JP2018071739A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車輪が回転しているとき及び停止しているときに泥水等の異物の浸入を抑制することができる車輪用軸受装置を提供する。【解決手段】ハブ軸11に取り付けられる環状のスリンガ40は、径方向外側かつ車両インナ側に向いた傾斜状の外周面46aを有するシール形成部43を径方向外端部に備え、外輪12に取り付けられるシール部材30は、スリンガ40の車両インナ側の側面に滑り接触するアキシアルリップ31と、スリンガ40の径方向外側に配置されシール形成部43よりも車両アウタ側に突出する外周リップ34とを備え、外周リップ34は、シール形成部43の外周面46aに径方向外側から対向してシール隙間tを形成するとともに径方向内側かつ車両アウタ側に向いた傾斜状の第1の内周面34aと、シール形成部43の外周面46aよりも車両アウタ側に位置し径方向内側に向いた円筒状の第2の内周面34cとを有している。【選択図】図3

Description

本発明は、車輪用軸受装置に関するものである。
自動車等の車両において、車輪を回転自在に支持するために車輪用軸受装置(ハブユニット)が用いられている。車輪用軸受装置は、車輪が取り付けられるフランジ部を車両アウタ側に有するハブ軸と、このハブ軸の径方向外側に設けられている外輪と、ハブ軸と外輪との間に設けられている複数の転動体(例えば、複数の玉)と、複数の転動体を保持する保持器とを備えている。この車輪用軸受装置においては、ハブ軸と外輪との間であって転動体が設けられている軸受内部に、泥水等の異物が軸受外部から浸入するのを防ぐために、密封装置が設けられている。
例えば、特許文献1に記載されている密封装置は、図8に示すように、外輪212の車両アウタ側の端部に設けられるベアリングシール230と、ハブ軸211に嵌合・固定される金属環(スリンガ)240とを備えている。ベアリングシール230は、金属環240の車両インナ側の側面に滑り接触するアキシアルリップ231を備え、このアキシアルリップ231によって、泥水等の異物が外部から軸受内部へ浸入するのを防止している。また、金属環240は、径方向外端部に車両インナ側へ屈曲して延びる延出部247を備え、ベアリングシール230は、延出部247の径方向外側と径方向内側とにおいて車両アウタ側へ向けて延びる堰部237及び突出部238を備え、延出部247と堰部237及び突出部238とによってコの字状に蛇行するラビリンス隙間tを形成している。このラビリンス隙間tによっても外部からの泥水等の浸入が抑制されている。
特開2016−14407号公報
車輪用軸受装置に適用される密封装置は、車輪が回転しているときは勿論のこと、車輪が停止している状態でも泥水等の異物の浸入を防止することが求められる。図8に示される密封装置は、例えば外部から矢印a方向に泥水等が降りかかったとき、堰部237と延出部247との間に泥水等が浸入しやすくなる。また、一旦、泥水等が浸入してしまうとラビリンス隙間tから抜け難くなる。そして、車輪の回転に伴って金属環240が回転すると、延出部247に付着した泥水等は径方向外方へ振り飛ばされて堰部237に衝突するため、外部へ逃げることなくはね返され、ラビリンス隙間tから軸受内部側へ入り込んでしまう可能性がある。
なお、軸受内部への泥水等の浸入を確実に防止するには、アキシアルリップの緊迫力を高めることが考えられる。しかし、この場合、ハブ軸の回転トルクが増大するため車両の走行性能や燃費に悪影響を及ぼす。したがって、アキシアルリップに到る前に泥水等の浸入を抑制することが非常に重要となる。
本発明は、車輪が回転しているとき及び停止しているときに泥水等の異物の浸入を抑制することができる車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
本発明の車輪用軸受装置は、車輪が取り付けられるフランジ部を車両アウタ側に有するハブ軸と、前記ハブ軸の径方向外側に設けられる外輪と、前記ハブ軸と前記外輪との間に設けられている複数の転動体と、前記外輪の車両アウタ側の端部に取り付けられる環状のシール部材と、前記フランジ部の車両インナ側の側面に沿って前記ハブ軸に取り付けられる環状のスリンガと、を備え、前記スリンガは、径方向外側かつ車両インナ側に向いた傾斜状の外周面を有するシール形成部を径方向外端部に備え、前記シール部材は、前記スリンガの車両インナ側の側面に滑り接触するアキシアルリップと、前記スリンガの径方向外側に配置され前記シール形成部よりも車両アウタ側に突出する外周リップとを備え、前記外周リップは、前記シール形成部の前記外周面に径方向外側から対向してシール隙間を形成するとともに径方向内側かつ車両アウタ側に向いた傾斜状の第1の内周面と、前記シール形成部の前記外周面よりも車両アウタ側に位置し径方向内側に向いた円筒状の第2の内周面とを有している。
上記構成によれば、ハブ軸の回転に従ってスリンガが回転したときに、スリンガにおけるシール形成部の外周面に付着した泥水等は、当該外周面に沿って車両アウタ側へ導かれる。また、スリンガの回転によって径方向外方へはね飛ばされた泥水等は外周リップの第1の内周面に衝突することによって車両アウタ側へ導かれる。したがって、シール隙間を介して軸受内部に泥水等が浸入するのを防止することができる。また、外周リップは、スリンガにおけるシール形成部の外周面よりも車両アウタ側に突出しているので、スリンガが停止している状態であっても、外部からの泥水等は外周リップに遮られることによってシール隙間に浸入することが抑制される。さらに、外周リップは、円筒状の第2の内周面を有しているので、スリンガが停止している状態で第2の内周面に付着した泥水等が第1の内周面を伝ってシール隙間へ流れるのを抑制することができる。
前記シール形成部は、径方向外側に向かうに従い車両アウタ側へ傾斜して延びる傾斜板を備え、前記傾斜板は、前記外周面と、径方向内側かつ車両アウタ側に向いた傾斜状の内周面とを有していることが好ましい。
この構成によれば、スリンガの回転によって傾斜板の内周面に付着した泥水等を車両アウタ側へ導くことができ、シール隙間から軸受内部へ泥水等が浸入するのを抑制することができる。
本発明によれば、車輪が回転しているときだけでなく停止しているときにも泥水等の異物の浸入を抑制することができる。
実施形態に係る車輪用軸受装置の断面図である。 密封装置を示す断面図である。 密封装置の要部を拡大して示す断面図である。 密封装置の変形例を示す断面図である。 密封装置の他の変形例を示す断面図である。 密封装置のさらに他の変形例を示す断面図である。 比較例を示す密封装置の断面図である。 従来技術に係る密封装置を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は実施形態に係る車輪用軸受装置の断面図である。この車輪用軸受装置(ハブユニット)10は、例えば自動車の車体側の懸架装置(ナックル)に取り付けられ、車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置10は、ハブ軸11と、外輪12と、転動体13と、保持器14と、密封装置15,17とを備えている。
外輪12は、円筒状の部材であり、例えば機械構造用炭素鋼により製造されている。外輪12は、円筒形状である外輪本体21と、この外輪本体21から径方向外側に延びて設けられている固定用のフランジ部22とを有している。このフランジ部22が車体側部材であるナックル(図示せず)に固定されることで、外輪12を含む車輪用軸受装置10はナックルに固定される。
車輪用軸受装置10が車体側に固定された状態で、ハブ軸11が有する後述の車輪取り付け用のフランジ部26側が車両の幅方向外側となる。つまり、図1の左側(フランジ部26側)が車両アウタ側となり、図1の右側が車両インナ側となる。また、図1の左右方向が車輪用軸受装置10の軸方向となる。
外輪12の内周面には、車両アウタ側の外輪軌道面12aと、車両インナ側の外輪軌道面12bとが形成されている。
ハブ軸11は、軸本体部25と、車輪取り付け用のフランジ部26と、内輪部材27とを有している。これらは、例えば機械構造用炭素鋼により製造されている。
軸本体部25は軸方向に長い軸部材である。
フランジ部26は、軸本体部25の車両アウタ側から径方向外側に延びており、円環形状に形成されている。フランジ部26には、周方向に沿って複数の穴が形成されており、この穴に、車輪取り付け用のボルト28が取り付けられている。フランジ部26には、図視しない車輪の他にブレーキロータが取り付けられる。
フランジ部26の車両インナ側の側面26aは、フランジ部26の基部26b側に位置する第1の側面26a1と、第1の側面26a1よりも径方向外側に位置する第2の側面26a2とを含み、第2の側面26a2は、第1の側面26a1よりも車両アウタ側に配置されている。第1の側面26a1と第2の側面26a2との間には、第1の側面26a1から車両アウタ側へ凹状に湾曲する曲面26a3が形成されている。
内輪部材27は、環状の部材であり、軸本体部25の車両インナ側に嵌合して取り付けられている。軸本体部25の車両アウタ側の外周面に軸軌道面11aが形成され、内輪部材27の外周面に内輪軌道面11bが形成されている。
車両アウタ側の外輪軌道面12aと軸軌道面11aとが径方向に対向し、車両インナ側の外輪軌道面12bと内輪軌道面11bとが径方向に対向し、車両アウタ側及びインナ側それぞれの軌道面間に転動体13である玉が配置されている。
転動体(玉)13は軸方向に間隔をあけて二列設けられており、各列の転動体13は、環状の保持器14によって保持されている。ハブ軸11と外輪12との間に複数の転動体13が設けられていることで、外輪12は、ハブ軸11(軸本体部25)の径方向外側においてハブ軸11と同心状に設けられる。
車両アウタ側の保持器14は、車両アウタ側に位置する転動体列に含まれる複数の転動体13を、周方向に間隔をあけて保持する。車両インナ側の保持器14は、車両インナ側に位置する転動体列に含まれる複数の転動体13を、周方向に間隔をあけて保持する。保持器14は、例えば樹脂製とすることができる。
車両インナ側の密封装置17は、環状のシール部材60と、環状のスリンガ50とによって構成されている。シール部材60は、外輪12(外輪本体21)の車両インナ側の端部の内周面に嵌合して取り付けられている。スリンガ50は、内輪部材27の外周面に嵌合して取り付けられている。シール部材60のリップが、スリンガ50に滑り接触(摺接)することで、車両インナ側の外部から異物が軸受内部に浸入するのを抑制し、軸受内部の潤滑剤が外部へ漏出するのを抑制することができる。軸受内部とは、ハブ軸11と外輪12との間であって、二列の転動体13が設けられている領域である。
車両アウタ側の密封装置15は、環状のシール部材30と、環状のスリンガ40とによって構成されている。シール部材30は、外輪12(外輪本体21)の内周側であって車両アウタ側の端部に嵌合して取り付けられている。
スリンガ40は、軸本体部25の車両アウタ側における外周側に嵌合して取り付けられている。シール部材30のリップ31がスリンガ40に滑り接触(摺接)することで、車両アウタ側の外部から軸受内部に泥水等の異物が浸入することが抑制されている。
図2は、密封装置15を示す拡大断面図である。
シール部材30は、金属製の芯金35と、ゴム製のシール本体36とを有している。芯金35は、金属製の板材を屈曲することによって形成されている。芯金35は、外輪12(外輪本体21)の車両アウタ側の端部12cの内周面に締り嵌めの状態で取り付けられている。シール本体36は、芯金35に固定(加硫接着)されている。シール本体36は、スリンガ40に滑り接触する第1のリップ31と、軸本体部25に滑り接触する第2のリップ32とを有している。第1のリップ31は、主としてスリンガ40との間から泥水等の異物が軸受内部に浸入するのを防ぐ機能を有しており、第2のリップ32は、主として軸受内部のグリースが外部へ流出するのを防ぐ機能を有している。第1のリップ31は、スリンガ40の車両インナ側の側面に軸方向に接触するアキシアルリップである。第2のリップ32は、軸本体部25に対して径方向外側から接触するラジアルリップである。
シール本体36は、外輪12(外輪本体21)の車両アウタ側の端部12cの外周面に締め代を有して接触している第3のリップ33を更に有している。第3のリップ33は、外輪12と芯金35との間を通って泥水等の異物が軸受内部に浸入するのを防ぐ機能を有している。
さらに、シール本体36は、第3のリップ33から車両アウタ側に延びる第4のリップ(本発明の外周リップ)34を有している。この第4のリップ34は、直接的にスリンガ40には接触せず、スリンガ40との間にシール隙間(ラビリンス隙間)tを形成し、外部からの泥水等の浸入を抑制している。第4のリップ34の具体的構成は、以下においてスリンガ40の構成とともに説明する。
スリンガ40は、金属製の環状部材であり、本実施形態ではステンレス製(SUS430)の板材を折曲加工することによって形成されている。スリンガ40は、軸本体部25の車両アウタ側の一部に嵌合している円筒部41と、この円筒部41の車両アウタ側から径方向外側に延びている円環部42とを有している。円環部42は、ハブ軸11のフランジ部26の車両インナ側の側面26a(第1の側面26a1)に接触している。
本実施形態では、車輪用軸受装置10の軸線を含む断面(図2に示す断面)において、フランジ部26の基部26bが凹アール形状を有していることから、これに倣ってスリンガ40の円環部42はアール形状の曲面部42aを有している。円筒部41は、ほぼ全体が曲面部42aから車両インナ側に連続したアール形状に形成されている。また、円筒部41の車両インナ側の端部は、軸本体部25の外周面に形成された凹部25aに係合することによって車両インナ側への移動が規制されている。これによってスリンガ40が軸方向に関して位置決めされ、スリンガ40に接触する第1のリップ31のシール性が維持されるとともに、シール隙間tの幅(大きさ)が維持されるようになっている。
図3は、密封装置の要部を拡大して示す断面図である。
スリンガ40の円環部42の径方向外端部には、第4のリップ34との間でシール隙間tを形成するシール形成部43が設けられている。シール形成部43は、第1の傾斜部44と、第2の円環部45と、第2の傾斜部(本発明の傾斜板)46とを有している。
第1の傾斜部44は、円環部42の径方向外端部から径方向外側かつ車両インナ側へ傾斜状に延びている。
第2の円環部45は、第1の傾斜部44の径方向外端部から径方向外側へ延びている。
第2の傾斜部46は、第2の円環部45の径方向外端部から径方向外側かつ車両アウタ側へ傾斜状に延びている。したがって、第2の傾斜部46の外周面46aは、径方向外側かつ車両インナ側へ向いた傾斜面に形成され、内周面46bは、径方向内側かつ車両アウタ側へ向いた傾斜面に形成されている。
一方、第4のリップ34は、第2の傾斜部46の外周面46aに対向する傾斜状の第1の内周面34aを有している。第2の傾斜部46の外周面46aと第4のリップ34の第1の内周面34aとは略平行に配置されている。第1の内周面34aの軸方向の幅w1は、第2の傾斜部46の外周面46aの軸方向の幅w2と略同じかやや大きい寸法とされている。幅w1は、例えば、1.5〜2.0mmとすることができる。両面46a,34aの軸方向に対する傾斜角度θは、30°〜45°の範囲で設定されている。第1の内周面34aの径方向の寸法は、例えば1mm程度とすることができる。第4のリップ34は、第2の傾斜部46の外周面46aよりも車両アウタ側へ延びる延長部34bを有しており、延長部34bは、軸方向に沿った円筒状の第2の内周面34cを有している。第2の内周面34cの軸方向の幅は、例えば1mm程度とすることができる。
以下、スリンガ40におけるシール形成部43とシール部材30の第4のリップ34との作用を、図7に示す比較例と対比しながら説明する。
図7(a)に示す比較例は、スリンガ140の径方向外端部における車両アウタ側の側面140cが、第4のリップ134の車両アウタ側端面134cと軸方向に関して一致しているものである。このような構成であると、車輪が停止している状態では、矢印aで示すように外部から降りかかる泥水等が第4のリップ134とスリンガ140との間のシール隙間tに入り込みやすくなる。
これに対して本実施形態では、図3に示すように、第4のリップ34が、スリンガ40の径方向外端部に設けられた第2の傾斜部46よりも車両アウタ側へ突出している。そのため、第4のリップ34が庇として機能し、車輪が停止している状態であっても、矢印aに示すように外部から降りかかる泥水等がシール隙間tに入り込み難くなっている。また、スリンガ40の径方向外端部には、車両アウタ側へ屈曲する第2の傾斜部46が形成され、この第2の傾斜部46の外周面46aと第4のリップ34の第1の内周面34aとが対向することによってシール隙間tが形成されている。そのため、当該シール隙間tを可及的に長く形成することができ、シール隙間tによるシール性を高めることができる。このような構成によっても軸受内部への泥水等の浸入を抑制することができる。
図7(b)に示す比較例では、スリンガ140の形状は図7(a)と略同様であるが、第4のリップ134が、スリンガ140の径方向外端部よりも車両アウタ側端部へ突出している。この場合、車輪が停止している状態であっても、矢印aで示すように外部から降りかかる泥水等はシール隙間tに入り込み難い。しかしながら、車輪の回転に伴ってスリンガ140が回転すると、スリンガ140に付着していた泥水等は径方向外方へ振り飛ばされ、矢印bで示すように、第4のリップ134の内周面で泥水等が跳ね返って軸受内部へ入り込む可能性が高くなる。
これに対して本実施形態では、図3に示すように、スリンガ40の径方向外端部(シール形成部43)に、径方向外側かつ車両インナ側へ向いた傾斜状の外周面46aが形成されているので、第2の傾斜部46の外周面46aに付着している泥水等は、スリンガ40の回転による遠心力で当該外周面46aに沿って車両アウタ側へ導かれる(矢印c参照)。また、第4のリップ34が、径方向内側かつ車両アウタ側へ向き、第2の傾斜部46の外周面46aに対向する傾斜状の内周面34aを有しているので、スリンガ40から径方向外方へ振り飛ばされた泥水等は、第4のリップ34の第1の内周面34aに衝突することによって車両アウタ側へ跳ね返される(矢印b参照)。そのため、泥水等が軸受内部に浸入するのを好適に防止することができる。
図7(c)に示す比較例は、スリンガ140の径方向外端部(シール形成部143)の形状は本実施形態と同様であるが、第4のリップ134の内周面134a全体が傾斜状に形成されたものである。この比較例の場合、車輪が停止している状態で、スリンガ140の径方向外端部よりも車両アウタ側に突出する第4のリップ134の内周面134aに付着している泥水等は、矢印dで示すように傾斜に沿って流れることによってシール隙間tを介して軸受内部へ向けて浸入する可能性がある。
これに対して本実施形態では、図3に示すように、第4のリップ34の第2の内周面34cが軸方向に沿った円筒面とされているので、第2の内周面34cに付着した泥水等はシール隙間tを介して積極的に軸受内部に流れ難くなっている。
また、本実施形態におけるスリンガ40のシール形成部43は、次のような作用も有する。すなわち、シール形成部43は、円環部42の径方向外端部から車両インナ側かつ径方向外側へ屈曲する第1の傾斜部44を備えているので、スリンガ40とフランジ部26の側面26a2との間には広い空間Sが形成される。この空間Sは、浸入した泥水等を周方向に逃がして排出するための流路となるため、当該空間Sを広く形成することによって泥水等の排出機能を高めることができる。
また、第2の傾斜部46の内周面46bは、径方向内側かつ車両アウタ側に向いた傾斜面に形成されているので、例えば、空間Sに存在する泥水等がスリンガ40の回転によって径方向外側へ流動したとしても、内周面46bに沿って車両アウタ側へ導かれる(矢印e参照)。そのため、シール隙間tを介して軸受内部へ泥水等が入り込むのを抑制することができる。
以上のように、外部から降りかかる泥酔等がシール隙間tに浸入し難くなっているので、第1のリップ31の緊迫力をそれほど高める必要がなくなり、ハブ軸11の回転トルクの増大を抑制することができる。
[シール形成部の変形例]
以下、図4〜図6を参照してシール形成部43の変形例を説明する。
図4に示す変形例は、スリンガ40の第2の傾斜部46の先端が、第4のリップ34の傾斜状の内周面34aよりも車両アウタ側へ突出したものである。この変形例においても上記実施形態と同様の作用効果を奏する。また、上述した実施形態では、図3に示すように、第4のリップ34における第1の内周面34aの車両アウタ側端部と、第2の傾斜部46の先端面46cとの軸方向の位置を一致させるために、第2の傾斜部46の先端部を径方向に沿わせて削る加工が必要である。図4に示す変形例では、第2の傾斜部46の先端部を削ることなくそのままの形状(断面矩形状)としている。そのため、スリンガ40の加工が少なく済むという利点がある。
図5に示す変形例は、スリンガ40における第2の傾斜部46の外周面46aの幅w2を、第4のリップ34における第1の内周面34aの幅w1よりも車両インナ側へ拡大したものである。この変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
図6に示す変形例は、シール隙間tが、車両アウタ側ほど狭くなるように形成されたものである。具体的に、スリンガ40における第2の傾斜部46の外周面46aの傾斜角度が、第4のリップ34の内周面34aの傾斜角度よりも急となっており、両面46a、34aは互いに平行ではなく、相対的に傾斜したものとなっている。このような構成によって、外部からシール隙間tへより泥水等が浸入し難くなり、軸受内部からシール隙間tを通って泥水等が外部へ排出されやすくなっている。
本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更することができる。
10:車輪用軸受装置、11:ハブ軸、12:外輪、12c:端部、13:転動体、14:保持器、15:密封装置、26:フランジ部、26a:側面、30:シール部材、31:第1のリップ(アキシアルリップ)、34:第4のリップ(外周リップ)、34a:第1の内周面、34b:延長部、34c:第2の内周面、40:スリンガ、43:シール形成部、46:第2の傾斜部(傾斜板)、46a:外周面、46b:内周面、t:シール隙間

Claims (2)

  1. 車輪が取り付けられるフランジ部を車両アウタ側に有するハブ軸と、前記ハブ軸の径方向外側に設けられる外輪と、前記ハブ軸と前記外輪との間に設けられている複数の転動体と、前記外輪の車両アウタ側の端部に取り付けられる環状のシール部材と、前記フランジ部の車両インナ側の側面に沿って前記ハブ軸に取り付けられる環状のスリンガと、を備え、
    前記スリンガは、径方向外側かつ車両インナ側に向いた傾斜状の外周面を有するシール形成部を径方向外端部に備え、
    前記シール部材は、前記スリンガの車両インナ側の側面に滑り接触するアキシアルリップと、前記スリンガの径方向外側に配置され前記シール形成部よりも車両アウタ側に突出する外周リップとを備え、
    前記外周リップは、前記シール形成部の前記外周面に径方向外側から対向してシール隙間を形成するとともに径方向内側かつ車両アウタ側に向いた傾斜状の第1の内周面と、前記シール形成部の前記外周面よりも車両アウタ側に位置し径方向内側に向いた円筒状の第2の内周面とを有している車輪用軸受装置。
  2. 前記シール形成部は、径方向外側に向かうに従い車両アウタ側へ傾斜して延びる傾斜板を備え、
    前記傾斜板は、前記外周面と、径方向内側かつ車両アウタ側に向いた傾斜状の内周面とを有している、請求項1に記載の車輪用軸受装置。
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