JP2020114954A - ポリフェニレンサルファイド繊維含有湿式不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、湿式抄紙法で製造する際に断紙が発生し難く、250℃に加熱した際の寸法安定性に優れるポリフェニレンサルファイド繊維含有湿式不織布を提供することである。【解決手段】ポリフェニレンサルファイド繊維とガラス繊維からなり、ポリフェニレンサルファイド繊維として異型断面を有するポリフェニレンサルファイド繊維を含有し、一層構造であることを特徴とするポリフェニレンサルファイド繊維含有湿式不織布であり、ガラス繊維の含有量が、全繊維に対して5質量%以上、55質量%以下であることが好ましく、目付が8g/m2以上、200g/m2以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明はポリフェニレンサルファイド繊維含有湿式不織布に関するものである。
ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維は、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性能、吸湿時の寸法安定性、絶縁性、難燃性、保温性に優れている高機能繊維であるため、用途が拡大している。例えば、高温のガス集塵に用いるフィルター、工業製品の乾燥工程に使用するドライヤー用カンバス、オフィス用コピー機のロール拭き取り材、電気機器や電子機器の絶縁材、成型材、緩衝材(クッション材)、保温布、電池用セパレータ等の用途が挙げられる。
PPS繊維からなる耐熱性不織布として、湿式抄紙法で製造された耐熱性湿式不織布が知られている。例えば、PPS延伸繊維とPPS未延伸繊維とを併用する耐熱性湿式不織布が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。湿式抄紙法で湿式不織布を製造する場合、抄紙網で製造された湿紙から搾水するウェットプレス部、湿紙を乾燥機まで搬送する工程等が存在する。PPS延伸繊維とPPS未延伸繊維とを含有してなる耐熱性湿式不織布では、ウェットプレス部や搬送工程で断紙が起こりやすいという問題があった。また、PPS繊維の乾熱収縮率を下げることで低目付でも耐熱寸法安定性の高い不織布が得られることが知られている(例えば、特許文献4参照)。この場合、湿紙及び不織布の比引張強さが十分に確保できないという問題があった。湿式抄紙法での製造の際の断紙を防ぐ目的でガラス繊維を配合することが知られている(例えば、特許文献5)。この場合、PPS繊維の形状や熱寸法安定性に関して言及されていない。
特開平1−272899号公報 特開2010−24574号公報 特開2011−106043号公報 特開2004−285536号公報 特開2017−150095号公報
本発明の課題は、湿式抄紙法で製造する際に断紙が発生し難く、250℃に加熱した際の寸法安定性に優れるPPS繊維含有湿式不織布を提供することである。
上記課題は、下記発明によって解決することができる。
(1)ポリフェニレンサルファイド繊維とガラス繊維からなり、ポリフェニレンサルファイド繊維として異型断面を有するポリフェニレンサルファイド繊維を含有し、一層構造であることを特徴とするポリフェニレンサルファイド繊維含有湿式不織布。
(2)ガラス繊維の含有量が、全繊維に対して5質量%以上、55質量%以下である上記(1)に記載のポリフェニレンサルファイド繊維含有湿式不織布。
(3)目付が8g/m以上、200g/m以下であることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載のポリフェニレンサルファイド繊維含有湿式不織布。
本発明によれば、PPS繊維とガラス繊維からなり、且つ、異型断面を有するPPS繊維を含有することにより、湿式抄紙法で製造する際に断紙が発生し難く、250℃に加熱した際の寸法安定性に優れるPPS繊維含有湿式不織布を提供することができる。
本発明のPPS繊維含有湿式不織布は、PPS繊維とガラス繊維からなり、異型断面を有するPPS繊維を含有することを特徴としている。本発明のPPS繊維含有湿式不織布は、主体繊維としてPPS延伸繊維を含有し、バインダー繊維としてPPS未延伸繊維を含有することが好ましい。PPS未延伸繊維は、大部分が非結晶構造であり、熱を加えることで溶融し、バインダーとして働くことができる。PPS延伸繊維は、繊維製造工程において延伸を加えられることで、繊維の短繊維強度が強く、寸法安定性に優れている。本発明において、PPS延伸繊維及びPPS未延伸繊維を併用した場合には、耐熱性が優れた不織布を提供することが容易になる。
ポリフェニレンサルファイド(Polyphenylenesulfide)繊維とは、ポリマー構成単位として−(C−S)−を主要構造単位とする重合体(PPS重合体)からなる合成繊維である。PPS重合体の代表例としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイドスルホン、ポリフェニレンサルファイドケトン等が挙げられる。また、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体等も挙げられる。さらに、前記重合体の混合物が挙げられる。特に好ましいPPS重合体としては、ポリマーの主要構造単位として、−(C−S)−で表されるp−フェニレン単位を、好ましくは90質量%以上含有するPPS重合体が挙げられる。
異型断面を有するPPS繊維において、異型断面とは、繊維の長さ方向に垂直に切断した場合の断面形状が円形断面形状及び楕円断面形状以外のものであり、三角形状、Y型形状、扁平形状、ドックボーン形状、三つ葉形状等の断面を有するものを言う。例えば、これらは、異型金型を用いて直接紡糸する方法、複合繊維を溶解又は分割する方法などによって得られるが、異型金型を用いて直接紡糸することにより得られる異型断面を有するPPS繊維が本発明においては好適に用いられる。また、断面形状に特に限定はないが、強度向上の観点から、Y型形状又は三つ葉形状の断面形状を有するPPS繊維がより好ましい。Y型又は三つ葉形状は、円形断面形状に比べ比表面積が大きくなり、繊維同士の接着点が増加し、湿紙強度及び抄紙工程後の原紙強度が向上するだけではなく、熱カレンダー加工時に不織布内部の空間に入り込むように変形して接着するため、不織布としての強度を向上させることに寄与することができる。
PPS繊維のみからなる湿式不織布は、湿式抄紙法でシート化する場合に、湿紙の状態での保水性が極めて低いために、抄紙機のウェットプレス部や乾燥機に搬送する工程での断紙が起こりやすいという問題があった。本発明のPPS繊維含有湿式不織布は、異型断面を有するPPS繊維及びガラス繊維を含有することによって、湿式抄紙法によって製造する際に、断紙が起き難いという効果が得られる。より詳細に説明すると、異型断面を有するPPS繊維及びガラス繊維を含むことで、PPS繊維とガラス繊維がスラリー中でよく絡み合い、湿紙強度が強くなり、抄紙機のウェットプレス部での繊維の剥がれや断紙が発生し難くなる。さらに、PPS繊維とガラス繊維を含むことで、本発明で製造される不織布の加熱寸法安定性が向上するという効果も得られている。
本発明において、PPS繊維と併用するガラス繊維は、マイクロガラス繊維が好ましい。湿式抄紙法では、マイクロガラス繊維とチョップドガラス繊維が使用されることが多い。チョップドガラス繊維を使用した場合、湿式抄紙法によって湿式不織布原紙を得た後に、熱カレンダー処理を行うと、チョップドガラス繊維が割れてしまい、熱カレンダー処理後の湿式不織布に割れが生じることがあり、操業性が悪化する場合がある。一方、マイクロガラス繊維を使用した場合、熱カレンダー処理時のマイクロガラス繊維の割れは起き難く、操業性が向上するという効果が得られている。
本発明において、PPS繊維と併用するガラス繊維は、円形断面を有する。ガラス繊維の平均繊維径は、5μm以下が好ましく、0.1μm以上、5μm以下がより好ましく、0.5μm以上、4μm以下がさらに好ましい。平均繊維径が5μmよりも太い場合は、スラリー中でのPPS繊維とガラス繊維の絡み合いが不十分になり、湿式抄紙工程での断紙の抑制効果が低くなる場合がある。また、平均繊維径が0.1μm未満の場合は、湿式抄紙工程でワイヤーから流出するガラス繊維が多くなり、歩留まりが悪くなる場合がある。なお、ガラス繊維の平均繊維径は、単繊維の断面の走査型電子顕微鏡像から算出する。断面観察時の走査型電子顕微鏡の観察倍率は2000倍に設定し、無作為に抽出した繊維100本の繊維径を測定し、その平均値を平均繊維径とする。
本発明のPPS繊維含有湿式不織布において、異型断面を有するPPS繊維の含有量は、45質量%以上、95質量%以下であることが好ましく、60質量%以上、90質量%以下であることがより好ましい。異型断面を有するPPS繊維の含有量が45質量%未満である場合、乾燥後の原紙強度及び熱カレンダー加工後の不織布強度が十分に向上しない恐れがある。また、異型断面を有するPPS繊維の含有量が95質量%超である場合、湿紙強度が十分に向上せず、断紙が起こりやすくなる恐れがある。
本発明のPPS繊維含有湿式不織布において、ガラス繊維の含有量は5質量%以上、55質量%以下であることが好ましく、10質量%以上、40質量%以下であることが好ましい。ガラス繊維の含有量が5質量%未満の場合、湿式抄紙工程での断紙が改善されない場合がある。ガラス繊維の含有量が55質量%を超えた場合、PPS繊維同士の結着確率やPPS繊維とガラス繊維の結着確率が低下し、不織布全体の強度が低くなる場合がある。
本発明のPPS繊維含有湿式不織布において、PPS未延伸繊維の含有量は、全繊維量に対して30質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上、80質量%以下である。PPS未延伸繊維の含有量が30質量%よりも少なくなると、繊維同士を接着させるバインダー効果が不足し、不織布として十分な引張強度が得られない場合がある。また、PPS未延伸繊維の含有量が90質量%よりも多くなると、熱カレンダー加工時に幅方向の収縮が大きくなり、プロファイルを悪化させる場合がある。
湿式抄紙法における製造効率を考慮すると、PPS繊維の直径は、好ましくは0.1〜30μmであり、より好ましくは1〜25μmであり、さらに好ましくは2〜20μmである。PPS繊維の直径が0.1μm未満の場合、湿式抄紙機の抄紙網から脱落してしまう場合がある。一方、PPS繊維の直径が30μmを超えた場合、スラリー中での繊維同士の絡み度合いが不十分になり、湿式抄紙工程での断紙の抑制効果が十分ではなく、繊維間の接点が少なくなり過ぎて、強度維持が困難になる場合がある。また、ガラス繊維を含有させていない場合、湿紙強度が十分に向上せず、断紙が起こりやすくなる場合がある。なお、PPS繊維の直径は、PPS繊維含有湿式不織布を鋭利な刃物でカットして、その断面を2000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、無作為に抽出した繊維100本の各面積から真円の直径として算出した平均値である。
本発明のPPS繊維含有湿式不織布に用いるPPS繊維の繊維長は、好ましくは1〜20mmであり、より好ましくは2〜15mmであり、さらに好ましくは3〜10mmである。1mm未満の場合、湿式抄紙時に抄紙網から抜け落ちる場合があり、十分な強度が得られない場合がある。一方、20mmを超えた場合、水に分散する際にもつれ等を起こす場合があり、均一な地合が得られない場合がある。
本発明のPPS繊維含有湿式不織布は、一層構造であることにより、多層構造では作製し難い、目付が低い不織布を得ることができる。
本発明では、一層構造のPPS繊維含有湿式不織布を湿式抄紙法で製造する。まず、繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通し、スラリーを調製する。スラリーの最終繊維濃度は、好ましくは0.01〜0.50質量%である。該スラリーが、抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。工程中で、分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で使用した抄紙機を使用することができる。
湿式抄紙法では、抄紙網で製造され、ウェットプレス部で搾水された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等の乾燥機で乾燥することによって、湿式不織布原紙が得られる。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。熱ロールの表面温度は、好ましくは100〜180℃であり、より好ましくは120〜160℃である。圧力は、好ましくは50〜1000N/cmであり、より好ましくは100〜800N/cmである。
本発明のPPS繊維含有湿式不織布には、熱カレンダー加工を施すことが好ましい。PPS繊維含有湿式不織布の熱カレンダー処理に使用されるカレンダーユニットとしては、金属ロール−金属ロール、金属ロール−弾性ロール、金属ロール−コットンロール、金属ロール−シリコンロール等のロールの組み合わせのカレンダーユニットが挙げられる。これらのカレンダーユニットは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱カレンダー処理の際、金属ロールの表面温度は、好ましくは100〜260℃であり、より好ましくは150〜250℃である。金属ロールの温度が100℃より低いと、PPS未延伸繊維の溶融が進まず、繊維−繊維間の結着が進まない場合がある。また、金属ロールの温度が260℃より高いと、PPS繊維含有湿式不織布を構成する繊維が、金属ロールに貼り付き、不織布表面の均一性を損なう場合がある。
熱カレンダー処理時のニップのニップ圧力は、好ましくは190〜1800N/cmであり、より好ましくは390〜1500N/cmである。加工速度は、好ましくは5〜150m/minであり、より好ましくは10〜80m/minである。
本発明のPPS繊維含有湿式不織布の目付は、JIS P 8124:2011に準拠して測定し、好ましくは8〜200g/mであり、より好ましくは12〜150g/mである。目付が8g/m未満では、PPS繊維含有湿式不織布の均一性、引張強度が不十分となる場合がある。目付が200g/mを超えると、熱カレンダー処理時に、PPS繊維含有湿式不織布に熱付与を均一に行うことが難しくなる場合がある。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
<PPS繊維1>
断面形状が三つ葉形状であり、繊度1.3デシテックス、直径11μm、繊維長5mmの異型断面を有するPPS延伸繊維を「PPS繊維1」とした。
<PPS繊維2>
楕円断面形状であり、繊度0.2デシテックス、直径4μm、繊維長5mmの異型断面を有するPPS延伸繊維を「PPS繊維2」とした。
<PPS繊維3>
円形断面形状であり、繊度1.1デシテックス、直径10μm、繊維長5mmのPPS延伸繊維を「PPS繊維3」とした。
<PPS繊維4>
断面形状が三つ葉形状であり、繊度2.6デシテックス、直径16μm、繊維長5mmの異型断面を有するPPS未延伸繊維を「PPS繊維4」とした。
<PPS繊維5>
円形断面形状であり、繊度1.7デシテックス、直径13μm、繊維長5mmのPPS未延伸繊維を「PPS繊維5」とした。
<ガラス繊維1>
平均繊維径3μmのガラス繊維を「ガラス繊維1」とした。
<ガラス繊維2>
平均繊維径9μmのガラス繊維を「ガラス繊維2」とした。
<実施例1〜17、比較例1〜6>
表1記載の繊維配合にて、分散濃度0.2%で10分間、繊維を水に分散し、円網抄紙機を使って湿紙を形成し、その後、表面温度150℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、一層構造の湿式不織布原紙を得た。
(熱カレンダー処理)
湿式不織布原紙に、金属ロール−弾性ロールのカレンダーユニットによって、金属ロール温度230℃、加工速度10m/minで表裏共に金属ロールが接触してニップされるように熱カレンダー処理を2回施し、一層構造のPPS繊維含有湿式不織布を得た。
Figure 2020114954
実施例及び比較例において、目付及び厚さの測定、並びに生産性及び加熱寸法変化の評価を行い、結果を表1に示した。
(目付)
JIS P 8124:2011に準拠して、PPS繊維含有湿式不織布を100mm×100mmにカットして試験片とし、電子分析天秤(島津製作所社製)を用いて20枚測定した各値の平均値を目付とした。
(厚さ)
JIS P 8118:2014に準拠して、目付測定時に採取した試験片から1枚ずつマイクロメータ(ミツトヨ社製)を用いて、20枚測定した各値の平均値を厚さとした。
(生産性)
湿式不織布原紙を製造する際の生産性を以下の指標で評価した。
「5」:抄紙機の各パートでの湿紙、湿式不織布原紙の走行性は安定しており、断紙は発生しなかった。増速も可能。
「4」:抄紙機の各パートでの湿紙、湿式不織布原紙の走行性は安定している。断紙は発生しないが、繊維剥けがわずかに見られる。
「3」:抄紙機の各パートでの湿紙、湿式不織布原紙の走行性は安定している。断紙は発生しないが、繊維剥けが「4」よりも多い。
「2」:プレスパートでの湿紙の強度は弱いが、「3」よりも低速であれば製造可能である。時々、ドライヤー出口で、断紙が発生することがある。
「1」:プレスパートでの湿紙の強度が弱く、断紙が頻発する。
(加熱寸法変化率)
JIS K 7212:1999に準拠して、PPS繊維含有湿式不織布を100mm×100mmの寸法に、ロールの中心部及び両端部からカットし、試験片とした。23℃、相対湿度50%の条件下で、試験片の縦方向(L1)及び横方向(T1)の寸法を測定した後、250℃に設定したオーブンに、試験片の一端を金属クリップで挟み、試験片取付け枠に懸垂し、2時間加熱を行った。加熱終了後、試験片を加熱前の温湿度条件に冷却し、縦方向(L2)及び横方向(T2)の寸法を測定し、以下の式から縦方向(ΔL)と横方向(ΔT)の寸法変化率を算出し、その平均値を加熱寸法変化率[%]とした。
縦方向の寸法変化率 ΔL=(1−(L1−L2)/L1)×100
横方向の寸法変化率 ΔT=(1−(T1−T2)/T1)×100
実施例1〜17と比較例1〜4を比較することで、PPS繊維とガラス繊維からなり、PPS繊維として異型断面を有するPPS繊維を含有する実施例1〜17のPPS繊維含有湿式不織布は、異型断面を有するPPS繊維を含まない比較例1〜4のPPS繊維含有湿式不織布に対し、生産性及び/又は加熱寸法安定性が優れることがわかる。
実施例2と比較例5を比較することで、PPS繊維とガラス繊維からなり、PPS繊維として異型断面を有するPPS繊維を含有するPPS含有湿式不織布は、PPS繊維として異型断面を有するPPS繊維を含有するが、ガラス繊維を含有しないPPS含有湿式不織布に比べ、生産性及び加熱寸法安定性に優れることがわかる。
実施例1と実施例17を比較することで、PPS含有湿式不織布がPPS繊維とガラス繊維を含有する場合であっても、ガラス繊維の平均繊維径が5μm以下である方が、生産性及び加熱寸法安定性に優れていることがわかる。
実施例2、10及び11を比較することで、ガラス繊維を含有するPPS含有湿式不織布であっても、ガラス繊維の配合量が、全繊維に対して55%を超えると、生産性が低下し、断紙が発生しやすくなることがわかる。
実施例13と比較例6の比較から、異型断面を有するPPS繊維を含有するPPS繊維含有湿式不織布は、異型断面を有するPPS繊維を含有しないPPS繊維含有湿式不織布に比べ、生産性及び加熱寸法安定性が優れることがわかる。
ガラス繊維の含有量が5〜55%である実施例1及び実施例6〜10を比較することで、ガラス繊維を含有量が多いほど、加熱寸法安定性が優れていることがわかる。
本発明のPPS繊維含有湿式不織布は、高温のガス集塵に用いるフィルター、工業製品の乾燥工程に使用するドライヤー用カンバス、オフィス用コピー機のロール拭き取り材、電気機器や電子機器の絶縁材、成型材、緩衝材(クッション材)、保温布等に利用することができる。

Claims (3)

  1. ポリフェニレンサルファイド繊維とガラス繊維からなり、ポリフェニレンサルファイド繊維として異型断面を有するポリフェニレンサルファイド繊維を含有し、一層構造であることを特徴とするポリフェニレンサルファイド繊維含有湿式不織布。
  2. ガラス繊維の含有量が、全繊維に対して5質量%以上、55質量%以下である請求項1に記載のポリフェニレンサルファイド繊維含有湿式不織布。
  3. 目付が8g/m以上、200g/m以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリフェニレンサルファイド繊維含有湿式不織布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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