JP2020168715A - スリット装置、スリット方法及び積層テープ - Google Patents

スリット装置、スリット方法及び積層テープ Download PDF

Info

Publication number
JP2020168715A
JP2020168715A JP2020064948A JP2020064948A JP2020168715A JP 2020168715 A JP2020168715 A JP 2020168715A JP 2020064948 A JP2020064948 A JP 2020064948A JP 2020064948 A JP2020064948 A JP 2020064948A JP 2020168715 A JP2020168715 A JP 2020168715A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slit
film
laminated
tape
adhesive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020064948A
Other languages
English (en)
Inventor
博基 玉野
Hiromoto Tamano
博基 玉野
克浩 土井
Katsuhiro Doi
克浩 土井
野田 和彦
Kazuhiko Noda
和彦 野田
智永 川井
Tomonaga Kawai
智永 川井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dexerials Corp
Original Assignee
Dexerials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dexerials Corp filed Critical Dexerials Corp
Priority to US17/599,094 priority Critical patent/US20220162035A1/en
Priority to PCT/JP2020/014951 priority patent/WO2020204049A1/ja
Priority to TW109111090A priority patent/TW202042994A/zh
Priority to KR1020217030351A priority patent/KR20210132119A/ko
Priority to KR1020247003145A priority patent/KR20240017415A/ko
Publication of JP2020168715A publication Critical patent/JP2020168715A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B26HAND CUTTING TOOLS; CUTTING; SEVERING
    • B26DCUTTING; DETAILS COMMON TO MACHINES FOR PERFORATING, PUNCHING, CUTTING-OUT, STAMPING-OUT OR SEVERING
    • B26D1/00Cutting through work characterised by the nature or movement of the cutting member or particular materials not otherwise provided for; Apparatus or machines therefor; Cutting members therefor
    • B26D1/01Cutting through work characterised by the nature or movement of the cutting member or particular materials not otherwise provided for; Apparatus or machines therefor; Cutting members therefor involving a cutting member which does not travel with the work
    • B26D1/12Cutting through work characterised by the nature or movement of the cutting member or particular materials not otherwise provided for; Apparatus or machines therefor; Cutting members therefor involving a cutting member which does not travel with the work having a cutting member moving about an axis
    • B26D1/14Cutting through work characterised by the nature or movement of the cutting member or particular materials not otherwise provided for; Apparatus or machines therefor; Cutting members therefor involving a cutting member which does not travel with the work having a cutting member moving about an axis with a circular cutting member, e.g. disc cutter
    • B26D1/22Cutting through work characterised by the nature or movement of the cutting member or particular materials not otherwise provided for; Apparatus or machines therefor; Cutting members therefor involving a cutting member which does not travel with the work having a cutting member moving about an axis with a circular cutting member, e.g. disc cutter coacting with a movable member, e.g. a roller
    • B26D1/225Cutting through work characterised by the nature or movement of the cutting member or particular materials not otherwise provided for; Apparatus or machines therefor; Cutting members therefor involving a cutting member which does not travel with the work having a cutting member moving about an axis with a circular cutting member, e.g. disc cutter coacting with a movable member, e.g. a roller for thin material, e.g. for sheets, strips or the like
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B26HAND CUTTING TOOLS; CUTTING; SEVERING
    • B26DCUTTING; DETAILS COMMON TO MACHINES FOR PERFORATING, PUNCHING, CUTTING-OUT, STAMPING-OUT OR SEVERING
    • B26D3/00Cutting work characterised by the nature of the cut made; Apparatus therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B26HAND CUTTING TOOLS; CUTTING; SEVERING
    • B26DCUTTING; DETAILS COMMON TO MACHINES FOR PERFORATING, PUNCHING, CUTTING-OUT, STAMPING-OUT OR SEVERING
    • B26D7/00Details of apparatus for cutting, cutting-out, stamping-out, punching, perforating, or severing by means other than cutting
    • B26D7/26Means for mounting or adjusting the cutting member; Means for adjusting the stroke of the cutting member
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Forests & Forestry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Details Of Cutting Devices (AREA)
  • Nonmetal Cutting Devices (AREA)

Abstract

【課題】基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムを、基材フィルムと粘着層が剥離せず、粘着層のはみ出しも生じないように、テープ幅0.5mm以下にスリットできるスリット装置を提供する。【解決手段】複数条の円盤状のスリット刃11がピッチp0.5mm以下で設けられている刃付きロール10とアンビルロール20の間に、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されているフィルム3とキャリアフィルム4とを、フィルム3を刃付きロール側10にして重ねて通し、フィルム3をスコアカット方式でスリットする。このスリット刃11の刃角αを30°以下とする。【選択図】図2

Description

本発明は、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムのスリット装置、スリット方法及び積層フィルムのスリットにより得られる積層テープに関する。
基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている長尺の積層テープが図形、文字等を物品に転写する転写リボン等として使用されている(特許文献1)。このような積層テープは、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムをスリットすることにより製造される。
基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている長尺の積層テープは、電子部品を基板に実装する際の接着材としても使用されており、近年は細幅の積層テープが必要とされている。しかしながら、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムを細幅にスリットすると、スリットにより基材フィルムと粘着層とが剥離してしまうという問題が生じる。これに対しては、円盤状の上刃と下刃を用いるシェアカット方式で積層フィルムをスリットする装置全体をフードで覆い、積層フィルムがスリットされてから巻き取られるまでの温度変動を抑制するという大がかりな方法がある(特許文献2)。この方法によれば、積層フィルムをテープ幅0.5mm〜4mmの細幅にスリットできるとされている。
一方、上刃と下刃を使用するシェアカット方式では、上刃と下刃の接触により生じる微細な刃の摩耗粉がスリット後のテープに付着する虞がある。これに対し、そのような摩耗粉が発生せず、かつきれいな切断面を得るために必要とされる刃物の加工精度を緩和できるスリット方式として、刃付きロールとアンビルロールを使用するスコアカット方式において、スリットするフィルムをキャリアフィルム(下敷き材)と共にスリットする方法がある(特許文献3)。
特開2012―232392号公報 特開2007―90461号公報 特開2003−285293号公報
特許文献2に記載の方法によれば、積層フィルムを幅0.5mmにスリットした細幅のテープを得られるとされているが、0.5mm以下の細幅で長尺をスリットするための詳細な検討はなされていない。また、特許文献2に記載されている基材と粘着層との剥離の問題はフィルムが細幅になるほど発生しやすい。そのため、幅0.5mm以下の細幅のテープについては製品の良品率の低下等が懸念される。
特許文献3の記載によれば、刃角70°の刃付きロールを使用し、ポリエステルフィルムを幅2mmにスリットすることが可能とされている。しかしながら、特許文献3に記載の方法によっても、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムをテープ幅0.5mm以下にスリットしようとすると、刃付きロールにおける刃のピッチが狭くなることにより、スリットされた積層フィルムの刃の侵入側の面はその反対側の面に比してスリット幅方向に強く圧縮され、粘着層の剥がれやはみ出しの問題が生じる。
これに対し、本発明は、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムを、基材フィルムと粘着層が剥離せず、粘着層のはみ出しも無いきれいな切り口で、テープ幅0.5mm以下、特に0.5mm未満にスリットすることを課題とする。
本発明者は、刃付きロールとアンビルロールを使用するスコアカット方式のスリット装置においてキャリアフィルムを使用し、かつ刃付きロールのスリット刃を特定の刃角にすると、刃付きロールにおけるスリット刃のピッチを0.5mm以下、特に0.5mm未満にしても、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムを、基材フィルムと粘着層が剥離せずにスリットすることができ、スリットしたテープからの粘着層のはみ出しも抑制できることを想到し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、複数条の円盤状のスリット刃が所定ピッチで設けられている刃付きロールとアンビルロールを備えフィルムをスコアカット方式でスリットするスリット装置であって、スリットするフィルムとアンビルロールとの間にキャリアフィルムを介在させるキャリアフィルム搬送機構を有し、
スリット刃の刃角が30°以下であり、
スリット刃のピッチが0.5mm以下であるスリット装置を提供する。
また本発明は、複数条の円盤状のスリット刃が所定ピッチで設けられている刃付きロールとアンビルロールの間に、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムとキャリアフィルムとを、積層フィルムを刃付きロール側にして重ねて通し、積層フィルムをスリットするスコアカット方式のスリット方法であって、
スリット刃の刃角を30°以下とし、
スリット刃のピッチを0.5mm以下とするスリット方法を提供する。
さらに本発明は、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムを上述のスリット方法でスリットして得られる積層テープを提供する。また、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層テープであって、テープ幅が0.5mm以下であり、長さ1mの該積層テープの一端を固定し、他端に1Nの張力をかけた場合に、基材フィルムと粘着層が剥離しない積層テープを提供する。
本発明のスリット装置を用いて本発明のスリット方法により、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層している積層フィルムをスリットすると、幅0.5mm以下、特に幅0.5mm未満の積層テープを、基材フィルムと粘着層が剥離することなく得ることができる。この積層テープから長さ1mのテープを任意に切り取り、そのテープの一端を固定し、他端に0.5N、好ましくは1N、より好ましくは5Nの張力をかけても基材フィルムと粘着層は剥離しない。したがって、この積層テープをリールに巻いて巻装体とし、巻装体から引き出して使用しても、巻き取り時や引き出し時の張力によっては基材フィルムと粘着層が剥離することはない。さらに、この積層テープの巻装体では粘着層のはみ出しもない。したがって、巻装体とした場合にブロッキングが生じることを防止できる。よって、この積層テープは、物品に粘着層を貼付する細幅の粘着材として有用となり、粘着層を硬化性樹脂組成物から形成すると接着材としても有用となる。
図1は、実施例のスリット装置の概略斜視図である。 図2は、積層フィルムをスリットしているスリット装置のスリット刃(切削刃)の配列領域付近の側面図である。 図3Aは、実施例の装置の刃付きロールとアンビルロールの組み付け構造を表す断面図である。 図3Bは、刃付きロールとアンビルロールの組み付け構造の変形態様を表す断面図である。 図3Cは、刃付きロールとアンビルロールの組み付け構造の変形態様を表す断面図である。 図4は、実施例の装置のスリット刃で積層フィルムをスリットしているときのスリット刃部分の拡大断面図である。 図5は、繋ぎテープで積層フィルム同士が長手方向に継ぎ合わされた積層フィルムをスリットしているときのスリット刃部分の拡大断面図である。 図6は、刃角70°のスリット刃で積層フィルムをスリットしているときのスリット刃部分の拡大断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一または同等の構成要素を表している。
<スリット装置の全体構成>
図1は、本発明の一実施例のスリット装置1の概略斜視図であり、図2は、スリット装置1でフィルム3をスリットしているときのスリット刃の配列領域付近の側面図である。
このスリット装置1は、図2に示すように、円盤状のスリット刃11が円筒状のロール12に所定ピッチで該ロール12の回転軸L1方向に配列している領域13を有する刃付きロール10と、円筒状のアンビルロール20を備えており、フィルム3をスコアカット方式でスリットする装置である。シェアカット方式では上刃と下刃が接触するのに対し、スコアカット方式によれば刃同士の接触がないため、刃の寿命を長くすることができる。
スリット装置1には、スリットするフィルム3を刃付きロール10とアンビルロール20の間に通す搬送機構としてフィルム巻出装置2と巻取装置(図示せず)が設けられている。巻取装置としては、フィルムをスリットして得られる複数列のテープのうち隣接したテープが互いに異なる方向で巻き取られるように、偶数列のテープ3aを巻き取る巻取装置と奇数列のテープ3bを巻き取る巻取装置をそれぞれ有することができる。なお、図1では偶数列のテープ3aが上方で巻き取られ、奇数列のテープ3bが下方で巻き取られるように記載しているが、偶数列のテープが下方で巻き取られ、奇数列のテープが上方で巻き取られるようにしてもよい。
スリット装置1には、スリットするフィルム3とアンビルロール20との間にキャリアフィルム4を介在させるキャリアフィルム搬送機構として、キャリアフィルム巻出装置5と、キャリアフィルム4をフィルム3と重ね合わせる一対のラミネートロール6と、スリット後のフィルムの端部(フィルムの耳)とキャリアフィルム4とを合わせて巻き取るキャリアフィルム巻取部(図示せず)が設けられている。
このスリット装置1は、後述するように、スリットするフィルム3が、単層の樹脂フィルム、又は複数層の樹脂層が接着もしくは溶着された積層フィルムだけでなく、基材フィルム31に粘着層32が剥離可能に積層されている積層フィルム30(図4)であっても、幅0.5mm以下、特に幅0.5mm未満にスリットすることを可能とする。
<スリット刃>
刃付きロール10に設けられているスリット刃11は、スリット方向を安定させる点から両刃とすることが好ましい。スリット刃を片刃にすると(即ち、刃先を形成する2つの刃面の一方をフラット面とし、他方を鎬面とすると)、スリット時にスリット刃にかかるフィルム幅方向の力が、フラット面よりも鎬面で大きくなり、フィルムが鎬側方向に曲がって搬送されるため、スリットするフィルムの幅方向のマージンを広くとる必要が生じ、フィルム端部の廃棄量も多くなる。これに対し、両刃とすることによりスリット時にスリット刃にかかるフィルム幅方向の力が刃の両側面で等しくなるのでフィルムの搬送方向が曲がることを防止でき、フィルム端部の廃棄量も低減させることができる。
スリット刃11の刃角αは、基材フィルムに剥離可能に粘着層が設けられている積層フィルムを幅0.5mm以下、特に幅0.5mm未満の細幅に、基材フィルムと粘着層が剥離せずにスリットできるようにする点から30°以下とし、特に25°以下とすることが好ましい。一方、スリット刃の耐久性の点から、刃角αは10°以上とすることが好ましい。
スリット刃11のピッチpは、フィルム3をスリットして得るテープに必要とされるテープ幅に応じて定めるが、本発明では細幅のテープに対応できるように、上限に関しては0.5mm以下、特に0.5mm未満とし、さらに0.4mm以下とすることもできる。下限に関しては、0.1mm以上とすることが好ましい。
スリット刃11のスリット刃の刃高hは、スリット精度を安定させる点からは高い方が好ましく、下限については、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.24mm以上とする。一方、スリット刃の刃高hは、スリット刃の耐久性の点からは低い方が好ましく、上限については、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.7mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下である。
特許文献3に記載のようにスリット刃の刃角αを70°とすると、ピッチを0.5mm以下とした場合に、基材フィルム上に粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムをスリットすると、図6に示すように、積層フィルム30が、基材フィルム31上に粘着層32及びカバーフィルム33が順次設けられ、粘着層32がフィルム表面に露出していないものであっても、積層フィルム30におけるスリット刃11の侵入側の面はその反対側の面に比してスリット幅方向に強い圧縮力Fを受ける。そのため、スリット後のテープでは基材フィルム31又はカバーフィルム33が粘着層32から剥離してしまったり、粘着層32がテープの側面からはみ出し、テープを巻装体にするとブロッキングが生じる等の問題が生じたりする。これに対し、本発明ではスリット刃11の刃角を30°以下と小さくするので、スリット刃11のピッチを0.5mm以下、特に0.1mm以上0.4mm以下としても、図4に示すようにスリット刃11の侵入側の面にかかる圧縮力Fが軽減され、基材フィルム31上に粘着層32が剥離可能に積層している積層フィルム30を、それらの剥離を生じさせることなくスリットすることができ、また、テープの側面からの粘着層32のはみ出しを抑制することができる。細幅のテープでは広幅のテープに比して、テープ横断面積あたりに加わるスリット幅方向の力が相対的に大きくなることから粘着層のはみ出しが発生し易くなる。したがって、粘着層32のはみ出し抑制は、テープ幅が狭くなると難易度が高くなると言える。
上述の刃角αとピッチpでスリット刃11が配列している領域13を有する刃付きロール10としては、図2に示すように金属ロールの切削加工により得た切削刃、又は刃角αの丸刃を回転軸方向に重ね合わせた組刃等を使用することができる。このうち図2に示す切削刃は、炭素鋼等の高強度で耐久性の高いロール12の表面に易切削合金層を設け、その易切削合金層を、ダイヤモンド工具を用いた精密切削加工装置等で切削加工することにより得ることができる。また、組刃は個々のスリット刃11を切削加工により形成し、スリット刃を所定ピッチで組み合わせることにより得ることができる。スリット刃の構成は、刃角30°以下、ピッチ0.5mm以下、好ましくは0.5mm未満、より好ましくは0.4mm以下とし、本発明の効果が得られれば特に限定はない。
スリット刃を形成する易切削性合金(即ち、被削性のよい合金)としては、ニッケル−リン合金、硬質銅合金、工具鋼、超硬合金等を使用することができる。易切削性合金の耐久性の点からビッカース硬度が475以上のものが好ましく、500以上がより好ましく、550以上が更に好ましく、特に1400以上が好ましい。
<刃付きロールとアンビルロールの組み付き>
スリット装置1において刃付きロール10とアンビルロール20は、図3Aに示すように、それぞれ軸受け15、25で支持され、回転軸L1、L2が平行となるように配置されている。回転軸L1、L2が平行であれば、回転軸L1、L2の方向は水平でも鉛直でもよい。積層フィルム30の走行を安定させる点からは、回転軸L1、L2の方向を水平とし、刃付きロール10をアンビルロール20の上に配置することが好ましい。一方、積層フィルム30に異物が付着し難い点からは回転軸L1、L2の方向を鉛直方向とすることが好ましい。
刃付きロール10とアンビルロール20は歯車16、26で繋がっており、これらを図1の矢印方向に回転させる駆動機構が設けられている。一方、刃付きロール10とアンビルロール20を個々に回転駆動させる駆動機構を設けてもよい。
スリット刃11のキャリアフィルム4への切り込み量d2(図2)は、スリットを連続的に安定して行う点から、一例として好ましくは10〜100μm、より好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは10〜20μmとする。スリット装置1には、キャリアフィルム4の厚さに応じて切り込み量d2を調整できるように、刃付きロール10の取り付け位置をアンビルロール20に対して動かす調整機構を設けることが好ましい。この調整機構としては、調整ネジ18により刃付きロール10をガイド17に沿って移動させるリニアガイド機構等を設けることができる。
一方、一定のフィルム厚のキャリアフィルムを使用する場合には、図3Bに示すように、スリット刃11の刃先よりもアンビルロール20側に突出した大径部分14を刃付きロール10に設け、該大径部分14をアンビルロール20に押し付けるようにしてもよい。この大径部分14をアンビルロール20に押し付ける推力は800N程度とすることができる。この推力を過度に大きくすると刃付きロール10に撓みの問題が生じる。また、図3Cに示すように、工具鋼、超硬合金等を円形に切り出し、切削し、研磨で仕上げた厚さ0.5mm以下の丸刃を組み合わせ、これをボルト19で固定することにより組刃を構成し、組刃によってスリット刃の配列領域13を形成してもよい。図3Cに示した態様も、図3Aに示した態様と同様に、アンビルロール20と刃付きロール10との取り付け位置は調整ネジ18で調整するので、刃付きロール10をアンビルロール20に押さえ付けるための推力は不要である。
<スリット方法>
本発明のスリット方法は、上述の刃付きロール10とアンビルロール20との間に、基材フィルム31に粘着層32が剥離可能に積層されている積層フィルム30を通して積層フィルム30をスリットする方法であって、積層フィルム30を刃付きロール10側にし、キャリアフィルム4をアンビルロール20側にして積層フィルム30とキャリアフィルム4とを重ねて通すことにより、積層フィルム30をスコアカット方式でスリットする方法である(図1、図4)。後述するように積層フィルム30が、基材フィルム31、粘着層32、カバーフィルム33からなる場合、図4に示したように、積層フィルム30の基材フィルム31を刃付きロール10側とし、カバーフィルム33をキャリアフィルム4側とするのが一般的である。この場合、カバーフィルム33とキャリアフィルム4を接着してスリットし、スリット後にカバーフィルム33とキャリアフィルム4とを合わせて粘着層32から剥離する。一方、積層フィルム30のカバーフィルム33を刃付きロール10側とし、基材フィルム31をキャリアフィルム4側としてスリットしてもよい。
このスリットでキャリアフィルム4はハーフカットされるが、積層フィルム30は所定ピッチで貫通カットされるので、積層フィルム30が貫通カットされることにより得られる複数列のテープのうち隣接したテープが互いに異なる方向で巻き取られるように、偶数列のテープ3aと奇数列のテープ3bとをそれぞれ巻取装置で巻き取る。
なお、スリット後の積層フィルム30の端部(積層フィルムの耳)3cとハーフカットされたキャリアフィルム4は合わせて巻き取る。また、カバーフィルム33をキャリアフィルム4と共に巻き取るようにしてもよい。
スリット刃11によるキャリアフィルム4への切り込み量d2は、前述の通り10μm以上100μm以下とすることが好ましい。また、刃高hに対して、被スリット物(積層フィルム30とキャリアフィルム4)の合計厚は90%以下とすることが好ましく、例えば、刃高300μmのとき、被スリット物の合計厚は270μm以下とすることが好ましい(図2)。より好ましくは、刃高hに対して被スリット物の合計厚を70%以下とし、さらに好ましくは50%以下とする。
なお、スリットはクリーンルームで行うことが好ましいが、環境温度の変動を抑制するためにスリット装置全体を覆うフードを設けることは不要であるが、設けても良い。
<積層フィルム>
本発明のスリット方法でスリットする積層フィルム30としては、例えば、図4に示すように厚さ12〜75μm、特に25〜75μmの基材フィルム31、厚さ5〜40μm、特に5〜25μmの粘着層32、厚さが基材フィルムよりも薄い又は厚さ10〜50μmのカバーフィルム33が順次剥離可能に積層したものをあげることができる。ここで、剥離可能とは、基材フィルム31又はカバーフィルム33にセロハンテープを貼って剥がすこと、又は基材フィルム31もしくはカバーフィルム33の端をフィルム用ピンセット(以下、ピンセット)で摘まんで剥がすことにより、基材フィルム31又はカバーフィルム33を粘着層32から容易に剥離できることをいう。
図4に示したように、スリット時に基材フィルム31をスリット刃11の侵入側に配置してもよく、カバーフィルム33をスリット刃11の侵入側に配置してもよい。
なお、積層フィルムをスリットして得る積層テープの用途によっては、積層フィルム30にはカバーフィルム33が設けられていなくても良い。キャリアフィルム4を積層フィルム30に重ね合わせると、フィルム全体の剛性が高くなるので、カバーフィルム33がなくてもスリット直後にスリット刃11に粘着層32が貼り付くことにより基材フィルム31から粘着層32が剥がれることを無くすことができる。一方、積層テープの汚染防止の点からは、カバーフィルム33がある方が好ましく、特に幅狭の積層テープを得る場合にはカバーフィルム33はある方が好ましい。最終的に接着材として使用される形態である巻装体としては、カバーフィルムが汚染防止のためにあってもよく、作業性を高めるためになくてもよい。
(基材フィルム、カバーフィルム)
基材フィルム31は、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等のポリエステル等の熱可塑性樹脂で形成されたフィルムをあげることができる。カバーフィルム33は、粘着層32が汚染されるのを防止するために設けられており、基材フィルム31と同様の材料から形成することができる。基材フィルム31やカバーフィルム33の表面は、剥離処理されていることが好ましい。粘着層と分離可能にするためである。スリット後にまずカバーフィルムを剥がせるようにするため、基材フィルム31よりもカバーフィルム33においてより剥離しやすいものを使うことが好ましい。
本発明では比較的剛性の低い粘着層32と比較的剛性の高い基材フィルム31とを同時にスリットし、且つスリット時には分離しないようにし、スリット後の積層テープの使用時には粘着層32と基材フィルム31を剥離可能とする。ここで、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等のポリエステルの引張弾性率は概略1100〜4200MPaであるから、このような熱可塑性樹脂で形成されたフィルムと、フィルムと剛性が異なる粘着層32とを同時に幅0.5mm以下の細幅にスリットし、且つスリット時にフィルムと粘着層との分離又は剥離を抑制することは難易度が高い技術であるが、本発明によればこのようなスリットが可能となる。
(粘着層)
粘着層32としては、粘着フィルムが積層されていてもよく、粘着剤の塗膜が積層されていてもよい。積層フィルム30をスリットして得られるテープの用途に応じて、粘着層32は、単一の樹脂層から構成されていてもよく、複数の樹脂層の積層体又は多層体から構成されていてもよい。また、粘着層32には、必要に応じてフィラーが含有されていてもよい。
(粘着層のフィラー)
粘着層にフィラーを含有させる場合、そのフィラーは、積層フィルム30をスリットして得られるテープの用途に応じて、公知の無機系フィラー(金属、金属酸化物、金属窒化物など)、有機系フィラー(樹脂、ゴムなど)、有機系材料と無機系材料が混在したフィラー等から用途に応じて適宜選択される。例えば、光学的用途や艶消しの用途では、シリカフィラー、酸化チタンフィラー、スチレンフィラー、アクリルフィラー、メラミンフィラーや種々のチタン酸塩等を使用することができる。コンデンサー用フィルムの用途では、酸化チタン、チタン酸マグネシウム、チタン酸亜鉛、チタン酸ビスマス、酸化ランタン、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛及びこれらの混合物等を使用することができる。接着材としての用途ではポリマー系のゴム粒子、シリコーンゴム粒子等を含有させることができる。電子部品の実装の用途ではフィラーは導電性を有していても良く、絶縁性を有していても良い。フィラーが絶縁性を有する場合、例えばフィラーをスペーサとして使用することができる。
フィラーの粒子径は、積層フィルム30をスリットして得られるテープの用途に応じて定めることができる。例えば、このテープを電子部品の実装に使用する場合、フィラーの粒子径は好ましくは1μm以上、より好ましくは2.5μm以上30μm以下である。
ここで、粒子径は平均粒子径を意味する。平均粒子径は、積層フィルム30の粘着層32の平面画像又は断面画像から求めることができる。また、フィラーを積層フィルム30の粘着層32に含有させる前の原料粒子としてのフィラーの平均粒子径は湿式フロー式粒子径・形状分析装置FPIA−3000(マルバーン社)を用いて求めることができる。N数は1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは5000以上である。一方、フィラーには粒子径1μm未満のものが含まれていてもよい。粒子径1μm未満のフィラー(所謂ナノフィラー)としては粘度調整用の充填剤などを挙げることができる。この大きさは電子顕微鏡(TEM、SEM)の観察によって求めることができる。N数は200以上が好ましい。
フィラーとして、量子ドットのように機能性を持ったものが含まれてもよい。このようなフィラーの大きさとしては特に限定はないが、2nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。この大きさも電子顕微鏡(TEM、SEM)の観察によって求めることができる。N数は200以上が好ましい。
本発明において、以下に述べるフィラーは、特に断りが無い限り、前述の粒子径1μm以上のフィラーを指す。即ち、表面改質剤や充填剤として用いられるナノフィラーは、除かれる。
粘着層において、フィラーは樹脂中に混練りされてランダムに分散していてもよく、平面視で個々に非接触であってもよく、平面視で所定配列を繰り返す規則的な配置となっていてもよい。フィラーの個数密度は、フィルムのスリットに影響しない範囲で適宜調整し、面視野において例えば、30〜100000個/mm2とすることができる。この個数密度は、平面視で光学顕微鏡や金属顕微鏡を用いて粘着層中のフィラーを観察し、10箇所以上の領域を合計2mm2以上とし、フィラー数合計が200以上になるようにして計測することが好ましい。
(粘着層を形成する樹脂組成物)
一方、粘着層32を形成する樹脂組成物は、積層フィルム30をスリットして得られるテープの用途、フィラーの有無等に応じて粘着性又は接着性を示すものが適宜選択され、熱可塑性樹脂組成物、高粘度粘着性樹脂組成物、又は硬化性樹脂組成物等から形成することができる。例えば、テープを電子部品の実装等に使用する接着材とする場合、WO2018/074318A1公報に記載の絶縁性樹脂層を形成する樹脂組成物と同様に、粘着層を形成する樹脂組成物を、重合性化合物と重合開始剤を含む硬化性樹脂組成物とすることができる。硬化性樹脂組成物を含まない、所謂ホットメルトタイプの接着材であってもよい。
硬化性樹脂組成物の重合開始剤としては熱重合開始剤を使用してもよく、光重合開始剤を使用してもよく、それらを併用してもよい。例えば、熱重合開始剤として熱カチオン系重合開始剤、熱重合性化合物としてエポキシ樹脂を使用し、光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤、光重合性化合物としてアクリレート化合物を使用する。熱重合開始剤として、熱アニオン系重合開始剤を使用してもよい。熱アニオン系重合開始剤としては、イミダゾール変性体を核としその表面をポリウレタンで被覆してなるマイクロカプセル型潜在性硬化剤を用いることが好ましい。
このような絶縁性樹脂組成物で形成される粘着層全体としての最低溶融粘度は、特に制限はないがフィルム形成の点から100Pa・s以上とすることができ、粘着層32を物品に熱圧着するときのフィラーの不用な流動を抑制するため、好ましくは1500Pa・s以上とする。一方、最低溶融粘度の上限については、特に制限はないが、一例として、好ましくは15000Pa・s以下、より好ましくは10000Pa・s以下である。この最低溶融粘度は、一例として回転式レオメータ(TA instrument社製)を用い、測定圧力5gで一定に保持し、直径8mmの測定プレートを使用し求めることができ、より具体的には、温度範囲30〜200℃において、昇温速度10℃/分、測定周波数10Hz、前記測定プレートに対する荷重変動5gとすることにより求めることができる。なお、最低溶融粘度の調整は、溶融粘度調整剤として含有させる微小固形物の種類や配合量、樹脂組成物の調整条件の変更などにより行うことができる。
(粘着層の粘着力)
・剥離可能性
粘着層32の基材フィルム31及びカバーフィルム33に対する粘着力は、粘着層32を、該テープの用途ごとに所定の物品に貼着した場合の粘着層32の粘着力よりも弱く、基材フィルム31及びカバーフィルム33が粘着層32から剥離可能となっている。通常、カバーフィルム33を剥離後、粘着層32を物品に貼り付けて基材フィルム31の剥離可能性を評価する。基材フィルム31及びカバーフィルム33が粘着層32から剥離可能であるとは、前述の通り、基材フィルム31又はカバーフィルム33にセロハンテープを貼って剥がすことにより、またはピンセットで基材フィルム31又はカバーフィルム33の端を摘まんで剥がすことにより、これらを粘着層32から容易に剥離できることをいうが、この具体的な指標としては、スリット前の積層フィルムを幅5cm、長さ15cmにカットし、剥離試験としてT型剥離試験(JIS K 6854)をした場合に、接着強さが0.005〜0.2Nであることを挙げられる。基材フィルム31の材質や厚みなどによっては、180°剥離試験や90°剥離試験によって評価してもよい。セロハンテープを使って基材フィルム31と粘着層32からカバーフィルム33を先に剥がし、粘着層32を物品に貼りつけた後、基材フィルム31をピンセットで剥がすのが一般的である。
・安定性
一方、積層フィルム30をテープにスリットし、巻き取り装置でテープをリールに巻き取って巻装体とするときや、巻装体にしたテープを接着材として使用する際に巻装体を接続装置に装着して巻装体からテープを引き出すときには、テープの長さ方向にテープにテンション(張力)がかかる。そこで、テープにこのようなテンションがかかった場合に基材フィルム31と粘着層32が剥離しないようにすることが好ましい。即ち、従来、接続装置で巻装体に求められるテープ長は通常5m以上、好ましくは10m以上であり、巻装体からテープを引き出すときにテープの長さ方向にかかるテンションは1N〜5N程度が一般的である。さらに、接続装置の稼働中に不具合が発生した場合にはリールにロックがかかり、テープに5〜6Nのテンションがかかることがある。このため、テープには5N程度の負荷がかかることを想定する必要がある。そこで、このテンションにおいて基材フィルムと粘着層との貼着状態やリールと基材フィルムとの接続(リールから出したリードと基材フィルムとの、シリコンテープなどの接着フィルムによる接続、又は超音波溶着)が維持されるようにすることが好ましい。
しかしながらテープを細幅にした場合に従前のテンションをテープにかけると基材フィルムが破断したり、基材フィルムと粘着層が剥離したりすることが場合によっては懸念される。そこで、既存設備をできる限り活かして細幅のテープの巻き取りや引き出しを行う場合にテープの長さ方向にかけるテンションは0.5N程度とすればよく、1N未満とすることが好ましい。上限については、より好ましくは0.7N以下、さらに好ましくは0.3N以下である。
このような巻き取りや引き出しを可能とする実用上の要請から、粘着層32には、本発明の方法で幅0.1mm以上0.5mm以下にスリットした積層テープの長さ1m以上、好ましくは5m以上のものに、長さ方向に0.5N以上、好ましくは1N、より好ましくは5Nの張力をかけた場合に、基材フィルム31及びカバーフィルム33が粘着層32から剥離しないという安定性が求められる。なお、前述の剥離可能性は、基材フィルム31及びカバーフィルム33に対する粘着層32の粘着力の上限に関する性質であるが、この安定性は粘着力の下限に関する性質である。
安定性の試験は簡易的に行うことが好ましい。そこで試験方法としては、積層テープの試験長を1mとし、長さ1mに裁断した積層テープの一端を固定し、他端に0.5N、好ましくは1N、より好ましく5Nを負荷し、基材フィルム31と粘着層32との剥離の有無を観察する試験をあげることができる。また、より実用的な試験方法としては、巻装体からテープを1m以上引き出し、その端部に0.3N、0.5N、1N、又は5Nを負荷し、剥離の有無を観察する試験をあげることができる。また、巻装体からテープの全長を引き出し、任意の20か所以上、好ましくは50か所以上で剥離の有無を観察してもよい。このような試験において、実用上必要とされる粘着力の指標の一例としては、(i)積層フィルムを本発明の方法で幅0.1mm以上0.5mm以下の積層テープにスリットし、カバーフィルムを剥がして粘着層と基材フィルムのテープの巻装体とし、巻装体からテープを長さ1m引き出してリールの巻き芯とテープの繋ぎ位置を固定し、テープ端部への静荷重の負荷により0.3N、好ましくは0.5N、より好ましくは1N、さらに好ましくは5Nのテンションを、繋ぎ位置角α(特開2017−137188号公報)を90°としてかけた場合に、基材フィルムが粘着層から剥離しないこと、また、引き出しに影響するほどのはみ出しが発生しないこと(ii)本発明の方法で積層フィルムを幅0.1mm以上0.5mm以下にスリットした積層テープから任意に切り取った試験長1mの試験片において、該試験片の長さ方向に0.5N、好ましくは1N、より好ましくは5Nの張力をかけた場合に、基材フィルム31が粘着層32から剥離しないこと、(iii)粘着層と基材フィルムのテープを0.5Nで巻き芯に5m以上巻き付けた巻装体から手でテープを全て引き出した場合にテープの全長にわたって粘着層と基材フィルムの剥がれが目視で確認されないこと(詳細は後述の実施例に記載)、をあげることができる。簡易的に試験する点からは(iii)の方法が好ましい。試験長1m程度に裁断し、手で両端に負荷(おおよそ1N〜5N程度)をかけた場合に、基材フィルムと粘着層の剥離が発生しないことを確認してもよい。
積層テープが上述の粘着力を有すると、この積層テープを好ましくは長さ5m以上、10m以上、50m以上、さらには長さ100m以上の巻装体に巻き、その巻装体からテープを好ましくは1m以上、より好ましくは5m以上引き出した場合でも、引き出したテープにおいて基材フィルム31が粘着層32から剥離しないようにすることができ、このテープを電子部品の実装に供することができる。
・接続対象物に対する粘着力
一方、電子部品、基板等の接続対象物に対する粘着力という観点から粘着層に求められる粘着力の試験方法としては、積層テープから任意に採取した長さ2cmの小片(上述の(ii)の1mの積層テープの試験片を裁断した小片でもよい)を素ガラスに粘着層側から仮貼りし(例えば45℃で貼り付け)、ピンセットで基材フィルム31(またはカバーフィルム33)の端のみをつまんで取り除く剥離試験を行い、その剥離試験において基材フィルム31(またはカバーフィルム33)のみを取り除くことができ、粘着層は素ガラスに形状が変化せずに貼着したままとすることができた場合を成功とする方法をあげることができる。この剥離試験では、N数が20以上で75%以上の成功が好ましく、80%以上の成功がより好ましく、90%以上の成功がさらに好ましい。
(繋ぎテープの貼着)
積層フィルム30には、巻装体の巻始めや巻出時のリードを取り付けるため、又は第1の積層フィルムと第2の積層フィルムを貼り合わせて長尺化するために、積層フィルム30に繋ぎテープが貼着されていてもよい。繋ぎ箇所は規則的にまたはランダムに複数箇所とすることができる。また、積層フィルムとリードとの取り付けにおいては、積層フィルム30の基材フィルム31とリードとを繋ぎテープで繋ぎ合わせることができる。積層フィルムのリードへの取り付けは、超音波溶着などの公知の手法であってもよい。
繋ぎテープとしては、剥離性が高く、総厚みが比較的薄い基材付粘着テープ(例えば、シリコンテープ)を使用することができる。繋ぎテープの厚みは特に制限はないが、5〜75μmが一例として挙げられる。
積層フィルム30に繋ぎテープが貼着されている部分をスリットするときには、図5に示すようにスリット刃11が積層フィルム30及び繋ぎテープ35の積層体に深く入り込む。そのため、従前のスリット装置によれば、スリット刃11の侵入側の積層体の面は、隣接する刃同士の間隔が著しく狭まり、その反対側の面に対してスリット刃11の側面から強い圧縮力Fを受け、カバーフィルム33又は基材フィルム31と粘着層32とが剥離したり、スリットした積層体の側面から粘着層32がはみ出たりしやすくなる。これに対し、本発明によれば、積層フィルム30に繋ぎテープ35が貼着されていても、このような剥離やはみ出しが生じることを抑制することができる。
<積層テープ>
本発明の積層テープは、上述のスリット方法で積層フィルム30をスリットして得られるテープである。したがって、このテープは、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層テープであって、テープ幅の上限について0.5mm以下、特に0.5mm未満、より好ましくは0.4mm以下、更により好ましくは0.3mm以下である。下限については0.1mm以上、好ましくは0.15mm以上、より好ましくは0.2mm以上である。
この積層テープは、該テープから任意に切り取った試験長さ1mになるよう試験片の一端を固定し、他端に0.3N、0.5Nもしくは1Nの張力をかけた場合に、基材フィルムと粘着層が剥離せず、また、巻装体では粘着層32のはみ出しがないという特徴を有する。またこの積層テープは、該テープを長さ2cmの小片に切って粘着層32を素ガラスに貼り、ピンセットで基材フィルム31の端のみを摘まんで取り除いた場合に、粘着層が素ガラスから剥離しにくいという実用上の要請を満たし、所謂、貼着や転着を可能とする。
取り扱い性の点からこのテープをリールに巻いた巻装体とすることが好ましい。巻装体におけるテープ長は、実用上の点から好ましくは5m以上5000m以下、より好ましくは50m以上1000m以下、さらに好ましくは500m以下である。一般にテープ幅が細幅になると巻装体ではブロッキングが生じやすくなるが、本発明の積層テープによれば巻装体でブロッキングが生じにくく、巻装体からテープを5m以上引き出しても、引き出したテープに、基材フィルム31やカバーフィルム33と粘着層32との間に剥離が生じない。
なお、一般に、積層フィルムをスリットして得られる積層テープのスリットの切り口となる端部には目視において浮き(変色部分)が生じる場合がある。テープ幅が0.5mm以下と細幅になると、積層テープの両端の浮きが、基材フィルムと粘着層の不用な剥離を生じさせる要因になりかねない。しかしながら、本発明によれば鋭い両刃で積層フィルムをスリットするので、巻装体を形成するテープ全長から任意に20カ所以上、好ましくは50カ所以上で浮きの有無を目視観察により調べても、浮きは観察されにくい。積層テープのスリットの切り口に沿った端部に浮きが観察される場合でも、浮きは長さが5cm未満、幅はテープ幅に対して40%以下、特に1/3以下であり、基材フィルムと粘着層との剥離を抑えることができる。
このように本発明の積層テープによれば基材フィルムと粘着層がずれにくく、ブロッキングや浮きが生じにくいので、巻装体の巻き取り、引き出しの作業性がよく、巻装体から引き出して切り取ったテープを対象部材に貼り付ける際には貼り付け位置にずれが生じにくい。よって、本発明の積層テープは、細幅の粘着材又は接着材として種々の用途に使用することができる。その場合、粘着層32を構成する樹脂組成物の種類等はテープを貼り付ける対象部材に応じて適宜選択される。
実施例1
基材フィルムが厚さ38μmの剥離処理されたPETフィルムで形成され、粘着層が厚さ10μmのアクリル系熱硬化性樹脂(接着性フィルム、デクセリアルズ製)で形成され、カバーフィルムが厚さ12μmのPETフィルムで形成された積層フィルムを、図2に示した切削刃を用いて1回で幅0.3mm、長さ100mのテープにスリットし、カバーフィルムは剥がして基材フィルムと粘着層をφ90mmのフランジ付き巻芯(フランジ間距離0.4mm)に張力(巻き取りテンション)0.3〜0.6Nをかけて巻き取ることで巻装体とし、次の評価を行った。
(1)浮き
巻装体とした100mのテープを全て手で引き出し、引き出したテープの任意の位置における長さ10cmの試験領域20カ所を目視観察し、浮きの有無に関する次の項目a、b、cに基づいて次の基準で評価した。
a:長さ5cm以上の浮きがない
b:幅がテープ幅の1/3を超える浮きがない
c:長さ5cm未満の浮きまたは幅がテープ幅の1/3以下の浮きの存在箇所が5カ所以下
評価A:abcをすべて満たす場合
評価B:abを共に満たす場合
評価C:上記の評価Aおよび評価B以外
この評価結果は評価Aであった。なお、実用上は評価Bを満たせば問題なく、さらにcを満たすことが好ましい。
(2)剥離
上記試験において、浮きの目視観察を行った箇所と、それ以外の30か所の計50か所で剥離は発生していないことを確認した。試験中全長を引き出しながら目視観察していたが、おおよそ剥離はなかった。
また、作業性に支障を来す粘着層のはみ出しの発生はなく、フランジへの粘着層の付着も確認できなかった。
なお、上述した(1)、(2)の結果は切削刃によるスリットに限定されるものではない。
1 スリット装置
2 フィルム巻出装置
3 フィルム
4 キャリアフィルム
5 キャリアフィルム巻出装置
6 ラミネートロール
10 刃付きロール
11 スリット刃、丸刃
12 ロール
13 領域
14 大径部分
15 軸受け
16 歯車
17 ガイド
18 調整ネジ
19 ボルト
20 アンビルロール
25 軸受け
26 歯車
30 積層フィルム
31 基材フィルム
32 粘着層
33 カバーフィルム
35 繋ぎテープ
α スリット刃の刃角
d1 スリット刃の刃先とアンビルロールとの間隙
d2 スリット刃のキャリアフィルムへの切り込み量
F 圧縮力
h スリット刃の刃高
L1、L2 回転軸
p スリット刃のピッチ

Claims (15)

  1. 複数条の円盤状のスリット刃が所定ピッチで設けられている刃付きロールとアンビルロールを備え、フィルムをスコアカット方式でスリットするスリット装置であって、
    スリットするフィルムとアンビルロールとの間にキャリアフィルムを介在させるキャリアフィルム搬送機構を有し、
    スリット刃の刃角が30°以下であり、
    スリット刃のピッチが0.5mm以下であるスリット装置。
  2. スリット刃の刃角が10°以上である請求項1記載のスリット装置。
  3. スリット刃のピッチが0.1mm以上0.4mm以下である請求項1又は2記載のスリット装置。
  4. スリット刃の刃高が0.05mm以上0.8mm以下である請求項1〜3のいずれかに記載のスリット装置。
  5. 刃付きロールの取付位置をアンビルロールに対して動かす調整機構を有する請求項1〜4のいずれかに記載のスリット装置。
  6. 複数条の円盤状のスリット刃が所定ピッチで設けられている刃付きロールとアンビルロールの間に、基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムとキャリアフィルムとを、積層フィルムを刃付きロール側にして重ねて通し、積層フィルムをスリットするスコアカット方式のスリット方法であって、
    スリット刃の刃角を30°以下とし、
    スリット刃のピッチを0.5mm以下とするスリット方法。
  7. スリット刃の刃角を10°以上とする請求項6記載のスリット方法。
  8. スリット刃のピッチを0.1mm以上0.4mm以下とする請求項6又は7記載のスリット方法。
  9. 積層フィルムが、粘着層にカバーフィルムが剥離可能に積層されたものである請求項6〜8のいずれかに記載のスリット方法。
  10. 積層フィルムに繋ぎテープが貼着されている請求項6〜9のいずれかに記載のスリット方法。
  11. 基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層フィルムを請求項6〜10のいずれかに記載のスリット方法でスリットして得られる積層テープ。
  12. 基材フィルムに粘着層が剥離可能に積層されている積層テープであって、テープ幅が0.5mm以下であり、前記積層テープから任意に切り取った長さ1mの積層テープの一端を固定し、他端に1Nの張力をかけた場合に、基材フィルムと粘着層が剥離しない積層テープ。
  13. テープ幅が0.1mm以上0.4mm以下である請求項12記載の積層テープ。
  14. 粘着層にカバーフィルムが剥離可能に積層されている請求項12又は13記載の積層テープ。
  15. 繋ぎテープが貼着されている請求項12〜14のいずれかに記載の積層テープ。
JP2020064948A 2019-03-31 2020-03-31 スリット装置、スリット方法及び積層テープ Pending JP2020168715A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US17/599,094 US20220162035A1 (en) 2019-03-31 2020-03-31 Slitting device, slitting method, and laminated tape
PCT/JP2020/014951 WO2020204049A1 (ja) 2019-03-31 2020-03-31 スリット装置、スリット方法及び積層テープ
TW109111090A TW202042994A (zh) 2019-03-31 2020-03-31 切開裝置、切開方法及積層帶
KR1020217030351A KR20210132119A (ko) 2019-03-31 2020-03-31 슬릿 장치, 슬릿 방법 및 적층 테이프
KR1020247003145A KR20240017415A (ko) 2019-03-31 2020-03-31 슬릿 장치, 슬릿 방법 및 적층 테이프

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019069545 2019-03-31
JP2019069545 2019-03-31

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020168715A true JP2020168715A (ja) 2020-10-15

Family

ID=72746520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020064948A Pending JP2020168715A (ja) 2019-03-31 2020-03-31 スリット装置、スリット方法及び積層テープ

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP2020168715A (ja)
KR (1) KR20210132119A (ja)
CN (1) CN113613853B (ja)
TW (1) TW202042994A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114476807A (zh) * 2022-03-07 2022-05-13 上海工程技术大学 一种预浸料自动化分切复卷装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114388195B (zh) * 2022-02-07 2024-02-02 中国科学院电工研究所 一种多层ybco超导带材剥离装置及其剥离方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN2266489Y (zh) * 1995-01-29 1997-11-05 中国兵器工业第五二研究所 一种金属箔带材料的切割装置
FR2788455B1 (fr) * 1999-01-19 2001-04-06 Imphy Ugine Precision Procede de traitement d'une bande mince metallique fragile et pieces magnetiques realisees a partir d'une bande en alliage nanocristallin
JP4123804B2 (ja) 2002-03-27 2008-07-23 日立化成工業株式会社 スコアカットスリッタ装置及びそれを用いたスリット方法
JP2005126623A (ja) * 2003-10-27 2005-05-19 Konica Minolta Medical & Graphic Inc ポリエステル系樹脂支持体回収方法
JP4677758B2 (ja) * 2004-10-14 2011-04-27 日立化成工業株式会社 ダイボンドダイシングシート及びその製造方法、並びに、半導体装置の製造方法
JP4940609B2 (ja) * 2005-09-27 2012-05-30 日立化成工業株式会社 粘着材層を備えたフィルム材の切断方法
JP2012232392A (ja) 2011-05-09 2012-11-29 Toppan Printing Co Ltd スリッター装置、スリッター加工方法
JP6333539B2 (ja) * 2013-10-31 2018-05-30 デクセリアルズ株式会社 接着テープ構造体及び接着テープ収容体
JP2017014504A (ja) * 2015-06-29 2017-01-19 Dic株式会社 粘着テープ及びその製造方法、ならびに、物品及び携帯電子端末
JP2017137188A (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 デクセリアルズ株式会社 フィルム巻装体のはみ出し試験方法
JP6951902B2 (ja) * 2017-08-07 2021-10-20 日東電工株式会社 粘着剤付き光学フィルムの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114476807A (zh) * 2022-03-07 2022-05-13 上海工程技术大学 一种预浸料自动化分切复卷装置
CN114476807B (zh) * 2022-03-07 2023-06-02 上海工程技术大学 一种预浸料自动化分切复卷装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN113613853A (zh) 2021-11-05
TW202042994A (zh) 2020-12-01
KR20210132119A (ko) 2021-11-03
CN113613853B (zh) 2024-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6570329B2 (ja) 粘着層と剥離層とを備えた物品
JP2020168715A (ja) スリット装置、スリット方法及び積層テープ
CN102744949B (zh) 片材贴合方法
JP2008214474A5 (ja)
WO2020204049A1 (ja) スリット装置、スリット方法及び積層テープ
WO2017145735A1 (ja) 接着シートおよびその使用方法
JP2008081287A (ja) 粘着性極細幅長尺テープ捲回物の製造方法及び同装置
CN105522608A (zh) 用以切割膜的刀具与设备
JP2014094995A (ja) 刃型、接着シート製造装置、剥離方法および接着シート製造方法
WO2020204050A1 (ja) 上刃ロール、スリット装置、スリット方法及び積層テープ
JP2016184596A (ja) フレキシブル配線基材と配線基板及び太陽電池モジュールとicカード
JP6939945B2 (ja) 熱伝導シートの転写方法および転写装置
JP2020168716A (ja) 上刃ロール、スリット装置、スリット方法及び積層テープ
TWI439368B (zh) 電路基板用之樹脂片材及其製造方法
JP2003211349A (ja) シリコン基板の製造方法
WO2017199705A1 (ja) 圧電素子の製造方法
JP6640538B2 (ja) フィルム巻装体、及びフィルム巻装体の製造方法
JP6891999B2 (ja) 熱伝導シートの転写方法および転写装置
US6543711B2 (en) Damper continuous feeding body
JPH08197487A (ja) 片面に粘着性を有するテープの切断法
WO2020213574A1 (ja) 貼着体保持部材
EP3064461A1 (en) Reel member and film accommodating body
US20220194648A1 (en) Sticking apparatus
KR20140079501A (ko) 액정 표시 소자의 연속 제조 시스템 및 액정 표시 소자의 연속 제조 방법
WO2024071061A1 (ja) 接着シート、接着方法及び巻回体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231219

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240611