JP2005041978A - 金属光沢塗料用粉末とそれを用いた金属光沢塗料、および金属光沢塗膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属光沢塗料用粉末は、貴金属のイオンを含む金属元素のイオンを、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によって還元することで析出させた貴金属やその合金にて少なくともその表面を形成した、平均粒径が10〜200nmの範囲内で、かつ個々の粒径が揃っており粒度分布がシャープな、球状または粒状の粉末である。また金属光沢塗料は、上記の金属光沢塗料用粉末を含有する。さらに金属光沢塗膜は、上記の金属光沢塗料を基材上に塗布して形成する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な金属光沢塗料用粉末とそれを用いた金属光沢塗料、ならびにこの金属光沢塗料を用いて形成した、良好な金属光沢を有する金属光沢塗膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、樹脂等の非金属材料からなる基材の表面などに金属光沢を付与するためには、湿式めっき法や真空蒸着法などによって、当該基材の表面に金属薄膜を積層、形成するのが一般的であった。しかし湿式めっき法では廃液の処理などの問題があり、また真空蒸着法では、その実施のための設備が大掛かりになるという問題があった。
【0003】
そこで、顔料として金属粉末を配合した塗料を用いて塗膜を形成することによって、基材の表面に金属光沢を付与することが検討された。
しかし従来の、一般的な塗料に着色顔料として使用されている銀色、金色などの各色の、例えば薄片状(フレーク状)などの金属粉末は粒径が大きすぎて、塗膜化した際に個々の金属粉末の粒状感が目立ってしまうという問題があった。また、上記薄片状の金属粉末は、箔の面が同一方向に揃っていないと乱反射を生じやすいという問題もあった。このため、従来の金属粉末では、良好な金属光沢を表現することはできなかった。
【0004】
そこで良好な金属光沢を表現するために種々の塗料を用いた金属光沢の表現方法などが検討された。
例えば特許文献1には、貴金属またはCuからなり、粒径が数nm〜数十nm程度というごく微細なコロイド粒子と高分子量顔料分散剤とを含む固体ゾルを配合した塗料、もしくは上記コロイド粒子を含むコロイド溶液を配合した塗料を用いてベースコート層を形成した後、その上に、クリヤー塗料によるトップコート層を積層するなどして金属光沢を有する塗膜を形成する方法などが示されている。
【0005】
また特許文献2には、上記と同様のコロイド粒子を配合した塗料を用いて塗膜を形成し、次いでこの塗膜を焼き付けて塗料に含まれるビヒクル等を分解、除去するとともにコロイド粒子を溶融、一体化させることによって、金属光沢を有する金属薄膜を形成する方法などが記載されている。
さらに特許文献3には、厚みが0.8μm以下で箔面積が20〜3000μm2という、これまでよりも微小なアルミニウム箔片を用いた塗料と、当該塗料を透明基材に塗布して形成した塗膜を、透明基材を通して裏面側から見るようにすることによって擬似的に金属光沢を付与する方法などが示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−236521号公報(請求項1、3、4、6、9、第0010欄〜第0020欄)
【特許文献2】
特開2000−239853号公報(請求項1、第0007欄〜第0010欄)
【特許文献3】
特開平10−158561号公報(請求項1、3、4、第0006欄、第0017欄、第0018欄)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記いずれのものにおいてもAgなどは酸化して変色しやすく、変色を生じると、金属光沢が早期に損なわれてしまうという問題がある。
また、塗膜の表面に皮脂などの汚れが付着すると、金属の種類に拘らず、金属光沢が早期に損なわれてしまうおそれがある。
また引用文献1では、前記のように粒径が数nm〜数十nmというごく微細なコロイド粒子を用いており、かかるコロイド粒子を用いて良好な金属光沢を有する塗膜を形成しようとすると、当該コロイド粒子を緻密に敷き詰めた、つまり高密度に充てんした塗膜を形成する必要がある。そしてその場合にはコロイド粒子の使用量が著しく増加するため、とくに高価な貴金属のコロイド粒子を使用した際に、大幅なコストアップを引き起こす原因となる。
【0008】
またコロイド粒子は粒径が不揃いであるため、過剰に高密度に充てんされやすい。すなわち、比較的粒径の大きいコロイド粒子の隙間に、より粒径の小さいコロイド粒子が密に充てんされた充てん構造をとりやすいため、塗膜は、相対的にコロイド粒子間のビヒクルの量が少なくなりすぎて、ひび割れ等を生じやすくなるという問題もある。
またこれが、塗膜の表面において乱反射の原因となりやすく、良好な金属光沢が得られない場合を生じる。
【0009】
そこで引用文献1に記載されているように、コロイド粒子を含む塗膜をクリヤー塗料によるトップコート層などと組み合わせて、擬似的に光沢を付与することが行われる。またこの方法によれば、前述したAgなどの酸化、変色を防ぐこともできる。しかし、塗膜が2層以上の多層構造となる分、さらなるコストアップを引き起こす原因となる上、工程数が増加する分、不良率が増加するなどして生産性が低下するといった別の問題を生じる。
【0010】
また、引用文献2に記載のように塗膜を焼き付ける場合には、樹脂などの、コロイド粒子の融点より耐熱温度の低い基材を使用することができず、基材が制限されるという問題を生じる。
しかも、良好な金属光沢を有する十分に厚手の金属薄膜を形成するためには、焼付けによる体積減少などを考慮して、塗膜を厚めに塗布する必要があり、コロイド粒子の使用量がさらに多くなるため、やはり高価な貴金属のコロイド粒子を使用した際に、大幅なコストアップを引き起こす原因となる。
【0011】
さらに引用文献3の方法では、金属光沢を得られるのが、透明基板の、しかも通常に見る側と反対側の裏面に塗膜を形成した場合に限られるため、用途が限定されるという問題がある。
これは、塗膜の、透明基板と接する側では、当該透明基板からの形状的な規制を受けて、アルミニウム箔片が基板の面方向にほぼ均一に配向されるが、形状的な規制を受けない反対側の面では個々のアルミニウム箔片がランダムに向いてしまい、乱反射を生じるためである。
【0012】
本発明の目的は、単層構造の塗膜の表面側に良好な金属光沢を付与することができる上、かかる良好な金属光沢を、これまでよりも長期にわたって維持することができる新規な金属光沢塗料用粉末を提供することにある。
また本発明の他の目的は、コロイド粒子などに比べてより少ない充てん量で、したがって塗膜にひび割れ等を生じたり大幅なコストアップを引き起こしたりすることなしに、単層構造の塗膜の表面側に、上記の良好な金属光沢を付与することが可能な新規な金属光沢塗料用粉末を提供することにある。
【0013】
また、本発明のさらに他の目的は、単に塗布するだけで、樹脂等の種々の材料からなる基材の表面側に、単層構造で、なおかつ、これまでよりも長期にわたってより良好な金属光沢を維持しうる金属光沢塗膜を形成することが可能な、新規な金属光沢塗料を提供することにある。
そして本発明のさらに他の目的は、単層構造で、なおかつその表面側に良好な金属光沢を有するとともに、かかる良好な金属光沢をこれまでよりも長期にわたって維持することができ、しかも割れ等も生じにくい良好な金属光沢塗膜を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
請求項1記載の発明は、液相中で、少なくとも貴金属のイオンを含む、1種または2種以上の金属元素のイオンを、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によって還元することで析出させた、貴金属またはその合金にて少なくとも表面を形成してなり、平均粒径が10〜200nmの範囲内で、かつ球状または粒状の粉末からなることを特徴とする金属光沢塗料用粉末である。
【0015】
また請求項2記載の発明は、還元剤としてのTiイオンを起源とするTiO2を含有していることを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末である。
還元剤としてTiイオンを用いた還元析出法によって製造される金属光沢塗料用粉末は、貴金属またはその合金で形成された少なくとも表面に、反応機構上、不可避的に、上記のようにTiイオンを起源とする、ごく微量のTiO2を含有している。
【0016】
そして、かかるTiO2が光触媒として機能して、金属の腐食の原因となる水を分解することで、例えばAgなどの酸化による変色を防止することができる。またTiO2が光触媒として機能して、塗膜表面に付着した皮脂汚れなどを分解することもできる。
したがって塗膜に自己防食作用、自己浄化作用を付与して、これまでよりも長期にわたって良好な金属光沢を維持することが可能となる。
【0017】
しかも金属光沢塗料用粉末は、上記のようにその平均粒径が10〜200nmの範囲内であって、従来の、通常の塗料用の金属粉末に比べて著しく小さい上、球状または粒状の粉末であるため、薄片状の金属粉末やアルミニウム箔片のような配向のばらつきによる乱反射などを生じることなしに、塗膜の表面側に、個々の粉末の粒状感が目立たない滑らかな、良好な金属光沢を付与することができる。
【0018】
また上記金属光沢塗料用粉末は、従来のコロイド粒子に比べて粒径が僅かに大きいため、過剰に高密度に充てんされることがなく、塗膜化した際に適度な充てん量を維持して、塗膜にひび割れ等を生じたり大幅なコストアップを引き起こしたりするのを防止することもできる。
なお請求項1において、金属光沢塗料用粉末の平均粒径が10〜200nmに限定されるのは、平均粒径が10nm未満では、塗膜における粉末の充てん密度が高くなりすぎて、とくに高価な貴金属の粉末を使用した際にコストアップを引き起こすためである。また平均粒径が200nmを超える場合には、塗膜の表面側において個々の粉末の粒状感が目立ってしまって、良好な金属光沢を表現できないためである。
【0019】
請求項3記載の発明は、粒径と、頻度の累積パーセントとの関係を示す累積曲線から、式(1):
G1(%)=(d50−d10)/d50×100 (1)
〔式中のd10は10%粒径、d50は50%粒径を示す。〕
によって求められる粒径差G1が30%以下で、かつ式(2):
G2(%)=(d90−d50)/d50×100 (2)
〔式中のd90は90%粒径、d50は50%粒径を示す。〕
によって求められる粒径差G2が30%以下であることを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末である。
【0020】
かかる金属光沢塗料用粉末は、粒度分布がとくに狭く粒径が揃っているため、コロイド粒子のような粒径のばらつきによる乱反射などを生じることなしに、塗膜の表面側に、滑らかな、さらに良好な金属光沢を付与することができる。
なお、前記式(1)によって求められる粒径差G1が30%を超えるか、または式(2)によって求められる粒径差G2が30%を超える場合には、このいずれにおいても粒度分布が拡がって粒径が不揃いになり、たとえ平均粒径が10nm以上であっても、塗膜における粉末の充てん密度が高くなりすぎて、とくに高価な貴金属の粉末を使用した際にコストアップを引き起こすおそれがある。また塗膜の表面側において、個々の粉末の、粒径のばらつきによる乱反射を生じて、良好な金属光沢を表現できなくなるおそれもある。
【0021】
請求項4記載の発明は、液相中で、貴金属のイオンを含む、1種または2種以上の金属元素のイオンを、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によって還元することで、球状または粒状に析出させて形成したことを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末である。
還元析出法によって製造した上記の、一体構造を有する金属光沢塗料用粉末は、その形状が真球状に近い上、粒径が小さく、また個々の粒径が揃っており粒度分布がシャープである。
【0022】
したがって金属光沢塗料用粉末の製造歩留まりを向上し、製造コストを低下させて、とくに高価な貴金属を使用した際のコストアップを抑制することができる。
請求項5記載の発明は、金属元素のイオンとして、Agイオンと微量の異種金属のイオンとを用いて形成したことを特徴とする請求項4記載の金属光沢塗料用粉末である。
【0023】
金属元素のイオンとして、上記のようにAgイオンと、それに対してごく微量の異種金属のイオンとを用いると、還元析出法によって、前記の範囲内でもとくに粒径が小さく、しかも粒度分布がシャープな金属光沢塗料用粉末を製造することができる。しかも製造された金属光沢塗料用粉末を用いれば、非常に良好な、輝度の高い金属光沢を有する塗膜を形成することができる。
請求項6記載の発明は、球状または粒状の芯材を分散させた液相中で、貴金属のイオンを含む、1種または2種以上の金属元素のイオンを、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によって還元して芯材の表面に薄膜状に析出させることで、当該表面を、貴金属またはその合金の薄膜によって被覆したことを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末である。
【0024】
還元析出法によれば、芯材の種類を選ばずに、上記の複合構造を有する金属光沢塗料用粉末を製造することができる。すなわち、その表面を被覆する薄膜のもとになる金属よりも卑な金属からなる金属微粒子は言うまでもなく、上記金属よりも貴な金属からなる金属微粒子や、あるいは無機微粒子、樹脂微粒子などの、種々の材料からなる芯材の表面に、貴金属などの薄膜を形成することができる。
したがって複合構造を有する金属光沢塗料用粉末の、設計の自由度を向上することができる。
【0025】
しかも金属光沢塗料用粉末を上記の複合構造とすると、還元析出法による貴金属などの使用量を著しく少なくし、その製造コストをさらに低下させて、とくに高価な貴金属を使用した際のコストアップをより一層、抑制することもできる。
請求項7記載の発明は、液相中で、金属元素のイオンを、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によって還元することで、球状または粒状に析出させて形成した金属微粒子を芯材として用いたことを特徴とする請求項6記載の金属光沢塗料用粉末である。
【0026】
還元析出法によれば、前記と同様にその形状が真球状に近い上、粒径が小さく、また個々の粒径が揃っており粒度分布がシャープな、芯材としての金属微粒子を製造することができる。よって、当該金属微粒子の製造の歩留まりを向上して、複合構造を有する金属光沢塗料用粉末のコストアップをより一層、抑制することができる。
請求項8記載の発明は、少なくとも表面を形成する貴金属またはその合金中に、これらの金属よりも卑な金属を含有させたことを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末である。
【0027】
金属光沢塗料用粉末の少なくとも表面を形成する貴金属またはその合金中に、それよりも電気的に卑な、例えばZn等の金属をごく微量、含有させておくと、速度論的な程度の差はあるものの、特定の条件下で進行する貴金属やその合金の腐食、劣化を、上記卑な金属の、いわゆる犠牲陽極としての機能によって遅らせることができる。
したがって塗膜に自己防食作用を付与して、これまでよりもさらに長期にわたって良好な金属光沢を維持することが可能となる。
【0028】
請求項9記載の発明は、表面に分散安定剤を吸着させたことを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末である。
表面に分散安定剤を吸着させると、金属光沢塗料用粉末の、塗料中に分散した状態での分散安定性を向上させることによって、塗料の長期安定性を向上できる上、塗膜中での粉末の、適度な充てん量を維持して、塗膜にひび割れ等を生じたり大幅なコストアップを引き起こしたりするのをより確実に防止することもできる。
【0029】
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の金属光沢塗料用粉末を含有することを特徴とする金属光沢塗料である。
上記の金属光沢塗料によれば、単に塗布して乾燥、固化させるだけで、先に説明した金属光沢塗料用粉末の機能によって、樹脂等の種々の材料からなる基材の表面側に、単層構造で、なおかつその表面側に良好な金属光沢を有する上、かかる良好な金属光沢を、これまでよりも長期にわたって維持することができる、良好な金属光沢塗膜を形成することが可能となる。
【0030】
請求項11記載の発明は、ビヒクルと、当該ビヒクルを溶解または分散するための主溶剤と、当該主溶剤よりも沸点が少なくとも20℃高い副溶剤とを含有することを特徴とする請求項10記載の金属光沢塗料である。
塗料中に上記の副溶剤を含有させると、その作用によって、基材上に塗布した後の塗料の乾燥をできるだけ緩やかに行うことができるため、塗膜中に生じる残留応力を低減して、ひび割れ等の発生をさらに確実に防止することができる。
【0031】
請求項12記載の発明は、金属光沢塗料用粉末を、ビヒクル100重量部に対して100〜10000重量部の割合で含有することを特徴とする請求項10記載の金属光沢塗料である。
ビヒクル100重量部に対する金属光沢塗料用粉末の含有量が100重量部未満では、塗膜に良好な金属光沢を付与できないおそれがあり、逆に10000重量部を超える場合には、塗膜がひび割れ等を生じるおそれがある。
【0032】
請求項13記載の発明は、請求項10〜12のいずれかに記載の金属光沢塗料を下地上に塗布して形成してなり、厚み方向に切断した切断面の、所定面積の範囲内における、金属光沢塗料用粉末の断面の占める割合が90%以下で、かつ表面の、JIS Z8741−1983に規定した60度鏡面光沢度が200以上であることを特徴とする金属光沢塗膜である。
かかる塗膜は、前述した金属光沢塗料用粉末の機能によって、単層構造で、なおかつその表面側に上記のように良好な金属光沢を有するとともに、かかる良好な金属光沢をこれまでよりも長期にわたって維持することができ、しかも金属光沢塗料用粉末の充てん量が上記のように抑制されているためひび割れ等も生じにくい良好なものとなる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を説明する。
〈金属光沢塗料用粉末〉
まず、本発明の金属光沢塗料用粉末について説明する。
本発明の金属光沢塗料用粉末は、前述したように液相中で貴金属、すなわちAu、Agまたは白金族元素(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)のイオンを少なくとも含む、1種または2種以上の金属元素のイオンを、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によって還元することで析出させた、貴金属またはその合金にて少なくとも表面を形成してなり、平均粒径が10〜200nmの範囲内で、かつ球状または粒状の粉末からなることを特徴とする。
【0034】
金属光沢塗料用粉末の少なくとも表面の形成方法を、還元剤としてTiイオンを用いた還元析出法に限定する理由は、先に述べたとおりである。また、その平均粒径を10〜200nmに限定する理由や、形状を球状または粒状に限定する理由も、先に説明したとおりである。
また上記金属光沢塗料用粉末の、粒径と、頻度の累積パーセントとの関係を示す累積曲線から、前記式(1)によって求められる粒径差G1を30%以下とし、かつ式(2)によって求められる粒径差G2を30%以下とするのが好ましい理由も、やはり先に説明したとおりである。
【0035】
ただしより一層、粒状感のない滑らかな、良好な金属光沢を有する金属光沢塗膜を形成することを考慮すると、金属光沢塗料用粉末の平均粒径は、上記の範囲でもできるだけ小さいのが好ましく、とくに10〜60nmであるのが好ましい。また、粒径差G1、G2はともに0%であるのが、粒径分布が単分散となって最も理想的であるが、実用上、G1、G2は上記の範囲内であればよい。
還元剤としてTiイオンを用いた還元析出法によって製造される本発明の金属光沢塗料用粉末は、
(i) その全体を、還元析出法によって、貴金属やその合金にて一体に形成した単一構造を有するものと、
(ii) 芯材の表面を、還元析出法によって、貴金属やその合金にて形成した薄膜で被覆した複合構造を有するもの、
に大別することができる。
【0036】
このうち(i)の単一構造を有する金属光沢塗料用粉末は、これも先に述べたように、還元剤としてTiイオンを用いた還元析出法によって製造したものゆえ、その形状が真球状に近い上、粒径が小さく、また個々の粒径が揃っており粒度分布がシャープである。
したがって当該金属光沢塗料用粉末の、製造の歩留まりを向上することができる。また、かかる金属光沢塗料用粉末を用いることによって、表面側に良好な金属光沢を有し、かつひび割れ等を生じ難い金属光沢塗膜を形成することができる。
【0037】
また、かかる金属光沢塗料用粉末は、還元剤として用いたTiイオンを起源とする、ごく微量のTiO2を含有しており、当該TiO2が、いわゆる本多−藤島効果によって、特定波長以上のエネルギーを有する光が照射されると光触媒として機能する。このため、金属光沢塗膜に自己防食作用、自己浄化作用を付与して、これまでよりも長期にわたって良好な金属光沢を維持することも可能となる。
【0038】
また、還元析出法において還元剤として用いるTiイオンは、金属光沢塗料用粉末を製造した後の、Tiイオンが4価に酸化した液を電解処理して、Tiイオンを再び3価に還元することによって繰り返し、金属光沢塗料用粉末の製造に利用可能な状態に再生できるという利点もある。
還元剤としてTiイオンを用いた還元析出法としては、四塩化チタンなどの、4価のTi化合物の水溶液を電解処理して、4価のTiイオンの一部を3価に還元して還元剤水溶液を調製した後、この還元剤水溶液と、金属光沢塗料用粉末のもとになる貴金属のイオンなどを含む水溶液(反応液)とを混合して、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によってこれら金属のイオンを還元、析出させる方法が好ましい。
【0039】
この方法においては、還元析出時に、あらかじめ系中に存在する4価のTiイオンが、金属光沢塗料用粉末の成長を抑制する成長抑制剤として機能する。
また還元剤水溶液中で、3価のTiイオンと4価のTiイオンとは、複数個ずつがクラスターを構成して、全体として水和および錯体化した状態で存在する。
このため1つのクラスター中で、3価のTiイオンによる、粉末を成長させる機能と、4価のTiイオンによる、粉末の成長を抑制する機能とが、1つの同じ粉末に作用しながら、金属光沢塗料用粉末が形成される。
【0040】
したがって金属光沢塗料用粉末の真球度をさらに高めることができる上、前述した、平均粒径が200nm以下という微細な金属光沢塗料用粉末を、容易に製造することができる。
しかもこの方法では、電解条件を調整して、還元剤水溶液中における、3価のTiイオンと4価のTiイオンとの存在比率を調整することによって、上述した、クラスター中での両イオンの、相反する機能の割合を制御できるため、金属光沢塗料用粉末の粒径を任意に制御することも可能である。
【0041】
また発明者の検討によると、貴金属のイオンとしてAgイオンを用いるとともに、当該Agイオンに対して、例えば原子の個数で表して数%程度、より詳しくは0.1〜10%のSnイオンなどの、異種金属のイオンを含有させることによって、先に述べたようにとくに粒径が小さく、しかも粒度分布がシャープな金属光沢塗料用粉末を製造することができる。
しかも製造された金属光沢塗料用粉末を用いれば、粒径が小さく、かつ粒度分布がシャープなことと、Agを主成分とする合金の色目が主に明るい白銀色であることとが相まって、非常に良好な、輝度の高い金属光沢を有する塗膜を形成することができる。
【0042】
Agイオンとともに併用されて上記の効果を発揮し得る異種金属のイオンとしては、Snイオンの他に、例えばCuイオン、Inイオンなどを挙げることができる。
一方、前記(ii)の複合構造を有する金属光沢塗料用粉末のうち芯材としては無機微粒子、樹脂微粒子、金属微粒子などを挙げることができ、このうち無機微粒子としては金属の酸化物(酸化ニッケル、三酸化タングステン等)、窒化物、硫化物、炭化物などを挙げることができる。
【0043】
また樹脂微粒子としては、種々の樹脂やゴムの微粒子を挙げることができ、さらに金属微粒子としてはNi、Cuなどの、高価な貴金属以外の金属からなる微粒子を挙げることができる。
芯材の平均粒径は、金属光沢塗料用粉末の平均粒径が前述した範囲に入るようにするために、当該金属光沢塗料用粉末の平均粒径から、表面を被覆する薄膜の厚みの2倍を差し引いた範囲とすればよい。また芯材としては、できるだけ個々の粒径が揃っており、粒度分布がシャープなものを用いるのが好ましい。
【0044】
上記芯材のうち金属微粒子は種々の製造方法によって製造することができるが、やはりその形状が真球状に近い上、粒径が小さく、また個々の粒径が揃っていて粒度分布がシャープな金属微粒子を製造することを考慮すると、当該金属微粒子のもとになる金属のイオンを含む液相中で、当該イオンを、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によって還元することで、球状または粒状に析出させる還元析出法によって製造するのが好ましい。とくに、前述した4価のTiイオンと3価のTiイオンとが並存する系で行う還元析出法を採用するのがさらに好ましい。
【0045】
上記芯材の表面を被覆する、貴金属やその合金からなる薄膜は、前記のように還元剤としてTiイオンを用いた還元析出法によって形成されるため、やはりごく微量のTiO2を含有しており、当該TiO2が光触媒として機能するため、金属光沢塗膜に自己防食作用、自己浄化作用を付与して、これまでよりも長期にわたって良好な金属光沢を維持することができる。
還元剤としてTiイオンを用いた還元析出法によって、芯材の表面に、貴金属やその合金からなる薄膜を被覆するためには、薄膜のもとになる貴金属のイオンなどを含む液相中に芯材を分散させた状態で還元析出反応を実施すればよい。またこの場合も、前述した4価のTiイオンと3価のTiイオンとが並存する系で行う還元析出法を採用するのが好ましい。
【0046】
還元析出法を利用した形成方法によれば、前述したように芯材の種類に関係なく、すなわち薄膜のもとになる金属よりも卑な金属からなる金属微粒子は言うまでもなく、上記金属よりも貴な金属からなる金属微粒子や、あるいは無機微粒子、樹脂微粒子などの、種々の材料からなる芯材の表面に、Pdなどの高価な無電解めっき用触媒を使用することなしに、貴金属などの薄膜を形成することができ、複合構造を有する金属光沢塗料用粉末の、設計の自由度を向上することができる。
【0047】
またとくに4価のTiイオンと3価のTiイオンとが並存する系で行う還元析出法によれば、還元剤水溶液中における3価のTiイオンと4価のTiイオンとの存在比率を調整することによって、薄膜の厚みの任意に制御することも可能である。
上記(i)または(ii)の金属光沢塗料用粉末の、少なくとも表面を形成する貴金属やその合金中には、先に述べたように犠牲陽極として機能させるために、上記金属よりも電気的に卑な金属をごく微量、含有させてもよい。
【0048】
かかる電気的に卑な金属としては、例えば8族〜10族、または12族〜15族に属し、なおかつ粉末の表面を形成する金属に対して、相対的に電気的に卑である金属を選択して使用すればよい。
その含有量は、粉末の表面を形成する金属に対して、例えば原子の個数で表して5〜30%程度であればよい。
金属光沢塗料用粉末は、そのまま未処理の状態で、金属光沢塗料に配合してもよいが、分散剤で処理して、その表面に分散剤を吸着させた状態で配合すると、分散性を向上することができる。
【0049】
分散剤としては、例えばチオ尿素などの含硫黄系分散剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンなどのアミン系分散剤、カルボキシメチルセルロースなどのカルボン酸基を有する炭化水素系分散剤などを挙げることができる。
分散剤の添加量は、金属光沢塗料用粉末100重量部に対して3〜100重量部程度であればよい。
〈金属光沢塗料〉
次に、本発明の金属光沢塗料について説明する。
【0050】
本発明の金属光沢塗料は、上記の金属光沢塗料用粉末を含有することを特徴とするものである。
その具体的な構成は従来同様でよい。すなわち金属光沢塗料用粉末を結着して塗膜を形成するためのビヒクルや、当該ビヒクルを溶解するとともに金属光沢塗料用粉末を分散して、所定の粘度を有する塗料を形成するための溶剤等を、任意の割合で配合すればよい。
【0051】
上記のうちビヒクルとしては、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等のバインダー樹脂を挙げることができる。また必要に応じて、メラミン樹脂等のアミノ樹脂やブロックポリイソシアネート化合物などの架橋剤を添加して、形成後の塗膜中で樹脂を架橋させることもできる。
溶剤としては、先に述べたように、上記のビヒクルを良好に溶解しうる、例えばエタノールなどの低沸点系の主溶剤と、当該主溶剤よりも沸点が少なくとも20℃高い、グリセリンなどの副溶剤とを併用するのが好ましい。
【0052】
かかる併用系では、副溶剤の作用によって、基材上に塗布した後の塗料の乾燥をできるだけ緩やかに行うことができるため、塗膜中に生じる残留応力を低減して、ひび割れ等の発生をさらに確実に防止することができる。
副溶剤は、溶剤の総量(主溶剤+副溶剤)に対して3〜20重量%程度、とくに数重量%程度の割合で配合するのが好ましい。
金属光沢塗料用粉末は、ビヒクルの総量、つまりバインダー樹脂単独で使用する場合は当該バインダー樹脂の量、また架橋剤を加えてバインダー樹脂を架橋する場合は、当該架橋剤とバインダー樹脂との合計量100重量部に対して3〜10重量部の割合で配合するのが好ましい。この理由は先に説明したとおりである。
【0053】
なおより一層、良好な金属光沢を有する上、さらにひび割れ等を生じにくい良好な金属光沢塗膜を形成することを考慮すると、金属光沢塗料用粉末の、ビヒクル100重量部に対する配合量は、上記の範囲内でもとくに5〜10重量部であるのが好ましい。
また溶剤は、金属光沢塗料を基材上に塗布するための塗布方法などに応じて、当該塗布方法に最適な粘度を有する塗料を調製するための、適宜の割合で配合することができる。
【0054】
金属光沢塗料には、上記各成分の他に、例えば酸化防止剤や紫外線吸収剤、改質剤、染料等の着色剤、レベリング剤、消泡剤などの各種添加剤を配合してもよい。
〈金属光沢塗膜〉
本発明の金属光沢塗膜は、上記の金属光沢塗料を基材上に塗布して乾燥、固化させるとともに、架橋剤を含有する場合は樹脂を架橋させることによって形成される。
【0055】
その塗布方法はとくに限定されず、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、フローコート法などの、従来公知の種々の塗装方法や、あるいはスクリーン印刷法、オフセット印刷法、凹版印刷法などの、従来公知の種々の印刷方法を採用することができる。
かかる本発明の金属光沢塗膜は、前述した金属光沢塗料用粉末の機能によって、
(A) 単層構造で、なおかつその表面側が、日本工業規格JIS Z8741−1983に規定した60度鏡面光沢度で表して200以上という、湿式めっき法や真空蒸着法によって形成する金属薄膜とほぼ同等の、良好な金属光沢を有しているとともに、
(B) 金属光沢塗料用粉末の充てん量が、厚み方向に切断した切断面の、所定面積の範囲内における、金属光沢塗料用粉末の断面の占める割合で表して90%以下に抑制されているため、ひび割れ等を生じにくい、
という、良好な特性を有するものとなる。
【0056】
なお、金属光沢塗膜の表面により一層の金属光沢を付与することを考慮すると、60度鏡面光沢度は、上記の範囲内でもとくに300〜350であるのが好ましい。
また金属光沢塗膜の表面の良好な金属光沢を維持しつつ、ひび割れ等をさらに生じにくくすることを考慮すると、金属光沢塗料用粉末の充てん量は、上記の割合で表して、上記の範囲内でもとくに40〜60%であるのが好ましい。
【0057】
【実施例】
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1
(銀粉末の作製)
純水に、20%三塩化チタン水溶液とクエン酸三ナトリウムとを溶解し、次いでpH調整剤としてアンモニアまたは硝酸を加えてpHを2に調整した液を800ミリリットル準備しA液とした。
【0058】
各成分の添加量は、A液を、次に述べるB液と混合し、pHを調整した後、さらに純水を加えて全量を1リットルとした反応液中での濃度で表して、三塩化チタンを0.08モル/リットル、クエン酸三ナトリウムを0.24モル/リットルとした。
また純水に、硝酸銀と、分散剤〔日本触媒(株)製の商品名PAO2006W〕とを溶解した液を190ミリリットル準備してB液とした。
【0059】
各成分の添加量は、B液を、上記A液と混合し、pHを調整した後、さらに純水を加えて全量を1リットルとした反応液中での濃度で表して、硝酸銀を0.08モル/リットル、分散剤を20g/リットルとした。
次に、B液の全量を徐々にA液に添加し、次いでアンモニアまたは硝酸を加えてpHを2に調整した後、純水を加えて液の全量を1リットルに調整して反応液とした。
【0060】
そしてこの反応液をかく拌下、液温を25℃に維持しながら約30分間、反応させた後、液中に析出した沈殿をロ別して銀粉末を得た。
(金属光沢塗料の調製)
上記で作製した銀粉末に、当該銀粉末の濃度が30重量%となるようにエタノールを加えた後、超音波によって1時間、かく拌して銀粉末を均一に分散させ、次いでビヒクルとしてアクリル樹脂〔三菱レーヨン(株)製〕を、濃度が1重量%となるように添加することによって金属光沢塗料を調製した。
【0061】
実施例2
B液の全量をA液に加えた後の、液のpHを7に調整したこと以外は実施例1と同様にして銀粉末を得た。そしてこの銀粉末を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして金属光沢塗料を調製した。
実施例3
(銀粉末の作製)
純水に、メタンスルホン酸チタンと、メタンスルホン酸銀と、クエン酸三ナトリウムと、チオ尿素とを溶解した液を電解処理して、Ti(IV)の一部をTi(III)に還元した。
【0062】
各成分の添加量は、後述するようにpHを調整した後、さらに純水を加えて全量を1リットルとした反応液中での濃度で表して、メタンスルホン酸チタンを0.15モル/リットル、メタンスルホン酸銀を0.15モル/リットル、クエン酸三ナトリウムを0.15モル/リットル、チオ尿素を100ppmとした。
電解処理には、中央に陰イオン交換膜AMV〔旭硝子(株)製〕を配置した電解槽を用いた。また陽極としては、酸化イリジウムコートチタンラス電極(コート厚み1μm)を使用し、陰極としては、チタンラス電極にカーボンフェルト〔東洋紡(株)製〕を固定したのち、20%硫酸中で、標準電極電位を基準として2.0Vの電位で10分間、陽極酸化処理したものを使用した。
【0063】
そして電解槽の陽極側に20%硫酸ナトリウム溶液を入れ、陰極側に前記の液を入れて所定電気量を通電することで、メタンスルホン酸チタンのチタンイオンのうち0.08モル/リットル相当を4価から3価に還元した。
次に、電解処理した液にアンモニアまたは硝酸を加えてpHを1.5に調整した後、さらに純水を加えて全量を1リットルとして反応液とし、この反応液をかく拌下、液温を25℃に維持しながら1時間、反応させた後、液中に析出した沈殿をロ別して銀粉末を得た。
【0064】
(金属光沢塗料の調製)
上記で作製した銀粉末を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして金属光沢塗料を調製した。
実施例4
(銀コートニッケル粉末の作製)
気相法で製造した平均粒径20nmのニッケル粉末5gを純水に加えるとともに、20%三塩化チタン水溶液とクエン酸三ナトリウムとを溶解し、次いでpH調整剤としてアンモニアまたは硝酸を加えてpHを7に調整した液を800ミリリットル準備しA液とした。
【0065】
各成分の添加量は、A液を、次に述べるB液と混合し、pHを調整した後、さらに純水を加えて全量を1リットルとした反応液中での濃度で表して、三塩化チタンを0.08モル/リットル、クエン酸三ナトリウムを0.24モル/リットルとした。
また純水に、硝酸銀を溶解した液を190ミリリットル準備してB液とした。
硝酸銀の添加量は、B液を、上記A液と混合し、pHを調整した後、さらに純水を加えて全量を1リットルとした反応液中での濃度で表して0.08モル/リットルとした。
【0066】
次に、B液の全量を徐々にA液に添加し、次いでアンモニアまたは硝酸を加えてpHを7に調整した後、純水を加えて液の全量を1リットルに調整して反応液とした。
そしてこの反応液をかく拌下、液温を25℃に維持しながら約120分間、反応させた後、液中に析出した沈殿をロ別して銀コートニッケル粉末を得た。
(金属光沢塗料の調製)
上記で作製した銀コートニッケル粉末を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして金属光沢塗料を調製した。
【0067】
実施例5
(スズ含有銀粉末の作製)
純水に、20%三塩化チタン水溶液とクエン酸三ナトリウムとを溶解し、次いでpH調整剤としてアンモニアまたは硝酸を加えてpHを7に調整した液を800ミリリットル準備しA液とした。
各成分の添加量は、A液を、次に述べるB液と混合し、pHを調整した後、さらに純水を加えて全量を1リットルとした反応液中での濃度で表して、三塩化チタンを0.08モル/リットル、クエン酸三ナトリウムを0.24モル/リットルとした。
【0068】
また純水に、硝酸銀と、塩化スズとを溶解した液を190ミリリットル準備してB液とした。
各成分の添加量は、B液を、上記A液と混合し、pHを調整した後、さらに純水を加えて全量を1リットルとした反応液中での濃度で表して、硝酸銀を0.06モル/リットル、塩化スズを0.01モル/リットルとした。
次に、B液の全量を徐々にA液に添加し、次いでアンモニアまたは硝酸を加えてpHを7に調整した後、純水を加えて液の全量を1リットルに調整して反応液とした。
【0069】
そしてこの反応液をかく拌下、液温を25℃に維持しながら約120分間、反応させた後、液中に析出した沈殿をロ別してスズ含有銀粉末を得た。
(金属光沢塗料の調製)
上記で作製したスズ含有銀粉末を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして金属光沢塗料を調製した。
実施例6
グリセリンを、エタノールとグリセリンとの合計量に対して5重量%の割合となるように配合したこと以外は実施例1と同様にして金属光沢塗料を調製した。
【0070】
比較例1
(銅粉末の作製)
純水に、20%三塩化チタン水溶液とクエン酸三ナトリウムとを溶解し、次いでpH調整剤としてアンモニアまたは硝酸を加えてpHを7に調整した液を800ミリリットル準備しA液とした。
各成分の添加量は、A液を、次に述べるB液と混合し、pHを調整した後、さらに純水を加えて全量を1リットルとした反応液中での濃度で表して、三塩化チタンを0.08モル/リットル、クエン酸三ナトリウムを0.24モル/リットルとした。
【0071】
また純水とエタノールとの混合溶媒に、塩化銅と、分散剤〔日本触媒(株)製の商品名PAO2006W〕と、ベンゾトリアゾールとを溶解した液を190ミリリットル準備してB液とした。
各成分の添加量は、B液を、上記A液と混合し、pHを調整した後、さらに純水を加えて全量を1リットルとした反応液中での濃度で表して、塩化銅を0.04モル/リットル、分散剤を20g/リットル、ベンゾトリアゾールを5g/リットルとした。
【0072】
次に、B液の全量を徐々にA液に添加し、次いでアンモニアまたは硝酸を加えてpHを7に調整した後、純水を加えて液の全量を1リットルに調整して反応液とした。
そしてこの反応液をかく拌下、液温を25℃に維持しながら約30分間、反応させた後、液中に析出した沈殿をロ別して銅粉末を得た。
(金属光沢塗料の調製)
上記で作製した銅粉末を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして金属光沢塗料を調製した。
【0073】
比較例2
還元剤として二級アミンを用いた還元析出法によって作製した、平均粒径23.3nmの銀粉末を含有する金属光沢塗料〔日本ペイント(株)製〕を、比較例2とした。
比較例3
気相法によって作製した、平均粒径8.8nmの銀粉末〔真空冶金(株)製〕を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして金属光沢塗料を調製した。
【0074】
比較例4
粒径10〜20μmの鱗片状のアルミフレーク粉末を同量、用いたこと以外は実施例1と同様にして金属光沢塗料を調製した。
粉末の粒度分布測定
実施例1〜5、比較例1で作製した、反応液からろ過する前の粉末の粒度分布を、濃厚系粒径アナライザー〔大塚電子(株)製のFPAR−1000〕を用いて測定した。また比較例2、3の金属光沢塗料中に分散した粉末の粒度分布を、同じく上記濃厚系粒径アナライザーを用いて測定した。
【0075】
結果を表1、および図1〜図8に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
表および図より、実施例1〜5で作製した粉末はいずれも、粒径が小さい上、粒度分布が狭く粒径が揃っていることがわかった。
鏡面光沢度試験
実施例1〜6、比較例1〜4で調製した金属光沢塗料を、それぞれ平面ガラス板(屈折率1.56)の片面に塗布して乾燥、固化させた後、形成した塗膜の表面側の、前記JIS Z8741−1983に規定した、屈折率1.57のガラス板を100とした60度鏡面光沢度を測定した。
【0078】
結果を図9に示す。
図より、各実施例の金属光沢塗料を用いて形成した塗膜は、銅粉末を用いた比較例1の塗膜、および粒径の大きい鱗片状のアルミフレーク粉末を用いた比較例3の塗膜に比べて鏡面光沢度に優れていることがわかった。
鏡面光沢耐久性試験
上記測定後の塗膜を、80℃で飽和蒸気圧状態の高温高湿試験機中に置いて1ヶ月間、上記の高温高湿雰囲気に曝露した後、再びJIS Z8741−1983に規定した、屈折率1.57のガラス板を100とした60度鏡面光沢度を測定した。
【0079】
結果を図10に示す。図において破線は、図9で示した初期の鏡面光沢度の測定値、実線は、高温高湿雰囲気に曝露した後の鏡面光沢度の測定値である。
図より、各比較例の塗膜は、高温高湿雰囲気に曝露することによって鏡面光沢度が大きく低下するが、各実施例の塗膜は鏡面光沢度の低下率が小さいことから、粉末中に含まれるごく微量のTiO2の、光触媒としての作用によって、良好な鏡面光沢度を維持できることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で作製した銀粉末の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。
【図2】実施例2で作製した銀粉末の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。
【図3】実施例3で作製した銀粉末の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。
【図4】実施例4で作製した銀コートニッケル粉末の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。
【図5】実施例5で作製したスズ含有銀粉末の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。
【図6】比較例1で作製した銅粉末の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。
【図7】比較例2で使用した銀粉末の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。
【図8】比較例3で使用した銀粉末の粒度分布を測定した結果を示すグラフである。
【図9】実施例1〜6、比較例1〜4の塗料を用いて形成した塗膜の、60度鏡面光沢度を測定した結果を示すグラフである。
【図10】実施例1〜6、比較例1〜4の塗料を用いて形成した塗膜を1ヶ月間、高温、高湿雰囲気に曝露した後の、60度鏡面光沢度を測定した結果を示すグラフである。
Claims (13)
- 液相中で、少なくとも貴金属のイオンを含む、1種または2種以上の金属元素のイオンを、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によって還元することで析出させた、貴金属またはその合金にて少なくとも表面を形成してなり、平均粒径が10〜200nmの範囲内で、かつ球状または粒状の粉末からなることを特徴とする金属光沢塗料用粉末。
- 還元剤としてのTiイオンを起源とするTiO2を含有していることを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末。
- 粒径と、頻度の累積パーセントとの関係を示す累積曲線から、式(1):
G1(%)=(d50−d10)/d50×100 (1)
〔式中のd10は10%粒径、d50は50%粒径を示す。〕
によって求められる粒径差G1が30%以下で、かつ式(2):
G2(%)=(d90−d50)/d50×100 (2)
〔式中のd90は90%粒径、d50は50%粒径を示す。〕
によって求められる粒径差G2が30%以下であることを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末。 - 液相中で、貴金属のイオンを含む、1種または2種以上の金属元素のイオンを、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によって還元することで、球状または粒状に析出させて形成したことを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末。
- 金属元素のイオンとして、Agイオンと微量の異種金属のイオンとを用いて形成したことを特徴とする請求項4記載の金属光沢塗料用粉末。
- 球状または粒状の芯材を分散させた液相中で、貴金属のイオンを含む、1種または2種以上の金属元素のイオンを、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によって還元して芯材の表面に薄膜状に析出させることで、当該表面を、貴金属またはその合金の薄膜によって被覆したことを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末。
- 液相中で、金属元素のイオンを、3価のTiイオンが4価に酸化する際の還元作用によって還元することで、球状または粒状に析出させて形成した金属微粒子を芯材として用いたことを特徴とする請求項6記載の金属光沢塗料用粉末。
- 少なくとも表面を形成する貴金属またはその合金中に、これらの金属よりも卑な金属を含有させたことを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末。
- 表面に分散安定剤を吸着させたことを特徴とする請求項1記載の金属光沢塗料用粉末。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の金属光沢塗料用粉末を含有することを特徴とする金属光沢塗料。
- ビヒクルと、当該ビヒクルを溶解または分散するための主溶剤と、当該主溶剤よりも沸点が少なくとも20℃高い副溶剤とを含有することを特徴とする請求項10記載の金属光沢塗料。
- 金属光沢塗料用粉末を、ビヒクル100重量部に対して100〜10000重量部の割合で含有することを特徴とする請求項10記載の金属光沢塗料。
- 請求項10〜12のいずれかに記載の金属光沢塗料を下地上に塗布して形成してなり、厚み方向に切断した切断面の、所定面積の範囲内における、金属光沢塗料用粉末の断面の占める割合が90%以下で、かつ表面の、JIS Z8741−1983に規定した60度鏡面光沢度が200以上であることを特徴とする金属光沢塗膜。
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