JP2018021271A - 耐熱性湿式不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、湿式抄紙法で製造する際に断紙が発生し難い耐熱性不織布を提供することである。【解決手段】主体繊維としてポリエステル延伸繊維を含み、バインダー繊維としてポリフェニレンサルファイド未延伸繊維を含むことを特徴とする耐熱性湿式不織布であり、好ましくは、バインダー繊維として、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル芯鞘繊維及びポリエステル未延伸繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリフェニレンサルファイド未延伸繊維以外のバインダー繊維を含む耐熱性湿式不織布である。また、より好ましくは、主体繊維として、ポリフェニレンサルファイド延伸繊維を含む耐熱性湿式不織布である。【選択図】なし

Description

本発明は耐熱性湿式不織布に関するものである。
ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維は、耐熱性、耐薬品性、耐加水分解性能、吸湿時の寸法安定性、絶縁性、難燃性、保温性に優れている高機能繊維であるため、用途が拡大している。例えば、高温のガス集塵に用いるフィルター、工業製品の乾燥工程に使用するドライヤー用カンバス、オフィス用コピー機のロール拭き取り材、電気機器の絶縁材、緩衝材(クッション材)、保温布、電池用セパレータ等の用途が挙げられる。
PPS繊維を含有してなる耐熱性不織布として、湿式抄紙法で製造された耐熱性湿式不織布が知られている。例えば、延伸PPS繊維と未延伸PPS繊維とを併用する耐熱性湿式不織布が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。湿式抄紙法で湿式不織布を製造する場合、抄紙網で製造された湿紙から搾水するウェットプレス部、湿紙を乾燥機まで搬送する工程等が存在する。延伸PPS繊維と未延伸PPS繊維とを含有してなる耐熱性湿式不織布では、ウェットプレス部や搬送工程で断紙が起こりやすいという問題があった。
特開2010−24574号公報 特開2011−106043号公報
本発明の課題は、湿式抄紙法で製造する際に断紙が発生し難い耐熱性不織布を提供することである。
上記課題は、下記発明によって解決することができる。
(1)主体繊維としてポリエステル延伸繊維を含み、バインダー繊維としてポリフェニレンサルファイド未延伸繊維を含むことを特徴とする耐熱性湿式不織布。
(2)バインダー繊維として、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル芯鞘繊維及びポリエステル未延伸繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリフェニレンサルファイド未延伸繊維以外のバインダー繊維を含む上記(1)に記載の耐熱性湿式不織布。
(3)バインダー繊維としてポリフェニレンサルファイド未延伸繊維のみを含み、ポリフェニレンサルファイド未延伸繊維の含有量が、全体に対して20〜60質量%である上記(1)に記載の耐熱性湿式不織布。
(4)ポリフェニレンサルファイド未延伸繊維以外のバインダー繊維の含有量が5〜15質量%である上記(2)に記載の耐熱性湿式不織布。
(5)主体繊維として、ポリフェニレンサルファイド延伸繊維を含む上記(1)〜(4)のいずれかに記載の耐熱性湿式不織布。
本発明の耐熱性湿式不織布は、主体繊維としてポリエステル延伸繊維を含み、バインダー繊維としてPPS未延伸繊維を含むことにより、湿式抄紙法で製造する際に断紙が発生し難い耐熱性不織布を提供することができる。
本発明の耐熱性湿式不織布は、主体繊維としてポリエステル延伸繊維を含み、バインダー繊維としてPPS未延伸繊維を含むことを特徴とする耐熱性湿式不織布である。
ポリフェニレンサルファイド(Polyphenylenesulfide)繊維とは、ポリマー構成単位として−(C−S)−を主要構造単位とする重合体(PPS重合体)からなる合成繊維である。PPS重合体の代表例としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイドスルホン、ポリフェニレンサルファイドケトン等が挙げられる。また、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体等も挙げられる。さらに、前記重合体の混合物が挙げられる。特に好ましいPPS重合体としては、ポリマーの主要構造単位として、−(C−S)−で表されるp−フェニレン単位を、好ましくは90質量%以上含有するPPS重合体が挙げられる。
本発明の耐熱性湿式不織布は、PPS繊維としては、未延伸PPS繊維を必須成分として含む。未延伸PPS繊維は、大部分が非結晶構造であり、熱を加えることで溶融し、バインダーとして働くことができる。
ポリエステル延伸繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、これらの誘導体等が挙げられる。本発明では、耐熱性の高いポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
PPS延伸繊維とPPS未延伸繊維とを併用する耐熱性湿式不織布は、湿式抄紙法でシート化する場合に、湿紙の状態での保水性が極めて低いために、抄紙機のウェットプレス部や乾燥機に搬送する工程での断紙が起こりやすいという問題があった。本発明の耐熱性不織布は、ポリエステル延伸繊維とPPS未延伸繊維とを含み、これらの繊維を水に分散したスラリーを用いることによって、耐熱性湿式不織布を湿式抄紙法によって製造する際に、断紙が少ないという効果が得られる。より詳細に説明すると、ポリエステル延伸繊維と未延伸PPS繊維とを併用することで、ポリエステル延伸繊維とPPS未延伸繊維とがスラリー中でよく絡み合い、湿紙強度が強くなることで、抄紙機のウェットプレス部での繊維の剥がれや断紙が発生し難くなる。さらに、湿紙の保水性を高めることにより、スムーズに乾燥機へと搬送することができ、断紙を抑制できる。
本発明の耐熱性湿式不織布に対して、PPS未延伸繊維の含有量は、ポリエステル延伸繊維とPPS未延伸繊維の総量に対して、20〜60質量%が好ましく、25〜55質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。PPS未延伸繊維の含有量が20質量%未満の場合、耐熱性湿式不織布を高温環境下に長時間保存した場合に生じる経時的な強度低下が大きくなる恐れがある。また、60質量%を超えた場合、湿紙の保水性が低下し、断紙が起こりやすくなる恐れがある。
本発明の耐熱性湿式不織布において、ポリエステル延伸繊維の含有量は、ポリエステル延伸繊維とPPS未延伸繊維の総量に対して、40〜80質量%が好ましく、45〜75質量%がより好ましく、50〜70質量%がさらに好ましい。ポリエステル延伸繊維の含有量が40質量%未満の場合、湿紙の保水性が低下し、断紙が起こりやすくなる恐れがある。また、80質量%を超えた場合、耐熱性湿式不織布を高温環境下に長時間保存した場合に生じる経時的な強度低下が大きくなる恐れがある。
本発明では、PPS未延伸繊維以外のバインダー繊維として、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、ポリエステル芯鞘繊維、ポリエステル未延伸繊維の群から選ばれる少なくとも1種のバインダー繊維を含むことが好ましい。湿式抄紙工程でのドライヤー工程において、PPS未延伸線はバインダー繊維として機能するが、耐熱性湿式不織布が高坪量の場合や生産性向上のために抄紙速度を上げた場合に、PPS未延伸繊維のみでは、バインダー繊維としての機能が不足し、生産性が低下する場合がある。その場合に、PPS未延伸繊維以外のバインダー繊維とポリエステル延伸繊維とPPS未延伸繊維とを含むスラリーを用いて、湿紙抄紙法によって耐熱性湿式不織布を製造することで、PPS未延伸繊維以外のバインダー繊維が、他の繊維との結着性を補強し、湿式抄紙工程での生産性を改善することができる。
PPS未延伸繊維以外のバインダー繊維の含有量としては、全繊維量に対して、好ましくは5〜15質量%であり、より好ましくは6〜14質量%であり、さらに好ましくは7〜13質量%である。含有量が5質量%未満の場合、他の繊維との結着性を補強する効果が不十分となりやすく、また、含有量が15質量%を超えた場合、耐熱性湿式不織布を高温環境下に長時間保存した場合に生じる経時的な強度低下が大きくなる恐れがある。
本発明の耐熱性湿式不織布では、高温環境下に長時間保存した場合に生じる経時的な強度低下を抑制する効果が向上することから、抄紙性を損なわない範囲で、PPS延伸繊維を含むことが好ましい。PPS延伸繊維の含有量は、全繊維量に対して、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましく、15〜20質量%がさらに好ましい。
湿式抄紙法における製造効率を考慮すると、本発明の耐熱性湿式不織布に用いる繊維の繊維径は、好ましくは0.1〜30μmであり、より好ましくは1.0〜25μmであり、さらに好ましくは2〜20μmである。繊維径が0.1μm未満の場合、湿式抄紙機の抄紙網から脱落してしまう場合がある。一方、繊維径が30μmを超えた場合、スラリー中での繊維同士の絡み度合いが不十分になり、湿式抄紙工程での断紙の抑制効果が充分ではなく、繊維間の接点が少なくなり過ぎて、強度維持が困難になる場合がある。
本発明の耐熱性湿式不織布に用いる繊維の繊維長は、好ましくは1〜20mmであり、より好ましくは2〜15mmであり、さらに好ましくは3〜10mmである。1mm未満の場合、湿式抄紙時に抄紙ワイヤーから抜け落ちる場合があり、十分な強度が得られない場合がある。一方、20mmを超えた場合、水に分散する際にもつれ等を起こす場合があり、均一な地合が得られない場合がある。
本発明では、耐熱性湿式不織布を湿式抄造法で製造する。まず、繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通し、スラリーを調製する。スラリーの最終繊維濃度は、好ましくは0.01〜0.50質量%である。該スラリーが、抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。工程中で、分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で使用した抄紙機、同種又は異種の2以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等を使用することができる。また、不織布が二層以上の多層構成の場合には、各々の抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法や、一方の層を形成した後に、該層上に繊維を分散したスラリーを流延して積層とする流延法等で、不織布を製造することができる。繊維を分散したスラリーを流延する際に、先に形成した層は湿紙状態であっても良いし、乾燥状態であっても良い。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層構成の不織布とすることもできる。
湿式抄造法では、抄紙網で製造され、ウェットプレス部で搾水された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等の乾燥機で乾燥することによって、湿式不織布が得られる。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましく、110〜160℃がさらに好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cmであり、より好ましくは100〜800N/cmである。
本発明の耐熱性湿式不織布には、熱カレンダー加工を施すことが好ましい。耐熱性湿式不織布の熱カレンダー処理に使用されるカレンダーユニットとしては、金属ロール−金属ロール、金属ロール−弾性ロール、金属ロール−コットンロール、金属ロール−シリコンロール等のロールの組み合わせのカレンダーユニットが挙げられる。これらのカレンダーユニットは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱カレンダー処理の際、金属ロールの表面温度としては、好ましくは100〜260℃であり、より好ましくは130〜255℃であり、さらに好ましくは150〜250℃である。金属ロールの温度が100℃より低いと、未延伸PPS繊維の溶融が進まず、繊維−繊維間の結着が進まない場合がある。また、金属ロールの温度が260℃より高いと、耐熱性湿式不織布を構成する繊維が、金属ロールに貼り付き、不織布表面の均一性を損なう場合がある。
熱カレンダー処理時のニップのニップ圧力は、好ましくは190〜1800N/cmであり、より好ましくは390〜1500N/cmである。加工速度は、好ましくは5〜150m/minであり、より好ましくは10〜80m/minである。
本発明において、耐熱性湿式不織布が多層構成である場合、各層の繊維配合が同一である多層構成であっても良く、各層の繊維配合が異なっている多層構成であっても良い。多層構成である場合、各層の坪量が下がることにより、スラリーの繊維濃度を下げることができるため、耐熱性湿式不織布の地合が良くなり、その結果、耐熱性湿式不織布の地合の均一性が向上する。また、各層の地合が不均一であった場合でも、積層することで補填できる。さらに、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上するという効果も得られる。
本発明の製造法で製造される耐熱性湿式不織布の坪量は、特に限定しないが、好ましくは10〜200g/mであり、より好ましくは15〜150g/mである。坪量が10g/m未満では、耐熱不織布の均一性、強度が不十分となる場合がある。坪量が200g/mを超えると、熱カレンダー処理時に、耐熱性湿式不織布に熱付与を均一に行うことが難しくなる場合がある。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
<PET繊維1>
ポリエチレンテレフタレートからなる、繊度0.6デシテックス、繊維長5mmのポリエステル延伸繊維をPET繊維1とした。
<PET繊維2>
ポリエチレンテレフタレートからなる、繊度1.2デシテックス、繊維長5mmのポリエステル未延伸繊維をPET繊維2とした。
<PET繊維3>
芯部がポリエチレンテレフタレート(融点:260℃)、鞘部がポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸からなる非晶性の共重合ポリエステル(ガラス転移点:72℃)であり、繊度1.1デシテックス、繊維長5mmのポリエステル芯鞘繊維を、PET繊維3とした。
<PPS繊維1>
ポリフェニレンサルファイドからなる、繊度1.7デシテックス、繊維長5mmのPPS未延伸繊維をPPS繊維1とした。
<PPS繊維2>
ポリフェニレンサルファイドからなる、繊度1.1デシテックス、繊維長5mmのPPS延伸繊維をPPS繊維2とした。
<PVA繊維>
繊度1.1デシテックス、繊維長3mmのポリビニルアルコール繊維をPVA繊維とした。
<実施例1〜14、比較例1〜5>
表1記載の繊維配合にて、分散濃度0.2質量%で10分間、繊維を水に分散し、抄紙機を使って湿紙を形成し、その後、表面温度150℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、坪量40g/mの耐熱性湿式不織布を得た。実施例1〜13及び比較例1〜5では、円網抄紙機を使用した。実施例14では、円網(坪量20g/m)と傾斜網(坪量20g/m)を有するコンビネーション抄紙機を用いて、抄き合わせ法で、耐熱性湿式不織布を製造した。
(熱カレンダー処理)
耐熱性湿式不織布に、金属ロール−金属ロールのカレンダーユニットによって、金属ロール温度220℃、加工速度10m/minで熱カレンダー処理を施した。
Figure 2018021271
実施例及び比較例の製造時の加工性に関して以下の評価を行い、結果を表2に示した。
(抄紙性)
耐熱性湿式不織布を製造する際の抄紙性を以下の指標で評価した。
「5」:抄紙機の各パートでの湿紙、耐熱性不織布の走行性は安定しており、断紙は発生しなかった。増速も可能。
「4」:抄紙機の各パートでの湿紙、耐熱性湿式不織布の走行性は安定している。断紙は発生しないが、繊維剥けがわずかに見られる。
「3」:抄紙機の各パートでの湿紙、耐熱性湿式不織布の走行性は安定している。断紙は発生しないが、繊維剥けが「4」よりも多い。
「2」:プレスパートでの湿紙の強度は弱いが、「3」よりも低速であれば製造可能である。時々、ドライヤー出口で、断紙が発生することがある。
「1」:プレスパートでの湿紙の強度が弱く、断紙が頻発する。
(カレンダー加工性)
耐熱性湿式不織布に熱カレンダー処理を施す際の加工性を以下の指標で評価した。
「5」:熱カレンダー処理した際に、断紙が発生せず問題なく加工ができ、均一性に優れる。
「4」:熱カレンダー処理した際に、断紙は発生しないが、熱ロールに耐熱性湿式不織布が貼り付き気味になる。
「3」:熱カレンダー処理した際に、断紙は発生しないが、熱ロールに耐熱性湿式不織布が貼り付き部分的に剥離が見られる。
「2」:熱カレンダー処理した際に、断紙がわずかに発生する。
「1」:熱カレンダー処理した際に、断紙が頻繁に発生する。
(耐熱湿式不織布の耐熱性試験)
耐熱湿式不織布を200℃の乾燥機内で60時間加熱前後の引張強度の維持率(耐熱性強度維持率)を以下の指標で評価した。
(加熱後のMD方向とCD方向の引張強度平均値/加熱前のMD方向とCD方向の引張強度平均値)×100
「5」:95%以上
「4」:90%以上、95%未満
「3」:80%以上、90%未満
「2」:70%以上、80%未満
「1」:70%未満
Figure 2018021271
実施例1〜14と比較例1〜5を比較することで、主体繊維としてポリエステル延伸繊維を含み、バインダー繊維としてPPS未延伸繊維を含むことを特徴とする実施例1〜14の耐熱性湿式不織布は、主体繊維であるPPS延伸繊維とバインダー繊維であるPPS未延伸繊維のみを含む比較例1の耐熱性湿式不織布に対し、抄紙性に優れることがわかる。また、主体繊維としてポリエステル延伸繊維を含んでいるが、バインダー繊維としてPPS未延伸繊維を含まない比較例2〜4の耐熱性湿式不織布及び主体繊維であるPPS延伸繊維とバインダー繊維であるポリエステル未延伸繊維のみを含む比較例5の耐熱性不織布に対し、耐熱性強度維持率に優れることがわかる。
実施例1と2の比較から、ポリエステル延伸繊維とPPS未延伸繊維の総量に対して、PPS未延伸繊維の含有量が20質量%以上である実施例1の耐熱性湿式不織布は、PPS未延伸繊維の含有量が20質量%未満である実施例2の耐熱性湿式不織布に対し、耐熱性強度維持率が向上することがわかる。また、実施例3と4の比較から、ポリエステル延伸繊維とPPS未延伸繊維の総量に対して、PPS未延伸繊維の含有量が60質量%以下である実施例3の耐熱性湿式不織布は、PPS未延伸繊維の含有量が60質量%を超える実施例4の耐熱性湿式不織布に対し、抄紙性が向上することがわかる。
実施例5〜8の比較から、バインダー繊維として、PVA繊維、ポリエステル芯鞘繊維及びポリエステル未延伸繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種のPPS未延伸繊維以外のバインダー繊維を含む実施例6〜8の耐熱性湿式不織布は、PPS未延伸繊維のみをバインダー繊維として含む実施例5の耐熱性湿式不織布に対し、抄紙性が向上することがわかる。
実施例8〜12の比較から、PPS未延伸繊維以外のバインダー繊維の含有量が5〜15質量%である実施例8、10及び11の耐熱性湿式不織布は、PPS未延伸繊維以外のバインダー繊維の含有量が5質量%未満である実施例9の不織布より抄紙性に優れ、また、PPS未延伸繊維以外のバインダー繊維の含有量が15質量%を超える実施例12の耐熱性湿式不織布より耐熱性強度維持率に優れることがわかる。
実施例8と13の比較から、主体繊維としてPPS延伸繊維を含む実施例13の耐熱性湿式不織布は、主体繊維としてPPS延伸繊維を含有しない実施例8の耐熱性湿式不織布に対し、耐熱強度維持率が向上することがわかる。
実施例8と実施例14の比較から、耐熱性湿式不織布が単層であっても、多層構成であっても、抄紙性、カレンダー加工性、耐熱性強度維持率の結果共に良好であることがわかる。
本発明の耐熱性湿式不織布は、高温のガス集塵に用いるフィルター、工業製品の乾燥工程に使用するドライヤー用カンバス、オフィス用コピー機のロール拭き取り材、電気機器の絶縁材、緩衝材(クッション材)、保温布等に利用することができる。

Claims (5)

  1. 主体繊維としてポリエステル延伸繊維を含み、バインダー繊維としてポリフェニレンサルファイド未延伸繊維を含むことを特徴とする耐熱性湿式不織布。
  2. バインダー繊維として、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル芯鞘繊維及びポリエステル未延伸繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリフェニレンサルファイド未延伸繊維以外のバインダー繊維を含む請求項1記載の耐熱性湿式不織布。
  3. バインダー繊維としてポリフェニレンサルファイド未延伸繊維のみを含み、ポリフェニレンサルファイド未延伸繊維の含有量が、全体に対して20〜60質量%である請求項1記載の耐熱性湿式不織布。
  4. ポリフェニレンサルファイド未延伸繊維以外のバインダー繊維の含有量が5〜15質量%である請求項2記載の耐熱性湿式不織布。
  5. 主体繊維として、ポリフェニレンサルファイド延伸繊維を含む請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱性湿式不織布。
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