JP2020152818A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020152818A
JP2020152818A JP2019052729A JP2019052729A JP2020152818A JP 2020152818 A JP2020152818 A JP 2020152818A JP 2019052729 A JP2019052729 A JP 2019052729A JP 2019052729 A JP2019052729 A JP 2019052729A JP 2020152818 A JP2020152818 A JP 2020152818A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
curing agent
resin composition
core
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019052729A
Other languages
English (en)
Inventor
貴紀 前田
Takanori Maeda
貴紀 前田
賢三 鬼塚
Kenzo Onizuka
賢三 鬼塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2019052729A priority Critical patent/JP2020152818A/ja
Publication of JP2020152818A publication Critical patent/JP2020152818A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

【課題】本発明は接着性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤とを含み、70℃におけるゲル化時間(GT70)と80℃におけるゲル化時間(GT80)との比(GT70/GT80)が2.5以上である、エポキシ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物は、電子機器、電気電子部品の絶縁材料、封止材料、接着剤、導電性材料等の幅広い用途に利用されている。特に電子機器は、高機能化、小型化、薄型化に伴い、半導体チップの小型集積化、回路の高密度化と共に、生産性の大幅な改善や、電子機器のモバイル用途における可搬性、信頼性の向上等が求められている。
使用時にエポキシ樹脂と硬化剤との二成分を混合して硬化させる、いわゆる二成分系エポキシ樹脂組成物(以下、「二液性エポキシ樹脂組成物」と記載することがある。)において、エポキシ樹脂組成物を硬化させる方法として、液状のアミン系硬化剤を使用する方法が挙げられる。
二液性エポキシ樹脂組成物は、上述のように液状のアミン系硬化剤を使用すると、低温で良好に硬化できる。しかしながら、エポキシ樹脂と硬化剤とを別々に保管する必要があり、使用時に両者を計量した上で迅速かつ均一に混合する必要がある。また、エポキシ樹脂と硬化剤とを一旦混合してしまうと、その後の可使時間が限定されるため、両者を予め大量に混合できない。更に、従来公知の二液性エポキシ樹脂組成物は、保管容易性、取り扱い性、配合頻度(製造効率)、硬化性、及び硬化物の物性の全ての点において実用レベルでの要求を満たすことは困難であり、未だ改良の余地がある。
これらの要求を満たすために、一成分系エポキシ樹脂組成物(以下、「一液性エポキシ樹脂組成物」と記載することがある。)が提案されている。一液性エポキシ樹脂組成物として、例えば、ジシアンジアミド、BF3−アミン錯体、アミン塩、変性イミダゾール化合物等の潜在性硬化剤を、エポキシ樹脂に配合した一液性エポキシ樹脂組成物が挙げられる。このような一液性エポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れている。しかしながら、このような一液性エポキシ樹脂組成物は、硬化性に劣るか、あるいは硬化性に優れていても貯蔵安定性に劣る傾向にある。
これに対し、アミン系硬化剤を含むコアを特定のシェルで被覆したマイクロカプセル型硬化剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、保存安定性と低温短時間硬化とを可能にするため、マイクロカプセル型硬化剤とチオール硬化剤とを併用したエポキシ樹脂組成物も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2016−130287号公報 国際公開2017/057019号広報
特許文献1には、光透過性に優れ、クラック発生の少ない硬化物が得られるエポキシ樹脂組成物が記載されている。特許文献2には、低温短時間硬化が可能であり、さらに接着強度やポットライフに優れたエポキシ樹脂組成物が記載されている。しかしながら、これらの文献に開示されているエポキシ樹脂組成物は、接着性を一層向上させることが求められる。
そこで本発明は、接着性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、70℃と80℃とのゲル化時間の比が一定以上であるエポキシ樹脂組成物は、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤とを含み、
70℃におけるゲル化時間(GT70)と80℃におけるゲル化時間(GT80)との比(GT70/GT80)が2.5以上である、エポキシ樹脂組成物。
[2]
前記エポキシ樹脂硬化剤がポリチオール硬化剤であり、
硬化促進剤をさらに含む、[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[3]
70℃におけるゲル化時間(GT70)が10分以上であり、かつ、80℃におけるゲル化時間(GT80)が5分以下である、[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[4]
70℃におけるゲル化時間(GT70)と80℃におけるゲル化時間(GT80)との比(GT70/GT80)が10.0以下である、[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[5]
前記硬化促進剤がコアシェル構造を有する潜在性硬化剤である、[2]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[6]
前記硬化促進剤のコア中に低分子アミン化合物を有する、[5]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[7]
硬化促進剤のコア中に下記構造式(1)で表されるアミン化合物とエポキシ樹脂との反応物を有する、[5]に記載のエポキシ樹脂組成物。
(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数が1以上8以下のアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、又は、置換されていてもよいベンジル基を示し、X及びZは、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数が1以上8以下のアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいシクロアルキル基、又は、置換されていてもよいベンジル基を示し、nは、0以上8以下の整数を示し、mは、0以上4以下の整数を示す。)
本発明によれば、せん断接着性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。
本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない、本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔エポキシ樹脂組成物〕
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤とを含む。さらに、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、70℃におけるゲル化時間(GT70)と80℃におけるゲル化時間(GT80)との比(GT70/GT80)が2.5以上である。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、上記構成を備えることにより、接着性に優れる。この要因は以下のように考えられるが、要因はこれに限定されない。すなわち、70℃におけるゲル化時間(GT70)と80℃におけるゲル化時間(GT80)との比(GT70/GT80)が2.5以上であるということは、低温での硬化が遅く、高温での硬化が速いことを意味している。低温での硬化が遅いため、配合物の温度が上昇し、配合物の粘度が低下し、硬化剤成分が配合物中に拡散しやすくなるため均一な硬化物が得られやすい。そのため応力を均一に緩和することができるため、接着力が高くなる。また、高温で硬化速度が速いため、高温では十分に硬化が進行するため凝集力が発揮されるため接着力が高くなると考えられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、上記GT70/GT80の下限値は2.5であり、3.0以上であることが好ましく、3.5以上であることがより好ましく、4.0以上であることがさらに好ましい。上記GT70/GT80の上限値は特に限定されないが、10.0以下であることが好ましく、9.5以下であることがより好ましく、9.0以下であることがさらにこのましい。本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、上記GT70/GT80が前記範囲であることにより、接着性に優れる。上記GT70/GT80を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、アミン塩、イミダゾール誘導体などの潜在性硬化剤を使用する方法、コアシェル構造を有する硬化剤又は硬化触媒を使用する方法、並びに、硬化剤及び/又は硬化触媒の使用量を調整する方法が挙げられる。一実施形態として、GT70の値を大きくする方法としては、低温での反応抑制の観点から、硬化剤又は硬化触媒に潜在性硬化剤を使用する方法、硬化剤又は硬化触媒の反応を抑える安定化剤を添加する方法が挙げられ、また、GT80の値を小さくする方法としては、反応性を高める観点から80℃付近での反応性の高い硬化剤又は硬化触媒を使用する方法が挙げられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、70℃におけるゲル化時間(GT70)は、10分以上であることが好ましく、12分以上であることがより好ましく、14分以上であることがさらに好ましい。70℃におけるゲル化時間(GT70)の上限は、60分以下が好ましく、50分以下がより好ましく、40分以下であることがさらに好ましい。本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、70℃におけるゲル化時間が前記範囲であると、接着性に一層優れる傾向にある。また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、80℃におけるゲル化時間(GT80)は、5分以下であることが好ましく、4分以下であることがより好ましく、3分以下であることがさらに好ましい。80℃におけるゲル化時間(GT80)の下限は、0.3分以上であることが好ましく、0.5分以上がより好ましく、1分以上がより好ましい。本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、80℃におけるゲル化時間が前記範囲であると、接着性に一層優れる傾向にある。
なお、本実施形態において、エポキシ樹脂組成物のゲル化時間は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
(エポキシ樹脂)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有する。エポキシ樹脂は、本発明の効果を奏することができれば、以下に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、テトラブロモビフェニル型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ベンゾフェノン型エポキシ樹脂、フェニルベンゾエート型エポキシ樹脂、ジフェニルスルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルスルホキシド型エポキシ樹脂、ジフェニルスルホン型エポキシ樹脂、ジフェニルジスルフィド型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂、メチルヒドロキノン型エポキシ樹脂、ジブチルヒドロキノン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、メチルレゾルシン型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン型エポキシ樹脂等の2官能型エポキシ樹脂類;N,N−ジグリシジルアミノベンゼン型エポキシ樹脂、o−(N,N−ジグリシジルアミノ)トルエン型エポキシ樹脂、トリアジン型エポキシ樹脂等の3官能型エポキシ樹脂類;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジアミノベンゼン型エポキシ樹脂等の4官能型エポキシ樹脂類;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ブロモ化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能型エポキシ樹脂類;及び脂環式エポキシ樹脂類、これらのエポキシ樹脂をイソシアネート等で変性したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(エポキシ樹脂硬化剤)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂硬化剤(以下、単に「硬化剤」とも記す。)を含有する。硬化剤は、本発明の効果を奏することができれば、以下に限定されるものではないが、低温硬化性の観点からポリチオール硬化剤(分子内にチオール基を2個以上有するチオール化合物)が好ましい。ポリチオール硬化剤としては特に限定されないが、例えば、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトール テトラキス(チオグリコレート)、エチレングリコール ジチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトール テトラキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリスリトール ポリ(β−チオプロピオネート)等のポリオールとチオール有機酸とのエステル化反応によって得られるチオール化合物や、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,10−デカンジチオール等のアルキルポリチオール化合物、末端チオール基含有ポリエーテル、末端チオール基含有ポリチオエーテル、エポキシ化合物と硫化水素の反応によって得られるチオール化合物、ポリチオールとエポキシ化合物との反応によって得られる末端チオール基を有するチオール化合物等が挙げられる。具体的には、特に限定されないが、例えば、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリトリトールヘキサシス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。これらの硬化剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(硬化促進剤)
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤をさらに含有することが好ましい。硬化促進剤としては本発明の効果を奏することができれば、以下に限定されるものではないが、保存安定性の観点から、コアシェル構造を有する潜在性硬化剤(以下「マイクロカプセル型潜在性硬化剤」とも記す。)であることが好ましい。
ここで、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア中に低分子アミン化合物を有することが好ましい。本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、これにより硬化性が高くなり、十分な凝集力を発揮できるようになるためせん断接着力が一層向上する。
低分子アミン化合物としては特に限定されるものではないが、例えば、3級アミノ基を含む低分子アミン化合物が挙げられる。3級アミノ基を有する低分子アミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、べンジルジメチルアミン、N,N−ジメチル−エチルアミン、N,N−ジメチル−ブチルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、2,6,10−トリメチル−2,6,10−トリアザウンデカン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−オン、1、8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、1、5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5、ヘキサメチレンテトラミン等の3級アミン類;1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、N−アセチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジメチルアミノベンズヒドロール、ビス[4−(ジメチルアミノ)フェニル]メタン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ジエチルアミノ−N−(2,6−ジメチルフェニル)アセトアミド等の芳香族3級アミン類;2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の3級アミノ基を有するアミノピリジン類等が挙げられる。これらのアミン化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア中に含まれる低分子アミン化合物の濃度は2〜15質量%が好ましく、3〜14質量%がより好ましく、4〜10質量%がさらに好ましく、4〜7質量%がより一層好ましい。前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア中に含まれる低分子アミン化合物の割合が2〜15質量%のであることにより硬化性と保存安定性との両立が可能となる傾向にある。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアは本発明の効果を奏することができれば、以下に限定されるものではないが、エポキシ樹脂と、下記構造式(1)で表されるアミン化合物との反応物であって、アミノ基を有するアミンアダクトを含むことが好ましい。
式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数が1以上8以下のアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、又は、置換されていてもよいベンジル基を示し、X及びZは、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数が1以上8以下のアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいシクロアルキル基、又は、置換されていてもよいベンジル基を示し、nは、0以上8以下の整数を示し、mは、0以上4以下の整数を示す。
式(1)中のR1及びR2において、置換されていてもよい炭素数が1以上8以下のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。また、置換されてもよいシクロアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
式(1)中のX及びZとして表される、置換されていてもよい炭素数が1以上8以下のアルキル基、及び、置換されていてもよいシクロアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、各々、R1及びR2として表される、置換されていてもよい炭素数が1以上8以下のアルキル基、及び、置換されていてもよいシクロアルキル基で例示したものが挙げられる。また、置換されてもよいアリール基としては、特に限定されないが、例えば、フェニル基、トリル基、o−キシリル基等が挙げられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物においては、硬化性及び硬化物の物性の観点から、前記式(1)で表されるアミン化合物は、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジプロピルアミノプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルアミノプロピルアミン、4−アミノ−1−ジエチルアミノペンタン、N,N−ジメチル−メタンジアミン、N,N−ビス(1−メチルエチル)−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,2−プロパンジアミン、及びN,N−ジメチル−1,1−プロパンジアミンからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
前記アミンアダクトは、エポキシ樹脂と、式(1)であらわされるアミン化合物との反応物であって、アミノ基を有することが好ましい。エポキシ樹脂としては、特に限定されず、例えば、上述したエポキシ樹脂として例示したものが挙げられる。アミンアダクトの製造方法は特に限定されず、所望するアミンアダクトの構造等を考慮して、適宜好適な条件を選択することができる。
アミンアダクトの製造方法に関して、エポキシ樹脂と式(1)で表されるアミン化合物との反応条件としては、必要に応じて溶剤の存在下において、50〜250℃の温度で0.1〜10時間反応させることが好ましい。溶剤としては、以下に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサ等の炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール類;水等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。溶剤は、反応終了後、蒸留等により反応系から除去されることが好ましい。
マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの平均粒径は、0.3μmを超えて12μm以下であることが好ましい。マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの平均粒径が0.3μmを超えることにより、マイクロカプセル型潜在性硬化剤同士の凝集を一層防止でき、マイクロカプセル型潜在性硬化剤の形成が一層容易となり、エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性が実用上十分となる効果が得られる。マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの平均粒径が12μm以下であることにより、一層均質な硬化物を得ることができる。また、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの平均粒径が12μm以下であることにより、希釈剤、充填剤、顔料、染料、流れ調整剤、増粘剤、強化剤、離型剤、湿潤剤、安定剤、難燃剤、界面活性剤、有機溶剤、導電性微粒子、結晶性アルコール、その他の樹脂類等を配合した際に大粒径の凝集物の生成を防止でき、硬化物の十分な長期信頼性が得られる。
ここでいう平均粒径とは、メジアン径で定義される平均粒径を意味する。より具体的には、粒度分布計(堀場製作所社製、「HORIBA LA−920」)を用い、レーザー回析・光散乱法で測定されるストークス径をいう。ここで、コアの平均粒径を制御する方法としては、特に限定されず、いくつかの方法が挙げられる。このような方法としては、例えば、塊状のマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの粉砕工程において精密な制御を行う方法、塊状のマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの粉砕工程として粗粉砕工程と微粉砕工程とを行い、さらに精密な分級装置を用いて所望の平均粒径のものを分級して得る方法、塊状のマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアを溶媒に溶解させたマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア溶液を噴霧乾燥させる方法等が挙げられる。粉砕に用いる装置としては、特に限定されず、例えば、ボールミル、アトライタ、ビーズミル、ジェットミル等を必要に応じて採用できるが、衝撃式粉砕装置を用いることが好ましい。前記衝撃式粉砕装置としては、例えば、旋回式流粉体衝突型ジェットミル、粉体衝突型カウンタージェットミル等のジェットミルが挙げられる。ジェットミルは、空気等を媒体とした高速のジェット流により、固体材料同士を衝突させて微粒子化する装置である。粉砕の精密な制御方法としては、特に限定されず、例えば、粉砕時の温度、湿度、単位時間当たりの粉砕量等を制御する方法が挙げられる。粉砕品を精密に分級する方法としては、特に限定されず、例えば、粉砕後、分級により所定の平均粒径の粉粒体を得るため、篩(例えば、325メッシュや250メッシュ等の標準篩)や分級機を用いて分級する方法や、粒子の比重に応じて、風力による分級を行う方法等が挙げられる。使用する分級機としては、特に限定されず、例えば、湿式分級機や乾式分級機が挙げられるが、一般には乾式分級機が好ましい。このような分級機としては、例えば、日鉄鉱業社製の「エルボージェット」、ホソカワミクロン社製の「ファインシャープセパレーター」、三協電業社製の「バリアブルインパクタ」、セイシン企業社製の「スペディッククラシファイア」、日本ドナルドソン社製の「ドナセレック」、安川商事社製の「ワイエムマイクロカセット」、日清エンジニアリング社製の「ターボクラシファイア」、その他各種エアーセパレータ、ミクロンセパレーター、ミクロブレックス、アキュカット等の乾式分級装置等が挙げられるが、これらに限定されない。
粉砕ではなく、直接、粒子を造粒する方法としては、特に限定されず、例えば、塊状のマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアを溶媒に溶解させたマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア溶液を噴霧乾燥させる方法が挙げられる。具体的には、特に限定されず、例えば、コアを適当な有機溶剤に均一に溶解後、溶液状態で微小液滴として噴霧後に熱風等により乾燥する方法等が挙げられる。この場合の乾燥装置としては、特に限定されず、例えば、通常のスプレードライ装置が挙げられる。また、特に限定されないが、例えば、コアを適当な有機溶剤に均一に溶解後、均一溶液を強撹拌しつつ、コアの貧溶媒を添加することで、コアを微小粒子の状態で析出させ、析出した粒子をろ過分離後、溶剤をコアの融点以下の低温で乾燥除去することにより、所望の粒径範囲のコアを得る方法も挙げられる。粒子状態となったコアの平均粒径を分級以外の手法で調整する方法としては、特に限定されず、例えば、平均粒径が異なる複数の粒子を混合することで、平均粒径を調整する方法等が挙げられる。また、例えば、粉砕や分級が困難な大粒径のマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの場合、それとは別の小粒径のマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアを添加し、混合することで、平均粒径を上記範囲となるマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアとすることもできる。このようにして得られたマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアについては、必要に応じて、更に分級してもよい。このような粉体の混合を目的として使用する混合機としては、特に限定されず、例えば、混合する粉体の入った容器本体を回転させる容器回転型混合機、粉体の入った容器本体は回転させず機械撹拌や気流撹拌で混合を行う容器固定型混合機、粉体の入った容器を回転させ、他の外力も使用して混合を行う複合型混合機等が挙げられる。
コアの形状は、以下に限定されず、例えば、球状、顆粒状、粉末状、不定形等のいずれでもよい。これらの中でも、エポキシ樹脂組成物の低粘度化の観点から、コアの形状は、球状であることが好ましい。なお「球状」とは、真球は勿論のこと、不定形の角が丸みを帯びた形状をも包含する。
マイクロカプセル型潜在性硬化剤は、好ましくは平均粒径0.3μmを超えて12μm以下であるコアと、コアの表面を、合成樹脂及び/又は無機酸化物を含むシェルによって被覆されている構造を有するものであることが好ましい。これらの中でも、シェルを構成する膜の安定性と加熱時の破壊し易さ、及び硬化物の均一性の観点から、合成樹脂を含むことが好ましい。
合成樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、合成樹脂は、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂が好ましい。
シェルに用いるエポキシ系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂、2以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂と2以上の活性水素を持つ化合物との反応により生成する樹脂、2以上のエポキシ基を持つ化合物・活性水素1つと炭素−炭素2重結合とを持つ化合物との反応生成物等が挙げられる。これらの中でも、安定性と低温速硬化性の観点から、2以上のエポキシ基を持つ化合物と2以上の活性水素を持つ化合物との反応により生成する樹脂、特にアミン系硬化剤と2つ以上のエポキシ基をもつエポキシ樹脂との反応生成物が好ましい。これらの中でも、膜の安定性と低温速硬化性の観点から、アミン系硬化剤とエポキシ樹脂との反応生成物が好ましい。
フェノール系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フェノール・ホルムアルデヒド重縮合物、クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合物、レゾルシノール・ホルムアルデヒド重縮合物、ビスフェノールA・ホルムアルデヒド重縮合物、フェノール・ホルムアルデヒド重縮合物のポリエチレンポリアミン変性物等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール・テレフタル酸・ポリプロピレングリコール重縮合物、エチレングリコール・ブチレングリコール・テレフタル酸重縮合物、テレフタル酸・エチレングリコール・ポリエチレングリコール重縮合物等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレン・プロピレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合物、エチレン・酢酸ビニル・アクリル酸共重合物等が挙げられる。
ナイロン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、アジピン酸・ヘキサメチレンジアミン重縮合物、セバシン酸・ヘキサメチレンジアミン重縮合物、p−フェニレンジアミン・テレフタル酸重縮合物等が挙げられる。
ポリスチレン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン・ブタジエン共重合物、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合物、アクリロニトリル・スチレン・ジビニルベンゼン共重合物、スチレン・プロペニルアルコール共重合物等が挙げられる。
ウレタン系樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート単量体、あるいはその縮合物、その重合体と、モノアルコール、多価アルコールの重縮合物等が挙げられる。これらの中でも、モノアルコール又は多価アルコールと、モノイソシアネート又は多価イソシアネートの付加生成物であるウレタン樹脂が好ましい。
無機酸化物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、酸化ホウ素、ホウ酸エステル等のホウ素化合物、二酸化珪素、酸化カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、膜の安定性と加熱時の破壊しやすさの観点から、酸化ホウ素が好ましい。
また、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を構成するシェルとしては、イソシアネート化合物、活性水素化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、及びアミン化合物のいずれか2種以上の反応生成物を含むことが好ましい。
イソシアネート化合物としては、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアに含まれているものでもよい。
活性水素化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水、少なくとも1個の1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を有する化合物、少なくとも1個の水酸基を有する化合物等が挙げられる。また、活性水素化合物は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
少なくとも1個の1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を有する化合物としては、特に限定されず、例えば、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン等のアルキルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアルキレンポリアミン;ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のポリオキシアルキレンポリアミン類等が挙げられる。
脂環式アミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、アニリン、トルイジン、べンジルアミン、ナフチルアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等が挙げられる。
少なくとも1個の水酸基を有する化合物としては、特に限定されず、例えば、アルコール化合物、フェノール化合物等が挙げられる。
アルコール化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドテシルアルコール、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパルギルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、べンジルアルコール、シンナミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル等のモノアルコール類;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、水添ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類;少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物と、少なくとも1個の水酸基、カルボキシル基、1級アミノ基、2級アミノ基、又はチオール基を有する化合物との反応により得られる、2級水酸基を1分子中に2個以上有する化合物等の多価アルコール類等が挙げられる。これらのアルコール化合物においては、1級アルコール、2級アルコール、3級アルコールのいずれでもよい。
フェノール化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、石炭酸、クレゾール、キシレノール、カルバクロール、モチール、ナフトール等のモノフェノール類、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ピロガロール、フロログルシン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の多価フェノール類等が挙げられる。
これら少なくとも1個の水酸基を有する化合物としては、潜在性や耐溶剤性の観点から、好ましくは多価アルコール類や多価フェノール類であり、より好ましくは多価アルコール類である。
上述したようなイソシアネート化合物、活性水素化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、及びアミン化合物のいずれか2種、又はそれ以上の反応物を生成する反応条件としては、特に限定されないが、通常、−10℃〜150℃の温度範囲で、10分間〜12時間の反応時間である。
イソシアネート化合物と活性水素化合物とを用いる場合の配合比は、(イソシアネート化合物中のイソシアネート基):(活性水素化合物中の活性水素)(当量比)として、好ましくは1:0.1〜1:1000の範囲である。
前記反応は、必要により所定の分散媒中で行うことができる。分散媒としては、特に限定されず、例えば、溶媒、可塑剤、樹脂類等が挙げられる。溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサ等の炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエチルエーテルアセテート等のエステル類;メタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のアルコール類;水等が挙げられる。可塑剤としては、特に限定されず、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシシル)等のフタル酸ジエステル系可塑剤;アジピン酸ジ(2−エチルヘキシシル)等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;リン酸トリクレジル等のリン酸トリエステル系可塑剤;ポリエチレングリコールエステル等のグリコールエステル系可塑剤等が挙げられる。樹脂類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、シリコーン樹脂類、エポキシ樹脂類、フェノール樹脂類等が挙げられる。
上記の中でも、エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との反応は、通常−10℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃の温度範囲で、1時間〜168時間、好ましくは2時間〜72時間の反応時間で行われる。また、分散媒としては、好ましくは溶媒、可塑剤である。
なお、上述したような反応生成物が、前記シェル(S)中に占める割合としては、通常1質量%以上であり、好ましくは50質量%以上であり、100質量%であってもよい。
前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤において、コアの表面を被覆するシェルを形成させる方法としては、特に限定されず、例えば、以下の(1)〜(3)のような方法が挙げられる。
(1)分散媒である溶剤中に、シェルの成分と、平均粒径0.3μmを超えて12μm以下であるマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの粒子を溶解・分散させた後、分散媒中のシェルの成分の溶解度を下げて、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの粒子の表面にシェルを析出させる方法。
(2)平均粒径0.3μmを超えて12μm以下であるマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの粒子を分散媒に分散させ、この分散媒に上記のシェルを形成する材料を添加してエポキシ樹脂用硬化剤の粒子上に析出させる方法。
(3)分散媒に上記のシェルを形成する原材料成分を添加し、平均粒径0.3μmを超えて12μm以下であるマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコアの粒子の表面を反応の場として、そこでシェル形成材料を生成する方法。
ここで、前記(2)、(3)の方法は、反応と被覆を同時に行うことができるので好ましい。
なお、分散媒としては、溶媒、可塑剤、樹脂等が挙げられる。
また、溶媒、可塑剤、樹脂としては、特に限定されず、例えば、上述したイソシアネート化合物、活性水素化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、及びアミン化合物のいずれか2種、又はそれ以上の反応生成物を得る際に使用できる溶媒、可塑剤、樹脂の例として挙げたものが使用できる。
前記(2)、(3)の方法でシェルを形成した後、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を分散媒より分離する方法は、特に限定されないが、シェルを形成した後の未反応の原料については、分散媒と共に分離・除去することが好ましい。このような方法として、ろ過により分散媒、及び未反応のシェル形成材料を除去する方法が挙げられる。
分散媒を除去した後、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を洗浄することが好ましい。マイクロカプセル型潜在性硬化剤の洗浄により、マイクロカプセル型潜在性硬化剤の表面に付着している、未反応のシェルを形成する材料を除去できる。
洗浄の方法は特に限定されないが、ろ過による残留物の際に、分散媒又はマイクロカプセル型潜在性硬化剤を溶解しない溶媒を用いて洗浄することができる。ろ過や洗浄を行った後にマイクロカプセル型潜在性硬化剤を乾燥することで、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を粉末状の形態で得ることができる。乾燥の方法は特に限定されないが、マイクロカプセル型潜在性硬化剤の融点、又は軟化点以下の温度で乾燥することが好ましく、例えば減圧乾燥が挙げられる。マイクロカプセル型潜在性硬化剤を粉末状にすることで、エポキシ樹脂との配合作業を容易に適用することができる。また、分散媒としてエポキシ樹脂を用いると、シェル形成と同時に、エポキシ樹脂とマイクロカプセル型潜在性硬化剤とからなる液状樹脂組成物を得ることができるため好適である。
なお、シェルの形成反応は、通常、−10℃〜150℃、好ましくは0℃から100℃の温度範囲で、10分間〜72時間、好ましくは30分間〜24時間の反応時間で行われる。
また、シェルは、貯蔵安定性と反応性とのバランスの観点から、波数1630〜1680cm-1の赤外線を吸収するウレア結合基と、波数1680〜1725cm-1の赤外線を吸収するビュレット結合基と、波数1730〜1755cm-1の赤外線を吸収するウレタン結合基とを有することが好ましい。ウレア結合基、ビュレット結合基、ウレタン結合基は、フーリエ変換式赤外分光光度計(以下、「FT−IR」という場合がある。)を用いて測定することができる。また、シェルが、ウレア結合基、ビュレット結合基、ウレタン結合基を有することは、顕微FT−IRにより確認することができる。具体的には、液状の本実施形態のエポキシ樹脂組成物を、変性脂肪族アミン硬化剤を用いて40℃で12時間かけて硬化させ、その後、さらに120℃で24時間かけて液状のエポキシ樹脂組成物を完全に硬化させる。その後、ウルトラミクロトームを用いて、得られた硬化物から厚さ5〜20μmの試料を作製し、FT−IRで、シェルの深さ方向を分析する。シェルの表面付近の観察により、ウレア結合基、ビュレット結合基、ウレタン結合基の存在を観察することができる。
また、シェルの厚みとしては、5nm〜1000nmであることが好ましく、より好ましくは10nm〜100nmである。シェルの厚みを5nm以上とすることで、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性を一層向上させることができる。また、シェルの厚みを1000nm以下とすることで、硬化性を一層向上させることができる。なお、ここでいう厚みは、平均層厚であり、透過型電子顕微鏡により測定することができる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は安定化剤を含有していてもよい。安定化剤を含有することで70℃におけるゲル化時間(GT70)と80℃におけるゲル化時間(GT80)との比(GT70/GT80)を制御することができる。
安定化剤としては、特に限定されないが、ボレート化合物、チタネート化合物、アルミネート化合物、ジルコネート化合物、イソシアネート化合物、カルボン酸、及び酸無水物からなる群より選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
前記ボレート化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリメチルボレート、トリエチルボレート(ホウ酸トリエチル)、トリプロピルボレート、トリイソプロピルボレート、トリブチルボレート(ホウ酸トリブチル)、トリペンチルボレート、トリアリルボレート、トリヘキシルボレート、トリシクロヘキシルボレート、トリオクチルボレート、トリノニルボレート、トリデシルボレート、トリドデシルボレート、トリヘキサデシルボレート、トリオクタデシルボレート、トリス(2−エチルヘキシロキシ)ボラン、ビス(1,4,7,10−テトラオキサウンデシル)(1,4,7,10,13−ペンタオキサテトラデシル)(1,4,7−トリオキサウンデシル)ボラン、トリベンジルボレート、トリフェニルボレート、トリ−o−トリルボレート、トリ−m−トリルボレート、トリエタノールアミンボレート等が挙げられる。また、ボレート化合物として、分子内に環状構造を有する環状ホウ酸エステルを用いることもできる。環状ホウ酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、トリス−o−フェニレンビスボレート、ビス−o−フェニレンピロボレート、ビス−2,3−ジメチルエチレンフェニレンピロボレート、ビス−2,2−ジメチルトリメチレンピロボレートなどが挙げられる。
かかるホウ酸エステルを含む製品としては、特に限定されないが、例えば、“キュアダクト”(登録商標)L−01B(四国化成工業(株))、“キュアダクト”(登録商標)L−07N(四国化成工業(株))が挙げられる。
前記チタネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトライソプロプルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート等が挙げられる。
前記アルミネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリエチルアルミネート、トリプロピルアルミネート、トリイソプロピルアルミネート、トリブチルアルミネート、トリオクチルアルミネート等が挙げられる。
前記ジルコネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、テトラエチルジルコネート、テトラプロピルジルコネート、テトライソプロピルジルコネート、テトラブチルジルコネート等が挙げられる。
前記イソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、2−クロロエチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−エチルフェニルイソシアネート、2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、トリレンジイソシアネート(例:2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等が挙げられる。
前記カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸等の飽和脂肪族一塩基酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和脂肪族一塩基酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸等のハロゲン化脂肪酸、グリコール酸、乳酸、ブドウ酸等の一塩基性ヒドロキシ酸、グリオキシル酸等の脂肪族アルデヒド酸及びケトン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸等の脂肪族多塩基酸、安息香酸ハロゲン化安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、けい皮酸、マンデル酸等の芳香族一塩基酸、フタル酸、トリメシン酸等の芳香族多塩基酸等が挙げられる。
前記酸無水物としては、特に限定されないが、例えば、無水コハク酸、無水ドデシニルコハク酸、無水マレイン酸、メチルシクロペンタジエンと無水マレイン酸の付加物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の脂肪族多塩基酸無水物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロリメリット酸等の芳香族多塩基酸無水物;が挙げられる。
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との含有量は特に限定されず、エポキシ樹脂のエポキシ当量に対して、エポキシ樹脂硬化剤の活性水酸基当量が0.5〜3.0当量が好ましく、0.7〜2.0当量であることがより好ましく、0.8〜1.5当量であることがさらに好ましい。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物において、硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜80質量部であることが好ましく、1〜70質量部であることがより好ましく、1〜60質量部であることがさらに好ましい。
以下、本実施形態について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されない。なお、実施例及び比較例において適用した測定方法を下記に示す。以下において特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(ゲル化時間測定)
JIS K6910に準拠した手法により、実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物のゲル化時間を測定した。あらかじめ所定の温度に温めておいたくぼみ付き熱板上に試料を0.5±0.05g量り取り、注射器でくぼみに注入すると同時にストップウォッチを押し、先端のとがった棒を用いて試料をかき混ぜ、棒を持ち上げた際に糸が引かなくなった点をその温度でのゲル化時間とした。70℃におけるゲル化時間(GT70)と80℃におけるゲル化時間(GT80)とを測定して、これらの比(GT70/GT80)を算出した。
(せん断接着強度)
実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物を使用して、JIS K6850に準拠して試験片を作製した。また、被着体として、JIS C3141に準拠した幅25mm×長さ100mm×厚み1.6mmの被着体(冷間圧延鋼板)を用いた。内温が80℃で安定したESPEC株式会社製小型高温チャンバーST−110B2の中に、未硬化の試験片に入れて、60分間加熱を行い、せん断接着強度測定試験片を得た。60分後、構造体を小型高温チャンバーから取出し、室温環境下に放置し、室温になるまで冷やした。室温冷却後に、島津製作所社製AGX−5kNXを使用して、ロードセル5kN、5mm/分の速さで、試験片の接着面が破断して、試験片が分離する最大荷重を測定し、分離した最大荷重を接着面積で割り返した値をせん断接着強度とした。得られたせん断接着強度から、以下の基準に基づきせん断接着性を評価した。
◎:せん断接着強度が20MPa以上であった場合。
○:せん断接着強度が18MPa以上20MPa未満であった場合。
×:せん断接着強度が18MPa未満であった場合。
〔製造例1−1〕
(マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−1)の製造)
1−ブタノールとトルエンとを1/1(質量比)の割合で混合した溶液605gに、アミン化合物としてN,N−ジメチルアミノプロピルアミン(分子量102)403gを加え、撹拌して均一な溶液を作製した。
次いで、1−ブタノールとトルエンとを1/1(質量比)の割合で混合した溶液400gに、エポキシ当量が189g/eqであるビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製品「jER828」)800gと、エポキシ当量が475g/eqであるビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製品「jER1001」)800gとを溶解させ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂溶液を得た。
攪拌機、コンデンサー、温度制御用のOILバスを備えた反応容器において、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン溶液に対して、等圧滴下ロートを用いてビスフェノールA型エポキシ樹脂溶液を内温が50〜90℃の範囲において、5時間かけて滴下した。
滴下終了後、得られた反応溶液を80℃で2時間加熱した。
その後、反応溶液を150℃までさらに昇温した後、徐々に減圧して反応溶液から溶媒の一部を留去した。この段階でN,N−ジメチルアミノプロピルアミンの含有量は、0.1質量%であった。
溶媒を留去した後、反応溶液を、さらに165℃加熱し、220gのDABCO(東京化成社製1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)を60rpmで165℃、1時間撹拌混合を行い、フラスコから払い出すことによりブロック状のアミンアダクト混合物を得た。
上記手順で作製したアミンアダクト混合物を粉砕機「ロートプレックス」(ホソカワミクロン社製)により平均粒径が0.1〜2mm程度になるまで粗砕し、粗粉物を得た。8.0kg/時間の供給量で、得られた粗砕物を気流式ジェットミル(日清エンジニアリング社製、「CJ25型」)に供給し、0.6MPa・sの粉砕圧での粉砕を2回繰り返し、その後、空気分級機(日清エンジニアリング社製、「ターボクラシファイア」)により分級を行い、粗大粒子の除去を行うことで、平均粒径5.0μmのマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−1)を得た。
〔製造例1−2〕
(マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−2)の製造)
製造例1−1のN,N−ジメチルアミノプロピルアミンをN,N−ジエチルアミノプロピルアミン(分子量130)513gに、DABCOをDBU(東京化成社製、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)に変更した以外は前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−1)と同手順で作製し平均粒径4.5μmのマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−2)を得た。
〔製造例1−3〕
製造例1−1のN,N−ジメチルアミノプロピルアミンをN,N−ジメチルアミノエチルアミン(分子量88)347gに、DABCOをBDMA(東京化成社製、N,N−ジメチルベンジルアミン)に変更した以外は前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−1)と同手順で作製し平均粒径4.0μmのマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−3)を得た。
〔製造例1−4〕
(マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−4)の製造)
キシレン100g及びイソプロピルアルコール100gの混合溶液中に、アミン化合物として2−エチル−4−メチルイミダゾール(分子量110)110gを溶解した後、60〜100℃でエポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成イーマテリアルズ社製の「AER2603」、エポキシ当量189、全塩素量1800ppm、加水分解性塩素50ppm)189gを添加し、反応させた。
次いで、反応液を加熱減圧することで、溶媒であるキシレンとイソプロピルアルコールとを反応液から留去するとともに、未反応のジエチレントリアミンの含有量が0.01質量%未満になるまで留去することにより、アミンアダクト263gを得た。
上記手順で作製したアミンアダクトを、前記マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−1)と同手順で粉砕し、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−4)を得た。
[製造例2−1]
(コアシェル構造を有するマイクロカプセル型潜在性硬化剤(H−1)の製造)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製品「jER828」、エポキシ当量189g/eq)100g中に、製造例1−1で得られたマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−1)の微粉砕物120gを添加し、分散させた後、水1.0g、及びトリレンジイソシアネート5.5gを添加し、40℃〜50℃で2時間、反応させて、コアシェル構造を有し、該コアがコア(C−1)であるマイクロカプセル型潜在性硬化剤(H−1)を得た。
[製造例2−2]
(コアシェル構造を有するマイクロカプセル型潜在性硬化剤(H−2)の製造)
分散媒としてn−ヘキサン300gを用いた。該分散媒中に、エポキシ樹脂用硬化剤(C−2)の微粉砕物100gを添加し、分散させた後、水1.0g及びヘキサメチレンジイソシアネート4.5gを添加して40℃で2時間、反応させた。反応終了後、得られた反応液にビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製品「jER828」)を100g添加し、ろ過、洗浄及び乾燥を行うことで、エポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤(H−2)を得た。
[製造例2−3]
(コアシェル構造を有するマイクロカプセル型潜在性硬化剤(H−3)の製造)
製造例2−2のエポキシ樹脂用硬化剤(C−2)の微粉砕物をエポキシ樹脂用硬化剤(C−3)に変更した以外は製造例2−2と同手順で処理を行いエポキシ樹脂用マイクロカプセル型硬化剤(H−3)を得た。
[製造例2−4]
(コアシェル構造を有する硬化剤(H−4)の製造)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成イーマテリアルズ社製品「AER2603」、エポキシ当量189g/eq、全塩素量1800ppm、加水分解性塩素量50ppm)200g中に、製造例1−2で得られたマイクロカプセル型潜在性硬化剤のコア(C−4)の微粉砕物100gを添加し、分散させた後、水1.0g、及びイソホロンジイソシアネート2.0gを添加し、40℃〜50℃で2時間、反応させて、コアシェル構造を有し、該コアがコア(C−4)であるマイクロカプセル型潜在性型硬化剤(H−4)を得た。
[実施例1〜13及び比較例1〜10]
シンキー社製品「あわとり練太郎ARE−310」に、PP容器を取り付けた。エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤(硬化触媒)を表2〜5に示す配合量にて配合し、2000rpmで、撹拌3分間、脱泡2分間の設定で撹拌した。各配合物が混ざっていることを目視で確認してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物について、ゲル化時間及び接着性について上記方法により測定した。当該測定結果を表2〜5に示す。
(エポキシ樹脂)
BE−186EL:長春人造樹脂社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量189g/eq
(硬化剤)
PEMP:SC有機化学社製、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、SH当量122g/eq
DPMP:SC有機化学社製、ジペンタエリトリトールヘキサシス(3−メルカプトプロピオネート)、SH当量131g/eq
TMTP:淀化学社製、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)SH当量140g/eq
(硬化促進剤(硬化触媒))
H−1:製造例2−1で製造したマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤
H−2:製造例2−2で製造したマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤
H−3:製造例2−3で製造したマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤
H−4:製造例2−4で製造したマイクロカプセル型エポキシ樹脂硬化剤
2MZ:2−メチルイミダゾール(試薬)
BDMA:ベンジルジメチルアミン(試薬)
2E4MZ:2−エチル4―メチルイミダゾール(試薬)
(安定化剤)
L−07N:ホウ酸エステル化合物(四国化成工業)
TBB:ホウ酸トリブチル(試薬)
TEB:ホウ酸トリエチル(試薬)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、電子機器、電気電子部品の絶縁材料、封止材料、接着剤、導電性材料等の幅広い用途において、産業上の利用可能性を有している。

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤とを含み、
    70℃におけるゲル化時間(GT70)と80℃におけるゲル化時間(GT80)との比(GT70/GT80)が2.5以上である、エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂硬化剤がポリチオール硬化剤であり、
    硬化促進剤をさらに含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 70℃におけるゲル化時間(GT70)が10分以上であり、かつ、80℃におけるゲル化時間(GT80)が5分以下である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 70℃におけるゲル化時間(GT70)と80℃におけるゲル化時間(GT80)との比(GT70/GT80)が10.0以下である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記硬化促進剤がコアシェル構造を有する潜在性硬化剤である、請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記硬化促進剤のコア中に低分子アミン化合物を有する、請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 硬化促進剤のコア中に下記構造式(1)で表されるアミン化合物とエポキシ樹脂との反応物を有する、請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物。
    (式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数が1以上8以下のアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、又は、置換されていてもよいベンジル基を示し、X及びZは、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数が1以上8以下のアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいシクロアルキル基、又は、置換されていてもよいベンジル基を示し、nは、0以上8以下の整数を示し、mは、0以上4以下の整数を示す。)
JP2019052729A 2019-03-20 2019-03-20 エポキシ樹脂組成物 Pending JP2020152818A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019052729A JP2020152818A (ja) 2019-03-20 2019-03-20 エポキシ樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019052729A JP2020152818A (ja) 2019-03-20 2019-03-20 エポキシ樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020152818A true JP2020152818A (ja) 2020-09-24

Family

ID=72557854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019052729A Pending JP2020152818A (ja) 2019-03-20 2019-03-20 エポキシ樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020152818A (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06211969A (ja) * 1992-10-22 1994-08-02 Ajinomoto Co Inc エポキシ樹脂組成物
JP2010261003A (ja) * 2009-05-11 2010-11-18 Asahi Kasei E-Materials Corp 回路接続用フィルム接着剤の製造方法
WO2012020572A1 (ja) * 2010-08-12 2012-02-16 株式会社Adeka 潜在性硬化剤組成物及び一液硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2014152236A (ja) * 2013-02-07 2014-08-25 Asahi Kasei E-Materials Corp エポキシ樹脂組成物、及び加工品
JP2014185296A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Asahi Kasei E-Materials Corp 液状樹脂組成物及び加工品
WO2017057019A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 ナミックス株式会社 エポキシ樹脂組成物
JP2017095571A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 旭化成株式会社 封止材用エポキシ樹脂組成物、及び封止材。
JP6484446B2 (ja) * 2015-01-14 2019-03-13 旭化成株式会社 エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物及びこれを含有する材料

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06211969A (ja) * 1992-10-22 1994-08-02 Ajinomoto Co Inc エポキシ樹脂組成物
JP2010261003A (ja) * 2009-05-11 2010-11-18 Asahi Kasei E-Materials Corp 回路接続用フィルム接着剤の製造方法
WO2012020572A1 (ja) * 2010-08-12 2012-02-16 株式会社Adeka 潜在性硬化剤組成物及び一液硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2014152236A (ja) * 2013-02-07 2014-08-25 Asahi Kasei E-Materials Corp エポキシ樹脂組成物、及び加工品
JP2014185296A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Asahi Kasei E-Materials Corp 液状樹脂組成物及び加工品
JP6484446B2 (ja) * 2015-01-14 2019-03-13 旭化成株式会社 エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物及びこれを含有する材料
WO2017057019A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 ナミックス株式会社 エポキシ樹脂組成物
JP2017095571A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 旭化成株式会社 封止材用エポキシ樹脂組成物、及び封止材。

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3454437B2 (ja) 低粘度無溶媒の一液型エポキシ樹脂接着性組成物
KR100961417B1 (ko) 고-안정성 마이크로캡슐화 에폭시 수지용 경화제 및 에폭시수지 조성물
JP5148292B2 (ja) マイクロカプセル型エポキシ樹脂用硬化剤、マスタ−バッチ型エポキシ樹脂用硬化剤組成物、一液性エポキシ樹脂組成物、および加工品
JP4326524B2 (ja) カプセル型硬化剤及び組成物
KR100938523B1 (ko) 에폭시 수지용 잠재성 경화제 및 에폭시 수지 조성물
JP6085130B2 (ja) 液状樹脂組成物、及び加工品
JP6484446B2 (ja) エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物及びこれを含有する材料
JP5763527B2 (ja) イミダゾール化合物含有マイクロカプセル化組成物、それを用いた硬化性組成物及びマスターバッチ型硬化剤
JP5158088B2 (ja) エポキシ樹脂用マイクロカプセル型潜在性硬化剤及びその製造方法、並びに一液性エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2007204669A (ja) 特定小粒径粒度分布エポキシ樹脂用硬化剤およびエポキシ樹脂組成物
JP2014152236A (ja) エポキシ樹脂組成物、及び加工品
JP5596385B2 (ja) マスターバッチ型エポキシ樹脂用硬化剤
JP2021038314A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2020152818A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2013001875A (ja) マスターバッチ型硬化剤組成物、それを用いる一液性エポキシ樹脂組成物及び成形品、並びにマスターバッチ型硬化剤組成物の製造方法
JP2019189833A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP5245790B2 (ja) 一液性エポキシ樹脂組成物
JP6909281B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP2016108429A (ja) マイクロカプセル型アミン系硬化剤、硬化性樹脂組成物、ファイン化学品及び組成物
CN117580888A (zh) 环氧树脂组合物、薄膜、薄膜的制造方法和固化物
WO2023286499A1 (ja) エポキシ樹脂組成物、フィルム、フィルムの製造方法、及び硬化物
JP2022178390A (ja) エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂接着剤、及びエポキシ樹脂硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230220

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230515