[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1〜図3を参照して以下に説明する。図1を参照して、本実施形態の風呂装置1は、所謂、風呂給湯装置であり、浴室BRの浴槽BTに湯はりを行う湯はり運転、浴槽BT内の湯を加熱する追い焚き運転、浴槽BTに足し湯を行う足し湯運転等の風呂運転を実行可能であると共に、浴室及び台所等の給湯箇所への給湯を行う給湯運転を実行可能である。
この風呂装置1は、本実施形態では、浴室BRに設置された熱源機2を備える。この熱源機2は、該熱源機2内に水道水等の給湯用水を導入する給水路10と、熱源機2内で加熱した給湯用水(湯)を台所、浴室等の給湯箇所に供給する給湯路11とが接続されていると共に、浴槽BT内の湯水(以下、浴槽水という)を熱源機2との間で循環させる循環水路20を介して浴槽BTに接続されている。
そして、熱源機2内には、給水路10により導入される給湯用水を加熱するための給湯用加熱装置12と、浴槽BT内の湯水を加熱するための風呂用加熱装置22とが搭載されている。
給湯用加熱装置12は、燃焼式の加熱装置であり、加熱部としてのバーナ13と、バーナ13の燃焼熱により加熱される熱交換器14と、これらのバーナ13及び熱交換器14を内部(燃焼室)に収容した燃焼筐15とを備える。燃焼筐15には、バーナ13に燃焼用空気を供給する電動式の燃焼ファン16が取り付けられている。また、燃焼筐15には、バーナ13の燃焼運転により生成される燃焼排ガスを屋外に導出する排気通路15aが接続されている。
バーナ13は、例えばガスバーナである。このバーナ13に燃料ガスを供給する燃料供給路17には、これを開閉可能な2つの電磁弁17a,17bと、バーナ13への燃料ガスの供給量を調整する燃料調整弁17cとが取り付けられている。燃料調整弁17cは、例えば比例弁や電動式の制御弁等により構成され得る。
上記構成の給湯用加熱装置12では、燃焼ファン16を作動させつつ、図示しない点火装置を作動させると共に、電磁弁17a,17bを開弁制御することで、バーナ13が点火される。そして、バーナ13の燃焼運転中に、燃料調整弁17cを制御することで、バーナ13への燃料供給量が調整され、ひいては、バーナ13の火力が調整される。また、17a,17bの少なくとも一方を閉弁制御することで、バーナ13への燃料供給が遮断され、ひいては、バーナ13が消火される。
給水路10の上流側は、図示しない給水源の配管に接続され、給湯路11の下流側は浴室BR内に配置された給湯栓11a、台所や洗面所に配置された給湯栓(図示省略)等を含む複数の給湯対象部に接続されている。そして、給湯用加熱装置12の熱交換器14は、給水路10から給湯路11への給湯用水の通水を該熱交換器14を介して行い得るように、給水路10と給湯路11とに接続されている。また、給湯路11には、その下流側に供給される湯水の温度である給湯温度を検出する温度センサ18が取付けられている。
風呂用加熱装置22は、給湯用加熱装置12と同様の構成の加熱装置である。すなわち、該風呂用加熱装置22は、給湯用加熱装置12と同様に、バーナ(ガスバーナ)23及び熱交換器24と、これらを収容した燃焼筐25とを備え、燃焼筐25には、電動式の燃焼ファン26が取り付けられていると共に、排気通路25aが接続されている。
また、バーナ23に燃料ガスを供給する燃料供給路27は、給湯用加熱装置12側の燃料供給路17のうちの電磁弁17a,17bの間の箇所から分岐され、該燃料供給路27に、電磁弁27b及び燃料調整弁27cが取り付けられている。そして、かかる構成の風呂用加熱装置22では、バーナ23の点火、火力調整及び消火は、給湯用加熱装置12と同様に行われる。
循環水路20は、浴槽水の循環時に熱源機2側から浴槽BTに浴槽水を流す往路側水路20aと、浴槽BT側から熱源機2に浴槽水を流す復路側水路20bとにより構成されている。往路側水路20a及び復路側水路20bのそれぞれの浴槽BT側の端部は、浴槽BTの下部の側壁部に形成された給湯口BaにアダプタBbを介して接続されている。
また、往路側水路20a及び復路側水路20bのそれぞれの熱源機2側の端部は、復路側水路20bから往路側水路20aヘの通水を風呂用加熱装置22の熱交換器24を介して行い得るように、該熱交換器24に接続されている。
そして、往路側水路20a及び復路側水路20bのいずれか一方、例えば、復路側水路20bには、電動式の循環ポンプ21が取り付けられている。この循環ポンプ21の作動により、循環水路20での湯水の循環(浴槽BTと熱源機2との間での湯水の循環)が行われる。
また、往路側水路20a及び復路側水路20bのいずれか一方、例えば、復路側水路20bには、循環水路20内を流れる湯水の温度を、浴槽BT内の湯水の温度(以降、風呂温度という)として検出する温度センサ30と、浴槽BT内の水位を検出する水位センサ31とが取り付けられている。水位センサ31は、例えば水圧検知型の水位センサにより構成され得る。
循環水路20の途中部、例えば循環ポンプ21の下流側の復路側水路20bの途中部が湯はり用水路34を介して給湯路11に接続されている。そして、湯はり用水路34には、これを開閉可能な電磁弁35(以降、湯はり弁35という)と、該湯はり用水路34の通水流量を検出する水量センサ36とが取り付けられている。
従って、湯はり弁35を開弁制御した状態で、給湯用加熱装置12のバーナ13の燃焼運転を行うことで、加熱された給湯用水(湯)を給湯路11から湯はり用水路34及び循環水路20を介して浴槽BTに給湯する(すなわち、浴槽BTへの湯はりを行う)ことができるようになっている。また、浴槽BTへの湯はり時には、水量センサ36で検出される通水流量を積算することで、浴槽BTに供給された湯量(体積)を検出することが可能である。
さらに、湯はり弁35を閉弁制御した状態で、循環ポンプ21を作動させることで、浴槽BT内の湯水が循環水路20を介して循環する。そして、この循環状態で、風呂用加熱装置22のバーナ23の燃焼運転を行うことで、浴槽BT内の湯水を加熱する(すなわち、追い焚きを行う)ことができるようになっている。
補足すると、本実施形態では、前記循環水路20が本発明における湯はり水路に相当する。そして、本実施形態では、熱源機2が浴室BR内に設置されていることに加えて、湯はり水路としての循環水路20も浴室BR内に設置されている。
風呂装置1は、さらに、熱源機2の運転制御を行う機能を有する制御装置40と、熱源機2の運転操作をユーザが行うためのリモコン50とを備える。図1に示すリモコン50は、浴室BR内に配置されたリモコンである。このリモコン50は、図2に示すように、熱源機2の運転等に関する各種情報を表示する表示部50aと、音声、警報音等の音響情報を出力する発音部50bと、複数の操作スイッチ等により構成される操作部50cと、浴室BRの室温(以降、浴室温度ということがある)を検出する温度センサ50dとを含み、制御装置40と有線又は無線による通信を行うことが可能である。
なお、図2に示す入浴検知用センサ60及び入浴検知部40eは、後述する第2実施形態に関するものであり、本実施形態では不要である。
リモコン50の表示部50aは、例えば液晶表示器、有機EL表示器、LED表示器等により構成され、発音部50bは、例えばスピーカ、ブザー等により構成される。また、詳細な図示は省略するが、リモコン50の操作部50cには、熱源機2の起動又は運転停止を制御装置40に対して指令するための操作スイッチ、浴槽BTの湯はり運転、追い焚き運転、足し湯運転等の各風呂運転の実行を制御装置40に対して指令するための操作スイッチ、給湯温度の目標値を可変的に設定するための操作スイッチ、風呂温度の目標値を可変的に設定するための操作スイッチ、浴槽BT内の湯量の目標値(又は水位の目標値)を可変的に設定するための操作スイッチ等が含まれる。
ここで、本実施形態では、風呂装置1が実行可能な湯はり運転は、入浴当初のヒートショックの発生を防止するための機能を付加したヒートショック軽減湯はり運転と、当該機能を付加していない通常湯はり運転との2種類の湯はり運転があり、これらの2種類の湯はり運転のうちのいずれかの湯はり運転の実行を、リモコン50の操作部50cの操作によって選択的に制御装置40に指令することが可能である。
補足すると、風呂装置1は、浴室BRに配置されるリモコン50の他、台所等、浴室BR以外の箇所に配置される1つ以上のリモコンをさらに含み得る。この場合、他のリモコンも、表示部や発音部、操作部を有すると共に、制御装置40と通信可能である。ただし、各リモコンの操作部等の構成もしくは機能は互いに異なっていてもよい。また、各リモコンの表示部は、タッチパネル型の表示部であってもよく、その場合、該表示部に、操作部の全体もしくは一部が含まれ得る。また、各リモコンの操作部は、操作スイッチ以外に、音声入力部を含み得る。
制御装置40は、例えば、マイクロコンピュータ、メモリ、インターフェース回路等を含む1つ以上の電子回路ユニットにより構成されている。この制御装置40には、リモコン50を含む各リモコンの操作部の操作情報が各リモコンから与えられる。さらに、制御装置40には、前記温度センサ18,30,50d、水位センサ31、水量センサ36等、風呂装置1に備えられた各センサの検出データが入力される。
そして、制御装置40は、実装されたハードウェア構成およびプログラム(ソフトウェア構成)の両方又は一方により実現される機能によって、熱源機2の運転(給湯運転並びに、湯はり運転、追い焚き運転、足し湯運転等の風呂運転)に関する種々の制御処理を実行し得る。
本実施形態では、制御装置40は、給湯用加熱装置12、風呂用加熱装置22、循環ポンプ21、及び湯はり用水路34の湯はり弁35の作動制御を行う機能を有する他、前記ヒートショック軽減湯はり運転に関する後述の制御処理を実行するために、浴槽BT内の湯量がその目標値としての設定湯量に達したか否かを判断する湯量判断部40aとしての機能と、浴室BRの暖気が完了したか否かを判断する暖気判断部40bとしての機能と、浴槽BTの蓋Bcを開けるべき旨の報知情報を出力する第1報知部40cとしての機能と、ヒートショック軽減湯はり運転が完了して入浴可能な状態になった旨の報知情報を発生する第2報知部40dとしての機能とを有する。
ここで、上記設定湯量に関して補足すると、リモコン50の操作部50c(又は他のリモコンの操作部)の操作によって、浴槽BT内の湯量(湯水の体積)の目標値を設定し得る場合には、その目標値が設定湯量に相当する。また、リモコン50の操作部50c(又は他のリモコンの操作部)の操作によって、浴槽BT内の水位(水面高さ)の目標値を設定し得る場合には、該浴槽BT内の水位が目標値に一致する状態での該浴槽BT内の湯量が設定湯量に相当する。
次に、リモコン50の操作部50c(又は他のリモコンの操作部)の操作によって、ヒートショック軽減湯はり運転の実行が制御装置40に対して指令された場合の風呂装置1の作動を説明する。
この場合、制御装置40は、図3のフローチャートに示す制御処理を実行する。STEP1において、制御装置40は、浴槽BTの蓋Bcを開けるべき旨の報知情報を出力することを、リモコン50を含む各リモコンに指令する。本実施形態では、このSTEP1の処理が、前記第1報知部40cの処理であり、該STEP1で出力される報知情報が本発明における第1報知情報に相当する。
このとき、リモコン50では、例えば、当該報知情報(第1報知情報)を示す音声を発音部50bから出力する。他のリモコンについても同様である。当該報知情報の出力に応じて、ユーザは、浴槽BTの蓋Bcを開ける作業を実行する。なお、上記報知情報を音声により出力することに加えて、各リモコンの表示部で、当該報知情報を表示してもよい。また、当該報知情報の出力は、以下に説明するSTEP2で浴槽BTへの湯はりを開始するのと同時に行ってもよく、あるいは、該湯はりの開始直後に行ってもよい。
次いで、STEP2において、制御装置40は、浴槽BTへの湯はりを開始させる。具体的には、制御装置40は、湯はり弁35を開弁制御すると共に、給湯用加熱装置12のバーナ13の燃焼運転を開始させる。そして、制御装置40は、温度センサ18により検出される給湯温度が、リモコン50であらかじめ設定された風呂温度の目標値(以降、目標風呂温度という)に一致もしくはほぼ一致するように、バーナ13の燃焼量を制御する。該バーナ13の燃焼量の制御は、燃料調整弁17c及び燃焼ファン16の作動制御を通じて行われる。
これにより、目標風呂温度に一致もしくはほぼ一致する温度に加熱された湯が、給湯路11から湯はり用水路34及び循環水路20を介して浴槽BTに供給される(浴槽BTへの湯はりが行われる)。なお、浴槽BTへの給湯(湯はり)は間欠的に行ってもよい。
この場合、浴槽BTの蓋Bcを開けた状態で、浴槽BTへの湯はりが行われることで、浴槽BT内の湯から浴室BRの空間への放熱が促進され、ひいては、浴室BR内の暖気が進行する。加えて、本実施形態では、給湯用加熱装置12を含む熱源機2及び循環水路20が浴室BR内に設置されている。よって、浴槽BTに供給する湯を給湯用加熱装置12により加熱するときに該給湯用加熱装置12のバーナ13で発生する熱の一部が、浴槽BTに供給される湯を介して浴室に伝達されるだけでなく、浴槽BTに供給される湯に伝達される熱以外の熱(例えば、燃焼筐15が保有する熱や、燃焼排ガスの熱の一部)が、浴室BR内に放熱される。また、加熱された湯が循環水路20を通って浴槽BTに供給されるとき、循環水路20から浴室BTへの放熱も発生する。このため、浴室BRの暖気が効果的に促進される。
制御装置40は、このように浴槽BTへの湯はりを行いながら、STEP3において、浴槽BT内の湯量(以降、湯はり量という)が、設定湯量に達したか否かを判断する判断処理を、その判断結果が肯定的になるまで逐次実行する。本実施形態では、この判断処理が、前記湯量判断部40aの処理に相当する。
この場合、制御装置40は、例えば、水位センサ31により検出される浴槽BT内の水位が、リモコン50であらかじめ設定された目標水位に達したときに、湯はり量が設定湯量に達したと判断する。
あるいは、制御装置40は、例えば、水位センサ31により検出される浴槽BT内の水位が、浴槽BTの給湯口Baの水位以上の基準水位に達した後、水量センサ36で検出される通水流量の積算値(浴槽BTに供給された湯量)が、リモコン50であらかじめ設定された目標水位と上記基準水位とを用いて算出される必要湯量(浴槽BT内の水位を基準水位から目標水位まで上昇させるのに要する湯量)に達したときに、湯はり量が設定湯量に達したと判断する。
あるいは、制御装置40は、例えば、浴槽BTへの湯はりの開始時から、水量センサ36を介して検出される通水流量の積算値が、リモコン50であらかじめ設定された目標湯量に達したときに、湯はり量が設定湯量に達したと判断する。
なお、浴槽BT内の湯量が目標湯量になるように浴槽BTへの湯はりを自動的に行い、もしくは、浴槽BT内の水位が目標水位になるように浴槽BTへの湯はりを自動的に行う手法は、種々様々な手法が公知になっている。そして、STEP3の判断処理は、それぞれの湯はり手法に合わせた態様で行えばよい。
湯はり量が設定湯量に達することによって、STEP3の判断結果が肯定的になると、制御装置40は、STEP4において、浴槽BTへの湯はり(給湯)を終了する。この場合、制御装置40は、湯はり弁35を閉弁制御する。また、浴槽BT以外の給湯対象部への給湯を行っていない場合(湯はり弁35の閉弁制御によって、給水路10及び給湯路11の通水が停止した場合)には、制御装置40は、給湯用加熱装置12のバーナ13の燃焼運転を停止させる。
さらに、STEP5において、制御装置40は、湯はりの終了後に、浴室BRの暖気(浴槽BT内の湯水の放熱による暖気)を継続すべき所要時間としての暖気必要時間twを設定すると共に、湯はりの終了後の経過時間の計時を開始する。
ここで、本実施形態では、制御装置40は、例えば、STEP2での湯はりの開始時(又はその直前もしくは直後)において、リモコン50の温度センサ50dで検出された浴室温度(以降、湯はり初期の浴室温度Ts0という)を該リモコン50から取得して記憶保持している。そして、STEP5では、制御装置40は、湯はり初期の浴室温度Ts0の検出値に応じて、暖気必要時間twを設定する。
具体的には、制御装置40は、例えば、湯はり初期の浴室温度Ts0の検出値が、Ts0<5℃である場合はt1=15分、5℃≦Ts0<10℃である場合はt1=10分、10℃≦Ts0<15℃である場合はt1=5分、というように、湯はり初期の浴室温度Ts0の検出値が低いほど、暖気必要時間twが長くなるように該暖気必要時間twを設定する。
補足すると、暖気必要時間twの設定態様は上記の態様に限られない。例えば、湯はり終了時(又は、その直前もしくは直後)における浴室温度(以降、湯はり終期の浴室温度という)の検出値に応じて暖気必要時間twを設定してもよい。あるいは、例えば、湯はり初期の浴室温度Ts0の検出値と湯はり終期の浴室温度の検出値との両方に応じて、もしくはこれらの検出値の差に応じて暖気必要時間twを設定してもよい。あるいは、例えば、湯はりの実行中における浴室温度の検出値の時間的変化率に応じて、暖気必要時間twを設定してもよい。
さらに、例えば、浴室温度の検出値やその時間的変化率の代わりに、あるいは、該検出値やその時間的変化率に加えて、リモコン50であらかじめ設定された目標風呂温度(又は、浴槽BTへの湯はり時に該浴槽BTに供給する湯の温度の目標値)に応じて暖気必要時間twを設定してもよい。例えば、目標風呂温度が高いほど、暖気必要時間twが短くなるように該暖気必要時間twを設定してもよい。
さらに、例えば、浴室温度の検出値やその時間的変化率の代わりに、あるいは、該検出値やその時間的変化率に加えて、湯はりの開始時から終了時までに要した時間に応じて暖気必要時間twを設定してもよい。例えば、湯はりの開始時から終了時までに要した時間が短いほど、暖気必要時間twが長くなるように該暖気必要時間twを設定してもよい。
さらに、例えば、浴室温度の検出値やその時間的変化率の代わりに、あるいは、該検出値やその時間的変化率に加えて、湯はり完了後、所定時間内での浴槽BT内の湯温の時間的変化率を温度センサ30を介して計測し、該時間的変化率に応じて暖気必要時間twを設定してもよい。
さらに、例えば、外気温度や浴室BRに隣接する脱衣室の室温を検出もしくは推定し得る場合には、該外気温度や脱衣室の室温を反映させて、暖気必要時間twを設定してもよい。
なお、暖気必要時間twを、浴室温度等によらずに、あらかじめ定めた一定値(固定値)にしたり、あるいは、ユーザが所定の範囲内で所望の時間に設定し得るようにするという態様を採用することも可能である。また、暖気必要時間twの設定及び経過時間の計時開始は、STEP4での湯はり終了の直後(又は湯はり終了時)に限らず、例えば、STEP2での湯はり開始時(又はその直後)に、行うようにしてもよい。
次いで、STEP6において、制御装置40は、STEP5で設定した暖気必要時間twが経過したか否か(湯はり終了後の経過時間の計時値が暖気必要時間twに達したか否か)を判断する判断処理を、その判断結果が肯定的になるまで逐次実行する。この場合、浴槽BTの蓋Bcが開いたままに維持されているので、STEP6の判断処理の継続中に、浴槽BT内の湯から浴室BR内への放熱が継続的に進行し、ひいては、浴室BRの暖気が継続的に進行する。
本実施形態では、上記STEP6の判断処理は、換言すれば、浴室BRの暖気が完了したか否かの判断する処理、すなわち、前記暖気判断部40bの処理に相当する。そして、STEP6の判断結果が肯定的になると(暖気が完了したと判断されると)、制御装置40は、次にSTEP7において、浴槽BT内の湯の追い焚きを開始する。
具体的には、制御装置40は、湯はり弁35を閉弁維持した状態で、循環ポンプ21を作動させると共に、風呂用加熱装置22のバーナ23の燃焼運転を開始させる。そして、制御装置40は、温度センサ30で検出される浴槽BT内の湯の温度(風呂温度)を、リモコン50であらかじめ設定された目標風呂温度に一致もしくはほぼ一致する温度に昇温させるように、バーナ23の燃焼量を制御する。該バーナ23の燃焼量の制御は、燃料調整弁27c及び燃焼ファン26の作動制御を通じて行われる。これにより、浴槽BT内の湯が循環水路20を通って循環しつつ、加熱される。
このように浴槽BT内の湯の追い焚きを行いながら、制御装置40は、STEP8において、温度センサ30で検出される風呂温度が、目標風呂温度に達したか否かを判断する処理を、その判断結果が肯定的になるまで逐次実行する。
そして、STEP8の判断結果が肯定的になると、STEP9において、制御装置40は、追い焚きを終了する。具体的には、制御装置40は、循環ポンプ21の作動を停止すると共に、風呂用加熱装置22のバーナ23の燃焼運転を停止させる。
さらに、STEP10において、制御装置40は、湯はり運転(ヒートショック軽減湯はり運転)が完了して、浴槽BTへの入浴が可能な状態になった旨の報知情報を出力することを、リモコン50を含む各リモコンに指令する。本実施形態では、このSTEP10の処理が、前記第2報知部40dの処理であり、該STEP10で出力される報知情報が本発明における第2報知情報に相当する。
このとき、リモコン50では、例えば、当該報知情報(第2報知情報)を示す音声を発音部50bから出力する。他のリモコンについても同様である。なお、当該報知情報は、湯はり運転が完了したという情報と、入浴が可能な状態になったという情報との両方を含む内容のものでもよいことはもちろんであるが、いずれか一方の情報から、他方の情報も認識し得る。従って、当該報知情報は、いずれか一方の情報だけをを含む内容のものであってもよい。また、当該報知情報を音声により出力することに加えて、各リモコンの表示部で、当該報知情報を表示してもよい。
本実施形態では、ヒートショック軽減湯はり運転は、以上説明した如く実行される。かかる本実施形態によれば、湯量判断部40aの処理に相当するSTEP3の判断結果が肯定的になることに加えて、暖気判断部40bの処理に相当するSTEP6の判断結果が肯定的になると共に、これらのSTEP3、6の判断結果が肯定的になった後の浴槽BT内の湯水の追い焚きによって風呂温度が目標風呂温度に達することを必要条件として、STEP10での報知情報(湯はり運転が完了して、浴槽BTへの入浴が可能な状態になった旨の報知情報)が出力される。
そして、この報知情報の出力に応じて、ユーザが、浴槽BTに入浴できる状態になったことを認識し、その後、入浴を開始する。この場合、浴室BRにユーザが入室する前に、浴槽BT内の湯の放熱による浴室BRの暖気が十分に進行しているので、ヒートショックの発生を効果的に防止することが可能となる。
また、前記暖気必要時間twを、前記した如く浴室温度等に応じて設定することで、前記STEP6の判断結果が、浴室BRの暖気が完了したか否かの判断結果を表すものとしての信頼性を高めることができる。このため、浴室BRの暖気が不足した状態でSTEP10での報知情報(第2報知情報)が出力されてしまったり、あるいは、浴室BRの暖気の期間が必要以上に長くなって、STEP10での報知情報の出力が遅くなり過ぎるのを適切に防止することができる。
また、本実施形態では、STEP3、6の判断結果が肯定的になった後、追い焚きを行った上で、STEP10での報知情報(第2報知情報)が出力されるので、風呂温度が、ユーザが設定した目標風呂温度に一致もしくはほぼ一致する温度になった状態で、浴槽BTへの入浴を開始することができる。従って、快適な入浴を行うことができる。
さらに、本実施形態では、浴槽BTに供給する湯を給湯用加熱装置12により加熱するときに該給湯用加熱装置12のバーナ13で発生する熱の一部が浴室BR内に放熱されると共に、加熱された湯が循環水路20を通って浴槽BTに供給されるときに、循環水路20から浴室BTへの放熱が発生する。このため、浴槽BTに供給された湯から浴室BRへの放熱と併せて、浴室BRの暖気をより一層促進することができ、ひいては、暖気完了までの期間を短くすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図2及び図4を参照して説明する。なお、本実施形態は、一部の構成及び制御処理だけが第1実施形態と相違するものであるので、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
図2を参照して、本実施形態では、風呂装置1は、浴槽BTへの入浴の有無(詳しくは、ユーザが浴槽BT内の湯に入ったか否か)を検知するための入浴検知用センサ60を備えており、この入浴検知用センサ60の検出データが制御装置40に入力される。上記入浴検知用センサ60は、例えば浴室BR内に設置され、もしくは、リモコン50に搭載される公知の人感センサにより構成される。
そして、制御装置40は、実装されたハードウェア構成及びプログラムの両方又は一方により実現される機能として、第1実施形態と同様の機能に加えて、入浴検知用センサ60の検出データに基づいて入浴の有無を検知する入浴検知部40eとしての機能をさらに有する。該入浴検知部40eは、例えば、浴槽BTへの湯はりの終了後に、入浴検知用センサ60により浴槽BT内に人が存在することが検知された場合に、その人(ユーザ)が入浴を開始したことを検知する。
なお、入浴検知用センサ60は、人感センサに限られない。例えば、浴室BR内の音を検出するセンサや、水位センサ31等を入浴検知用センサ60として利用することも可能である。
本実施形態の風呂装置1は、上記の如く、入浴検知用センサ60及び入浴検知部40eを備える点で第1実施形態と相違し、これ以外の構成は第1実施形態と同じである。ただし、本実施形態では、制御装置40の機能のうちの暖気判断部40bの処理と、第2報知部40dによる報知情報(第2報知情報)の出力タイミングとは、後述する如く第1実施形態と相違する。
次に、本実施形態の風呂装置1の作動を説明する。本実施形態では、制御装置40は、リモコン50の操作部50c(又は他のリモコンの操作部)の操作によって、ヒートショック軽減湯はり運転の実行が指令されたとき、図4のフローチャートに示す制御処理を実行する。
この場合、STEP21〜24の処理は、第1実施形態におけるSTEP1〜4の処理を同じである。そして、制御装置40は、本実施形態では、STEP24で浴槽BTへの湯はりを終了した後、浴槽BT内の湯温(風呂温度)を前記温度センサ30を介して監視するために、STEP25において、循環ポンプ21を作動させる。
このように循環ポンプ21を作動させた状態で、制御装置40は、STEP26において、温度センサ30により検出される風呂温度が、所定温度以下の温度に低下したか否かを判断する処理を、その判断結果が肯定的になるまで逐次実行する。ここで、STEP26における上記所定温度は、リモコン50であらかじめ設定された目標風呂温度よりも所定値αだけ低い温度である。該所定値αは、例えば、あらかじめ定めた一定値(固定値)である。
この場合、浴槽BTの蓋Bcが開いたままに維持されているので、STEP26の判断処理の継続中に、浴槽BT内の湯から浴室BR内への放熱が継続的に進行し、ひいては、浴室BRの暖気が継続的に進行する。また、浴槽BT内の湯温(風呂温度)が放熱により低下していく。
補足すると、STEP26の判断処理に係る上記所定値αは、前記第1実施形態における暖気必要時間twの設定の場合と同様に、例えば、前記した湯はり初期の浴室温度の検出値、あるいは、湯はり終期の浴室温度の検出値、あるいは、これらの検出値の差、あるいは、湯はりの実行時の浴室温度の時間的変化率、あるいは、目標風呂温度、あるいは、湯はりの開始時から終了時までの所要時間、あるいは、湯はり完了後の所定時間内での浴槽BT内の湯温の時間的変化率、あるいは、外気温度もしくは脱衣室の室温の検出値等に応じて可変的に設定してもよい。あるいは、該所定値αは、ユーザが所定の範囲内で所望の値に設定し得るようにしてもよい。
また、上記所定値αを、リモコン50で設定された目標湯量、又は目標水位に対応する湯量としての前記設定湯量に応じて変化させる(ひいては、前記STEP26における所定温度を前記設定湯量に応じて変化させる)ように設定してもよい。例えば、次式(1)で示す如く、浴槽BTに湯はりする湯から浴室BRに放熱させるべき熱量の目標値(以降、浴室目標投入熱量という)を、設定湯量で除算してなる値を上記所定値αとして設定してもよい。
α=浴室目標投入熱量/設定湯量 ……(1)
この場合、浴室目標投入熱量は、あらかじめ定めた一定値(固定値)でもよいが、例えば湯はり終期の浴室温度の検出値や、外気温度の検出値等に応じて設定してもよい。このように所定値αを設定した場合、設定湯量が小さいほど、所定値αが大きくなるように設定されるので、STEP26における所定温度は、設定湯量が小さいほど、低い温度になるように設定されることとなる。なお、所定値αを、設定湯量から、あらかじめ作成されたマップ等を用いて設定するようにしてもよい。
本実施形態では、上記STEP26の判断処理は、換言すれば、浴室BRの暖気が完了したか否かを判断する処理、すなわち、前記暖気判断部40bの処理に相当する。そして、STEP26の判断結果が肯定的になると(暖気が完了したと判断されると)、制御装置40は、次にSTEP27において、循環ポンプ21の作動を停止させる。なお、本実施形態では、循環ポンプ21の作動を継続した状態で、風呂温度に関するSTEP26の判断処理を逐次実行したが、循環ポンプ21を一定周期で間欠的に作動させ、該循環ポンプ21の作動中の期間内だけ、STEP26の判断処理を実行するようにしてもよい。
続いて、STEP28において、制御装置40は、湯はり運転(ヒートショック軽減湯はり運転)が完了して、浴槽BTへの入浴が可能な状態になった旨の報知情報を出力することを、リモコン50を含む各リモコンに指令する。本実施形態では、このSTEP28の処理が、第2報知部40dの処理であり、該STEP28で出力される報知情報が本発明における第2報知情報に相当する。
このとき、第1実施形態のSTEP10と同様に、リモコン50の発音部50bを含めた各リモコンの発音部から、当該報知情報(第2報知情報)を示す音声が出力される。なお、当該報知情報を音声により出力することに加えて、各リモコンの表示部で、当該報知情報を表示してもよい
次いで、制御装置40は、STEP29において、ユーザが入浴を開始したか否かを判断する処理を、その判断結果が肯定的になるまで逐次実行する。このSTEP29の判断処理は、前記入浴検知部40eの処理であり、前記入浴検知用センサ60の検出データに基づいて行われる。
そして、STEP29の判断結果が肯定的になると、制御装置40は、次にSTEP30において、浴槽BT内の湯の追い焚きを開始させる。具体的には、制御装置40は、第1実施形態における追い焚きの実行時と同様に、循環ポンプ21を作動させると共に、風呂用加熱装置22のバーナ23の燃焼運転を開始させ、さらに、温度センサ30により検出される風呂温度が、リモコン50で設定された目標風呂温度に一致もしくはほぼ一致するように、バーナ23の燃焼量を制御する。
このように浴槽BT内の湯の追い焚きを行いながら、制御装置40は、STEP31において、温度センサ30により検出される風呂温度が目標風呂温度に達したか否かを判断する処理を、その判断結果が肯定的になるまで逐次実行する。
そして、STEP31の判断結果が肯定的になると、制御装置40は、追い焚きを終了させる。この場合、制御装置40は、循環ポンプ21の作動を停止させると共に、風呂用加熱装置22のバーナ23の燃焼運転を停止させる。
本実施形態では、ヒートショック軽減湯はり運転は、以上説明した如く実行される。かかる本実施形態によれば、湯量判断部40aの処理に相当するSTEP23の判断結果が肯定的になることに加えて、暖気判断部40bの処理に相当するSTEP26の判断結果が肯定的になることを必要条件として、STEP28での報知情報(湯はり運転が完了して、浴槽BTへの入浴が可能な状態になった旨の報知情報)が出力される。
そして、この報知情報の出力に応じて、ユーザが、浴槽BTに入浴できる状態になったことを認識し、その後、入浴を開始する。この場合、浴室BRにユーザが入室する前に、浴槽BT内の湯の放熱による浴室BRの暖気が十分に進行しているので、ヒートショックの発生を効果的に防止することが可能となる。
また、前記STEP26での所定温度(=目標風呂温度−α)を規定する所定値αを、浴室温度等に応じて可変的に設定することで、前記STEP26の判断結果が、浴室BRの暖気が完了したか否かの判断結果を表すものとしての信頼性を高めることができる。このため、浴室BRの暖気が不足した状態でSTEP28での報知情報(第2報知情報)が出力されてしまったり、あるいは、浴室BRの暖気の期間が必要以上に長くなって、STEP28での報知情報の出力が遅くなり過ぎるのを適切に防止することができる。
特に、上記所定値αを、前記設定湯量に応じて前記した如く可変的に設定した場合には、湯はりの終了後、前記STEP26の判断結果が肯定的になるまでに、浴槽BT内の湯から浴室BRへの放熱量を、設定湯量によらずに、ほぼ一定量にすることができる。このため、設定湯量によらずに、浴室BRの暖気を安定的に行うことができる。
また、本実施形態では、STEP26での報知情報(第2報知情報)の出力後、ユーザが浴槽BTへの入浴を開始してから、浴槽BT内の湯の追い焚きが自動的に開始される。このため、ユーザが入浴を開始する前には、追い焚きが開始していないので、入浴開始直前における浴槽BT内の湯温と浴室温度との温度差を小さくできる。これにより、ユーザが入浴を開始するときのヒートショックの発生を効果的に防止することができる。そして、ユーザが入浴を開始すると、追い焚きが開始されるので、入浴開始後の初期に、浴槽BT内の湯温を適温(目標風呂温度)にすることが可能となる。ひいては、ヒートショックの発生を効果的に防止しつつ、快適な入浴を実現することが可能となる。
なお、本発明は、以上説明した第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下に他の実施形態をいくつか説明する。
前記第1実施形態では、STEP7〜9での追い焚き運転の実行後に、STEP10での報知情報(第2報知情報)を出力するようにした。ただし、例えば、STEP6の判断結果が肯定的になったとき(暖気が完了したと判断されたとき)に、当該報知情報(第2報知情報)を出力し、続いて、追い焚き運転を自動的に実行したり、あるいは、図4のSTEP29〜32と同じ処理を実行したり、あるいは、該追い焚き運転の実行を省略してもよい。
また、例えば、第2実施形態でのSTEP28での報知情報(第2報知情報)の出力後、続いて、追い焚き運転を自動的に実行したり、あるいは、STEP29〜32の処理を省略してもよい。また、STEP26の判断結果が肯定的になったとき(暖気が完了した判断されたとき)に、続いて、追い焚き運転を自動的に実行し、該追い焚き運転の終了後に、STEP28での報知情報(第2報知情報)を出力するようにしてもよい。
また、例えば浴槽BTへの湯はり(給湯)において、目標風呂温度より所定値だけ高い温度に加熱した湯を設定湯量まで浴槽BTに供給し、その後、浴槽BT内の湯温の検出値が目標風呂温度まで低下したときに、浴室BRの暖気が完了したと判断するようにしてもよい。
また、前記各実施形態では、浴室温度と風呂温度(浴槽BT内の湯温)とをそれぞれ温度センサ50d,30により検出するものを例示したが、該浴室温度や風呂温度を、該温度と一定の相関関係を有する他の1つ以上のパラメータの検出値から、該相関関係に基づいて推定するようにしてもよい。
また、前記各実施形態では、熱源機2の給湯用加熱装置12及び風呂用加熱装置22は、燃焼式の加熱装置であるが、該給湯用加熱装置12及び風呂用加熱装置22は、燃焼式に限らず、電気式の加熱装置、あるいは、ヒートポンプ装置等であってもよい。
また、前記各実施形態では、風呂装置1は、風呂運転に加えて、浴槽BT以外の給湯対象部への給湯運転を行う機能を有する装置であるが、風呂装置1は、当該給湯運転機能を備えないものであってもよい。また、風呂装置1が実行し得る風呂運転は、例えば湯はり運転だけであってもよい。