JP2020152103A - 複合成形体の製造方法および複合成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属と樹脂の溶融接合において、薬剤等を用いることなく、高い接合力を有する複合成形体を提供することを目的とするものである。【解決手段】熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)からなる複合成形体の製造方法であって、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)は、結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)と、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)とを主たる構成成分とし融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)66〜99.98重量%と、ポリビニルブチラール樹脂(B)0〜30重量%と、シランカップリング剤(C)0.01〜5.0重量%と、酸化防止剤(D)0.01〜5.0重量%とを配合してなり、80℃以上の水中に5分以上浸漬させた金属(Y)に対して、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を加熱溶融させて接合させることを特徴とする複合成形体の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、複合成形体の製造方法および複合成形体に関するものである。
金属と樹脂からなる複合成形体は、種々の用途に用いられている。しかしながら、金属と樹脂という異種材料の接合においては、接合強度を高めることが求められている。例えば、樹脂と金属の複合成形体を得る方法としては、金属部品にアミン化合物等で表面処理を施した部品に射出成形により樹脂を接合する方法(例えば、特許文献1参照)が提案されているが、金属部品に特定の表面処理を施すことで作業が煩雑になること、薬液を使用するため作業者の安全性、環境負荷の懸念があった。
などの課題があった。
などの課題があった。
一方で、薬液を使用せずにエラストマーと金属の接合が提案されている。例えば、レーザーを利用してエラストマーを溶融させて金属と接合する方法(例えば、特許文献2および3参照)、更に接合強度改善のため、分子末端部を変性したエラストマーを使用する方法(例えば、特許文献4参照)、が提案されている。しかし、この方法では、エラストマーの母材強度が比較的小さく、接合強度に改善の余地があった。
上記課題を受け、エラストマーの中でも比較的母材強度の高いポリエステルエラストマーを用いて溶着接合させる方法(特許文献5参照)が提案された。
また、金属―樹脂の接合力は、接合前の金属表面状態の影響を受けるため、その洗浄方法も重要である。例えば、有機溶剤や酸で金属表面の汚れを除去する方法が例示される(特許文献6参照)。
しかしながら、特許文献5の接合方法においても、接合強度が十分でない場合があり、接合強度の改善が課題であった。また、特許文献6の洗浄方法においても、有機溶剤の種類によっては金属表面の汚れを除去しきれないこと、酸による洗浄は、金属を溶解させてしまうことなどの問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために検討した結果達成されたものであり、金属と樹脂の溶融接合において、薬剤等を用いることなく、高い接合力を有する複合成形体を提供することを目的とするものである。
すなわち本発明は、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)からなる複合成形体の製造方法であって、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)は、結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)と、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)とを主たる構成成分とし融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)66〜99.98重量%と、ポリビニルブチラール樹脂(B)0〜30重量%と、シランカップリング剤(C)0.01〜5.0重量%と、酸化防止剤(D)0.01〜5.0重量%とを配合してなり、80℃以上の水中に5分以上浸漬させた金属(Y)に対して、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を加熱溶融させて接合させることを特徴とする複合成形体の製造方法である。
また本発明は、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)からなる複合成形体であって、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)は、結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)と、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)とを主たる構成成分とし融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)66〜99.98重量%と、ポリビニルブチラール樹脂(B)0〜30重量%と、シランカップリング剤(C)およびその誘導体0.01〜5.0重量%と酸化防止剤(D)0.01〜5.0重量%とを配合してなり、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)の接合強度が10MPa以上である複合成形体である。
本発明によれば、以下に説明するとおり、樹脂と金属の接合において、薬剤等を用いることなく、高い接合力を有する複合成形体を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)]
本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)とは、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体であり、ハードセグメント(a1)は、主として芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体から形成されるポリエステルである。
本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)とは、主として結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体であり、ハードセグメント(a1)は、主として芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールまたはそのエステル形成性誘導体から形成されるポリエステルである。
前記芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ジフェニル−4,4' −ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4' −ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、および3−スルホイソフタル酸ナトリウムなどが挙げられる。本発明においては、前記芳香族ジカルボン酸を主として用いるが、この芳香族ジカルボン酸の一部を、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、4,4' −ジシクロヘキシルジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸や、アジピン酸、コハク酸、シュウ酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、およびダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸に置換してもよい。さらに、ジカルボン酸のエステル形成性誘導体、たとえば低級アルキルエステル、アリールエステル、炭酸エステル、および酸ハロゲン化物などももちろん同等に用い得る。
本発明においては、上記酸成分を2種以上使用することが好ましく、例えばテレフタル酸とイソフタル酸、テレフタル酸とドデカンジオン酸、テレフタル酸とダイマー酸などの組み合わせが挙げられる。酸成分を2種以上使用することでハードセグメントの結晶化度を下げることができ、柔軟性を付与することも可能で、かつ他の熱可塑性樹脂との熱接着性も向上する。
次に、前記ジオールの具体例としては、分子量400以下のジオール、例えば1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ジシクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールなどの脂環族ジオール、およびキシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニルプロパン、2,2' −ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4' −ジヒドロキシ−p−ターフェニル、および4,4' −ジヒドロキシ−p−クオーターフェニルなどの芳香族ジオールが好ましく、かかるジオールは、エステル形成性誘導体、例えばアセチル体、アルカリ金属塩などの形でも用い得る。これらのジカルボン酸、その誘導体、ジオール成分およびその誘導体は、2種以上併用してもよい。
かかるハードセグメント(a1)の好ましい例は、テレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレート単位と、イソフタル酸および/またはジメチルイソフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンイソフタレート単位からなるもの、およびその両者の共重合体が好ましく用いられ、特に好ましくはテレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートとイソフタル酸および/またはジメチルイソフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレート/イソフタレート単位からなるものが使用される。
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)のソフトセグメント(a2)は、脂肪族ポリエーテル及び/又は脂肪族ポリエステル である。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールなどが挙げられる。また、脂肪族ポリエステル としては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテル及び/又は脂肪族ポリエステル のなかで得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性からは、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコール、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、及びポリエチレンアジペートなどの使用が好ましく、これらの中でも特にポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、及びエチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体グリコールの使用が好ましい。また、これらのソフトセグメントの数平均分子量としては共重合された状態において300〜6000程度であることが好ましい。
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)のソフトセグメント(a2)の共重合量は、通常、20〜95重量%、好ましくは25〜90重量%であり、このように(a1)と(a2)の共重合比を設定することができる。
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)は、公知の方法で製造することができる。その具体例としては、例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコールおよび低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、およびジカルボン酸と過剰量のグリコールおよび低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法などのいずれの方法をとってもよい。
本発明のポリエステルブロック共重合体(A)の配合量は66重量%〜99.98重量%、特に好ましくは76〜97重量%であり、66重量%未満では得られる熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)の機械特性が低く成形加工性が劣り、99.98重量%を越えると接合強度が低下するため好ましくない。
本発明に用いられるポリビニルブチラール樹脂(B)としては、特に制限するものはなく市販品を使用することでき、例えば、積水化学工業(株)製エスフレックスBL−1、BL−2、BX−L、BM−S、KS−3等、電気化学工業(株)製デンカブチラール3000−1、3000−2、3000−4、4000−2等があり、これらに限定されるものではない。
本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)には、更なる接合強度改善のため、ポリビニルブチラール樹脂(B)が含まれていても良い。本発明のポリビニルブチラール樹脂の配合量は0〜30重量%であるが、1〜30重量%が好ましい。1重量%以上にすることで接合強度改善効果が高まる。特に好ましくは3〜20重量%である。30重量%を超えると、得られる熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)の機械強度が低く、成型加工性にも劣るため好ましくない。
本発明に用いられるシランカップリング剤(C)としては、特に制限するものはないが、好ましくは1分子中にアミノ基、エポキシ基、ビニル基、アリル基、メタクリル基、スルフィド基等を有するもので、中でもエポキシ基を有するシランカップリング剤が好適に使用される。シランカップリング剤の具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロキルエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アクリイルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等があり、好ましくはエポキシ基含有化合物であり、これらは1種単独または2種以上併用して使用することができる。
本発明のシランカップリング剤(C)の配合量は、0.01〜5.0重量%、好ましくは0.05〜3.0重量%、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%である。シランカップリング剤の配合量が0.01重量%未満では接合強度が低く、また5.0重量%を超えると、ブルーミングを生じたり熱安定性が低下したりするため好ましくない。
本発明に用いられる酸化防止剤(D)としては、芳香族アミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤からなる群より選ばれた1種、または2種以上が挙げられ、中でも芳香族アミン系酸化防止剤が好適に使用される。
芳香族アミン系酸化防止剤の具体例としては、フェニルナフチルアミン、4,4’−ジメトキシジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、および4−イソプロポキシジフェニルアミンなどが挙げられるが、これらの中でもジフェニルアミン系化合物の使用が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ヒドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸のジエチルエステル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル−ジフェニルメタン、α−オクタデシル−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、6−(ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、ヘキサメチレングリコール−ビス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸アミド)、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンホスホン酸のジオクタデシルエステル、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ジ−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル]イソシアヌレートなどが挙げられる。これらの中でも特にテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンのような分子量が500以上のものの使用が好ましい。
イオウ系酸化防止剤とは、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、チオカルバニリド系、およびチオジプロピオンエステル系などのイオウを含む化合物である。これらの中でも、特にチオジプロピオンエステル系化合物の使用が好ましい。
リン系酸化防止剤とは、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸誘導体、フェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、およびジアルキルビスフェノールAジホスファイトなどのリンを含む化合物である。これらの中でも、分子中にリン原子とともにイオウ原子も有する化合物、あるいは分子中に2つ以上のリン原子を有する化合物の使用が好ましい。
これらの酸化防止剤の合計配合量は、0.01〜5.0重量%、好ましくは0.05〜3.0重量%、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%である。
酸化防止剤の合計配合量が0.01重量%未満では、目的とする改良効果の得られる度合いが小さく、同時に金属(Y)と接合する際には銅害を防止する効果もある。また5.0重量%を超えると、ブルーミングを生じたり、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)の機械的強度が低下したりするため好ましくない。
さらに、本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)には、本発明の目的を損なわない範囲で種々の添加剤を添加することができる。例えば公知の結晶核剤や滑剤などの成形助剤、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系化合物である耐光剤、耐加水分解改良剤、顔料や染料などの着色剤、帯電防止剤、導電剤、難燃剤、補強剤、充填剤、可塑剤、離型剤などを任意に含有することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルブロック共重合体(A)、ポリビニルブチラール樹脂(B)、シランカップリング剤(C)、酸化防止剤(D)を配合した原料を、スクリュー型押出機に供給し溶融混練する方法など適宜採用することができる。
[金属(Y)]
本発明の金属(Y)は金属単体であってもよいし、2種以上の金属の合金であってもよい。特に限定されないが、金属(Y)の具体例としては、鉄、鋼、鉛、アルミニウム、銅、真鍮、青銅、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、チタン、クロムなどが挙げられる。金属(Y)はアルミニウム、鉄、チタン、クロム又はそれらの合金からなることが好ましい。特に、後述の温水処理によって金属形態が変化し、金属表面にO(酸素)原子を付与しやすいアルミニウムが好ましい。
本発明の金属(Y)は金属単体であってもよいし、2種以上の金属の合金であってもよい。特に限定されないが、金属(Y)の具体例としては、鉄、鋼、鉛、アルミニウム、銅、真鍮、青銅、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、チタン、クロムなどが挙げられる。金属(Y)はアルミニウム、鉄、チタン、クロム又はそれらの合金からなることが好ましい。特に、後述の温水処理によって金属形態が変化し、金属表面にO(酸素)原子を付与しやすいアルミニウムが好ましい。
[温水処理]
本発明に用いる水は、特に限定されないが水中の共雑物による影響を排除する目的で、イオン交換水、蒸留水、純水など導電性の低い水を使用することが好ましい。
本発明に用いる水は、特に限定されないが水中の共雑物による影響を排除する目的で、イオン交換水、蒸留水、純水など導電性の低い水を使用することが好ましい。
金属(Y)を高温の水に浸漬させることで、金属表面の有機物等の不純物を低減できる。すなわち、金属表面のC(炭素)元素比率を低下させることができる。また、特に金属(Y)がアルミニウムの場合は、金属形態の変化により、金属表面のO(酸素)原子を増加させることができる。水の温度は80℃以上が好ましいが、90℃以上であることがより好ましい。
浸漬時間は特に限定されないが、5分以上が好ましく、15分以上がより好ましく、30分以上がさらに好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)からなる複合成形体の製造方法において、接合面の金属表面の炭素原子比率が10%以下であることが好ましい。炭素原子比率が10%以上の場合、エラストマーと金属の接合反応が阻害され、接合強度の低下が生じる。
本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)からなる複合成形体の製造方法において、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)中のシランカップリング剤と金属表面の化学的結合を形成させるため、接合面の金属表面の酸素原子比率が50%以上であることが好ましい。
[接合方法]
本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)からなる複合成形体の接合方法としては、本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を加熱溶融する方法であれば特に制限するものはなく、例えばレーザー光を照射する方法、熱板にて加熱する方法、高周波を使用する方法、金属(Y)自体を加熱し熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を溶融させる方法、射出成形機や押出成形機から溶融した熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を吐出し2色成形等の方法で接合する方法等を選択することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)からなる複合成形体の接合方法としては、本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を加熱溶融する方法であれば特に制限するものはなく、例えばレーザー光を照射する方法、熱板にて加熱する方法、高周波を使用する方法、金属(Y)自体を加熱し熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を溶融させる方法、射出成形機や押出成形機から溶融した熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を吐出し2色成形等の方法で接合する方法等を選択することができる。
本発明の複合成形体は、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)からなる複合成形体であって、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)は、結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)と、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)とを主たる構成成分とし融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)66〜99重量%と、ポリビニルブチラール樹脂(B)1〜30重量%と、シランカップリング剤(C)およびその誘導体0.01〜5.0重量%と酸化防止剤(D)0.01〜5.0重量%とを配合してなる。シランカップリング剤(C)の誘導体とは、シランカップリング剤の反応物であり、例えば、シランカップリング剤同士の重合物や、シランカップリング剤を介した樹脂と金属との化学的結合の仲介部等である。
本発明の複合成形体において、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)の接合強度が10MPa以上であることが好ましく、13MPa以上であることがより好ましい。エラストマーを用いた接合は、その母材強度が比較的小さいことから、接合強度を求められる用途への展開が困難であった。接合強度が10MPa以上であれば、自動車部品、電機機器、工業用品等の強度を求められる用途への展開が期待できる。
以下に、実施例及び比較例により本発明をより詳しく説明する。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、この発明の要旨の範囲内で、適宣変更して実施することができる。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、この発明の要旨の範囲内で、適宣変更して実施することができる。
[金属(Y)の温水処理]
林純薬工業(株)製の蒸留水1Lをビーカーに加え、ホットプレートを用いてビーカーを加熱した。ホットプレートの出力を調節することで、水温を調節した。
林純薬工業(株)製の蒸留水1Lをビーカーに加え、ホットプレートを用いてビーカーを加熱した。ホットプレートの出力を調節することで、水温を調節した。
[金属表面の元素比率の分析]
日本電子(株)製のJPS−9030を用いて、下記条件で金属表面の元素比率を測定した。
傾斜角度:0度、
X線源:非単色化MgKα 12kV 25mA
エネルギー分解能:Ag3d5/2が1.8eV(パスエネルギー50eV)
アパーチャ径:6mm
エネルギーステップ:1ev。
日本電子(株)製のJPS−9030を用いて、下記条件で金属表面の元素比率を測定した。
傾斜角度:0度、
X線源:非単色化MgKα 12kV 25mA
エネルギー分解能:Ag3d5/2が1.8eV(パスエネルギー50eV)
アパーチャ径:6mm
エネルギーステップ:1ev。
[金属(Y)]
アルミニウムA1050、チタン、SUS304(鉄およびニッケル、クロムの合金)、鉄を、長さ60mm×幅20mm×肉厚2mmに加工したものを用いた。
アルミニウムA1050、チタン、SUS304(鉄およびニッケル、クロムの合金)、鉄を、長さ60mm×幅20mm×肉厚2mmに加工したものを用いた。
[熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)の製造]
結晶性芳香族ポリエステルからなる高融点結晶性重合体セグメント(a1)となるテレフタル酸443部およびイソフタル酸190部、脂肪族ポリエーテル単位および脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(a2)となる数平均分子量約1000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール177部、さらに1,4−ブタンジオール327部、チタンテトラブトキシド1.8部をヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1098(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤0.5部を添加した後、243℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマ(ポリエステルブロック共重合体(A))を水中にストランド状で吐出し、カッティングを行ってペレットとした。
結晶性芳香族ポリエステルからなる高融点結晶性重合体セグメント(a1)となるテレフタル酸443部およびイソフタル酸190部、脂肪族ポリエーテル単位および脂肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント(a2)となる数平均分子量約1000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール177部、さらに1,4−ブタンジオール327部、チタンテトラブトキシド1.8部をヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1098(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤0.5部を添加した後、243℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマ(ポリエステルブロック共重合体(A))を水中にストランド状で吐出し、カッティングを行ってペレットとした。
得られたポリエステルブロック共重合体(A)のペレット854部に対して、補強剤(東レ(株)製トレコン1100S:ポリブチレンテレフタレート樹脂)21部、ポリビニルブチラール樹脂(B)(積水化学工業(株)製 エスレックBM−SZ)を100部、シランカップリング剤(C)(東レ・ダウコーニング(株)製 OFS−6040)を6部、酸化防止剤(D)(白石カルシウム(株)製 ナウガード445)40部をV−ブレンダーを用いて混合し、直径45mmで3条ネジタイプのスクリューを有する2軸押出機を用いて250℃で溶融混練し、ペレット化した。
[金属(Y)との熱プレスによる接合強度]
異種材料として、長さ60mm×幅20mm×肉厚2mmの各種金属(Y)を、上下共に230℃に設定した熱プレスの下側に配置し1分間放置する。その後、縦10mm横20mm×肉厚0.2mmにプレスしたポリエステルエラストマー(X)のシートを、金属(Y)の上に配置し、さらに10mm重ね合わせるように同じ金属(Y)を配置する。その後1MPaの加重で30秒間プレスし熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を溶融させて金属(Y)に接合させる。その後、2枚の金属(Y)からなる接合体を、上側と下側を40℃に設定したプレスにて、1MPa×30秒間プレスして熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を固化させることにより、2枚の金属(Y)が20mm2の面積で重ね合わせられた引張剪断試験片を得た。その後、引張剪断試験片の両端を引張試験機のチャックにはさみ、50mm/分の歪み速度で引張り接合面の引張剪断によって剥がれる力を測定した。引張剪断によって得られた剥がれ力を接合面積の20mm2で割った値を接合力として算出した。
異種材料として、長さ60mm×幅20mm×肉厚2mmの各種金属(Y)を、上下共に230℃に設定した熱プレスの下側に配置し1分間放置する。その後、縦10mm横20mm×肉厚0.2mmにプレスしたポリエステルエラストマー(X)のシートを、金属(Y)の上に配置し、さらに10mm重ね合わせるように同じ金属(Y)を配置する。その後1MPaの加重で30秒間プレスし熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を溶融させて金属(Y)に接合させる。その後、2枚の金属(Y)からなる接合体を、上側と下側を40℃に設定したプレスにて、1MPa×30秒間プレスして熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を固化させることにより、2枚の金属(Y)が20mm2の面積で重ね合わせられた引張剪断試験片を得た。その後、引張剪断試験片の両端を引張試験機のチャックにはさみ、50mm/分の歪み速度で引張り接合面の引張剪断によって剥がれる力を測定した。引張剪断によって得られた剥がれ力を接合面積の20mm2で割った値を接合力として算出した。
実施例及び比較例の、金属種、サンプル処理内容、接合強度、元素比率の評価結果を表1に示す。
表1に示した通り、金属(Y)にアルミニウムを用いて、80℃以上の水中に5分以上浸漬させた実施例1〜4は高い接合強度を示し、金属表面の炭素Cの元素比率が低下し、酸素Oおよび金属Alの元素比率が上昇することが確認された。
一方、金属(Y)にアルミニウムを用いて、温水処理を行わなかった比較例1、金属(Y)を60℃の水に浸漬させた比較例2は金属表面の炭素Cの元素比率が実施例と比較して高く、酸素Oの元素比率が低くなっており、接合強度も低いことが確認された。
また、金属(Y)にチタン、SUS304、鉄を用いた場合、80℃以上の水中に5分以上浸漬させた実施例6〜8は、温水処理を行わなかった比較例3〜5よりも、高い接合強度を示すことが確認された。
本発明の複合成形体の製造方法および複合成形体は、上記した通り成形体としての充分な強度を有し成形加工性に優れ、各種異種材料と高い接合力を有することから、自動車部品、電機機器、工業用品等の異種材料との接合における接合材として好適に使用することができる。
Claims (7)
- 熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)からなる複合成形体の製造方法であって、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)は、結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)と、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)とを主たる構成成分とし融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)66〜99.98重量%と、ポリビニルブチラール樹脂(B)0〜30重量%と、シランカップリング剤(C)0.01〜5.0重量%と、酸化防止剤(D)0.01〜5.0重量%とを配合してなり、80℃以上の水中に5分以上浸漬させた金属(Y)に対して、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)を加熱溶融させて接合させることを特徴とする複合成形体の製造方法。
- ポリビニルブチラール樹脂(B)を1〜30重量%含む請求項1記載の複合成形体の製造方法。
- 金属(Y)が鉄、鋼、鉛、アルミニウム、銅、真鍮、青銅、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、チタン、クロム又はそれらの合金からなる請求項1または2に記載の複合成形体の製造方法。
- 金属がアルミニウム、鉄、チタン、クロム又はそれらの合金からなる請求項3に記載の複合成形体の製造方法。
- 接合面の金属表面の炭素原子比率が10%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の複合成形体の製造方法
- 接合面の金属表面の酸素原子比率が50%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の複合成形体の製造方法。
- 熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)からなる複合成形体であって、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)は、結晶性芳香族ポリエステル単位からなるハードセグメント(a1)と、脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位からなるソフトセグメント(a2)とを主たる構成成分とし融点が210℃未満のポリエステルブロック共重合体(A)66〜99.98重量%と、ポリビニルブチラール樹脂(B)0〜30重量%と、ポリビニルブチラール樹脂(B)1〜30重量%と、シランカップリング剤(C)およびその誘導体0.01〜5.0重量%と酸化防止剤(D)0.01〜5.0重量%とを配合してなり、熱可塑性エラストマー樹脂組成物(X)と金属(Y)の接合強度が10MPa以上である複合成形体。
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JP2019049509 | 2019-03-18 | ||
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JP2020029018A Pending JP2020152103A (ja) | 2019-03-18 | 2020-02-25 | 複合成形体の製造方法および複合成形体 |
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Cited By (1)
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CN114561052A (zh) * | 2022-03-14 | 2022-05-31 | 昆明理工大学 | 一种低熔点合金复合屏蔽辐射材料的制备方法 |
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2020
- 2020-02-25 JP JP2020029018A patent/JP2020152103A/ja active Pending
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CN114561052A (zh) * | 2022-03-14 | 2022-05-31 | 昆明理工大学 | 一种低熔点合金复合屏蔽辐射材料的制备方法 |
CN114561052B (zh) * | 2022-03-14 | 2023-09-22 | 昆明理工大学 | 一种低熔点合金复合屏蔽辐射材料的制备方法 |
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