JP2020184955A - 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム - Google Patents

農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】強度及び柔軟性に優れた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを提供することを目的とする。【解決手段】農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1は、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(a)を含む樹脂材料からなる外層2と、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(c)を含む樹脂材料からなる内層7と、外層2と内層7との間に設けられ、1層以上の、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる中間層3とを備え、前記直鎖状低密度ポリエチレン(b)の密度は、前記直鎖状低密度ポリエチレン(a)及び前記直鎖状低密度ポリエチレン(c)の密度よりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、農業用ハウス、農業用トンネル等の農業用施設に用いられる農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムに関する。
一般に、ハウス栽培やトンネル栽培等で使用される温室やトンネル等は、金属パイプ等の骨組みに可撓性樹脂フィルム等の被覆資材を被覆することによって作られている。この被覆資材に求められる性能としては、例えば、透明性、保温性等が挙げられ、その両方に優れるものとして、例えば、塩化ビニル樹脂製軟質フィルム等が多く使用されてきた。
しかし、近年、被覆資材は、塩化ビニル樹脂フィルムからポリオレフィン系樹脂フィルムへと急速に入れ代わりつつある。なお、ポリオレフィン系樹脂とは、分子の末端に二重結合を持つα−オレフィン(例えば、エチレンやプロピレン等)の単独重合体、又は共重合体である。その具体例としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
塩化ビニル樹脂フィルムからポリオレフィン系樹脂フィルムへ入れ代わる大きな理由は、フィルムの軽さ、耐候性の向上、可塑剤を含まないことによる耐汚性の向上、保温剤等の開発による保温性の向上等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂フィルムは、塩化ビニル樹脂フィルムに見劣りしない性能を得るに至っている。
また、農業用被覆資材としての樹脂フィルムには、上記性能の他に、例えば、引裂強度、耐衝撃強度、引張強度等が良好で、成形性、高透明性、耐候性、防曇性等に優れていることが要求される。そのため、強度に優れたメタロセン系触媒を用いて製造されたエチレン・炭素数4〜40のα−オレフィン共重合体樹脂を内層及び外層に用い、柔軟性に優れたエチレン−酢酸ビニル共重合体や低密度ポリエチレンを中間層に用いた3層の農業用フィルムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平11−254612号公報
しかし、特許文献1に記載の農業用フィルムでは、強度に優れた上記共重合体樹脂が内層及び外層に用いられているものの、厚みの80%を占める中間層がエチレン−酢酸ビニル共重合体又は低密度ポリエチレンのみで構成されているため、フィルム全体としての強度が十分ではなく、該強度を上げる余地がある。
ここで、フィルム全体の強度を上げる手法としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体や低密度ポリエチレン等の使用比率を減らして上記共重合体樹脂の使用比率を増やす方法等が考えられるが、単純に該共重合体樹脂の使用比率を上げるとフィルムが硬くなり(柔軟性に劣り)、その結果、展張作業性が低下する(スプリング留めし難くなる)という不都合が生じる。
そこで、本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、強度及び柔軟性に優れた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(a)を含む樹脂材料からなる外層と、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(c)を含む樹脂材料からなる内層と、前記外層と前記内層との間に設けられ、1層以上の、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる中間層とを備え、前記直鎖状低密度ポリエチレン(b)の密度は、前記直鎖状低密度ポリエチレン(a)及び前記直鎖状低密度ポリエチレン(c)の密度よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、強度及び柔軟性に優れた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを提供することが可能になる。
本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの第1の実施形態を示す断面図である。 本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの第2の実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(第1の実施形態)
(農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム)
図1に示すように、本実施形態に係る農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1は、外層2と、3層の中間層3と、内層7とを備えた5層構造のフィルムである。
<外層>
外層2は、農業用施設に展設された際には、太陽光の当たる側、即ち該施設の外側に面する最外層である。この外層2は、インフレーション法にて農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1を製造する際に、チューブ状の溶融樹脂を膨張させるための空気が内側から抜けないようにする層である。また、外層2は、中間層3の機能を妨げることなく、中間層3を保護する層であることから、光透過性を有する層にする。
ここで、外層2は、上記性能(強度、光透過性)を発現させるために、主な樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(a)を含む樹脂材料からなる層であり、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(a)を単独で含む(換言すると、樹脂成分が直鎖状低密度ポリエチレン(a)のみである)樹脂材料からなる層であってもよい。
直鎖状低密度ポリエチレン(a)としては、例えば、メタロセン系触媒又はチグラー触媒を用いて製造された線状低密度ポリエチレン等が挙げられる。この線状低密度ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィンとのランダム共重合体やブロック共重合体等を用いることができる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等が挙げられる。なお、α−オレフィンは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(a)は、メルトマスフローレート(MFR)が0.2g/10分以上のものが好ましい。メルトマスフローレートが0.2g/10分以上であれば、押出機内における過負荷がなく問題なく押し出しすることが可能である。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(a)は、密度が0.912g/cm以上のものが好ましい。これにより、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1のべたつきが抑制されて該フィルム1に汚れが付着し難くなる。なお、密度の上限値は、透明性を向上させる観点から、0.940g/cm以下である。
なお、外層2を構成する樹脂材料は、外層2に求められる上記性能を損なわない範囲で、直鎖状低密度ポリエチレン(a)以外のポリオレフィン系樹脂(例えば低密度ポリエチレン等)、他の公知の添加剤等を含んでいてもよい。
添加剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤や紫外線吸収剤等の耐候剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げられ、長期使用に耐え得る農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを得る観点から、耐候剤が好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系のもの等が挙げられる。添加剤の配合量は、例えば、外層2の樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1質量部である。
外層2の厚さは、強度を向上させる観点から、好ましくはフィルム全体の厚さの10〜40%である。
<内層>
内層7は、農業用施設に展設された際には、該施設の内側に面する最内層である。この内層7は、外層2と同様に、インフレーション法にて農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを製造する際に、チューブ状の溶融樹脂を膨張させるための空気が内側から抜けないようにする層である。また、内層7は、中間層3の機能を妨げることなく、中間層3を保護する層であることから、光透過性を有する層にする。
ここで、内層7は、上記性能(強度、光透過性)を発現させるために、主な樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(c)を含む樹脂材料からなる層であり、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(c)を単独で含む(換言すると、樹脂成分が直鎖状低密度ポリエチレン(c)のみである)樹脂材料からなる層であってもよい。
直鎖状低密度ポリエチレン(c)としては、例えば、メタロセン系触媒又はチグラー触媒を用いて製造された線状低密度ポリエチレン等が挙げられる。この線状低密度ポリエチレンは、上記と同様のものを用いることができる。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(c)は、メルトマスフローレートが0.2g/10分以上のものが好ましい。メルトマスフローレートが0.2g/10分以上であれば、押出機内における過負荷がなく問題なく押し出しすることが可能である。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(c)は、密度が0.912g/cm以上のものが好ましい。これにより、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1のべたつきが抑制されて該フィルム1に汚れが付着し難くなる。なお、密度の上限値は、透明性を向上させる観点から、0.940g/cm以下である。
なお、内層7を構成する樹脂材料は、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1に防曇性を付与するために、防曇剤を含んでいてもよい。防曇剤としては、例えば、多価アルコール(ソルビタン系、グリセリン系、ジグリセリン系等)と脂肪酸との部分エステル、またはこれらとアルキレングリコールとの縮合物等が挙げられる。なお、防曇剤の配合量は、内層7の樹脂成分100質量部に対して、1〜5質量部が好ましく、1.2〜3質量部がより好ましい。
また、内層7を構成する樹脂材料は、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1に防霧性を付与するために、防曇剤と共に、フッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を含んでいてもよい。
また、内層7を構成する樹脂材料は、内層7に求められる上記性能を損なわない範囲で、他のポリオレフィン系樹脂(低密度ポリエチレン等)、他の公知の添加剤等を含んでいてもよい。添加剤としては、上記と同様のものが挙げられる。添加剤の配合量は、例えば、内層7の樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1質量部である。
内層7の厚さは、強度を向上させる観点から、好ましくはフィルム全体の厚さの10〜40%である。
<中間層>
中間層3は、外層2と内層7との間に設けられている。この中間層3は、外層2側から順に、第1中間層4と、第2中間層5と、第3中間層6とを備えた3層で構成されている。なお、第1中間層4、第2中間層5、及び第3中間層6は、いずれも非発泡の層である。
ここで、第1中間層4、第2中間層5及び第3中間層6のうち少なくとも1層は、強度を発現させるために、主な樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(b)を含む樹脂材料からなる層である。
より具体的には、上記直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる層は、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(b)を単独で含む(換言すると、樹脂成分が直鎖状低密度ポリエチレン(b)のみである)樹脂材料からなる層であってもよく、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(b)と共に他のポリオレフィン系樹脂を含む樹脂材料からなる層であってもよい。
直鎖状低密度ポリエチレン(b)としては、例えば、メタロセン系触媒又はチグラー触媒を用いて製造された線状低密度ポリエチレン等が挙げられる。この線状低密度ポリエチレンは、上記と同様のものを用いることができる。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(b)は、メルトマスフローレートが0.2g/10分以上のものが好ましい。メルトマスフローレートが0.2g/10分以上であれば、押出機内における過負荷がなく問題なく押し出しすることが可能である。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(b)は、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1の柔軟性を向上させる観点から、密度が0.870g/cm以上0.911g/cm以下のものが好ましい。
ここで、本実施形態では、直鎖状低密度ポリエチレン(b)の密度は、直鎖状低密度ポリエチレン(a)及び直鎖状低密度ポリエチレン(c)の密度よりも小さい。これにより、中間層のうち少なくとも1層が樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる層であっても、柔軟性が保持され、その結果、展張作業性も保持される。
なお、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1の柔軟性は、低温伸びにより評価することができる。低温伸びは、柔軟性に優れた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1を得るためには、5%以上40%以下であることが好ましく、5%以上15%以下であることがより好ましい。なお、本明細書において、低温伸びは、以下の実施例に記載の方法により算出される値をいう。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(b)は、密度が0.870g/cm以上0.911g/cm以下のものが好ましく、密度が0.870g/cm以上0.906g/cm以下のものがより好ましい。直鎖状低密度ポリエチレン(b)の密度が0.870g/cm以上0.911g/cm以下であれば、長期使用に耐え得る農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1を得ることができる。
なお、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1が長期使用に耐え得るどうかは、例えば、サンシャインウェザオメーター(WOM)による促進耐候性試験後の引張切断強さや、該試験前後の引張切断強さから算出される伸び残率等により評価することができる。長期使用に耐え得る農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1を得るためには、サンシャインWOMによる促進耐候性試験3000時間経過後の引張切断強さが30N/mm以上、及び/又は該サンシャインWOMによる促進耐候性試験前後の伸び残率が79%以上であることが好ましい。なお、本明細書において、引張切断強さ及び伸び残率は、以下の実施例に記載の方法により測定・算出される値をいう。
他のポリオレフィン系樹脂としては、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1に柔軟性を付与して展張作業を容易にする点、安定した防曇性を付与する点から、オレフィン−酢酸ビニル共重合体及び低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及び低密度ポリエチレンがより好ましい。これら他のポリオレフィン系樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量5〜30質量%のものが好ましく、酢酸ビニル含有量10〜25質量%のものがより好ましい。酢酸ビニル含有量が5質量%以上であれば柔軟性が良好である。酢酸ビニル含有量が30質量%以下であれば、フィルムに腰があり、しなやかで丈夫なため、展張時のとりまわしがよく、得られる農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1の強度が十分であり、透明性も良好である。
低密度ポリエチレンとしては、例えば高圧法低密度ポリエチレン等が挙げられる。この高圧法低密度ポリエチレンは、密度0.935g/cm以下のものが好ましく、0.910〜0.935g/cmのものを好適に用いることができる。
直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる層の樹脂成分を100質量部とした場合に、直鎖状低密度ポリエチレン(b)の含有量は、好ましくは60質量部以上であり、その上限値は100質量部である。該含有率が60質量部以上であれば、強度を保持しつつ、柔軟性に優れる農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1を得ることができる。
また、第1中間層4、第2中間層5及び第3中間層6のうち少なくとも1層は、樹脂成分として低密度ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を単独で含む(換言すると、樹脂成分が低密度ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体のみである)樹脂材料からなる層であってもよく、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を単独で含む樹脂材料からなる層であってもよい。これにより、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1に柔軟性を付与して、該フィルム1の展張作業が容易になる。なお、低密度ポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体は、上記と同様のものが挙げられる。
中間層3の樹脂成分(第1中間層4、第2中間層5及び第3中間層6の樹脂成分の全て)を100質量部とした場合に、直鎖状低密度ポリエチレン(b)の含有量は、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1の強度及び透明性を向上させる観点から、好ましくは10質量部以上80質量部以下、より好ましくは20質量部以上70質量部以下である。
中間層3の構成は、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を単独で含む樹脂材料からなる第1中間層4及び第3中間層6と、直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる第2中間層5との3層構造;直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる第1中間層4及び第3中間層6と、低密度ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体を単独で含む樹脂材料からなる第2中間層5との3層構造等が挙げられる。なお、外層2及び内層7と中間層3との引裂強さを向上させる観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体を単独で含む樹脂材料からなる第1中間層4及び第3中間層6と、直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる第2中間層5との3層構造が好ましい。
なお、中間層3を構成する各層の樹脂材料は、保温性を高める観点から、保温剤(遠赤外線吸収剤)を含んでいてもよい。保温剤としては、例えば、ハイドロタルサイト類化合物、無機酸化物、無機水酸化物等が挙げられる。保温剤の配合量は、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1の強度を保持しつつ、保温性を向上させる観点から、中間層3を構成する各層の樹脂成分100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部であり、より好ましくは3〜10質量部である。
また、中間層3を構成する各層の樹脂材料は、中間層3に求められる上記性能を損なわない範囲で、酸化チタン顔料、カーボンブラック顔料、アルミニウム顔料等の顔料を含んでいてもよい。
また、中間層3を構成する各樹脂材料は、中間層3に求められる上記性能を損なわない範囲で、直鎖状低密度ポリエチレン(b)以外のポリオレフィン系樹脂、他の公知の添加剤等を含んでいてもよい。
添加剤としては、上記と同様のものが挙げられる。添加剤の配合量は、特に限定されず、例えば、中間層3を構成する各層の樹脂成分100質量部に対して、0.05〜1質量部である。
中間層3の厚さ(中間層3を構成する各層の厚さの合計)は、柔軟性を向上させる観点から、好ましくはフィルム全体の厚さの10〜80%である。該比率が10%以上であれば、該フィルム1の柔軟性が向上するため、展張作業性が向上する。また、エルメンドルフ引裂強さが大きくなるため、該フィルム1が引裂け難くなる。該比率が80%以下であれば、引張り強さが向上するため、該フィルム1の展張時に強く引っ張られたとしても該フィルム1が薄くなり難く、長期使用に耐え得る該フィルム1が得られる。
なお、展張時に容易に裂けない強度を有する農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1を得るためには、フィルムの機械軸(長手)方向(以下、「MD方向」という。)のエルメンドルフ引裂強さが20N以上であり、MD方向に直交する方向(以下、「TD方向」という。)のエルメンドルフ引裂強さが35N以上であることが好ましい。なお、本明細書において、エルメンドルフ引裂強さは、以下の実施例に記載の方法により測定される値をいう。
(製造方法)
農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1は、インフレーション法によって製造することが好ましい。
具体的には、外層2、中間層3、及び内層7を構成する溶融状態の各樹脂材料をダイからチューブ状に共押出し、空気の圧力によって内側から膨張させた後、冷却することによって、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1を製造できる。
各層を構成する溶融樹脂の共押出の方法としては、例えば、溶融樹脂をダイの手前で接触させるダイ前積層法、ダイの内部で接触させるダイ内積層法、ダイの同心円状の複数のリップから吐出した後に接触させるダイ外積層法等が挙げられる。
得られた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1の厚さ(外層2、中間層3、及び内層7の厚さの合計)は、強度と取扱性の点から、50〜400μmが好ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2は、第2の実施形態に係る農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム10を示す。なお、中間層30以外の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム10の全体構成は、上記第1の実施形態の場合と同じであるため、ここでは詳しい説明を省略する。また、上記第1の実施形態と同様の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、中間層30は、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる1層で構成されている。換言すると、図2に示すように、本実施形態に係る農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム10は、外層2と、1層の中間層30と、内層7とを備えた3層構造のフィルムである。
<中間層>
中間層30は、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム10に保温性、断熱性を付与する層である。
この中間層30は、ポリオレフィン系樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる層である。
より具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる層は、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(b)を単独で含む(換言すると、樹脂成分が直鎖状低密度ポリエチレン(b)のみである)樹脂材料からなる層であってもよく、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(b)と共に他のポリオレフィン系樹脂を含む樹脂材料からなる層であってもよい。
中間層30の樹脂成分を100質量部とした場合に、直鎖状低密度ポリエチレン(b)の含有量は、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム10の強度を向上させる観点から、好ましくは10質量部以上80質量部以下、より好ましくは60質量部以上80質量部以下である。
中間層30の厚さは、柔軟性を向上させる観点から、好ましくはフィルム全体の厚さの10〜80%である。
(製造方法)
本実施形態に係る農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム10は、上記第1の実施形態の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1の製造方法と同一の方法により、製造することができる。
得られた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム10の厚さは、強度と取扱性の点から、50〜400μmが好ましい。
(その他の実施形態)
本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1,10は、図示例のものに限定されない。例えば、上記各実施形態では、中間層が3層又は1層で構成されているが、2層でもよく、4層以上でもよい。中間層が2層以上で構成されている場合、該中間層のうち少なくとも1層が、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる層で構成されていればよい。
上記各実施形態では、外層2及び内層7は、光透過性を有する層であるが、光透過性を有する層でなくてもよい。
上記第1の実施形態では、中間層3を構成する各層は、いずれも非発泡の層であるが、中間層3のうち少なくとも1層が、樹脂材料を発泡させてなる層(発泡層)でもよい。また、上記第2の実施形態では、中間層30は、非発泡の層であるが、発泡層でもよい。
また、本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1,10においては、内層7の表面に熱可塑性樹脂バインダーと無機質コロイドゾルとからなる防曇性塗膜を設けてもよい。これにより、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1,10に安定した防曇性を付与できる。
本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム1,10は、遮光性を有するものであってもよい。
(実施例1)
<樹脂材料の調製>
まず、表1に示す各樹脂成分を、表1に示す配合割合(質量部)で配合して、実施例1に示す組成の樹脂材料を用意した。なお、全ての層において、各樹脂成分100質量部に対して、ヒンダードアミン系光安定剤〔BASFジャパン株式会社、製品名:チヌビン(登録商標)622、以下同じ〕0.3質量部、及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤〔BASFジャパン株式会社、製品名:キマソーブ81、以下同じ〕0.1質量部を添加した。また、中間層の各層を構成する樹脂成分100質量部に対して、保温剤としてハイドロタルサイト(Mg0.67Al0.33(OH)(CO0.165・0.5HO〔協和化学工業株式会社、商品名:アルカマイザー(登録商標)1、平均粒径0.5μm、以下同じ〕5質量部をさらに添加した。
<フィルムの製造>
次に、5種5層のインフレーション装置を用いて、外側から順に、外層、中間層として第1中間層、第2中間層及び第3中間層、並びに内層となるように、ダイの同心円状の複数のリップから上記各層を構成する樹脂材料を溶融状態にて共押出し、空気の圧力によって該樹脂材料を内側から膨張させた。その後、膨張した樹脂材料を冷却し、巻き取った。これにより、外層及び内層の厚さ:各30μm、第1中間層、第2中間層及び第3中間層の厚さ:各30μm、合計の厚さ:150μmの5種5層の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを製造した。
<フィルムの評価>
実施例1で得られた遮光性農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム(以下、単にフィルムともいう。)の性能を以下の方法に基づいて評価した。
(エルメンドルフ引裂強さ)
JIS K 6732に準拠して、実施例1で得られたフィルムからエルメンドルフ引裂強さ試験用の試験片(MD方向:76mm、TD方向:63mm)を採取した。次に、デジタルエルメンドルフ・引裂き試験機〔(株)東洋精機製作所、品番:SA−WP〕を用い、JIS K 7128−2に準拠して、上記試験片のエルメンドルフ引裂強さ試験を行い、以下の評価基準に基づいて上記フィルムの強度を評価した。より具体的には、上記試験片を9個採取し、試験温度は23℃とし、該試験片を1時間以上、試験場所に保った。その後、上記試験片を上記デジタルエルメンドルフ・引裂き試験機で引裂強さを測定した。9個の測定値の中から大小それぞれ2個の値を除き、残りの5個の平均値を算出し、エルメンドルフ引裂強さとした。以上の結果を表1に示す。
(評価基準)
○:MD方向のエルメンドルフ引裂強さが20N以上であり、TD方向のエルメンドルフ引裂強さが35N以上である(強度に優れる)。
×:MD方向のエルメンドルフ引裂強さが20N未満であり、TD方向のエルメンドルフ引裂強さが35N未満である(強度が不十分である)。
(低温伸び)
JIS K 6732:2006に従って、耐寒試験を行い、実施例1で得られたフィルムの低温伸びを算出し、以下の評価基準に基づいて該フィルムの柔軟性(耐寒性)を評価した。その結果を表1に示す。なお、装置は低温伸び試験機〔(株)上島製作所製、品名:ビニール耐寒試験機〕を用いた。
(評価基準)
○:低温伸びが5%以上40%以下である(柔軟性に優れる)。
×:低温伸びが5%未満、又は40%を超過する(柔軟性が不十分である)。
(ヘーズ)
JIS K 7136に準拠して、実施例1で得られたフィルムのヘーズ(haze)を算出し、以下の評価基準に基づいて該フィルムの透明性を評価した。その結果を表1に示す。なお、装置はヘーズメーター・曇り度計〔日本電色工業(株)製、NDH2000〕を用いた。なお、ここでいう「ヘーズ」とは、試験片を通過する透過光のうち、前方散乱によって、入射光から0.44rad(2.5度)以上それた透過光の百分率をいう。
(評価基準)
○:ヘーズが10%以下である(透明性に優れる)。
×:ヘーズが10%を超過する(透明性が不十分である)。
(べたつき)
JIS K 7125に準拠して、実施例1で得られたフィルムの摩擦係数試験を行い、静摩擦力を測定し、以下の評価基準に基づいて該フィルムのべたつきを評価した。より具体的には、試験片のサイズは80×200mmとし、接触面積40cm(一辺の長さ:63mm)の正方形の滑り片とし、2つの試験片の外層の面同士を接触させ、静摩擦力を測定した。その結果を表1に示す。なお、装置は摩擦摩耗試験機〔新東科学(株)製、品番:HEIDON TYPE40〕を用いた。
(評価基準)
べたつき無し:静摩擦力が2kgf未満である。
べたつき有り:静摩擦力が2kgf以上である。
(実施例2〜6及び8)
樹脂成分の組成(質量部)を、表1に記載の実施例2〜6及び8に示す組成に変更したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを製造し、該フィルムの評価を行なった。その結果を表1に示す。
(比較例3〜5)
樹脂成分の組成(質量部)を、表2に記載の比較例3〜5に示す組成に変更したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを製造し、該フィルムの評価を行なった。その結果を表2に示す。
(実施例7)
<樹脂材料の調製>
まず、表1に示す各樹脂成分を、表1に示す配合割合(質量部)で配合して、実施例7に示す組成の樹脂材料を用意した。なお、全ての層において、各樹脂成分100質量部に対して、ヒンダードアミン系光安定剤0.3質量部、及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.1質量部を添加した。また、中間層の樹脂成分100質量部に対して、保温剤としてハイドロタルサイト5質量部をさらに添加した。
<フィルムの製造>
次に、3種3層のインフレーション装置を用いて、外側から順に、外層、中間層及び内層となるように、ダイの同心円状の複数のリップから各樹脂材料を溶融状態にて共押出し、空気の圧力によって内側から膨張させた後、冷却し、巻き取った。これにより、外層及び内層の厚さ:各30μm、中間層の厚さ:90μm、合計の厚さ:150μmの3種3層の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを製造した。
<フィルムの評価>
実施例7で得られた農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム(以下、単にフィルムともいう。)の性能を、上述の実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に示す。
(比較例1及び2)
樹脂成分の組成(質量部)を、表2に記載の比較例1及び2に示す組成に変更したこと以外は、上述の実施例1と同様にして、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを製造し、該フィルムの評価を行なった。その結果を表2に示す。
Figure 2020184955
Figure 2020184955
表1及び表2に記載の各樹脂成分は、以下のとおりである。
LLDPE1:直鎖状低密度ポリエチレン、MFR0.9g/10min、密度0.927g/cm〔日本ポリエチレン(株)製、品番:UF621〕
LLDPE2:直鎖状低密度ポリエチレン、MFR1.0g/10min、密度0.923g/cm〔日本ポリエチレン(株)製、品番:UF332〕
LLDPE3:直鎖状低密度ポリエチレン、MFR2.0g/10min、密度0.908g/cm〔(株)プライムポリマー製、品番:SP1022〕
LLDPE4:直鎖状低密度ポリエチレン、MFR1.2g/10min、密度0.903g/cm〔(株)プライムポリマー製、品番:SP0511〕
LLDPE5:直鎖状低密度ポリエチレン、MFR:0.8g/10min、密度:0.905g/cm〔ダウケミカル社製、品番:ELITE AT6101〕
LDPE:高圧法低密度ポリエチレン、MFR0.7g/10min、密度0.919g/cm〔(株)NUC製、品番:NUC−8323〕
EVA15:酢酸ビニル単位含有量15重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体、MFR1.1g/10分、密度0.940g/cm〔(株)NUC製、品番:NUC−8452D〕
<サンシャインWOMによる促進耐候性試験>
JIS K 6732に準拠して、促進耐候性試験及び引張試験を行った。試験方法の詳細は以下の通りである。
(促進耐候性試験)
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた各フィルムから促進耐候性試験用の試験片を採取した。その後、JIS B 7753に規定するサンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験機〔スガ試験機(株)製、品名:サンシャインウェザーメーターS80〕を用い、JIS K 6732に規定する条件に準拠して、上記試験片の照射面に対して3000時間照射した。
(引張試験)
上記促進耐候性試験後の試験片を打ち抜き、JIS K 6732に規定する引張試験用の試験片を作製した。この試験片の測定幅は5mmとし、該試験片の中央から両端に正確に10mmずつ測り、標線を付けた。標線間距離は20mmとし、該試験片を精密万能試験機〔(株)島津製作所製、品番:オートグラフAG−500D〕に正確に取り付けた。試験速度は毎分200±20mmとし、該試験片が切断したときの力を引張切断強さとし、以下の評価基準に基づいて上記フィルムが長期使用に耐え得るかどうかを評価した。その結果を表3に示す。
(評価基準)
○:引張切断強さが30N/mm以上である(長期使用に耐え得る)。
×:引張切断強さが30N/mm未満である(長期使用に耐え得ない)。
(伸び残率の算出)
以下の式によって伸び残率を算出し、以下の評価基準に基づいて上記フィルムが長期使用に耐え得るかどうかを評価した。その結果を表3に示す。
伸び残率(%)=〔サンシャインWOM3000時間後(上記促進耐候性試験後)の引張切断強さ〕/〔サンシャインWOM3000時間前(該促進耐候性試験前)の引張切断強さ〕×100 (式)
(評価基準)
○:伸びの残率が79%以上である(長期使用に耐え得る)。
×:伸びの残率が79%未満である(長期使用に耐え得ない)。
Figure 2020184955
表1に示すように、実施例1〜8の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、いずれも、表2に示す比較例1〜5のフィルムに比して、強度及び柔軟性に優れることが分かる。
より具体的には、表1に示すように、第2中間層に直鎖状低密度ポリエチレン(b)が含まれている5層構造の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムにおいて、実施例1〜3、6及び8は、直鎖状低密度ポリエチレン(b)の密度が直鎖状低密度ポリエチレン(a)及び直鎖状低密度ポリエチレン(c)の密度よりも小さいため、比較例4及び5に比して、強度及び柔軟性に優れることが分かる。また、実施例1〜3、6及び8は、外層及び内層に密度0.912g/cm以上の直鎖状低密度ポリエチレン(a)及び直鎖状低密度ポリエチレン(c)がそれぞれ含まれているため、比較例5に比して、フィルムのべたつきが抑制されていることが分かる。
第1中間層及び第3中間層に直鎖状低密度ポリエチレン(b)が含まれている5層構造の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムにおいて、実施例4及び5は、直鎖状低密度ポリエチレン(b)の密度が直鎖状低密度ポリエチレン(a)及び(c)の密度よりも小さいため、比較例3及び4に比して、強度及び柔軟性に優れることが分かる。
また、実施例1〜6及び8は、中間層3の樹脂成分(第1中間層、第2中間層及び第3中間層の樹脂成分の全て)を100質量部とした場合に、直鎖状低密度ポリエチレン(b)の含有量が10質量部以上80質量部以下であるため、比較例4に比して、透明性にも優れることが分かる。
3層構造の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムにおいて、実施例7は、中間層に直鎖状低密度ポリエチレン(b)が含まれているため、比較例1及び2に比して、強度及び柔軟性に優れることが分かる。また、実施例7は、外層に密度0.912g/cm以上の直鎖状低密度ポリエチレン(a)が含まれているため、比較例2に比して、フィルムのべたつきが抑制されていることが分かる。
また、表3に示すように、実施例1〜3は、比較例1〜3に比して、サンシャインWOMによる促進耐候性試験3000時間経過後の引張切断強さ及び伸び残率が大きく、長期使用に耐え得ることが分かる。
以上説明したように、本発明は、農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムに適している。
1,10 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
2 外層
3,30 中間層
4 第1中間層
5 第2中間層
6 第3中間層
7 内層

Claims (4)

  1. 樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(a)を含む樹脂材料からなる外層と、
    樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(c)を含む樹脂材料からなる内層と、
    前記外層と前記内層との間に設けられ、1層以上の、樹脂成分として直鎖状低密度ポリエチレン(b)を含む樹脂材料からなる中間層と
    を備え、
    前記直鎖状低密度ポリエチレン(b)の密度は、前記直鎖状低密度ポリエチレン(a)及び前記直鎖状低密度ポリエチレン(c)の密度よりも小さいことを特徴とする農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。
  2. 前記中間層の樹脂成分を100質量部とした場合に、前記直鎖状低密度ポリエチレン(b)の含有量が10質量部以上80質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。
  3. 前記直鎖状低密度ポリエチレン(b)の密度が0.870g/cm以上0.911g/cm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。
  4. サンシャインウェザオメーターによる促進耐候性試験3000時間経過後の引張切断強さが30N/mm以上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム。
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