JP2020202362A - コンデンサ電解液用の改質剤、ならびにそれを用いた電解液及び電解コンデンサ - Google Patents

コンデンサ電解液用の改質剤、ならびにそれを用いた電解液及び電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐電圧特性を持ちながら電導度の低下を抑制できるアルミニウム電解コンデンサ用電解液を提供する。【解決手段】相対的において、ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルとジカルボン酸のエステル化物を、電解液に添加する。ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルを構成するポリグリセリンの平均重合度は2〜20であり、かつ、ポリグリセリンの水酸基1つ当たりのアルキレンオキサイドの平均付加数が5〜30である。【選択図】なし

Description

本発明は、コンデンサ電解液用の改質剤、ならびにそれを用いた電解液及び電解コンデンサに関するものである。
アルミニウム電解コンデンサは、粗面化処理を施したアルミニウムの表面に絶縁性の酸化皮膜層を形成した陽極電極箔と、集電用の陰極電極箔とを電解紙を介して巻回してコンデンサ素子を形成するとともに、電解液を含浸し、外装ケースに収納した構成から成る。電解液は、陽極箔上に形成された誘電体層と集電用の陰極箔の間に介入して、その抵抗分が電解コンデンサに直列に挿入され、電解液の特性がコンデンサの特性を左右させる大きな要因となることが知られている。
一般に、アルミニウム電解コンデンサ用の電解液は、エチレングリコールなどの有機溶剤に、無機酸や有機酸、またはそのアンモニウム塩などの電解質を溶解させたものであり、耐電圧向上や発生ガス抑制、化成性向上などのために種々の改質剤が添加される。ホウ酸とマンニットなどの多価アルコールとの錯化合物を配合すると電解液の耐電圧が向上することが知られている(特許文献1)。また、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコールを電解液に添加することでも耐電圧が向上することが知られている(特許文献2)。しかしながら、多価アルコールやポリアルキレングリコールを電解液に添加すると耐電圧が向上するものの、電解液の電導度低下により、アルミニウム電解コンデンサの抵抗上昇を招いていた。電解液の電導度を維持しつつ、耐電圧を向上させる技術として、ポリアルキレングリコールとジカルボン酸とをエステル化させ、末端のカルボン酸をアンモニアなどで中和した塩を配合する技術が知られている(特許文献3)。しかしながら、特許文献3で提案された化合物においても、高い耐電圧を付与できるものは電導度の低下が著しく、アルミニウム電解コンデンサのインピーダンス特性の低下を招いていた。
特開平9−17697号公報 特開昭62−268121号公報 特開2004−128275号公報
本発明は、電解コンデンサ用電解液に対して高い耐電圧特性を付与しながら電導度の低下を抑制できるコンデンサ電解液用の改質剤を提供する。
ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルとジカルボン酸とのエステル化物(A)をコンデンサ電解液用の改質剤として使用することで、電解液の耐電圧を向上させるとともに高い電導度を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のコンデンサ電解液用の改質剤を使用することにより、耐電圧を向上させ、かつ電導度の低下が抑制されたアルミニウム電解コンデンサを製造することができる。
以下に本発明を実施するための形態をより詳細に説明するが、本発明の範囲はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で、変更等が加えられた形態も本発明に属する。なお、範囲を示す「〜」は上限と下限を含むものである。
本発明の改質剤に用いられるエステル化物(A)はポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルとジカルボン酸がエステル結合した化合物である。
前記ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルは、ポリグリセリンの水酸基に対してアルキレンオキサイドを付加した化合物である。アルキレンオキサイドはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイドなどが挙げられ、特にエチレンオキサイド、ならびにプロピレンオキサイドから選ばれる1種以上を用いることが好ましく、アルキレンオキサイド中のエチレンオキサイドのモル比率を50%とすることがさらに好ましい。
前記ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルを構成するポリグリセリンは、グリセリンの水酸基が脱水縮合によりエーテル結合した構造であり、エーテル結合は直鎖状、または分岐状のいずれでもよく、また、分子内で縮合した環状化合物を含有してもよい。使用するポリグリセリンは、電解液の耐電圧特性の観点から平均重合度が2以上であることが好ましい。また、電解液の粘度や低温下での電導度特性の観点から平均重合度が20以下であることが好ましい。ここで、平均重合度は、末端基分析法によるヒドロキシル価(OHV)から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)である。詳しくは、次式(式1)、及び(式2)から平均重合度(n)が算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)OHV=56110(n+2)/分子量
上記(式2)中のOHVとは、ポリグリセリンに含まれるヒドロキシル基(OH基)数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離OH基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編集、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法、2013年度版」に準じて算出される。
ポリグリセリンの具体例としては、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン、ペンタデカグリセリンなどが挙げられ、市販品としては、ジグリセリンS、PGL−S、ポリグリセリン#310、ポリグリセリン#500、ポリグリセリン#750(いずれも阪本薬品工業株式会社製)を使用することができる。
前記ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルは、ポリグリセリンのOH基1つに対して、アルキレンオキサイド(AO)の平均付加数が5から30であることが好ましい。OH基当たりのAOの平均付加数を5以上とすることで優れた耐電圧特性が得られる。また、OH基当たりのAOの平均付加数を30以下とすることで、電解液に高い電導度を付与することができる。ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレン(20)ジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(40)ジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(60)ジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(80)ジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(100)ジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(120)ジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(40)テトラグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(120)テトラグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(60)デカグリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(120)デカグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン(14)ジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン(24)ジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン(14)ポリオキシエチレン(100)ジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン(25)ポリオキシエチレン(45)ジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン(12)ポリオキシエチレン(120)テトラグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレン(24)ポリオキシエチレン(240)デカグリセリルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の改質剤に用いられるエステル化物(A)の構成成分であるジカルボン酸は、炭素数1〜20の飽和、または不飽和の炭化水素に2つのカルボキシ基を持つ構造であり、炭化水素の結合方式は直鎖状、分岐状、環状のいずれでも良い。一例として、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、2−オクテニルコハク酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、マレイン酸、テトラヒドロフタル酸、フタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
これらのジカルボン酸とポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルを酸触媒存在下で脱水縮合させることによってエステル化物(A)を得ることができる。また、これらのジカルボン酸の無水物や酸クロリドとポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルとの反応によってもエステル化物(A)を得ることができる。
前記エステル化物(A)は、ジカルボン酸由来のカルボキシ基を含有しており、酸価が30〜180mgKOH/g(カルボン酸当量が0.5〜3.2mEq/g)の範囲であることが好ましい。カルボン酸当量は、1gのエステル化物(A)に含まれるカルボキシ基のミリ当量数(単位:mEq/g)であり、酸価(AV)から下記式3で算出される。
(式3)カルボン酸当量=AV/56.11
なお、酸価は試料1gに含まれている遊離の酸成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数をいう。酸価は、社団法人日本油化学会編集、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法、2013年度版」に準じて測定した。
本発明のコンデンサ電解液用の改質剤は、エステル化物(A)をそのまま使用することができるが、より高い電導度を付与する目的でエステル化物(A)の末端のカルボキシ基をアンモニアまたはアミンで中和した中和塩として使用することがより好ましい。中和塩は、エステル化物(A)をエチレングリコール等の溶媒に溶解させた後に所定量のアンモニア水またはアミンを添加したり、アンモニアガスを吹き込んだりする方法が挙げられるが、これ以外の方法によって調製してもよい。コンデンサ電解液中のエステル化物(A)またはその中和塩の含有量は、好ましくは0.5重量%から30重量%であり、より好ましくは1重量%から20重量%であり、最も好ましくは3重量%から10重量%である。電解液の耐電圧特性の観点から、エステル化物(A)またはその中和塩の含有量を0.5重量%以上とすることが好ましい。また、電解液の粘度特性やアルミニウム電解コンデンサの低温特性の観点から、エステル化物(A)またはその中和塩の含有量は30重量%以下とすることが好ましい。
本発明の電解液は、エステル化物(A)、またはその塩を含有する他に、各種有機溶媒、電解質、添加剤を含有することができる。有機溶媒としては、エチレングリコール、γ−ブチロラクトン、グリセリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。電解質としては、有機酸、無機酸、又はその塩が挙げられる。有機酸、又はその塩としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、7−ビニルヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸、マレイン酸、安息香酸、フタル酸ならびにそのアンモニウム塩、アミン塩などが挙げられる。さらに、無機酸、又はその塩としては、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸、リン酸、ホウ酸、過塩素酸、ならびにそのアンモニウム塩、アミン塩などが挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。添加剤としては、マンニトールなどの多価アルコール類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの親水性高分子化合物、二酸化ケイ素、アルミノケイ酸などの金属酸化物、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノールなどのニトロ化合物、水などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下、本発明の実施例及び比較例を示す。ただし、%は重量基準である。
(実施例1)
温度計、撹拌機、窒素吹込み管、還流管を備えた反応器に、ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルとしてポリオキシエチレン(40)ジグリセリルエーテル(ポリグリセリンの平均重合度2、ポリグリセリンのOH基1つ当たりのAOの平均付加数:10)を579.6g、無水コハク酸を120.4g、触媒として酢酸ナトリウムを0.7g仕込み、窒素雰囲気下、70℃で2時間、85℃で2時間反応させ、酸価が97.2(カルボン酸当量:1.73mEq/g)のエステル化物A−1を得た。エステル化物A−1の酸価より算出されるカルボン酸当量と同モル数のアンモニア(NH)を添加し、エステル化物A−1・NH中和塩を調製した。改質剤としてエステル化物A−1・NH中和塩を、電解質として1,7−オクタンジカルボン酸アンモニウム塩を、溶媒にエチレングリコール(EG)および水を用い、表1に示した比率で配合して電解液を調製した。電解液の性能評価として耐電圧、電導度を測定した結果を表1に示す。
(電解液の耐電圧)
調製した電解液を85℃に加温し、定格皮膜耐電圧が665V、静電容量が0.45μF/cmの陽極用酸化アルミニウム箔(104HD5B−665Vf:日本蓄電器工業株式会社製)を電解液に浸し、直流安定化電源(PL−650−0.1:松定プレシジョン製)を用いて、電流密度0.6mA/cm、昇圧速度1.7V/sの条件にて陽極箔に電流を印加した。耐電圧の評価は、電流−時間曲線をモニタリングし、電流値が5mAを超えた時点の電圧値を読み取った。
(電解液の電導度)
調製した電解液を25℃に調温し、導電率計(DS−52:堀場製作所製)を用いて電導度を測定した。
(実施例2)
ポリオキシエチレン(40)ジグリセリルエーテルを583.9gのポリオキシエチレン(120)デカグリセリルエーテル(ポリグリセリンの平均重合度10、ポリグリセリンのOH基1つ当たりのAOの平均付加数:10)に変え、無水コハク酸の仕込量を116.1gとした以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、酸価が97.1(カルボン酸当量:1.73mEq/g)のエステル化物A−2を得た。エステル化物A−2のカルボン酸当量と同モル数のアンモニアを添加してエステル化物A−2・NH中和塩を得た。改質剤をエステル化物A−2・NH中和塩に変えた以外は実施例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
(実施例3)
ポリオキシエチレン(40)ジグリセリルエーテルを517.3gのポリオキシエチレン(60)デカグリセリルエーテル(ポリグリセリンの平均重合度10、ポリグリセリンのOH基1つ当たりのAOの平均付加数:5)に変え、無水コハク酸の仕込量を182.7gとした以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、酸価が148.7(カルボン酸当量:2.65mEq/g)のエステル化物A−3を得た。エステル化物A−3のカルボン酸当量と同モル数のアンモニアを添加してエステル化物A−3・NH中和塩を得た。改質剤をエステル化物A−3・NH中和塩に変えた以外は実施例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
(実施例4)
ポリオキシエチレン(40)ジグリセリルエーテルを631.5gのポリオキシエチレン(80)ジグリセリルエーテル(ポリグリセリンの平均重合度2、ポリグリセリンのOH基1つ当たりのAOの平均付加数:20)に変え、無水コハク酸の仕込量を68.5gとした以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、酸価が62.0(カルボン酸当量:1.10mEq/g)のエステル化物A−4を得た。エステル化物A−4のカルボン酸当量と同モル数のアンモニアを添加してエステル化物A−4・NH中和塩を得た。改質剤をエステル化物A−4・NH中和塩に変えた以外は実施例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
(実施例5)
ポリオキシエチレン(40)ジグリセリルエーテルを643.6gのポリオキシエチレン(100)ジグリセリルエーテル(ポリグリセリンの平均重合度2、ポリグリセリンのOH基1つ当たりのAOの平均付加数:25)に変え、無水コハク酸の仕込量を56.4gとした以外は製造例1と同様の方法で反応を行い、酸価が47.4のエステル化物A−5(カルボン酸当量:0.84mEq/g)を得た。エステル化物A−5のカルボン酸当量と同モル数のアンモニアを添加してエステル化物A−5・NH中和塩を得た。改質剤をエステル化物A−5・NH中和塩に変えた以外は実施例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
(実施例6)
ポリオキシエチレン(40)ジグリセリルエーテルを651.5gのポリオキシエチレン(100)ポリオキシプロピレン(14)ジグリセリルエーテル(ポリグリセリンの平均重合度2、ポリグリセリンのOH基1つ当たりのAOの平均付加数:28.5)に変え、無水コハク酸の仕込量を48.5gとした以外は製造例1と同様の方法で反応を行い、酸価が41.8(カルボン酸当量:0.74mEq/g)のエステル化物A−6を得た。エステル化物A−6のカルボン酸当量と同モル数のアンモニアを添加してエステル化物A−6・NH中和塩を得た。改質剤をエステル化物A−6・NH中和塩に変えた以外は実施例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
(実施例7)
ポリオキシエチレン(40)ジグリセリルエーテルを639.0gのポリオキシエチレン(120)ポリオキシプロピレン(12)テトラグリセリルエーテル(ポリグリセリンの平均重合度4、ポリグリセリンのOH基1つ当たりのAOの平均付加数:22)に変え、無水コハク酸の仕込量を61.0gとした以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、酸価が51.2(カルボン酸当量:0.91mEq/g)のエステル化物A−7を得た。エステル化物A−7のカルボン酸当量と同モル数のアンモニアを添加してエステル化物A−7・NH中和塩を得た。改質剤をエステル化物A−7・NH中和塩に変えた以外は実施例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
(実施例8)
ポリオキシエチレン(40)ジグリセリルエーテルを615.1gのポリオキシプロピレン(24)ポリオキシエチレン(60)テトラグリセリルエーテル(ポリグリセリンの平均重合度4、ポリグリセリンのOH基1つ当たりのAOの平均付加数:14)に変え、無水コハク酸の仕込量を84.9gとした以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、酸価が71.6(カルボン酸当量:1.28mEq/g)のエステル化物A−8を得た。エステル化物A−8のカルボン酸当量と同モル数のアンモニアを添加してエステル化物A−8・NH中和塩を得た。改質剤をエステル化物A−8・NH中和塩に変えた以外は実施例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
(実施例9)
実施例1で合成したエステル化物A−1のカルボン酸当量と同モル数のジエチルアミン(DEA)を添加してエステル化物A−1・DEA中和塩を得た。改質剤をエステル化物A−1・DEA中和塩に変えた以外は実施例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
(比較例1)
改質剤を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
(比較例2)
電解質の配合量を6%に変更した以外は比較例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
(比較例3)
ポリオキシエチレン(40)ジグリセリルエーテルを205.3gのジグリセリン(DIG)に変え、無水コハク酸の仕込量を494.7gとした以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、酸価が428(カルボン酸当量:7.63mEq/g)のDIGコハク酸エステルを得た。DIGコハク酸エステルのカルボン酸当量と同モル数のアンモニアを添加してDIGコハク酸エステル・NH中和塩を得た。改質剤をDIGコハク酸エステル・NH中和塩に変えた以外は実施例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
(比較例4)
ポリオキシエチレン(40)ジグリセリルエーテルを525.0gのポリエチレングリコール600(PEG600)に変え、無水コハク酸の仕込量を175.0gとした以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、酸価が141.3(カルボン酸当量:2.52mEq/g)のPEG600コハク酸エステルを得た。PEG600コハク酸エステルのカルボン酸当量と同モル数のアンモニアを添加してPEG600コハク酸エステル・NH中和塩を得た。改質剤をPEG600コハク酸エステル・NH中和塩に変えた以外は実施例1と同様の方法で電解液を調製し、耐電圧と電導度を評価した結果を表1に示した。
Figure 2020202362
改質剤としてエステル化物(A)を含む実施例1〜9の電解液は、溶媒と電解質のみからなる比較例1やDIGコハク酸エステルを添加した比較例3、ポリグリセリン構造を持たないPEG600コハク酸エステルを添加した比較例4の電解液よりも高い耐電圧を示している。また、実施例1〜9の電解液は、電解質の配合量を低減して同程度まで耐電圧を引き上げた比較例2の電解液と比べて電導度の低下が抑えられている。
これらより、改質剤としてポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルとジカルボン酸とのエステル化物(A)を使用することで、耐電圧の向上効果に優れ、かつ電導度の低下が抑制された電解液が得られることが明らかとなった。
本発明の改質剤を含むコンデンサ電解液を用いることにより、耐電圧性と電導度の両面に優れたアルミニウム電解コンデンサの製造に有用である。

Claims (5)

  1. 構造中にカルボキシ基を持つエステル化物(A)を含有するコンデンサ電解液用の改質剤であり、前記エステル化物(A)がポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルとジカルボン酸がエステル結合した化合物であることを特徴とするコンデンサ電解液用の改質剤。
  2. 前記ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルを構成するポリグリセリンの平均重合度が2〜20であり、かつ前記ポリグリセリンの水酸基1つ当たりのアルキレンオキサイドの平均付加数が5〜30である請求項1に記載のコンデンサ電解液用の改質剤。
  3. 前記ポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテルを構成するアルキレンオキサイドがエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドから選ばれる1種以上である請求項1または2に記載のコンデンサ電解液用の改質剤。
  4. 請求項1から3の何れかに記載のコンデンサ電解液用の改質剤を用いた電解コンデンサ用電解液。
  5. 請求項4に記載の電解コンデンサ用電解液を用いたアルミ電解コンデンサ。
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