JP2018016900A - 耐熱性不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、高温環境下に長時間保存した場合に生じる経時的な強度低下の問題を抑制することができる耐熱性不織布を提供することである。
【解決手段】フィブリル化アラミド繊維と合成繊維を含有してなる耐熱性不織布において、フィブリル化アラミド繊維、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を含有していることを特徴とする耐熱性不織布であり、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル芯鞘繊維を併用した耐熱性不織布であっても良い。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性不織布に関する。
高温のガス集塵に用いるフィルター、工業製品の乾燥工程に使用するドライヤー用カンバス、オフィス用コピー機のロール拭き取り材、電機機器や電気機器の絶縁材、緩衝材(クッション材)、保温布、電池用セパレータ等の用途において、耐熱性不織布が使用されている。
耐熱性不織布として、アラミド(芳香族ポリアミド)繊維を含有してなる耐熱性不織布が知られている。アラミドは、短繊維(ステープル)として含有される場合もあるが、フィブリル化繊維として含有される場合もある(例えば、特許文献1〜3参照)。
例えば、特許文献1には、フィブリル化アラミド繊維と、繊度が0.45dtex以下のポリエステル繊維とを含み、好ましくはいずれの成分も熱融着していない不織布が開示されている。特許文献1の不織布では、いずれの成分も熱融着していないことから、耐熱性が不十分であった。また、特許文献2及び3には、フィブリル化アラミド繊維と融点が200℃以上の成分を芯部に、融点が200℃未満の成分を鞘部に配したポリエステル芯鞘複合繊維を含む不織布が開示されている。ポリエステル芯鞘複合繊維は、鞘部が溶融して他の繊維に融着し、不織布の強度を発現させる結着材としての役割を果たし、200℃程度での乾燥工程を経ても、芯部が繊維形状を保持できるため、不織布の熱収縮が抑制されるという効果を達成できるが、200℃以上の高温環境下に長時間保存した場合に、強度が経時的に低下するという問題があった。
特開2002−270471号公報 国際公開第2001/093350号パンフレット 国際公開第2005/088011号パンフレット
本発明の課題は、高温環境下に長時間保存した場合に生じる経時的な強度低下の問題を抑制することができる耐熱性不織布を提供することである。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、下記手段を見出した。
(1)フィブリル化アラミド繊維と合成繊維を含有してなる耐熱性不織布において、フィブリル化アラミド繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維を40質量%以上60質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を20質量%以上40質量%以下含有していることを特徴とする耐熱性不織布。
(2)フィブリル化アラミド繊維と合成繊維を含有してなる耐熱性不織布において、フィブリル化アラミド繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維を30質量%以上50質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル芯鞘繊維を10質量%以上30質量%以下含有していることを特徴とする耐熱性不織布。
本発明の耐熱性不織布は、フィブリル化アラミド繊維と合成繊維を含有してなる耐熱性不織布であり、耐熱性不織布が平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を所定量で含有していることによって、高温環境下に長時間保存した場合に、耐熱性不織布の強度が経時的に低下するという問題を抑制することができる。
以下、本発明の耐熱性不織布について詳細に説明する。
本発明の耐熱性不織布は、フィブリル化アラミド繊維と合成繊維を含有してなる。本発明の耐熱性不織布(1)は、フィブリル化アラミド繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維を40質量%以上60質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を20質量%以上40質量%以下含有していることを特徴とする。本発明の耐熱性不織布(2)は、フィブリル化アラミド繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維を30質量%以上50質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル芯鞘繊維を10質量%以上30質量%以下含有していることを特徴とする。
フィブリル化アラミド繊維は、アラミドのステープルを、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間でせん断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維にせん断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて処理することによって得られる。
フィブリル化した繊維とは、フィルム状ではなく、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維状で、少なくとも一部が繊維径1μm以下になっている繊維を指す。フィブリル化アラミド繊維におけるフィブリル化の程度としては、変法濾水度が500ml以下であることが好ましく、100ml以上450ml以下であることがより好ましい。500mlを超えると、繊維径分布が広くなり、耐熱性不織布に地合斑や厚み斑が生じる場合がある。また、フィブリル化アラミド繊維の長さ加重平均繊維長は、0.2mm以上2.0mm以下であることが好ましい。0.2mm未満だと、耐熱性不織布から脱落する場合や耐熱性不織布が毛羽立つ場合があり、2.0mmより長いと、ダマになる場合がある。
本発明における変法濾水度とは、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した値のことである。
本発明の耐熱性不織布は、フィブリル化アラミド繊維を10質量%以上30質量%以下含有する。フィブリル化アラミド繊維の含有量は、15質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。フィブリル化アラミド繊維の含有率が10質量%未満の場合、耐熱性が不十分となる。フィブリル化アラミド繊維の含有率が30質量%を超える場合、ポリエステル(未)延伸繊維の含有量が減少するため、耐熱性不織布の製造が難しくなる場合がある。
本発明の耐熱性不織布(1)は、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維を40質量%以上60質量%以下含有し、より好ましくは45質量%以上55質量%以下含有する。本発明の耐熱性不織布(2)は、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維を30質量%以上50質量%以下含有し、より好ましくは、35質量%以上45質量%以下含有する。ポリエステル延伸繊維の含有量が上記範囲から外れた場合、耐熱性不織布の機械強度が不十分となる場合や耐熱性不織布の製造が難しくなる場合がある。
ポリエステル延伸繊維の平均繊維径は2μm以上10μm以下である。平均繊維径が2μm未満の繊維は溶融紡糸で製造することが難しく、安価な繊維を大量に入手することが困難である。平均繊維径が10μmを超えた場合、耐熱性不織布の機械強度が低下する。
本発明の耐熱性不織布(1)は、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を20質量%以上40質量%以下含有し、より好ましくは25質量%以上35質量%以下である。本発明の耐熱性不織布(2)は、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を10質量%以上30質量%以下含有し、より好ましくは15質量%以上25質量%以下である。ポリエステル未延伸繊維の含有量が上記範囲より下回る場合、200℃以上の高温環境下に長時間保存した場合に、強度が経時的に低下するという問題を抑制する効果が低くなる。また、ポリエステル未延伸繊維の含有量が上記範囲を超えた場合、ポリエステル未延伸繊維同士が皮膜化し、耐熱性不織布の機械強度が低くなる。
ポリエステル未延伸繊維の平均繊維径は10μm以上15μm以下である。平均繊維径が15μmを超えた場合、単位面積当たりのポリエステル未延伸繊維の本数が少なくなるため、高温環境下で長時間保存した場合の強度低下を抑制する効果が低くなる。また、ポリエステル延伸繊維と未延伸繊維の平均繊維径が異なることによって、フィブリル化アラミド繊維を耐熱性不織布内に保持する効果が高まるため、ポリエステル未延伸繊維の平均繊維径は10μm以上である。
ポリエステル(未)延伸繊維におけるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、これらの誘導体等が挙げられる。本発明では、耐熱性の高いポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
本発明の耐熱性不織布(2)は、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル芯鞘繊維を10質量%以上30質量%以下含有し、より好ましくは15質量%以上25質量%以下である。ポリエステル未延伸繊維とポリエステル芯鞘繊維は、耐熱性不織布の製造工程において加熱されることによって、軟化又は溶融し、繊維同士を接着するバインダー繊維として作用する。バインダー繊維がポリエステル芯鞘繊維のみである場合、高温環境下で長時間保存した場合の強度低下を抑制する効果が低くなるが、本発明の耐熱性不織布(2)のように、所定量で、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維と平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル芯鞘繊維とを併用することによって、高温環境下で長時間保存した場合の強度低下を抑制する効果を発現することができる。
ポリエステル芯鞘繊維の平均繊維径は10μm以上15μm以下である。平均繊維径が15μmを超えた場合、単位面積当たりのポリエステル芯鞘繊維の本数が少なくなるため、繊維同士を接着させる効果が低くなる。また、ポリエステル芯鞘繊維とポリエステル延伸繊維の平均繊維径が異なることによって、フィブリル化アラミド繊維を耐熱性不織布内に保持する効果が高まるため、ポリエステル芯鞘繊維の平均繊維径は10μm以上である。
ポリエステル芯鞘繊維は、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせからなる繊維である。鞘部は、共重合ポリエステルであることが好ましい。共重合ポリエステルとしては、テレフタル酸成分とエチレングリコール成分を含有し、且つ、イソフタル酸成分、アジピン酸成分、セバシン酸成分、ナフタレンジカルボン酸成分、ジエチルグリコール成分、1,4−ブタンジオール成分及び脂肪族ラクトン成分の群から選ばれる少なくとも一成分を含有する共重合ポリエステルが挙げられる。この共重合ポリエステルは非晶質でも良いし、結晶性でも良い。また、芯部は、主たる繰り返し単位がアルキレンテレフタレートであるポリエステルであり、耐熱性の高いポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
本発明において、ポリエステル芯鞘繊維の断面形状は特に限定しないが、円形が好ましい。また、芯部と鞘部の比率は、体積比で芯/鞘=30/70〜70/30の範囲が好ましく、40/60〜60/40がより好ましい。
本発明において、平均繊維径は、耐熱性不織布の断面を観察した走査型電子顕微鏡像における繊維径を測定して求める。走査型電子顕微鏡像から、無作為に選んだ100本の繊維における耐熱性不織布の厚さ方向の繊維径を測定し、その平均値を平均繊維径とする。耐熱性不織布の厚さ方向の繊維径を用いる理由は以下である。一般に、薄い不織布において、繊維は不織布の厚さ方向に対して垂直方向に概ね配向する。一方、不織布の厚さ方向に対して垂直な面において、繊維の配向は不定である。したがって、厚さ方向とは異なる方向の繊維径を測定した場合、実際の繊維径よりも著しく太い繊維径が計測される場合があるので、本発明では厚さ方向の繊維径を測定する。
ポリエステル(未)延伸繊維とポリエステル芯鞘繊維の繊維長は、好ましくは1〜20mmであり、より好ましくは2〜15mmであり、さらに好ましくは3〜10mmである。1mm未満の場合、湿式抄紙時に抄紙ワイヤーから抜け落ちる場合があり、十分な機械強度が得られない場合がある。一方、20mmを超えた場合、水に分散する際にもつれ等を起こす場合があり、均一な地合が得られない場合がある。
本発明の耐熱性不織布は、湿式不織布であることが好ましい。すなわち、本発明の耐熱性不織布は、円網、長網、短網、傾斜型短網等の抄紙方式の中から1種の抄紙機方式を有する抄紙機、同種又は異種の2種以上の抄紙方式を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機などを用いて抄紙する湿式抄造法によって製造することが好ましい。抄紙用スラリーには、繊維の他に、必要に応じて、分散剤、増粘剤、無機填料、有機填料、消泡剤などを適宜添加することができ、0.001質量%以上5質量%以下の固形分濃度に抄紙用スラリーを調製する。この抄紙用スラリーをさらに所定濃度に希釈して抄紙し、乾燥する。
また、本発明の耐熱性不織布は、二層以上の多層構成であっても良い。多層構成である場合には、コンビネーション抄紙機を用いて、各々の抄紙網で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法や、一方の層を形成した後に、該層上に繊維を分散したスラリーを流延して多層構成とする流延法等で、多層構成の耐熱性不織布を製造することができる。繊維を分散したスラリーを流延する際に、先に形成した層は湿紙状態であっても良いし、乾燥状態であっても良い。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層構成の耐熱性不織布とすることもできる。
湿式抄造法では、抄紙網で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することによって、シート状の耐熱性不織布が得られる。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃がさらに好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cmであり、より好ましくは100〜800N/cmである。
本発明において、耐熱性不織布が多層構成である場合、各層の繊維配合が同一である多層構成であっても良く、各層の繊維配合が異なっている多層構成であっても良い。多層構成である場合、各層の坪量が下がることにより、抄紙用スラリーの繊維濃度を下げることができるため、耐熱性不織布の地合が良くなり、その結果、耐熱性不織布の地合の均一性が向上する。また、各層の地合が不均一であった場合でも、積層することで補填できる。さらに、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上するという効果も得られる。
抄紙して得られた耐熱性不織布には、必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理、熱処理などが施される。本発明の耐熱性不織布は、ポリエステル未延伸繊維を含むことから、熱カレンダー処理が施されることが好ましい。熱カレンダー処理に使用されるカレンダーユニットとしては、金属ロールと金属ロール、金属ロールと弾性ロール、金属ロールとコットンロール、金属ロールとシリコンロール等の組み合わせを有するカレンダーユニットが挙げられる。これらのカレンダーユニットは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱カレンダー処理の際における金属ロールの表面温度としては、好ましくは100〜260℃であり、より好ましくは130〜255℃であり、さらに好ましくは150〜250℃である。金属ロールの温度が100℃より低いと、ポリエステル未延伸繊維の軟化や溶融が進まず、繊維−繊維間の接着が進まない場合がある。また、金属ロールの温度が260℃より高いと、繊維が金属ロールに貼り付く場合や、ポリエステル未延伸繊維が皮膜化する場合があり、不織布表面の均一性を損なう場合がある。
熱カレンダー処理時のニップのニップ圧力は、好ましくは190〜1800N/cmであり、より好ましくは390〜1500N/cmである。加工速度は、好ましくは5〜150m/minであり、より好ましくは10〜80m/minである。
本発明の耐熱性不織布の坪量は、30g/m以上100g/m以下であることが好ましい。坪量が30g/m未満では、耐熱性不織布の均一性、耐熱性が不十分となる場合がある。坪量が100g/mを超えると、熱カレンダー処理時に、耐熱性不織布に熱付与を均一に行うことが難しくなる場合がある。
本発明の耐熱性不織布の厚さは、40μm以上120μm以下であることが好ましい。厚さが40μm未満では、耐熱性不織布の耐熱性が不十分となる場合がある。厚さが120μmを超えると、熱カレンダー処理時に、耐熱性不織布に熱付与を均一に行うことが難しくなる場合がある。
本発明の坪量は、JIS P8124に準拠して測定した値である。本発明の厚さはJIS B7502に規定された方法により測定した値であり、外側マイクロメーターにより測定された値である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[耐熱性不織布の坪量]
JIS P8124に準拠して坪量を測定した。
[耐熱性不織布の厚さ]
JIS B7502に規定された方法で、外側マイクロメーターにより、厚さを測定した。
実施例1−1〜1−7、比較例1−1〜1−7
表1に示した繊維配合で、各繊維を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター(agitator)による撹拌のもと、均一な抄紙用スラリー(0.3質量%濃度)を調製した。円網抄紙機を使って湿紙を形成し、その後、表面温度150℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、続いて、金属ロール−金属ロールのカレンダーユニットによって、金属ロール温度230℃、加工速度10m/minで熱カレンダー処理を施し、耐熱性不織布を得た。
実施例2−1〜2−11、比較例2−1〜2−6
表2に示した繊維配合で、各繊維を一緒に混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター(agitator)による撹拌のもと、均一な抄紙用スラリー(0.3質量%濃度)を調製した。円網抄紙機を使って湿紙を形成し、その後、表面温度150℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、続いて、金属ロール−金属ロールのカレンダーユニットによって、金属ロール温度230℃、加工速度10m/minで熱カレンダー処理を施し、耐熱性不織布を得た。
実施例及び比較例において、耐熱性不織布の製造時の加工性及び耐熱性不織布の耐熱性に関して以下の評価を行い、結果を表1及び表2に示した。
(抄紙性)
耐熱性不織布を製造する際の抄紙性を以下の指標で評価した。
「5」:抄紙機の各パートでの湿紙、不織布の走行性は安定しており、断紙は発生しなかった。増速も可能。
「4」:抄紙機の各パートでの湿紙、不織布の走行性は安定している。断紙は発生しないが、繊維剥けがわずかに見られる。
「3」:抄紙機の各パートでの湿紙、不織布の走行性は安定している。断紙は発生しないが、繊維剥けが「4」よりも多い。
「2」:プレスパートでの湿紙の強度は弱いが、「3」よりも低速であれば製造可能である。時々、ドライヤー出口で、断紙が発生することがある。
「1」:プレスパートでの湿紙の強度が弱く、断紙が頻発する。
(カレンダー加工性)
耐熱性不織布に熱カレンダー処理を施す際の加工性を以下の指標で評価した。
「5」:熱カレンダー処理した際に、断紙が発生せず問題なく加工ができ、均一性に優れる。
「4」:熱カレンダー処理した際に、断紙は発生しないが、熱ロールに耐熱性不織布が貼り付き気味になる。
「3」:熱カレンダー処理した際に、断紙は発生しないが、熱ロールに耐熱性不織布が貼り付き、部分的に剥離が見られる。
「2」:熱カレンダー処理した際に、断紙がわずかに発生する。
「1」:熱カレンダー処理した際に、断紙が頻繁に発生する。
(耐熱性試験−引張強度−)
耐熱性不織布を、幅方向25mm、流れ方向150mm(MD)及び幅方向150mm、流れ方向25mm(CD)に断裁し、卓上型材料試験機(装置名:STA−1150、株式会社オリエンテック製)のチャックに、チャック間隔80mmで固定し、100mm/minの一定速度で、耐熱性不織布が破断するまで、上チャックを引き上げて行った時の最大荷重を引張強度とした。次いで、200℃の乾燥機内で96時間加熱処理した後の耐熱性不織布について、前記と同様の方法で引張強度を測定し、加熱処理前の引張強度に対する加熱処理後の引張強度の維持率(加熱後のMDとCDの引張強度平均値/加熱前のMD方向とCD方向の引張強度平均値×100、単位:%)を求め、下記の基準で評価した。
「5」:80%以上
「4」:70%以上、80%未満
「3」:60%以上、70%未満
「2」:50%以上、60%未満
「1」:50%未満
Figure 2018016900
実施例1−1〜1−7の耐熱性不織布は、フィブリル化アラミド繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維を40質量%以上60質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を20質量%以上40質量%以下含有しており、安定した製造状況で製造でき、良好な耐熱性を有する。
比較例1−1の耐熱性不織布は、ポリエステル未延伸繊維の替わりにポリエステル芯鞘繊維を含有しており、実施例1−1に比べて熱カレンダー処理における加工性が劣った。
比較例1−2の耐熱性不織布は、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維の含有量が20質量%未満であるため、抄紙性及びカレンダー加工性が劣った。
比較例1−3の耐熱性不織布は、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維の含有量が40質量%超であるため、実施例1−6に比べて耐熱性が劣った。
比較例1−4の耐熱性不織布は、フィブリル化アラミド繊維を含有していないため、耐熱性が劣った。
比較例1−5の耐熱性不織布は、フィブリル化アラミド繊維を30質量%超えて含有しているため、抄紙性及びカレンダー加工性が劣った。
比較例1−6の耐熱性不織布は、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維と平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル未延伸繊維とを含有しているため、フィブリル化アラミド繊維を耐熱性不織布内に保持する効果が高まらず、実施例1−6に比べて耐熱性が劣った。
比較例1−7の耐熱性不織布は、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル延伸繊維と平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維とを含有しているため、フィブリル化アラミド繊維を耐熱性不織布内に保持する効果が高まらず、実施例1−6に比べて耐熱性が劣った。
Figure 2018016900
実施例2−1〜2−11の耐熱性不織布は、フィブリル化アラミド繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維を30質量%以上50質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル芯鞘繊維を10質量%以上30質量%以下含有して、安定した製造状況で、良好な耐熱性を有する。
比較例2−1の耐熱性不織布は、ポリエステル未延伸繊維を含有していないため、実施例2−1に比べて、カレンダー加工性が劣った。
比較例2−2の耐熱性不織布はフィブリル化アラミド繊維の含有量が30質量%超であり、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維の含有量が10質量%未満であり、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル芯鞘繊維の含有量が10質量%未満であるため、抄紙性及びカレンダー加工性が劣った。
比較例2−3及び2−4の耐熱性不織布は、フィブリル化アラミド繊維を含有していないため、耐熱性が劣った。
比較例2−5の耐熱性不織布は、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維と平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル未延伸繊維とを含有しているため、フィブリル化アラミド繊維を耐熱性不織布内に保持する効果が高まらず、実施例2−6に比べて耐熱性が劣った。
比較例2−6の耐熱性不織布は、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル延伸繊維と平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維とを含有しているため、フィブリル化アラミド繊維を耐熱性不織布内に保持する効果が高まらず、実施例2−6に比べて耐熱性が劣った。
本発明の耐熱性不織布は、高温のガス集塵に用いるフィルター、工業製品の乾燥工程に使用するドライヤー用カンバス、オフィス用コピー機のロール拭き取り材、電機機器や電気機器の絶縁材、緩衝材(クッション材)、保温布、電池用セパレータ等の用途に好適に利用できる。

Claims (2)

  1. フィブリル化アラミド繊維と合成繊維を含有してなる耐熱性不織布において、フィブリル化アラミド繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維を40質量%以上60質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を20質量%以上40質量%以下含有していることを特徴とする耐熱性不織布。
  2. フィブリル化アラミド繊維と合成繊維を含有してなる耐熱性不織布において、フィブリル化アラミド繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径2μm以上10μm未満のポリエステル延伸繊維を30質量%以上50質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル未延伸繊維を10質量%以上30質量%以下、平均繊維径10μm以上15μm以下のポリエステル芯鞘繊維を10質量%以上30質量%以下含有していることを特徴とする耐熱性不織布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020076174A (ja) * 2018-11-08 2020-05-21 三菱製紙株式会社 ポリフェニレンサルファイド繊維含有湿式不織布

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