JP2020116772A - 化粧シート - Google Patents

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祐介 谷口
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Abstract

【課題】表面の耐擦傷性と加工適性(曲げ加工適性)とに優れた化粧シートを提供する。【解決手段】本実施形態に係る化粧シートは、原反層7、透明樹脂層1およびトップコート層4が順に積層されており、原反層7は、ポリエステル系樹脂を含み、透明樹脂層1およびトップコート層4の少なくとも一方には、微粒子化した添加剤が含まれている。【選択図】図1

Description

本発明は、化粧シートに関する。
机やテーブル等の家具における天板等の表面には、表面保護のために、フェノール樹脂層からなる芯材とチタン紙と呼ばれる原紙に絵柄印刷を施したものをメラミン樹脂などで含浸し、熱圧プレスして積層された熱硬化性合成樹脂製の化粧板、即ちメラミン化粧板が用いられることがある。なお、メラミン化粧板に関する技術としては、例えば、特許文献1に記載した技術がある。
メラミン化粧板は、表面保護の観点からは優れている。一方で意匠性に関しては、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂のフィルムを使用した化粧シートの方が、エンボス加工が容易であるため、優れている。
オレフィン系樹脂フィルムを使用した化粧シートで、鉛筆硬度の様な化粧材表面を強く押す場合、化粧シートを保護するため活性エネルギー(紫外線または電子線)の照射によって重合するアクリル系樹脂によるハードコート層(トップコート層)を設けるか、化粧シート全体の厚みを厚くして化粧材の表面の硬さを強くする方法が取られていることが多い。しかし、ハードコート層を設けた場合、ハードコート層用塗工液の塗布量や樹脂の硬さの関係からエンボスの深さや意匠に制限が生じたり、またオレフィン系化粧シートの厚みを厚くした場合、曲げ加工など加工適性に制限が生じることがある。
特開2016−198904号公報
そこで、本発明においては、表面の耐擦傷性と加工適性(曲げ加工適性)とに優れた化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討の結果、各樹脂層に対して添加する添加剤を微粒子化して添加することにより優れた分散性を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
上記目的を達成するべく、本発明の一態様に係る化粧シートは、原反層、透明樹脂層およびトップコート層が順に積層されており、前記原反層は、ポリエステル系樹脂を含み、前記透明樹脂層および前記トップコート層の少なくとも一方には、微粒子化した添加剤が含まれていることを特徴とする。
本発明によれば、非塩化ビニル系樹脂を用いた化粧シートとすることにより、焼却時における有毒ガス等の発生の心配が無く、微粒子化した添加剤を含有する透明樹脂層を具備する化粧シートとすることにより、従来の化粧シートを上回る高い透明性と優れた表面の耐擦傷性および加工適性(曲げ加工適性)を有する透明樹脂層を備えた化粧シートを提供することを可能とする。
また、微粒子化した分散剤と、無機微粒子とを含有するトップコート層を具備する化粧シートとすることにより、従来の化粧シートと比較して高い透明性と優れた表面の耐擦傷性および加工適性(曲げ加工適性)を実現した化粧シートを提供することを可能とする。
本発明の化粧シートの第1実施形態〜第3実施形態を示す断面図である。 本発明の化粧シートの第1実施形態〜第3実施形態を示す断面図である。 本発明の化粧シートの第1実施形態〜第6実施形態を示す断面図である。 透明樹脂層を具備しない構成の本発明の化粧シートの第4実施形態を示す断面図である。
本実施形態の化粧シートは、複数の樹脂層からなる化粧シートであって、当該樹脂層の少なくとも1層に対して、微粒子化した添加剤が含まれていることが重要である。
本実施形態において、微粒子化した添加剤とは、添加剤を微粒子化する手法(微粒子化処理)によって平均粒子径(D50)を1nm以上1μm以下とした添加剤のことである。当該微粒子化処理としては、例えば、添加剤に対して主に機械的な粉砕を行って微粒子化した粒子を得る固相法、添加剤や当該添加剤を溶解させた溶液中で微粒子化した粒子の合成や結晶化を行う液相法、添加剤や当該添加剤からなるガスや蒸気から微粒子化した粒子の合成や結晶化を行う気相法などの方法を用いることができる。それぞれの方法を実施するための具体的な手段を簡単に挙げると、固相法としてはボールミル、ビーズミル、ロッドミル、コロイドミル、コニカルミル、ディスクミル、ハンマーミル、ジェットミルなどが挙げられる。液相法としては、晶析法、共沈法、ゾルゲル法、液相還元法、水熱合成法などが挙げられる。そして、気相法としては、電気炉法、化学炎法、レーザー法、熱プラズマ法などが挙げられる。
本実施形態の化粧シートは、基材に貼り合わせて用いられるものであり、当該基材側から少なくとも原反層、透明樹脂層およびトップコート層が順に積層されており、このうち、少なくとも透明樹脂層またはトップコート層のいずれか一方が微粒子化した添加剤を含んだ樹脂層からなることが重要である。
透明樹脂層が微粒子化した添加剤を含んだ樹脂層からなる場合には、結晶性ポリプロピレン樹脂90〜100重量%を主成分とし、微粒子化した添加剤を含むことが重要である。このような透明樹脂層においては、製膜時の冷却条件を調整することによって、ヘイズ値が15%以下、より好ましくは10%以下、引張弾性率が800MPa以上2000MPa以下、引張破断伸度が200%以上とされていることが重要である。
また、結晶性ポリプロピレン樹脂は、ペンタッド分率の異なるアイソタクチックポリプロピレンとシンジオタクチックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンおよびこれらの混合物から適宜選択して設計することができる。より好ましくは、当該結晶性ポリプロピレン樹脂が、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)95%以上、より好ましくは96%以上のプロピレンの単独重合体、すなわちホモポリマーである高結晶性ホモポリプロピレン樹脂とされることが重要である。なお、透明樹脂層を構成する結晶性ポリプロピレン以外の樹脂は、結晶性ポリプロピレンの物性に著しく悪影響を与えないならば、その配合の目的によって適宜選定が可能である。但し、曲げ加工適性を維持するためには透明樹脂層を構成する結晶性ポリプロピレン樹脂との相溶性が良いものが好ましい。
このような、透明樹脂層は厚さが、20μm以上250μm以下とされていることが好ましい。
微粒子化した添加剤は、その粒子径が1nm以上1μm以下と極めて小さいことにより、単位体積当たりに存在する添加剤の数と表面積とが粒子直径の3乗に反比例して増加する。その結果、各添加剤間の距離が近くなるため、ポリプロピレン樹脂に添加して1つの添加剤の表面から結晶成長が生じた際に、結晶が成長している端部が直ちに、当該添加剤に隣接する他の添加剤の表面から成長していた結晶の端部と接触し、互いの結晶の端部が成長を阻害して各結晶の成長がとまるので、結晶性ポリプロピレン樹脂の結晶部における、球晶の平均粒子径を極めて小さくすることができる。
このため、透明樹脂層に対して微粒子化した添加剤を含有させることにより、従来の添加剤と比較して、樹脂中により微細かつ大量の結晶核を発生させて、その結果、結晶部における結晶核同士の距離を短くして、個々の結晶の成長を抑制し、球晶の平均粒子径を極めて小さくさせることに成功した。そして、このような、結晶性ポリプロピレン樹脂においては、ヘイズ値が15%以下という優れた透明性を実現している。
本実施形態の化粧シートにおいては、透明樹脂層に対して微粒子化した添加剤を含有させていることにより、結晶性ポリプロピレン樹脂の結晶部における球晶の平均粒子径を極めて小径として、優れた耐擦傷性を実現している。そうすることで、結晶性ポリプロピレンの結晶化度をコントロールして当該透明樹脂層の硬度および靭性が最適となるように調整し、引張弾性率が800MPa以上2000MPa以下、かつ、引張破断伸度が200%以上の優れた耐擦傷性および加工適性を実現することができる。
以下、簡単に上記説明において用いた用語の説明をする。
添加剤とは、樹脂の結晶化時において、結晶核の生成を促進させる、もしくは、添加剤自体を結晶核とするために添加されるものであり、添加時に基材の樹脂に溶融し再度析出して結晶核を生成する溶融型もしくは基材に添加した核剤が溶融することなくそのままの粒径で結晶核となる非溶融型の添加剤がある。ポリプロピレン樹脂の添加剤としては、例えば、リン酸エステル金属塩、安息香酸金属塩、ピメリン酸金属塩、ロジン金属塩、ベンジリデンソルビトール、キナクリドン、シアニンブルーおよびタルク等が挙げられる。特に、本実施形態においては、微粒子化処理との効果を最大限に得るべく、非溶融型で良好な透明性が期待できるリン酸エステル金属塩、安息香酸金属塩、ピメリン酸金属塩、ロジン金属塩を用いることが好ましいが、微粒子化処理によって透明化が可能な場合には、有色のキナクリドン、シアニンブルー、タルクなども用いることができる。また、非溶融型の添加剤に対して、溶融型のベンジリデンソルビトールを適宜混合して用いるようにしてもよい。
ヘイズ値とは、物体の一方の面から入射した光が他方の面に出射する場合に、他方の面から出射した光線のすべての積分値(全光線透過率)から他方の面から出射した光線のうち直線成分のみの積分値(直線透過率)を指し引いた値(拡散透過率)を、全光線透過率で除した値を百分率で表した値であり、値が小さいほど透明性が高いことを表す。このヘイズ値は、結晶部における結晶化度や球晶サイズなどの物体の内部の状態によって決まる内部ヘイズと、入射面および出射面の凹凸の有無などの物体の表面の状態によって決まる外部ヘイズとによって決定付けされる。なお、本実施形態においては、単にヘイズ値と称する場合には、内部ヘイズおよび外部ヘイズとによって決定される値を意味する。
引張破断伸度とは、試料を所定の速度で引っ張り、破断した際の伸びを表す値であり、破断時の試料の長さ(L)から試験前の試料の長さ(L)を引いた値を試験前の試料の長さ(L)で除した値を百分率で表した値であり、値が小さいほど伸びが悪く曲げ加工などの後加工時に亀裂や白化が生じるため加工適性に劣り、値が大きいほどよく伸びて容易に後加工が可能であり加工適性に優れていることを示す。
アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)とは、質量数13の炭素C(核種)を用いた13C−NMR測定法(核磁気共鳴測定法)により、上記透明樹脂層を構成する樹脂材料を所定の共鳴周波数にて共鳴させて得られる数値(電磁波吸収率)から算出されるものであり、樹脂材料中の原子配置、電子構造、分子の微細構造を規定するものであり、ポリプロピレン樹脂のアイソタクチックペンタッド分率とは、13C−NMRにより求めたプロピレン単位が5個並んだ割合のことであって、結晶化度あるいは立体規則性の尺度として用いられる。そして、このようなアイソタクチックペンタッド分率は、主に表面の耐擦傷性を決定付ける重要な要因の一つであり、基本的にはアイソタクチックペンタッド分率が高いほどシートの結晶化度が高くなるため、耐擦傷性が向上する。
また、本実施形態の化粧シートにおいては、トップコート層が微粒子化した添加剤が含まれた樹脂層からなる場合には、微粒子化した添加剤としての分散剤と、無機微粒子とを含むことが重要である。無機微粒子は、トップコート層の主成分である樹脂材料100重量部に対して、0.1〜30重量部の割合で配合された状態とされていることが重要であり、0.1重量部未満では耐擦傷性の効果が得られず、30重量部より多いと微粒子による光の散乱作用によって透明性が損なわれたり、コストアップが懸念される。なお、本明細書においては、トップコート層を構成する樹脂組成物を調製する際の混合比によって形成後のトップコート層に対する無機微粒子の含有量を特定することとしているが、これは、前記配合量を添加して得られた樹脂組成物から形成されたトップコート層は、完成した化粧シートに対して曲げ加工などの後加工がなされると、その加工の変形に伴って無機微粒子が移動する現象が生じるが、当該無機微粒子の移動はトップコート層の全体に亘って均一に生じるものではなく、例えば、表面付近は樹脂の変形が大きく、それに伴って無機微粒子の移動量も多くなるので、トップコート層内部の無機微粒子の密度と表面付近の無機微粒子の密度とに差異が生じるため、一概に、形成された後のトップコート層について単位体積当たりに含まれる無機微粒子の含有量を特定することは困難とされているためである。また、形成された後のトップコート層中の無機微粒子の含有量を特定する場合、当該トップコート層を構成する樹脂組成物を無機材料と有機材料とに分離し、当該無機材料中に含まれる無機微粒子の含有量を分析する必要があり、この分析を行うためには複数工程の前処理を要するため、形成された後のトップコート層中の無機微粒子の含有量の特定には膨大な時間を要し現実的ではない。
また、当該樹脂組成物は、硬化型樹脂からなる樹脂材料を主成分とし、当該硬化型樹脂が、熱硬化型樹脂または光硬化型樹脂の少なくとも一方からなることが好ましく、熱硬化型樹脂と光硬化型樹脂との混合物を用いてもよい。硬化型樹脂の形態は、水性、エマルジョン、溶剤系など特に限定するものではない。
無機微粒子としては、アルミナ、シリカ、ベーマイト、酸化鉄、酸化マグネシウム、ダイヤモンドなどの微粒子が挙げられる。平均粒子径が1〜100μmの無機微粒子を用いることができ、特に、1〜30μm程度の無機微粒子が好適である。
熱硬化型樹脂としては、2液硬化型のウレタン系のものを用いることが好ましい。ウレタン系の熱硬化型樹脂は、作業性、価格、樹脂自体の凝集力などの観点から好適である。ウレタン系樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートとを反応させて得られるウレタン系のものを用いてもよい。イソシアネートには、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などの誘導体であるアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体や各種プレポリマーなどの硬化剤より適宜選択して用いることができるが、耐候性を考慮すると、直鎖状の分子構造を有するヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)もしくはイソホロンジイソシアネート(IPDI)をベースとする硬化剤を使用することが好ましい。
また、光硬化型樹脂としては、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、アクリルアクリレート系などから適宜選択して用いることができるが、特に、耐候(光)性が良好なウレタンアクリレート系およびアクリルアクリレート系のものを用いることが好ましい。光硬化型樹脂の硬化方法としては、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化することが作業性の観点から好ましい。
熱硬化型樹脂と光硬化型樹脂との混合物については、例えば、熱硬化型樹脂としてのアクリルポリオールとイソシアネートとを反応し得られるウレタン系樹脂と光硬化型樹脂としてのウレタンアクリレート系樹脂とを混合して用いることが好ましく、これによって、表面硬度の向上、硬化収縮の抑制および無機微粒子との密着性を向上させることができる。
このような、微粒子化した分散剤を含有するトップコート層を具備する化粧シートとすることにより、高い透明性、耐擦傷性および加工適性に優れた化粧シートを提供することを可能とする。これは、トップコート層を構成する樹脂組成物中において微粒子化した分散剤が均一に分散する作用によって、無機微粒子が2次凝集することを防いで当該無機微粒子の高い分散性を実現し、凝集した無機微粒子に起因する透明性の低下や機械的強度の低下が抑制されることで、トップコート層の高い透明性や優れた耐擦傷性および加工適性を実現している。さらに、トップコート層を構成する樹脂組成物の主成分を熱硬化型樹脂と光硬化型樹脂との混合物からなる樹脂材料とすることにより、当該混合物の架橋によって高い耐擦傷性と、最適な柔軟性を備えた加工適性に優れた化粧シートを提供することができる。
原反層としては、意匠性、耐擦傷性および加工適性に特化させた化粧シートとする場合には、薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙などの紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリルなどの合成樹脂、あるいはこれら合成樹脂の発泡体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタンなどのゴム、有機もしくは無機系の不織布、合成紙、アルミニウム、鉄、金、銀などの金属箔などから適宜選択して用いることができる。
不燃材料からなる化粧シートとする場合には、前記微粒子化した添加剤が含まれた樹脂層からなる原反層を採用することが好ましく、微粒子化した添加剤としての分散剤と、無機フィラーとを含むことが重要である。無機フィラーは、原反層の主成分であるポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、50〜900重量部の割合で含まれていることが重要である。なお、本明細書においては、原反層を構成する樹脂組成物を調製する際の混合比によって形成後の原反層に対する無機フィラーの含有量を特定することとしているが、これは、前記配合量を添加して得られた樹脂組成物から形成された原反層は、完成した化粧シートに対して曲げ加工などの後加工がなされると、その加工の変形に伴って無機フィラーが移動する現象が生じるが、当該無機フィラーの移動は原反層の全体に亘って均一に生じるものではなく、例えば、表面付近は樹脂の変形が大きく、それに伴って無機フィラーの移動量も多くなるので、原反層内部の無機フィラーの密度と表面付近の無機フィラーの密度とに差異が生じるため、一概に、形成された後の原反層について単位体積当たりに含まれる無機フィラーの含有量を特定することは現実的に困難とされているためである。また、形成された後の原反層中の無機フィラーの含有量を特定する場合、当該原反層を構成する樹脂組成物を無機材料と有機材料とに分離し、当該無機材料中に含まれる無機フィラーの含有量を分析する必要があり、この分析を行うためには複数工程の前処理を要するため、形成された後の原反層中の無機フィラーの含有量の特定には膨大な時間を要し現実的ではない。
無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルクまたは酸化チタン等が挙げられる。なかでも、炭酸カルシウムは製造手法による粒径のコントロールや表面処理によるポリオレフィン樹脂との相溶性の制御が容易であり、また、材料コストとしても安価であるため化粧シートの低廉化の観点からも好適である。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、αオレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどを)を単独重合あるいは2種類以上共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレンまたはαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものが挙げられる。
また、本実施形態においては、このような原反層が、一軸延伸シートまたは二軸延伸シートからなることが好ましい。一軸延伸加工または二軸延伸加工を施した一軸延伸シートまたは二軸延伸シートとすることにより、より一層フィルムとしての機械的強度に優れた原反層とすることができる。また、無機フィラーを高充填した場合には、得られるフィルムの表面に凹凸が生じて平滑性に劣る場合があるが、一軸延伸シートまたは二軸延伸シートとすることにより、フィルム表面の平滑性に優れ、絵柄印刷を施す際のインキの着肉性が良好な印刷適性に優れた原反層とすることができる。
ここで、建築基準法施工令に規定の不燃材料の技術的基準においては、ISO5660−1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において下記の要件を満たしている必要がある(建築基準法施工令第108条の2第1号および第2号)。本発明の化粧シートが不燃材料として認定されるためには、不燃性基材と貼り合わせた状態で50kW/mの輻射熱による加熱にて20分間の加熱時間において下記の1〜3の要求項目をすべて満たす必要がある。
1.総発熱量が8MJ/m以下
2.最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えない
3.防炎上有害な裏面まで貫通する亀裂および穴が生じない
なお、不燃性基材としては、石こうボード、繊維混入ケイ酸カルシウム板または亜鉛メッキ鋼板から選択して用いることができる。
そして、前述の原反層を具備する本発明の化粧シートは、前記不燃性基材と貼り合わせた状態でのISO5660−1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において、前記施工令第108条の2第1号および第2号に記載の要件をともに満たす不燃材料を実現している。
このような、微粒子化した分散剤と、無機フィラーとが配合された原反層を具備する化粧シートとすることにより、無機フィラーの高充填を実現して、建築基準法施工令に記載の不燃材料の技術的基準を満たした「不燃材料」としての化粧シートを提供することを可能とする。そして、無機フィラーの高充填を可能とした結果、化粧シートにおける樹脂成分の占める割合を低減化させて、廃棄後の焼却処分時に発生する二酸化炭素の排出量を極めて少なくすることができる。
また、原反層を一軸延伸シートまたは二軸延伸シートとすることにより、平滑性を有し、機械的強度の高い原反層とすることができる。
以下に、一般的な各種化粧シートの構成を図1〜3を用いて説明する。
図1は、単層化粧シートの一例であり、必要に応じて片面又は両面をコロナ処理、プラズマ処理、電子線処理、紫外線処理、重クロム酸処理等で活性にした透明樹脂層1の一方の面に、絵柄層2および隠蔽層3を設け、透明樹脂層1の他方の面に、トップコート層4を設けた構成の化粧シートである。尚、隠蔽層3の基材(上記化粧シートが貼り合わせられる木質ボード類、無機系ボード類、金属板等の基材)に対する接着性に問題があれば、重ねてプライマー層5を適宜設けてもかまわない。また、意匠性を向上させるためにトップコート層4側の透明樹脂層1面にエンボス模様1aを適宜設けてもよい。
図1の構成のエンボス模様1aは、透明樹脂層1としての例えば高結晶性ポリプロピレンシートに直接付与されるもので、その方法は製膜された前記シートに熱および圧力により凹凸模様を有するエンボス版を用いてエンボス模様を付与する方法や、押出機を用いて製膜する際に凹凸模様を有する冷却ロールを用いて冷却と同時にエンボスを設ける方法などがある。ここではエンボス部としてのエンボス模様1aにインキを埋め込み、さらに意匠性を向上させることも可能である。
高結晶性ポリプロピレンシートよりなる透明樹脂層1のシートの成形方法は特に製膜できればよく、限定されるものでは無いが、押出機を用いる方法が最も一般的である。
図1において絵柄層2、隠蔽層3を設ける方法としては、高結晶性ポリプロピレンシートよりなる透明樹脂層1に、直接グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インキジェット印刷などを行う方法がある。
また、特に隠蔽層3を施す場合は、コンマコーター、ナイフコーター、リップコーター、金属蒸着あるいはスパッタ法等を用いてもよい。トップコート層4を設ける方法も隠蔽層3や絵柄層2等を設ける方法と同様で何ら規定されるものではない。
ここで使用される高結晶性ポリプロピレンシートによる透明樹脂層1には、必要に応じて熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、そして、本発明の特徴を損なわない範囲で着色剤、光散乱剤および艶調整剤などの各種添加剤を添加することもできる。
熱安定剤としては、フェノール系、硫黄系、リン系、ヒドラジン系等、難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等、光安定剤としては、ヒンダードアミン系等を、任意の組み合わせで添加するのが一般的である。特に、本用途に用いる場合は耐候性を考慮する必要があり、紫外線吸収剤と光安定剤は必須となり、添加量はそれぞれ透明樹脂層1を100重量%として、0.1〜1.0重量%が適量である。
絵柄層2にインキを使用する場合は、バインダーとしては、硝化綿、セルロース、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変性物の中から適宜選定すればよい。これらは水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでも問題なく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでも任意に選定可能である。さらに紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させることも可能である。
中でも最も一般的な方法は、ウレタン系のインキを用いてイソシアネートで硬化させる方法である。これらバインダー以外には通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤が添加されている。特によく用いられる顔料には、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等がある。また、インキの塗布とは別に各種金属の蒸着やスパッタリングで意匠を施すことも可能である。
隠蔽層3に使用される材料も基本的には絵柄層2と同じものでよいが、目的として隠蔽性を持たせる必要があるために、顔料としては不透明な顔料、酸化チタン、酸化鉄等を使用する。また隠蔽性を上げるために金、銀、銅、アルミ等の金属を添加することも可能である。一般的にはフレーク状のアルミを添加させることが多い。塗布厚みは、2μm以下では隠蔽性を付与しにくく、10μm以上では樹脂層の凝集力が弱くなるため2μm〜10μmが妥当である。
トップコート層4に使用される材料も特に規定されるものではないが、ポリウレタン系、アクリル系、アクリルシリコン系、フッソ系、エポキシ系、ビニル系、ポリエステル系、メラミン系、アミノアルキッド系、尿素系等から適宜選択できる。形態も水性、エマルジョン、溶剤系いずれでも可能で、且つ硬化も1液タイプでも硬化剤を用いた2液タイプでも良い。中でもイソシアネート反応を利用したウレタン系のトップコートが作業性、価格、樹脂自体の凝集力等の観点からも望ましい。
イソシアネートにはトリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などの誘導体であるアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体や各種プレポリマーなどの硬化剤より適宜選択して用いることができるが、耐候性を考慮すると、直鎖状の分子構造を有するヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)もしくはイソホロンジイソシアネート(IPDI)をベースとする硬化剤を使用することが好ましい。
化粧シートの表面の硬度をさらに向上させるためには、トップコート層4として紫外線や電子線照射で硬化する樹脂の使用も可能である。さらに耐候性を向上させるために紫外線吸収剤および光安定剤を適宜添加してもよい。また各種機能を付与するために抗菌剤、防カビ剤等の機能性添加剤の添加も任意に行える。さらに、表面の意匠性から艶の調整のため、あるいはさらに耐磨耗性を付与するために、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ等の添加も任意に行える。塗布厚みは通常2μm〜10μmが妥当である。
プライマー層5に使用される材料も基本的には絵柄層2、隠蔽層3と同じものでよいが、化粧シートの裏面に施されるためにウエブ状で巻取りを行うことを考慮すると、ブロッキングを避けて且つ接着剤との密着を高めるために、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機充填剤を添加させても良い。塗布厚みは基材との密着を確保することが目的であるので、0.1μm〜3.0μmが妥当である。
図2には、絵柄の施された各種原反層7と高結晶性ポリプロピレンによる透明樹脂層1との積層タイプの構成の一例を示す。ここで積層方法および透明樹脂層の層数は任意に選択できる。
図2に示す化粧シートは、紙面上部側から順に、トップコート層4、透明樹脂層1、接着剤層6(感熱接着剤層、アンカーコート層、ドライラミ接着剤層)、絵柄層2、原反層7、プライマー層5と積層されている。
ここでトップコート層4やエンボス模様(図1に示すエンボス模様1a参照)は必要であれば設ければよく、プライマー層5も原反層7がオレフィン系材料のように表面が不活性な場合には必要であるが、表面が活性な基材の場合は特に必要なものではない。
また原反層7としてオレフィン系の原反層のような表面が不活性な基材を用いる場合は、原反層7の表裏にコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線処理、紫外線処理、重クロム酸処理等を行うことが望ましい。さらには原反層7と絵柄層2との間にも密着を確保させるためにプライマー層を設けることもある。また、化粧シートに隠蔽性を付与したい場合には、原反層7として隠蔽性の着色シートを使用しても良いし、隠蔽層3を設けても良い。
なお、原反層7としては、例えば、薄葉紙、チタン紙、樹脂含浸紙等の紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、アクリル等の合成樹脂、あるいはこれら合成樹脂の発泡体、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、ポリウレタン等のゴム、有機もしくは無機系の不織布、合成紙、アルミニウム、鉄、金、銀等の金属箔等であってもよい。また、原反層7は透明樹脂層1と同一の樹脂組成物からなるシートであってもかまわない。
図2の構成において透明樹脂層1、絵柄層2、トップコート層4、プライマー層5は図1のそれと同一でよい。
接着剤層6は接着方法として任意の材料選定が可能で、熱ラミネート、押出ラミネート、ドライラミネート等による積層方法があり、接着剤はアクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の材料から選定できる。通常はその凝集力から2液硬化タイプのものとして、特にイソシアネートを用いたポリオールとの反応で得られるウレタン系の材料を用いることが望ましい。
積層方法にも特に規制はないが、熱圧を応用した方法、押出ラミネート法およびドライラミネート法等が一般的である。またエンボス模様を施す場合には、一旦各種方法でラミネートしたシートに、後から熱圧によりエンボスを入れる方法、冷却ロールに凹凸模様を設け、押出ラミネートと同時にエンボスを施す方法がある。
また、押出しと同時にエンボスを施した透明樹脂層1と原反層7を熱あるいはドライラミネートで貼り合わせる方法等がある。絵柄層2および接着剤層6を施す位置は、通常通り原反層7側でもよいし、透明樹脂層1側でもよい。
さらに、図2において、トップコート層4側の透明樹脂層1の面にエンボス模様(図1のエンボス模様1a参照)を施した場合には、このエンボス模様の中にインキを埋め込んで意匠性を向上させることも可能である。
図3には図2とは異なる積層タイプの構成の一例を示す。プライマー層5、原反層7、絵柄層2、透明樹脂層1、トップコート層4、接着剤層6等は図2と全く同様であるが、異なるところは接着剤層6と透明樹脂層1の間に接着性樹脂層8が設けられているところである。これは、特に押出ラミネート方法でさらなるラミネート強度を求める場合に行うが、透明樹脂層1と接着性樹脂層8との共押出法でラミネートを行う。
接着性樹脂層8は、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル系等の樹脂に酸変性を施したもので、厚みは接着力向上の目的から2μm以上、また厚すぎると、折角、高結晶性の透明樹脂層1で表面硬度を向上させたにも関わらず、接着性樹脂層8自体の柔らかさの影響を受けるため20μm以下が望ましい。
耐候性の面からは、基材としての透明樹脂層1を守るために、前記のようにトップコート層4および透明樹脂層1に耐候性を施す方法もあり、また、それだけではなく、絵柄層2を守るために接着剤層6に紫外線吸収剤および光安定剤を添加する方法もある。
図2および図3に示した積層タイプの各層の厚みは、原反層7としては、印刷作業性、コストを考慮して30μm〜150μm、透明樹脂層1としては、意匠性、加工適性、コストを考慮して20μm〜250μm、より好ましくは30μm〜150μmにすることが望ましいが、積層品としての化粧シートの総厚みは、80μm〜250μmの範囲にすることが必要である。
本発明の化粧シートの実施形態は、上記の図1〜図3に示す化粧シートについて、下記の第1実施形態から第6実施形態に挙げる態様がある。
第1実施形態:図1〜図3の化粧シートについて、透明樹脂層1に上述の微粒子化した添加剤が含まれた樹脂層を適用した形態
第2実施形態:図1〜図3の化粧シートについて、トップコート層4に上述の微粒子化した添加剤が含まれた樹脂層を適用した形態
第3実施形態:図1〜図3の化粧シートについて、トップコート層4および透明樹脂層1に上述の微粒子化した添加剤が含まれた樹脂層を適用した形態
第4実施形態:図2および図3の化粧シートについて、原反層7に上述の微粒子化した添加剤が含まれた樹脂層を適用した形態
第5実施形態:図2および図3の化粧シートについて、原反層7および透明樹脂層1に上述の微粒子化した添加剤が含まれた樹脂層を適用した形態
第6実施形態:図2および図3の化粧シートについて、透明樹脂層1、トップコート層4および原反層7に上述の微粒子化した添加剤が含まれた樹脂層を適用した形態
第1実施形態から第3実施形態の化粧シートによれば、化粧シートのトップコート層4および透明樹脂層1からなる透明層の透明性、化粧シートの表面における耐擦傷性および加工適性に優れた化粧シートを提供することができる。なお、原反層7の材質については、特に限定するものではない。
第4実施形態および第5実施形態の化粧シートによれば、不燃材料からなる化粧シートを提供することができる。なお、第4実施形態においては、トップコート層4によって化粧シートに要求される耐擦傷性が得られる場合には、図4に示すように、透明樹脂層1を除く構成としてもよい。
第6実施形態の化粧シートによれば、透明層の透明性、化粧シート表面の耐擦傷性および加工適性に優れるとともに、不燃材料からなる化粧シートを提供することができる。
以下に、本発明の化粧シートの具体的な実施例について検討する。
<実施例1>
原反層に用いるポリエステル系基材フィルムはPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂(大倉工業株式会社製)を使用した。PBTの厚さは60μmとした。PBTの上に、絵柄層を形成した。印刷のインキとしては、ウレタン・塩酢ビ系樹脂(東洋インキ株式会社製)を使用した。透明樹脂層はアイソタクチックペンタッド分率が97.8%、MFR(メルトフローレート)が15g/10min(230℃)、分子量分布MWD(Mw/Mn)が2.3の高結晶性ホモポリプロピレン樹脂に微粒子化したリン酸エステル金属塩系の結晶化誘発剤(添加剤)(アデカスタブNA−21:ADEKA社製)を1000PPMとを添加した樹脂を溶融押出機を用いて押出して原反層であるポリエステル系基材フィルムへ積層した。また、その原反層の裏面にプライマーコートを施してプライマー層を設けた。
トップコートは光硬化型ウレタンアクリレート(ユニディック17−824−9;DICグラフィックス社製)を60重量部、2液硬化型ウレタントップコート(W184;DICグラフィックス社製)を40重量部、無機微粒子としての粒径10μmのシリカ微粒子(サンスフェアNP−30;AGCエスアイテック(株)製)5重量部を配合してなる樹脂を用いてトップコート層を形成して本実施例の化粧シートを得た。
<実施例2>
透明樹脂層に、微粒子化処理を施していないリン酸エステル金属塩系の結晶化誘発剤(アデカスタブNA−21:ADEKA社製)を1000PPMを添加した以外は実施例1に基づいて化粧シートを得た。
<実施例3>
トップコート層に、微粒子化処理を施していない分散剤を使用した以外は実施例1に基づいて化粧シートを得た。
<比較例1>
原反層をポリエチレン系基材フィルムに変更した以外は実施例1に基づいて化粧シートを得た。
<比較例2>
透明樹脂層に、微粒子化処理を施していないリン酸エステル金属塩系の結晶化誘発剤(アデカスタブNA−21:ADEKA社製)を1000PPMを添加し、トップコート層にて微粒子化処理を施していない分散剤を使用した以外は実施例1に基づいて化粧シートを得た。
各化粧シートを構成する透明樹脂層の引張弾性率および引張破断伸度、並びに鉛筆硬度試験および曲げ加工適性試験の各評価結果を、表1に示す。
Figure 2020116772
<鉛筆硬度試験>
各化粧シートをウレタン2液の接着剤にて鋼板に貼り合わせた後、25℃3日間養生させた。その後、鉛筆硬度試験にて表面硬度を判定した。
鉛筆硬度試験においては、2B、B、HB、F、H、2H、3Hの鉛筆を用い、化粧シートに対して鉛筆の角度を45±1°に固定して、当該鉛筆に1kgの荷重を付加した状態でスライドさせて化粧シートに傷が形成されるか否かの判定を行った(旧JIS規格 JISK5400に準拠)。硬度が低い鉛筆から行い、引っ掻き傷が形成された硬度を化粧シートの表面硬度として示した。
なお、本実施例では、「HB」以上の鉛筆硬度を合格とした。
<曲げ加工適性試験>
各化粧シートをウレタン2液の接着剤にて鋼板に貼り合わせた後、25℃3日間養生させた。その後、曲げ加工適性試験を判定した。なお、曲げ加工試験は、加工機や加工時の環境に左右されないように低温による高速折り曲げ条件にて実施した。なお、曲げ加工適性試験の評価基準は、以下の通りである。
○:白化・亀裂などが認められなかった
×:化粧シートとして容認できない白化・亀裂が認められた
なお、本実施例では、「○」を合格とした。
表1から明らかなように、実施例1〜4の化粧シートは、表面の耐擦傷性と加工適性(曲げ加工適性)とが優れた化粧シートであった。
本発明の化粧シートは、上記の実施形態および実施例に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において、種々の変更が可能である。
1 透明樹脂層
1a エンボス模様
2 絵柄層
3 隠蔽層
4 トップコート層
5 プライマー層
6 接着剤層
7 原反層
8 接着性樹脂層

Claims (10)

  1. 原反層、透明樹脂層およびトップコート層が順に積層されており、
    前記原反層は、ポリエステル系樹脂を含み、
    前記透明樹脂層および前記トップコート層の少なくとも一方には、微粒子化した添加剤が含まれていることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記透明樹脂層は、前記微粒子化した添加剤が含まれた前記樹脂層からなり、結晶性ポリプロピレン樹脂90重量%以上100重量%以下を主成分とし、前記微粒子化した添加剤としての結晶化誘発材が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記透明樹脂層は、引張弾性率が800MPa以上2000MPa以下であり、引張破断伸度が200%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記透明樹脂層は、厚さが20μm以上250μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 前記透明樹脂層は、ポリプロピレン樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の化粧シート。
  6. 前記トップコート層は、前記微粒子化した添加剤が含まれた前記樹脂層からなり、前記微粒子化した添加剤としての分散剤と、無機微粒子とを含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  7. 前記トップコート層は、当該トップコート層の主成分であるアクリル系樹脂材料100重量部に対して、前記無機微粒子が0.1重量部以上30重量部以下の割合で配合された状態とされていることを特徴とする請求項6に記載の化粧シート。
  8. 前記無機微粒子が、アルミナ、シリカ、ベーマイト、酸化鉄、酸化マグネシウム、ダイヤモンドのうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の化粧シート。
  9. 前記分散剤が、高分子系の界面活性剤、脂肪酸金属塩、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーン、ワックスまたは変性樹脂のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の化粧シート。
  10. 前記原反層は、ポリエステル系樹脂で形成された二軸延伸シートからなり、厚さが20μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の化粧シート。
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