JP2020194799A - 半導体レーザモジュール及びレーザ加工装置 - Google Patents

半導体レーザモジュール及びレーザ加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体レーザモジュールにおいて、半導体レーザ素子の実装を容易化する。【解決手段】半導体レーザモジュール1は、底面93bを有する筐体90と、底面93bに配置され、第1上面61tを有する第1ベース61と、第1上面61tに配置され、第1発光点11rを有する第1半導体レーザ素子11と、第1上面61tに配置され、第2発光点12rを有する第2半導体レーザ素子12と、第1発光点11rから出射される第1レーザ光L11を偏向する第1偏向素子51と、第2発光点12rから出射される第2レーザ光L12を偏向する第2偏向素子52とを備え、第1上面61tは、底面93bに対して第1角度θ1だけ傾斜しており、第1発光点11rの底面93bからの距離は、第2発光点12rの底面93bからの距離よりも大きく、第1発光点11r及び第2発光点12rのニアフィールドパターンの長手方向は、第1上面61tと平行である。【選択図】図1

Description

本開示は、半導体レーザモジュール及びレーザ加工装置に関する。
例えば、光出力が1ワットを超えるような非常に高いパワーの光を出射する光源ユニットの開発が進んでいる。特に指向性の優れた光を効率よく出射させる光源ユニットは様々な用途への適用が検討されている。このような指向性の優れた光を出射する光源ユニットに用いる光源として、半導体発光装置が挙げられる。半導体発光装置は、半導体レーザ素子に代表される、光導波路を有する半導体発光素子と、半導体発光素子が搭載されるパッケージなどとを備える。例えば、InAlGaP系、InAlGaAs系などの化合物半導体を用いた半導体発光装置は、溶接装置、加工装置、レーザスクライビング装置、薄膜のアニール装置などの産業用加工装置の光源や、ディスプレイの長波長光源、LiDAR(Light Detection and Ranging)用赤外光源として開発が進められている。またInAlGaN系などの窒化物半導体を用いた半導体発光装置は、レーザディスプレイやプロジェクションマッピング用のプロジェクタなどの画像表示装置の光源や、白色固体光源の励起光源として開発が進められている。例えば、励起光源としての半導体発光装置と、蛍光体とを組み合わせた光源ユニットは、高い輝度の白色光を出射させることができる。このため、このような光源ユニットは、プロジェクタや車両前照灯などの光源として開発が進められている。
これらの光源ユニットは、例えば、合計数ワットを超えるような非常に高いパワーの光を小さな発光部から出射させる必要がある。このような高いパワーの光を得るために、複数の光源を用いる構成が採用され得る。この場合、光源ユニットに配置された複数の光源から出射される光を効率よく結合させる構造についてもさまざまな工夫が必要となる。
上記のような課題に対し、例えば、特許文献1には複数の半導体レーザ素子を組み合わせたレーザ光源の構造について提案がなされている。
特許文献1に記載されたレーザ光源においては、複数の半導体レーザ素子を複数の階段状支持部に配置している。これにより、複数の半導体レーザ素子からの複数のレーザ光の各々と、他のレーザ光の光路に配置された光学素子とが干渉することを抑制しながら、複数のレーザ光をファスト軸方向に互いに隣接させて、つまり、複数のレーザ光をファスト軸方向に束ねて伝搬させようとしている。
特開2009―170881号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたレーザ光源においては、複数の半導体レーザ素子を、高さの異なる階段状の支持部に配置するため、半導体レーザ素子の実装が困難である。
本開示は、このような課題を解決するものであり、複数のレーザ光を束ねて出射する半導体レーザモジュールにおいて、半導体レーザ素子の実装を容易化することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様は、底面を有する筐体と、前記底面に配置され、第1上面を有する第1ベースと、前記第1上面に配置され、第1発光点を有する第1半導体レーザ素子と、前記第1上面に配置され、第2発光点を有する第2半導体レーザ素子と、前記第1発光点から出射される第1レーザ光を偏向する第1偏向素子と、前記第2発光点から出射される第2レーザ光を偏向する第2偏向素子とを備え、前記第1上面は、前記底面に対して0より大きい第1角度だけ傾斜しており、前記第1発光点の前記底面からの距離は、前記第2発光点の前記底面からの距離よりも大きく、前記第1発光点及び前記第2発光点の各々のニアフィールドパターンの長手方向は、前記第1上面と平行である。
このように、第1半導体レーザ素子と第2半導体レーザ素子とを同一面上に実装するため、実装を容易化できる。また、各発光点の底面からの距離を異ならせることで、二つのレーザ光を底面に平行な方向に伝搬させる場合に、二つのレーザ光が重なることを抑制できる。
また、第1発光点及び第2発光点の各々のニアフィールドパターンの長手方向は、各半導体レーザ素子の半導体層の積層方向と垂直であり、一般に、積層方向は、半導体レーザ素子の基板の主面に垂直である。このため、第1発光点及び第2発光点の各々のニアフィールドパターンの長手方向を第1上面と平行とすることで、半導体レーザ素子の基板の主面と第1上面とが平行になるように、各半導体レーザ素子を実装できる。したがって、各半導体レーザ素子の第1上面への実装を容易化できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様は、底面を有する筐体と、前記底面に配置され、第1上面を有する第1ベースと、前記第1上面に配置され、第1発光点及び第2発光点を有する半導体レーザ素子と、前記第1発光点から出射される第1レーザ光を偏向する第1偏向素子と、前記第2発光点から出射される第2レーザ光を偏向する第2偏向素子とを備え、前記第1上面は、前記底面に対して0より大きい第1角度で傾斜しており、前記第1発光点の前記底面からの距離は、前記第2発光点の前記底面からの距離よりも大きく、前記第1発光点及び前記第2発光点の各々のニアフィールドパターンの長手方向は、前記第1上面と平行である。
このように、複数の発光点を有する半導体レーザ素子を第1上面に実装するため、複数の半導体レーザ素子を実装する場合より実装を容易化できる。また、各発光点の底面からの距離を異ならせることで、二つのレーザ光を底面に平行な方向に伝搬させる場合に、二つのレーザ光が重なることを抑制できる。
また、一般に、第1発光点及び第2発光点の各々のニアフィールドパターンの長手方向は、半導体レーザ素子の半導体層の積層方向と垂直であり、積層方向は、半導体レーザ素子の基板の主面に垂直である。このため、第1発光点及び第2発光点の各々のニアフィールドパターンの長手方向を第1上面と平行とすることで、半導体レーザ素子の基板の主面と第1上面とが平行になるように、半導体レーザ素子を実装できる。したがって、半導体レーザ素子の第1上面への実装を容易化できる。
また、半導体レーザ素子が各発光点を有することにより、発光点間の距離を低減できるため、半導体レーザモジュールの小型化が可能となる。また、半導体レーザ素子が各発光点を有することにより、発光点間の相対的な位置ずれを低減できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1角度は、57度より小さくてもよい。
これにより、半導体レーザモジュールの底面からの高さが大きくなり過ぎることを抑制できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1発光点及び前記第2発光点は、前記第1上面と平行な同一平面上に位置してもよい。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光は、前記底面と平行に伝搬してもよい。
これにより、第1レーザ光及び第2レーザ光の各々の底面からの距離を一定に維持できる。ここで、第1発光点及び第2発光点の底面からの距離が異なることから、各レーザ光が底面と平行に伝搬することで、各レーザ光が互いに重なること、及び、各レーザ光が底面と干渉することを抑制できる。また、各レーザ光のニアフィールドパターンの長手方向の傾斜が第1角度である場合には、各レーザ光が底面と平行に伝搬することで、各レーザ光が、第1上面から一定の距離を保ったまま伝搬できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1偏向素子で偏向された第1偏向光及び前記第2偏向素子で偏向された第2偏向光は、前記底面と平行に伝搬してもよい。
各偏向光が底面と平行に伝搬することで、各偏向光が底面と干渉することを抑制できる。各偏向光の底面からの距離が異なる場合には、各偏向光が互いに重なることを抑制できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1偏向光は、前記第2偏向素子の上方を前記底面と平行に伝搬してもよい。
これにより、二つの偏向光を高さ方向に配列させることが可能となる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1偏向光及び前記第2偏向光を集光する第1集光素子をさらに備えてもよい。
これにより、第1偏向光と第2偏向光とをより狭い領域に収束させることができる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1偏向光及び前記第2偏向光は、前記第1集光素子によって細長い形状に集光され、前記細長い形状の長手方向は、前記底面に対して、前記第1角度で傾斜してもよい。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記筐体に接続された光ファイバをさらに備え、前記第1偏向光及び前記第2偏向光は、前記筐体内部に配置された前記光ファイバの一方の端面に集光されてもよい。
これにより、第1偏向光及び第2偏向光を一つの光ファイバで筐体の外部に伝搬できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1発光点と前記第1偏向素子との間に配置される第2集光素子を有してもよい。
これにより、第1レーザ光の発散を抑制できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第2集光素子は、前記第1レーザ光をコリメートしてもよい。
これにより、第1レーザ光のビーム径を所定の値に維持できるため、第1レーザ光が第1上面などと干渉することを抑制できる。また、第1偏向素子の寸法をビーム径に合わせる必要があるため、ビーム径を維持することで、第1偏向素子の大型化を抑制できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第2集光素子は、前記第1レーザ光の前記第1上面と垂直な方向の発散を減少させるファスト軸コリメータレンズと、前記第1レーザ光の前記第1上面と平行な方向の発散を減少させるスロー軸コリメータレンズとを含み、前記スロー軸コリメータレンズは、前記ファスト軸コリメータレンズと前記第1偏向素子との間に配置されてもよい。
このようにファスト軸コリメータレンズとスロー軸コリメータレンズとを備えることで、第1レーザ光をファスト軸方向及びスロー軸方向の両方向においてコリメートできる。また、ファスト軸コリメータレンズをスロー軸コリメータレンズよりも発光点に近い位置に配置することで、発散角度が大きいファスト軸方向のビーム径を低減できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記底面に配置され、第2上面を有する第2ベースをさらに備え、前記第2上面に、前記第1偏向素子及び前記第2偏向素子が配置されてもよい。
このように、第1ベースと第2ベースとを備えることで、各ベースを小型化でき、かつ、各ベースの構成の自由度を高めることができる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第2上面は、前記底面に対して傾斜していてもよい。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第2上面は、前記底面に対して前記第1角度で傾斜していてもよい。
これにより、第1上面及び第2上面の傾斜角を揃えることができるため、各素子の設計及び位置決めを容易化できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1ベースと前記第2ベースとは一体に形成されていてもよい。
これにより、半導体レーザ素子と偏向素子との位置ずれを抑制できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1偏向素子が配置される前記第2上面上の位置における前記底面からの距離は、前記第2偏向素子が配置される前記第2上面上の位置における前記底面からの距離よりも大きくてもよい。
これにより、各偏向素子を底面に直接配置する場合より、各偏向素子を小型化でき、かつ、各偏向素子の寸法の差を低減できる。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1偏向素子の前記第2上面と対向する面及び前記第2偏向素子の前記第2上面と対向する面は、前記底面に対して傾斜していてもよい。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1偏向素子及び前記第2偏向素子は、一体に形成されていてもよい。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1偏向素子及び前記第2偏向素子の各々は、ミラーであってもよい。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記第1偏向素子及び前記第2偏向素子の各々は、プリズムであってもよい。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記筐体は、天面部を有してもよい。
また、本開示に係る半導体レーザモジュールの一態様において、前記筐体の内部は、気密空間であってもよい。
これにより、筐体内に埃などが進入することを低減できる。また、筐体内の雰囲気を安定化できるため、各素子の劣化を抑制できる。
また、本開示に係るレーザ加工装置の一態様は、上記半導体レーザモジュールを有し、前記第1偏向光及び前記第2偏向光が前記光ファイバの他方の端面から出射される。
これにより、複数のレーザ光を集光して一つの光ファイバから出射できる高出力のレーザ加工装置を実現できる。
本開示によれば、複数のレーザ光を束ねて出射する半導体レーザモジュールにおいて、半導体レーザ素子の実装を容易化できる。
図1は、実施の形態1に係る半導体レーザモジュールの全体構成を示す模式的な斜視図である。 図2は、実施の形態1に係る半導体レーザモジュールの第1上面の平面視における平面図である。 図3は、実施の形態1に係る第1半導体レーザ素子の構成を示す斜視図である。 図4は、実施の形態1に係る第1半導体レーザ素子の構成及び実装態様を示す模式的な側面図である。 図5は、実施の形態1に係るファスト軸コリメータレンズの構成を示す模式的な側面図である。 図6は、実施の形態1に係るスロー軸コリメータレンズの構成を示す模式的な平面図である。 図7は、比較例に係る半導体レーザモジュールの構成を示す模式的な側面図である。 図8は、実施の形態1に係る半導体レーザモジュールの構成の特徴を示す模式図である。 図9は、実施の形態1に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子付近における各レーザ光の光路などを示す図である。 図10は、実施の形態1に係る光ファイバの一方の端面に入射される各偏向光の断面形状を示す図である。 図11Aは、実施の形態1の変形例1に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子の形状を示す第1の側面図である。 図11Bは、実施の形態1の変形例1に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子の形状を示す第1上面の平面視における平面図である。 図11Cは、実施の形態1の変形例1に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子の形状を示す第2の側面図である。 図12は、実施の形態1の変形例1に係る第1偏向素子の形状を示す図である。 図13は、実施の形態1の変形例2に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子が配置される第2ベースの構成を示す側面図である。 図14は、実施の形態1の変形例3に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子及び第2ベースの構成を示す側面図である。 図15は、実施の形態2に係る半導体レーザモジュールの第1上面の平面視における平面図である。 図16は、実施の形態2に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子付近における各レーザ光の光路などを示す図である。 図17は、実施の形態2に係る光ファイバの一方の端面に入射される各偏向光の断面形状を示す図である。 図18Aは、実施の形態3係る半導体レーザモジュールの第1上面の平面視における平面図である。 図18Bは、実施の形態3係る半導体レーザモジュールの各偏向素子の形状を示す第1の側面図である。 図18Cは、実施の形態3係る半導体レーザモジュールの各偏向素子の形状を示す第2の側面図である。 図19は、実施の形態3に係る各発光点の位置を示す側面図である。 図20Aは、実施の形態4に係る半導体レーザモジュールの第1上面の平面視における平面図である。 図20Bは、実施の形態4に係る偏向素子アレイの形状を示す第1の側面図である。 図20Cは、実施の形態4に係る偏向素子アレイの形状を示す第2の側面図である。 図21は、実施の形態4に係る各発光点の位置を示す側面図である。 図22は、実施の形態5に係る半導体レーザモジュールの構成を示す斜視図である。 図23は、実施の形態5に係る半導体レーザモジュールの構成を示す上面図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る半導体レーザモジュール及びレーザ加工装置について説明する。
[1−1.全体構成]
まず、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールの全体構成について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る半導体レーザモジュール1の全体構成を示す模式的な斜視図である。図1においては、半導体レーザモジュール1の筐体90の天面部95を分解した状態の斜視図が示されている。なお、図1においては、半導体レーザモジュール1の筐体90の底面93bに垂直な方向をY軸方向とし、Y軸方向に垂直な方向のうち、第1半導体レーザ素子から出射される第1レーザ光の出射方向に平行な方向をZ軸方向とし、Y軸方向及びZ軸方向に垂直な方向をX軸方向としている。また、各図において、X軸の正の方向、Y軸の正の方向と、Z軸の正の方向は、右手系座標系となるように描かれている。以下に示す図についても同様である。
本実施の形態に係る半導体レーザモジュール1は、複数のレーザ光を束ねて出射するモジュールである。半導体レーザモジュール1は、筐体90と、第1ベース61と、第1半導体レーザ素子11と、第2半導体レーザ素子12と、第1偏向素子51と、第2偏向素子52とを備える。本実施の形態では、半導体レーザモジュール1は、第3半導体レーザ素子13と、第3偏向素子53と、サブマウント21〜23と、ファスト軸コリメータレンズ31〜33と、スロー軸コリメータレンズ41〜43と、第1集光素子71と、光ファイバ80と、光ファイバ保持部84とをさらに備える。
筐体90は、底面93bを有し、底面93bに配置される各光学素子を収容するケースである。本実施の形態では、筐体90の内部は気密空間である。これにより、筐体90内に埃などが進入することを低減できる。また、筐体90内の雰囲気を安定化できるため、各素子の劣化を抑制できる。筐体90内の雰囲気は例えば、ドライエアであってもよい。筐体90は、例えば、Cu又はCu系合金などで形成される。筐体90は、本体91と、天面部95とを有する。本体91は、開口を有する有底筒状の部材であり、側壁部92と、底部93とを有する。
底部93は、筐体90の底に位置する板状の部分である。底部93は、筐体90の内側に位置する面が底面93bを有する。本実施の形態では、底面93bは、長方形状の平面である。
側壁部92は、底面93bの周縁において、底面93bに対して垂直に立設された壁状の部分である。本実施の形態では、断面が長方形状の筒状部材である。側壁部92には、光ファイバ保持部84によって保持された、光ファイバ80が接続されている。より具体的には、側壁部92には、光ファイバ保持部84の直径と同程度の直径の孔が設けられており、当該孔に光ファイバ保持部84が固定され、光ファイバ保持部84の長手方向に垂直な断面の中心に光ファイバ80が挿入されている。光ファイバ80の一方の端面は筐体90内に配置されている。
天面部95は、本体91の開口を覆う板状の部分である。本実施の形態では、天面部95は、長方形状の板状部材である。
第1ベース61は、筐体90の底面93bに配置され、第1上面61tを有する部材である。第1ベース61は、筐体90の底面93bに対向して配置される第1底面61bをさらに有する。第1上面61tは、筐体90の底面93bに対して0より大きい第1角度θ1だけ傾斜している。本実施の形態では、第1ベース61は、平面状の第1底面61bと、第1底面61bに対して第1角度θ1だけ傾斜している平面状の第1上面61tとを有する楔型(三角柱)の部材である。ここで、第1角度θ1は、0度より大きく、90度未満であれば特に限定されないが、57度より小さくてもよい。これにより、半導体レーザモジュール1の底面93bからの高さが大きくなり過ぎることを抑制できる。また、第1角度θ1は、2度以上であってもよい。このように第1上面61tの傾斜を大きくすることにより、第1半導体レーザ素子11及び第2半導体レーザ素子12の底面93bからの距離の差を所定の値以上とするために必要な第1上面61tの寸法を低減できる。
なお、本実施の形態では、第1上面61tは、平面形状を有するが、完全な平面でなくてもよく、一部に凹部、凸部などが形成されていてもよい。例えば、第1上面61tに、各素子の配置位置を示すアライメントマークなどが形成されていてもよい。
第1ベース61を形成する材料は、特に限定されないが、例えば、アルミウムや銅などの熱伝導率が高い材料であってもよい。
以下、半導体レーザモジュール1が備える各光学素子の構成について、図1に加えて図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る半導体レーザモジュール1の第1上面61tの平面視における平面図である。図2において、Z軸に垂直で第1上面61tと平行な方向をX1軸方向とし、Z軸及びX1軸と垂直な方向をY1軸方向としている。つまり、X軸とX1軸とがなす角、及び、Y軸とY1軸とがなす角は、第1角度θ1である。以下の図においても同様である。
図2に示されるように、第1半導体レーザ素子11、第2半導体レーザ素子12及び第3半導体レーザ素子13は、第1上面61tに配置され、それぞれ、第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rを有する半導体レーザ素子である。第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rからは、それぞれ、第1レーザ光L11、第2レーザ光L12、及び、第3レーザ光L13が底面93bに平行な方向(図1及び図2のZ軸方向)に出射される。
なお、本明細書内において、「平行」との記載が表す状態には、完全に平行な状態だけでなく、実質的に平行な状態も含まれる。例えば、完全に平行な状態から5度以下程度だけ角度がずれている状態も「平行」との記載が表す状態に含まれる。「垂直」との記載についても、同様であり、「垂直」との記載が表す状態には、完全に垂直な状態だけでなく、実質的に垂直な状態も含まれる。例えば、完全に垂直な状態から5度以下程度だけ角度がずれている状態も「垂直」との記載が表す状態に含まれる。
本実施の形態では、第1半導体レーザ素子11、第2半導体レーザ素子12及び第3半導体レーザ素子13は、それぞれ、サブマウント21、22及び23を介して第1上面61tに配置される。このとき、第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rは、X1軸方向に等間隔に配置される。図2に示されるように、第1上面61tにアライメントマークAmが形成され、アライメントマークAmに合わせて、各半導体レーザ素子が位置決めされてもよい。
以下、第1半導体レーザ素子11について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る第1半導体レーザ素子11の構成を示す斜視図である。図4は、本実施の形態に係る第1半導体レーザ素子11の構成及び実装態様を示す模式的な側面図である。図4には、サブマウント21を介して第1上面61t上に配置された第1半導体レーザ素子11の出射面11e側の面が示されている。
図3及び図4に示されるように、第1半導体レーザ素子11は、直方体状の形状を有し、サブマウント21に実装される。図4に示されるように、第1半導体レーザ素子11は、n側電極11enと、n側半導体層11nと、活性層11aと、p側半導体層11pと、p側電極11epと、電流ブロック層11iとを有する。
n側電極11enは、n側半導体層11nに接続される電極である。n側半導体層11nは、n型の半導体層を主に含む層である。図4に示される例では、n側半導体層11nは、n型半導体からなる基板を含む。活性層11aは、第1半導体レーザ素子11の発光層である。p側半導体層11pは、p型の半導体層を主に含む層である。p側電極11epは、p側半導体層11pに接続される電極である。電流ブロック層11iは、電流狭窄のための絶縁層である。
本実施の形態では、第1半導体レーザ素子11は、サブマウント21にジャンクションダウン実装される。つまり、n型基板から遠い側のp側電極11epが、サブマウント21上に形成された電極21pに接続される。一方、n側電極11enは、図3に示されるように、サブマウント21上に形成された電極21nとボンディングワイヤ21wを介して接続される。サブマウント21上に形成され、互いに絶縁された電極21p及び21nには、それぞれ高電位及び低電位が印加される。これにより、第1半導体レーザ素子11に電圧が印加され、第1発光点11rから第1レーザ光L11が出射される。ここで、第1レーザ光L11のファスト軸方向及びスロー軸方向は、それぞれY1軸及びX1軸に平行な方向となる。
なお、第2半導体レーザ素子12及び第3半導体レーザ素子13についても、第1半導体レーザ素子11と同様に、それぞれ、サブマウント22及び23に実装される。
第1半導体レーザ素子11、第2半導体レーザ素子12及び第3半導体レーザ素子13は、それぞれ、同一の構成を有していてもよいし、異なる構成を有していてもよい。例えば、各半導体レーザ素子は、互いに異なる材料で形成された半導体層を有し、互いに異なる波長のレーザ光を出射してもよい。本実施の形態では、各半導体レーザ素子は、いずれも紫外又は青色の波長帯域のレーザ光を出射する窒化物系半導体レーザ素子である。図2に示されるように、各半導体レーザ素子の共振器長L1は、例えば、4.0mm程度であり、各半導体レーザ素子の幅(図2のX1軸方向の寸法)W1は、例えば、0.4mm程度である。また、隣り合う発光点間の距離D1は、例えば、3.5mm程度である。このように、距離D1が比較的大きい場合には、第1ベース61の第1角度θ1が小さくても発光点間の高さの差を大きくできる。本実施の形態のように、距離D1が3.5mm以上である場合には、第1角度θ1は、3度以上12度以下であってもよい。
サブマウント21〜23は、半導体レーザ素子が実装される部材である。本実施の形態では、サブマウント21は、図3及び図4に示されるように、板状の形状を有し、上面に電極21p及び21nが形成される。サブマウント21は、例えば、ダイヤモンド基板やSiC基板やAlN基板などの熱伝導率が高く、絶縁性の材料で形成される。図示しないが、サブマウント22及び23についても、サブマウント21と同様の構成を有する。各サブマウントの長さ(各半導体レーザ素子の共振器長方向の長さ)L2、及び、幅(図2のX1軸方向の寸法)W2は、例えば、それぞれ、4.5mm程度、及び、2.0mm程度である。
図4に示すように、サブマウント21の幅方向、第1半導体レーザ素子11の幅方向、及び、第1半導体レーザ素子11の第1発光点11rの長手方向は、底面93bに対して、第1角度θ1で傾いている。
第1偏向素子51は、第1発光点11rから出射される第1レーザ光L11を偏向する素子である。本実施の形態では、第1偏向素子51は、ミラーであり、図2に示されるように、第1レーザ光L11を底面93bに平行な面内において約90度偏向して、第1偏向光L21とする。より具体的には、第1偏向素子51は、底面93bに垂直な平面状の反射面51rを有する平面ミラーであり、反射面51rは、第1レーザ光L11に対して45度傾けられている。
第2偏向素子52は、第2発光点12rから出射される第2レーザ光L12を偏向する素子である。本実施の形態では、第2偏向素子52は、ミラーであり、図2に示されるように、第2レーザ光L12を底面93bに平行な面内において約90度偏向して、第2偏向光L22とする。より具体的には、第2偏向素子52は、底面93bに垂直な平面状の反射面52rを有する平面ミラーであり、反射面52rは、第2レーザ光L12に対して45度傾けられている。
第3偏向素子53は、第3発光点13rから出射される第3レーザ光L13を偏向する素子である。本実施の形態では、第3偏向素子53は、ミラーであり、図2に示されるように、第3レーザ光L13を底面93bに平行な面内において約90度偏向して、第3偏向光L23とする。より具体的には、第3偏向素子53は、底面93bに垂直な平面状の反射面53rを有する平面ミラーであり、反射面53rは、第3レーザ光L13に対して45度傾けられている。
本実施の形態では、各偏向素子は、反射面51rと反射面52rとのX1軸方向の間隔が、反射面52rと反射面53rとのX1軸方向の間隔に等しくなるように、第1上面61t上に配置される。例えば、第1上面61tと接する各反射面の辺が、平行に等間隔に配置されることをいう。この場合、各偏向素子の第1上面61tと対向する面は、底面93bに対して傾斜している。各偏向素子の形状は、直方体の下方を第1上面61tで切り取った切頭四角柱である。また、第1偏向素子51が配置される第1上面61t上の位置における底面93bからの距離は、第2偏向素子52が配置される第1上面61t上の位置における底面93bからの距離よりも大きい。また、第2偏向素子52が配置される第1上面61t上の位置における底面93bからの距離は、第3偏向素子53が配置される第1上面61t上の位置における底面93bからの距離よりも大きい。
各偏向素子の構成については、後で詳述する。
第1集光素子71は、第1偏向光L21及び第2偏向光L22の光路上に配置され、第1偏向光L21及び第2偏向光L22を集光する素子である。本実施の形態では、第1集光素子71は、第3偏向光L23も集光する。第1集光素子71は、例えば、球面レンズである。第1集光素子71によって第1偏向光L21、第2偏向光L22及び第3偏向光L23をより狭い領域に収束させることができる。本実施の形態では、第1集光素子71は、光ファイバ80の一方の端面81と各偏向素子との間の底面93b上に設置され、第1集光素子71により、これらの偏向光を光ファイバ80の一方の端面81に収束させることができる。
ファスト軸コリメータレンズ31、32及び33は、それぞれ、第1レーザ光L11、第2レーザ光L12及び第3レーザ光L13の第1上面61tと垂直な方向(図2のY1軸方向)の発散を減少させるレンズであり、X1軸方向に等間隔で配置される。ファスト軸コリメータレンズ31、32及び33が同一形状の場合、例えば、それぞれ第1レーザ光L11、第2レーザ光L12及び第3レーザ光L13を入射する平面の第1集光素子71側の第1上面61t側の角部が等間隔で配置されてもよい。また、例えば、ファスト軸コリメータレンズ31、32のスペースとファスト軸コリメータレンズ32、33のスペースとが同じ大きさであってもよい。ファスト軸コリメータレンズ31、32及び33として、各レーザ光の光軸方向に平行で、かつ、第1上面61tに垂直な断面において曲率を有するコリメータレンズを用いることができる。ファスト軸コリメータレンズ31、32及び33として、例えば、シリンドリカルレンズなどの非球面レンズを用いることができる。
ファスト軸コリメータレンズ31は、第1発光点11rと、第1偏向素子51との間に配置され、かつ、第1レーザ光L11をコリメートする第2集光素子に含まれる素子の一例である。ファスト軸コリメータレンズ32は、第2発光点12rと、第2偏向素子52との間に配置され、かつ、第2レーザ光L12をコリメートする第2集光素子に含まれる素子の一例である。ファスト軸コリメータレンズ33は、第3発光点13rと、第3偏向素子53との間に配置され、かつ、第3レーザ光L13をコリメートする第2集光素子に含まれる素子の一例である。
以下、本実施の形態に係るファスト軸コリメータレンズ31〜33の詳細な構成について、図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態に係るファスト軸コリメータレンズ31の構成を示す模式的な側面図である。図5には、第1上面61t、第1半導体レーザ素子11及びサブマウント21も併せて示されている。図5に示されるように、ファスト軸コリメータレンズ31は、第1レーザ光L11の光軸方向(図5のZ軸方向)に平行で、かつ、第1上面61tに垂直な断面において曲率を有するシリンドリカル平凸レンズである。ファスト軸コリメータレンズ31と第1上面61tの間に、スペーサー30Sが配置される。スペーサー30Sにより、ファスト軸コリメータレンズ31の高さ調整を容易に行うことができる。
なお、ファスト軸コリメータレンズ32及び33についても、ファスト軸コリメータレンズ31と同様の構成を有する。
ここで、図5に示される例における第1レーザ光L11のビーム径の一例について説明する。例えば、第1レーザ光L11のファスト軸方向(図5のY1軸方向)におけるニアフィールドパターンのビーム径が2μmであり、広がり角が55度である場合について説明する。ファスト軸コリメータレンズ31の中心厚さLtが0.30mmであって、第1半導体レーザ素子11の出射面11eからファスト軸コリメータレンズ31の平面までの距離Lgを0.1mmとすると、ファスト軸コリメータレンズ31によってコリメートされた第1レーザ光L11のY1軸方向におけるビーム径Dfは、0.29mm程度となる。なお、ファスト軸コリメータレンズ31の曲面は、第1レーザ光L11をコリメートし得る非球面の形状を有すると仮定している。
スロー軸コリメータレンズ41、42及び43は、それぞれ、第1レーザ光L11、第2レーザ光L12及び第3レーザ光L13の第1上面61tと平行な方向(図2のX1軸方向)の発散を減少させるレンズであり、X1軸方向に等間隔で配置される。スロー軸コリメータレンズ41、42及び43が同一形状の場合、例えば、それぞれ第1レーザ光L11、第2レーザ光L12及び第3レーザ光L13を入射する平面の第1集光素子71側の第1上面61t側の角部が等間隔で配置されてもよい。また、例えば、スロー軸コリメータレンズ41及び42の間隔と、スロー軸コリメータレンズ42及び43の間隔とが同じであってもよい。スロー軸コリメータレンズ41、42及び43として、各レーザ光の光軸方向に平行で、かつ、第1上面61tに平行な断面において曲率を有するコリメータレンズを用いることができる。スロー軸コリメータレンズ41、42及び43として、例えば、シリンドリカルレンズなどの非球面レンズを用いることができる。スロー軸コリメータレンズ41、42及び43の各々は、第2集光素子に含まれる素子の一例である。
以下、本実施の形態に係るスロー軸コリメータレンズ41〜43の詳細な構成について、図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態に係るスロー軸コリメータレンズ41の構成を示す模式的な平面図である。図6には、第1上面61tの平面視における平面図が示されている。また、図6には、第1半導体レーザ素子11、サブマウント21及びファスト軸コリメータレンズ31も併せて示されている。図6に示されるように、スロー軸コリメータレンズ41は、第1レーザ光L11の光軸方向(図6のZ軸方向)に平行で、かつ、第1上面61tに平行(つまり、ZX1平面に平行)な断面において曲率を有するシリンドリカル平凸レンズである。なお、スロー軸コリメータレンズ42及び43についても、スロー軸コリメータレンズ41と同様の構成を有する。
ここで、図6に示される例における第1レーザ光L11のビーム径の一例について説明する。例えば、第1レーザ光L11のスロー軸方向(図6のX1軸方向)におけるニアフィールドパターンのビーム径が30μmであり、広がり角が25度である場合について説明する。スロー軸コリメータレンズ41の中心厚さが1.5mmであって、第1レーザ光L11の光軸方向(Z軸方向)における第1半導体レーザ素子11の出射面11eからスロー軸コリメータレンズ41の曲面までの距離Lsを6.0mmとすると、スロー軸コリメータレンズ41によってコリメートされた第1レーザ光L11のX1軸方向におけるビーム径Dsは、2.3mm程度となる。なお、スロー軸コリメータレンズ41の曲面は、第1レーザ光L11をコリメートし得る非球面の形状を有すると仮定している。
以上のように、本実施の形態では、第2集光素子が、各ファスト軸コリメータレンズと各スロー軸コリメータレンズとを含む。これにより、各レーザ光をファスト軸方向及びスロー軸方向の両方向においてコリメートできる。
本実施の形態では、コリメートされた各レーザ光の断面形状も、ニアフィールドパターンと同様に、細長い形状を有し、長手方向は、ニアフィールドパターンの長手方向と同一の方向となる。
また、本実施の形態では、第2集光素子は、ファスト軸コリメータレンズ31〜33及びスロー軸コリメータレンズ41〜43を有し、各レーザ光をコリメートする。これにより、各レーザ光のビーム径を所定の値に維持できるため、各レーザ光が第1上面などと干渉することを抑制できる。また、各偏向素子の寸法をビーム径に合わせる必要があるため、ビーム径を維持することで、各偏向素子の大型化を抑制できる。
また、本実施の形態においては、図1及び図2に示されるように、スロー軸コリメータレンズ41は、ファスト軸コリメータレンズ31と第1偏向素子51との間に配置される。また、スロー軸コリメータレンズ42は、ファスト軸コリメータレンズ32と第2偏向素子52との間に配置される。また、スロー軸コリメータレンズ43は、ファスト軸コリメータレンズ33と第3偏向素子53との間に配置される。このように、各ファスト軸コリメータレンズを各スロー軸コリメータレンズよりも発光点に近い位置に配置することで、発散角度が大きいファスト軸方向のビーム径を低減できる。
光ファイバ80は、筐体90に接続された導光部材である。図1に示されるように、光ファイバ80の一方の端面81が筐体90の内部に配置される。本実施の形態では、第1集光素子71によって、端面81に第1偏向光L21、第2偏向光L22及び第3偏向光L23が集光される。光ファイバ80の端面81に集光された第1偏向光L21、第2偏向光L22及び第3偏向光L23は、光ファイバ80内を伝搬し、光ファイバ80の他方の端面82から出射される。このように、本実施の形態においては、第1偏向光L21、第2偏向光L22及び第3偏向光L23を一つの光ファイバ80で筐体の外部に伝搬できる。本実施の形態に係る半導体レーザモジュール1は、以上のような構成を有することから、レーザ加工装置として利用できる。これにより、複数のレーザ光を集光して一つの光ファイバから出射できる高出力のレーザ加工装置を実現できる。
[1−2.作用及び効果]
次に、本実施の形態に係る半導体レーザモジュール1の主な作用及び効果について比較例と比較しながら図7〜図10を用いて説明する。図7は、比較例に係る半導体レーザモジュールの構成を示す模式的な側面図である。図7には、比較例に係る半導体レーザモジュールのベース1061、半導体レーザ素子1011〜1013、サブマウント1021〜1023及び底面1093bが示されている。
比較例に係る半導体レーザモジュールにおいては、図7に示されるように、底面1093b上に配置された階段状の支持部1061tを有するベース1061にサブマウント1021〜1023を介して半導体レーザ素子1011〜1013が実装されている。このような構成においては、各半導体レーザ素子の実装面の高さが異なるため、実装がむずかしい。また、階段状の支持部1061tの高さの製造誤差が発生し得るため、当該製造誤差を考慮して光学系などの設計を行う必要がある。加えて、ベース1061の形状が複雑なため、ベース1061の製造も困難である。
一方、本実施の形態では、図1及び図2に示されるように、第1半導体レーザ素子11、第2半導体レーザ素子12及び第3半導体レーザ素子13を平面状の第1上面61tに実装することができる。また、第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rの各々のニアフィールドパターンの長手方向は、第1ベース61の第1上面61tと平行である。ここで、各発光点のニアフィールドパターンについて図8を用いて説明する。図8は、本実施の形態に係る半導体レーザモジュール1の構成の特徴を示す模式図である。図8においては、第1レーザ光L11、第2レーザ光L12及び第3レーザ光L13のそれぞれのニアフィールドパターンNFP1、NFP2及びNFP3の形状、位置及び傾斜の概要が示されている。
図8に示されるように、第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rのそれぞれのニアフィールドパターンNFP1、NFP2及びNFP3の長手方向は、第1ベース61の第1上面61tと平行である。ここで、一般に、各発光点のニアフィールドパターンの長手方向は、各半導体レーザ素子の半導体層の積層方向と垂直であり、積層方向は、半導体レーザ素子の基板の主面に垂直である。このため、各発光点のニアフィールドパターンの長手方向を第1上面61tと平行とすることで、各半導体レーザ素子の基板の主面と第1上面61tとが平行になるように、各半導体レーザ素子を実装できる。したがって、各半導体レーザ素子の第1上面への実装を容易化できる。
また、図8に示されるように、第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rは、第1上面61tと平行な同一の平面P0上に位置する。これにより、各発光点の第1上面61tからの高さを同一に揃えることができる。
このように、各半導体レーザ素子を同一面上に実装でき、かつ、各半導体レーザ素子の基板と実装面である第1上面61tとを平行に実装することができるため、本実施の形態における半導体レーザモジュールでは、比較例に係る半導体レーザモジュールより実装を容易化できる。本実施の形態では、例えば、実装の際に第1ベース61の第1上面61tが水平となるように、第1ベース61を支持した状態に維持することで、平板状の実装基板に実装する際と同様に、容易に実装を行うことができる。
続いて、本実施の形態に係る半導体レーザモジュール1における各レーザ光の光路などについて図8〜図10を用いて説明する。図9は、本実施の形態に係る半導体レーザモジュール1の各偏向素子付近における各レーザ光の光路などを示す図である。図9においては、各偏向光の下流側から各偏向素子などを見た図が示されている。言い換えると、図9には、第1集光素子71から各偏向光の光路に平行な方向に各偏向素子を見た図が示されている。図10は、本実施の形態に係る光ファイバ80の一方の端面81に入射される各偏向光の断面形状を示す図である。図10においては、光ファイバ80の他方の端面82側から一方の端面81を見た場合の各偏向光の断面形状が示されている。また、図10には、各偏向光の断面形状の長手方向に平行なAS軸と、AS軸に垂直なAF軸とが併せて示されている。
本実施の形態に係る半導体レーザモジュール1においては、図8に示されるように、第1発光点11rの底面93bからの距離H1は、第2発光点12rの底面93bからの距離H2よりも大きい。また、第2発光点12rの底面93bからの距離H2は、第3発光点13rの底面93bからの距離H3よりも大きい。このように、各発光点の底面93bからの距離を異ならせることで、各レーザ光を底面93bに平行な方向に伝搬させる場合に、各レーザ光が重なることを抑制できる。また、各偏向素子によって、各レーザ光を底面93bと平行な方向に偏向することにより、各レーザ光を底面93bに垂直な方向に束ねることが可能となる。
また、図8に示されるように、各ニアフィールドパターンの長手方向は、第1ベース61の第1上面61tと平行である。また、図5及び図6を用いて説明したように、コリメートされた各レーザ光も各ニアフィールドパターンと同様に第1上面61tに平行な方向に長手方向を有する細長い断面形状を有する。このため、各偏向素子において、各レーザ光の断面形状の長手方向も第1上面61tと平行である。したがって、各偏向素子で偏向された各偏向光の断面形状の長手方向は、図9に示されるように、底面93bに対して第1角度θ1で傾斜している。
このような状態で各偏向素子で偏向された各偏向光は、図10に示されるように、第1集光素子71によって細長い形状に集光され、細長い形状の長手方向(図10のAS軸方向)は、底面93bに対して第1角度θ1で傾斜する。
また、上述したとおり、各半導体レーザ素子から出射されたレーザ光は、底面93bと平行に伝搬する。これにより、各レーザ光の底面93bからの距離を一定に維持できる。ここで、各発光点の底面93bからの距離が異なることから、各レーザ光が底面93bと平行に伝搬することで、各レーザ光が互いに重なること、及び、各レーザ光が底面93bと干渉することを抑制できる。また、各レーザ光のニアフィールドパターンの長手方向の傾斜が第1角度θ1である場合には、各レーザ光が底面93bと平行に伝搬することで、各レーザ光が、第1上面61tから一定の距離を保ったまま伝搬できる。
また、図8に示されるように、本実施の形態においては、各偏向光は、底面93bと平行に伝搬する。このように、各偏向光が底面93bと平行に伝搬することで、各偏向光が底面93bと干渉することを抑制できる。また、本実施の形態では、各偏向光の底面93bからの距離が異なるため、各偏向光が互いに重なることを抑制できる。また、図8及び図9に示されるように、第1偏向光L21は、第2偏向光L22の上方を底面93bと平行に伝搬し、第2偏向光L22は、第3偏向光L23の上方を底面93bと平行に伝搬する。これにより、各偏向光を高さ方向に配列させることが可能となる。
[1−3.変形例1]
次に、本実施の形態の変形例1に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本変形例に係る半導体レーザモジュールは、各偏向素子の形状において、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール1と相違し、その他の点において一致する。以下、本変形例に係る半導体レーザモジュールについて、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール1との相違点を中心に図11A〜図12を用いて説明する。
図11A、図11B及び図11Cは、それぞれ、本変形例に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子の形状を示す第1の側面図、平面図及び第2の側面図である。図11Aにおいては、各偏向光の下流側からX軸方向に各偏向素子などを見た図が示されている。図11Bにおいては、第1上面61tの平面視における各偏向素子などの平面図が示されている。図11Cにおいては、各レーザ光の上流側からZ軸方向に各偏向素子などを見た図が示されている。なお、図11Cにおいては、各偏向素子と、第1ベース61と底面93bだけが示されており、各半導体レーザ素子、各スロー軸コリメータレンズなどの図示は省略されている。
図11Bに示されるように、本変形例に係る第1偏向素子51a、第2偏向素子52a及び第3偏向素子53aの配置位置は、それぞれ、図2に示される実施の形態1に係る第1偏向素子51、第2偏向素子52及び第3偏向素子53の配置位置と同様である。図11A及び図11Cに示されるように、本変形例に係る第1偏向素子51a、第2偏向素子52a及び第3偏向素子53aは、それぞれの上面51at、52at及び53at付近の形状において、図9に示される実施の形態1に係る各偏向素子と相違する。ここで、各上面は、各偏向素子の表面のうち、第1上面61tと接しない面である。言い換えると、各偏向素子の上面は、各偏向素子の表面のうち、底面93bからの距離が最も大きい面である。本変形例においては、各偏向素子の上面と反射面とが接する辺が、偏向光の断面形状の傾斜に沿って、つまり、第1上面61tの傾斜に平行に形成されており、また、各偏向素子の底面と反射面の接する辺と平行に形成されている。これにより、各偏向素子の上方を伝搬する偏向光が、各偏向素子と干渉することをより一層確実に抑制できる。言い換えると、各偏向光の底面93bからの距離の差が小さい場合にも、各偏向光と各偏向素子との干渉を抑制できる。
ここで、本変形例に係る第1偏向素子51aの形状について、図12を用いて説明する。図12は、本変形例に係る第1偏向素子51aの形状を示す図である。図12には、第1偏向素子51aの上面図(a)と、側面図(b)〜(d)と、底面図(e)とが示されている。図12の側面図(c)は、第1偏向素子51aを、その反射面51arに垂直な方向から見た図である。ここで、側面図(c)のX軸方向とZ軸方向は紙面の奥に45度斜め方向に向かう方向である。側面図(b)のX軸方向は紙面の奥に45度斜め方向に向かう方向で、Z軸方向は紙面の手前に45度斜め方向に向かう方向である。側面図(d)のX軸方向は紙面の手前に45度斜め方向に向かう方向で、Z軸方向は紙面の奥に45度斜め方向に向かう方向である。第1偏向素子51aの底面51abは、水平方向(底面93bと平行な方向)に対して、最大傾斜の方向(X軸方向)に向かって角θ1で上方に傾斜するように形成されている。側面図(b)に示されるように、反射面51arから反射面51arと反対側の面に向かって、第1偏向素子51aの底面51abは、水平方向(底面93bと平行な方向)に対して、反射面51arと垂直な方向において、角θ3で上方に傾斜するように形成されている。また、側面図(c)に示されるように、反射面51arと底面51abの接する辺は、水平方向に対して角θ3で上方に傾斜するように形成されている。これにより、第1上面61tの最大傾斜方向に対して反射面51arを45°回転させて、第1上面61tに第1偏向素子51aを設置した場合に、底面93bに対して垂直になるように、反射面51arを設置することができる。また、反射面51arから反射面51arと反対側の面に向かって、第1偏向素子51aの上面51atは、水平方向に対して角θ3で下方に傾斜するように形成されている。これによって、第2偏向素子52aで偏向された偏向光と上面51atとの干渉を抑制できる。ここで角θ3は、本変形例において、以下の式(1)で表される。
Figure 2020194799
第2偏向素子52aの上面52at及び底面52ab、並びに、第3偏向素子53aの上面53at及び底面53abについても、第1偏向素子51aと同様の構成であればよい。これにより、各偏向光と各偏向素子との干渉を抑制できる。
[1−4.変形例2]
次に、本実施の形態の変形例2に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本変形例に係る半導体レーザモジュールは、各偏向素子が配置されるベースの構成において変形例1に係る半導体レーザモジュールと相違し、その他の点において一致する。以下、本変形例に係る半導体レーザモジュールについて、変形例1に係る半導体レーザモジュールとの相違点を中心に図13を用いて説明する。
図13は、本変形例に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子が配置される第2ベース62の構成を示す側面図である。図13においては、各偏向光の下流側から第2ベース62を見た図が示されている。
本変形例に係る半導体レーザモジュールは、図13に示されるように、底面93bに配置され、第2上面62tを有する第2ベース62を備える。本実施の形態では、第2上面62tは、底面93bに対して傾斜している。第2上面62tの傾斜角度は特に限定されないが、本実施の形態では、第2上面62tは、底面93bに対して、第1上面61tと同様に、第1角度θ1で傾斜している。これにより、第1上面61t及び第2上面62tの傾斜角を揃えることができるため、各素子の設計及び位置決めを容易化できる。また、第2上面62tが底面93bに対して傾斜しているため、各偏向素子の第2上面62tと対向する面は、底面93bに対して傾斜している。
第2ベース62を形成する材料は、特に限定されないが、例えば、アルミウムや銅などの熱伝導率が高い材料であってもよい。
第2ベース62の第2上面62tには、第1偏向素子51a、第2偏向素子52a及び第3偏向素子53aが配置される。第2ベース62の第2上面62tが上述のとおり傾斜していることから、第1偏向素子51aが配置される第2上面62t上の位置における底面93bからの距離は、第2偏向素子52aが配置される第2上面62t上の位置における底面93bからの距離よりも大きい。また、第2偏向素子52aが配置される第2上面62t上の位置における底面93bからの距離は、第3偏向素子53aが配置される第2上面62t上の位置における底面93bからの距離よりも大きい。これにより、各偏向素子を底面93bに直接配置する場合より、各偏向素子を小型化でき、かつ、各偏向素子の寸法の差を低減できる。なお、各偏向素子の形状は、変形例1と同じである。
以上のように、本変形例に係る半導体レーザモジュールにおいては、第1ベース61と第2ベース62とを備えることで、各ベースを小型化でき、かつ、各ベースの構成の自由度を高めることができる。なお、第1ベース61と第2ベース62とは一体に形成されていてもよい。これにより、各半導体レーザ素子と各偏向素子との位置ずれを抑制できる。
[1−5.変形例3]
次に、本実施の形態の変形例3に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本変形例に係る半導体レーザモジュールは、第2ベース及び各偏向素子の形状において、変形例2に係る半導体レーザモジュールと相違し、その他の点において一致する。以下、本変形例に係る半導体レーザモジュールについて、変形例2に係る半導体レーザモジュールとの相違点を中心に図14を用いて説明する。
図14は、本変形例に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子及び第2ベース62bの構成を示す側面図である。図14においては、各偏向光の下流側から第2ベース62bを見た図が示されている。
図14に示されるように、本変形例に係る半導体レーザモジュールは、底面93bに配置された第2ベース62bを備える。第2ベース62bは、階段状の形状を有する。第2ベース62bは、底面93bと平行で、底面93bからの距離が互いに異なる三つの支持面62t1、62t2及び62t3を有する。底面93bから各支持面までの距離は、支持面62t1、62t2及び62t3の順に小さくなる。支持面62t1、62t2及び62t3には、それぞれ、第1偏向素子51a1、第2偏向素子52a1及び第3偏向素子53a1が配置される。図14において、第1ベース61と第2ベース62bとは離間して配置されているが、第1偏向素子51a、第2偏向素子52a及び第3偏向素子53aが所望の位置に配置されるのであれば、離間せずに接合していてもよい。
本実施の形態に係る第1偏向素子51a1、第2偏向素子52a1及び第3偏向素子53a1は、第2ベース62bの各支持面と対向する面の形状において変形例1に係る第1偏向素子51a、第2偏向素子52a及び第3偏向素子53aとそれぞれ相違する。本変形例に係る各偏向素子の各支持面と対向する面は、底面93bと平行な平面である。
以上のように、本変形例に係る半導体レーザモジュールにおいては、第1ベース61と第2ベース62bとを備えることで、各ベースを小型化でき、かつ、各ベースの構成の自由度を高めることができる。なお、第1ベース61と第2ベース62bとは一体に形成されていてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態に係る半導体レーザモジュールは、主に各偏向素子の配置において、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール1と相違する。以下、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールについて、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール1との相違点を中心に図15〜図17を用いて説明する。
図15は、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールの第1上面61tの平面視における平面図である。なお、図15には示されないが、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールも、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール1と同様に、筐体90、光ファイバ80及び光ファイバ保持部84を備える。図16は、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子付近における各レーザ光の光路などを示す図である。図17は、本実施の形態に係る光ファイバ80の一方の端面81に入射される各偏向光の断面形状を示す図である。図17においては、光ファイバ80の他方の端面82側から一方の端面81を見た場合の各偏向光の断面形状が示されている。また、図17には、各偏向光の断面形状の長手方向に平行なAS軸と、AS軸に垂直なAF軸とが併せて示されている。
図15及び図16に示されるように、本実施の形態において、各偏向素子は、X1軸方向に第1集光素子71に遠い側から第1偏向素子51、第2偏向素子52及び第3偏向素子53の順に、反射面51rと反射面52rとの間隔が、反射面52rと反射面53rとの間隔と等しくなるように配置される。また、各偏向素子は、X1軸方向に第1集光素子71に遠い側から第1偏向素子51、第2偏向素子52及び第3偏向素子53の順に、各レーザ光の光軸方向(つまり、図15及び図16におけるZ軸方向)に、対応する半導体レーザ素子に近づくように配置される。すなわち、Z軸方向における、第1発光点11rと反射面51rの距離は、第2発光点12rと反射面52rの距離よりも大きく、第2発光点12rと反射面52rの距離は、第3発光点13rと反射面53rの距離よりも大きい。したがって、図17に示されるように、光ファイバ80の一方の端面81に入射される隣り合う偏向光のZ軸方向における間隔が等しくなる。
本実施の形態に係る半導体レーザモジュールにおいても、実施の形態に係る半導体レーザモジュールと同様の効果が奏される。
また、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールにおいては、例えば、第1偏向光L21と、第2偏向光L22とのZ軸方向の位置を異ならせることができるため、第2偏向素子52の位置を第1偏向光L21の光路から、ずらすことが可能となる。したがって、第1偏向光L21と第2偏向素子52との干渉を低減し得る。同様に、第1偏向光L21及び第2偏向光L22と第3偏向素子53との干渉を低減し得る。
また、本実施の形態では、各偏向光のZ軸方向位置を異ならせることができるため、光ファイバ80の一方の端面81における各偏向光のZ軸方向の位置を調整できる。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態に係る半導体レーザモジュールは、サブマウントと偏向素子の構成において、実施の形態2に係る半導体レーザモジュールと相違する。以下、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールについて、実施の形態2に係る半導体レーザモジュールとの相違点を中心に図18A〜図19を用いて説明する。
図18Aは、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールの第1上面61tの平面視における平面図である。図18B及び図18Cは、それぞれ、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールの各偏向素子の形状を示す第1の側面図及び第2の側面図である。図18Bにおいては、各偏向光の下流側からX軸方向に各偏向素子などを見た図が示されている。図18Cにおいては、各レーザ光の上流側からZ軸方向に各偏向素子などを見た図が示されている。なお、図18Cにおいては、各偏向素子と、第1ベース61と底面93bだけが示されており、各半導体レーザ素子、各スロー軸コリメータレンズなどの図示は省略されている。なお、図18A〜図18Cには示されないが、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールも、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール1と同様に、筐体90、光ファイバ80及び光ファイバ保持部84を備える。図19は、本実施の形態に係る各発光点の位置を示す側面図である。
図18A〜図18Cに示されるように、本実施の形態で用いた第1偏向素子51a、第2偏向素子52a及び第3偏向素子53aは、それぞれ、実施の形態1の変形例1で用いた第1偏向素子51a、第2偏向素子52a及び第3偏向素子53aと同一の形状を有する。本実施の形態で用いた各偏向素子は、実施の形態2と同様に、X1軸方向に第1集光素子71に遠い側から第1偏向素子51a、第2偏向素子52a及び第3偏向素子53aの順に、反射面51arと反射面52arとの間隔が、反射面52arと反射面53arとの間隔と等しくなるように配置される。また、各偏向素子は、X1軸方向に第1集光素子71に遠い側から第1偏向素子51a、第2偏向素子52a及び第3偏向素子53aの順に各レーザ光の光軸方向(つまり、図18A〜図18CにおけるZ軸方向)に対応する半導体レーザ素子に近づくように配置される。すなわち、Z軸方向における、第1発光点11rと反射面51arの距離は、第2発光点12rと反射面52arの距離よりも大きく、第2発光点12rと反射面52arの距離は、第3発光点13rと反射面53arの距離よりも大きい。
図18A〜図19に示されるように、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールにおいては、第1半導体レーザ素子11、第2半導体レーザ素子12及び第3半導体レーザ素子13が配置されるサブマウント120を備える。つまり、第1半導体レーザ素子11、第2半導体レーザ素子12及び第3半導体レーザ素子13が、一つのサブマウント120に実装される。
サブマウント120の形状は、特に限定されないが、直方体状であってもよい。サブマウントの長さL2、幅W2及び厚さは、例えば、それぞれ、4.5mm程度、10mm程度、及び、0.2mm程度である。
また、本実施の形態では、隣り合う発光点間の距離D1は、例えば、1mm以上3.5mm未満程度である。このように、距離D1がこの程度の場合には、第1ベース61の第1角度θ1がある程度大きい方が発光点間の高さの差を確保できる。本実施の形態のように、距離D1が1mm以上3.5mm未満程度である場合には、第1角度θ1は、4度以上18度以下であってもよい。
本実施の形態では、複数の半導体レーザ素子が共通のサブマウント120に配置されることにより、半導体レーザ素子間の位置ずれを低減できる。また、サブマウント120の実装工程を簡素化できる。このような単純な形状を有するサブマウント120に複数の半導体レーザ素子を配置することは、図7に示されるような、階段状の支持部を有するベース1061においては、不可能である。本実施の形態では、各半導体レーザ素子を、平面状の第1上面61tに配置することによって、このようなサブマウント120の利用を実現できる。
また、図19に示されるように、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールにおいても、実施の形態1に係る半導体レーザモジュールと同様に、第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rは、第1上面61tと平行な同一の平面P0上に位置する。これにより、各発光点の第1上面61tからの高さを同一に揃えることができる。
(実施の形態4)
実施の形態4に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態に係る半導体レーザモジュールは、複数の発光点を有する半導体レーザ素子を備える点などにおいて、実施の形態3に係る半導体レーザモジュールと相違する。以下、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールについて、実施の形態3に係る半導体レーザモジュールとの相違点を中心に図20A〜図21を用いて説明する。
図20Aは、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールの第1上面61tの平面視における平面図である。図20B及び図20Cは、本実施の形態に係る偏向素子アレイ150の形状を示す第1の側面図及び第2の側面図である。図20Bにおいては、各偏向光の下流側からX軸方向に各偏向素子などを見た図が示されている。図18Cにおいては、各レーザ光の上流側からZ軸方向に各偏向素子などを見た図が示されている。なお、図20Aには示されないが、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールも、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール1と同様に、筐体90、光ファイバ80及び光ファイバ保持部84を備える。図21は、本実施の形態に係る各発光点の位置を示す側面図である。
図20A及び図21に示されるように、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールは、第1ベース61と、半導体レーザ素子110と、サブマウント120と、ファスト軸コリメータレンズ130及びスロー軸コリメータレンズアレイ140と、偏向素子アレイ150と、第1集光素子71とを備える。本実施の形態に係る第1ベース61の側面(Z軸方向視における側面)は、台形である。また、図20A〜図21には示されないが、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールは、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール1と同様に、筐体90、光ファイバ80及び光ファイバ保持部84をさらに備える。
本実施の形態に係る半導体レーザ素子110は、第1ベース61の第1上面61tに配置され、第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rを有する。つまり、半導体レーザ素子110は、マルチエミッタ型の半導体レーザ素子である。半導体レーザ素子110の寸法などは特に限定されないが、半導体レーザ素子110における隣り合う発光点間の距離D1は、例えば1mm程度であり、共振器長L1は、4mm程度である。本実施の形態では、半導体レーザ素子110は、サブマウント120を介して第1上面61tに配置される。
本実施の形態では、隣り合う発光点間の距離D1は、1mm程度であり、比較的小さい。このように、距離D1が比較的小さい場合には、発光点間の高さの差を確保するために、第1ベース61の第1角度θ1を大きくする必要がある。本実施の形態のように、距離D1が1mm以下程度である場合には、第1角度θ1は、6度以上57度以下であってもよい。
図21に示されるように、本実施の形態においても、実施の形態1に係る半導体レーザモジュールと同様に、第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rは、第1上面61tと平行な同一の平面P0上に位置する。これにより、各発光点の第1上面61tからの高さを同一に揃えることができる。
また、図示しないが、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールにおいても、実施の形態1に係る半導体レーザモジュールと同様に、第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rのそれぞれのニアフィールドパターンNFP1、NFP2及びNFP3の長手方向は、第1ベース61の第1上面61tと平行である。
このように、本実施の形態に係る半導体レーザ素子110によれば、一つの半導体レーザ素子だけをサブマウント120に実装すればよいため、複数の半導体レーザ素子を個別にサブマウント120に実装する場合より、実装工程を簡素化できる。また、本実施の形態に係る半導体レーザ素子110によれば、発光点間の位置ずれを低減できる。
本実施の形態に係るファスト軸コリメータレンズ130は、第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rからそれぞれ出射される第1レーザ光L11、第2レーザ光L12及び第3レーザ光L13のファスト軸方向(第1上面61tと垂直な方向)における発散を低減するレンズである。ファスト軸コリメータレンズ130として、各レーザ光の光軸方向に平行で、かつ、第1上面61tに垂直な断面において曲率を有するコリメータレンズを用いることができる。ファスト軸コリメータレンズ130として、例えば、シリンドリカルレンズなどの非球面レンズを用いることができる。ファスト軸コリメータレンズ130は、各レーザ光のファスト軸方向をコリメートする第2集光素子の一例である。本実施の形態では、発光点間の距離D1が1mm程度と小さく、かつ、発光点間の相対的な位置ずれが低減されるため、一つのファスト軸コリメータレンズ130を用いてコリメートできる。これにより、半導体レーザモジュールの構成を簡素化でき、かつ、光軸調整などの調整工程も簡素化できる。
スロー軸コリメータレンズアレイ140は、第1レーザ光L11、第2レーザ光L12及び第3レーザ光L13の第1上面61tと平行な方向(図2のX1軸方向)の発散を減少させるレンズである。スロー軸コリメータレンズアレイ140は、三つのスロー軸コリメータレンズ141、142及び143が第1発光点11r、第2発光点12r及び第3発光点13rの配列方向に配列されて一体化されたレンズアレイである。スロー軸コリメータレンズ141、142及び143は、それぞれ、第1レーザ光L11、第2レーザ光L12及び第3レーザ光L13をコリメートする第2集光素子の一例である。本実施の形態では、発光点間の位置ずれが低減されるため、三つのスロー軸コリメータレンズ141、142及び143を一体化できる。これにより、半導体レーザモジュールの構成を簡素化でき、かつ、光軸調整などの調整工程も簡素化できる。
偏向素子アレイ150は、図20B及び図20Cに示されるように筐体90の底面93bに直接配置され、図20Aに示されるように第1レーザ光L11、第2レーザ光L12及び第3レーザ光L13を偏向する素子である。偏向素子アレイ150は、第1偏向素子151、第2偏向素子152及び第3偏向素子153が一体化されたアレイである。本実施の形態では、各偏向素子は、ミラーであり、図20Aに示されるように、各レーザ光を底面93bに平行な面内において約90度偏向して、各偏向光とする。より具体的には、各偏向素子は、底面93bに垂直な平面状の反射面を有する平面ミラーであり、反射面は、第1レーザ光L11に対して45度傾けられている。
本実施の形態では、偏向素子アレイ150は、階段状の形状を有する。偏向素子アレイ150の階段状の形状の各段部に各偏向素子が配置されることによって、各偏向素子は一体化されている。なお、第1偏向素子151、第2偏向素子152及び第3偏向素子153を一体化する構成は、特に限定されない。例えば、第1偏向素子151、第2偏向素子152及び第3偏向素子153は、底面93bに対向して配置される板状部材で連結されることで一体化されてもよい。また、第1偏向素子151、第2偏向素子152及び第3偏向素子153は、第1ベース61の第1上面61tに配置されてもよい。この場合、第1偏向素子151、第2偏向素子152及び第3偏向素子153は、第1上面61tに対向して配置される板状部材で連結されることで一体化されてもよい。
本実施の形態に係る半導体レーザモジュールは、以上のような構成を有することにより、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール1と同様の効果が奏される。さらに、本実施の形態では、半導体レーザ素子110が各発光点を有することにより、発光点間の距離D1を低減できるため、半導体レーザモジュールの小型化が可能となる。具体的には、半導体レーザ素子110の出射面からファスト軸コリメータレンズ130までの距離は、例えば、0.03mm程度とすることができる。また、半導体レーザ素子110の出射面からスロー軸コリメータレンズアレイ140の出射面までの距離は、例えば、2.0mm程度とすることができる。
また、半導体レーザ素子110が各発光点を有することにより、発光点間の相対的な位置ずれを低減できる。これにより、例えば、各スロー軸コリメータレンズ間の位置調整が不要となるため、三つのスロー軸コリメータレンズを一体化できる。これにより、半導体レーザモジュールの構成を簡素化でき、かつ、光軸調整などの調整工程も簡素化できる。第1偏向素子151、第2偏向素子152及び第3偏向素子153についても、三つのスロー軸コリメータレンズと同様のことが言える。
(実施の形態5)
実施の形態5に係る半導体レーザモジュールについて説明する。本実施の形態に係る半導体レーザモジュールは、主に、偏向素子として屈折光学素子を用いる点において、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール1と相違する。以下、本実施の形態に係る半導体レーザモジュールについて、実施の形態1に係る半導体レーザモジュール1との相違点を中心に図22及び図23を用いて説明する。
図22及び図23は、本実施の形態に係る半導体レーザモジュール201の構成を示す斜視図及び上面図である。図23においては、底面93bの上面視における半導体レーザモジュール201の構成が示されている。
図22及び図23に示されるように、本実施の形態に係る半導体レーザモジュール201は、第1ベース61と、第1半導体レーザ素子11と、第2半導体レーザ素子12と、第1偏向素子251及び256と、第2偏向素子252及び257とを備える。本実施の形態では、半導体レーザモジュール201は、第3半導体レーザ素子13と、第3光学素子258と、ファスト軸コリメータレンズ31〜33と、スロー軸コリメータレンズ41〜43と、第1集光素子71と、光ファイバ保持部84と、光ファイバ80と、筐体90とを備える。なお、図22及び図23においては、筐体90のうち、底部93だけが示されており、側壁部92や天面部95は省略されている。
本実施の形態において、第1偏向素子251及び256と、第2偏向素子252及び257は、それぞれ、第1レーザ光L11及び第2レーザ光L12を屈折によって偏向する。第1偏向素子251、256、第2偏向素子252、257は、例えば、プリズムである。より具体的には、第1偏向素子251、256、第2偏向素子252、257は、例えば、入射面及び出射面を有する三角柱や四角柱などの多角柱のプリズムであり、当該入射面及び当該出射面は、底面93bと垂直である。そして、当該入射面と当該出射面とは鋭角をなし、楔型の形状を有する。
本実施の形態では、第3半導体レーザ素子13は、図23の上面図において、第1集光素子71の光軸上に配置される。そして、第3半導体レーザ素子13から出射された第3レーザ光L13は、偏向素子には入射しない。一方で、第1集光素子71の光軸上に配置されない第1半導体レーザ素子11及び第2半導体レーザ素子12からそれぞれ出射された第1レーザ光L11及び第2レーザ光L12は、各偏向素子により屈折され、図23の上面図において、第3レーザ光L13と光軸が重なるように各偏向素子が配置される。
上記構成において、第1レーザ光L11、第2レーザ光L12及び第3レーザ光L13は、底面93bに垂直な方向に対しては、重ならない。第1半導体レーザ素子11、第2半導体レーザ素子12及び第3半導体レーザ素子13から出射された、断面の長手方向が底面93bに対し所定の角度を有するレーザ光は、第1集光素子71によって光ファイバ80の端面81に細長い形状に集光される。そして、図10に示されるように、細長い形状の長手方向は、底面93bに対して第1角度θ1で傾斜するとともに、図面上下方向(つまり、底面93bに垂直な方向)に並んだ形状で配置される。
つまり、本実施の形態の偏向素子のように屈折光学素子を用いても、他の実施の形態と同様の効果を実現することができる。
より具体的には、第3光学素子258は、入射面及び出射面が、第1集光素子71の光軸に対して垂直なプリズム(例えば直方体状のプリズム)であり、底部93に固定される。第3半導体レーザ素子13から出射した第3レーザ光L13は、スロー軸コリメータレンズ43、第3光学素子258を通過し、第1集光素子71にて光ファイバ80の端面81に集光される。ここで、第3光学素子258は、第3レーザ光L13の光路長を調整する機能や、上部に配置する第2偏向素子257を固定する機能を有する。なお、第3光学素子258は、第3レーザ光L13が通過する部分が空隙(つまり開口)である開口形状のものでもよい。
本実施の形態においては、第1偏向素子251は三角柱のプリズムであり、入射面と出射面とのなす鋭角が、第1集光素子71の光軸に対して遠い側に向くように(つまり、第1集光素子71の光軸から遠ざかるほど第1偏向素子251の入射面と出射面との距離が小さくなるように)、第1偏向素子251は底部93に固定される。第1偏向素子256は、三角柱であり、入射面と出射面とのなす鋭角が、第1半導体レーザ素子11の光軸に対して遠い側に向くように、第2偏向素子257上に固定される。第1偏向素子251によって、第1レーザ光L11は、第1集光素子71の光軸に近づくように偏向され、第1偏向素子256によって、第1レーザ光L11は、第1集光素子71の光軸に並行に伝搬するように偏向され、第1集光素子71に入射する。
本実施の形態では、第2偏向素子252は四角柱のプリズムであり、底部93に固定される。第2偏向素子257は、例えば、三角柱のプリズムであり、第3光学素子258上に固定される。第2偏向素子252及び257によって、第2レーザ光L12は、第1レーザ光L11と同様に偏向され、第1集光素子71に入射する。
なお、第1偏向素子251及び第2偏向素子252は、第1上面61tに配置されてもよい。この場合、各偏向素子の第1上面61tと対向する面は、底面93bに対して傾斜するように形成される。
以上のような構成を有する本実施の形態に係る半導体レーザモジュールにおいても、実施の形態1と同様の効果が奏される。
(変形例など)
以上、本開示に係る半導体レーザモジュール及びレーザ加工装置について、各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記各実施の形態においては、半導体レーザモジュールが三つの発光点を有する例を示したが、発光点の個数は三つに限定されない。発光点の個数は、複数であればよい。
また、上記各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示の半導体レーザモジュールは、例えば、高出力かつ高効率な光源としてレーザ加工装置などに適用できる。
1、201 半導体レーザモジュール
11 第1半導体レーザ素子
12 第2半導体レーザ素子
13 第3半導体レーザ素子
11e 出射面
11r 第1発光点
12r 第2発光点
13r 第3発光点
21、22、 23、120、1021、1022、1023 サブマウント
21n、21p 電極
21w ボンディングワイヤ
30S スペーサー
31、32、33、130 ファスト軸コリメータレンズ
41、42、43、141、142、143 スロー軸コリメータレンズ
51、51a、51a1、151、251、256 第1偏向素子
51ab、52ab、53ab 底面
51at、52at、53at 上面
51r、52r、53r、51ar、52ar、53ar 反射面
52、52a、52a1、152、252、257 第2偏向素子
53、53a、53a1、153 第3偏向素子
61 第1ベース
61b 第1底面
61t 第1上面
62、62b 第2ベース
62t 第2上面
62t1、62t2、62t3 支持面
71 第1集光素子
80 光ファイバ
81、82 端面
84 光ファイバ保持部
90 筐体
91 本体
92 側壁部
93 底部
93b 底面
95 天面部
110、1011、1012、1013 半導体レーザ素子
140 スロー軸コリメータレンズアレイ
150 偏向素子アレイ
258 第3光学素子
1061 ベース
1061t 支持部
1093b 底面
NFP1、NFP2、NFP3 ニアフィールドパターン

Claims (25)

  1. 底面を有する筐体と、
    前記底面に配置され、第1上面を有する第1ベースと、
    前記第1上面に配置され、第1発光点を有する第1半導体レーザ素子と、
    前記第1上面に配置され、第2発光点を有する第2半導体レーザ素子と、
    前記第1発光点から出射される第1レーザ光を偏向する第1偏向素子と、
    前記第2発光点から出射される第2レーザ光を偏向する第2偏向素子とを備え、
    前記第1上面は、前記底面に対して0より大きい第1角度だけ傾斜しており、
    前記第1発光点の前記底面からの距離は、前記第2発光点の前記底面からの距離よりも大きく、
    前記第1発光点及び前記第2発光点の各々のニアフィールドパターンの長手方向は、前記第1上面と平行である
    半導体レーザモジュール。
  2. 底面を有する筐体と、
    前記底面に配置され、第1上面を有する第1ベースと、
    前記第1上面に配置され、第1発光点及び第2発光点を有する半導体レーザ素子と、
    前記第1発光点から出射される第1レーザ光を偏向する第1偏向素子と、
    前記第2発光点から出射される第2レーザ光を偏向する第2偏向素子とを備え、
    前記第1上面は、前記底面に対して0より大きい第1角度で傾斜しており、
    前記第1発光点の前記底面からの距離は、前記第2発光点の前記底面からの距離よりも大きく、
    前記第1発光点及び前記第2発光点の各々のニアフィールドパターンの長手方向は、前記第1上面と平行である
    半導体レーザモジュール。
  3. 前記第1角度は、57度より小さい
    請求項1又は2に記載の半導体レーザモジュール。
  4. 前記第1発光点及び前記第2発光点は、前記第1上面と平行な同一平面上に位置する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  5. 前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光は、前記底面と平行に伝搬する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  6. 前記第1偏向素子で偏向された第1偏向光及び前記第2偏向素子で偏向された第2偏向光は、前記底面と平行に伝搬する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  7. 前記第1偏向光は、前記第2偏向素子の上方を前記底面と平行に伝搬する
    請求項6に記載の半導体レーザモジュール。
  8. 前記第1偏向光及び前記第2偏向光を集光する第1集光素子をさらに備える
    請求項6又は7に記載の半導体レーザモジュール。
  9. 前記第1偏向光及び前記第2偏向光は、前記第1集光素子によって細長い形状に集光され、
    前記細長い形状の長手方向は、前記底面に対して、前記第1角度で傾斜する
    請求項8に記載の半導体レーザモジュール。
  10. 前記筐体に接続された光ファイバをさらに備え、
    前記第1偏向光及び前記第2偏向光は、前記筐体内部に配置された前記光ファイバの一方の端面に集光される
    請求項8又は9に記載の半導体レーザモジュール。
  11. 前記第1発光点と前記第1偏向素子との間に配置される第2集光素子を有する
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  12. 前記第2集光素子は、前記第1レーザ光をコリメートする
    請求項11に記載の半導体レーザモジュール。
  13. 前記第2集光素子は、
    前記第1レーザ光の前記第1上面と垂直な方向の発散を減少させるファスト軸コリメータレンズと、
    前記第1レーザ光の前記第1上面と平行な方向の発散を減少させるスロー軸コリメータレンズとを含み、
    前記スロー軸コリメータレンズは、前記ファスト軸コリメータレンズと前記第1偏向素子との間に配置される
    請求項12に記載の半導体レーザモジュール。
  14. 前記底面に配置され、第2上面を有する第2ベースをさらに備え、
    前記第2上面に、前記第1偏向素子及び前記第2偏向素子が配置される
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  15. 前記第2上面は、前記底面に対して傾斜している
    請求項14に記載の半導体レーザモジュール。
  16. 前記第2上面は、前記底面に対して前記第1角度で傾斜している
    請求項15に記載の半導体レーザモジュール。
  17. 前記第1ベースと前記第2ベースとは一体に形成されている
    請求項14〜16のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  18. 前記第1偏向素子が配置される前記第2上面上の位置における前記底面からの距離は、前記第2偏向素子が配置される前記第2上面上の位置における前記底面からの距離よりも大きい
    請求項14〜17のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  19. 前記第1偏向素子の前記第2上面と対向する面及び前記第2偏向素子の前記第2上面と対向する面は、前記底面に対して傾斜している
    請求項18に記載の半導体レーザモジュール。
  20. 前記第1偏向素子及び前記第2偏向素子は、一体に形成されている
    請求項1〜19のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  21. 前記第1偏向素子及び前記第2偏向素子の各々は、ミラーである
    請求項1〜20のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  22. 前記第1偏向素子及び前記第2偏向素子の各々は、プリズムである
    請求項1〜20のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  23. 前記筐体は、天面部を有する
    請求項1〜22のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュール。
  24. 前記筐体の内部は、気密空間である
    請求項23に記載の半導体レーザモジュール。
  25. 請求項10に記載の半導体レーザモジュールを有し、
    前記第1偏向光及び前記第2偏向光が前記光ファイバの他方の端面から出射される
    レーザ加工装置。
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