JP2020163697A - 木質化粧板及びその製造方法 - Google Patents

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恵一 若尾
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Abstract

【課題】木材と同様の立体感や奥行き感が看取され、新たな美感を生じさせる木質化粧板を提供すること。【解決手段】樹脂製基材の表面に、本木シートからなる層及びクリア層が、この順に従って積層形成されてなる木質化粧板にして、本木シートとして、クリア層側の表面において開口する、該本木シートの原木の導管に由来する空隙を含む無数の空隙を有するものを用い、また、原木の導管に由来する空隙のうちの少なくとも一部の空隙に、金属粒子の凝集体からなる金属膜を、空隙の内壁における少なくとも一部の部位上に、空隙内部を埋め尽くさない形態において形成せしめて、木質化粧板を構成した。【選択図】図1

Description

本発明は、木質化粧板及びその製造方法に係り、特に、自動車の各種内装部品として好適に用いられる木質化粧板と、そのような化粧板を有利に製造することが出来る方法に関するものである。
従来より、例えばダッシュパネル等の自動車内装部品には、部品に高級感を付与すべく、各種木材を用いて作製された木質化粧板が使用されている。そのような木質化粧板としては、従来より様々な構成のものが提案され、使用されており、例えば、特許文献1(特開2002−347007号公報)の図1乃至図3に示される如き構造を呈する木質化粧板が、知られている。
また、特許文献2(特公平2−36385号公報)には、板面の外観に重量感と華麗感とを兼ね備え、しかも木材としての特色を活かした飾り板材として、表層を成す木質地板の木目に沿った導管の切口内に、多量の金属光沢を有する色粉が挿入されて固着され、前記木目以外の地板の表面には前記色粉はほとんどない状態で、その全表面は透明樹脂層によって覆われていることを特徴とする飾り板材が、開示されている。
しかしながら、本発明者が、特許文献2に開示の飾り板材について確認したところ、そこに開示の飾り板材は、導管の切口内に挿入された多量の金属光沢を有する色粉により、他の木質面とは異質の金属光沢が認められるものの、木材が有する立体感や奥行き感等の重厚感においては乏しいものであることが判明した。また、近年では、木材の立体感等を木質化粧板に付与すべく、木材(本木)シートや最外層たるクリア層を着色する手法等が知られているが、木材が有する立体感や奥行き感等が看取される木質化粧板は、未だ開発されるに至っていないのが現状である。
特開20002−347007号公報 特公平2−36385号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、木材と同様の立体感や奥行き感が看取され、従来品にはない新たな美感を生じさせる木質化粧板を提供することにある。また、本発明は、そのような優れた特性を有する木質化粧板を有利に製造することが出来る方法を提供することも、解決課題とするものである。
そして、本発明は、そのような課題を解決すべく、樹脂製基材の表面に、本木シートからなる層及びクリア層が、この順に従って積層形成されてなる木質化粧板にして、前記本木シートが、前記クリア層側において開口する、該本木シートの原木の導管に由来する空隙を含む無数の空隙を有するものであり、前記本木シートの原木の導管に由来する空隙のうちの少なくとも一部の空隙に、金属粒子の凝集体からなる金属膜が、該空隙の内壁における少なくとも一部の部位上に該空隙の内部を埋め尽くさない形態において形成されている、ことを特徴とする木質化粧板を、その要旨とするものである。
なお、そのような本発明に従う木質化粧板においては、好ましくは、前記反射部を有する空隙が前記本木シート上にて偏在しており、該空隙が密に存在する部位からなる高光沢部と、該空隙が粗に存在する部位からなる低光沢部とを有している。
一方、本発明は、樹脂製基材の表面に、本木シートからなる層及びクリア層が、この順に従って積層形成されてなる木質化粧板の製造方法にして、前記本木シートにおける、該本木シートの原木の導管に由来する空隙を含む無数の空隙が開口している表面に、金属粒子を含む液状塗料を吹き付け乃至は塗布し、該液状塗料を該本木シートの原木の導管に由来する空隙のうちの少なくとも一部の空隙内に流入せしめて、該空隙の内壁における少なくとも一部の部位上に前記液状塗料中の金属粒子を付着させ、その後、加熱処理を施すことにより、前記金属粒子の凝集体からなる金属膜を、前記空隙の内壁における少なくとも一部の部位上に該空隙の内部を埋め尽くさない形態において形成する、ことを特徴とする木質化粧板の製造方法についても、その要旨とするものである。
なお、そのような本発明に従う製造方法においては、好ましくは、前記金属粒子を含む液状塗料の粘度が0.01〜0.03Pa・sである。
このように、本発明に従う木質化粧板にあっては、本木シートとして、クリア層側において開口する、原木の導管に由来する空隙を含む無数の空隙を有するものが用いられており、また、かかる原木の導管に由来する空隙のうちの少なくとも一部の空隙には、金属粒子の凝集体からなる金属膜が、その空隙の内壁における少なくとも一部の部位上に空隙内部を埋め尽くさない形態において形成されている。従って、クリア層側から進入した光が、上記した空隙内部に存在する金属膜によって効果的に反射することとなり、以て、木材と同様の立体感や奥行き感が看取され、従来品にはない新たな美感(キラキラ感)を生じさせる木質化粧板となっているのである。より詳細には、本木シートは自然物(原木)由来の物であるが故に、原木の導管に由来する空隙の形状は多種多様であり、そのような空隙の内壁における少なくとも一部の部位上に、かかる空隙を埋め尽くさない形態において金属膜が形成されていることにより、クリア層を透過して進入する光の反射方向がランダムとなるところから、本発明の木質化粧板にあっては、キラキラ感を生じさせ得るのである。
また、本発明に従う木質化粧板の製造方法にあっては、上述した優れた特性を有する木質化粧板を、簡易に製造することが可能である。
本発明に従う木質化粧板の縦断面説明図である。 図1を部分的に拡大した断面説明図である。 導管に由来する空隙内に金属膜が形成される工程を示す説明図である。
以下に図面を適宜、参照しながら、本発明を詳細に説明する。なお、添付の図面は、本発明の特徴的部分の理解を容易ならしめるべく、部分的に誇張され、また模式的に描かれたものであることが、理解されるべきところである。
図1は、本発明に従う木質化粧板10を、本木シートからなる層及びクリア層の積層方向に平行な面で切断した際に現われる断面(縦断面)を示す説明図であり、図2は、図1を部分的に拡大した説明図である。
それら図1及び図2より明らかなように、本発明の木質化粧板10は、矩形平板状を呈する樹脂製基材12の一方の面上に、本木シート14からなる層と、クリア層16とが、樹脂製基材12の一方の表面(図1における上面)からこの順に従って積層形成されて、構成されている。
先ず、本実施形態における樹脂製基板12は矩形平板状を呈するものであるが、本発明における樹脂製基材の形状は、矩形平板状のものに限定されるものではなく、その表面に本木シートからなる層及びクリア層を積層形成することが可能な形状であれば、如何なる形状であっても採用することが可能である。また、本発明の樹脂製基板を構成する樹脂材料としては、かかる木質化粧板の用途等に応じて適宜に選択された材料を使用することが出来る。例えば、本発明の木質化粧板を自動車用内装部品として使用する場合、一般的にはアクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート/ABS樹脂、ガラス繊維を含むABS樹脂や、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ノリル樹脂等を用いて、樹脂製基材が形成される。
また、本木シート14の保護等を目的として形成されるクリア層16は、従来の木質化粧板と同様に、ポリエステル系樹脂等の透明性に優れた樹脂材料を用いて、形成される。なお、そのようなクリア層16の厚さは、木質化粧板10の用途等に応じて適宜に決定されるものであり、例えば、自動車用内装部品として本発明の木質化粧板を使用する場合、0.5〜5.0mm程度の厚さを有するクリア層が形成される。
そして、本発明に従う木質化粧板10において、樹脂製基材12とクリア層16との間に介在せしめられている本木シート14は、クリア層16側において開口する、本木シート14の原木の導管に由来する空隙を含む無数の空隙を有しており、そのような原木の導管に由来する空隙のうちの少なくとも一部の空隙に、金属粒子の凝集体からなる金属膜が、その内壁における少なくとも一部の部位上に、空隙の内部を埋め尽くさない形態において形成されているところに、大きな技術的特徴が存しているのである。より詳細には、図1及び図2に示されているように、本発明に係る木質化粧板10における本木シート14にあっては、クリア層16側において開口する無数の空隙の内、本木シート14の原木の導管に由来する空隙18a〜18jに、金属粒子22の凝集体からなる金属膜20a〜20jが、空隙18a〜18jの各々の内壁(側壁及び底面)上に、各空隙の内部を埋め尽くさない形態において、形成されているのである。
このように、本発明に従う木質化粧板10にあっては、本木シート14における表面(クリア層16側の表面)に、内壁に金属膜を有する空隙が存在せしめられているのであり、クリア層16を透過した光は、本木シート14の表面にて反射するだけではなく、空隙の内壁に存在する金属膜の表面においても効果的に反射せしめられるところから、かかる金属膜による反射光によって、木材(本木)と同様の立体感や奥行き感が看取されると共に、従来品にはない新たな美感(キラキラ感)をも生じさせる木質化粧板となっているのである。
なお、本発明においては、上述した金属膜は、本木シートの元である原木(天然木)の導管に由来する空隙のうちの少なくとも一部の空隙内において、かかる空隙内部を埋め尽くさない形態において形成されていれば足りる趣旨である。即ち、本木シートにおけるクリア層側の表面に、内部が金属粒子にて埋め尽くされている空隙が存在していても、内部が金属粒子にて埋め尽くされていない空隙が存在している限り、かかる内部が金属粒子にて埋め尽くされていない空隙の存在によって、木材と同様の立体感や奥行き感が看取され、従来品にはない新たな美感(キラキラ感)を生じさせる木質化粧板となるのである。
また、図1に示されているように、本木シート(14)のクリア層(16)側の表面に、上述した所定の金属膜を有する空隙が偏在していると、かかる空隙が密に存在する部位(図1において、空隙18d〜18hが存在する部位)においては、粗に存在する部位(図1において、空隙18a〜18cが存在する部位及び空隙18i、18jが存在する部位)と比較して、クリア層を透過した光をより強く反射することとなる。従って、所定の空隙が偏在している本木シートを有する木質化粧板にあっては、かかる空隙が密に存在する部位は高光沢部として認識される一方で、粗に存在する部位は低光沢部として認識されることとなり、新たな美感(キラキラ感)がより効果的に看取される木質化粧板となっているのである。
ここで、金属膜20a〜20jを構成する金属粒子22としては、本木シート14表面における空隙の内壁上に金属膜を形成可能なものであれば、従来より公知の如何なる金属種からなる粒子であっても採用することが可能である。具体的には、金粒子、銀粒子や銅粒子の他、各種金属化合物からなる粒子等を例示することが出来るが、本発明においては、銀粒子が有利に用いられる。
また、粒子径が大き過ぎる金属粒子を用いると、金属膜を形成せず、また、導管に由来する空隙の内部を埋め尽くす恐れがあり、その一方、粒子径が小さ過ぎる金属粒子では、膜形成が困難となる恐れがある。このため、本発明において用いられる金属粒子は、その粒子径が3〜20nm程度のものであることが好ましい。
一方、本木シート14は、木目の美しい種々の天然木(原木)を、板目や柾目、杢目等の目的とする木目が現われるようにスライスして得られる平板材からなるものである。そのような本木シート14を与える天然木としては、最終的に得られる木質化粧板10の用途等に応じて適宜に選択することが可能であり、例えば、バーズアイメープル、カーリーメープル、クラロウォールナット、オバンコール、バンブー、アガチス等を挙げることが出来る。また、本木シート14の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、木質化粧板10を自動車用内装部品として使用する場合、一般的には厚さが0.1〜0.5mm程度の本木シート14が用いられる。
以上、本発明に係る木質化粧板の代表的な実施形態の一つについて詳述してきたが、本発明の木質化粧板が上述した態様のものに限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
例えば、樹脂製基材と本木シートとの間に、不織布からなる層を介在せしめることが可能である。不織布からなる層を樹脂製基材と本木シートとの間に介在せしめることにより、樹脂製基材上への本木シートの固定がより容易なものとなる。なお、本発明において用いられる不織布は、特に限定されるものではなく、従来より木質化粧板において使用されているものであれば、如何なるものであっても使用することが可能である。また、その厚さも、従来の木質化粧板と同様に、木質化粧板の用途等に応じて適宜の厚さを設定することが出来、例えば自動車用内装部品として使用する場合には、0.5〜5.0mm程度の厚さを有する不織布が有利に用いられる。
また、木質化粧板(10)において、より優れた木質感(立体感や奥行き感を含む)を発揮させるべく、本木シート(14)とクリア層(16)との間に、顔料や塗料の塗膜からなる有色層を設けることも可能である。
さらに、上述した実施形態においては、空隙(18a〜18j)における内壁の全面(側壁及び底面)に亘って金属膜(20a〜20j)が形成されているが、本発明において、金属膜は、原木の導管に由来する空隙の内壁における少なくとも一部の部位上に形成されていれば足りる趣旨である。従って、例えば、空隙におけるクリア層側から把握される(看取される)側壁上にのみ、金属粒子からなる金属膜が形成されていても良い。
ところで、本発明に従う木質化粧板は、例えば以下に示す製造方法に従うことにより、有利に製造することが可能である。
先ず、樹脂製基材の表面に本木シートが積層されてなる積層体であって、本木シートの表面(樹脂製基材側と反対側の表面)に、本木シートの原木の導管に由来する空隙が開口しているものを、作製する。かかる積層体の作製手法としては、1)予め準備した樹脂製基材及び本木シートを、公知の各種接着剤を用いて貼り合わせることにより一体化せしめる手法や、2)成形キャビティ内に本木シートを固定した状態で成形型の型合わせを行い、型合わせされた状態の成形型内(成形キャビティ内)に液状の合成樹脂材料を注入してインサート成形を実施し、樹脂製基材と本木シートとの一体物を得る手法等を、例示することが出来る。
なお、樹脂製基材と本木シートとの間に不織布が介在せしめられてなる木質化粧板を製造する場合には、1)予め準備した樹脂製基材、不織布及び本木シートを、公知の各種接着剤を用いて貼り合わせることにより一体化せしめる手法や、2)予め接着固定した本木シート及び不織布を、成形キャビティ内に固定した状態で成形型を型合わせを行い、型合わせされた状態の成形型内(成形キャビティ内)に液状の合成樹脂材料を注入してインサート成形を実施し、樹脂製基材と不織布と本木シートとの一体物を得る手法等が、挙げられる。
次いで、本木シートの表面に、スプレー塗装法等の公知の技術に従い、金属粒子を含む液状塗料を吹き付ける。図3は、本発明に従い、本木シートの表面に対して金属粒子を含む液状塗料の吹き付けを開始後、導管に由来する空隙内に所定の金属膜が形成されるに至るまでの過程を、模式的に、且つ、部分的に拡大した断面を示す説明図である。図3に示されているように空隙18aに着目すると、本木シート14の表面に対して、スプレー塗装機(図示せず)の吹出しノズル24より、金属粒子22を含む液状塗料を吹き付けると、本木シート14上に付着した液状塗料は、金属粒子22と共に空隙18a内に進入する(図3(a)を参照)。液状塗料の吹き付け開始から、吹き付け終了から所定時間が経過するまでは、空隙18a内への液状塗料の進入は継続し、そのような液状塗料の進入によって、空隙18aの内壁には、金属粒子22を大量に含む液状塗料の層26が形成される(図3(b)を参照)。そして、かかる液状塗料の層26を加熱、感想せしめることにより、空隙18aにおける吹き付け側から把握される立ち面部上に、金属粒子22の凝集体からなる金属膜20aが形成されるのである。なお、吹き付けに代えて、金属粒子を含む液状塗料を塗布する手法も、有利に採用することが出来る。
ここで、金属粒子を含む液状塗料を、導管に由来する空隙内に効果的に進入させ、また、それらのうちの少なくとも一部の空隙に、本発明の金属膜を、かかる空隙の内部を埋め尽くさない形態において形成せしめるためには、液状塗料の粘度や、液状塗料に含まれる金属粒子の含有量(含有割合)、更には、吹き付けを行う際の各種条件(単位時間当りの吹き付け量、吹き付け厚さ等)を、本木シートを構成する原木の種類、シート表面に存在する空隙の状態、更には、目的とする木質化粧板の意匠性等に応じて、適宜に決定することが必要とされる。特に、液状塗料の粘度が高すぎると、空隙内に液状塗料及び金属粒子が効果的に進入しない恐れがあり、また液状塗料の粘度が低すぎても、溶剤成分が多過ぎるが故に、空隙内に金属粒子が効果的に侵入しない恐れがあるところから、本発明においては、本木シート表面に吹き付けられる液状塗料(金属粒子を含む)は、粘度が0.01〜0.03Pa・sの範囲内にあるものが有利に用いられる。
また、本発明に従う製造方法において、金属粒子を含む液状塗料としては、従来よりメッキ調膜用塗料等と称されて販売等されている、メッキ調の塗膜を形成可能な液状塗料が有利に使用される。本発明においては、そのような金属粒子を含む液状塗料を、購入後にそのまま用い得ることは勿論のこと、所定の有機溶媒を添加して粘度を調整したものを用いることも可能である。液状塗料の粘度調整の際に使用される有機溶媒としては、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒やエーテル系溶媒等の公知のものの中から、液状塗料に適したものを選択して、使用することが出来る。本発明において使用可能な、金属粒子を含む液状塗料の市販品としては、株式会社フェクト製のGRANZCOAT(製品名)を例示することが出来る。なお、金属粒子を含む液状塗料の市販品の中には、かかる塗料に含まれる金属粒子が、塗料内における分散性の向上等を目的として、種々の樹脂にて被覆されているものもあるが、本発明においては、そのような樹脂に被覆された金属粒子を含む液状塗料にあっても、本発明の目的を阻害しないものであれば、使用することが可能である。
さらに、図3(b)に示される如く、空隙18aの内壁に、金属粒子20を大量に含む液状塗料の層26が形成された樹脂製基材(図示せず)及び本木シート14を加熱、乾燥せしめて、液状塗料中の溶媒を揮発させることにより、空隙18a内に、金属粒子22の凝集体からなる金属膜20aが形成されるのである。かかる加熱及び乾燥は、液状塗料に含まれる有機溶媒の種類や量等に応じて適宜に決定されるものの、一般的には、70〜150℃程度の温度にて30分〜1時間程度、加熱することにより実施される。
そして、以上の如くして金属膜を形成せしめた後、本木シート14上に、従来より公知の各種手法に従い、ポリエステル系樹脂等の透明樹脂からなるクリア層16を形成することにより、本発明に従う木質化粧板10が有利に得られるのである。なお、例えばコーティング法に従ってクリア層16を形成する場合、コーティングによって形成された塗膜を、70〜100℃程度の温度にて30分〜1時間程度、加熱して、塗膜を乾燥、硬化せしめることにより、クリア層16とされる。
ここで、上述した、金属粒子を含む液状塗料の吹き付けにより、導管に由来する空隙内に本発明の金属膜が形成されることを確認すべく、以下の確認実験を行った。
市販品である液状塗料(銀粒子を含有、製品名:GRANZCOAT)と、有機溶媒として、エーテル系プロピレングリコールとエタノールとを1:1(重量比)の割合において混合したものと準備した。液状塗料と有機溶媒とを1:1(重量比)の割合において混合、撹拌して、吹き付け用塗料として調製した。その一方、矩形板状(100mm×100mm)を呈するアクリル樹脂製基材の表面に、公知の接着剤を用いて、本木シート(原木:バーズアイメープル)を接着固定した。
アクリル樹脂製基材上の本木シートの表面に対して、スプレー塗装機を用いて、先に調製した吹き付け用塗料のスプレー塗装を実施した。なお、かかるスプレー塗装は、本木シート上における塗膜の厚さが0.2μm以下になるように実施した。吹き付け終了から5分間、常温で放置し、その後、100℃で40分間、加熱することにより、吹き付け用塗料中の溶媒を揮発させた。
以上より得られた積層体を、その積層方向において切断し、その断面を電子顕微鏡で観察したところ、導管に由来する空隙に、金属粒子(銀粒子)の凝集体からなる金属膜が、その内壁における少なくとも一部の部位上に(換言すれば、空隙の側壁における吹き付け側から把握(看取)される立ち面部上に)、空隙内部を埋め尽くさない形態において形成されていることが、認められたのである。
このように、本発明に従う木質化粧板にあっては、本木シート表面における、原木の導管に由来する空隙のうちの少なくとも一部の空隙に、金属粒子の凝集体からなる金属膜が、その側壁におけるクリア層側から把握される立ち面部上に、空隙内部を埋め尽くさない形態において形成されているところから、クリア層側から進入した光は、上記した空隙内部に存在する金属膜によって効果的に反射することとなり、以て、木材と同様の立体感や奥行き感が看取され、従来品にはない新たな美感(キラキラ感)を生じさせる木質化粧板となっているのである。また、本発明に係る木質化粧板の製造方法は、そのような優れた特性を発揮する木質化粧板を、有利に製造することが可能である。
以上、本発明について詳述してきたが、本発明は、上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づき、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
10 木質化粧板
12 樹脂製基材
14 本木シート
16 クリア層
18a〜18j 空隙
20a〜20j 金属膜
22 金属粒子

Claims (4)

  1. 樹脂製基材の表面に、本木シートからなる層及びクリア層が、この順に従って積層形成されてなる木質化粧板にして、
    前記本木シートが、前記クリア層側において開口する、該本木シートの原木の導管に由来する空隙を含む無数の空隙を有するものであり、
    前記本木シートの原木の導管に由来する空隙のうちの少なくとも一部の空隙に、金属粒子の凝集体からなる金属膜が、該空隙の内壁における少なくとも一部の部位上に該空隙の内部を埋め尽くさない形態において形成されている、
    ことを特徴とする木質化粧板。
  2. 前記金属膜を有する空隙が前記本木シート上にて偏在しており、該空隙が密に存在する部位からなる高光沢部と、該空隙が粗に存在する部位からなる低光沢部とを有する請求項1に記載の木質化粧板。
  3. 樹脂製基材の表面に、本木シートからなる層及びクリア層が、この順に従って積層形成されてなる木質化粧板の製造方法にして、
    前記本木シートにおける、該本木シートの原木の導管に由来する空隙を含む無数の空隙が開口している表面に、金属粒子を含む液状塗料を吹き付け乃至は塗布し、該液状塗料を該本木シートの原木の導管に由来する空隙のうちの少なくとも一部の空隙内に流入せしめて、該空隙の内壁における少なくとも一部の部位上に前記液状塗料中の金属粒子を付着させ、その後、加熱処理を施すことにより、前記金属粒子の凝集体からなる金属膜を、前記空隙の内壁における少なくとも一部の部位上に該空隙の内部を埋め尽くさない形態において形成する、ことを特徴とする木質化粧板の製造方法。
  4. 前記金属粒子を含む液状塗料の粘度が0.01〜0.03Pa・sである請求項3に記載の木質化粧板の製造方法。
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