JP2020203819A - 切羽面吹付用モルタル材料、切羽面監視システム、及びトンネル掘削方法 - Google Patents

切羽面吹付用モルタル材料、切羽面監視システム、及びトンネル掘削方法 Download PDF

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慎也 伊藤
Shinya Ito
慎也 伊藤
彰宏 保利
Teruhiro Hori
彰宏 保利
岩崎 昌浩
Masahiro Iwasaki
昌浩 岩崎
三島 俊一
Shunichi Mishima
俊一 三島
喜久雄 酒井
Kikuo Sakai
喜久雄 酒井
吉川 直孝
Naotaka Yoshikawa
直孝 吉川
伸隆 平岡
Nobutaka Hiraoka
伸隆 平岡
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Abstract

【課題】切羽面の監視用として好適な切羽面吹付用モルタル材料及びこれを用いた切羽面監視システムを提供する。【解決手段】セメントと繊維と細骨材とを含み、前記繊維の平均繊維径が10μm〜2mmであり、平均繊維長が1mm〜20mmであり、切羽面吹付用モルタル材料中に前記繊維を0.3〜3.0質量%含む切羽面吹付用モルタル材料、及び当該切羽面吹付用モルタル材料を用いた切羽面監視システムである。【選択図】なし

Description

本発明は、トンネル掘削時の切羽面に使用する切羽面吹付用モルタル材料、切羽面監視システム及びトンネル掘削方法に関する。
トンネル建設工事中の切羽における肌落ち災害を防止するため、掘削後の素掘り面に対して吹付けコンクリートを打設する場合がある。支保工を建て込む際には吹付けてから約10数分後、装薬作業時には吹付けてから約3〜6時間後には作業員が切羽に立ち入る場合もあり、若材齢時の吹付けコンクリートの強度変形の関係性を把握することが非常に重要である。
例えば、特許文献1では、トンネルの切羽面や掘削面或いは地山の山肌や岩盤などにコンクリートの吹き付けを行うことで形成される吹付面の変位量を監視するための吹付面監視方法が開示されている。
特開2016−8871号公報
特許文献1以外にも切羽の吹付面を監視する方法はいくつかあるが、いずれも吹付材料はコンクリート(吹付けコンクリート)であった。しかしながら、吹付けコンクリートを使用する場合は吹付装置が大掛かりとなってしまう。また、吹付け面のコンクリートは平面方向の変位が小さいため、吹付面の変位量を監視するためのレーザの設置台数も増えてしまう。
一方で、吹付装置をコンパクトにするために、吹付けコンクリートでなく吹付けモルタルを使用することが考えられるが、モルタルはコンクリートに比べて強度が低く、切羽に変位が生じ場合、モルタル面が直ちに変形してしまう。したがって、これまでの吹付けモルタルでは、切羽面の監視用として適するようなものではなかった。
以上から、本発明は、切羽面の監視用として好適な切羽面吹付用モルタル材料、及びこれを用いた切羽面監視システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討を行った結果、所定の繊維を含有したモルタル材料で切羽の吹付け面を形成すると、良好な強度と靭性を保つことで、切羽面の監視用として好適な切羽面吹付用モルタル材料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は下記のとおりである。
[1] セメントと繊維と細骨材とを含み、前記繊維の平均繊維径が10μm〜2mmであり、平均繊維長が1mm〜20mmであり、切羽面吹付用モルタル材料中に前記繊維を0.3〜3.0質量%含む、切羽面吹付用モルタル材料。
[2] 急結剤とともに切羽面に吹付けられる請求項1記載の切羽面吹付用モルタル材料。
[3] 切羽面に形成された請求項1又は2に記載の切羽面吹付用モルタル材料を含む吹付部に、レーザ光を照射し、前記吹付部からの反射光を捕捉して前記切羽面の押出量を監視する切羽面監視システム。
[4] 地山を掘削してトンネルを形成するトンネル掘削方法であって、
掘削直後の切羽面に請求項1又は2に記載の切羽面吹付用モルタル材料を吹付ける吹付工程を含むトンネル掘削方法。
[5] 吹付工程を経て形成された切羽面吹付用モルタル材料を含む吹付部に、レーザ光を照射し、前記吹付部からの反射光を捕捉して前記切羽面の押出量を監視する切羽面監視工程を含む請求項4に記載のトンネル掘削方法。
[6] 前記吹付工程の前に、発破処理により掘削を行う発破掘削工程又は掘削機により掘削を行う機械掘削工程を含む請求項4又は5に記載のトンネル掘削工法。
本発明によれば、切羽面の監視用として好適な切羽面吹付用モルタル材料、及びこれを用いた切羽面監視システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る切羽面吹付用モルタル材料の吹付け方法を説明する説明図である。 押し抜き荷重の変位関係を示す図である。 液体急結剤を用いた場合の押し抜き荷重の変位関係を示す図である。 押し抜き試験における供試体表面の様子と鉛直変位分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態(本実施形態)について詳細に説明する。なお、本発明で使用する部や%は特に規定のない限り質量基準である。
[1.切羽面吹付用モルタル材料]
本実施形態に係る切羽面吹付用モルタル材料(以下、単に「モルタル材料」ということがある)は、セメントと繊維と細骨材とを含む。繊維の平均繊維径は10μm〜2mmであり、平均繊維長が1mm〜20mmである。
切羽面吹付用モルタル材料は、モルタル材料なので吹付けコンクリートの場合に比べて簡易な設備を適用することができる。また、薄く吹くことが可能なため迅速に硬化させることができる。さらに、所定の寸法繊維を含有するため、当該繊維を含まないものに比べて靭性が向上し、切羽の変位に対して剥落しづらい。また、吹付けコンクリートの場合よりも広い範囲で局所的変形を平面的な変形で見ることができるため、監視用レーザの装置数を減らすことができる。
繊維の平均繊維径は2mm超えるとモルタル材料が分離したり、モルタル材料を吹付ける際に輸送経路が閉塞してしまい、10μm未満では、良好な靭性が得られない、あるいは/および輸送経路が閉塞してしまう。平均繊維径は50μm〜1.5mmであることが好ましく、100μm〜1mmであることがより好ましい。
繊維の平均繊維長は20mmを超えると輸送経路が閉塞してしまい、1mm未満では、良好な靭性が得られない。平均繊維長は3〜15mmであることが好ましく、4〜8mmであることがより好ましい。
繊維は、モルタル材料中に0.3〜3.0%含み、0.4〜2.0%であることが好ましく、0.5〜1.5%であることがより好ましい。0.3%未満では吹付後に良好な靭性が得られず、切羽に変位が生じ場合、剥落しやすくなる。3%を超えるとモルタルの流動性を低下させてしまう。
ここで繊維としては、合成繊維、無機繊維が挙げられ、合成繊維としては、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリル繊維、セルロース繊維、ポリアミド繊維、パルプ、麻、木毛、及び木片等が挙げられ、ビニロン繊維が好ましい。
無機繊維としては、スチール繊維、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられ、スチール繊維が好ましい。
(セメント)
セメントは特に限定されるものではなく、通常のセメントの使用が可能である。具体的には、普通、早強、又は超早強等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、シリカフューム、フライアッシュ、又は高炉スラグなどを混合した各種混合セメント等が挙げられる。使いやすさの観点から、普通ポルトランドセメントが好ましい。
(細骨材)
細骨材は、絶乾密度が2.0g/cm以上で、最大粒径が4mm以下の細骨材であり、天然に産出する川砂、砕石、及び珪砂等が挙げられる。
細骨材は、あらかじめセメントと混合しておいてもよく、また、現場で各材料を練混ぜる時に混合してもよい。あらかじめセメントと混合するときは、乾燥させた骨材を使用する。
細骨材の使用量は、セメント100部に対して、作業性及び強度を考慮して、100〜300部であることが好ましく、150〜250部がより好ましい。
本実施形態では、必要に応じて、急硬材、遅延剤、粘調剤等を含有してもよい。また、防錆剤、消泡剤、防凍剤、抗菌剤、撥水剤、軽量骨材、及び高分子エマルジョン等のセメント混和材や、ベントナイト等の粘土鉱物やハイドロタルサイト等のアニオン交換体等の各種添加剤、高炉水砕スラグ微粉末、高炉徐冷スラグ微粉末、石灰石微粉末、フライアッシュ、及びシリカフューム等の混和材料を1種又は2種以上併用することが可能である。
以下では、急硬材、遅延剤、粘調剤について説明する。
(急硬材)
急硬材は特に限定されるものではないが、カルシウムアルミネート、カルシウムアルミネートとセッコウを含有するもの、及びアルミナセメント等が使用でき、そのうちカルシウムアルミネートとセッコウを含有するものが好ましい。
カルシウムアルミネートには、結晶質、非晶質(無定形)のものがあるが、非晶質の使用が急硬性の点で好ましい。
カルシウムアルミネートの具体例としては、3CaO・Al、CaO・Al、及び12CaO・7Alで表されるものや、これらにハロゲンが固溶した11CaO・7Al・CaF、11CaO・7Al・CaCl、及び3CaO・3Al・CaFで表されるものが挙げられる。これらのうち、12CaO・7Alで表されるものが好ましい。
セッコウには、無水セッコウ、半水セッコウ、及び二水セッコウがあり、これらを単独又は併用して用いることができるが、無水セッコウ、なかでもII型無水セッコウが強度発現性の点で好ましい。
セッコウは、カルシウムアルミネートを使用する際に、セメントの凝結を正常化させて強度発現を高め、多量のエトリンガイトを生成させて、その機械的強度を高める役割を果たす。
カルシウムアルミネートとセッコウの配合割合は、カルシウムアルミネート100部に対して、セッコウ50〜300部が好ましい。
カルシウムアルミネートとセッコウの粉末度は、JIS R 5201のブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で1,000cm/g以上が好ましく、4,000〜6,000cm/gがより好ましい。
カルシウムアルミネートとセッコウからなる急硬材の使用量は、短時間の強度発現や作業性の観点から、セメント100部に対して、1〜15部であり、5〜10部が好ましい。
(遅延剤)
遅延剤は特に限定されるものではないが、クエン酸や酒石酸等のオキシカルボン酸遅延剤が挙げられる。凝結開始までの時間を確保するために、凝結遅延剤の使用量は、セメント100部に対して、0.1〜1.0部であることが好ましい。
(粘調剤)
粘調剤は、モルタルの粘度を調整するものであり、一般に水溶性高分子物質と呼ばれているもので、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、及びポリエチレンオキサイド(PEO)等が挙げられる。これらは、モルタルが跳ね返ったり、脱落したりするのを防止したり、圧送時のモルタルの滑りを良くするために使用される。
粘調剤の使用量は、上記効果発現の観点から、セメント100部に対して、0.05〜1部が好ましく、0.1〜0.5部がより好ましい。粘調剤の混合方法は特に限定されるものではないが、例えば、あらかじめセメントや水に分散しておくことが好ましい。
(急結剤)
本実施形態に係る切羽面吹付用モルタル材料は急結剤とともに切羽面に吹付けられることが好ましい。急結剤により切羽面吹付用モルタル材料の凝結を促進することができる。急結剤としては、アルカリ金属アルミン酸塩、硫酸塩、アルカリ金属炭酸塩、及び水酸化物等が挙げられる。
アルカリ金属アルミン酸塩はセメントの初期凝結を促進するものである。アルカリ金属アルミン酸塩としては、アルミン酸リチウム、アルミン酸ナトリウム、及びアルミン酸カリウム等が挙げられ、これらの1種または2種以上を併用してもよい。これらの中では初期凝結促進の点でアルミン酸ナトリウムが好ましい。
硫酸塩もセメントの初期凝結を促進するものである。硫酸塩としては特に制限はないが、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、及び硫酸アルミニウム等の硫酸塩、並びに、みょうばん等の複塩が好ましいものとして挙げられ、これらの1種または2以上を併用してもよい。これらの中では凝結力向上と強度発現性の点で硫酸アルミニウムが好ましい。
アルカリ金属炭酸塩はセメントの初期凝結や初期強度発現性を促進するものである。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウム等が挙げられ、これらの1種または2種以上を併用してもよい。これらの中では、初期強度発現性の点で、炭酸ナトリウムが好ましい。
水酸化物はセメントの初期凝結を促進するものである。水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウム等が挙げられ、これらの1種または2種以上を併用してもよい。これらの中では、初期凝結促進の点で、水酸化カルシウムが好ましい。
急結剤の使用量は、初期凝結と強度発現性を考慮して、切羽面吹付用モルタル材料のセメント100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
本実施形態に係る切羽面吹付用モルタル材料を含むモルタルの切羽面への吹付け方法としては、例えば、図1に示す方法が挙げられる。まず、切羽面吹付用モルタル材料を含むモルタル材用ポンプ10により切羽面吹付用モルタル材料を、モルタル圧送管12を通じてノズル14の混合部14Aまで圧送する。また、急結剤を含む急結剤用ポンプ20により急結剤を、急結剤圧送管22を通じて混合部14Aまで圧送する。圧送されたそれぞれの材料が混合部14Aで混合して吹付けモルタルとなり、ノズル4から吹付けモルタルを切羽面に吹付ける。ここで、切羽面吹付用モルタル材料及び急結剤の少なくともいずれかは水を含有したスラリーとなっていることが好ましい。また、ノズル14に圧送ホースを接続して圧縮空気を供給する構成を設けてもよい。
モルタル圧送管20や急結剤圧送管22としては、ケミカルホース、耐圧性の金属メッシュ入りのホース(耐圧ホース)、及び金属製の配管が使用可能である。通常は、ケミカルホースや耐圧ホースが使用され、その前後は金属管を使用することが好ましい。
それぞれの圧送管の長さは特に限定されるものではなく、施工状況により、使用される長さは変わってくるが、通常、5〜30mのものが使用される。圧送管の直径は、圧送性や、耐圧ホースの取り扱い等の作業性の点から、1〜2インチのものが通常使用される。
それぞれの材料を圧送するポンプは特に限定されるものではないが、プランジャーポンプ、スクイズポンプ、及びスネークポンプ等が使用できる。
ノズル4から吹付けモルタルを切羽面に吹付ける際の圧送条件は、施工対象の規模により決定され、圧力10〜15MPaであることが好ましい。また、モルタル吐出量は1〜3m/minであることが好ましい。さらに、吹付ける際には圧縮空気を使用する好ましいが、その際の吹付けエア量は、1〜3m/minであることが好ましい。
本実施形態で使用するノズル14としては、混合部14Aが連結されるもので、その先端は吐出方向に連続的に縮径しているものや、縮径後にモルタルを整流する直管をつけたもの等が使用可能である。
ノズル14の長さは、混合性、付着性、粉じん低減性、及び圧送性の点から、15〜145cm程度が好ましく、25〜75cmがより好ましい。
ノズル14は、金属製のものやセラミックス製のものが使用可能であり、ゴム素材でできたノズルの配管内面にセラミックスや金属でライニングされたものやこれらのチップ状のものを埋め込んだものが使用可能である。
吹付けモルタルとなった際の水/モルタル比(%)は、圧送性や強度の観点から、15〜40%であることが好ましく、16〜24%であることがより好ましい。
[2.切羽面監視システム]
本実施形態に係る切羽面監視システムは、切羽面に形成された本発明の切羽面吹付用モルタル材料を含む吹付けモルタルの吹付部にレーザ光を照射し、吹付部からの反射光を捕捉して切羽面の押出量を監視するシステムである。
本実施形態に係る切羽面監視システムは、具体的には、上記吹付モルタルの吹き付けによって形成された吹付面上の照射目標位置にレーザ光を照射し、照射目標位置からの反射光を捕捉して照射目標位置までの相対位置関係を計測する計測器と、計測器で計測された相対位置関係に基づいて吹付面の変位量を演算すると共に、変位量及び変位速度の演算結果に基づいて警報情報を出力する監視装置を備えることが好ましい。
このように切羽面に形成される吹付面の押し出し量を監視するため、吹付けコンクリートを使用する場合に比べて簡易な設備とすることができる。また、本発明の切羽面吹付用モルタル材料を含む吹付けモルタルを用いているため、薄く吹くことが可能で、かつ、所定の寸法繊維を含有するため、当該繊維を含まないものに比べて靭性が向上し、剥落を防ぐことができる。さらに、コンクリートの場合よりも広い範囲の局所的変形を平面的な変形で見ることができるため、レーザの装置数を減らすことができる。
計測器は、レーザ光の照射方向が、切羽面(吹付面)側を向くように適宜設置台に設置される。計測器は、例えばレーザダイオードを有し吹付面の照射目標位置にレーザ光を照射する照射部と、吹付面の照射目標位置で反射した反射光を受光する受光素子を有する受光部と、照射部からのレーザ光の照射を制御するとともに、受光部での反射光の捕捉を監視する制御演算部とを備えていることが好ましい。
制御演算部は、通常、CPU、RAM、ROM等が実装された制御基板やメモリ及び各種制御信号の送受信を行う通信モジュール等を備えている。
監視装置では、計測器から送信されたデータに基づき、時間の経過に対する距離の変化、つまり吹付面の押し出し量を出力する。監視装置としては、例えば、所定のソフトウェアを組み込んだPCやモニター等が挙げられる。監視装置では、押し出し量の変位速度を監視しており、押し出し量の変位の割合が所定の値を超え、その傾向が崩落の可能性を示唆する程大きくなると、例えば、音や光などの警報(警報情報)を発して(出力して)注意喚起を図る。なお、崩落予測のための評価の基準となる所定の値は地山の性状によって異なる。
[3.トンネル掘削方法]
本実施形態に係るトンネル掘削方法は、地山を掘削してトンネルを形成するトンネル掘削方法であって、掘削直後の切羽面に本発明の切羽面吹付用モルタル材料を吹付ける吹付工程を含む。
吹付工程後は、当該工程を経て形成された切羽面吹付用モルタル材料を含む吹付部に、レーザ光を照射し、吹付部からの反射光を捕捉して切羽面の押出量を監視する切羽面監視工程を含むことが好ましい。当該工程には、本発明の切羽面監視システムを採用することができる。これにより、安全性の高いトンネル掘削を実現できる。
また、吹付工程の前に、発破処理により掘削を行う発破掘削工程又はロードヘッダ等の掘削機による機械掘削工程を含む。さらに、掘削で生じた土岩を除去して切羽面を進行させる切羽面進行工程、切羽面以外に一次吹付けコンクリートを吹き付けて吹付面を形成する一次吹付け工程、一次吹付け工程の後で、トンネルの周面に鋼製支保工を設置して、坑壁に二次吹付けコンクリートを吹き付ける二次支保工程等を含むことが好ましい。
以下、実施例を挙げてさらに詳細に内容を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記表1に示す配合で、吹付けモルタル材料、吹付けコンクリート材料を作製した。なお、各種の配合材の概要は下記のとおりである。
繊維:ビニロン繊維、平均繊維径0.2mm、平均繊維長6mm、市販品
セメント:普通ポルトランドセメント、デンカ(株)製、密度3.15g/cm
細骨材:新潟県姫川産川砂、最大粒径4mm、密度2.62g/cm
粗骨材:新潟県姫川産砕砂、最大粒径15mm、密度2.65g/cm
(実施例1)
吹付けモルタル材料に液体急結剤(サブショットK、デンカ(株)製)を質量比で100:5(=吹付けモルタル材料:液体急結剤)で混合し、水/モルタル材料比(%)=20%として繊維入りモルタルを作製し、押し抜き実験装置上に敷設された花崗岩上に打設し、所定時間の養生後、モルタルを花崗岩により押し抜く実験を実施した。
なお、本例の場合、比較的小型の吹付け機を用いて、花崗岩表面に繊維入りモルタルを吹付けて供試体を作製することが可能であった。
(比較例1)
吹付けコンクリート材料に粉体急結剤(ナトミックT−5、デンカ(株)製)をセメント質量比で100:7(=吹付けコンクリート材料:粉体急結剤)で混合し、水/セメント比(%)=60%として吹付けコンクリートを作製し、押し抜き実験装置上に敷設された花崗岩上に打設し、1時間の養生後、コンクリートを花崗岩により押し抜く実験を実施した。
なお、本例の場合、練り混ぜ機からフレッシュコンクリートを取り出し、岩石上に流し込むことにより供試体を作製した。
(比較例2)
吹付けコンクリート材料に液体急結剤(ナトミックAF−S、デンカ(株)製)をセメント質量比で100:7(=吹付けコンクリート材料:液体急結剤)で混合し、水/セメント比(%)=45%として吹付けコンクリートを作製し、押し抜き実験装置上に敷設された花崗岩上に打設し、1時間の養生後、コンクリートを花崗岩により押し抜く実験を実施した。
なお、本例の場合、練り混ぜ機からフレッシュコンクリートを取り出し、岩石上に流し込むことにより供試体を作製した。
ここで、花崗岩の表面は自然の節理面としているため、吹付け厚さにバラツキが生じ、実施例1の場合、吹付け厚さ約20〜40mmとし1時間養生の実験、比較例1,2の場合、打設厚さ40〜60mmとし1時間養生の各1種類の実験とした。
押し抜き載荷速度は2±0.2mm/minとした。実験前及び実験中には、3次元レーザスキャナにより、岩石表面およびコンクリート表面の3次元座標を計測し、5mm間隔の格子状に3次元座標を出力した。
押し抜き実験から得られた荷重変位関係を図2に示す。図2から繊維入りモルタル(実施例1)と粉体急結剤入り吹付けコンクリート(比較例1)を比較すると、厚さが薄いにもかかわらず、繊維入りモルタルの方が高いピーク荷重(約9.7kN)を呈していた。
しかしながら、繊維入りモルタルの場合、荷重がピークを迎えた後、急激に抵抗を失い、粉体急結剤入り吹付けコンクリートの荷重変位関係に近づくことがわかった。その後、変位2mmを過ぎたあたりから、繊維入りモルタルの抵抗値の方が大きくなり、変位8mmにおいても約0.88kNの抵抗値を有しており、荷重変位関係に冗長性が見受けられる。
また、図3を見ると、液体急結剤入りの吹付けコンクリートの強度発現性は著しく低いことがわかる。
次に、図4に、繊維入りモルタル(図4(a))、粉体急結剤を添加した吹付けコンクリート(図4(b))、液体急結剤を添加した吹付けコンクリート(図4(c))の鉛直変位約8mmの時の亀裂性状および鉛直変位分布を示す。押し抜き抵抗が大きくなると、表面に現れる変形領域も大きな領域に及ぶことがわかる。
一般的な粉体または液体急結材を添加した吹付けコンクリートに比べ、実施例1の繊維入りモルタルの押し抜き強度および変形の冗長性には、優位性が見られた。
本発明の切羽面吹付用モルタル材料は、山岳トンネルを構築する際の切羽面に最適である。
10 モルタル材用ポンプ
12 モルタル圧送管
14 ノズル
14A 混合部
20 急結剤用ポンプ
22 急結剤圧送管

Claims (6)

  1. セメントと繊維と細骨材とを含み、
    前記繊維の平均繊維径が10μm〜2mmであり、平均繊維長が1mm〜20mmであり、
    切羽面吹付用モルタル材料中に前記繊維を0.3〜3.0質量%含む、切羽面吹付用モルタル材料。
  2. 急結剤とともに切羽面に吹付けられる請求項1記載の切羽面吹付用モルタル材料。
  3. 切羽面に形成された請求項1又は2に記載の切羽面吹付用モルタル材料を含む吹付部に、レーザ光を照射し、前記吹付部からの反射光を捕捉して前記切羽面の押出量を監視する切羽面監視システム。
  4. 地山を掘削してトンネルを形成するトンネル掘削方法であって、
    掘削直後の切羽面に請求項1又は2に記載の切羽面吹付用モルタル材料を吹付ける吹付工程を含むトンネル掘削方法。
  5. 吹付工程を経て形成された切羽面吹付用モルタル材料を含む吹付部に、レーザ光を照射し、前記吹付部からの反射光を捕捉して前記切羽面の押出量を監視する切羽面監視工程を含む請求項4に記載のトンネル掘削方法。
  6. 前記吹付工程の前に、発破処理により掘削を行う発破掘削工程又は掘削機により掘削を行う機械掘削工程を含む請求項4又は5に記載のトンネル掘削工法。



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