JP2011204336A - レーザー装置、光ピックアップ装置およびその製造方法 - Google Patents

レーザー装置、光ピックアップ装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で発光チップ間隔を狭めたレーザー装置を用い、実装誤差を伴って配置された発光チップから放射されるレーザー光の光路を適切に補正する光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置30では、レーザー装置10が有するステム16の上面を、互いに所定の角度で交わる平面上に配置された第1実装面16Aおよび第2実装面16Bから構成している。そして、第1実装面16Aおよび第2実装面16Bに、第1発光チップ20および第2発光チップ22を実装している。このことにより、複数の発光チップから放射されるレーザー光を光学系の光軸に近づける事が出来、各発光チップから発光されるレーザー光の偏光方向を異ならせ、図に示すような偏光選択性を備えた光学素子にて、特定のレーザー光のみを傾斜させることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明はレーザー装置、光ピックアップ装置およびその製造方法に関し、特に、レーザー光を放射する発光チップを複数備えた光ピックアップ装置およびその製造方法に関する。
複数の光記録媒体に対応する光ピックアップ装置にあっては、小型/軽量化等を目的として様々な工夫がなされており、例えば多数の波長のレーザーに対して互換性を備える対物レンズが採用されている。また、この種の光ピックアップ装置では、複数の波長のレーザーダイオード(発光チップ)を1つのパッケージとしたレーザー装置を採用するものが存在する。
この様に、1つのパッケージであるレーザー装置に、複数の波長のレーザーダイオードを収納させることにより、光ピックアップ装置の部品点数が削減されて、コストダウンが実現される(例えば特許文献1を参照)。
特開2002−163837号公報
しかしながら、1つのレーザー装置に内蔵される発光チップが大きく離間してしまうと、これらの発光チップから放射されるレーザー光を、1つの対物レンズでディスクに合焦させることが容易でない問題があった。
更に、レーザー装置の内部に複数個の発光チップを収納させると、発光チップを実装する際に発生する実装誤差に起因して、個別の発光チップに備えられる発光源同士の距離が不均一になる。一般的に、同一平面上に発光チップを実装する工程での誤差は±20μm程度であり、この範囲で発光源同士の距離に誤差が発生すると、この誤差が光ピックアップ装置に大きな悪影響を与える。
特に、BDレーザー光を放射する発光チップは、DVDレーザー光やCDレーザー光を発生させる発光チップとは基板の材料が異なる。このことから、これらのメディアに適用される光ピックアップ装置に於いては、少なくとも、BD用の発光チップと、DVDおよびCD用の発光チップが必要とされる。従って、発光チップを実装する際の発光チップ間隔や実装誤差を何らかの対策により吸収しなければ、光ピックアップ装置の性能が劣化し、メディアへの情報の書き込みや読み取りの性能が低下する恐れがある。
本発明は、上述した問題を鑑みて成されたものである。本発明の主な目的は、簡単な構成で発光チップ間隔を小さく出来るレーザー装置、光ピックアップ装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、光記録媒体に対してレーザー光を放射するレーザー装置であり、第1レーザー光を第1発光源から放射する第1発光チップと、第2レーザー光を第2発光源から放射する第2発光チップと、を備え、前記第1発光チップが実装される第1実装面と、前記第2発光チップが実装される第2実装面とが、所定角度で交差することを特徴とする。
本発明は、光記録媒体にレーザー光を照射し、前記光記録媒体で反射する前記レーザー光を検出する光ピックアップ装置であり、上記構成のレーザー装置と、前記第1レーザー光および前記第2レーザー光の光路の途中に配置され、前記第1レーザー光の進行方向を前記第2レーザー光に接近する方向に傾斜させると共に、前記第2レーザー光を透過させる第1光学補正素子と、前記第1発光チップから放射された前記第1レーザー光と、前記第2発光チップから発光された第2レーザー光とを受光する受光領域を備えた受光チップと、を備えたことを特徴とする。
本発明は、第1レーザー光と、第2レーザー光を光記録媒体に放射し、前記光記録媒体で反射する両レーザー光を検出する光ピックアップ装置の製造方法であり、前記第1レーザー光の進行方向を前記第2レーザー光側に傾斜させると共に、前記第2レーザー光を透過させる第1光学補正素子を、前記第1レーザー光および前記第2レーザー光の光路の途中に配置する工程と、第1発光源から前記第1レーザー光を放射する第1発光チップと、第2発光源から前記第2レーザー光を放射する第2発光チップとを備え、前記第1発光チップが実装される第1実装面と前記第2発光チップが実装される第2実装面とが所定角度で交差するレーザー装置の位置決めを行い、前記第2レーザー光が照射される位置に受光領域を備えた受光チップの位置決めを行う工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第1発光源を備えた第1発光チップが実装される第1実装面と、第2発光源を備えた第2発光チップが実装される第2実装面とを、所定の角度で交差させることにより、両チップが備える発光源同士の距離を狭くすることができる。このことにより、両チップから放射されるレーザー光の光路を補正することなく、これらのレーザー光を1つの対物レンズで、ディスクの情報記録面に合焦することが可能となる。
更に、本発明によれば、第1レーザー光を放射する第1発光チップと、第2レーザー光を放射する第2発光チップとが実装誤差を伴って配置されたとしても、これらのレーザー光の光路の途中に配置された光学補正素子により、特定の方向に偏光する第1レーザー光の光路を適切に補正するので、発光チップに発生する実装誤差を光学補正素子により適切に補正できる。本発明では、第1発光チップが実装される第1実装面と、第2発光チップが実装される第2実装面とを、所定の角度で交差させることで、両発光チップから放射されるレーザー光の偏光方向を異ならせている。
更に、光学補正素子により、第1レーザー光の光路を第2レーザー光の光路と一致させることが出来るので、これらのレーザー光を1つの受光領域にて検出することが可能となる。即ち、複数のレーザー光を用いるピックアップ装置であっても、レーザー装置および受光チップをそれぞれ1つとすることが可能となる。このことにより、光ピックアップ装置の部品点数が削減されてコストダウンが実現される。
更にまた、上記した光学補正素子の作用により、第1レーザー光の光路を、光ピックアップ装置の光軸に接近させることが可能となり、このことにより第1レーザー光の像高特性が向上する。
本発明のレーザー装置を示す図であり、(A)は断面図であり、(B)は各発光チップが実装される構造を示す断面図であり、(C)は各発光チップが実装される他の構造を示す断面図である。 本発明の光ピックアップ装置を示す図である。 本発明の他の形態の光ピックアップ装置の構造を示す図であり、(A)は光ピックアップ装置を全体的に示す図であり、(B)は部分的に拡大して示す図である。 本発明の更なる他の形態の光ピックアップ装置の構造を示す図であり、(A)は光ピックアップ装置を全体的に示す図であり、(B)は部分的に拡大して示す図である。 本発明の光ピックアップ装置の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の光ピックアップ装置の製造方法を示す図である。
<第1の実施の形態:レーザー装置の構成>
図1を参照して、本形態にかかるレーザー装置10の構成を説明する。図1(A)はレーザー装置10を示す断面図であり、図1(B)はレーザー装置10に内蔵される発光チップが実装される構造を示す断面図であり、図1(C)は発光チップが実装される他の構造を示す断面図である。
ここで、本形態では、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を用いて説明を行う。Y軸はレーザー装置10から放射されるレーザー光が進行する方向に平行な軸であり、X軸は第1発光チップ20および第2発光チップ22が整列する方向に対して平行な軸である。
図1(A)を参照して、本形態の光ピックアップ装置30に組み込まれるレーザー装置10の構成を説明する。レーザー装置10はCANタイプのパッケージであり、略円盤形状の基板部12と、基板部12の上面に固着された板状のステム16と、ステム16に実装された2つの発光チップ(第1発光チップ20、第2発光チップ22)と、これらの発光チップを被覆する被覆部14と、被覆部14の上部に設けた開口部を塞ぐガラス板からなるカバー15と、発光チップと電気的に接続されて外部に導出する端子部18とを主要に備えている。なお、第1発光チップ20および第2発光チップ22は、紙面上に於けるステム16の裏側に固着されている。
レーザー装置10は、端子部18を経由して外部から供給される電力に基づいて、第1発光チップ20または第2発光チップ22から所定の波長のレーザー光を放射する。放射されるレーザー光は、被覆部14の上部に設けたカバー15を透過して外部に放射される。
更にレーザー装置10からは、各ディスクの読み出し又は書き込みの為に用いられる、波長が異なる3種類のレーザー光が放射される。具体的には、BD(Blu-ray Disc)規格またはHD−DVD(High-Definition Digital Versatile Disc)規格のディスク(光記録媒体)の読み取りあるいは書き込みに用いられる第1レーザー光、DVD(Digital Versatile Disc)規格のディスクに用いられる第2レーザー光、CD(Compact Disc)規格のディスクに用いられる第3レーザー光が放射される。ここでは、2つの発光チップから波長が異なる3種類のレーザー光が放射されているが、放射されるレーザー光の種類は2つでもよいし、4つ以上でもよい。本発明では、レーザー装置10の内部に、これらのレーザー光を放射する複数個の発光チップが実装されている。
ここで、上記した第1レーザー光は青紫色波長帯400nm〜420nmであり、第2レーザー光は赤色波長帯645nm〜675nmであり、第3レーザー光は赤外波長帯765nm〜805nmである。
図1(B)を参照して、本形態では、各発光チップが実装されるステムの上面は、第1実装面16Aと、この第1実装面と所定の角度(θ10)で交差する第2実装面16Bとを備えている。そして、上記した第1発光チップ20は第1実装面16Aに実装され、第2発光チップ22は第2実装面16Bに実装されている。またここでは、ステム16の断面が全体として凸状を呈している。
両実装面が交差する角度θ10は、例えば90度である。角度θ10をこの値にすることにより、第1発光チップ20から発光される第1レーザー光の偏光方向と、第2発光チップ22から発光される第2レーザー光および第3レーザー光の偏光方向が直交することと成る。従って、後の工程にて、偏光選択性を備えた補正素子で、どちらか一方の発光チップから放射されるレーザー光のみを傾斜させることが容易となる。この事項は、図3を参照して説明する。ここで、角度θ10は必ずしも90度である必要はなく、後述する偏光選択性を実現する角度であれば、鈍角でも鋭角でも良い。
これらの発光チップは、吸着パッドを備えたコレットで上面を吸着されて輸送された後に、接着剤を介して各実装面に固着されている。また、実装を行う際には、一般的なボンディング装置は傾斜する実装面へのチップ載置が困難である。従って、第1発光チップ20を実装する際には、ボンディング装置のステージに対して第1実装面16Aを水平にする。更に、第2発光チップ22を実装する際には、ステム16を回転させて第2実装面16Bをステージに対して水平にする。
第1発光チップ20は、セレン化亜鉛または窒化ガリウム等の半導体を材料とするレーザーダイオードであり、導電性ペースト等の接着材を介してステム16の第1実装面16Aに固着されている。第1発光チップ20の端面には第1発光源24が設けられており、この第1発光源24から第1レーザー光が放射される。
第2発光チップ22は、ガリウムヒ素等の半導体を材料とするレーザーダイオードであり、第1発光チップ20と同様に導電性接着材を用いて、ステム16の第2実装面16Bに固着されている。第2発光チップ22の端面には、2つの発光源(第2発光源26、第3発光源28)が設けられている。第2発光源26からは第2レーザー光が放射され、第3発光源28からは第3レーザー光が放射される。第2発光源26と第3発光源28との距離L10は110μmが一般的な設計値であり、製造時の誤差(±1μm)が考慮されると距離L10は例えば109μm以上111μm以下となる。第2発光源26と第3発光源28とは同一の第2発光チップ22に作り込まれるので、両者の距離L10は精度が非常に高い。なお、図では、第2発光チップ22の紙面上における左側に第3発光源28を設け、右側に第2発光源26を設けたが、この位置関係を入れ替えてもよい。
第1発光チップ20および第2発光チップ22は、各々の発光源が設けられた端面がY方向を向いた状態で、ステム16の主面に固着されている。そして、第1発光源24が設けられる第1発光チップ20の端面と、第2発光源26および第3発光源28が設けられる第2発光チップ22の端面は、同一のX−Z平面上に配置されている。ここで、両チップが同一平面上に載置された場合は、これらのチップから放射される各レーザー光の偏光方向は同一と成る。
第1発光チップ20に設けられる第1発光源24と、第2発光チップ22の第2発光源26との距離L12の設計値は、両チップが同一平面上に載置される条件下では110μである。しかしながら、この精度は、両発光チップの固着に用いられるボンダーの精度に従うので、前工程の精度による距離L10よりも劣り、両チップが同一平面上に載置される条件下では±20μmの誤差を含む。具体的にはL12は、90μm以上130μm以下となる。
しかしながら、図1(B)に示すよう所定の角度θ10で取り付けた場合、θ10が90度とすると、L12は例えば110/(21/2)μm≒78μmであり、誤差も±20/(21/2)μm≒14μmとなる。具体的にはL12は、64μm以上92μm以下となる。このため対物レンズに入射する際の性能を向上させる事が可能となる。
図1(C)を参照して、他の形態の発光チップの実装構造を説明する。ここでは、第1実装面16Aと第2実装面16Bとが凹状を呈しており、両実装面が交差する角度θ12は、例えば上記と同様に90度である。また、第2発光チップ22に含まれる第2発光源26と第3発光源28との距離L10は図1(B)に示す場合と同様である。また、第2発光チップ22に含まれる第2発光源26と、第1発光チップ20に含まれる第1発光源24に含まれる第1発光源24との距離L12も、図1(B)に示す場合と同様である。
<第2の実施の形態:光ピックアップ装置の構成>
図2は上記した構成のレーザー装置10を備えた光ピックアップ装置30Aの構成を示している。
光ピックアップ装置30Aは、概略的には、回転するディスク48(光記録媒体)にレーザー光を照射し、ディスク48の情報記録面で反射されたレーザー光を検出する装置であり、ディスク再生装置等の情報記録再生装置に実装されて用いられる。
更に、光ピックアップ装置30Aは、3種類の波長が異なるレーザー光を放射するレーザー装置10と、BD規格のレーザー光を検出する第1PDIC42と、CD規格およびDVD規格のレーザー光を検出する第2PDIC44と、これらの間の光路に配置された各種光学素子とを主要に備えている。また、この図に示す各光学素子は、樹脂等を射出成形したハウジングに備えられる。
図1(B)を参照して説明したように、本形態では、レーザー装置10の内部に2つの発光素子(第1発光チップ20および第2発光チップ22)がハイブリッドに備えられている。そして、第1発光チップ20から放射されたレーザー光を第1PDIC42にて検出し、第2発光チップ22から放射されたレーザー光を第2PDIC44にて検出している。即ち、光ピックアップ装置30は、レーザー装置10から放射されたBD規格のレーザー光が通過する第1光学系と、レーザー装置10から放射されたCD規格およびDVD規格のレーザー光が通過する第2光学系とを含むこととなる。
光ピックアップ装置30を構成する各素子の詳細を以下にて説明する。
レーザー装置10は、第1の実施の形態にて上記した通りであり、BD規格、DVD規格およびCD規格のディスクに対して情報の記録又は再生を行うための3つのレーザー光(第1レーザー光、第2レーザー光および第3レーザー光)を放射させる。
回折格子31は、レーザー装置10から放射されるレーザー光を0次回折光、+1次回折光及び−1次回折光に分離する機能を有する。
ハーフミラー36は、レーザー装置10から放射されて回折格子31等を経由するレーザー光を−X側に反射する一方、ディスク48により反射されたレーザー光(戻り光)を+X側に透過させる。
コリメートレンズ34は、ハーフミラー36にて反射されたレーザー光を平行光にする。更に、コリメートレンズ34はX方向への変位を可能に設けられている。この様にすることで、温度変化に基づく対物レンズ37の光学特性の劣化が補正可能となる。更には、ディスク48の情報記録層を被覆するカバー層の厚さの違いや多層構造の光記録媒体における各情報記録層のカバー厚の違いによって生じる球面収差が補正される。
立ち上げミラー32は、コリメートレンズ34を透過したレーザー光が入射され、−X方向に進行するレーザー光を、+Y方向に反射する働きを有する。
1/4波長板35は、ディスクに向かって進行する直線偏光の光を円偏光の光に変換し、ディスクにより反射された戻り光の円偏光の光を直線偏光の光に変換する。
対物レンズ37は、立ち上げミラー32の直上に配置されており、立ち上げミラー32にてY方向に立ち上げられたレーザー光を、ディスク48の信号記録面に合焦させる働きを有する。本形態では、対物レンズ37は、BD、DVDおよびCDの記録再生に用いられる第1レーザー光、第2レーザー光および第3レーザー光で共用される。
ダイクロミラー38は、特定の波長のレーザー光を反射し、その他の波長のレーザー光を透過させる。本形態では、ダイクロミラー38は、DVDおよびCDに用いられる第2レーザー光および第3レーザー光を透過し、BDに用いられる第1レーザー光を反射する。
アナモフィックレンズ40はDVDおよびCDに用いられる第2レーザー光および第3レーザー光に対して、非点収差を付与する。また、アナモフィックレンズ46は、BDに用いられる第1レーザー光に非点収差を付与する。
第1PDIC42は、光検出器として機能する信号検出用のフォトダイオード集積回路素子であり、BD用の第1レーザー光を受光し、ディスク48(BD)の情報信号成分を含む受光出力を発生すると共に、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボに用いられるサーボ信号成分を含む受光出力を発生する。
第2PDIC44は、DVD用の第2レーザー光およびCD用の第3レーザー光を受光し、ディスク48(DVD,あるいはCD)の情報信号成分を含む受光出力を発生すると共に、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボに用いられるサーボ信号成分を含む受光出力を発生する。
ディスク48は、信号記録面が樹脂層により所定厚さでカバーされた光記録媒体であり、BD規格のディスク、DVD規格のディスクまたはCD規格のディスクが採用される。
次に、以上のように構成された光ピックアップ装置の読み出し動作および書き込み動作を説明する。
先ず、BD用の第1レーザー光が通過する第1光学系を説明する。レーザー装置10の第1発光源24(図1参照)から放射された第1レーザー光は、回折格子31を通過することで0次回折光、+1次回折光および−1次回折光に分離される。これは、第1PDIC42にてフォーカスサーボおよびトラッキングサーボを行うためのサーボ信号を得るためである。
第1レーザー光は、ハーフミラー36にて−X方向に反射された後に、コリメートレンズ34により平行光に変換され、立ち上げミラー32で反射されることによりディスク48に対して垂直方向(+Y方向)に進行する。そして、1/4波長板35を通過することで円偏光光に変換され、対物レンズ37の屈折作用や回折作用により、ディスク48の信号記録面に合焦する。
ディスク48の信号記録面により反射された第1レーザー光(戻り光)は、対物レンズ37、1/4波長板35、立ち上げミラー32、コリメートレンズ34を通過してハーフミラー36に到る。ここで、戻り光である第1レーザー光は、1/4波長板35を通過する際に円偏光光から直線偏光光に変換される。
ハーフミラー36を透過した第1レーザー光は、ダイクロミラー38にて−Y方向に反射された後に、アナモフィックレンズ46で収差が付与され、第1PDIC42に到達する。更に、第1PDIC42で情報が読み出されると共に、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボが行われる。
次に、DVD用の第2レーザー光が通過する第2光学系の動作を説明する。第2レーザー光は、レーザー装置10が備える第2発光源26(図1(B)参照)から放射され、各種光学素子およびディスク48を経由してダイクロミラー38に到るまでの動作は、上記した第1レーザー光と同様である。
第2レーザー光は、ダイクロミラー38にて反射されずに、ダイクロミラー38を透過してアナモフィックレンズ40にて収差を付与された後に、第2PDIC44の表面に照射される。第1PDIC42と同様に、第2PDIC44で情報が読み出されると共に、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボが行われる。
また、レーザー装置10から発光されるCD規格の第3レーザー光の光路は、DVDと同様である。ここで、詳細は後述するが、第2PDIC44は、2つの受光領域(第1受光領域および第2受光領域)を備え、第1受光領域にてDVD規格の第2レーザー光を受光し、CD規格の第3レーザー光を第2受光領域にて受光する。
本形態では、2つのPDICを設けている。原理的には、1つのレーザー装置10から放射される3つの波長が異なるレーザー光の検出を、1つのPDICで行うことも可能である。しかしながら、図1(B)を参照すると、本形態では全ての発光源が1つのチップにモノリシックに作り込まれているのではなく、異なるチップに各発光源がハイブリッドに設けられている。具体的には、BD用のレーザー光を放射する第1発光源24は第1発光チップ20に設けられている。一方、DVD用の第2レーザー光を放射する第2発光源26およびCD用の第3レーザー光を発光する第3発光源28は、第2発光チップ22に設けられている。そして、ハイブリッドに構成される両発光チップの位置精度は±20μmの誤差を含む。従って、レーザー装置10から放射される3のレーザー光を、1つのPDICで受光しようとすると、この位置精度の悪さに起因して、PDICの受光領域にレーザー光が適切に照射されなくなり、信号検出や各サーボ機構が適切に行われない恐れがある。
そこで本形態では、2つのPDIC(第1PDIC42および第2PDIC44)を設け、第1PDIC42でBD用の第1レーザー光を検出し、第2PDIC44でDVD用の第2レーザー光およびCD用の第3レーザー光を検出している。この様にすることで、各レーザー光を放射するレーザー装置10の内部に於いて、図1(B)に示す第1発光チップ20と第2発光チップ22との相対的位置が若干ずれて配置されても、第1PDIC42および第2PDIC44の位置を補正することにより、各レーザー光が各PDICの受光領域に適切に照射されることとなる。
<第3の実施の形態:光ピックアップ装置の他の構成>
本形態では図3を参照して、他の形態に係る光ピックアップ装置30Bの構成を説明する。図3(A)は光ピックアップ装置30Bの全体的な構成を示す図であり、図3(B)は一部分を抜き出して示す図である。
本形態の光ピックアップ装置30Bの概略的な構成は、第2の実施の形態にて説明した光ピックアップ装置30Aと同様であり、1つのPDICで3つのレーザー光を受光する点と、それを実現するために第1光学補正素子11を光路に介装した点が異なる。
図3(A)を参照して、光ピックアップ装置30Bでは、レーザー装置10から放射されたレーザー光は、ハーフミラー36、コリメートレンズ34、立ち上げミラー32、1/4波長板35および対物レンズ37を経てディスク48に到達する。そして、ディスク48の上方記録面で反射された戻り光であるレーザー光は、対物レンズ37、1/4波長板35、立ち上げミラー32、コリメートレンズ34、ハーフミラー36、アナモフィックレンズ40、第1光学補正素子11を経て第1PDIC42に至る。
本形態の光ピックアップ装置30Bでは、このように、1つの第1PDIC42で、3つのレーザー光(第1レーザー光、第2レーザー光および第3レーザー光)を受光している。一方、上記したように、これらのレーザー光は、ハイブリッドに実装される複数の発光チップから照射される。従って、実装誤差を伴って実装される発光チップから放射されるレーザー光を、1つのPDICにて受光するためには、レーザー光の光路を補正する必要がある。本形態では、第1PDIC42の直近に配置した、1つの第1光学補正素子11により、第1レーザー光の光路を適切に補正している。
図3(B)を参照して、光学補正素子により光路を補正する事項を説明する。この図は、本形態の要旨を示すために光ピックアップ装置30を部分的に抜き出して示す図である。この図を参照して、光ピックアップ装置30は、特定の方向に偏光するレーザー光を放射する第1発光チップ20および第2発光チップ22と、これらの発光チップから放射されたレーザー光を受光する第1PDIC42(受光チップ)と、両者の間に配置された第1光学補正素子11を備えている。なお、各発光チップと第1光学補正素子11との間には、図3(A)に示す各種光学素子が配置されている。
上記したように、第1発光チップ20と第2発光チップ22とは個別に実装されるので、両者の相対的な位置は実装時の誤差を含むこととなる。そして、この実装の誤差は、第1発光チップ20に設けられる第1発光源24と、第2発光チップ22に含まれる第2発光源26および第3発光源28との誤差となる。このことから、1つの半導体チップからなる第1PDIC42に作り込まれた受光領域にて、これらの発光源から発光されるレーザー光を受光することは容易ではない。
本形態では、特定の方向に偏光するレーザー光の進行方向を変える光学補正素子を、レーザー光の光路の途中に配置している。具体的には、第1光学補正素子11を、第1PDIC42の直近に配置している。従って、各レーザー光は、第1光学補正素子11を通過してからPDIC42の受光領域に到達する。
第1光学補正素子11は偏光選択性を備え、特定の方向に偏光する第1レーザー光25を回折することによりその進路を傾斜させて、第1レーザー光25を第1PDIC42の第1受光領域43Aに照射させている。一方、第1レーザー光25とは異なる方向に偏光する第2レーザー光27および第3レーザーは基本的には回折させずに進行方向は変わらずそのまま透過させる。本形態では、図1(C)や図1(B)に示すように、第1発光チップ20が実装される第1実装面16Aと、第2発光チップ22が実装される第2実装面16Bとを、所定の角度で交差させることで、このような偏光選択性を実現している。また、第1光学補正素子11と第1PDIC42との距離L20は、第1レーザー光25と第2レーザー光27との距離L12と、第1光学補正素子11が第1レーザー光25を曲折させる角度θ20により決定される。
第1PDIC42は、2つの受光領域(第1受光領域43A、第2受光領域43B)を備えている。第1受光領域43Aは、第2発光チップの第2発光源26から放射された第2レーザー光27を受光すると共に、第1発光チップ20から放射された第1レーザー光25も併せて受光する。第2受光領域43Bは、第2発光チップ22の第3発光源28から放射された第3レーザー光29を受光する。 第1PDIC42を用いて行われるサーボには、ディスクの記録面垂直方向の焦点合わせの為のフォーカスサーボと、ディスクの記録トラックに追従する半径方向の位置合わせのためのトラッキングサーボとが含まれる。フォーカスサーボとしては非点収差法または差動非点収差法が採用可能である。トラッキングサーボとしては、プッシュプル法、差動プッシュプル法、インラインDPP、DPP法または3ビーム法が採用可能である。ここでは、各レーザー光に対応して1つの受光領域が設けられているが、例えば、トラッキングサーボに差動プッシュプル法が採用され、フォーカスサーボに差動非点収差法が採用された場合、第1PDIC42には、回折格子31(図3(A))により分離される3ビームの各レーザー光に対応して、第1受光領域43A、第2受光領域43Bがそれぞれ3つの受光領域により構成される。
第1PDIC42の第1受光領域43Aおよび第2受光領域43Bの位置は、第2発光チップ22の第2発光源26および第3発光源28から照射される第2レーザー光27および第3レーザー光29が適切に照射されるように位置合わせさせている。そして、上記のように第1光学補正素子11にて第1レーザー光25を曲折させることで、第1レーザー光25を、第1PDIC42の第1受光領域43Aに照射させている。
ここで、一般的には、ハイブリッドに実装される第1発光チップ20および第2発光チップ22が発光源として備えられる場合、これらから放射されるレーザー光を受光するために、2つのPDICが用意される。しかしながら本形態では、上記したように光学補正素子で第1発光チップ20から放射される第1レーザー光25の光路を、第1光学補正素子11により傾斜させ、第1レーザー光25を第1受光領域43Aで受光している。このことから、ハイブリッドに実装される2つの発光チップから放射されるレーザー光を、1つの第1PDIC42で受光することが可能となる。
このことにより、第1PDIC42の第1受光領域43Aが、第1レーザー光25と第2レーザー光27で共用される。結果的に、1つのPDICで2つの発光チップから発光された3種類のレーザー光を受光することが可能となり、部品点数が削減される。
更には、図4(B)に後述する場合と比較すると、必要とされる光学補正素子が一つのみであるので、レーザー光が通過する光学素子の数が削減される分、レーザー光の減衰が抑制される。更には,製造コストが低減する利点もある。
<第4の実施の形態:光ピックアップ装置の更なる他の構成>
図4を参照して、他の形態の光ピックアップ装置30Cの構成を説明する。ここに説明する光ピックアップ装置30Cの構成は、図3に示した光ピックアップ装置30Bと基本的には同様である。ここでの相違点は、レーザー装置10から放射される各レーザー光の光路の途中に2つの光学補正素子を配置したことにある。図4(A)は光ピックアップ装置30Cを全体的に示す図であり、図4(B)は要所を部分的に抜き出して示す図である。
図4(A)を参照して、本形態の光ピックアップ装置30Cでは、レーザー装置10と回折格子31との間に、第1光学補正素子11および第2光学補正素子13が配置されている。そして、これらの光学補正素子により光路が適切に補正された結果、レーザー装置10から放射された3種類のレーザー光を、1つの第1PDIC42で受光することが可能となる。
図4(B)は、本形態の要旨を示すために光ピックアップ装置30を部分的に抜き出して示す図である。この図を参照して、各発光チップと第1PDIC42との間には、第1光学補正素子11および第2光学補正素子13が配置されている。
上記した第3の実施の形態では、第1PDIC42の直近に配置された第1光学補正素子11のみにより第1レーザー光25の光路を補正していたが、ここでは、第1光学補正素子11および第2光学補正素子13の2つの補正素子を用いている。
第1光学補正素子11は偏光選択性を備え、特定の方向に偏光する第1レーザー光25を回折することによりその進路を傾斜させ、それ以外の方向に偏光する第2レーザー光27および第3レーザーは基本的には回折させずに進行方向を変えずにそのまま透過させる。本形態では、図1(C)や図1(B)に示すように、第1発光チップ20が実装される第1実装面16Aと、第2発光チップ22が実装される第2実装面16Bとを、所定の角度で交差させることで、このような偏光選択性を実現している。
具体的には、第1光学補正素子11は、光ピックアップ装置30の光軸に対して平行に進行する第1レーザー光25を回折させることで、その進行方向を第2レーザー光27に接近するように傾斜させている(θ1)。ここで、各発光チップから放射される各レーザー光は光ピックアップ装置30の光軸に平行であり、この光軸は例えば第2レーザー光27と重畳している。このような第1光学補正素子11の特性は、上記した第3の実施の形態と共通している。
第2光学補正素子13は、第1光学補正素子11と同様に偏光選択性を備え、第1レーザー光25を回折させることで傾斜させる一方、第2レーザー光27および第3レーザー光29は傾斜させずにそのまま透過させる。第2光学補正素子13が第1レーザー光25を傾ける方向は、第1光学補正素子11とは逆方向である。また、第2光学補正素子13が第1レーザー光25を回折作用により傾ける角度θ2は、第1光学補正素子11が第1レーザー光25を傾ける角度θ1と同じである。従って、第2光学補正素子13の回折作用により、光軸に対して傾斜する第1レーザー光25の光路は、光軸に対して平行とされる。
また本形態では、第1光学補正素子11および第2光学補正素子13は、第1レーザー光25が第2発光源26側に補正させるように、適切に回転調整してハウジングに装着される。
第2光学補正素子13を通過した第1レーザー光25の光路は、第2レーザー光27の光路と重畳する。また、両者は重畳しないとしても、両レーザー光の光路の距離L15は、5μm以下となる。なお、この事項は図3を参照して説明した場合も同様である。
ここで、第1光学補正素子11と第2光学補正素子13との距離L14は、第1レーザー光25を第2レーザー光27に十分に接近させることができる程度の長さとなされる。理想的には、第2光学補正素子13を透過した後の第1レーザー光25の光路が、第2レーザー光27の光路と重畳するのが良い。このことにより、両レーザー光を、同一の第1受光領域43Aにて検出することができる。また、両レーザー光の光路が重畳しないとしても、両レーザー光の光路がX方向に離間する距離L15を、上記したように5μm以内とすることにより、両レーザー光を1つの第1受光領域43Aで受光することが可能となる。
また、各発光チップに発生する実装誤差は、所定の値(例えば±20μm)の範囲内で任意の長さとなる。しかしながら、第1光学補正素子11と第2光学補正素子13との距離L14を調整することにより、第1発光チップ20から放射される第1レーザー光25の光路を所定の位置に補正することが可能となる。
更にまた、光ピックアップ装置30の光軸は、第2レーザー光27または第3レーザー光29の光路と一致するように配置されているが、第1レーザー光25を第2レーザー光27側に補正することにより、第1レーザー光25の光路が光軸に接近することとなる。このことにより、第1レーザー光25の像高特性が良くなる利点がある。
ここで、図4(B)を参照して、第1発光源24が設けられる+Y方向側の第1発光チップ20の端面と、第2発光源26および第3発光源28が設けられる+Y方向の第2発光チップ22の端面とはY軸方向に関して同一の箇所に配置されている。しかしながら、第1発光チップ20の+Y方向の端面を、第2発光チップ22の+Y方向の端面よりも、+Y方向側に突出して配置しても良い。この状態をこの図では点線にて示している。
何ら対策を施さなければ、途中で光学補正素子により傾斜される第1レーザー光25の光路は他のレーザー光の光路よりも長くなり、このことが光ピックアップ装置30の性能に悪影響を及ぼす恐れがある。そこで、上記のように、第1発光チップ20の端面を、レーザー光が放射される方向である+Y方向側に突出させることにより、第1レーザー光25の光路の長さを、他の光路と同様にすることで、この問題が緩和される。
具体的には、各レーザー光の光路長が異なると、第1PDIC42にてジッターが発生する。更には、振幅最良となる第1PDIC42のY方向の位置が、光路長の不均一さに起因してY方向にオフセットしてしまい、デフォーカスが発生する。一般的には、このような不具合に対処するために、フォーカスサーボに電気的なオフセットを施している。一方、本形態では、上記したように、第1発光源24の位置を+Y方向に移動させることにより、光路長の不均一さを緩和しているので、サーボ信号のオフセットが減る利点がある。この事項は、他の形態に対しても適用可能である。
<第5の実施の形態:光ピックアップ装置の製造方法>
図5および図6を参照して、光ピックアップ装置の製造方法を説明する。
なお、ここでは上記した第4の実施の形態に係る光ピックアップ装置30Cを製造する場合について説明する。他の実施の形態に係る光ピックアップ装置を製造する場合に関しては後述する。
図5を参照して、本形態にかかる光ピックアップ装置の製造方法は、第1光学補正素子11および第2光学補正素子13を移動可能な状態でハウジングに組み込むステップS11と、レーザー装置やPDICをはじめとする光学素子の位置決めを行うステップS12と、光学補正素子の位置を調整するステップS13を主要に備える。ここで、補正が不要な精度で各光学素子が固着されることを条件として、この補正素子の位置を調整するステップS13が省かれても良い。
ステップS11では、先ず、第1光学補正素子11または第2光学補正素子13を、光軸方向に対して移動可能にハウジングに備える。具体的には、図4(B)を参照して、第1光学補正素子11を接着材を介してハウジングに固着し、第2光学補正素子13を移動可能な状態としている。この場合は、後の工程では、第2光学補正素子13を移動させることによる光路の調整が行われる。
また、これを逆にして、第2光学補正素子13をハウジングに固着して、第1光学補正素子11を移動させることにより光路を補正しても良い。更には、両光学補正素子を移動可能な状態でハウジングに組み込み、両素子を移動させることで光路を補正することも可能である。
ステップS12では、図4(A)に示した各種光学素子を、ハウジングに固着する。具体的には、レーザー装置10、ハーフミラー36、コリメートレンズ34、立ち上げミラー32、1/4波長板35、対物レンズ37、回折格子31、アナモフィックレンズ40および第1PDIC42を、光ピックアップ装置30の所定箇所に組み込む。ここでは、光学補正素子以外の光学素子が、エポキシ樹脂等の絶縁性接着材を介して、ハウジングに固着される。また、本工程では、レーザー装置10から放射されるレーザー光が第1PDIC42の受光部に適切に照射されるように、レーザー装置10の位置が固定された状態で、第1PDIC42の位置が調整される。更にこの後、回折格子31の回転調整を行う。
ステップS13では、第1発光チップ20から放射される第1レーザー光25が、第2発光チップ22から放射される第2レーザー光27と重畳するように、光学補正素子の位置を調整する。図6を参照して、本工程を詳述する。
具体的には、上記したように、第1発光チップ20と第2発光チップ22とは±20μm程度の実装誤差を伴って配置される。また、この誤差は製造されるレーザー装置毎に異なる。従って、本形態では、第1PDIC42等の他の光学素子をハウジングに組み込んだ後に、第1光学補正素子11と第2光学補正素子13との距離L14を調整することにより、第1レーザー光25の光路を所定の位置に補正している。
ここでは、第1レーザー光25〜第3レーザー光29の光路の途中に第1光学補正素子11および第2光学補正素子13が配置されている。そして、第1光学補正素子11が第1レーザー光25を傾斜させる角度θ1と、第2光学補正素子13が第1レーザー光25を傾斜させる角度θ2とは同じ角度であり、傾斜させる方向が逆である。
また、第1レーザー光25を放射する第1発光源24と第2レーザー光27を放射する第2発光源26との距離L12から、第1光学補正素子11と第2光学補正素子13との距離L14は、次の式により算出される。
L14=L12×cot(θ1)
しかしながら、上記したように、異なる発光チップに設けられる発光源どうしの距離l12は、第1発光チップ20および第2発光チップ22の実装誤差により変動する。従って、第1光学補正素子11と第2光学補正素子13との距離L14を固定してしまうと、実装誤差が生じた光ピックアップ装置30では、補正素子により補正された第1レーザー光25の光路が所定箇所に配置されない問題が発生する。
このことから、本形態では、他の光学素子をハウジングの所定位置に固着した後に、第1光学補正素子11と第2光学補正素子13との距離L14を調整している。
具体的なL14の調整方法は次の通りである。先ず、各種光学素子をハウジングに組み込んだ状態で、第1発光チップ20の第1発光源24から第1レーザー光25を放射させる。同時に、第1PDIC42の第1受光領域43Aからの出力をモニタリングする。
第1光学補正素子11と第2光学補正素子13との距離L14は、第1レーザー光25と第2レーザー光27との距離L12が所定の長さ(例えば110μm)の時に、第1レーザー光25が第2レーザー光27と重畳するようにはじめは設定されている。しかしながら、上記した実装誤差のバラツキに起因して、両者は正確には重畳しないので、第1レーザー光25が補正素子により光路が補正されたとしても、第1受光領域43Aに適切に照射されなくなる。すなわち、第1受光領域43Aの中心部付近に第1レーザー光25が照射されない状態となる。
本工程では、第1PDIC42の第1受光領域43Aからの出力をモニタリングしつつ、第1光学補正素子11と第2光学補正素子13との距離L14を調整している。この距離L14の調整方法としては、第1光学補正素子11の位置を固定した状態で、第2光学補正素子13をY方向(+Y方向および−Y方向)に移動させる方法が採用される。
ここでは、第1光学補正素子11は、4つの受光領域部分に「田の字形状」に分割されており、この4つの受光領域部分からの出力が互いに等しくなるように、L14の距離が調整される。例えば、第2光学補正素子13を+Y方向に移動させながら、第1PDIC42の出力をモニタリングし、第1受光領域43Aの4つの受光領域部分からの出力が最も等しい時の第2光学補正素子13の箇所を、L14が最も適切となる場合とする。
第1レーザー光25が第1受光領域43Aに対して適切に照射されたら、この時点にて距離L14の調整を終了し、第2光学補正素子13を、絶縁性固着剤を介してハウジングに固着する。
以上の工程により、光ピックアップ装置30が製造される。
本形態では、各種光学素子の位置決めを行った後に、第1光学補正素子11と第2光学補正素子13との距離L14を調整して第1レーザー光25の光路を補正している。従って、レーザー光を放射する第1発光チップ20が、不均一な実装誤差を伴って配置されたとしても、この誤差を光学補正素子にて適切に補正することが可能となる。
更に本形態では、異なる発光チップから放射される3種類のレーザー光を、1つの半導体素子である第1PDIC42にて受光することが可能となる。具体的には、第1PDIC42は、2つの受光領域(第1受光領域43Aおよび第2受光領域43B)を備え、それぞれの受光領域が第2発光チップ22から放射される第2レーザー光27および第3レーザー光29を適切に受光できるようにその位置が設定されている。本形態では、第1PDIC42の第1受光領域43Aの出力をモニタリングしながら、第1レーザー光25が第1受光領域43Aに適切に照射されるように、第1光学補正素子11と第2光学補正素子13との距離L14を調節している。このことから、第2発光チップ22を基準として配置された第1PDIC42で、他の第1発光チップ20から放射される第1レーザー光25を適切に受光可能となる。従って、実装誤差を伴って配置される発光チップ毎に、個別にPDICを用意する必要がないので、光ピックアップ装置30に必要とされる部品点数が減少し、コストが削減される。
更に本形態では、図1(B)に示すように、レーザー装置10が有するステム16の上面を、互いに所定の角度で交わる平面上に配置された第1実装面16Aおよび第2実装面16Bから構成している。そして、第1実装面16Aおよび第2実装面16Bに、第1発光チップ20および第2発光チップ22を実装している。このことにより、偏光特性を生じさせるための光学素子を不要にして、各発光チップから発光されるレーザー光の偏光方向を異ならせ、図2に示すような偏光選択性を備えた光学素子にて、特定のレーザー光のみを傾斜させることが可能と成る。
また、上記説明では、第1光学補正素子11および第2光学補正素子13は、回折作用により第1レーザー光の光路を傾斜させていたが、他の作用により第1レーザー光の光路を傾斜させても良い。具体的には、ホトニック結晶による異常分散の作用により、これらの光学補正素子が第1レーザー光の光路を傾斜するようにしても良い。
更に、図2を参照して、第2の実施の形態にて説明した光ピックアップ装置30Aを製造する場合は、上記した光学補正素子が存在しないので、光学補正素子に関連する工程S11および工程S13が不要となる。そして、レーザー装置10に内蔵される発光チップの実装誤差は、第1PDIC42および第2PDIC44の位置を調整することにより吸収される。
更にまた、図3に示す第3の実施の形態に係る光ピックアップ装置30Bを製造する場合は、工程S11では第1光学補正素子のみを、移動可能な状態でハウジングに組み込む。そして、工程S13では、第1PDIC42の第1受光領域43Aに適切に第1レーザー光25が照射されるように、第1光学補正素子11と第1PDIC42との距離L20を調整する。
10 レーザー装置
11 第1光学補正素子
12 基板部
13 第2光学補正素子
14 被覆部
15 カバー
16 ステム
16A 第1実装面
16B 第2実装面
18 端子部
20 第1発光チップ
22 第2発光チップ
24 第1発光源
25 第1レーザー光
26 第2発光源
27 第2レーザー光
28 第3発光源
29 第3レーザー光
30、30A、30B、30C光ピックアップ装置
31 回折格子
32 立ち上げミラー
34 コリメートレンズ
35 1/4波長板
36 ハーフミラー
37 対物レンズ
40 アナモフィックレンズ
42 第1PDIC
43A 第1受光領域
43B 第2受光領域
44 第2PDIC
46 アナモフィックレンズ
48 ディスク

Claims (17)

  1. 光記録媒体に対してレーザー光を放射するレーザー装置であり、
    第1レーザー光を第1発光源から放射する第1発光チップと、
    第2レーザー光を第2発光源から放射する第2発光チップと、を備え、
    前記第1発光チップが実装される第1実装面と、前記第2発光チップが実装される第2実装面とが、所定角度で交差することを特徴とするレーザー装置。
  2. 前記第1実装面と前記第2実装面とは直角で交差することを特徴とする請求項1に記載のレーザー装置。
  3. 前記第1発光チップが実装される前記第1実装面と、前記第2発光チップが実装される前記第2実装面とは、凸状となるように交差することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザー装置。
  4. 前記第1発光チップが実装される前記第1実装面と、前記第2発光チップが実装される前記第2実装面とは、凹状となるように交差することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザー装置。
  5. 光記録媒体にレーザー光を照射し、前記光記録媒体で反射する前記レーザー光を検出する光ピックアップ装置であり、
    請求項1から請求項4の何れかに記載されたレーザー装置を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 更に、前記第1レーザー光および前記第2レーザー光の光路の途中に配置され、前記第1レーザー光の進行方向を前記第2レーザー光に接近する方向に傾斜させると共に、前記第2レーザー光を透過させる第1光学補正素子と、
    前記第1発光チップから放射された前記第1レーザー光と、前記第2発光チップから発光された第2レーザー光とを受光する受光領域を備えた受光チップと、
    を備えたことを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記第1光学補正素子は、第1レーザー光を回折させることでその進行方向を所定方向にし、前記第2レーザー光の進行方向には影響を及ぼさないことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記第1レーザー光および前記第2レーザー光の光路の途中であって前記第1光学補正素子よりも前記レーザー装置から離れて配置され、前記第1レーザー光の進行方向を前記光ピックアップ装置の光軸に平行となるように補正すると共に、前記第2レーザー光を透過させる第2光学補正素子と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記第2発光チップは、前記第2発光源に加えて、第3レーザー光を放射する第3発光源を更に備え、
    前記第1レーザー光は、前記第1光学補正素子を通過することにより、前記第2レーザー光または前記第3レーザー光に接近することを特徴とする請求項5から請求項8の何れか記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記受光チップは、第1受光領域と第2受光領域を備え、
    前記第1受光領域で前記第1レーザー光と前記第2レーザー光とを受光すると共に、前記第2受光領域で前記第3レーザーを受光することを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記第1光学補正素子の位置は、前記第1発光チップと前記第2発光チップが実装される際の実装誤差に基づいて決定されることを特徴とする請求項5から請求項10の何れかに記載の光ピックアップ装置。
  12. 前記第1発光チップの前記第1発光源は、前記第2発光チップの前記第2発光源よりも、前記第1補正素子側に配置されることを特徴とする請求項5から請求項11の何れかに記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記第1発光チップと前記第2発光チップとは、材料が異なる半導体から成ることを特徴とする請求項5から請求項12の何れかに記載の光ピックアップ装置。
  14. 第1レーザー光と、前記第1レーザー光とは偏光方向が異なる第2レーザー光を光記録媒体に放射し、前記光記録媒体で反射する両レーザー光を検出する光ピックアップ装置の製造方法であり、
    前記第1レーザー光の進行方向を前記第2レーザー光側に傾斜させると共に、前記第2レーザー光を透過させる第1光学補正素子を、前記第1レーザー光および前記第2レーザー光の光路の途中に配置する工程と、
    第1発光源から前記第1レーザー光を放射する第1発光チップと、第2発光源から前記第2レーザー光を放射する第2発光チップとを備え、前記第1発光チップが実装される第1実装面と前記第2発光チップが実装される第2実装面とが所定角度で交差するレーザー装置の位置決めを行い、前記第2レーザー光が照射される位置に受光領域を備えた受光チップの位置決めを行う工程と、
    を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。
  15. 前記第1光学補正素子を配置する工程では、
    更に、前記第1レーザー光の進行方向を光ピックアップ装置の光軸に平行となるように補正すると共に、前記第2レーザー光を透過させる第2光学補正素子を、前記第1レーザー光および前記第2レーザー光の光路の途中であって前記第1光学補正素子よりも前記レーザー装置から離れて配置することを特徴とする請求項14に記載の光ピックアップ装置の製造方法。
  16. 前記第1発光チップから放射される前記第1レーザー光が、前記受光チップの前記受光領域に照射されるように、前記第1光学補正素子と前記第2光学補正素子とを離間させる工程を、更に備えることを特徴とする請求項15に記載の光ピックアップ装置の製造方法。
  17. 前記受光チップからの出力を計測しつつ、前記第1光学補正素子と前記第2光学補正素子とが離間する距離を調整することを特徴とする請求項15または請求項16に記載の光ピックアップ装置の製造方法。
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