JP2020094649A - 作業車両 - Google Patents

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辻 英和
Hidekazu Tsuji
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Abstract

【課題】作業車両の発進時の発進フィーリングを良好にすることを目的とする。【解決手段】前後進切換レバー20の前進又は後進切換操作に基づき、エンジン5始動後の発進時は発進時基準増速カーブMsに沿うようトラニオン軸46を回動制御する制御部Cを設けた。また、制御部Cは、発進時基準増速カーブMsに基づき制御されるトラニオン軸46の回動角度θn’,θn”と、発進時基準増速カーブMsに対応して予め設定された発進時トラニオン制御カーブTsに基づくトラニオン軸46の回動角度θnとの差により補正値εnを算出し、補正値εnを適用した発進時トラニオン制御カーブTsnを演算し、次回以降の発進時に補正値εnを適用した発進時トラニオン制御カーブTsnに基づいてトラニオン軸46を回動制御する構成とした。【選択図】図9

Description

本発明は、静油圧無段変速装置を備えた農業用トラクタ等の作業車両に関し、特に車体発進時の静油圧無段変速装置のトラニオン制御装置に関する。
従来、作業車両の静油圧無段変速装置は、トラニオン軸の回動角度を、操作レバーの操作量に応じて電子制御の油圧シリンダ機構により制御して変速できる構成としている(特許文献1)。また、発進時に過負荷を原因としたエンジンストールの発生を防ぐための変速制御を実行する構成がある(特許文献2)。
特開2008−185188号公報 特開2011−149496号公報
ところが、特許文献1、特許文献2共に、装着する作業機の変更等により負荷変動によって発進時の加速が遅く感じたり、逆に急発進を感じることがある。
この発明は、上記に鑑み、発進フィーリングを良好にすることを目的とする。
この発明は、上記に鑑みて次のような技術的手段を講じた。
請求項1に記載の発明は、エンジン5の動力を走行車輪2,3に伝達する油圧無段変速装置7と、該油圧無段変速装置7を変速操作する主変速レバー25と、走行車体1を前進、後進、中立に切り換える前後進切換レバー20と、車速を検出する車速センサ89を備えた作業車両において、前記前後進切換レバー20の前進又は後進切換操作に基づき、前記エンジン5始動後の発進時は発進時基準増速カーブMsに沿うようトラニオン軸46を回動制御する制御部Cを設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御部Cは、前記発進時基準増速カーブMsに基づき制御される前記トラニオン軸46の回動角度θn’,θn”と、前記発進時基準増速カーブMsに対応して予め設定された発進時トラニオン制御カーブTsに基づく前記トラニオン軸46の回動角度θnとの差により補正値εnを算出し、前記補正値εnを適用した発進時トラニオン制御カーブTsnを演算し、次回以降の発進時に前記補正値εnを適用した発進時トラニオン制御カーブTsnに基づいて前記トラニオン軸46を回動制御する構成とした。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記制御部Cは、前記エンジン5停止時には前記補正値εnをリセットする構成とした。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一に記載の発明において、複数の発進時基準増速カーブMsを備え、副変速装置8の高低速切換によって対応する前記発進時基準増速カーブMsを選択する構成とした。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一に記載の発明において、発進時基準増速カーブMsに基づく制御中にブレーキペダル16を操作したときには、前記補正値εnをリセットする構成とした。
請求項1に記載の発明によると、発進時には発進時基準増速カーブMsに沿うようトラニオン軸46を回動制御されるので、車体速度が予め設定された速度変化となって発進フィーリングを良好となす。
請求項2に記載の発明によると、請求項1に記載の発明に加え、今回の発進時に演算した補正値εnを適用した発進時トラニオン制御カーブTsnに更新し次回のトラニオン軸46の回動角度を制御するものであるから、よりスムーズな発進フィーリングを得る。
請求項3に記載の発明によると、エンジン5停止時には補正値εnをリセットする構成であるから、次回走行時に作業機付け替え等の条件変更に対して前回の発進時制御を継続しないため悪影響を受け難い。
請求項4に記載の発明によると、請求項1から請求項3に記載の効果に加え、複数の発進時基準増速カーブMsを備え、副変速装置8の高低速切換によって対応する前記発進時基準増速カーブMsを選択するものであるから、精度よく発進フィーリングを良好にできる。
請求項5に記載の発明によると、請求項1から請求項4に記載の効果に加え、発進時基準増速カーブMsに基づく制御中にブレーキペダル16を操作したときには、前記補正値εnをリセットするものであるから、ブレーキペダル操作中は正しく補正できないため、補正値をリセットするのが良い。
作業機を装着したトラクタの側面図である。 トラクタの平面図である。 トラクタのミッションケース内の動力伝導線図である。 油圧無段変速機構の操作関係を示すミッションケース一部の平面図である。 (a)油圧無段変速装置を前進位置に連動する状態の平面図、(b)油圧無段変速装置を中立位置に連動する状態の平面図、(c)油圧無段変速装置を後進位置に連動する状態の平面図である。 操作パネルを示す正面図である。 油圧回路図である。 制御ブロック図である。 フローチャートである。 フローチャートである。 フローチャートである。 (A)発進時における時間−車速の対応関係を示すグラフ、(B)発進時における時間−トラニオン角度の対応関係を示すグラフである。
本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
トラクタTは、圃場などで作業を行う作業車両であり操舵用の車輪として設けられる左右の前輪2,2と、駆動用の車輪として設けられる左右の後輪3,3とを有し、走行車体1の前部のボンネット4内に搭載されるエンジン5と、左右の前輪2,2および左右の後輪3,3とエンジン5との間に介在した動力伝達装置6等を備えている。
図3に示すように、動力伝達装置6は、油圧無段変速装置7、副変速装置8および前輪増速切換機構9を有している。動力伝達装置6は、エンジン5で発生した動力を、油圧無段変速装置7および副変速装置8で適宜変速して、後輪3,3に伝達する。また、動力伝達装置6は、エンジン5で発生しかつ油圧無段変速装置7および副変速装置8で減速した動力を、前輪増速切換機構9を介して、前輪2,2にも伝達可能になっている。
トラクタTは、エンジン5の動力を左右の前輪2,2と左右の後輪3,3とに伝達する四輪駆動状態と、左右の後輪3,3に伝達する二輪駆動状態と、に切り換え可能である。また、トラクタ車体1の後部には、ロータリなどの作業機Wを装着可能に構成されている。
また、走行車体1の中央部には操縦席11が設けられ、操縦席11の前方には、前輪2,2の操舵に用いるステアリングハンドル12がハンドルポスト13の上端側に配設されている。また、ハンドルポスト13の下方側、運転者の足元付近には、クラッチペダル15、ブレーキペダル16、アクセルペダル17が設置されている。
また、ハンドルポスト13には、トラクタ1の走行時における進行方向を前進と後進とで切り換える前後進切換レバー20が配設されている。前後進切換レバー20は、トラクタを前進させる場合には前側に倒し、トラクタTを後進させる場合には後ろ側に倒すことにより、エンジン5からの動力による走行車体1の前進、後進を切り換えるためのものである。
また、前後進切換レバー20は、前進位置と後進位置との間に中立位置を有しており、この中立位置は、走行車体1が前方にも後方にも進まないようにすることができる位置になっている。前後進切換レバー20は、前後進レバー位置検出センサ21により前後進切換レバー20の操作位置(前進位置、後進位置、中立位置)が検出される。すなわち、前後進レバー位置検出センサ21は、前後進切換レバー20の操作位置を検出するものである。前後進レバー位置センサ21は、検出結果をコントローラCに出力する。
また、操縦席11の左側には、走行車体1の走行時における変速に関する操作を行う主変速レバー25と、副変速レバー26と、走行車体1の後部に装着される作業機を駆動するPTO出力軸10の駆動断続を行うPTOクラッチレバー27とが配設されている。主変速レバー25は、1速から8速まで油圧無段変速装置7を変速するためのものである。副変速レバー26は、走行車体1の走行速度を低速、中速、高速の3段に副変速装置8を変速する。なお、副変速レバー26が変速する低速および中速は、圃場内で作業を行う際に走行する作業走行速度域をなしており、副変速レバー26が変速する高速は、圃場間を移動する際に路上走行する路上走行速度域をなしている。
また、操縦席11の右側には、作業機の高さを調整するポジションレバー28が配設されている。 ポジションレバー28の前後操作によって、後記昇降シリンダに連動するリフトアーム29を上下回動連動し、3点リンク機構Pを介して連結する作業機Wを昇降連動する構成としている。
次に、走行車体1を構成するミッションケース30内の動力伝達装置6を図3に基づいて説明する。エンジン5の出力軸の回転がクラッチペダル15で断続されるメインクラッチ31を介してミッションケース30の入力軸32へ伝動される。この入力軸32の回転は増速ギア33,34で増速されて油圧無段変速装置7の入力軸35に伝動される。
油圧無段変速装置7(HST)は、静油圧式の無段変速機とされ、可変容量型の油圧ポンプ36と固定容量型の油圧モータ37で構成され、油圧ポンプ36の可動斜板38の傾きを変えることで油圧モータ37の回転を変更する。可動斜板38の傾きは主変速レバー25や前後進切換レバー20の動きを検出して作動する油圧シリンダ機構40によって変更されて、油圧モータ37のモータ出力軸37aの回転が変速される。油圧ポンプ36に直接繋がるポンプ出力軸36aの回転は前記入力軸35の回転数と同じである。
ポンプ出力軸36aの回転は、PTO正逆クラッチ42を経て、PTO中間軸43へ伝動され、さらにPTO変速装置44を経てPTO出力軸45に伝達され、ミッションケース30の外部へ取り出されて、ロータリなどの作業機Wを駆動する。
また、油圧モータ37のモータ出力軸37aは、副変速装置8を経て、前後輪2,3を駆動し、さらに、副変速装置8から前輪増速切換機構9を経て、前輪2を駆動する。
HST7は、主変速レバー25により変速される。主変速レバー25は、基端部中心に操作可能に設けられ複数箇所(例えば八箇所)で軽く係止されて変速段を複数(例えば、8)段階に感じるように回転自在に支持されている。主変速レバー25の回動位置は主変速レバー位置検出センサ25aで検出され、検出結果がコントローラCに出力される。
また、作業機Wを連結したトラクタTは、圃場で作業を行ったり、路上を走行したりすることが可能になっているが、圃場と路上とでは、走行時における適切な速度領域が異なっている。このため、走行車体1の走行時には、走行する場所などの走行状態に応じて主変速レバー25や副変速レバー26を操作することにより、速度領域を切り換える。すなわち、主変速レバー25や副変速レバー26を操作することによって、走行時における速度領域を切り換える。
例えば、圃場で作業を行う場合には、作業時の速度に応じて、運転者が主変速レバー25を1速〜8速のうちいずれかに切り換えるとともに副変速レバー26を低速、中速のうちいずれかに切り換える。
主変速レバー25の位置は、主変速レバー位置検出センサ25aにより検出され、副変速レバー26の位置は、副変速レバー検出センサ26aにより検出される。コントローラCは、主変速レバー位置検出センサ25aからの検出結果に応じて、油圧シリンダ機構40のロッド40aを制御することにより、HST7を主変速レバー25で選択されている変速段に切り換える。
HST7は、可動斜板38に連結したトラニオン軸46およびトラニオンアーム47を中立位置に保持する中立保持機構48が設けられている。トラニオン軸46およびトラニオンアーム47と可動斜板38とは、互いに連動し、トラニオン軸46およびトラニオンアーム47の回動角度(位置)と可動斜板38の傾斜角度とは、互いに対応して変化する。
トラニオンアーム47は、前進位置(図5(a))と、中立位置(図5(b))と、後進位置(図5(c))とに変位可能である。HST7は、トラニオンアーム47が前進位置に位置した場合、エンジン5の動力は走行車体1を前進させる力として出力し、トラニオンアーム47が後進位置に位置した場合、走行車体1を後進させる力として出力し、トラニオンアーム47が中立位置に位置した場合、走行車体1を前進または後進させる力として出力しない。
トラニオンアーム47は、前記油圧シリンダ機構40によって駆動される。油圧シリンダ機構40は、トラニオンアーム47を駆動する油圧シリンダ機構40の作動速度に応じてトラニオンアーム47の移動速度が変化するよう構成している。すなわち、油圧シリンダ40の作動速度を速くするほど、トラニオンアーム47の移動速度が速くなる。油圧シリンダ機構40には、ポンプから制御弁49を介して複動型シリンダ部の一方又は他方に作動油が供給される構成であるが、制御弁49は一対のソレノイド49a,49bを備え、一方のソレノイド49aへのパルス信号に基づいて伸長側に、他方のソレノイド49bのパルス信号に基づいて短縮側に油圧シリンダ機構40を作動する。
中立保持機構48は、HST7の上面において、前記トラニオン軸46にカムプレート50を固定し、このカムプレート50の周縁カム部に適宜に付勢されたローラ51を押し付ける構成とし、カムプレート50の周縁カム部の凹部50aにローラ51を落ち込ませるように付勢して、トラニオン軸46およびトラニオンアーム47が中立位置(図5(b)に示す)に戻るように構成している。
カムプレート50には、トラニオンアーム47の一端部が回転自在に連結し、トラニオンアーム47の他端部がリンク52を介して油圧シリンダ機構40のピストンロッド40aに連結されている。したがって、油圧シリンダ機構40を伸縮させると、リンク52、トラニオンアーム47、カムプレート50を介してトラニオン軸46が回動してHST7の変速を行えるようにしている。 また、HST7は、トラニオン軸46、すなわちトラニオンアーム47の回動角を検出するトラニオンアーム角度センサ47aを設けている。
次いで、前記操縦席11横に配置された操作パネル55について説明する。作業機を上昇するとPTO出力軸10を切りに連動するアップストップスイッチ56、作業機下降時速度を設定高さ位置から遅くするデセラスイッチ57、走行車体1が旋回操作中走行速度を低下する旋回減速スイッチ58、走行車体1を後進側とすると作業機を上昇制御するバックアップスイッチ59、走行車体1が旋回操作中において作業機を上昇させるオートリフトスイッチ60、連結する作業機の制御形態を変更する、すなわち自動水平制御モード、走行車体1と平行に維持制御する平行モード、及び所定の傾斜角度に維持制御する傾斜モードに変更する水平切換スイッチ61等を備えている。また、作業機の左右傾斜角度を手動で設定する上げ・下げ水平手動スイッチ62U,62D、感度スイッチ63a,63b、旋回時制動制御モードを選択するオートスイッチ64等を備える。さらに、ダイヤル形態の調整ダイヤルとして、作業機水平制御の左右傾き調整ダイヤル65、作業機上昇位置における最大高さ調整用の上げ高さダイヤル66、旋回時制動制御モード選択時のブレーキ圧調整用のブレーキ調整ダイヤル67を設けている。
また、油圧シリンダ機構40に作動油を供給する油圧系統では、トラクタTは、図7に示すように、作業機Wの制御と走行の制御に使うメインポンプ70と、HST7とパワーステアリング71の作動油を送るサブポンプ72を有している。トラニオン軸46を回動する油圧シリンダ機構40の作動油は、サブポンプ72からトラニオン制御用の前記制御弁49へ供給されているので、作動圧が安定している。また、サブポンプ72からの作動油は、パワーステアリング71へ供給された後に、リリーフ弁73とオイルクーラ74を通って、HST7へ供給されている。
また、メインポンプ70からの作動油は、メインリリーフ弁75で油圧を調整して走行バルブ76を通してメインクラッチ31を制御すると共に、ブレーキバルブ78を通して左右のブレーキシリンダ79L,79Rを制御し、さらに、分流した作動油が作業機W関係の制御へ送られている。
作業機W関係への作動油は、分流バルブ80で水平シリンダ81と昇降シリンダ82へ送られている。水平シリンダ81は水平バルブ83で制御され、昇降シリンダ82は電子油圧バルブ84とスローリターン用チェックバルブ85で制御され、作動油がセーフティリリーフバルブ86を通ってミッションケース30内へ戻される。
次いで、発進時の増速制御、具体的にはトラニオン制御について説明する。前進側において、可動斜板38を連結したトラニオン軸46及びトラニオンアーム47は、油圧シリンダ機構40の伸長側作動によって増速し、短縮側作動によって減速する関係にあり、この伸長側作動は制御弁49のソレノイド49a側励磁によって行わせ、逆の短縮側作動はソレノイド49b側励磁によって行わせる構成である。以下便宜上伸長側(又は増速側)ソレノイド49a、短縮側(又は減速側)ソレノイド49bと称する。制御部Cに、発進時基準増速カーブMsを記憶しておく。この発進時基準増速カーブMsは、所定走行速度Vxに至るまでの発進時における時間−車速の対応関係を示すもので、横軸に時間t、縦軸に車体の車速Vsをもって表し、図12(A)中実線で示す例では、直線状を呈して速度が時間とともに上昇するようになっている。なお、この発進時基準増速カーブMsに基づいて、図12(B)中実線に示す、時間−トラニオン角度の対応関係に演算された発進時トラニオン制御カーブに置き換えて表すことができる。すなわち、制御部Cには、副変速レバー26操作位置やアクセルペダル17位置を読み込んでおくことで、記憶部の発進時基準増速カーブMsのラインに見合うトラニオン角度θnを演算して経過時間に対する対応関係を演算できる。ここで、トラニオン角度θnは、トラニオン軸46における基準中立位置を角度0°としてトラニオン軸46の回動角度を示すものであるが、本実施例でトラニオンアーム47の回動角を検出するトラニオンアーム角度センサ47aの検出値を用いている。
図9のフローチャートに発進時基準増速カーブに基づく制御を示す。キースイッチ88をオンすると、エンジンが始動すると共に、発進時基準増速カーブMsが読み込まれる(S101〜S103)。次いでアクセルペダル17の操作位置センサ17a、主変速レバー位置センサ25a、副変速レバー位置センサ26aの各検出情報が入力され、車体は発進可の状態であるか否か判定される(S104〜S107)。ここで、車体発進可の条件は、例えば前後進切換レバー20操作待ちの状態をいい、主・副変速レバー25,26が中立である場合はいずれかの変速位置への操作及びアクセルペダル17操作を促す(S108)。なお主・副変速レバー25,26操作によって、後述の所望速度Vxを演算設定することができるものとなる。アクセルペダル17はエンジン回転数が所定回転数以上を確保できているか否かに関し、所定回転数以下の場合はエンジンストールの可能性があるためこれをクリアして車体発進可の判定とさせることができる。
そして、前後進切換レバー20が切換られ前後進レバー位置センサ21が前進側であることを検出すると(S109)、発進時基準増速カーブMsにより演算された発進時トラニオン制御カーブTsに基づき経過時間毎に対応するトラニオン角度となるようにトラニオン軸46の回転制御が開始される(S110,S111)。検出車速Vnを読込み(S112)、検出車速Vn(n=1,2…n)と目標車速Vsn(n=1,2…n)とを比較する。すなわち、所定経過時間毎に車速センサ89の検出結果と発進時基準増速カーブMsの目標車速Vsnとを確認しながら制御弁49によって油圧シリンダ機構40を伸長し、具体的には発進時基準増速カーブMsに対応する発進時基準トラニオン制御カーブTsに沿うように増速側ソレノイド49aへのパルス信号を徐々に発信することでトラニオン軸46を次第に角度大に回動しながら車速を増速制御するものである。ところで、検出車速Vnと目標車速Vsnとが一致しない場合は、トラニオン軸46を連動する油圧シリンダ機構40を伸長補正し又は短縮補正する(S113〜S116)。すなわち、検出車速Vが目標車速Vsより速い場合には減速側ソレノイド49bを励磁して油圧シリンダ機構40を短縮補正制御し(S114,S115)、また検出車速Vが目標車速より遅い場合は増速用ソレノイド49aを励磁して油圧シリンダ機構40を伸長補正制御する(S114,S116)。油圧シリンダ機構40のこれら短縮補正や伸長補正をトラニオン角度に演算した補正量εn(n=1,2…n)を記憶する(S117)。
前記S112〜S117の過程を所定時間間隔毎に繰り返し、発進時基準トラニオン制御カーブTsによるトラニオン角度制御を実行しつつ、図12(A)中点線で示すカーブの検出車速Vnと実線で示す目標車速Vsnの対比とこの目標車速Vanに沿わせるべく補正するトラニオン角度補正制御を実行し、併せてこの補正制御に係るトラニオン角度の補正量εnを記憶する(S118)。なお補正量εnを加味することで図12(B)点線で示す後述の次回発進時トラニオン制御カーブTsn(n=1,2…n)を得る。
このようにして、検出車速Vnが、主・副変速レバー25,6及びアクセルペダル17踏込み量で演算された最大目標車速Vxに達すると、発進時基準増速カーブMsによるトラニオン角度制御が終了する(S119,S120)。
このように、予め発進時基準増速カーブMsを設定し、検出車速Vnが目標速度Vxになるよう刻々管理することによって、発進時において、スムーズな発進フィーリングを得ることができる。
なお、前記S109で前後進切換レバー20の位置センサ21が後進側検知する場合は、発進時基準増速カーブMsによるトラニオン角度制御は行われず、アクセルペダル17等に基づき通常のように後退走行する。
次いで、図10に基づき、トラニオン補正値演算制御について説明する。発進時基準増速カーブMsを呼出し(S201)、発進時においてタイマによる所定短時間経過時間毎に(S202,S203)、前記発進時基準増速カーブMsより都度の目標車速Vsnを演算する(S204)。一方前記発進時基準増速カーブMsに対応する発進時トラニオン制御カーブTsnを呼出して上記経過時間におけるトラニオン角度θnを算出する(S205)。
このトラニオン角度θnの算出と共に制御弁49のソレノイド励磁によって所望のトラニオン角度θnを得て車体1を走行でき、そのときの車体1の速度を車速センサ89によって検出できる。
検出車速Vnを入力し(S206)、前記目標車速Vsnと比較される(S207)。検出車速Vn<目標車速Vsn,即ち目標車速Vsn未満の時はトラニオン角度θnをプラス補正による角度θn’とする(S208)。逆に目標車速Vsnを超える時はトラニオン角度θnをマイナス補正θn”による角度とする(S209)。目標車速Vsnに略等しいときは補正を要しない(S210)。そして、トラニオン補正値εnを算出し(S211〜S213)、記憶ずる(S214)。これらのトラニオン補正値εnを発進時トラニオン制御カーブTsに適用することで、次回発進時トラニオン制御カーブTsnに更新する(S215,S216)。
次いで、図11に基づき、次回発進時トラニオン制御について説明する。キースイッチ88をオンすると、エンジン5が始動すると共に、車体発進し、発進時基準トラニオン制御が実行される(S301〜S304)。次いで、前記のように検出車速Vnの目標車速Vsnとの差異によってトラニオン角度補正されその補正値εnが記憶される(S305)。そして所定時間間隔で行われる制御実行によってトラニオン角度補正値εnを集積しトラニオン角度制御カーブが更新される(S306)。そして、上記発進時トラニオン制御の実行中、ブレーキペダル16踏込み操作があると補正値εnをリセットする(S307,S308)。なお、ブレーキペダル16と車体1との間にブレーキ検出センサ90を備え、ブレーキペダル16の踏込みを検出できる構成としている。
検出車速Vnが最大目標車速Vxに達すると(S309)、S306で更新したトラニオン制御カーブを次回発進時補正トラニオン制御カーブTsnとして取得し記憶する(S310)。そして当該発進時トラニオン制御カーブによる制御は終了する(S311)。その後はオペレータの任意で通常走行し、目的地に至ると車体停止する(S312,S313)。
そして、キースイッチ88がOFFと判定されると(S314)、エンジン停止するが、併せて前記補正値εnをリセットする(S315,S316)。すなわち、発進時トラニオン制御カーブは、発進時基準増速カーブMsに対応する当初の発進時トラニオン制御カーブに復帰するものである。
前記の例では、発進時基準増速カーブMsは前進増速を制御するものであるが、前後進切換レバー20を後進側に切換操作して発進する場合にも予め設定した増速カーブに基づいて制御する構成としてもよい。
また、S314でキースイッチ88がONのままで、次回車体発進するときには、前記次回発進時トラニオン制御カーブTSnを読み込み、制御実行する(S317)。そして前記S304以降を繰り返し実行するものである。
このように、次回発進時トラニオン制御カーブTsnについて、発進時基準増速カーブMsに対応する発進時トラニオン制御カーブTsを実行しながら適宜に補正して目標車速に近づけ、この補正をトラニオン補正値εnに演算して次回発進時トラニオン制御カーブTsnを導くものであるから、実際の走行に伴うトラニオン補正を行うことができ、よいスムーズな発進フィーリングを得ることができる。
また、発進時制御中、ブレーキ操作があると補正値εnをリセットするものであるから、増速中のブレーキ操作によって正常な補正が期待できない恐れがあるが、取得した補正値をリセットすることで、ブレーキ操作の影響を回避することができる。さらに、一旦キースイッチ88OFF、即ちエンジン5停止すると同様に補正値εnをリセットするものであるから、次回車体走行においては作業機を付け替える等走行条件が大きく変わる可能性があり、補正値をリセットすることで走行条件の変更の影響を回避することができる。
前記発進時基準増速カーブMsについて、複数に設定することができ、例えば、副変速レバー26の操作位置に対応して、低速位置においては増速カーブは標準の速度よりも低速側に設定する。該低速位置は作業走行時の操作位置とされるもので、作業機装着が予定されるためである。逆に高速位置においては標準の速度よりも高速側に設定する。路上走行に対応させるためである。
1 走行車体
2 前輪(走行車輪)
3 後輪(走行車輪)
5 エンジン
7 油圧無段変速装置
8 副変速装置
16 ブレーキペダル
20 前後進切換レバー
25 主変速レバー
46 トラニオン軸
89 車速センサ
C 制御部
Ms 発進時基準増速カーブ
Ts 発進時トラニオン制御カーブ
Tsn 次回発進時トラニオン制御カーブ
θn 回動角度
θn’ 回動角度
θn” 回動角度
εn トラニオン補正値(補正値)

Claims (5)

  1. エンジン(5)の動力を走行車輪(2,3)に伝達する油圧無段変速装置(7)と、該油圧無段変速装置(7)を変速操作する主変速レバー(25)と、走行車体(1)を前進、後進、中立に切り換える前後進切換レバー(20)と、車速を検出する車速センサ(89)を備えた作業車両において、前記前後進切換レバー(20)の前進又は後進切換操作に基づき、前記エンジン(5)始動後の発進時は発進時基準増速カーブ(Ms)に沿うようトラニオン軸(46)を回動制御する制御部(C)を設けたことを特徴とする作業車両。
  2. 前記制御部(C)は、前記発進時基準増速カーブ(Ms)に基づき制御される前記トラニオン軸(46)の回動角度(θn’,θn”)と、前記発進時基準増速カーブ(Ms)に対応して予め設定された発進時トラニオン制御カーブ(Ts)に基づく前記トラニオン軸(46)の回動角度(θn)との差により補正値(εn)を算出し、前記補正値(εn)を適用した発進時トラニオン制御カーブ(Tsn)を演算し、次回以降の発進時に前記補正値(εn)を適用した発進時トラニオン制御カーブ(Tsn)に基づいて前記トラニオン軸(46)を回動制御する構成とした請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記制御部(C)は、前記エンジン(5)停止時には前記補正値(εn)をリセットする構成とした請求項2に記載の作業車両。
  4. 複数の発進時基準増速カーブ(Ms)を備え、副変速装置(8)の高低速切換によって対応する前記発進時基準増速カーブ(Ms)を選択する構成とした請求項1から請求項3のいずれか一に記載の作業車両。
  5. 発進時基準増速カーブ(Ms)に基づく制御中にブレーキペダル(16)を操作したときには、前記補正値(εn)をリセットする構成とした請求項1から請求項4のいずれか一に記載の作業車両。
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