JP2020162273A - 電動アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】少なくとも逆入力荷重の負荷(作用)する部位と、他の部位とを別部材とすることによって、軸受ケースの損傷(破損)を防止することが可能な電動アクチュエータを提供する。【解決手段】運動変換機構支持部は、支持軸受とこの支持軸受を収容する軸受ケースを備える。ロック機構部は、駆動伝達部材側に設けられた係合孔に係合するロック部材を備える。軸受ケースにロック部材が軸方向に沿って摺動するロック部材摺動部位を設ける。軸受ケースを、このロック部材摺動部位を含む逆入力荷重負荷部と、他の部位の本体部とを別部材で構成する。逆入力荷重負荷部と本体部とを一体化する。逆入力荷重負荷部がその逆入力荷重に対する耐負荷強度構造である。【選択図】図1
Description
本発明は、電動アクチュエータに関する。
近年、車両等の省力化、低燃費化を目的とした電動化が進んでおり、例えば、自動車の自動変速機やブレーキ、ステアリング等の操作をモータなど電動機の力で行うシステムが開発され、市場に投入されている。このような用途に使用されるアクチュエータとして、電動機の回転運動を直線方向の運動に変換する電動アクチュエータが知られている。
すなわち、電動アクチュエータは、駆動力を発生させる駆動部と、駆動部からの回転運動を直線運動に変換する運動変換機構部と、駆動部から運動変換機構部へ駆動力を伝達する駆動力伝達部と、運動変換機構部を支持する運動変換機構支持部と、運動変換機構部の駆動を防止するロック機構部とを備えたものがある(特許文献1)。
この場合のロック機構部は、前後方向(軸方向)に往復動するロック部材を備え、また、駆動力伝達部のドライブギヤに周方向に沿って複数の係合孔が形成されている。すなわち、ロック部材が前進した際に、1個の係合孔にロック部材が係合してロック状態となる。
この場合、運動変換機構部は、回転体としてのボールねじナットと、直線運動する可動部であるボールねじ軸等で有するボールねじ機構にて構成される。そして、ボールねじ軸にボールねじ軸の駆動を開始するために駆動用モータに電力が供給されると、ロック用モータにも電力が供給され、ロック用モータはロック部材を後退させる方向に駆動する。これによって、ロック部材が係合孔への係合が解除され、ロック状態が解除される。こうして、ボールねじ軸を駆動させている間は、ロック部材が後退した位置に保持され、ドライブギヤがロックされない状態に保持される。
また、ボールねじ軸の駆動が完了するとロック用モータに通電し、ロック部材が規制位置まで前進すると、ロック部材がドライブギヤの係合孔に係合し、ロック状態となり、ドライブギヤの回転が記載される。
このように、ロック部材によってドライブギヤの回転が規制されることで、ボールねじ軸が進退しない状態で保持される。これにより、操作対象側からボールねじ軸側へ外力が入力されたとしても、ボールねじ軸の位置を所定の位置に保持しておくことができる。
ところで、ロック部材は、運動変換機構部であるボールねじを支持する支持軸受と、支持軸受を収容する軸受ケースとで構成されている。そして、この軸受ケースに、このロック部材の前後方向の往復動をガイドするロック部材摺動部位が設けられている。
特許文献1のように、軸受ケースに、このロック部材の前後方向の往復動をガイドするロック部材摺動部位が設けられている場合、相手部品から入力される荷重(逆入力荷重)により、ロックプレートを介して軸受ケースに負荷が掛かる。この際、軸受ケースが樹脂等で構成された場合、この負荷によって、軸受ケースが損傷(破損)するおそれがある。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、少なくとも逆入力荷重の負荷(作用)する部位と、他の部位とを別部材とすることによって、軸受ケースの損傷(破損)を防止することが可能な電動アクチュエータを提供することにある。
本発明の電動アクチュエータは、駆動力を発生させる駆動部と、駆動部からの回転運動を直線運動に変換する運動変換機構部と、駆動部から運動変換機構部へ駆動力を伝達する駆動力伝達部と、運動変換機構部を支持する運動変換機構支持部と、運動変換機構部の駆動を防止するロック機構部とを備えた電動アクチュエータであって、前記運動変換機構支持部は、運動変換機構部の可動部を支持する支持軸受とこの支持軸受を収容する軸受ケースを備えるとともに、前記ロック機構部は、前記駆動伝達部材側に設けられた係合孔に係合するロック部材を備え、軸受ケースにロック部材が軸方向に沿って摺動するロック部材摺動部位を設け、かつ、前記軸受ケースを、このロック部材摺動部位を含む逆入力荷重負荷部と、他の部位である本体部とを別部材で構成して、前記逆入力荷重負荷部をその逆入力荷重に対する耐負荷強度構造とした。
本発明の電動アクチュエータによれば、逆入力荷重負荷部がその逆入力荷重に対する耐負荷強度構造であるので、逆入力荷重負荷部に相手部材から入力される荷重(逆入力荷重)が負荷されても、ロック部材摺動部位が損傷(破損)するのを有効に防止できる。
前記軸受ケースの逆入力荷重負荷部の材質が鉄系であるのが好ましく、また、逆入力荷重負荷部の硬度がHRC25以上であるのが好ましい。このよう材質を用いることにより、逆入力荷重負荷部を容易に構成できる。なお、鉄系材料としては、一般構造用圧延鋼材(SS)や溶接構造用圧延鋼材(SM)等の普通鋼、構造用鋼、工具鋼、特殊用途鋼等の特殊鋼、鋳鋼や鍛鋼等の鋳鍛鋼、鋳鉄等である。また、逆入力荷重負荷部と本体部とはボルト結合等で一体化することができる。
前記軸受ケースの本体部の材質を任意に設定できる。すなわち、この本体部としては、逆入力荷重負荷部に相手部材から入力される荷重(逆入力荷重)が負荷されにくく、このため、本体部として、逆入力荷重負荷部よりも強度的に劣る材質のものの使用が可能となる。すなわち、軸受ケースの本体部の強度を逆入力荷重負荷部よりも低く設定できる。このため、本体部の設計自由度が大きくなり、生産性に優れるとともに、低コスト化及び軽量化を図ることができる。
前記逆入力荷重負荷部と前記本体部とをボルト結合にて一体化することができる。このように一体化することによって、逆入力荷重負荷部と本体部との分離が可能となって、仮に逆入力荷重負荷部が損傷等した場合、逆入力荷重負荷部のみを交換することができ、しかも、逆入力荷重負荷部と本体部との一体化が容易である。このため、メンテナンス性に優れる。
逆入力荷重負荷部に相手部材から入力される荷重(逆入力荷重)が負荷されても、ロック部材摺動部位に亀裂等が入るのを回避でき、軸受ケースの損傷(破損)するのを有効に防止できる。このため、長期にわたって安定して電動アクチュエータとしての機能を発揮する電動アクチュエータを提供できる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1と図2は本発明の実施形態である電動アクチュエータ1を示し、この電動アクチュエータ1は、駆動力を発生させる駆動部2と、駆動部2からの回転運動を直線運動に変換する運動変換機構部3と、駆動部2から運動変換機構部3へ駆動力を伝達する駆動力伝達部4と、運動変換機構部3を支持する運動変換機構支持部5と、運動変換機構部3の運動を出力する操作部6と、運動変換機構部3の駆動を防止するロック機構部7とを備える。駆動部2は、モータ部8と減速機構部9とで構成されている。
電動アクチュエータ1を構成する各部分は、それぞれケースを有し、各ケース内に構成部品が収容されている。具体的に、モータ部8は、駆動力発生用のモータ(駆動用モータ10)を収容するモータケース11を有し、減速機構部9は、減速ギヤ機構16を収容する減速ギヤケース17を有する。また、駆動力伝達部4は、伝達ギヤ機構28を収容する伝達ギヤケース29を有し、運動変換機構支持部5は、支持軸受40を収容する軸受ケース41を有する。本実施形態では、モータ部8と減速機構部9、減速機構部9と駆動力伝達部4、駆動力伝達部4と運動変換機構支持部5は、互いにケースごと連結分離可能に構成されている。さらに、軸受ケース41に対しては、軸ケース50が連結分離可能に構成されている。以下、電動アクチュエータ1を構成する各部の詳細な構成について説明する。
モータ部8は主に、運動変換機構部3を駆動させるための駆動用モータ(例えばDCモータ)10と、駆動用モータ10を収容するモータケース11とで構成されている。モータケース11は、内部に駆動用モータ10が収容される有底円筒状のケース本体12と、ケース本体12の底部から外部に突出する突出部13とを有する。突出部13は、ケース本体12の内部空間と連通する孔部13aが形成されている。この孔部13aは、封止部材14によって封止されている。
図1に示すように、減速機構部9は主に、駆動用モータ10の駆動力を減速して出力する減速ギヤ機構16と、減速ギヤ機構16を収容する減速ギヤケース17とで構成されている。減速ギヤ機構16は、複数の歯車等からなる遊星歯車減速機構18で構成される。
遊星歯車減速機構18は、図3に示すように、リングギヤ55と、サンギヤ56と、複数の遊星ギヤ57と、遊星ギヤキャリア58から構成される。リングギヤ55の中央には、サンギヤ56が配置され、サンギヤ56には駆動用モータ10の出力軸10aが圧入嵌合されている。また、リングギヤ55とサンギヤ56との間には複数の遊星ギヤ57がこれらと噛み合うように配置されている。各遊星ギヤ57は、遊星ギヤキャリア58によって回転可能に保持されている。
遊星歯車減速機構18は、駆動用モータ10が回転駆動すると、駆動用モータ10の出力軸10aに連結されたサンギヤ56が回転し、これに伴って各遊星ギヤ57が自転しながらリングギヤ55に沿って公転する。そして、この遊星ギヤ57の公転運動により遊星ギヤキャリア58が回転する。これにより、駆動用モータ10の回転が減速されて伝達され、回転トルクが増加する。このように、遊星歯車減速機構18を介して駆動力が伝達されることで、電動アクチュエータ1の出力が大きく得られるようになり、駆動用モータ10の小型化を図ることが可能である。
運動変換機構部3は、本実施形態ではボールねじ22で構成される。ボールねじ22は、回転体としてのボールねじナット23と、直線運動する可動部(すなわちストローク部)であるボールねじ軸24と、多数のボール25、及び循環部材としてのこま26とで構成されている。ボールねじナット23の内周面とボールねじ軸24の外周面にそれぞれ螺旋状溝23a,24aが形成されている。両螺旋状溝23a,24aの間にボール25が充填され、こま26が組み込まれ、これにより2列のボール25が循環する。この場合、ボールねじ軸24の前進方向の先端部(図1の左端部)に、操作対象を操作する操作部(アクチュエータヘッド)6が設けられている。
ボールねじナット23は、駆動用モータ10で発生させた駆動力を受けて正逆何れかの方向に回転する。一方、ボールねじ軸24は、その後端部(図1の右端部)に設けられた回転規制部材としてのピン27が、軸ケース50の内周面に設けられた軸方向案内溝50bに嵌入することによって、回転が規制される。
ボールねじナット23が回転すると、これに伴って複数のボール25が螺旋状溝23a,24aに沿って移動しながら循環部材を介して循環し、ボールねじ軸24が軸ケース50の案内溝50aに沿って軸方向に進退する。このように、ボールねじ軸24が進退することで、駆動用モータ10からの回転運動が駆動用モータ10の出力軸10aと平行な軸方向の直線運動に変換される。そして、ボールねじ軸24の前進方向の先端部(図1の左端部)が、操作対象装置を操作する操作部(アクチュエータヘッド)として機能する。
駆動力伝達部4は主に、駆動部2が有する駆動用モータ10から運動変換機構部3を構成するボールねじ22へ駆動力及び回転運動を伝達する伝達ギヤ機構28と、伝達ギヤ機構28を収容する伝達ギヤケース29とで構成されている。伝達ギヤ機構28は、図4に示すように、駆動側のドライブギヤ30と、これと噛み合う従動側のドリブンギヤ31、及びギヤボス32を有する。
ドライブギヤ30の回転中心部にはギヤボス32が圧入等により嵌合されている。ドライブギヤ30は、このギヤボス32を介して伝達ギヤケース29と後述する軸受ケース41それぞれに装着される2つの転がり軸受33,34によって回転可能に支持されている。一方、ドリブンギヤ31は、ボールねじナット23の外周面に圧入等により嵌合されることで固定されている。駆動用モータ10からの駆動力が遊星歯車減速機構18を介してドライブギヤ30に伝達されると、ドライブギヤ30とドリブンギヤ31との噛み合いにより上記駆動力がドリブンギヤ31に伝達される。これによりドリブンギヤ31とボールねじナット23が一体的に回転し、ボールねじ軸24がその長手方向に沿って前進又は後退する。
また、伝達ギヤケース29は、ボールねじ軸24の先端部側(図1の左側)へ突出する円筒部29gを有する。この円筒部29gは、伝達ギヤケース29内にドリブンギヤ31が収容され、これにボールねじ22が組み付けられた状態で、ボールねじ軸24の周囲を覆うように配置される部分である。円筒部29gとボールねじ軸24の間には、伝達ギヤケース29内への異物侵入を防止するブーツ36が取り付けられる。
ブーツ36は樹脂製又はゴム製であり、大径端部36aと小径端部36bとこれらを繋いで軸方向に伸縮する蛇腹部36cで構成されている。大径端部36aが円筒部29gの外周面の取付け部位にブーツバンド37によって締め付け固定され、小径端部36bがボールねじ軸24の外周面の取付け部位にブーツバンド38によって締め付け固定される。また、上記モータケース11には、ブーツ36の周囲に配置されるブーツカバー39が一体に設けられている。
運動変換機構支持部5は主に、運動変換機構部3であるボールねじ22を支持する支持軸受40と、支持軸受40を収容する軸受ケース41とで構成されている。支持軸受40は、本実施形態では、外輪42と内輪43とこれらの間に介在する複列のボール44を主要な構成要素とする背面合わせの複列アンギュラ玉軸受で構成される。
支持軸受40の固定位置は、ボールねじナット23の外周面に対して上記ドリブンギヤ31よりもボールねじ軸24の後端側(図1の右側)に圧入嵌合されている。ボールねじナット23の外周面に固定される支持軸受40とドリブンギヤ31は、ボールねじナット23のドリブンギヤ31側に設けられた規制突起23bと、支持軸受40側に装着された規制部材47によって軸方向の移動が規制される。規制部材47は、一対の半円弧状部材で構成され、これらを環状に組み合わせた状態でボールねじナット23の外周面に装着される。さらに、ボールねじナット23の外周面には、規制部材47を保持する押さえ用カラー48と、この押さえ用カラー48の軸方向の脱落を防止する止め輪49が装着される。
軸受ケース41は、図5〜図7に示すように、支持軸受40が内嵌される大径孔部81と、この大径孔部81よりも上位に配置される小径孔部82とを有する本体部80と、この本体部80に装着される逆入力荷重負荷部83とで構成される。本体部80の大径孔部には、一方の開口端(図面左側の開口端)に内鍔部81aが設けられ、他方の開口側(図面右側)に周方向凹溝81bが形成されている。周方向凹溝81bに止め輪46が装着(嵌合)され、この止め輪46と内鍔部81aとの間に支持軸受40の外輪が介在される。
逆入力荷重負荷部83は、モータ側の端面80aに矩形状の嵌合凹部84に嵌合される平板形状体からなり、そのモータ側の端面83aも凹窪部85が設けられ、この凹窪部85に軸受33,34に枢支されたギヤボス32の反出力軸側の端部が遊嵌状に嵌入する。なお、モータ側の端面80aに外鍔部80bが設けられている。
また、逆入力荷重負荷部83には、後述するロック部材60が摺動する摺動孔86(ロック部材摺動部位)が設けられている。この摺動孔86は、矩形状の本体部86aと、端面83a側の凹溝86bとを有する。逆入力荷重負荷部83は、図4に示すように、ねじ部材(六角穴付きボルト)87を介して本体部80と一体化される。なお、凹窪部85の開口部には、軸受34が嵌合する周方向溝85aが形成されている。
次に、ロック機構部7は、ロック部材60と、滑りねじナット61と、滑りねじ軸62と、ロック用駆動源としてのロック用モータ(例えばDCモータ)64とを備える。ロック用モータ64は、軸ケース50に設けられたホルダ部66内に収容される。このホルダ部66は、筒状の本体部66aと、この本体部66aの開口部を塞ぐキャップ66bとで構成される。
ロック用モータ64の出力軸64aに滑りねじ軸62が装着され、この滑りねじ軸62に滑りねじナット61が螺合している。このため、ロック用モータ64が駆動することによって、滑りねじ軸62が回転し、これによって滑りねじ軸62に螺合している滑りねじナット61はモータ64の出力軸64aの軸心方向に沿って往復動する。
また、ロック部材60は、図8に示すように、滑りねじナット61に装着される一対の取付片部60b,60bと、この取付片部60b,60bの駆動用モータ側に延びる本体部60aとを備える。また、本体部60aの先端部に突出片60cが形成されている。
そして、ロック部材60が前進する方向には、ドライブギヤ30が配設され、このドライブギヤ30には、ロック部材60の先端の突出片60cが係合する係合孔30aは周方向に沿って所定ピッチで複数個が配設されている。このため、いずれかの係合孔30aにロック部材60が係合することによって、ドライブギヤ30の回転が規制される。
また、軸受ケース41には、ロック状態を検知するためのロックセンサ69(図2参照)が装着されている。ロックセンサ69は、板バネ等の弾性部材で構成された接触子69aを有する接触式センサであり、ロック部材60が前進して係合孔30aに係合されると(ロック状態になると)、ロック部材60が接触子69aを押すことで、ロック状態となったことが検知される。
さらに軸受ケース41には、図1に示すように、ロック状態から非ロックへの移行を検知するセンサ90、及び非ロック時を検知するセンサ91が装着されている。すなわち、ロック状態からロック部材60が後退し始めると、滑りねじナット61がセンサ90の接触子90aを押すことで、ロック状態から非ロック状態へ移行し始めたことをたことが検知される。そして、滑りねじナット61がセンサ91の接触子91aを押すことで、非ロック状態となったことが検知される。
上記構成のロック機構部7は、ロック部材60の先端部がドライブギヤ30の係合孔30aに係合したロック状態から、ボールねじ軸24の駆動を開始するために駆動用モータ10に電力が供給されると、ロック用モータ64にも電力が供給され、ロック用モータ64はロック部材60を後退させる方向に駆動する。これにより、滑りねじ軸62が回転し、滑りねじナット61が後退し、これと一体的にロック部材60も後退する。このため、ロック部材60の先端部がドライブギヤ30の係合孔30aから離脱し、ロック状態が解除される。こうして、ボールねじ軸24を駆動させている間は、ロック部材60が後退した位置に保持され、ドライブギヤ30がロックされない状態に保持される。
その後、駆動用モータ10への電力供給が遮断され、ボールねじ軸24の駆動が停止すると、ロック用モータ64がロック部材60を前進する方向に駆動する。これにより、ロック部材60の先端部がドライブギヤ30の係合孔30aに係合することでロック状態となり、ドライブギヤ30の回転が規制される。
このように、ロック部材60によってドライブギヤ30の回転が規制されることで、ボールねじ軸24が進退しない状態で保持される。これにより、操作対象側からボールねじ軸24側へ外力が入力されたとしても、ボールねじ軸24の位置を所定の位置に保持しておくことができる。
すなわち、ロック部材60が係合孔30aの1つに係合してドライブギヤ30の回転を規制することで、操作対象装置側からボールねじ軸側へ外力が入力されたとしても、ボールねじ軸24の意図しない進退を防止し、その進退方向の位置を所定の位置に保持しておくことが可能である。斯かるロック部材60を備える構成は、特に位置保持が必要なアプリケーションに電動アクチュエータを適用する場合に好適である。
本実施形態では、ロック用モータ64を正逆回転させることで、ロック部材60を前進させたり後退させたりしているが、弾性部材を用いて、この弾性部材の弾発力で、ロック部材を前進させ、ロック用モータ64を駆動させることにより、ロック部材60を後退させるようにしたり、反対に、弾性部材の弾発力で、ロック部材60を後退させ、ロック用モータ64を駆動させることにより、ロック部材60を前進させるようにしてもよい。
ところで、ロック部材60は、軸受ケース41の摺動孔86を摺動するものであるが、このロック部材60は相手部品から入力される荷重(逆入力荷重)を受けることになる。このため、摺動孔86を有する部位、すなわち、逆入力荷重負荷部83を、その逆入力荷重に対する耐負荷強度構造としている。
逆入力荷重負荷部83の材質を鉄系等とすることによって耐負荷強度構造とすることができる。ここで、鉄系材料としては、一般構造用圧延鋼材(SS)や溶接構造用圧延鋼材(SM)等の普通鋼、構造用鋼、工具鋼、特殊用途鋼等の特殊鋼、鋳鋼や鍛鋼等の鋳鍛鋼、鋳鉄等である。また、逆入力荷重負荷部の硬度がHRC25以上であるのが好ましい。HRC25未満では、強度的に弱くなって、逆入力荷重負荷部83を耐負荷強度構造を構成しにくくなる。
これに対して、軸受ケース41の本体部80は、逆入力荷重を直接的に受けないので、このような耐負荷強度構造とする必要がない。このため、鉄系材料よりも強度的に劣るアルミニウム等の軽合金のまたはPBT(ポリブチレンテレフタレート),PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂を用いることができる。
電動アクチュエータ1には、ボールねじ軸24に設けられた操作部6のストローク方向の位置を検出するための位置検出装置が搭載される。この位置検出装置は、ボールねじ軸24に設けられるセンサターゲットとしての永久磁石(図示省略)と、ブーツ36を覆うブーツカバー39に、永久磁石のストローク方向の位置を検出するストロークセンサとしての磁気センサ70が配設されている(図9参照)。
磁気センサ70としては、任意のタイプが使用でき、その中でもホールIC、リニアホールICなどホール効果を利用して磁場の向き及び大きさを検出可能なタイプの磁気センサが好適に使用可能である。もちろん、上述のように永久磁石の向きが磁気センサ70と正対する向きから円周方向に45°ずれた状態であっても磁場の向き及び大きさを検出可能なタイプの磁気センサが望ましい。
図9に基づき、磁気センサ70を用いたフィードバック制御について説明する。図13に示すように、目標値が制御装置100に送られると、制御装置100のコントローラ101から駆動用モータ10に制御信号が送られる。なお、この目標値は、例えば、車両上位のECU(Electronic Control Unit)に操作量が入力された際に、その操作量に基づいてECUが演算したストローク値である。
制御信号を受け取った駆動用モータ10は回転駆動を開始し、この駆動力が上記遊星歯車減速機構18、ドライブギヤ30、ドリブンギヤ31、ボールねじナット23を介してボールねじ軸24に伝達される。その結果、ボールねじ軸24が駆動用モータ10の出力軸10aと平行な向きに前進(又は後退)する。これにより、ボールねじ軸24の先端部側(アクチュエータヘッド側)に配置され、連結穴6aを介して連結される操作対象が操作される。
このとき、磁気センサ70によってボールねじ軸24のストローク値(軸方向位置)が検出される。磁気センサ70によって検知された検出値は制御装置100の比較部82に送られ、検出値と上記目標値との差分が算出される。そして、検出値が目標値と一致するようになるまで、駆動用モータ10を駆動させる。このように、磁気センサ70によって検出されたストローク値がフィードバックされてボールねじ軸24の位置が制御されることで、本実施形態の電動アクチュエータ1を、例えば、シフトバイワイヤに適用した場合、シフト位置を確実にコントロールすることができる。
以上はストロークセンサ(磁気センサ70)を電動アクチュエータ1に搭載した場合における制御例であるが、例えばストロークセンサに代えて圧用センサ103を用いたフィードバック制御を行うことも可能である。その一例を図10に基づいて説明する。
図10に示すように、この場合は、操作対象装置に圧用センサ103が設けられている。車両上位のECUに操作量が入力されると、ECUは要求される目標値(圧力指令値)を演算する。この目標値が制御装置100に送られ、コントローラ101から駆動用モータ10に制御信号が送られると、駆動用モータ10は回転駆動を開始する。これにより、ボールねじ軸24が前進し、ボールねじ軸24の先端部側(アクチュエータヘッド側)に配置される操作対象装置が加圧操作される。
このときのボールねじ軸24の操作圧力は、圧用センサ103により検出され、この検出値と目標値に基づいて、上記ストロークセンサ(磁気センサ70)を用いる場合と同様に、ボールねじ軸24の位置がフィードバック制御される。このように、圧用センサ103によって検出された圧力値がフィードバックされてボールねじ軸24の位置が制御されることで、本実施形態の電動アクチュエータ1を、例えば、ブレーキバイワイヤに適用した場合、ブレーキの液圧を確実にコントロールすることができる。
本電動アクチュエータによれば、逆入力荷重負荷部83がその逆入力荷重に対する耐負荷強度構造であるので、逆入力荷重負荷部83に相手部材から入力される荷重(逆入力荷重)が負荷されても、ロック部材摺動部位が損傷(破損)するのを有効に防止できる。
すなわち、逆入力荷重負荷部83に相手部材から入力される荷重(逆入力荷重)が負荷されても、ロック部材摺動部位に亀裂等が入るのを回避でき、軸受ケース41が損傷(破損)するのを有効に防止できる。このため、長期にわたって安定して電動アクチュエータ1としての機能を発揮する電動アクチュエータ1を提供できる。
軸受ケース41の本体部80の材質を任意に設定できる。すなわち、この本体部80としては、逆入力荷重負荷部83に相手部材から入力される荷重(逆入力荷重)が負荷されにくく、このため、本体部80として、逆入力荷重負荷部83よりも強度的に劣る材質のものの使用が可能となる。すなわち、軸受ケースの本体部の強度が逆入力荷重負荷部よりも低く設定できる。このため、本体部80の設計自由度が大きくなり、生産性に優れるとともに、低コスト化及び軽量化を図ることができる。具体的には、本体部80としては、鉄系材料よりも強度的に劣るアルミニウム等の軽合金のまたはPBT(ポリブチレンテレフタレート),PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂を用いることができる。
また、逆入力荷重負荷部83と本体部80とをボルト結合にて一体化することができる。このように一体化することによって、逆入力荷重負荷部83と本体部80との分離が可能となって、仮に逆入力荷重負荷部83が損傷等した場合、逆入力荷重負荷部83のみを交換することができ、しかも、逆入力荷重負荷部83と本体部80との一体化が容易である。このため、メンテナンス性に優れる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、逆入力荷重負荷部83と本体部80との割合としても、逆入力荷重負荷部83が耐負荷強度構造となる範囲で任意に設定できる。また、形状等としても矩形平板形状に限るものではなく、円盤形状、台形形状体、4角形以上の多角形状体等の種々の形状のものであってもよい。軸受ケース41全体が耐負荷強度構造であってもよい。逆入力荷重負荷部83と本体部80とは、前記実施形態では、ボルト結合にて一体化していたが、接着剤を用いる接着や圧入等の他の接合方法であってもよい。また、ボルト結合する場合のボルト数は前記実施形態では2本であったが、本体部80に逆入力荷重負荷部83が固定できる範囲で、任意に増減できる。
逆入力荷重負荷部83の材質として、鉄系に限るものではなく、他の金属であっても、逆入力荷重負荷部83が耐負荷強度構造となるように構成できればよい。また、硬度としても、HRC25未満であれば、耐負荷強度構造となるように構成できないおそれがあるが、逆入力荷重負荷部83の肉厚を大きくしたり、負荷される逆入力荷重が比較的小さい場合、HRC25未満であっても、逆入力荷重負荷部83を耐負荷強度構造とすることができる。
2 駆動部
3 運動変換機構部
4 駆動力伝達部
5 運動変換機構支持部
7 ロック機構部
30a 係合孔
40 支持軸受
41 軸受ケース
60 ロック部材
80 本体部
83 逆入力荷重負荷部
3 運動変換機構部
4 駆動力伝達部
5 運動変換機構支持部
7 ロック機構部
30a 係合孔
40 支持軸受
41 軸受ケース
60 ロック部材
80 本体部
83 逆入力荷重負荷部
Claims (5)
- 駆動力を発生させる駆動部と、この駆動部からの回転運動を直線運動に変換する運動変換機構部と、前記駆動部から前記運動変換機構部へ駆動力を伝達する駆動力伝達部と、前記運動変換機構部を支持する運動変換機構支持部と、前記運動変換機構部の駆動を防止するロック機構部とを備えた電動アクチュエータであって、
前記運動変換機構支持部は、前記運動変換機構部の可動部を支持する支持軸受とこの支持軸受を収容する軸受ケースを備えるとともに、前記ロック機構部は、前記駆動伝達部材側に設けられた係合孔に係合するロック部材を備え、前記軸受ケースに前記ロック部材が軸方向に沿って摺動するロック部材摺動部位を設け、かつ、前記軸受ケースを、このロック部材摺動部位を含む逆入力荷重負荷部と、他の部位である本体部とを別部材で構成して、前記逆入力荷重負荷部をその逆入力荷重に対する耐負荷強度構造としたことを特徴とする電動アクチュエータ。 - 前記軸受ケースの前記逆入力荷重負荷部の材質が鉄系であることを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータ。
- 前記軸受ケースの前記逆入力荷重負荷部の硬度がHRC25以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動アクチュエータ。
- 前記軸受ケースの本体部の強度が前記逆入力荷重負荷部よりも低いことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電動アクチュエータ。
- 前記逆入力荷重負荷部と前記本体部とをボルト結合にて一体化したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電動アクチュエータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019059058A JP2020162273A (ja) | 2019-03-26 | 2019-03-26 | 電動アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JPS55148357U (ja) * | 1979-04-11 | 1980-10-25 | ||
JP2018013183A (ja) * | 2016-07-21 | 2018-01-25 | Ntn株式会社 | 電動アクチュエータ |
JP2018017368A (ja) * | 2016-07-29 | 2018-02-01 | Ntn株式会社 | 電動アクチュエータ |
-
2019
- 2019-03-26 JP JP2019059058A patent/JP2020162273A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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