JP2020159480A - 歯車装置およびロボット - Google Patents
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Abstract
【課題】外歯歯車の内周面に近い位置に効率よく潤滑剤を供給可能な歯車装置、および、かかる歯車装置を備えるロボットを提供すること。【解決手段】内歯歯車と、可撓性を有し、前記内歯歯車に一部が噛み合いながら回動軸まわりに回動する外歯歯車と、前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器と、回動軸上に設けられていて、前記外歯歯車の内部に前記外歯歯車の外部から潤滑剤を供給する孔を有する潤滑剤供給部材と、を備え、前記潤滑剤供給部材は前記内周面に対向する対向面を有し、前記孔の開口部は前記対向面に設けられていることを特徴とする歯車装置。【選択図】図2
Description
本発明は、歯車装置およびロボットに関するものである。
ロボットアームを備えるロボットでは、例えば、ロボットアームの関節部をモーター駆動により回動させるが、その際、そのモーターからの駆動力の回転を減速機(歯車装置)により減速してからロボットアームに伝達することが行われている。
このような減速機として、例えば、特許文献1に記載されている遊星減速機が知られている。遊星減速機は、遊星歯車機構を介してモーターの回転駆動力を減速させて出力軸に伝達する。そして、出力軸は、複数のボルトによりロボットのアームに連結されており、出力軸の回動にしたがってアームが揺動するように構成されている。また、複数のボルトが位置する円の中心には、減速機に潤滑油を供給する給油用のニップルが装着されている。これにより、減速機が安定的に駆動するようになっている。この給油用ニップルは、減速機とアームとを連結する際の位置決めピンに軸芯方向の貫通孔を設け、その貫通孔に挿着されている。したがって、潤滑油は、この貫通孔を介して遊星歯車機構へ供給されると考えられる。一方で近年、開発が進んでいる波動減速機の場合、外歯歯車と内歯歯車との噛み合い位置に潤滑剤が流れていくようにするには、外歯歯車の内部の内周面に潤滑剤を供給することが必要である。しかしながら、外歯歯車は例えばコップ状をなしているため、例えば回転軸に貫通孔を設け、その貫通孔を介して供給することが考えられる。
波動減速機の外歯歯車の内部に潤滑剤を供給する孔が回転軸にあると、回転軸は外歯歯車の内周面が存在している位置からずれていることから、回転軸上に潤滑油を供給しても、十分な効果が得られない。このため、従来では、外歯歯車の内周面に潤滑油を効率よく供給することができないという課題があった。
本発明の適用例に係る歯車装置は、
内歯歯車と、
可撓性を有し、前記内歯歯車に一部が噛み合いながら回動軸まわりに回動する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器と、
回動軸上に設けられていて、前記外歯歯車の内部に前記外歯歯車の外部から潤滑剤を供給する孔を有する潤滑剤供給部材と、を備え、
前記潤滑剤供給部材は前記内周面に対向する対向面を有し、前記孔の開口部は前記対向面に設けられていることを特徴とする。
内歯歯車と、
可撓性を有し、前記内歯歯車に一部が噛み合いながら回動軸まわりに回動する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器と、
回動軸上に設けられていて、前記外歯歯車の内部に前記外歯歯車の外部から潤滑剤を供給する孔を有する潤滑剤供給部材と、を備え、
前記潤滑剤供給部材は前記内周面に対向する対向面を有し、前記孔の開口部は前記対向面に設けられていることを特徴とする。
以下、本発明の歯車装置およびロボットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.ロボット
まず、ロボットについて簡単に説明する。
まず、ロボットについて簡単に説明する。
図1は、実施形態に係るロボットの概略構成を示す側面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1および図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、図1中の基台側を「基端側」、その反対側、すなわちエンドエフェクター側を「先端側」と言う。また、図1の上下方向を「鉛直方向」とし、左右方向を「水平方向」とするが、これらの記載は、ロボットの載置方向を制限するものではない。
図1に示すロボット100は、例えば、精密機器やこれを構成する部品の給材、除材、搬送および組立等の作業に用いられるロボットである。このロボット100は、図1に示すように、基台110と、第1アーム120と、第2アーム130と、エンドエフェクター150と、配線引き回し部160と、を有している。以下、ロボット100の各部を順次簡単に説明する。
基台110は、例えば、図示しない床面にボルト等によって固定されている。基台110の内部には、ロボット100を統括制御する制御装置190が設置されている。また、基台110には、基台110に対して、鉛直方向に延在する第1軸J1(回動軸)まわりに回動可能に第1アーム120が連結している。すなわち、基台110に対して第1アーム120が相対的に回動する。
ここで、基台110内には、第1アーム120を回動させる駆動力を発生させるサーボモーター等の第1モーターであるモーター170(駆動源)と、モーター170の駆動力の回転を減速する第1減速機である歯車装置10と、が設置されている。歯車装置10の入力軸は、モーター170の回転軸に連結され、歯車装置10の出力軸は、第1アーム120に連結されている。そのため、モーター170が駆動し、その駆動力が歯車装置10を介して第1アーム120に伝達されると、第1アーム120が基台110に対して第1軸J1まわりに水平面内で相対的に回動する。すなわち、モーター170は、歯車装置10に向けて駆動力を出力する駆動源である。
第1アーム120の先端部には、第1アーム120に対して、鉛直方向に延在する第2軸J2(回動軸)まわりに回動可能に第2アーム130が連結している。第2アーム130内には、図示しないが、第2アーム130を回動させる駆動力を発生させる第2モーターと、第2モーターの駆動力の回転を減速する第2減速機と、が設置されている。そして、第2モーターの駆動力が第2減速機を介して第2アーム130に伝達されることにより、第2アーム130が第1アーム120に対して第2軸J2まわりに水平面内で回動する。
第2アーム130には、その先端部に同軸的に配置された図示しないスプラインナットおよびボールネジナットと、それらに挿通されたスプラインシャフト141と、が設けられている。スプラインシャフト141は、第2アーム130に対して、図1に示す第3軸J3まわりに回転可能であり、かつ、上下方向に移動可能となっている。
また、第2アーム130内には、図示しないが、回転モーターおよび昇降モーターが配置されている。回転モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってスプラインナットに伝達され、スプラインナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が鉛直方向に沿う第3軸J3まわりに正逆回転する。
一方、昇降モーターの駆動力は、図示しない駆動力伝達機構によってボールネジナットに伝達され、ボールネジナットが正逆回転すると、スプラインシャフト141が上下に移動する。
スプラインシャフト141の先端部には、エンドエフェクター150が連結されている。図1では、一例としてハンド様のエンドエフェクター150を図示しているが、エンドエフェクター150の種類は、特に限定されず、例えば、被搬送物を把持するもの、被加工物を加工するもの等であってもよい。
第2アーム130内に配置された各電子部品、例えば第2モーター、回転モーター、昇降モーター等に接続される複数の配線は、第2アーム130と基台110とを連結する管状の配線引き回し部160内を通って基台110内まで引き回されている。さらに、かかる複数の配線は、基台110内でまとめられることによって、モーター170および図示しないエンコーダーに接続される配線とともに、基台110内に設置された制御装置190まで引き回される。
なお、第1アーム120および第2アーム130をまとめて「第2部材」と捉えてもよい。また、「第2部材」が、第1アーム120および第2アーム130に加え、さらにエンドエフェクター150を含んでいてもよい。
また、本実施形態では、第1減速機が歯車装置10で構成されているが、第2減速機が歯車装置10で構成されていてもよく、また、第1減速機および第2減速機の双方が歯車装置10で構成されていてもよい。第2減速機が歯車装置10で構成されている場合、第1アーム120を「第1部材」と捉え、第2アーム130を「第2部材」と捉えればよい。
また、本実施形態では、モーター170および歯車装置10は基台110に設けられているが、モーター170および歯車装置10は第1アーム120に設けられていてもよい。この場合、歯車装置10の出力軸を基台110に連結すればよい。
2.歯車装置
次に、歯車装置について説明する。
次に、歯車装置について説明する。
2.1 第1実施形態
まず、第1実施形態に係る歯車装置について説明する。
図2は、第1実施形態に係る歯車装置を示す縦断面図である。図3は、図2に示す歯車装置本体の正面図であって軸線a方向から見た図である。なお、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各部の寸法を適宜誇張して図示しており、また、各部間の寸法比は実際の寸法比とは必ずしも一致しない。
まず、第1実施形態に係る歯車装置について説明する。
図2は、第1実施形態に係る歯車装置を示す縦断面図である。図3は、図2に示す歯車装置本体の正面図であって軸線a方向から見た図である。なお、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各部の寸法を適宜誇張して図示しており、また、各部間の寸法比は実際の寸法比とは必ずしも一致しない。
図2に示す歯車装置10は、波動歯車装置であり、例えば減速機として用いられる。この歯車装置10は、歯車装置本体1と、歯車装置本体1を収納しているケース5と、を有し、これらが一体化されている。以下、歯車装置10の各部を説明する。なお、ケース5は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。
2.1.1 歯車装置本体
歯車装置本体1は、内歯歯車である剛性歯車2と、剛性歯車2の内側に配置されているカップ型の外歯歯車である可撓性歯車3と、可撓性歯車3の内側に配置されている波動発生器4と、を有している。
歯車装置本体1は、内歯歯車である剛性歯車2と、剛性歯車2の内側に配置されているカップ型の外歯歯車である可撓性歯車3と、可撓性歯車3の内側に配置されている波動発生器4と、を有している。
本実施形態では、剛性歯車2が前述したロボット100の基台110(第1部材)にケース5を介して接続され、可撓性歯車3が前述したロボット100の第1アーム120(第2部材)に接続され、波動発生器4が前述したロボット100の基台110に配置されているモーター170の回転軸に接続されている。
モーター170の回転軸が回転すると、波動発生器4はモーター170の回転軸と同じ回転速度で回転する。そして、剛性歯車2および可撓性歯車3は、互いに歯数が異なるため、互いの噛み合い位置が周方向に移動しながら軸線aまわりに相対的に回転する。本実施形態では剛性歯車2の歯数の方が可撓性歯車3の歯数より多いため、モーター170の回転軸の回転速度よりも低い回転速度で可撓性歯車3を回転させることができる。すなわち、波動発生器4を入力軸側、可撓性歯車3を出力軸側とする減速機を実現することができる。
なお、ケース5の形態によっては、可撓性歯車3を基台110に接続し、剛性歯車2を第1アーム120に接続しても、歯車装置10を減速機として用いることができる。また、可撓性歯車3にモーター170の回転軸を接続しても、歯車装置10を減速機として用いることができ、この場合、波動発生器4を基台110に接続し、剛性歯車2を第1アーム120に接続すればよい。また、歯車装置10を増速機として用いる場合、すなわちモーター170の回転軸の回転速度よりも高い回転速度で可撓性歯車3を回転させる場合、前述した入力側と出力側との関係を反対にすればよい。
図2および図3に示すように、剛性歯車2は、径方向に実質的に撓まない剛体で構成された歯車であって、内歯23を有するリング状の内歯歯車である。本実施形態では、剛性歯車2は平歯車である。すなわち、内歯23は、軸線aに対して平行な歯スジを有する。なお、内歯23の歯スジは、軸線aに対して傾斜していてもよい。すなわち、剛性歯車2は、はすば歯車またはやまば歯車であってもよい。
図2および図3に示すように、可撓性歯車3は、剛性歯車2の内側に挿通されている。この可撓性歯車3は、径方向に撓み変形可能な可撓性を有する歯車であって、剛性歯車2の内歯23の一部に噛み合う外歯33を有する外歯歯車である。また、可撓性歯車3の歯数は、剛性歯車2の歯数よりも少ない。このように可撓性歯車3および剛性歯車2の歯数が互いに異なることにより、減速機を実現することができる。
本実施形態では、可撓性歯車3は、軸線a方向での一端、すなわち図2中下側の端部が開口した開口端36を有するカップ状をなし、その開口端36から他端に向かって外歯33が形成されている。ここで、可撓性歯車3は、軸線aまわりの筒状をなす胴部31と、胴部31の軸線a方向での他端部に接続されている底部32と、を有する。これにより、胴部31の底部32に比べ開口端36が径方向に撓み易くなるので、剛性歯車2に対する可撓性歯車3の良好な撓み噛み合いを実現することができる。さらに、出力軸となる出力軸部材62が接続されている底部32の剛性を高めることができる。このようなことから歯車装置10は、バックラッシュが非常に小さく、反転を繰り返す用途に適していて、また同時噛み合い歯数の比率が大きいために1枚の歯にかかる力が小さくなり高トルク容量を得ることもできる。
図2および図3に示すように、波動発生器4は、可撓性歯車3の内側に配置され、軸線aまわりに回転可能である。そして、波動発生器4は、可撓性歯車3の開口端36を長軸Laおよび短軸Lbとする楕円形または長円形に変形させることにより、可撓性歯車3の外歯33を剛性歯車2の内歯23に噛み合わせる。ここで、可撓性歯車3および剛性歯車2は、同一の軸線aまわりに回転可能なように、互いに内外で噛み合わされることとなる。
本実施形態では、波動発生器4は、カム41と、カム41の外周に装着されている軸受42と、を有している。カム41は、軸線aまわりに回転する軸部411と、軸部411の一端部から外側に突出しているカム部412と、を有している。
軸部411には、入力軸61が接続されている。カム部412の外周面は、軸線aに沿った方向から見たときに、楕円形または長円形をなしている。軸受42は、可撓性の内輪421および外輪423と、これらの間に配置されている複数のボール422と、を有している。ここで、内輪421は、カム41のカム部412の外周面に嵌め込まれ、カム部412の外周面に沿って楕円形または長円形に弾性変形している。それに伴って、外輪423も楕円形または長円形に弾性変形している。また、内輪421の外周面および外輪423の内周面は、それぞれ、複数のボール422を周方向に沿って案内しつつ転動させる軌道面を有している。また、複数のボール422は、内輪421の周方向における互いの間隔を一定に保つように図示しない保持器により保持されている。
このような波動発生器4は、カム41の軸線aまわりの回転に伴って、カム部412の向きが変わり、それに伴って、外輪423の外周面も変形し、剛性歯車2および可撓性歯車3の互いの噛み合い位置を周方向に移動させる。
また、後述するように、可撓性歯車3には、出力軸部材62が接続されている。出力軸部材62は、可撓性歯車3と第1アーム120との間に位置し、可撓性歯車3に伝達された駆動力を第1アーム120に伝達する。
また、後述するように、可撓性歯車3には、出力軸部材62が接続されている。出力軸部材62は、可撓性歯車3と第1アーム120との間に位置し、可撓性歯車3に伝達された駆動力を第1アーム120に伝達する。
なお、剛性歯車2、可撓性歯車3および波動発生器4は、それぞれ、鉄系材料等の金属材料で構成されている。
2.1.2 ケース
図2に示すケース5は、軸受13を介して入力軸61を支持している略板状の蓋体11と、軸受14を介して出力軸部材62を支持しているカップ状の本体12と、を有する。ここで、蓋体11および本体12は、互いに連結されてそれらの内側に空間を構成しており、その空間には、前述した歯車装置本体1が収納されている。また、蓋体11および本体12の少なくとも一方には、前述した歯車装置本体1の剛性歯車2が、例えばネジ止め、圧入等により固定されている。
図2に示すケース5は、軸受13を介して入力軸61を支持している略板状の蓋体11と、軸受14を介して出力軸部材62を支持しているカップ状の本体12と、を有する。ここで、蓋体11および本体12は、互いに連結されてそれらの内側に空間を構成しており、その空間には、前述した歯車装置本体1が収納されている。また、蓋体11および本体12の少なくとも一方には、前述した歯車装置本体1の剛性歯車2が、例えばネジ止め、圧入等により固定されている。
蓋体11の内壁面111は、可撓性歯車3の開口端36を覆うように軸線aを法線とする平面に拡がる形状をなしている。また、本体12の内壁面121は、可撓性歯車3の外周面に沿った形状をなしている。このようなケース5は、前述したロボット100の基台110に固定されている。ここで、蓋体11は、基台110と別体であって、例えばネジ止め等により基台110に固定されていてもよいし、基台110と一体であってもよい。また、蓋体11と本体12とを備えるケース5の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、金属材料、セラミックス材料等が挙げられる。
ケース5と歯車装置本体1との間には、潤滑剤Gが供給されている。潤滑剤Gは、例えばグリース、すなわち半固体状潤滑剤であり、図2に示すように、互いに接触する接触部であり、かつ、互いに摺動する摺動部である可撓性歯車3と波動発生器4との間に配置されている。また、必要に応じて、図2に示すように、噛み合い部である剛性歯車2と可撓性歯車3との間にも配置されている。以下、これら噛み合い部や接触部および摺動部のことを「潤滑対象部」という。このような潤滑対象部に潤滑剤Gを供給することにより、当該潤滑対象部の摩擦を低減することができる。
2.1.3 潤滑剤供給部材
軸受14を介してケース5で支持されている出力軸部材62は、ケース5の外側に位置する基部622と、基部622から突出し、軸受14の内周に挿入されている突出部624と、を有している。突出部624は、例えば円柱状をなし、その側面と軸受14の内面とが接している。これにより、突出部624は、軸受14を介してケース5によって回動可能に支持されている。また、出力軸部材62は、軸線aと重なる位置に設けられ、突出部624の図2の下面に開口する下面凹部626を有している。
軸受14を介してケース5で支持されている出力軸部材62は、ケース5の外側に位置する基部622と、基部622から突出し、軸受14の内周に挿入されている突出部624と、を有している。突出部624は、例えば円柱状をなし、その側面と軸受14の内面とが接している。これにより、突出部624は、軸受14を介してケース5によって回動可能に支持されている。また、出力軸部材62は、軸線aと重なる位置に設けられ、突出部624の図2の下面に開口する下面凹部626を有している。
一方、可撓性歯車3の内部には、潤滑剤供給部材7が設けられている。潤滑剤供給部材7は、円柱状をなす基部72と、基部72から図2の上方に突出する突出部74と、を有している。突出部624は、例えば円柱状をなしている。さらに、可撓性歯車3の底部32には、軸線aの延在方向に貫通する貫通孔322が設けられている。そして、可撓性歯車3の貫通孔322に、潤滑剤供給部材7の突出部74が挿入されている。また、この突出部74は、貫通孔322を経て、出力軸部材62の下面凹部626にも挿入されている。これにより、潤滑剤供給部材7の基部72と出力軸部材62の基部622との間に、可撓性歯車3の底部32を挟むことができる。その結果、出力軸部材62、可撓性歯車3および潤滑剤供給部材7を互いに固定し、可撓性歯車3の回転力を出力軸部材62に伝達することができる。また、それとともに、潤滑剤供給部材7の突出部74は、可撓性歯車3と出力軸部材62とを互いに位置合わせする機能も有している。
また、出力軸部材62は、軸線aと重なる位置に設けられ、基部622の上面に開口する上面凹部628を有している。そして、上面凹部628には、グリースニップル8が挿入されている。グリースニップル8は、上面凹部628に螺合している図示しないネジを備える本体部82と、本体部82に装着されているニップル部84と、を有している。このグリースニップル8は、可撓性歯車3の内部に潤滑剤Gを供給するための供給口となる。
さらに、出力軸部材62は、軸線aと重なる位置に設けられ、上面凹部628と下面凹部626とを貫通する貫通孔629を有している。この貫通孔629は、グリースニップル8から注入された潤滑剤Gを、潤滑剤供給部材7へと流動させる流路となる。
潤滑剤供給部材7は、突出部74の上面742に開口し、軸線aに沿って分岐部77まで延在する孔である第1流路76と、基部72の側面722に開口し、軸線aと交差する方向に沿って分岐部77から側面722まで延在する孔である複数の第2流路78と、を有している。複数の第2流路78は、軸線aの方向から見たとき、分岐部77から放射状に延在している。
第1流路76は、貫通孔629および上面凹部628と連通している。グリースニップル8、上面凹部628および貫通孔629を介して流動してきた潤滑剤Gは、第1流路76に流入し、分岐部77において複数の流れに分割される。そして、潤滑剤Gは、第2流路78を経て、基部72の側面722に位置する開口部782から可撓性歯車3の内部に供給される。
すなわち、基部72の側面722は、可撓性歯車3の内周面312に対向する対向面である。そして、可撓性歯車3の外部から潤滑剤Gを供給する孔である第2流路78は、この対向面である側面722に開口し、開口部782を形成している。
このような第2流路78を介して潤滑剤Gが供給されることにより、供給された潤滑剤Gは、図2に示すように、可撓性歯車3の内周面312に沿って堆積する。これにより、図2における、前述した潤滑対象部である可撓性歯車3と波動発生器4との間の上方、すなわち、可撓性歯車3の底部32に近い位置に、より多くの潤滑剤Gが堆積することになる。その結果、潤滑対象部において潤滑剤Gが消費されたとしても、それを補うように、堆積していた潤滑剤Gの移動が促される。これにより、より長期にわたって潤滑対象部に潤滑剤Gを行き渡らせ続けることができる。また、上述したように、側面722に開口する第2流路78を介して潤滑剤Gを供給するようにすれば、潤滑剤Gが消費される潤滑対象部に移動しやすい可撓性歯車3の内周面312に向けて潤滑剤Gを効率よく供給することができる。このため、可撓性歯車3の内部のうち、潤滑に寄与しない部分に供給される潤滑剤Gの量を減らすことができるので、長期にわたって潤滑剤Gを無駄なく利用することができ、歯車装置10の長寿命化を図ることができる。
また、第2流路78が、可撓性歯車3の回転中心である軸線aから放射状に延在していることから、第2流路78に流入した潤滑剤Gは、可動性歯車3の回転に伴う遠心力により、第2流路78をより円滑に流動し、可撓性歯車3の内周面312に向かって供給される。
なお、潤滑剤Gの消費とは、可撓性歯車3の内部に存在していた潤滑剤Gが、可撓性歯車3と波動発生器4との間を経て、可撓性歯車3の外部に移動することを指す。この移動により、可撓性歯車3の内部の潤滑剤Gは減少することになる。したがって、潤滑剤Gは、歯車装置本体1の組立時に供給されてもよく、組立後に供給されてもよく、さらには、歯車装置本体1を一定期間使用した後に供給されてもよい。すなわち、第2流路78は、歯車装置10の組立後および潤滑剤Gを補充する際に用いられる。
また、可撓性歯車3の内部のうち、潤滑に寄与しない部分としては、例えば、軸線aと重なる部分が挙げられる。この部分に存在する潤滑剤Gは、潤滑対象部に移動しにくいため、潤滑に寄与しにくい。特に、図2の上方が鉛直上方であり、かつ下方が鉛直下方となるような姿勢で歯車装置10が据えられたときには、このような問題が発生しやすいことから、上記のようにして潤滑対象部に潤滑剤Gを移動させやすくことの意義は大きい。
以上のように、本実施形態に係る歯車装置10は、剛性歯車2(内歯歯車)と、可撓性を有し、剛性歯車2に一部が噛み合いながら軸線a(回動軸)まわりに回動する可撓性歯車3(外歯歯車)と、可撓性歯車3の内周面312に接触し、剛性歯車2と可撓性歯車3との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器4と、軸線a上に設けられていて、可撓性歯車3の内部に可撓性歯車3の外部から潤滑剤Gを供給する孔である第1流路76および第2流路78を有する潤滑剤供給部材7と、を備える。そして、潤滑剤供給部材7は、内周面312に対向する側面722(対向面)を有し、第2流路78の開口部782は、側面722に設けられている。
このような歯車装置10によれば、可撓性歯車3の内周面312に近い位置に効率よく潤滑剤Gを供給することができる。これにより、潤滑に寄与しない部分に供給される潤滑剤Gの量を減らすことができるので、長期にわたって潤滑剤Gを無駄なく利用することができる。その結果、歯車装置10の長寿命化を図ることができる。
また、前述したロボット100は、第1部材である基台110と、基台110に対して回動可能に設けられている第2部材である第1アーム120と、第1アーム120を相対的に回動させる駆動力を伝達する歯車装置10と、歯車装置10に向けて駆動力を出力する駆動源であるモーター170と、を備える。
このような構成によれば、歯車装置10の長寿命化が図られるため、メンテナンス性が良好で信頼性が高いロボット100を実現することができる。
ここで、軸線a(回動軸)の延在方向における、可撓性歯車3(外歯歯車)の内部の長さをLとし、長さLの中間点をMとする。潤滑剤Gを供給する孔である第2流路78の開口部782は、軸線aの延在方向における、可撓性歯車3の内部の中間点Mよりも、波動発生器4から遠い位置、すなわち出力軸部材62側に設けられている。
第2流路78がこのような位置に開口していることにより、第2流路78を介して供給される潤滑剤Gを、可撓性歯車3の内周面312の近くに、より多く堆積させることができる。これにより、潤滑対象部に移動可能な位置に、より多くの潤滑剤Gを貯留することができるので、長期にわたってより多くの潤滑剤Gを利用することができる。その結果、歯車装置10における潤滑剤Gの補充頻度を下げることができ、メンテナンス性が向上する。
なお、第2流路78の開口部782の位置は、中間点Mであってもよく、後述するように中間点Mよりも波動発生器4側であってもよい。
また、潤滑剤供給部材7における第2流路78の開口部782の数は、特に限定されず、1つであってもよいが、本実施形態のように複数であるのが好ましい。これにより、分岐部77で複数に分割された潤滑剤Gを、可撓性歯車3の内周面312に向けてムラなく供給することができる。このため、潤滑剤Gの偏在が抑制され、潤滑対象部の全体において均一な潤滑状態を維持することができる。なお、開口部782の数は、2〜5個、または7個以上であってもよい。
図4は、図2に示す潤滑剤供給部材7の側面図である。図5は、図2に示す潤滑剤供給部材7の下面図である。
図4および図5に示す潤滑剤供給部材7では、分岐部77において第1流路76が6つに分岐している。そして、分岐部77から側面722に向かって6本の第2流路78が放射状に延在している。これらの第2流路78は、それぞれ水平面内に延在している。
また、図5に示すように、潤滑剤供給部材7を軸線a(回動軸)の延在方向から見たとき、複数の第2流路78(孔)の開口部782は、軸線aを対称軸とする回転対称の関係を満たす位置に設けられている。すなわち、各第2流路78の開口部782は、潤滑剤供給部材7の側面722の周方向において等間隔に並んでいる。これにより、潤滑剤供給部材7から可撓性歯車3の内周面312に向けて均等に潤滑剤Gを供給することができる。
なお、潤滑剤供給部材7は、潤滑剤Gを供給するという機能のみを有していてもよいが、その他の機能も有していてもよい。本実施形態に係る潤滑剤供給部材7は、可撓性歯車3(外歯歯車)とその可撓性歯車3が接続される被接続部材である出力軸部材62とを固定する機能を有している。すなわち、可撓性歯車3は、出力軸部材62に固定されているが、具体的には、潤滑剤供給部材7と出力軸部材62との間に可撓性歯車3が配置され、これらを互いに固定している。つまり、潤滑剤供給部材7は、可撓性歯車3と出力軸部材62とを固定する固定部材と兼用になっている。
このような機能を有していることにより、歯車装置10を構成する部品の点数を減らすことができる。このため、組立容易性およびメンテナンス性が良好な歯車装置10を実現することができる。
また、潤滑剤供給部材7は、併せて、可撓性歯車3と出力軸部材62とを互いに位置合わせする機能も有している。
また、潤滑剤供給部材7は、併せて、可撓性歯車3と出力軸部材62とを互いに位置合わせする機能も有している。
さらに、潤滑剤供給部材7は、基部72の下面と突出部74の上面との間を貫通する6つの貫通孔792を有している。各貫通孔792は、第2流路78を避ける位置に設けられている。そして、各貫通孔792には、それぞれボルト794が挿通されている。また、可撓性歯車3の底部32にもボルト794が挿通される図示しない貫通孔が設けられている。さらに、出力軸部材62にも下面に開口する図示しないボルト793を挿入するための凹部が設けられ、その凹部の内面にはボルト794が螺合する雌ネジが設けられている。このような構成により、6本のボルト794を用いて、潤滑剤供給部材7、可撓性歯車3および出力軸部材62を互いに固定することができる。
なお、貫通孔792の配置は、特に限定されないが、本実施形態では、軸線aの延在方向から見たとき、複数の貫通孔792が、軸線aを対称軸とする回転対称の関係を満たしている。これにより、潤滑剤供給部材7および可撓性歯車3を出力軸部材62に対して均等な圧力で、傾きの発生を抑制しつつ、固定することができる。
以上、潤滑剤供給部材7について説明したが、図4および図5に示す基部72は、その外形が円柱形をなしている。円柱形をなす基部72では、開口部782同士の間隔を等間隔にしやすいことから、その点で有用である。なお、基部72の形状は、これに限定されず、円柱形以外の形状、例えば角柱形等であってもよい。
また、突出部74の形状も、前述した円柱形に限定されず、それ以外の形状であってもよい。
なお、潤滑剤供給部材7は、水平面内に延在する第2流路78に加え、例えば軸線aと平行な成分を持つ方向に延在する流路を有していてもよい。
また、基部72および突出部74の各構成材料は、特に限定されないが、例えば鉄系合金のような金属材料の他、セラミックス材料等が挙げられる。
2.2 第2実施形態
次に、第2実施形態に係る歯車装置について説明する。
図6は、第2実施形態に係る歯車装置を示す縦断面図である。
次に、第2実施形態に係る歯車装置について説明する。
図6は、第2実施形態に係る歯車装置を示す縦断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図6において、前記実施形態と同様の構成について、同一の符号を付している。
本実施形態は、潤滑剤供給部材7の構成が異なる以外、第1実施形態と同様である。
図6に示す潤滑剤供給部材7は、さらに、基部72の下方に設けられたスペーサー75を有している。スペーサー75は、基部72と同様、円柱形をなしている。
図6に示す潤滑剤供給部材7は、さらに、基部72の下方に設けられたスペーサー75を有している。スペーサー75は、基部72と同様、円柱形をなしている。
すなわち、本実施形態に係る歯車装置10は、可撓性歯車3の内部の、軸線a(回動軸)と重なる位置に設けられている円柱形をなすスペーサー75を備えている。
このようなスペーサー75を設けることにより、軸線aの延在方向における潤滑剤供給部材7の長さを、第1実施形態よりも長くすることができる。これにより、可撓性歯車3の内部の空間のうち、軸線aと重なる部分の容積を第1実施形態よりも減らすことができる。
この部分は、前述したように、潤滑に寄与しない部分である。したがって、その容積を減らすことにより、潤滑に寄与しない部分に残存する潤滑剤Gの量を減らすことができる。すなわち、図6に示す潤滑剤供給部材7は、可撓性歯車3の内周面312に効率よく潤滑剤Gを供給するという効果と、潤滑に寄与しない部分に残存する潤滑剤Gの量を減らすという効果と、を両立させる。その結果、潤滑に寄与する部分、つまり、可撓性歯車3の内周面312に近い位置に潤滑剤Gが堆積しやすくなる。これにより、長期にわたって潤滑剤Gを無駄なく利用することができ、歯車装置10の長寿命化を図ることができる。
なお、スペーサー75の形状は、特に限定されず、円柱形以外の形状、例えば角柱形であってもよい。
また、本実施形態では、スペーサー75にも図示しない貫通孔が形成されている。そして、その貫通孔にボルト794が挿通されることにより、スペーサー75も、基部72や突出部74とともに、可撓性歯車3および出力軸部材62に対して固定されている。
なお、スペーサー75の固定方法は、これに限定されず、その他の固定方法で固定されていてもよい。
また、スペーサー75の構成材料も、特に限定されず、基部72とは異なる材料、例えば金属材料の他、セラミックス材料や樹脂材料等であってもよい。金属材料よりも比重の小さい材料を用いることにより、歯車装置10の軽量化を図ることもできる。
ここで、図7は、第2実施形態の変形例に係る潤滑剤供給部材を示す側面図である。
図7に示す潤滑剤供給部材7は、軸線aの延在方向における基部72の長さが長くなっていること以外、図4に示す潤滑剤供給部材7と同様である。このようにして基部72の長さを長くすることにより、基部72がスペーサー75と同様の機能を有している。すなわち、図7に示す潤滑剤供給部材7は、可撓性歯車3の内周面312に効率よく潤滑剤Gを供給するという効果と、潤滑に寄与しない部分に残存する潤滑剤Gの量を減らすという効果と、を両立させる。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
図7に示す潤滑剤供給部材7は、軸線aの延在方向における基部72の長さが長くなっていること以外、図4に示す潤滑剤供給部材7と同様である。このようにして基部72の長さを長くすることにより、基部72がスペーサー75と同様の機能を有している。すなわち、図7に示す潤滑剤供給部材7は、可撓性歯車3の内周面312に効率よく潤滑剤Gを供給するという効果と、潤滑に寄与しない部分に残存する潤滑剤Gの量を減らすという効果と、を両立させる。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
2.3 第3実施形態
次に、第3実施形態に係る歯車装置について説明する。
図8は、第3実施形態に係る歯車装置を示す縦断面図である。
次に、第3実施形態に係る歯車装置について説明する。
図8は、第3実施形態に係る歯車装置を示す縦断面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図8において、前記実施形態と同様の構成について、同一の符号を付している。
本実施形態は、潤滑剤供給部材7の構成が異なる以外、第1実施形態と同様である。
本実施形態は、潤滑剤供給部材7の構成が異なる以外、第1実施形態と同様である。
図8では、潤滑剤Gを供給する孔である第2流路78の開口部782は、軸線aの延在方向における、可撓性歯車3の内部の中間点Mよりも、波動発生器4から近い位置、すなわち波動発生器4側に設けられている。
第2流路78がこのような位置に開口していることにより、第2流路78を介して供給される潤滑剤Gを、可撓性歯車3の内周面312のうち、潤滑対象部の近くに対して直接的に供給することができる。潤滑対象部とは、前述したように、可撓性歯車3と波動発生器4との間であるが、その近くに潤滑剤Gを供給することにより、潤滑剤Gをいち早く機能させることができる。これにより、潤滑剤Gを補充後、潤滑剤Gが潤滑対象部まで移動するまでの時間を短縮することができ、メンテナンス性を高めることができる。
また、第2流路78の位置が上記のようになっていることで、軸線aの延在方向における潤滑剤供給部材7の長さが長くなるため、潤滑に寄与しない部分に残存する潤滑剤Gの量を減らすという効果も得られる。
ここで、図9は、第3実施形態の変形例に係る潤滑剤供給部材を示す側面図である。
図9に示す潤滑剤供給部材7は、第2流路78が水平面内に延在するのではなく、鉛直方向の成分も持つ方向に延在している点で、第3実施形態と相違している。
図9に示す潤滑剤供給部材7は、第2流路78が水平面内に延在するのではなく、鉛直方向の成分も持つ方向に延在している点で、第3実施形態と相違している。
図9に示す第2流路78は、分岐部77から遠く、側面722に近いほど、その位置が徐々に鉛直下方に変位している。これにより、第1流路76から潤滑剤Gが供給されるとき、供給圧力や遠心力に加え、潤滑剤Gの自重でも第2流路78を流動させることができる。その結果、より効率よく潤滑剤Gを供給することができる。また、開口部782から潤滑剤Gが飛び出す際の速度を高めやすいため、潤滑剤Gを可撓性歯車3の内周面312に対してさらに効率よく供給することができる。
第2流路78の軸と水平面とのなす角度は、特に限定されないが、60°以下であるのが好ましく、45°以下であるのがより好ましい。このような角度であれば、第2流路78の開口部782から供給された潤滑剤Gを、可撓性歯車3の内周面312に近い位置まで、より確実に供給することが可能である。すなわち、この角度が前記上限値を上回ると、潤滑剤Gが可撓性歯車3の内周面312に近い位置まで届かせることができず、潤滑剤供給部材7の直下に位置する、潤滑に寄与しない部分に潤滑剤Gが供給されてしまうおそれがある。
以上のような第3実施形態においても、第1、第2実施形態と同様の効果が得られる。
以上のような第3実施形態においても、第1、第2実施形態と同様の効果が得られる。
2.4 第4実施形態
次に、第4実施形態に係る歯車装置について説明する。
図10は、第4実施形態に係る歯車装置を示す縦断面図である。
次に、第4実施形態に係る歯車装置について説明する。
図10は、第4実施形態に係る歯車装置を示す縦断面図である。
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、前記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図10において、前述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
本実施形態は、可撓性歯車3B(外歯歯車)の構成およびそれに伴うケース5の構成が異なる以外は、前述した第2実施形態と同様である。
図10に示す歯車装置10は、歯車装置本体1Bと、歯車装置本体1Bを収納しているケース5と、を有する。なお、ケース5は、省略してもよい。
図10に示す歯車装置10は、歯車装置本体1Bと、歯車装置本体1Bを収納しているケース5と、を有する。なお、ケース5は、省略してもよい。
歯車装置10は、剛性歯車2の内側に配置されているハット型、すなわち縁つき帽子型の外歯歯車である可撓性歯車3Bを有している。この可撓性歯車3Bは、筒状の胴部31の一端部に接続され、軸線aから離れる方向に向かって突出しているフランジ部32Bを有する。
また、出力軸部材62Bは、軸線aに垂直な方向に拡がる円板状をなす基部622Bと、基部622Bの縁部から下方に向かって突出する突出部624Bと、を有している。出力軸部材62Bは、前述した出力軸部材62と同様、可撓性歯車3と第1アーム120との間に位置している。また、基部622Bは、フランジ部32Bの上面と重なっており、例えばネジ止め等によりフランジ部32Bと接続されている。
ケース5は、軸受13を介して、例えば入力軸となる入力軸61を支持している略板状の蓋体11Bと、前述した可撓性歯車3Bのフランジ部32Bに取り付けられているクロスローラーベアリング18と、を有する。蓋体11Bは、剛性歯車2の一方、すなわち図10中の下面に対して例えばネジ止め等により固定されている。また、クロスローラーベアリング18は、内輪15と、外輪16と、これらの間に配置されている複数のコロ17と、を有する。そして、内輪15は、可撓性歯車3Bの胴部31の外周に沿って設けられ、剛性歯車2の他方、すなわち図10中の上面に対して例えばネジ止め等により固定されている。一方、外輪16は、前述した可撓性歯車3Bのフランジ部32Bの胴部31側の面に例えばネジ止め等により固定されている。また、外輪16は、出力軸部材62の突出部624Bにも例えばネジ止め等により固定されている。
また、蓋体11Bの内壁面111Bは、可撓性歯車3Bの開口端36を覆うように軸線aに垂直な方向に拡がる形状をなしている。さらに、クロスローラーベアリング18の内輪15の内壁面151は、可撓性歯車3Bの胴部31の外周面に沿った形状をなしている。
潤滑剤供給部材7Bは、出力軸部材62Bの基部622Bの下面に接続されている。潤滑剤供給部材7Bは、円柱状をなす基部72で構成されている。そして、基部72の上面724に開口し、軸線aに沿って分岐部77まで延在する孔である第1流路76と、基部72の側面722に開口し、軸線aと交差する方向に沿って分岐部77から側面722まで延在する孔である複数の第2流路78と、を有している。
このような本実施形態でも、第2流路78の開口部782が、可撓性歯車3の内周面312に対向する側面722に開口しているため、第2流路78を介して潤滑剤Gを供給することにより、可撓性歯車3の内周面312に近い位置に効率よく潤滑剤Gを供給することができる。
以上のような第4実施形態においても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
以上のような第4実施形態においても、前記実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明の歯車装置およびロボットを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、前述した実施形態では、ロボットが備える基台が「第1部材」、第1アームが「第2部材」であり、第1部材から第2部材へ駆動力を伝達する歯車装置について説明したが、本発明は、これに限定されず、第nアームが「第1部材」、第(n+1)アームが「第2部材」であり、第nアームおよび第(n+1)アームの一方から他方へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。なお、nは1以上の整数である。また、第2部材から第1部材へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。
また、前述した実施形態では、水平多関節ロボットについて説明したが、本発明のロボットは、これに限定されず、例えば、ロボットの関節数は任意であり、また、垂直多関節ロボットにも適用可能である。
さらに、前述した実施形態では、歯車装置をロボットに組み込む場合を例に説明したが、本発明の歯車装置は、互いに回動する第1部材および第2部材の一方側から他方側へ駆動力を伝達する構成を有する各種機器に組み込んで用いることもできる。
1…歯車装置本体、1B…歯車装置本体、2…剛性歯車、3…可撓性歯車、3B…可撓性歯車、4…波動発生器、5…ケース、7…潤滑剤供給部材、7B…潤滑剤供給部材、8…グリースニップル、10…歯車装置、11…蓋体、11B…蓋体、12…本体、13…軸受、14…軸受、15…内輪、16…外輪、17…コロ、18…クロスローラーベアリング、23…内歯、31…胴部、32…底部、32B…フランジ部、33…外歯、36…開口端、41…カム、42…軸受、61…入力軸、62…出力軸部材、62B…出力軸部材、72…基部、74…突出部、75…スペーサー、76…第1流路、77…分岐部、78…第2流路、82…本体部、84…ニップル部、100…ロボット、110…基台、111…内壁面、111B…内壁面、120…第1アーム、121…内壁面、130…第2アーム、141…スプラインシャフト、150…エンドエフェクター、151…内壁面、160…配線引き回し部、170…モーター、190…制御装置、312…内周面、322…貫通孔、411…軸部、412…カム部、421…内輪、422…ボール、423…外輪、622…基部、622B…基部、624…突出部、624B…突出部、626…下面凹部、628…上面凹部、629…貫通孔、722…側面、724…上面、742…上面、782…開口部、792…貫通孔、794…ボルト、G…潤滑剤、J1…第1軸、J2…第2軸、J3…第3軸、L…長さ、La…長軸、Lb…短軸、M…中間点、a…軸線
Claims (8)
- 内歯歯車と、
可撓性を有し、前記内歯歯車に一部が噛み合いながら回動軸まわりに回動する外歯歯車と、
前記外歯歯車の内周面に接触し、前記内歯歯車と前記外歯歯車との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器と、
回動軸上に設けられていて、前記外歯歯車の内部に前記外歯歯車の外部から潤滑剤を供給する孔を有する潤滑剤供給部材と、を備え、
前記潤滑剤供給部材は前記内周面に対向する対向面を有し、前記孔の開口部は前記対向面に設けられていることを特徴とする歯車装置。 - 前記孔の開口部は、前記回動軸の延在方向における、前記外歯歯車の内部の中間点よりも、前記波動発生器から遠い位置に設けられている請求項1に記載の歯車装置。
- 前記孔の開口部は、前記回動軸の延在方向における、前記外歯歯車の内部の中間点よりも、前記波動発生器に近い位置に設けられている請求項1に記載の歯車装置。
- 前記潤滑剤供給部材は、前記孔の開口部を複数有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の歯車装置。
- 前記回動軸の延在方向から見たとき、複数の前記孔の開口部は、前記回動軸を対称軸とする回転対称の関係を満たす位置に設けられている請求項4に記載の歯車装置。
- 前記外歯歯車の内部の、前記回動軸と重なる位置に設けられているスペーサーを備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載の歯車装置。
- 前記外歯歯車は、出力軸部材に固定されており、
前記出力軸部材と前記潤滑剤供給部材との間に前記外歯歯車が配置されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の歯車装置。 - 第1部材と、
前記第1部材に対して回動する第2部材と、
前記第2部材を相対的に回動させる駆動力を伝達する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の歯車装置と、
前記歯車装置に向けて前記駆動力を出力する駆動源と、
を備えることを特徴とするロボット。
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