JP2020105535A - 容器、容器の製造方法及びアモルファスカーボン膜の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アモルファスカーボン膜の膜組成が細胞接着やタンパク質吸着に与える影響を、より簡便に評価することができる技術を提供する。【解決手段】容器であって、試料を収容する収容部を1つ以上有する基材と、前記基材の少なくとも一部に形成された導電性膜と、前記導電性膜の少なくとも一部、又は前記基材の少なくとも一部に形成されたアモルファスカーボン膜と、を備え、収容された前記試料が前記アモルファスカーボン膜に接触可能である、容器。【選択図】なし
Description
本発明は、容器、容器の製造方法及びアモルファスカーボン膜の評価方法に関する。
アモルファスカーボン膜は、炭化水素又は炭素の同素体から形成された非晶質の硬質膜である。例えば、特許文献1には、アモルファスカーボンの合成装置及び合成方法が記載されている。
従来、アモルファスカーボン膜の膜組成が細胞接着やタンパク質吸着に与える影響を評価する場合には、平板基材(基板)に組成の異なるアモルファスカーボン膜を成膜し、その平板基材を所定の容器に収容して評価することが一般的であった。しかし、この場合、容器に収容可能なように基材を加工する等の工程が必要であり、試験工程が煩雑である。
一実施形態に係る容器は、試料を収容する収容部を1つ以上有する基材と、前記基材の少なくとも一部に形成された導電性膜と、前記導電性膜の少なくとも一部、又は前記基材の少なくとも一部に形成されたアモルファスカーボン膜と、を備え、収容された前記試料が前記アモルファスカーボン膜に接触可能である。
一実施形態に係る容器の製造方法は、上述した容器の製造方法であって、前記基材の少なくとも一部に前記導電性膜を形成する工程と、前記導電性膜に電圧を印加し、物理気相成長法又は化学気相成長法により前記アモルファスカーボン膜を形成する工程と、を備える。
一実施形態に係るアモルファスカーボン膜の評価方法は、上述した容器に試料を収容して前記試料と前記アモルファスカーボン膜とを接触させる工程と、前記試料と前記アモルファスカーボン膜との相互作用を評価する工程と、を備える。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一又は対応する符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。
[容器]
本実施形態の容器は、試料を収容する収容部を1つ以上有する基材と、前記基材の少なくとも一部に形成された導電性膜と、前記導電性膜の少なくとも一部、又は前記基材の少なくとも一部に形成されたアモルファスカーボン膜と、を備え、収容された前記試料が前記アモルファスカーボン膜に接触可能である。
本実施形態の容器は、試料を収容する収容部を1つ以上有する基材と、前記基材の少なくとも一部に形成された導電性膜と、前記導電性膜の少なくとも一部、又は前記基材の少なくとも一部に形成されたアモルファスカーボン膜と、を備え、収容された前記試料が前記アモルファスカーボン膜に接触可能である。
本実施形態の容器を用いれば、容器とは別に平板基材等を準備する必要がないため、膜組成が細胞接着やタンパク質吸着性に与える影響を評価する場合の試験工程が簡便である。また、実施例において後述するように、本実施形態の容器を用いることにより、例えば、アモルファスカーボン膜の膜組成が細胞接着やタンパク質吸着に与える影響を評価する場合に、より高い測定精度で、より簡便に評価することができる。また、本実施形態の容器を用いれば、従来必要であった基材の切断や研磨等のコストを低減することができる。なお、本明細書におけるアモルファスカーボン膜とは、sp2混成軌道の炭素原子とsp3混成軌道の炭素原子の両方を含むカーボン膜のことである。sp2混成軌道の炭素原子とsp3混成軌道の炭素原子の含有量によらず、両方の炭素原子を含んでいればアモルファスカーボン膜と呼ぶ。また、本明細書では、上記アモルファスカーボン膜がチタン原子を含んでいる場合に、チタンドープアモルファスカーボン膜と呼ぶ。
本実施形態の容器において、収容部は、試料を収容するものである。試料は、アモルファスカーボン膜との相互作用を評価する対象となる物質であってよい。試料としては、例えば、タンパク質、細胞等の生体試料が挙げられる。
収容部の形状は特に限定されず、例えば凹部形状等の形状が挙げられる。例えば、収容部の底部は平面状であってよいし、U字形状であってもよい。より具体的には、例えば、生物実験等で用いられる、シャーレ、ウェルプレート等の形状が挙げられる。ウェルプレートのウェル数は特に限定されず、例えば、6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル等であってもよい。基材110は、樹脂材料やガラス等で形成されており、絶縁性であってもよい。なお、本明細書における絶縁性とは、体積抵抗率が1011(Ω・cm)以上であることを示す。
後述するように、アモルファスカーボン膜を基材110上に成膜するためには、基材にバイアス電圧を印加することが好ましい。しかしながら、基材110が絶縁性である場合には、バイアス電圧を印加することができない。このような場合には、基材110の少なくとも一部に導電性膜120を形成し、バイアス電圧を印加することを可能にすればよい。導電性膜120は、バイアス電圧を印加することができれば特に制限されず、例えばチタン膜、クロム膜、タンタル膜等が挙げられる。導電性膜の膜厚は、50〜100nm程度であってよい。なお、本明細書における導電性とは、体積抵抗率が概ね10−4(Ω・cm)以下であることを示す。
図1(a)及び(b)は、一実施形態に係る容器の構造を説明する模式図である。図1(a)に示すように、容器100は、収容部を有する基材110と、基材110の少なくとも一部に形成された導電性膜120と、導電性膜120の少なくとも一部に形成されたアモルファスカーボン膜130と、を備える。また、各収容部は、基材110を介して連結している。アモルファスカーボン膜130の膜厚は10〜20nm程度であってよい。
アモルファスカーボン膜130は、収容部に収容された試料が、アモルファスカーボン膜130と接触する位置に配置されていればよい。例えば、アモルファスカーボン膜130は、収容部の底部における少なくとも一部を含む領域に形成されていてもよい。本明細書において、収容部の底部とは、収容部のうち、試料を収容部に収容した場合に試料が接触する領域をいう。すなわち、アモルファスカーボン膜130は、収容部の底部の少なくとも一部を含む領域に形成されていてもよい。
図1(a)では、基材110と、導電性膜120と、アモルファスカーボン膜130とがこの順に積層されている。しかしながら、基材110と、導電性膜120と、アモルファスカーボン膜130の配置の順序はこれに限定されず、例えば、図1(b)に示すように、導電性膜120と、基材110と、アモルファスカーボン膜130とがこの順に積層されていてもよい。
導電性膜120は、基材110にバイアス電圧を印加することができる位置に配置されていればよい。このため、図1(a)に示すように、導電性膜120は、基材110上の、アモルファスカーボン膜130が形成される面上に配置されていてもよい。あるいは、図1(b)に示すように、導電性膜120は、基材110上の、アモルファスカーボン膜130が形成される面とは反対側の面上に配置されていてもよい。
《アモルファスカーボン膜》
ここで、アモルファスカーボン膜130について説明する。アモルファスカーボン膜130は、炭素原料を原料ターゲットに用いて、PVD法(物理気相成長法)、CVD法(化学気相成長法)により基材110上又は導電性膜120上に成膜することができる。PVD法としては、例えば、イオンビーム蒸着法、イオンビームスパッタ法、マグネトロンスパッタ法、レーザ蒸着法、レーザスパッタ法、アークイオンプレーティング法、フィルタードカソーディックバキュームアーク(FCVA)法等が挙げられる。CVD法としては、マイクロ波プラズマCVD法、直流プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、有磁場プラズマCVD法等が挙げられる。
ここで、アモルファスカーボン膜130について説明する。アモルファスカーボン膜130は、炭素原料を原料ターゲットに用いて、PVD法(物理気相成長法)、CVD法(化学気相成長法)により基材110上又は導電性膜120上に成膜することができる。PVD法としては、例えば、イオンビーム蒸着法、イオンビームスパッタ法、マグネトロンスパッタ法、レーザ蒸着法、レーザスパッタ法、アークイオンプレーティング法、フィルタードカソーディックバキュームアーク(FCVA)法等が挙げられる。CVD法としては、マイクロ波プラズマCVD法、直流プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、有磁場プラズマCVD法等が挙げられる。
中でも、FCVA法は、室温でも高い付着力で均一にコーティングを行うことが可能な成膜法であり好ましい。FCVA法とは、原料ターゲットにアーク放電させることによりイオン化された粒子を発生させ、その粒子のみを基材110上又は導電性膜120上に導いて成膜させる成膜法である。
図2は、FCVA装置200の概略構成図である。FCVA装置200では、原料ターゲット202が設置されたアークプラズマ発生室201と、成膜チャンバ206とが、空間フィルタ205により連結されている。
成膜チャンバ206は、その内部に基材ホルダー207を具備する。基材ホルダー207は基材110を固定し、不図示の駆動手段により、基材110をθX方向に傾斜させたり、θY方向に回転させることができる。空間フィルタ205は、−X軸方向及びY軸方向にダブルベンドされる。空間フィルタ205の周囲には電磁石コイル203が巻回され、成膜チャンバ206との連通部付近にイオンスキャンコイル204が巻回されている。
原料ターゲットとしてグラファイトターゲット等の炭素原料を用いることによりアモルファスカーボン膜130を成膜することができる。また、原料ターゲットとして金属を含有する黒鉛焼結体等のターゲットを用いることにより金属がドープされたアモルファスカーボン膜130を成膜することができる。例えば、原料ターゲットとしてTiCを用いることによりチタンドープアモルファスカーボン膜130を成膜することができる。なお、ドープされる金属はTiに限られず、Na、K、Ca、B、Mg、Cu、Sr、Ba、Zn、Hf、Al、Zr、Fe、Co、Ni、V、Cr、Mo、W、Mn、Re、Ag、Au、Pt、Nb、Ta、又は、これらのうちの2つ以上の金属の合金等を用いることができる。また、金属に限られず、Si等の半導体材料や、H、N、F等がドープされてもよい。
アモルファスカーボン膜130が、チタン原子を含有するチタンドープアモルファスカーボン膜である場合、当該膜における炭素原子数に対するチタン原子数の割合は2〜30原子%程度であってもよい。なお、炭素原子数に対するチタン原子数の割合をα(原子%)とすると、αは下記式(1)により表される。
α(原子%)=(Ti原子数)/{(sp2−C原子数)+(sp3−C原子数)}×100 …(1)
[式(1)中、(Ti原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるTi原子数を表し、(sp2−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp2混成軌道の炭素原子数を表し、(sp3−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp3混成軌道の炭素原子数を表す。]
α(原子%)=(Ti原子数)/{(sp2−C原子数)+(sp3−C原子数)}×100 …(1)
[式(1)中、(Ti原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるTi原子数を表し、(sp2−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp2混成軌道の炭素原子数を表し、(sp3−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp3混成軌道の炭素原子数を表す。]
FCVA法によりアモルファスカーボン膜130又はチタンドープアモルファスカーボン膜130を成膜するには、まず、アークプラズマ発生室201内のターゲット202に直流電圧を印加することによりアーク放電させて、アークプラズマを発生させる。
発生したアークプラズマ中の中性粒子、C+イオン、Ti+イオン、Ti2+イオン、Ti3+イオン、Ti4+イオン、その他のイオンは、空間フィルタ205へと搬送され、空間フィルタ205を通過する過程で、中性粒子は電磁石コイル203によりトラップされ、C+イオン、Ti+イオン、Ti2+イオン、Ti3+イオン、Ti4+イオン、その他のイオンのみが成膜チャンバ206内へと導かれる。
この際、イオンスキャンコイル204によって、イオン流はその飛行方向を任意方向へ動かすことができる。成膜チャンバ206内の導電性膜120には、負のバイアス電圧が印加されている。アーク放電によりイオン化されたC+イオン、Ti+イオン、Ti2+イオン、Ti3+イオン、Ti4+イオン、その他のイオンは、バイアス電圧により加速され、基材110上に緻密な膜として堆積する。
このようにして成膜されたアモルファスカーボン膜130は、炭素原子から構成される固体膜であり、sp2混成軌道を有する炭素原子とsp3混成軌道を有する炭素原子に大別される。
FCVA法においては、成膜時のバイアス電圧を調整することによって、アモルファスカーボン膜130やチタンドープアモルファスカーボン膜130中のsp2混成軌道の炭素原子及びsp3混成軌道の炭素原子の含有量を制御することができる。
例えば、バイアス電圧を調整することにより、アモルファスカーボン膜中のsp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合を15〜85原子%とすることができる。また、例えば、バイアス電圧を調整することにより、チタンドープアモルファスカーボン膜中のsp2混成軌道の炭素原子数、sp3混成軌道の炭素原子数、及びチタン原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合を40原子%以下とすることができる。なお、アモルファスカーボン膜中のsp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合をβ(原子%)とすると、βは下記式(2)により表される。
β(原子%)=(sp3−C原子数)/{(sp2−C原子数)+(sp3−C原子数)}×100 …(2)
[式(2)中、(sp2−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp2混成軌道の炭素原子数を表し、(sp3−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp3混成軌道の炭素原子数を表す。]
β(原子%)=(sp3−C原子数)/{(sp2−C原子数)+(sp3−C原子数)}×100 …(2)
[式(2)中、(sp2−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp2混成軌道の炭素原子数を表し、(sp3−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp3混成軌道の炭素原子数を表す。]
また、チタンドープアモルファスカーボン膜中のsp2混成軌道の炭素原子数、sp3混成軌道の炭素原子数、及びチタン原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合をγ(原子%)とすると、γは下記式(3)により表される。
γ(原子%)=(sp3−C原子数)/{(sp2−C原子数)+(sp3−C原子数)+(Ti原子数)}×100 …(3)
[式(3)中、(sp2−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp2混成軌道の炭素原子数を表し、(sp3−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp3混成軌道の炭素原子数を表し、(Ti原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるTi原子数を表す。]
γ(原子%)=(sp3−C原子数)/{(sp2−C原子数)+(sp3−C原子数)+(Ti原子数)}×100 …(3)
[式(3)中、(sp2−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp2混成軌道の炭素原子数を表し、(sp3−C原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるsp3混成軌道の炭素原子数を表し、(Ti原子数)はアモルファスカーボン膜に占めるTi原子数を表す。]
FCVA法では、飛行エネルギーの揃ったC+イオン、Ti+イオン、Ti2+イオン、Ti3+イオン、Ti4+イオン、その他のイオンのみが成膜チャンバ206内に導かれ、導電性膜120に印加するバイアス電圧をコントロールすることにより、基材110に入射する各種イオン粒子のイオン衝撃エネルギーを制御することができる。したがって、複雑な形状の基材110においても、均一に成膜することが可能である。
アモルファスカーボン膜130の表面には、水酸基、カルボキシル基等の官能基が形成されていてもよい。FCVA法等により形成したアモルファスカーボン膜130は、sp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の割合によらず、液滴法により測定した純水の接触角が概ね50°以上である。
このアモルファスカーボン膜130の表面に、水酸基、カルボキシル基等の官能基を形成することにより、純水の接触角を低下させることができる。純水の接触角の低下の程度は、形成する官能基の量に応じて変化し、例えば10°以下、例えば5°以下、例えば4°以下に調整することができる。
アモルファスカーボン膜130への官能基の形成方法は特に限定されず、例えば、アモルファスカーボン膜130に紫外線を含む光を照射することにより行うことができる。紫外線の波長及び紫外線の照射量は適宜調整することができ、例えば波長185nmの紫外線を含む光を約20分間照射する条件等が挙げられる。このとき、例えば、照射される光は波長254nm等の紫外線を含んでいてもよい。
また、アモルファスカーボン膜130がチタンドープアモルファスカーボン膜である場合についても同様であり、水酸基、カルボキシル基等の官能基が形成されていてもよい。
FCVA法等により形成したチタンドープアモルファスカーボン膜130は、炭素原子数に対するチタン原子数の割合が2原子%以上の範囲において、液滴法により測定した純水の接触角が概ね60°以上である。
このチタンドープアモルファスカーボン膜130の表面に、水酸基、カルボキシル基等の官能基を形成することにより、純水の接触角を低下させることができる。純水の接触角の低下の程度は、形成する官能基の量に応じて変化し、例えば10°以下、例えば5°以下、例えば4°以下に調整することができる。
チタンドープアモルファスカーボン膜130への官能基の形成方法は特に限定されず、例えば、チタンドープアモルファスカーボン膜130に紫外線を含む光を照射することにより行うことができる。紫外線の波長及び紫外線の照射量は適宜調整することができ、例えば波長185nmの紫外線を含む光を約20分間照射する条件等が挙げられる。
《中間層》
成膜するアモルファスカーボン膜130において、例えばsp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合が50〜85原子%である場合、アモルファスカーボン膜130は膜応力が高く、剥離しやすい傾向がある。このような場合、アモルファスカーボン膜130と導電性膜120との間、又は、アモルファスカーボン膜130と基材110との間に膜応力が低い中間層を形成するとよい。これにより、アモルファスカーボン膜130の密着性が向上し、剥離を抑制することができる。中間層の膜厚は、30〜40nm程度が適当である。
成膜するアモルファスカーボン膜130において、例えばsp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合が50〜85原子%である場合、アモルファスカーボン膜130は膜応力が高く、剥離しやすい傾向がある。このような場合、アモルファスカーボン膜130と導電性膜120との間、又は、アモルファスカーボン膜130と基材110との間に膜応力が低い中間層を形成するとよい。これにより、アモルファスカーボン膜130の密着性が向上し、剥離を抑制することができる。中間層の膜厚は、30〜40nm程度が適当である。
中間層としては、膜応力が低いアモルファスカーボン膜を用いることができる。例えば、sp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合が15原子%以上50原子%未満であるアモルファスカーボン膜は、膜応力が低いため中間層として好適である。
また、チタンドープアモルファスカーボン膜も中間層として好適である。チタンを含有することで膜応力がより小さくなる傾向にある。そのため、チタンドープアモルファスカーボン膜を用いることで、密着性の更なる向上が期待できる。
[容器の製造方法]
本実施形態の容器の製造方法は、上述した容器の製造方法であり、基材の少なくとも一部に導電性膜120を形成する工程と、導電性膜120に電圧を印加し、物理気相成長法又は化学気相成長法によりアモルファスカーボン膜130を形成する工程と、を備える。
本実施形態の容器の製造方法は、上述した容器の製造方法であり、基材の少なくとも一部に導電性膜120を形成する工程と、導電性膜120に電圧を印加し、物理気相成長法又は化学気相成長法によりアモルファスカーボン膜130を形成する工程と、を備える。
アモルファスカーボン膜130を形成する物理気相成長法は、FCVA法であってもよい。すなわち、本実施形態の製造方法は、上述したFCVA装置により好適に実施することができる。基材110が絶縁性である場合、バイアス電圧を印加できないため、FCVA法でアモルファスカーボン膜130を形成することが困難である。しかし、本実施形態の製造方法であれば、基材110が絶縁性を有していてもFCVA法でアモルファスカーボン膜を好適に形成することができる。
その結果、例えば、アモルファスカーボン膜の膜組成が細胞接着やタンパク質吸着に与える影響を評価する場合に、より高い測定精度で、より簡便に評価することができる容器を製造することができる。
本実施形態の製造方法において、アモルファスカーボン膜130を形成する位置は、導電性膜120の配置により異なる。
例えば、図1(a)に示すように、基材110と、導電性膜120と、アモルファスカーボン膜130とがこの順に形成されている場合、導電性膜120にバイアス電圧を印加してアモルファスカーボン膜130を成膜すると、アモルファスカーボン膜130は導電性膜120の少なくとも一部に形成されることになる。
あるいは、例えば図1(b)に示すように、導電性膜120と、基材110と、アモルファスカーボン膜130とがこの順に積層されている場合、導電性膜120にバイアス電圧を印加してアモルファスカーボン膜130を成膜すると、アモルファスカーボン膜130は基材110の少なくとも一部に形成されることになる。
[アモルファスカーボン膜の評価方法]
本実施形態のアモルファスカーボン膜の評価方法は、上述した容器に試料を収容して前記試料と前記アモルファスカーボン膜とを接触させる工程と、前記試料と前記アモルファスカーボン膜との相互作用を評価する工程と、を備える。
本実施形態のアモルファスカーボン膜の評価方法は、上述した容器に試料を収容して前記試料と前記アモルファスカーボン膜とを接触させる工程と、前記試料と前記アモルファスカーボン膜との相互作用を評価する工程と、を備える。
ここで、試料は、アモルファスカーボン膜との相互作用を評価する対象となる物質である。試料としては、例えば、タンパク質、細胞等の生体試料が挙げられる。
試料とアモルファスカーボン膜との相互作用の評価は、目的とする評価内容により適宜選択した評価方法により行うことができる。例えば、アモルファスカーボン膜に対する細胞接着性を評価する場合には、アモルファスカーボン膜に細胞を接触させ、その後、アモルファスカーボン膜に接着した細胞数を計測することにより評価することができる。
あるいは、アモルファスカーボン膜に対するタンパク質吸着を評価する場合には、アモルファスカーボン膜にタンパク質を接触させ、その後、アモルファスカーボン膜に接着したタンパク質量を計測することにより評価することができる。
実施例において後述するように、本実施形態の評価方法により、より高い測定精度で、より簡便に、アモルファスカーボン膜の膜組成が細胞接着やタンパク質吸着に与える影響等を評価することができる。
次に実施例を示して本実施形態を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
(容器の製造)
ポリスチレン製の細胞培養用24ウェルプレートを加工して容器を製造した。まず、24ウェルプレートの表面にチタンを成膜し、導電性を付与した。チタン膜の膜厚は100nmであった。この結果、ポリスチレンは絶縁性であるが、導電性のチタン膜を利用して電圧を印加することが可能になった。
(容器の製造)
ポリスチレン製の細胞培養用24ウェルプレートを加工して容器を製造した。まず、24ウェルプレートの表面にチタンを成膜し、導電性を付与した。チタン膜の膜厚は100nmであった。この結果、ポリスチレンは絶縁性であるが、導電性のチタン膜を利用して電圧を印加することが可能になった。
続いて、上記のチタン膜にバイアス電圧を印加し、FCVA法によりチタン膜上にアモルファスカーボン膜を形成した。次に、バイアス電圧を変えて複数のアモルファスカーボン膜を形成した。そして、sp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合が50〜85原子%のアモルファスカーボン膜が得られた。
アモルファスカーボン膜におけるsp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合が、成膜時のバイアス電圧を調整することにより制御でき、かつ、絶縁性の容器に対してアモルファスカーボン膜を成膜できることが本実験により確認された。実施形態で述べたとおり、アモルファスカーボン膜が成膜された容器を使用することで、より簡便に、膜組成が細胞接着やタンパク質吸着に与える影響等を評価することができる。
[実験例2]
(アモルファスカーボン膜の膜組成の検討1)
実験例1と同様の24ウェルプレートの表面にアモルファスカーボン膜を成膜し、24ウェルプレート上の位置による膜組成の均一性への影響を検討した。
(アモルファスカーボン膜の膜組成の検討1)
実験例1と同様の24ウェルプレートの表面にアモルファスカーボン膜を成膜し、24ウェルプレート上の位置による膜組成の均一性への影響を検討した。
まず、約1cm×1cmにカットしたポリスチレン製の基材を、実験例1と同様の24ウェルプレートのウェル底に導電テープで固定した。続いて、この基材にチタン膜を成膜した。チタン膜の膜厚は100nmであった。
続いて、FCVA法により、成膜したチタン膜上にアモルファスカーボン膜を成膜した。FCVA装置の条件は、アーク電流値を40A、基材バイアスを−66Vに設定した。
続いて、X線光電子分光(XPS)測定により、成膜したアモルファスカーボン膜表面の、sp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合を測定した。その結果、24ウェルプレートの端(ウェルD1の位置)においては85原子%であり、24ウェルプレートの中央付近(ウェルB4の位置)においては83原子%であった。また、下記式(4)で計算される均一性は1.2%であると計算された。
均一性(%)=(膜厚の最大値−膜厚の最小値)/(膜厚の最大値+膜厚の最小値)×100 …(4)
均一性(%)=(膜厚の最大値−膜厚の最小値)/(膜厚の最大値+膜厚の最小値)×100 …(4)
この結果から、上記の方法によりアモルファスカーボンを成膜した場合、24ウェルプレート上の位置によらず均一性の高いアモルファスカーボン膜が得られることが明らかとなった。
[実験例3]
(アモルファスカーボン膜の膜組成の検討2)
実験例2と同様にして24ウェルプレート上に成膜したチタン膜上に、FCVA法によりアモルファスカーボン膜を成膜した。FCVA装置の条件は、アーク電流値を40A、基材バイアスを−1980Vに設定した。
(アモルファスカーボン膜の膜組成の検討2)
実験例2と同様にして24ウェルプレート上に成膜したチタン膜上に、FCVA法によりアモルファスカーボン膜を成膜した。FCVA装置の条件は、アーク電流値を40A、基材バイアスを−1980Vに設定した。
続いて、XPS測定により、成膜したアモルファスカーボン膜表面の、sp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合を測定した。その結果、24ウェルプレートの端(ウェルA1の位置)においては57原子%であり、24ウェルプレートの中央付近(ウェルB4の位置)においては57原子%であった。また、上記式(4)で計算される均一性は0%であると計算された。
この結果は、上記の方法によりアモルファスカーボンを成膜した場合、24ウェルプレート上の位置によらず均一性の高いアモルファスカーボン膜が得られることを更に支持するものである。
[実験例4]
(チタンドープアモルファスカーボン膜の膜組成の検討1)
実験例2と同様にして24ウェルプレート上に成膜したチタン膜上に、4.0原子%のチタンを含む炭素ターゲットを原料として用いたFCVA法により、チタンドープアモルファスカーボン膜を成膜した。FCVA装置の条件は、アーク電流値を60A、基材バイアスを0Vに設定した。
(チタンドープアモルファスカーボン膜の膜組成の検討1)
実験例2と同様にして24ウェルプレート上に成膜したチタン膜上に、4.0原子%のチタンを含む炭素ターゲットを原料として用いたFCVA法により、チタンドープアモルファスカーボン膜を成膜した。FCVA装置の条件は、アーク電流値を60A、基材バイアスを0Vに設定した。
続いて、チタンドープアモルファスカーボン膜表面における、炭素原子数に対するチタン原子数の割合を、ラザフォード後方散乱分光(RBS)測定により測定した。
その結果、炭素原子数に対するチタン原子数の割合は、24ウェルプレートの端(ウェルA1、A6、D1、D6の位置)においては23.9〜26.6原子%であり、24ウェルプレートの中央付近(ウェルB4、B5、C2、C4の位置)においては23.9〜25.3原子%であった。また、下記式(5)で計算される均一性は5.3%であると計算された。
均一性(%)=(チタン原子数の割合の最大値−チタン原子数の割合の最小値)/(チタン原子数の割合の最大値+チタン原子数の割合の最小値)×100 …(5)
均一性(%)=(チタン原子数の割合の最大値−チタン原子数の割合の最小値)/(チタン原子数の割合の最大値+チタン原子数の割合の最小値)×100 …(5)
この結果から、上記の方法によりチタンドープアモルファスカーボンを成膜した場合、24ウェルプレート上の位置によらず均一性の高いチタンドープアモルファスカーボン膜が得られることが明らかとなった。
[実験例5]
(チタンドープアモルファスカーボン膜の膜組成の検討2)
実験例2と同様にして24ウェルプレート上に成膜したチタン膜上に、実験例4と同様にして、チタンドープアモルファスカーボン膜を成膜した。FCVA装置の条件は、アーク電流値を60A、基材バイアスを−1980Vに設定した。
(チタンドープアモルファスカーボン膜の膜組成の検討2)
実験例2と同様にして24ウェルプレート上に成膜したチタン膜上に、実験例4と同様にして、チタンドープアモルファスカーボン膜を成膜した。FCVA装置の条件は、アーク電流値を60A、基材バイアスを−1980Vに設定した。
続いて、チタンドープアモルファスカーボン膜表面における、炭素原子数に対するチタン原子数の割合を、RBS測定により測定した。
その結果、炭素原子数に対するチタン原子数の割合は、24ウェルプレートの端(ウェルA1、A6、D1、D6の位置)においては23.8〜26.4原子%であり、24ウェルプレートの中央付近(ウェルC4の位置)においては27.1原子%であった。また、上記式(5)で計算される均一性は6.5%であると計算された。
この結果は、上記の方法によりチタンドープアモルファスカーボンを成膜した場合、24ウェルプレート上の位置によらず均一性の高いチタンドープアモルファスカーボン膜が得られることを更に支持するものである。
[実験例6]
(細胞接着試験)
24ウェルプレートのウェルの内面にアモルファスカーボン膜を成膜した容器をサンプルとして用いて細胞接着試験を行った。細胞としては、ヒト正常臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を使用した。また、対照材料として、ステンレス(SUS316L)製の平板基材(1cm×1cm、全面鏡面研磨)上にアモルファスカーボン膜を成膜したものを用いた。
(細胞接着試験)
24ウェルプレートのウェルの内面にアモルファスカーボン膜を成膜した容器をサンプルとして用いて細胞接着試験を行った。細胞としては、ヒト正常臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を使用した。また、対照材料として、ステンレス(SUS316L)製の平板基材(1cm×1cm、全面鏡面研磨)上にアモルファスカーボン膜を成膜したものを用いた。
アモルファスカーボン膜としては、下記表1に示す7種類の膜を用いた。表1中、「Ti/C(at%)」は炭素原子数に対するチタン原子数の割合(原子%)を表す。「sp2−C(at%)」は、アモルファスカーボンの場合、sp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp2混成軌道の炭素原子数の割合(原子%)を表し、チタンドープアモルファスカーボンの場合、sp2混成軌道の炭素原子数、sp3混成軌道の炭素原子数、及びチタン原子数の合計に対するsp2混成軌道の炭素原子数の割合(原子%)を表す。「sp3−C(at%)」は、アモルファスカーボンの場合、sp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合(原子%)を表し、チタンドープアモルファスカーボンの場合、sp2混成軌道の炭素原子数、sp3混成軌道の炭素原子数、及びチタン原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合(原子%)を表す。
《容器を用いた細胞接着試験》
各サンプルの容器のウェルに、HUVECを5×104個/ウェルずつ播種し、37℃、5%CO2の環境下で24±2時間培養した。続いて、各ウェルの細胞を固定して核を染色し、蛍光顕微鏡で観察して細胞接着率を測定した。
各サンプルの容器のウェルに、HUVECを5×104個/ウェルずつ播種し、37℃、5%CO2の環境下で24±2時間培養した。続いて、各ウェルの細胞を固定して核を染色し、蛍光顕微鏡で観察して細胞接着率を測定した。
《平板基材を用いた細胞接着試験》
また、対照材料である各平板基材を、細胞培養プレートのウェルに入れ、HUVECを5×104個/ウェルずつ播種し、37℃で24±2時間培養した。続いて、各ウェルの細胞を固定して核を染色し、蛍光顕微鏡で観察して細胞接着率を測定した。
また、対照材料である各平板基材を、細胞培養プレートのウェルに入れ、HUVECを5×104個/ウェルずつ播種し、37℃で24±2時間培養した。続いて、各ウェルの細胞を固定して核を染色し、蛍光顕微鏡で観察して細胞接着率を測定した。
《結果》
図3(a)は、各サンプル及び対照材料に対する細胞接着率をそれぞれ測定した結果を示すグラフである。グラフは、アモルファスカーボンを成膜していない培養プレートにHUVECを播種した場合の細胞接着率を100%とした相対値で表す。また、図3(b)は、図3(a)の結果の標準偏差のみを取り出した結果を示すグラフである。
図3(a)は、各サンプル及び対照材料に対する細胞接着率をそれぞれ測定した結果を示すグラフである。グラフは、アモルファスカーボンを成膜していない培養プレートにHUVECを播種した場合の細胞接着率を100%とした相対値で表す。また、図3(b)は、図3(a)の結果の標準偏差のみを取り出した結果を示すグラフである。
その結果、アモルファスカーボンを成膜した容器を用いた場合も問題なく細胞接着試験を行えることが確認された。
[実験例7]
(アルブミン吸着試験)
24ウェルプレートのウェルの内面にアモルファスカーボン膜を成膜した容器をサンプルとして用いてタンパク質吸着試験を行った。タンパク質としては、アルブミンを使用した。また、対照材料として、ステンレス(SUS316L)製の平板基材上にアモルファスカーボン膜を成膜したものを用いた。アモルファスカーボン膜としては、実験例6で使用したものと同様の7種類の膜を用いた。
(アルブミン吸着試験)
24ウェルプレートのウェルの内面にアモルファスカーボン膜を成膜した容器をサンプルとして用いてタンパク質吸着試験を行った。タンパク質としては、アルブミンを使用した。また、対照材料として、ステンレス(SUS316L)製の平板基材上にアモルファスカーボン膜を成膜したものを用いた。アモルファスカーボン膜としては、実験例6で使用したものと同様の7種類の膜を用いた。
《容器を用いたアルブミン吸着試験》
各サンプルの容器のウェルに、アルブミン(30mg/mL)を含むリン酸バッファー(PBS)溶液を入れ、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)内に24時間静置した。続いて、PBS溶液を除去し、純水(500μL)を用いて洗浄することにより、未吸着のアルブミンを除去した。続いて、界面活性剤溶液(2% Triton−Xを含有するPBS)を加え、37℃で30分間振とうすることにより、アモルファスカーボン膜に吸着したアルブミンを剥がした。続いて、界面活性剤溶液を回収し、BCA法により、吸着したアルブミンの量を定量した。
各サンプルの容器のウェルに、アルブミン(30mg/mL)を含むリン酸バッファー(PBS)溶液を入れ、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)内に24時間静置した。続いて、PBS溶液を除去し、純水(500μL)を用いて洗浄することにより、未吸着のアルブミンを除去した。続いて、界面活性剤溶液(2% Triton−Xを含有するPBS)を加え、37℃で30分間振とうすることにより、アモルファスカーボン膜に吸着したアルブミンを剥がした。続いて、界面活性剤溶液を回収し、BCA法により、吸着したアルブミンの量を定量した。
《平板基材を用いたアルブミン吸着試験》
また、対照材料である各平板基材を、細胞培養プレートのウェルに入れ、アルブミン(30mg/mL)を含むPBS溶液を入れ、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)内に24時間静置した。続いて、PBS溶液を除去し、純水(500μL)を用いて洗浄することにより、未吸着のアルブミンを除去した。続いて、各平板基材を新しい細胞培養ウェルプレートのウェルにそれぞれ移し、再度純水を用いて洗浄することで未吸着のアルブミンを除去した。
また、対照材料である各平板基材を、細胞培養プレートのウェルに入れ、アルブミン(30mg/mL)を含むPBS溶液を入れ、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2)内に24時間静置した。続いて、PBS溶液を除去し、純水(500μL)を用いて洗浄することにより、未吸着のアルブミンを除去した。続いて、各平板基材を新しい細胞培養ウェルプレートのウェルにそれぞれ移し、再度純水を用いて洗浄することで未吸着のアルブミンを除去した。
続いて、界面活性剤溶液(2% Triton−Xを含有するPBS)を加え、37℃で30分間振とうすることにより、アモルファスカーボン膜に吸着したアルブミンを剥がした。続いて、界面活性剤溶液を回収し、BCA法により、吸着したアルブミンの量を定量した。
《結果》
図4(a)は、各サンプル及び対照材料に対するアルブミン吸着量をそれぞれ測定した結果を示すグラフである。また、図4(b)は、図4(a)の結果の標準偏差のみを取り出した結果を示すグラフである。
図4(a)は、各サンプル及び対照材料に対するアルブミン吸着量をそれぞれ測定した結果を示すグラフである。また、図4(b)は、図4(a)の結果の標準偏差のみを取り出した結果を示すグラフである。
その結果、アモルファスカーボンを成膜した容器を用いた場合も問題なくアルブミン吸着試験を行えることが確認された。また、アモルファスカーボンを成膜した容器を用いることにより、対照材料と比較して、測定したアルブミン吸着量の標準偏差が顕著に小さくなることが明らかとなった。この結果は、アモルファスカーボンを成膜した容器を用いることにより、ばらつきが小さく、測定精度が向上した実験結果を得ることができることを更に支持するものである。
[実験例8]
(フィブリノーゲン吸着試験)
タンパク質として、アルブミンの代わりに3mg/mLの濃度のフィブリノーゲンを用いた点以外は実験例7と同様にして、24ウェルプレートのウェルの内面にアモルファスカーボン膜を成膜した容器をサンプルとして用いてタンパク質吸着試験を行った。また、対照材料として、ステンレス(SUS316L)製の平板基材上にアモルファスカーボン膜を成膜したものを用いた。アモルファスカーボン膜としては、実験例6で使用したものと同様の7種類の膜を用いた。
(フィブリノーゲン吸着試験)
タンパク質として、アルブミンの代わりに3mg/mLの濃度のフィブリノーゲンを用いた点以外は実験例7と同様にして、24ウェルプレートのウェルの内面にアモルファスカーボン膜を成膜した容器をサンプルとして用いてタンパク質吸着試験を行った。また、対照材料として、ステンレス(SUS316L)製の平板基材上にアモルファスカーボン膜を成膜したものを用いた。アモルファスカーボン膜としては、実験例6で使用したものと同様の7種類の膜を用いた。
図5(a)は、各サンプル及び対照材料に対するフィブリノーゲン吸着量をそれぞれ測定した結果を示すグラフである。また、図4(b)は、図4(a)の結果の標準偏差のみを取り出した結果を示すグラフである。
その結果、アモルファスカーボンを成膜した容器を用いた場合も問題なくフィブリノーゲン吸着試験を行えることが確認された。また、アモルファスカーボンを成膜した容器を用いることにより、対照材料と比較して、測定したフィブリノーゲン吸着量の標準偏差が小さくなる傾向が認められた。この結果は、アモルファスカーボンを成膜した容器を用いることにより、ばらつきが小さく、測定精度が向上した実験結果を得ることができることを更に支持するものである。
100…容器、110…基材、120…導電性膜、130…アモルファスカーボン膜、200…FCVA装置、201…アークプラズマ発生室、202…原料ターゲット、203…電磁石コイル、204…イオンスキャンコイル、205…空間フィルタ、206…成膜チャンバ、207…基材ホルダー。
Claims (16)
- 容器であって、
試料を収容する収容部を1つ以上有する基材と、
前記基材の少なくとも一部に形成された導電性膜と、
前記導電性膜の少なくとも一部、又は前記基材の少なくとも一部に形成されたアモルファスカーボン膜と、を備え、
収容された前記試料が前記アモルファスカーボン膜に接触可能である、容器。 - 前記基材は絶縁性の材料からなる、請求項1に記載の容器。
- 前記基材は樹脂材料からなる、請求項1又は2に記載の容器。
- 前記試料は生体試料である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器。
- 前記基材と、前記導電性膜と、前記アモルファスカーボン膜とがこの順に積層された、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器。
- 前記アモルファスカーボン膜は、前記収容部の底部における少なくとも一部を含む領域に形成されている、請求項5に記載の容器。
- 前記導電性膜と、前記基材と、前記アモルファスカーボン膜とがこの順に積層された、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器。
- 前記アモルファスカーボン膜は、前記収容部の底部における少なくとも一部を含む領域に形成されている、請求項7に記載の容器。
- 前記アモルファスカーボン膜は、sp2混成軌道の炭素原子数及びsp3混成軌道の炭素原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合が15〜85原子%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の容器。
- 前記アモルファスカーボン膜は、チタン原子を含有するチタンドープアモルファスカーボン膜であり、
前記チタンドープアモルファスカーボン膜は、炭素原子数に対するチタン原子数の割合が2〜30原子%である、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の容器。 - 前記チタンドープアモルファスカーボン膜は、sp2混成軌道の炭素原子数、sp3混成軌道の炭素原子数、及びチタン原子数の合計に対するsp3混成軌道の炭素原子数の割合が40原子%以下である、請求項10に記載の容器。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の容器の製造方法であって、
前記基材の少なくとも一部に前記導電性膜を形成する工程と、
前記導電性膜に電圧を印加し、物理気相成長法又は化学気相成長法により前記アモルファスカーボン膜を形成する工程と、
を備える、容器の製造方法。 - 前記物理気相成長法は、フィルタードカソーディックバキュームアーク法である、請求項12に記載の容器の製造方法。
- 前記アモルファスカーボン膜を形成する工程において、前記アモルファスカーボン膜を前記導電性膜の少なくとも一部に形成する、請求項12又は13に記載の製造方法。
- 前記アモルファスカーボン膜を形成する工程において、前記アモルファスカーボン膜を前記基材の少なくとも一部に形成する、請求項12又は13に記載の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の容器に試料を収容して前記試料と前記アモルファスカーボン膜とを接触させる工程と、
前記試料と前記アモルファスカーボン膜との相互作用を評価する工程と、
を備える、前記アモルファスカーボン膜の評価方法。
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