以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る浴槽洗浄装置を模式的に表す説明図である。
図1に表したように、浴槽洗浄装置200は、洗剤タンク10と、洗剤混合部20と、洗浄ノズル30と、制御部40と、排水部材50と、を備える。浴槽洗浄装置200は、浴槽100に設置される。
洗剤タンク10は、浴槽100のリムの上面に設けられた洗剤投入口135と接続されており、洗剤投入口135から投入された洗剤を貯留する。洗剤タンク10には、フロートスイッチなどの水位検知部11が設けられる。
洗剤混合部20は、洗剤タンク10及び給水源WSの下流に設けられる。洗剤混合部20は、洗剤タンク10から供給される洗剤と給水源WSから供給される水とを混合して洗剤水を生成する。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。つまり、給水源WSは、給湯器を有していてもよい。
洗剤混合部20は、例えば、洗剤水を貯留するタンクである。洗剤混合部20は、洗浄ノズル30から洗剤水を噴出する際には洗剤水を貯留し、洗浄ノズル30から水を噴出する際には水を貯留する。洗剤混合部20には、フロートスイッチなどの水位検知部21が設けられる。なお、洗剤混合部20は、ベンチュリ管などであってもよい。
洗剤タンク10と洗剤混合部20との間には、洗剤流路15が設けられる。洗剤流路15は、洗剤タンク10と洗剤混合部20とを接続する。洗剤流路15には、開閉弁16と、流量調整部17と、ポンプ18と、逆流防止部19と、が設けられる。
開閉弁16は、例えば、電磁弁である。開閉弁16は、洗剤混合部20への洗剤の供給を制御する。開閉弁16を開状態にすることで、洗剤タンク10に貯留された洗剤が洗剤混合部20に供給される。開閉弁16を閉状態にすることで、洗剤タンク10から洗剤混合部20への洗剤の供給が停止される。
流量調整部17は、開閉弁16の下流に設けられる。流量調整部17は、例えば、オリフィスである。流量調整部17は、洗剤流路15を流れる洗剤の流量を調整する。流量調整部17は、必要に応じて設けられ、省略可能である。なお、洗剤流路15における「下流」は、洗剤タンク10から洗剤混合部20に向かって液体が流れる場合における下流(すなわち、洗剤混合部20側)である。
ポンプ18は、開閉弁16及び流量調整部17の下流に設けられる。ポンプ18は、洗剤流路15内の洗剤を洗剤混合部20に送液する。
逆流防止部19は、開閉弁16と流量調整部17との間に設けられる。逆流防止部19は、ポンプ18側から開閉弁16側への液体の逆流を抑制する。逆流防止部19は、例えば、逆止弁である。
給水源WSと洗剤混合部20との間には、給水流路25が設けられる。給水流路25は、給水源WSと洗剤混合部20とを接続する。給水流路25には、開閉弁26と、流量調整部27と、が設けられる。
開閉弁26は、例えば、電磁弁である。開閉弁26は、洗剤混合部20への水の供給を制御する。開閉弁26を開状態にすることで、給水源WSからの水が洗剤混合部20に供給される。開閉弁26を閉状態にすることで、給水源WSから洗剤混合部20への水の供給が停止される。
流量調整部27は、開閉弁26の下流に設けられる。流量調整部27は、例えば、定流量弁である。流量調整部27は、給水流路25を流れる水の流量を調整する。なお、給水流路25における「下流」は、給水源WSから洗剤混合部20に向かって液体が流れる場合における下流(すなわち、洗剤混合部20側)である。
洗浄ノズル30は、浴槽100の内壁面110に設けられる。より具体的には、洗浄ノズル30は、浴槽100の内壁面110の最下部に位置する内底面111、または、内底面111よりも上方に位置する内側壁面112に設けられる。洗浄ノズル30は、液体(洗剤水または水)を浴槽100の内壁面110(内側壁面112)に向けて噴出する。洗浄ノズル30は、モータ32により鉛直方向を軸に(すなわち、水平方向に)回転可能に設けられている。
洗剤混合部20と洗浄ノズル30との間には、洗浄流路35が設けられる。洗浄流路35は、洗剤混合部20と洗浄ノズル30とを接続する。洗浄流路35には、噴出制御部36と、逆流防止部37と、が設けられる。
噴出制御部36は、洗浄ノズル30からの液体の噴出を制御する。噴出制御部36は、洗剤混合部20の下流に設けられる。噴出制御部36は、例えば、ポンプである。噴出制御部36は、電磁弁などの開閉弁であってもよい。この場合、洗剤混合部20をベンチュリ管にする、洗剤混合部20がタンクの場合はその位置を高くしヘッド圧を大きくするなど、液体を洗浄ノズル30へ圧送する圧送手段を備える。なお、洗浄流路35における「下流」は、洗剤混合部20から洗浄ノズル30に向かって液体が流れる場合における下流(すなわち、洗浄ノズル30側)である。
逆流防止部37は、噴出制御部36の下流に設けられる。逆流防止部37は、洗浄ノズル30から洗剤混合部20への洗剤水や水、排水などの逆流を抑制する。逆流防止部37は、例えば、逆止弁である。逆流防止部37は、電磁弁などの開閉弁であってもよい。逆流防止部37は、複数設けられてもよい。
浴槽100の内底面111には、浴槽100内の液体を排出するための排水部115が設けられる。排水部115は、内底面111から下方に向かって延び、上下方向に貫通する筒状の部分である。浴槽100の内底面111は、排水部115に向かって下方傾斜している。このような下方傾斜を設けることで、浴槽100内の液体を内底面111に沿って排水部115に導くことができる。
排水部材50は、浴槽100の排水部115に設けられる。排水部材50は、排水口51と回収口52とを有する。排水口51及び回収口52は、排水部115において開口する。つまり、排水口51及び回収口52は、互いに近接した位置に設けられている。排水口51及び回収口52を互いに近接した位置に設けることで、排水性能と回収性能とを両立させることができる。
排水口51及び回収口52は、排水部115に流入した液体を排水側と回収側とに分ける。すなわち、排水部115に流入した液体のうち排水口51に流れた液体は、浴槽洗浄装置200の外部に排出される。一方、排水部115に流入した液体のうち回収口52に流れた液体は、回収口52から浴槽洗浄装置200の内部に戻される(回収される)。排水部材50については、後述する。
浴槽洗浄装置200は、回収口52から回収された液体(洗剤水)を、洗剤タンク10と洗浄ノズル30との間に戻すための回収流路55を有する。回収流路55の一端は、排水部115(回収口52)に接続される。回収流路55の他端は、洗剤流路15、洗剤混合部20、または洗浄流路35に接続される。洗剤混合部20がベンチュリ管の場合、回収流路55の他端は、洗浄流路35に接続される。回収流路55には、開閉弁56が設けられる。開閉弁56は、例えば、電磁弁である。
回収流路55上には、回収した洗剤水を濾過するためのフィルター80が設けられる。フィルター80は、例えば、回収口52に設けられる。フィルター80は、回収口52よりも下流(回収流路55の他端側)に設けられてもよい。
回収流路55には、回収口52から回収された洗剤水を貯留する回収部57が設けられる。このような回収部57を設けることで、回収流路55の管内が液体で満たされている状態を維持しながら洗剤水を循環させることができる。これにより、洗剤水を循環させる際にポンプ18が空気を吸い込んで泡が発生することを抑制できる。
この例では、回収部57は、排水部材50に設けられている。回収部57は、排水部材50とは別に設けられてもよい。また、洗剤混合部20がタンクの場合、回収部57を設けずに、回収口52から回収された洗剤水を洗剤混合部20に貯留してもよい。
回収口52から回収された洗剤水は、回収流路55を通り、ポンプ18により、洗剤混合部20に戻される。そして、回収された洗剤水が洗剤混合部20に所定量溜まったら(すなわち、洗剤水が所定量回収されたら)、回収された洗剤水は、噴出制御部36により、洗浄ノズル30から再び噴出される。洗浄ノズル30から噴出された洗剤水は、回収口52から再び回収される。これを繰り返すことで、洗剤水を循環させながら浴槽洗浄を行うことができる。
なお、この例では、洗剤流路15に設けられたポンプ18を作動させることで洗剤水の回収を行っているが、回収流路55にポンプを設け、このポンプを作動させることで洗剤水の回収を行ってもよい。また、洗浄流路35に設けられたポンプを作動させることで洗剤水を回収する構成としてもよい。つまり、実施形態において、洗剤水の回収は、洗剤流路15、洗浄流路35、及び回収流路55のいずれかに設けられるポンプによって行われる。
浴槽100の排水部115には、開閉部60が設けられる。開閉部60は、浴槽100の排水部115を開閉する排水栓である。開閉部60については、後述する。
制御部40は、開閉弁16、ポンプ18、開閉弁26、噴出制御部36、及び開閉弁56と電気的に接続されており、開閉弁16、ポンプ18、開閉弁26、噴出制御部36、及び開閉弁56を制御する。制御部40は、モータ32と電気的に接続されており、モータ32を制御してもよい。
図2(a)及び図2(b)は、実施形態に係る浴槽洗浄装置の排水部材を模式的に表す斜視図及び断面図である。
図2(a)及び図2(b)に表したように、排水部材50は、排水弁プレート510と、回収タンク520と、排水接続部530と、を有する。
排水弁プレート510は、プレート部511と、排水孔部512と、上延部513と、下延部514と、接続部515と、を有する。プレート部511は、水平方向に拡がる板状の部分である。排水孔部512は、プレート部511を上下方向に貫通する孔である。上延部513は、排水孔部512を囲むように設けられ、プレート部511の上面から上方に延びる部分である。上延部513は、浴槽100の排水部115の下端の外側に位置する。換言すれば、排水弁プレート510は、上延部513に囲まれた空間に浴槽100の排水部115の下端が位置するように取り付けられる。下延部514は、排水孔部512を囲むように設けられ、プレート部511の下面から下方に延びる部分である。下延部514は、浴槽100の排水部115の下端の下方に位置する。接続部515は、プレート部511の外周部に設けられ、排水弁プレート510を浴槽100の下方に設けられる防水パンの下部に接続する部分である。
回収タンク520は、排水管部521と、タンク部522と、回収接続部523と、を有する。排水管部521は、上下方向に延び、上下方向に貫通する筒状の部分である。タンク部522は、排水管部521を囲むように設けられ、上方が開放された容器状の部分である。タンク部522は、回収口52から回収された洗剤水を貯留する回収部57として機能する。回収接続部523は、タンク部522に貯留された洗剤水を洗剤タンク10と洗浄ノズル30との間に戻すための部分である。この例では、回収接続部523は、タンク部522の下面に設けられ、タンク部522を上下方向に貫通する筒状の部分である。なお、回収接続部523は、タンク部522の側面に設けられていてもよい。また、回収接続部523は、タンク部522の内部において開口が下を向くように設けられていてもよい。タンク部522に貯留された洗剤水は、回収接続部523を介して、洗剤タンク10と洗浄ノズル30との間に戻される。
排水接続部530は、上下方向に延び、上下方向に貫通する筒状の部材である。排水接続部530は、浴槽100の排水部115と排水弁プレート510とを接続する。排水接続部530は、排水弁プレート510の排水孔部512の内側に設けられる。排水接続部530は、浴槽100の排水部115の下端の内側に設けられる。
排水部材50は、回収タンク520の排水管部521及び排水接続部530からなる2重管構造を有する。排水口51は、排水管部521の上端に囲まれた部分である。回収口52は、排水管部521の上端と排水接続部530の上端との間の隙間である。排水管部521の上端と浴槽100の排水部115の内壁との間の隙間を回収口52とみなしてもよい。排水管部521は、排水口51と回収口52との間に位置する。つまり、排水管部521の上端の内側が排水口51であり、排水管部521の上端の外側が回収口52である。
このように、回収口52は、排水口51を囲むように設けられている。排水口51を囲むように回収口52を設けることで、浴槽100の排水部115に達した洗剤水が排水口51の外側にある回収口52に先に流入するため、洗剤水をより迅速に回収することができる。
排水口51及び回収口52は、例えば、浴槽100の内底面111よりも低い位置に設けられる。排水口51及び回収口52は、浴槽100の内底面111と同じ高さに設けられていてもよい。換言すれば、回収タンク520の排水管部521の上端は、浴槽100の内底面111と同じ高さに設けられていてもよい。
なお、実施形態において、回収口52と排水口51とは、横並びに(水平方向に並ぶように)設けられていてもよい。換言すれば、排水部材50は、2重管構造を有するものに限定されない。排水部材50は、少なくとも排水口51と回収口52との間に位置する仕切り壁を有していればよい。図2(a)及び図2(b)に表した例では、排水管部521が、排水口51と回収口52との間に位置する仕切り壁に相当する。後述するように、図13(a)及び図13(b)に表した例では、排水部材50は、仕切り壁として、排水管部521の代わりに、排水口51と回収口52との間に位置する壁部53を有している。また、排水口51及び回収口52の上面視における形状は、円形に限定されず、多角形であってもよい。
図3は、実施形態に係る浴槽洗浄装置の排水部材の一部を模式的に表す側面図である。
図3は、排水弁プレート510の側面図である。
図3に表したように、排水弁プレート510は、下延部514に切り欠き部516を有する。切り欠き部516の上端は、例えば、プレート部511の下面と同じ高さである。切り欠き部516の上端は、プレート部511の下面よりも下方に位置していてもよい。この例では、切り欠き部516は、筒状の下延部514の対向する2か所に設けられている。切り欠き部516の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
このような切り欠き部516を設けることで、回収口52から洗剤水を回収する際に、回収タンク520のタンク部522内の空気を切り欠き部516によりタンク部522外に逃がすことができる。これにより、タンク部522内に洗剤水が流入した際に、タンク部522の空気が逃げる場所がなく、タンク部522内に洗剤水が流入することができず、回収が妨げられることを抑制できる。また、切り欠き部516の面積が増えると、タンク部522内の空気を外部に排出しやすくなる。
図4は、実施形態に係る浴槽洗浄装置の排水部材の一部を模式的に表す斜視図である。
図4は、回収タンク520の斜視図である。
図4に表したように、回収タンク520は、タンク部522に設けられる通気孔524を有していてもよい。通気孔524は、タンク部522の上部に設けられる。この例では、通気孔524は、2つ設けられている。通気孔524の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
このような通気孔524を設けることで、回収口52から洗剤水を回収する際に、タンク部522内の空気を通気孔524によりタンク部522外に逃がすことができる。これにより、タンク部522内に洗剤水が流入した際に、タンク部522の空気が逃げる場所がなく、タンク部522内に洗剤水が流入することができず、回収が妨げられることを抑制できる。
図5〜図7は、実施形態に係る浴槽洗浄装置の排水部材周辺を模式的に表す断面図である。
図5〜図7に表したように、開閉部60は、本体部61と、第1シール部62と、第2シール部63と、を有する。
本体部61は、蓋部61aと、下延部61bと、を有する。蓋部61aは、排水部115を覆うように設けられる。換言すれば、蓋部61aは、上下方向において排水部115と重なるように設けられる。下延部61bは、蓋部61aから下方に延びる筒状の部材であり、排水部115の内部の空間に収納される。
第1シール部62は、排水口51を塞ぐためのパッキンである。第1シール部62は、下延部61bの下部に設けられる。第2シール部63は、排水部115を塞ぐためのパッキンである。第2シール部63は、蓋部61aの下に設けられる。
開閉部60の下には、駆動部65が設けられている。駆動部65は、蓋部61aと接続されている。駆動部65は、上下方向に伸縮することで、開閉部60を上下方向に移動させる。駆動部65は、回収タンク520の排水管部521の内壁に接続され、保持されている。
開閉部60は、上下方向に移動することで、第1位置、第2位置、及び第3位置に位置することができる。図5、図6、及び図7は、それぞれ、開閉部60が第1位置、第2位置、及び第3位置にある状態を表している。
第2位置は、第1位置よりも低い位置である。第3位置は、第2位置よりも低い位置である。第1位置は、開閉部60が移動できる上端の位置(最上位置)である。第3位置は、開閉部60が移動できる下端の位置(最下位置)である。第2位置は、第1位置と第3位置との間の位置(中間位置)である。
なお、この例では、開閉部60には、回収口52を塞ぐためのシール部が設けられていない。したがって、この例では、開閉部60の位置に関係なく、回収口52は、常に開である。なお、実施形態において、開閉部60には、回収口52を塞ぐためのシール部が設けられてもよい。この場合、排水部115を塞ぐための第2シール部63は、省略されてもよい。
図5に表したように、開閉部60が第1位置にあるとき、排水部115は、第2シール部63により塞がれていない。また、開閉部60が第1位置にあるとき、排水口51は、第1シール部62により塞がれていない。このように、第1位置において、開閉部60は、(排水部115を開かつ)排水口51を開とする第1状態になる。この第1状態において、浴槽100内の液体は、排水部115を通り、排水口51から排出される。
図6に表したように、開閉部60が第2位置にあるとき、排水部115は、第2シール部63により塞がれていない。また、開閉部60が第2位置にあるとき、排水口51は、第1シール部62により塞がれている。また、開閉部60の位置に関係なく、回収口52は、常に開である。このように、第2位置において、開閉部60は、(排水部115を開かつ)排水口51を閉かつ回収口52を開とする第2状態になる。この第2状態において、浴槽100内の液体は、排水部115を通り、排水口51には流れずに、回収口52から回収される。
図7に表したように、開閉部60が第3位置にあるとき、排水部115は第2シール部63により塞がれている。このように、第3位置において、開閉部60は、排水部115を閉とする第3状態になる。この第3状態において、浴槽100内の液体は、排水部115を通らずに、浴槽100内に貯留される。
このように、この例では、開閉部60は、上下方向に移動する1つの開閉弁である。開閉部60が1つの開閉弁により構成されていることで、簡素な構成で第1状態及び第2状態の切り替えを行うことができる。これにより、排水性能と回収性能とを両立した上で、より容易に洗剤水の回収率を向上させることができる。
制御部40は、浴槽100内に貯留された水の排水時において、図5に表したように、開閉部60を第1状態にする。これにより、浴槽100内に貯留された水を排水口51から確実に排出することができる。
制御部40は、浴槽100の内壁面110に噴出された洗剤水の回収時において、図6に表したように、開閉部60を第2状態にする。これにより、洗剤水が排水口51に流れて排出されることを抑制できる。したがって、洗剤水の回収率を向上させることができる。
制御部40は、浴槽100内に水(湯)を貯留する湯はり時において、図7に表したように、開閉部60を第3状態にする。これにより、浴槽100内に水を貯留する際に、排水部115から水が排出されることを抑制でき、浴槽100内に湯をはることができる。また、この例では、1つの開閉弁により第3状態への切り替えも行うことができる。これにより、排水性能と回収性能とを両立した上で、より容易に洗剤水の回収率を向上させることができるとともに、容易に浴槽100内に湯をはることができる。
図8〜図10は、実施形態の変形例に係る浴槽洗浄装置の排水部材周辺を模式的に表す断面図である。
図8、図9、及び図10は、それぞれ、開閉部60が第1位置、第2位置、及び第3位置にある状態を表している。開閉部60は、上下方向に移動する1つの開閉弁である。
この例では、開閉部60の本体部61に、バネ61cが設けられている。バネ61cの上端は、蓋部61aに接続されている。バネ61cの下端には、排水口51を塞ぐための第1シール部62が取り付けられている。バネ61cは、第1シール部62を下方に付勢している。このように、第1シール部62を下方に付勢するバネ61cを設けることで、第1シール部62によるシール性を向上させることができる。
第1シール部62は、排水口51を上方から塞ぐように設けられている。また、本体部61(蓋部61a)には、排水部115を塞ぐため第2シール部63が取り付けられている。なお、この例においても、開閉部60には、回収口52を塞ぐためのシール部が設けられていない。したがって、この例においても、開閉部60の位置に関係なく、回収口52は、常に開である。
図8に表したように、第1位置において、開閉部60は、(排水部115を開かつ)排水口51を開とする第1状態になる。この第1状態において、浴槽100内の液体は、排水部115を通り、排水口51から排出される。
図9に表したように、第2位置において、開閉部60は、(排水部115を開かつ)排水口51を閉かつ回収口52を開とする第2状態になる。この第2状態において、浴槽100内の液体は、排水部115を通り、排水口51には流れずに、回収口52から回収される。第1シール部62がバネ61cによって下方に付勢されることで、第2位置において排水口51をより確実に塞ぐことができる。
図10に表したように、第3位置において、開閉部60は、排水部115を閉とする第3状態になる。この第3状態において、浴槽100内の液体は、排水部115を通らずに、浴槽100内に貯留される。
この変形例においても、制御部40が浴槽100内に貯留された水の排水時において、図8に表したように、開閉部60を第1状態にすることで、浴槽100内に貯留された水を排水口51から確実に排出することができる。また、制御部40が浴槽100の内壁面110に噴出された洗剤水の回収時において、図9に表したように、開閉部60を第2状態にすることで、洗剤水が排水口51に流れて排出されることを抑制できる。したがって、洗剤水の回収率を向上させることができる。また、制御部40が浴槽100内に水(湯)を貯留する湯はり時において、図10に表したように、開閉部60を第3状態にすることで、浴槽100内に水を貯留する際に、排水部115から水が排出されることを抑制でき、浴槽100内に湯をはることができる。
図11は、実施形態に係る浴槽洗浄装置の動作を表すフローチャートである。
図11に表したように、制御部40は、本洗浄モードと、すすぎモードと、前洗浄モードと、を実行可能である。前洗浄モードは、必要に応じて実行され、省略可能である。
使用者がリモコンなどによって浴槽洗浄の操作を実行すると(ステップS101)、制御部40は、浴槽100内の水を排水部115から排水する(ステップS102)。このとき、制御部40は、開閉部60を第1状態にする。
例えば、浴槽100には、浴槽100の内部の水位を検知するための水位検知部が設けられている。水位検知部により検知可能な最低水位になってから(あるいは、水位検知部が検知しない状態になってから)所定時間経過したら、排水が終了したものとみなすことができる。
次に、制御部40は、前洗浄モードを実行する(ステップS103)。前洗浄モードにおいて、制御部40は、洗浄ノズル30から浴槽100の内壁面110に向けて洗剤水または水を噴出させる。前洗浄モードの実行中において、制御部40は、開閉部60を第1状態にして、洗浄ノズル30から噴出させた液体を排水する。前洗浄モードにおいて洗剤水を噴出させる場合、前洗浄モードの実行中において、制御部40は、開閉部60を第2状態にして、洗剤水の回収を行ってもよい。
次に、制御部40は、本洗浄モードを実行する(ステップS104)。本洗浄モードにおいて、制御部40は、洗浄ノズル30から浴槽100の内壁面110に向けて洗剤水を噴出させる。本洗浄モードの実行中において、制御部40は、開閉部60を第2状態にして、洗剤水の回収を行う。
次に、制御部40は、すすぎモードを実行する(ステップS105)。すすぎモードにおいて、制御部40は、洗浄ノズル30から浴槽100の内壁面110に向けて水を噴出させる。すすぎモードの実行中において、制御部40は、開閉部60を第1状態にして、洗浄ノズル30から噴出させた液体を排水する。
このように、本洗浄モードの実行中において、開閉部60を第2状態にして、洗剤水の回収を行うことで、洗剤水が排水口51に流れて排出されることを抑制できる。したがって、洗剤水の回収率を向上させることができ、洗剤の使用量を増やさずに洗浄力を向上させることができる。
図12は、実施形態に係る浴槽洗浄装置の本洗浄モードにおける動作を表すフローチャートである。
本洗浄モードを開始すると、制御部40は、開閉部60を第2位置に移動させる(ステップS201)。これにより、開閉部60は、(排水部115を開かつ)排水口51を閉かつ回収口52を開とする第2状態になる。
次に、制御部40は、開閉部60を第2位置に保持した状態で、洗浄ノズル30からの洗剤水の噴出を開始する(ステップS202)。これにより、洗浄に使用された洗剤水は回収口52から回収流路55を流れ、回収部57内に一時的に貯留される。制御部40は、洗浄ノズル30から所定量の洗剤水が噴出されるまで、噴出を続ける(ステップS203:No)。
洗浄ノズル30から所定量の洗剤水が噴出されたら(ステップS203:Yes)、制御部40は、洗浄ノズル30からの洗剤水の噴出を停止する(ステップS204)。噴出の所定量は、少なくとも、タンク部522に貯留された洗剤水を洗剤タンク10と洗浄ノズル30との間に戻すための回収接続部523の上流端が洗剤水で満たされるのに十分な量である。この例では、回収接続部523は、タンク部522の下面に設けられている。したがって、噴出の所定量は、少なくとも、洗剤水によりタンク部522の下面が覆われるのに十分な量である。これにより、洗剤水を回収する際に回収流路55に空気が混入して泡が発生することを抑制できる。噴出の所定量は、洗剤混合部20の容積以下である。制御部40は、噴出制御部36(ポンプ)の出力及び駆動時間に基づいて、洗浄ノズル30から噴出された洗剤水の量を算出する。制御部40は、洗剤混合部20に設けられた水位検知部21により検知される洗剤混合部20内の洗剤水の水位に基づいて、洗浄ノズル30から噴出された洗剤水の量を算出してもよい。
次に、制御部40は、開閉部60を第2位置に保持した状態で、回収用ポンプを作動させる(ステップS205)。回収用ポンプは、例えば、ポンプ18である。これにより、回収部57内に貯留されていた洗剤水が、回収接続部523から回収される。制御部40は、所定量の洗剤水が回収されるまで、回収用ポンプの作動を続ける(ステップS206:No)。
所定量の洗剤水が回収されたら(ステップS206:Yes)、制御部40は、回収用ポンプの作動を停止する(ステップS207)。回収の所定量は、ステップS202において噴出させた洗剤水の量と回収流路55の容積との差程度である。制御部40は、回収用ポンプの出力及び駆動時間に基づいて、回収口52から回収された洗剤水の量を算出する。回収された洗剤水が洗剤混合部20に貯留される場合、制御部40は、洗剤混合部20に設けられた水位検知部21により検知される洗剤混合部20内の洗剤水の水位に基づいて、回収口52から回収された洗剤水の量を算出してもよい。
制御部40は、洗浄ノズル30からの洗剤水の噴出回数が所定回数になるまで、ステップS202〜ステップS207を繰り返す(ステップS208:No)。所定回数は、例えば、3回である。所定回数は、洗剤水の濃度や噴出流量などに応じて適宜変更することができる。
洗浄ノズル30からの洗剤水の噴出が所定回数になると(ステップS208:Yes)、制御部40は、開閉部60を第2位置に保持した状態で、洗浄ノズル30からの洗剤水の噴出を開始する(ステップS209)。制御部40は、洗浄ノズル30から所定量の洗剤水が噴出されるまで、噴出を続ける(ステップS210:No)。
洗浄ノズル30から所定量の洗剤水が噴出されたら(ステップS210:Yes)、制御部40は、洗浄ノズル30からの洗剤水の噴出を停止する(ステップS211)。このとき、洗浄ノズル30から噴出させる洗剤水の量は、ステップS202において噴出させた洗剤水の量よりも多くする。これにより、回収流路55内の洗剤水を使い切ることができる。
図13は、実施形態に係る浴槽洗浄装置の本洗浄モードにおける動作の変形例を表すフローチャートである。
この例では、図12に示したフローチャートに対して、洗剤水の噴出開始時における開閉部60の位置(状態)が異なる。本洗浄モードを開始すると、制御部40は、開閉部60を第3位置に移動させる(ステップS301)。これにより、開閉部60は、排水部115を閉とする第3状態になる。この状態で洗浄ノズル30からの洗剤水の噴出を開始する(ステップS302)ことで、洗浄に使用された洗剤水が回収口52から回収されずに、浴槽100内に一時的に貯留される。
洗浄ノズル30から所定量の洗剤水が噴出されたら(ステップS303:Yes)、制御部40は、洗浄ノズル30からの洗剤水の噴出を停止し(ステップS304)、開閉部60を第2位置に移動させる(ステップS305)。これにより、開閉部60は、(排水部115を開かつ)排水口51を閉かつ回収口52を開とする第2状態になる。開閉部60が第3状態から第2状態になることで、浴槽100内に貯留されていた洗剤水が、回収口52に流れる。このとき、必要に応じて、浴槽100の内側壁面112にかかった洗剤水が浴槽100の内底面111に流れるまで、所定時間待機してもよい。
次に、制御部40は、開閉部60を第2位置に保持した状態で、回収用ポンプを作動させる(ステップS306)。これにより、浴槽100内に貯留されていた洗剤水が、回収口52から回収される。ステップS306以降のステップ(ステップS307〜S312)は、図12に示したフローチャートにおけるステップS206〜S211と実質的に同じである。
このように、開閉部60を第3位置に保持した状態で洗浄ノズル30から洗剤水を噴出させることで、洗浄に使用した洗剤水を浴槽100内に一時的に貯留することができる。そして、開閉部60を第2位置に保持した状態で回収用ポンプを作動させることで、浴槽100内に貯留した洗剤水の回収を開始することができる。これにより、回収口52が洗剤水で満たされた状態を維持しながら洗剤水を循環させることができる。したがって、回収部57を設けずとも、洗剤水を循環させる際に回収用ポンプが空気を吸い込んで泡が発生することを抑制でき、回収流路55や排水部材50、洗剤混合部20などの形状を簡易かつコンパクトにできる。
図14は、実施形態に係る浴槽洗浄装置の本洗浄モードにおける動作の変形例を表すフローチャートである。
この例では、図12に示したフローチャートに対して、回収流路55に設けられた開閉弁56の状態が異なる。なお、図12に示したフローチャートのステップS201において、開閉弁56は開である。
本洗浄モードを開始すると、制御部40は、開閉部60を第2位置に移動させるとともに、開閉弁56を閉とする(ステップS401)。これにより、開閉部60は、(排水部115を開かつ)排水口51を閉かつ回収口52を開とする第2状態になる。一方で、開閉弁56を閉とすることで、回収流路55は閉にすることができる。この状態で洗浄ノズル30からの洗剤水の噴出を開始する(ステップS402)ことで、洗浄に使用された洗剤水が回収流路55のうち回収口52から開閉弁56までの間及び浴槽100内に一時的に貯留される。
洗浄ノズル30から所定量の洗剤水が噴出されたら(ステップS403:Yes)、制御部40は、洗浄ノズル30からの洗剤水の噴出を停止し(ステップS404)、開閉弁56を開にする(ステップS405)。開閉弁56が閉から開になることで、回収流路55のうち回収口52から開閉弁56までの間及び浴槽100内に貯留されていた洗剤水が、開閉弁56の下流に流れることが可能になる。
次に、制御部40は、開閉弁56を開に保持した状態で、回収用ポンプを作動させる(ステップS406)。これにより、回収流路55のうち回収口52から開閉弁56までの間に貯留されていた洗剤水が、開閉弁56の下流に流れて回収されるとともに、浴槽100内に貯留されていた洗剤水が、回収口52から回収される。ステップS406以降のステップ(ステップS407〜S412)は、図12に示したフローチャートにおけるステップS206〜S211と実質的に同じである。
このように、開閉部60を第2状態かつ開閉弁56を閉に保持した状態で洗浄ノズル30から洗剤水を噴出させることで、洗浄に使用した洗剤水を浴槽100内に一時的に貯留することができる。そして、開閉弁56を開に保持した状態で回収用ポンプを作動させることで、浴槽100内に貯留した洗剤水の回収を開始することができる。これにより、回収口52が洗剤水で満たされた状態を維持しながら洗剤水を循環させることができる。したがって、回収部57を設けずとも、洗剤水を循環させる際に回収用ポンプが空気を吸い込んで泡が発生することを抑制でき、回収流路55や排水部材50、洗剤混合部20などの形状を簡易かつコンパクトにできる。
図15(a)及び図15(b)は、実施形態の変形例に係る浴槽洗浄装置の排水部材周辺を模式的に表す断面図である。
図15(a)及び図15(b)に表したように、開閉部60は、排水口51と回収口52との間において回動する1つの開閉弁70であってもよい。
開閉弁70は、第1蓋部71と、第2蓋部72と、軸部73と、を有する。第1蓋部71は、排水口51を塞ぐための板状の部材であり、一辺が軸部73に接続されている。第2蓋部72は、回収口52を塞ぐための板状の部材であり、一辺が軸部73に接続されている。第1蓋部71と第2蓋部72との間の角度(劣角)は、90度以上180度未満である。この例では、第1蓋部71と第2蓋部72との間の角度(劣角)は、90度である。軸部73は、排水口51と回収口52との間に位置する排水部材50の壁部53の上に、壁部53に沿って設けられている。
図15(a)及び図15(b)は、それぞれ、開閉弁70の第1状態及び第2状態を表している。この例では、図15(a)に表したように、開閉弁70は、第1状態において、排水口51を開かつ回収口52を閉とする。一方、図15(b)に表したように、開閉弁70は、第2状態において、排水口51を閉かつ回収口52を開とする。
このように、第1状態において排水口51を開かつ回収口52を閉とするような開閉弁70を設けることで、浴槽100内に貯留された水の排水時において、排水口51を開かつ回収口52を閉とすることができる。これにより、水を排水口51から確実に排出することを可能としつつも、回収口52に水が流れることを抑制できる。したがって、浴槽100内に貯留された水に含まれる汚れが回収口52を通って回収流路55や洗浄流路35に詰まることで洗剤水の回収率が低下することを抑制できる。
制御部40は、浴槽100内に貯留された水の排水時において、図15(a)に表したように、開閉弁70を第1状態にする。これにより、浴槽100内に貯留された水を排水口51から排出させることができる。
制御部40は、浴槽100の内壁面110に噴出された洗剤水の回収時において、図15(b)に表したように、開閉弁70を第2状態にする。これにより、洗剤水の回収時に洗剤水が排水口51に流れることを抑制し、洗剤水の回収率を向上させることができる。
この例では、開閉弁70は、排水口51を閉かつ回収口52を閉とする第3状態にならない。したがって、この例では、制御部40は、浴槽100内に水(湯)を貯留する湯はり時において、図15(a)に表したように、開閉弁70を第2状態にしたうえで、回収流路55に設けられた開閉弁56を閉状態にする。これにより、排水口51が閉かつ回収流路55が閉となり、浴槽100内に湯をはることができる。
また、この例では、図14に示したフローチャートに沿って、洗浄に使用した洗剤水を浴槽100内に一時的に貯留し、回収することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、浴槽洗浄装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。