる。通常の熟練した医師又は獣医は、病状の進行を防止、対抗、又は阻止するために必要な薬剤の有効量を容易に決定及び処方できる。
優れた薬物動態特性により、本発明の化合物は、他の既知のIKKε、TBK1及び/又はSIK2阻害剤よりも低い総投薬量で及び/又はより少ない頻度での投与で提供され得る。
本発明の化合物は有利に、1日量を1回で投与してもよく、又は1日総投薬量を1日2、3又は4回の分割量で投与してもよい。
本発明による医薬製剤には、経口投与、非経口投与(皮下、皮内、筋肉内、静脈内(ボーラス(bolus)又は注入)、及び関節内を含む)、吸入(各種の定量加圧エアロゾルによって生成され得る微粒子ダスト又はミストを含む)、ネブライザー又は吸入器、経直腸投与、腹腔内投与及び局所投与(真皮、頬、舌下、及び眼内を含む)に適したものが含まれるが、最も適切な経路は、例えば受容者の病状及び障害に依存し得る。本発明による好ましい医薬製剤は、経口及び非経口投与に適したものである;そして、より好ましくは経口投与に適したものである。別の実施形態において、本発明の化合物は、適切な鼻腔内ビヒクルの局所使用により鼻腔内形式で投与され、又は当業者に周知の経皮皮膚パッチの形式を使用する経皮経路により投与され得る。経皮送達システムの形態で投与されるために、投薬量の投与は、当然、投薬計画を通して断続的ではなく連続的である。
製剤は、単位剤形で便利に提供されてもよく、薬学の技術分野で周知の方法のいずれかによって調製されてもよい。すべての方法には、活性剤を、1つ又は複数の副成分を構成する担体と組み合わせるステップが含まれている。一般に、製剤は、活性剤を液体担体又は微粉化した固体担体又はその両方と均一かつ密接に組み合わせ、その後、必要に応じて製品を所望の製剤に成形することにより調製される。
本発明の経口投薬量は、示されている効果のために使用される際、成人の場合、1日あたり体重1kgあたり約0.01mg(mg/kg/日)から約100mg/kg/日、好ましくは1日あたり体重1kgあたり0.01mg(mg/kg/日)から10mg/kg/日、より好ましくは0.1mg/kg/日から5.0mg/kg/日、さらにより好ましくは0.5mg/kg/日から3mg/kg/日の範囲である。1日の総経口投薬量の例は、1mgから300mg、より好ましくは約10mgから約250mg、さらにより好ましくは約75mgから約200mg(例えば100mg)であり得る。経口投与の場合、治療される患者への投薬量の対症的調整のために、組成物は、好ましくは、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、及び500ミリグラムの活性剤を含む別個の単位で提供される錠剤又は他の形態で提供される。薬剤は、典型的には、約0.01mgから約500mgの活性剤、好ましくは約1mgから約300mgの活性剤、より好ましくは約10mgから約250mgの活性剤、最も好ましくは約75mgから約200mgの活性剤(例えば、100mgの活性剤)を含む。静脈内では、最も好ましい用量は、定速注入の間に約0.1〜約10mg/kg/分の範囲になる。
経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれが所定量の活性剤を含むカプセル、カシェ剤、丸剤又は錠剤などの別個の単位として;粉末又は顆粒として;水性液体又は非水性液体の溶液又は懸濁液として;又は水中油型液体エマルジョン又は油中水型液体エマルジョンとして提供され得る。活性剤は、ボーラス、舐剤又はペーストとして提供されてもよい。
本化合物は、例えば、即時放出又は持続放出に適した形態で投与することができる。即時放出又は持続放出は、本化合物を含む適切な医薬組成物の使用により、又は特に持続放出の場合、皮下インプラント又は浸透圧ポンプなどのデバイスの使用により達成され得る。
経口投与用の例示的な組成物には、例えば、バルクを与えるための微結晶セルロース、懸濁剤としてのアルギン酸又はアルギン酸ナトリウム、粘度増強剤としてのメチルセルロース、及び当分野で知られている甘味料又は香味料などを含むことができる懸濁液;及び、例えば、微結晶セルロース、リン酸二カルシウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ソルビトール、グルコース及び/又はラクトース及び/又は当分野で知られている他の賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、希釈剤及び潤滑剤などを含むことができる即時放出錠剤が含まれる。適切な結合剤には、デンプン、ゼラチン、グルコース又はベータラクトースなどの天然糖、コーン甘味料、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウムなどの天然及び合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが含まれるが、これらに限定されない。本発明の化合物は、舌下及び/又は頬側投与により口腔を通して送達することもできる。成形錠剤、圧縮錠剤又は凍結乾燥錠剤は、使用できる例示的な形態である。例示的な組成物には、マンニトール、ラクトース、スクロース及び/又はシクロデキストリンなどの速溶性希釈剤で本化合物を製剤にするものが含まれる。そのような製剤には、セルロース(アビセル)又はポリエチレングリコール(PEG)などの高分子量賦形剤も含まれ得る。そのような製剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)、無水マレイン酸共重合体(例えば、ガントレッツ)、及びポリアクリル共重合体(例えば、カーボポール934)のような放出を制御する薬剤などの粘膜付着を助ける賦形剤も含むことができる。加工及び使用を容易にするために、潤滑剤、滑剤、香料、着色剤、及び安定剤を追加することもできる。これらの投薬形態で使用される潤滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。液体形態での経口投与の場合、経口薬物成分は、エタノール、グリセロール、水などの任意の経口、非毒性、薬学的に許容される不活性担体と組み合わせることができる。
非経口投与用の製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、及び製剤を対象受容者の血液と等張にする溶質を含み得る水性及び非水性滅菌注射液、並びに、懸濁剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性滅菌懸濁液を含む。製剤は、単位用量容器又は複数用量容器、例えば密封アンプル及びバイアルで提供されてもよく、使用直前に生理食塩水又は注射用水などの滅菌液体担体の添加のみを必要とする場合のみに凍結乾燥された(凍結乾燥)状態で保管されてもよい。即時注射液及び懸濁液は、滅菌粉末、顆粒、及び前述の種類の錠剤から調製され得る。非経口投与のための典型的な組成物には、例えば、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液、等張性塩化ナトリウム溶液のような適切な非毒性の非経口的に許容される希釈剤若しくは溶媒、又は合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む他の適切な分散剤若しくは湿潤剤及び懸濁剤、及びオレイン酸又はクレモホールを含む脂肪酸を含むことができる注射可能な溶液又は懸濁液が含まれる。
経鼻、エアロゾル又は吸入投与の典型的な組成物には、例えば、ベンジルアルコール又は他の適切な防腐剤、生物学的利用能を高める吸収促進剤、及び/又は当技術分野で知られている他の可溶化剤又は分散剤を含み得る生理食塩水の溶液が含まれる。
直腸投与用の製剤は、カカオバター、合成グリセリドエステル又はポリエチレングリコールなどの通常の担体を含む坐剤として提供される場合がある。そのような担体は、通常、常温では固体であるが、直腸腔内で液化及び/又は溶解して薬物を放出する。
例えば頬側又は舌下の口内局所投与用製剤には、ショ糖とアカシア又はトラガカントなどの風味付けされた基剤に活性剤を含むロゼンジ、並びにゼラチンとグリセリン又はショ糖とアカシアなどの基剤に活性剤を含むトローチが含まれる。局所投与のための典型的な組成物には、プラスチベース(ポリエチレンでゲル化された鉱油)などの局所担体が含まれる。
特に上述した薬剤及び/又は成分に加えて、本発明の製剤は当該製剤の種類に関連する当技術分野における従来の他の薬剤、例えば香味剤が含まれ得る経口投与に適した薬剤を含み得ることを理解されたい。
以下の実施例は本発明を説明する。
[使用された略語]
Ac−アセチル
aq−水性(aqueous)
CV−カラムボリューム
dba−ジベンジリデンアセトン
DCM−ジクロロメタン
DMSO−ジメチルスルホキシド
dppf−1,1’−フェロセンジイル−ビス(ジフェニルホスフィン)
eq−当量
h−時間
quant−定量
min−分
TEA−トリエチルアミン
Rt−保持時間
[使用した分析方法]
分析LC−MS
HPLC分析法:
方法A:Phenomenex Luna C18(2)3μm、50×4.6mm;A=水+0.1%ギ酸;B=MeOH+0.1%;45℃;%B:0.0min 5%、1.0min 37.5%、3.0min 95%、3.5min 95%、3.51min 5%、4.0min 5%;2.25mL/min。
方法B:Phenomenex Luna C18(2)3μm、50×4.6mm;A=水+0.1%ギ酸;B=MeOH+0.1%ギ酸;45℃;%B:0.0min 5%、1.0min 37.5%、3.0min 95%、3.5min 95%、3.51min 5%、4.0min 5%;2.25mL/min。
方法C:Phenomenex Gemini NX C18 5μm、150×4.6mm;A=水+0.1%ギ酸;B=MeOH+0.1%ギ酸;40℃;%B:0.0min 5%、0.5min 5%、7.5min 95%、10.0min 95%、1
0.01min 5%、13min 5%;1.5mL/min。
方法D:Phenomenex Gemini NX C18 5μm、150×4.6mm;A=水性pH9,10mM重炭酸アンモニウム;B=MeOH;40℃;%B:0.0min 5%、0.5min 5%、7.5min 95%、10.0min 95%、10.01min 5%、13min 5%;1.5mL/min。
NMR
NMRはまた多くの実施例に特徴づけるように使用された。NMRスペクトルは、特に明記しない限り、室温でBruker Advance 400、Bruker DRX
400又はJeol 400 ECS NMR機器で取得された。H NMRスペクトルはppmで報告され、残留溶媒ピーク、例えばDMSO−d6(2.50ppm)、CDCl(7.26ppm)又はCDOD(3.31ppm)を参照する。
精製のための分取HPLC方法
逆相分取HPLC−MS:分取C−18カラム(Phenomenex Luna C18(2)5μm、100×21.2mm)を使用する分取LC−MSによる分離精製が、多くの実施例の精製に使用された。
これは、酸性(〜pH2)又は塩基性(〜pH9)のいずれかの条件を使用して実行された。
一般的な酸性条件:
A=水+0.1%ギ酸;B=MeOH+0.1%ギ酸;20℃;%B:0.0min 初期2%から50%、初期ごとに0.1min%、7.0min 40%から95%、9.0min 95%、10.0min 95%、10.1min 初期%に戻る;12.0min 初期%;20.0mL/min。
一般的な塩基性条件:
A=水pH9(重炭酸アンモニウム10mM);B=MeOH;20℃;%B:0.0min 初期2%から50%、初期ごとに0.1min%、7.0min 40%から95%、9.0min 95%、10.0min 95%、10.1min 初期%に戻る;12.0min 初期%;20.0mL/min。
[式(I)の化合物の合成]
5−{2−[6−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−((S)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル)−ニコチノニトリルの合成(第1例):
Figure 2020508341
5−ブロモ−2−((S)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル)−ニコチノニトリル
(中間体3)
Figure 2020508341
5−ブロモ−2−クロロニコチノニトリル(4.10g、18.9mmol、1.0eq)、(S)−(+)−3−フルオロピロリジン.HCl(2.50g、19.9mmol、1.05eq)及びTEA(5.30mL,38.0mmol,2.0eq)をアセトニトリル(15mL)で混合し、電子レンジで20分間、100℃で加熱した。反応を小規模で2回繰り返した(5−ブロモ−2−クロロニコチノニトリル(2.05g、9.43mmol、1.0eq);(S)−(+)−3−フルオロピロリジン.HCl(1.25g、9.95mmol、1.05eq);TEA(2.65mL,19.0mmol,2.0eq);アセトニトリル(15mL))。3つの反応物を混合し、溶媒を真空下で除去した。化合物1(5−ブロモ−2−クロロニコチノニトリル)がまだいくらか残っていたため、残留物を乾燥アセトニトリル(100mL)に溶解し、(S)−(+)−3−フルオロピロリジン.HCl(0.489g、3.9mmol)とTEA(10.0mL、71.7mmol)を加え、混合物を100℃で4時間加熱した。反応物を室温まで冷却させ、溶媒を真空下で除去した。残留物をDCM(250mL)に溶解し、0.1N
HCl(200mL)、次にブライン(200mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、そして溶媒を真空下で除去して、淡褐色の固体として中間体3を得た(9.60g、収率94.0%);LC−MS R=3.15min(方法A)、m/z 270(MH)。
5−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−2−((S)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル)−ニコチノニトリル(中間体4)
Figure 2020508341
中間体3(9.60g、35.5mmol、1.0eq)、ビス−ピナコラトジボロン(10.8g、42.5mmol、1.2eq)及びKOAc(6.98g、71.1mmol、2.0eq)を1,4−ジオキサン(250mL)に溶解した。混合物をN(g)で15分間脱酸素化した。Pd(dppf)Cl.DCM(1.45g、1.78mmol、5mol%)を加え、溶液を3時間加熱還流した。中間体のボロン酸とボロン酸エステルが形成された(LCMS R=2.34min及び3.37min(方法B
)、m/z=236及び318)。KC0(9.81g、71.1mmol、2.00eq)、2,4−ジクロロピリミジン(5.82g、39.1mmol、1.10eq)、Pd(PPh(3.25g、2.8mmol、8mol%)及びHO(125mL)を反応物に加え、混合物を100℃でさらに2時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、溶液を16時間放置した。溶媒を真空下で除去し、DCM(400mL)及びHO(200mL)で希釈し、層が分離された。有機層をブライン(200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、そして溶媒を真空下で除去した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage SNAPカートリッジ、イソヘキサン中25%酢酸エチル〜イソヘキサン中50%酢酸エチル)により精製した。所望の物質を含むフラクションを混合し、そして真空下で溶媒を除去した。当該フラクションの分析により、トリフェニルホスフィンオキシドの存在が示された。粗化合物(8.90g)を3つのバッチに分離し、それぞれをフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage SNAPカートリッジ100g、イソヘキサン中20%酢酸エチル〜イソヘキサン中50%酢酸エチル)により個別に精製した。溶媒を真空下で除去し、中間体4の3つのバッチを混合し黄色の固体を得た(7.77g、72%);LC−MS R=3.08min(方法B)、m/z 304(MH)。
5−ブロモ−2−ブロモメチル−ピリジン(中間体6)
Figure 2020508341
5−ブロモ−2−(ヒドロキシメチル)ピリジン(14.0g、74.5mmol、1.0eq)をアセトニトリル(200mL)に溶解し、三臭化リン(9.0mL、97.0mmol、1.30eq)を10分間かけて滴下し、白い懸濁液を得た。得られた混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物を50%NaOH(aq)でpH7に達するまで中和する前に、水(15mL)を加えた。水(100mL)とDCM(200mL)を加え、混合物を分離した。水層をDCM(200mL)で洗浄した。混合された有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で溶媒を除去して紫色のオイルを得た(18.5g、99.5%);LC−MS R=2.71min(方法B)、m/z 250、252(MH)。中間体6は、以降の反応でさらに精製することなく使用された。
1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イルメチル)−4−エチル−ピペラジン(中間体7)
Figure 2020508341
アセトニトリル(150mL)中の中間体6(18.5g、74.0mmol、1.0eq)の攪拌溶液に、N−エチルピペラジン(10.3mL、81.0mmol、1.1eq)及びTEA(31.0mL、222mmol、3.0eq)を添加し、そして当該溶液を室温で2.5時間撹拌した。真空下で溶媒を除去し、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage KP−Silカートリッジ340g、1%TEAを含むDCM中の0%〜15%のメタノール)により精製した。所望の生成物を含むフラクションを混合し、真空下で溶媒を除去した。生成物をさらに48時間真空下乾燥して、茶色の固体として中間体7を得た(15.2g、72.3%);LC−MS R=1.
15min(方法A)、m/z 284,286(MH)。
ベンズヒドリリデン−[6−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イル]−アミン(中間体8)
Figure 2020508341
中間体7(15.2g、53.4mmol、1.0eq)、ベンゾフェノンイミン(11.7mL、69.5mmol、1.30eq)、Pd(OAc)(599mg、2.67mmol、5mol%)、キサントホス(1.34g、4.81mmol、9mol%)及びKOBu(9.0g、80.2mmol、1.50equiv)を1,4−ジオキサン(150mL)に混合し、当該混合物をN(g)で20分間脱酸素した後、120℃に5時間加熱した。追加のPd(OAc)(120mg、1mol%)、キサントホス(148mg、1mol%)及びKOBu(359mg、6mol%)を加え、当該混合物を120℃で1時間撹拌した。反応物を室温まで冷却し、HO(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。混合された有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で溶媒を除去した。暗褐色のオイルとして所望の標的中間体8を得た(21.5g、quant);LC−MS R=2.13min(方法B)、m/z 385(MH)。中間体8は、以後の反応でさらに精製することなく使用された。
6−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イルアミン(中間体9)
Figure 2020508341
中間体8(21.5g、55.9mmol、1.0eq)、ヒドロキシルアミン.HCl(7.80g、112mmol、2.0eq)及び酢酸ナトリウム(11.5g、139mmol、2.5eq)をエタノール(200mL)で混合し、室温で2時間撹拌した。当該混合物を濾過し、真空下で溶媒を除去して、茶色のオイルを得た。これが酢酸エチル(100mL)と0.5M NaOH(aq)(50mL)の間で分配され、分離された。混合された有機物を0.5M NaOH(aq)(50mL)で洗浄し、混合された水層を酢酸エチル(3×100mL)で洗浄した。水層を0.5N HCl(aq)で中和し、溶媒を真空下で除去して黄色の固体を得た。これをメタノールに溶解し、キャッチリリースカートリッジ(Biotage SCX−2;50g)に通し、メタノール(4CV)で洗浄し、1.0M NH/メタノール(4CV)で溶出した。溶媒を真空下で除去して、粗生成物を得た。これをDCMに溶解し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage KP−Silカートリッジ340g、DCM1%TEA中5%メタノール〜DCM1%TEA中15%メタノール)により精製した。フラクションを分析し、所望の物質を含むフラクションを混合し、真空下で溶媒を除去して、黄色のオイルとして中間体9を得、これは静置すると固化して黄色のワックス(2.12g、18%)を形成した;LC−MS R=1.79min(方法B)、m/ z221(MH)。
5−{2−[6−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イルア
ミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−((S)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル)−ニコチノニトリル(第1例):
Figure 2020508341
中間体4(1.6g、5.3mmol、1.0eq)、中間体9(1.4g、6.4mmol、1.2eq)、Pd(dba)(480mg、0.53mmol、10mol%)、Davephos(400mg、1.05mmol、20mol%)とNaOBu(760mg、7.9mmol、1.5eq)を1,4−ジオキサン(30mL)で混合し、当該混合物をNで15分間脱酸素した後、電子レンジで120℃で20分加熱した。混合物をシリカにロードし、フラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage KP−Silカートリッジ、100g、5%(メタノール中0.7M NH)/ジクロロメタンで溶出)により精製して、オレンジ色の固体(1.4g)として所望の生成物を得た。この物質を逆相分取LC−MS(pH2)によりさらに精製し、続いて溶媒を蒸発させ、凍結乾燥して、白色固体として第1例(650mg、23%)を得た。第1例はギ酸塩として分離された;LC−MS R=8.09min(方法D)、Rt=5.06min(方法C)、m/z 488(MH);H NMR(400MHz、DMSO−d):δ9.80(1H、s)、9.12(1H、d、J=2.3Hz)、8.86(1H、d、J=2.5Hz)、8.69(1H、d、J=2.3Hz)、8.51(1H、d、J=5.3Hz)、8.19(1H、s)、8.15(1H、dd、J=8.4、2.5Hz)、7.45(1H、d、J=5.3Hz)、7.36(1H、d、J=8.4Hz)、5.49(1H、d、J=52.8Hz)、4.11−3.90(3H、m)、3.89−3.70(1H、m)、3.53(2H、s)、2.49−2.30(10H、m)、2.30−2.10(2H、m)、0.98(3H、t、J=7.1Hz)。
5−{2−[6−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−((R)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル)−ニコチノニトリルの合成(第2例):
Figure 2020508341
5−(2−クロロ−ピリミジン−4−イル)−2−メトキシ−ニコチノニトリル(中間体11)
Figure 2020508341
5−ブロモ−2−メトキシニコチノニトリル(10)(12.5g、58.7mmol、1.0eq)、ビス−ピナコラトジボロン(17.9g、70.4mmol、1.2eq)及びKOAc(8.6g、88.0mmol、1.5eq)を1,4−ジオキサン(140mL)に混合し、そして当該溶液をNで25分間脱酸素した。Pd(dppf)Cl(1.30g、1.76mmol、3mol%)を加え、得られた溶液を100℃で2時間加熱した。2,4−ジクロロピリミジン(9.6g、64.5mmol、1.1eq)、KCO(16.2g、117mmol、2.0eq)、Pd(PPh(3.4g、2.94mmol、5mol%)及びHO(100mL)を添加し、溶液を100℃で1.5時間加熱した。混合物を室温まで冷却した後、HO(50mL)でさらに希釈した。生成物をDCM(3×100mL)に抽出し、混合された有機層を相分離器に通した。溶媒を真空下で除去した。粗生成物をイソプロパノールから再結晶し、次いで濾過し、真空乾燥して、褐色固体として中間体11を得た(11.3g、78%);LC−MS R=2.88min(方法B)、m/z=247(MH)。
5−{2−[6−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−メトキシ−ニコチノニトリル(中間体12)
Figure 2020508341
中間体11(862mg、3.49mmol、1.10eq)、中間体5(700mg、3.18mmol、1.0eq)、Pd(dba)(290mg、0.32mmol、10mol%)、Davephos(250mg、0.64mmol、20mol%)及びNaOBu(336mg、3.5mmol、1.1eq)を1,4−ジオキサン(15mL)で混合した。当該混合物をNで脱酸素してから、電子レンジで15分間100℃に加熱した。溶媒を真空下で除去し、得られた残留物をメタノールに溶解した。この溶液をキャッチリリースカートリッジ(Biotage、SCX−2;25g)に通し、メタノール(4CV)で洗浄し、1M NH/メタノール(4CV)で溶出した。溶媒を真空下で除去して、茶色の泡状物として粗生成物を得た。これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage KP−Silカートリッジ50g、DCM中0%MeOH〜DCM中20%MeOH)で精製した。所望の物質を含むフラクションを混合し、溶媒を真空下で除去して、薄茶色の固体として所望の標的中間体12を得た(1.30g、quant);LC−MS R=1.84min(方法B)、m/z 431(MH)。
5−{2−[6−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−ヒドロキシ−ニコチノニトリル(中間体13)
Figure 2020508341
中間体12(500mg、1.16mmol、1.0eq)をジオキサン(10mL)及びHO(5mL)中の4N HClに溶解し、そして当該混合物を電子レンジで15分間100℃に加熱した。溶媒を真空下で除去し、残留物を80%メタノール/DCMで粉砕した。溶媒を真空下で除去して、薄茶色の固体として所望の中間体13を得た(1.02g、quant);LC−MS R=1.37min(方法B)、m/z 417(MH)。
2−クロロ−5−{2−[6−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−ニコチノニトリル(中間体14)
Figure 2020508341
中間体13(5.60g、13.5mmol、1.0eq)をPOCl(30mL)と混合し、得られた懸濁液を110℃で3時間加熱した。当該反応混合物を氷水溶液に45分かけて滴下し、次いでpH7に達するまで0.5M NaOH(aq)で中和した。ゲルが形成され、HO(100mL)及びDCM(100mL)で希釈した。当該混合物を分離し、水層をDCM(2×200mL)でさらに洗浄した。混合した有機物をMgSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で溶媒を除去した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage KP−Silカートリッジ50g、1%TEAを含むDCM中0%MeOH〜1%TEAを含むDCM中20%MeOH)で精製した。所望の物質を含むフラクションを混合し、溶媒を真空下で除去して、黄色の固体として中間体14を得た(250mg、10%);LC−MS R=1.75min(方法A)、m/z 435(MH)。
5−{2−[6−(4−エチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−2−((R)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル)−ニコチノニトリル(第2例)
Figure 2020508341
中間体14(85.0mg、0.20mmol、1.0eq)を(R)−フルオロピロリジン(27.0mg、0.22mmol、1.1eq)及びTEA(82.0μL、0.59mmol、3.0eq)とアセトニトリル(2mL)中で混合し、当該混合物を電子レンジで100℃で1時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、粗生成物をメタノールに再溶解した。この溶液をキャッチリリースカートリッジ(Biotage SCX−2;5g)に通し、メタノール(4CV)で洗浄し、そして1.0M NH/メタノール(4CV)で溶出した。溶媒を真空下で除去し、残留物をDMSO(2mL)に溶解し、pH9で逆相LC−MSにより精製した。所望の生成物を含むフラクションを混合し、真空下で溶媒を除去した。残留物を1:1HO/アセトニトリルに溶解し、凍結(−78℃)し、溶媒を凍結乾燥により除去して、オフホワイトの固体として第2例を得た(31.0mg、38%);LC−MS R=8.10min(方法D)、R=5.05min(方法C)m/z 488(MH);H NMR(400MHz、DMSO−d):δ9.79(1H、s)、9.13(1H、d、J=2.3Hz)、8.86(1H、d、J=1.8Hz)、8.69(1H、d、J=1.8Hz)、8.51(1H、d、J=5.5Hz)、8.15(1H、dd、J=8.7、2.3Hz)、7.46(1
H、d、J=5.5Hz)、7.36(1H、d、J=8.7Hz)、5.49(1H、d、J=53.1Hz)、4.12−3.90(3H、m)、3.89−3.79(1H、m)、3.53(2H、s)、2.48−2.10(12H、m)、0.96(3H、t、J=7.1Hz)。
2−((S)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル)−5−{2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−ニコチノニトリル(第3例)の合成:
Figure 2020508341
1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イルメチル)−4−メチル−ピペラジン(中間体15)
Figure 2020508341
アセトニトリル中(15mL)の中間体6(750mg、3.0mmol、1.00eq)の攪拌溶液に、N−メチルピペラジン(400μL、3.6mmol、1.2eq)及びTEA(1.25mL、9.0mmol、3.0eq)を添加し、当該混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。得られた固体をメタノールに溶解し、キャッチリリースカートリッジ(Biotage SCX−2;25g)に通し、メタノール(4CV)で洗浄し、1Mアンモニア・メタノール溶液(4CV)で溶出した。溶媒を真空下で除去して、暗赤色のオイルとして中間体15を得た(688mg、85%)。LC−MS R=1.11min(方法B)、m/z 270(MH)。これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
ベンズヒドリリデン−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イル]−アミン(中間体16)
Figure 2020508341
中間体16(688mg、2.6mmol、1.0eq)、ベンゾフェノンイミン(555μL、3.3mmol、1.3eq)、Pd(OAc)(28.5mg、0.13mmol、5mol%)、キサントホス(132mg、0.23mmol、9mol%)とKOBu(428mg、3.8mmol、1.5equiv)を1,4−ジオキサン(10mL)で混合し、当該混合物をNで15分間脱酸素した後、120℃で3時間加熱した。反応物をHO(50mL)で希釈し、生成物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。混合した有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、そして真空下で溶媒を除去した。得られた粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage KP−Silカートリッジ、DCM〜DCM中20%メタノール、生成物を16%メタノールで溶出)で精製した。所望の物質を含むフラクションを混合し、溶媒を真空下で除去して、黄色のオイルとして中間体16を得た(233mg、25%);LC−MS R=2.15min(方法A)、m/z 371(MH)。
6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イルアミン(中間体17)
Figure 2020508341
中間体16(233mg、0.63mmol、1.0eq)、ヒドロキシルアミン.HCl(88mg、1.26mmol、2.0eq)及び酢酸ナトリウム(129mg、1.57mmol、2.5eq)をエタノール(10mL)中で混合し、室温で3時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留物をメタノールに溶解した。この溶液をキャッチリリースカートリッジ(Biotage SCX−2;5g)に通し、メタノール(4CV)で洗浄し、1.0Mアンモニア・メタノール(4CV)で溶出した。溶媒を真空下で除去して、淡黄色のオイルとして中間体17を得た(110mg、85%);LC−MS R=0.24min(方法B)、m/z 207(MH)。
2−((S)−3−フルオロ−ピロリジン−1−イル)−5−{2−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ピリジン−3−イルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−ニコチノニトリル(第3例)
Figure 2020508341
中間体4(60mg、0.20mmol、1.0eq)、中間体17(45mg、0.22mmol、1.1eq)、Pd(dba)(18.0mg、0.02mmol、10mol%)、Davephos(16.0mg、0.04mmol、20mol%)及びNaOBu(21mg、0.22mmol、1.1eq)を1,4−ジオキサン(2mL)で混合し、そして当該混合物をNで15分間脱酸素した後、100℃で15分間電子レンジで加熱した。溶媒を真空下で除去し、残留物をメタノールに溶解した。この溶液をキャッチリリースカートリッジ(biotage SCX−2;5g)に通し、メタノール(4CV)で洗浄し、1.0Mアンモニア・メタノール(4CV)で溶出した。溶媒を真空下で除去した。粗生成物をDMSO(1mL)に溶解し、pH2で逆相分取LC−MSにより精製した。所望の生成物を含むフラクションを混合し、真空下で溶媒を除去した。残留物を1:1のHO/アセトニトリルに溶解し、凍結(−78℃)し、そして溶媒を凍結乾燥により除去し、黄色の固体として第3例を得た(35.0mg、38.0%)。第3例はギ酸塩として分離された;LC−MS R=7.97min(方法D)、R=4.99min(方法C)m/z 474(MH);H NMR(400MHz、DMSO−d):δ9.79(1H、s)、9.13(1H、d、J=2.3Hz)、8.86(1H、d、J=2.8Hz)、8.69(1H、d、J=2.3Hz)、8.52(1H、d、J=5.3Hz)、8.17(1H、s)、8.15(1H、dd、J=8.7、2.8Hz)、7.46(1H、d、J=5.3Hz)、7.36(1H、d、J=8.7Hz)、5.49(1H、d、J=53.1Hz)、4.12−3.90(3H、m)、3.89−3.79(1H、m)、3.53(2H、s)、2.47−2.13(10H、m)、2.19(3H、s)。
[生物学的試験]
第1例と第3例は、ギ酸塩として試験された。第2例はフリーベースとしてテストされた。
IKKε及びTBK1酵素の効能
本発明の化合物(上記のように合成される)、及び比較例1〜5(国際公開第WO2014/128486号に記載のように合成され得る)において、以下のようにIKKε及びTBK1酵素に対する効能について試験した:
時間分解蛍光ベースのLanthascreenTMアッセイを使用して、阻害試験を実施した。フルオレセイン標識基質ペプチドのリン酸化は、テルビウム標識リン酸特異的抗体を使用して測定される。テルビウムは340nmで励起され、フルオレセインへのFRETエネルギー移動は495nm及び520nmで測定される。520と495の間の放出比は、キナーゼによる基質のリン酸化レベルの基準である。
キナーゼ阻害アッセイ(5μL)を384ウェルプレートフォーマットで20℃で実施した。化合物IC50値は、重複に8点又は10点の曲線を使用した放射分析(Invi
trogen)に基づいて、ATP(20μM)のKapp(apparent Km)で決定した。最終反応条件は、それぞれ380nMフルオレセイン−1kBα基質(DRHDGLDSMKDE)[SEQ ID No1]、20μΜ ATP、0.9〜3nM IKKε又は6〜8nM TBK1キナーゼが含まれ、さらに1%DMSOのキナーゼアッセイ緩衝液が含まれていた。当該キナーゼアッセイ緩衝液には50mM HEPES(pH7.5)、10mM MgCl、1mM EGTA、0.05%Brij−35が含まれていた。
化合物希釈液は、10mM DMSOストックからDMSOへの希釈により調製された。化合物希釈系列をキナーゼアッセイ緩衝液でさらに希釈して、5%DMSOストックを得、アッセイ時の最終濃度は1%DMSOであった。
キナーゼの添加によりキナーゼリン酸化アッセイを開始し、IKKε及びTBK1キナーゼについてそれぞれ1時間又は2.5時間反応を進行させた。両方の条件ともリン酸化の直線性の範囲内であった。10mM EDTAの添加によって反応を停止し、IkBαペプチドのセリン32でのリン酸化に対する1.5nMテルビウム標識抗体との1時間のインキュベーション後に、両者ともTR−FRET希釈緩衝液(Invitrogen)でリン酸化が検出された。
SIK2は、Reaction Biology社のKinase HotSpotSM技術を利用し、放射標識33P−ATPを用いて測定された。濃度20μMのペプチドAMARAASAALAARRR[SEQ ID No2]を基質として使用した。IC50値は、ATP(30μΜ)のKapp(apparent Km)で決定した。
本発明の例示された化合物のIKKε、TBK1及びSIK2の酵素効力を以下の表1に示す。本発明の実施例化合物は、IKKε(例えば、IKKεについて、<25nMのIC50)、TBK1(例えば、TBK1について、<20nMのIC50)及びSIK2に対して高い酵素効力を有する。
Figure 2020508341
薬物動態
薬物動態評価は、雌性Balb−Cマウスで実施された。静脈内投与(IV)の場合、化合物は典型的に、5mL/Kgの投与容積で0.5mg/Kgで尾静脈から投与された。化合物は典型的に、5%DMSO/95%(20%w/v Kelptoseのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)pH7.4)のビヒクルで投与された。当業者に知られている他の投与ビヒクルも使用することができる。動物の使用を最小限に抑えるために、化合物は通常、他の3つの化合物を含むカセットとして投与され、1回の実験での総化合物負荷が2mg/Kgを超えないようにした。
血液サンプルは、IV投与後1分から10時間の8つの時点、通常は投与後1分、5分、15分、30分、1時間、3時間、6時間、及び10時間の終末麻酔(イソフルラン)下の心臓穿刺により採取された。場合によっては、利便性を高めるために、2時間、4時間、及び8時間の最後の3時点を使用した。時点ごとにN=3匹の動物を使用した。遠心分離により直ちに血漿が得られ、結果のサンプルは分析まで凍結された。サンプルは、続いて化合物をコントロール血漿に添加することによって作成された検量線とともに、血漿タンパク質をアセトニトリルで沈殿させることにより定量分析用に準備された。分析は、エレクトロスプレーイオン化(Agilent6550システム)を使用した飛行時間型質量分析と組み合わせた超高速液体クロマトグラフィー(Agilent1290システム)によるものであった。薬物動態パラメーターは、Phoenix WinNonlin v6.4を使用した平均濃度データの非コンパートメント分析(non−compartmental analysis)によって決定された。
(i)マウスの分布容積(Vd)
分布容積(Vd)は、薬物が血漿中にあるように、どこにでも同じ濃度で存在すると仮定した場合に、薬物が分布しているとみなされる理論上の容積である。
定常状態でのVd(Vdss)は、クリアランス(Cl)に平均滞留時間(MRT)を掛けて計算される。クリアランスは、投与量(Dose)を濃度時間曲線下面積(Area under the concentration time curve)で割ることによって測定される。Cl=Dose/AUC0−∞
Vdss=Cl×MRT
平均滞留時間は、二次モーメント曲線下面積(area under the second moment curve)(AUMC)を濃縮時間曲線下面積(AUC)で除算することにより計算される。二次モーメント曲線は、濃度対濃度×時間をプロットすることで生成できる。
MRT=AUMC/AUC
(ii)マウスのt1/2(推定)
該化合物の半減期(t1/2)は、薬物の血漿中濃度が半分になる時間である。終末相半減期は通常、最後の3点を使用した対数濃度/時間プロットの勾配から推定される。ClとVdの両方が、観察された半減期に寄与している。Vdが大きくClが小さいと、t1/2が長くなる。
表2は、本発明の例示化合物のマウスのVd及びt1/2を示す。表2の結果は、本発明の化合物が優れた薬物動態特性を有することを示している。表3は、国際公開第WO2014/128486号に記載されている特定の化合物のマウスのVd及びt1/2を示している。表3の化合物は、本発明の化合物と構造的に類似している。
表2及び表3から分かるように、本発明の化合物はすべて、比較例1、2、4及び5と比較し、マウスにより高いVd及びt1/2を有する。Vdが高いほど、化合物の組織分布が大きいことを示す。化合物の半減期(t1/2)が長いと、化合物の投与頻度が低くなるため好ましい。したがって、本発明の化合物は、比較例よりも好ましい薬物動態特性を有する。
Figure 2020508341
Figure 2020508341
代謝安定性
ヒト肝細胞(肝臓細胞)の安定性
市販の凍結保存によりプールされたヒト肝細胞を購入し、使用前に液体窒素で保存した。凍結保存されたヒト肝細胞(2mM L−グルタミンと25mM HEPESを添加したウィリアムズE培地での最終細胞密度は0.5×10生細胞/mL)の懸濁液を加えて反応を開始する前に、2mM L−グルタミン及び25mM HEPESを添加したウィリアムズE培地及び適切な試験化合物(最終基質濃度は3μΜ、最終DMSO濃度は0.25%)は、37℃でプレインキュベートした。最終的なインキュベーション量は500μLとなる。通常、ベラパミルとウンベリフェロンの2種類のコントロール化合物は、ビヒクルコントロールとともに各テストに含めた。
0分、5分、20分、40分、及び60分後に、50μLのインキュベーション液を、内部標準を含む100μLのメタノールに移すことにより、反応を停止させた。続いて、
終結プレートを4℃、2500rpmで遠心分離してタンパク質を沈殿させた。
タンパク質沈殿後、サンプル上清を最大4つの化合物のカセットにまとめ、LC−MS/MS条件で分析した。
Inピーク面積比(化合物ピーク面積/内部標準ピーク面積)を時間に対してプロットし、そして直線の勾配が決定された。
除去速度定数(k)=−(勾配)
半減期(t1/2)(min)=0.693/k
V(μL/10細胞)=インキュベーション容量(μL)/インキュベーション中の細胞数(×10
固有クリアランス(Clint)(μL/min/数百万の細胞)=V×0.693/t1/2
2つのコントロール化合物が過去に指定された制限内にない場合、結果は不合格とされ、実験が繰り返される。
本発明の例示化合物のヒト肝細胞(肝臓細胞)安定性の結果を以下の表4に示す。本発明の化合物は、良好な代謝安定性を有する。国際公開第WO2014/128486号に記載されている特定の化合物のヒト肝細胞(肝臓細胞)安定性は、比較例として表5に含まれる。比較例として選択された化合物は、本発明の化合物と構造的類似性を有する国際公開第WO2014/128486号に例示されている化合物である。表4及び表5から、本発明の化合物は、国際公開第2014/128486号に開示されている比較例1〜比較例5と匹敵する又はそれ以上の代謝安定性を有することがわかる。
Figure 2020508341
Figure 2020508341
要約すると、本明細書で報告される化合物の生物学的試験は、本発明の化合物が標的酵素IKKε及びTBK1に対して匹敵する効力、及び国際公開第WO2014/128486号に例示される比較例と比較して匹敵するヒト肝細胞代謝安定性を有することを示す。非常に驚くべきことに、化合物の薬物動態試験は、Vd(分布容積)及び測定されたt1/2(半減期)に基づいて本発明の化合物が国際公開第WO2014/128486号に例示された比較例よりも優れた薬物動態を有することを示した。

Claims (14)

  1. Rが−CH又は−CHCHである式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2020508341
  2. 前記化合物が式(Ia)又は式(Ib)の化合物
    Figure 2020508341
    である、請求項1に記載の化合物であり、好ましくは、前記化合物は式(Ib)である請求項1に記載の化合物。
  3. Figure 2020508341
    からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 前記化合物が、
    Figure 2020508341
    である、請求項1に記載の化合物であり、好ましくは、前記化合物は
    Figure 2020508341
    である請求項1に記載の化合物。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の化合物を薬学的に適切な担体と共に含む医薬組成物。
  6. 追加の活性剤も含む、請求項5に記載の組成物。
  7. 医薬として使用するための請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項5もしくは請求項6に記載の組成物。
  8. 炎症性及び組織修復障害、例えば関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD);自己免疫疾患、例えばループス(例えば全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、家族性凍瘡状エリテマトーデス、及び皮膚ループス)、多発性硬化症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、アイカルディ・グティエール症候群、及びシェーグレン症候群;感染に関連する炎症、例えば後天性免疫不全症候群(AIDS)を含むウイルス感染に伴う炎症;敗血症性ショックなどの異常な炎症反応;変形性関節症、骨粗鬆症及び線維化疾患;皮膚病、例えば乾癬、アトピー性皮膚炎、及び紫外線(UV)による皮膚損傷;組織及び臓器の拒絶;アルツハイマー病;脳卒中;アテローム性動脈硬化症;再狭窄;肥満;糖尿病;糸球体腎炎;がん、例えばホジキン病;悪液質;成人呼吸促迫症候群;毛細血管拡張性運動失調症、原発性開放隅角緑内障;そして巨細胞性動脈炎からなる群から選択される疾患又は障害の予防又は治療に使用するための請求項7に記載の化合物又は組成物。
  9. 前記疾患又は障害が、例えば関節リウマチのような炎症性及び組織修復障害、及びループスのような自己免疫疾患からなる群から選択される、請求項8に記載の使用のための化合物又は組成物。
  10. 前記疾患又は障害が、関節リウマチ、又は全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、家族性凍瘡状エリテマトーデス若しくは皮膚ループスのようなループスである、請求項8又は請求項9に記載の使用のための化合物又は組成物。
  11. 前記疾患又は障害が、インターフェロンシグネチャー遺伝子(ISGs)プロファイルの増加、特に自己免疫疾患、例えばISGsプロファイルの増加を伴うループス、に関連する、請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の使用のための化合物又は組成物。
  12. 乳がん、卵巣がん、腫瘍成長及び/又は生存がIKKεキナーゼ活性に依存するがん、Ras変異及びRas依存性腫瘍を有するがん、lq32遺伝子座の増幅を伴うがん、K−ras変異及びK−ras依存性腫瘍を有するがん、Ras変異を有するがん及びRas依存性のがん、肺がん、前立腺がん、骨髄腫、白血病、口腔がん、膵臓がん、腸がん又は
    皮膚がんであるがんの予防又は治療に使用するための、請求項7に記載の化合物又は組成物。
  13. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の化合物又は請求項5もしくは請求項6に記載の組成物の被験体への投与を含む、被験体におけるIKKε、TBK1及び/又はSIK2メカニズムにより媒介される疾患又は障害を治療又は予防する方法。
  14. 疾患又は障害がIKKε及び/又はTBK1によって媒介される、請求項13に記載の疾患又は障害を治療又は予防する方法。
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