JP2020507491A - セルフシールタイヤのための遅延型シーリングコンパウンド - Google Patents

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Abstract

本発明によるシーリングゲルを含む遅延型シーリングコンパウンド、このシーリングコンパウンドを製造する方法および警報能力を有するタイヤでのシーリングコンパウンドの使用。

Description

本発明は、
・本発明のシーリングゲルを含むシーリングコンパウンド、
・このシーリングコンパウンドを製造する方法、
・シーリングコンパウンドでのシーリングゲルの使用、および
・警報能力を有するタイヤでのシーリングゲル含有シーリングコンパウンドの使用
に関する。
自動車およびトラックのための空気式タイヤの運転において、異物の貫通の結果および損傷のためにタイヤが空気を失う結果として、タイヤへの損傷のリスクが存在する。タイヤ空気の損失は多くの場合、タイヤの即時交換またはタイヤの一時的な修理を必要とする不安定な乗車状態につながる。危険な交通状況でタイヤ交換または修理のために車両を停止および放置する必要がないように、様々なタイヤおよび車輪設計が開発されている。したがって、タイヤ圧の損失の場合、トレッドを下方に支持リング上へ下げることによって移動の一時的続行を可能にするランフラット特性を有するタイヤが市場に存在する。さらに、タイヤ圧の損失の場合、不安定な乗車状況になることなく、限定された期間空気圧なしでさえも軸重に耐えることができる強化タイヤ側壁を特徴とするランフラットタイヤもある。市場に存在するすべてのこれらの設計は、著しくタイヤの重量および転がり抵抗と、したがって自動車運転での燃料の消費とを増加させる。
貫通異物を取り囲むおよび/またはそれらが形成する穴を直接塞ぐセルフシール層の形態でシーリングコンパウンドを有するタイヤは、原則として公知である。
早くも1968年に、(特許文献1)は、インナーライナーによって分離され、タイヤ骨組み内でビードワイヤからビードワイヤまで支持されているタイヤシーリングコンパウンドの2つの層を含有するセルフシールタイヤを開示している。シーリング材は、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)および少量の架橋剤から主としてなり、ここで、SBR成分は、80phr〜95phr(100部ゴム当たりの部)の低温重合SBRと、5phr〜20phrの高温重合SBRとの混合物である。この文献は、接着および粘着特性へのいかなる指摘も与えていない。
セルフシールタイヤは、(特許文献2)にも開示されている。この特許は、低分子量液体エラストマーと高分子量固体エラストマーとの混合物ならびに混合物の部分架橋を生成するのに十分な量の架橋剤を含む層であって、液体エラストマーが固体エラストマーよりも多量に存在する層を有するセルフシールタイヤを記載している。
(特許文献3)は、高エネルギー放射線によって分解可能なポリマー材料と、放射線および/または熱によって架橋可能なポリマー材料との混合物を含む層を有するセルフシールタイヤを開示している。
(特許文献4)は、シーリングコンパウンドを製造および使用中に適所に保つために、内側上にセルフシール層と、シーリング層と部分的に重なる複数の支持エレメントとを有するセルフシールタイヤを開示している。
(特許文献5)は、骨組みとインナーライナーとの間にシーリングコンパウンドを有するシーリングチャンバーを含むセルフシールタイヤを開示している。
(特許文献6)は、55重量%〜70重量%の量で粘着付与剤を添加した、高分子量のブチルゴムおよび低分子量のブチルゴムを20:80〜60:40の比で含むシーリング層を開示している。
(特許文献7)は、0.05mm〜8mmの平均径を有する粒子の形態で非加硫または加硫ゴムなどのポリマーからなる充填材を含む、空気式自動車タイヤをセルフシールするための粘弾性ゲルからなるシーリングコンパウンドを開示している。これらの粒子は、ゲルからなる公知のシーラントと比べてシーリング作用をさらに向上させることを意図している。接着および粘着特性への影響は開示されていない。
(特許文献8)は、とりわけ、部分架橋ブチルゴムをベースとするシーリングコンパウンドを開示している。原則として、有用なシーラントは、例えば、(特許文献9)に記載されているような、ゴムおよび低分子量の液体ゴムタイヤと高分子量の固体ゴムタイヤとの組み合わせをベースとするものである。
(特許文献10)に詳述されているゲル系は、ポリウレタンおよびシリコーンをベースとしている。しかし、シリコーンゴムから製造された加硫物は、例えば、ナフテン油および芳香族油に対する耐性を欠く。他の基材への低い接着性(低い表面エネルギー)ならびに高い水蒸気およびガス透過性は、タイヤ向けの使用に同様に不利である。シリコーンゴムは、BRまたは天然ゴムよりも100倍高いガス透過性を有すると述べられている(非特許文献1)。ポリウレタンゴムの使用の不利点は、それらの可塑剤との相溶性の欠如である。フタル酸およびアジピン酸エステルは、30phr以下で相溶性がある。ポリエステル型は加水分解安定剤を必要とし;ポリエーテル型はUV安定剤を必要とする。硬度スケールの上方領域に見いだされることになるポリウレタンエラストマーは、加水分解へのそれらの性向のために好ましくない耐熱性も有する(非特許文献2)。上述の理由のため、したがって、シリコーンゴムおよびポリウレタンゴムベースのタイヤ用途向けシーラントの使用は不利である。
特許(特許文献11)および(特許文献12)では、非常に良好なセルフシール特性を有するセルフシール組成物が0.2MPa超の破断時の応力と合わせて500%超、好ましくは800%超の破断点伸びを有することが開示されている。より小さい破断点伸び値を有するセルフシール組成物がセルフシール特性を有し、適切な圧力コントロール系によってタイヤの損傷を識別するための選択肢を提供することは、開示されていない。
(特許文献13)は、事前に架橋したSBR粒子を第2の成分として、および天然ゴムまたは合成ゴムを主成分として含むシーリングコンパウンドを開示している。これらの架橋SBR粒子は、高温乳化重合によって製造される。様々な研究は、高温乳化重合の場合の50℃から、低温乳化重合の場合の5℃への重合温度の低下が分子量分布に強い影響を及ぼしたことを示している。5℃でのフリーラジカル重合の初期段階におけるチオールの速い反応での低分子量画分の形成は明らかに減少し、そのため、ポリマーの鎖長のより良好な制御が可能になった。鎖長分布の改善だけでなく、望ましくない非制御架橋反応も明らかに減少することが示された。高温乳化重合によって得られるSBR粒子は、したがって、低温ポリマーと比べて、非常に幅広い分子量分布および高レベルの非制御分岐を有する。粘弾性特性の制御された調整は、したがって不可能である(非特許文献3)。
粘弾性は、純粋な弾性の特徴だけでなく、粘稠流動性の特徴も存在するという意味で材料の特性であり、それは、例えば、変形時の内部摩擦の発生に明示される。
結果として生じるヒステリシスは、典型的には、高温(例えば、60℃)での損失係数tan δの測定によって特徴付けられ、タイヤにおけるゴム混合物にとって、とりわけタイヤトレッドにとって重要なパラメータである。ヒステリシスは、動的応力(可逆伸び)下でのゴム混合物での発熱の指標であるのみならず、タイヤの転がり抵抗の良好な指標でもある(非特許文献4)。ヒステリシス損失についての測定パラメータは、損失弾性率対貯蔵弾性率の比と定義されるtan δであり;例えば、DIN 53 513、DIN 53 535も参照されたい。商業的に入手可能なシーリングコンパウンドは、60℃で比較的高いtan δ値を有する。
用途に関連して妥当な温度/周波数範囲および振幅範囲におけるtan δの低下は、例えば、エラストマーにおける発熱の減少をもたらす。タイヤの最小転がり抵抗は、それを備えた車両の最小燃焼消費を可能にする。
転がり抵抗は、単位長さ当たりの回転タイヤによる熱への機械エネルギーの変換を意味すると理解される。転がり抵抗の次元は、1メートル当たりのジュールである(非特許文献5)。
ゴムゲルと呼ばれるものを、例えば、自動車タイヤの転がり抵抗を向上させるために、タイヤトレッドでの多様な異なるゴムとのブレンドに使用できることが知られている(例えば、(特許文献14)、(特許文献15)、(特許文献16)および(特許文献17)を参照されたい)。
(特許文献18)、(特許文献19)および(特許文献20)は、タイヤ用途向けの低温乳化重合を用いたSBRミクロゲルの製造を記載している。
(特許文献21)および(特許文献22)は、ミクロゲルと呼ばれるものが、熱可塑性材料または官能性添加剤を含有する非架橋混合物にも使用されることを開示している。
シーリングコンパウンドは、実使用における高い要求を満たさなければならない。それらは、−40℃〜+90℃の操作温度の全体範囲にわたって柔らかく、粘着性でありかつ寸法安定性でなければならない。同時に、シーリングコンパウンドは、粘稠でもなければならない。タイヤトレッドを通したタイヤの内部への物体の侵入後、シーリングコンパウンドは物体を取り囲むべきである。物体がタイヤから出る場合、物体に付着しているシーリングコンパウンドは、結果として生じる穴に引き込まれるか、またはシーリングコンパウンドは、内部タイヤ圧の結果として穴に流れ込み、穴を塞ぐ。さらに、これらのシーリングコンパウンドは、一時的なさらなる移動が可能にされるように、ガス不透過性でなければならない。シーリングコンパウンドは、簡単な方法でインナータイヤライナーに適用可能であるべきである。
シーリングコンパウンドは、タイヤ内で寸法安定のある状態を保つために、インナーライナーへの高い接着性と高い粘着性とをさらに有さなければならない。
米国特許第A−3,565,151号明細書 米国特許第A−3,981,342号明細書 米国特許第A−4,228,839号明細書 米国特許第A−4,664,168号明細書 米国特許第B−7,004,217号明細書 米国特許第A−4,113,799号明細書 独国特許出願公開第A−10−2009−003333号明細書 国際公開第A−2008/019901号パンフレット 米国特許第A−5,295,525号明細書 米国特許第B−6,508,898号明細書 米国特許第4426468号明細書 米国特許出願公開第2010 0032070A1号明細書 国際公開第A−2009/143895号パンフレット 独国特許出願公開第A−4220563号明細書 英国特許出願公開第A−1078400号明細書 欧州特許出願公開第A−405216号明細書 欧州特許出願公開第A−0854171号明細書 独国特許第60118364 T2号明細書 欧州特許出願公開第A−1149866号明細書 欧州特許出願公開第A−1291369号明細書 独国特許出願公開第A−10345043号明細書 独国特許出願公開第A−10−2005−014271号明細書
Kautschuk Technologie[Rubber Technology],F.Roethemeyer,F.Sommer,Carl Hanser Verlag Munich Vienna,2006;page 206 Kautschuk Technologie,F.Roethemeyer,F.Sommer,Carl Hanser Verlag Munich Vienna,2006;page 218 Science and Technology of Rubber,James E.Mark,Burak Erman,Elsevier Academic Press,2005,page 50 Rubber Technologist’s Handbook,Volume 2;page 190 Scale Models in Engineering,D.Schuring,Pergamon Press,Oxford,1977
本発明の目的は、セルフシールタイヤのための特異的なセルフシール組成物であって、タイヤ圧の損失による危険な運転状態の危険を冒すことなく、圧力コントロールデバイスによって短時間内にタイヤの損傷を検出できるようにタイヤの非瞬間的なシーリングをもたらす組成物を提供することである。
本発明者らは、500%以下の破断点伸びを有するセルフシール組成物が、穴がセルフシールされる前にタイヤの損傷がしたがって圧力の小さい損失をもたらすように、特異的なシーリング特性を示すことを見いだした。したがって、適切な圧力コントロールツールを用いて、損傷を識別し、かつできるだけ早くタイヤを修理/交換することが可能である。
本発明の実施形態では、シーリングコンパウンドであって、
45phr〜100phr、好ましくは60phr〜100phr、より好ましくは70phr〜100phrの量のシーリングゲルと、
10phr〜60phr、好ましくは20phr〜50phr、より好ましくは25phr〜45phrの量の樹脂(C)と、
1phr〜50phr、好ましくは5phr〜40phr、より好ましくは10phr〜30phrの量の天然ゴムおよび/または合成ゴム(E)と
を含み、
前記phrは、それぞれの場合にシーリングコンパウンド中のシーリングゲルならびに天然および/または合成ゴム(E)の総量に基づくものであり、
さらに、シーリングコンパウンドは、SAFT試験によって測定された場合に70℃超の破損温度を有し、
シーリングコンパウンドは、本明細書で以下にさらに定義されるようなパンクチャーシーリング試験(Puncture−Sealing−Test)(PST)に合格し、
前記シーリングゲルは、
i)少なくとも1つの架橋剤(I)の存在下での少なくとも1つの共役ジエンの乳化重合によって入手可能なジエンゴムゲル(A)と、少なくとも1つの架橋剤(II)の存在下での少なくとも1つの共役ジエンの乳化重合によって入手可能なジエンゴムゲル(B)とを含む混合物の形態であるか、または
ii)少なくとも1つの架橋剤(I)の存在下および/または少なくとも1つの架橋剤(II)の存在下での少なくとも1つの共役ジエンの乳化重合によって入手可能であり、本明細書では以下でゲル(H)と呼ばれ、
架橋剤(I)は、好ましくは、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサンジオール、2〜8つ、好ましくは2〜4つのオキシエチレン単位を有するポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、脂肪族ジおよびポリオールの不飽和ポリエステルを有するソルビトールならびにその混合物のアクリレートおよびメタクリレートからなる群から選択される、より好ましくはプロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、グリセロール、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールのアクリレートおよびメタクリレートからなる群から選択される、多価、好ましくは二価〜四価のC〜C20アルコールのアクリレートおよびメタクリレートであり、かつ架橋剤(I)は、最も好ましくは、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)であり、および
架橋剤(II)は、好ましくは、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン(DVB)、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、トリビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2−ポリブタジエン、N,N’−m−フェニレンマレイミド、トリレン−2,4−ビス(マレイミド)およびトリアリルトリメリテートならびにその混合物からなる群から選択される、より好ましくはジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼンおよびトリビニルベンゼンの群から選択される、2つ以上のビニル、アリルもしくはイソプロペニル基または1つのマレイミド単位を有する化合物であり、かつ架橋剤(II)は、最も好ましくは、ジビニルベンゼンである、シーリングコンパウンドがある。
ある実施形態では、本発明に従ったシーリングコンパウンドの20℃におけるtan δは、Oberst測定方法によって測定された場合に0.003より大きく、好ましくは0.005を上回り、特に好ましくは0.010を上回る。
本発明の実施形態では、シーリングコンパウンドは、23℃で500%以下、好ましくは490%未満、より好ましくは485%未満の破断点伸びを有する。破断時の応力σは、好ましくは、0.15MPa未満である。
本発明の実施形態では、シーリングコンパウンドのゲル(H)は、少なくとも1つの架橋剤(I)の存在下および同時に少なくとも1つの架橋剤(II)の存在下での少なくとも1つの共役ジエンの乳化重合によって入手可能である。
別の実施形態では、シーリングゲルは、少なくとも1つのゲル(H)と、ジエンゴムゲル(A)もしくは(B)または(A)および(B)との混合物でもある。
スチレン−ブタジエンコポリマー(SBR)がジエンゴムゲル(A)もしくはジエンゴムゲル(B)またはゲル(H)である実施形態では、したがって、そのようなジエンゴムゲル(A)もしくはジエンゴムゲル(B)またはゲル(H)は、5℃〜20℃での低温乳化重合によって入手可能である。
一実施形態では、本発明のシーリングゲルは、100MU〜170MU、好ましくは100MU〜150MU、より好ましくは100MU〜130MUの100℃でのムーニー粘度(ML1+4)を有する。
本発明に関連して、用語ジエンゴムゲルは、重合中に少なくとも1つの架橋剤(I)を用いてまたは少なくとも1つの架橋剤(II)を用いて反応させられたジエンゴムである。
本発明に関連して、シーリングコンパウンドは、シーリングゲル(H)と、樹脂(C)と、天然および/または合成ゴム(E)とを含む組成物である。シーリングコンパウンドは、老化安定剤(D)、さらなる添加剤(K)および可塑剤(F)などの1つまたは複数のさらなる添加剤を含み得る。
この時点で、本発明の範囲は、一般的な条件または優先範囲内において、成分、上に述べられたおよび本明細書で後に言及される値および/またはプロセスパラメータの範囲の任意のおよびすべての可能な組み合わせを包含することが指摘されるべきである。
本発明のジエンゴムゲルは、少なくとも1つの架橋剤(I)または架橋剤(II)を用いた乳化重合によって製造される。一実施形態では、本発明のシーリングゲルは、
i−a)ジエンゴムゲル(A)が少なくとも1つの架橋剤(I)を用いた乳化重合によって製造され、およびジエンゴムゲル(B)が少なくとも1つの架橋剤(II)を用いた乳化重合によって製造される、ジエンゴムゲルを得るためのモノマーの乳化重合、引き続きシーリングゲルを得るためのジエンゴムゲル(A)および(B)の混合、または
i−b)少なくとも1つの架橋剤(I)および同時に少なくとも1つの架橋剤(II)を用いたモノマーの乳化重合、または
ii)プロセスi−b)に従って製造されたシーリングゲルを少なくとも1つのジエンゴムゲル(A)もしくは(B)または(A)および(B)と混合すること
によって製造される。
100MU〜170MUの100℃でのムーニー粘度(ML1+4)を有する本発明のシーリングゲルは、その製造プロセス中にA:B比=(1:9)〜(9:1)、好ましくはA:B比=(4:1)〜(1:4)、より好ましくはA:B比=(2.5:1)〜(1:2.5)でのジエンゴムゲル(A)および(B)の混合により、制御された方法で確立することができる。
さらに、100MU〜170MUの100℃でのムーニー粘度(ML−1+4)を有する本発明のシーリングゲルは、ジエンゴムゲル(A)および/または(B)をゲル(H)と混合することにより、制御された方法で製造することができる。
架橋剤(I)または架橋剤(II)での架橋は、次の通りに行うことができる:
a)少なくとも1つの架橋剤(I)もしくは少なくとも1つの架橋剤(II)または少なくとも1つの架橋剤(I)および1つの架橋剤(II)が最初に装入される。
b)少なくとも1つの架橋剤(I)もしくは少なくとも1つの架橋剤(II)または少なくとも1つの架橋剤(I)および1つの架橋剤(II)が重合中に計量供給される。
ジエンゴムゲル(A)および(B)の製造および乳化重合によるゲル(H)の場合、少なくとも1つの共役ジエンがフリーラジカル重合可能なモノマーとして使用される。
共役ジエンの例は、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン、好ましくは1,3−ブタジエンである。
ジエンモノマーの量は、典型的には79.8phm〜98.8phm、好ましくは86phm〜91.8phm(100部モノマー当たりの部)である。
ジエンゴムゲル(A)および(B)の製造および乳化重合によるゲル(H)の場合、使用されるジエン以外のさらなるモノマーを使用することも可能である。
乳化重合によるジエンゴムゲルおよびシーリングゲルの製造では、例えば、次のフリーラジカル重合可能なモノマーがジエンモノマー以外のさらなるモノマーとして使用される:1,3−ブタジエン、ビニル芳香族化合物、好ましくはスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレンおよびtert−ブトキシスチレン、より好ましくはスチレン、アクリロニトリル、イソプレン、アクリル酸およびメタクリル酸のエスエル、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、2−クロロブタジエン、2,3−ジクロロブタジエン、二重結合を含有するカルボン酸、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはイタコン酸、二重結合を含有するヒドロキル化合物、好ましくはヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートまたはヒドロキシブチルメタクリレート、アミン官能化(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、アクロレイン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アリル尿素、N−アリルチオ尿素、第二級アミノ(メタ)アクリレート、好ましくは2−tert−ブチルアミノエチルメタクリレートおよび2−tert−ブチルアミノエチルメタクリルアミドまたは2−、4−ビニルピリジンおよび1−ビニルイミダゾールなどのビニルヘテロ芳香族化合物。
さらなるモノマーの量は、モノマーの総量に基づいて典型的には1phm〜20phm、好ましくは8phm〜14phmである。
さらなるモノマーとしてのビニル芳香族化合物の場合、ビニル芳香族化合物の量は、モノマーの総量に基づいて典型的には1phm〜20phm、好ましくは8phm〜14phmである。
スチレン−ブタジエンコポリマー(SBR)がジエンゴムゲル(A)もしくはジエンゴムゲル(B)またはゲル(H)である実施形態では、本発明のそのようなSBRは、5℃〜20℃での低温乳化重合によって入手可能であるものである。低温乳化重合は、当業者に知られた重合法である(とりわけ、米国特許第A−3,565,151号明細書(第2列26行)、欧州特許出願公開第A−1291369号明細書[0055]、欧州特許出願公開第A−1149866号明細書([0077]、[0080]))、Kautschuk Technologie,F.Roethemeyer,F.Sommer,Carl Hanser Verlag Munich Vienna,2006;page 95以下を参照されたい)。低温乳化重合は、5℃〜20℃、好ましくは5℃〜15℃、より好ましくは5℃〜10℃の温度で行われる。低温乳化重合と比べて、高温乳化重合は、20℃超〜150℃以下、好ましくは40℃〜80℃の温度で行われる。
架橋剤(I)および架橋剤(II)は、乳化重合中の異なる組み込み特性によって異なる。
架橋剤(I)および架橋剤(II)が存在する実施形態では、架橋剤(I)は、重合の早期での組み込みを特徴とする。
架橋剤(I)は、多価、好ましくは二〜四価の、C〜C20アルコールのアクリレートおよびメタクリレートである。
好ましい架橋剤(I)は、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサンジオール、2〜8つ、好ましくは2〜4つのオキシエチレン単位を有するポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、脂肪族ジおよびポリオールの不飽和ポリエステルを有するソルビトールならびにその混合物のアクリレートおよびメタクリレートからなる群から選択される。
特に好ましい架橋剤(I)は、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、グリセロール、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールのアクリレートおよびメタクリレートである。
非常に特に好ましい架橋剤(I)は、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)である。
架橋剤(II)は、2つ以上のビニル、アリルもしくはイソプロペニル基または1つのマレイミド単位を有する化合物である。
好ましい架橋剤(II)は、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン(DVB)、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、トリビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2−ポリブタジエン、N,N’−m−フェニレンマレイミド、トリレン−2,4−ビス(マレイミド)およびトリアリルトリメリテートならびにその混合物からなる群から選択される。
特に好ましい架橋剤(II)は、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンである。
非常に特に好ましい架橋剤(II)はジビニルベンゼンである。
ジエンゴムゲル(A)および(B)の製造のために、ならびにゲル(H)の製造のために使用される架橋剤の量は、ジエンゴムゲル(A)もしくは(B)またはゲル(H)中のジエンモノマー、さらなるモノマーおよび架橋剤の総量(ここで、ジエンモノマー、さらなるモノマーおよび架橋剤の総量は100phmに対応する)に基づいて、架橋剤(I)の場合、典型的には1phm〜6phm、好ましくは1phm〜4phm、より好ましくは1.5phm〜3phmおよび架橋剤(II)の場合、0.2phm〜4phm、好ましくは0.2phm〜3phm、より好ましくは0.5phm〜2.7phmである。
ゲル(H)の製造のために、架橋剤(I)および架橋剤(II)は、好ましくは5:1〜1:5の比で、より好ましくは5:1〜1:1の比で使用される。
乳化重合は、一般に、乳化剤を使用して行われる。このために、広範囲の乳化剤が当業者に公知であり、利用可能である。使用される乳化剤は、例えば、アニオン乳化剤あるいは非荷電乳化剤であり得る。アニオン乳化剤、より好ましくは水溶性塩の形態でアニオン乳化剤を使用することが好ましい。
使用されるアニオン乳化剤は、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パルストリン酸、レボピマール酸を含む樹脂酸混合物の二量化、不均化、水素化および改質によって得られる改質樹脂酸であり得る。特に好ましい改質樹脂酸は不均化樹脂酸である(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,2011,6th edition,volume 31,p.345−355)。
使用されるアニオン乳化剤は、脂肪酸でもあり得る。これらは、1分子当たり6〜22の炭素原子を含有する。それらは、完全飽和であっても、1つまたは複数の二重結合を分子中に含有し得る。脂肪酸の例は、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸である。カルボン酸は、典型的には、起源特異的な油または脂肪、例えば、ヒマシ油、綿実油、落花生油、アマニ油、ココナツ脂肪、パーム核油、オリーブオイル、菜種油、大豆油、魚油および牛脂などをベースとしている。好ましいカルボン酸は、ココナツ脂肪酸におよび牛脂に由来し、部分または完全水素化される。
改質樹脂酸または脂肪酸をベースとするそのようなカルボン酸は、水溶性リチウム、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩の形態で使用される。ナトリウム塩およびカリウム塩が好ましい。
アニオン乳化剤は、さらに、有機ラジカルに結合したスルホネート、スルフェートおよびホスフェートである。有用な有機ラジカルには、脂肪族、芳香族、アルキル化芳香族系、縮合芳香族系およびメチレン架橋芳香族系が含まれ、ここで、メチレン架橋および縮合芳香族系はさらにアルキル化され得る。アルキル鎖の長さは、6〜25の炭素原子である。芳香族系に結合したアルキル鎖の長さは、3〜12の炭素原子である。
スルフェート、スルホネートおよびホスフェートは、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩の形態で使用される。ナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩が好ましい。
この種のスルホネート、スルフェートおよびホスフェートの例は、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、メチレン架橋アリールスルホネートのナトリウム塩、アルキル化ナフタレンスルホネートのナトリウム塩およびメチレン架橋ナフタレンスルホネートのナトリウム塩であり、それらはまた、オリゴマー化され得、ここで、オリゴマー化レベルは2〜10である。典型的には、アルキル化ナフタレンスルホン酸およびメチレン架橋(および任意にアルキル化された)ナフタレンスルホン酸は、分子中に1つ超のスルホン酸基(2〜3つのスルホン酸基)を含有し得る異性体混合物の形態である。ラウリル硫酸ナトリウム、12〜18の炭素原子を有するアルキルスルホン酸ナトリウム混合物、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、ジイソブチレンナフタレンスルホン酸ナトリウム、メチレン架橋ポリナフタレンスルホネート混合物およびメチレン架橋アリールスルホネート混合物が特に好ましい。
非荷電乳化剤は、十分に酸性の水素を有する化合物へのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの付加生成物に由来する。これらには、例えば、フェノール、アルキル化フェノールおよびアルキル化アミンが含まれる。エポキシドの平均重合レベルは2〜20である。非荷電乳化剤の例は、8、10および12のエチレンオキシド単位を有するエトキシル化ノニルフェノールである。非荷電乳化剤は、典型的には、単独で使用されないが、アニオン乳化剤と組み合わせて使用される。
不均化アビエチン酸および部分水素化牛脂脂肪酸ならびにその混合物のナトリウムおよびカリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムならびにアルキル化およびメチレン架橋ナフタレンスルホン酸が好ましい。
乳化剤は、ジエンモノマー、さらなるモノマーおよび架橋剤の総量に基づいて0.2phm〜15phm、好ましくは0.5phm〜12.5phm、より好ましくは1.0phm〜10phmの量で使用される。
乳化重合は、一般に、述べられた乳化剤を使用して行われる。重合の完了時、ある種の不安定性のために早過ぎる自己凝固の傾向を有するラテックスが得られる場合、前記乳化剤をラテックスのポスト安定化のために添加することもできる。これは、スチームでの処理による未転化モノマーの除去前およびラテックスの任意の貯蔵前に特に必要になり得る。
乳化重合は、本発明に従って好ましいSBRゴムが重合中に架橋されるような方法で行われる。したがって、分子量調整剤の使用は一般に必須ではない。しかし、架橋を制御するために分子量調整剤を使用することが有利であるが、その性質は決定的に重要ではない。その場合、調整剤は、典型的には、ジエンモノマー、さらなるモノマーおよび架橋剤の総量に基づいて100phm当たり0.01phm〜3.5phm、好ましくは0.05phm〜2.5phmの量で使用される。使用される分子量調整剤は、例えば、メルカプタン含有カルボン酸、メルカプタン含有アルコール、キサントゲンジスルフィド、チウラムジスルフィド、ハロゲン化炭化水素、分岐芳香族または脂肪族炭化水素、あるいは線状または分岐メルカプタンであり得る。これらの化合物は、典型的には、1〜20の炭素原子を有する。
メルカプタン含有アルコールおよびメルカプタン含有カルボン酸の例は、モノチオエチレングリコールおよびメルカプトプロピオン酸である。キサントゲンジスルフィドの例は、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィドおよびジイソプロピルキサントゲンジスルフィドである。
チウラムジスルフィドの例は、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドおよびテトラブチルチウラムジスルフィドである。ハロゲン化炭化水素の例は、四塩化炭素、クロロホルム、ヨウ化メチル、ジヨードメタン、ジフルオロジヨードメタン、1,4−ジヨードブタン、1,6−ジヨードヘキサン、臭化エチル、ヨウ化エチル、1,2−ジブロモテトラフルオロエタン、ブロモトリフルオロエタン、ブロモジフルオロエタンである。
分岐炭化水素の例は、Hラジカルをそれから容易に脱離することができるものである。その例は、トルエン、エチルベンゼン、クメン、ペンタフェニルエタン、トリフェニルメタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンタン、ジペンタンおよびテルペン、例えばリモネン、α−ピネン、β−ピネン、α−カロテンおよびβ−カロテンである。
線状または分岐メルカプタンの例は、n−ヘキシルメルカプタンあるいは9〜16の炭素原子および少なくとも3つの第三級炭素原子を含有するメルカプタンであって、硫黄がこれらの第三級炭素原子の1つに結合しているメルカプタンである。これらのメルカプタンは、個々にまたは混合物でのいずれかで使用することができる。好適な例は、オリゴマー化プロペン、とりわけ四量体プロペンへの、またはオリゴマー化イソブテン、とりわけ三量体イソブテンへの硫化水素の付加化合物であり、それらは、文献において頻繁に第三級ドデシルメルカプタン(「t−DDM」)と言われる。
そのようなアルキルチオールまたはアルキルチオールの(異性体)混合物は、商業的に入手可能であるか、あるいは文献に十分によく記載されている方法によって当業者により製造されるかのいずれかである(例えば、特開平7−316126号公報、特開平7−316127号公報および特開平7−316128号公報ならびにまた英国特許出願公開第A−823,823号明細書および英国特許出願公開第A−823,824号明細書を参照されたい)。
個々のアルキルチオールまたはその混合物は、典型的には、ジエンモノマー、さらなるモノマーおよび架橋剤の総量に基づいて0.05phm〜3phm、好ましくは0.1phm〜1.5phmの量で使用される。
分子量調整剤または分子量調整剤混合物の計量供給添加は、重合の開始時あるいは重合の過程で分割してのいずれかで達成され、重合中における調整剤混合物のすべてのまたは個々の成分の分割した添加が好ましい。
乳化重合は、典型的には、フリーラジカルに分解する重合開始剤(フリーラジカル重合開始剤)を使用して開始される。これらには、−O−O−単位を含有する化合物(ペルオキソ化合物)または−N=N−単位を含有する化合物(アゾ化合物)が含まれる。
ペルオキソ化合物には、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸塩、ペルオキソ二リン酸塩、ヒドロペルオキシド、過酸、パーエステル、過酸無水物および2つの有機ラジカルを有する過酸化物が含まれる。ペルオキソ二硫酸およびペルオキソ二リン酸の好適な塩は、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩である。好適なヒドロペルオキシドは、例えば、tert−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドおよびp−メンタンヒドロペルオキシドである。2つの有機ラジカルを有する好適な過酸化物は、ジベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、過安息香酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチルなどである。好適なアゾ化合物は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルおよびアゾビスシクロヘキサンニトリルである。
過酸化水素、ヒドロペルオキシド、過酸、パーエステル、ペルオキソ二硫酸塩およびペルオキソ二リン酸塩は、還元剤と組み合わせても使用される。好適な還元剤は、スルフェン酸塩、スルフィン酸塩、スルホキシル酸塩、ジチオン酸塩、亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、二亜硫酸塩、糖、尿素、チオ尿素、キサントゲン酸塩、チオキサントゲン酸塩、ヒドラジン塩、アミンおよびアニリン、ジメチルアニリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンまたはトリエタノールアミンなどのアミン誘導体である。酸化剤および還元剤からなる開始剤系はレドックス系と言われる。レドックス系の使用の場合、鉄、コバルトまたはニッケルなどの遷移金属化合物の塩が、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウムおよびリン酸三ナトリウムまたは二リン酸四カリウムなどの好適な錯化剤と組み合わせて頻繁にさらに使用される。
好ましいレドックス系は、例えば、1)トリエタノールアミンと組み合わせたペルオキソ二硫酸カリウム、2)メチ重亜硫酸ナトリウム(Na)と組み合わせたペルオキソ二リンアンモニウム、3)硫酸鉄(II)(FeSO*7HO)、エチレンジアミノ酢酸ナトリウムおよびリン酸三ナトリウムと組み合わせたp−メンタンヒドロペルオキシド/ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム;4)硫酸鉄(II)(FeSO*7HO)、エチレンジアミン酢酸ナトリウムおよび二リン酸四カリウムと組み合わせたクメンヒドロペルオキシド/ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウムである。
酸化剤の量は、ジエンモノマー、さらなるモノマーおよび架橋剤の総量に基づいて好ましくは0.001phm〜1phmである。還元剤のモル量は、使用される酸化剤のモル量に基づいて50%〜500%である。
錯化剤のモル量は、使用される遷移金属の量に基づき、典型的にはそれと等モルである。
重合を行うために、開始剤系のすべてのまたは個々の成分は、重合の開始時または重合中に計量供給される。
重合中における活性化剤系のすべてのおよび個々の成分の分割した添加が好ましい。順次添加を、反応速度を制御するために用いることができる。
重合時間は、一般に、5時間〜30時間の範囲である。
乳化重合の転化率は、85%〜100%、好ましくは87%〜99.5%、より好ましくは88%〜97%の範囲である。
重合の目的は、ゴムを架橋するための非常に高い重合転化率に向けられる。このため、停止剤の使用なしで済ますことが任意に可能である。停止剤が使用される場合、好適な例は、ジメチルジチオカルバメート、亜硝酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバメートと亜硝酸ナトリウムとの混合物、ヒドラジンおよびヒドロキルアミンならびに硫酸ヒドラジンおよび硫酸ヒドロキルアンモニウムなどのそれらに由来する塩、ジエチルヒドロキルアミン、ジイソプロピルヒドロキルアミン、ヒドロキノンの水溶性塩、亜ジチオン酸ナトリウム、フェニル−α−ナフチルアミンおよびtert−ブチルカテコールなどの芳香族フェノール類またはフェノチアジンである。
乳化重合に使用される水の量は、ジエンモノマー、さらなるモノマーおよび架橋剤の総量に基づいて70〜300phmの範囲、好ましくは80〜250phmの範囲、より好ましくは90〜200phmの水の範囲である。
重合中の粘度の低減のために、pHの調整のために、およびpH緩衝剤として、塩を乳化重合の過程で水相に添加することができる。典型的な塩は、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの形態で一価金属の塩である。水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび塩化カリウムが好ましい。これらの電解質の量は、ジエンモノマー、さらなるモノマーおよび架橋剤の総量に基づいて0phm〜1phm、好ましくは0〜0.5phmの範囲である。
重合の均質ランニングを達成するために、開始剤系の一部のみが重合の開始のために使用され、残りは重合中に計量供給される。典型的には、重合は、開始剤の総量の10重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜50重量%を用いて開始される。開始剤系の個々の構成成分をその後計量供給することも可能である。
重合は、攪拌タンクカスケーにおいて回分式に、半連続的にあるいは連続的に行うことができる。半回分式プロセスの場合、水、モノマー、開始剤および乳化剤が特定の期間にわたって(例えば、全体重合時間にわたって)反応器へ供給される。反応剤を添加する様々な方法がある:例えば、重合中にモノマーの残り(多くの場合開始剤と一緒に)および頻繁にまた特定量のモノマーを、水、乳化剤および開始剤からなる初期装入物へ計量供給することが可能である。別の方法は、例えば、反応剤をすべて含有するエマルジョンの一部の初期装入および重合中のエマルジョンの残りの計量供給添加であり、その場合に計量供給されるエマルジョンの組成は、重合の開始のためのエマルジョンの初期装入物と異なり得る(A.E.Hamielec,H.Tobita,Polymerization Processes,1.Fundamentals,Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,2011,page 88)。
そのような半回分式プロセスの利点は、計量供給添加の速度を重合中に変えることができるため、重合のより良好な制御および除熱にとどまらない。未転化モノマーの濃度は、より良好な制御が反応の信頼性を高めるようにこの方法によって最小限にすることができる。さらに、計量供給される量があらかじめ冷却される場合、より少ない冷却が重合中に必要とされるため、生産性を高めることができる。
モノマーの計量供給添加の期間が半回分式乳化重合で増大する場合、モノマーの濃度は重合中に低いままであり、この効果は、長鎖分岐および架橋が促進されることである(A.E.Hamielec,H.Tobita,Polymerization Processes,1.Fundamentals.Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,2011,page 85)。
未転化モノマーおよび揮発性構成成分を除去するために、短時間停止(short−stopped)ラテックスが水蒸気蒸留にかけられる。この場合、70℃〜150℃の範囲の温度が用いられ、100℃未満の温度の場合には圧力が下げられる。
揮発性構成成分が除去される前に、ラテックスは、乳化剤でポスト安定化することができる。このために、前述の乳化剤が、ゴムの100重量部に基づいて0.1重量%〜2.5重量%、好ましくは0.5重量%〜2.0重量%の量で適切に使用される。
沈澱前または沈澱中に1つまたは複数の老化安定剤がラテックスに添加され得る。フェノール系、アミン系およびまた他の老化安定剤がこの目的に好適である。
好適なフェノール系老化安定剤は、アルキル化フェノール、スチレン化フェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレソール(BHT)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールなどの立体障害のあるフェノール、エステル基を含有する立体障害のあるフェノール、チオエーテルを含有する立体障害のあるフェノール、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(BPH)およびまた立体障害のあるチオビスフェノールである。
ゴムの変色が重要でない場合、アミン系老化安定剤、例えばジアリール−p−フェニレンジアミン(DTPD)の混合物、オクチル化ジフェニルアミン(ODPA)、フェニル−α−ナフチルアミン(PAN)、フェニル−β−ナフチルアミン(PBN)、好ましくはフェニレンジアミンをベースとするものも使用される。フェニレンジアミンの例は、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−1,4−ジメチルペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(7PPD)、N,N’−ビス−1,4−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン(77PD)などである。
他の老化安定剤には、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどのホスファイト、重合した2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(TMQ)、2−メルカプトベンズイミダゾール(MBI)、メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール(MMBI)、亜鉛メチルメルカプトベンズイミダゾール(ZMMBI)が含まれる。ホスファイトは、一般に、フェノール系老化安定剤と組み合わせて使用される。
このようにして製造されたジエンゴムゲルのワークアップは、濃縮、凝固、さらなるラテックスポリマーとの共凝固により、または凍結凝固(米国特許第2,187,146号明細書を参照されたい)により、または噴霧乾燥により達成することができる。噴霧乾燥によるワークアップの場合、標準流動助剤、例えば炭酸カルシウムまたはシリカを添加することも可能である。任意に塩化ナトリウムおよび/または塩化カリウムなどの一価の塩の存在下での酸凝固によるワークアップが好ましい。好適な酸は、とりわけ、硫酸またはリン酸などの鉱酸である。
シーリングコンパウンドの製造のために使用されるジエンゴムゲルは、特に表面で反応基を本質的に有さない非改質ジエンゴムゲルまたは特に表面において官能基で改質された改質ジエンゴムゲルのいずれかであり得る。以下の試薬が特に低分子量試剤でのジエンゴムゲルの表面改質のために有用である:元素状硫黄、硫化水素および/または1,2−ジメルカプトエタンもしくは1,6−ジメルカプトヘキサンなどのアルキルポリメルカプタンならびにさらにジメチルジチオカルバメートおよび/またはジベンジルジチオカルバメートのアルカリ金属塩などのジアルキル−およびジアルキルアリールジチオカルバメートならびにまたエチルキサントゲン酸カリウムおよびイソプロピルキサントゲン酸ナトリウムなどのアルキル−およびアリールキサントゲン酸塩ならびにジブチルジチオリン酸およびジオクチルジチオリン酸およびまたドデシルジチオリン酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩との反応物。前記反応は、有利には、硫黄の存在下でも行うことができ、その場合、硫黄は、ポリスルフィド結合を形成して組み込まれる。これらの結合の追加のために、有機および無機過酸化物および/またはアゾ開始剤などのフリーラジカル開始剤を添加することが可能である。
例えば、オゾン分解による、ならびに塩素、臭素およびヨウ素でのハロゲン化によるジエンゴムゲルの改質も選択肢である。使用される改質剤の量は、その有効性および個々の場合になされる要求によって導かれ、使用されるジエンゴムゲルの総量に基づいて0.05重量%〜30重量%、より好ましくはジエンゴムゲルの総量に基づいて0.5重量%〜10重量%の範囲である。
改質反応は、0℃〜180℃、好ましくは5℃〜95℃の温度において、任意に1バール〜30バール(1バール=100,000Pa)の圧力下で行うことができる。改質は、ジエンゴムゲルに関して実質的にまたはその分散系の形態で着手することができる。
ジエンゴムゲルは、ほぼ球形の形状を有する。一次粒子は、DIN 53206:1992−08によれば、コヒーレント相に分散しているジエンゴムゲル粒子を意味し、好適な物理的方法(電子顕微鏡)によって個々の化学種として認識できる(例えば、Roempp Lexikon,Lacke und Druckfarben[Roempp’s Lexicon,Coatings and Printing Inks]、Georg Thieme Verlag、1998を参照されたい)。「ほぼ球形」の形状は、ジエンゴムゲルの分散一次粒子が、組成物が例えば電子顕微鏡で見られる場合に球状面と本質的に見えることを意味する。ジエンゴムゲルは、本質的に、本発明のシーリングコンパウンドを得るためのさらなる処理時に形状またはモルフォロジを変えないため、上におよび下で述べられる所見は、本発明のジエンゴムゲル含有シーリングコンパウンドにも適用される。
本発明のシーリングコンパウンド中に存在するジエンゴムゲルの一次粒子において、
[(d1−d2)/d2]×100
(式中、d1およびd2は、一次粒子の任意の2つの直径であり、d1>d2である)
と定義される個々の一次粒子の直径偏差は、好ましくは250%未満、より好ましくは100%未満、さらにより好ましくは80%未満、さらにより好ましくは50%未満である。
ジエンゴムゲルの一次粒子の好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%は、250%未満、好ましくは100%未満、さらにより好ましくは80%未満、さらにより好ましくは50%未満の、
[(d1−d2)/d2]×100
(式中、d1およびd2は、一次粒子の任意の2つの直径であり、d1>d2である)
と定義される直径偏差を有する。
個々の粒子の前述の直径偏差は、以下の方法によって測定することができる。まず、本発明の固化した組成物の薄いセクションが製造される。次に、透過電子顕微鏡写真が、例えば、10,000倍または200,000倍の倍率で撮られる。833.7×828.8nmの領域で10のジエンゴムゲル一次粒子における最大および最小直径がd1およびd2として測定される。各場合に分析されたジエンゴムゲル一次粒子の少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%の上に定義された偏差が、250%未満、好ましくは100%未満、さらにより好ましくは80%未満、さらにより好ましくは50%未満である場合、ジエンゴムゲル一次粒子は、上に定義された偏差特徴を有する。
シーリングコンパウンド中のジエンゴムゲルの濃度が、目に見えるジエンゴムゲル一次粒子のかなりのオーバーラップがあるほどに高い場合、評価の質は、測定される試料の事前の好適な希釈によって向上させることができる。
本発明のシーリングコンパウンド中で、ジエンゴムゲル(A)および(B)ならびにゲル(H)の一次粒子は、好ましくは5nm〜500nm、より好ましくは20nm〜400nm、より好ましくは20nm〜300nm、より好ましくは20nm〜250nm、さらにより好ましくは20nm〜99nm、さらにより好ましくは30nm〜80nmの平均粒径(DIN 53206に従った直径数字)を有する。乳化重合による特に微粉のジエンゴムゲルの製造は、それ自体公知の方法で反応パラメータを制御することによって達成される(例えば、H.G.Elias,Macromolecules,Volume 2,Industrial Polymers and Syntheses,Wiley−VCH Verlag GmbH&Co.KGaA,Weinheim,2007,page 16以下を参照されたい)。
ジエンゴムゲル(A)および(B)ならびにゲル(H)のモルフォロジは、本質的に、本発明の組成物のさらなる処理の過程で変化しないため、ジエンゴムゲル含有シーリングコンパウンドなど、本発明の組成物を用いて得られるさらなる処理生成物中の分散一次粒子の平均粒径は、本質的に、分散一時粒子の平均粒径に対応する。
ジエンゴムゲル(A)および(B)ならびにゲル(H)は、少なくとも60重量%、より好ましくは約80重量%、さらにより好ましくは約90重量%の、ゲル含有量と呼ばれる23℃でトルエンに不溶性の画分を有する。
ジエンゴムゲル(A)および(B)ならびにゲル(H)は、適切には、23℃においてトルエン中で約80未満、好ましくは60未満、より好ましくは40未満の膨潤係数を有する。例えば、ジエンゴムゲルならびにシーリングゲルの膨潤係数(Qi)は、より好ましくは5〜35であり得る。
ジエンゴムゲル(A)および(B)ならびにゲル(H)は、−80℃〜−50℃、好ましくは−75℃〜−60℃、より好ましくは−75℃〜−65℃のガラス転移温度を有する。
さらに、ジエンゴムゲル(A)および(B)ならびにゲル(H)は、好ましくは、20℃未満、好ましくは15℃未満、より好ましくは10℃未満、とりわけ好ましくは5℃〜10℃の範囲のガラス転移範囲(ΔTg)を有する。
低温重合ジエンゴムゲル(A)および(B)ならびにゲル(H)は、それらの微細構想の観点から高温重合ジエンゴムゲルと異なり得る。
例えば、使用されるジエンモノマーとしての1,3−ブタジエンの場合、ミクロ構造の相違は、組み込まれる1,3−ブタジエンの相対的な割合に関連している。
1,4−トランス−、1,2−ビニル−および1,4−シス−ブタジエン単位の相対的な割合は、ジエンゴムゲルのポリマーフィルムのIRスペクトルにおける1,4−トランス−、1,2−ビニルおよび1,4−シス−ブタジエンバンドの相対吸収の測定に基づいて測定された。この方法は、微細構造がNMR研究から正確に知られている試料を用いて較正される。重量%単位での数字は、ジエンゴムゲル中の組み込まれたブタジエン単位のみに基づいて合計100重量%になる。
ジエンとして1,3−ブタジエンを含有する低温重合ジエンゴムゲル(A)および(B)ならびにゲル(H)は、それぞれ、組み込まれた1,3−ブタジエンに基づいて8重量%〜17重量%のシス−1,4−ブタジエン単位の割合、59重量%〜75重量%のトランス−1,4−ブタジエンの割合および17重量%〜21重量%の1,2−ビニルブタジエンの割合を有する。
前述のシーリングコンパウンドは、充填材およびゴム補助剤などのさらなる構成成分をさらに含み得る。
本発明のシーリングコンパウンドは、上に記載されたような本発明のシーリングゲルを含む。本発明の組成物の好ましい実施形態では、ジエンゴムゲルは、低温重合E−SBRをベースとしている。
シーリングコンパウンド中の本発明のシーリングゲルの総量は、典型的には45phr〜100phr、好ましくは60phr〜100phr、より好ましくは70phr〜100phr(100部ゴム当たりの部)であり、シーリングゲルならびにさらなる天然および/または合成ゴムの総量は100phrに対応する。
使用される樹脂(C)は、適切には、炭化水素樹脂の群からのものである。炭化水素樹脂は、ポリマー混合物に粘着性付与剤として優先的に使用される炭素および水素をベースとするポリマーを意味することが当業者によって理解される。それらは、使用される量でポリマー混合物と混和性(相溶性)であり、混合物において希釈剤/増量剤としての役割を果たす。炭化水素樹脂は、固体であっても液体であり得る。炭化水素樹脂は、脂肪族、脂環式、芳香族および/または水素化芳香族モノマーを含有し得る。異なる合成および/または天然樹脂が使用され得、油ベース(鉱油樹脂)であり得る。使用される樹脂のTgは、−30℃超であるべきである。炭化水素樹脂は、加熱されたときに軟化し、こうして成形することができる熱可塑性樹脂とも記載され得る。それらは、軟化点または樹脂が例えば顆粒の形態で付着し合う温度で特徴付けられ得る。
好ましく使用される樹脂は、下記の特性の1つ、好ましくはすべてを有する:
− −30℃超のTg、
− 5℃超の(とりわけ、5℃〜135℃の範囲の)軟化点、
− 数平均分子量(Mn)が400g/モル〜2000g/モルの範囲であり、
− 多分散性(PDI=Mw/Mn、Mw=重量平均分子量)が3未満である。
軟化点は、標準ISO 4625の「リングおよびボール(Ring and Ball)」法によって測定される。MnおよびMwは、当業者に知られた技法、例えばゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
使用される炭化水素樹脂の例は、シクロペンタジエン(CPD)もしくはジシクロペンタジエン(DCPD)ホモポリマーまたはシクロペンタジエンコポリマー樹脂、テルペンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペン/フェノールホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C留分またはC留分のホモポリマーまたはコポリマー樹脂、α−メチルスチレンのホモポリマーまたはコポリマー樹脂および記載されたものの混合物である。ここで、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、(D)CPD/C留分コポリマー樹脂、(D)CPD/C留分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C留分/ビニル芳香族コポリマー樹脂および記載されたものの混合物からなるコポリマー樹脂が特に言及されるべきである。
用語「テルペン」は、α−ピネン、β−ピネンおよびリモネンをベースとするモノマーを包含し、リモネンまたはリモネンエナンチオマーの混合物が好ましい。好適なビニル芳香族化合物は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−(tert−ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンまたはC留分もしくはC〜C10留分からの任意のビニル芳香族化合物である。
本発明のシーリングコンパウンド中の樹脂(C)の量は、シーリングゲルならびにさらなる天然および/または合成ゴム(E)の総量に基づいて典型的には10phr〜60phr、好ましくは20phr〜50phr、より好ましくは25phr〜45phr、少なくとも1つの実施形態では30phr未満である。
使用される老化安定剤(D)は、ジエンゴムゲル(A)、(B)およびゲル(H)の低温乳化重合について上に記載されたものと同じ物質であり得る。
シーリングコンパウンド中の老化安定剤(D)の量は、シーリングゲルならびにさらなる天然および/または合成ゴム(E)の総量に基づいて典型的には0.5phr〜20phr、好ましくは1phr〜10phr、より好ましくは1phr〜5phrである。
天然および合成ゴム(E)は、ジエンゴムゲルおよびシーリングゲルと異なり、一般に、10MU〜80MU、好ましくは15MU〜60MUの100℃でのムーニー粘度ML(1+4)(DIN 53 523)を有する。
好ましいゴム(E)は、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエンまたはその混合物からなる群からの共役ジオレフィンをベースとするコポリマー、より好ましくは天然シス−1,4−ポリイソプレン、合成シス−1,4−ポリイソプレン、3,4−ポリイソプレン、ポリブタジエン、1,3−ブタジエン−アクリロニトリルコポリマーおよびその混合物からなる群からのものである。
さらなる好ましい合成ゴムは、例えば、I.Franta、Elastomers and Rubber Compounding Materials,Elsevier,New York 1989、あるいはUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Vol.A 23,VCH Verlagsgesellschaft,Weinheim 1993に記載されている。それらには、
BR − ポリブタジエン、
Nd−BR − ネオジムポリブタジエンゴム、
Co−BR − コバルトポリブタジエンゴム、
Li−BR − リチウムポリブタジエンゴム、
Ni−BR − ニッケルポリブタジエンゴム、
Ti−BR − チタンポリブタジエンゴム、
PIB − ポリイソブチレン、
ABR − ブタジエン/C1〜4アルキルアクリレートコポリマー、
IR − ポリイソプレン、
SBR − 1重量%〜60重量%、好ましくは2重量%〜50重量%のスチレン含有量を有するスチレン/ブタジエンコポリマー、
E−SBR − 乳化スチレン/ブタジエンコポリマー、
S−SBR − 溶液スチレン/ブタジエンコポリマー、
XSBR − 2重量%〜50重量%のスチレン含有量および1重量%〜30重量%の共重合極性モノマーの含有量を有するスチレン/ブタジエンコポリマーならびにアクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、ヒドロキシエチルアクリレートおよび/またはヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレートでのグラフトポリマー、
IIR − 好ましくは0.5重量%〜10重量%のイソプレン含有量を有する、イソブチレン/イソプレンコポリマー、
BIIR − 好ましくは0.1重量%〜10重量%の臭素含有量を有する、臭素化イソブチレン/イソプレンコポリマー、
CIIR − 好ましくは0.1重量%〜10重量%の塩素含有量を有する、塩素化イソブチレン/イソプレンコポリマー、
NBR − 典型的には5重量%〜60重量%、好ましくは10重量%〜50重量%のアクリロニトリル含有量を有する、ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、
HNBR − 二重結合の100%以下が水素化されている、完全および部分水素化NBRゴム、
HXNBR − カルボキシル化された部分および完全水素化ニトリルゴム、
EP(D)M − エチレン/プロピレン/(ジエン)コポリマー、
EVM − エチレン−酢酸ビニル、
ならびにこれらのゴムの混合物
が含まれる。
本発明のシーリングコンパウンド中の天然および/または合成ゴム(E)の量は、シーリングゲルならびにさらなる天然および/または合成ゴム(E)の総量に基づいて典型的には1phr〜50phr、好ましくは5phr〜40phr、より好ましくは10phr〜30phrである。
シーリングコンパウンド中のシーリングゲルならびにさらなる天然および/または合成ゴム(E)の総量は、100phrである。
本発明のシーリング混合物について、可塑剤(F)は、典型的には、75phr未満、好ましくは10phr〜70phr、より好ましくは15phr〜65phrの量で使用される。可塑剤は、ジエンエラストマーおよび樹脂からなるマトリックスを希釈し、特に低温条件下、典型的には0℃未満の温度でのシーリング混合物のシーリング効果が向上するために、それをより柔らかくかつよりしなやかにする。使用される可塑剤は、典型的には、−20℃未満、好ましくは−40℃未満のTgを有する。
好適な可塑剤は、芳香族または非芳香族のいずれかであり得る、任意の液体エラストマーまたは潤滑油およびエラストマーにおける、とりわけジエン含有エラストマーにおけるそれらの可塑化作用で知られる任意の液体物質である。400〜90,000g/モルのMnを有する液体エラストマーが特に好適である。潤滑油の例は、水素化または非水素化形態の、低いまたは高い粘度を有するパラフィン系油、ナフテン系油、芳香族またはDAE(蒸留芳香族抽出物(Distilled Aromatic Extracts))油、MES(中度抽出溶媒和物(Medium Extracted Solvates))油、TDAE(処理留出物芳香族抽出物(Treated Distillate Aromataic Extracts)油、鉱油、植物油(およびそれらのオリゴマー、例えばパーム油、菜種油、大豆油またはヒマワリ油)ならびに述べられた油の混合物である。
ポリブテンをベースとする油、とりわけポリイソブチレン(PIB)ベースの油ならびにエーテル、エステル、ホスフェートおよびスルホネートベースの可塑剤も好適であり、エステルおよびホスフェートも好ましい。好ましいホスフェート可塑剤は、12〜30の炭素原子を有するもの、例えばトリオクチルホスフェートである。好ましいエステル可塑剤は、トリメリテート、ピロメリテート、フタレート、1,2−シクロヘキサンジカルボキシレ−ト、アジペート、アゼレート、セバケート、グリセロールトリエステルおよびその混合物からなる群からの物質である。合成または天然形態で(例えば、ヒマワリ油または菜種油の場合)、好ましく使用される脂肪酸は、50重量%超、より好ましくは80重量%超のオレイン酸を含有するものである。トリエステル中で、50重量%超、より好ましくは80重量%超の程度までの、主に不飽和C18脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびその混合物からなるグリセロールトリエステルが好ましい。そのようなトリエステルは、オレイン酸の高い含有量を有し、タイヤトレッドに使用されるゴム混合物のための可塑剤として、文献、例えば米国特許出願公開第A−2004/0127617号明細書に記載されている。
液体エラストマーの場合と異なり、液体可塑剤の数平均分子量(Mn)は、好ましくは、(GPCによって測定される)400〜25,000g/モルの範囲、さらにより好ましくは800〜10,000g/モルの範囲である。
ファクチス(すなわち硫化油)も可塑剤(F)として好適であり、本明細書で用いるときには加硫された植物油などの不飽和油である。様々な種類の架橋(例えば、硫黄(ブラウンファクチス)、過酸化物またはSCl(ホワイトファクチス)を含むが、それらに限定されない)を用いた、および異なる天然油 − 菜種油またはヒマシ油のような − の使用による油の脂肪酸鎖の架橋は、ポリマーの加工特性および耐オゾン性を改善する材料をもたらす。ファクチスは、例えば、ゲルポリマーと異なり、モルフォロジを有さず、そのため、ゲルと区別できる結束力のゆるい三次元網状構造である。ファクチスは、油中で膨潤し、このようにして追加量の油をコンパウンド内部に保持することができる。いかなる特定の理論にも制約されることなく、加工中にまたはタイヤの圧力損失 − 剪断力の適用 − の場合、油の一部は、コンパウンドから搾り出され、その流動性を改善し得る。これらの力の解除後、油は、再びファクチスに取り込まれる。
要約すれば、液体エラストマー、ポリオレフィン油、ナフテン油、パラフィン油、DAE油、MES油、TDAE油、鉱油、植物油、エーテル、エステル、ホスフェート、スルホネートからなる可塑剤および記載されたものの混合物の群からの液体可塑剤を使用することが好ましい。
本発明のシーリングコンパウンド中の可塑剤(F)の量は、シーリングゲルならびにさらなる天然および/または合成ゴム(E)の総量に基づいて典型的には75phr未満、好ましくは10phr〜70phr、より好ましくは15phr〜65phrである。
本発明の上記シーリングコンパウンドは、任意に、追加の充填材(G)を含有し得る。充填材は、強化充填材(典型的には、500nm未満、とりわけ20nm〜200nmの範囲の平均サイズを有する粒子)および非強化または不活性充填材(典型的には、1μ超、例えば2μm〜200μmの範囲の平均サイズを有する粒子)を両方とも意味すると本発明では理解される。強化および非強化充填材は、シーリングコンパウンドにおける粘着性を向上させることを意図する。これらには以下が含まれる。
− 本発明のシーリングコンパウンドに使用されるカーボンブラックであって、適切には、タイヤ製造に使用されるもの、例えばASTM標準300、600、700または900に従ったカーボンブラック(N326、N330、N347、N375、N683、N772またはN990)および典型的にはサーマルブラック法、ファーネスブラック法またはガスブラック法によって製造され、(ISO 6810標準に記載されるようにCTABの吸収によって測定される)20m/g〜200m/gのBET表面積を有するもの、例えばSAF、ISAF、IISAF、HAF、FEFまたはGPFカーボンブラックであるもの。あるいは、20m/g未満の表面積を有するカーボンブラックを使用することも可能である。
− 5〜1000、好ましくは30m/g〜400m/gの比表面積(ISO 5794/1標準によって測定されるBET表面積)を有し、かつ5〜400nmの一次粒子サイズを有する、例えば、シリケートの溶液の沈澱またはハロゲン化ケイ素の火炎加水分解によって製造される微粉化シリカ。シリカは、任意にまた、Al、Mg、Ca、Ba、ZnおよびTiの酸化物などの他の金属酸化物との混合酸化物の形態であり得る。
− 20m/g〜400m/gの(ISO 5794/1標準によって測定される)BET表面積および10nm〜400nmの一次粒子径を有する、アルミニウムシリケート、アルカリ土類金属シリケート、例えばマグネシウムシリケートまたはカルシウムシリケートなどの合成シリケート。
− カオリンおよび他の天然に存在するシリカなどの天然シリケート。
− 酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物。
− 炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛などの金属炭酸塩。
− 硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩。
− 水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物。
− 顔料などの着色性充填材または着色充填材。
− 5nm〜1000nmの粒度を有するポリクロロプレン、NBRおよび/またはポリブタジエンをベースとするゴムゲル。
述べられた充填材は、単独でまたは混合物で使用することができる。
充填材は、シーリングゲルならびにさらなる天然および/または合成ゴム(E)の総量に基づいて典型的には1phr〜50phrの量、好ましくは1phr〜30phrの量、より好ましくは1phr〜20phrの量で本発明のシーリングコンパウンド中に存在する。
本発明に従ったシーリングコンパウンドに使用されるのに好適なさらなる添加剤(K)には、例えば、加熱すると分解し、窒素ガスを放出して多孔性発泡構造体をもたらす窒素放出発泡剤であるブローイング剤、混合装置において圧力下でシーリング組成物中に分散され得る不活性ガス(例えば、N、CO)および中空球、例えば中空ガラス球または膨張性マイクロバルーンが含まれる。
最も好ましくは、さらなる添加剤(K)は、中空微小球であり、それは、中空ガラス球、ポリ塩化ビニリデンコポリマーまたはアクリロニトリルコポリマーをベースとする膨張性または膨張した中空プラスチック微小球であり得る。
上述のさらなる添加剤(K)は、単独でまたは混合物で使用することができる。
さらなる添加剤(K)は、ジエンゴムゲルならびにさらなる天然および/または合成ゴム(E)の総量に基づいて典型的には1phr〜50phrの量、好ましくは1phr〜40phrの量、より好ましくは1.5phr〜30phrの量で本発明のシーリングコンパウンド中に存在する。
本発明のシーリングコンパウンドは、ゴム混合物に典型的に使用されるさらなるゴム補助剤、例えば1つまたは複数のさらなる架橋剤、加硫促進剤、熱安定剤、光安定剤、オゾン安定剤、加工助剤、増量剤、有機酸または加硫遅延剤を任意に含有し得る。
ゴム補助剤は、個々にまたは混合物で使用することができる。
ゴム補助剤は、他の要因の中でも最終用途によって導かれる標準的な量で使用される。標準的な量は、例えば、0.1phr〜50phrの量である。
好ましい実施形態では、本発明のシーリングコンパウンドは、それぞれ場合にシーリングゲルならびにさらなる天然および/または合成ゴム(E)に基づいて、
・45phr〜100phr、好ましくは60phr〜100phr、より好ましくは70phr〜100phrの本発明のシーリングゲル(スチレン−ブタジエン−ジエンゴムゲルが好ましい)、
・10phr〜60phr、好ましくは20phr〜50phr、より好ましくは25phr〜45phrの少なくとも1つの樹脂(C)、
・0.5phr〜20phr、好ましくは1phr〜10phr、より好ましくは1phr〜5phrの少なくとも1つの老化安定剤(D)、
・1phr〜50phr、好ましくは5phr〜40phr、より好ましくは10phr〜30phrの少なくとも1つの天然および/または合成ゴム(E)、
・75phr未満、好ましくは10phr〜70phr、より好ましくは15phr〜65phrの少なくとも1つの可塑剤(F)、
・任意に1phr〜50phr、好ましくは1phr〜30phr、より好ましくは1phr〜20phrの少なくとも1つの充填材(G)、
・任意に1phr〜50phr、好ましくは1phr〜40phr、より好ましくは1.5phr〜30phrの少なくとも1つのさらなる添加剤(K)
を含む。
本発明のシーリングコンパウンドは、好ましくは、本明細書で以下に記載される好ましい特性の少なくとも1つを有する。
本発明のシーリングコンパウンドは、典型的には、5MU〜50MU以下、好ましくは8MU〜40MU以下のムーニー粘度(100℃でのML1+4)を有する。ムーニー粘度は、標準ASTM D1646(1999)によって測定され、高温での試料のトルクの尺度となる。シーリングコンパウンドをあらかじめカレンダーにかけることが有用であることが分かった。このために、シーリングコンパウンドは、圧延シートを得るためにT≦60℃のローラー温度においてローラーで処理される。打ち抜かれた円筒形試料が加熱チャンバーへ入れられ、所望の温度に加熱される。1分の予熱時間後、ローターが一定の2回転/分で回転し、トルクは4分後に測定される。測定されたムーニー粘度(ML 1+4)は、「ムーニー単位」(MU、100MU=8.3Nm)によるものである。
SAFT試験において、本発明のシーリングコンパウンドは、典型的には、70℃超、好ましくは85℃超、より好ましくは95℃超の破損温度(剪断接着破損温度(Shear Adhesion Failure Temperature))を有する。
シーリングコンパウンドは、タイヤの転がり抵抗に最小限の影響を及ぼすべきである。このために、転がり抵抗指標として業界で確立されている、60℃での損失係数tan δが測定パラメータとして用いられ、これは、レオメーターを用いた動的機械分析(DMA)によって測定される。この測定から、温度依存性の貯蔵弾性率および損失弾性率G’およびG’’が得られる。温度依存性tan δ値は、損失弾性率対貯蔵弾性率の商から計算される。本発明のシーリングコンパウンドについての60℃および10Hzでのtan δ値は、典型的には0.35未満、好ましくは0.30未満、より好ましくは0.25未満である。
シーリングコンパウンドは、タイヤと道路表面との接触から生じる振動によって引き起こされる空洞共振の減少に最大限の影響を及ぼすべきである。このために、音響減衰指標として業界で確立されている、異なる温度、例えば20℃での曲げ損失係数tan δが測定パラメータとして用いられ、これは、DIN EN ISO 6721−3パートBによるDr.Oberst測定によって測定される。この測定から、温度依存性の貯蔵弾性率および損失弾性率E’およびE’’が得られる。温度依存性tan δ値は、損失弾性率対貯蔵弾性率の商から計算される。ある実施形態では、本発明に従ったシーリングコンパウンドの20℃におけるtan δは、Oberst測定方法によって測定された場合に0.003より大きく、好ましくは0.005を上回り、特に好ましくは0.010を上回る。セルフシールコンパウンドの破断点伸びεは、23℃でASTM D412標準に従って測定されて好ましくは500%以下である。破断時の応力σは、好ましくは、0.15MPa未満である。
本発明は、シーリングコンパウンドを製造する方法にさらに関する。この場合、本発明のシーリングゲルは、ジエンゴムゲル(A)および(B)、または(A)および/もしくは(B)のラテックスをゲル(H)と混合すること、ならびに混合物を共処理することによっても製造することができる。シーリングコンパウンドの構成成分は、ジエンゴムゲル/シーリングゲルラテックスを天然ゴムおよび/または合成ゴムのラテックスと混合することにより、ならびにさらにシーリングコンパウンド構成成分を好ましくはその懸濁液の形態で混合し、それらを一緒に処理することにより同様に製造することができる。このために、本発明のシーリングコンパウンドは、マスターバッチで製造することができる。少なくとも1つのシーリングゲルおよび少なくとも1つの樹脂(C)からなる本発明のシーリングコンパウンドは、様々な方法で製造することができる。例えば、固体または液体の個々の成分を混合することが可能である。本目的に好適な装置の例は、ローラー、内部ミキサーまたは混合押出機である。第1のステップにおいて、シーリングゲルが、樹脂の軟化温度を超える温度(第1の混合温度)で少なくとも1つの樹脂(C)と混合される。この温度がミキサーの目標温度ではなく、混合物の実際の温度であることがここで指摘されるべきである。
様々な添加剤、例えば安定剤、顔料、老化安定剤などをマスターバッチに添加することは任意に可能である。マスターバッチは、均質な混合物を得ることができるような配合系、例えばパドルミキサー、オープン2ロールミル、押出機またはシーリングコンパウンドの様々な成分を十分混合し、混練することができる任意の他の混合系で製造することができる。高い剪断を混合物へ導入することができる一定のスクリューらせん付きのまたはなしのスクリュー押出機を用いることが好ましい。
樹脂(C)は、固体であるシーリングゲルへの添加前の初期段階において固体であっても液体であり得る。混合中の樹脂(C)とシーリングゲルとのブレンディングにおいて、より良好な混合を得るために液体形態の樹脂が好ましい。これは、軟化温度を超えて樹脂を加熱することによって達成される。使用される樹脂に応じて、混合温度は、典型的には70℃超、好ましくは80℃超、例えば100℃〜150℃である。好ましくは、樹脂(C)は、酸素を排除した液体樹脂の注入の形態で圧力下においてミキサーへ計量供給される。このステップは、第1の混合温度での混合と組み合わせることができる。
さらなる処理ステップは、好ましくは、樹脂(C)の軟化温度未満の温度、例えば50℃(第2の混合温度)で達成される。
スクリュー押出機でのマスターバッチとしてのシーリングコンパウンドの製造の一例は、次の通りである:混合物構成成分のための第1の計量供給添加と、液化樹脂(C)のための第2の計量供給添加(定量供給ポンプ)とを有する一軸スクリュー押出機が用いられる。混合は、スクリューを回転させることによって達成され、混合物成分は高い剪断を体験する。混合物は、次に、チョッパー工具付きホモジナイザーに移動する。このゾーンの下流で、マスターバッチは、単純押出ヘッドを通って所望の形状で最終的に押し出される。得られたシーリング混合物は、例えば、2つのシリコーン被覆フィルム間に詰め込まれ、冷却され、直ちに使える。押出物は、このステップで必要な場合、さらなる混合物成分(顔料、充填材など)を計量供給することができるように、あらかじめツインローラー系に導くこともできる。計量供給添加は連続的であり得る。ロール温度は、好ましくは、100℃未満である。シーリング混合物は同様に詰め込まれる。例えば、シーリングコンパウンドのロールへの付着の結果として工具の汚染/汚れのリスクをもたらすことなく、このシーリング混合物を工業条件下で製造することが可能である。
タイヤへのシーリング層の適用は、タイヤの加硫に続き得る。シーリング層を適用する典型的な方法は、例えば、米国特許第A−5,295,525号明細書に記載されている。ジエンゴムゲルをベースとするシーリングコンパウンドは、例えば、加硫にかけられる必要なしに連続法でタイヤライニングに適用され得る。シーリングコンパウンドは、例えば、タイヤの内側上にシーリング層またはストリップとして押し出され得る。代わりの実施形態では、シーリングコンパウンドは、その後、タイヤの内側に結合させられるストリップとして処理され得る。
さらなる代わりの実施形態では、シーリングコンパウンドは、例えば、タイヤ内側上へ吹き付けられる溶剤セメントとして調製することができる。ラミネートとしての適用のさらなる代わりの態様は、米国特許第A−4,913,209号明細書に記載されている。
本発明は、したがって、とりわけ接着および粘着特性を向上させるための、シーリングコンパウンドにおけるシーリングゲルの使用に関する。
本発明は、タイヤ、好ましくは空気式自動車タイヤのインナーライナーのシーリング層としてのシーリングゲル含有シーリングコンパウンドの使用にさらに関する。
本発明は、したがって、本発明のシーリングゲル含有シーリングコンパウンドを含む空気式自動車タイヤをさらに提供する。
本発明は、中空体および膜のシールのためのシーリングコンパウンドにおけるシーリングゲルの使用にも関する。
本発明の利点は、とりわけ、本シーリングコンパウンドの優れた粘着および接着特性ならびに低い転がり抵抗にある。
以下の実施例は、本発明を説明するが、それを限定しない。
パンクチャーシーリング試験(PST)を行うための装置を概略的に例示する。
以下の実施例では、次の物質を使用する。
Figure 2020507491
Figure 2020507491
試験方法:
ジエンゴムゲルおよびシーリングゲルの特性評価
転化率の測定:低温乳化重合の転化率は、ラテックス液の固形分から計算する。ラテックス中の固形分の測定は、ハロゲン水分計(Mettler Toledo,Halogen Moisture Analyzer HG63)によって達成する。このために、アルミニウムパン(Mettler、物品番号13865)を試料ホルダー中へ挿入し、風袋の重さを測定する。次に、HAF1ガラス繊維フィルター(Mettler、物品番号214464)を最上部上に置き、測定を開始する。典型的には、ガラス繊維フィルターは、貯蔵の過程で約0.5%空気湿度を吸収する。その後、乾燥ガラス繊維フィルター付きのアルミニウムパンを試料ホルダー中へ挿入し、天秤を風袋引きする。約1〜1.5gのラテックスを秤量し、ガラス繊維フィルターによる液体の完全な吸収を可能にするために最大面積にわたって分配する。次に測定を開始する。試料の減量が50秒当たり1mg未満であるとき、測定を終了し、固形分を記録する。ラテックスの測定固形分および重合終了時の理論固形分を用いて乳化重合の転化率を計算する。
ゲル含有量の測定:トルエンに不溶性の画分は、23℃においてトルエン中で測定する。これは、250mgのジエンゴムゲルを23℃で24時間かき混ぜながら20mlのトルエン中で膨潤させることによって行う。20,000rpmでの遠心分離後、不溶性画分を取り出し、乾燥させる。ゲル含有量は、乾燥残渣および出発重量の商から計算し、パーセント単位で報告する。
ガラス転移温度:ジエンゴムゲルのガラス転移温度(Tg)およびガラス転移温度の幅(ΔTg)は、2003 Perkin Elmer DSC−7熱量計で示差熱分析(DTA、示差走査熱量測定法(DSC))によって測定する。TgおよびΔTgの測定のために、2つの冷却/加熱サイクルを行う。TgおよびΔTgは、第2の加熱サイクルで測定する。測定のために、10mg〜12mgのジエンゴムゲルをPerkin Elmer製のDSC試料ホルダー(標準アルミニウムパン)において使用する。第1のDSCサイクルは、まず試料を液体窒素で−100℃に冷却し、次に20K/分の速度で+150℃までそれを加熱することによって行う。第2のDSCサイクルは、+150℃の試料温度が達成されると直ちに試料の即時冷却によって開始する。冷却を約320K/分の速度で達成する。第2の加熱サイクルで、試料を第1のサイクルでのように再度+150℃まで加熱する。第2のサイクルでの加熱速度は再び20K/分である。TgおよびΔTgは、第2の加熱操作のDSC曲線のグラフから求める。このために、3つの直線をDSC曲線に適用する。第1の直線は、Tgよりも下のDSC曲線の部分に、第2の直線は、Tgを通過するターニングポイントを有する曲線部に、および第3の直線は、Tgよりも上のDSC曲線の曲線部に適用される。このようにして、2点の交差点を有する3つの直線が得られる。交差点の各点は、特性温度によって特徴付けられる。ガラス転移温度Tgは、これらの2つの温度の平均として得られ、ガラス転移温度の幅ΔTgは、2つの温度間の差から得られる。
膨潤係数を測定するために、250mgのジエンゴムゲルを23℃で24時間、25mlのトルエン中でかき混ぜ下において膨潤させる。ゲルを20,000rpmで遠心分離し、秤量し、次に70℃で一定重量まで乾燥させ、再度秤量する。膨潤係数は、次の通りに計算される:
Qi=ゲルの湿潤重量/ゲルの乾燥重量。
ジエンゴムゲルおよびシーリングゲルのムーニー粘度は、1999 Alpha Technologies MV 2000 Mooney粘度計(製造業者製造番号:25AIH2753)を用いて標準ASTM D1646(1999)によって測定し、高温での試料のトルクの尺度となる。ジエンゴムゲルまたはシーリングゲルをあらかじめカレンダーにかけることが有用であることが分かった。このために、ジエンゴムゲルまたはシーリングゲルをT≦60℃のローラー温度においてローラーで処理して圧延シートを得る。ローラーギャップは1mm〜3mmで変えられ、摩擦は−10%であり、1分当たりのローラー回転数は7〜8rpmである。測定は、次の通りに行う:打ち抜かれた円筒形試料を加熱チャンバーへ入れ、所望の温度(ここでは100℃)に加熱する。1分の予熱時間後、(サイズLの)ローターが一定の2回転/分で回転し、トルクは4分後に測定される。測定されたムーニー粘度(ML 1+4)は、「ムーニー単位」(MU、100MU=8.3Nm)によるものである。
シーリングコンパウンドの特性評価
破損温度(粘着性の測定パラメータ)、標準ASTM D4498−07(そこでは熱破損温度(Heat Fail Temperature)と呼ばれる)に基づいて行われるSAFT(剪断保持力破損温度)試験により、シーリングコンパウンドの粘着性を測定する。このために、シーリングコンパウンドを105℃および120バールで10分間1mmの厚さにプレスし、12時間の期間にわたって圧力下で室温に冷却する。2.5cm×2.5cmのエッジ長さにカットされたプレスされたシーリングコンパウンドを、アセトンであらかじめ清浄にされた寸法7.5cm×7.5cm×2.5cmの2つの滑らかなステンレス鋼板の中央に、2つの板間で寸法2.5cm×2.5cm×0.1cmの平方形試料形状が得られるように置く。ChemInstruments製のステンレス鋼板は、それぞれ板の端に穴を有する。シーリングコンパウンドを、ステンレス鋼板とシーリングコンパウンドとの間の接着結合を確立するために、3分間、ステンレス鋼を用いて5.4バールで室温において2つのステンレス鋼板間でプレスする。その後、接着結合構造物を剪断試験装置(ChemInstruments SS−HT−8)に吊す。ステンレス鋼板がシーリングコンパウンドと一緒に垂直に垂れ下がっていることを確実にするべきである。500gの重りを下向きに板の穴に吊す。剪断試験オーブン(Memmert、UF 110 Plus)の温度は、1時間室温のままにする。その後、時間測定を開始し、温度を10分以内に直線的に40℃まで上げ、20分間一定に保ち、その後、オーブンを0.5℃/分の加熱速度で175℃まで加熱し、4時間以下にわたり一定に保つ。接着構造物が破損し、重りが落下する温度および時間を記録する。
転がり抵抗の指標としての60℃での損失係数tan δの測定は、標準DIN−ISO 6721−1および6721−2に基づいて達成する。転がり抵抗の指標としての損失係数の測定のためのシーリングコンパウンドの調製は、次の通りに行う:シーリングコンパウンドをT≧60℃のローラー温度でのローラーで処理して圧延シートを得る。シートを、その後、0.5mmのロールギャップに通し、それは3.5mm以下の厚さを有するシートをもたらす。サイズ10cm×10cmの試料をこのシートから採取し、120バールの圧力およびT≧105℃の温度で10分間10cm××10cm×0.1cmの金型でプレスする。10分以内に室温に冷却した後、8mmの直径を有する丸い試料を、動的機械測定のためにプレスされた材料から打ち抜く。この試料を2つのプレート間に固定する。温度ラン前に、タイムランを100℃および2Nの初期力で10分の期間にわたり行う。その後、温度ランを10Hzの一定周波数および3K/分の加熱速度で−100℃〜170℃の範囲において2Nの初期力および2%の最大変形で行う。
20℃での周波数依存性tan δ値は、DIN 53440、パート3、方法B(DIN EN ISO 6721−3−Plastics−Determination of dynamic mechanical properties−Part 3:Flexural vibration; resonance−curve,December 1996)に従ったDr.Oberst測定によって分析することができる。
試験は、振動結節点で微細繊維によって水平に吊された長方形試験片に関して行う(方法B)。装置は、検体を吊すためのデバイス、検体を強制曲げ振動まで励起するための、および試料の速度振幅だけでなく周波数も測定するための電子デバイス(周波数発生器および記録装置)からなる。振動の励起および検出のために2つの電磁変換器を試料の末端付近に置く。
試料は、シーリングコンパウンドでコートされたスチールストリップからなる。シーリングコンパウンドを105℃および120バールで10分間5mmの厚さにプレスし、12時間の期間にわたって圧力下で室温に冷却する。15cm×1cmのエッジ長さにカットされた、プレスされたシーリングコンパウンドを、アセトンであらかじめ清浄にされた寸法15cm×1cm×0.1cm)のスチールストリップ上に配置する。
試料を、接触なしに試料の一面上で試料の曲げ振動を励起する測定装置に入れる(典型的な周波数範囲:10Hz〜1000Hz)。試料の振動の結果として生じる状態を測定する。FFT分析装置を用いて共振曲線を計算することができる。共振曲線は、試料の両端間のスペクトル伝達関数を表す。
スチールストリップ上に堆積された減衰コーティングの曲げ損失係数は、
Figure 2020507491
になる。ここで、
− fr,iは、Hz単位での測定された伝達関数の第i最大値であり、
− Δfは、Hz単位でのバンド幅である(第i共振周波数fr,iの両側上の周波数の差に相当し、ここで、伝達関数の振幅は、第i最大値での振幅よりも3dB小さい)。
試料を曲げ振動の結節点で2つのストリング上に吊す。試料の末端までの振動の第i結節点の距離
Figure 2020507491
は、試料の全長に依存する。この研究中のl=150mmの試料長さについて、試料末端までの基本的な共振周波数の第1の結節点の距離は、L=33.6mmである。
複雑な曲げ弾性率は、減衰コーティングおよびスチールストリップからなる試料の平均密度(ρ)を用いることによって求める。曲げ貯蔵弾性率は、
Figure 2020507491
で与えられる。
曲げ損失弾性率は、
Figure 2020507491
として定義され、ここで、
− hは、試料の厚さであり、

Figure 2020507491
は、測定方法に応じた定数であり、方法Bについて、
Figure 2020507491
である。
試料、支持デバイスおよび電磁変換器を20℃の温度制御室に入れる。対照測定は、いかなるコーティングもなしのスチールストリップを用いてのみ行う。
気候室を含む測定セットアップのために用いられるデバイスは、1試料当たり24ビットのSINUS Messtechnik GmbH製の4チャンネルデータ取得ユニットApollo Plus、IEC 61672 1に従ったクラス1騒音計、IEC 61260に従ったクラス0の1/3オクターブ、SINUS Messtechnik GmbH製の解析ソフトウェアSAMURAI、バージョン2.6、増幅器Apart−AudioMB−150、気候室Mytron WB 120 Kであった。
パンクチャーシーリング試験(PST)
シーリングコンパウンドの非瞬間的なシーリング挙動は、周囲温度でのパンクチャーシーリング試験(PST)によって測定される。試験セットアップは、窒素で満たすことができる、タイヤをシミュレートするガラス圧力容器、圧力を監視するためのマノメーター、シーリングコンパウンドの3mm厚さの層を備えたタイヤ横断面からなる。このために、シーリングコンパウンドを105℃および120バールで10分間3mmの厚さにプレスし、12時間の期間にわたって圧力下で室温に冷却する。タイヤ横断面の寸法にカットされた、プレスされたシーリングコンパウンドをタイヤ断面上へプレスし、タイヤ横断面と圧力容器との間に配置する。
試験を開始する前に圧力容器を2.5バールの圧力に達する窒素で満たす。圧力は、少なくとも12時間にわたって一定であるべきである。穿刺は、鋼釘の少なくとも2.5cmの長さが圧力容器中にあるように、5mm直径の鋼釘をタイヤ横断面に圧入することによって行う。圧力を15分間監視した後、釘を迅速に取り出し、再び圧力をさらなる15分間観察する。
シーリングコンパウンドは、全試験時間の最初の25分で圧力損失が0.1〜1バール、好ましくは0.15〜0.8バールであり、その後の1週間の期間にたってその後一定のままである場合、PST試験に合格する。
破断点伸び試験方法
シーリングコンパウンドの伸長率は、Zwick Z005 Retroline引張機(製造業者シリアルナンバー:146903、製造年:2000年)を用いて23℃、引張速度200mm/分で測定される(ASTM D412標準)、第1の伸びでの(すなわち順応サイクルなしの)、所与の一軸伸長変形εについて得られる見かけの正割伸長率を意味すると理解される。この係数は、係数Eと呼ばれる。
E=ε・σ
ここで、
− εは伸びであり、
− σは応力である。
用語εおよびσは、コンパウンドの試験片(S2ダンベル)の測定された破断点伸びおよび破断時の応力を意味すると理解される。
ジエンゴムゲルならびにシーリングゲルの製造および特性評価
本発明の低温重合ジエンゴムゲル(A)(A1、A2)、(B)(B1、B2)ならびにゲル(H)(H1)の製造の記載が続き、ジエンゴムゲルA1〜A3およびB1〜B3ならびにシーリングゲルH1をさらなる実施例に使用した。本発明に従わない高温重合SBR比較例W1の製造も記載される。
ジエンゴムゲルA1〜A3およびB1〜B3ならびにシーリングゲルH1は、1,3−ブタジエン(BDN)、アクリニトリル(ACN)およびスチレン(ST)をモノマーとして、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)および/またはジビニルベンゼン(DVB)を架橋剤として使用して乳化重合によって製造する。ジエンゴムゲル(A)、(B)および(W)ならびにシーリングゲル(H)の製造のために使用されるモノマーおよび本質的な配合構成成分を次表にまとめる。
Figure 2020507491
(a)BRおよびSBRゴムの乳化重合および架橋
実施例A1およびA2、B1およびB2ならびにH1:
数字は、100純度原料に関する。ジエンゴムゲルは、攪拌機系を有する20リットルのオートクレーブで製造する。モノマー、架橋剤、乳化剤、表に明記される量(マイナス水性プレミックスおよび開始剤溶液の産生のために必要とされる水の量)の水を最初にオートクレーブに装入した。
反応混合物の温度を10℃に調整した後、新たに製造した水性プレミックス溶液(4%濃度)を、開始剤を活性化するためにオートクレーブへ導入した。これらのプレミックス溶液は、1.10gのエチレンジアミン四酢酸、0.86gの硫酸鉄(II)*7HO(結晶水なしで計算される)および2.07gのRongalit(登録商標)C(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム2水和物、結晶水なしで計算される)からなった。最初に溶液の半分を添加した。また、反応器中で調製された200mlの乳化剤溶液中で乳化された0.058重量%(再びモノマーすべての合計に基づく)のp−メンタンヒドロペルオキシド(Akzo−Degussa製のTrigonox(登録商標)NT 50)を、開始のために反応器へ計量供給した。30%転化率の達成時、残りの50%のプレミックス溶液を計量供給した。
温度は、クーラント容積および10±0.5℃でクーラント温度を調整することによって重合中に制御した。
85%超(典型的には90%〜100%)の重合転化率を達成すると、2.35gのジエチルヒドロキルアミンの水溶液を添加することによって重合を停止させた。揮発性構成成分をラテックスから除去するために、ラテックスをスチームでストリッピングした。
比較例W1:
本発明に従わないSBRゴムゲルは、高温乳化重合によって製造した。W1の製造は、各場合に低温乳化重合と同じように、しかし50℃の重合温度で達成した。
(b)ジエンゴムゲルのワークアップ
ジエンゴムゲルの沈澱は、次の通りに行った:最初に、溶解機攪拌機を備えた15リットルのステンレス鋼ポットに攪拌しながら3kgのラテックスを装入し、60℃に加熱した。次に1kgの20%NaCl溶液(333g/kgのラテックス)を添加し、非常に細かい凝固物を形成した。その後、懸濁液を75℃に加熱し、25%リン酸をゆっくり滴加した。この過程では、さもなければ凝固物が大きい球へ容易にこう着するため、溶解機攪拌機は最大攪拌機スピード(1500rpm)で動作することが重要であった。中性pH範囲で懸濁液は泡を形成し、泡は酸性範囲で完全に消失した。沈澱が完了し、セラムは無色であり、透明であった。
次に、凝固物を、200μmクロスを通して濾過し、次に脱塩水で中性まで洗浄した。2回の洗浄サイクルがこの目的のために十分であった。
その後、ポリマーを55℃の真空乾燥キャビネット中で0.5%以下の残存含水率まで乾燥させた。
上に記載された方法によって測定された分析データを下の表2に再現する。
Figure 2020507491
85%超の転化率での、表2に示される低温重合BRおよびSBRゴムゲル(A)および(B)は、75%超のゲル含有量および75MU超のムーニー粘度(ML1+4@100℃)を有する。
85%超の転化率での、表2に示される低温重合SBRゲル(H)は、75%超のゲル含有量および100MU超のムーニー粘度(ML1+4@100℃)を有する。
本発明の低温重合SBRゴムゲルは、微細構造の観点から本発明に従わない高温重合SBRゴムゲルと異なる。本発明の低温重合SBRゴムゲルA1およびB1の微細構造ならびにシーリングゲルH1と、高温乳化重合によって製造され、かつ本発明に従わない対応する高温重合SBRゴムゲルW1との比較を下の表3にまとめる。さらに、本発明の低温重合BRゲルA2およびB2の微細構造を表3に示す。測定は、1999 Thermo Scientific Nicolet FTIR Nexus機器で行った。
Figure 2020507491
本発明の低温重合ジエンゴムゲル(A)および(B)は、組み込まれた1,3−ブタジエンに基づいて8重量%〜17重量%の割合のシス−1,4−ブタジエン単位、59重量%〜75重量%の割合のトランス−1,4−ブタジエン単位および17重量%〜21重量%の割合の1,2−ビニルブタジエン単位を有する。
本発明の低温重合シーリングゲル(H)は、組み込まれた1,3−ブタジエンに基づいて8重量%〜17重量%の割合のシス−1,4−ブタジエン単位、59重量%〜75重量%の割合のトランス−1,4−ブタジエン単位および17重量%〜21重量%の割合の1,2−ビニルブタジエン単位を有する。
本発明のシーリングゲルM1〜M7および本発明に従わないシーリングゲルNの製造および特性評価
シーリングゲルM1〜M7およびN1は、04/2013に製作されたCollin W 150 GロールミルでA1、A2、B1、B2、H1およびW1をベースとして製造した。混合操作中のロール温度は60℃以下であった。ローラーギャップは1mm〜3mmで変えられ、摩擦は−10%であり、1分当たりのローラー回転数は7rpm〜8rpmであった。
本発明のシーリングゲル(M)のおよび本発明に従わないシーリングゲル(N)の組成を下の表4に明記する。ムーニー粘度の測定値は、Alpha Technologies MV 2000 Mooney粘度計を使用して、圧延シートを用いて上に記載された方法によって測定した。個々の成分の量は、重量%単位で報告する。ジエンゴムゲルの組成を変えることにより、シーリングゲルのムーニー粘度を制御することが可能である。
Figure 2020507491
本発明に従わないシーリングコンパウンドVVI〜VV3および本発明のシーリングコンパウンドV1〜V5の製造および特性評価
シーリングコンパウンドは、04/2013に製作されたCollin W 150 Gロールミルで製造した。混合操作中のロール温度は90℃であった。ローラーギャップは1mm〜3mmで変えられ、摩擦は−10%であり、1分当たりのローラー回転数は7rpm〜8rpm毎分であった。
本発明のシーリングコンパウンドV1〜V5の製造のために、まず、ジエンゴムゲルA1、A2およびB1、B2を、それぞれ上に記載されたようなロール上で均質に混ぜ合わせてシーリングゲルM1〜M4ならびにM6およびM7を得た。その後、ゴム(E)を各場合に添加し、十分に分散させた。その後、樹脂(C)、引き続き老化安定剤(D)、顔料(G)および最後に可塑剤(F)を少量ずつ徐々に添加した。本発明のシーリングコンパウンドV4の製造のために、さらなる添加剤(K)は、コンパウンドが60℃まで冷却された後にローラー上に添加し、混合物が均質と見えるまで混合した。
本発明に従わないシーリングコンパウンドVV1〜VV3のおよび本発明のシーリングコンパウンドV1〜V5の組成およびそれらの量を表5に明記する。個々の成分の量は、phr単位で報告する。
Figure 2020507491
VV4は、Cinturato All Season Seal Inside銘柄タイヤに使用される商業的に入手可能なシーリング材料である。
シーリングコンパウンドVV1〜VV3およびV1〜V5の特性評価を下の表7および8にまとめる。
Figure 2020507491
ムーニー粘度は、Alpha Technologies MV 2000 Mooney粘度計で上に記載された方法によって測定する。
tan δ値は、TA Instruments製のARES−G2レオメーターを用いて上に記載された方法によって測定する。
破断点伸びは、Zwick Z005 Retroline機で上に記載された方法によって測定する。一実施形態(V1)では、23℃におけるεは、474%であり、σは、0.02MPaである。
VV4について上に記載された方法によって測定された20℃におけるtan δは、0.003であり、V4について0.019である。
SAFT試験を用いた特定のシーリングコンパウンドの破損温度の測定は、特定のシーリングコンパウンドの2つの検体に関する二重測定で達成した。測定は、Memmert UF 110 Plus加熱キャビネット中においてChemInstruments HT−8剪断試験装置で上に記載された方法によって行った。結果についての平均値を下の表9および10にまとめる。
実際に直ちに使用できるシーリングコンパウンドは、上に記載されたようなパンクチャーシーリング試験およびSAFT試験の両方に合格しなければならない。SAFT試験は、破損温度が70℃超である場合に合格したと考えられる。
シーリングコンパウンドVV1〜VV3およびV1〜V5の総合評価を下の表7にまとめる。
Figure 2020507491
本発明のシーリングコンパウンドは、両方の試験に合格するという点において注目に値する。
本発明に従わないシーリングコンパウンドは、2つの試験の少なくとも1つで不合格である。

Claims (15)

  1. シーリングコンパウンドであって、
    45phr〜100phr、好ましくは60phr〜100phr、より好ましくは70phr〜100phrの量のシーリングゲルと、
    10phr〜60phr、好ましくは20phr〜50phr、より好ましくは25phr〜45phrの量の樹脂(C)と、
    1phr〜50phr、好ましくは5phr〜40phr、より好ましくは10phr〜30phrの量の天然ゴムおよび/または合成ゴム(E)と
    を含み、
    前記phrは、それぞれの場合に前記シーリングコンパウンド中のシーリングゲルならびに前記天然および/または合成ゴム(E)の総量に基づくものであり、
    前記シーリングコンパウンドは、SAFT試験によって測定された場合に70℃超の破損温度を有し、
    前記シーリングコンパウンドは、パンクチャーシーリング試験(PST)に合格し、
    前記シーリングゲルは、
    i)少なくとも1つの架橋剤(I)の存在下での少なくとも1つの共役ジエンの乳化重合によって入手可能なジエンゴムゲル(A)と、少なくとも1つの架橋剤(II)の存在下での少なくとも1つの共役ジエンの乳化重合によって入手可能なジエンゴムゲル(B)とを含む混合物の形態であるか、または
    ii)少なくとも1つの架橋剤(I)の存在下および/または少なくとも1つの架橋剤(II)の存在下での少なくとも1つの共役ジエンの乳化重合によって入手可能であり、
    架橋剤(I)は、好ましくは、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ヘキサンジオール、2〜8つ、好ましくは2〜4つのオキシエチレン単位を有するポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、脂肪族ジおよびポリオールの不飽和ポリエステルを有するソルビトールならびにその混合物のアクリレートおよびメタクリレートからなる群から選択される、より好ましくはプロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、グリセロール、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールのアクリレートおよびメタクリレートからなる群から選択される、多価、好ましくは二価〜四価のC〜C20アルコールのアクリレートおよびメタクリレートであり、かつ架橋剤(I)は、最も好ましくは、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)であり、および
    架橋剤(II)は、好ましくは、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン(DVB)、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、トリビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2−ポリブタジエン、N,N’−m−フェニレンマレイミド、トリレン−2,4−ビス(マレイミド)およびトリアリルトリメリテートならびにその混合物からなる群から選択される、より好ましくはジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼンおよびトリビニルベンゼンの群から選択される、2つ以上のビニル、アリルもしくはイソプロペニル基または1つのマレイミド単位を有する化合物であり、かつ架橋剤(II)は、最も好ましくは、ジビニルベンゼンである、シーリングコンパウンド。
  2. 前記シーリングゲルは、少なくとも1つの架橋剤(I)の存在下および同時に少なくとも1つの架橋剤(II)の存在下での少なくとも1つの共役ジエンの乳化重合によって入手可能である、請求項1に記載のシーリングコンパウンド。
  3. Oberst測定方法によって測定された場合に0.003より大きい、好ましくは0.005を上回る、特に好ましくは0.010を上回る、20℃におけるtan δを有する、請求項1または2に記載のシーリングコンパウンド。
  4. 23℃で500%以下、好ましくは490%未満、より好ましくは485%未満の破断点伸びを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシーリングコンパウンド。
  5. ASTM D412に従って測定された場合に0.15MPa未満の破断時の応力σを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーリングコンパウンド。
  6. 前記少なくとも1つの共役ジエンは、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプレンまたはクロロプレン、好ましくは1,3−ブタジエンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシーリングコンパウンド。
  7. さらなるモノマーは、前記少なくとも1つの共役ジエンの前記乳化重合で重合され、前記さらなるモノマーは、1,3−ブタジエン、ビニル芳香族化合物、好ましくはスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレンまたはtert−ブトキシスチレン、より好ましくはスチレン、アクリロニトリル、イソプレン、アクリル酸およびメタクリル酸のエステル、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、2−クロロブタジエン、2,3−ジクロロブタジエン、二重結合を含有するカルボン酸、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはイタコン酸、二重結合を含有するヒドロキシル化合物、好ましくはヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートまたはヒドロキシブチルメタクリレート、アミン官能化(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、アクロレイン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アリル尿素、N−アリルチオ尿素、第二級アミノ(メタ)アクリレート、好ましくは2−tert−ブチルアミノエチルメタクリレートおよび2−tert−ブチルアミノエチルメタクリルアミドまたは2−、4−ビニルピリジンおよび1−ビニルイミダゾールなどのビニルヘテロ芳香族化合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシーリングコンパウンド。
  8. 前記天然および/または合成ゴム(E)は、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエンまたはその混合物を含む群、より好ましくは天然シス−1,4−ポリイソプレン、合成シス−1,4−ポリイソプレン、3,4−ポリイソプレン、ポリブタジエン、1,3−ブタジエン−アクリロニトリルコポリマーおよびその混合物を含む群からの共役ジオレフィンをベースとするコポリマーである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシーリングコンパウンド。
  9. 前記架橋剤(I)は、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのアクリレートおよびメタクリレートならびにトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)からなる群から選択され、かつ架橋剤(II)は、ジビニルベンゼンである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシーリングコンパウンド。
  10. 75phr未満、好ましくは10phr〜70phr、より好ましくは15phr〜65phrの量の可塑剤(F)をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシーリングコンパウンド。
  11. 1phr〜50phr、好ましくは1phr〜30phr、より好ましくは1phr〜20phrの量の少なくとも1つの追加の充填材(G)をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のシーリングコンパウンド。
  12. 請求項1に記載のシーリングコンパウンドを製造する方法であって、前記シーリングゲル、前記天然または合成ゴム(E)および前記樹脂(C)を混合するステップを含む方法。
  13. 前記シーリングゲルおよび前記天然または合成ゴム(E)は、そのラテックスの形態で混合される、請求項12に記載の方法。
  14. タイヤ、好ましくは空気式自動車タイヤのインナーライナー、中空体または膜のシーリング層としての、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシーリングコンパウンドの使用。
  15. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のシーリングコンパウンドを有する空気式自動車タイヤ。
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