JP2020104769A - パーキングブレーキシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】電動ブレーキシステムにおいて、電源から供給可能な電流を効果的に利用することである。【解決手段】本パーキングブレーキシステムにおいて、左側電動パーキングブレーキの左側電動モータと右側電動パーキングブレーキの右側電動モータとの一方に、電源から供給可能な電流である供給可能電流から左側電動モータと右側電動モータとの他方に流れる電流を引いた値以下の電流が供給される。その結果、電源から供給可能な電流を効果的に使うことができる。【選択図】図7

Description

本発明は、電動モータにより作動させられる電動パーキングブレーキを含むパーキングブレーキシステムに関するものである。
特許文献1には、車両の左側車輪に設けられ、左側電動モータにより作動させられる左側電動パーキングブレーキと、右側車輪に設けられ、右側電動モータにより作動させられる右側電動パーキングブレーキと、左側電動モータと右側電動モータとを制御するモータ制御装置とを含むパーキングブレーキシステムが記載されている。モータ制御装置は、左側電動モータと右側電動モータとの両方を同時に始動させるが、その後、バッテリ電圧が左側電動モータと右側電動モータとの両方を作動させ得る設定電圧より低くなった場合、または、左側電動モータと右側電動モータとのいずれか一方に流れる電流がバッテリ電圧に基づいて決まる設定電流より大きくなった場合に、左側電動モータと右側電動モータとの一方(例えば、右側電動モータ)を停止させる。そして、左側電動モータを流れる電流が目標電流に達すると、左側電動モータを停止させて、右側電動モータを再始動させる。右側電動モータに流れる電流が目標電流に達すると、右側電動モータを停止させる。それにより、左側電動パーキングブレーキと右側電動パーキングブレーキとの各々において、それぞれ、目標軸力が保持される。
特開2014−46824号公報
本発明の課題は、電動ブレーキシステムにおいて、電源から供給可能な電流を効果的に利用することである。
課題を解決するための手段、作用および効果
本発明に係るパーキングブレーキシステムにおいて、左側電動パーキングブレーキの左側電動モータと右側電動パーキングブレーキの右側電動モータとの一方に、電源から供給可能な電流である供給可能電流から左側電動モータと右側電動モータとの他方に流れる電流を引いた値以下の電流が供給される。その結果、電源から供給可能な電流を効果的に使うことができる。なお、特許文献1には、左側電動モータと右側電動モータとの一方の電動モータに、電源からの供給可能電流から他方の電動モータに流れる電流を引いた値以下の電流が供給されることは記載されていない。
本発明の一実施形態に係るパーキングブレーキシステムを概念的に示す図である。 上記パーキングブレーキシステムの構成要素である電動ブレーキの断面図である。 上記電動ブレーキの要部の断面図である。 上記パーキングブレーキシステムの電動ブレーキ制御装置の記憶部に記憶されたパーキングブレーキ制御プログラムを表すフローチャートである。 上記記憶部に記憶されたバッテリ電圧と供給可能電流との関係を表すマップ1である。 上記記憶部に記憶された路面勾配と目標電流との関係を表すマップ2である。 (a)上記パーキングブレーキシステムの作動時の電動モータに流れる電流の変化を示す図である。(b)ソレノイドへのON・OFFを示す図である。 (a)〜(c)択一制御におけるモータA,モータBへの供給電流の変化を示す図であり、(d)〜(f)上記パーキングブレーキシステムにおけるモータA,モータBへの供給電流の変化を示す図である。
以下、本発明の一実施形態としての備えたパーキングブレーキシステムについて説明する。
本パーキングブレーキシステムは、図1に模式的に示すように、左右前輪2FL,2FRにそれぞれ設けられた液圧ブレーキ4FL,4FRと、左右後輪6RL,6RRにそれぞれ設けられた電動ブレーキ8RL,8RRとを含む。液圧ブレーキ4FL,4FRは、それぞれ、ホイールシリンダの液圧により作動させられるものであり、電動ブレーキ8RL,8RRは、それぞれ、電動モータの駆動力により作動させられるものである。左右後輪6RL,6RRに設けられた電動ブレーキ8RL,8RRはサービスブレーキとしてもパーキングブレーキとしても作動可能なものである。
液圧ブレーキ4FL,4FRのホイールシリンダには、それぞれ、液圧制御ユニット10を介してマスタシリンダ12の液圧室14,16が接続される。マスタシリンダ12の液圧室14,16には、ブレーキ操作部材としてのサービスブレーキペダル20の踏込み操作に起因して液圧が発生させられる。マスタシリンダ12と液圧制御ユニット10との間には、常開の電磁開閉弁であるマスタ遮断弁24,26が設けられる。液圧ブレーキ4L,4Rのホイールシリンダには、それぞれ、液圧制御ユニット10によって制御された液圧が供給される。液圧ブレーキ4L,4Rが作動させられ、左右前輪2FL,2FRには、それぞれ、ホイールシリンダの液圧に応じた制動力である液圧制動力が加えられる。
以下、FL,FR,RL,RR、R,L等の車輪の位置を表す符号は、車輪の位置を特定する必要がない場合、総称する場合等には省略して記載する場合がある。
電動ブレーキ8は、図2に示すようにディスクブレーキであり、(a)後輪6と一体的に回転可能なロータ30、(b)図示しないマウンティングブラケットに保持され、ロータ30の両側に位置する一対の摩擦部材としての摩擦パッド32,34、(c)押付装置36等を含む。押付装置36は (i)ロータ30を跨ぎ、マウンティングブラケットに、ロータ30の回転軸線と平行な方向に移動可能に保持されたキャリパ40、(ii)キャリパ40に保持された電動アクチュエータ42等を含む。
電動アクチュエータ42は、図3に示すように、(a)ハウジング44、(b)ハウジング44に、電動アクチュエータ42の軸線方向(符号Lが軸線を示す。軸線Lは、ロータ10の回転軸線と平行である)に移動可能、かつ、回転不能に保持された押付部材46、(c)電動モータ48および減速機50を有する駆動源、(d)駆動源の出力を押付部材46に伝達する運動伝達機構52等を含む。
押付部材46は、軸線方向に伸びたものであり、前端部が摩擦パッド32に対向して位置する。また、押付部材46の後部の中央部には、軸線方向に伸びた係合穴が形成され、係合穴の内周面には雌ねじ部46sが形成されている。
電動モータ48は、ステータを構成する複数のコイル60、概して中空の円筒状を成す回転駆動軸62等を含む。回転駆動軸62は、ハウジング44に軸受け63を介して軸線Lの周りに回転可能、かつ、軸線方向に移動不能に保持される。また、回転駆動軸62の内周側には、押付部材46の後部が軸線方向に相対移動可能かつ相対回転可能に嵌合される。回転駆動軸62の回転は、減速機50に入力される。
減速機50は、遊星ギヤ式のものであり、回転駆動軸62と一体的に回転可能なサンギヤ64と、ハウジング44に固定されたリングギヤ66と、それらサンギヤ64とリングギヤ66との両方に噛合してサンギヤ64の周りを公転する複数のプラネタリギヤ68(図3には、複数のプラネタリギヤ68のうちの1つを示す)とを含む。複数のプラネタリギヤ68の各々は、減速機50の出力軸70に連結される。具体的には、出力軸70にはフランジ72(プラネタリギヤキャリア)が一体的に回転可能に設けられ、フランジ72に、プラネタリギヤ68が自転可能に取り付けられるのであり、プラネタリギヤ68の公転に伴って出力軸70が軸線Lの周りに回転させられる。出力軸70には、減速機50によって、回転駆動軸62の回転速度が減速されて出力されるとともに、回転駆動軸62の回転駆動力が倍力されて出力される。なお、減速機50(駆動源)の出力軸70は、運動伝達機構52の入力軸である。そのため、以下、減速機50の出力軸70は入力軸70と称する。
入力軸70は、軸線方向に伸びたものであり、ハウジング44に回転可能かつ軸線方向に移動不能に保持される。入力軸70の後部には、上記フランジ72が形成され、前部の外周部には雄ねじ部70sが形成される。入力軸70の前部は、押付部材46の後部の係合穴に挿入され、雄ねじ部70sと雌ねじ部46sとが螺合させられる。本実施例において、入力軸70の雄ねじ部70sおよび押付部材46の雌ねじ部46s等によりねじ機構である運動伝達機構52が構成される。運動伝達機構52は、運動変換機構としての機能も備える。なお、雄ねじ部46s、雌ねじ部70sは台形ねじ部とされる。
このように、本実施例において、運動伝達機構52において台形ねじ部が利用されるため、押付部材46に後退方向の力が作用しても、それによって、電動モータ48が回転し難い。そのため、電動モータ48への供給電流が0にされても、押付部材46は後退し難く、軸力は低下し難い。
押付部材46には、入力軸70の回転が直線運動に変換されて伝達されるのであり、それにより、押付部材46は軸線方向に移動させられる。電動モータ48の正方向の回転により、入力軸70が前進方向に回転させられ、押付部材46が前進させられる。押付部材46、キャリパ40により、一対の摩擦パッド32,34がロータ30に押し付けられ、車輪6の回転が抑制される。電動ブレーキ8が作動させられるのであり、ロータ30に加えられた押付力に応じた制動力である電動制動力が車輪6に加えられる。また、電動モータ48の逆方向の回転により、入力軸70が後退方向に回転させられ、押付部材46が後退させられる。
本電動ブレーキ8は、電動ブレーキ8がパーキングブレーキとして作動させられた場合に、その軸力を保持する保持機構102を含む。保持機構102は、(a)フランジ72の外周部に形成されたラチェット歯96と、(b)ラチェット爪98と、(c)ハウジング44に固定的に設けられ、ラチェット爪98を作動位置と退避位置とに移動させるソレノイド100とを含む。ラチェット爪98は、ソレノイド100がONとされることにより、作動位置へ移動させられ、ラチェット歯96に係合可能とされる。ラチェット歯96とラチェット爪98との係合により、入力軸70の後退方向の回転が阻止され、電動モータ48の逆回転が阻止され、押付部材46の後退が阻止される。この状態で、ソレノイド100をOFFとしても、係合状態は保持され、軸力が保持される。
本パーキングブレーキシステムは、図1に示すように、本パーキングブレーキシステム全体を制御するブレーキECU110、電動モータ48L,48Rを制御するモータECU112L,112R等を含む。ブレーキECU110、モータECU112L,112Rは、それぞれ、コンピュータを主体とするものであり、図示を省略する実行部、記憶部、入出力部等を含む。また、ブレーキECU110と、モータECU112L,112Rとは通信可能とされている。
ブレーキECU110の入出力部には、サービスブレーキペダル20のストロークを検出するストロークセンサ120、マスタシリンダ12の2つの加圧室14,16の液圧をそれぞれ検出するマスタシリンダ圧センサ122,124、前後左右の各車輪2FL,2FR,6RL,6RRの各々に設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速度センサ126〜129、サービスブレーキスイッチ130、シフト位置センサ132、パーキングブレーキスイッチ(以下、PKBスイッチと称する場合がある)133、加速度センサ134、電圧センサ135等が接続されるとともに、液圧制御ユニット10、マスタ遮断弁24,26等が接続される。サービスブレーキスイッチ130は、サービスブレーキペダル20が踏み込まれた状態においてON信号を出力するものであり、シフト位置センサ132は、図示しないトランスミッションのシフト位置を検出するものであり、PKBスイッチ133はパーキングブレーキの作動が指示された場合にON信号を出力するスイッチである。また、加速度センサ134は、車両に加えられる重力を検出するものであり、走行状態においては加速度(減速度も含む)を検出するが、停止状態においては、車体の傾き、換言すると、車両が停止している路面勾配を検出する。電圧センサ135は、本パーキングブレーキシステムに電流を供給する電源であるバッテリ140の電圧を検出するものである。なお、車輪速度センサ126〜129の検出値に基づいて車両の走行速度が取得される。
モータECU112L,112Rの入出力部には、それぞれ、電動モータ48の回転角を検出するレゾルバ144、押付部材46に加えられる軸線方向の力である軸力を検出する軸力センサ146、電動モータ48のコイル60に流れる電流を検出する電流センサ148等が接続されるとともに、インバータ150が接続される。電動モータ48の複数のコイル60には、インバータ150を介してバッテリ140が接続され、インバータ150の制御により電動モータ48が制御される。バッテリ140は、本ブレーキシステム全体に電力を供給可能なものであり、左後輪6RLに設けられた電動ブレーキ8RLの電動モータ48RL、ソレノイド100RLと、右後輪6RRに設けられた電動ブレーキ8RRの電動モータ48RR、ソレノイド100RR等とに共通に設けられる。
以上のように構成されたパーキングブレーキシステムにおける電動ブレーキの制御について説明する。
サービスブレーキペダル20の踏込み操作が行われ、サービスブレーキスイッチ130がONである場合には、押付力の制御が行われる。
ブレーキECU110において、ストロークセンサ120の検出値とマスタシリンダ圧センサ122,124の検出値との少なくとも一方に基づいて、サービスブレーキペダル20の操作状態(以下、サービスブレーキ操作状態と略称する場合がある)が取得され、サービスブレーキ操作状態に基づいて運転者が要求する総要求押付力が求められる。また、総要求押付力に基づいて、液圧ブレーキ4L,4Rの各々の目標押付力である目標液圧、電動ブレーキ8L,8Rの各々の目標押付力である目標軸力が求められる。
ブレーキECU110は、マスタ遮断弁22,24を閉として、液圧制御ユニット10を制御するとともに、目標軸力をモータECU112L,112Rに出力する。モータECU112L,112Rは、押付部材46に加えられる実際の軸力である実軸力が目標軸力に近づくように、インバータ150を制御することにより電動モータ48への供給電流を制御する。
サービスブレーキの作動により車両が停止した後に、パーキングブレーキ作動条件が成立した場合には、パーキングブレーキが作動させられる。パーキングブレーキ作動条件は、例えば、車両の走行速度が停止状態にあると推定し得る設定速度以下であること、シフト位置センサ132によって検出されたシフト位置がパーキング位置であること、PKBスイッチ133からON信号が出力されたことを含み、これらすべてが成立した場合に、パーキングブレーキ作動条件が成立したとされるようにすることができる。以下、電動ブレーキ8RLを左側パーキングブレーキ8RL,電動ブレーキ8RRを右側パーキングブレーキ8RR,電動モータ48RLを左側電動モータ48RL,電動モータ48RRを右側電動モータ48RRと称する場合がある。
左側、右側パーキングブレーキ8RL,8RRにより、車両を停止状態に保持し得るのに必要な軸力が発生させられる。本実施例においては、左右前輪2FL,2FRにパーキングブレーキが設けられていないため、左右後輪6RL,6RRの左側パーキングブレーキ8RL,右側パーキングブレーキ8RRにより、車両を停止状態に保持し得るのに必要な軸力が出力される。そのため、左側、右側パーキングブレーキ8RL,8RRの目標軸力は、サービスブレーキの作動時の電動ブレーキ8RL,8RRの目標軸力より大きいのが普通である。
また、車両が停止する路面の傾斜角度である路面勾配が大きい場合は小さい場合より車両を停止状態に保持するのに必要な軸力は大きくなる。本実施例においては、加速度センサ134により路面勾配が検出され、図6に示すマップ2に従って必要な軸力が取得される。なお、図6に示すように、必要な軸力は、路面勾配の絶対値が大きい場合は小さい場合(x2>x1、|−x2|>|−x1|)より大きくなる。また、本実施例においては必要な軸力を目標電流で表す。電動モータ48に流れる電流が大きい場合は小さい場合より押付部材46に加えられる軸力が大きくなる。
一方、電圧センサ135によりバッテリ140の電圧であるバッテリ電圧Vが検出され、バッテリ電圧Vと図5に示すマップ1とに基づいてバッテリ140から供給可能な電流の最大値である供給可能電流Imaxが取得される。図5に示すように、供給可能電流Imaxは、バッテリ電圧Vが低い場合は高い場合より小さくなる。
具体的には、バッテリ電圧Vが設定値V3以上であり、正常である場合には、左側、右側電動パーキングブレーキ8RL,8RRの作動時に消費される電流により急激な電圧低下が生じる場合は少ないと考えらえる。そのため、バッテリ電圧Vが設定値V3以上である場合には、供給可能電流Imaxが設定値Imax1とされる。
それに対して、バッテリ電圧Vが設定値V3より低くなった場合には、消費電流が大きくなると、急激な電圧低下が生じ、パーキングブレーキシステム全体が作動不能となる可能性がある。そのため、本実施例においては、バッテリ電圧Vが設定値V3より低くなると、供給可能電流Imaxが漸減させられ、設定値V2以下になると、供給可能電流Imaxが設定値Imax2とされる。
また、バッテリ電圧Vが設定値V2より小さくなると、供給可能電流Imaxは漸減させられ、設定値V1になると、0とされる。バッテリ電圧Vが設定値V1である場合には、電動パーキングブレーキ8RL,8RRを作動させることができない状態であるため、供給可能電流Imaxが0とされるのである。
一方、左側、右側のパーキングブレーキ8RL,8RRを同時に始動、すなわち、2つの電動モータ48RL,48RRを同時に始動させると、突入電流が重なり、消費電流が非常に大きくなり、望ましくない。
そこで、本実施例においては、左側、右側の電動モータ48RL,48RRのうちの一方を先に始動させて、他方を後に始動させるとともに、後に始動させる電動モータ48には、供給可能電流Imaxから先に始動させられた電動モータ48に流れる電流Iaを引いた値以下の電流が供給されるようにした。
例えば、右後輪6RRの右側電動パーキングブレーキ8RRの右側電動モータ48RRを先に始動させ、突入電流が流れる時間が経過した後に、左後輪6RLの左側電動ブレーキ8RLを始動させる場合において、左側電動モータ48RLへの供給電流が、供給可能電流Imaxから右側電動モータ48RRに流れる電流Iaを引いた値(Imax−Ia)以下とされる。供給可能電流から右側電動モータ48RRに流れる電流を引いた値(Imax−Ia)が0より大きい限り、左側電動モータ48RLには電流が供給される。しかし、供給可能電流Imaxから電流Iaを引いた値が0である場合には左側電動モータ48RLには電流が供給されない。停止状態にある左側電動モータ48RLは停止状態に保たれる。また、作動状態にある左側電動モータ48RLへの供給電流が0とされる。この場合には、負荷により、左側電動モータ48RLの回転は停止すると考えられる。
左側、右側パーキングブレーキ8RL,8RRは、図4のフローチャートで表されるパーキングブレーキ制御プログラムの実行に従って制御される。パーキングブレーキ制御プログラムは、パーキングブレーキ作動条件が成立したことがトリガとなって実行される。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、加速度センサ134により路面勾配Xが検出され、マップ2と路面勾配Xとから目標電流Itargetが取得される。S2において、電圧センサ135によりバッテリ電圧Vが検出され、マップ1とバッテリ電圧Vとから供給可能電流Imaxが取得される。S3において、目標電流Itargetが供給可能電流Imaxより小さいか否かが判定され、判定がYESである場合には、S5以降が実行されるが、判定がNOである場合には、S4において、目標電流Itargetが供給可能電流Imaxとされる。供給可能電流以上の電流が消費されることは望ましくないからである。
S5において、右側電動モータ48RR(以下、モータAと称する)が始動させられる。モータAには突入電流が流れるがその後、実際に流れる電流が目標電流Itargetに近づくように供給電流が制御される。また、タイマによる時間のカウントがスタートする。S6において、設定時間Twaitが経過するのが待たれる。設定時間Twaitは突入電流が流れると推測される時間である。設定時間Twaitが経過した場合には、S7において、モータAに流れる電流Iaが電流センサ148によって検出され、S8において、電流Iaが供給可能電流Imaxより大きいか否かが判定される。判定がYESである場合には、S9において、電流Iaが供給可能電流Imaxとされて、S10において、左側電動モータ48RL(以下、モータBと称する)への供給電流が供給可能電流Imaxから電流Iaを引いた値以下とされる。モータBにおいて電流Ibが目標電流Itargetに近づくように制御されるが、電流Ibが、値(Imax−Ia)より大きくなることがないのである。また、値(Imax−Ia)が0である場合には、モータBへの供給電流は0となり、停止状態とされる。
S11において、モータAに流れる電流Iaが目標電流Itargetより大きくなったか否かが判定される。判定がNOである場合には、S7に戻され、S7〜11が同様に実行される。S7〜S11またはS13が繰り返し実行される間に、S10において電流Ibが0になると、モータBは停止させられる。また、S11の判定がYESとなると、S12において、右側電動パーキングブレーキ8RRのソレノイド100RR(ソレノイドCと称する)がONとされ、S13において、電流Iaが目標電流Itargetより設定値α以上大きくなったか否かが判定される。判定がNOである場合には、同様に、S7〜13が繰り返し実行されるが、S13の判定がYESである場合には、S14において、モータAが停止させられ、ソレノイドCがOFFとされる。右側電動パーキングブレーキ8RRにおいて軸力が目標軸力に達し、その軸力が保持されたのである。
S14の実行後、左側電動パーキングブレーキ8RLの作動が監視される。S15において、モータBが作動状態にあるか否かが判定される。判定がYESである場合には、S17以降が実行されるが、判定がNOである場合には、S16において、モータBが始動させられる。モータAが停止させられた後においても、モータBへの供給電流は、実際に流れる電流が目標電流に近づくように制御される。
S17において、モータBの電流Ibが検出され、S18において、電流Ibが目標電流Itargetより大きいか否かが判定される。判定がNOである場合には、S17,18が繰り返し実行されるが、判定がYESになると、S19において、左側電動パーキングブレーキ8RLのソレノイド100RL(以下、ソレノイドDと称する)がONとされ、S20において、電流Ibが目標電流Itargetより設定値α以上大きくなったか否かが判定される。S20の判定がNOである場合には、S17に戻り、S17〜S20が繰り返し実行される。S20の判定がYESとなった場合には、S21において、モータBが停止させられ、ソレノイドDがOFFとされる。
本実施例におけるモータA,Bの各々の作動の一例を図7に示す。図7(a)に示すように、モータAが始動させられ、突入電流が流れた後の時間t1に、モータBが始動させられる。モータBは、ImaxからIaを引いた値以下の電流で作動させられるため、電流Ibは、電流Iaの減少に伴って増加し、電流Iaの増加に伴って減少する。そして、時間t2に電流Ibが0とされるが、その後、電流Iaが目標電流Itargetに達すると、図7(b)に示すように、ソレノイドCがONとされ、軸力が保持された後に、モータAが停止させられ、ソレノイドCがOFFとされる。それにより、電流Iaが減少し、電流Ibが0より大きくなった時間t3にモータBが再始動させられる。その後、モータBへの供給電流が増加させられる。電流Ibが目標電流Itarget+αに達すると、ソレノイドDがONとされ、電流Ibが目標電流Itraget+αに達するとOFFとされ、左後輪の電動パーキングブレーキ8RLの軸力が保持される。左側、右側電動パーキングブレーキ8RL,8RRが作動させられたのである。
このように、本実施例においては、バッテリ電圧Vに基づいて決まる供給可能電流ImaxからモータAに流れる電流Iaを引いた値以下の電流がモータBに供給される。その結果、バッテリ電圧Vから供給可能な電流Imaxを効果的に利用することが可能となる。また、モータA,Bの作動により供給可能電流Imaxを越えないようにモータBが制御される。その結果、バッテリ電圧の低下を良好に抑制することができる。
一方、上述の本実施例に記載の制御は並列制御と称することができるが、それに対して、択一的制御が考えられる。択一的制御においては、図8(a)に示すように、モータAへの供給電流IaとモータBへの供給電流Ibとの和(Ia+Ib)が供給可能電流Imaxに達した時点T1に、破線が示すように、一方(例えば、モータB)への供給電流を0として、モータBを停止させる。そして、モータAのみを運転させるが、モータAに流れる電流Iaが目標電流Itargetに達した時点T2にモータAへの供給電流Iaを0として、モータBを再始動させる。破線が示すように、モータBへの供給電流Ibは増加するが、図8(b)に示すように、押付部材の軸力は直ちに増加せず、ΔT遅れて増加する。モータBは時点T1から停止状態にあったからである。その後、時点T3において、押付部材の軸力が目標軸力FBtargetに達し、モータBに流れる電流Ibが目標電流Itaegetに達すると、モータBへの供給電流Ibが0とされて、停止される。この択一制御における供給電流の和(Ia+Ib)は、図8(c)に示すようになる。
それに対して、本実施例においては、モータAへの供給電流IaとモータBへの供給電流Ibとが、これらの供給電流の和(Ia+Ib)が供給可能電流Imaxを越えない範囲で制御される。そのため、図8(d)に示すように、時間T1において、供給電流Ia、Ibの和がImaxに達した時点T1において、破線が示すように、モータBへの供給電流Ibは減少させられる。この場合に、モータBへの供給電流が直ちに0にされることはない。そのため、図8(e)に示すように、時間T1以降においても押付部材の軸力は増加し、時間T2からモータBへの供給電流Ibの増加に伴って軸力は直ちにまたは遅れΔTより小さい遅れで増加させられる。時点T3より前の時点T3*において、軸力が目標軸力FBtargetに達し、モータBに流れる電流Ibが目標電流Itargetに達する。この並列制御における供給電流の和(Ia+Ib)は図8(f)に示すようになる。並列制御においては択一制御に比較して、供給電流の和(Ia+Ib)が早期に大きくなる。その結果、モータBの電流Ibが目標電流Itargetに達するまでの時間を短くすることができるのであり、右側パーキングブレーキ、左側パーキングブレーキを作動させる場合のモータA,モータBの作動時間を短くすることができる。
以上のように、第1電動モータがモータAに対応し、第2電動モータがモータBに対応する。また、第1制御部がブレーキECU110、モータECU112のS1,5,7,8,11,13を記憶する部分、実行する部分等により構成され、第2制御部が、ブレーキECU110、モータECU112のS2,10を記憶する部分、実行する部分等により構成される。
なお、本実施例においては、電動アクチュエータ42がリターンスプリングを含まないものであったが、リターンスプリングを含むものであっても同様に実施することができる。モータBへの供給電流Ibが減少させられたり、0にされたりする時間は非常に短いため、押付部材46の後退量がわずかであり、差し支えない。
その他、本発明は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
8:電動ブレーキ 30:回転ディスク 32,34:摩擦パッド 36:押付装置 40:キャリパ 42:電動アクチュエータ 46:押付部材 48:電動モータ 110:ブレーキECU 112:モータECU 133:パーキングブレーキスイッチ 134:加速度センサ 135:電圧センサ 148:電流センサ
特許請求可能な発明
以下、特許請求可能な発明について説明する。
(1)車両の左側車輪に搭載され、電源に接続された左側電動モータにより作動させられる左側電動パーキングブレーキと、
前記車両の右側車輪に搭載され、前記電源に接続された右側電動モータにより作動させられる右側電動パーキングブレーキと、
前記右側電動モータと前記左側電動モータとへの供給電流を制御するモータ制御装置と
を含むパーキングブレーキシステムであって、
前記モータ制御装置が、
前記右側電動モータと前記左側電動モータとの一方である第1電動モータに流れる電流が前記車両が停止している路面の勾配に基づいて決まる目標電流に近づくように、前記第1電動モータへの供給電流を制御する第1制御部と、
前記右側電動モータと前記左側電動モータとの他方である第2電動モータに、前記電源の電圧に基づいて決まる供給可能電流から前記第1電動モータに流れる電流を引いた値以下の電流を供給する第2制御部と
を含むパーキングブレーキシステム。
(2)前記モータ制御装置が、前記第1電動モータを先に始動させ、前記第2電動モータを、前記供給可能電流から前記第1電動モータに流れる電流を引いた値が0より大きくなった場合に始動させるものである(1)項に記載のパーキングブレーキシステム。
(3)前記モータ制御装置が、前記第2電動モータを、前記供給可能電流から前記第1電動モータに流れる電流を引いた値が0以下になった場合に停止させるものである(1)項または(2)項に記載のパーキングブレーキシステム。

Claims (1)

  1. 車両の左側車輪に搭載され、電源に接続された左側電動モータにより作動させられる左側電動パーキングブレーキと、
    前記車両の右側車輪に搭載され、前記電源に接続された右側電動モータにより作動させられる右側電動パーキングブレーキと、
    前記右側電動モータと前記左側電動モータとへの供給電流を制御するモータ制御装置と
    を含むパーキングブレーキシステムであって、
    前記モータ制御装置が、
    前記右側電動モータと前記左側電動モータとの一方である第1電動モータに流れる電流が前記車両が停止している路面の勾配に基づいて決まる目標電流に近づくように、前記第1電動モータへの供給電流を制御する第1制御部と、
    前記右側電動モータと前記左側電動モータとの他方である第2電動モータに、前記電源の電圧に基づいて決まる供給可能電流から前記第1電動モータに流れる電流を引いた値以下の電流を供給する第2制御部と
    を含むパーキングブレーキシステム。
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