以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
明細書において、「実施形態」は、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態である場合もあるし、特許請求の範囲に記載されていない発明の実施形態である場合もある。
図1(a)、(b)、(c)には、一実施形態の車両100a、100b、100cが例示的に示されている。車両100a、100b、100cは、鉄道車両でありうるが、バス車両であってもよい。一例において、1つの車両100aと、1又は複数の車両100bと、1つの車両100cとを連結して列車が編成されうる。車両100a、100b、100cが相互に区別することなく説明される場合には、車両100と記載される。
車両100は、例えば、側戸110、貫通扉111、座席112、設備113、仕切戸114、客室通路115、デッキ116を含みうる。側戸110、貫通扉111、仕切戸114は、いずれもドアであるが、この明細書では、これらのドアを相互に識別するために、慣例にならって固有の名称が付されている。側戸110は、車両100の内部と外部との間に配置された扉である。貫通扉111は、車両100の2つの端部の一方または双方に配置された扉である。座席112は、例えば、自由席または指定席として利用されうる。設備113は、例えば、洗面台、化粧室または喫煙室等を含みうる。仕切戸114は、複数の座席112が配置された客室(換言すると、客室通路115)とデッキ116との間に配置された扉である。客室通路115は、複数の座席112が配置された空間の脇を通るように客室に設けられた通路である。客室通路115は、例えば、複数の第1座席で構成される第1座席列と複数の第2座席で構成される第2座席列との間に配置されうる。デッキ116は、例えば、仕切戸114、貫通扉111および側戸110によって仕切られた通路である。なお、ここでは車両を例に説明するが、本技術は、人あるいは荷物を運搬する移動体(自動車(普通車、バス、トラック等)、飛行機、ヘリコプター、船舶)に適用することができる。
図2には、第1構成例の車両100が駅のプラットホームPFの前に停車した状態が模式的に示されている。プラットホームPFは、ホームドアFDを有しうる。車両100は、テラヘルツ波TWで形成される画像を取得する撮像システムICSを備えうる。撮像システムICSは、移動体の内部である、車両100の共用部を利用する検査対象Mを撮像するように配置されうる。共用部とは、不特定の者(人)が利用可能な場所あるいは空間である。検査対象Mは、通常は人であるが、人以外の動物またはロボットである場合もありうる。
プラットホームPFにも、撮像システムICS’が配置されうる。撮像システムICSは、1又は複数の撮像部3a、3b、3c、3d、3eを含みうる。撮像システムICS’は、1又は複数の撮像部3fを含みうる。撮像部3a、3b、3c、3d、3e、3fが相互に区別することなく説明される場合には、撮像部3と記載される。テラヘルツ波は、布、皮、化学繊維、樹脂等を透過するので、撮像システムICSに接続された不図示のプロセッサは、撮像システムICSから提供される画像に基づいて、例えば、銃器、刃物、爆発物等の危険物を検出することができる。
撮像部3は、パッシブタイプの撮像部であってもよいし、アクティブアイプの撮像部であってもよい。パッシブタイプの撮像部3は、検査対象Mをテラヘルツ波TWで照明することなく、周囲環境や検査対象Mから放射されるテラヘルツ波TWによって撮像部の撮像面に形成される像を該撮像部によって電気的な画像として取得、すなわち撮像する。アクティブタイプの撮像部3は、照明源1と、カメラ2とを含みうる。図2の例では、撮像システムICSは、複数の照明源1a、1b、1c、1d、1eと複数のカメラ2a、2b、2c、2d、2eとで構成される複数の撮像部3a、3b、3c、3d、3eを含む。また、撮像システムICS’は、照明源1fとカメラ2fとで構成される撮像部3fを含む。複数の照明源1a、1b・・・が相互に区別することなく説明される場合には、照明源1と記載され、複数のカメラ2a、2b・・・が相互に区別することなく説明される場合には、カメラ2と記載される。
複数のカメラ2は、それぞれの光軸が互いに異なる方向を向くように配置されうる。照明源1は、テラヘルツ波TWを放射し、テラヘルツ波TWによって検査対象Mが照明されうる。カメラ2は、テラヘルツ波TWによって照明された検査対象Mから主に正反射されたテラヘルツ波TWによって撮像面に形成される像を電気的な画像として取得、すなわち撮像する。撮像システムICSは、可視光によって形成される像を撮像する可視光カメラを含んでもよい。同様に、撮像システムICS’は、可視光によって形成される像を撮像する可視光カメラを含んでもよい。
車両100は、共用部を含みうる。該共用部は、例えば、通路を含みうる。該通路は、例えば、デッキ116および/または客室通路115を含みうる。デッキ116は、第1方向(図2において横方向)に延びる第1通路116−1と、該第1方向とは異なる第2方向(図2において縦方向)に延び、第1通路116−1に接続された第2通路116−2とを含みうる。第1通路116−1と第2通路116−2とは、図2に例示されるように交差してもよい。第1通路116−1と客室通路115とは互いに平行でありうる。第2通路116−2と客室通路115とは、互いに直角でありうる。
プラットホームPFにいた検査対象Mは、側戸110が開いた開口部を通して車両100に乗り込み、第2通路116−2を進み、第1通路116−1と第2通路116−2との接続部CPで、仕切戸114に対面する方向に進行方向を変更しうる。その後、検査対象Mは、仕切戸114が開いた開口部を通して客室通路115に入りうる。あるいは、プラットホームPFにいた検査対象Mは、側戸110が開いた開口部を通して車両100に乗り込み、第2通路116−2を進み、接続部CPで、第1通路116−1(設備113の側)の方向に進路を変更しうる。つまり、検査対象Mは、第1通路116−1と第2通路116−2との接続部CPで進行方向を変えうる。接続部CPは、検査対象Mが進行方向を変更する分岐点あるいはコーナーとして考えることができる。すなわち、接続部CPは、車両(移動体)内を移動する検査対象が方向転換する位置、減速または停止する位置、または、回転する位置でありうる。あるいは、接続部CPは、車両(移動体)内を移動する検査対象が整流される位置でありうる。ここでいう整流とは、複数の検査対象が広がりをもって並ぶプラットホームPFから、車両100の内部に入るに際して当該広がりを縮小することを指す。典型的には、車両100の内部では検査対象が1〜2列に並ぶように整流されることとなる。
そこで、接続部CPにおける検査対象Mを撮像するように撮像システムICSを配置することによって、検査対象Mの向きの変更に伴って検査対象Mを種々の方向から撮像することができる。また、接続部CPにおける検査対象Mを撮像するように撮像システムICSの複数のカメラ2を配置することによって、検査対象Mを更に種々の方向・角度から撮像することができる。これにより、撮像システムICSに接続されたプロセッサによる危険物の位置・形状・材料などの検出確率を向上させることができる。
第1通路116−1と第2通路116−2とは、接続部CPで交差してもよいし、第1通路116−1の端部が接続部CPで終了してもよいし、第2通路116−2の端部が接続部CPで終了してもよい。あるいは、第1通路116−1の端部および第2通路116−2が接続部CPで終了してもよい。更に、客室通路115を第2通路として理解し、該第2通路と第1通路116−1とが接続部CPで接続されてもよい。接続部CPの他の例として、第1通路としての平面的な通路と、第2通路としての階段との接続部を挙げることができる。
図2に示された例では、撮像システムICSは、接続部CPにいる検査対象Mを撮像する撮像部3a、3b、3cを含む。撮像部3cは、仕切戸114が開いて形成される開口部を通して検査対象Mを撮像するように客室に配置されうる。通常、仕切戸114の前では、検査対象Mが本能的に立ち止まることが多いので、撮像部3cは、多数の画像を撮像するために有利である。撮像部3dは、客室通路115を通る検査対象Mを撮像するように配置されうる。撮像部3c、3dは、座席112、棚、床および天井の全部または一部に配置されうる。特に、テラヘルツ波は、樹脂等を透過するので、撮像部3c、3dは、種々の場所に容易に配置されうる。ここで、撮像部3c、3dの配置の自由度は、位置が固定された座席112よりも、床および天井の方が高い。そこで、撮像部3c、3dは、床および/または天井に埋め込んで配置されうる。
一部の空港では、ミリ波を利用したボディスキャナが使用されているが、このようなボディスキャナは、きわめて大型である上に検査に要する時間が長いため、これを膨大な数の人々を輸送する地上交通システムに適用することは現実的ではない。図2に示された例では、小型な撮像システム、監視システムを提供することができる。
撮像部3eは、側戸110が開いて形成される開口部を通して検査対象Mを撮像するように客室に配置されうる。通常、側戸110の前では、検査対象Mが本能的に立ち止まることが多いので、撮像部3eは、多数の画像を撮像するために有利である。プラットホームPFには、撮像部3eによる撮像を支援するための1つ又は複数の照明源1g、1hが配置されうる。また、プラットホームPFには、撮像部3eによる撮像を支援するための反射面MRが配置されうる。反射面MRは、曲面を含みうる。反射面MRは、車両100に設けられてもよい。反射面MRは、金属面によって構成されうる。金属面の上には塗装等の被膜や紙等で構成されたポスターなどが設けられていてもよい。あるいは、反射面MRは、例えば、照射する電磁波の波長以下、好ましくは波長の10分の1以下、典型的には10〜100マイクロメートルオーダーの表面粗さを有する樹脂等の部材の表面によって構成されてもよい。
図3には、第2構成例の車両100が駅のプラットホームPFの前に停車した状態が模式的に示されている。第2構成例として言及しない事項は、第1構成例に従いうる。撮像システムICSは、複数の照明源1a、1b、1cと、複数のカメラ2a、2b、2b、2dと、を含みうる。複数の照明源1a、1b、1cの個数と複数のカメラ2a、2b、2c、2dの個数とは互いに同じであってもよいし、互い異なってもよい。複数のカメラ2a、2b、2c、2dの全部または一部は、車両100内の壁の角部に配置されうる。図3には示されていないが、複数の照明源1a、1b、1cの全部または一部は、車両100内の壁の角部に配置されてもよい。複数のカメラ2a、2b、2c、2dの全部または一部は、鉛直方向に重ねて配置されてもよい。複数の照明源1a、1b、1cの全部または一部は、鉛直方向に重ねて配置されてもよい。また、撮像システムICSは、複数のカメラ1a、1b、1cと、複数の照明源2a、2b、2b、2dと、を含みうるような構成であってもよい。
図4には、第2構成例をより具体化した例が示されている。図4に例示されるように、1つ又は複数の照明源1が、車両100内の壁の角部に、鉛直方向に重ねて配置されうる。該角部は、接続部CPに面する壁の角部でありうる。また、1つ又は複数のカメラ2が配置されうる。1つ又は複数のカメラ2は、該角部に配置されてもよいし、天井または床に配置されてもよい。照明源1およびカメラ2は、検査対象Mが視認できないように、壁、天井、床等の構造体に埋め込まれうる。
図5(a)には、複数の照明源1a、1bと複数のカメラ2a、2bとの配置例が模式的に示されている。図5(a)に模式的に示されるように、複数の照明源1a、1bと複数のカメラ2a、2bは、天井Cに配置されうる。ここで、複数の照明源1a、1bと複数のカメラ2a、2bは、天井Cに埋め込まれて配置されうる。
図5(b)には、複数の照明源1と複数のカメラ2との他の配置例が模式的に示されている。図5(b)に模式的に示されるように、複数の照明源1は天井Cに配置され、複数のカメラ2は床Fに配置されうる。ここで、複数の照明源1は天井Cに埋め込まれて配置され、複数のカメラ2は床Fに埋め込まれて配置されうる。これとは逆に、複数の照明源1は床Fに配置され、複数のカメラ2は天井Cに配置されてもよい。ここで、複数の照明源1は床Fに埋め込まれて配置され、複数のカメラ2は天井Cに埋め込まれて配置されうる
図6には、第3構成例の車両100が模式的に示されている。第3構成例として言及しない事項は、第1又は第2構成例に従いうる。また、第3構成例は、第1及び第2構成例の少なくとも一方と組み合わせて実施されてもよい。第3構成例では、撮像システムは、共用部としての客室通路115を利用する検査対象Mにテラヘルツ波TWを照射するように複数の座席112に配置された複数の照明源1a〜1dを含みうる。また、該撮像システムは、テラヘルツ波が照射された検査対象Mを撮像するように客室の出入口(仕切戸114)の周囲に配置された複数のカメラ2a、2bを含みうる。客室通路115は、例えば、複数の第1座席112で構成される第1座席列S1と複数の第2座席112で構成される第2座席列S2との間に配置されうる。複数の照明源1a〜1dは、客室通路115に面する座席112に配置されうる。
車両100は、検査対象Mを検知するセンサ30を備えうる。複数の照明源1a〜1dは、センサ30の出力に基づいて制御されうる。例えば、複数の照明源1a〜1dは、センサ30によって検査対象Mが検知されたことに応答してテラヘルツTWを放射するように制御されうる。センサ30は、検査対象Mの接近を検知して仕切戸114を開くためのセンサと共用されてもよい。
図7には、第4構成例の車両100が模式的に示されている。第4構成例として言及しない事項は、第1乃至第3構成例に従いうる。また、第4構成例は、第1乃至第3構成例の少なくとも1つと組み合わせて実施されてもよい。第4構成例では、撮像システムは、共用部としての客室通路115を利用する検査対象Mにテラヘルツ波TWを照射する複数の照明源1a、1b・・・と、テラヘルツ波TWが照射された検査対象Mを撮像する複数のカメラ2a、2b・・・とを含みうる。第1座席列S1には、複数の照明源1a、1b・・・の一部である照明源1a・・・と、複数のカメラ2a、2b・・・の一部であるカメラ2a・・・とが交互に配置されうる。第2座席列S2には、複数の照明源1a、1b・・・の一部である照明源1b・・・と、複数のカメラ2a、2b・・・の一部であるカメラ2b・・・とが交互に配置されうる。このような配置は、客室通路115を通る検査対象Mの左右を交互に撮像し、検査対象Mが危険物を所持することを早期に検出するために有利である。
図8には、第5構成例の車両100が模式的に示されている。第5構成例として言及しない事項は、第1乃至第4構成例に従いうる。また、第5構成例は、第1乃至第4構成例の少なくとも1つと組み合わせて実施されてもよい。第5構成例では、撮像システムは、共用部としての客室通路を利用する検査対象にテラヘルツ波を照射する複数の照明源1と、テラヘルツ波が照射された検査対象を撮像する複数のカメラ(不図示)とを含みうる。複数の照明源1は、図8に例示されるように、座席112の背凭れに配置された少なくとも2つの照明源1を含みうる。このような構成は、様々な角度あるいは位置から検査対象にテラヘルツ波を照射するために有利である。
図9には、第6構成例の車両100が模式的に示されている。第6構成例として言及しない事項は、第1乃至第4構成例に従いうる。また、第6構成例は、第1乃至第4構成例の少なくとも1つと組み合わせて実施されてもよい。第6構成例では、撮像システムは、客室通路を利用する検査対象にテラヘルツ波を照射する複数の照明源1と、テラヘルツ波が照射された検査対象を撮像するように複数のカメラ2とを含みうる。複数の照明源1は、図9に例示されるように、座席112の背凭れに配置された少なくとも2つの照明源1を含みうる。このような構成は、様々な角度あるいは位置から検査対象にテラヘルツ波を照射するために有利である。複数のカメラ2は、図9に例示されるように、座席112、例えば、その背凭れに配置された少なくとも1つのカメラ2を含みうる。
図10には、第7構成例の車両100が模式的に示されている。第7構成例として言及しない事項は、第1乃至第6構成例に従いうる。また、第7構成例は、第1乃至第6構成例の少なくとも1つと組み合わせて実施されてもよい。第7構成例では、撮像システムは、客室通路を利用する検査対象Mにテラヘルツ波TWを照射する複数の照明源1と、テラヘルツ波TWが照射された検査対象Mを撮像する複数のカメラ2とを含みうる。複数の照明源1は、座席112、例えば、その背凭れに配置された少なくとも1つの照明源1を含みうる。複数のカメラ2は、天井に配置された少なくとも1つのカメラ2を含みうる。天井に配置されたカメラ2は、図10では、検査対象Mから視認可能であるが、天井に埋め込まれてもよい。
図11、図12には、第8構成例の車両100が模式的に示されている。第8構成例として言及しない事項は、第1乃至第7構成例に従いうる。また、第8構成例は、第1乃至第7構成例の少なくとも1つと組み合わせて実施されてもよい。第8構成例では、撮像システムICSは、テラヘルツ波TWを反射する反射面MR1を有し、反射面MR1は、曲面を含みうる。反射面MR1は、例えば、金属面によって構成されうる。金属面の上には塗装等の被膜や紙等で構成されたポスターなどが設けられていてもよい。あるいは、反射面MR1は、例えば、照射する電磁波の波長以下、好ましくは波長の10分の1以下、典型的には10〜100マイクロメートルオーダーの表面粗さを有する樹脂等の部材の表面によって構成されてもよい。このような構成は、複数の照明源1から検査対象Mに照射されたテラヘルツ波TWのうち、検査対象Mに散乱された光や照射されない光を、反射面MR1に反射させて検査対象Mに再照射してカメラ2へと入射させることが出来る。従って、撮像システムICSの検知性能が向上できる構成である。
図13には、車両100の構成および駅内監視システム120の構成が例示されている。なお、ここでは監視システムを駅に備えた例を説明するが、本技術の適用範囲は、この例には限定されない。例えば、移動体が発着する場所の他の例としては、空港、港(船舶)などがある。車両100は、前述の撮像システムICSの他に、プロセッサ10および通信部15を備えうる。プロセッサ10は、撮像システムICSから出力された信号の処理を行う。該処理は、検査対象Mに関する危険度を決定することを含みうる。該処理は、所定の危険度を有する検査対象Mの位置を特定することを含みうる。あるいは、該処理は、所定の危険度を有する検査対象Mの座席を特定することを含みうる。プロセッサ10は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、又は、プログラムが組み込まれた汎用又は専用のコンピュータ、又は、これらの全部または一部の組み合わせによって構成されうる。
プロセッサ10は、検査対象Mの特徴情報と、該特徴情報に対応する特徴を有する旅客に割り当てられた座席情報とを対応付ける対応情報と、に基づいて検査対象Mの座席を特定しうる。該特徴情報は、撮像システムICSによって撮像される画像からプロセッサ10によって抽出される情報でありうる。該特徴情報は、例えば、撮像システムICSによって撮像される画像から抽出される部分画像の形状、大きさ等に基づいて特定される特徴量であってもよいし、危険物の種類を特定する情報であってもよいし、他の特徴を示す情報であってもよい。あるいは、該特徴情報は、上記の危険度を示す情報であってもよい。撮像システムICSによって撮像される画像からの部分画像の抽出は、例えば、所定輝度を超える輝度を有する部分を抽出することを含みうる。該特徴情報の抽出には、AI(人工知能)が利用されうる。より具体的には、ディープラーニングを経たAI(人工知能)がプロセッサ10に組み込まれ、該AIによって特徴情報が抽出されうる。例えば、カメラ2によって撮像される画像中の危険度を示す情報は、カメラ2の位置および向きによって現れ方が異なる。したがって、複数のカメラ2によって撮像された画像に基づいてディープラーニングが実行されうる。
プロセッサ10は、上記の処理の結果を予め設定された端末20に対して通信部15を介して送信しうる。端末20は、例えば、車両100に乗車する車掌等が携帯しうる。端末20は、車両100に乗車する者以外が携帯する端末、駅等に配置された警備室に設けられた端末、警察署等の行政機関に設けられた端末等を含んでもよい。
駅内監視システム120は、撮像システム21と、統括システム22と、改札機23とを備えうる。撮像システム21は、テラヘルツ波TWで形成される画像を取得するカメラを含みうる。撮像システム21は、テラヘルツ波以外の波長の電磁波(例えば、可視光)で形成される画像を取得するカメラを含んでもよい。撮像システム21は、少なくとも改札機23を通る検査対象を撮像可能に設置され、テラヘルツ波TWで形成される画像を取得するカメラを含みうる。改札機23は、改札機能を有する他、改札を受ける検査対象が保持するチケット(携帯端末等の可搬媒体に保持された電子的なチケットを含む)が有する座席情報(指定席を特定する情報)を読み取り、統括システム22に通知する機能を有しうる。
撮像システム21は、改札機23を通る検査対象をテラヘルツ波TWを使って撮像し、撮像した画像を統括システムに送信しうる。統括システム22は、撮像システム21から受信した画像に基づいて検査対象の危険度を決定しうる。また、統括システム22は、撮像システム21から受信した画像から検査対象の特徴情報を抽出しうる。該特徴情報は、前述のプロセッサ10による特徴情報の抽出方法と同一または同等の抽出方法によって抽出されうる。統括システム22は、例えば、プログラムが組み込まれた汎用又は専用のコンピュータによって構成されうる。
統括システム22は、撮像システム21から受信した画像から抽出される検査対象の特徴情報と、改札機23によって読み取られた座席情報とを対応付ける対応情報を生成する。例えば、特徴情報は、銃器の所持を強く示唆する情報であり、座席情報は、当該銃器を所持する検査対象が所持するチケットから改札機23によって読み取られた座席情報でありうる。この対応情報は、統括システム22から車両100に送信されうる。特徴情報は、検査対象のIDを識別する情報(すなわち、個人を特定する情報)を含んでもよい。撮像システム21が可視光カメラを含む場合、検査対象の可視光画像、更には、可視光画像からAI等によって検査対象のIDが識別されうる。所定の危険度を有する検査対象の可視光画像は、上記の対応情報とともに車両100に送信され、更に端末20に送信されうる。
以下、施設に設置されるカメラシステムによる防犯性の向上に有利な技術を説明する。
図14(a)〜22を参照して、本発明の一部の実施形態におけるカメラシステム200について説明する。本実施形態におけるカメラシステム200は、施設に設置される。施設の例としては、鉄道などの駅、空港などの発着所、商業施設、娯楽施設などがあげられる。本実施形態におけるカメラシステム200は、鉄道などの駅の構造物に設置される。駅の構造物とは、改札口や出札窓口、待合室などが配された駅本屋や、鉄道車両が入線するプラットホーム、駅本屋とプラットホームとの間を結ぶ通路などを含む。ここで、通路とは、平坦な通路のほかに、階段やエスカレータ、エレベータなどの旅客が通る場所でありうる。また、鉄道車両は、移動体の例である。施設が空港である場合、例えば、移動体は飛行機である。本実施形態のカメラシステム200は、駅の監視システムの一部を構成するように配されたカメラシステムでありうる。
カメラシステム200は、検査対象250で反射するテラヘルツ波で形成される画像を取得する撮像システム201を含む。撮像システム201は、テラヘルツ波を照射するための1つ以上の照明部202と、テラヘルツ波で形成される画像を取得するための1つ以上のカメラ203と、を含みうる。以下の説明で、複数の照明部202および複数のカメラ203をそれぞれ区別する場合、照明部202「a」、カメラ203「a」のように参照符号の後に添え字する。それぞれの照明部およびカメラを区別する必要がない場合、単に「照明部202」、「カメラ203」と記載する。他の構成要素も同様である。
本実施形態において、テラヘルツ波を検出するカメラ203は、アクティブカメラと呼ばれる方式であり、照明部202と組み合わせて使用されうる。しかしながら、これに限られることはなく、カメラは、パッシブタイプのカメラであってもよい。この場合、検査対象250を照明部202から照射されるテラヘルツ波で照明することなく検査対象250から放射されるテラヘルツ波によって画像が取得されうる。
撮像システム201は、駅を利用する検査対象250を撮影するように配されうる。検査対象250は、通常は人であるが、人以外の動物またはロボットである場合もありうる。テラヘルツ波は、布、皮などを透過するので、カメラシステム200に接続された不図示のプロセッサ(統括システム22など)は、カメラシステム200の撮像システム201から提供される画像に基づいて、例えば、銃器、刃物、爆発物などの危険物を検出することができる。
図14(a)、14(b)は、本発明のカメラシステム200に含まれる撮像システム201が配された改札機211の構成例を示す上面図および正面図である。改札機211は、駅の改札口に設置され、駅の改札内と改札外とを区分する。ここで、改札内とは、入場にあたって入場券や乗車券などのチケット類を必要とする領域でありうる。改札機211は、所謂、自動改札機であってもよい。撮像システム201は、改札機211の通路240を通過する検査対象250の画像を取得するために配される。例えば、撮像システム201は、改札外から改札内に入場する検査対象250の画像を取得してもよい。以下、図14(a)に示される矢印の方向に、改札外から改札内に向かって検査対象250が通過するとして説明を行う。
図14(a)、14(b)に示される構成において、改札機211は、通路を挟んで相対して配される改札機211aと改札機211bとを含む。つまり、改札機211の通路240は、改札機211aと改札機211bとによって幅や長さが決まりうる。撮像システム201は、改札機211aに配された照明部202と、改札機211bに配されたカメラ203と、を含む。照明部202から発せられたテラヘルツ波は、人などの検査対象250において鏡面反射しうる。このため、通路240を挟んで相対する改札機211aと改札機211bとにそれぞれ照明部202とカメラ203とが配されることによって、照明部202から発せられたテラヘルツ波が、検査対象250で反射されカメラ203で検出されやすくなる。
照明部202は、図14(b)に示されるように、通路240のほぼ全体の範囲204を照射範囲とすることが可能である。照明部202から照射されるテラヘルツ波の広がりは、レンズなどの手段で調整可能である。また、テラヘルツ波は、金属などによって反射されるため、改札機211aの下部付近であっても、改札機211bの側面でテラヘルツ波が反射されることによって、検査対象250は照明されるためである。また、改札機211の通路240側の側面でのテラヘルツ波の反射を有効に利用するため、照明部202およびカメラ203は、図14(a)に示されるように、改札機211のうち照明部202およびカメラ203の光軸の向きとは反対側の端部の付近に配されていてもよい。つまり、改札機211から改札外の側の撮影を行う照明部202およびカメラ203は、改札機211のうち改札内の側の端部付近に配されていてもよい。
照明部202およびカメラ203の配置は、上述の配置に限られることはない。例えば、照明部202およびカメラ203が、改札機211aに配されていてもよい。また、例えば、照明部202およびカメラ203が、改札機211の中央付近に配されていてもよいし、図14(a)での改札外側の端部付近に配されていてもよい。また、1つのカメラ203に対して、照明部202が、複数の照明装置から構成されていてもよい。例えば、それぞれテラヘルツ波の照射方向が異なる複数の照明装置によって、照明部202が構成されていてもよい。また、照明部202およびカメラ203は、改札機211に移動不可の状態で固定されていてもよいし、検査対象250の動きに応じて、例えば、回転可能に配置されていてもよい。
カメラシステム200の撮像システム201を監視カメラとして使用する場合、検査対象250である人を一人ずつ撮影する方が、カメラシステム200の撮像システム201の後段のプロセッサ(不図示)などでの画像処理など、後処理が行いやすい場合がある。改札機211は、検査対象250である人が、一人ずつ通過する可能性が高い。したがって、改札機211に撮像システム201を配することは、画像処理などの後処理の負担を抑制させることが可能となる。つまり、撮像システム201は、検査対象250が整列するする場所に配されうる。また、改札機211を検査対象250である人が通過する時間は、1秒ほどである。しかしながら、撮像システム201は、50fps以上のフレームレートでテラヘルツ波によって形成される画像を取得可能である。このため、一人の検査対象250に対して複数回の撮影を行うことが可能である。また、複数回の撮影において、検査対象250は、全身が写っていてもよいし、一部だけが写っていてもよい。
また、カメラシステム200の撮像システム201は、検査対象250が接近したことを検出するセンサ260を含んでいてもよい。例えば、改札機211に、図14(b)に示すように、センサ260が、配されていてもよい。また、例えば、照明部202やカメラ203に、センサ260が、付設されていてもよい。照明部202は、センサ260の出力に基づいて制御される。例えば、センサ260が、検査対象250を検出したことに応じて、照明部202が、テラヘルツ波の照射を開始してもよい。これによって、撮像システム201が消費する電力を抑制することができる。
図15(a)は、撮像システム201として、改札機211に2組の照明部202およびカメラ203が配された例を示す。図15(a)に示されるように、改札機211aの上に照明部202a、202bが配され、改札機211bの上にカメラ203a、203bが配される例を示している。このとき、図15(a)に示されるように、照明部202bおよびカメラ203aは、改札機211から改札内の側の照明および撮影を行うように配され、照明部202bおよびカメラ203bは、改札機211から改札外の側の照明および撮影を行うように配される。このような、配置にすることによって、検査対象250の正面側だけでなく、背面側も撮影することができる。このとき、上述のように、照明部202a、202bから照射されるテラヘルツ波を効率的に使用するために、照明部202aおよびカメラ203aは、照明部202bおよびカメラ203bよりも改札内の側に配されていてもよい。しかしながら、照明部202a、202b、カメラ203a、203bの配置はこれに限られることはなく、上述と同様に自由に配置することができる。
また、上述のように、改札機211の通路240の側の側面が、テラヘルツ波を反射する反射面を構成していてもよい。つまり、改札機211の通路240の側の面が、金属であってもよいし、テラヘルツ波の波長の1/10ほどの凹凸を有する粗れた表面を備えていてもよい。また、例えば、図15(b)に示されるように、テラヘルツ波がより反射するように、改札機211が上部構造体212を含む門型構造を備えていてもよい。このとき、上部構造体212の通路240の側の面が、金属であってもよいし、テラヘルツ波の波長の1/10ほどの凹凸を有する粗れた表面を備えていてもよい。テラヘルツ波が改札機211の表面で反射や散乱することによって、検査対象250を様々な角度から照明され、カメラ203によって得られる画像の画質が向上しうる。
また、図14(a)〜図15(b)では、照明部202およびカメラ203は、説明を簡単化するために、改札機211の上に別体として大きく描かれているが、これに限られることはない。テラヘルツ波は、樹脂などの素材を透過することが可能である。このため、改札機211の一部に樹脂製の窓を設け、改札機211の中に、照明部202やカメラ203を配してもよい。樹脂として、例えば、高密度ポリエチレンやサイクリックオレフィンコポリマーなど、適当な材料を用いることができる。以下の説明においても、照明部202およびカメラ203は、図中において、大きく描かれている。
次いで、図16(a)、16(b)を用いて、撮像システム201を駅のプラットホーム216の仕切壁213に適用する例を説明する。図16(a)、16(b)は、本発明のカメラシステム200に含まれる撮像システム201が配された仕切壁213の構成例を示す上面図および正面図である。撮像システム201は、プラットホーム216と線路側領域217とを仕切り、開閉可能な扉部214を含む仕切壁213に隣接して配される。仕切壁213は、プラットホーム216に設置された、所謂、ホームドアである。本実施形態において、撮像システム201は、仕切壁213の扉部214が開いた際の通路241を通過する検査対象250の画像を取得する。
撮像システム201は、線路側領域217に配された照明部202aおよびカメラ203aを含む。照明部202aおよびカメラ203aは、線路側領域217から扉部214が開いた際の通路241を照明および撮影する。また、撮像システム201は、プラットホーム216に配された照明部202bおよびカメラ203bを含む。照明部202bおよびカメラ203bは、プラットホーム216から扉部214が開いた際の通路241を照明および撮影する。照明部202aおよびカメラ203aと、照明部202bおよびカメラ203bと、が配されることによって、鉄道車両218のドア219から乗車する検査対象250および鉄道車両218のドア219から下車する検査対象250の何れの正面側および背面側の画像を取得することが可能となる。しかしながら、これに限られることはなく、照明部202aおよびカメラ203aと、照明部202bおよびカメラ203bと、の一方だけが配されている構成であってもよい。
照明部202a、203bは、図16(a)、16b)に示されるように、それぞれ複数の照明装置を含んでいてもよい。照明部202a、202bは、図16(a)、16(b)に示されるように、仕切壁213のうち扉部214を開く際に扉部214が収容される戸袋部215の、扉部214が開閉する方向の端部に配されていてもよい。また、図16(a)に示されるように、扉部214が開いた際に、扉部214の一部が戸袋部215に収容されない場合がある。この場合、収容されない扉部214の一部の側面が、上述の改札機211の通路240側の側面と同様に、テラヘルツ波を反射する反射面を構成していてもよい。これによって、照明部202a、202bから照射されるテラヘルツ波を、より効率的に利用できる可能性がある。また、鉄道車両218の車体が、テラヘルツ波を反射する反射面として利用されてもよい。仕切壁213の扉部214が開かれ、通路241が形成される際は、鉄道車両218が、入線している場合でありうる。また、鉄道車両218の車体は金属で構成されうる。このため、テラヘルツ波を反射する反射面として、鉄道車両218の車体を使用することが可能である。
また、カメラ203a、203bは、図16(b)に示されるように、ポール220などの構造物に取り付けられていてもよい。また、カメラ203aまたはカメラ203bとして、図16(b)に示されるように、複数の撮影装置が用いられていてもよい。カメラ203a、203bは、例えば、図16(b)に示されるように、検査対象250の腰の高さや、検査対象250よりも高い位置に配されていてもよい。カメラ203a、203bを高い位置に配することによって、検査対象250の前後間隔が詰まってしまった場合であっても、カメラ203a、203bが低い位置に配されるよりも一人ずつ画像を取得できる可能性が高くなる。また、カメラ203a、203bを通路241に対して角度をつけて配することによって、検査対象250の正面および背面の画像を取得できる可能性が高くなる。
照明部202a、202bおよびカメラ203a、203bの配置は、図16(a)、16(b)に示される構成に限られることはない。例えば、図17(a)〜17(c)に示されるように、照明部202a、202bが、ポール220のような構造物に取り付けられていてもよい。このとき、図17(a)、17(b)に示されるように、照明部202とカメラ203とは、別々のポール220a、220bに取り付けられていてもよい。また、例えば、図17(c)に示されるように、照明部202とカメラ203とが、同じポール220に取り付けられていてもよい。
上述のように、撮像システム201を監視カメラとして用いる場合、検査対象250である人は一人ずつ撮影できた方が、画像処理などの後処理の負担を低減できうる。したがって、カメラシステム200に含まれる撮像システム201は、一人ずつ整列して乗車を行う新幹線や特急列車が停車する駅に設置された仕切壁213に適用されてもよい。この場合、新幹線や特急列車に使用される鉄道車両218のドア219の幅は700mm〜1000mm程度である。したがって、図16(a)、17(a)に示される構成において、照明部202とカメラ203との最大の距離を例えば1100mm以上かつ2000mm以下程度まで狭めることができる。これによって、照明部202から照射されるテラヘルツ波を効率よく利用することが可能となりうる。また、新幹線や特急列車は、列車の編成が固定されている場合が多い。したがって、扉部214の大きさを鉄道車両218のドア219の大きさに応じて変化させることができる。このため、例えば、幅が狭いドア219(例えば、700mm)に対応する扉部214に隣接する照明部202とカメラ203との距離は、例えば、700mm以上かつ1000mm以下としてもよい。また、この場合、照明部202とカメラ203との最大の距離は、例えば、850mm以上であってもよい。
また、例えば、通勤電車などの鉄道の駅の仕切壁213に、撮像システム201を適用してもよい。この場合、混雑時以外は、一人ずつ画像を取得できる可能性がある。また、複数の検査対象250が同時に乗車または下車する場合であっても、検査対象250は、2〜3列に整列して乗車する場合が多い。カメラシステム200が備えるプロセッサなどを用いた画像処理などによって、それぞれの検査対象250を判別することができる。また、通勤電車などにおいて、ドアの幅は1300mm〜2000mm程度である。このため、図16(a)、17(a)に示される構成において、照明部202とカメラ203との最大の距離を例えば1500mm以上かつ3000mm以下としてもよい。また、照明部202とカメラ203との間の距離に応じて、照明部202から照射されるテラヘルツ波の出力を変化させてもよい。この場合、照明部202とカメラ203との距離が長い照明部202の方が、短い照明部よりも高い出力でテラヘルツ波を照射してもよい。
また、プラットホーム216は、屋外に配される場合がある。このため、プラットホーム216または線路側領域217に配された撮像システム201は、外部環境の影響を受けやすい。テラヘルツ波は、水に吸収されやすく、例えば、降雨のような湿度が高い環境では十分な画像が得られない可能性がある。そこで、撮像システム201は、図16(b)に示されるように、外部環境を検出するセンサ261を備えていてもよい。照明部202は、センサ261の出力に基づいて制御される。例えば、センサ260が、湿度の情報を検出し、湿度が高い場合、照明部202が、テラヘルツ波を照射する出力を上げてもよい。これによって、カメラ203で取得される画像の画質が向上しうる。
また、例えば、照明部202やカメラ203が、鉄道車両218の車体に取り付けられていてもよい。つまり、カメラシステム200は、鉄道車両218に搭載された照明部やカメラを含んでいてもよい。この場合、カメラシステム200は、駅に配される撮像システム201と、鉄道車両218に含まれる照明部やカメラを含む撮像システムと、の間の通信部を含みうる。
また、例えば、照明部202およびカメラ203が、仕切壁213の扉部214が開くことによって、動作を開始してもよい。例えば、撮像システム201が、扉部214の動作と連動していてもよいし、扉部214が開いたことを検出するセンサを含んでいてもよい。これによって、撮像システム201での電力消費を抑制できる。
次いで、図18(a)、18(b)を用いて、撮像システム201をエスカレータ221に適用する例を説明する。図18(a)、18(b)は、本発明のカメラシステム200に含まれる撮像システム201が配されたエスカレータ221の構成例を示す側面図および上面図である。
撮像システム201は、エスカレータ221を通過する検査対象250の画像を取得するために、エスカレータ221に隣接して配される。図18(a)に示される構成において、撮像システム201は、照明部202とカメラ203とを含む。照明部202が、複数の照明装置を含んでいてもよいし、カメラ203が、複数の撮影装置を含んでいてもよい。また、照明部202、カメラ203は、図18(a)に示されるように、別々のポール220などの構造物に配されていてもよいし、同じポール220などの構造物に配されていてもよい。例えば、照明部202およびカメラ203は、図18(a)に示されるように、エスカレータ221の進行方向とは反対の方向に向かい照明および撮影を行うように配されていてもよい。これによって、検査対象250の正面側の画像を取得できる。
また、例えば、図18(b)に示されるように、照明部202とカメラ203とが、エスカレータ221の進行方向と交差する方向に、エスカレータ221を挟んで配されていてもよい。上述の改札機211aに配される照明部202および改札機211bに配されるカメラ203と同様の効果を得ることができる。また、このとき、照明部202aおよびカメラ203aは、エスカレータ221の進行方向とは反対の方向に向かい照明および撮影を行うように配され、照明部202bおよびカメラ203bは、221エスカレータの進行方向に向かい照明および撮影を行うように配されていてもよい。これによって、検査対象250の正面側だけでなく、背面側も撮影することができる。
また、上述のように、撮像システム201を監視カメラとして用いる場合、検査対象250である人は一人ずつ撮影できた方が、好都合な場合がある。エスカレータ221は、一定の速度で稼働するため、検査対象250の画像を一人ずつ取得できる可能性が高い。また、図18(a)に示されるように、エスカレータ221には段差があり、カメラ203を高い位置に配することによって、さらに、一人ずつ画像を取得できる可能性が高くなる。また、エスカレータ221では、通常、検査対象250は、1列または2列に整列する。例えば、2列に整列するエスカレータ221の場合、2つのカメラ203を用いて検査対象250の画像を取得してもよい。これによって、一人ずつ画像を取得できる可能性が高くなる。結果として、カメラシステム200の撮像システム201の後段での画像処理の負担が低減しうる。
また、上述のように、テラヘルツ波は、樹脂などを透過することができる。このため、照明部202やカメラ203は、エスカレータ221が配される部分の床や壁、天井などに埋め込まれていてもよい。例えば、照明部202が、エスカレータ221のデッキボードなどに通常の照明と合わせて設置されていてもよい。
次いで、図19(a)、19(b)を用いて、撮像システム201を階段222に適用する例を説明する。図19(a)、19(b)は、本発明のカメラシステム200に含まれる撮像システム201が配された階段222の構成例を示す上面図および断面図である。
撮像システム201は、階段222を通過する検査対象250の画像を取得するために、階段222に配される。図19(a)、19(b)に示される構成において、撮像システム201は、照明部202およびカメラ203を含む。照明部202およびカメラ203は、階段222に埋め込まれ、階段222の蹴込部223の窓224から検査対象250を照明および撮影するように配される。図19(a)、19(b)に示されるように、照明部202およびカメラ203は、階段222のうち同じ蹴込部223に配されうる。
階段222は、検査対象250である人が、1段(または、2段程度)ずつ上り下りするため、検査対象250の頭(または足)から足(または頭)まで、順々に画像を取得することが可能である。
階段222の蹴込部223に設けられる窓224は、上述のように、テラヘルツ波を透過する各種の樹脂が使用されうる。階段222の撮像システム201が配されない蹴込部223や踏板部225に使用される材料に応じて、適当な樹脂材料を選択することによって、撮像システム201を目立たなくする(存在を隠す)ことが可能である。
次いで、図20(a)、20(b)を用いて、撮像システム201を通路242に適用する例を説明する。図20(a)、20(b)は、本発明のカメラシステム200に含まれる撮像システム201が配された通路242の構成例を示す側面図である。
撮像システム201は、通路242を通過する検査対象250の画像を取得するために、通路242に配される。撮像システム201は、照明部202およびカメラ203を含む。このとき、照明部202およびカメラ203のうち一方が、通路242の天井227に配され、照明部202およびカメラ203のうち他方が、通路242の床226に埋め込まれている。図20(a)、20(b)に示される構成において、カメラ203が、通路242の天井227に配され、照明部202が通路242の床226に埋め込まれているが、これに限られることはない。照明部202が、通路242の天井227に配され、カメラ203が通路242の床226に埋め込まれていてもよい。
図20(a)、20(b)に示される構成において、照明部202aおよびカメラ203aは、通路242の通行方向の一方の側から他方の側に向かい照明および撮影を行うように配されている。また、照明部202bおよびカメラ203bは、通路242の通行方向の他方の側から一方の側に向かい照明および撮影を行うように配されている。これによって、通路242の2つの通行方向の両方に進む検査対象250の正面側および背面側の画像を取得することができる。しかしながら、これに限られることはなく、通路242に照明部202aとカメラ203aだけが配される構成であってもよい。
図20(b)は、カメラ203a、203bが、通路242の天井227に埋め込まれた例を示している。これによって、カメラ203a、203bを、図20(a)に示されるように、天井227から吊り下げる場合と比較して、目立たなくする(存在を隠す)ことが可能である。また、図20(a)に示す構成よりも、図20(b)に示す構成のほうが、検査対象250の進行方向に対して、急な角度で照明部202やカメラ203の光軸が設定されている。図20(a)、20(b)に示される点線のように、光軸の角度を急にすることによって、検査対象250の画像を一人ずつ取得できる可能性が高くなりうる。
また、図20(a)、20(b)に示される構成において、照明部202とカメラ203との一方が床226に配され、他方が天井227に配される。上述のように、テラヘルツ波は、検査対象250において鏡面反射しうる。このため、照明部202とカメラ203とが、対向するように配されている方が、照明部202から照射されるテラヘルツ波をカメラ203で検出しやすくなる可能性がある。
しかしながら、通路242における照明部202とカメラ203との配置は、図20(a)、20(b)に示される構成に限られることはない。例えば、照明部202、カメラ203が、通路242の側壁などに配されていてもよい。また、照明部202、カメラ203の両方が、床226または天井227に配されていてもよい。この場合、照明部202、カメラ203が配されない床226や天井227が、テラヘルツ波を反射する反射面として機能してもよい。例えば、通路242の照明部202やカメラ203のテラヘルツ波を通す窓となる部分を除く内装全体が、テラヘルツ波を反射する反射面として機能してもよい。また、例えば、照明部202が、複数の照明装置を含んでいてもよい。この場合、照明部202に含まれる複数の照明装置は、床226、天井227、側壁など適当な場所に適当な数、それぞれ配されていてもよい。
また、上述のように階段222や通路242に撮像システム201を配する場合、複数のカメラ203が、階段222や通路242の幅方向に配されていてもよい。これによって、検査対象250を一人ずつ撮影できる可能性が高くなる。また、階段222や通路242のうち幅が狭くなる部分に撮像システム201を配してもよい。階段222や通路242の幅が狭くなる部分は、検査対象250が整列しやすい。
図21は、カメラシステム200に含まれる撮像システム201が配された駅245の構成例を示す図である。上述したように、撮像システム201は、改札口の改札機211、通路242、エスカレータ221、階段222、仕切壁213などに配されうる。また、本実施形態のカメラシステム200に含まれる照明部202およびカメラ203を備える撮像システム201の配置場所は、上述の各所に限られることはない。例えば、トイレの入り口や手洗い場など、検査対象250の画像が一人ずつ取得可能と考えられる他の場所に配されていてもよい。また、通常の可視光の監視カメラなどが設置された場所に、テラヘルツ波を用いた画像を取得する上述の照明部202、カメラ203を含む撮像システム201が配されていてもよい。
また、本実施形態のカメラシステム200は、鉄道車両218と連動して図21に示す検査対象250を監視することができる。図22にカメラシステム200が、鉄道車両218と連動して検査対象250を監視する監視システムの構成例を示す。カメラシステム200は、駅に配された上述の撮像システム201の他に、統括システム310および通信部315を備えうる。統括システム310は、撮像システム201から出力された信号の処理を行う。該処理は、検査対象250に関する危険度を決定することを含みうる。該処理は、所定の危険度を有する検査対象250の位置を特定することを含みうる。あるいは、該処理は、所定の危険度を有する検査対象250が、改札機211を通過した際に改札機211に通したチケットなどから、鉄道車両218に乗車した検査対象250の座席を特定することを含みうる。統括システム310は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、または、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)などのプロセッサ、または、プログラムが組み込まれた汎用又は専用のコンピュータ、または、これらの全部または一部の組み合わせによって構成されうる。
統括システム310は、検査対象250の特徴情報と、該特徴情報に対応する特徴を有する旅客に割り当てられた座席情報とを対応付ける対応情報と、に基づいて検査対象250の特定しうる。該特徴情報は、撮像システム201によって得られた画像から統括システム310によって抽出される情報でありうる。該特徴情報は、例えば、撮像システム201によって得られた画像から抽出される部分画像の形状、大きさなどに基づいて特定される特徴量であってもよいし、危険物の種類を特定する情報であってもよいし、他の特徴を示す情報であってもよい。あるいは、該特徴情報は、上記の危険度を示す情報であってもよい。撮像システム201によって取得された画像からの部分画像の抽出は、例えば、所定輝度を超える輝度を有する部分を抽出することを含みうる。該特徴情報の抽出には、AI(人工知能)が利用されうる。より具体的には、ディープラーニングを経たAI(人工知能)が統括システム310に組み込まれ、該AIによって特徴情報が抽出されうる。例えば、カメラ203によって撮像される画像中の危険度を示す情報は、カメラ203の位置および向きによって現れ方が異なる。したがって、複数のカメラ203によって撮像された画像に基づいてディープラーニングが実行されうる。
統括システム310は、上記の処理の結果を予め設定された端末320に対して通信部315を介して送信しうる。端末320は、例えば、鉄道車両218に乗車する車掌などが携帯しうる。端末320は、鉄道車両218に乗車する者以外が携帯する端末、駅等に配置された警備室に設けられた端末、警察署等の行政機関に設けられた端末等を含んでもよい。
撮像システム201は、改札機211を通る検査対象250の画像を取得し、得られた画像を含む統括システム310に送信しうる。統括システム310は、撮像システム201から受信した画像に基づいて検査対象の危険度を決定しうる。また、統括システム310は、撮像システム201から受信した画像から検査対象の特徴情報を抽出しうる。
統括システム310は、撮像システム201から受信した画像から抽出される検査対象250の特徴情報と、改札機211によって読み取られた座席情報とを対応付ける対応情報を生成する。例えば、特徴情報は、銃器の所持を強く示唆する情報であり、座席情報は、当該銃器を所持する検査対象250が所持するチケットから改札機211によって読み取られた座席情報でありうる。この対応情報は、統括システム310から鉄道車両218の端末320に送信されうる。特徴情報は、検査対象250のIDを識別する情報(すなわち、個人を特定する情報)を含んでもよい。撮像システム201は、可視光カメラを含んでいてもよく、検査対象250の可視光画像、さらには、可視光画像からAIなどによって検査対象250のIDが識別されうる。所定の危険度を有する検査対象の可視光画像は、上記の対応情報とともに鉄道車両218に送信され、さらに端末320に送信されうる。ここでは、改札機211に配された撮像システム201によって、検査対象250の画像を取得する場合を説明したが、仕切壁213やエスカレータ221、階段222、通路242に配された撮像システム201から得られた画像をもとに、検査対象250の追跡の開始および追跡を続行してもよい。また、改札機211に配された撮像システム201で得られた画像から検査対象250の追跡を開始し、その後、可視光を用いた監視カメラを用いて検査対象250の追跡を続行してもよい。
以下、テラヘルツ波を使う検査に有利な処理システムに関して説明する。以下の説明において、テラヘルツ波は30GHzから30THzの周波数範囲の電磁波を含みうる。また、電磁波の概念には、可視光、赤外光やミリ波などの電波が含まれうる。
(第1実施例)
実施例1に係る処理システム401の概略を図23により説明する。処理システム401は、第1の照明源404と第1のカメラ402を含む第1撮像システムと、第2のカメラ405を含む第2撮像システムと、前処理部406及び後処理部407を含むプロセッサとを含む。
第1撮像システムの第1のカメラ402は第1の照明源404が放射する第1波長のテラヘルツ波403に基づいて第1画像を取得する。第1の照明源404から放射されたテラヘルツ波403は検査対象410を照射する。テラヘルツ波403は検査対象410が着衣の人である場合、着衣の繊維を透過し、検査対象410が保持する金属やセラミックスにより反射される。また、特定の物質、例えば爆発物であるRDX(トリメチレントリニトロアミン)は、特定の波長、例えば0.8THz付近のテラヘルツ波を吸収することが知られており、そのために反射波が減少する。これらの反射波に基づいて第1のカメラ402により第1画像が取得される。
第2撮像システムの第2のカメラ405は第1の照明源404から放射されるテラヘルツ波と異なる波長の電磁波から第2画像を取得する。異なる波長の電磁波には可視光、赤外光、ミリ波を使用することができる。赤外光を使用する場合は、第1の照明源404とは異なる照明源(不図示)を用意してもよい。第2のカメラ405により取得された第2画像は前処理部406で画像処理される。前処理部406は第2画像から検査領域を検出する処理を行う。
検査領域の検出は、第2画像が可視光により取得され場合であって検査対象410が人の場合には、検査領域としては、着衣の特定の部分を検出して行ってもよい。検査領域は、機械学習によりモデルを作成しておき、モデルによって撮像された第2画像の領域を分類することにより特定してもよい。またデータベース409に格納した物の形状の情報に基づいて領域を特定してもよい。第2画像がミリ波により取得される場合は、画像における強度分布が所定の閾値より高い部分や強度差が大きい部分を検査領域として検出してもよい。また、赤外光を第2画像の取得に使用する場合は、水分による赤外光の放射の少ない部分や暗視により検出された画像から着衣の特定に部分を検査領域として検出してもよい。赤外光やミリ波を使用することにより暗い場所や天候によって見通しが悪い場合でも検査領域を検出することができる。着衣の画像から検査領域を検出する場合、着衣の不自然な膨らみの部分や人の胸部や着衣のポケット部分を検査領域として検出してもよい。
図24に基づき、プロセッサによる検査対象410の検査について説明する。前処理部406は第2のカメラ405により取得された第2画像から(S421)、上記に説明した方法で検査領域を検出する(S422、S423)。後処理部407は、第2画像から検出された検査領域に対応する第1画像の領域の情報に対して画像データの処理を行う(S425)。第1画像は第1のカメラ402によりテラヘルツ波により取得された画像であり(S424)、着衣などを透視して得られた画像である。着衣の下に金属やセラミックの物があれば、反射波からの画像を得ることができる。したがって、第1画像を処理することにより物の形状を検出することができる。第2画像から検査領域を検出した後、第1画像における検査領域に対応する領域を、第1画像と第2画像とを比較して選択する。その後の第1画像に対する画像処理は、第2画像から検出された検査領域に対応する領域に対して行われる。第1画像から検査領域に対応する領域を選択して画像処理を行うことにより、不必要な情報を減らして処理を行うことができる。このために、画像データ全体を処理するよりも処理の負担を軽減でき、高速化を図ることができる。そのために検査対象410が移動している場合でも、移動する短い距離、短い時間の間に複数回にわたり第1画像から特徴を検出できる。判定部408は複数の検出した特徴に基づき、着衣の下の物を推定する(S426)。複数の特徴は物の一部分であってもよい。判定部408はデータベース409のデータに基づいて第1画像から検出された物の形状を分類して行われてもよい。分類は、機械学習によって作成されたモデルによって行ってもよい。検査対象410が移動する場合や検査対象とカメラとの位置関係により、画像から得られる形状の情報が物の一部分になってしまうことが考えられる。その場合でも複数の特徴の情報に基づいて、特徴を分類し、結果を複数、蓄積し、蓄積された分類結果に基づいて判定を行うことにより、推定の精度を向上できる(S427)。本処理システムをセキュリティ監視システムに使用する場合は、検査対象410に対する分類結果の蓄積から検査領域に検出された物の危険度を判定する(S428)。判定は、分類の蓄積結果に基づく判定を機械学習によるモデルに基づいて行ってもよい。検査対象410が危険物を保持していると判定される場合は、当該検査対象410が危険物を保持している旨を外部へ通知できる。例えば、検査対象410が、処理システムが配置されたゲートを通過した際に警告を処理システムから外部へ通知してもよい。検査対象410がチケットを投入して改札口を通過する場合には、当該チケットと検査対象410とをひも付して、検査対象410が要監視対象であることを通知してもよい。また、第2画像が可視光による場合には、第2画像と第1画像とを重ねた画像をモニタに表示することにより、検査対象410を分かりやすく表示することもできる。
(第2実施例)
本実施例は第2撮像システムにテラヘルツ波を放射する第2の照明源411を設けた例である。本実施例について図25により説明する。第2の照明源411は、第1の照明源404とは異なる第2波長のテラヘルツ波を発生する照明源である。第1実施例で述べたように、特定の波長のテラヘルツ波を吸収する特定の物質が知られている。そこで、第1の照明源404から特定の物質が吸収しやすい波長である、第1波長のテラヘルツ波(例えば爆発物であるRDXの場合、約0.8THz)を検査対象410に対して放射する。検査対象410が第1波長のテラヘルツ波を吸収しやすい性質を持つ物質を所持していると、所持している部分の反射が少なくなる。一方、第2の照明源411から発生する第2波長のテラヘルツ波は特定の物質による吸収が少ない波長(例えば約0.5THz)を選択しておけば、特定の物質は第2波長のテラヘルツ波を反射する。同じ検査領域について、特定の物質からの反射波の違いを利用して物質を特定することができる。
図26に基づき、本実施例の処理について説明する。前処理部406は、第2波長のテラヘルツ波により取得された第2画像における反射の大きい領域を検査領域として検出する(S431,S432)。後処理部407は、第1のカメラ402により撮像された第1波長のテラヘルツ波に基づく第1画像(S434)を取得し、第2画像から検出された検査領域に対応する第1画像の領域について画像データの処理を開始する。例えば、後処理部407は、第2画像における検査領域の情報と、第1画像における検査領域と対応する領域の情報との差分を計算する(S435)。
第2画像と第1画像とで同程度の反射及び吸収があった部分のデータは、両者の情報の差分を計算することによりほぼキャンセルされる。しかし、第1波長と第2波長とで反射、吸収率が異なる部分のデータは両者の差分を計算することによってもキャンセルされない。このようにテラヘルツ波の物質による吸収率の違いを利用して検査領域の物質のスペクトル分析を行うことができる。このスペクトル分析を利用することにより物質の種類を推定することができる。また、着衣による散乱や反射はキャンセルされるので、得られた画像情報から衣服等からの不要な信号を軽減することができ、画像の信号雑音比が改善できる。
第1波長に対し吸収しやすい物質を検査者が保持している場合、第1波長と第2波長との吸収率の差から、検査領域において検出された物質を分類することができる(S436)。分類は、特定の物質と波長との関係をデータベース409に保持しておき、データベース409に基づいて判定部408が行うことができる。機械学習によって作成したモデルを使用して判定部408が分類を行ってもよい。以上のようにして、検査対象410が特定の波長を吸収する物質を保持していることを推定することができる。特定の波長のテラヘルツ波を吸収する物質の中には危険物が有ることが知られている。スペクトル分析によって危険物の存在を推定することができる。複数回のスペクトル分析の結果を蓄積して、検出の精度を高めることができる(S437)。
こうして検査対象410が危険物を保持している可能性があることが判定される(S438)。この判定は、分類の蓄積結果に基づく判定を機械学習によるモデルに基づいて行ってもよい。危険物を保持していると判定される場合は、当該検査対象410が危険物を保持している旨を外部へ通知する。例えば、検査対象410が、処理システムが配置されたゲートを通過する場合に警告を通知したり、検査対象410の人がチケットを投入して改札口を通過する場合には、当該チケットと検査対象410とをひも付して、その人を要監視対象として外部へ通知してもよい。第2の照明源411の放射するテラヘルツ波の波長は検出したい物質の吸収スペクトルに合わせて、3以上の複数波長のテラヘルツ波を放射できる複数の照明源を組み合わせてもよい。
(第3実施例)
本実施例は第2撮像システムにより撮像された第2画像における特定領域を検出することに基づいて、制御部412を制御して第1撮像システムの第1の照明源404や第1のカメラ402を制御する例である。図27、図28により本実施例について説明する。
第2撮像システムの第2のカメラ402は第1の照明源404から放射されるテラヘルツ波と異なる波長の電磁波から第2画像を取得する。異なる波長の電磁波には可視光、赤外光、ミリ波を使用することができる。第2のカメラ405により取得された第2画像は前処理部406で画像処理される。前処理部406は第2画像から検査領域を検出する(S452,S453)。検査領域の検出は第1実施例に記載したように行われる。
第2画像から検出した検査領域の位置や範囲、検査領域の状態に応じ、第1カメラの姿勢の制御、取得した画像に対するゲインの制御、ズーミングやトリミングなどの撮像範囲や画角の制御を行う(S454)。検査領域からの反射信号の強度や検査領域の対象物に応じて、第1の照明源404から放射されるテラヘルツ波の出力レベルや波長を変更してもよい。このように制御することにより、検査の精度を高めることができる。制御部412により制御された第1撮像システムは第1波長のテラヘルツ波に基づいて第1画像を取得する(S455)。
後処理部407は、取得された第1画像に基づいて検査領域の処理を行う(S456)。その後判定部408が物の判定と分類を行う(S457,S458、S459)。処理システムがセキュリティ監視システムの場合は、分類結果の蓄積から危険度が判定され、検査対象410が危険物を保持していると判定される場合は、当該検査対象410が危険物を保持している旨が外部へ通知される。検査対象410が、処理システムが配置されたゲートを通過する場合に警告を通知したり、検査対象410がチケットを投入して改札口を通過する場合には、当該チケットと検査対象410とをひも付して、要監視対象としてもよい。
(第4実施例)
本実施例は、処理部の周囲の湿度を監視する環境監視部413を設ける例である。図29により本実施例の説明をする。テラヘルツ波は水蒸気により吸収されやすいが、波長の長いテラヘルツ波の方が水蒸気による影響を受けにくい。そこで、環境監視部413を設け、湿度を測定し、周囲環境の影響を受けにくいように撮像システムを制御する。
具体的には、環境監視部413が、湿度が高くなったことを検出した場合は、第1の照明源402の放射するテラヘルツ波403の波長を、現在使用している波長より長い波長に切り替える。また、湿度に応じて水蒸気の影響を受けにくい波長(例えば波長1.2mmや0.75mm付近に存在する特異的に大気の減衰が少ない領域)に切り替えてもよい。テラヘルツ波の波長が長くなることによりカメラで撮像される画像の解像度は低下するが、水蒸気の影響を軽減して検査を継続することができる。
(第5実施例)
本実施例は異なる波長のテラヘルツ波により撮像を行う例である。第1画像を撮像するときよりも、波長の長い第2波長のテラヘルツ波を使って第2画像を取得し、第2画像から検査領域を検出する。検査領域は、機械学習により作成したモデルを使って所定の形状の物がある領域や所定の波長の反射波のスペクトルの変化した領域を検査領域としてもよい。
本実施例について図30により説明する。第2画像から検出された検査領域に基づいて、第1画像の、検査領域に対応する領域の画像データの処理を行う。照明源404から発生する第1波長のテラヘルツ波で撮像された第1画像は撮像1であり、照明源411から発生する第2波長で撮像された第2画像は撮像2である。撮像1は撮像2より波長の短いテラヘルツ波を使用して取得されるので解像度が高く情報量も多い。したがってテラヘルツ波により取得された画像から検査対象410が保持する物の形状がはっきりしている。ただし、波長の短いテラヘルツ波を使用するため被写体深度が浅く、検査対象410の姿勢の変化に敏感となる。
詳細には、検査対象410の姿勢によっては、検査対象410が保持する物の形状について、部分的な形状を取得することになる。一方、撮像2による画像では、テラヘルツ波の波長が長いため、撮像1と比較して分解能が低下し、物の形状が不鮮明である。ただし、波長の長いテラヘルツ波を使用するため被写体深度が深く、検査対象410の姿勢の変化に鈍感となる。詳細には、検査対象410の姿勢に依らず、検査対象410が保持する物の全体的な形状を取得することになる。解像度が低い撮像2を処理して、検査対象410が保持する物の位置を特定し、この検出された検査領域に基づいて撮像1のデータを処理することにより、処理の負担を減らし、処理を高速に行うことができる。そのために検査対象410が移動している場合でも、移動する短い距離、短い時間の間に複数回にわたり検査対象410の特徴を検出でき、検出した特徴に基づき、着衣の下の物を推定することができる。
また、異なる2つの波長のテラヘルツ波で撮像された撮像1と撮像2との差分を計算することにより着衣による反射はキャンセルされ、得られた画像情報からノイズを軽減することができる。詳細には、衣服全体からの反射は散乱が主成分となるため強度差が少なく、検査対象410の姿勢の変化に鈍感となる(取得される画像に対し、全体的にランダムノイズが付与されるような形になる)。そのため、撮像1と撮像2の差分像を計算することで、衣服の信号はキャンセルされる。さらに差分を計算することにより、透過された物質の持つ波長に対するテラヘルツ波の吸収率の違いに基づく画像を得ることができる。したがって、第1画像と第2画像の差分から金属やセラミック以外を成分に持つ物の形状を検出することもできる。
検査領域にある物の推定は、判定部408により、撮像1から検出された物の形状を分類して行われる。検査対象410が移動する場合は画像から得られる物の形状が部分的になってしまうことが多いので、分類結果を複数、蓄積し、蓄積された分類結果に基づいて判定を行うことにより、判定の精度の向上が図れる。セキュリティ監視システムの場合は、分類結果の蓄積から危険度が判定され、検査対象410が危険物を保持していると判定される場合は、当該検査対象410が危険物を保持している旨を通知する。例えば、検査対象410が、処理システムが配置されたゲートを通過する場合に警告を通知したり、チケットを投入して改札口を通過する場合には、当該チケットと検査対象410とをひも付して、検査対象410を要監視対象としてもよい。
(第6実施例)
処理システムの応用例について図31及び図32により説明をする。図31は車両などの出入り口414の一方の側に第1波長のテラヘルツ波の第1の照明源404、第1波長と異なる第2波長の第2の照明源411を配置した例である。出入り口414の他方の側には、第1波長のテラヘルツに基づく撮像を行う第1のカメラ402、可視光、赤外光、ミリ波のいずれかに基づき撮像を行う第2のカメラ405−1、第2波長のテラヘルツに基づく撮像を行う第2のカメラ405−2を配置する。これらのカメラと照明源との組み合わせにより実施例1〜5で説明した検査に関する処理を組み合わせて行うこともできる。
第2のカメラ405−1により検査対象410を追跡し、第1のカメラ402の姿勢や画角の制御を行うことができる。テラヘルツ波に基づく撮像を行う第2のカメラ405−2が撮像に使用するテラヘルツ波の波長を物質の吸収率に合わせることにより、スペクトル分析を行うことができる。また、第2のカメラ405−1、405−2を検査領域の検出に使用することにより、第1のカメラ402で撮像した第1画像に対する処理負担を軽減することもできる。
さらにテラヘルツ波の波長に対する物質の持つ吸収率の違いを利用して、金属やセラミック以外の物質を成分に持つ物の形状を検出することもできる。本実施例では、第2のカメラ405には可視光、赤外光、ミリ波用と第2波長のテラヘルツ波用とを使用しているが、第2のカメラは可視光、赤外光、ミリ波用またはテラヘルツ用の内のいずれか1種類だけでもよい。照明源やカメラは目立たないように壁面、天井や床面などに埋め込んで配置することもできる。出入り口414の左右両側に照明源とカメラとをそれぞれ配置してもよい。照明源とカメラを出入り口414付近に設けることにより、複数の検査対象410が重なる状況が軽減され、検査の精度の向上が図れる。
駅の改札口に設置された改札機415付近に処理システムを配置した例について図32により説明する。改札機415の一方の側に第1波長のテラヘルツ波の第1の照明源404、第1波長と異なる第2波長の照明源411を配置する。改札機415の他方の側には、第1波長のテラヘルツに基づく撮像を行う第1のカメラ402、可視光、赤外光、ミリ波のいずれかに基づき撮像を行う第2のカメラ405−1、第2波長のテラヘルツに基づく撮像を行う第2のカメラ405−2を配置する。処理システムを改札機415付近に配置することにより複数の検査対象410が重なる状況が軽減され、検査の精度の向上が図れる。
処理システムの動作の開始は、本処理システムとは別に設けたセンサによる検査対象410の動きの検出や、車両のドアの開閉、改札機415へのチケットの投入などに応じて行われてもよい。
次いで、カメラシステム200の動作について、図33を用いて説明する。図33は、本実施形態に係るカメラシステム200の動作の一例を示す図である。カメラシステム200の構成については、上述の実施形態の構成を適用することができる。本実施形態では、カメラシステム200によって、テラヘルツ波に基づく画像(テラヘルツ画像と呼ぶ場合がある。)を取得したのちの動作を説明する。図33では、カメラシステム200は、取得した画像を評価し、所望の品質に達していない場合には、再度、撮影する動作(再撮影)を行う。
まず、S1001において、照明部202が、所望の条件でテラヘルツ波を検査対象250に向かって照射する。次いで、S1002において、カメラ203が、検査対象250にて反射したテラヘルツ波を検出し、テラヘルツ波に基づく情報を取得する。S1003では、制御部においてテラヘルツ波に基づく情報から画像に変換する処理が行われる。ここで、制御部とは、例えば、前述の統括システム310でありうる。
次に、制御部は、取得したテラヘルツ画像の画質を評価する(S1004)。評価項目は、検査対象250に応じた適切なテラヘルツ画像が取得できているか否か、テラヘルツ画像から物品が検出可能な画質か否かなどの項目を適宜設定することができる。画質評価にて、所望の画質を満たしていない場合、カメラシステム200は、S1005の動作を行う。S1005では、制御部から照明部202へ照射するテラヘルツ波のパワーを上げる、波長を変更する制御信号が供給される。そして、再度、照明部202は、テラヘルツ波の照射(S1001)を行う。このような一連の動作によって、所望の物品を適切に検出することが可能となる。
なお、画像評価において、制御部が所望の画質が得られていると判断した場合、制御部は、検出された物品の有無、場合によっては物品の種別を判定する(S1006)。物品が検出された場合、制御部は、監視システムにアラートを表示させる、または、制御部は、リスクが高い物品あるいは人物としてフラグを付与するなどの動作を行うような指示を出力する(S1007)。物品が検出されなかった場合、制御部は、リスクが低い確認済みの人物としてフラグ付与を行ってもよい(S1008)。
この一連の動作について、照明部202とカメラ203とは、次のような組み合わせで使用できる。まず、1回目の撮影で用いた照明部202とカメラ203とがあった場合、2回目以降の撮影において、同一の照明部202と同一のカメラ203とを用いて撮影が行われてもよい。また、1回目の撮影で用いた照明部202とカメラ203とがあった場合、2回目以降の撮影において、1回目の撮影と同一の照明部202と1回目の撮影とは別のカメラ203とを用いて撮影が行われてもよい。さらに、1回目の撮影で用いた照明部202とカメラ203とがあった場合、2回目以降の撮影において、1回目の撮影と別の照明部202と1回目の撮影と同一のカメラとを用いて撮影が行われてもよい。また、さらに、1回目の撮影で用いた照明部202とカメラ203とがあった場合、2回目以降の撮影において、1回目の撮影とは別の照明部202およびカメラ203とを用いて撮影が行われてもよい。
次に、図34を用いて、カメラシステム200の別の動作について説明する。本例では、鉄道車両の乗降ドア、客室への入室ドア、ホームドアの開閉と同期して撮影する動作を説明する。図34は、ドアと同期して撮影する動作を示した図である。本実施形態においても、制御部は、例えば、前述の統括システム310でありうる。他の実施形態と同様な構成および動作については説明を省略する。また、ドアとは、例えば、図16〜17に示される鉄道車両218のドア219や扉部214でありうる。
まず、カメラシステム200において、照明部202は待機状態となっている(S1101)。このとき、カメラ203も待機状態にしておいてもよい。制御部が、開扉信号の検出を行う(S1102)。制御部が、開扉信号を検出した場合、照明部202へ検査対象250を照射するための制御信号を供給し、カメラ203へ検査対象250を撮影するための制御信号を供給する。制御部からの制御信号に応じて、照明部202は、テラヘルツ波の照射を開始する(S1103)。照明部202による照明の開始に応じて、カメラ203は、テラヘルツ波の検出を開始する(S1104)。制御部が、開扉信号を検出しない場合、待機状態が維持される(S1101)。S1102において制御部が開扉信号を検出した場合、制御部は、常に閉扉信号を検出可能な状態になる(S1106)。S1106において制御部が閉扉信号を検出した場合、制御部は、照明部202にテラヘルツ波の照射を停止する制御信号を、カメラ203にはテラヘルツ波の検出を停止する制御信号を供給する(S1107、S1108)。ここで、制御部が閉扉信号を検出した際、S1107、S1108の少なくとも一方が行われればよい。閉扉信号の検出がない場合、テラヘルツ波の照射および検出を継続し、カメラシステム200は、撮影を継続する。このドアの開閉状態を監視する一連の動作によって、カメラシステム200としての省電力化が可能である、また、この一連の動作によって、必要なタイミングでの確実な撮影が可能となる。
次に、図34を用いて、カメラシステム200の別の動作について説明する。本例では、改札機211の動作と同期して撮影する場合を説明する。図34は、改札機211と同期して撮影する動作を示した図である。本実施形態においても、制御部は、例えば、前述の統括システム310でありうる。他の実施形態と同様な構成および動作については説明を省略する。
まず、カメラシステム200において、照明部202は待機状態となっている(S1201)。このとき、カメラも待機状態にしておいてもよい。制御部は、改札機211に設けられた扉が開いたことを知らせる開扉信号の検出が可能な状態にある(S1202)。制御部が開扉信号を検出した場合、照明部202がテラヘルツ波の照射を開始する(S1203)。また、照明部202の照明の開始に応じて、カメラ203が、テラヘルツ波の検出を開始する(S1204)。制御部が開扉信号を検出しない場合、待機状態が維持される(S1201)。S1202における開扉信号の検出は、改札機211に入れられた切符によって発せられる信号や、改札機211にICカードなどの切符を接触させることによって発せられる信号、改札機211にてミリ波などを利用することによってICカードなどの切符の有無を検出する信号を用いることができる。このように、改札機211の扉の開閉状態を監視することによって、省電力化が可能である、また、このような動作によって、確実な撮影が可能となる。
次に、図36を用いて、カメラシステム200の別の動作について説明する。本実施形態では、図14Bにて説明したセンサ260を用いた場合の動作について説明する。図36は、改札機211での撮影動作を示したフローチャートである。本実施形態においても、制御部は、例えば、前述の統括システム310でありうる。他の実施形態と同様な構成および動作については説明を省略する。
上述のように、センサ260は、検査対象250を検出する。ここで、センサ260は、例えば、赤外線を用いた人感センサあるいは可視光のカメラであってもよい。まず、カメラシステム200において、照明部202は待機状態となっている(S1301)。このとき、カメラも待機状態にしておいてもよい。次いで、センサ260を用いて、検査対象250の検出が行われる(S1302)。センサ260からの信号は、制御部へ送られる。検査対象250が検出されたと制御部が判断した場合、制御部は、照明部202へ検査対象250を照射するための制御信号を供給する。制御部からの制御信号に応じて、照明部202は、テラヘルツ波の照射を開始する(S1303)。また、制御部は、カメラ203へ検査対象250を撮影するための制御信号を供給する。制御部からの制御信号に応じて、カメラ203は、テラヘルツ波の検出を開始する(S1304)。検査対象250が検出されたと制御部が判断しない場合、待機状態が維持される(S1301)。
本動作によって、省電力化が可能である、また、このような動作によって、確実な撮影が可能となる。本実施形態では、検査対象250が人の場合を説明したが、物であってもよい。また、本構成は、図18に示されるエスカレータ221などにも適用可能である。人感センサを有するエスカレータの場合には、そのセンサを共有して用いることができる。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。