JP2020158584A - ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、高撥水、高流動性を発揮でき、成形時の除電性向上による防塵
性に優れた樹脂組成物を提供することにある。本発明の樹脂組成物を成形することにより
、防塵性に優れた成形品が得られる。
【解決手段】(A)下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含
むポリカーボネート樹脂と、(B)テルペンフェノール樹脂、を含むポリカーボネート樹
脂組成物。さらに、前記(A)100質量部に対して、前記(B)を0.5〜95質量部
含むポリカーボネート樹脂組成物。
Figure 2020158584

【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂とテルペンフェノールとを含有するポリカーボネート
樹脂組成物、及びそれよりなる成形品に関するものである。
近年、環境への配慮より植物由来の原料であるイソソルビドに代表されるエーテル基含
有ジオールを用いたポリカーボネート樹脂が開発されている(例えば、特許文献1〜2参
照)。イソソルビドを用いたポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐候性や耐衝撃性に優れ
ることが知られており、自動車内外装部品等への適用も知られている(例えば、特許文献
3参照)。
一方、イソソルビドに由来する構成単位を含有するポリカーボネート樹脂とシリコーン
化合物を含有する樹脂組成物も知られている(例えば、特許文献4参照)。特許文献4に
は、シリコーン化合物を含有することにより、耐擦傷性が向上することが記載されている
。さらに、特許文献5では、イソソルビドに由来する構成単位を含有するポリカーボネー
ト樹脂とジオルガノシロキサン構造や特定のオルガノシロセスキオキサン構造を有するシ
リコーン化合物を含有することにより、耐擦傷性が向上し、成形品としたときの透明性が
良好であり、初期外観、機械物性等に優れることが記載されている。
国際公開第04/111106号パンフレット 国際公開第07/063823号パンフレット 特開2013−209585号公報 特開2015−199954号公報 特開2017−008140号公報
しかしながら、特許文献4及び特許文献5等の従来のポリカーボネート樹脂組成物の成
形品には、成形時の除電性や成形品表面の撥水性の観点から、例えば、成形時の帯電によ
るほこりなどの粉塵や、屋外の環境粉塵を含んだ泥水などの付着物を拭き取る際の耐擦傷
性を高めるという点において未だ改良の余地がある。
本願は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、高撥水、高流動性を発
揮でき、成形時の除電性向上による防塵性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、イソソルビド構造単位を有するポリカーボネー
ト樹脂に、テルペンフェノールを組合せることで、撥水性と流動性を高めた高品質の樹脂
成形品を実現できることを見出し本発明に至った。さらに、界面活性剤を組合せることで
、射出成形時の粉塵付着を低減でき、成形品を組み立てる際の粉塵による傷付き、汚れ付
着等の影響を抑えた高品質の樹脂成形品を実現できることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は以下の特徴を有する。
[1](A)下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリ
カーボネート樹脂と、(B)テルペンフェノール樹脂、を含むポリカーボネート樹脂組成
物。
Figure 2020158584
[2]前記(A)100質量部に対して、前記(B)を0.5〜95質量部含む、[1]
に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[3]前記テルペンフェノール樹脂の水酸基価が20〜500mgKOH/gである、[
1]又は[2]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[4]さらに、(C)界面活性剤を含む、[1]〜[3]のいずれか1つに記載のポリカ
ーボネート樹脂組成物。
[5]前記(A)100質量部に対して、前記(C)を0.01〜5質量部含む、[4]
に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[6]前記界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤である、[4]又は[5]に記載のポリ
カーボネート樹脂組成物。
[7][1]〜[6]のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してな
る成形品。
[8]電化製品、筐体、住設資材、フィルム部材、建材、インテリア用品、エクステリア
用品、自動車等の車両用の内装部品又は外装部品の中から選ばれる1種であることを特徴
とする[7]に記載の成形品。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物によれば、撥水性と流動性を高め、成形時の表面
電位が著しく低下した高品質の樹脂成形品を提供できる。そのため、射出成形時の粉塵付
着を低減でき、成形品を組み立てる際の粉塵による傷付きや、屋外の環境粉塵を含んだ泥
水による汚れ等の影響を抑えた高品質の樹脂成形品を得ることができる。つまり、成形品
は、環境粉塵に含まれる塵埃や泥水の付着汚れが発生しにくいため、例えば視認性が要求
される用途においては、視認性の低下を抑制できる。よって、美観を高めた高品質の成形
品を提供できる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本
発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容
に限定されず適宜変形して実施することができる。
[(A)ポリカーボネート樹脂]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(A)ポリカーボネート樹脂を含有する。前
記ポリカーボネート樹脂は、少なくとも下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由
来する構成単位(以下、これを適宜「構成単位(a1)」という。)を含む。前記ポリカ
ーボネート樹脂は、構成単位(a1)の単独重合体であってもよいし、構成単位(a1)
と、他の構成単位(a2)とを含む共重合体であってもよい。分子量を上げる観点、耐衝
撃性をより向上させるという観点からは、前記ポリカーボネート樹脂は共重合体であるこ
とが好ましい。
Figure 2020158584
前記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物としては、立体異性体の関係にある、イソ
ソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられ、これらは1種を単独で用いてもよく
、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でもイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、耐候性、光学特性、成形性、
耐熱性及びカーボンニュートラルの面から最も好ましい。イソソルビドは、植物由来の資
源として豊富に存在すると共に容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビト
ールを脱水縮合して得られる。
前記ポリカーボネート樹脂は、構成単位(a2)として、脂肪族ジヒドロキシ化合物、
脂環式ジヒドロキシ化合物、及び式(1)で表されるジヒドロキシ化合物以外のエーテル
基含有ジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる1種以上のジヒドロキシ化合物(以下
、これらを「他のジヒドロキシ化合物」と称す場合がある。)に由来する構成単位(a2
−1)を含む共重合体からなることが好ましい。つまり、前記ポリカーボネート樹脂は、
構成単位(a1)と構成単位(a2−1)とを含む共重合体からなることが好ましい。こ
の場合には、ポリカーボネート樹脂の耐衝撃性を向上させることができる。
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物であっても、分岐
鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物であってもよく、例えば、エチレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール
、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオ
ールが挙げられる。
脂環式ジヒドロキシ化合物としては、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロ
ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタ
ノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタ
シクロペンタデカンジメタノール、2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジ
メタノール、2,3−デカリンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,
5−ノルボルナンジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノールが挙げられる。
エーテル基含有ジヒドロキシ化合物としては、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール(分子量150〜2000)、ポリ−1,3−プロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の耐熱性を高めるという観点から、他のジヒドロキシ化合物とし
ては、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物がより好ましく、脂環式ジ
ヒドロキシ化合物が更に好ましい。耐熱性及び耐衝撃性をより高めるという観点から、脂
環式ジヒドロキシ化合物の中でも、シクロブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール
、トリシクロデカンジメタノールが特に好ましい。
前記ポリカーボネート樹脂において、構成単位(a2−1)等の構成単位(a2)の含
有率は、全ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位100モル%に対して、10モル%以
上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上が更に好ましい。また6
0モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、45モル%以下が更に好まし
い。この範囲で構成単位(a2)の含有率を調整することにより、ポリカーボネート樹脂
の耐衝撃性及び耐熱性の両方をバランスよく高めることができる。
前記ポリカーボネート樹脂は、一般に用いられるポリカーボネート樹脂の製造方法で製
造することができる。前記ポリカーボネート樹脂は、例えば、ホスゲンを用いた溶液重合
法、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とを反応させる溶融重合法のいずれの方法でも
製造することができる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、還元粘度で表すことができ、還元粘度が高いほど分
子量が大きいことを示す。前記ポリカーボネート樹脂の還元粘度は、0.30dL/g以
上が好ましく、0.35dL/g以上がより好ましい。一方、還元粘度は、1.20dL
/g以下が好ましく、1.00dL/g以下がより好ましく、0.80dL/g以下が更
に好ましい。還元粘度を前記範囲内に調整することにより、成形時の流動性を向上させる
ことができ、生産性や成形性をより向上させることができる。従って、複雑な形状の成形
品を生産性よく製造することができ、電気・電子機器部品や自動車内外装部品等に好適に
なる。尚、前記ポリカーボネート樹脂の還元粘度は、溶媒として塩化メチレンを用いてポ
リカーボネート樹脂の濃度を0.6g/dLに精密に調整し、温度20.0℃±0.1℃
の条件下でウベローデ粘度管を用いて測定する。
前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、90℃以上が好ましい。この場合には
、前記ポリカーボネート樹脂組成物の耐熱性がより向上する。同様の観点から、前記ポリ
カーボネート樹脂のガラス転移温度は、100℃以上がより好ましく、110℃以上が更
に好ましい。一方、前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は145℃以下が好まし
い。この場合には、成形時の流動性を高め、複雑な形状の成形品であっても成形時に樹脂
組成物が成形型の末端まで行き届き易くなり、所望の成形品を得ることができる。また、
ウエルド部での強度の低下を抑制できる。これらの効果をより高めるという観点から、前
記ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、135℃以下がより好ましく、125℃以
下が更に好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂として、1種の樹脂を
単独で含有していてもよいが、他のジヒドロキシ化合物に由来する構成単位(a2)の種
類や共重合割合、物性等の異なる樹脂が2種以上混合されていてもよい。
[(B)テルペンフェノール樹脂]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物で用いられるテルペンフェノール樹脂とは、テル
ペン化合物とフェノール類を、フリーデル・クラフツ触媒のもとでカチオン重合により共
重合したものである。また、テルペンフェノール樹脂を水素添加処理して得られた水添テ
ルペンフェノール樹脂であってもよい。
市販されるテルペンフェノール樹脂としては、ヤスハラケミカル社製のポリスターシリ
ーズやマイティーエースシリーズの商品名で市販されており容易に入手できる。
テルペンフェノール樹脂中の水酸基の含有量を表す指標である水酸基価(mgKOH/
g)は、好ましくは20以上、より好ましくは60以上、更に好ましくは120以上であ
る。
また、水酸基価は好ましくは500以下、より好ましくは300以下である。
適当な水酸基価とすることによって、樹脂との相溶性が向上し透明な樹脂組成物を得や
すくなるほか、成形品表面の撥水性が向上する。
<テルペン化合物>
上記テルペンフェノール樹脂の原料の1つであるテルペン化合物について説明する。テ
ルペン化合物とは一般に、イソプレン(C)の重合体で、モノテルペン(C10
16)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)等に分類される
。テルペン化合物とは、これらを基本骨格とする化合物である。この中で、本発明では、
モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペンが好ましく、セスキテルペン、モノテルペン
がより好ましく用いられる。
これらテルペン化合物としては、例えば、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−ピ
ネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−
テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオ
ール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、カンフェン、トリシクレン、サビネン
、パラメンタジエン類、カレン類が挙げられる。
これらの中では、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、α−
テルピネンが好ましい。
<フェノール類>
フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフ
ェノール、ノリルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、メトキシフェノール、ブロ
モフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFが挙げられる。
これらの中では、フェノール、クレゾールが好ましい。
[(C)界面活性剤]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は
、特に限定されることなく、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性イオン系の全て
を用いることができる。ただし、色相、機械的強度、耐熱性の観点から、ノニオン系界面
活性剤が好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えばジエタノールアミン系、ジエタノールアミンス
テアレート系、グリセリンステアレート系、ソルビタンステアレート系、コハク酸ステア
レート系の界面活性剤が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤の市販品としては、花王社製のエレクトロストリッパーTS−3
B、エレクトロストリッパーTS−5、エレクトロストリッパーTS−6B、エレクトロ
ストリッパーTS−8B、エレクトロストリッパーTS−9B、エレクトロストリッパー
TS−13B、及び理研ビタミン社製のリケマールL−250A、リケマールS−71−
D、リケマールS−300W、リケマールOV−250、リケマールOR−85、リケマ
ールB−100、リケマールB−150、ポエムS−60V、ポエムS−65V、ポエム
O−80V、ポエムC−250、ポエムJ−4081V、ポエムB−10、ポエムB−3
0、ポエムK−30、ポエムW−60、ポエムPR−100、ポエムPR−300等が挙
げられる。
<ポリカーボネート樹脂組成物>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、(A)ポリカーボネート樹脂と、(B)テル
ペンフェノール樹脂を含有する。(A)ポリカーボネート樹脂に(B)テルペンフェノー
ル樹脂を添加することにより、成形性(流動性)の改質効果のほか、撥水性が向上される
ポリカーボネート樹脂組成物中の前記テルペンフェノール樹脂の含有量は、前記ポリカ
ーボネート樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1
質量部以上、更に好ましくは2質量部以上、最も好ましくは3質量部以上であり、好まし
くは95質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、
最も好ましくは10質量部以下である。
前記テルペンフェノール樹脂の含有量が上記範囲内であれば、流動性、機械的物性、耐
熱性のバランスに優れる樹脂組成物となる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、さらに、(C)界面活性剤を含有してもよい
。前記界面活性剤をさらに添加することにより、成形時の帯電性が著しく低下し、除電性
能が向上される。
ポリカーボネート樹脂組成物中の前記界面活性剤の含有量は、前記ポリカーボネート樹
脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量
部以上、更に好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好まし
くは3質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。
前記界面活性剤の含有量が上記範囲内であれば、発色性、機械物性、耐熱性、除電性能
のバランスに優れる樹脂組成物となる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、公知の方法によって製造される。
具体的には、前記成分を所定の割合で、同じタイミングで又は任意の順序で、タンブラ
ー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の
混合機により混合して製造することができる。これらの混合時には、必要に応じて添加さ
れる紫外線吸収剤、光安定剤等を併用することができる。
<添加剤>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、各
種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、触媒失活剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、離型剤、着色剤、中和剤、滑剤、潤滑剤、可塑剤、難燃剤、充填剤、シリコー
ンオイル等がある。
(触媒失活剤)
触媒失活剤は、ポリカーボネート樹脂の重合触媒を失活させる性質を有する。ポリカー
ボネート樹脂の色調を良好にしたり、熱安定性を向上させる効果を発揮できる。触媒失活
剤としては、例えば酸性化合物を用いることができる。このような酸性化合物としては、
カルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基を有する化合物、又はそれらのエステル体等を用
いることができる。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、樹脂に使用される一般的な酸化防止剤を使用できる。酸化安定性
、熱安定性、着色時における良好な漆黒性等の観点から、ホスファイト系酸化防止剤、イ
オウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル
)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)
フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)
−4‐(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−p−フェニレン
ビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)が挙げられる。
(光安定剤)
光安定剤としては、例えばアミン化合物由来の化合物を用いることができる。好ましく
は、融点85℃以上かつ第二級アミン構造を有する化合物がよい。第二級アミン構造を有
する化合物は、第一級アミンよりも塩基性が高い。アミン化合物等からなる光安定剤の塩
基性が高いほど光に対するポリカーボネートの安定性が向上するとともに、加水分解等に
よる劣化が抑制される。
耐ブリードアウト性を向上させるという観点から、ポリカーボネート樹脂(A)とアミ
ン化合物との溶解性パラメータ(つまりSP値)の差の絶対値は、0.0〜15.0が好
ましい。SP値はHoy法にて算出される。耐ブリードアウト性をさらに向上させるとい
う観点から、SP値の差の絶対値は0.0〜12.0がより好ましく、0.0〜8.0が
更に好ましく、0.0〜6.0が特に好ましい。
成形体の耐候性をより向上させるという観点から、光安定剤の分子量は、5000以下
が好ましく、3000以下がより好ましい。耐熱性の低下抑制し、成形時における金型汚
染や表面外観の劣化をより抑制するという観点から、光安定剤の分子量は、300以上が
好ましく、400以上がより好ましい。
(着色剤)
着色剤としては、無機顔料、有機顔料及び有機染料等の有機染顔料が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化物系顔料が挙げられる。酸化物系
顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−
鉄系ブラウン、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等が挙げられる。
有機染顔料としては、例えば、フタロシアニン系染顔料、縮合多環染顔料、染顔料が挙
げられる。縮合多環染顔料としては、アゾ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系
、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等がある。染
顔料としては、アンスラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、メチン系、キノリン系、複
素環系、メチル系の等がある。
(滑剤)
滑剤としては、脂肪酸アマイド、パラフィンオイル等の炭化水素化合物からなるオイル
、カルボン酸エステル等のエステル系化合物、フッ素系ワックス等が挙げられる。透明性
を高めという観点、物性維持の観点から、脂肪酸アマイドが好ましい。
(充填剤)
無機充填剤としては、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、ガラスフレーク、ガラス
ビーズ、シリカ、アルミナ、酸化チタン、硫酸カルシウム粉体、石膏、石膏ウィスカー、
硫酸バリウム、タルク、マイカ、ワラストナイト等の珪酸カルシウム、カーボンブラック
、グラファイト、鉄粉、銅粉、二硫化モリブデン、炭化ケイ素、炭化ケイ素繊維、窒化ケ
イ素、窒化ケイ素繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、チタン酸カリウム繊維、これらのウ
ィスカー等が挙げられる。
有機充填剤としては、木粉、竹粉、ヤシ澱粉、コルク粉、パルプ粉等の粉末状有機充填
剤;架橋ポリエステル、ポリスチレン、スチレン・アクリル共重合体、尿素樹脂等のバル
ン状・球状有機充填剤;炭素繊維、合成繊維、天然繊維等の繊維状有機充填剤が挙げられ
る。
(シリコーンオイル)
シリコーンオイルとしては、ポリカーボネート樹脂との相溶性の観点、成形品の耐摩耗
性向上の観点から、フェニル基含有オルガノポリシロキサンが望ましく、具体的には、メ
チルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、トリメ
チルペンタフェニルトリシロキサン、テトラフェニルテトラメチルトリシロキサン等が挙
げられる。これらの例示の中でも、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコンが好ま
しい。樹脂組成物にさらに滑り性を付与できるという観点から、ジフェニルジメチコンが
より好ましい。また、ジフェニルジメチコンなどにジメチルシリコーンオイルやメチルフ
ェニルシリコーンオイルを架橋させた構造を含有する混合物を用いても良い。さらに架橋
構造物を用いる場合、シリケート構造、シルセスキオキサン構造が含まれているがことが
好ましい。
市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製:KF−54HV(ジフェニルジメチ
コン、屈折率:1.503、動粘度:4800mm2/s(25℃))、モメンティブ社
製:TSF437(ジフェニルジメチコン、屈折率:1.499、動粘度:22mm2
s(25℃))、信越化学工業(株)製:KF54−SS(ジフェニルジメチコン、屈折
率:1.504、動粘度:500mm2/s(25℃))、モメンティブ社製:TSF4
33(メチルフェニルオイル、屈折率:1.505、動粘度:450mm2/s(25℃
))、モメンティブ社製:TSF4300(メチルフェニルオイル、屈折率:1.498
、動粘度:140mm2/s(25℃))、信越化学工業(株)製:KF56(フェニル
トリメチコン、屈折率:1.500、動粘度:15mm2/s(25℃))、東レ・ダウ
コーニング(株)製:SH556(フェニルトリメチコン、屈折率:1.459、動粘度
:23mm2/s(25℃)))等が挙げられる。
<成形品>
本発明の成形品は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる。
成形品の成形方法としては、公知の方法を用いればよい。
具体的には、例えば、射出成形、射出圧縮成形、射出プレス成形が好適に用いられる。
成形に用いられるランナーとしては、コールドランナー方式、ホットランナー方式のいず
れを用いることも可能である。また、インサート成形、インモールドコーティング成形、
二色成形、サンドイッチ成形等による成形も可能である。意匠性を高めるという観点から
、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形を用いることも可能である。
成形品の全光線透過率は、高い外観性を持たせる理由で、80%以上が好ましく、85
%以上がより好ましい。
成形品のHazeは、高い外観性を持たせる理由で、10%以下が好ましく、5%以下
がより好ましい。
成形品の成形直後の帯電圧は、砂、埃などの環境粉塵の吸着抑制させる理由で、5kV
以下が好ましく、2kV以下がより好ましい。
成形品の水滴接触角の変化率は、高い撥水性を持たせる理由で、1.1以上が好ましく
、1.2以上がより好ましい。
<用途>
本発明の成形品は、高級感、重厚感のある高品質の部品の提供を可能にする。成形品の
適用用途としては特に制限はないが、電化製品、筐体、住設資材、フィルム部材、建材、
インテリア用品、エクステリア用品、自動車等の車両用の内装部品又は外装部品に好適で
ある。
成形品が適用される自動車用の外装部品としては、例えばフェンダー、バンパー、フェ
ーシャ、ドアパネル、サイドガーニッシュ、ピラー、ラジエータグリル、サイドプロテク
ター、サイドモール、リアプロテクター、リアモール、各種スポイラー、ボンネット、ル
ーフパネル、トランクリッド、デタッチャブルトップ、ウインドリフレクター、ミラーハ
ウジング、アウタードアハンドルが挙げられる。自動車用内装部品としては、例えばイン
ストルメントパネル、センターコンソールパネル、メーター部品、各種スイッチ類、カー
ナビケーション部品、カーオーディオビジュアル部品が挙げられる。また、オートモバイ
ルコンピュータ部品等に適用することも可能である。
成形品は、上記用途が好適ではあるが、何らこれらの用途に限定されるものではない。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない
限り、以下の実施例により限定されるものではない。
尚、以下の記載において、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を
示す。
<評価方法>
以下において、ポリカーボネート樹脂及びポリカーボネート樹脂組成物の物性ないし特
性の評価は次の方法により行った。
(1)試験片作成方法
ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、窒素雰囲気下、100℃で8時間乾燥した
。次に、乾燥したペレットを射出成形機(東芝機械株式会社製EC−75SX)に供給し
、樹脂温度240℃、金型温度60℃で、射出成形板(幅100mm×長さ100mm×
厚さ2mm)を成形した。この射出成形板を試験片とする。
(2)成形直後の帯電圧
静電電位測定器(シシド静電気社製 静電気測定器スタチロンDZ4型)を用いて、(
1)で作成した成形直後の試験片表面の帯電圧を測定し、成形時の帯電圧を評価した。
(3)全光線透過率およびHaze
上記(1)で得られた試験片を用い、日本電色工業社製NDH2000、D65光源を
使用し、JIS K7105に準拠して行った。
(4)水滴接触角
上記(1)で得られた試験片を用い、接触角測定装置(共和界面科学製 自動接触角計
DM−300)を使用し、20μLの水滴を試験片表面に滴下し、滴下直後の接触角を測
定し、処方前後の水滴接触角の変化率(処方後/処方前)を評価した。
<材料>
[(A)ポリカーボネート樹脂]
イソソルビド由来の構造単位を含むポリカーボネート樹脂として、以下のPC1、PC
2を用いた。
PC1:ジオール成分としてイソソルビド、1、4−シクロヘキサンジメタノール(モ
ル比=70:30)、ジカルボン酸成分としてジフェニルカーボネートを用いて、還元粘
度=0.4〜0.45dL/gとなるよう溶融重合法で得たポリカーボネート樹脂。ガラ
ス転移温度122℃。
PC2:ジオール成分としてイソソルビド、1、4−シクロヘキサンジメタノール(モ
ル比=50:50)、ジカルボン酸成分としてジフェニルカーボネートを用いて、還元粘
度=0.6〜0.63dL/gとなるよう溶融重合法で得たポリカーボネート樹脂。ガラ
ス転移温度100℃。
また、ビスフェノールA骨格を有するポリカーボネート樹脂として、以下のPC3を使
用した。
PC3:S3000R(三菱エンジニアリングプラスチック社製)
[(B)テルペンフェノール樹脂]
ポリカーボネート樹脂組成物に配合するテルペンフェノール樹脂として、以下のテルペ
ンフェノール1〜5を用いた。
テルペンフェノール1:K125(ヤスハラケミカル社製、水酸基価210mgKOH
/g)
テルペンフェノール2:G125(ヤスハラケミカル社製、水酸基価140mgKOH
/g)
テルペンフェノール3:S145(ヤスハラケミカル社製、水酸基価110mgKOH
/g)
テルペンフェノール4:T130(ヤスハラケミカル社製、水酸基価60mgKOH/
g)
テルペンフェノール5:U130(ヤスハラケミカル社製、水酸基価25mgKOH/
g)
[(C)界面活性剤]
ポリカーボネート樹脂組成物に配合する界面活性剤として、以下の界面活性剤1、2を
用いた。
界面活性剤1:TS−8B(花王社製、ノニオン系界面活性剤)
界面活性剤2:TS−9B(花王社製、ノニオン系界面活性剤)
[シリコーンオイル]
ポリカーボネート樹脂組成物に配合するシリコーンオイルとして、以下のシリコーンオ
イルを用いた。
シリコーンオイル:KF−54HV(信越化学社製、ジフェニルジメチコン)
[紫外線吸収剤]
ポリカーボネート樹脂組成物に配合する紫外線吸収剤として、以下のベンゾトリアゾー
ル系を用いた。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:LA−29(ADEKA社製、2−(2H−ベン
ゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール
、融点104℃)
[光安定剤]
ポリカーボネート樹脂組成物に配合する光安定剤として、以下のヒンダードアミン系光
安定剤を用いた。
ヒンダードアミン系光安定剤:LA−57(ADEKA社製、テトラキス(2,2,6
,6−テトラメチル−4‐ピペリジル−ブタン−1,2,3,4-テトラカルボキシレー
ト、SP値19.2、融点130℃)
尚、融点に温度の幅があるものについては、最低温度と最高温度の平均値を融点とする
(実施例1)
(A)ポリカーボネート樹脂としてPC1とPC2、(B)テルペンフェノール樹脂と
してテルペンフェノール1、(C)界面活性剤として界面活性剤1を表1に記載の比率と
し、さらに、シリコーンオイルとしてKF−54HV、紫外線吸収剤としてLA−29、
光安定剤としてLA−57をそれぞれ0.1質量%を用い、ブレンドした。
その後、二軸混練機(日本製鋼所社製、TEX30SST42BW:スクリュー径30
mm)に投入して混練した。
混練機の途中一カ所から真空ポンプで絶対真空圧10〜20kPaに減圧調整しながら
、シリンダー温度230℃、スクリュー回転数100rpm、吐出量15kg/hrで混
練物をストランド状に押し出し、ストランドカッターを用いてペレット状のポリカーボネ
ート樹脂組成物を得た。これをペレット状のサンプルと呼称する。
このペレット状サンプルを、熱風乾燥機で100℃にて5時間乾燥した後、前述の評価
法(1)〜(4)に従って評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例2〜7)
(A)〜(C)成分の配合を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして
ペレット状サンプルを得た。次いで、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に
示す。
(比較例1〜3)
(A)〜(C)成分の配合を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして
ペレット状サンプルを得た。次いで、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に
示す。
[比較例4〜6]
(A)〜(C)成分の配合を表1に記載の通りとし、二軸混練機(テクノベル社製、K
ZW15−30MG:スクリュー径15mm)に投入して混練し、シリンダー温度250
℃、吐出量2kg/hrとしたこと以外は実施例1と同様の条件でペレット状サンプルを
得た。次いで、実施例1と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2020158584
表1の通り、テルペンフェノール1、2を使用した実施例1〜4は全光線透過率が85
%以上であり透明性が高い。一方で、テルペンフェノール3〜5を使用した実施例5〜7
は全光線透過率が85%未満であり透明性が低い。これはテルペンフェノール中の水酸基
価の高さに起因する。テルペンフェノールの水酸基価が低いと、テルペンフェノールとポ
リカーボネート樹脂界面における相溶性が劣るため、非相溶な界面等が生じ、成形品全体
として透明性が低下すると考えられる。
実施例1、3〜5に使用したテルペンフェノール、またはテルペンフェノールと界面活
性剤との組合せでは、水滴接触角の変化率が高く撥水性が向上するが、比較例2、3の界
面活性剤のみでは撥水性の向上が小さい。これは、材料表面にいるテルペンフェノールの
水酸基がポリカーボネート(A)と相溶性が高く、テルペンフェノールの非極性部位が外
側に向きやすいためと推定される。
比較例1の無添加系における成形直後の帯電圧に対し、実施例3〜5に使用したテルペ
ンフェノールと界面活性剤とを組合せると著しく下がり、除電効果が高いが、比較例2、
3の界面活性剤のみの処方では除電効果が低い。前述の通り、テルペンフェノールの非極
性部位は外へ向きやすい。界面活性剤の非極性部位はテルペンフェノールの非極性部位と
相溶しやすいため、親水部位が外側へ向きやすい。よって、成形時にブリードした界面活
性剤の親水部位は外側へ向いており、材料表面が帯電しにくいためと推定される。
比較例4〜6に使用したビスフェノールAタイプのポリカーボネート樹脂では、全光線
透過率は低く、テルペンフェノールによる撥水性は向上せず、成形直後の帯電圧は高く除
電効果が小さい。すなわち、テルペンフェノールによる撥水性の向上と、テルペンフェノ
ールと界面活性剤との組合せによる除電効果はイソソルビド骨格を有するポリカーボネー
ト樹脂に特有であるといえる。
このように、イソソルビド骨格を有するポリカーボネート樹脂において、特定のテルペ
ンフェノールと界面活性剤との組合せを含むことにより、透明性を高く維持し、成形品の
美観を高めつつ、撥水性と成形直後の除電効果を向上させた成形品が得られることがわか
る。

Claims (8)

  1. (A)下記式(1)で表されるジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含むポリカー
    ボネート樹脂と、(B)テルペンフェノール樹脂、を含むポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 2020158584
  2. 前記(A)100質量部に対して、前記(B)を0.5〜95質量部含む、請求項1に
    記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 前記テルペンフェノール樹脂の水酸基価が20〜500mgKOH/gである、請求項
    1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. さらに、(C)界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネ
    ート樹脂組成物。
  5. 前記(A)100質量部に対して、前記(C)を0.01〜5質量部含む、請求項4に
    記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 前記界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤である、請求項4又は5に記載のポリカーボ
    ネート樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形
    品。
  8. 電化製品、筐体、住設資材、フィルム部材、建材、インテリア用品、エクステリア用品
    、自動車等の車両用の内装部品又は外装部品の中から選ばれる1種であることを特徴とす
    る請求項7に記載の成形品。
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