JP2020191315A - 保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】共通ドライバ電極が肉厚部分を有しない構成に比べて、共通ドライバ電極における第1の表面の中心側に高温の特異点が生じることを抑制する。【解決手段】保持装置では、共通ドライバ電極の形状は、一対の第1の辺を有する形状である。共通ドライバ電極は、共通給電端子に電気的に接続された端子接続部分と、N個のヒータ電極に電気的に接続されたN個のヒータ接続部分とを有する。端子接続部分は、ヒータ接続部分より第1の表面の中心側に位置している。共通ドライバ電極は、肉厚部分を有する。肉厚部分は、第1の方向視での形状が、一対の第1の辺のそれぞれに沿った一対の第2の辺を有するとともに、第1の表面の外周側における周縁部が、共通ドライバ電極の周縁部から離間した形状であり、かつ、第1の方向の厚さが、共通ドライバ電極における他の部分の第1の方向の厚さより厚い。【選択図】図2

Description

本明細書に開示される技術は、保持装置に関する。
対象物(例えば、半導体ウェハ)を保持しつつ所定の処理温度(例えば、400〜800℃程度)に加熱する加熱装置(「サセプタ」とも呼ばれる)が知られている。加熱装置は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置やスパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。
加熱装置の中には、所定の方向(以下、「第1の方向」という)に略垂直な保持面および裏面を有する板状の保持体を備え、保持体の内部に、複数のヒータ電極と複数の個別ドライバ電極と1つの共通ドライバ電極とが配置され、保持体の裏面側に、複数の個別給電端子と1つの共通給電端子とが配置されたものがある。複数の個別ドライバ電極は、複数のヒータ電極のそれぞれに対して個別に電気的に接続されており、共通ドライバ電極は、複数のヒータ電極のすべてに対して共通に電気的に接続されている。また、複数の個別ドライバ電極と共通ドライバ電極とは、第1の方向に略垂直な一の仮想平面上に配置されている。複数の個別給電端子は、複数の個別ドライバ電極のそれぞれに対して個別に電気的に接続されており、共通給電端子は、共通ドライバ電極に電気的に接続されている。そして、複数の個別給電端子と共通給電端子とは、いずれも、第1の方向視で保持体の保持面の中心側に配置されている(下記特許文献1参照)。
特開2015−191837号公報
上述したように、従来の加熱装置では、複数のヒータ電極および複数の個別ドライバ電極のそれぞれに流れる電流のすべてが共通ドライバ電極に流れる。このため、共通ドライバ電極は、個別ドライバ電極に比べて、電流が流れることによる発熱量が大きい。また、共通ドライバ電極は、複数の個別ドライバ電極と共に、上記一の仮想平面上に配置されている。このため、共通ドライバ電極の発熱を抑制するために、共通ドライバ電極の第1の方向視での面積を広く確保するにも制約がある。さらに、複数の個別給電端子と共通給電端子とは、いずれも、第1の方向視で保持体の保持面の中心側に配置されている。このため、共通ドライバ電極における保持面の中心側に高温の特異点が生じやすい、という問題があった。
なお、このような課題は、加熱装置に限らず、上述した保持体と同様の構成要素を有する板状部材を備え、板状部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状部材と、前記板状部材の内部に配置され、抵抗発熱体により構成された複数のヒータ電極と、前記板状部材の内部において前記第1の方向に略垂直な一の仮想平面上に配置され、前記複数のヒータ電極の内のN(Nは2以上の整数)個の前記ヒータ電極のそれぞれに対して電気的に接続されたN個の個別ドライバ電極と、前記板状部材の前記第2の表面側に配置され、前記N個の個別ドライバ電極のそれぞれに対して電気的に接続されたN個の個別給電端子と、前記板状部材の内部において前記一の仮想平面上に配置され、前記N個のヒータ電極のすべてに対して電気的に接続された共通ドライバ電極と、前記板状部材の前記第2の表面側に配置され、前記共通ドライバ電極に対して電気的に接続された共通給電端子と、を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記N個の個別給電端子と前記共通給電端子とは、いずれも、前記第1の方向視で前記第1の表面の中心側に配置され、前記共通ドライバ電極の前記第1の方向視での形状は、前記第1の表面の外周側から前記中心側に向かうに連れて互いの距離が短くなる一対の第1の辺を有する形状であり、前記共通ドライバ電極は、前記共通給電端子に電気的に接続された端子接続部分と、前記N個のヒータ電極に電気的に接続されたN個のヒータ接続部分と、を有し、前記第1の方向視で、前記端子接続部分は、前記ヒータ接続部分より前記第1の表面の前記中心側に位置しており、前記共通ドライバ電極は、前記第1の方向視での形状が、前記一対の第1の辺のそれぞれに沿った一対の第2の辺を有するとともに、前記第1の表面の前記外周側における周縁部が、前記共通ドライバ電極の周縁部から離間した形状であり、かつ、前記第1の方向の厚さが、前記共通ドライバ電極における他の部分の前記第1の方向の厚さより厚い、肉厚部分を有している。
本保持装置では、共通ドライバ電極は、肉厚部分を有している。肉厚部分の第1の方向視での形状は、共通ドライバ電極の一対の第1の辺のそれぞれに沿った一対の第2の辺を有するとともに、前記第1の表面の前記外周側における自身の周縁部が前記共通ドライバ電極の周縁部から離間した形状である。また、肉厚部分の第1の方向の厚さは、共通ドライバ電極における他の部分(肉厚部分を除いた部分)の第1の方向の厚さより厚い。このため、本保持装置によれば、共通ドライバ電極が肉厚部分を有しない構成に比べて、共通ドライバ電極における第1の表面の中心側に高温の特異点が生じることを抑制することができる。
(2)上記保持装置において、前記共通ドライバ電極は、第1の共通ドライバ電極と、前記第1の方向において前記第1の共通ドライバ電極と前記共通給電端子との間に配置され、第1のビア部を介して前記第1の共通ドライバ電極に電気的に接続されると共に、第2のビア部を介して前記共通給電端子に電気的に接続された第2の共通ドライバ電極と、を含んでおり、前記第1のビア部と前記第2のビア部とは、前記第1の方向視で前記ヒータ接続部分より前記第1の表面の前記中心側に位置し、かつ、前記第1の方向視で前記ヒータ接続部分側の端の位置は互いに略一致している構成としてもよい。
本保持装置では、共通ドライバ電極は、第1の共通ドライバ電極と第2の共通ドライバ電極とを含んでいる。第1の共通ドライバ電極と第2の共通ドライバ電極とは、第1のビア部を介して電気的に接続され、第2の共通ドライバ電極と共通給電端子とは、第2のビア部を介して電気的に接続されている。第1のビア部と第2のビア部とは、第1の方向視でヒータ接続部分より第1の表面の中心側に位置し、かつ、第1の方向視でヒータ接続部分側の端の位置は互いに略一致している。このため、本保持装置では、第1の方向視で、第1のビア部と第2のビア部とのヒータ接続部分側の端の位置が互いに異なる構成に比べて、第2の共通ドライバ電極を介して第1のビア部と第2のビア部との間に流れる電流に起因して第2の共通ドライバ電極に高温の特異点が生じることを抑制することができる。
(3)上記保持装置において、前記共通ドライバ電極は、第1の共通ドライバ電極と、前記第1の方向において前記第1の共通ドライバ電極と前記共通給電端子との間に配置され、第1のビア部を介して前記第1の共通ドライバ電極に電気的に接続されると共に、第2のビア部を介して前記共通給電端子に電気的に接続された第2の共通ドライバ電極と、を含んでおり、前記第1のビア部と前記第2のビア部との内の一方のビア部を構成するビアの数は、他方のビア部を構成するビアの数より多く、かつ、前記第1の方向視で、前記他方のビア部を囲む領域の全体が前記一方のビア部を囲む領域に重なっており、前記第2の共通ドライバ電極の内、少なくとも前記一方のビア部を囲む領域の全体は、前記肉厚部分になっている構成としてもよい。
本保持装置では、共通ドライバ電極は、第1の共通ドライバ電極と第2の共通ドライバ電極とを含んでいる。第1の共通ドライバ電極と第2の共通ドライバ電極とは、第1のビア部を介して電気的に接続され、第2の共通ドライバ電極と共通給電端子とは、第2のビア部を介して電気的に接続されている。第1のビア部と第2のビア部との内の一方のビア部を構成するビアの数は、他方のビア部を構成するビアの数より多く、かつ、第1の方向視で、他方のビア部を囲む領域の全体が一方のビア部を囲む領域に重なっている。そして、第2の共通ドライバ電極の内、少なくとも一方のビア部を囲む領域の全体が肉厚部分になっている。このため、例えば、第1の方向視で、他方のビア部を囲む領域の少なくとも一部が一方のビア部を囲む領域に重なっていない構成に比べて、第2の共通ドライバ電極を介して第1のビア部と第2のビア部との間に流れる電流に起因して第2の共通ドライバ電極に高温の特異点が生じることを抑制することができる。
(4)上記保持装置において、前記共通ドライバ電極は、第1の共通ドライバ電極と、前記第1の共通ドライバ電極と前記共通給電端子との間に配置され、複数の第1のビア部を介して前記第1の共通ドライバ電極に電気的に接続されると共に、第2のビア部を介して前記共通給電端子に電気的に接続された第2の共通ドライバ電極と、を含んでおり、前記複数の第1のビア部は、前記共通ドライバ電極の前記第1の辺に沿って並んでおり、前記共通ドライバ電極の内、少なくとも互いに隣り合う2つの以上の前記第1のビア部を囲む領域は、前記肉厚部分になっている構成としてもよい。本保持装置では、第1の共通ドライバ電極と第2の共通ドライバ電極とを電気的に接続する複数の第1のビアは、共通ドライバ電極の第1の辺に沿って並んでいる。共通ドライバ電極の内、少なくとも互いに隣り合う2つの以上の第1のビアを囲む領域は、肉厚部分になっている。このため、例えば、互いに隣り合う2つの以上の第1のビアを囲む領域が肉厚部分になっていない構成に比べて、共通ドライバ電極の第1の辺付近に高温の特異点が生じることを抑制することができる。
(5)上記保持装置において、前記第1の方向視で、前記共通ドライバ電極の面積は、前記N個の個別ドライバ電極のいずれの面積よりも大きい構成としてもよい。本保持装置では、第1の方向視で、共通ドライバ電極の面積は、N個の個別ドライバ電極のいずれの面積よりも大きい。このため、例えば、共通ドライバ電極の面積が各個別ドライバ電極の面積以下である構成に比べて、共通ドライバ電極が高温になることを効果的に抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、静電チャック、CVDヒータ等の加熱装置、真空チャック、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態における加熱装置100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態における加熱装置100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態における加熱装置100の一部を分解した斜視図である。 本実施形態における加熱装置100の一部の断面構成を概略的に示す説明図である。
A.本実施形態:
A−1.加熱装置100の構成:
図1は、本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。なお、図2には、後述の図3および図4のII−IIの位置における加熱装置100のXZ断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、加熱装置100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
加熱装置100は、対象物(例えば、半導体ウェハW)を保持しつつ所定の処理温度(例えば、400〜650℃程度)に加熱する装置であり、サセプタとも呼ばれる。加熱装置100は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置やスパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。加熱装置100は、特許請求の範囲における保持装置に相当する。
図1および図2に示すように、加熱装置100は、保持体10と柱状支持体20とを備える。
(保持体10)
保持体10は、所定の方向(本実施形態では上下方向)に略垂直な保持面S1および裏面S2を有する略円板状の部材である。保持体10は、例えば、AlN(窒化アルミニウム)を主成分とするセラミックスにより形成されている。なお、ここでいう主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。保持体10の直径は、例えば100mm以上、500mm以下程度であり、保持体10の厚さ(上下方向における長さ)は、例えば3mm以上、20mm以下程度である。保持体10は、特許請求の範囲における板状部材に相当し、上下方向(Z軸方向)は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。また、保持面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、裏面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当する。
図2に示すように、保持体10の内部には、保持体10を加熱する複数のヒータ電極50と、ヒータ電極50への給電のための構成とが配置されている。これらの構成については後述する。なお、このような構成の保持体10は、例えば、セラミックスグリーンシートを複数枚作製し、所定のセラミックスグリーンシートにビア孔の形成やメタライズペーストの充填および印刷等の加工を行い、これらのセラミックスグリーンシートを熱圧着し、切断等の加工を行った上で焼成することにより作製することができる。
(柱状支持体20)
柱状支持体20は、上記上下方向(Z軸方向)に延びる略円柱状部材である。柱状支持体20は、保持体10と同様に、例えばAlNを主成分とするセラミックスにより形成されている。柱状支持体20の外径は、例えば30mm以上、90mm以下程度であり、柱状支持体20の高さ(上下方向における長さ)は、例えば100mm以上、300mm以下程度である。
保持体10と柱状支持体20とは、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S3とが上下方向に対向するように配置されている。柱状支持体20は、保持体10の裏面S2の中心部付近に、後述の接合材料により形成された接合層30を介して接合されている。
図2に示すように、柱状支持体20には、保持体10の裏面S2側に開口する貫通孔22が形成されている。貫通孔22は、上下方向と略同一方向に延び、延伸方向にわたって略一定の内径を有する断面略円形の孔である。貫通孔22には、後述する複数の給電端子90,91(2つの個別給電端子90A,90B(図2では1つのみ図示)、共通給電端子91)が収容されている。保持体10の裏面S2の中心付近には、3つの凹部12(図2では2つのみ図示)が形成されており、3つの凹部12の内、2つの凹部12には、個別受電電極54(図2では1つのみ図示)が配置されており、1つの凹部12には共通受電電極57が配置されている。各個別給電端子90A,90Bの上端部は、金属ろう材(例えば金ろう材)を含む接合部56を介して個別受電電極54に接合されている。共通給電端子91の上端部は、金属ろう材(例えば金ろう材)を含む接合部56を介して共通受電電極57に接合されている。
A−2.ヒータ電極50の構成:
図3は、本実施形態における加熱装置100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図3には、図2のIII−IIIの位置における加熱装置100のXY断面構成が示されている。
上述したように、加熱装置100は、複数のヒータ電極50(より具体的には、2つのヒータ電極50A,50B)を備える(図2および図3参照)。2つのヒータ電極50は、保持体10の内部において、上下方向(Z軸方向)に互いに略同一の位置に配置されている。換言すれば、2つのヒータ電極50は、上下方向に略垂直な一(共通)の仮想平面(XY平面)上に配置されている。
2つのヒータ電極50の内、第1のヒータ電極50Aは、上下方向(Z軸方向)視で、保持体10の保持面S1における中心O付近の第1の領域Zaに配置されており、第2のヒータ電極50Bは、第1の領域Zaより保持体10の外周側に位置する第2の領域Zbに配置されている。なお、第1の領域Zaの上下方向視での形状は、略円形であり、第2の領域Zbの上下方向視での形状は、略環状である。各ヒータ電極50は、上下方向(Z軸方向)視で線状の抵抗発熱体であり、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。本実施形態では、各ヒータ電極50の上下方向視での形状は、略円形または略螺旋状とされている。
A−3.ヒータ電極50への給電のための構成:
図4は、本実施形態における加熱装置100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図4には、図2のIV−IVの位置における加熱装置100のXY断面構成が示されている。図5は、本実施形態における加熱装置100の一部を分解した斜視図である。図5には、ヒータ電極50とドライバ電極60,80と柱状支持体20と給電端子90,91とが示されている。
上述したように、加熱装置100は、各ヒータ電極50への給電のための構成を備えている。具体的には、加熱装置100は、複数のドライバ電極60,80(より具体的には、4つの個別ドライバ電極60と、2つの共通ドライバ電極80)を備える(図2から図5参照)。各ドライバ電極60,80は、上下方向(Z軸方向)に垂直な面方向に平行な所定の形状の導体パターンであり、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。なお、ドライバ電極60,80は、下記の(1)および(2)の少なくとも一方を満たすという点で、ヒータ電極50と相違する。
(1)ドライバ電極60,80の電流が流れる方向に対して垂直方向の断面積は、ヒータ電極50の同様な断面積の5倍以上である。
(2)ヒータ電極50における、ドライバ電極60,80につながる一方のビアから他方のビアまでの間の抵抗は、ドライバ電極60,80における、ヒータ電極50につながるビアから給電端子90,91につながるビアまでの間の抵抗の5倍以上である。例えば、第1のヒータ電極50Aにおける、第1の個別ドライバ電極61Aにつながる第1のヒータ用個別ビア部55Aから第1の共通ドライバ電極81につながるヒータ用共通ビア55C等)までの間の抵抗は、第1の個別ドライバ電極61Aにおける、第1のヒータ電極50Aにつながる第1のヒータ用個別ビア部55Aから第2の個別ドライバ電極62Aにつながる第1の個別中間ビア部56Aまでの間の抵抗の5倍以上である。
図2に示すように、複数のドライバ電極60,80は、保持体10の内部において、ヒータ電極50と裏面S2との間に配置されている。本実施形態では、複数のドライバ層が上下方向(Z軸方向)に互いに異なる位置に配置されており、各ドライバ層では、複数個の個別ドライバ電極60と1個の共通ドライバ電極80とが、上下方向に略垂直な一の仮想平面(XY平面)上に配置されている。具体的には、2個の第1の個別ドライバ電極61A,61Bと1つの第1の共通ドライバ電極81とが、上下方向に略垂直な第1の仮想平面M1(図2参照)上に配置されている。2個の第2の個別ドライバ電極62A,62Bと1つの第2の共通ドライバ電極82とが、上記第1の仮想平面M1より下側に位置する第2の仮想平面M2(図2参照)上に配置されている。
A−3−1.個別ドライバ電極60の構成:
図3から図5に示すように、各個別ドライバ電極60の上下方向視での形状は、保持体10の保持面S1の外周側から中心O側に向かうに連れて互いの距離が短くなる一対の辺を有する形状である。具体的には、各個別ドライバ電極60の上下方向視での形状は、保持面S1の中心O側から外周側(径方向)に向かって直線状に延びる一対の辺64と、該中心Oを略中心とし、かつ、一対の辺64における保持面S1の外周側の端同士を繋ぐ円弧66とから構成された略扇状である(図4参照)。一対の辺64のなす角度の内、円弧66側の角度は、180度より小さい角度(鋭角)である。2つの第1の個別ドライバ電極61A,61Bは、上下方向視で、第1の共通ドライバ電極81とは異なる領域を、該第1の個別ドライバ電極61A,61Bの個数分(2つ)に均等分割して形成される2つの領域のそれぞれに配置されている。また、2つの第2の個別ドライバ電極62A,62Bは、上下方向視で、第2の共通ドライバ電極82とは異なる領域を、該第2の個別ドライバ電極62A,62Bの個数分(2つ)に均等分割して形成される2つの領域のそれぞれに配置されている。
第1の個別ドライバ電極61A,61Bと第2の個別ドライバ電極62A,62Bとは、上下方向に並ぶように配置され、かつ、第1の個別中間ビア部56Aを介して電気的に接続されている。第2の個別ドライバ電極62Aと62Bとは、上下方向に並ぶように配置され、かつ、第2の個別中間ビア56Bを介して電気的に接続されている。第1の共通ドライバ電極81と第2の共通ドライバ電極82とは、上下方向に並ぶように配置され、かつ、複数(4つ)の共通中間ビア部56Cを介して電気的に接続されている。複数の共通中間ビア部56Cは、上下方向視で、共通ドライバ電極80の辺84に沿って並んでいる。なお、共通中間ビア部56Cは、特許請求の範囲における第1のビア部に相当する。
A−3−2.共通ドライバ電極80の構成:
図3から図5に示すように、各共通ドライバ電極80の上下方向視での形状は、保持体10の保持面S1の外周側から中心O側に向かうに連れて互いの距離が短くなる一対の辺を有する形状である。具体的には、各共通ドライバ電極80の上下方向視での形状は、保持面S1の中心O側から外周側(径方向)に向かって直線状に延びる一対の辺84と、該中心Oを略中心とし、かつ、一対の辺84における保持面S1の外周側の端同士を繋ぐ円弧86とから構成された略扇状である(図4参照)。一対の辺84のなす角度の内、円弧86側の角度は、180度より大きい角度(鈍角)である。なお、共通ドライバ電極80の辺84は、特許請求の範囲における第1の辺に相当する。
各共通ドライバ電極80は、上下方向視で、該共通ドライバ電極80と同一の仮想平面上に配置された複数個の個別ドライバ電極60とは異なる位置に配置されている。また、各共通ドライバ電極80の上下方向視での面積は、該共通ドライバ電極80と同一の仮想平面上に配置された複数個の個別ドライバ電極60のいずれの上下方向視での面積より大きい。特に、本実施形態では、各共通ドライバ電極80の上下方向視での面積は、該共通ドライバ電極80と同一の仮想平面上に配置された複数個の個別ドライバ電極60の上下方向視での面積を合算した合計面積より大きい。なお、同一の仮想平面上において、短絡防止のため、複数の個別ドライバ電極60および1つの共通ドライバ電極80とは、面方向において互いに離間するように配置されている。
なお、第1の共通ドライバ電極81と第2の共通ドライバ電極82とは、互いの周縁が重ならないように配置されている。本実施形態では、上下方向視で、第1の共通ドライバ電極81の外形線は、全周にわたって、第2の共通ドライバ電極82の外形線より内側に位置している。これにより、第1の共通ドライバ電極81と第2の共通ドライバ電極82との周縁が重なって段差が大きくなっている構成に比べて、上下方向に並ぶ導電部の周縁の段差に起因して保持体10内に空隙が生じることを抑制することができる。第1の個別ドライバ電極61A,61Bと第2の個別ドライバ電極62A,62Bとについても同様であり、第2の個別ドライバ電極62Aと62Bとについても同様である。
A−3−3.ヒータ電極50とドライバ電極60,80と給電端子90,91との電気的接続:
第1のヒータ電極50Aの一方の端部は、第1のヒータ用個別ビア部55Aを介して、第1の個別ドライバ電極61Aに電気的に接続されており、第1のヒータ電極50Aの他方の端部は、第1のヒータ用共通ビア部55Cを介して、第1の共通ドライバ電極81に電気的に接続されている。第2のヒータ電極50Bの一方の端部は、第2のヒータ用個別ビア部55Bを介して、第2の個別ドライバ電極61Bに電気的に接続されており、第2のヒータ電極50Bの他方の端部は、第2のヒータ用共通ビア部55Dを介して、第1の共通ドライバ電極81に電気的に接続されている。
第2の個別ドライバ電極62Aは、第1の端子用個別ビア部58Aを介して、第1の個別給電端子90Aに電気的に接続されており、第2の個別ドライバ電極62Bは、第2の端子用個別ビア部58Bを介して、第2の個別給電端子90Bに電気的に接続されている。また、第2の共通ドライバ電極82は、端子用共通ビア部58Cを介して、共通給電端子91に電気的に接続されている。なお、各ビア部(ヒータ用個別ビア部55A,55B、各ヒータ用共通ビア部55C,55D、各個別中間ビア部56A,56B、共通中間ビア部56C、各端子用個別ビア部58A,58B、端子用共通ビア部58C)は、いずれも、複数のビア(線状の導電体)のグループにより構成されている(後述の図6参照)。また、端子用共通ビア部58Cは、特許請求の範囲における第2のビア部に相当する。
以上の構成により、図示しない電源から各給電端子90,91、各受電電極54,57等を介して複数のヒータ電極50のそれぞれに電圧が印加されると、各ヒータ電極50が発熱し、保持体10の保持面S1上に保持された対象物(例えば、半導体ウェハW)が所定の温度(例えば、400〜650℃程度)に加熱される。
A−4.共通ドライバ電極80における高温の特異点の発生を抑制するための構成:
図6は、本実施形態における加熱装置100の一部の断面構成を概略的に示す説明図である。図6には、図4のVI−VIの位置における加熱装置100における共通ドライバ電極80の周辺部分のZ軸方向に平行な断面構成が示されている。
加熱装置100は、共通ドライバ電極80における高温の特異点の発生を抑制するための構成を備える。まず、図2および図5に示すように、2つの個別給電端子90と共通給電端子91とは、いずれも、上下方向視で保持体10の保持面S1の中心O側(保持面S1の周縁より中心Oに近い位置)に配置されている。また、図5および図6に示すように、共通ドライバ電極80は、共通給電端子91に電気的に接続された端子接続部分85(第2の共通ドライバ電極82における共通給電端子91(端子用共通ビア部58C)の直上に位置する部分)と、2つのヒータ電極50のそれぞれに電気的に接続された2つのヒータ接続部分87(各ヒータ電極50の他方の端部(各ヒータ用共通ビア部55C,55D)の直下に位置する部分)とを有する。端子接続部分85は、2つのヒータ接続部分87のいずれよりも、保持面S1の中心O側に位置している(図5参照)。
図2、図4から図6に示すように、第1の共通ドライバ電極81は、第1の肉厚部分88を有する。第1の肉厚部分88の上下方向視での形状は、第1の共通ドライバ電極81の一対の辺84のそれぞれに沿った一対の辺88Aを有するとともに、保持体10の保持面S1の外周側における周縁部88Bが、第1の共通ドライバ電極81の周縁部から離間した形状である(図4および図5参照)。具体的には、第1の肉厚部分88の上下方向視での形状は、保持面S1の中心O側から、第1の共通ドライバ電極81の一対の辺84のそれぞれに沿って外周側(径方向)に向かって直線状に延び、かつ、該辺84より短い一対の辺88Aと、該中心Oを略中心とし、かつ、一対の辺84における保持面S1の外周側の端同士を繋ぐ円弧(周縁部88B)とから構成された略扇状である(図4参照)。また、第1の肉厚部分88の上下方向の厚さは、第1の共通ドライバ電極81における他の部分(第1の肉厚部分88より外周側の部分)の上下方向の厚さより厚い。なお、上下方向視で、第1の肉厚部分88における各辺88Aの位置は、第1の共通ドライバ電極81における各辺84に対して、第1の共通ドライバ電極81の内側にずれている。これにより、第1の肉厚部分88における辺88Aと第1の共通ドライバ電極81における辺84が重なる構成に比べて、共通ドライバ電極80の厚みに起因して保持体10内に空隙が生じることを抑制することができる。なお、第1の共通ドライバ電極81における辺84と第1の肉厚部分88における辺88Aとのずれ幅は、1mm以上であることが好ましく、また、3mm以下であることが好ましい。また、本実施形態では、第2の共通ドライバ電極82も、第1の肉厚部分88と同様の第2の肉厚部分89を有する(図2、図5および図6参照)。
図6に示すように、端子用共通ビア部58Cと共通中間ビア部56Cとは、上下方向視で、ヒータ接続部分87より保持面S1の中心O側に位置している。また、端子用共通ビア部58Cにおけるヒータ接続部分87側の端の位置と、該端子用共通ビア部58Cの直上に位置する共通中間ビア部56Cにおけるヒータ接続部分87側の端の位置とは、略一致している。換言すれば、上下方向視で、端子用共通ビア部58Cとヒータ接続部分87との最短距離と、該端子用共通ビア部58Cの直上に位置する共通中間ビア部56Cとヒータ接続部分87との最短距離とは、略同じである。より具体的には、端子用共通ビア部58Cを構成する4本のビアの内、ヒータ接続部分87に最も近いビアにおけるヒータ接続部分87側の端の位置と、該端子用共通ビア部58Cの直上に位置する共通中間ビア部56Cを構成する3本のビアの内、ヒータ接続部分87に最も近いビアにおけるヒータ接続部分87側の端の位置とは、略一致している(図6の一点鎖線L参照)。
また、図4から図6に示すように、複数(4つ)の共通中間ビア部56Cが、第1の共通ドライバ電極81の辺84に沿って並んでいる。第1の共通ドライバ電極81の内、少なくとも互いに隣り合う2つの以上の共通中間ビア部56Cを囲む領域は、肉厚部分(第1の肉厚部分88)になっている。具体的には、上下方向視で、第1の肉厚部分88の外形線は、第1の共通ドライバ電極81の一対の辺84のそれぞれに沿って並んでいる2つずつの共通中間ビア部56Cを包含している。さらに、上下方向視で、第1の肉厚部分88の外形線は、複数のヒータ用共通ビア55Cの内、少なくとも、保持体10の保持面S1の中心Oに最も近いヒータ用共通ビア55Cを包含している。このため、図6に示すように、第1の共通ドライバ電極81は、ヒータ接続部分87から各共通中間ビア部56Cとの接続部分にわたって肉厚部分(第1の肉厚部分88)になっている。
また、図5および図6に示すように、複数(4つ)の共通中間ビア部56Cが、第2の共通ドライバ電極82において径方向に延びる各辺に沿って並んでいる。第2の共通ドライバ電極82の内、少なくとも互いに隣り合う2つの以上の共通中間ビア部56Cを囲む領域は、肉厚部分(第2の肉厚部分89)になっている。具体的には、上下方向視で、第2の肉厚部分89の外形線は、第2の共通ドライバ電極82の一対の辺のそれぞれに沿って並んでいる2つずつの共通中間ビア部56Cを包含している。ここで、端子用共通ビア部58Cのビアの数は、該端子用共通ビア部58Cの直上に位置する共通中間ビア部56Cの数より多い。また、上下方向視で、共通中間ビア部56C(共通中間ビア部56Cを構成する全てのビア)を囲む領域の全体が端子用共通ビア部58C(端子用共通ビア部58Cを構成する全てのビア)を囲む領域に重なっている。第2の肉厚部分89の内、少なくとも端子用共通ビア部58Cを囲む領域の全体は、肉厚部分(第2の肉厚部分89)になっている。
なお、共通ドライバ電極80における肉厚部分88,89の特定方法は次の通りである。まず、超音波探傷検査により取得された画像から、共通ドライバ電極80における肉厚部分88,89の形状を確認する。同画像において、肉厚部分と他の部分とは画像の色の濃度が異なることから両者を区別することができる(例えば、肉厚部分の色は、他の部分の色に比べて白っぽい)。したがって、この白っぽい部分の形状が、一対の第1の辺のそれぞれに沿った一対の第2の辺を有するとともに、保持体10の保持面S1の外周側における周縁部が、共通ドライバ電極80の周縁部から離間した形状であれば、肉厚部分の形状に関する条件を満たすことになる。また、共通ドライバ電極80における端子接続部分85とヒータ接続部分87との両方を含む部分について、上下方向に平行な断面画像を取得し、その断面画像において、上記超音波探傷検査により特定された肉厚部分が他の部分より厚ければ(肉厚部分の最小厚み>他の部分の最小厚みがより好ましい)、肉厚部分の厚さに関する条件を満たすことになる。
A−5.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の加熱装置100では、2つのヒータ電極50のそれぞれに流れる電流のすべてが共通ドライバ電極80に流れる。このため、共通ドライバ電極80は、個別ドライバ電極60に比べて、電流が流れることによる発熱量が大きい。また、共通ドライバ電極80は、複数の個別ドライバ電極60と共に、一の仮想平面M1,M2上に配置されている。このため、共通ドライバ電極80の発熱を抑制するために、共通ドライバ電極80の上下方向視での面積を広く確保するにも制約がある。さらに、2つの個別給電端子90と共通給電端子91とは、いずれも、上下方向視で保持体10の保持面S1の中心O側に配置されている。このため、仮に、共通ドライバ電極80が上述の肉厚部分88,89を有しない構成では、共通ドライバ電極80における保持面S1の中心O側に高温の特異点が生じやすい。
これに対して、本実施形態では、共通ドライバ電極80は、肉厚部分88,89を有している。各肉厚部分88,89の上下方向視での形状は、共通ドライバ電極80の一対の辺84のそれぞれに沿った一対の辺88Aを有するとともに、保持面S1の外周側における自身の周縁部88Bが共通ドライバ電極80の周縁部86から離間した形状である(図4および図5参照)。また、肉厚部分88,89の上下方向の厚さは、共通ドライバ電極80における他の部分(肉厚部分88,89を除いた部分)の上下方向の厚さより厚い(図5および図6参照)。このため、本実施形態によれば、共通ドライバ電極80が肉厚部分を有しない構成に比べて、共通ドライバ電極80における保持面S1の中心O側に高温の特異点が生じることを抑制することができる。なお、共通ドライバ電極80における肉厚部分88,89と他の部分との上下方向の厚さの差は、5μm以上であることが好ましく、10μm以上、50μm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態では、共通ドライバ電極80は、上下方向に互いに異なる位置に配置された第1の共通ドライバ電極81と第2の共通ドライバ電極82を有する。第1の共通ドライバ電極81と第2の共通ドライバ電極82とは、いずれも、肉厚部分88,89を有する。このため、共通ドライバ電極80における保持面S1の中心O側に高温の特異点が生じることを、より効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、端子用共通ビア部58Cにおけるヒータ接続部分87側の端の位置と、該端子用共通ビア部58Cの直上に位置する共通中間ビア部56Cにおけるヒータ接続部分87側の端の位置とは、略一致している(図6参照)。このため、上下方向視で、端子用共通ビア部58Cと共通中間ビア部56Cとのヒータ接続部分側の端の位置が互いに異なる構成に比べて、第2の共通ドライバ電極82を介して端子用共通ビア部58Cと共通中間ビア部56Cとの間に流れる電流に起因して第2の共通ドライバ電極82に高温の特異点が生じることを抑制することができる。
また、本実施形態では、端子用共通ビア部58Cのビアの数は、該端子用共通ビア部58Cの直上に位置する共通中間ビア部56Cの数より多い。また、上下方向視で、共通中間ビア部56Cを囲む領域の全体が端子用共通ビア部58Cを囲む領域に重なっている。第2の肉厚部分89の内、少なくとも端子用共通ビア部58Cを囲む領域の全体は、肉厚部分(第2の肉厚部分89)になっている(図6参照)。このため、例えば、上下方向視で、共通中間ビア部56Cを囲む領域の少なくとも一部が端子用共通ビア部58Cを囲む領域に重なっていない構成に比べて、第2の共通ドライバ電極82を介して端子用共通ビア部58Cと共通中間ビア部56Cとの間に流れる電流に起因して第2の共通ドライバ電極82に高温の特異点が生じることを抑制することができる。
また、本実施形態では、複数(4つ)の共通中間ビア部56Cが、第1の共通ドライバ電極81の辺84に沿って並んでいる。第1の共通ドライバ電極81の内、少なくとも互いに隣り合う2つの以上の共通中間ビア部56Cを囲む領域は、肉厚部分(第1の肉厚部分88)になっている。このため、例えば、互いに隣り合う2つの以上の共通中間ビア部56Cを囲む領域が肉厚部分になっていない構成に比べて、共通ドライバ電極80の辺84付近に高温の特異点が生じることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上下方向視で、共通ドライバ電極80の面積は、各個別ドライバ電極60のいずれの面積よりも大きい。このため、例えば、共通ドライバ電極80の面積が個別ドライバ電極60の面積以下である構成に比べて、共通ドライバ電極80が高温になることを効果的に抑制することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における加熱装置100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、保持体10の保持面S1(第1の表面)は、平面であるとしたが、例えば、緩やかな凹面状であるとしてもよい。要するに、保持面S1は、略平面状であればよい。また、上記実施形態では、個別給電端子90や共通給電端子91の形状は、上下方向に延びる略棒状であるとしたが(図2参照)、例えば平板状(例えば個別受電電極54や共通受電電極57)であるとしてもよい。また、上記実施形態では、個別給電端子90等は、保持体10の裏面S2に形成された凹部12の底面に配置されるとしたが、個別給電端子90等は、例えば、裏面S2の平面上や裏面S2に形成された凸部に配置されるとしてもよい。
また、上記実施形態において、複数のヒータ電極50の少なくとも一部は、保持体10の内部において、上下方向(Z軸方向)に互いに異なる位置に配置されているとしてもよい。また、上記実施形態において、加熱装置100は、上記ドライバ層を1つ(1層)だけ、或いは、3つ(3層)以上備えるとしてもよい。また、上記実施形態では、保持体10に備えられた全てのヒータ電極50に電気的に接続された全てのドライバ電極60,80に対して本発明を適したが、保持体10に備えられた一部のヒータ電極50に電気的に接続された一部のドライバ電極60,80に対してのみ本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態において、ドライバ電極60,80は、保持体10の内部において、保持面S1とヒータ電極50との間に配置されているとしてもよい。また、上記実施形態において、個別ドライバ電極60の上下方向視での形状は、一対の辺64のなす角度の内、円弧66側の角度が180度、または、180度より大きい角度である略扇状であってもよい。また、個別ドライバ電極60の上下方向視での形状は、扇状以外の形状(例えば三角形)であってもよい。
また、上記実施形態において、共通ドライバ電極80の上下方向視での形状は、一対の辺84のなす角度の内、円弧86側の角度が180度、または、180度より小さい(鋭角)である略扇状であってもよい。共通ドライバ電極80の上下方向視での形状は、扇状以外の形状であってもよい。また、上記実施形態において、第1の共通ドライバ電極81と第2の共通ドライバ電極82とを電気的に接続する共通中間ビア部56Cの数が1つであってもよい。また、上記実施形態において、共通ドライバ電極80の各辺84は、直線に限らず、例えば曲線状であってもよい。なお、共通ドライバ電極80が有する一対の第1の辺のなす角が鋭角である場合、共通ドライバ電極における第1の表面の中心側の先端先細り状部分に高温の特異点が特に生じやすいため、本発明を適用することは特に好ましい。
上記実施形態において、各肉厚部分88,89の上下方向視での形状は、扇状以外の形状であってもよい。要するに、肉厚部分の上下方向視での形状は、共通ドライバ電極80の辺84に沿った辺を有するとともに、周縁部が共通ドライバ電極80の円弧86(周縁部)から離間した形状であればよい。また、上下方向視で、第1の肉厚部分88における各辺88Aの位置は、第1の共通ドライバ電極81における各辺84に重なっていてもよい。また、上記実施形態において、2つの共通ドライバ電極80の一方は、肉厚部分を有しない構成であってもよい。また、上記実施形態において、共通ドライバ電極80に加えて、個別ドライバ電極60が肉厚部分を有する構成であってもよい。この肉厚部分の上下方向視での形状は、個別ドライバ電極60の一対の辺64のそれぞれに沿った一対の辺を有するとともに、保持体10の保持面S1の外周側における周縁部66が、個別ドライバ電極60の周縁部から離間した形状である。このような構成であれば、個別ドライバ電極60における保持面S1の中心O側に高温の特異点が生じることを抑制することができる。
上記実施形態において、上下方向視で、端子用共通ビア部58Cと共通中間ビア部56Cとのヒータ接続部分側の端の位置が互いに異なる構成であってもよい。また、上記実施形態において、上下方向視で、共通中間ビア部56Cを囲む領域の少なくとも一部が端子用共通ビア部58Cを囲む領域に重なっていない構成であってもよい。また、上記実施形態において、互いに隣り合う2つの以上の共通中間ビア部56Cを囲む領域が肉厚部分になっていない構成であってもよい。また、共通ドライバ電極80の面積が各個別ドライバ電極60の面積以下である構成であってもよい。
また、上記実施形態において、各ビア部(ヒータ用個別ビア部55A,55B等)は、単数のビアにより構成されてもよい。また、上記実施形態において、各ビア部は、ビア部分のみからなる単層構成であってもよいし、複数層構成(例えば、ビア部分とパッド部分とビア部分とが積層された構成)であってもよい。
また、上記実施形態の加熱装置100における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。例えば、上記実施形態では、板状部材として、AlNにより形成された保持体10を例示したが、板状部材は、Al(アルミナ)などの他のセラミックス材料やセラミックス以外の材料(例えば樹脂等の絶縁材料)により形成された部材であるとしてもよい。
また、本発明は、保持体10と柱状支持体20とを備え、半導体ウェハWを保持して加熱する加熱装置100に限らず、板状部材を備え、板状部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、静電チャックや真空チャック等)にも適用可能である。
10:保持体 12:凹部 20:柱状支持体 22:貫通孔 30:接合層 50(50A,50B):ヒータ電極 54:個別受電電極 55A:第1のヒータ用個別ビア部 55B:第2のヒータ用個別ビア部 55C:第1のヒータ用共通ビア部 55D:第2のヒータ用共通ビア部 56:接合部 56A:第1の個別中間ビア部 56B:第2の個別中間ビア 56C:共通中間ビア部 57:共通受電電極 58A:第1の端子用個別ビア部 58B:第2の端子用個別ビア部 58C:端子用共通ビア部 60:個別ドライバ電極 61A,61B:第1の個別ドライバ電極 62A,62B:第2の個別ドライバ電極 66:円弧 80:共通ドライバ電極 81:第1の共通ドライバ電極 82:第2の共通ドライバ電極 84:辺 85:端子接続部分 86:円弧 87:ヒータ接続部分 88:第1の肉厚部分 88A:辺 88B:周縁部 89:第2の肉厚部分 90(90A,90B):個別給電端子 91:共通給電端子 100:加熱装置 L:一点鎖線 M1:第1の仮想平面 M2:第2の仮想平面 O:中心 S1:保持面 S2:裏面 S3:上面 W:半導体ウェハ Za:第1の領域 Zb:第2の領域

Claims (5)

  1. 第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状部材と、
    前記板状部材の内部に配置され、抵抗発熱体により構成された複数のヒータ電極と、
    前記板状部材の内部において前記第1の方向に略垂直な一の仮想平面上に配置され、前記複数のヒータ電極の内のN(Nは2以上の整数)個の前記ヒータ電極のそれぞれに対して電気的に接続されたN個の個別ドライバ電極と、
    前記板状部材の前記第2の表面側に配置され、前記N個の個別ドライバ電極のそれぞれに対して電気的に接続されたN個の個別給電端子と、
    前記板状部材の内部において前記一の仮想平面上に配置され、前記N個のヒータ電極のすべてに対して電気的に接続された共通ドライバ電極と、
    前記板状部材の前記第2の表面側に配置され、前記共通ドライバ電極に対して電気的に接続された共通給電端子と、
    を備え、
    前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記N個の個別給電端子と前記共通給電端子とは、いずれも、前記第1の方向視で前記第1の表面の中心側に配置され、
    前記共通ドライバ電極の前記第1の方向視での形状は、前記第1の表面の外周側から前記中心側に向かうに連れて互いの距離が短くなる一対の第1の辺を有する形状であり、
    前記共通ドライバ電極は、前記共通給電端子に電気的に接続された端子接続部分と、前記N個のヒータ電極に電気的に接続されたN個のヒータ接続部分と、を有し、前記第1の方向視で、前記端子接続部分は、前記ヒータ接続部分より前記第1の表面の前記中心側に位置しており、
    前記共通ドライバ電極は、
    前記第1の方向視での形状が、前記一対の第1の辺のそれぞれに沿った一対の第2の辺を有するとともに、前記第1の表面の前記外周側における周縁部が、前記共通ドライバ電極の周縁部から離間した形状であり、かつ、前記第1の方向の厚さが、前記共通ドライバ電極における他の部分の前記第1の方向の厚さより厚い、肉厚部分を有している、
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載の保持装置において、
    前記共通ドライバ電極は、第1の共通ドライバ電極と、前記第1の方向において前記第1の共通ドライバ電極と前記共通給電端子との間に配置され、第1のビア部を介して前記第1の共通ドライバ電極に電気的に接続されると共に、第2のビア部を介して前記共通給電端子に電気的に接続された第2の共通ドライバ電極と、を含んでおり、
    前記第1のビア部と前記第2のビア部とは、前記第1の方向視で前記ヒータ接続部分より前記第1の表面の前記中心側に位置し、かつ、前記第1の方向視で前記ヒータ接続部分側の端の位置は互いに略一致している、
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の保持装置において、
    前記共通ドライバ電極は、第1の共通ドライバ電極と、前記第1の方向において前記第1の共通ドライバ電極と前記共通給電端子との間に配置され、第1のビア部を介して前記第1の共通ドライバ電極に電気的に接続されると共に、第2のビア部を介して前記共通給電端子に電気的に接続された第2の共通ドライバ電極と、を含んでおり、
    前記第1のビア部と前記第2のビア部との内の一方のビア部を構成するビアの数は、他方のビア部を構成するビアの数より多く、かつ、前記第1の方向視で、前記他方のビア部を囲む領域の全体が前記一方のビア部を囲む領域に重なっており、
    前記第2の共通ドライバ電極の内、少なくとも前記一方のビア部を囲む領域の全体は、前記肉厚部分になっている、
    ことを特徴とする保持装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記共通ドライバ電極は、第1の共通ドライバ電極と、前記第1の共通ドライバ電極と前記共通給電端子との間に配置され、複数の第1のビア部を介して前記第1の共通ドライバ電極に電気的に接続されると共に、第2のビア部を介して前記共通給電端子に電気的に接続された第2の共通ドライバ電極と、を含んでおり、
    前記複数の第1のビア部は、前記共通ドライバ電極の前記第1の辺に沿って並んでおり、
    前記共通ドライバ電極の内、少なくとも互いに隣り合う2つの以上の前記第1のビア部を囲む領域は、前記肉厚部分になっている、
    ことを特徴とする保持装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記第1の方向視で、前記共通ドライバ電極の面積は、前記N個の個別ドライバ電極のいずれの面積よりも大きい、
    ことを特徴とする保持装置。
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