JP2014112651A - 電解コンデンサ駆動用電解液の耐電圧性向上剤、及びそれを含有する電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents
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Abstract
【課題】
電解コンデンサ駆動用電解液の耐電圧性向上剤、及びそれを含有する電解コンデンサ駆動用電解液を提供すること。
【解決手段】
グリセリン濃度が10重量%以下、ジグリセリン濃度が20重量%以下であり、且つ水酸基価から算出される平均重合度が3から20であるポリグリセリンに対して、エチレンオキサイドが付加されて成るポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを電解コンデンサ駆動用電解液の添加剤として使用することにより、上記の課題を解決する。
【選択図】なし
電解コンデンサ駆動用電解液の耐電圧性向上剤、及びそれを含有する電解コンデンサ駆動用電解液を提供すること。
【解決手段】
グリセリン濃度が10重量%以下、ジグリセリン濃度が20重量%以下であり、且つ水酸基価から算出される平均重合度が3から20であるポリグリセリンに対して、エチレンオキサイドが付加されて成るポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを電解コンデンサ駆動用電解液の添加剤として使用することにより、上記の課題を解決する。
【選択図】なし
Description
本発明は、電解コンデンサ駆動用電解液の耐電圧性向上剤、及びそれを含有する電解コンデンサ駆動用電解液に関するものである。
電解コンデンサは、粗面化処理を施したアルミニウム、タンタル等の弁金属箔の表面に絶縁性の酸化皮膜層を形成した陽極電極箔と、集電用の陰極電極箔とを電解紙を介して巻回してコンデンサ素子を形成するとともに、電解液を含浸し、外装ケースに収納した構成から成る。電解液は、陽極箔上に形成された誘電体層と集電用の陰極箔の間に介入して、その抵抗分が電解コンデンサに直列に挿入され、電解液の特性が電解コンデンサ特性を左右させる大きな要因となることが知られている。
一般的な電解液は、エチレングリコールや、γ−ブチロラクトンなどの有機溶剤を主成分とし、セバシン酸、ホウ酸アンモニウム塩などの電解質を溶解させた組成から成るが、要求特性に応じて様々な添加剤が加えられる。この電解液の添加剤としては、分子量が大きいものほど、電極箔の酸化皮膜を保護することにより絶縁破壊を抑制するため、耐電圧性が向上することが知られている。また、近年では、車載電装用電源やデジタル家電の使用電圧の上昇に伴い、電解コンデンサ駆動用電解液に対して、高い耐電圧性を有しながら、寒冷地仕様を満たさなければならず、電解液の低温流動性の向上が要望されている。
一般に、中高圧用の電解コンデンサ駆動用電解液として、エチレングリコールから成る溶媒に、耐電圧性を向上する添加剤として、ポリエチレングリコール(特許文献1)や、ポリオキシエチレングリセリルエーテル(特許文献2、特許文献3)、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル(特許文献4)が開示されている。これらは、耐電圧性の向上効果を有するものの、何れも分子量の増加に伴って融点が上昇するため、電解コンデンサ駆動用電解液の低温特性を満足する上で、添加量に制限があった。さらに、より高分子量であるポリオキシアルキレンポリグリセリルエーテル(特許文献5)についても耐電圧性の向上効果が示されているものの、ポリグリセリン重合度や組成、及びポリオキシアルキレンの付加モル数の違いによっては、電解コンデンサ駆動用電解液の低温流動性が悪化する場合や、電解コンデンサの耐電圧性の向上効果が得られにくい場合が存在した。そのため、エチレングリコールに対して高い溶解性を示し、且つ電解コンデンサ駆動用電解液の低温流動性を悪化させずに、優れた耐電圧性の向上効果が得られる添加剤が求められていた。
本発明は、耐電圧性に優れ、且つ低温特性が良好である電解コンデンサ駆動用電解液を提供することを課題とする。
グリセリン濃度が10重量%以下、ジグリセリン濃度が20重量%以下であり、且つ水酸基価から算出される平均重合度が3から20であるポリグリセリンに対して、エチレンオキサイドが付加されて成るポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを電解コンデンサ駆動用電解液の添加剤として使用することにより、耐電圧性の向上効果を有する電解コンデンサ駆動用電解液を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の電解コンデンサ駆動用電解液の耐電圧性向上剤を使用することにより、耐電圧性、及び低温特性に優れた電解コンデンサを製造することができる。
以下に本説明を実施するための形態をより詳細に説明するが、本発明の範囲はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で、変更等が加えられた形態も本発明に属する。
本発明のポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルに用いられるポリグリセリンは、グリセリンの脱水縮合反応、グリシドール、エピクロルヒドリン、グリセリンハロヒドリン等のグリセリン類縁物質を用いての合成、あるいは合成グリセリンのグリセリン蒸留残分からの回収等によって得られるが、一般的には、グリセリンに少量のアルカリ触媒を加えて200℃以上の高温に加熱し、精製する水を除去しながら重縮合させる方法によって得られる。反応は逐次的な分子間脱水反応により、順次高重合体が生成するが、反応組成物は均質なものではなく、未反応グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等の複雑な混合組成物となり、反応温度が高いほど、あるいは反応時間が長いほど反応は高重合度側にシフトする。また、未反応のグリセリンは減圧蒸留による蒸留が可能であり、ジグリセリンは分子蒸留による蒸留が可能であるため、一般的にはジグリセリンは高純度品が使用され、それ以上の重合度のポリグリセリンは、複雑な多成分の混合物や、グリセリン、ジグリセリンを蒸留した残分が使用される。
ポリグリセリンの組成分析は、一例として、ポリグリセリン試料を約0.5g、及び内部標準物質としてパルミチン酸メチル(1級試薬;キシダ化学)を約0.05g精秤し、ピリジン(特級試薬;キシダ化学)約1.8mlにこれらを溶解させ、次いで、この溶液20μlに対してTMS−HT(試薬;東京化成工業)を0.2ml注入し、温浴にて反応後に上澄み液1μLを下記の分析に供することで判定される。
ガスクロマトグラフ:GC−14B(島津製作所製)
カラム:OV−1(GLサイエンス製、内径3mm、長さ1.5m)
カラム温度:100℃〜350℃(昇温速度10℃/min)
キャリアーガス:ヘリウム(50ml/min)
注入部温度:350℃
検出器温度:350℃
検出器:FID
カラム:OV−1(GLサイエンス製、内径3mm、長さ1.5m)
カラム温度:100℃〜350℃(昇温速度10℃/min)
キャリアーガス:ヘリウム(50ml/min)
注入部温度:350℃
検出器温度:350℃
検出器:FID
本発明のポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルに用いられるポリグリセリンは、グリセリン濃度が10重量%以下、且つジグリセリン濃度が20重量%以下、好ましくはグリセリン濃度が5重量%以下、且つジグリセリン濃度が15重量%以下である。グリセリン濃度が10重量%を越えるポリグリセリンを用いた場合、または、ジグリセリン濃度が20重量%を越えるポリグリセリンを用いた場合では、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの低温流動性が低下し、電解コンデンサの耐電圧特性の低下に繋がる恐れがある。
本発明のポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルに用いられるポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度が3から20、好ましくは平均重合度が4から10のものを使用する。ここで、平均重合度は、末端基分析法による水酸基価から算出されるポリグリセリンの平均重合度(n)である。詳しくは、次式(式1)、及び(式2)から平均重合度が算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
上記(式2)中の水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編集、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)、2003年度版に準じて算出される。
(式1)分子量=74n+18
(式2)水酸基価=56110(n+2)/分子量
上記(式2)中の水酸基価とは、ポリグリセリンに含まれる水酸基数の大小の指標となる数値であり、1gのポリグリセリンに含まれる遊離ヒドロキシル基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。水酸化カリウムのミリグラム数は、社団法人日本油化学会編集、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法(I)、2003年度版に準じて算出される。
本発明のポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルに用いられるエチレンオキサイドの付加モル数は20から100モル、好ましくは、25から90モル、さらに好ましくは、30から80モルである。エチレンオキサイドの付加モル数が20モル未満の場合では、電解コンデンサの耐電圧特性の低下に繋がる恐れがあり、一方、100モルを越える場合では、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの低温流動性が低下する。
本発明で使用されるポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの−10℃における粘度は100,000mPa・s未満であり、好ましくは50,000mPa・s未満であり、さらに好ましくは、30,000mPa・s未満である。−10℃における粘度が100,000mPa・sを越える場合では、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの結晶性が高くなるため、エチレングリコールに対する溶解性が低下し、電解コンデンサの耐電圧特性の低下に繋がる恐れがある。
本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを0.5重量%から50重量%、好ましくは、1.0重量%から40重量%、さらに好ましくは、5.0重量%から30重量%含有する。含有量が0.5重量%未満では電解コンデンサの耐電圧性の向上効果が低い場合があり、一方、50重量%を越える場合では、電解コンデンサ駆動用電解液の低温特性が低下し、電解コンデンサの耐電圧特性の低下に繋がる恐れがある。
本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルと、有機溶媒、及び有機酸、無機酸、又はその塩を溶質として含有する。有機溶媒としては、エチレングリコール、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。また、有機酸、又はその塩としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,6−デカンジカルボン酸、2−ブチルオクタン二酸、ならびにそのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩などが挙げられる。さらに、無機酸、又はその塩としては、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸、リン酸、ホウ酸、過塩素酸、ならびにそのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩などが挙げられる。但し、それらに限定されるものではない。
次に、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、今回の合成に使用したポリグリセリンは、下記の合成例に示すポリグリセリンAからEであり、水酸基価から算出される平均重合度は、それぞれ4.5、6、10、2、4である。以下、本発明の実施例及び比較例を示す。ただし、%は重量基準である。
(ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの粘度測定)
ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルについて、E型粘度計DV−II+Pro(ブルックフィールド社製)を用いて、測定温度が−10℃、スピンドルNo.42、ローター回転数0.5rpmの条件にて、粘度を測定した。尚、測定値は、ローターの回転開始から1分後の値とした。
ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルについて、E型粘度計DV−II+Pro(ブルックフィールド社製)を用いて、測定温度が−10℃、スピンドルNo.42、ローター回転数0.5rpmの条件にて、粘度を測定した。尚、測定値は、ローターの回転開始から1分後の値とした。
(エチレングリコール・ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル混合液の低温流動性評価)
エチレングリコールを80g、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを20g量り取り、80℃以下にて撹拌混合した。エチレングリコールと均一に相溶化したものについては、−25℃にて24時間静置した際の低温流動性を下記基準AからCの何れであるか判定した。一方、エチレングリコールと相溶化しないものについては、下記基準のDと判定した。
エチレングリコールを80g、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを20g量り取り、80℃以下にて撹拌混合した。エチレングリコールと均一に相溶化したものについては、−25℃にて24時間静置した際の低温流動性を下記基準AからCの何れであるか判定した。一方、エチレングリコールと相溶化しないものについては、下記基準のDと判定した。
(−25℃における低温流動性の評価基準)
A:流動性がある状態
B:白濁があるが、流動性がある状態
C:白濁、固化状態
D:エチレングリコールに対して非相溶状態
A:流動性がある状態
B:白濁があるが、流動性がある状態
C:白濁、固化状態
D:エチレングリコールに対して非相溶状態
(電解液を用いた耐電圧測定)
溶媒にエチレングリコール、溶質に2−ブチルオクタン二酸・アンモニウム塩、添加剤として次亜リン酸アンモニウム、耐電圧向上剤としてポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを調合し、電解液を調製した。調製した電解液を85℃に加温し、定格皮膜耐電圧が665V、静電容量が0.45μF/cm2(日本蓄電器工業製)である陽極箔を電解液に浸し、直流安定化電源(菊水電子工業)を用いて、電流密度0.6mA/cm2の条件にて一定電流を陽極箔に印加した。耐電圧の評価は、一定電流を印加したときの時間−電圧の上昇カーブを測定し、初めにスパークまたはシンチレーションが観測された電圧を読み取り、下記の指標に従って耐電圧を判定した。尚、耐電圧向上剤を添加していない電解液の耐電圧は427Vであった。
溶媒にエチレングリコール、溶質に2−ブチルオクタン二酸・アンモニウム塩、添加剤として次亜リン酸アンモニウム、耐電圧向上剤としてポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを調合し、電解液を調製した。調製した電解液を85℃に加温し、定格皮膜耐電圧が665V、静電容量が0.45μF/cm2(日本蓄電器工業製)である陽極箔を電解液に浸し、直流安定化電源(菊水電子工業)を用いて、電流密度0.6mA/cm2の条件にて一定電流を陽極箔に印加した。耐電圧の評価は、一定電流を印加したときの時間−電圧の上昇カーブを測定し、初めにスパークまたはシンチレーションが観測された電圧を読み取り、下記の指標に従って耐電圧を判定した。尚、耐電圧向上剤を添加していない電解液の耐電圧は427Vであった。
(無添加に対する耐電圧の向上幅の指標)
○:10V以上
△:5V以上、10V未満
×:5V未満
○:10V以上
△:5V以上、10V未満
×:5V未満
(ポリグリセリンAからEの合成)
温度計、撹拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリン組成物を得た。次いで、この組成物を減圧蒸留して表1に示すポリグリセリンA、B、Dを得た。なお、減圧蒸留工程を実施しないものとして、ポリグリセリンC、及びEを得た。
温度計、撹拌装置を付した四ツ口フラスコに精製グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)、及び触媒として水酸化ナトリウムを添加し、窒素気流下にて250℃で反応させ、ポリグリセリン組成物を得た。次いで、この組成物を減圧蒸留して表1に示すポリグリセリンA、B、Dを得た。なお、減圧蒸留工程を実施しないものとして、ポリグリセリンC、及びEを得た。
(実施例1)
加熱装置のついた耐圧容器に、ポリグリセリンAを350g(1モル)、及び水酸化カリウムを2g添加し、窒素雰囲気とした。これを120℃に昇温し、エチレンオキサイド1760g(40モル)を添加し、150℃で3時間反応させた。その後、反応物を100℃に冷却して、未反応のエチレンオキサイドガスを減圧留去し、さらに80℃に冷却した後、触媒を中和し、−10℃における粘度14440mPa・sであるポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル(PGEO1)を得た。次いで、エチレングリコール80gに対し、PGEO1を20g混合し、−25℃における低温流動性評価を行った。続いて、10.0gの2−ブチルオクタン二酸・アンモニウム塩をエチレングリコール82.98gに溶解させた。そこに、次亜リン酸アンモニウムの20重量%水溶液を0.1g、PGEO1を5.0g添加し、カールフィッシャー水分計KF−100(三菱化学製)を用いて、電解液の水分含有量を2.0%に調製した。得られた電解液を用いて、耐電圧測定を行った。これらの結果について、表2、表3、及び表4に示す。
加熱装置のついた耐圧容器に、ポリグリセリンAを350g(1モル)、及び水酸化カリウムを2g添加し、窒素雰囲気とした。これを120℃に昇温し、エチレンオキサイド1760g(40モル)を添加し、150℃で3時間反応させた。その後、反応物を100℃に冷却して、未反応のエチレンオキサイドガスを減圧留去し、さらに80℃に冷却した後、触媒を中和し、−10℃における粘度14440mPa・sであるポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル(PGEO1)を得た。次いで、エチレングリコール80gに対し、PGEO1を20g混合し、−25℃における低温流動性評価を行った。続いて、10.0gの2−ブチルオクタン二酸・アンモニウム塩をエチレングリコール82.98gに溶解させた。そこに、次亜リン酸アンモニウムの20重量%水溶液を0.1g、PGEO1を5.0g添加し、カールフィッシャー水分計KF−100(三菱化学製)を用いて、電解液の水分含有量を2.0%に調製した。得られた電解液を用いて、耐電圧測定を行った。これらの結果について、表2、表3、及び表4に示す。
(実施例2から10)
ポリグリセリンの種類、エチレンオキサイドの付加モル数を変化させた以外は実施例1と同様にPGEO2から10を合成し、−10℃における粘度測定、更に、エチレングリコール・ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル混合液の低温流動性評価、及び電解液の調製、耐電圧の測定を行った。これらの結果について、表2、表3、及び表4に示す。
ポリグリセリンの種類、エチレンオキサイドの付加モル数を変化させた以外は実施例1と同様にPGEO2から10を合成し、−10℃における粘度測定、更に、エチレングリコール・ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル混合液の低温流動性評価、及び電解液の調製、耐電圧の測定を行った。これらの結果について、表2、表3、及び表4に示す。
(比較例1から4)
ポリグリセリンの種類、エチレンオキサイドの付加モル数を変化させた以外は実施例1と同様にPGEO11から14を合成し、−10℃における粘度測定、更に、エチレングリコール・ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル混合液の低温流動性評価、及び電解液の調製、耐電圧の測定を行った。これらの結果について、表5、表6、及び表7に示す。
ポリグリセリンの種類、エチレンオキサイドの付加モル数を変化させた以外は実施例1と同様にPGEO11から14を合成し、−10℃における粘度測定、更に、エチレングリコール・ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル混合液の低温流動性評価、及び電解液の調製、耐電圧の測定を行った。これらの結果について、表5、表6、及び表7に示す。
(比較例5)
ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの代わりに、ポリオキシエチレングリセリルエーテルを用いた以外は、実施例1と同様に評価した。これらの結果について、表5、表6、及び表7に示す。
ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの代わりに、ポリオキシエチレングリセリルエーテルを用いた以外は、実施例1と同様に評価した。これらの結果について、表5、表6、及び表7に示す。
(比較例6)
ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの代わりに、ポリエチレングリコール(数平均分子量400)を用いた以外は、実施例1と同様に評価した。これらの結果について、表5、表6、及び表7に示す。
ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの代わりに、ポリエチレングリコール(数平均分子量400)を用いた以外は、実施例1と同様に評価した。これらの結果について、表5、表6、及び表7に示す。
(比較例7)
ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの代わりに、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)を用いた以外は、実施例1と同様に評価した。これらの結果について、表5、表6、及び表7に示す。
ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの代わりに、ポリエチレングリコール(数平均分子量1000)を用いた以外は、実施例1と同様に評価した。これらの結果について、表5、表6、及び表7に示す。
(比較例8)
ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの代わりに、ポリビニルアルコールを用いた以外は、実施例1と同様に評価した。これらの結果について、表5、表6、及び表7に示す。
ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルの代わりに、ポリビニルアルコールを用いた以外は、実施例1と同様に評価した。これらの結果について、表5、表6、及び表7に示す。
グリセリン濃度が10重量%以下、ジグリセリン濃度が20重量%以下であり、且つ水酸基価から算出される平均重合度が3から20であるポリグリセリンに対して、エチレンオキサイドが付加されて成るポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを電解コンデンサ駆動用電解液の添加剤として使用することによって、優れた低温流動性を示し、且つ耐電圧が高い電解液を得られることが明らかとなった。
本発明のポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルを電解コンデンサ駆動用電解液の耐電圧向上剤に使用することにより、耐電圧性、及び低温特性に優れた電解コンデンサを製造することができる。
Claims (5)
- グリセリン濃度が10重量%以下、ジグリセリン濃度が20重量%以下であり、且つ水酸基価から算出される平均重合度が3から20であるポリグリセリンに対して、エチレンオキサイドが付加されて成るポリオキシエチレンポリグリセリルエーテルであることを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液の耐電圧性向上剤。
- ポリグリセリンに対するエチレンオキサイドの付加モル数が20から100モルであることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ駆動用電解液の耐電圧性向上剤。
- −10℃における粘度が100,000mPa・s未満であることを特徴とする請求項1から2何れかに記載の電解コンデンサ駆動用電解液の耐電圧性向上剤。
- 請求項1から3何れかに記載の電解コンデンサ駆動用電解液の耐電圧性向上剤を0.5重量%から50重量%含有することを特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。
- 請求項1から3何れかに記載の電解コンデンサ駆動用電解液の耐電圧向上剤と、有機溶媒、及び有機酸、無機酸、又はその塩を溶質として含有する事を特徴とする電解コンデンサ駆動用電解液。
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JP2017034030A (ja) * | 2015-07-30 | 2017-02-09 | 三洋化成工業株式会社 | 電解コンデンサ用電解液 |
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2013
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